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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】電子装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/438 20110101AFI20220705BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20220705BHJP
   H04N 21/462 20110101ALI20220705BHJP
   H04H 60/37 20080101ALI20220705BHJP
   H04H 20/93 20080101ALI20220705BHJP
   H04H 40/18 20080101ALI20220705BHJP
   H04H 20/95 20080101ALI20220705BHJP
   H04H 60/82 20080101ALI20220705BHJP
【FI】
H04N21/438
H04N21/442
H04N21/462
H04H60/37
H04H20/93
H04H40/18
H04H20/95
H04H60/82
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019547279
(86)(22)【出願日】2018-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 KR2018002809
(87)【国際公開番号】W WO2018169255
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2017-0032074
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】キム,テ-ス
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/007258(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B1/06
1/16
H04H20/00-20/46
20/51-20/86
20/91-40/27
40/90-60/98
H04L12/00-12/26
12/50-12/955
H04N7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、
第1プロトコルの第1放送信号及び該第1放送信号とは異なる方式で伝送される第2プロトコルの第2放送信号を受信する受信部と、
受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する信号処理部と、
前記処理されたコンテンツを表示するディスプレイ部と、
保存部と、
前記受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、前記受信された放送信号が前記第1放送信号であれば、前記第1放送信号に前記第1プロトコルに対応する前処理を行い、前記受信された放送信号が前記第2放送信号であれば、前記第2放送信号に前記第2プロトコルに対応する前処理を行い、前記受信された放送信号に対して単一方式のデコーディングを行うように前記信号処理部を制御する制御部と、を備え
前記第1プロトコルはMMTP(MPEG Media transport protocol)を含み、前記第2プロトコルはROUTE(Real time Object delivery over Unidirectional Transport)プロトコルを含み、
前記制御部は、
前記第2放送信号から前記コンテンツに関する再生情報と、前記コンテンツに対応する初期化セグメント及びメディアセグメントを抽出し、
前記抽出されたメディアセグメントを記憶部に記憶し、
前記抽出された再生情報に基づいて識別された再生時点に基づいて記憶されたメディアセグメントを前記記憶部から取得し、
前記抽出された初期化セグメントに基づいて取得されたメディアセグメントに対してデコーディングを行うように前記信号処理部を制御する、
電子装置。
【請求項2】
前記再生情報は、前記第2放送信号からのコンテンツデータの再生開始時点、前記コンテンツデータの総再生時間、前記コンテンツデータのインデックス情報、コーデック情報のうち少なくとも一つを含む、請求項に記載の電子装置。
【請求項3】
前記第2放送信号からのコンテンツデータは、初期化セグメント、メディアセグメント、インデックスセグメントを含む、請求項に記載の電子装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2放送信号にファイルが含まれた場合、前記ファイルを抽出して実行するように前記信号処理部を制御する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
外部サーバーからネットワークを介して伝送される第3放送信号を受信する通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記第3放送信号に含まれた再生情報に基づいて、前記外部サーバーに前記再生情報に対応するコンテンツを要請し、前記要請に対応して受信された前記コンテンツを処理するように前記信号処理部を制御する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
電子装置の制御方法であって、
第1プロトコルの第1放送信号及び該第1放送信号とは異なる方式で伝送される第2プロトコルの第2放送信号を受信する段階と、
受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する段階と、
前記処理されたコンテンツを表示する段階と、
を含み、
前記受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する段階は、
前記受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、前記受信された放送信号が前記第1放送信号であれば、前記第1放送信号に前記第1プロトコルに対応する前処理を行い、前記受信された放送信号が前記第2放送信号であれば、前記第2放送信号に前記第2プロトコルに対応する前処理を行う段階と、
記受信された放送信号に対して単一方式のデコーディングを行う段階とを含み、
前記第1プロトコルはMMTPを含み、前記第2プロトコルはROUTEプロトコルを含み、
前記第2放送信号に前記第2プロトコルに対応する前処理を行う段階は、
前記第2放送信号から前記コンテンツに関する再生情報と、前記コンテンツに対応する初期化セグメント及びメディアセグメントを抽出する段階と、
前記抽出されたメディアセグメントを記憶部に記憶する段階と、
前記抽出された再生情報に基づいて識別された再生時点に基づいて記憶されたメディアセグメントを前記記憶部から取得する段階と、
前記抽出された初期化セグメントに基づいて取得されたメディアセグメントに対してデコーディングを行う段階と、を含む、
電子装置の制御方法。
【請求項7】
前記再生情報は、前記第2放送信号からのコンテンツデータの再生開始時点、前記コンテンツデータの総再生時間、前記コンテンツデータのインデックス情報、コーデック情報のうち少なくとも一つを含む、請求項に記載の電子装置の制御方法。
【請求項8】
前記第2放送信号からのコンテンツデータは、初期化セグメント、メディアセグメント、インデックスセグメントを含む、請求項に記載の電子装置の制御方法。
【請求項9】
前記受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する段階は、前記第2放送信号にファイルが含まれた場合、前記ファイルを抽出して実行させる段階を含む、請求項に記載の電子装置の制御方法。
【請求項10】
外部サーバーからネットワークを介して伝送される第3放送信号を受信する段階と、
前記第3放送信号に含まれた再生情報に基づいて、前記外部サーバーに前記再生情報に対応するコンテンツを要請する段階と、
前記要請に対応して受信された前記コンテンツを処理する段階と、をさらに含む、請求項に記載の電子装置の制御方法。
【請求項11】
コンピューティング装置によって実行される時、前記コンピューティング装置に制御方法を実行させる一つ以上の命令を含むコンピュータプログラムを格納する非一時的コンピュータ読取り可能記録媒体あって、
前記制御方法は、
第1方式によって伝送される第1プロトコルの第1放送信号、及び前記第1方式と異なる第2方法によって伝送される第2プロトコルの第2放送信号を受信する段階と、
受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する段階と、
前記処理されたコンテンツを表示する段階と、を含み
前記処理する段階は、
前記受信された放送信号が前記第1放送信号である場合、前記受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、前記第1放送信号に前記第1プロトコルに対応する第1処理を行う段階と、
前記受信された放送信号が前記第2放送信号である場合、前記受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、前記第2放送信号に前記第2プロトコルに対応する第2処理を行う段階と、
記受信された放送信号に対して単一方式のデコーディングを行う段階とを含
前記第1プロトコルはMMTPを含み、前記第2プロトコルはROUTEプロトコルを含み、
前記第2放送信号に前記第2プロトコルに対応する前処理を行う段階は、
前記第2放送信号から前記コンテンツに関する再生情報と、前記コンテンツに対応する初期化セグメント及びメディアセグメントを抽出する段階と、
前記抽出されたメディアセグメントを記憶部に記憶する段階と、
前記抽出された再生情報に基づいて識別された再生時点に基づいて記憶されたメディアセグメントを前記記憶部から取得する段階と、
前記抽出された初期化セグメントに基づいて取得されたメディアセグメントに対してデコーディングを行う段階と、を含む、
非一時的コンピュータ読取り可能記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及びその制御方法に関し、特に、様々な方式で伝送される放送信号を受信し、コンテンツを提供する電子装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
TV、セットトップボックスのような放送信号を受信できる電子装置は、地上波などを送信できる放送局などから送出された放送信号のうち、ユーザの選択したいずれか一チャネルの放送信号を受信し、コンテンツを提供する。
【0003】
放送信号は放送局などの選択によって様々な方式で送出され、電子装置は、送出された方式に対応する方式で放送信号を受信する。
【0004】
放送信号の伝送方式のうち、最近に研究されているROUTE(Real time object delivery over Unidirectional Transport)プロトコルは、DASH(Dynamic Adaptive streaming over HTTP)再生機を使用するように工夫されている。DASH再生機は、サーバーに保存されているメディアデータを再生するためのストリーミング技術によって、サーバーから再生情報を受信し、再生情報を用いてコンテンツを要請し、受信したコンテンツを提供する。
【0005】
ROUTEプロトコルによって受信したデータをDASH再生機で再生するために、電子装置は内部にローカルHTTP(Hypertext Transfer Protocol)サーバーを備える必要がある。すなわち、放送信号に含まれたメディアデータと再生情報をローカルHTTPサーバーに保存し、DASH再生機が再生情報を用いてローカルHTTPサーバーに接続し、メディアデータをダウンロードして提供する過程が必須である。
【0006】
すなわち、不要な過程が追加され、オーバーヘッドが発生する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実施例は、上述した問題及び/又は欠点、及び上述していない他の欠点の少なくとも一つに対処する。なお、これらの実施例は、上述した欠点を必ずしも克服せず、また、上述した問題の全てを克服しなくてもよい。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためのものであり、受信した放送信号をさらに保存し、該放送信号に接近してダウンロードする不要な過程を省略することによって信号処理効率を向上させた電子装置及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための本発明の一実施例によれば、第1プロトコルの第1放送信号及び該第1放送信号とは異なる方式で伝送される第2プロトコルの第2放送信号を受信する受信部と、受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する信号処理部と、前記処理されたコンテンツを表示するディスプレイ部と、受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、前記受信された放送信号が前記第1放送信号であれば、前記第1放送信号に前記第1プロトコルに対応する前処理を行い、前記受信された放送信号が前記第2放送信号であれば、前記第2放送信号に前記第2プロトコルに対応する前処理を行い、前記受信された放送信号に含まれたコンテンツに関する再生情報に基づいて、前記受信された放送信号から抽出された前記コンテンツに対して単一方式のデコーディングを行うように信号処理部を制御する制御部と、を備える電子装置が提供される。これによって、電子装置の不必要な信号処理過程が省略され、信号処理効率が向上する。
【0010】
前記制御部は、前記第2放送信号からコンテンツデータ及び該コンテンツに関する再生情報を抽出し、前記再生情報から前記コンテンツデータの再生時点を抽出し、前記再生時点に基づいて前記コンテンツデータに対して前記デコーディングを行うように前記信号処理部を制御することができる。
【0011】
前記再生情報は、前記コンテンツデータの再生開始時点、前記コンテンツデータの総再生時間、前記コンテンツデータのインデックス情報、コーデック情報のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0012】
前記コンテンツデータは、初期化セグメント、メディアセグメント、インデックスセグメントを含むことができる。
【0013】
前記制御部は、前記第2放送信号にファイルが含まれた場合、前記ファイルを抽出して実行するように前記信号処理部を制御することができる。
【0014】
上記電子装置は、外部サーバーからネットワークを介して伝送される第3放送信号を受信する通信部をさらに備え、前記制御部は、前記第3放送信号に含まれた再生情報に基づいて、前記外部サーバーに前記再生情報に対応するコンテンツを要請し、前記要請に対応して受信された前記コンテンツを処理するように前記信号処理部を制御することができる。
【0015】
前記第1プロトコルはMMTP方式を含み、前記第2プロトコルはROUTE方式を含むことができる。
【0016】
上記の課題を解決するための本発明の一実施例によれば、第1プロトコルの第1放送信号及び該第1放送信号とは異なる方式で伝送される第2プロトコルの第2放送信号を受信する段階と、受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する段階と、前記処理されたコンテンツを表示する段階と、を含み、前記受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する段階は、受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、前記受信された放送信号が前記第1放送信号であれば、前記第1放送信号に前記第1プロトコルに対応する前処理を行い、前記受信された放送信号が前記第2放送信号であれば、前記第2放送信号に前記第2プロトコルに対応する前処理を行う段階と、前記受信された放送信号に含まれたコンテンツに関する再生情報に基づいて、前記受信された放送信号から抽出された前記コンテンツに対して単一方式のデコーディングを行う段階とを含む、電子装置の制御方法が提供される。これによって、電子装置の不必要な信号処理過程が省略され、信号処理効率が向上する。
【0017】
前記第2放送信号に前記第2プロトコルに対応する前処理を行う段階は、前記第2放送信号からコンテンツデータ及び該コンテンツに関する再生情報を抽出し、前記再生情報から前記コンテンツデータの再生時点を抽出する段階を含み、前記デコーディングを行う段階は、前記再生時点に基づいて、前記コンテンツデータに対して前記デコーディングを行う段階を含むことができる。
【0018】
前記再生情報は、前記コンテンツデータの再生開始時点、前記コンテンツデータの総再生時間、前記コンテンツデータのインデックス情報、コーデック情報のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0019】
前記コンテンツデータは、初期化セグメント、メディアセグメント、インデックスセグメントを含むことができる。
【0020】
前記受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する段階は、前記第2放送信号にファイルが含まれた場合、前記ファイルを抽出して実行させる段階を含むことができる。
【0021】
前記方法は、外部サーバーからネットワークを介して伝送される第3放送信号を受信する段階と、前記第3放送信号に含まれた再生情報に基づいて、前記外部サーバーに前記再生情報に対応するコンテンツを要請する段階と、前記要請に対応して受信された前記コンテンツを処理する段階とをさらに含むことができる。
【0022】
前記第1プロトコルはMMTP方式を含み、前記第2プロトコルはROUTE方式を含むことができる。
【0023】
上記の課題を解決するための本発明の一実施例によれば,コンピューティング装置によって実行される時、前記コンピューティング装置に制御方法を実行させる一つ以上の命令(instruction)を含むコンピュータプログラムを格納する非一時的(non-transitory)コンピュータ読取り可能記録媒体あって、前記制御方法は、第1方式によって伝送される第1プロトコルの第1放送信号、前記第1方式と異なる第2方法によって伝送される第2プロトコルの第2放送信号を受信する段階と、受信された放送信号に含まれたコンテンツを処理する段階と、前記処理されたコンテンツを表示する段階とを含む、非一時的コンピュータ読取り可能記録媒体が提供されている。前記処理する段階は、前記受信された放送信号が前記第1放送信号である場合、前記受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、前記第1放送信号に前記第1プロトコルに対応する第1処理を行う段階と、前記受信された放送信号が前記第2放送信号である場合、前記受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、前記第2放送信号に前記第2プロトコルに対応する第2処理を行う段階と、前記受信された放送信号に含まれた前記コンテンツに関する再生情報に基づいて、前記受信された放送信号から抽出された前記コンテンツに対して単一方式のデコーディングを行う段階とを含む。
【0024】
前記非一時的コンピュータ読取り可能記録媒体はサーバーに位置し、前記コンピュータプログラムはネットワーク上で前記コンピューティング装置にダウンロードされ得る。
【発明の効果】
【0025】
上記の通り、本発明によれば、受信した放送信号を不要な過程無しで処理し、コンテンツを提供することによって、信号処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施例に係る電子装置を示す図である。
図2】本発明の一実施例に係る電子装置のブロック図である。
図3】本発明の一実施例に係る信号処理部の放送信号処理過程を示す図である。
図4】本発明の一実施例による放送信号の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施例に係る第2前処理部の詳細な動作を示す図である。
図6】本発明の一実施例に係る電子装置の制御方法を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施例に係る第3放送信号の処理過程を示す図である。
図8】本発明の一実施例に係る第2放送信号に含まれたファイルの処理過程を示す図である。
図9】本発明の他の実施例に係る複数のデコーダを含む信号処理部の放送信号処理過程を示す図である。
図10】本発明の他の実施例に係る放送信号の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明に係る実施例に関して詳細に説明する。以下の実施例に関する説明では、添付の図面に記載された事項を参照するが、図面中、同一の参照番号又は符号は、実質的に同一の機能を有する構成要素を示す。
【0028】
万一、実施例において第1構成要素、第2構成要素などのように序数を含む用語があれば、特別に表現しない限り、これらの用語は単に様々な構成要素を説明するために使われる。これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使われるもので、構成要素の意味を限定するためのものではない。実施例で使用する用語は当該実施例を説明するために適用されるもので、本発明の思想を限定するものではない。
【0029】
構成要素項目の前にある「少なくとも一つ」といった表現は、当該項目の各構成要素を修飾するものではなく、全体の構成要素項目を修飾する。例えば、「a、b及びcの少なくとも一つ」の表現は、aのみ、bのみ、cのみ、a及びb、a及びc、b及びc、若しくはa、b及びcを含むものとして理解しなければならない。
【0030】
図1は、本発明の一実施例に係る電子装置を示す図である。本発明の一実施例に係る電子装置1はTVとすることができる。本発明の他の実施例として、電子装置1は、スマートフォン、タブレット、モバイルフォン、コンピュータ、マルチメディア再生機、電子額縁、デジタル広告看板、LFD、デジタルサイネージ、セットトップボックス、スマートウォッチ及びヘッドマウント型ディスプレイなどのウェアラブルデバイス、冷蔵庫など、ネットワーク信号を受信してコンテンツを提供できる装置としてもよいが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0031】
本実施例における電子装置1は、第1放送送信装置20から第1放送信号を受信する。第1放送信号は第1プロトコル方式で送出された地上波放送信号であり得る。電子装置1は、第2放送送信装置30から第2放送信号を受信する。第2放送信号は第2プロトコル方式で送出された地上波放送信号であり得る。電子装置1はまた、ネットワーク10を介して第3放送送信装置40から第3放送信号を受信する。第3放送送信装置40はネットワークサーバーであり得る。電子装置1と第3放送送信装置40との間のネットワーク10の一例にはインターネットがあるが、これに限定されるものではない。第1放送信号、第2放送信号及び第3放送信号(以下、総称して‘放送信号’という。)のそれぞれは、少なくとも一つのチャネルのコンテンツプロバイダー(第1コンテンツプロバイダー又は第2コンテンツプロバイダー)が提供するコンテンツを含む。コンテンツは、実時間で提供されるTV番組、ユーザの要請によって提供されるVODなどであり得るが、これに制限されるものではない。また、各放送信号はコンテンツの他にもコンテンツに関する再生情報を含むことができる。再生情報は、例えば、コンテンツの再生時点、コンテンツの再生時間、放送信号を受信するためのシグナリング情報、放送信号からコンテンツを抽出するために利用する情報、コンテンツの利用を案内するプログラムガイド情報などを含む。
【0032】
図1に示す各コンテンツプロバイダーの数は、1つ又は2つ以上であり得る。また、各コンテンツプロバイダーはある特定のコンテンツプロバイダーを指すものではなく、第1コンテンツプロバイダー及び第2コンテンツプロバイダーは同一でも異なってもよい。例えば、「放送局A」は、第1コンテンツプロバイダーとして「チャネルA」の第1放送信号又は第2放送信号でコンテンツを提供しながら、同時に第2コンテンツプロバイダーとして「チャネルB」の第3放送信号でコンテンツを提供することができる。すなわち、コンテンツプロバイダーは、異なる放送プロトコルで伝送される地上波放送信号である第1放送信号又は第2放送信号を選択してコンテンツを提供したり、ネットワーク10を介して伝送される第3放送信号でコンテンツを提供することができる。第1放送信号の第1プロトコルはMMTP(MPEG Media transport protocol)(図4の400参照)を含み、第2放送信号の第2プロトコルはROUTE(図4の401参照)を含む。
【0033】
従来技術によれば、ROUTEプロトコルで伝送された第2放送信号はDASH再生機によって再生される。DASH再生機の使用のために、従来技術による電子装置は内部にローカルHTTPサーバーを備える。従来技術による電子装置は、第2放送信号に含まれたコンテンツデータと再生情報をサーバーに保存する。DASH再生機は、HTTPサーバーのURL(uniform resource locator)及びコンテンツの再生時点に関する情報を用いてHTTPサーバーに接近しコンテンツを受信して再生するように構成される。
【0034】
しかしながら、かかる従来技術による第2放送信号の処理方式は、サーバーに保存し、サーバーからダウンロードして再生する不要な処理過程が必然的に行われる。そこで、本発明の一実施例に係る電子装置は、従来技術の問題点を解決するためにDASH再生機を使用せず、第2放送信号を処理して第2放送信号に含まれたコンテンツをより効率的に提供する。
【0035】
図2は、本発明の一実施例に係る電子装置のブロック図である。本発明の一実施例に係る電子装置1は、受信部200、信号処理部201、ディスプレイ部203及び制御部207を備える。本発明の一実施例に係る電子装置1は、通信部205及び保存部209の少なくとも一つをさらに備えることができる。図2に示す本発明の一実施例に係る電子装置1は、図2に示す構成以外の構成が付加されてもよく、図2に示す構成のいずれか一つが省かれてもよい。
【0036】
受信部200は、第1放送送信装置20から送出された第1放送信号又は第2放送送信装置30から送出された第2放送信号を受信する。受信部200は、第1放送信号又は第2放送信号を受信するためのチューナー(tuner)を備えることができる。チューナーは、複数の第1放送信号のチャネル又は第2放送信号のチャネルのうち、ユーザによって選択されたチャネルをチューニングして受信することができる。受信部200は、第1放送信号を受信するための第1チューナーと第2放送信号を受信するための第2チューナーを備えてもよい。電子装置1が第1放送信号を受信するか或いは第2放送信号を受信すかは、受信された放送信号のプロトコル情報によって決定される。本実施例の第1放送信号と第2放送信号は、例えばATSC(Advanced Television Systems Committee)3.0規格に従うブロードキャスト信号であり得る。ただし、本発明の一実施例に係る第1放送信号の規格はこれに限定されない。他の例として、受信部200は、第1放送信号又は第2放送信号を受信するための放送信号受信装置から放送信号が伝達される形態で放送信号を受信してもよい。一例として、放送信号受信装置は電子装置1の外部に設けられ、受信部200に接続されてもよい。放送信号受信装置は、第1放送信号又は第2放送信号を受信し、受信した放送信号を受信部200に伝達することができる。この場合、放送信号受信装置はUSBドングルの形態とし、受信部200は、放送信号受信装置が接続されるUSBコネクターとすることができる。受信部200はまた、受信した放送信号のプロトコルに関するプロトコル情報を制御部207に伝達する。
【0037】
通信部205はネットワーク10に接続可能であり、第3放送送信装置40から第3放送信号を受信する。通信部205は、制御部207の制御に応じて、ユーザによって選択されたチャネルの第3放送信号を受信する。通信部205は様々な規格に対応する少なくとも一つのコネクター又は端子を有する。通信部205は、ネットワーク10に接続するために、LAN(local area network)のような環境の有線ネットワーク通信を行うことができる。または、通信部205は、ネットワーク10との接続を行うために、Wi-fi、UWM(Ultra-wide band)などの無線ネットワーク通信を行うことができる。通信部205はその他にも外部装置と無線通信を行うためにRF(radio frequency)信号を送受信するRF回路を有することができ、NFC(Near Field Communication)、Wireless USBのうち少なくとも一つの通信を行うことができる。第3放送信号はATSC規格(標準)3.0に従うブロードバンド信号であり得る。ただし、本発明の一実施例に係る第3放送信号の規格はこれに限定されるものではない。
【0038】
ユーザ入力部はユーザ入力を受信して制御部207に伝達する。ユーザ入力部は、ユーザ入力の方式に応じて様々な形態で具現することができ、例えば、電子装置1の外側に設置されたメニューボタン、リモートコントローラから受信されるユーザ入力のリモコン信号を受信するリモコン信号受信部、ディスプレイ部203に設けられてユーザのタッチ入力を感知するタッチスクリーン、ユーザのジェスチャー入力を感知するカメラ、ユーザの音声入力を認識するマイク、ユーザの動き又は位置を感知するセンサーなどとすることができる。ユーザ入力は、複数の放送信号のチャネルからいずれか一つを選択するチャネル選択命令を含む。
【0039】
保存部209は、電子装置1の様々なデータを保存するように構成される。保存部209は、フラッシュメモリ(flash memory)、EPROM又はEEPROM、ハードディスクドライバーなどのような非揮発性メモリによって具現することができる。第2放送信号がファイルを含む場合、保存部209は、信号処理部201で抽出した第2放送信号のファイルを保存することができる。
【0040】
信号処理部201は、制御部207の制御によって、受信部200及び/又は通信部205で受信した放送信号に対して信号処理を行い、信号処理した信号をディスプレイ部203に出力することによって、ディスプレイ部203に出力映像を表示させる。信号処理部201が行う信号処理プロセスは、例えば、放送信号からコンテンツ信号、サービス情報などの抽出、抽出されたコンテンツ信号を映像、オーディオ付加データの各下位ストリームに区分するデマルチプレクシンク(demultiplexing)、インターレース(interlace)方式の映像信号をプログレッシブ(progressive)方式の映像信号に変換するデインターレーシング(de-interlacing)、映像信号の解像度を調整するスケーリング(scaling)、映像画質改善のためのノイズ減少(noise reduction)、ディテール強化(detail enhancement)、フレームリフレッシュレート(frame refresh rate)変換などを含むことができる。信号処理部201は、上記の信号処理プロセスを行うための少なくとも一つのプログラムを実行する少なくとも一つのプロセッサとすることができる。
【0041】
本発明の一実施例に係る信号処理部201は、放送信号に含まれたコンテンツと再生情報を抽出し、再生情報に基づいてコンテンツをデコードするように構成される。コンテンツと再生情報の抽出は、放送信号のプロトコルに対応する前処理として行われ、プロトコルに関係なくコンテンツは単一方式のデコーディングが行われ得る。
【0042】
他の例として、信号処理部201は、放送信号のプロトコルに対応する前処理とプロトコルに対応するデコーディングを放送信号に対して行ってコンテンツを抽出するように構成されてもよい。
【0043】
制御部207は、電子装置1の諸般動作が動作するために必要な制御を行う。制御部207は、それらの制御動作を行うように制御するための制御プログラムと、制御プログラムが設置される非揮発性のメモリ、設置された制御プログラムの少なくとも一部がロードされる揮発性のメモリ、及びロードされた制御プログラムを実行する少なくとも一つのマイクロプロセッサ(以下、‘プロセッサ’ともいう。)或いはCPU(central processing unit)を含むことができる。制御プログラムは、BIOS、デバイスドライバー、運営体系、ファームウェア、プラットホーム及び応用プログラム(アプリケーション)のうち少なくとも一つの形態で具現されるプログラムを含むことができる。一実施例として、応用プログラムは、電子装置1の製造にあたって電子装置1にあらかじめ設置又は格納されてもよく、或いは将来使用時に、外部から応用プログラムのデータを受信し、受信したデータに基づいて電子装置1に設置されてもよい。応用プログラムのデータは、例えば、アプリケーションマーケットのような外部サーバーから電子装置1にダウンロードされてもよい。信号処理部201及び制御部207はそれぞれ別個のプロセッサによって具現されてもよく、或いは両構成を統合した単一のプロセッサによって具現されてもよい。または、制御部207に該当するプロセッサが信号処理部201の少なくとも一部の機能を行ってもよく、或いはその逆も可能である。
【0044】
制御部207は、受信部200から伝達される放送信号のプロトコル情報に基づいて、受信される放送信号が第1プロトコルの第1放送信号か第2プロトコルの第2放送信号かを決定する。制御部207は、受信した放送信号が第1放送信号であれば、第1放送信号に第1プロトコルに対応する前処理を行い、受信した放送信号が第2放送信号であれば、第2放送信号に第2プロトコルに対応する前処理を行うように信号処理部201を制御する。続いて、放送信号に含まれたコンテンツに対して放送信号から抽出された再生情報に基づいてデコーディングを行うように信号処理部201を制御する。
【0045】
本発明によれば、電子装置1は、第1放送信号だけでなく、第2放送信号も同一の方式で処理する。このため、電子装置1の内部にローカルHTTPサーバーを用意する必要がなく、サーバーにコンテンツを保存し、再生情報を用いてダウンロードして再生するという面倒で非効率的な過程を省略することができ、信号処理の効率が向上する。
【0046】
図3は、本発明の一実施例に係る信号処理部の放送信号処理過程を示す図である。
【0047】
受信部200は、受信した放送信号のプロトコル情報を制御部207に伝達する。制御部207はプロトコル情報に基づいて、受信した放送信号が第1放送信号か第2放送信号か判断する。続いて、制御部207は、判断に基づいて、判断されたプロトコルに対応する処理を行うように信号処理部201を制御する。
【0048】
信号処理部201は、制御部207の制御によって、受信した放送信号に第1プロトコルに対応する前処理を行ったり、第2プロトコルに対応する前処理を行い、前処理した放送信号のコンテンツにデコーディングを行って出力する。そのために信号処理部201は第1前処理部300、第2前処理部301及びデコーダ303を備えることができる。
【0049】
第1前処理部300及び第2前処理部301はそれぞれ、対応するプロトコルの放送信号からコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツをデコーダ303に伝達する。デコーダ303は、各前処理部300,301で抽出されたコンテンツを形式に合わせてデコードしてディスプレイ部203に伝達する。本実施例においてデコーダ303は、放送信号のプロトコルに関係なく単一のデコーディングを行う。
【0050】
本発明の他の実施例によれば、放送信号にそれぞれ対応する複数のデコーダ303が設けられてもよい。これについては後述する。
【0051】
図4は、本発明の一実施例に係る放送信号の構成を示すブロック図である。本発明の一実施例に係る放送信号は、例えば、ATSC3.0規格に従うことができる。本発明の一実施例に係る第1放送信号と第2放送信号はブロードキャスト信号であり、第1放送信号はMMTPプロトコル400に対応し、第2放送信号はROUTEプロトコル401に対応する。第3放送信号はブロードバンド信号であり、HTTPプロトコルに対応する。
【0052】
第1放送信号と第2放送信号を受信するための情報はSLT(service list table)に含まれる。SLTは、第2放送信号の再生情報であるMPD(Media presentation description)を含むことができる。MPDは、コンテンツ再生時点、コンテンツ再生時間、コンテンツインデックス情報及びコーデック情報などを含むことができる。信号処理部201は、第2放送信号のMPDからコンテンツの再生時間に関する情報を抽出する。
【0053】
信号処理部201は、第1放送信号が受信される場合、第1放送信号に第1プロトコルに対応する前処理を行って、コンテンツを含むMPU(Media processing unit)407を抽出する。第1放送信号のMPU407はコンテンツの再生時間に関する情報を含むことができる。信号処理部201は、第2放送信号が受信される場合、第2放送信号に第2プロトコルに対応する前処理を行って、コンテンツを含むセグメント409を抽出する。次いで、信号処理部201はMPU407又はセグメント409にデコーディングを行い、デコードされたコンテンツをディスプレイ部203に伝達する。信号処理部201は、MPU407又はセグメント409に対して、各放送信号のプロトコルに対応して得られたコンテンツの再生情報に基づいてデコーディングを行うことができる。
【0054】
第2放送信号のセグメント409は、ISOBMFF(ISO base media file format)であり、ftypボックスとmoovボックスが含まれたinitセグメント、及びメディアデータが含まれたメディアセグメントを含む。initセグメントは常に一定のインデックス値を有し、メディアセグメントはインデックス値が1ずつ増加する。initセグメントとメディアセグメントとが合わせられてこそ再生可能なコンテンツとなる。
【0055】
図4に示すように、受信された第1放送信号と第2放送信号はいずれも同一のデコーダ411で単一デコーディング方式によってデコードされ得る。デコードされたコンテンツはディスプレイ部203から提供される。
【0056】
図5は、本発明の一実施例に係る第2前処理部の詳細な動作を示す図である。第2前処理部301は、パーシング部500、メディアデータ処理部501、再生情報処理部503及びバッファ505を備えることができる。同図は本発明の一実施例に係る第2前処理部301の構成を限定するためのものではない。同図の第2前処理部301の各構成要素は省略されてもよく、図示していない構成が付加されてもよい。
【0057】
パーシング部500は、第2放送信号に含まれたメディアデータとシグナリングデータを抽出して提供する。メディアデータ処理部501は、伝達されてきたメディアデータからメディアセグメントとinitセグメントを抽出し、メディアセグメントをバッファ505に伝達する。
【0058】
再生情報処理部503は、シグナリングデータ及びメディアデータから再生情報を抽出し、再生情報に基づいてコンテンツの再生時点に関する情報を抽出する。再生情報処理部503は、抽出された再生時点に関する情報をバッファ505に伝達する。
【0059】
バッファ505は、再生時点に関する情報を用いて、再生されるべき時点のメディアセグメントをデコーダ303に伝達する。
【0060】
すなわち、本発明によれば、MPD(Media Presentation Description)を用いて、HTTPサーバーにコンテンツを要請しなくても、受信した放送信号からコンテンツ及び再生時点を抽出し、コンテンツを再生時点に合わせて提供することができ、よって、メディアデータ及び再生情報をサーバーに保存し、サーバーに接近してコンテンツをダウンロードするといった不要な段階を省略することができる。
【0061】
図6は、本発明の一実施例に係る電子装置の制御方法を示すフローチャートである。まず、動作S600において、受信部200は、第1プロトコルの第1放送信号又は該第1放送信号とは異なる方式で伝送される第2プロトコルの第2放送信号を受信する。次いで、動作S601において、制御部207は、受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、当該受信された放送信号が第1放送信号か第2放送信号かを判断する。制御部207の判断に基づいて、受信された放送信号が第1放送信号であれば、動作S602において、信号処理部201は制御部207の制御に基づいて、受信された第1放送信号に第1プロトコルに対応する前処理を行う。受信された放送信号が第2放送信号であれば、動作S603において、信号処理部201は制御部207の制御に基づいて、受信された第2放送信号に第2プロトコルに対応する前処理を行う。最後に、動作S604において、信号処理部201は制御部207の制御に応じて、放送信号に含まれたコンテンツの再生情報に基づいて前処理して抽出されたコンテンツに対して単一方式のデコーディングを行う。
【0062】
図7は、本発明の一実施例に係る第3放送信号の処理過程を示す図である。
【0063】
第3放送信号はブロードバンド信号であり、HTTPプロトコルで伝送できるということを上述した。第3放送送信装置40は、ネットワーク10を介して第3放送信号を送信でき、電子装置1は、第3放送信号を受信するために通信部205を備える。第3放送信号は、DSL(Digital Subscriber Line)、光通信、ケーブル、セルラー、無線ネットワーク及び衛星などによって伝送することができる。本発明の一実施例によってブロードバンドを介した第3放送信号は、コンテンツとコンテンツの再生情報を含む。第3放送信号の送受信は、実際のコンテンツを含む伝送パケットの送受信と、コンテンツの再生情報の送受信とに分けられる。電子装置1は、コンテンツの再生情報を受信し、コンテンツを含む伝送パケットを受信する。コンテンツの再生情報はコンテンツの再生のために必要な情報であり、コンテンツ再生のために必要な空間情報及び時間情報の少なくとも一つを含む。コンテンツの再生情報は、コンテンツを含む伝送パケットを受信するために必要なシグナリング情報も含む。再生情報は、伝送パケットを受信できるサーバーのURLアドレスを含んでもよい。電子装置1はコンテンツの再生情報に基づいてコンテンツを受信し、再生する。
【0064】
第3放送信号の一例として、電子装置1は、第3放送送信装置40であるサーバーから通信部205を介して再生情報であるMPDを受信する。図7にはMPDとコンテンツを伝送するサーバーがいずれも第3放送送信装置40であるとしているが、これに限定されない。MPDを伝送するサーバーとコンテンツを伝送するコンテンツサーバーとが異なってもよい。
【0065】
電子装置1は、受信されたMPDに基づいて第3放送送信装置40にコンテンツを要請する。電子装置1は要請に対応してコンテンツを含む伝送パケットを受信する。次いで、制御部207は、MPDに基づいてコンテンツを処理し再生するように信号処理部201及びディスプレイ部203を制御する。コンテンツの再生のために電子装置1はDASHクライアントを備えることができる。
【0066】
図8は、本発明の一実施例に係る第2放送信号に含まれたファイルの処理過程を示す図である。
【0067】
第2放送信号は、NRT(non-real time)ファイルを含むことができる。NRTファイルは、メディアデータと同様に、UDP、IPレイヤを経てカプセル化して伝送される。制御部207は、受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、受信された放送信号が第2放送信号か否かを判断し、シグナリング情報に基づいて、第2放送信号に含まれたコンテンツがNRTファイルか否かを判断する。
【0068】
制御部207は、第2放送信号に含まれたコンテンツが実時間メディアコンテンツである場合、前述したように再生時点情報を抽出し、メディアセグメントを抽出し、再生時点情報に基づいてメディアセグメントをデコードして再生するように動作する。
【0069】
制御部207は、第2放送信号に含まれたコンテンツがNRTファイルである場合、含まれたファイルを抽出し、実行し、実行に基づいてコンテンツをディスプレイ部203に表示したり、保存部209に保存するよう、信号処理部201を制御する。
【0070】
図9は、本発明の他の実施例に係る複数のデコーダを含む信号処理部の放送信号処理過程を示す図であり、図10は、本発明の他の実施例に係る放送信号の構成を示すブロック図である。
【0071】
制御部207は、受信された放送信号のプロトコル情報に基づいて、受信部200から受信された放送信号が第1放送信号か第2放送信号かを判断する。次いで、判断に基づいて各放送信号のプロトコルに対応する前処理を行うように信号処理部201を制御する。
【0072】
信号処理部201は、制御部207の制御に基づいて、受信された放送信号に第1前処理又は第2前処理を行う。このために、信号処理部201は第1前処理部900と第2前処理部901を備える。
【0073】
受信された放送信号が第1放送信号の場合、第1放送信号は第1前処理部900で前処理される。次に、第1放送信号のコンテンツは第1デコーダ903でデコードされ、ディスプレイ部203に伝達される。
【0074】
受信された放送信号が第2放送信号の場合、第2放送信号は第2前処理部901で前処理される。第2前処理部901は、第2放送信号からメディアデータとシグナリングデータを抽出するパーシング部500、メディアデータを処理してメディアセグメントを抽出しバッファ505に伝達するメディアデータ処理部501、シグナリングデータの再生情報に基づいてコンテンツの再生時点を抽出してバッファ505に伝達する再生情報処理部503、及び再生時点に基づいてメディアセグメントを第2デコーダ905に伝達するバッファ505を備える。第2デコーダ905は、第2前処理部901のバッファ505からメディアセグメントを受信してデコーディングを行い、デコードされた第2放送信号のコンテンツをディスプレイ部203に伝達する。
【0075】
図10は、各放送信号がプロトコルに対応するデコーダ1000,1001によってデコードされ得ることを示す放送信号のブロック図である。
【0076】
以上、例示の図面を参照して本発明の実施例を説明してきたが、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を外れることなく他の具体的な形態で実施され得ることが理解できよう。したがって、以上に記述した実施例はいずれの面においても例示的なものであり、限定的でないものと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10