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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】機能構築要素を備える玩具構築システム
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/04 20060101AFI20220705BHJP
   A63H 33/08 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
A63H33/04 B
A63H33/08 Z
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020087248
(22)【出願日】2020-05-19
(62)【分割の表示】P 2017512419の分割
【原出願日】2015-05-12
(65)【公開番号】P2020127816
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2020-06-02
(31)【優先権主張番号】PA201470289
(32)【優先日】2014-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】594012623
【氏名又は名称】レゴ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ケアスガード,ラスムス ビッセンバッカー
(72)【発明者】
【氏名】ソレンセン,ヘンリック コルファシュ
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ランド,ヘンリック ハウトゥップ
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-500116(JP,A)
【文献】特表2013-517077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0001923(US,A1)
【文献】国際公開第2013/183328(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/092358(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/04 - 33/14
G09B 23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能構築要素であって、各機能構築要素は、制御可能な機能を実行するように構成された機能デバイスと、受領した制御信号に応答して該機能デバイスを制御するように構成された制御回路と、を備えた複数の機能構築要素と、
該複数の機能構築要素の少なくとも第1の機能構築要素に機械的に接続可能であって、該第1の機能構築要素との間でデータ通信を行うことができるように構成されたタグ構築要素と、を含み、該タグ構築要素から受領したデータに応答し、かつ受領した制御信号に応答して、前記第1の機能構築要素の前記制御回路により該第1の機能構築要素の該機能デバイスの作動を制御して該制御可能な機能を実行するように構成されていることを特徴とする玩具構築システム。
【請求項2】
前記タグ構築要素が前記第1の機能構築要素に機械的に接続された場合、前記タグ構築要素は、前記第1の機能構築要素とデータ通信を行うように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項3】
前記タグ構築要素が前記第1の機能構築要素に接続された場合にのみ、前記第1の機能構築要素は、前記タグ構築要素から受領したデータに応答して前記機能デバイスを制御するように構成されている、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項4】
前記タグ構築要素は、電気コネクタを介して前記第1の機能構築要素に機械的に接続されることを特徴とする、請求項2に記載の玩具構築システム。
【請求項5】
前記受領したデータは識別子を含み、該識別子により前記第1の機能構築要素をして該受領した識別子に応答して前記機能デバイスを制御することを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項6】
前記タグ構築要素は、データを記憶するメモリを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項7】
前記データは、タグ識別子、動作モードを識別するデータ、挙動パターンを識別する識別子、及び音楽ファイルの一つ以上から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の玩具構築システム。
【請求項8】
前記通信は無線接続によることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項9】
前記無線接続は至近距離無線接続であることを特徴とする、請求項8に記載の玩具構築システム。
【請求項10】
前記複数の機能構築要素の各々は、一つ以上の他の機能構築要素と通信するための無線通信インターフェースを備えることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項11】
前記第1の機能構築要素は、前記第1の機能構築要素の近位にある一つ以上の他の機能構築要素のタイプ及び/またはIDを検出し、該検出されたタイプ及び/またはIDに応じて前記第1の機能構築要素の前記機能デバイスを制御するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項12】
前記複数の機能構築要素の各々は、該機能構築要素を互いに解除可能に相互接続する結合部分を備えることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項13】
前記複数の機能構築要素の各々は、頂面と、底面と、少なくとも一つの側面と、を有し、前記結合部分は、該頂面及び該底面の少なくとも一方に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の玩具構築システム。
【請求項14】
前記結合部分は、接続の方向を規定する一つ以上の規則的な平面格子で配列されていることを特徴とする、請求項12に記載の玩具構築システム。
【請求項15】
前記タグ構築要素は、前記機能構築要素の結合部分に対応する結合部分を備えていることを特徴とする、請求項12に記載の玩具構築システム。
【請求項16】
前記タグ構築要素は、その底面に結合部材を有するプレートとして形成されていることを特徴とする、請求項15に記載の玩具構築システム。
【請求項17】
前記制御可能な機能は、ユーザ知覚可能な機能であることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項18】
更に一つ以上の入力構築要素を備え、該入力構築要素の各々は、入力を受領するように作動可能であって、該受領した入力に応答して、複数の機能構築要素の少なくともサブセットに対し制御信号を送信するように構成されている入力デバイスを備えることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項19】
前記入力デバイスは、所定のセンサ入力に対して応答するセンサを備え、前記入力構築要素は、該所定のセンサ入力に応答して、該所定のセンサ入力に対応する制御信号を出力するように構成されていることを特徴とする、請求項18に記載の玩具構築システム。
【請求項20】
異なる所定のセンサ入力に応答する複数の入力構築要素を備えることを特徴とする、請求項18に記載の玩具構築システム。
【請求項21】
各所定のセンサ入力は、機械的な力、押し動作、傾斜の向き、引き動作、回転、人間による操作、タッチ、物体の近接、電気信号、無線周波数信号、光信号、可視光信号、赤外線信号、磁気信号、温度、湿度、放射線の内の一つ以上から選択されることを特徴とする、請求項20に記載の玩具構築システム。
【請求項22】
複数の機能構築要素を更に備え、該複数の機能構築要素の機能デバイスは、異なる機能を奏するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【請求項23】
前記第1の機能構築要素は、前記タグ構築要素に電力を提供するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の玩具構築システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具構築システムに関する。
【背景技術】
【0002】
玩具構築システムは、数十年前から知られている。長年にわたり、単純な箱型の組立ブロックを、特定の外観又は機械的若しくは電気的な機能を有する専用の構築要素で補い、遊戯的価値を高めてきた。このような機能としては、例えば、モーター、スイッチ、及びランプが挙げられるほか、センサーからの入力を受諾し、受信したセンサー入力に応じて機能要素を作動させることができるプログラマブルプロセッサも挙げられる。
【0003】
事前構成された機能を実行するようになっている機能デバイスと、機能を実行するためにエネルギーを機能デバイスに提供するためのエネルギー源と、外部のトリガーイベントに応じて機能デバイスをトリガーして機能を実行するためのトリガーとを有する自己完結型の機能構築要素が存在する。通常、このような既知の機能構築要素は機械的トリガーを手動で作動するように設計され、限られた遊戯的価値を提供するに過ぎない。
【0004】
特許文献1は、機能要素及び制御要素を備える玩具構築システムを開示している。機能要素及び制御要素は、機能要素が制御要素から電力及び制御信号の両方を受け取るように、ワイヤー及びプラグのシステムを介して電気的に相互接続可能である。このシステムでは、機能要素における電力源の必要性が回避されるが、そのようなシステムから機能玩具モデルを構築するよう構築要素を正確に相互接続するために、或る程度の抽象的思考及び技術的洞察が必要である。特に、そのような構築システムから構築される制御構造の働き方を理解するには、電気に関する基礎知識及び電気信号を用いて機能が制御され得るという基礎知識が必要である。さらに、この従来技術のシステムは、要素間に、例えばワイヤーの形態での電気的接続を必要とし、したがって、玩具構築要素を自在に構築する自由度が制限される。
【0005】
特許文献2は、単向通信信号に応じて挙動を誘起する方法を開示している。この従来技術の方法では、受信デバイスにより、送信デバイスからの識別子を含む符号化された単向通信信号を受信する。この方法は、受信デバイスに記憶されたプログラムを、識別子に対応する記憶されたプログラムブロックに対して参照することを更に含む。次いで、受信デバイスは、プログラムブロックの実行を開始し、単向通信信号に対応するプログラムブロックに関連するか又は対応する挙動を行わせる。受信デバイスは、プログラムデータベースを備え、受信機は、識別子に対応するプログラムデータベースの記憶されたプログラムブロックを参照するようにプログラミングされている。また、受信デバイスは、聴覚及び視覚により知覚されるプログラムブロックに対応した挙動を可能にする機構を備える。
【0006】
特許文献3は、送信側玩具及び受信側玩具を備える知育玩具システムを開示している。ここでは、送信側玩具は、受信側玩具を遠隔制御することが可能である。送信側玩具は監視デバイスを備え、監視デバイスは、振動、向き、超音波信号又は赤外線信号の検出等の状態変化を監視し、それに応じて、識別データ及び状態依存動作データを含む出力信号を送信する。識別データは、影響を受ける受信側玩具を識別し、一方、動作データは、玩具に実行させる動作(例えば、動き、音、又は光の生成)を伝える。受信側玩具は、識別データを1つ又は複数の記憶されたIDと比較し、その識別データがIDのうちの1つと所定の関係を有する場合、動作データに対応する動作を実行する。送信側玩具によって送信される識別データ及び受信側玩具の記憶されるIDのうちの少なくとも1つは、ユーザーがプログラミングすることができる。受信側玩具はプログラミングモードにすることができ、この場合、受信側玩具は、近くの送信側玩具の識別データを受け付け、記憶されるIDのリスト内にそのデータを記憶する。
【0007】
特許文献4は、構築要素を解除可能に相互接続する結合部分を含む構築要素を備える玩具構築システムを開示している。この玩具構築システムは、そのような結合部分を有する機能構築要素を備え、機能構築要素はそれぞれ、制御可能な機能を実行するようになっている機能デバイスと、制御可能な機能を実行する機能デバイスにエネルギーを提供するエネルギー源とを備える。各機能構築要素は、可視光を受信して制御信号を符号化する光センサーと、光センサー及び機能デバイスに接続され、受信した制御信号を復号化し、復号化された制御信号に応じた制御可能な機能を制御するようになっている制御回路とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2007/137577号
【文献】米国特許第8,354,918号
【文献】英国特許第2342813号
【文献】国際公開第2010/23070号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
包括的には、そのようなシステムにおいて用いるのに好適であるとともに、システムの知育的価値及び遊戯的価値を高める新たな構築要素を備える玩具構築システムを提供することが望まれている。上述した従来技術のシステムは、機能要素における機能を有線又は無線で制御するものの、依然として、異なる玩具構築モデルにおいて機能構築要素のセットを他の機能構築要素と交換可能に容易に用いることができる、玩具構築システムを提供することが望まれている。さらに、ユーザー、特に子供が、制御構造及び無線データ通信の詳細な知識を必要とせずとも、複数のインタラクティブ玩具モデルを、ユーザーフレンドリーで効率的であり、更に柔軟かつ確実な方法で構築することを可能にする玩具構築システムを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書において、複数のインタラクティブ構築要素を備える玩具構築システムの態様が開示される。
【0011】
第1の態様によれば、複数のインタラクティブ構築要素は、少なくとも2つのタイプのインタラクティブ構築要素、すなわち、複数の機能構築要素及び1つ又は複数の入力構築要素を含む。各インタラクティブ構築要素は、複数のインタラクティブ構築要素の1つ又は複数の他のインタラクティブ構築要素と通信する無線通信インターフェースを備える。各入力構築要素は、入力を受信するように動作可能であるとともに、受信した入力に応じて、制御信号を少なくとも機能構築要素のサブセットに送信するように構成されている入力デバイスを備える。各機能構築要素は、制御可能な機能を実行するようになっている機能デバイスを備える。各機能構築要素は、識別信号を少なくとも機能構築要素のサブセットに送信し、入力構築要素から受信した制御信号及び/又は複数の機能構築要素のそれぞれの1つ又は複数の他の機能構築要素から受信した1つ又は複数の識別信号に応じて制御可能な機能を制御するように構成されている。したがって、各機能構築要素は、入力構築要素のうちの少なくとも1つによって無線により制御することができ、機能構築要素の挙動は、1つ又は複数の他の機能構築要素の存在に更に依拠することができる。したがって、機能構築要素は、ユーザーが高度な技術スキル又はプログラミングスキルを有する必要なく、グループ又は協働的な挙動を含む比較的複雑な挙動を呈するように制御することができる。
【0012】
識別信号は、機能構築要素のタイプ及び/又は信号を送信する機能構築要素の1つ又は複数の動作パラメーターを示すことができる。例えば、識別信号は、グループ識別子を示すことができ、したがって、インタラクティブ構築要素を1つ又は複数の別個のグループに割り当てることを可能にする。ここでは、各グループのメンバーは、互いに協働するか又は別様に互いの挙動に影響を与えることができる。識別信号は、例えばブロードキャスト信号のような複数の方法で送信することができることが理解される。識別信号は、各機能構築要素によって周期的に及び/又はトリガーイベントに応じて送信することができる。例えば、識別信号は、別のインタラクティブ構築要素からの要求信号又は問合せ信号に応じて送信された応答信号とすることができる。いくつかの実施形態では、全てのインタラクティブ構築要素、すなわち、機能構築要素及び入力構築要素の双方は、それぞれの識別信号を送信及び/又は受信するように構成されている。識別信号は、送信を行うインタラクティブ構築要素が入力構築要素であるか又は機能構築要素であるかという情報を含むことができる。制御信号及び識別信号は、所定のメッセージ構造を有するそれぞれのメッセージとして送信することができる。いくつかの実施形態では、制御信号及び識別信号は、同じメッセージ構造を有することができる。各メッセージは、グループ識別子を含むことができる。各メッセージは、メッセージタイプ、ある値、要素タイプ、要素/ノード識別子のうちの1つ又は複数を更に含むことができる。いくつかの実施形態において、システムは、それぞれのグループ識別子に関係なく全てのインタラクティブ構築要素によって受信及び処理されるグローバルメッセージタイプを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、各インタラクティブ構築要素は、ユーザーがグループ識別子の所定のセットのうちの1つを選択することを可能にするユーザー操作可能なセレクターを備える。各インタラクティブ構築要素は、選択されたグループ識別子に応じて、選択されたグループ識別子を示す指示を出力するように構成されているグループインジケーターを備えることができる。各機能構築要素は、機能構築要素の選択されたグループ識別子に一致する選択されたグループ識別子を有する入力構築要素から受信された制御信号に応じて、上記機能構築要素の機能デバイスを選択的に制御するように構成することができる。
【0014】
したがって、ユーザーがインタラクティブ構築要素を1つ、2つ、又は更にはそれ以上のグループに容易にグループ化することが可能であり、それにより、インタラクティブ構築要素が、同じグループに割り当てられた他のインタラクティブ構築要素とのみインタラクトするシステムが提供される。グループの割当ては、覚えやすい方法で実行され、インジケーターにより、どのインタラクティブ構築要素がどのグループに割り当てられているのかをユーザーが即座に認識することを可能にする。さらに、各インタラクティブ構築要素、すなわち制御構築要素及び機能構築要素の双方は、ユーザー操作可能なセレクター及びグループインジケーターを備え、全てのインタラクティブ構築要素は、多種多様な異なるグループ形態の異なるグループに容易に割当て及び再割当てすることができる。
【0015】
それぞれのグループ識別子の指示は、全てのインタラクティブ構築要素にとって均一であることが好ましい。すなわち、同じ選択されたグループ識別子を有する全てのインタラクティブ構築要素のグループインジケーターが、他のグループに関連付けられているグループ指示とは異なる同じグループ指示を出力するように構成されている。ここでは、「同じ」及び「異なる」という用語は、例えば、それぞれ赤色光、青色光、及び緑色光等のそれぞれの色の光を同じ又は異なるものとしてユーザーによって容易に知覚される指示の特性を指すように意図される。いくつかの実施形態では、全てのインタラクティブ構築要素のユーザー操作可能なセレクター及びインジケーターは、均一の形状及びサイズ並びに均一の機能性を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、選択されたグループ識別子を示す指示は、視覚的な指示を含む。本明細書では、「視覚的な指示」という用語は、例えば、約380nm~約780nmの波長域から主として選ばれる波長を有する光の形態の、人間の目に見える出力を含むように意図される。視覚的な指示が色付き光の放射を含む場合、例えば、赤色光(例えば、主として約625nm~約740nmの波長域)、緑色光(例えば、主として約520nm~約570nmの波長域)、又は青色光(例えば、主として約440nm~約490nmの波長域)等の光学スペクトルの一部を用いる場合、ユーザーにとって、異なるグループ指示を互い及び周囲光から検出及び区別することが容易である。
【0017】
いくつかの実施形態において、制御信号は、制御信号を送信する入力構築要素のグループ識別子を含む。したがって、受信を行う機能構築要素は、受信した制御信号に関連付けられているグループ識別子を特定し、したがって、選択的に、受信した信号に反応するか又はその信号を無視することができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、各インタラクティブ構築要素は、機能停止モードから作動モードへの変更時に、
インタラクティブ構築要素の近位にある少なくとも1つの他のインタラクティブ構築要素の存在を検出し、
上記存在の検出に応じて、検出された他のインタラクティブ構築要素のグループ識別子を検出し、インタラクティブ構築要素のグループ識別子を、検出された他のインタラクティブ構築要素の検出されたグループ識別子と等しくなるように自動的に設定するように構成される。
【0019】
したがって、インタラクティブ構築要素が作動されると、例えば、電源をオンにされるか又は電力節約スタンバイ状態若しくはスリープ状態からアクティブ状態に作動されると、インタラクティブ構築要素は、新たに作動されたインタラクティブ構築要素の近位にある1つ又は複数の他のインタラクティブ構築要素の検出された既存のグループに基づいてグループに自動的に割り当てられることができる。近位とは、例えば、インタラクティブ構築要素の通信距離によって規定することができる。したがって、インタラクティブ構築要素のグループの生成が更に容易になる。この検出は、任意の好適な検出機構、例えば、別のインタラクティブ構築要素から受信した識別信号に基づくことができる。いくつかの実施形態において、検出機構は、作動されているインタラクティブ構築要素にのみ応じるか、又は選択されたグループ、タイプ等のインタラクティブ構築要素にのみ応じる。
【0020】
作動時、インタラクティブ構築要素が、他のインタラクティブ構築要素が異なるグループに割り当てられている近位にある複数の他のインタラクティブ構築要素を検出する場合、自動割当てにより、好適な選択基準に基づいて、例えば、最も大きい信号強度で検出される要素のグループ、最初に検出されたグループ、最も多く検出されたメンバーを有するグループ等、又は上記の組合せを選択することによって、これらのグループのうちの1つを選択することができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、システムは、第1のグループと第2のグループとを関連付ける機構を備えることができる。例えば、各インタラクティブ構築要素は、互いに関連付けられる2つのグループのそれぞれのグループ識別子を示す制御信号を受信することができる。その場合、グループのうちの1つに割り当てられている各インタラクティブ構築要素は、対応する他の関連付けられたグループのグループ識別子を記憶することができる。いくつかの実施形態において、グループが互いに関連付けられている情報を、例えば全てのインタラクティブ構築要素によって受信及び処理されるグローバルメッセージとして一斉送信することができる。したがって、機能構築要素は、固有のグループに向けられた制御メッセージに対してだけでなく、関連付けられた単数又は複数のグループに向けられた制御メッセージに対しても反応してもよい。代替的又は付加的には、機能構築要素は、固有のグループの他のインタラクティブ構築要素の存在の検出に基づくだけでなく、関連付けられているグループ(複数の場合もある)のインタラクティブ構築要素の存在の検出にも基づいて、固有の機能/挙動を選択することができる。いくつかの実施形態では、2つ以上のグループを互いに関連付けることができることが理解される。
【0022】
インタラクティブ構築要素が、ユーザー操作可能なセレクターの作動に応じて、選択されたグループ識別子を、グループ識別子のセット、例えばサイクル式シーケンスのグループ識別子のうちの現在のグループ識別子から後続のグループ識別子に変更するように構成されている場合、特にユーザーフレンドリーであり、更にコスト効率的な玩具構築システムが提供される。したがって、インタラクティブ構築要素をそれぞれのグループに割り当てる、低コストだが使いやすいインターフェースが提供される。したがって、いくつかの実施形態において、ユーザー操作可能なセレクター及びグループインジケーターは、インタラクティブ構築要素の唯一のユーザーインターフェース要素とすることができる。いくつかの実施形態において、インジケーターとユーザー操作可能なセレクターとが組み合わされて、多色光源、例えば複数のLEDを備える押しボタン等の単一の要素とされる。
【0023】
いくつかの実施形態において、ユーザー操作可能なセレクターは、グループを選択すること以外の追加の機能を有することができる。具体的には、インタラクティブ構築要素は、機能停止モードの場合、ユーザー操作可能なセレクターの作動に応じて、作動モードに変更され、また、作動モードの場合、ユーザー操作可能なセレクターの作動に応じて、選択されたグループ識別子を現在のグループ識別子から後続のグループ識別子に変更し、また、作動モードの場合、ユーザー操作可能なセレクターの所定の閾値よりも長く伸長された作動に応じて、機能停止モードに変更されるように構成することができる。したがって、同じセレクターを用いて、構築要素の電源をオン/オフにする(又は別様に作動/機能停止する)とともに、要素をあるグループに割り当てることができる。さらに、代替的又は付加的には、ユーザー操作可能なセレクターは、グループ選択とは異なるユーザーによる他のタイプの動作モード間の選択を可能にするように動作可能とすることができる。同様に、グループインジケーターは、グループ識別に加えて又はその代わりに他のタイプの動作モードを示すように動作可能とすることができる。
【0024】
セレクターは、異なる形状及びサイズを有することができ、種々の方法で動作することができることが理解される。例えば、セレクターは、押しボタン若しくは他の押圧/圧力作動要素又は別の形態のスイッチ、スライダー等とすることができる。
【0025】
本開示は、上述の玩具構築システム及び以下の対応するインタラクティブ構築要素、並びに他の装置、システム、方法、及び/又は製品を含む異なる態様に関し、そのそれぞれは、上述した第1の態様に関連して記載されている利益及び利点のうちの1つ又は複数をもたらすとともに、上述の第1の態様に関連して記載される及び/又は添付の特許請求の範囲に開示されている実施形態に対応する1つ又は複数の実施形態をそれぞれ有する。
【0026】
第2の態様によれば、本明細書において、複数の動作モードのそれぞれにおいて選択的に動作可能であるようにそれぞれ構成されている複数のインタラクティブ構築要素を備える玩具構築システムの実施形態が開示される。各インタラクティブ構築要素は、
インタラクティブ構築要素の他のインタラクティブ構築要素の1つ又は複数と通信する無線通信インターフェースと、
ユーザーが複数の動作モードのうちの1つを選択することを可能にするユーザー操作可能なセレクターと、
を備え、各インタラクティブ構築要素は、機能停止モードから作動モードへの変更時、インタラクティブ構築要素の近位にある少なくとも1つの他のインタラクティブ構築要素の存在を検出し、上記存在の検出に応じて、検出された他のインタラクティブ構築要素の現在の動作モードを検出し、インタラクティブ構築要素の動作モードを、検出された他のインタラクティブ構築要素の検出された現在の動作モードに等しくなるように自動的に設定するように構成されている。
【0027】
したがって、インタラクティブ構築要素が作動される場合、例えば電源がオンにされるか又は電力節約スタンバイ状態若しくはスリープ状態からアクティブ状態に作動される場合、インタラクティブ構築要素は、新たに作動されたインタラクティブ構築要素の近位にある1つ又は複数の他のインタラクティブ構築要素の検出された動作モードに基づいて動作モードのセットのうちの1つに自動的に割り当てられる。近位とは、例えば、インタラクティブ構築要素の通信距離によって規定することができる。したがって、複数のインタラクティブ構築要素の動作モードの割当てが大幅に容易になる。
【0028】
各動作モードは、動作モードの1つ又は複数の特質によって他の動作モードから区別することができる。いくつかの実施形態において、各動作モードは所定のグループ識別子に関連付けられ、すなわち、動作モードは、現在インタラクティブ構築要素が属しているのはインタラクティブ構築要素のどのグループであるのかを規定する。したがって、インタラクティブ構築要素の挙動は、他のインタラクティブ構築要素のいずれが現在同じ動作モードにあるか、すなわち同じグループのメンバーであるかに依拠することができる。上述したように、2つのタイプのインタラクティブ構築要素、すなわち本明細書に記載されている機能構築要素及び入力構築要素が存在し得る。したがって、各機能構築要素は、機能構築要素の選択された動作モードに一致する選択された動作モードを有する入力構築要素から受信された制御信号に応じて、上記機能構築要素の機能デバイスを選択的に制御するように構成することができる。
【0029】
概して、インタラクティブ構築要素の無線通信インターフェースは、例えば、好適な通信プロトコルに従う無線周波数通信を用いることにより、任意の好適な無線通信技術を実施することができる。いくつかの実施形態において、無線通信技術は短距離技術である。無線通信の通信距離は、少なくとも0.5m、例えば少なくとも1mとすることができる。ほとんどの状況において、10m未満の通信距離、またほとんどの場合、5m未満でも十分であるが、いくつかの実施形態ではより長距離が許容可能又は更には望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、入力構築要素及び/又は機能構築要素は、異なるインタラクティブ構築要素間の2方向通信を可能にするように送受信機を備えることができる。制御信号は、任意の好適な方法で、例えば振幅変調、周波数変調、及び/又はより複雑な変調技術によって、無線信号へと符号化することができる。
【0030】
制御構築要素と機能構築要素との間のインターフェースの実施形態は、可動部なしに動作可能であり、制御構築要素と機能構築要素との間の電気的接触を確立する必要がない。それにより、小さい子供にも好適である力学的に頑丈なシステムがもたらされる。
【0031】
いくつかの実施形態において、機能構築要素は、機能構築要素の近位にある1つ又は複数の他のインタラクティブ構築要素のタイプ及び/又はID)を検出し、検出されたタイプ及び/又はIDに応じて上記機能構築要素の機能デバイスを制御するように構成されている。したがって、機能構築要素の挙動は、他のインタラクティブ構築要素のいずれが近位にあるか又は更には同じグループに割り当てられているかに依拠することができる。例えば、機能構築要素には複数のプログラム又は複数の機能パターンが記憶されており、機能構築要素は、近位にある及び/又は同じグループにある他のインタラクティブ構築要素のタイプ及び/又はIDに応じてこれらのプログラム/パターンのうちの1つ又は複数を選択することができる。例えば、各機能構築要素は、データ構造、例えば、インタラクティブ構築要素の1つ又は複数のセットをそれぞれの実行可能な命令、プログラムブロック等に関連付ける、実行可能な命令、プログラムブロック、関数、サブルーチン等のリスト又は行列又はデータベースを含むことができる。リスト、行列、又はデータベースは、命令、プログラムブロック、関数等を識別するメモリアドレス等のポインターを含むことができることが理解される。機能構築要素が、命令のセット、プログラムブロック等が関連付けられているセットのうちの1つの全てのインタラクティブ構築要素を検出した場合、機能構築要素は関連する命令/プログラムブロック/関数等を選択及び実行する。したがって、機能構築要素は、検出されたインタラクティブ構築要素に対応するプログラムデータ構造の命令又はプログラムブロックの記憶されたセットを参照するように構成することができる。こうして、機能構築要素の挙動は、この機能構築要素の近位に存在する他のインタラクティブ構築要素に依拠することができる。いくつかの実施形態において、実行可能な命令のセットの選択は、所定のグループの他のインタラクティブ構築要素のセットの検出に応じて、例えば、機能構築要素のグループ識別子によって規定されるように、機能構築要素自体(及び/又は本明細書に記載のように関連付けられたグループ)と同じグループの他のインタラクティブ構築要素のセットの検出に応じて行うことができる。機能構築要素は、ファームウェアによって制御することができることが理解される。ファームウェアは、それぞれの挙動に対応するそれぞれの命令のセットを含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の入力構築要素は、所定のセンサー入力に応じるセンサーの形態において入力デバイスをそれぞれ備える。入力構築要素は、所定のセンサー入力に応じて、所定のセンサー入力に対応する制御信号を出力するようになっている。したがって、入力構築要素と機能構築要素との間に制御インターフェースがもたらされる。したがって、制御機構は直感的であり、より小さい子供でも作業が簡単である。玩具構築システムは、異なる所定のセンサー入力に応じる複数の入力構築要素を備えることができる。センサー入力の例として、機械的な力、押し動作、傾斜の向き、引き動作、回転、人間による操作、タッチ、物体の近接、電気信号、無線周波数信号、光信号、可視光信号、赤外線信号、磁気信号、温度、湿度、放射線が挙げられる。制御信号は、感知されるセンサー入力の有無、及び/又はセンサー入力の量の度合い、例えば音圧、傾斜角、光強度等を示す値を含むことができる。
【0033】
機能構築要素が、制御インターフェースを変更する必要なく所与の玩具構造内で容易に交換可能であり得ることが、本明細書に記載の玩具構築システムの実施形態の更なる利点である。したがって、玩具構築システムは、機能デバイスが異なる機能を実行するようになっている複数の機能構築要素を備えることができる。制御可能な機能は、例えば、移動、可聴音信号の生成、非可聴音信号の生成、電気信号の生成、可視光信号の生成、不可視光信号の生成、無線周波数信号の生成等の、ユーザー知覚可能な機能とすることができる。
【0034】
各機能構築要素は、制御可能な機能を実行する機能デバイスにエネルギーを提供するエネルギー源を更に備えることができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、各インタラクティブ構築要素は、インタラクティブ構築要素を互いに解除可能に相互接続するように構成されている結合部分を備える。
【0036】
いくつかの実施形態において、玩具構築システムは、頂面と、底面と、頂面及び底面のうちの少なくとも一方に配置される結合部分とを備える玩具構築要素(例えば、本明細書に記載のインタラクティブ構築要素及び/又は従来の玩具構築要素)を備え、構築要素は、頂面と底面との間に規定される均一の高さを有し、各インタラクティブ構築要素は第1の面を有し、ユーザー操作可能なセレクターは、第1の面から突出し、第1の面に対して上記均一の高さ以下の高さを有する。したがって、第1の玩具構築要素が第1の面に取り付けられると、第2の玩具構築要素は、第1の玩具構築要素に接続することができるとともに、セレクターを横切って部分的に又は完全に上方に延びることができる。それにより、インタラクティブ構築要素を玩具モデルに柔軟に統合することが容易になる。具体的には、いくつかの実施形態において、インタラクティブ構築要素のそれぞれは、頂面と、底面と、少なくとも1つの側面とを有し、上記結合部分は頂面及び底面のうちの少なくとも一方に配置され、ユーザー操作可能なセレクターは上記頂面に配置される。
【0037】
いくつかの実施形態において、結合部分は、接続方向を規定し、構築要素に対して離散数の所定の相対的な向きで各構築要素と別の構築要素との相互接続を可能にするようになっている。全てのユーザー操作可能なセレクターは、規定される接続方向に対して所定の方向から作動するように配置されている。同様に、全てのインジケーターは、規定される接続方向に対して所定の方向から少なくともほとんどが見えるように配置することができる。したがって、このような玩具構築システムは、ユーザー操作可能なセレクター及びインジケーターが容易にアクセス可能/視認可能であるように、制御要素及び機能要素が玩具構築システムの他の構築要素と相互接続する玩具構造の構築を可能にする。全ての機能構築要素及び/又は全ての入力構築要素のユーザー操作可能なセレクター及び/又はインジケーターが結合部分に対して均一な態様で配置される場合、異なる機能構築要素及び/又は制御要素は、ユーザーがモデルのインタラクティブ特徴部を容易に制御するのを妨げることなく、所与の玩具構築モデルにおいて簡単に交換することができる。いくつかの実施形態において、結合部分は、結合部分の場所の1つ又は複数の規則的な平面グリッドに配置される。グリッドは、例えばグリッドの平面に対して垂直な接続方向を規定する。いくつかの実施形態において、ユーザー操作可能なセレクターは、例えば、作動面全体にわたるタッチ又は圧力によってセレクターが作動されるように構成されている作動面を規定する。インタラクション面は、1つ又は2つの方向に、結合部分の場所のグリッドにおける近隣の結合部分間のピッチ距離以上、好ましくはピッチ距離の2倍に等しいか又はそれよりも大きい寸法を有することが好ましい。
【0038】
結合部分は、任意の適切な機構を用いて、構築要素を他の構築要素に解除可能に接続することができる。いくつかの実施形態において、結合部分は、1つ又は複数の突起及び1つ又は複数のキャビティを備え、各キャビティは、突起のうちの少なくとも1つを摩擦係合状態で受けるようになっている。
【0039】
いくつかの実施形態において、玩具構築システムは、インタラクティブ構築要素のうちの1つに接続可能であるタグ構築要素を備える。このために、タグ構築要素は、インタラクティブ構築要素の結合部分に対応する結合部分を有することができる。タグ構築要素は、タグ構築要素がインタラクティブ構築要素に接続される場合、タグ構築要素とインタラクティブ構築要素との間のデータ通信のために構成されている。例えば、タグが機能構築要素に接続される場合、機能構築要素は、タグ構築要素から受信したデータに応じて機能デバイスを制御するように構成することができる。このために、タグ構築要素は、データを記憶するメモリを備えることができる。通信は、有線接続又は無線接続、例えば近距離無線接続を介することができる。送信されるデータは、機能構築要素が、受信した識別子に応じて機能デバイスを制御するようにする識別子を含むことができる。代替的又は付加的には、データは、機能デバイスを制御する制御パラメーター及び/又はプログラムコードを含むことができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、システムは、インタラクティブ構築要素のうちの1つ又は複数と通信するように構成されている無線通信インターフェースを備えるとともに、通信された制御信号に応じてユーザーインターフェースを表示するように構成されているグラフィカルユーザーインターフェースを備えるデータ処理デバイスを更に備える。データ処理デバイスは、ポータブルコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、又は、グラフィカルユーザーインターフェース及び無線通信インターフェースを備える別のプログラマブルコンピューティングデバイス等の好適にプログラミングされたコンピューターとすることができる。データ処理システムは、好適にプログラミングされる場合、データ処理システムに入力構築要素及び/又は機能構築要素をシミュレートさせるプログラムを実行することができる。詳細には、データ処理システムは、機能構築要素の機能を制御する制御信号を送信するか又は入力構築要素から制御信号を受信し、受信した制御信号に応じて機能を実行する、例えば仮想世界、ゲーム等のフィギュアの挙動を制御するように構成することができる。データ処理システムは、本明細書に記載の識別信号を送信及び/又は受信し処理するように更に構成することができる。データ処理システムは、ユーザーがグループ識別子をデータ処理システムに割り当てることを可能にする機能性を更に提供することができる。データ処理システムは、選択されたグループ識別子を含む制御信号を発信するか、又は選択されたグループ識別子を含む受信した制御信号に応じた機能を選択的に実行することができる。いくつかの実施形態において、データ処理システムは、インタラクティブ構築要素の2つ以上のグループを互いに関連付けることを可能にする機能性を提供することができる。いくつかの実施形態において、データ処理システムは、ユーザーが1つ又は複数のそのような関連付けを規定することを可能にするユーザーインターフェースを備えることができる。したがって、データ処理システムは、1つ又は複数の制御信号を送信し、例えば、1つ又は複数の関連付けられているグループのグループ識別子(複数の場合もある)を記憶することによって、関連のグループのインタラクティブ構築要素に関連付けを記録させることができる。データ処理システムは、タグ構築要素に対してデータを読出し及び/又は書込みするように更に構成することができる。このために、データ処理システムは、タグ構築要素をデータ処理システムに接続するインターフェースを備えることができる。
【0041】
玩具構築システムの実施形態は、一定の様式でかつ優れた構造で、限られた異なる構築要素の一揃いまたはセットを用いて、ユーザーが多種多様の機能及び機能関係を構築することを可能にする。例えば、玩具構築システムは、異なるセンサーを備える複数の入力構築要素と、それぞれの機能を実行する複数の機能構築要素とを備える玩具構築セットとして提供することができる。必要に応じて、そのような玩具構築セットは、複数の制御構築要素及び機能構築要素と、従来の構築要素と、取扱説明書等のうちの1つ又は複数を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】従来技術の玩具構築要素を示す図である。
図2】従来技術の玩具構築要素を示す図である。
図3】従来技術の玩具構築要素を示す図である。
図4A】本明細書に開示されている玩具構築システムの機能構築要素の一実施形態を示す図である。
図4B】本明細書に開示されている玩具構築システムの機能構築要素の一実施形態を示す図である。
図5A】本明細書に開示されている玩具構築システムの入力構築要素の実施形態を示す図である。
図5B】本明細書に開示されている玩具構築システムの入力構築要素の実施形態を示す図である。
図6】本明細書に開示されている玩具構築要素及びインタラクティブ構築要素から構築される玩具構造の例を示す図である。
図7】本明細書に開示されている玩具構築要素及びインタラクティブ構築要素から構築される玩具構造の例を示す図である。
図8】本明細書に開示されている玩具構築要素及びインタラクティブ構築要素から構築される玩具構造の例を示す図である。
図9】インタラクティブ構築要素の動作を概略的に示す図である。
図10】本明細書に開示されている玩具構築要素及びインタラクティブ構築要素から構築される玩具構造の更なる例を示す図である。
図11A】本明細書に開示されている玩具構築システムのタグ構築要素の使用を概略的に示す図である。
図11B】本明細書に開示されている玩具構築システムのタグ構築要素の使用を概略的に示す図である。
図12A】本明細書に開示されている玩具構築システムのタグ構築要素の使用を概略的に示す図である。
図12B】本明細書に開示されている玩具構築システムのタグ構築要素の使用を概略的に示す図である。
図12C】本明細書に開示されている玩具構築システムのタグ構築要素の使用を概略的に示す図である。
図13】データ処理システム及びインタラクティブ構築要素を示す図である。
図14】本明細書に記載のインタラクティブ構築要素間で通信されるメッセージのメッセージ構造の一例を概略的に示す図である。
図15】入力構築要素によって実行されるプロセスの一例のフロー図である。
図16】機能構築要素によって実行されるプロセスの一例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
次に、本明細書に開示される玩具構築システムの種々の態様及び実施形態を、ブリックの形態の玩具構築要素を参照して説明する。しかしながら、本発明は、玩具構築セットで用いられる構築要素の他の形態に適用することができる。
【0044】
図1において、頂面にある結合スタッドと底部からブリック内に延びるキャビティとを備える玩具構築要素が示されている。米国特許第3,005,282号に開示されているように、キャビティは中央管部を有し、別のブリックの結合スタッドをキャビティ内に摩擦係合状態で受けることができる。図2及び図3は、従来技術の他のこのような構築要素を示している。残りの図に示されている構築要素は、協働するスタッド及びキャビティの形態のこの既知のタイプの結合部分を有する。しかし、当該スタッド及びキャビティに加えて又はスタッド及びキャビティの代わりに、他のタイプの結合部分を用いることもできる。結合スタッドは平面正方格子状に配置され、すなわち、結合スタッドは一連の結合スタッドが並んで配置される直交方向を規定する。隣り合う結合スタッド間の距離は、両方向に均一かつ等しい。結合場所において規則的な平面格子を規定する結合部分のこの配置又は同様の配置により、玩具構築要素は、互いに対して離散数の位置及び向きで、特に互いに対して直角に相互接続することが可能である。
【0045】
以下、インタラクティブ構築要素の例、特に機能構築要素及び入力構築要素の例を、その動作及び互いに対するインタラクションとともに記載する。
【0046】
図4A及び図4Bは、機能構築要素401の一例を示している。詳細には、図4Aは、機能構築要素の概略的なブロック図を示し、一方、図4Bは、機能構築要素の斜視図を示している。機能構築要素は、概して、平坦な側面を有する直交多面体(orthogonal polyhedron)の形状であり、その上面から結合部分402が延び、キャビティがその底面に延びている(明確に図示せず)。しかし、他の形状及びサイズの構築要素を用いてもよい。結合部分は、平坦で規則的な平行格子状に配置され、結合位置を規定している。機能構築要素は、最上面にある押しボタン403の形態のユーザー操作可能なセレクターを備える。押しボタンは、押圧感応作動面を有し、各方向における2つの結合位置にわたって延びる。機能構築要素は、多色光源413の形態のインジケーターを更に備え、多色光源413は、押しボタン403に統合され、赤色光、青色光、緑色光等のような異なる色の光を選択的に発光するように構成されている。例えば、多色光源は複数のLEDを含むことができる。他の実施形態の機能構築デバイスは、他のタイプのセレクター及び/又はインジケーターを備えることができる。
【0047】
機能構築要素401は、制御回路407、例えばマイクロコントローラー、マイクロプロセッサ、又は押しボタン及び光源に動作可能に接続する他の好適な処理ユニットを備える。機能構築要素401は、制御回路407に接続される機能デバイス404を更に備える。構築要素401は、制御回路に接続されるとともに他のインタラクティブ構築要素との無線周波数通信のために動作可能な送受信機406を更に備える。機能構築要素は、制御回路と、機能デバイスと、光源と、送受信機とに電力を提供するバッテリー405又は他の好適な電源を更に備える。機能構築要素401の壁は、処理ユニット407と、機能デバイス404と、バッテリー405と、送受信機406とを収容するハウジングを画定する。
【0048】
制御回路407は、送受信機を介して受信した信号に応じて機能デバイスを制御するとともに、送受信機及び多色光源を制御するように構成されている。概して、機能構築要素401の近位の別のインタラクティブ構築要素によって信号を提供することができる。具体的には、機能構築要素401が後述する入力構築要素を備えるシステムの一部として用いられる場合、機能構築要素は、入力構築要素の対応する送受信機から制御信号を受信することができる。代替的には、コンピューター又は他の処理デバイスから制御信号を受信することができる。機能構築要素は、送受信機406を介して他のインタラクティブ構築要素から識別信号を受信し、識別信号を一斉送信するように更に構成されている。
【0049】
送受信機406は、好適な周波数帯域において、例えば短距離通信技術に用いられるISMバンドのうちの1つにおいて、無線周波数信号を送受信するように動作可能とすることができる。実際、無線周波数通信は、データ通信のための任意の好適な通信技術、例えば、Bluetooth、IEEE 802.15.4、IEEE 802.11、ZigBee等を用いることができる。しかし、赤外光等の光に基づく技術又は他の無線技術を含む他の通信技術を用いてもよいことが理解される。
【0050】
機能デバイスは、視覚効果又は聴覚効果等のユーザー知覚可能な効果を提供する機能等の機能を実行する任意の好適なデバイスとすることができる。図4Bの例では、機能デバイスはモーターであり、機能構築要素は、モーターにより回転可能に駆動することができるシャフトを受ける結合部分を備える。機能デバイスの他の例は、1つ若しくは複数の機械的又は電気的機能を実行するようになっている任意の好適な機械的及び/又は電気的デバイス、機構、又は回路部を含むことができる。
【0051】
本明細書に記載の機能構築要素により実行することができる機械的機能の例には、回転出力シャフトの駆動、物体を機能構築要素に近づけるように引っ張ることを可能にするひも又はチェーンの巻上げ、例えばドアの開閉を可能にする機能構築要素のヒンジ部の動作、物体の取出し、ターンテーブルの回転、リニアアクチュエーターの動作等が挙げられる。このような機械的動作は、バッテリー又は充電式の電気コンデンサー又は別の好適な電源によって給電される電気モーターによって駆動することができる。
【0052】
本明細書に記載の機能構築要素により実行することができる電気的機能の例には、アクセス可能な端子によるスイッチの動作、定常光又は点滅光の放出、複数のランプの所定の順序での作動、ビープ、アラーム、ベル、サイレン、ボイスメッセージ、音楽、合成音、遊戯活動を再現及び鼓舞する自然音又は模倣音等の可聴音の発信、音声の録音及び再生、超音波等の非可聴音の発信、別の構成要素が受信する無線周波数信号又は赤外線信号の発信、ディスプレイを介した可視出力の提供等が挙げられる。
【0053】
したがって、機能デバイスの例として、ランプ又はLED等の光源、音源、モーター、ヒンジ部、回転可能なシャフト、信号発生器、リニアアクチュエーター、ディスプレイ等が挙げられる。玩具構築システムは、制御信号に応じ、異なる機能を提供する、このような機能構築要素のうちのいくつかを含むことができる。
【0054】
機能構築要素は電気コネクタ408を備えることもでき、それにより、タグ構築要素411を制御回路に電気的に接続することが可能であり、制御回路が、タグ構築要素411のメモリから識別子及び/又は他のデータ等のデータを受信することが可能になっている。図4Aは、タグ構築要素が取り付けられていない機能構築要素401を示し、一方、図4Bは、タグ構築要素411がコネクタ408に取り付けられている機能構築要素401を示している。したがって、制御回路は、受信した制御信号に応じて、またタグ構築要素から受信したデータに応じて機能デバイスの動作を制御することができる。代替的に又は付加的には、より詳細に後述するように、制御回路は、タグ構築要素から受信したデータに応じて、それぞれの動作モードに入るか又はそれぞれのグループ識別子を選択することができる。
【0055】
押しボタン403は、ユーザーインターフェース(いくつかの実施形態では唯一のユーザーインターフェース)を提供するように動作可能であり、それにより、ユーザーが機能構築要素の動作を制御することが可能になり、具体的には、詳細に上述したように、例えばそれぞれのグループ識別子を機能構築要素に割り当てることによって、機能構築要素を異なる動作モードにすることが可能になる。多色光源413は、機能デバイス404によって提供される任意のユーザー知覚可能な機能に加えて、機能構築デバイスの動作モード及び/又はグループ識別子に関して視認可能なフィードバックをユーザーに提供するように動作可能である。いくつかの実施形態において、多色光源は、照明される面を照明するように構成されている。照明される面は、各配置又は方向において2つの結合場所を覆うのに十分なものとすることができる。具体的には、いくつかの実施形態において、押しボタンの押圧感応作動面全体を照明することができる。押しボタン及び多色光源の機能及び使用は、より詳細に後述する。制御回路407は、送受信機406を介して、機能構築要素401の近位にある他のインタラクティブ構築要素のそれぞれの動作モードの指示を受信し、受信した指示に応じて機能構築要素401の挙動を制御するように更に動作可能である。例えば、入力構築要素から受信される制御信号は、制御信号の発信源である入力構築要素の動作モードを示すグループ識別子又は他のデータを含むことができる。制御回路407は、受信したグループ識別子又は他のデータが、現在選択されているグループ識別子又は機能構築要素401の他の動作モードに一致するならば、制御信号に応じて機能デバイス404を選択的に作動させる。
【0056】
図5A及び図5Bは、入力構築要素501の例を示している。具体的には、図5Aは、入力構築要素の一例の概略的なブロック図を示し、一方、図5Bは、入力構築要素の別の例の斜視図を示している。各入力構築要素は、概して、平坦な側面を有する直交多面体の形状であり、その上面から結合部分502が延び、キャビティがその底面に延びている(明確に図示せず)。しかし、他の形状及びサイズの構築要素を用いてもよい。入力構築要素は、最上面に押しボタン503の形態のユーザー操作可能なセレクターと、押しボタンに統合されている多色光源513の形態のインジケーターと、制御回路507と、送受信機506と、バッテリー505とを備え、その全てが、上記の機能構築要素401に関連して記載されている。しかし、入力構築要素501は、機能デバイスの代わりに、制御回路507に接続されているセンサー504又は他の入力デバイスを備える。入力構築要素501の壁は、処理ユニット507と、センサー504と、バッテリー505と、送受信機506とを収容するハウジングを画定する。他の実施形態では、インタラクティブ構築要素はセンサー及び機能デバイスを備えることができることが理解される。
【0057】
制御回路507は、センサー504からセンサー信号を受信し、受信したセンサー信号に応じて制御信号を生成し、生成された制御信号を、送受信機506を介して送信するように構成されている。
【0058】
また、入力構築要素は電気コネクタ508を備え、それにより、タグ構築要素(図示せず)を制御回路に電気的に接続することが可能であり、そのため、制御回路がタグ構築要素のメモリから識別子及び/又は他のデータ等のデータを受信することが可能になっている。したがって、制御回路507は、受信したセンサー信号に応じて、また、タグ構築要素から受信したデータに応じて制御信号を生成するように構成することができる。代替的又は付加的には、より詳細に後述するように、制御回路は、タグ構築要素から受信したデータに応じてそれぞれのグループ識別子を選択する等のそれぞれの動作モードに入ることができる。
【0059】
押しボタン503は、ユーザーインターフェース(いくつかの実施形態では唯一のユーザーインターフェース)を提供するように動作可能であり、それにより、ユーザーが入力構築要素の動作を制御することが可能になり、具体的には、より詳細に述べられているように、例えばそれぞれのグループ識別子を入力構築要素に割り当てることによって、入力構築要素を異なる動作モードにすることが可能になる。多色光源513は、制御構築デバイスの動作モード及び/又はグループ識別子に関して視認可能なフィードバックをユーザーに提供するように動作可能である。図4の機能構築要素に関連して記載されているように、多色光源513は、押しボタンの照明される面を照明するように構成されている。制御回路は、選択された動作モードを示す識別子及び/又は他のデータ、例えば選択されたグループ識別子を、インタラクティブ構築要素に送信される及び/又は選択された動作状態を入力構築要素の近位にある他のインタラクティブ構築要素に別様に通信する制御信号(複数の場合もある)に挿入する。
【0060】
入力構築要素501のセンサー504は、所定のセンサー入力に応答する。図5Bの例では、センサーは、別の物体の近接を検出する近接センサーである。他の例のセンサーは、機械的な力、押し、引き、回転、傾斜、人間による操作、タッチ、電気信号、無線周波数信号、光信号、可視光信号、赤外線信号、磁気信号、温度、湿度、放射線等のような他の入力に応答することができる。センサーは、例えば入力の有無を示す二値信号を提供するように構成することができる。代替的又は付加的には、センサーは、複数の異なる入力を示す及び/又は作動のレベル又は大きさを示す複数レベルの又は更には連続的な信号を生成するように構成することができる。したがって、生成された制御信号は、受信したセンサー入力の特性、例えば回転若しくは傾斜の方向、又は検出される量の度合い、例えば回転若しくは移動の速度、力、温度、音圧、光強度、傾斜角等を示すことができる。玩具構築システムは、それぞれのセンサー入力に応答するセンサーをそれぞれ備える複数の入力構築要素を備えることができる。好適には、各入力構築要素は、特定のタイプの物理的事象/状態のにのみ応答する。
【0061】
入力構築要素及び/又は機能構築要素は、構築要素を解除可能に相互接続する結合部分を備える構築要素、例えば、図1図3に示されている既知のブリックを備える玩具組立セットの一部として用いることができる。玩具構築セットは、複数の機能構築要素及び/又は複数の入力構築要素を備えることができる。
【0062】
全ての入力構築要素の押しボタン及び全ての機能構築要素の押しボタンは、均一な形状及びサイズを有し、同じように動作して、それぞれのインタラクティブ構築要素の指示を均一にもたらすことが好ましい。さらに、全てのインタラクティブ構築要素の押しボタンは、結合部分に対して、例えば頂面にある結合スタッド及び/又は玩具構築要素の底部にある結合キャビティに対して均一に配置することができる。
【0063】
図6図8は、本明細書に開示されている、玩具構築要素及びインタラクティブ構築要素から構築される玩具構造の例を示している。図6の玩具構造は、従来の2つの玩具構築要素610及び本明細書に記載の3つのインタラクティブ構築要素、すなわち、入力構築要素501及び2つの機能構築要素401a、401bから構築される。この例では、機能構築要素401aはモーターを備え、一方、機能構築要素401bは音源を備える。入力構築要素501は近接センサー504を備える。動作においては、入力構築要素501が物体の近接を検出すると、入力構築要素501は制御信号を送信し、その信号が機能構築要素401a、401bによって受信されると、機能構築要素のそれぞれの機能を作動させる。
【0064】
図7は、従来の玩具構築要素610及び2つの機能構築要素401から構築される別の玩具構造の側面図である。この例では、機能構築要素401は、それぞれモーターを備える。動作においては、機能構築要素401は、玩具構造に物理的に取り付けられてはいないが機能構築要素401の送信機の通信距離内に配置されている入力構築要素(図示せず)から、制御信号を受信することができる。図7は、構築要素が均一の高さ(又はその整数倍)を有し、面同士が距離h又はその整数倍だけ互いに離間している平行な平面714に結合部分が配置されるようになっていることを更に示している。各機能構築要素401の押しボタン403は、対応する機能構築要素の結合部分402を備える平面に対して高さHを有する。この場合、高さHは、玩具構築システムの結合部分の平面間の高さhに一致する。したがって、この玩具構造において、多色光源の光放射面から成る押しボタン403の作動面は、玩具構造における結合部分の平面のうちの1つと同じ高さである。
【0065】
したがって、図8に示されているように、別の玩具構築要素(この例では別の機能構築要素401b)を、構築要素610の頂部に接続することができ、この構築要素610はさらに、機能構築要素401aの結合部分に接続され、他の構築要素401bが押しボタンの動作を邪魔することなく押しボタン403を横切って延在している。
【0066】
さらに、押しボタン403の作動面が、(図6に示されているように)それぞれ隣接する結合部分間のピッチ距離d(図6を参照)の2倍に等しい長さL及び幅Wを有することから、押しボタン403の作動面は、図8に示されているように、別の構築要素によって部分的に覆われたとしても、依然として見えるとともにアクセス可能である。図8は、機能構築要素の一例を参照して、押しボタンの形状、サイズ、及び位置を示しているが、入力構築要素の押しボタンを、同じような形状、サイズ、及び位置とすることができることが理解される。
【0067】
図9は、インタラクティブ構築要素の動作を概略的に示している。図9の例において、インタラクティブ構築要素は、図4に記載の機能構築要素である。他の機能構築要素及び入力構築要素も同じように動作することができることが理解される。
【0068】
図9Aは、機能停止状態におけるインタラクティブ構築要素401を示している。この状態では、押しボタン403に統合されている多色光源はオフである。同様に、送受信機、制御回路、及び機能要素又はセンサー要素は、電源をオフにするか又は少なくともエネルギー節約状態にすることができる。インタラクティブ構築要素は、押しボタン403を押すことによって作動状態になる。インタラクティブ構築要素の作動に応じて、多色光源の制御回路は、押しボタン403にある多色光源が、第1の動作モードに関連付けられている第1の色、例えば赤色の光を放射することによって示されるように、図9Bに示すように、複数の動作モードのうちの第1の動作モードになる。押しボタン403を繰り返し作動することにより、インタラクティブ構築要素の動作モードはサイクル式に反復して変更される。すなわち、押しボタンの作動ごとに、インタラクティブ構築要素はモードのサイクル式シーケンスの後続のモードに変更される。各動作モードは、そのモードに関連付けられた色を有する。したがって、押しボタンの作動ごとに、図9B図9Dに示されているように、多色光の色が新たに選択されたモードの色に切り替わる。
【0069】
押しボタンが閾値よりも長時間、例えば少なくとも1秒又は少なくとも2秒作動されている場合、インタラクティブ構築要素は機能停止される、例えば電源をオフにされるか又はエネルギー節約状態になる。したがって、図9E図9Fに示されているように多色光もオフになる。
【0070】
選択可能な動作モードは、インタラクティブ構築要素の異なる挙動、例えばグループメンバーシップ、ムード、感応レベル等の挙動状態、を反映することができる。
【0071】
代替的又は付加的には、押しボタンは、インタラクティブ構築要素の挙動を複数の方法のうちの1つ又は複数において制御するように用いることができる。例えば、
オン及びオフ(作動/挙動なし)
オン及び再生/停止の単純な動作
オン及び挙動のトリガー(デフォルトの挙動又はタグ構築要素から読み出される挙動)
オン及びグループIDの変更
オン及びモード/挙動の選択
オン及び記録(例えば音声構築要素)
【0072】
作動された場合(図9の例において図9Aのオフ状態から図9Bの作動状態に変更する場合)、最初に選択される動作モードは、種々の方法で、例えばランダムで若しくは常に同じ所定のモードになるように、インタラクティブ構築要素の制御回路によって決定することができ、又は、この要素が前回オフになる前にアクティブであった最後の動作モードを選択することによって決定することができる。代替的又は付加的には、作動時の最初のモード選択は、インタラクティブ構築要素の通信距離内において検出された他のインタラクティブ構築要素に基づくことができる。具体的には、インタラクティブ構築要素の作動時、インタラクティブ構築要素の制御回路は、インタラクティブ構築要素の送受信機を作動させ、このインタラクティブ構築要素の通信距離内に任意の他のインタラクティブ構築要素があるか否かを検出する。このために、複数の好適な検出機構を用いることができる。例えば、各インタラクティブ構築要素は、作動されている間、識別メッセージ等の識別信号を周期的に一斉送信することができる。この識別メッセージ等の識別信号には、動作モード、要素のID及び/又は、インタラクティブ構築要素が機能構築要素であるか若しくは入力構築要素であるか、又は更にはいずれのタイプの機能要素/制御要素であるかを識別する、すなわちいずれのタイプの機能デバイス若しくはセンサーを含むかを識別する、識別子タイプ等の情報が含まれる。代替的又は付加的には、インタラクティブ構築要素は、作動時、上記情報を含む要求メッセージを一斉送信し、他のインタラクティブ構築要素が、対応する応答メッセージによって応答するようにすることができる。種々の他の認識機構を用いて、インタラクティブ構築要素がいずれの他のインタラクティブ構築要素が近位にあるかに関する情報を得ることを可能にすることができ、この情報には、それぞれの他のインタラクティブ構築要素の現在のモード設定(例えばグループ識別子)、タイプ、及び/又は他の動作パラメーターに関する情報が任意に含まれることが理解される。
【0073】
したがって、作動時、インタラクティブ構築要素は、1つ又は複数の他のインタラクティブ構築要素が、所定の近位(例えば、送受信機の通信距離内)に存在するか否かを判断することができる。他のインタラクティブ構築要素が検出されない場合、インタラクティブ構築要素は、所定のデフォルト動作モード、ランダムに選択された動作モード、又は別様に選択された初期動作モードに入ることができる。インタラクティブ構築要素の作動時に別のインタラクティブ構築要素が検出される場合、新たに作動されたインタラクティブ構築要素は、他の検出されたインタラクティブ構築要素と同じ動作モードに自動的に入ることができる。構築要素の作動時、複数の他のインタラクティブ構築要素が、異なるそれぞれのモードで検出された場合、新たに作動されたインタラクティブ構築要素は、適切な選択機構に基づいて検出された動作モードのうちの1つを選択することができる。例えば、新たに作動されたインタラクティブ構築要素は、他のインタラクティブ構築要素の最初に検出された若しくは信号強度が最も大きい動作モード、又は他の検出されたインタラクティブ構築要素の過半数が有する動作モード等を選択することができる。他の選択ルールとしては、他のインタラクティブ構築要素のタイプを含めることができる。
【0074】
概して、作動時において、インタラクティブ構築要素は、1つ又は複数の他のインタラクティブ構築要素を検出し、新たに作動されたインタラクティブ構築要素の少なくとも最初の動作モードを選択するように、単独で又は他の検出されたインタラクティブ構築要素と協働してアービトレーション機構を実行することができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、各動作モードは、そのモードに関連付けられているグループ識別子を有する。したがって、この実施形態において、動作モードの選択は、グループ識別子の選択に対応する。したがって、インタラクティブ構築要素は、複数の異なるグループのそれぞれに関連付けることができ、各グループは、それぞれの色によって表現することができる、そのグループに関連付けられたグループ識別子を有する。このように、押しボタンを押すことによって、ユーザーは、各インタラクティブ構築要素をインタラクティブ構築要素のあるグループに選択的に割り当てることができる。同じグループのインタラクティブ構築要素は、共通のグループIDを共有し、これは、揃いの色で表示することができ、これは、他のグループのグループID(及び色)とは異なる。したがって、インタラクティブ構築要素の作動時、インタラクティブ構築要素は、当初のグループIDを、例えば他の検出されたインタラクティブ構築要素のグループIDに基づいて自動的に選択することができる。
【0076】
インタラクティブ構築要素のそれぞれのグループへの割当てを用いて、機能構築要素のサブセットの機能又は挙動を選択的に制御することができる。このために、各機能構築要素は、機能構築要素の現在選択されているグループIDと同じグループIDを有する入力構築要素から受信した制御信号に応じて、機能デバイスを選択的に制御するように構成することができる。したがって、入力構築要素から送信された制御信号は、入力構築要素のグループIDを含むことができる。
【0077】
このことは、図10に示されており、図10は、複数の機能構築要素を含む玩具構築要素から構築される2つの玩具構造体1015及び1016をそれぞれ示している。玩具構造体1015は、機能構築要素401a及び401bを含むクレーンである。玩具構造体1016もまた、機能構築要素401c及び401dを含むクレーンである。機能構築要素401a及び401cは、それぞれのクレーンのクレーンアームを昇降させるように動作可能な機能デバイスとしてモーターをそれぞれ備える。機能構築要素401b及び401dは、垂直軸の周りにそれぞれのクレーンを回動させるように動作可能な機能デバイスとしてモーターをそれぞれ備える。クレーン構造体1015の機能構築要素401a及び401bは、それぞれの機能構築要素の押しボタン403a及び403bの多色光によって示されるように、「青色」グループに対応する同じグループ識別子を有するように割り当てられている。クレーン構造体1016の機能構築要素401c及び401dは、それぞれの機能構築要素の押しボタン403c及び403dのそれぞれの多色光によって示されるように、「黄色」及び「緑色」のグループに対応する異なるグループ識別子を有するように割り当てられている。
【0078】
玩具構築システムは4つの入力構築要素501a~501dを更に備え、各入力構築要素は、それぞれの押しボタン503a~503dのそれぞれの多色光によって示されるように、「青色」、「青色」、「黄色」、及び「緑色」のグループにそれぞれ対応するグループ識別子のそれぞれのグループに対して割り当てられている。したがって、機能構築要素401a、401b及び入力構築要素501a、501bのみが同じ「青色」グループに属ているので、機能構築要素401a及び401bは、入力構築要素501a又は501bから受信した制御信号にのみ反応する。同様に、インタラクティブ構築要素401c及び501cのみが「黄色」グループに属し、インタラクティブ構築要素401d及び501dのみが同じ「緑色」グループに属しているので、機能構築要素401c及び401dは、それぞれ入力構築要素501c及び501dから受信した制御信号にのみ反応する。したがって、グループ識別子をインタラクティブ構築要素に割り当てることによって、ユーザーは、構築される玩具構造体の挙動を選択的に制御することができる。
【0079】
図10の例において、玩具構造体1015の機能構築要素は、多色光が同じ色を示すことによって指示される共通のグループIDを有するように全て設定される。玩具構造体1016の機能構築要素は異なるグループIDに設定され、このグループIDは、多色光が別の色を示すことによって示されるように、互いに異なり、かつ構造体1015の要素のグループIDとは異なる。概して、現在のグループIDが構造体1015の機能構築要素と同じグループIDに設定されている入力構築要素は、制御信号を発信すると、玩具構造体1015の機能構築要素のみがそれぞれの機能を作動することにより反応し、一方、玩具構造体1016の機能構築要素はパッシブ状態のままとなる。
【0080】
図11A及び図11Bは、本明細書に記載の玩具構築システムにおけるタグ構築要素の使用を概略的に示している。具体的には、図11Aは、タグ構築要素を備えないインタラクティブ構築要素501を示し、一方、図11Bは、タグ構築要素1111が接続されているインタラクティブ構築要素501を示している。図11の例において、インタラクティブ構築要素は、図5Bに示されているような入力構築要素である。しかし、タグ構築要素は、他のタイプの入力構築要素又は機能構築要素に接続してもよいことが理解される。
【0081】
インタラクティブ構築要素501は、タグ構築要素を接続することができる頂面に電気コネクタ508を備える。このために、タグ構築要素は、底面に係合コネクタを備える。コネクタ508は、タグ構築要素とインタラクティブ構築要素との間のデータ通信用に構成することができる。必要に応じて、インタラクティブ構築要素は、タグ構築要素に電力を提供することもできる。タグ構築要素は、タグ識別子及び/又は他のデータ、例えば、グループ識別子、挙動パターンを識別する識別子、音声ファイル等のような動作モードを識別するデータが記憶されているメモリを備えることができる。
【0082】
したがって、タグ構築要素がインタラクティブ構築要素に接続されている場合、インタラクティブ構築要素は、タグ構築要素から識別子及び/又はデータを読み出し、得られた識別子/データに基づいてインタラクティブ構築要素の動作を制御することができる。例えば、インタラクティブ構築要素は、読み出された識別子/データに基づく動作モードに入る、例えば固有のグループ識別子を設定することができる。
【0083】
電気コネクタ508は、インタラクティブ構築要素を、他の電子機器、例えば、後述するような、インタラクティブ構築要素のバッテリーを充電する充電器、又はコンピューター若しくは他のデータ処理システム若しくはデバイスに電気接続及び/又は通信接続するように用いることもできることが理解される。
【0084】
タグ構築要素は、底面に結合部分を有する平面プレートの形状である。本例のタグ構築要素は、押しボタン403の形状及びサイズに一致する形状及びサイズを有する。しかし、タグ構築要素は、異なる形状及びサイズを有してもよいことが理解される。そうではあるが、タグ構築要素は、インタラクティブ構築要素の1つ又は複数の結合部分に接続する場合、結合部分の格子の2つ以上の結合場所にわたって延在するのに十分な大きさとなるような形状及びサイズであるならば、それにより、玩具モデルのタグ構築部材が見えやすくなる。
【0085】
導電性接続を介してタグ構築要素が接続される代わりに、タグ構築要素は、インタラクティブ構築要素と無線で、例えば近距離通信によってデータ交換するように構成してもよい。このために、タグ構築要素は、インタラクティブ構築要素にタグ構築要素を機械的に取り付けることを可能にする結合部分を備えることができる。インタラクティブ構築要素は、タグ構築要素から識別子及び/又は他のデータを読み出すように構成されている近距離通信読出し回路を備えることができる。
【0086】
図12は、インタラクティブ構築要素の動作モードを設定するタグ構築要素の様々な使用を示している。図12Aにおいて、タグ構築要素には、グループ識別子が記憶されており、インタラクティブ構築要素は、接続されているタグ構築要素から読み出されるグループ識別子に基づいて固有のグループ識別子を設定する。図示の例において、機能構築要素401aにはタグ構築要素411aが取り付けられ、タグ構築要素411aには、「赤色」グループを識別するグループ識別子が記憶されている。機能構築要素401bにはタグ構築要素411bが取り付けられ、タグ構築要素411bには、「青色」グループを識別するグループ識別子が記憶されている。
【0087】
図12Bにおいて、タグ構築要素は、機能構築要素のグループ内の役割を示す識別子を有する。したがって、機能構築要素のグループは、機能構築要素のグループ又はチームにおける異なる挙動パターンを実行するようにそれぞれプログラミングすることができる。図示の例において、同じタイプの2つの機能構築要素401a及び401bは、いずれも「青色」グループ」に割り当てられていることが示されている。機能構築要素401aにはタグ構築要素411aが取り付けられ、タグ構築要素411aには、機能構築要素をグループメンバーの1番として識別する役割又はグループメンバー識別子が記憶されている。機能構築要素401bにはタグ構築要素411bが取り付けられ、タグ構築要素411bには、機能構築要素をグループメンバー2番として識別するグループメンバー識別子が記憶されている。例えば、タグはユーザーがプログラミングすることができる。この数字は、ユーザー規定のプログラム/挙動に伴うタグの指示とすることができる。代替的には、この数字は、システムがグループ内の特定のメンバーをアドレス指定することを可能にするようにグループの色/IDの拡張として用いることができる。例えば、ユーザーが2つのモーターを備える自動車を構築した場合、同じ入力構築要素、例えば青色グループの傾斜センサーによって制御されるように、これらのモーターを同じグループ(例えば青色)に割り当てることができる。一方で、ユーザーは、センサーによって送信される制御信号に対して2つのモーターが異なって反応し、自動車の左折及び右折を可能にすることを所望する。
【0088】
図12Cでは、タグ構築要素は、挙動パターン又はムードを規定するデータを含み、また、機能構築要素は、接続されているタグ構築要素によって識別される挙動パターンをエミュレートするように機能デバイスを制御するよう構成することができる。挙動パターンの例には、怒り、幸せ、悲しみ、疲れ、「左の車輪」、「右の車輪」等を挙げることができる。このようなパターンは、入力構築要素から制御信号を受信することによってトリガーされる場合には、機能デバイスによって実行される機能のパラメーター、例えば再生する音声の音量、ピッチ、又はタイプによって、モーターの速度及び/又は移動パターン等によって表現することができる。機能構築要素401aにはタグ構築要素411aが取り付けられ、タグ構築要素411aには、機能構築要素401aに「幸せな」挙動又はムードをエミュレートさせる識別子又はデータが記憶されている。機能構築要素401bにはタグ構築要素411bが取り付けられ、タグ構築要素411bにはグループメンバー識別子が記憶されており、グループメンバー識別子には、機能構築要素401aに「悲しい」挙動又はムードをエミュレートさせる識別子又はデータが記憶されている。
【0089】
上記の使用のいくつかにおいては、タグ構築要素によって識別される動作状態を識別するのに単純な識別子で十分であり得ることが理解される。他の実施形態では、インタラクティブ構築要素によって読み出され使用又は実行されるパラメーター又は更にはプログラム命令等の追加のデータをタグ構築要素が記憶及び通信することが望ましいか又は更には必要であり得る。いくつかの実施形態において、タグ構築要素には、それぞれインタラクティブ構築要素の所定のセットに関連付けられている複数のプログラムを記憶することができる。タグ構築要素が機能構築要素に接続されている場合、機能構築要素は近位にある他のインタラクティブ構築要素を検出し、検出されたインタラクティブ構築要素に応じて、タグ構築要素に記憶されているプログラムのうちの対応するプログラムを選択することができる。
【0090】
動作モードの例の少なくともいくつかは、代替的又は付加的に、上述のようにユーザーが押しボタン503を用いて制御することができる。
【0091】
図13は、データ処理システム1312及びインタラクティブ構築要素501を備える玩具構築システムを示している。図13の例では、インタラクティブ構築要素501は、図5Bに示されているような入力構築要素である。しかし、タグ構築要素は、他のタイプの入力構築要素又は機能構築要素に接続することができることが理解される。データ処理システムは、適当にプログラミングされたコンピューター又は他の処理デバイス、例えば、デスクトップコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、ラップトップコンピューター等であるか又はそれらを備えることができる。データ処理システム1312は、インタラクティブ構築要素501とデータ通信するように構成される無線通信インターフェース1317を備える。無線通信インターフェースは、適切にプログラミングされた従来のコンピューターの統合通信インターフェース、例えばWifi又はBluetoothインターフェースとすることができる。代替的には、無線通信インターフェースは、例えば有線接続を介して、例えばUSBポートを介して、又は無線によりコンピューターに接続可能である別個の通信インターフェースとすることができる。更に代替的には、インタラクティブ構築要素501は、有線接続、例えば、インタラクティブ構築要素の電気コネクタ508及びデータ処理システムの適当なI/Oポート、例えばUSBポートを介してデータ処理システム1312に接続可能とすることができる。複数のインタラクティブ構築要素は、データ処理システムに同時に通信接続することができることが理解される。
【0092】
データ処理システム1312には、1つ又は複数のインタラクティブ構築要素501とインタラクトするようになっているプログラム、例えばアプリケーション(App)が記憶されている。例えば、データ処理システム1312は、1つ又は複数のインタラクティブ構築要素の挙動を制御するプログラムをユーザーが生成、編集することを可能にするプログラミング環境を提供するように構成することができる。生成されたプログラムは、インタラクティブ構築要素に転送及び記憶することができる。代替的には、生成されたプログラムは、タグ構築要素に記憶することができる。このために、システムは、データ処理システムの適当な有線又は無線インターフェースに接続可能であるインターフェース要素を備えることができ、このインターフェース要素に対して、タグ構築要素とデータ処理システムとの間の通信接続を提供するようにタグ構築要素を接続することができる。
【0093】
代替的又は付加的には、データ処理システム1312は、入力構築要素をエミュレートし、1つ又は複数の機能構築要素の機能を制御する制御信号を送信するように構成することができる。
【0094】
更に代替的又は付加的には、データ処理システム1312は、機能構築要素をエミュレートし、入力構築要素から制御信号を受信し、受信した制御信号に応じて機能を実行するように構成することができる。例えば、データ処理システムは、受信した制御信号によって1つ又は複数の仮想物体の挙動を制御するか又はその挙動に少なくとも影響を与えることができる仮想環境を提供することができる。
【0095】
このために、データ処理システム1312は、グループ識別子を設定し、及び/又はインタラクティブ構築要素の動作モードを別様にエミュレートすることができる。
【0096】
図14は、本明細書に記載のインタラクティブ構築要素間で通信されるメッセージのメッセージ構造の一例を概略的に示している。メッセージ1418は、送信を行う要素のノードID1419、送信を行う要素の要素タイプ識別子1420、送信を行う要素のグループID1421、メッセージタイプ1422及1423を含む複数のフィールドを含む。ノードIDは、或る特定の通信距離内において現在アクティブであるインタラクティブ構築要素間の要素を識別する識別子とすることができる。要素タイプIDは、インタラクティブ構築要素のタイプ、例えば、送信を行うインタラクティブ構築要素が入力構築要素であるか若しくは機能要素であるか、又は更にはいずれのタイプの入力構築要素若しくは機能構築要素、例えばモーター、傾斜センサー等であるかを示すことができる。メッセージタイプは、入力構築要素からの制御メッセージ又は機能構築要素からの識別メッセージとしてメッセージを識別することができる。他のメッセージタイプは、他のインタラクティブ構築要素に、識別メッセージ又は各インタラクティブ構築要素において現時間を同期させる同期メッセージを送信するように要求する要求メッセージを含むことができる。メッセージは、通信プロトコルに特化した1つ又は複数のフィールドを含むヘッダー等の追加のフィールドを含むことができることが理解される。いくつかの実施形態において、メッセージは、上述のフィールドのうちの一部のみを含むことができ、及び/又はフィールドの数及び内容は、メッセージタイプに依拠することができる。いくつかの実施形態において、システムは、他のタイプのメッセージ、例えば、それぞれのグループ識別子に関係なく全てのインタラクティブ構築要素に向けられるグローバルメッセージを通信するようにも動作可能とすることができる。いくつかの実施形態では、グローバルメッセージは、メッセージタイプ及び/又はデフォルトのグループIDによって示すことができる。
【0097】
図15は、入力構築要素、例えば図5aの入力構築要素501によって実行されるプロセスの一例のフロー図を示している。
【0098】
最初のステップS1501において、例えば、本明細書に記載されているようにセレクターボタンを押すことによって入力構築要素を作動する。
【0099】
後続のステップS1502において、入力構築要素はグループ選択手順を実行する。このために、入力構築要素は、所定のデフォルトのグループ識別子を単に選択するか、又は、グループ識別子を、最後に入力構築要素がオフになる前の若しくはエネルギー節約モードに入る前の最後の値に設定することができる。別の実施形態において、入力構築要素は、入力構築要素によって検出可能である他のインタラクティブ構築要素のグループ識別子に基づいてグループ識別子を自動的に選択する。例えば、入力構築要素は、全てのインタラクティブ構築要素に向けられるグローバルメッセージを一斉送信し、他のインタラクティブ構築要素のグループ識別子を少なくとも示す識別メッセージを返すように要求することができる。1つ又は複数のそのような識別メッセージを受信すると、インタラクティブ構築要素は、受信した識別メッセージ(複数の場合もある)に基づいて固有のグループ識別子を設定することができる。識別メッセージを所定のタイムアウト期間内に受信しなかった場合、入力構築要素は、グループ識別子をデフォルトのグループ識別子に設定する。
【0100】
後続のステップS1503において、入力構築要素は、入力イベントの発生、例えば要素のセレクターボタンの作動、別のインタラクティブ構築要素から受信したブロードキャストメッセージ、又は入力構築要素のセンサー若しくは他の入力デバイス、例えば傾斜センサー、マイクロフォン、近接センサー、光センサー等からの信号に向けて待機する。センサーからの入力イベントは、例えば、センサーによって検出した感知された量の変化、例えば、傾斜センサーの角度の変化、光センサーによって測定される光強度の変化等とすることができる。代替的又は付加的には、センサーは、信号が変化したか否かに関わらずセンサー信号を連続的又は周期的に提供してもよい。
【0101】
後続のステップS1504において、入力構築要素は、セレクターボタンが押されたか否かを判断する。セレクターボタンが押されたと判断した場合、入力構築要素は、グループ識別子をインクリメントするか(ステップS1505)、又は、押しボタンが長時間押された場合、機能停止モードに入る(ステップS1506)。
【0102】
ステップS1504又はステップS1505に続いて、場合に応じて、プロセスはステップS1507に進む。ここでは、入力構築要素はセンサーからの入力を検出し、入力構築要素は受信した入力に応じて入力値を特定する。例えば、特定した入力値は、傾斜角、受信した音圧、受信した光強度、近接性等を示すことができる。
【0103】
後続のステップS1508において、入力構築要素は、制御メッセージ、例えば、メッセージタイプ「制御メッセージ」を含むメッセージを一斉送信する。制御メッセージは、入力構築要素のグループ識別子及び特定した入力値を含む。
【0104】
入力イベントが受信されたブロードキャストメッセージであった場合、プロセスはステップS1509に進む。ここでは、プロセスは、受信したメッセージのグループ識別子及び/又はメッセージタイプに基づいて、受信したメッセージを更に処理する必要があるか否かを判断する。更に処理する必要があると判断した場合、プロセスはステップS1510に進み、受信したメッセージを処理する。例えば、メッセージが識別メッセージに応答する要求であった場合、入力構築要素は、固有のグループID、及び必要に応じて、入力構築要素のノードID、要素タイプ等のような更なる情報を含む識別メッセージを一斉送信する。同様に、受信したメッセージが時間同期メッセージである場合、入力構築要素は、受信した時間情報に基づいて内部時計を調整することができる。
【0105】
最後に、プロセスはステップS1503に戻り、次の入力イベントに向けて待機する。
【0106】
図16は、機能構築要素、例えば、図4aの機能構築要素401によって実行されるプロセスの一例のフロー図を示している。
【0107】
最初のステップS1601において、機能構築要素は、例えば本明細書に記載されているようにセレクターボタンを押すことによって作動される。
【0108】
後続のステップS1602において、機能構築要素は、例えば、上記の対応するステップS1502に関して記載されているように、グループ選択手順を実行する。
【0109】
後続のステップS1603において、機能構築要素は、セレクターボタンが押されたか否かを判断する。セレクターボタンが押されたと判断した場合、入力構築要素は、グループ識別子をインクリメントするか(ステップS1604)、又は、押しボタンが長時間押された場合、機能停止モードに入る(ステップS1605)。
【0110】
ステップS1603又はステップS1604に続いて、場合に応じて、プロセスはステップS1606に進む。ここでは、機能構築要素は、別のインタラクティブ構築要素からブロードキャストメッセージを受信したか否かを判断する。別のインタラクティブ構築要素からブロードキャストメッセージを受信したと判断した場合、プロセスはステップS1607に進む。ここでは、機能構築要素は、機能構築要素のグループ識別子に等しいグループ識別子、又は全てのインタラクティブ構築要素へと向けられるグローバルメッセージとしてのメッセージを示すグループ識別子(又はメッセージタイプ)を、受信したメッセージが有するか否かを判断する。これに当てはまる場合、プロセスはステップS1608に進む。ここでは、プロセスは受信したメッセージのメッセージタイプを特定し、それに応じてメッセージを処理する。例えば、受信したメッセージが制御メッセージであった場合、機能構築要素は、メッセージに含まれる値を読み取り、受信したメッセージに応じた機能を実行する。例えば、機能要素がモーターである場合、機能要素は、受信した値に応じて、モーターを始動又は停止する及び/又はモーターの動作の速度又は方向を調整することができる。このために、機能構築要素は、入力パラメーターとして受信した値により実行可能なプログラムを実行することができる。いくつかの実施形態において、機能構築要素は、メッセージの一部として受信した付加的又は代替的なパラメーター、例えば要素タイプID又は更にはメッセージに含まれるノードIDに応答して機能を実行することができる。実行可能なプログラムは、機能構築要素又は機能構築要素に接続されるタグ構築要素のメモリに記憶することができる。
【0111】
受信したメッセージが識別メッセージであった場合、機能構築要素は、機能構築要素の近位にある既知の他のインタラクティブ構築要素のリストをアップデートすることができる。付加的又は代替的には、機能構築要素は、機能構築要素の挙動を選択するように受信した識別メッセージに応じた複数の実行可能なプログラムのうちの1つを選択することができる。選択されたプログラムは、自動的に及び/又は上述の受信した制御メッセージに応じて実行することができる。
【0112】
受信したメッセージが識別メッセージに応答する要求であった場合、機能構築要素は、固有のグループID、及び必要に応じて、機能構築要素のノードID、要素タイプ等のような更なる情報を含む識別メッセージを一斉送信する。同様に、受信したメッセージが時間同期メッセージである場合、機能構築要素は、受信した時間情報に基づいて内部時計を調整することができる。
【0113】
本明細書に記載の構築要素の制御回路の実施形態は、いくつかの別個の要素を備えるハードウェアを用いて、及び/又は少なくとも部分的に好適にプログラムされたマイクロプロセッサを用いて実施され得る。
【0114】
いくつかの手段を列挙している特許請求の範囲において、これらの手段のうちのいくつかは、ハードウェアの同一の要素、構成要素、又はアイテムによって具現され得る。或る特定の方策が互いに異なる従属請求項で挙げられている、又は異なる実施形態で説明されているということだけでは、これらの措置の組合せを有利に用いることができないことにはならない。
【0115】
本明細書で用いられる場合の「備える/含む(comprises/comprising)」という用語は、述べられた特徴、要素、ステップ、又は構成要素の存在を明示するものと解釈されるが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、構成要素、又はそれらの群の存在又は追加を除外するものではないことが強調されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16