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特許7100060タイヤモールド用のプラグアセンブリ、及びコンビネーション
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】タイヤモールド用のプラグアセンブリ、及びコンビネーション
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/02 20060101AFI20220705BHJP
   B29C 35/02 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
B29C33/02
B29C35/02
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019558596
(86)(22)【出願日】2018-04-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 US2018029592
(87)【国際公開番号】W WO2018200828
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】62/490,311
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501166968
【氏名又は名称】クーパー タイヤ アンド ラバー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Cooper Tire & Rubber Company
【住所又は居所原語表記】701 Lima Avenue, Findlay, Ohio 45840, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】レイグル,スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン,クリス
(72)【発明者】
【氏名】バダーツシャー,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】バロン,カーティス
(72)【発明者】
【氏名】ユトルプ,カート
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-001224(JP,A)
【文献】特開2011-031519(JP,A)
【文献】国際公開第2009/007790(WO,A1)
【文献】米国特許第07883326(US,B1)
【文献】韓国登録特許第10-0540244(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29D 30/00-30/72
B60C 1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤモールド用のプラグアセンブリであって、
第1の表面へ内側に延びる不規則な形状のキャビティを備えた第1の面を有するレシーバまたはジャケットと、
前記レシーバを関連するタイヤモールドに固定するためのファスナと、
前記キャビティ内へ前記レシーバから延在する固定部材と、
前記レシーバのキャビティ内に嵌合するように輪郭および寸法が形成され、前記固定部材との係合により前記レシーバのキャビティ内に保持されるプラグと、
を備えるプラグアセンブリ。
【請求項2】
前記ジャケット/レシーバの前記第1の表面は、前記ファスナを受け入れるように寸法決めされて貫通して延在する第1の開口部を含む、請求項1に記載のプラグアセンブリ。
【請求項3】
前記プラグは、前記プラグの外縁から内側に延在して内部に前記固定部材を受け入れるように寸法決めされた凹部を含む、請求項2に記載のプラグアセンブリ。
【請求項4】
前記固定部材は、前記レシーバの前記第1の表面に固定されて前記第1の表面から外側に垂直に延在し、前記凹部は、前記固定部材に実質的に垂直な方向に延在する、請求項3に記載のプラグアセンブリ。
【請求項5】
前記レシーバの前記第1の表面に面する前記プラグの面に傾斜面をさらに備える、請求項4に記載のプラグアセンブリ。
【請求項6】
前記傾斜面は、前記プラグの第1の端部から内側に延び、前記プラグは、前記プラグの第2の端部から内側に延びる別の傾斜面を含む、請求項5に記載のプラグアセンブリ。
【請求項7】
前記固定部材が、前記レシーバの第1の表面に接続されたステムの遠位端に球状部分を含む、請求項1に記載のプラグアセンブリ。
【請求項8】
前記球状部分は、前記ステムの断面寸法よりも大きい断面寸法を有する、請求項7に記載のプラグアセンブリ。
【請求項9】
前記プラグは、前記プラグの外縁から内側に延びて内部に前記ステムを受け入れるように寸法決めされた凹部を含み、前記固定部材の前記球状部分は、前記凹部を画定するアンダーカット肩部よりも大きい断面寸法を有し、前記レシーバからの前記プラグの意図しない取り外しを防ぐ、請求項8に記載のプラグアセンブリ。
【請求項10】
前記プラグは、前記プラグの対向する第1および第2の端部からそれぞれ中央の平面部に向かって内側に延びる第1および第2の傾斜面を含む、請求項1に記載のプラグアセンブリ。
【請求項11】
前記キャビティがD字形の周縁を有し、前記プラグが同様に輪郭付けられたD字形の周縁を有する、請求項1に記載のプラグアセンブリ。
【請求項12】
タイヤモールド用のプラグアセンブリであって、
内側に延びるキャビティを備えた表面を有し、当該表面はスロットを含む、レシーバと、
前記レシーバを関連するタイヤモールドに固定するためのファスナと、
前記レシーバのキャビティ内に嵌合するように輪郭および寸法が形成されたプラグであって、その表面から延在して前記レシーバのスロットに受け入れられるように寸法決めされた突出部を含むプラグと、
前記スロットに隣接する前記レシーバの前記表面上に延びる壁であって、内部に受け入れられるときに前記プラグを前記レシーバに対して傾けるための支点として機能する壁と、
を備えるプラグアセンブリ。
【請求項13】
前記壁は、前記スロットに対して垂直に延びる、請求項12に記載のプラグアセンブリ。
【請求項14】
前記突出部が三角形の形状を有する、請求項12に記載のプラグアセンブリ。
【請求項15】
前記プラグの外周および前記キャビティの内周は、前記プラグを前記レシーバ内に保持する摩擦嵌合のために寸法決めされる、請求項12に記載のプラグアセンブリ。
【請求項16】
前記スロットは前記レシーバのエッジに沿って形成され、前記突出部は前記プラグのエッジに沿って形成され、それにより、前記突出部が前記レシーバの第1の表面に面するときに前記プラグが単一の向きでのみ前記レシーバに受け入れられる、請求項12に記載のプラグアセンブリ。
【請求項17】
前記キャビティがD形状の周縁を有し、前記プラグが同様に輪郭付けられたD形状の周縁を有する、請求項12に記載のプラグアセンブリ。
【請求項18】
タイヤモールド用のプラグアセンブリのコンビネーションであって、
キャビティの第1の表面へ内側に延びる不規則な形状のキャビティを備えた第1の面を有する第1のレシーバと、
前記第1のレシーバを関連するタイヤモールドに固定するための第1のファスナと、
前記キャビティ内へ前記レシーバから延在する第1の固定部材と、
第1のレシーバのキャビティ内に篏合するように輪郭および寸法が形成され、前記第1の固定部材との係合により前記レシーバのキャビティ内に保持される第1のプラグと、
内側に延びる不規則な形状のキャビティを備えた第1の表面を有し、前記第1の表面はスロットを含む、第2のレシーバと、
前記第2のレシーバを関連するタイヤモールドに固定するための第2のファスナと、
前記第2のレシーバのキャビティに嵌合するように輪郭および寸法が形成された第2のプラグであって、その第1の表面から延在して前記第2のレシーバのスロットに受け入れられるように寸法決めされた突出部を含む第2のプラグと、
を備えるコンビネーション。
【請求項19】
前記第1のプラグおよび前記第1のレシーバの少なくとも一方が、それぞれ前記第2のレシーバおよび前記第2のプラグとの嵌合係合を妨げる構造を有する、請求項18に記載のコンビネーション。
【請求項20】
関連するユーザーによる把持を容易にするための拡大された第1の端部と、関連するタイヤモールドに取り付けられた前記プラグと係合する尖った先端を含む第2の端部と、を有するプラグ取り外しツールをさらに備える、請求項18に記載のコンビネーション。
【請求項21】
前記尖った先端は、付勢部材によって前記ツールから外向きに付勢される、請求項20に記載のコンビネーション。
【請求項22】
前記尖った先端を囲んで前記関連するタイヤモールドへの損傷の可能性を最小化するポリマー材料をさらに備える請求項21に記載のコンビネーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、2017年4月26日に出願された米国仮出願第62/490,311号の優先権を主張するものであり、その全開示は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、モールドアセンブリに関し、より詳細には、取り付け及びタイヤモールドなどのモールドからの取り外しのために設計されたモールドインサートに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 硬化タイヤは、タイヤの側壁内にモールドされる特定の製造情報を必要とする。実際に、連邦規制は、タイヤに含める必要のある情報を指定している。たとえば、必要な情報の第1部分はタイヤが加硫される硬化プレスに関連し、必要な情報の第2部分はタイヤが加硫された週および年に関連する(運輸省の日付コードと呼ばれる)。情報がタイヤの間違った場所に提供されている場合、側壁は指定された形式を充足しない。
【0004】
[0004] これまで、タイヤモールドに挿入されるように設計された日付コードプラグまたは他のキャビティインサートの取り付けおよび取り外しに関連して問題が生じる可能性があった。キャビティインサートの不適切な取り付けの可能性を制限し、同様にインサートがモールドの間違った位置に挿入されるのを防ぐ構成を提供することが望ましいだろう。
【0005】
[0005] 現在のスタイルのプラグは、典型的にはハンマーとパンチとで除去され、タイヤモールドの側壁を損傷する可能性がある。したがって、プラグ/インサートの挿入の除去に関連するタイヤモールド側壁への潜在的な損傷の可能性を同様に制限する構成を提供することが望ましいだろう。
【0006】
[0006] 上述の特徴の少なくとも1つ以上ならびに更なる他の特徴および利点を提供する改良された構成が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 改良されたプラグ構成が提供される。
[0008] 一実施形態では、タイヤモールド用のプラグ構成またはプラグアセンブリは、第1の表面へ内側に延びる不規則な形状のキャビティを備えた第1の面を有するレシーバまたはジャケットを含む。ファスナは、レシーバを関連するタイヤモールドに固定する。固定部材は、キャビティ内へレシーバから延在する。プラグは、レシーバキャビティ内に嵌合するように輪郭および寸法が形成されており、固定部材との係合によりその中に保持される。
【0008】
[0009] レシーバの第1の表面は、ファスナを受け入れるように寸法決めされて貫通して延在する第1の開口部を含む。
【0009】
[0010] プラグは、プラグの外縁から内側に延在して内部に固定部材を受け入れるような寸法決めされた凹部を含む。
[0011] 固定部材は、レシーバの第1の表面に固定されて第1の表面から外側に垂直に延在し、凹部は、固定部材に実質的に垂直な方向に延在する。
【0010】
[0012] プラグの別の実施形態は、ジャケットの第1の表面に面するプラグの後面に設けられた傾斜面を有する。
【0011】
[0013] 傾斜面は、プラグの第1の端部から内側に延び、プラグは、プラグの第2の端部から内側に延びる別の傾斜面を含む。
【0012】
[0014] 固定部材は、好ましくは、レシーバの第1の表面に接続されたステムの遠位端に球状部分を含む。
[0015] 球状部分は、ステムの断面寸法よりも大きい断面寸法を有する。
【0013】
[0016] プラグは、プラグの外縁から内側に延びて内部にステムを受け入れるように寸法決めされた凹部を含み、固定部材の球状部分は、凹部を画定するアンダーカット肩部よりも大きい断面寸法を有し、ジャケット/レシーバからのプラグの意図しない取り外しを防ぐ。
【0014】
[0017] プラグは、プラグの対向する第1および第2の端部からそれぞれ中央の平面部に向かって内側に延びる第1および第2の傾斜面を含む。
【0015】
[0018]本キャビティはD字形の周縁を有し、プラグが同様に輪郭付けられたD字形の周縁を有する。
【0016】
[0019] タイヤモールド用のプラグアセンブリの別の実施形態は、内側に延びる不規則な形状のキャビティを備えた第1の表面を有し、第1の表面はスロットを有するジャケット/レシーバを含む。ファスナは、レシーバを関連するタイヤモールドに固定する。プラグは、レシーバキャビティ内に嵌合するように輪郭および寸法が形成され、プラグは、その第1の表面から延在してレシーバのスロットに受けられるように寸法決めされた突出部を含む。
【0017】
[0020] 壁は、スロットに隣接するレシーバの第1の表面上に延び、内部に受け入れられたときにプラグをレシーバに対して傾けるための支点として機能する。
[0021] 壁は、スロットに対して垂直に延びることが好ましい。
【0018】
[0022] 突出部は、好ましくは三角形の形状を有する。
[0023] プラグの外周およびキャビティの内周は、プラグをレシーバ内に保持する摩擦嵌合のために寸法決めされる。
【0019】
[0024] スロットはレシーバのエッジに沿って形成され、突出部はプラグのエッジに沿って形成され、それにより、突出部がレシーバの第1の表面に面するときにプラグが単一の向きでのみレシーバに受け入れられる。
【0020】
[0025] タイヤモールド用のプラグアセンブリのコンビネーションは、キャビティの第1表面へ内側に延びる不規則な形状のキャビティを備えた第1の面を有する第1レシーバを含む。第1のファスナは、第1のレシーバを関連するタイヤモールドに固定する。第1の固定部材は、レシーバからキャビティに延在する。第1のプラグは、第1のレシーバのキャビティ内の嵌合するように輪郭および寸法が形成され、第1の固定部材との係合によりレシーバのキャビティ内に保持される。第2のレシーバは、不規則な形状のキャビティを備えた第1の表面を有し、第1の表面はスロットを含む。第2のファスナは、第2のレシーバを関連するタイヤモールドに固定する。第2のプラグは、第2のレシーバのキャビティ内に嵌合するように輪郭および寸法が形成され、第2のプラグは、その第1の表面から延在して第2のレシーバスロット内に受け入れられるように寸法決めされた突出部を含む。
【0021】
[0026] 第1のプラグおよび第1のレシーバの少なくとも一方は、それぞれ第2のレシーバおよび第2のプラグとの嵌合係合を妨げる構造を有する。
【0022】
[0027] プラグ取り外しツールは、関連するユーザーによる把持を容易にするための拡大された第1の端部と、関連するタイヤモールドに取り付けられたプラグと係合する尖った先端を含む第2の端部と、を有する。
[0028] 尖った先端は、付勢部材によってツールから外向きに付勢されることが好ましい。
【0023】
[0029] ポリマー材料が尖った先端を取り囲み、プラグ取り外しツールを使用するときに、関連するタイヤモールドへの損傷の可能性を最小化する。
【0024】
[0030] 本開示の1つの利点は、プラグがタイヤモールドに不適切に取り付けられることを防ぐ、またはプラグが関連するレシーバに誤って取り付けられることを防ぐように設計されるタイヤモールドインサートのジャケット/レシーバの提供である。
【0025】
[0031] 別の利点は、プラグの取り付けおよび取り外しの容易さに関する。
[0032] さらに別の利点は、タイヤモールドの側壁を損傷する可能性を排除することに関連する。
[0033] さらなる利点は、ハンマーを使用せずに取り付け/取り外し可能なプラグの設計である。
【0026】
[0034] 本開示の優位性および有益性は、以下の詳細な説明を読んで理解することでより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】[0035] 図1は、プラグ構成/プラグアセンブリの第1のレシーバ/ジャケットの斜視図である。
図2】[0036] 図2は、図1のレシーバ/ジャケットの平面図である。
図3】[0037] 図3は、プラグをレシーバに固定するための開口部の1つに受け入れられたリテーナを示す別の平面図である。
図4】[0038] 図4は、図1のレシーバ/ジャケットの正面図である。
図5】[0039] 図5は、概してその左側から見た第1の端面図である。
図6】[0040] 図6は、概してその右側から見た第2の端面図である。
図7】[0041] 図7は、図1の第1のレシーバ/ジャケットの開口部の1つに収容されるように寸法決めされたリテーナ部材の正面図である。
図8】[0042] 図8は、図7のリテーナ部材の平面図である。
図9】[0043] 図9は、その底面図である。
図10】[0044] 図10は、図1のレシーバ/ジャケットに受け入れられ、図7のリテーナ部材によって保持されるプラグ部材の第1の実施形態の斜視図である。
図11】[0045] 図11は、図10のプラグ部材の平面図である。
図12】[0046] 図12は、その正面図である。
図13】[0047] 図13は、その左側から見た端面図である。
図14】[0048] 図14は、その右側から見た端面図である。
図15】[0049] 図15は断面図である。
図16】[0050] 図16は、プラグ構成/プラグアセンブリの第2のレシーバ/ジャケットの斜視図である。
図17】[0051] 図17は、図16の第2のレシーバ/ジャケットの別の斜視図である。
図18】[0052] 図18は、図16図17のレシーバ/ジャケットの平面図である。
図19】[0053] 図19は、その正面図である。
図20】[0054] 図20は、概してその右側から見た第1の端面図である。
図21】[0055] 図21は、図16図20のレシーバ/ジャケットに収容され、その中に摩擦嵌合によって保持されるプラグ部材の第2の実施形態の斜視図である。
図22】[0056] 図22は、図21の第2のプラグ部材の正面図である。
図23】[0057] 図23は、その平面図である。
図24】[0058] 図24は、図23の右側から全体的に取られた端面図である。
図25】[0059] 図25は、第2のレシーバ/ジャケットの代替的な実施形態を示す斜視図である。
図26図26は、第2のレシーバ/ジャケットの代替的な実施形態を示す斜視図である。
図27】[0060] 図27は、代替的なプラグの図である。
図28図28は、代替的なプラグの図である。
図29図29は、代替的なプラグの図である。
図30図30は、代替的なプラグの図である。
図31図31は、代替的なプラグの図である。
図32】[0061] 図32は、プラグの取り付けおよび取り外しに使用される好ましいツールを示す。
図33図33は、プラグの取り付けおよび取り外しに使用される好ましいツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0062] まず図1図15を参照すると、レシーバ/ジャケット102(図1図6)、リテーナ部材104(図7図9)、および第1のプラグ部材106(図10図15)を含む第1実施形態のプラグアセンブリ100が示されている。プラグアセンブリ100のレシーバ/ジャケット102は、タイヤモールド(図示せず)などのモールドの関連する凹部内に収容される寸法になっている。レシーバ/ジャケット102は、タイヤモールドの関連する同様の形状の凹部内に収容するために寸法決めされた規定の周縁形状を有する。具体的には、この実施形態では、レシーバ/ジャケット102は、外側の、概して楕円形の周縁壁110、ベース壁112、壁/表面114、および壁114と第1の表面118とによって画定される凹部またはキャビティ116として示されている。壁114は不規則な周縁形状を有する。特に、壁は、以下により詳細に説明される理由のために、概してD字形のキャビティ116を形成する。第1および第2の開口部120、122は、ベース壁112を貫通して延びている。第1の開口部120は、ファスナ124を受け入れるように寸法決めされており(図3)、開口部を貫通するファスナのシャンク124aおよび開口部を貫通しないヘッド部分124aを受け入れ、これにより、ファスナは、レシーバ/ジャケット102をタイヤモールドに固定する。また、第2の開口部122は、第1の表面118からベース壁112を貫通して延在する。
【0029】
[0063] 第2の開口部122は、リテーナ104(図7図9)、特にリテーナのステム130を受け入れるような寸法になっている。リテーナ104の肩部132は、肩部が第2の開口部122を通過できないような寸法になっている。さらに、リテーナ104は、好ましくは寸法が小さいネック136を介して肩部132と相互接続する概して球形またはボール形状を有する拡大ヘッド134を含む。ステム130の一部は、ヘッド134のツールスロット138がツール(従来のドライバーの平刃など 図示せず)を受け入れてステムを第2の開口部122とねじ係合するように前進させることができるように外ねじが切られている。
【0030】
[0064] 図10図15は、取り外し可能な第1のプラグ106をより詳細に示している。第1のプラグ106は、レシーバ/ジャケット102のキャビティ116に取り外し可能、圧入または摩擦嵌めが可能なように寸法決めされた概してD字形の外周150を有する。第1または後面152は、プラグ106のそれぞれの第1および第2の端部から内側に延びる第1および第2の傾斜面154、156を含む。傾斜面154、156のそれぞれは、プラグ106の後面152の概して中央に位置する平面158に合流する。プラグ106は、プラグの外周150から内側に延びる凹部170をさらに含み、凹部は、リテーナ104の拡大球状ヘッド134をその中に受け入れるような寸法になっている。取り付けおよび取り外し中に、傾斜面154は、レシーバ/ジャケット102のキャビティを形成する表面118にほぼ平行に向けられ、凹部170が球状ヘッド134を受け入れ、リテーナ104の寸法が小さいネック136が、部分的に凹部を形成するU字形アンダーカットエッジ172の真下にスライド式に受け入れられる寸法になっている。結果として、プラグの湾曲した第1の端部は、レシーバ/ジャケット102のキャビティ内に前進し、アンダーカットエッジ172は、ネック136上で摺動可能に受け入れられ、拡大球状ヘッド134は、その表面118に垂直な方向への、つまりリテーナステム130の軸に平行な方向への、レシーバ/ジャケットからのプラグの意図しない取り外しを防止する。加えて、凹部170の輪郭は、リテーナ104の拡大球状ヘッド134の外面に適合する部分的な楕円体部分174を含む(図13図14)。プラグ106がレシーバ/ジャケット102のキャビティ116に完全に挿入されると、プラグの平面158がレシーバ/ジャケットの表面118と平面嵌合接触するように配置されるように、プラグが傾けられる。これにより、プラグ106の湾曲した端部は、レシーバ/ジャケット102の凹部116の湾曲した端部と嵌合する(つまり、プラグは、ジャケット凹部に、湾曲した端部が整列する一方向でしか挿入できない)。プラグがレシーバ/ジャケット102のキャビティ116に取り付けられると、プラグ106の外側の第2の面178は、モールド表面と同一平面になる。任意の所望のしるし、例えば日/月/年の数値表現などの日付情報をプラグ106の第2の面178に提供して(たとえば刻み込んで)、所望の情報がモールド製品(タイヤなど)の表面に形成されるようにすることができる。モールドは長期間使用されるため、しるしによって提供されて製品にモールドされる情報が最新に保たれるように、プラグ106を定期的に取り外す必要がある。例として、第1のプラグ106は毎週取り外され、特定の週の操業時間の前に最新のしるしを備えた新しい第1のプラグが取り付けられてもよい。
【0031】
[0065] 図16図20は、モールド(図示せず)に関連して使用するために提供される第2のレシーバ/ジャケット200を示している。第2のレシーバ/ジャケット200は、モールド(図示せず)の適切な形状の凹部(図示せず)と嵌合する外周202を有する。第2のレシーバ/ジャケット200は、少なくとも部分的にキャビティ208の下側境界を形成する凹面206の開口部204を介して収容するように構成されたファスナ(例えば、ねじ付きキャップねじなどのファスナ)を介してモールド凹部に固定される。キャビティ208の下側境界は、概してD字形であり、対応するD字形の第2のプラグを受け入れる(以下でさらに説明する)。支持部材212が、凹部表面206から外面210に向かって上方に延びている。支持部材212は、キャビティ208の一辺に沿って概して中央に配置され、キャビティを長手方向に概して二等分する。支持部材212は、その両端に面取りされたエッジ216、218を含む上側の平面214を含む。加えて、チャネル220は、キャビティ208の反対側に沿って延び、表面206よりも凹んでいる。
【0032】
[0066] 第2のプラグ230(図21図24)は、第2のレシーバ/ジャケット200のキャビティ208内に嵌合するための概してD字形の外周232を有する。第2のプラグ230は、第2のレシーバ/ジャケット200のキャビティに面するように意図された下側の第1の面234を含む。突出部236は、面234から外側に延びており、チャネル220内に収容されるような寸法になっている。特に、突出部236は、傾斜面238、240と、これらの傾斜面の交点によって画定される頂点242と、によって画定される略三角形の輪郭を有する(図22)。支持部材212の面取りされたエッジ216、218と組み合わされた頂点242は、下向きの力が第2のプラグの上側の第2の面244に加えられたとき、第2のプラグ230の選択的な枢動または揺動を可能にする。突出部はまた、図24に特に示されているように、第2のプラグ230の外周202から内側に傾斜し、関連するレシーバ200への第2のプラグの挿入および取り外しを容易にする。
【0033】
[0067] より具体的には、第2のプラグ230のD字形の周縁232は、第2のプラグが第2のレシーバ/ジャケット200のD字形キャビティ208内に単一向きでのみ収容されることを許容する。加えて、突出部236はこの向きでチャネル220上に整列され、第2のプラグの面234は支持部材212の表面214に当接する。キャビティ208内の第2のプラグ230の外周232の寸法は、第2のプラグを適所に保持する緊密な摩擦嵌合を提供する。第2のプラグ230が第2のレシーバ/ジャケット200に挿入されると、頂点242と直線周縁部分246(図23)との間に位置する第2の面の領域で第2の面244を下向きに押すことにより第2のプラグが旋回し、第2のプラグの第2の面244(具体的には、プラグの反対側または弧側)は、モールド表面から上方に傾斜しており、手動で取り外すことができる。
【0034】
[0068] また、第2のプラグの第2の面244には、成形品(例えばタイヤ)に関する更なる必要な情報を提供するしるしを(逆に)設けることができることも理解されよう。例えば、この更なる情報は特定のモールドの識別情報に関連し、それにより製造業者は特定のタイヤが加硫された特定のモールドを判定できる。
【0035】
[0069] 図25図26は、修正された第2のレシーバまたはジャケット200’を示している。その検討および理解を容易にするために、同様の構成要素を参照するために、プライム付き接尾辞(’)を有する同様の参照番号が使用され(例えば、図25図26の第2のレシーバ200’は、図16図20に関連して示される第1実施形態の第2のレシーバ/ジャケット200の説明に関連する)、特に明記しない限り、上記の説明は図25図26の第2実施形態に適用される。新しい構成要素/機能を識別するために、新しい参照番号が使用されている。主な変化は、支持部材214’と凹部表面206’の部分276の高さとに関連する。凹部表面部分276を上昇させることにより、第2のプラグは、開口部204’に向かう方向に支持部材214’上で傾斜または旋回することを許可されない。具体的には、第2のプラグは一方向、すなわち、面取り部218 ’に沿ってのみ突き出る(図16図20の面取り部216は、凹部表面206’の部分276の高さを上げることにより除去されるため)。実質的に他のすべての点で、第2実施形態の第2のレシーバ200’は同一である。
【0036】
[0070] 代替的なプラグの第2実施形態は、図27図31に示されており、第1実施形態のプラグと実質的に類似しており、特に図10図15と類似している。記載、理解の容易、及びの簡潔さのため、参照番号は、同様の構成要素または部分構成要素にプライム(’)接尾辞を付けて使用される。取り外し可能なプラグ106’は、レシーバ/ジャケット102のキャビティ116内に取り外し可能に、圧入または摩擦篏合のために同様に寸法決めされたほぼD字形の外周150’を有する。主な違いは、図10図15の実施形態で使用された傾斜面154の修正または排除である。代わりに、表面154’は、平面158’からほぼ垂直に延びる(すなわち、それほど鋭角ではない)。表面156’は、先の実施形態と同様に依然として角度が付けられており、プラグ106’の関連する端部から内向きに延びている。平面158’は、概してプラグ106’の後面152’の中心に位置する。プラグ106’は、プラグの周縁150から内向きに延びる凹部170’をさらに含み、凹部は、リテーナ104の拡大球状ヘッド134をその中に受け入れるような寸法にされている。実質的に他のすべての点で、図27図31の代替的なプラグ106’は、図10図14に関連して示され説明されたものと構造的および機能的に類似する。
【0037】
[0071] これまでは、モールドからプラグを取り外すためにハンマーとパンチとを使用することが一般的であった。理解されるように、これにより、モールドの表面が損傷する可能性がある。潜在的な損傷をさらに制限するために、上記の第1および第2のプラグは、図32および33に示されるチップアウトプラグツール250で取り外されてもよい。チップアウトプラグツール250は、第1の端部252および遠位の第2の端部254を含む。第1の端部252は、ツールの遠位の第2の端部254を制御するときにユーザーによるツール250の把持を容易にするように適合された球状部材256を含む。球状部材256はまた、別の物体に打撃力を提供するためのマレットとして好適に使用され得る。好ましくは、球状部材256は、球状部材がマレットとして使用される場合にモールドへの損傷を防ぐために、より一般的にはアセチル、ポリアセチル、またはポリホルムアルデヒドと呼ばれるポリオキシメチレン(POM)などの熱可塑性物質から形成される。ツール250の遠位の第2の端部254は、好ましくは、付勢されたまたはばね荷重された中央パンチを含む。バネ加重された中央パンチは、上述のPOM、又はモールドへの引っ掻きおよび/または損傷を最小限に抑える例えば真鍮などの別の同様の材料から形成された端部先端258を含む。尖った先端258は、好ましくは、中央パンチの打撃面上で、先端が第1のプラグまたは第2のプラグの上面に係合するように適合され、それによってツールを使用してそれぞれのレシーバ/ジャケットからプラグの1つを取り外すときに第1または第2のプラグに対する端部先端の滑りを最小限にする末端部に位置する。
【0038】
[0072] 上述の第1および第2のプラグアセンブリならびにそれらに関連するジャケット/レシーバは、プラグの取り付けおよび取り外しをより簡単かつ迅速にするように設計されていることが理解されよう。現在のスタイルのプラグは、ハンマーとパンチとで取り外され、たとえばタイヤモールドの側壁が損傷する可能性がある。上述の第1および第2のプラグは、ハンマーおよびパンチなしで取り付けおよび取り外しできるように設計されており、したがってタイヤモールドの側壁を損傷させる可能性を実質的に低減する。また、第1および第2のプラグは、プラグがタイヤモールドに誤って取り付けられることを防止するように設計されている。より具体的には、第1のプラグアセンブリは、D字形の第1のプラグを受け入れるための対応するD字形のキャビティを有するレシーバ/ジャケットを含む。第1のレシーバ/ジャケットは、第1の開口部と、底面に貫通して形成された隣接する第2の開口部とを含む。第1の開口部は、レシーバ/ジャケットをタイヤモールドに取り付けるためのリテーナ部材を受け入れる。第2の開口部は、第1のレシーバ/ジャケットのキャビティ内にリテーナ部材を受け入れて固定するように適合されている。第1のプラグの第1のレシーバ/ジャケットからの取り外しを容易にするために、第1のプラグの下面の反対側の端部にテーパが形成されることが好ましい。
【0039】
[0073] また、第2のプラグアセンブリは、対応する形状のD字形の第2のプラグを受け入れるためのD字形の開口部を有する第2のレシーバ/ジャケットを含む。第2のレシーバ/ジャケットおよび第2のプラグは、第2のレシーバ/ジャケットのキャビティ内での第2のプラグの保持を促す摩擦嵌合を提供するように設計されている。第2のレシーバ/ジャケットは、底面に形成された開口部を含み、この開口部は、第2のレシーバ/ジャケットをタイヤモールドに取り付けるためのファスナを受け入れるように適合されている。キャビティの底面にチャネルを形成して、レシーバとプラグとの互いに対する向きを単一の向きに制限し、それによって、第2のプラグを第2のレシーバ/ジャケットに対して望ましくない向きに不適切に挿入する可能性を最小限に抑える。支持部材は、レシーバ/ジャケットの表面に形成されている。支持部材は、キャビティ内に配置され、レシーバ/ジャケットからのプラグの取り外しを容易にするために、レシーバ/ジャケットに対して三角形のプラグ部分を傾けるための支点を提供する。第2のプラグは、その上に所望のしるしを刻むための上面を含む。三角形の突出部が、第2のプラグの下面の1つのエッジに隣接する。三角形の突出部は、レシーバ/ジャケットのキャビティに形成されたチャネルに受け入れられる。
【0040】
[0074] 第1および第2のプラグのそれぞれは、プラグおよびレシーバ/ジャケットのうちの1つがタイヤモールドの所望の位置に不適切に挿入される可能性を最小限に抑える。これにより、日付コードプラグがモールドの適切な場所に挿入され、硬化プレス情報が同様にタイヤモールドの適切な場所に挿入される。第1および第2のプラグの第1および第2のレシーバ/ジャケットは、他のスタイルのプラグを容易に受け入れない。さらに、プラグの取り付けおよび取り外し用のプラグツールを提供することにより、過度の力やハンマーの使用が回避される。
【0041】
[0075] この記載による説明は、例を使用して、最良の形態を含む開示を説明しており、当業者が本開示を作成および使用できるようにしている。当業者が思い付く他の例は、それらが同一概念と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらに実質的な差異のない同等の構造要素を含む場合、本発明の範囲内にあることが意図される。
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