(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】三次元構造物を製造する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/205 20170101AFI20220705BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20220705BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20220705BHJP
B29C 64/232 20170101ALI20220705BHJP
B29C 64/236 20170101ALI20220705BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220705BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220705BHJP
B22F 10/50 20210101ALI20220705BHJP
B22F 12/67 20210101ALI20220705BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
B29C64/205
B29C64/153
B29C64/165
B29C64/232
B29C64/236
B33Y30/00
B33Y10/00
B22F10/50
B22F12/67
B28B1/30
(21)【出願番号】P 2020509487
(86)(22)【出願日】2018-08-14
(86)【国際出願番号】 DE2018000238
(87)【国際公開番号】W WO2019034192
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】102017007785.1
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520052363
【氏名又は名称】レンペ・メスナー・シントー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーデマイヤー・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィントゲンス・ルドルフ
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-328106(JP,A)
【文献】特開2012-246541(JP,A)
【文献】中国実用新案第204844878(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0144372(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00、30/00
B22F 10/00、12/00
B28B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状に塗布される粒子
状造形材を圧縮する
圧縮手段を備えた圧縮装置(1)と、圧縮
装置(1)に接続され、
前記圧縮手段
を、粒子状造形材を圧縮する方向に平行な直線
運動方向(12)に移動させる駆動手段(3)とを備える、三次元構造を製造する装置において、
層状に塗布すべき粒子状造形材を圧縮する圧縮装置(1)は
、少なくとも1つの刃先を備えたブレードを有する圧縮要素(2)が配置され
ていて、圧縮プロセスで粒子状造形材の粒子(11)と接触する刃先の一端にある刃先の幅が、粒子状造形材の粒子の直径の0.1倍から3倍の範囲にあること
と、
駆動手段(3)にて、調整可能な周波数の選択を含む制御が行われて、圧縮要素(2)の直線運動方向(12)の動きを起こすことと
を特徴とする、三次元構造を作る装置。
【請求項2】
刃先の幅は、粒子状造形材の粒子の直径
の0.3倍から2倍の範囲、
又は0.5倍から1倍の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
駆動手段(3)は、電気的又は電磁的又は圧電的又は電気油圧式又は空気圧駆動式の駆動手段(3)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
製造すべき三次元構造(1)の層状構造が生じる造形ステージ(6)に対して圧縮要素(2)を有する圧縮装置(1)は、造形ステージ(6)の表面上に移動可能に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
それぞれが少なくとも1つの刃先を有する複数の圧縮要素(2)が圧縮装置(1)に配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
圧縮要素(2)は、造形ステージ(6)に対して同じ角度又は異なる角度で互いに平行に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記粒子状造形材の圧縮に使う少なくとも1つの構造(4、5)が圧縮要素(2)の
、前記ブレードのある端部(7)に配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
塗布すべき粒子状造形材の層が造形ステージ
(6)の上に提供される三次元構造を製造する方
法であって、粒子状造形材は少なくとも部分的に圧縮され、三次元構造は、部分的な物理的又は化学的硬化プロセス又は融解プロセスによって層状構成に生じさせる三次元構造を、当該方法において、
圧縮装置(1)に配置され、粒子状造形材の粒子の直径の0.1倍から3倍の範囲にあり、少なくとも1つの刃先を持つブレードを備えた圧縮要素(2)によって粒子状造形材の圧縮が行われ、この際に圧縮要素(2)は駆動要素(3)によって直線運動方向(12)に移動すること
と、
前記圧縮の方向に平行な直線運動方向(12)の圧縮要素(2)の動きが、調整可能な周波数を選択して行われることと
を特徴とする、三次元構造物を製造する方法。
【請求項9】
複数の圧縮要素(2)が圧縮装置(1)に設けられていることを特徴とする、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
複数の圧縮要素(2)は、互いに平行に、又は互いに角度を付けて移動することを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
複数の圧縮要素(2)は互いに平行に移動し、造形ステージ(6)に対して垂直に、又は垂直から外れて配置されて移動されることを特徴とする、請求項
9又は10に記載の方法。
【請求項12】
複数の圧縮要素(2)は、一度に異なる
直線運動方向(12)に移動することを特徴とする、請求項
9から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層状の粒状造形材を圧縮する手段と、当該手段を制御された動きに設定する駆動手段とを備える、三次元(3D)構造を生成する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
また、本発明は、少なくとも部分的に圧縮され、層状の部分的な物理的又は化学的硬化プロセス又は溶融プロセスによって三次元構造を生じる造形ステージ上に、塗布される粒子状造形材の層が提供される、三次元構造の製造方法に関する。
【0003】
個々の又は一連の部品、ワークピース、又は金型の生産のために、いわゆる3Dプリンティング又はいわゆる3Dプリント方法を使用することが知られている。このような印刷方法では、3次元の部品又はワークピースが層状に生成される。装置は、指定された寸法と形状に従って、1つ又は複数の液体材料又は固体材料からコンピューター制御される。プリンティングする部品又はワークピースの仕様は、例えば、いわゆるコンピューター支援設計システム(CAD)によって提供可能である。
【0004】
3D構造がプリントされると、物理的又は化学的な硬化プロセス又は溶解プロセスが行われる。プラスチック、合成樹脂、セラミック、金属は、このような3Dプリンティングプロセスの材料として使用される。
【0005】
3Dプリンティングプロセスを実装するためのさまざまな製造プロセスシーケンスが知られている。ただし、これらの手順のいくつかには、以下に例として示す工程が含まれる。
・非固結粒子材料の層を形成するための、いわゆる造形ステージへの粒子材料とも呼ばれる粒子状造形材を部分的又は全面的に塗布する工程。
・例えば、選択的圧縮、プリンティング、あるいは、接着剤のような処理剤の塗布、又はレーザーの使用により、所定の部分領域での非固化粒子造形材の塗布層を選択的に固化する工程。
・部品又はワークピースの層状構成のため、後の一層における、前の方法工程を繰り返す工程。この目的のために、新しい層を部分的又は全面に塗布する前に、造形ステージで層状に造形又はプリントされた部品又はワークピースを、造形ステージにて1層分相当又は層厚だけ下げるか、3Dプリント装置を、造形ステージに対して1層分相当又は層厚で持ち上げる。
・完成した部品又はワークピースを囲む、ゆるく固まっていない粒子状造形材を、その後に除去する工程。
【0006】
特許文献1(WO 02/083323 A2)は、流体、特に粒子状物質を塗布すべき領域に塗布するための方法及び装置を開示し、流体はブレードの前方で塗布される領域に適用され、ブレードの前進方向で見られる。そして、ブレードは適用された流体の上を移動する。記載された方法は、ブレードが回転運動のように振動することを特徴とする。
【0007】
塗布領域に流体が過剰に塗布されるように方法が操作されると、回転運動のように振動するブレードの一定の動きにより、ブレードの前進方向に見られる過剰な流体が、ブレードローラの前進により、流体又は粒子状の材料が均された液体又は粒状材の前、ブレードの前に生じる。これにより、個々の粒子の塊の間に埋めるべき空隙を許容し、粒子の塊の大きな塊はローラーの動きによって破壊される。粒子材料はローラーで均質化される。ブレードの前にあるこの粒子材料から、小さな部分がブレードの下の隙間に引き込まれ、そこで圧縮され、均一な層として塗布される。
【0008】
ブレードの移動の前方方向で見た振動ブレードの前の領域への流体又は粒子材料の塗布は、例えば、搬送ベルトを介してリザーバから起こってもよい。
【0009】
ブレードの回転運動は、流体が蓄積される方向に、コーティングされる領域の上にある回転軸の周りで起こることが想定される。振動が、回転角が0.1°から5°の範囲にある回転運動で発生する場合、この方法で特に良好な結果を得られる。
【0010】
記載された装置は、結合剤を備えた粒子材料の塗布に使用するのに特に適している。
【0011】
流体を塗布するための方法及び装置が、特許文献2(EP 1 494 841 B1)から知られている。解決すべき問題は、塗布領域上に少量で塗布される流体のさらに良好な分布が可能な装置と、当該装置の使用を提供することである。
【0012】
底部が開いているホッパーを、コーターブレードの前に吊るし、ブレードにしっかりと接続し、したがってブレードと共振することが想定される。ホッパーは、造形ステージの全長にわたって実行される少なくとも1つのコーターの粒子材料供給を運ぶ。ホッパーのスイング機構が作動すると、ホッパー内の粒子状物質が流動化され、ブレードの前面の底部で開いているホッパーから流出する。したがって、ホッパーは、現在のシフトに必要な量よりはるかに多くの材料を運搬可能である。
【0013】
また、使用される振動ブレードは、好ましくは、駆動モーターシャフトに回転固定式に取り付けられた偏心器を介して駆動されることが開示されている。偏心器から振動ブレードへの動力伝達は、例えば、形状に一体的に、すなわち、偏心器への転がり軸受の直接取り付けによって、又は偏心へのバネ力によって負荷がかけられたローラーによる非積極的な伝達によって、起こり得る。
【0014】
この方法は、接着剤を備えた粒子材料の塗布に使用するのにも特に適している。
【0015】
特許文献3(WO 2016/030375 A2)は、3Dプリンター用のコーター装置及び粒子状造形材の2つの層を塗布する方法を開示している。
【0016】
コーター装置は、粒子状造形材を受け入れるための内部空洞を画定する容器を備えるコーターを有し、粒子状造形材を分配するための開口部に開口し、下向きの塗布表面が形成され、それによって分配された粒子状物質を平らにし、及び/又は圧縮する、広がる表面を持つ造形物の表面を覆うための塗布表面を配置する、塗布要素を有する。
【0017】
コーター装置はまた、塗布表面の傾斜角度を変更可能に調整するように設定された調整装置を備えている。
【0018】
特許文献4(DE 693 30 495 T2)は、3D部品を製造するためにペースト状の媒体を担持体に塗布する方法及び装置を開示している。
【0019】
解決すべき問題は、ペースト状の媒体を担持体に塗布する方法が作成されることである。これにより、スクリーン印刷のプロセスの信頼性を高め、エラー率を低下可能である。さらに、より高い処理速度を実現する必要がる。
【0020】
この目的を達成するために、担持体上に配置されたマスクによって塗布パターンが事前に決められ、ペースト状の媒体がドクターブレードによって塗布され、ペースト状の媒体がマスクによって残された凹部に押し込まれる。
【0021】
また、この用途で使用されるドクターブレードは、アクチュエータによって、ドクターブレードが前進するとペースト状材料に伝達される振動状態に設定されることも開示されている。結果として、ペースト状材料はマスク又はステンシルの開口部又は凹部によりうまく入り込み、その結果、これらはペースト状媒体で完全に満たされる。振動を加えることによる改善は、ペースト状粒子の転がり摩擦が減少し、エネルギー供給による媒体の温度上昇により粘度が明らかに減少するという事実によって説明できる。
【0022】
ドクターブレードに塗布された媒体のみが振動エネルギーを受け取るため、ここでは粘度が明らかに低下するだけである。結果として、媒体はスクリーンのゆとり部分でより良く動作し、最も密度の高い球形充填物の形で基板上に堆積される。したがって、全体として、スクリーン上のペースト状媒体の供給量を少なくすることで、処理速度が向上し、印刷品質が向上する。
【0023】
特許文献5(DE 102 16 013 B4)は、流体、特に粒子状材料を塗布すべき領域に塗布する方法及び装置を開示している。
【0024】
その目的は、塗布領域上に少量で適用される流体のさらに良好な分布が可能である装置と、当該装置の使用を提供することである。
【0025】
この目的を達成するために、ブレードの動きの前方方向から見て、ブレードの前のコーティングされる領域に流体が適用され、その後、ブレードは適用された流体の上を移動する。この場合、ブレードは振動されることが意図されて、流体は、ブレードとともに振動し、塗布領域に向かって開いている容器から供給される。ブレードは回転運動のように振動するはずである。
【0026】
また、ブレードを駆動するために偏心器が設けられ、偏心器からブレードへの力の伝達が積極的に又は非積極的に実施可能であることが開示されている。
【0027】
この既知の従来技術の欠点は、大抵の場合、ブレード又は振動ブレードが、例えば偏心器により、ある種の回転運動に設定されなければならないことである。これには、電気モーターなどの対応するドライブと、必要な運動形態を生成又は実装するために必要な機械部品が必要である。これにより、造形に必要な労力とスペースが増加する。さらに、そのような装置の製造はより複雑になり、そのような装置の製造コストも増加する。
【0028】
必要な機構と貯蔵容器への部分的な結合により、そのような装置の最大到達頻度(単位時間当たりの回数)、したがって処理又は圧縮速度が制限される。さらに、材料の用途と圧縮は直接関係していて、相互に影響を及ぼす。(材料の)展開と圧縮とは、よって、独立して分離することはできない。
【0029】
振動を実行するブレードのさらなる欠点は、例えば、圧縮される流体の比較的大きな領域に力が加えられることである。これにより、ブレードが振動しても、すでに圧縮されているがまだ圧縮されていない流体の領域に同時に力が加わる可能性がある。その結果、圧縮の品質が低下することが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【文献】国際公開第02/083323号
【文献】欧州特許第1494841号明細書
【文献】国際公開第2016/030375号
【文献】欧州特許第0644809号明細書の翻訳である独国特許第69330495号明細書
【文献】独国特許第10216013号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明の課題は、複数の層を備える三次元構造を製造する装置及び方法を提供することであり、それにより、個々の層の表面品質が高く、より速い速度で層に塗布される粒子状造形材のより良い圧縮が達成される。
【課題を解決するための手段】
【0032】
この課題は、独立請求項の請求項1に記載の特徴を備えた構成により達成される。さらなる発展は、従属請求項2から7に明記される。
【0033】
この課題は、独立請求項の請求項8に記載の特徴を有する方法によっても達成される。さらなる発展は、従属請求項9から13に明記される。
【0034】
圧縮要素は、少なくとも1つの刃先を持つブレードとして設計されることが想定されている。圧縮要素のこのナイフのような構成では、刃先の幅が、粒子形状の造形材又は粒子材料の粒子の直径の0.1倍から3倍の範囲にあることが提供される。ここで、刃先の幅は、圧縮プロセス中に粒子状造形材又は粒子材料の粒子と接触する刃先の点又は端で決定される。
【0035】
ブレードの刃先の幅は、好ましくは、粒子形状の造形材又は粒子材料の粒子の直径の0.3倍から2倍の間の範囲にある。刃先の幅は、特に好ましくは、粒子形状の造形材又は粒子材料の粒子の直径の0.5倍から1倍の範囲である。
【0036】
粒子状の造形材又は粒子材料の粒子のサイズ又は直径は、通常0.1mmと0.2mmとの間の範囲にある。粒子形状の造形材又は粒子材料の粒子のサイズは、特に好ましくは直径0.18mmである。
【0037】
上記の寸法の圧縮要素の刃先の幅の構成により、粒子状造形材又は粒子状材料の表面への力の導入は、粒子状造形材又は粒子材料の1粒子又は数個の粒子の規模の、非常に狭い範囲に制限されるため、圧縮の品質低下の回避が達成される。
【0038】
このようにして、例えば、造形ステージでの圧縮要素の均一な動きと、それに対応する刃先の寸法があれば、隣りにて既に圧縮された粒子の破損は、本発明によって実質的になくすことができる。これにより、粒子状造形材又は粒子状材料の塗布層の圧縮品質が大幅に向上する。
【0039】
本発明はまた、それぞれが刃先を有するこれらの圧縮要素の複数が圧縮装置に配置されることを提供する。そのような圧縮要素は、例えば、対応する刃先を備えた上述のナイフのように形成された金属材料の薄い板部材であってもよい。
【0040】
例えば、圧縮装置に配置された3つのナイフ形の圧縮要素は、例えば、粒子状造形材がこれらの圧縮要素間を貫き抜けるのを防止するように互いに平行で非常に近くに配置してもよい。
【0041】
圧縮要素は、それぞれ個別の駆動手段に接続されていて、それぞれの駆動手段によって直線運動、すなわちいわゆる前後運動に設定されている。
【0042】
駆動手段は電気的に駆動されることが想定される。代替的に、駆動手段は、例えば、磁場を生成するコイルを使用して電磁的に、又は圧電的に作動させてもよい。他の代替手段、例えばカム又はピストン連接棒駆動装置も、積極駆動されるように設計してもよい。それぞれの駆動手段によって生成された動きは、関連する圧縮要素に伝達され、この目的のために駆動要素にしっかりと接続されている。
【0043】
圧縮装置の圧縮要素は、例えば、互いに平行に、かつ造形ステージ、すなわち粒子状造形材又は粒子材料の適用層の圧縮要素の方向を指す表面(以下、表面と呼ぶ)に対して90度の角度で整列可能である。
【0044】
代替的に、圧縮機構成の圧縮要素は、互いに平行に、かつ造形ステージに対して90度から外れた角度で配置されることが提供される。このようにして、圧縮要素を造形ステージに対して斜めに配置してもよい。造形ステージの垂直線からの偏差は、例えば0.1度から15度である。
【0045】
刃先を備えたブレードを備えた圧縮要素の長さは、造形ステージの幅全体に及ぶ可能性がある。圧縮要素の寸法は、例えば、長さ500mm、幅3mm、高さ30mmに指定してもよい。
【0046】
圧縮要素を備えた圧縮装置は、例えば、造形ステージ上に配置され、圧縮装置は造形ステージ上で移動可能に配置され、従来技術ではよくあるように、造形ステージ上で少なくともX及びY方向に移動可能であるとしている。層状構造を可能にするために、圧縮装置は、造形ステージの上から、又はそこから離れる方向に、Z方向に移動可能としてもよい。代替的に、造形ステージがZ方向に移動可能に配置されるようにしてもよい。これは、造形ステージと圧縮装置の間の距離を増減可能であることを意味する。
【0047】
圧縮装置の別の実施形態は、圧縮要素が互いに異なる角度で配置されることを提供する。例えば、3つの圧縮要素は、中央の圧縮要素が造形ステージの上に垂直(90度)に配置されるように配置できるが、最初の隣接する圧縮要素の角度は90度を超え、2番目の隣接する圧縮要素の角度は90度未満である。例えば、89、90及び91度の角度、又は88、90及び92度の角度であり、粒子構造材料を圧縮することを目的とする圧縮要素又はナイフの端部は、造形ステージの上に互いに近くに配置される。
【0048】
意図された場所で造形材を圧縮するとき、粒子状造形材の表面でのナイフ形圧縮要素の効果を最適化するために、圧縮要素は少なくとも1つの構造を備えている。そのような構造は、粒子状造形材と接触する圧縮要素の端部に提供される。
【0049】
そのような構造は、例えば、凹面形状を有してもよい。代替的に、構造は、ここで言及された構造の形態に制限なく、凸状、波状又は鋸歯状でもあり得る。構造の形状は、仕様と状況に合わせて専門家が調整可能である。
【0050】
また、圧縮要素は、この目的のために提供されるその端部に2つの構造を有することが提供される。2つの構造の形状とサイズは同じでも異なっていてもよい。これらの構造により、圧縮要素の端に刃先が形成され、圧縮中に粒子状造形材と接触する。ここを、以下、接触点ともいう一方で、圧縮要素の端の他の領域は造形材と接触しなくなる。
【0051】
少なくとも1つの刃先を備えた刃を有する圧縮要素の場合、刃先は、例えばナイフのように一般的なV字形の斜面によって圧縮要素の端部に形成してもよい。代替的に、圧縮要素の端部に、例えば凹形状を有する1つ又はそれより多い構造を導入することにより、圧縮要素の端部で圧縮要素上に1つ又はそれより多い刃先を形成してもよい。ここでは、そのような構造が圧縮要素の縦方向の延長部に延在するとしている。複数の刃先が1つの圧縮要素に形成されている場合、各刃先の幅は上記の寸法に設計されているため、圧縮中、接触すること、つまり粒子状造形材又は粒子状材料の表面への力の適用は、常に非常に狭い領域に制限される。この非常に狭い領域とは、粒子造形材又は粒子材料の1粒子又は数個の粒子の規模である。
【0052】
圧縮要素は、それぞれの駆動手段によって制御されて、互いに独立して移動可能であることが想定される。したがって、圧縮要素は同じ又は異なる動きの実行が可能である。
【0053】
例えば、第1の圧縮要素は造形ステージの方向に移動可能であり、同時に第2の圧縮要素は造形ステージから一方向に移動し、逆もまた同様である。
【0054】
また、各駆動手段を制御し、したがって各圧縮要素をその前後運動のための独自の頻度で制御することも計画される。頻度に加えて、振幅、つまり前後の動きの経路も個別に設定可能である。
【0055】
加えて、正弦波のように制御電圧の駆動手段を駆動する波形の形状も調整可能である。波形の選択は、それに応じて圧縮要素の動きの形状に影響する。例えば、のこぎり波や蛇行波も波形として使用してもよい。
【0056】
粒子状造形材を分配するプロセスと粒子状造形材の圧縮との間で分離又は分離が達成されることが想定される。両方のプロセスの相互の影響は除外される。
【0057】
上述の本発明の特徴及び利点は、以下の本発明の好ましい非限定的な例示的実施形態の以下の詳細な説明を関連する図面とともに注意深く検討した後、よりよく理解及び評価できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】3つの圧縮要素を備えた本発明による圧縮装置の実施形態。
【
図2a】
図1の圧縮装置の異なる動作シーケンスの表示。
【
図2b】
図1の圧縮装置の異なる動作シーケンスの表示。
【
図2c】
図1の圧縮装置の異なる動作シーケンスの表示。
【
図3】それぞれが2つの構造を持つ圧縮要素の端部の部分拡大図。
【
図5a】5つの圧縮要素が互いに平行に配置され、圧縮要素の配列が造形ステージに対して垂直からずれている実施形態。
【
図5b】
図5aによる5つの圧縮要素の端部の領域の拡大図。
【
図6a】造形ステージの上に異なる角度で配置された3つの圧縮要素を備えた代替実施形態。
【
図6b】
図6aによる圧縮要素の端部の領域の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、造形ステージ6の表面上に配置された本発明による圧縮装置1を示す。圧縮装置1は、造形ステージ6上で少なくともX方向及びY方向に移動可能に配置されている。これに必要な機械的手段及び動きを制御する制御ユニットは
図1には示されていない。これには、先行技術から知られている従来の解決策を使用可能である。生成される三次元(3D)モデルの層ごとの構造を確保するために、圧縮装置1もZ方向に移動又は移動可能であることも提供される。代替的に、造形ステージ6は、X方向、Y方向、及び選択的にZ方向にも移動できるように設計してもよいことは知られている。
【0060】
圧縮装置1は、3つの駆動手段3を有する。駆動手段3が圧縮要素2に接続され、これにより、駆動手段3は個別に制御可能又は移動可能であることが想定される。
【0061】
圧縮要素2の独立した個々の制御のこの可能性により、圧縮要素2を同じ方法で作動させ、したがって同じ方法で動かし、又は異なるように作動させ、したがって異なる動きをさせることが可能となる。
【0062】
圧縮要素2内の
図1に示された同等矢印は、いわゆる圧縮要素2の運動方向12を示し、いわゆる前後運動で軸方向に直線的又は長手方向に動かされる。
図1に例として示されている圧縮要素2の移動方向12は、互いに平行である。本説明において圧縮要素2の移動の特定の時点を意味する場合、現在の移動方向12は単純な矢印のみで示され、圧縮要素2が現在移動している方向を示す。
【0063】
図1に示される圧縮要素2は、それらの可能な移動経路上の異なる位置に示されている。これは、圧縮要素2の異なる長さ、又は造形ステージ6から圧縮要素2の端部7の異なる距離によって示される。
【0064】
各圧縮要素2の端部7に、薄層として造形ステージ6に少なくとも部分的に適用される粒子状造形材と接触する接触点8が形成される。接触点8を備えた圧縮要素2の端部7の設計をよりよく識別するために、これらは、拡大鏡のような表現で
図1に拡大してさらに示されている。
【0065】
圧縮要素2を同等矢印で示される方向に、すなわち高頻度(単位時間当たり数多く)で十分迅速に動かすことにより、この目的のために設けられた場所で粒子状造形材を圧縮可能である。第1層の意図された位置での粒子状造形材のこの圧縮は、圧縮装置1が造形ステージ6上を例えばX方向に移動している間に行われる。圧縮要素2の制御及び振りがそれに応じて迅速に、すなわち高頻度で行われる場合、粒子状造形材の非常に良好で迅速な圧縮が達成される。層の形成又は設計、したがって三次元構造全体は、従来の3Dプリンティングプロセスを使用して短時間で測定可能である。三次元構造の生産速度が向上する理由は、圧縮要素の直線的な動きにより、例えば、動きのステアリングや方向変更のための機械部品が不要になることである。
【0066】
粒子状造形材を貯蔵及び塗布するための最新技術に一般的手段は、本発明と共に使用してもよい。接着剤の使用も可能であり、提供される。
【0067】
図2a、
図2b、及び
図2cは、例えば異なる動作状態にある3つの圧縮要素2を備えた
図1から既に知られている圧縮装置1を示す。個々の圧縮要素を区別するために、複数の圧縮要素は、参照符号2aによって第1の圧縮要素2aとして、参照符号2bによって第2の圧縮要素2bとして、参照符号2cによって第3の圧縮要素2cとして示される。
【0068】
図2aの第1の動作状態では、第1の圧縮要素2aがその最大の振れに達している、すなわち、造形ステージ6からの最短距離、及び造形ステージの接触点8間の領域の粒子状造形材(
図2aには図示せず)に到達した状態が示されている。それに応じて、第1の圧縮要素2aの第1の端部7a及び造形ステージ6が圧縮されている。圧縮要素2a、2b、及び2cの端部7a、7b、及び7cの設計をよりよく識別するために、これらは拡大鏡のような表現で
図2a、2b、及び2cに拡大して示される。
【0069】
示された動作状態において、第1の駆動装置3aは、第1の圧縮要素2aと造形ステージ6との間の距離が連続的に増加する方向に第1の圧縮要素2aを移動させる。この移動方向12は、駆動手段3aを上向きの矢印で示している。同時に、第2の圧縮要素2bは、第2の駆動手段3bによって造形ステージ6の方向に動かされ、第3の圧縮要素2cは第3の駆動手段3cによって動かされる。第2の圧縮要素2bは、第3の圧縮要素2cよりも造形ステージ6からの距離が短いことが示されている。したがって、第2の端部7bの接触点8は次に造形ステージ6の表面の粒子状造形材に到達し、第3の圧縮要素2cの第3の端部7cの接触点8が圧縮プロセスを実行する前に、粒子状造形材が圧縮されると仮定してもよい。
【0070】
3つの圧縮要素2a、2b及び2cによる造形ステージ6の表面上の粒子状造形材の選択的圧縮の間、造形ステージ6はX及び/又はY方向に移動する。代替的に、圧縮装置1が、造形ステージ6上を移動するようにしてもよい。
【0071】
図2bは、第1の圧縮要素2aが造形ステージ6からさらに離れて移動し、第2圧縮要素2b及び第3の圧縮要素2cが造形ステージ6の方向に向かって移動を継続する第2の動作状態を示す。圧縮要素の移動方向12は、したがって、
図2aと
図2bで同じである。第2の圧縮要素2bの第2の端部7bの接触点8は、造形ステージ6の表面の粒子状造形材に達し、それに応じて接触点8で粒子状造形材を圧縮する。
【0072】
第2の圧縮要素2bの端部7bが圧縮プロセスを実行した後、第2の駆動手段3bによって移動される第2の圧縮要素2bの移動方向12が逆転し、第2の端部7bと造形ステージ6との間の距離が増加する。同時に、第1の圧縮要素2a及び第3の圧縮要素2cは、それぞれ変化しない移動方向12での移動を続ける。
【0073】
図2cは、第3の圧縮要素2cの第3の端部7cの接触点8が造形ステージ6の表面上の粒子状造形材に到達し、それに応じて接触点8で粒子状造形材を圧縮する第3の動作状態を示す。この圧縮プロセスの後、第3の駆動手段3cによって移動される第3の圧縮要素2cの移動方向12が逆転し、第3の端部7cと造形ステージ6との間の距離が増加する。このとき、第2の圧縮要素2bは、造形ステージ6から離れる移動を続ける。第1の圧縮要素2aは、造形ステージ6からその最大距離に達し、その移動方向12を逆転させ、ここで再び造形ステージ6の方向に移動するため、第1の圧縮要素2aの第1の端部7aと造形ステージ6との間の距離は減少する。この説明された動作状態は、圧縮要素2a、2b及び2cのそれぞれの矢印によって
図2cに示されている。
【0074】
図3は、圧縮要素2a、2b及び2cの端部7a、7b及び7cの部分拡大図を示す。この表示は、圧縮要素2a、2b及び2cの側面図又は断面図に対応する。
図3の例では、圧縮要素2a、2b及び2cとそれらの移動方向12は互いに平行に整列している。端部7a、7b及び7cの拡大図に見られるように、それらはそれぞれ第1の構造4及び第2の構造5を有する。
構造4及び5はそれぞれ凹状に設計されていて、構造4及び構造5は、サイズ及び半径が異なっている。粒子状造形材の圧縮は、好ましくは、構造4及び5によって形成された接触点8で起こる。圧縮要素2a、2b、及び2cは、同等矢印で示される方向に移動し、造形ステージ6は、例えば、矢印で示される方向に、
図3の左に、移動することが意図される。
【0075】
図3は、接触点8での、波形を有する曲線を示す。この曲線は、対応する時間ウィンドウ上及び造形ステージ6上の接点8の動きの経過を表すことを目的とする。このコース(動きの経路)は、圧縮要素2a、2b、2cの往復運動(同等矢印)と造形ステージ6の横断運動(単一矢印)の重ね合わせから発生する。図示の波形は、よって、造形ステージ6上での圧縮プロセスを表現し、粒子状造形材が、3つの異なる点又は接触点8で、圧縮要素2a、2b、2cによって同時に圧縮されることを示す。
【0076】
造形ステージ6を、例えば
図3に示す方向に動かすことにより、造形ステージ6の表面上の領域9は、圧縮要素2cの移動方向12の往復運動により、圧縮要素2cの3つの接触点8によって最初に数回圧縮される。領域9内の3つの異なる接触点8の例では、圧縮要素2cによって複数回の圧縮が、そのようにして既に実行された状態である。
【0077】
この領域9には、続いて圧縮要素2bが到達する。圧縮要素2bの3つの接触点8はまた、領域9内の粒子状造形材を複数回圧縮する。圧縮要素2bが領域9を通過した後、圧縮要素2aは領域9に到達する。圧縮要素2aの領域9の3つの圧縮点8もまた、領域9の粒子状造形材を複数回圧縮する。領域9の粒子状造形材の粒子11は、そのようにして何回も圧縮され、これにより、三次元構造を、迅速かつ強固に層状にて造形可能となる。
【0078】
図4は、例として、2つの接触点8を有する圧縮要素2cの端部7cのさらなる部分拡大図を示す。圧縮要素2cの端部7cは、部分的にのみ示される第1の凹状構造4cを有する。端部7cはまた、第1の凹状構造4cよりも大きな半径を有する第2の凹状構造5cを有する。
【0079】
図4はまた、圧縮要素2cの下の矢印によって示される方向に移動又は移動される造形ステージ6を示す。示されている2つの接触点8及び示されていない接触点8による、造形ステージ6の表面上の粒子状造形材(図示せず)の圧縮プロセスは、造形ステージ6の表面上の複数の波状曲線を援用して示されている。圧縮要素2cの図示された2つの接触点8に加えて、圧縮要素2cの図示されていない接触点8と、圧縮要素2a及び2bの図示されていない接触点8も、圧縮プロセスに関与する。
【0080】
図5aは、互いに平行に配置された5つの圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eを備えた本発明の実施形態を示す。この変形例では、圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eは、例えば、垂直線10に対して5度の角度で、造形ステージ6の上の垂直線10から離されて配置される。
【0081】
圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eの刃先の刃は、例えば、それぞれの圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eのそれぞれの端部にV字形の斜面を備えて設計される。圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eは、それらの駆動手段3a、3b、3c、3d及び3eに接続されていて、これらは
図5aには示されていないが、そのような構成により、互いに動かされる上記の直線往復運動における直線運動方向12において、互いに平行である。圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eの移動方向12は、5つの同等矢印によって
図5aに示されている。
【0082】
図5bは、
図5aによる圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eの端部の領域の拡大図を示す。
図5bのこの図では、粒子状造形材のいくつかの粒子11が、造形ステージ6の上の平面に示されている。圧縮プロセス中に、粒子状造形材の粒子11と接触している刃先の端部の圧縮要素2a、2b、2c、2d、及び2eの刃先の幅は、粒子状造形材の粒子11の直径よりも小さく選択されたことが明らかに分かる。したがって、圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eの刃先は、粒子11を特定的に圧縮可能であり、粒子状造形材の隣りの粒子11は、この圧縮プロセスによって影響を受けない。比較のために、
図5bに0.18mmの寸法が示されている。この寸法は、例えば粒子状物質の粒子11の直径にほぼ対応する。
【0083】
造形ステージ6上での圧縮装置1の対応する動きにより、粒子11が圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eの3つの刃先全てによって続いて圧縮されることが達成可能である。この目的のために、造形ステージ6にわたる圧縮装置1の移動速度、及び駆動手段3a、3b、3c、3d及び3eを制御するための信号の周波数(単位時間当たりの頻度)は、それに応じて選択されるか、又は互いに調整される。
【0084】
適切な角度(傾斜位置)での圧縮要素2a、2b、2c、2d、及び2eの配置は、例えば圧縮機配置1の進行方向における、造形ステージ6上の粒子状造形材の粒子11の変位に対抗する。
【0085】
また、圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eの整列の角度は、造形ステージ6にわたって調整可能にできることが提供される。角度は、よって、操作中に変更可能である。
【0086】
また、異なる角度に従って造形ステージ6に沿って配置すべく、そして、圧縮要素2a、2b、2c、2d、2eの3つの刃先の刃の間の距離を維持するべく、圧縮要素2a、2b、2c、2d、2eを配置することも計画される。その配置をした後は、圧縮要素2a、2b、2c、2d及び2eは、もはや互いに平行ではない。例えば、圧縮要素2aの角度は0度を、圧縮要素2bの角度は2度を、圧縮要素2cの角度は4度を、圧縮要素2dの角度は6度、そして圧縮要素2eは8度の角度を選択してもよい。この実施形態は図示されていない。
【0087】
図6aは、造形ステージ6の上に異なる角度で配置された3つの圧縮要素2a、2b及び2cを備えた代替実施形態を示す。
図5aの図とは対照的に、圧縮要素2a、2b、及び2cは、互いに平行に配置されていない。この実施形態では、圧縮要素2a、2b、及び2cの配置は、圧縮要素2a、2b、及び2cの刃先の刃が、例えば共通点に向かって配向されたV字形の斜面で配置されるように行われる。3つの圧縮要素2a、2b、及び2c全てが、これにより、それらの刃先で粒子11に衝突して圧縮可能になる。
【0088】
この場合は、
図6bの圧縮要素2a、2b及び2cの端部の刃先の領域の拡大図で示されている。3つの刃先全てが粒子状造形材の粒子11に衝突する場合、例えば、第2の圧縮要素2bによって圧縮が実行される一方で、第1の圧縮要素2a及び第3の圧縮要素2cが現在の位置で粒子に接触することも提供されてもよい。比較のために、0.16mmの寸法が
図6bに示されている。この寸法は、例えば、粒子状物質の粒子11の直径に対応する。
【0089】
加えて、圧縮装置1は、造形ステージ6上での圧縮装置1の移動運動に起因する圧縮プロセスの外乱に対抗するために、3つの圧縮要素2a、2b、及び2cで傾斜可能である。本配置の特定の利点と三次元構造を作る方法を以下にリストで示す。
・圧縮要素は、移動方向12に直線運動を行い、層状に塗布される粒子状造形材を圧縮する。
・圧縮要素の直線運動は、造形ステージの進行方向に対して調整可能な角度にしてもよい。
・圧縮要素は、互いに平行に、又は互いに角度を付けて配置してもよい。
・圧縮装置内に、それぞれ個別の駆動手段を備える複数の圧縮要素の配置。
・選択可能な圧縮周波数(頻度)による圧縮要素の駆動手段の制御。
・駆動手段を駆動する電圧又は電流の選択可能な曲線形状による駆動手段の制御。
・圧縮中に粒子構造材料と接触する圧縮要素の端に1つ又はそれより多い構造を持つ圧縮要素の実行。
・凸面、凹面、鋸歯状又は波状の構造の実施。
・鋳造コアの生産分野での三次元構造の生成方法の使用。例えば、プラント及び車両製造の分野での鋳造部品の生産。
・移動すべき圧縮要素の質量を減らすことにより、高頻度(単位時間当たりの回数)で移動可能であり、さらに、粒子状造形材の粒子を複数回圧縮可能である。
・圧縮中の頻度(単位時間当たりの回数)が高いほど、例えば造形ステージの移動速度をより速くできる。
・粒状造形材の圧縮と塗布の分離。
・粒状造形材の圧縮を最適化するために、圧縮要素ごとに異なる構造の使用。
【符号の説明】
【0090】
1 圧縮装置
2、2a、2b、2c、2d、2e 圧縮要素
3、3a、3b、3c、3d、3e 駆動手段
4、4a、4b、4c 第1の構造物
5、5a、5b、5c 第2の構造物
6 造形ステージ
7、7a、7b、7c 圧縮要素の端部
8 接触点
9 領域
10 おもり
11 粒状造形材の粒子
12 圧縮要素の移動方向(直線的、長手方向軸線)