IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サーフ ペイシェント アイデンティフィケーション スウェーデン エービーの特許一覧

特許7100058第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法
<>
  • 特許-第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法 図1
  • 特許-第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法 図2
  • 特許-第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法 図3
  • 特許-第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法 図4
  • 特許-第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法 図5
  • 特許-第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法 図6
  • 特許-第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法 図7
  • 特許-第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20220705BHJP
【FI】
G06F21/32
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019555118
(86)(22)【出願日】2018-04-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 SE2018050351
(87)【国際公開番号】W WO2018186793
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】1750421-8
(32)【優先日】2017-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】519358128
【氏名又は名称】サーフ ペイシェント アイデンティフィケーション スウェーデン エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スカルプ、ロルフ エム
(72)【発明者】
【氏名】スベンソン、スティグ - アルネ
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-180865(JP,A)
【文献】特開2009-175815(JP,A)
【文献】特開2007-172176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1(2)又は第2の部類(3)の人間の生体認証のためのコンピュータ・システム(1)により実行される方法であって、前記コンピュータ・システム(1)は、データベースを備え、該データベースは、前記第1の部類(2)の第1の人間(6)の記憶される一意的な識別子(4)及び指紋データ(5)、並びに、前記第2の部類(3)の第2の人間(9)の記憶される一意的な識別子(7)及び指紋データ(8)を備え、前記方法は、
前記第1の人間(6)の前記一意的な識別子(4)を、コンピュータ(11)のユーザ・インターフェイス(10)において受信するステップと、
前記第2の人間(9)の前記一意的な識別子(7)を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)において受信するステップと、
第1の指紋データ(12)を、前記コンピュータ(11)の指紋リーダ(13)において取得するステップであって、前記第1の指紋データ(12)は、前記第1の人間(6)のものであるとされている、取得するステップと、
第2の指紋データ(14)を、前記コンピュータ(11)の前記指紋リーダ(13)において取得するステップであって、前記第2の指紋データ(14)は、前記第2の人間(9)のものであるとされている、取得するステップと、
前記第1の指紋データ(12)を取得する前記ステップが、前記第2の指紋データ(14)を取得する前記ステップから、第1の所定の時間間隔(17)の中で遂行される場合、
取得された前記第1の指紋データ(12)を、前記第1の人間(6)の記憶される前記指紋データ(5)と比較するステップと、
取得された前記第2の指紋データ(14)を、前記第2の人間(9)の記憶される前記指紋データ(8)と比較するステップと、
前記第1の人間(6)の記憶される前記指紋データ(5)と比較される前記第1の指紋データ(12)、及び、前記第2の人間(9)の記憶される前記指紋データ(8)と比較される前記第2の指紋データ(14)の両方に対して、一致が確認されるときに、肯定的指示(15)を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)上で提供するステップと
を含み、
前記第1の人間(6)の記憶される前記指紋データ(5)と比較される前記第1の指紋データ(12)に対する、確認された一致に応答して、
確認された前記第1の人間(6)の画像(16)を、前記一致が確認された後の第2の所定の時間間隔(18)の中で捕捉するステップと、
捕捉された前記画像(16)を、前記第1の人間(6)の記憶される前記一意的な識別子(4)、及び、記憶される指紋データ(5)と関連して、並びに、捕捉する前記ステップの時間(19)及び日付(20)と関連して記憶するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記第1の人間(6)の記憶される前記指紋データ(5)と比較される前記第1の指紋データ(12)、及び、前記第2の人間(9)の記憶される前記指紋データ(8)と比較される前記第2の指紋データ(14)の両方に対する、確認された一致に応答して、前記方法は、
前記コンピュータ・システム(1)に通信可能に接続されるデバイス(21)を、ロック解除及び/又はロックすることを、
前記デバイス(21)にロック解除信号(22)を送出すること
により行うステップ
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の部類(2)の前記第1の人間(6)の記憶される一意的な識別子(4)及び指紋データ(5)への前記コンピュータ・システムのアクセスを達成するために、前記方法は、
前記第1の人間(6)の一意的な識別子(4)を追加するための指示を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)において受信するステップと、
前記第1の人間(6)の前記一意的な識別子(4)を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)において受信するステップと、
前記第1の人間(6)の前記一意的な識別子(4)を記憶するステップと、
前記第1の人間(6)の指紋データ(5)を追加するための指示を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)において受信するステップと、
前記第1の人間(6)の前記指紋データ(5)を、前記コンピュータ(11)の前記指紋リーダ(13)において取得するステップと、
前記第1の人間(6)の前記指紋データ(5)を、前記第1の人間(6)の記憶される前記一意的な識別子(4)と関連して、並びに、取得する前記ステップの時間(19)及び日付(20)と関連して記憶するステップと
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の部類(3)の前記第2の人間(9)の記憶される一意的な識別子(7)及び指紋データ(8)への前記コンピュータ・システムのアクセスを達成するために、前記方法は、
前記第2の人間(9)の一意的な識別子(7)を追加するための指示を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)において受信するステップと、
前記第2の人間(9)の前記一意的な識別子(7)を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)において受信するステップと、
前記第2の人間(9)の前記一意的な識別子(7)を記憶するステップと、
前記第2の人間(9)の指紋データ(8)を追加するための指示を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)において受信するステップと、
前記第2の人間(9)の前記指紋データ(8)を、前記コンピュータ(11)の前記指紋リーダ(13)において取得するステップと、
前記第2の人間(9)の前記指紋データ(8)を、前記第2の人間(9)の記憶される前記一意的な識別子(7)と関連して、並びに、取得する前記ステップの時間(19)及び日付(20)と関連して記憶するステップと
を含む、請求項1からまでのいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1の人間(6)の記憶される前記指紋データ(5)と比較される前記第1の指紋データ(12)、及び、前記第2の人間(9)の記憶される前記指紋データ(8)と比較される前記第2の指紋データ(14)の任意のものに対して、一致が確認されないときに応答して、前記方法は、
否定的指示(25)を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)上で提供するステップ
を含む、請求項1からまでのいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記肯定的指示(15)又は否定的指示(25)が提供されたときに、前記方法は、
前記肯定的指示(15)又は前記否定的指示(25)を、前記第1(6)及び前記第2の人間(9)の、記憶される前記一意的な識別子(4、7)、及び、記憶される前記指紋データ(5、8)と関連して、並びに、比較する前記ステップの時間(19)及び日付(20)と関連して記憶するステップ
を含む、請求項1からまでのいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第1(2)又は第2の部類(3)の人間の生体認証のためのコンピュータ・システム(1)であって、前記第1の部類(2)の第1の人間(6)の記憶される一意的な識別子(4)及び指紋データ(5)、並びに、前記第2の部類(3)の第2の人間(9)の記憶される一意的な識別子(7)及び指紋データ(8)へのアクセスを有し、
前記第1の人間(6)の前記一意的な識別子(4)を、コンピュータ(11)のユーザ・インターフェイス(10)において受信することと、
前記第2の人間(9)の前記一意的な識別子(7)を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)において受信することと、
第1の指紋データ(12)を、前記コンピュータ(11)の指紋リーダ(13)において取得することであって、前記第1の指紋データ(12)は、前記第1の人間(6)のものであるとされている、取得することと、
第2の指紋データ(14)を、前記コンピュータ(11)の前記指紋リーダ(13)において取得することであって、前記第2の指紋データ(14)は、前記第2の人間(9)のものであるとされている、取得することと、
前記第1の指紋データ(12)を前記取得することが、前記第2の指紋データ(14)を前記取得することから、第1の所定の時間間隔(17)の中で遂行される場合、
取得された前記第1の指紋データ(12)を、前記第1の人間(6)の記憶される前記指紋データ(5)と比較することと、
取得された前記第2の指紋データ(14)を、前記第2の人間(9)の記憶される前記指紋データ(8)と比較することと、
前記第1の人間(6)の記憶される前記指紋データ(5)と比較される前記第1の指紋データ(12)、及び、前記第2の人間(9)の記憶される前記指紋データ(8)と比較される前記第2の指紋データ(14)の両方に対して、一致が確認されるときに、肯定的指示(15)を、前記コンピュータ(11)の前記ユーザ・インターフェイス(10)上で提供することと
前記第1の人間(6)の記憶される前記指紋データ(5)と比較される前記第1の指紋データ(12)に対する、確認された一致に応答して、
確認された前記第1の人間(6)の画像(16)を、前記一致が確認された後の第2の所定の時間間隔(18)の中で捕捉することと、
捕捉された前記画像(16)を、前記第1の人間(6)の記憶される前記一意的な識別子(4)、及び、記憶される指紋データ(5)と関連して、並びに、捕捉する前記ステップの時間(19)及び日付(20)と関連して記憶することと
を行うように配置構成される、コンピュータ・システム(1)。
【請求項8】
請求項に記載のコンピュータ・システム上で実行されるときに、前記コンピュータ・システムに、請求項1からまでのいずれかに記載の対応する方法を実行させる、コンピュータ可読コード手段を含むコンピュータ・プログラム。
【請求項9】
請求項に記載のコンピュータ・プログラムを記憶したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体認証システムの第1世代が、ここ10年間において世界市場で導入されてきた。これらのシステムは、主として、特定の地理的場所における認証のために開発されてきた。最近では、ラップトップ及びスマートフォンを含む、一部のモバイル・コンピュータ・システムがまた、ハードウェア内に含まれる生体認証デバイスを有するようになった。
【0003】
医師対患者、又は、歯科医対患者、又は、試験者/教師対学生、又は、小包/封筒の配達人対受取人などの、人々の異なる部類に属する少なくとも2人の人間の認証は、近い将来において、例えば、事業活動、ヘルス・ケア・システム、及び教育システムの、重要な特徴になるであろう。
【0004】
例えば、患者の検査が行われたとされているが、実際にはそのような検査は行われていないという、ヘルス・ケア及び歯科部門における保険詐欺に起因して、比較的大きい額の金銭が毎年失われている。このタイプの詐欺は、民間の、及び/又は、税金を資金とする、ヘルス・ケア及び歯科システムへの、さらなる経済的負担を引き起こす。
【0005】
試験において署名して入場する受験者が、実際には当の学生ではなかったという事件が明らかにされている。このタイプの詐欺は、奨学金制度の認識、及び、総体的な信用を傷付けるものである。
【0006】
実際には真実でない、真の名宛人であると主張している小包及び封筒の受取人は、私的及び商業的な経済的損失、並びに、商業的活動におけるさらなる混乱を引き起こすことがある。
【0007】
所定の時間においての、1つの地理的位置における、人々の異なる部類に属する少なくとも2人の人間の認証をサポートする、上市されている生体認証システムは存在しない。現在のハードウェア及びソフトウェアは、一度に1人の個人を認証するように開発されている。これらのシステムは、上記の説明された状況における詐欺の問題を完全に解決するとは限らない。ヘルス・ケア及び歯科部門内の一部の要員は、検査が遂行されたということを、このことが正しくないとしても、例えば生体認証により確認することがある。例えば、この行為を誘発するための経済的理由が存在することがある。当の検査に対する日付及び時間においての、1つの地理的位置における、患者及び医療要員の両方の生体認証を提供しなければならないことが、詐欺の危険性を大きく減少させる。
【0008】
指紋を比較することによる生体認証は、十分に証明されている技法である。さらにまた、上市されて利用可能な相当数の異なる電子指紋リーダが存在する。
【0009】
それゆえに、所定の時間においての、1つの地理的位置における、少なくとも第1及び第2の部類の人間の生体認証のためのシステムを完成することが望ましい。さらにまた、システムは、指紋データの、何らかのタイプの比較技法を使用すべきである。さらには、説明される技術をサポートする解決策において実現される追加的なセキュリティ特徴が存在すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、かくして、指紋データの、何らかのタイプの比較技法を使用し、解決策において実現される追加的なセキュリティ特徴を有する、所定の時間においての、1つの地理的位置における、第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法を完成することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの態様によれば、本発明は、第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法に関わる。そこにおいて、コンピュータ・システムは、データベースを備え、データベースは、第1の部類の第1の人間の記憶される一意的な識別子及び指紋データ、並びに、第2の部類の第2の人間の記憶される一意的な識別子及び指紋データを備える。第1の人間の一意的な識別子を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信するステップと、第2の人間の一意的な識別子を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信するステップと、第1の指紋データを、コンピュータの指紋リーダにおいて取得するステップとを含む方法。第1の指紋データは第1の人間のものであるとされており、第2の指紋データを、コンピュータの指紋リーダにおいて取得する。第2の指紋データは第2の人間のものであるとされており、第1の指紋データの取得することが、第2の指紋データの取得することから、第1の所定の時間間隔の中で遂行されるならば、取得された第1の指紋データを、第1の人間の記憶される指紋データと比較し、取得された第2の指紋データを、第2の人間の記憶される指紋データと比較し、第1の人間の記憶される指紋データと比較される第1の指紋データ、及び、第2の人間の記憶される指紋データと比較される第2の指紋データの両方に対して、一致が確認されるときに、肯定的指示を、コンピュータのユーザ・インターフェイス上で提供する。
【0012】
所定の時間において、1つの地理的位置において、生体認証が検証されるために、掛かり合いのある2つの異なる部類の2人の人間が、常に、短時間の中で存在しなければならないという事実は、説明される方法、及び、発生する社会的制御が、コンピュータ/制御システムの詐欺/改ざんの危険性を劇的に減少させるということを示唆する。このことは、全体として、組織及び/又は社会における潜在的な財務的損失の危険性を減少させる。
【0013】
上記の方法は、異なる任意選択の実施例によって構成され得る。例えば、そこにおいて、第1の人間の記憶される指紋データと比較される第1の指紋データに対する、確認された一致に応答して、方法は、確認された第1の人間の画像を、一致が確認された後の第2の所定の時間間隔の中で捕捉し、捕捉された画像を、第1の人間の記憶される一意的な識別子、及び、記憶される指紋データと関連して、並びに、場合によってはさらに、捕捉することの時間及び日付と関連して記憶し得る。
【0014】
確認された第1の人間の画像を捕捉することは、コンピュータ・システムの所有者に、確認された第1の人間のアイデンティティを確認するさらなる可能性を提供することになる。そのことは、さらには、潜在的な詐欺師が、他の誰かとして受け付けられる/確認されることを試みないことになるという可能性を高める。
【0015】
捕捉された画像を、記憶される他の個人データと関連して、並びに、場合によってはさらに、捕捉することの時間及び日付と関連して記憶することは、コンピュータ・システムの所有者に、事象が発生したということを再確認する、プロセスにおける後程の可能性を提供することになる。
【0016】
本発明の実施例によれば、そこにおいて、第1の人間の記憶される指紋データと比較される第1の指紋データ、及び、第2の人間の記憶される指紋データと比較される第2の指紋データの両方に対する、確認された一致に応答して、方法は、コンピュータ・システムに通信可能に接続されるデバイスを、ロック解除及び/又はロックすることを、そのデバイスにロック解除信号を送出することにより行うステップを含み得る。
【0017】
コンピュータ・システムに通信可能に接続されるデバイスを、ロック解除/ロックすることを、そのデバイスにロック解除信号を送出することにより行う可能性を与えることは、例えば、所定の医療/歯科処置のための医療/歯科デバイスをロック解除/ロックすること、ドア/ゲートを、少なくとも2人の人間からの生体的認証に基づいてロック解除/ロックすること、所定の処置のための他の技術的デバイスをロック解除/ロックすることを行う可能性を与えることになる。
【0018】
本発明の実施例によれば、そこにおいて、第1の部類の第1の人間の記憶される一意的な識別子及び指紋データへのコンピュータ・システムのアクセスを達成するために、方法は、第1の人間の一意的な識別子を追加するための指示を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信するステップと、第1の人間の一意的な識別子を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信するステップと、第1の人間の一意的な識別子を記憶するステップと、第1の人間の指紋データを追加するための指示を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信するステップと、第1の人間の指紋データを、コンピュータの指紋リーダにおいて取得するステップと、第1の人間の指紋データを、第1の人間の記憶される一意的な識別子と関連して、並びに、場合によってはさらに、取得することの時間及び日付と関連して記憶するステップとを含み得る。
【0019】
コンピュータ・システムが、使用し、システムにより確認されることになっている第1の人間の個人データを、説明されたプロセスより前に、受信/収集及び記憶する可能性を提供することにより、コンピュータ・システムは、生体的及び個人データの収集から、記憶されるデータとの生体的及び個人データの比較による、当の第1の人間の確認までの、プロセス全部をカバーするためのスタンド・アローン・システムとして機能することができる。
【0020】
本発明の実施例によれば、そこにおいて、第2の部類の第2の人間の記憶される一意的な識別子及び指紋データへのコンピュータ・システムのアクセスを達成するために、方法は、第2の人間の一意的な識別子を追加するための指示を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信するステップと、第2の人間の一意的な識別子を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信するステップと、第2の人間の一意的な識別子を記憶するステップと、第2の人間の指紋データを追加するための指示を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信するステップと、第2の人間の指紋データを、コンピュータの指紋リーダにおいて取得するステップと、第2の人間の指紋データを、第2の人間の記憶される一意的な識別子と関連して、並びに、場合によってはさらに、取得することの時間及び日付と関連して記憶するステップとを含み得る。
【0021】
コンピュータ・システムが、使用し、システムにより確認されることになっている第2の人間の個人データを、説明されたプロセスより前に、受信/収集及び記憶する可能性を提供することにより、コンピュータ・システムは、生体的及び個人データの収集から、記憶されるデータとの生体的及び個人データの比較による、当の第2の人間の確認までの、プロセス全部をカバーするためのスタンド・アローン・システムとして機能することができる。
【0022】
本発明の実施例によれば、そこにおいて、第1の人間の記憶される指紋データと比較される第1の指紋データ、及び、第2の人間の記憶される指紋データと比較される第2の指紋データの任意のものに対して、一致が確認されないときに応答して、方法は、否定的指示を、コンピュータのユーザ・インターフェイス上で提供するステップを含み得る。
【0023】
コンピュータ・システムが、否定的指示を、コンピュータのユーザ・インターフェイス上で提供する可能性を提供することにより、ユーザは、そのユーザの当のアイデンティティとの比較において、同じ/正しい人間ではないことに対して、そのユーザがコンピュータ・システムにより確認されたならば/ときに通知されることになる。
【0024】
本発明の実施例によれば、そこにおいて、肯定的指示又は否定的指示が提供されたときに、方法は、肯定的指示又は否定的指示を、第1及び第2の人間の、記憶される一意的な識別子、及び、記憶される指紋データと関連して、並びに、場合によってはさらに、比較することの時間及び日付と関連して記憶するステップを含み得る。
【0025】
肯定的又は否定的指示を、ユーザの記憶される他の個人データと関連して、並びに、場合によってはさらに、比較することの時間及び日付と関連して記憶することは、コンピュータ・システムの所有者に、例えば、事象の成り行きに関して再確認する、又は統計的分析を行う、プロセスにおける後程の可能性を提供することになる。
【0026】
1つの態様によれば、本発明は、第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムに関わる。そこにおいて、コンピュータ・システムは、第1の部類の第1の人間の記憶される一意的な識別子及び指紋データ、並びに、第2の部類の第2の人間の記憶される一意的な識別子及び指紋データへのアクセスを有する。そこにおいて、コンピュータ・システムは、第1の人間の一意的な識別子を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信することと、第2の人間の一意的な識別子を、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて受信することと、第1の指紋データを、コンピュータの指紋リーダにおいて取得することとを行うように配置構成される。第1の指紋データは第1の人間のものであるとされており、第2の指紋データを、コンピュータの指紋リーダにおいて取得する。第2の指紋データは第2の人間のものであるとされており、第1の指紋データの取得することが、第2の指紋データの取得することから、第1の所定の時間間隔の中で遂行されるならば、取得された第1の指紋データを、第1の人間の記憶される指紋データと比較し、取得された第2の指紋データを、第2の人間の記憶される指紋データと比較し、第1の人間の記憶される指紋データと比較される第1の指紋データ、及び、第2の人間の記憶される指紋データと比較される第2の指紋データの両方に対して、一致が確認されるときに、肯定的指示を、コンピュータのユーザ・インターフェイス上で提供する。
【0027】
所定の時間において、1つの地理的位置において、生体認証が検証されるために、掛かり合いのある2つの異なる部類の2人の人間が、常に、短時間の中で存在しなければならないという事実は、説明されるコンピュータ・システム、及び、発生する社会的制御が、コンピュータ/制御システムの詐欺/改ざんの危険性を劇的に減少させるということを示唆する。このことは、全体として、組織及び/又は社会における潜在的な財務的損失の危険性を減少させる。
【0028】
別の態様によれば、コンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で実行されるときに、コンピュータ・システムに、対応する方法を実行させる、コンピュータ可読コード手段を含む。
【0029】
別の態様によれば、コンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ可読媒体と、コンピュータ・プログラムとを含む。そこにおいて、コンピュータ・プログラムは、コンピュータ可読媒体上に記憶される。
【0030】
コンピュータ・システムは、少なくとも1つの指紋リーダ、少なくとも1つのユーザ・インターフェイス、及び、データ取り扱いのための少なくとも1つのPCBなどのデバイスを含み得る、モバイル・デバイスを備え得る。デバイスは、2つの指紋リーダを備え得るものであり、1つのリーダは、具体的には、第1の人間に対して実現され、第2のリーダは、具体的には、第2の人間に対して実現される。モバイル・デバイスは、データの転送のために、コンピュータ・システムの他部に、ケーブル又はワイヤレスにより接続され得る。
【0031】
展開されることになるコンピュータ・システムに対する1つの実例は、医師が患者の家庭訪問を為しているときである。指紋及び一意的な識別子などの個人データが、この訪問より前に、中央データベース内に記憶される。モバイル・デバイスが、次いで、一意的な識別子を選択し、現場において医師及び患者から指紋を収集するために使用される。収集されたデータは、ワイヤレスで、モバイル・デバイスから、比較するステップが遂行される中央サーバに転送される。一致の肯定的又は否定的指示が、中央サーバからモバイル・デバイスに転送される。
【0032】
展開されることになるコンピュータ・システムに対する別の実例は、患者が歯科医を訪問するときである。患者及び歯科医は、次いで、患者が医師により家庭において訪問されるときの実例においてと同じ様式で、地域の歯科医の医院において、生体認証を為すことができる。
【0033】
説明される方法において、第1の部類の人間は、上記で説明された患者であり得るものであり、第2の部類の人間は、上記で説明された医療/歯科開業医であり得る。
【0034】
説明されるコンピュータ・システムは、権限のない要員により操作され得ないものであり、なぜならば、コンピュータ・システムのユーザ・インターフェイスは、データを変化させる、削除する、又は操作する可能性を与えないからである。説明される方法は、非操作的なシステムに対する事例をさらに強化する。
【0035】
コンピュータ・システムに通信可能に接続されるデバイスを、ロック解除/ロックすることを、そのデバイスにロック解除信号を送出することにより行うために使用される信号は、例えば、ケーブルを経て、又は、ワイヤレス手段により送出される、例えば、電子的又は光学的タイプのものであり得る。
【0036】
時間及び日付は、例えばインターネットからの外部供給源からとられ、中央で記憶され得る。時間及び日付は、コンピュータ・システムにおいて、権限のない要員により変化させられる、削除される、又は改変されることはあり得ない。
【0037】
さらには、生体認証プロセスのためのシステムを使用する3人以上の人間が存在することがある。
【0038】
一意的な識別子は、例えば、特に、国民識別番号(national identification number)、国民アイデンティティ番号(national identity number)、個人アイデンティティ番号(personal identity number)、国民保険番号、国民保健サービス番号、社会保障番号、パスポート番号、名前、電子メール・アドレス、電話番号であり得る。
【0039】
請求項1における第1の所定の時間間隔は、自分の指紋データをシステムに提供する少なくとも2人の人間に対しての充分な時間間隔であるように組織が決定する、任意の時間間隔であり得る。所定の時間間隔は、例えば、特に、0~60秒であり得る。
【0040】
請求項2における第2の所定の時間間隔は、その間に一致が確認される、及び、画像が第1の人間についてとられるための、適した時間間隔であるように組織が決定する、任意の時間間隔であり得る。第2の所定の時間間隔は、例えば、特に、0~10秒であり得る。
【0041】
確認された第1の人間の画像の、一致が確認された後の所定の時間間隔の中での捕捉することは、例えば、コンピュータに接続されるカメラによって遂行され得る。
【0042】
請求項1において、当の第1の人間の指紋データの、コンピュータの指紋リーダにおいての取得するステップより前に、後に続くステップ、すなわち、コンピュータのユーザ・インターフェイスにおいて、第1の人間及び第2の人間の指紋データを取得するための指示を受信するステップが実現され得る。
【0043】
本発明を、今から、実例として、付随する図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】実施例による手順のフローチャートである。
図2】実施例による手順のフローチャートである。
図3】実施例による手順のフローチャートである。
図4】実施例による手順のフローチャートである。
図5】実施例による手順のフローチャートである。
図6】実施例による手順のフローチャートである。
図7】可能な実施例によって例示するブロック図である。
図8】可能な実施例によって例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下に、第1又は第2の部類の人間の生体認証のためのコンピュータ・システムにより実行される方法の詳細な説明が提供される。
【0046】
図1は、コンピュータ・システムにおける手順を例示するフローチャートを示す。様々な作用が、本説明において提示されるのと異なる順序で、又は、本説明に関係付けられる、この若しくは他のフローチャートにおいて示されるのと異なる順序で生じることがあり、或いは、一部のステップは、並列に実行されることがある。
【0047】
ステップS100において、第1の人間6の一意的な識別子4が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップS105において、第2の人間9の一意的な識別子7が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップS110において、第1の指紋データ12が、コンピュータ11の指紋リーダ13において取得される。第1の指紋データ12は第1の人間6のものであるとされている。ステップS115において、第2の指紋データ14が、コンピュータ11の指紋リーダ13において取得される。第2の指紋データ14は第2の人間9のものであるとされている。ステップS120において、第1の指紋データ12の取得することが、第2の指紋データ14の取得することから、第1の所定の時間間隔17の中で遂行されるかどうかが決定される。ステップS125において、取得された第1の指紋データ12が、第1の人間6の記憶される指紋データ5と比較される。ステップS130において、取得された第2の指紋データ14が、第2の人間9の記憶される指紋データ8と比較される。ステップS135において、第1の人間6の記憶される指紋データ5と比較される第1の指紋データ12、及び、第2の人間9の記憶される指紋データ8と比較される第2の指紋データ14の両方に対して、一致が確認されるかどうかを決定する。ステップS140において、肯定的指示15が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10上で提供される。
【0048】
図2は、コンピュータ・システムにおける手順を例示するフローチャートを示す。様々な作用が、本説明において提示されるのと異なる順序で、又は、本説明に関係付けられる、この若しくは他のフローチャートにおいて示されるのと異なる順序で生じることがあり、或いは、一部のステップは、並列に実行されることがある。
【0049】
ステップS200において、第1の人間6の記憶される指紋データ5と比較される第1の指紋データ12に対する一致が確認される。ステップS205において、確認された第1の人間6の画像16が、一致が確認された後の第2の所定の時間間隔18の中で捕捉される。ステップS210において、捕捉された画像16は、第1の人間6の記憶される一意的な識別子4、及び、記憶される指紋データ5と関連して、並びに、場合によってはさらに、捕捉することの時間19及び日付20と関連して記憶される。
【0050】
図3は、コンピュータ・システムにおける手順を例示するフローチャートを示す。様々な作用が、本説明において提示されるのと異なる順序で、又は、本説明に関係付けられる、この若しくは他のフローチャートにおいて示されるのと異なる順序で生じることがあり、或いは、一部のステップは、並列に実行されることがある。
【0051】
ステップS300において、第1の人間6の記憶される指紋データ5と比較される第1の指紋データ12、及び、第2の人間9の記憶される指紋データ8と比較される第2の指紋データ14の両方に対する一致が確認される。ステップS305において、コンピュータ・システム1に通信可能に接続されるデバイス21が、ロック解除及び/又はロックされることが、そのデバイス21にロック解除信号22を送出することにより行われる。
【0052】
図4は、コンピュータ・システムにおける手順を例示するフローチャートを示す。様々な作用が、本説明において提示されるのと異なる順序で、又は、本説明に関係付けられる、この若しくは他のフローチャートにおいて示されるのと異なる順序で生じることがあり、或いは、一部のステップは、並列に実行されることがある。
【0053】
ステップS400において、第1の人間6の一意的な識別子4を追加するための指示が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップS405において、第1の人間6の一意的な識別子4が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップS410において、第1の人間6の一意的な識別子4が記憶される。ステップS415において、第1の人間6の指紋データ5を追加するための指示が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップS420において、第1の人間6の指紋データ5が、コンピュータ11の指紋リーダ13において取得される。ステップS425において、第1の人間6の指紋データ5が、第1の人間6の記憶される一意的な識別子4と関連して、並びに、場合によってはさらに、取得することの時間19及び日付20と関連して記憶される。
【0054】
図5は、コンピュータ・システムにおける手順を例示するフローチャートを示す。様々な作用が、本説明において提示されるのと異なる順序で、又は、本説明に関係付けられる、この若しくは他のフローチャートにおいて示されるのと異なる順序で生じることがあり、或いは、一部のステップは、並列に実行されることがある。
【0055】
ステップS500において、第2の人間9の一意的な識別子7を追加するための指示が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップS505において、第2の人間9の一意的な識別子7が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップS510において、第2の人間9の一意的な識別子7が記憶される。ステップS515において、第2の人間9の指紋データ8を追加するための指示が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップS520において、第2の人間9の指紋データ8が、コンピュータ11の指紋リーダ13において取得される。ステップS525において、第2の人間9の指紋データ8が、第2の人間9の記憶される一意的な識別子7と関連して、並びに、場合によってはさらに、取得することの時間19及び日付20と関連して記憶される。
【0056】
図6は、コンピュータ・システムにおける手順を例示するフローチャートを示す。様々な作用が、本説明において提示されるのと異なる順序で、又は、本説明に関係付けられる、この若しくは他のフローチャートにおいて示されるのと異なる順序で生じることがあり、或いは、一部のステップは、並列に実行されることがある。
【0057】
ステップ6.1において、第1の人間6の一意的な識別子4が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップ6.2において、第2の人間9の一意的な識別子7が、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10において受信される。ステップ6.3において、第1の指紋データ12が、コンピュータ11の指紋リーダ13において取得される。第1の指紋データ12は第1の人間6のものであるとされている。ステップ6.4において、第2の指紋データ14が、コンピュータ11の指紋リーダ13において取得される。第2の指紋データ14は第2の人間9のものであるとされている。ステップ6.5において、第1の指紋データ12の取得することが、第2の指紋データ14の取得することから、第1の所定の時間間隔17の中で遂行されるかどうかが決定される。ステップ6.6において、取得された第1の指紋データ12が、第1の人間6の記憶される指紋データ5と比較される。さらにまた、取得された第2の指紋データ14が、第2の人間9の記憶される指紋データ8と比較される。ステップ6.7において、第1の人間6の記憶される指紋データ5と比較される第1の指紋データ12、及び、第2の人間9の記憶される指紋データ8と比較される第2の指紋データ14の両方に対して、一致が確認されるかどうかを決定する。さらにまた、肯定的指示15を、一致が確認されるときに、コンピュータ11のユーザ・インターフェイス10上で提供する。
【0058】
図7は、プロセッサ7.1、メモリ7.2、データ管理ユニット7.3、データベース7.4、及びユーザ・インターフェイス7.5などの構成要素を含むコンピュータ11を示す。
【0059】
図8は、コンピュータ(11)のユーザ・インターフェイス(10)、コンピュータ(11)に接続されるカメラ、第1の人間(6)、及び、第2の人間(9)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8