(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】二酸化炭素スノーのプリチャージ方法
(51)【国際特許分類】
F25D 3/12 20060101AFI20220705BHJP
【FI】
F25D3/12
(21)【出願番号】P 2020532004
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(86)【国際出願番号】 US2018066347
(87)【国際公開番号】W WO2019126244
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-06-11
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】392032409
【氏名又は名称】プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・セーヴェル
(72)【発明者】
【氏名】ランコ・バーサック
(72)【発明者】
【氏名】イン・ヅォウ
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02881646(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0206497(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02604956(EP,A1)
【文献】特開平09-170860(JP,A)
【文献】特開2005-083709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2位置に輸送するために第1位置でプリチャージコンテナを作製するために、空の又は部分的に空の断熱コンテナにCO2スノーをプリチャージする方法であって、
前記第1位置で液体CO2源を受領するステップと、
前記第1位置でCO2スノーチャージャを前記空の又は前記部分的に空のコンテナに、及び前記液体CO2源に動作可能に接続するステップと、
前記空のコンテナ又は前記部分的に空のコンテナ内でCO2スノーを生成して、前記第1位置で、内部に1個以上の生鮮物品を充填することなく前記プリチャージコンテナを作製するステップと、
前記第2位置に配送するために、前記プリチャージコンテナを準備するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第2位置に配送するために前記プリチャージコンテナを準備するステップが、前記プリチャージコンテナを密閉することと、前記プリチャージコンテナを包装することと、前記プリチャージコンテナを、前記第2位置への陸路又は空路配送のための指定された受領者又は商業輸送業者に提供することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プリチャージコンテナを準備するステップが、ラベルを前記プリチャージコンテナと共に含むことを更に含み、前記ラベルが前記第2位置の出荷情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プリチャージコンテナを準備するステップが、前記プリチャージコンテナを、前記プリチャージコンテナを返却するための最終ユーザへの説明書と共に包装することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2位置又は他の以前の使用位置から少なくとも部分的に消耗したコンテナを受領するステップと、前記少なくとも部分的に消耗したコンテナを点検するステップと、これに応答して、前記少なくとも部分的に消耗したコンテナ内にCO2スノーを生成して、補充されたプリチャージコンテナを作製するステップと、前記補充されたプリチャージコンテナを、前記第2位置、前記以前の使用位置又は別の位置まで配送するために準備するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プリチャージコンテナを作製するステップが、内部に生鮮物品を充填することを含まないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2位置が臨床現場である、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
部分的又は実質的に消耗したコンテナを作製するために、
第3位置であって、前記第1位置及び前記第2位置
とは異なる、第3位置から、CO2スノーを有する前記プリチャージコンテナが部分的又は実質的に消耗しているという通知を前記第1位置で受領すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記実質的に消耗したコンテナの返却配送を調整することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
内部にプリチャージされたCO2スノーが充填された第2プリチャージコンテナを作製する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記CO2スノーの生成が、自動分配ステーション又は自動チャージステーションにおいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
内部に生鮮物品のない少なくとも部分的に消耗したコンテナを前記第1位置で受領するステップであって、前記消耗したコンテナは、内部にCO2スノーを有する前記プリチャージコンテナとして画定され、前記CO2スノーが少なくとも部分的に昇華している、受領するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナを点検するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナを再使用可能であると判定するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナにCO2スノーを充填して、前記CO2スノーが再補充されたプリチャージコンテナを作製するステップと、
配送のために前記再補充されたプリチャージコンテナを準備するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ある位置に生鮮物品を供給する方法であって、
プリチャージコンテナ内が内部に1個以上の生鮮物品を充填することなくCO2スノーを少なくとも部分的に充填した前記プリチャージコンテナを受領するステップと、
前記CO2スノーを少なくとも部分的に充填した前記プリチャージコンテナを開放するステップと、
前記CO2スノーを少なくとも部分的に充填した前記プリチャージコンテナの内部領域にアクセスするステップと、
前記CO2スノーを少なくとも部分的に充填した前記プリチャージコンテナ内に前記生鮮物品を装填するステップであって、前記生鮮物品を前記CO2スノーに十分に近接させて、前記生鮮物品の温度を上限未満で維持する、ステップと、
前記CO2スノーを少なくとも部分的に充填した前記プリチャージコンテナを密閉するステップと、
前記位置への配送のために、前記生鮮物品を内部に装填した、前記CO2スノーを少なくとも部分的に充填した前記プリチャージコンテナを準備するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
配送のために内部に前記生鮮物品を有する前記プリチャージコンテナを準備するステップが、危険材料として前記生鮮物品を識別するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記位置から部分的に消耗したコンテナを受領することと、前記部分的に消耗したコンテナの内部にアクセスすることと、前記部分的に消耗したコンテナ内に追加のCO2スノーを導入することなく、第2生鮮物品を前記部分的に消耗したコンテナに装填することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記生鮮物品を製品ホルダ内に配置し、続いて内部に前記生鮮物品を有する前記製品ホルダを前記CO2スノーに十分に近接させて位置決めして、前記製品ホルダを少なくとも部分的に配置して、前記生鮮物品の温度を上限未満で維持することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記製品ホルダの温度が最終位置への配送中に-70℃未満に維持される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プリチャージコンテナの返却配送のための最終ユーザへの説明書を提供することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
内部に前記生鮮物品が装填された前記プリチャージコンテナを準備するステップが、指定受領者又は商業輸送業者による受け取りの準備が整ったコンテナを構成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナを配送する方法であって、
プリチャージコンテナに1個以上の生鮮物品を充填した充填位置から前記少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナを受領するステップであって、前記少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナが前記1個以上の生鮮物品をCO2スノーに十分に近接させて更に備え、前記生鮮物品の温度を上限未満で維持する、ステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナを開放して、前記プリチャージコンテナの内部にアクセスするステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナから前記1個以上の生鮮物品を除去するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナをチャージ位置に配送し、追加の生鮮物品を充填するか、又は前記少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナ内に残存する前記1個以上の生鮮物品の少なくとも一部を使用するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナが実質的に消耗していることを供給位置に通知することと、
前記少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナを前記供給位置に戻すことと、それに応答して、
前記供給位置から、(i)CO2スノーが補充及び充填され、前記1個以上の生鮮物品を含む、前記少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナ、又は(ii)CO2スノーが充填され、前記1個以上の生鮮物品を含む新しいCO2プリチャージコンテナを受領することと、
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
第2位置に輸送するために第1位置でCO2スノーを有するプリチャージコンテナを作製する方法であって、
第1位置のCO2源から、1個以上の生鮮物品を充填することなく、前記第1位置で空の又は部分的に空のコンテナに前記CO2スノーを導入するステップと、
前記第1位置で前記プリチャージコンテナを作製するステップと、
前記第1位置から前記第2位置に配送するために、前記プリチャージコンテナを準備するステップと、
を含む方法。
【請求項23】
前記第1位置から前記第2位置に配送するために、前記プリチャージコンテナを準備するステップが、
前記プリチャージコンテナを密閉することと、
前記プリチャージコンテナを包装することと、
を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記プリチャージコンテナを、前記第2位置への陸路又は空路配送のための指定された受領者又は商業輸送業者に提供することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記プリチャージコンテナを準備するステップが、出荷情報を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記プリチャージコンテナを準備するステップが、前記プリチャージコンテナを、少なくとも部分的に消耗したプリチャージコンテナを返却するための最終ユーザへの説明書と共に包装することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記第2位置又は他の以前の使用位置から少なくとも部分的に消耗したコンテナを受領するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナを点検するステップと、
これに応答して、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナ内にCO2スノーを導入して、補充されたプリチャージコンテナを作製するステップと、
前記補充されたプリチャージコンテナを、前記第2位置、前記以前の使用位置又は別の位置まで配送するために準備するステップと、
を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
第3位置であって、前記第1位置及び前記第2位置
とは異なる、第3位置から、CO2スノーを有する前記プリチャージコンテナが部分的又は実質的に消耗しているという通知を前記第1位置で受領すること、を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも部分的に消耗した又は実質的に消耗した、CO2スノーを有する前記プリチャージコンテナの返却配送を第1位置で調整することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
内部にプリチャージされたCO2スノーが充填された第2プリチャージコンテナを前記第1位置にて作製する、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記CO2スノーを導入するステップが、手動又は自動で行われる、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
内部に生鮮物品のない少なくとも部分的に消耗したコンテナを前記第1位置で受領するステップであって、前記少なくとも部分的に消耗したコンテナは、内部にCO2スノーを有する前記プリチャージコンテナとして画定され、前記CO2スノーが少なくとも部分的に昇華している、受領するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナを点検するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナを再使用可能であると判定するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナにCO2スノーを導入して、前記CO2スノーが再補充されたプリチャージコンテナを作製するステップと、
配送のために前記再補充されたプリチャージコンテナを準備するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
第2位置に輸送するために第1位置で
内部に生鮮物品を充填することなくCO2スノーを有するプリチャージコンテナを作製する方法であって、
第1位置のCO2源から、前記第1位置で空の又は部分的に空のコンテナに前記CO2スノーを導入するステップと、
前記第1位置で前記プリチャージコンテナを作製するステップと、
前記第1位置から前記第2位置に配送するために、前記プリチャージコンテナを準備するステップと、
前記第2位置又は他の以前の使用位置から少なくとも部分的に消耗したコンテナを受領するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナを点検するステップと、
これに応答して、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナにCO2スノーを導入して、前記CO2スノーが再補充されたプリチャージコンテナを作製するステップと、
前記第2位置又は他の以前の使用位置への配送のために、前記再補充されたプリチャージコンテナを準備するステップと、
を含む、方法。
【請求項34】
第2位置に輸送するために第1位置で
内部に生鮮物品を充填することなくCO2スノーを有するプリチャージコンテナを作製する方法であって、
第1位置のCO2源から、前記第1位置で空の又は部分的に空のコンテナに前記CO2スノーを導入するステップと、
前記第1位置で前記プリチャージコンテナを作製するステップと、
前記第1位置から前記第2位置に配送するために、前記プリチャージコンテナを準備するステップと、
第3位置であって、前記第1位置及び前記第2位置
とは異なる、第3位置から、前記CO2スノーを有する前記プリチャージコンテナが部分的又は実質的に消耗しているという通知を前記第1位置で受領するステップと、
を含む、方法。
【請求項35】
第2位置に輸送するために第1位置で
内部に生鮮物品を充填することなくCO2スノーを有するプリチャージコンテナを作製し、その後、消耗した状態のプリチャージコンテナを受領する方法であって、
第1位置のCO2源から、前記第1位置で空の又は部分的に空のコンテナに前記CO2スノーを導入するステップと、
前記第1位置から前記第2位置に配送するために、前記プリチャージコンテナを準備するステップと、
その後、内部に生鮮物品のない少なくとも部分的に消耗したコンテナを前記第1位置で受領するステップであって、前記消耗したコンテナは、内部にCO2スノーを有する前記プリチャージコンテナとして画定され、前記CO2スノーが少なくとも部分的に昇華している、受領するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナを点検するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナを再使用可能であると判定するステップと、
前記少なくとも部分的に消耗したコンテナにCO2スノーを充填して、前記CO2スノーが再補充されたプリチャージコンテナを作製するステップと、
配送のために前記再補充されたプリチャージコンテナを準備するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ内にCO2スノーをプリチャージするための手動及び自動化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品開発は、医薬産業における主要な試みであり続ける。医薬品開発は、新規治療の安全性及び有効性を確立するために治験を必要とする。今日、アメリカ合衆国、一国において、様々な段階における多くの治験が進行中である。各治験は、ある試験的な医薬品の投与をボランティアで行う数百から数千の患者に関与し得る。概して、治験の一部として、生体試料(例えば、組織、尿、血液試料)が、病院、大学、又は医療機関等の臨床現場で、参加者から収集され、次いで、分析のための研究所、又は後の分析のために凍結保管され得る施設に輸送される。
【0003】
試験的な医薬品の安全性及び有効性を評価するための能力は、治験中の再現可能、かつ信頼性の高い結果を得ることを必要とする。生体試料は、例として、医院と研究室との間の保存及び輸送中に、安定、かつ保存されなければならない。今日、生体試料を保存する一般的な手段は、固体二酸化炭素(即ち、ドライアイス)の存在下で凍結させ、保管することである。
【0004】
ドライアイスシステムは、試料が取得される臨床現場で、ポリスチレン箱等の断熱箱に、試料及びドライアイスを手動で搭載することを典型的に伴う。断熱箱は、治験を運営している製薬会社又は開発業務受託機関によって、臨床現場に典型的に提供される。断熱箱構成部品は、組み立てた、又は分解した状態で提供され得る。断熱箱の組み立て及びドライアイスの搭載は、労働集約型となる可能性がある。また、臨床現場にドライアイスの十分な供給を維持することに関連付けられた少なからぬコスト及び不都合もあり得る。更に、一定持続時間内にこのようなドライアイスを使用できないと、ドライアイスの冷却効果を失わせる、著しい昇華損失が生じ得る。更に、断熱箱は、典型的には再利用できず、廃棄しなくてはならないため、廃棄物が生じる。
【0005】
他の欠点もまた、従来の断熱箱における試料の輸送に存在する。ドライアイスは、二酸化炭素の蒸気を昇華させることにより、断熱箱の内部を冷却する。多くの断熱箱が、最大4日又は5日間の様々な持続時間の間、低温の内部温度を維持することができ、利用できる。内部試料空間は、初期の全ドライアイス搭載時には、ドライアイス温度に一様に近くなり得るが、ドライアイスが昇華すると、大きな温度勾配が内部試料空間内で生じ得、試料品質を潜在的に低下させる。断熱箱は、概して、十分な低温が内部試料空間内で維持されることを確実とするために、急送配送方法を介して出荷される。しかしながら、万一出荷レーンに遅延や混乱が発生すると、試料は、品質が低下する可能性がある。このような出荷中の遅延の結果、付加的なドライアイスを、輸送中に箱に搭載する必要があり得、貨物にコストの増加及び物流の複雑さをもたらす。
【0006】
従来のドライアイス出荷容器の1つの代替品が、極低温の液体窒素系蒸気容器である。極低温の液体窒素系蒸気容器は、低温窒素を蒸気状態に保持し、液体状での窒素の存在を回避するために、吸収剤を利用する。しかしながら、このような液体窒素系蒸気容器は、欠点に悩まされる。1つの欠点は、容器の準備に時間と労働を伴うことである。具体的には、ユーザは、容器に液体窒素を噴射し、吸収材上の窒素の十分な吸収が生じるまで数時間待って、そのような容器を準備し、出荷前に過剰な液体窒素を静かに移すことも続く。極低温液体窒素の実質的な取り扱いが必要であり、使用に先立って、多くの時間が液体窒素出荷容器の準備に必要である。更に、液体窒素系蒸気容器の使用に関連付けられたコストは、代替のドライアイス容器よりも格段に高い。
【0007】
これらの欠点を鑑み、保管及び輸送中、コンテナに試料を保存するため設計されたコンテナを効果的に提供する改善された方法には満たされていない必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
一態様において、第2位置に輸送するために第1位置でプリチャージコンテナを作製するために、空の又は部分的に空の断熱コンテナにCO2スノーをプリチャージする方法であって、第1位置でプリチャージ液体CO2源を受領するステップと、CO2スノーチャージャを空の又は部分的に空のコンテナに、及び液体CO2源に動作可能に接続するステップと、空のコンテナ又は部分的に空のコンテナ内でCO2スノーを生成して、プリチャージコンテナを作製するステップと、第2位置に配送するために、プリチャージコンテナを準備するステップと、を含む方法。
【0009】
第2の態様において、生鮮物品をある位置に供給する方法であって、プリチャージコンテナ内にCO2スノーを少なくとも部分的に充填したプリチャージコンテナを受領するステップと、CO2スノーを少なくとも部分的に充填したプリチャージコンテナを開放するステップと、CO2スノーを少なくとも部分的に充填したプリチャージコンテナの内部領域にアクセスするステップと、CO2スノーを少なくとも部分的に充填したプリチャージコンテナ内に生鮮物品を装填するステップであって、生鮮物品をCO2スノーに十分に近接させて、生鮮物品の温度を上限未満で維持する、ステップと、CO2スノーを少なくとも部分的に充填したプリチャージコンテナを再密閉するステップと、ある位置への配送のために、生鮮物品を内部に装填した、CO2スノーを少なくとも部分的に充填したプリチャージコンテナを準備するステップとを含む、方法。
【0010】
第3の態様において、少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナを配送する方法であって、少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナを受領することであって、少なくとも部分的に消耗したCO2スノープリチャージコンテナが1個以上の生鮮物品をCO2スノーに十分に近接して更に備え、生鮮物品の温度を上限未満で維持する、受領することと、プリチャージコンテナを開放して、プリチャージコンテナの内部にアクセスすることと、1個以上の生鮮物品をプリチャージコンテナから除去して、プリチャージコンテナをチャージ位置に配送し、追加の生鮮物品を装填するか、又は少なくとも部分的に消耗したコンテナ内に残存する1個以上の生鮮物品の少なくとも一部を使用することとを含む、方法。
【0011】
第4の態様において、第2位置に輸送するために第1位置でCO2スノーを用いてプリチャージ断熱コンテナを作製する方法であって、第1位置にCO2スノー源を提供するステップと、第1位置で空の又は部分的に空のコンテナにCO2スノーを導入するステップと、プリチャージ断熱コンテナを作製するステップと、第2位置に配送するためにプリチャージコンテナを準備するステップと、を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1a】本発明の原理による、自動充填分配ステーション内で二酸化炭素(CO2)スノーブロックを作製するための、コンテナと、上部プレートであって、充填導管が取り付けられた上部プレートの代表的な斜視図を示す。
【
図1b】上部プレートのメッシュシートを通るCO2のガス流を詳細に示す、
図1aの断面図を示す。
【
図2a】本発明の原理による、各コンテナがそれぞれアイドル配置で示されている、サイズの異なる2個のコンテナ内でCO2スノーブロックを生成するための自動分配ステーションの態様を示す。
【
図2b】本発明の原理による、2個の各コンテナがそれぞれ充填配置で示されている、
図2aの自動分配ステーションの態様を示す。
【
図3】充填用に予め選択され、自動分配ステーション内に位置するコンテナのうちの0個からCO2スノーブロックを分配するために使用される例示的な作動機構を示す。
【
図4】自動分配ステーション内に位置するコンベヤシステムの態様を示し、これにより、ボックスを、CO2スノーブロックを充填した選択したコンテナの下に輸送され、傾斜されて分配配置とされ、コンテナから自動化販売システムの一部としてのボックス内へCO2スノーブロックを輸送する、コンベヤシステムの入口に供給することができる。
【
図5】本発明の原理による自動分配を行うために利用される制御方法を示す。
【
図6】
図8のチャージステーション内に装填された1個のコンテナに自動チャージ操作を行うために利用される制御方法を示す。
【
図7】複数のコンテナを収容する自動分配ステーション内に利用できるCO2供給マニホールドからCO2液体を導入するためのプロセスフロー概略図を示す。
【
図8】CO2スノーブロックを自動チャージするためにコンテナを装填することができる、チャージステーションを示す。
【
図9a】コンテナの内部からCO2スノーブロックを分配する準備が整った、選択したコンテナの開始配置を示す。
【
図9b】アクチュエータアセンブリがコンテナの側面に沿って上向きの力を及ぼす結果としての
図9aの位置に対して、選択したコンテナが反時計回りに90°回転した結果として生じた中間配置を示す。
【
図9c】CO2スノーブロックをコンテナの内部から選択したコンテナの下に位置するボックス内へ放出することができる
図9bの位置に対して、反時計回りに更に45°回転した、選択したコンテナの最終傾斜配置を示す。
【
図10】本発明の原理によるCO2スノーのプリチャージの代表的なフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
記載されるように、一態様において、本発明は、自動分配ステーションから利用可能な様々なサイズのCO2スノーブロックを自動生成する方法を提供する。ユーザは、生成されたCO2スノーブロックに、分配ステーション内に位置するコンベヤシステムの入口及び出口アクセス窓から容易にアクセスすることができる。本発明のオンデマンドの生成が、ユーザが現場でCO2スノーブロック又はドライアイスの在庫を維持する必要性をなくす。
【0014】
「CO2スノー」及び「ドライアイス」という用語は、同一の意味を有し、凝固されたCO2の粒子を意味するまで本明細書及び全体にわたって互換的に使用され得ることが理解されるはずである。
【0015】
「CO2スノーブロック」又は「CO2ブロック」、その両方は、本明細書及び全体にわたって互換的に使用され得、堅く保持された粒子からなるいずれの形状の、実質的にブロック状の形態のCO2スノー粒子の作製を意味するように意図される。
【0016】
本明細書で使用される「CO2流体」は、液相、気相、蒸気相、超臨界相、又はこれらのいずれの組み合わせを含む、いずれの相を意味する。
【0017】
本明細書で使用される「CO2源」又は「CO2液体源」は、限定するものではないが、シリンダ、デュワー、ボトル、及びバルク又はマイクロバルクタンクを含む。
【0018】
本明細書で使用される「導管」又は「導管フローネットワーク」は、1つ以上の流路を作成し、及び/又は流体の通過を可能にするのに十分な、管、パイプ、ホース、マニホールド、及び任意の他の好適な構造体を意味する。
【0019】
本明細書で使用される「接続された」又は「動作可能に接続された」は、限定するものではないが、器具、弁及び導管、を含む、配管及び組み立などの2つ以上の構成部品の間の直接又は間接接続を意味し、別様に特定されなければ、2つ以上の構成部品の間の流体、機械、化学及び/又は電気的通信を可能にする。
【0020】
本明細書で使用される「物品」は、限定するものではないが、血液、尿、組織試料、又はそれらの構成成分等の生体試料と、肉、家禽、魚、及び乳製品等の生鮮食料品と、パーソナルケア物品と、化学薬品と、を含む、凍結又は一定の温度未満に維持されていない場合に、腐敗、劣化、及び/又は構造変更若しくは変性を受け得る、いずれの温度感受性の物品、製品、又は供給物も意味する。
【0021】
本明細書で使用される「充填」は、外部のCO2源から外部のCO2源に動作可能に接続されたコンテナにCO2流体を導入するプロセスを意味する。
【0022】
本明細書で使用される「コンテナ」は、限定するものではないが、モールドキャビティ、シリンダ、デュワー、ボトル、タンク、バレル、バルク及びマイクロバルクを含む、CO2流体を収容することができる任意の保管、充填、配送又は輸送可能な容器を意味する。
【0023】
「輸送可能」は、限定するものではないが、航空、地上、又は海上を含む、任意の既知の手段によってユーザの場所から別の目的地へ移動、輸送、又は出荷されることが可能である装置を意味する。輸送又は出荷は、限定するものではないが、小包郵便、UPS(登録商標)出荷サービス、FedEx(登録商標)出荷サービス等を含む、種々の小包配送サービスを通じて発生し得る。
【0024】
以下に記載されるような実施形態は、単に実施例であり、本発明は、図面内に例解される実施形態に限定されない。図面が縮小されたものではなく、ある場合において、従来の製造及び組み立ての詳細等、実施形態の理解に必ずしも必要とされない詳細部は削除されていることもまた、理解されるはずである。正確な導管及び弁構成は、縮尺どおりに描かれておらず、ある特徴は、本発明の原理による自動化充填及び自動化チャージプロセスの様々な態様をより良く示すために、各図面において意図的に省略されることも理解されたい。
【0025】
実施形態は、類似要素が同様の数字によって参照される図面を参照して記載される。実施形態の様々な要素の関連性及び機能は、以下の詳細な記載によってより良好に理解される。「発明を実施するための形態」は、本開示の範囲内のものとして様々な置換及び組み合わせの特徴、態様、及び実施形態を想到している。したがって、本開示は、これらの特定の特徴、態様、及び実施形態のそのような組み合わせ及び置換のうちのいずれか、又はそれらのうちの選択された1つ以上を備えるように、それらからなるように、又はそれらから本質的になるように指定され得る。
【0026】
本発明の一態様において、自動分配ステーション内の選択したコンテナ中に二酸化炭素(CO2)スノーブロックを自動充填する方法は、
図1a、
図1b、
図2a、
図2b、
図3、
図4、
図5、
図7、
図9a、
図9b及び
図9cを参照して論じられる。
図1a及び
図1bは、第1コンテナ10(
図1、
図2、
図3、
図4及び
図5)であって、第1コンテナ10から任意の好適なユーザボックスにCO2スノーブロック2を販売するための自動分配ステーション1と共に使用される、第1コンテナ10を示す。第1コンテナ10は、第10上部プレート15を有するモールドキャビティ13を含む。モールドキャビティ13は、CO2スノーブロック2の体積を収容するようにサイズ決めされた容積を有する。CO2スノーブロック2の所望の容積が、自動分配ステーション1のプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)1085に入力される。PLC1085は、自動分配ステーション1内に位置するモールドキャビティ13を、PLC1085へのCO2スノーブロック2の入力された体積以上の容積をモールドキャビティ13が有すると判定したときにのみ選択する。PLC1085は、選択したモールドキャビティ13を充填配置に配向させ(
図2b)、必要量のCO2スノーブロック2をモールドキャビティ13内に充填する自動化充填プロセスを実行する。充填プロセスは、CO2スノーブロック2の所望の体積を達成するための充填時間に基づくことが好ましい。
【0027】
充填完了時に、CO2スノーブロック2は、モールドキャビティ13から、受け取りのためにユーザに販売されるユーザボックス22(
図4)へと輸送される。
【0028】
具体的には、ユーザボックス22は、入口窓21にて供給され、続いて、コンベヤベルト20に沿って、ユーザがアクセス及び受け取りを行うための自動分配ステーション1の分配窓14まで搬送される。
【0029】
第1コンテナ10の構造的詳細を、
図1a及び
図1bに示す。モールドキャビティ13は一般に、上部プレート15と、底壁16と、複数の垂直配向側壁17とを含む。上部プレート15は、気体状CO2のみに対して透過性であり、CO2スノーに対しては実質的に不透過性である分離バリア支持体を特徴とするため、気体状CO2は、CO2スノーを著しく損失させることなく、モールドキャビティ13の内部から逃げることができる。
図1bを参照すると、分離バリア支持体は、支持構造体19及びメッシュシート18を含む。任意の種類の材料が、気体状CO2を放出させる通路を画定するために利用され得ることを理解されたい。
【0030】
充填導管23は、上部プレート15に接続された一方の端部と、CO2供給マニホールド1000に接続された別の端部とを有する。好ましい実施形態において、合計4個のノズル12が充填導管23の一方の端部に均一に分配されている。各ノズル12は、およそ90°で他方から離間し、各ノズル12は、同一サイズの開口部及び形状を有する。ノズル12の構造は、それを通じて実質的に均一なCO2流体の流れを作成し、それによりモールドキャビティ13内のCO2スノーブロック2の実質的に均一な形成及び分配の作製が可能となる。
【0031】
ノズル12は、充填導管23の垂直面に対して約30°~60°の範囲の角度で充填導管23の垂直面から離れて配向され、それにより垂直面はモールドキャビティ13の水平面に対して垂直に延在する。本発明の範囲から逸脱することなく、他のノズル設計及び配置が想到されることを理解されたい。
【0032】
図2aは、複数のコンテナを収容するように設計された自動分配ステーション1を示す。点線は、異なる容積の複数のコンテナが収容され得る自動分配ステーション1の構造筐体を表す。具体的には、本発明の原理をより良好に説明するためにわかりやすくする目的で、2個のコンテナのみ、即ち、
図1aの第1コンテナ10及び第2コンテナ26を示す。第1コンテナ10は、第2コンテナ26よりも容積が小さい。自動分配ステーション1は、CO2供給マニホールド1000に着脱自在に接続され、その詳細を
図7に示す。第1コンテナ10は、第1コンテナ10が第1モールドキャビティ13の上部から除去された第1上部プレート15を有する、アイドル配置で示されている。同様に、第2コンテナ26は、第2コンテナ26が第2モールドキャビティ25の上部から除去された第2上部プレート28を有する、アイドル配置で示されている。アイドル配置の第1コンテナ10及び第2コンテナ26のいずれも、CO2スノーブロック2を含有していない。垂直アクチュエータ29a及び29bは、第1上部15に取り付けられ、収縮して第1上部プレート15を第1コンテナ10から離れて上昇させて、アイドル配置を生じるように構成されている。垂直アクチュエータ29a及び29bは延在して、第1上部プレート15を第1コンテナ10上に降下させて、
図2bの充填配置を生じるように構成されている。同様に、垂直アクチュエータ30a及び垂直アクチュエータ30bは、第2上部プレート28に取り付けられ、第2上部プレート28を第2コンテナ26から離れて上昇させてアイドル配置を生じさせるように構成され、延伸して、第2上部プレート28を第2コンテナ26上に降下させて、
図2bの充填配置を生じるように再構成することができる。
【0033】
PLC1085は、供給マニホールド1000及び自動分配ステーション1の様々な構成部品と電気的通信して、その結果、
図7に示すように、様々なアクチュエータ、自動制御弁及び圧力調節装置を含む弁、圧力トランスデューサ及び通気システムを調節することができる。PLC1085と様々な構成部品との間に延在する
図7の点線は、電気的通信を表す。PLC1085は、PLC1085と第1コンテナ10、第2コンテナ26、上部プレートの上昇及び降下を担う様々なアクチュエータ29a、29b、30a、30b並びに(
図9a、
図9b及び
図9cを参照して説明するような)モールドキャビティの分配配置までの回転を担う他のアクチュエータアセンブリ91a、91bを含む、様々な構成部品との間で通信することを更に理解されたい。
【0034】
図2bは、それぞれの上部プレート15及び28が、そのそれぞれのコンテナ10及び26の周囲部に沿ってシールを形成するのに十分な圧力で、それぞれのモールドキャビティ13及び25上に降下されている充填配置にある、第1コンテナ10及び第2コンテナ26を示す。周囲シールによって、モールドキャビティ13/25内の気体状CO2が必ず、第1コンテナ10及び第2コンテナ26のメッシュシート18及び31をそれぞれ通過して放出できるようになる。具体的には、垂直アクチュエータ29a及び29bは
図2aに対して延在して、第1上部プレート15を、第1金型キャビティ13の周囲部に沿ってシールを形成するのに十分な圧力で第1モールドキャビティ13上に降下させる。垂直アクチュエータ30a及び30bは、
図2aに対して延在して、第2モールドキャビティ25の周囲部に沿ってシールを形成するのに十分な圧力で第2上部プレート28を第2モールドキャビティ25上に下降させる。
図2bは、第1充填導管23及び第2充填導管27が、CO2供給マニホールド1000に着脱自在に接続されていることを示し、CO2液体は、限定するものではないが、シリンダ、デュワー、ボトル、マイクロバルク又はバルクタンクを含む、任意の好適なコンテナを含むことができる、CO2源1090からCO2供給マニホールド1000に沿って流れることが可能である。
【0035】
自動分配ステーション1に関連する自動化プロセスについて説明する。好ましい実施形態において、PLC1085は、
図5の制御方法5000によるCO2スノーブロック2の充填及び販売を制御するために利用される。PLC1085は、自動分配ステーション1に近接して位置することができる。本例において、本発明の原理をより良好に説明するためにわかりやすくする目的で、自動分配ステーション1は、第1コンテナ10及び第2コンテナ25を収容している。しかし、自動分配ステーション1は、異なる容積の多数のコンテナを収容するように好ましくは設計されることを理解されたい。一例において、PLC1085は、
図7に示すCO2供給マニホールド1000の一部として位置する。PLC1085は、製造されるCO2スノーブロック2の密度を用いてプリプログラムされていることが好ましい。PLC1085は、任意の密度を使用し得るが、好ましくは50~65llb/ft
3、より好ましくは55~60lb/ft
3を使用する。ステップ501にて、PLC1085が作動され得る。次にユーザは、生成されるCO2スノーブロック2の所望の体積をPLC1085に入力する(ステップ502)。ユーザはまた、特定のCO2スノーブロック又はコンテナ10/26のサイズ及び/又は形状をヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)上で選択してもよい。PLC1085は、入力された体積に応じて、CO2スノーブロック2の入力された体積を生成することができる容積を有する、自動分配ステーション1内の好適なコンテナを選択及び作動させる。PLC1085は、第1コンテナ10に対応するモールドキャビティ13の容積が、入力された容積よりも小さいと判定する。PLC更に1085は、第2コンテナ26に対応するモールドキャビティ25の容積が、CO2スノーブロック2の入力された体積以上であると判定する。結果として、PLC1085は、CO2の充填に使用される第2コンテナ26を選択し、それに応じて信号を第2コンテナ26に送信する。
【0036】
ボックス22(例えば、段ボール箱)は、自動分配ステーション1内に位置するコンベヤシステム4の入口窓21に供給される(ステップ503)。ボックス22は、ユーザによって手動で又は自動的に供給され得る。ボックス22は、モールドキャビティ内に生成されるCO2スノーブロック2の入力された体積を収容するサイズとされた容積を有する。
【0037】
内部にCO2を充填するための好適なコンテナを選択し、ボックス22がコンベヤベルト20の入口21に沿って配置されて(ステップ503)、PLC1085は、プリ充填完全性チェックを実行する準備が整っている(ステップ504)。充填操作が開始可能となる前に、多数の基準に合格しなければならない。PLC1085は、排気1050とPLC1085との間の通信で示す圧力スイッチ「PS1000」を介して通気システム1050(
図7)がオンになっていることを確認する。具体的には、PLC1085は、排気システムがオンにされ、CO2ガス及びCO2オフガスがモールドキャビティ25から排気導管1050を通って、次いで排気システムへ排出できるように機能していることを確認する。PLC1085は、供給マニホールド1000及び第2充填導管27内の圧力が漏れなしに維持できるか否かも判定する。これらのプリ充填完全性基準のいずれかが満足されない場合、PLC1085は、操作を中止し、プリ充填完全性チェック全てが合格するまで、ユーザが適切な修正措置を取るためのメッセージ及びステータスをヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)に送信する(ステップ505)。
【0038】
プリ充填完全性チェックがそれぞれが満足されている場合、PLC1085は、好適なモールドキャビティを選択し、選択された好適なモールドキャビティをアイドル配置から充填配置に作動させる(ステップ506)。PLC1085は、CO2スノーブロックの入力された体積に応じて、CO2スノーブロック2の入力された体積を生成することができる容積を有する、自動分配ステーション1内の好適なコンテナを選択する。PLC1085は、第1コンテナ10に対応するモールドキャビティ13の容積が、入力された体積よりも小さいと判定する。PLC更に1085は、第2コンテナ26に対応するモールドキャビティ25の容積が、CO2スノーブロック2の入力された体積以上であると判定する。結果として、PLC1085は、CO2の充填に使用される第2コンテナ26を選択し、それに応じて、ステップ506に関連して、第2コンテナ26をアイドル配置(
図2a)から充填配置(
図2b)に作動させる信号を、第2コンテナ26に送信する。
図2aの選択した第2モールドキャビティ25を、第2モールドキャビティ25の上部から離間した第2上部プレート28を有するアイドル配置で示す。この時点では、CO2スノーブロック2は第2モールドキャビティ25内に含まれていない。PLC1085は、垂直アクチュエータ30a及び30bに信号を送信して、垂直アクチュエータ30a及び30bを
図2bに示すように長手方向に下方に延在させ、それにより第2上部プレート28を第2コンテナ26の上部に向けて下方に移動させる。垂直アクチュエータ30a及び30bは、
図2bに示すように、第2モールドキャビティ25の上部の上に均等に位置決めされるまで下方への移動を続ける。
図2bは、第2コンテナ26の周囲部に沿ってシールを形成するのに十分な圧力で、第2プレート28が第2コンテナ26の上部の上に下降されていることを示している。
【0039】
PLC1085は、選択したコンテナ26が充填配置にあることを検証し、検証しない場合には、PLC1085は、選択したコンテナ26を充填配置に向けるために適切な信号を中継する。
図2bに示すように第2コンテナ26が充填配置に作動されたことを確認すると、PLC1085は、以下のように、選択したコンテナ26内へのCO2スノーブロック2の所定の又は予想される充填時間を判定することができる(ステップ507)。PLC1085は、源1090の蒸気ヘッドスペース内のCO2の圧力を測定する圧力トランスデューサ1071(
図7)から信号を受信する。圧力トランスデューサ1071は、CO2の圧力に対応する信号をPLC1085に中継する。この圧力読取り値及び(その代表的な概略図を
図1bに示す)第2充填導管27内のノズル12の総容積に基づいて、PLC1085は、ノズル12の総容積に対する圧力の参照テーブルによって経験的に求められる、CO2液体含有流の予想質量流量を求めることができる。質量流量が求められると、選択した第2コンテナ26への予想充填時間(即ち、所定の充填時間)は、PLC1085によって、所望のCO2スノーブロックの入力された体積と、経験的に求めた質量流量で除した、生成されるCO2スノーブロックのプリプログラムされた密度(例えば、好ましくは55~60lb/ft
3)の積として計算される。
【0040】
PLC1085が所定の充填時間を計算すると、PLC1085は、充填プロセスの前に供給マニホールド1000の加圧を開始するために開始ボタンを作動するためのユーザメッセージを要求する(ステップ508)。第2充填導管27に関連する
図7の弁、器具及び構成部品は、CO2源供給マニホールド1000と接続され、CO2ガス及びCO2液体を収容するように構成されている。ガス導管1091は、圧力トランスデューサ1071及び1070並びに圧力インジケータ1078を含む。圧力トランスデューサ1071は、CO2源1090内のヘッドスペースの圧力を測定し、圧力インジケータ1078は、減圧弁1080(「PRV1100」)による低減後のCO2ガス流の圧力を測定し、圧力トランスデューサ1070は、選択した第2コンテナ26に入るCO2液体含有流の圧力を測定する。CO2蒸気弁1094が開位置に設定され、CO2制御弁1100が開位置に設定され、CO2液体引き抜き弁1093が閉位置に設定され、CO2制御弁1200が閉位置に設定された状態で、CO2ガスはCO2源1090の蒸気ヘッドスペースから引き抜かれ、ガス導管1091に流入する。圧力調節器1080(「PRV1100」)は、圧力インジケータ1078によって測定されるように、CO2源1090から引き抜かれたCO2ガスの圧力を、源圧力(例えば350~400psig)から約150psigまで低下させる。CO2ガスは、液体が供給マニホールド1000の導管及び第2充填導管27の一部内で、固体及び/又は気体への相変化を早期に被る圧力まで確実に低下させないために、液体含有CO2の圧力がある圧力(例えば約150psig)未満に低下するのを防止する量で添加することが好ましい。
【0041】
マニホールド1000の導管を適切に加圧することに加えて、CO2ガスを任意に添加して、任意の時間にわたって、任意の残留物及び/又は不純物の流れ及びパージを行うことができる。一例において、パージプロセスは、およそ30秒~約2分間継続することができる。CO2ガスがガス導管1091の様々な部分を通じて流れる際、任意の残留物及び/又は不純物がパージされ得る。バルブ1301を開に、バルブ1302を閉に設定することによって、CO2ガスは選択した第2コンテナ26に誘導され得る。充填プロセスのこの段階におけるコンテナ26は、CO2スノー微粒子又はCO2スノーブロック2を実質的な量で含有していない。CO2ガスは、充填導管27を通って下向き方向に流れ、モールドキャビティ25に入る。続いてCO2ガスは、第2上部プレート28のメッシュシート31を通じてコンテナ26から逃げる(例えば、上向きの矢印によって
図1bにより詳細に示すように、実質的に垂直配向方向に引き抜かれる)。
【0042】
PLC1085が選択された充填導管27内の圧力を決定し、CO2供給マニホールド1000が、液体CO2の相変化を防止するのに十分な圧力以上である場合(例えば、好ましくは150psig以上、より好ましくは200psigから最大約350psig)、選択したコンテナ26へのCO2スノーブロック2の充填が開始する(ステップ509)。CO2蒸気弁1094は開位置に留まることができ、制御弁1100は放位置に留まることができ、それによってマニホールド1000内の適切なガス加圧がコンテナ26中への液体CO2充填前及び充填中に確実に存在する。CO2源1090からの液体CO2の流れを開始するには、液体含有CO2が第1コンテナ10(即ち、PLC1085が判定する、非選択コンテナ)に確実に流入しないように、制御弁1302を閉位置に設定し、液体含有CO2を第2コンテナ26(即ち、PLC1085が判定する、選択した容器)に流入させるために、制御弁1301を開位置に設定する。
図7を参照すると、CO2源1090からの液体含有CO2が制御弁1301を通じて液体導管1092に沿って流れ、次いで、(
図1bに示すように)選択した第2コンテナ26の第2充填導管27内に下向き方向に導入される。逆止弁1067は、液体含有CO2の圧力によって導管1091内のCO2ガスがCO2源1090内に逆流することを防止する。
【0043】
CO2含有液体は、第2充填導管27のノズル12から出て、選択した第2コンテナ26の選択したモールドキャビティ25に入る。好ましい実施形態において、第2充填導管27の端部は、
図1bに示すように、CO2含有液体を選択したモールドキャビティ25内に誘導又は注入するように傾斜させた4個のノズル12を有する。液体含有CO2がノズル12を通じて選択したモールドキャビティ25内まで通過して、内部でCO2スノー及びCO2オフガスの固体粒子を生成すると、圧力及び温度の降下が生じる。CO2オフガスは第2上部プレート28のメッシュシート18を通過するが、固体微粒子は大きすぎてメッシュシート18を流過できないため、モールドキャビティ25内に捕捉されたままである。粒子及びガスがコンテナ26の上縁部に沿って逃げないのは、アクチュエータ30a及び30bが充填中に第2上部プレート28をモールドキャビティ25の上部に十分に押し付けた状態を維持する結果として、第2コンテナ26の周囲部が密閉されるためである。CO2オフガスは、排出ガスとしてメッシュシート31を通過するので、CO2スノーの固体粒子を圧縮して、モールドキャビティ25内にCO2スノーブロック2を形成し、それによりCO2スノーブロック2の生成を開始するという望ましい効果を有する。自動化充填に関して本明細書で使用される、「圧縮」という用語は、スノー粒子を好適な密度のCO2スノーブロック2に圧縮することを示す。圧縮は、選択したモールドキャビティ25内に生成できるCO2スノーブロック2の量に影響を及ぼし得る。このように、本発明は、排出ガスの形成を利用してスノー粒子の圧縮密度を改善して、CO2スノーブロック2を形成する能力を有する。排出CO2ガスは、
図1bの矢印で示すように、第2上部プレート28のメッシュシート31の開口部を流過し、それにより過剰な圧力が第2モールドキャビティ25内に蓄積することを防止する。第2充填導管27の垂直面に対して任意の角度でガスを引き抜くことができ、それにより垂直面が選択したモールドキャビティ25の水平面に対して垂直に延在することを理解されたい。次いで、第2充填導管27に動作可能に接続された排気導管1050内に、排出ガスを誘導することができる。
【0044】
CO2スノーの粒子は、選択したモールドキャビティ25内でブロック状の形態で形成され続ける。タイマーは、経過時間の監視を継続し、PLC1085に送信される経過時間に対応する信号を生成することができる。PLC1085は、経過時間が所定の充填時間未満である限り、CO2含有液体が導管1092に沿って流れるようにする(ステップ510)。
【0045】
PLC1085によって経過時間が所定の充填時間に達したと判定されると、充填が停止する。具体的には、PLC1085は、制御弁1301に信号を送信して制御弁を閉位置に設定し、それによりCO2含有液体が選択したコンテナ26内に流入し続けることを防止する。主液体引き抜き弁1093も閉じている。充填プロセスはこのように停止する(ステップ511)。液体CO2の流れの停止に応答して、気体状CO2は、所望ならば、一定の持続時間にわたって、ホールド1000及び/又は選択したコンテナ26の導管内の任意の不純物又は残留物をパージするための手段として、ガス導管1091に沿った、充填導管807及びコンテナ内への流れを再開することができる。CO2ガスが選択したコンテナ26内に流入し、次いで排出されると、スノーブロック2がより圧縮され得る。
【0046】
マニホールド1000のシャットダウンもまた、ステップ511の一部として行うことができる。
【0047】
残りの液体CO2は、制御弁1200から主液体引き抜き弁1093に延在する、液体導管1092の部分に沿って貯留され得る。
【0048】
安全逃がし弁1086及び1087(「SRV1102」及び「SRV1200」)は、ガス導管1091及び/又は液体導管1092内に貯留され得る残留圧力を逃がすように設計されている。それらに沿って貯留した液体CO2が最終的にCO2ガスに昇華する際、圧力の高まりは、一例において400psigで作動するように設定される、安全逃がし弁1087によって逃がすことができる。安全逃がし弁1086はまた、CO2ガス1091導管内の圧力の高まりが、上限値(例えば400psig)に達する場合、又は達するとき、圧力を逃がすように作用する。
【0049】
充填プロセスを終了すると、PLC1085は、選択したモールドキャビティ25を充填配置から分配配置へ作動させる(ステップ512)。まず、アクチュエータ30a及び30bは、
図2aに示すのと同様に、収縮して上部プレート28をモールドキャビティ25の上部から離れるように上昇させる。
図3は、上部プレート28が除去された、所望の体積のCO2スノーブロック2を含む、選択したモールドキャビティ25の拡大図を示す。モールドキャビティ25は、CO2スノーブロック2をボックス22内に分配する準備が整い、ボックス22は、CO2スノーブロック2がモールドキャビティ25の内部からボックス22内に落下する際に、CO2スノーブロック2を収容できるように、モールドキャビティ25の下に位置する位置にコンベヤベルト20に沿って搬送される。
図4は、コンベヤベルト20に沿ったボックス22の移動を示す。具体的には、
図4はボックス22を備えたコンベヤシステム4を示し、ボックス22は、コンベヤ窓の入口21から、ボックス22がCO2ブロック2を収容するモールドキャビティ25の下の位置まで、最終的には、ボックス内に所望のCO2ブロック2が装填された状態で受け取りの準備が整ったコンベヤシステム4の分配窓まで移動する。ボックス22が所望の位置にあることが判定されると(ステップ513)、ここで
図9a、
図9b及び
図9cの順序で記載されるように、モールドキャビティ25は傾斜して、内部のCO2スノーブロック2がボックス22内に分配されるようにする。
図3及び
図9aは、分配プロセスの開始時のモールドキャビティ25を示す。
図3は、アクチュエータアセンブリ91a及びアクチュエータアセンブリ91bが、選択したモールドキャビティ25の第1側面17a及び第2側面17bにそれぞれ動作可能に接続されていることを示す。本明細書で使用されるように、
図3を参照すると、「a」が続く部品番号は、モールドキャビティ25の第1側面を示すものであり、「b」が続く同じ部品番号は、モールドキャビティ25の第2側面17bを示すものである。「a」又は「b」が続いていない同じ部品番号は、モールドキャビティ25が斜視図で示されていない場合(例えば
図9a、
図9b及び
図9cを参照)、モールドキャビティ25に関連する構造を一般に示すものである。例として、アクチュエータアセンブリ91aは、
図9aに示すように、モールドキャビティ25の第1側面17aに動作可能に接続されたアクチュエータアセンブリを示す。アクチュエータアセンブリ91bは、モールドキャビティ25の第2側面17bに動作可能に接続されたアクチュエータアセンブリを示し、アクチュエータアセンブリ91は一般に、
図9a、
図9b及び
図9cの断面図に示すように、モールドキャビティ25のアクチュエータアセンブリを示す。各アクチュエータアセンブリ91a及び91bは、各スロット92a及び92bに係合されている各ピン93a、93bによって、選択したモールドキャビティ25の第1側面17a及び第2側面17bに係合されたままである。アクチュエータアセンブリ91a及び91bは(以下で説明するように)ピン93a、93bが対応するスロット92a、92bに沿って摺動するときに、モールドキャビティ25を回転させる。モールドキャビティ25は、支持脚構造体90a及び90bに接続されたピボット点94a及び94bを中心として枢動することができる。支持脚構造体90a及び90bは、
図2a、
図2b、
図3及び
図4に示すように、モールドキャビティ25を懸垂している。
図3に示すようなアクチュエータアセンブリの詳細は、
図4のコンベヤシステム及びそれらの図に関連して本発明の顕著な態様を明確に説明する目的で、自動分配ステーション1を示す他の図から省略されていることを理解されたい。
【0050】
図3及び
図9aの配置から開始して、アクチュエータアセンブリ91a及びアクチュエータアセンブリ91bはそれぞれ、モールドキャビティ25の第1側面17a上のピン93a及び第2側面17b上のピン93bのそれぞれに伝達される上向きの力を及ぼすように(例えば、PLC1085によってプログラムされて)作動される。ピン93a、93bは、スロット92a、92b内で上方への移動が制限されている。結果として、ピボット94a、94bからそれぞれ同じ距離だけ離間されているピン93a、93bは、モールドキャビティ25を反時計回りに回転させるトルクを及ぼす。モールドキャビティ25が反時計回りに回転すると、スロット92a、92bは垂直に配向され、それによりアクチュエータアセンブリ91a、91bのそれぞれのアームがスロット92a、92bに沿って上方に延在できるようになる。
図9bは、アクチュエータアセンブリ91a、91bのアームがスロット92a、92b内へ及びスロット92a、92bに沿って上方に部分的に拡張された、ピボット94a、94bを中心として反時計回りに90度回転した回転モールドキャビティ25の中間構成を示す。アクチュエータアセンブリ91a、91bのアームは、それぞれのピン93a、93bを通じて上向きの力を加え続け、
図9cに示すように、アームとそれぞれのピン93a、93bがスロット92a、92bの最上縁部に移動するまで、モールドキャビティ25の反時計回りの回転を更に生成する。
図9cは、
図9bに対するさらなる45°の反時計回りの回転を表す。
図9cの傾斜配置により、CO2スノーブロック2をモールドキャビティ25の内部からボックス22内へと放出させることが可能であり(ステップ515)、この時点で、ボックス22は
図4に示すようにモールドキャビティ25の下に位置決めされる。
図4は、CO2スノーブロック2がボックス22内に放出されたことを示すために、反転させたモールドキャビティ25を示す。ボックス22内の表記「2」は、ボックス22がCO2スノーブロック2を含むことを示すものである。
【0051】
CO2スノーブロック2がモールドキャビティ25から放出されてボックス22内に分配されると、アクチュエータアームが後退し、ピン93a、93b及びそれに取り付けられたアームがスロット92a、92bに沿って下方に移動して、この段階でモールドキャビティ25のアイドル配置を表す、
図9aの向きに再構成される(ステップ516)。内部にCO2スノーブロック2を有するボックス22は、コンベヤベルト20に沿って、受け取りの準備が整ったコンベヤシステム4の出口/分配窓14に搬送される(ステップ517)。
【0052】
自動分配ステーション1への自動化充填は、所定の充填時間に基づいて実施されているが、自動充填はまた、他の基準に基づいて行うことも可能である。例えばPLC1085は、例えば以下を含む、充填のための別の設定点を使用することができる:予め定義した重量のCO2スノーブロック2、選択したモールドキャビティ内の圧力、CO2スノーブロック2の静電容量、コンテナ内の温度、又は、選択したモールドキャビティの上部プレートの変形。
【0053】
別の実施形態において、自動分配ステーション1を使用する代わりに、CO2スノーブロックをチャージステーション内の1個のコンテナに自動チャージする方法を行うことができる。
図6は、関連する制御方法6000を示し、
図8は例示的なチャージステーション800を示す。
チャージステーション800の入口はCO2供給マニホールド1000に接続され、チャージステーション800の出口は通気システム801に接続されている。CO2供給マニホールド1000は、ここで自動分配ステーション1が
図8のチャージステーションに替わっていることを除いて、実質的に同一である。PLC1085は、チャージステーション800、CO2供給マニホールド1000、通気システム801及びその関連構成部品と電気的通信する。PLC1085が作動されると(ステップ600)、充填のためのコンテナが選択される(ステップ601)。コンテナは、CO2スノーブロックをチャージ可能な任意の好適なボックスであってよい。コンテナをチャージステーション800内に配置する(ステップ602)。上述したように、プリ充填完全性チェック(ステップ603)は、PLC1085によって実行される。追加のプリ充填完全性チェックとして、ドアセンサは、ドア803がロックされているか否かを判定する。プレ充填完全性チェックのいずれかを満足できないと、PLC1085に、ユーザが適切な措置を講じるための適切なHMIメッセージを生成するよう要求する(ステップ604)。
【0054】
全てのプリ充填完全性チェックが完了すると、コンテナは、アイドル配置から充填配置に作動される(ステップ605)。例として、限定されるものではないが、充填配置は、周囲部に沿ってシールを生成するために容器の上部に配置された1個以上の垂直アクチュエータによって、上部プレートをコンテナの上部に構成することを含むことができる。
図1a、
図1b、
図2a及び
図2bを参照して説明されるように、コンテナは上部プレート及びモールドキャビティを利用する必要がないことを理解されたい。したがって、上述のような上部プレート及びモールドキャビティが必要ない場合、充填配置は、充填導管及びコンテナの上部に動作可能に接続された好適なチャージャの導入及び配置を含むことができる。
【0055】
充填配置は、CO2のチャージ中にドア803はロックされたままであり、コンテナがチャージステーション800の内部に安全な方法で装填されるように、チャージステーション800に装備された安全インターロックも提供する。
【0056】
コンテナが充填配置にあることが検証されると、ユーザは、コンテナ内で生成することが所望されるCO2スノーブロック2の所望の体積を入力することができる。ステップ606において、PLC1085は、
図5の例のステップ507に関して上述したように、所定の充填時間を決定する。CO2スノーブロックの密度(例えば55~60lb/ft
3)は、PLC1085内にプリプログラムされ、質量流量は、チャージャ内のノズルの総容積に対するCO2圧力の参照テーブルから経験的に求められる。
【0057】
ユーザは、開始ボタンを作動させて(ステップ607)、自動化チャージプロセスを開始する。充填は、以下のように開始する(ステップ608)。供給マニホールド1000からの十分な量の気体状CO2が、CO2源1090の蒸気ヘッドスペースから、供給マニホールド1000とコンテナとの間に延在する充填導管807に導入される。供給マニホールド1000は、充填導管807に動作可能に接続されている。
【0058】
CO2ガスが導管に添加されて、マニホールド1000の導管内及び充填導管807内で液体CO2が固体及び/又は気体への相変化を早期に受けることができる一定の圧力未満(例えば約150psig未満)に液体CO2の圧力が低下するのを防止するのに十分なレベルまで、マニホールド1000の導管を加圧する。PLC1085は、CO2及び充填導管807の圧力を測定する圧力トランスデューサ1070(
図7)からの供給マニホールド1000内の圧力の監視を継続する。圧力が、液体CO2が相変化しないような一定の圧力以上であると判定されると、PLC1085は、制御弁1200を開位置に設定する信号を制御弁1200に送信する。制御弁1200が開位置にある状態と、CO2供給源1090からの液体CO2が引き出され、導管1092に沿って流れる。液体CO2の圧力は、マニホールド1000を占有している気体状CO2の圧力よりも高い。結果として、液体CO2が第1方向に沿ってチャージステーション800のコンテナ内に(例えば、コンテナ内に実質的に垂直及び下方に)流入する際に、コンテナ内へのCO2ガス流が停止する。CO2液体がコンテナに入ると、相変化を受けて、CO2スノーブロック及びオフガスに変換される。オフガスは、排気導管1050を通ってコンテナ及びベントから逃げる。CO2液体は、PLC1085によって経過充填時間が所定の時間に達したと判定されるまで、コンテナに入り続ける。経過時間が所定の時間に達したとき、PLC1085は、制御弁1200を閉位置に設定する信号を制御弁1200に中継し、それによりCO2源1090からの液体CO2の引き抜きを停止する(ステップ610)。主液体引き抜き弁1093も閉じている。液体CO2の流れの停止に応答して、気体状CO2は、所望ならば一定の持続時間にわたって、ホールド1000及び/又はコンテナの導管内の任意の不純物又は残留物をパージするための手段として、ガス導管1091に沿った、充填導管807及びコンテナ内への流れを再開することができる。CO2ガスがコンテナ内に流入し、次いで排気導管1050に排出されると、スノーブロックがより圧縮され得る。弁1093及び弁1094が
図7に手動バルブとして示されているが、各手動バルブ1093及び1094の代わりに自動制御弁を使用できることを理解されたい。
【0059】
次に、シャットダウンを行うことができる(ステップ611)。残りの液体CO2は、制御弁1200から主液体引き抜き弁1093に延在する、液体導管1092の部分に沿って貯留し得る。安全逃がし弁1086及び1087(「SRV1102及びSRV1200」)は、チャージステーション800及びマニホールド1000の様々なシステム構成部品をシャットダウンしたとき、ガス導管1091及び/又は液体導管1092内に貯留し得る残圧を逃がすように設計される。それらに沿って貯留した液体CO2が最終的にCO2ガスに昇華する際、圧力の高まりは、一例において400psigで作動するように設定される、安全逃がし弁1087によって逃がすことができる。安全逃がし弁1086はまた、CO2ガス1091導管内の圧力の高まりが、上限値(例えば400psig)に達する場合、又は達するとき、圧力を逃がすように作用する。
【0060】
ステップ611でシャットダウンが完了した後、PLC1085は、チャージステーション800の安全インターロックを作動停止させるため、チャージステーションのドア803を開放してコンテナにアクセスし、内部に充填されたCO2スノーブロック2を有するコンテナを除去することができる。
【0061】
コンテナへの自動化チャージも他の基準に基づいて行えることを理解されたい。例えばPLC1085は、例えば以下を含む、充填のための別の設定点を使用することができる:予め定義した重量のCO2スノーブロック2、コンテナ内の圧力、CO2スノーブロック2の静電容量、コンテナ内の温度、又はコンテナを密閉するために利用され得る、上部プレートの変形。
【0062】
記載したようなCO2スノーブロック2を含むコンテナが、下記明細書で定義されるようないずれの「物品」と使用され得る一方で、好ましい実施形態において、本発明は生体試料を再現可能に保存するために必要な包装プロトコルの順守を維持するために特に貢献し、それによって試料の劣化を回避し、試料が元の機能状態に復帰して、その目的地到着時に適切な試験を受けられることを可能にする。更に、CO2スノーブロック2は、従来技術により製造されたCO2ドライアイスを含有する標準的なドライアイス出荷コンテナと比較して、冷却効果持続時間が延長されたコンテナの必要温度を保持し得る圧縮密度を改善させて好ましくは生成される。延長された冷却効果の持続時間は、輸送中の試料の劣化のリスクを低減させることができ、ユーザがより柔軟となり、本発明の輸送可能なコンテナの準備及び組み立てに関するコスト及び利便性、物品(生体試料等の試料を含む)を取得する時期、利用し得る出荷方法のタイプ、を最適化することを可能にする。
【0063】
本発明に対する多くの変更は、本発明の要旨から逸脱することなく想到される。例えば、自動化充填ステーション(
図5)の制御方法の一連のステップは、プリ充填完全性チェックに合格した後にボックス22が所定の位置に位置決めされるように変更することができる。チャージステーション(
図6)に関して、コンテナがチャージステーションに装填された後に、PLCを作動させることができる。更に、選択したコンテナへのCO2流の注入方向を変えることができる。例えば、CO2含有液体は、上方に、又は横方向に、又は様々な角度配置で下向きに注入され得て、正確な角度は、充填導管内のノズル形状、設計及び幾何学的形状によって決定される。
【0064】
同様に、選択したコンテナ内のCO2ガス及びオフガスは、下向き方向又は横方向又は上向き及び傾斜方向に通気するように変化させることができる。
【0065】
更に、自動化チャージステーションに関して、制御方法は、ユーザがスノーブロック2の体積を入力し、自動分配ステーション1のHMI上に列挙されたコンテナを選択するように、制御方法を変更することができる。
【0066】
本明細書に記載される自動化チャージ方法は、プリチャージコンテナを作製するために、空の又は部分的に空のコンテナにCO2スノー又はCO2スノーブロックをプリチャージする方法の一部として実施することができる。一例において、
図8のチャージステーション800を使用して、臨床現場などの他の位置への出荷のためにバッチ、連続又は半連続ベースで、CO2スノーを備えた複数のプリチャージコンテナを作製する。チャージステーション800は、コンテナ及びCO2供給の在庫を維持する。
図10は、チャージステーション800に行われる一連のステップの代表的な概略図を示す。ステップ10000は、CO2供給源を収容するためにチャージステーションを必要とする。好ましくは、CO2供給は、ガス供給マニホールド1000に接続することができるCO2供給1090である。ステップ10002は、CO2供給マニホールド1000がチャージステーション800(
図8)に動作可能に接続されることを必要とする。及び、コンテナはチャージステーション800に装填される。任意の種類のチャージシステムが利用され得る。例えば、その詳細が全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組入れられている、シリアル出願第15/645,152号のチャージシステムは、CO2供給1090とチャージステーション800に装填されたコンテナの入口との間に動作可能に接続され得る。
【0067】
ステップ10003は、コンテナ内でのCO2スノーの生成を示す。
図6の6000の制御方法を使用して、コンテナ内でCO2スノーを生成することができる。プリチャージコンテナを作製した後、ステップ10004は、プリチャージコンテナが、第2位置への配送のために準備されることを示す。準備は、1つ以上のステップを含み得る。例えば、プリチャージコンテナは、CO2オフガスがそれを通じて逃げることができる通路を用いて(例えば上部カバーによって)密閉することができ、それによりコンテナ内の物品の保管、保存、及び/又は、輸送中に形成されるCO2ガスの圧力上昇を実質的に低減又は排除する。更に、返送説明書及び使用説明書は、配送用のプリチャージコンテナを準備するためのステップの一部として提供できる。ある基準を利用して、実質的に消耗された若しくは部分的に消耗されたコンテナをチャージ位置に返送すべきか、又は代わりに生鮮物品の別の出荷に使用すべきかを判定できる。例えば、限定するものではないが、プリチャージコンテナ内に残存しているCO2スノーの量、コンテナ内に装填された生鮮物品の種類、出荷の持続時間及び/又は生鮮物品が配送中に一定の時間にわたって超えてはならない要求された温度によって、プリチャージコンテナが、コンテナにCO2スノーを補充するための第1位置(例えばチャージ位置)で再チャージする必要があることが判定され得る。又は、プリチャージコンテナは、中間位置への配送によってCO2スノーを再充填する必要なく、その部分的に消耗した形態で再利用可能であり、それにより輸送のために部分的に消耗したコンテナ内に追加の生鮮物品を装填することができる。プリチャージコンテナの延長された冷却効果の持続時間は、輸送中の試料の劣化のリスクを低減させることができ、さらなる柔軟性によって出荷方法の種類に関するコスト及び利便性を最適化することができる。
【0068】
なお更に、プリチャージコンテナの準備は、第2位置の出荷情報を含む、プリチャージコンテナの外部に貼付され得るラベルを提供することを含む。プリチャージコンテナは、出荷ラベルを二次コンテナの外側に貼付することが必要となるように、二次コンテナ内に配置してもよい。更に、特定の種類の生鮮物品が特定の規制(例えば運輸省)に従って危険であると見なされる場合、ラベルはそのような生鮮内容物が危険であると明示する必要があり得て、生鮮物品を確実にプリチャージコンテナ及び任意の二次コンテナ内に好適に封じ込めるためのカスタマイズパッケージ又は内部に挿入されるプリチャージコンテナに必要なパッケージを必要とし得る。
【0069】
プリチャージコンテナを配送用に準備して、プリチャージコンテナ陸路又は空路配送のために指定された受領者又は商業輸送業者を介して第2位置に配送され得る。又は、チャージ位置でプリチャージコンテナの作製を担当した個人又は法人は、それ自体がプリチャージコンテナを第2位置に配送してもよい。一例において、第2位置は、1個以上の生鮮物品をプリチャージコンテナに装填する、病院、製薬会社、大学若しくは医療機関などの臨床現場又は他の個人若しくは法人である。第2位置がプリチャージコンテナを受領するとき、第2位置におけるユーザは、カバー又は他の閉止機構を除去、取り外し又は開放することによってプリチャージコンテナにアクセスする。このようにしてプリチャージコンテナの内部にアクセスすることができる。第2位置は、エンドユーザへの配送を必要とするある生鮮物品の在庫を有し得る。
【0070】
第2位置におけるユーザは、1個以上の生鮮物品の少なくとも一部をCO2スノーに十分に近接させて配置して、その温度を上限未満に維持するために、1個以上の生鮮物品をプリチャージコンテナに直接又は間接的に入れる。生鮮物品は、プリチャージコンテナへの装填前に、製品ホルダ内に配置することが好ましい。返却配送のための説明書も、第2位置によって提供され得る。例えば、第2位置は、配送中の生鮮物品の温度が上限未満にもはや維持できない時点までプリチャージコンテナ内のCO2スノーが実質的に消耗している場合、プリチャージコンテナの返送のための説明書を最終ユーザに与え得る。プリチャージコンテナは、生鮮物品を装填した後、第2位置で再密閉される。第3位置への配送は、指定された受領者若しくは商業輸送業者によって、又は第2位置でプリチャージコンテナ内への生鮮物品の装填を行う個人若しくは法人によって行うことができる。
【0071】
第3位置は、プリチャージコンテナを開き、プリチャージコンテナの内部にアクセスして、試験、使用又は保管のために生鮮物品を除去するエンドユーザであることが好ましい。第3位置は、試験を実施し得るか、又はその代わりに実施された試験を有し得る。一例において、第3位置は、契約研究機関又は製薬会社である。生鮮物品は分解されておらず、第3位置での適用可能な試験又は使用に供される生体試料であることができる。第3位置におけるユーザは、プリチャージコンテナが実質的に消耗しているため、第3位置に又はさらなる配送の間に生鮮物品をもはや保存できない程度まで、CO2スノーが昇華したか否かを判定し得る。例として、CO2スノーの消耗レベルを、保存される生鮮物品の種類及びその生鮮物品がコンテナ内に残存する必要がある所望の持続時間と共に含む様々な基準に応じて、第3位置のユーザは、プリチャージコンテナが消耗していることを供給位置(例えば、第1場所又は他のチャージ場所)に通知し得る。その実質的に消耗した状態のプリチャージコンテナは、点検時に再利用可能であると判定された場合、補充可能なチャージ位置まで返却される。又は、その部分的に消耗した状態のプリチャージコンテナは、CO2スノーを補給せずに、追加の使用のために新たな生鮮物品をコンテナ内に装填することができる中間位置に返却され得る。第3位置はコンテナの返却前に特定の位置への通知が必要はないことを理解されたい。例えば、第3位置は通知せずにコンテナを供給位置又は中間位置に送付することができる。第3位置は、所望の位置への送付のための返送ラベルの生成及び/又は既存の返送ラベルの利用が可能である。更に第3位置は、再使用のためのコンテナの点検が不要である。第3位置は続いて、供給チェーンをサポートする任意の数の部位にコンテナを配送することができる。コンテナは、生鮮物品を装填又は除去することができる同じ中間位置(例えば第2位置)に、又はCO2スノーが充填され得る第1位置に返却する必要がない。例えば第3位置は、コンテナの試験、使用又は保管のために追加の部位にコンテナを送付する前に、コンテナ内に生鮮物品を残し得るか、又はコンテナに追加の生鮮物品を追加し得る。
【0072】
以下の例は、内部に装填される生鮮物品が生体試料であるときに、装填されるプリチャージコンテナの本発明の好ましい実施形態を説明する。ABC社は、チャージステーション並びにコンテナ及びCO2供給源の在庫を有する。ABC社は、上述したように、CO2スノーをプリチャージした複数のコンテナを作製する。ABC社は、LMN社に配送するための複数のプリチャージコンテナを準備する。ABC社は、その施設の外部に位置する14トン液体CO2保管タンクを有する。液体CO2保管タンクは、断熱配管を使用して、施設内のドライアイス・チャージ・システムに接続される。ドライアイス・チャージ・システムは、高さ約20インチ×直径12インチの外寸及び約10リットルの内積を有する、空の円筒形の真空断熱アルミニウムコンテナにも接続されている。ABC社は、ドライアイス・チャージ・システムを作動させて、CO2供給源からコンテナ内に液体CO2を流す。約10ポンドのCO2スノーを、10分未満でコンテナ内に形成することができる。この量のCO2スノーは、-70℃未満の目標域内の内部コンテナ温度を20日間維持する。ABC社は、CO2スノーをプレチャージしたコンテナを段ボール箱などの二次コンテナに入れる。ABC社は、LMN社への配送のために商業輸送業者が受け取る陸路出荷用段ボール箱にラベル付けし、第2位置にあるLMN社の対象となる住所を含める。プリチャージコンテナは、CO2オフガスがそれを通じて逃げることができる通路を用いて(例えばコンテナに機械的に取り付けられている上部カバーによって)密閉することができ、それによってコンテナ内の生体試料の保管、保存、及び/又は、輸送内部に形成されるCO2オフガスの圧力上昇を実質的に低減又は排除する。使用説明書及び返却配送説明書は、プリチャージコンテナの一部としてABC社によって提供され得る。
【0073】
プリチャージコンテナは、本例では臨床現場であるLMN社に発送される。LMN社は、各プリチャージコンテナ内に残存する15日分以上のCO2スノーを有するプリチャージコンテナを受領する。プリチャージコンテナの受領時に、LMN社はプリチャージコンテナを開き、次いで1個以上のバイアルを各プリチャージコンテナ内に配置するので、バイアルはCO2スノー内に少なくとも部分的に埋め込まれるか又はCO2スノーによって包囲される。又は、1個以上のバイアルは、CO2スノー上に位置決めされるように、又はCO2スノー内に部分的に若しくは完全に埋め込まれるように、CO2スノーと接触して配置され得る。更に、CO2スノーは、コンテナ内で1個以上のバイアルに極近接していてもよい。1個以上のバイアルは、LMN社で-70℃の超低温冷凍庫内に保管される。各バイアルは、細胞懸濁液を含有する。一例において、LMN社は2ミリリットルバイアルを合計50個装填し、各バイアルは細胞懸濁液を1.5ミリリットル含有している。最適な細胞品質を保存するために、バイアルを配送のために調製して、第3位置における対象受領者への全出荷持続時間にわたって-70℃未満の温度を維持するように、バイアルの配送準備を行う。このような温度を維持するために、追加のCO2スノー又は他の冷媒の添加は不要である。
【0074】
LMN社は、合計50個のバイアルをプリチャージコンテナに装填し、陸路出荷又は他の方式の商用配送を使用して、第3位置に位置するXYZ社まで、プリチャージコンテナを直接又は間接的に送付する。プリチャージコンテナの受領時に、XYZ社は、プリチャージコンテナを開き、細胞懸濁液を試験するためにバイアルにアクセスする。プリチャージコンテナは、十分な冷却能力が存在する場合、さらなるバイアルを装填するためにXYZ社により、LMN社又は別の中間位置に返送することができる。さもなければ、プリチャージコンテナは、実質的に消耗していると見なされ、再使用可能か否かを判定する点検のために、ABC社又は別のチャージ位置に返送することができる。再使用可能であると判定された場合、チャージ位置(例えばABC社)は、実質的に消耗したコンテナをプリチャージして、CO2スノーを充填した、補充済みプリチャージコンテナを作製し、これらのコンテナは今度は、LMN社又は試料装填のため別の中間位置に、及びXYZ社又は試料試験のための別のユーザ位置に再送付することができる。
【0075】
点検は、コンテナが確実に必要な持続時間にわたって十分な冷蔵を提供し続けることができる昇華速度の試験を含むことが好ましい。代表的な点検手順は、(1)測定重量のCO2スノーをコンテナに導入することと、(2)残存するCO2スノーが所与の時間にわたって昇華するときの、残存CO2スノー重量を測定することと、(3)昇華速度を、コンテナ内のCO2スノーの重量が失われる時間の量で除した、昇華CO2スノーの重量として計算することと、からなる。このようにして、コンテナの昇華速度及びCO2スノー容量がわかっていると、フルチャージコンテナが供給できる日数がわかる。同様に、部分的に消耗したコンテナ又は実質的に消耗したコンテナの残りの持続時間を求めることができる。
【0076】
図10の変形例が想到される。例えば、CO2スノーはコンテナの外側に生成され、次いでコンテナの内部に装填することができる。例えば、自動分配ステーション1を利用して、プリチャージコンテナを作製して販売することができ、次いでプリチャージコンテナは内部に生鮮物品を装填するために、第2位置に出荷される。又は、複数の位置でプリチャージコンテナが受領され得る。なお更に、本発明の自動化制御方法は、任意のコンテナ及び/又はチャージシステムに利用できる。例えば、本明細書に記載される自動化制御方法は、その詳細が全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組入れられている、シリアル出願第15/645,152号に記載されているようなコンテナ又はチャージシステムに関連して使用することができる。具体的には、コンテナは、本発明のプリチャージ方法を(
図10)行うための自動充填分配ステーション1又はチャージシステム800の一部として利用することができる。更に、
図10の一連のステップは、シリアル出願第15/645,152号に記載されているものを含め、手動ベースで任意の好適なコンテナ又はチャージシステムを使用して行うことができる。例えば、CO2スノー又はCO2スノーブロックは、CO2源から空の又は部分的に空のコンテナに手動で移動されて、続いて別の位置に配送することができるプリチャージCO2コンテナを作製することができる。更に、本明細書に記載されているプリチャージ方法は、CO2スノーブロック、CO2スノー及び液体CO2に関連して利用できることを理解されたい。
【0077】
図10の別の変形において、プリチャージコンテナは、第1位置における1回のプリチャージ後に、複数回の出荷イベントに利用され得る。例えば、プリチャージコンテナは、第1位置で作製され、次いでプリチャージコンテナに第1生鮮物品(「材料1」)が装填される第2位置に配送され得る。材料1を有するプリチャージコンテナは次いで、材料1が除去される第3場所に配送される。プリチャージコンテナは、十分な冷却持続時間をなお有しているため、第2生鮮物品(「材料2」)がプリチャージコンテナ内に装填される第2位置に返送される。材料2が内部に充填されたプリチャージコンテナは、材料2が除去される第3位置又は新たな第4位置に配送される。この時点で、プリチャージコンテナは、実質的に消耗している(即ち、十分な冷却持続時間をもはや示さない)と見なされるため、コンテナが点検されて再使用可能か否かが判定される第1位置に返却される。第1位置で個人又は法人によって再使用可能と判定された場合、第1位置における個人又は法人は、前述の方法で後続の出荷の準備が整っているプリチャージコンテナの冷却持続時間を補充するために、別のCO2スノーのプリチャージを行う。この例では、第1位置によるコンテナ内へのCO2スノーの後続のプリチャージが必要となる以前に、CO2スノーの完全昇華が不要であることに留意されたい。このようにして、冷却持続時間のより大幅な利用を実現することができる。
【0078】
様々な状態の(例えば実質的に消耗した、部分的に消耗した、内部に生鮮物品が装填された、又は生鮮物品が除去された)プリチャージコンテナの流れを、多数の方法で行うことができる。例えば、第2位置にて生鮮材料を装填したプリチャージコンテナは、第2位置から新たな第3位置に送付する必要はないが、代わりに、第2位置からコンテナにCO2スノーがプリチャージされた第1位置に送付することができる。例えば、消耗した又は部分的に消耗したプリチャージコンテナは、プリチャージコンテナの準備若しくは配送、又は中の生鮮物品の使用及び/若しくは試験に関与する、任意の数の位置によって返送することができる。例えば、実質的に消耗した又は部分的に消耗したプリチャージコンテナの返却を開始する位置、個人又は法人は、第1位置による上流でのプリチャージコンテナの作製後に、プリチャージコンテナに生鮮物品を装填する同じ位置、個人又は法人(例えば第2位置)であってもよい。別の例において、実質的に消耗した又は部分的に消耗したプリチャージコンテナの返却を開始する場所、個人又は法人は、第1位置でのプリチャージコンテナの作製後に、最終使用目的地で、内部の生鮮物品を除去するためにプリチャージコンテナにアクセスする同じ位置、個人又は法人であり得る。また別の例では、実質的に消耗した又は部分的に消耗したプリチャージコンテナは、プリチャージコンテナを作製する同じ位置、個人又は法人(例えば第1位置)によって返却が要求され得る。実質的に消耗した又は部分的に消耗した形態のプリチャージコンテナを、中から生鮮物品を除去した後に、使用位置から交換される位置まで輸送する実際の行為は、はプリチャージ位置(例えば第1位置)、生鮮物品(例えば第2位置)のローダ、又は生鮮物品の最終ユーザ(例えば最終目的地若しくは第3位置)、又は陸路配送又は空路配送のための任意の指定受領者又は商業輸送業者によって行うことができる。好ましくは、部分的に消耗した又は実質的に消耗したプリチャージコンテナを、CO2スノーを充填した補充済み又は新たなプリチャージコンテナと交換する実際の行為は、プリチャージ操作を行う第1位置によって行われる。2つ以上の位置が生鮮物品の所与のローダ又は生鮮物品の最終ユーザに代わって、プリチャージ操作を行い得ることを理解されたい。実質的に消耗した又は部分的に消耗したコンテナの維持又は修理は、第1位置で後続のプリチャージを実行する前に行うことができ、それにより一連のプリチャージコンテナの十分な性能を確保できることを更に理解されたい。
【0079】
本発明は、プリチャージに関して、従来のドライアイスコンテナよりも有利である。本発明は、供給チェーン全体にわたる使いやすさ、コンテナにチャージされたCO2スノーの量の再現性、及び一連のコンテナのより長い持続時間を供給する。本発明の原理に従って調製、配送及び返却されたプリチャージコンテナは一般に、代表的なCO2コンテナによる5日以下とは対照的に、各プリチャージコンテナ内に残存するCO2スノーの約10~15日以上を保持する。プリチャージコンテナ内のCO2スノーの持続時間が長くなると、従来のコンテナに使用される翌日又は空路出荷とは対照的に、第2位置(例えば、病院、大学、若しくは医療機関などの臨床現場、又は生鮮物品をプリチャージコンテナに装填する他の任意の個人若しくは法人)へのより低コストでの出荷の利用が柔軟に行えるようになる。第2位置は、プリチャージコンテナにより多くのCO2スノーを補充する必要なしに、生鮮物品をプリチャージコンテナに装填する十分な時間を有する。したがって、より低コスト(例えば陸路出荷)を、チャージ位置から第2位置への出荷だけでなく、実質的な量のCO2スノー昇華の危険なしに、第2位置から最終ユーザへの発送にも用いることができる。本発明のCO2スノーのオンデマンド生成によって、中間ユーザ又は最終ユーザによる在庫の調達、維持及びCO2スノーの取り扱いの必要性及び関連する課題が排除される。
【0080】
本発明の特定の実施形態と見なされるものを示し、説明してきたが、当然ながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態又は詳細の様々な修正及び変更を容易に行うことができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書において示され、説明される正確な形態及び詳細に限定されず、本明細書において開示され、以下に特許請求される本発明の全範囲に満たないいかなるものにも限定されないことを意図する。