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特許7100162改善されたクレアチニン測定精度のための組成物及び方法並びにこれらの使用
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  • 特許-改善されたクレアチニン測定精度のための組成物及び方法並びにこれらの使用 図1A
  • 特許-改善されたクレアチニン測定精度のための組成物及び方法並びにこれらの使用 図1B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】改善されたクレアチニン測定精度のための組成物及び方法並びにこれらの使用
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/416 20060101AFI20220705BHJP
   G01N 33/70 20060101ALI20220705BHJP
   G01N 27/26 20060101ALI20220705BHJP
   C12Q 1/34 20060101ALI20220705BHJP
   C12Q 1/26 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
G01N27/416 336J
G01N33/70
G01N27/26 381A
C12Q1/34
C12Q1/26
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020570732
(86)(22)【出願日】2019-06-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 US2019035155
(87)【国際公開番号】W WO2020204974
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-02-24
(31)【優先権主張番号】62/830,191
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506391864
【氏名又は名称】インストゥルメンテーション ラボラトリー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,シャオシャン
(72)【発明者】
【氏名】パミディ,プラサード
(72)【発明者】
【氏名】ライモンディ,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】マルホートラ,ルチカ
(72)【発明者】
【氏名】カーリー,マシュー
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-506224(JP,A)
【文献】特表2018-500564(JP,A)
【文献】特表2007-512519(JP,A)
【文献】特表2018-500547(JP,A)
【文献】特開昭64-075000(JP,A)
【文献】特開昭58-061459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0181189(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/416,
G01N 33/483
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
較正クレアチンセンサ及び較正クレアチニンセンサを有するクレアチニン/クレアチン測定システムの精度を改善する方法であって、
前記較正クレアチンセンサを用いて、既知の安定した濃度のクレアチン(CR_BMCS2)及び既知の安定した濃度のクレアチニン(CREA_BMCS2)を有する第1の生体マトリックス補正溶液(BMCS2)の測定クレアチンセンサ電流信号(MΔI2)を測定することと、
BMCS2中のクレアチンの測定濃度(MCR_BMCS2)を決定することと、
MCR_BMCS2とCR_BMCS2とを比較して、クレアチンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCR)を決定することと、
前記較正クレアチニンセンサを用いて、BMCS2の測定クレアチニンセンサ電流信号(MΔI2’)を測定することと、
BMCS2中のクレアチニンの測定濃度(MCREA_BMCS2)を決定することと、
MCREA_BMCS2とCREA_BMCS2とを比較して、クレアチニンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCREA)を決定することと、
を含む方法。
【請求項2】
CR_BMCS2及びCREA_BMCS2が安定した値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記安定した値が、BMCS2中の安定したクレアチン対クレアチニン比に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記安定した値が、BMCS2の貯蔵温度に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
BMCS2に関する1つ又は複数の生体マトリックス因子が、Ca++、HCO 、pH、pCO、pO、他の電解質、及び代謝産物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ΔCRが、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチン測定値に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ΔCREAが、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチニン測定値に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
較正クレアチンセンサと、
較正クレアチニンセンサと、
コンピュータネットワークにおいて通信するための1つ又は複数のネットワークインターフェースと、
前記ネットワークインターフェース及び前記クレアチンセンサ及び前記クレアチニンセンサに連結され、1つ又は複数のプロセスを実行するように適合されたプロセッサと、
前記プロセッサにより実行可能なプロセスを保存するように構成されたメモリと、
を含む、クレアチニン/クレアチン測定システムであって、
前記プロセスが、実行されると、
前記較正クレアチンセンサを用いて、既知の安定した濃度のクレアチン(CR_BMCS2)及び既知の安定した濃度のクレアチニン(CREA_BMCS2)を有する第1の生体マトリックス補正溶液(BMCS2)の測定クレアチンセンサ電流信号(MΔI2)を測定し、
BMCS2中のクレアチンの測定濃度(MCR_BMCS2)を決定し、
MCR_BMCS2とCR_BMCS2とを比較して、クレアチンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCR)を決定し、
前記較正クレアチニンセンサを用いて、BMCS2の測定クレアチニンセンサ電流信号(MΔI2’)を測定し、
BMCS2中のクレアチニンの測定濃度(MCREA_BMCS2)を決定し、且つ
MCREA_BMCS2とCREA_BMCS2とを比較して、クレアチニンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCREA)を決定する
ように作動する、
クレアチニン/クレアチン測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月5日に出願され、その全内容が参照によって本明細書に全体として援用される米国仮特許出願第62/830,191号の優先権の利益を主張する。
【0002】
開示の分野
本開示は、患者の血液中のクレアチニン及びクレアチンを測定するための電気化学センサに関する。より具体的には、本開示は、クレアチニン及びクレアチンを測定するために使用される電気化学センサの測定精度を改善するための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
開示の背景
患者の血液中のクレアチニン及びクレアチンレベルを正確に測定する能力は重要である。特に、血清クレアチニンは腎臓によって排出され、変更されず、容易に測定することができるので、腎臓の健康の重要な指標である。例えば、血清クレアチニンレベルの上昇は慢性腎疾患の遅いマーカーであり、一般に、著しい腎臓損傷が既に発生している場合に観察されるだけである。慢性腎疾患は、腎機能が徐々に喪失されることを指す。腎臓は血液から老廃物及び過剰の体液をろ過する働きをし、これらのろ過された老廃物及び過剰の体液は次に尿中に排出される。慢性腎疾患が進行期に達すると(例えば、末期の腎疾患)、危険レベルの体液、代謝産物、電解質、老廃物などが体内に蓄積し得る。慢性腎疾患の初期段階では徴候又は症状が少ないことがあり、疾患の進行は、腎機能が著しく損なわれるまでは明らかにならない可能性がある。
【0004】
サンプル(例えば、患者の血液)中のクレアチニン/クレアチンは、電気化学センサによって測定され得る。例えば、現在のクレアチニンセンサは、クレアチニン及び水から、グリシン、ホルムアルデヒド、及び過酸化水素の生成を触媒する3つの酵素-クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、及びサルコシンオキシダーゼ-を含有する酵素バイオセンサを含み得る。これらの3つの酵素は白金電極の表面に固定化することができ、最終反応生成物の過酸化水素(H)は次に一定の分極電位下において白金電極上で電気化学的に酸化され、患者の血液中のクレアチニン及び/又はクレアチンレベルを測定するために使用され得る。しかしながら、生体サンプル中のクレアチニン及び/又はクレアチン濃度を決定するためには、クレアチニン及びクレアチンセンサを較正して、その感度を決定する必要がある。これは、所定の濃度のクレアチニン及びクレアチンを含む較正溶液においてクレアチニン及びクレアチンセンサの電流応答を測定することによって行うことができる。クレアチニン及びクレアチンセンサの感度が決定されたら、任意の生体サンプルの電流信号を測定し、較正プロセスから決定されるようにクレアチニン及びクレアチンセンサの測定感度を比較することにより、そのサンプル中のクレアチニン及びクレアチンの濃度を推定することができる。残念ながら、様々な理由から、生体サンプル中のクレアチニンレベルを正確に測定することが重要である。例えば、バイオセンサの作製/製造の間に発生するセンサ間の製造変動は、センサごとに又はセンサ装置ごとに、クレアチニン測定精度の変動性を生じさせ得る。さらに、生体サンプルマトリックス変動も、クレアチニンレベルの正確な測定に関して大きな課題をもたらし得る。したがって、クレアチニン及び/又はクレアチン測定のためのバイオセンサの較正精度を改善するために、新しい方法論を特定及び開発するというまだ満たされていない緊急の必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
開示の概要
本開示は、バイオセンサにおけるクレアチニン及びクレアチンの精度を改善するための組成物及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、本開示は、較正クレアチンセンサ及び較正クレアチニンセンサを有するクレアチニン/クレアチン測定システムの精度を改善する方法を提供し、本方法は、較正クレアチンセンサを用いて、既知の濃度のクレアチン(CR_BMCS2)及び既知の濃度のクレアチニン(CREA_BMCS2)を有する第1の生体マトリックス補正溶液(BMCS2)の測定クレアチンセンサ電流信号(MΔI2)を測定するステップと、BMCS2中のクレアチンの測定濃度(MCR_BMCS2)を決定するステップと、MCR_BMCS2とCR_BMCS2とを比較して、クレアチンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCR)を決定するステップと、較正クレアチニンセンサを用いて、BMCS2の測定クレアチニンセンサ電流信号(MΔI2’)を測定するステップと、BMCS2中のクレアチニンの測定濃度(MCREA_BMCS2)を決定するステップと、MCREA_BMCS2とCREA_BMCS2とを比較して、クレアチニンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCREA)を決定するステップとを含む。
【0007】
実施形態において、CR_BMCS2及びCREA_BMCS2は安定した値を有する。
【0008】
実施形態において、安定した値は、BMCS2中の安定したクレアチン対クレアチニン比に基づく。
【0009】
実施形態において、安定した値は、BMCS2の貯蔵温度に基づく。
【0010】
実施形態において、BMCS2は、Ca++、HCO 、pH、pCO、pO、電解質、及び代謝産物からなる群から選択される1つ又は複数の生体マトリックス因子を含む。
【0011】
実施形態において、ΔCRは、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチン測定値に適用される。
【0012】
実施形態において、ΔCREAは、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチニン測定値に適用される。
【0013】
実施形態において、本方法はさらに、較正クレアチンセンサを用いて、既知の濃度のクレアチン(CR_BMCS3)及び既知の濃度のクレアチニン(CREA_BMCS3)を有する第2の生体マトリックス補正溶液(BMCS3)の第2の測定クレアチンセンサ電流信号(M2ΔI2)を測定するステップと、BMCS3中のクレアチンの測定濃度(M2CR_BMCS3)を決定するステップと、M2CR_BMCS3とCR_BMCS3とを比較して、第2のクレアチンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCR’)を決定するステップと、較正クレアチニンセンサを用いて、BMCS3の測定クレアチニンセンサ電流信号(M2ΔI2’)を測定するステップと、BMCS3中のクレアチニンの測定濃度(M2CREA_BMCS3)を決定するステップと、M2CREA_BMCS3とCREA_BMCS3とを比較して、クレアチニンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCREA’)を決定するステップとを含む。
【0014】
実施形態において、CR_BMCS3及びCREA_BMCS3は安定した値を有する。
【0015】
実施形態において、安定した値は、BMCS3中の安定したクレアチン対クレアチニン比に基づく。
【0016】
実施形態において、安定した値は、BMCS3の貯蔵温度に基づく。
【0017】
実施形態において、BMCS3は、Ca++、HCO 、pH、pCO、pO2、電解質、及び代謝産物からなる群から選択される1つ又は複数の生体マトリックス因子を含む。
【0018】
実施形態において、ΔCR’は、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチン測定のSlopeに適用される。
【0019】
実施形態において、ΔCR、ΔCR’、ΔCREA、及びΔCREA’は、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチニン測定のSlope1及びSlope2に適用される。
【0020】
実施形態において、安定したクレアチン対クレアチニン比は約1.5から約2である。
【0021】
実施形態において、安定したクレアチン対クレアチニン比は1.5から2である。
【0022】
実施形態において、BMCS2又はBMCS3はそれぞれ、約2~5mg/dLのクレアチン及び約1~3mg/dLのクレアチニンを含む。
【0023】
実施形態において、安定した値は、最低8カ月間安定している。
【0024】
実施形態において、Ca++の濃度は約0.4mg/dLと約1.6mg/dLの間であり、HCO の濃度は約10mg/dLと約30mg/dLとの間である。
【0025】
1つの態様では、本開示は、較正クレアチンセンサと、較正クレアチニンセンサと、コンピュータネットワークにおいて通信するための1つ又は複数のネットワークインターフェースと、ネットワークインターフェース及びクレアチンセンサ及びクレアチニンセンサに連結され、1つ又は複数のプロセスを実行するように適合されたプロセッサと、プロセッサにより実行可能なプロセスを保存するように構成されたメモリとを含むクレアチニン/クレアチン測定システムを提供し、プロセスは、実行されると、較正クレアチンセンサを用いて、既知の濃度のクレアチン(CR_BMCS2)及び既知の濃度のクレアチニン(CREA_BMCS2)を有する第1の生体マトリックス補正溶液(BMCS2)の測定クレアチンセンサ電流信号(MΔI2)を測定し;BMCS2中のクレアチンの測定濃度(MCR_BMCS2)を決定し;MCR_BMCS2とCR_BMCS2とを比較して、クレアチンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCR)を決定し;較正クレアチニンセンサを用いて、BMCS2の測定クレアチニンセンサ電流信号(MΔI2’)を測定し;BMCS2中のクレアチニンの測定濃度(MCREA_BMCS2)を決定し;且つMCREA_BMCS2とCREA_BMCS2とを比較して、クレアチニンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCREA)を決定するように作動する。
【0026】
「対照」又は「参照」は、比較の基準を意味する。1つの態様では、本明細書で使用される場合、「対照と比較して変化した」サンプル又は対象は、正常、未処置、又は対照サンプルからのサンプルとは統計的に異なるレベルを有すると理解される。対照サンプルは、例えば、クレアチン溶液、クレアチニン溶液などを含む。対照サンプルを選択及び試験する方法は、当業者の能力の範囲内である。統計的有意性の決定は当業者の能力の範囲内であり、例えば、肯定的な結果を構成する平均からの標準偏差の数である。
【0027】
本明細書で使用される場合、「クレアチン(2-[カルバムイミドイル(メチル)アミノ]酢酸、N-カルバムイミドイル-N-メチルグリシン、又はメチルグアニド酢酸としても知られている)」は、リン酸基の提供によりアデノシン二リン酸(ADP)を変換してATPに戻すことによるアデノシン三リン酸(ATP)の再循環を介して、細胞のためのエネルギーを生じる有機化合物を指す。クレアチンは以下の化学構造を有する:
【化1】
【0028】
本明細書で使用される場合、「クレアチニン」はクレアチンの酵素的分解の副産物を指し、一般に、以下に示される2つの主要な互変異性型で見出される。
【化2】
【0029】
範囲は、本明細書において、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表すことができる。このような範囲が表される場合、別の態様は、1つの特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を用いて値が近似値として表される場合、特定の値は別の態様を形成すると理解される。さらに、各範囲の終点は、他の終点と関連しても、他の終点とは独立しても、重要であると理解される。また、本明細書にいくつかの値が開示されており、各値は本明細書において、その値自体に加えて「約」その特定の値としても開示されることも理解される。また、本出願全体を通して、データはいくつかの異なる形式で提供され、このデータは、終点及び始点、並びにデータ点の任意の組合せの範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータ点「10」及び特定のデータ点「15」が開示される場合、10及び15を超える、10及び15以上、10及び15未満、10及び15以下、並びに10及び15に等しいが、10と15の間と同様に開示されると考えられることが理解される。また、2つの特定の単位の間にある各単位も開示されることも理解される。例えば、10及び15が開示されると、11、12、13、及び14も開示される。本明細書に提供される範囲は、その範囲内の全ての値の省略表現であると理解される。例えば、1から50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50からなる群からの任意の数、数の組合せ、又は部分範囲、並びに上記整数の間に介在する全ての小数値、例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、及び1.9を含むと理解される。部分範囲に関しては、範囲のいずれかの終点から延びる「入れ子の部分範囲」が特に考えられる。例えば、1から50の例示的な範囲の入れ子の部分範囲は、一方の方向に1から10、1から20、1から30、及び1から40、又は他方の方向に50から40、50から30、50から20、及び50から10を含み得る。
【0030】
本開示の他の特徴及び利点は、その好ましい実施形態の以下の記載から、及び特許請求の範囲から明らかであろう。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本開示の実施又は試験において、本明細書に記載されるものと同様又は同等の方法及び材料が使用され得るが、適切な方法及び材料は以下に記載される。本明細書で引用される公開された外国特許及び特許出願は全て、参照によって本明細書中に援用される。本明細書で引用される他の公開された参考文献、文書、原稿及び科学文献は全て、参照によって本明細書中に援用される。さらに、材料、方法、及び実施例は単なる実例であり、限定は意図されない。
【0031】
適用可能な場合、又は特に否定されない場合、本明細書に記載される実施形態の任意の1つは、その実施形態が本開示の異なる態様において記載されるとしても任意の他の1つ又は複数の実施形態と組み合わせることができると考えられる。
【0032】
これら及び他の実施形態は、以下の詳細な説明によって開示及び/又は包含される。
【0033】
図面の簡単な説明
例として与えられるが、記載される特定の実施形態のみに本開示を限定することは意図されない以下の詳細な記載は、添付図面と併せて最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1A】化学分析計における血漿クレアチニンに対して、全血クレアチニンバイオセンサによって測定されたクレアチニンのバイアスを表すグラフを示す。補正を用いないクレアチニン測定を示す。
図1B】化学分析計における血漿クレアチニンに対して、全血クレアチニンバイオセンサによって測定されたクレアチニンのバイアスを表すグラフを示す。図1Aと同じサンプルからのクレアチニン測定を示すが、2つの補正溶液によるクレアチン及びクレアチニン感度補正を用いた。
【発明を実施するための形態】
【0035】
開示の詳細な説明
本開示は、少なくとも部分的に、1つ又は複数の生体マトリックス補正溶液を使用して、クレアチンセンサ生体マトリックス補正因子及びクレアチニンセンサ生体マトリックス補正因子を作成できるという発見に基づく。本開示は、このようなクレアチンセンサ生体マトリックス補正因子及びクレアチニンセンサ生体マトリックス補正因子が、例えば、センサ間の製造変動、及び生体マトリックスサンプル中に存在する阻害因子、例えば、HCO 、Ca++、pHなどの活性に起因する測定の不正確さを補正するために、生体マトリックスサンプル中の測定クレアチン及び/又はクレアチニン値に適用され得ることを提供する。
【0036】
概説
クレアチン/クレアチニンシステム(例えば、GEM PAKカートリッジ)中の現在のクレアチニンセンサは、3つの酵素を含有する酵素バイオセンサを含む。これらの酵素は、白金電極の表面に固定化される。クレアチニン検出システムは、以下の3酵素カスケード反応(Rx)に基づく:
【化3】
【0037】
生成物の過酸化水素(H)は次に一定の分極電位下において白金電極上で電気化学的に酸化され、電流信号は、分析物の濃度に比例する。
【0038】
臨床サンプル中のクレアチンの存在は、クレアチニンセンサのクレアチン応答を補正するために、クレアチン測定のための付加的なセンサを必要とする。クレアチンセンサは、上記の酵素カスケード反応の反応(2)及び(3)のみを含む。
【0039】
クレアチン及びクレアチニンセンサはいずれも、酵素層の上部に拡散制御膜(外膜とも称される)を有する。拡散制御膜は、過酸化水素により生じる信号がサンプルの基質濃度に比例することを保証するために、酵素層に入るクレアチニン及びクレアチン基質の流れを制限する。
【0040】
生体サンプル中のクレアチニン及びクレアチンのそれぞれの濃度を決定するために、クレアチニン及びクレアチンセンサは、そのそれぞれの感度を決定するために較正される必要がある。これは、所定(例えば、既知)の濃度のクレアチニン及びクレアチンを含有する較正溶液中のクレアチニン及びクレアチンセンサの電流信号を比較することによって達成され得る。クレアチニン及びクレアチンセンサの感度が決定されたら、較正プロセスから決定された結果を用いて測定示度を調整することによって、任意の生体サンプル中のクレアチン及びクレアチニンの濃度を推定することができる。
【0041】
例えば、クレアチンセンサ又はバイオセンサのための較正システムは、以下の式に基づく2点較正を含み得る:
ΔI2=[CR_CS2]Slope (式1)
【0042】
ΔI2は、第1の較正溶液(CS2)中でクレアチンセンサにおいて測定された電流信号である。[CR_CS2]は、第1の較正溶液(CS2)中のクレアチンの濃度である。以下に詳細に議論されるように、CS2は、既知の濃度のクレアチン(CR_CS2)、既知の濃度のクレアチニン(CREA_CS2)、及び安定したクレアチン対クレアチニン比を有することができ、クレアチンセンサのためのクレアチンセンサ感度(Slope)の確立を可能にする。
【0043】
クレアチニンセンサ又はバイオセンサのための較正システムは、3点較正法を実行することができる。クレアチニンセンサは、クレアチニン及びクレアチンの両方を含有する生体サンプル又は較正溶液において両方の分析物の示度を提供するので、クレアチニンセンサのクレアチニンに対する感度(Slope1)又はクレアチンに対する感度(Slope2)は、以下に定義されるような本開示に従って、以下の式2~5から決定され得る。本開示は、3点較正法のために異なるクレアチン/クレアチニン比を有する2つの較正溶液が使用され得ることを提供する。
3点クレアチニンセンサ較正式:
ΔI2’=[CREA_CS2]Slope1+[CR_CS2]Slope2 (式2)
ΔI3’=[CREA_CS3]Slope1+[CR_CS3]Slope2 (式3)
【0044】
ΔI2’及びΔI3’は、クレアチニンセンサにおいて、第1の較正溶液(CS2)及び第2の較正溶液(CS3)中でそれぞれ測定された電流信号である。CS3は、最初の既知のクレアチン濃度(CR_CS3)、最初の既知のクレアチニン濃度(CREA_CS3)、及び不安定なクレアチン対クレアチニン比を有し得る。
【0045】
[CREA_CS2]、[CREA_CS3]、[CR_CS2]及び[CR_CS3]はそれぞれ、較正溶液CS2及びCS3中のクレアチニン及びクレアチンの最初の既知の濃度を表す。クレアチニン及びクレアチンに対するクレアチニンセンサの感度、Slope1(クレアチニンに対するセンサ感度)及びSlope2(クレアチンに対するセンサ感度)は、式2及び3から導き出すことができる:
Slope1=([CR_CS3]ΔI2’-[CR_CS2]ΔI3’)/([Creat_CS2][CR_CS3]-[Creat_CS3][CR_CS2]) pA/mg/dL (式4)
Slope2=([CREA_CS2]ΔI3’-[CREA_CS3]ΔI2’)/([Creat_CS2][CR_CS3]-[Creat_CS3][CR_CS2]) pA/mg/dL (式5)
CS2は、約1.5と2の間の安定した最適なクレアチン/クレアチニン比で配合され得るが、CS3は、貯蔵中の濃度変化に起因して製造時の当初の比率から時間と共に変動し得る、異なる不安定なクレアチン/クレアチニン比(約10~70)で配合され得る。
【0046】
一度適切に較正されたら、上記のクレアチニン測定システムは、生体サンプル中のクレアチニンの濃度を定量的に測定し得る。しかしながら、典型的な製造プロセスに起因するセンサ変動、較正及び他の分析計操作に特異的な変動、並びに生体サンプルマトリックス変動に関連するいくつかの実用上の問題があり、正確なクレアチニン測定に関して重要な課題を示す。
【0047】
例えば、多数の酵素の活性は、特定の化学物質(例えば、イオン又はガス)によって阻害又は影響され得る。例えば、クレアチニンをHに変換するための上記の3酵素システムは、臨床化学アッセイにおいて存在し得る多数の一般的な分析物、例えば、HCO 及びCa++などの影響を受けやすい(例えば、阻害又は妨害による)。さらに、クレアチニンをHに変換するための3酵素システムは、サンプルpHにも敏感である。異なる患者サンプル又は集団にわたる生体サンプル中のこのような分析物の濃度の違いのために、生体サンプル中のクレアチニン及び/又はクレアチン濃度を測定する際に、誤差を引き起こすことが可能である。これらの問題に対処するための従来技術の解決法には、このような影響を説明するためのセンサ測定アルゴリズムの適用が含まれていた。複雑さが増すと、センサ測定システムは製造偏差を起こしやすく、製造プロセスの間にセンサ間の変動性が生じ得る。例えば、センサ外膜組成物又は酵素膜の厚さの通常の変動は、阻害性化学物質に対する分析物の相対拡散のために、酵素阻害効果に起因する有意な誤差を生じ得る。残念ながら、生体サンプル内で見出され、測定誤差を生じ得る酵素阻害効果は、典型的なセンサ間の製造変動と一緒に存在する場合、その効果において相加的であり得る;したがって、生体サンプルマトリックス内の可変的な酵素阻害効果と、センサ間の製造変動性との組合せは、協調して(例えば、相乗的に)より大きい測定誤差偏差を生じるように作用し得る。
【0048】
較正マトリックス
1回のサンプル測定に対して複数の分析物のアッセイを提供することは、臨床化学分析計によくみられる。1回の測定で複数の分析物に対する結果を提供するために、様々なレベルの分析物を有する3つまでの生体マトリックス補正溶液がセンサ感度の較正及び推定のために使用され得る。例えば、pCO、pO、電解質又は代謝産物のpH及びレベルを較正するために、有意に異なるレベルの各分析物を有する2つの較正試薬溶液が使用され得る。しかしながら、クレアチニンセンサを較正するために、有意に異なるレベルの分析物を有する3つの較正試薬溶液が使用されてもよい。本開示に従ってクレアチニンセンサを較正するために使用される較正試薬溶液は、クレアチニンに加えて1つ又は複数の分析物を含み、他のタイプのセンサを較正するために使用されてもよい。これらの較正試薬溶液中に存在する1つ又は複数の分析物のいくつかは、クレアチニンを測定するクレアチニンセンサの能力に対する阻害効果を有し得る。例えば、これらの試薬中のpH、HCO 、及びCa++レベルはクレアチニン又はクレアチンセンサの較正に影響を与えることになり、較正においてセンサに特異的な誤差を生じる可能性も有し得る。誤差は、センサ間の微細な変動、及び上記の特定の分析物から生じる阻害効果に起因し得る。
【0049】
生体サンプルマトリックス
生体サンプル中のクレアチニン濃度は、通常、センサにおいて、グルコース濃度(例えば、約65から約95mg/dL)又は阻害効果を有する分析物の濃度(例えば、Ca++:約4から約6mg/dL、又はHCO :約19から約26mmol/L)と比較して、非常に低い可能性がある(例えば、約0.04から約1.10mg/dL)。生体サンプル中の低濃度のクレアチニン、拡散制御外膜の存在によるクレアチニンの損失、及びセンサの3酵素変換プロセスは全て一緒に作用して、非常に低い電気信号を生じる。逆に、クレアチニン測定に対して阻害効果を生じ得る比較的高い濃度の分析物の存在は、このような低い電気信号において大きな影響を有し得る。
【0050】
この問題に対する従来技術の1つの解決法は、較正溶液を使用することである。例えば、このアプローチでは、第1のステップは、較正溶液中に存在する可変レベルのクレアチニン、クレアチン、及び阻害物質又は妨害化合物を用いて個々の分析物のそれぞれに対して補正因子を作成することである。不利なことには、このアプローチは、簡単な補正因子を導き出し得る前に、多数の仮定を行うことを必要とする。さらに、複数の阻害物質又は妨害化合物の同時相互作用が酵素活性に与える影響も考慮されない。結果として、仮定が必要とされることにより、この従来技術のアプローチの有効性は疑わしい。残念ながら、現在、有意なサンプル間の生体マトリックス変動を示し得る生体サンプル中のクレアチニンレベルを測定する実用上の問題に対処するために利用可能である、良好な従来技術の解決法は存在しない。
【0051】
本開示は、センサ較正から生体サンプルマトリックス測定までの診断サイクルを通して生じ得る誤差を補正するための組成物及び方法を提供する。重要なことには、本明細書中の技術は、クレアチニン/クレアチン3酵素システムの活性に影響を与えることが知られている阻害性分析物を含有する一般的な生体サンプルと適合される(又は対にされる)ように設計された生体マトリックス補正溶液を提供する。これらの溶液は、クレアチニンセンサで使用される酵素(例えば、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、サルコシンオキシダーゼなど)に対する阻害又は妨害効果を有する分析物の臨床基準範囲と組み合わせて、安定したクレアチン/クレアチニン比又は最適化された貯蔵条件のために安定している所定のクレアチニン及びクレアチン濃度を有し得る。クレアチニン及び/又はクレアチンセンサが設置及び較正されたら、本明細書に開示される補正溶液をクレアチニン及び/又はクレアチンセンサにおいて測定することができ、クレアチニン及びクレアチンの両方について較正試薬及び補正溶液に対して測定された応答が得られ、分析されて、センサに特異的な補正因子を特定する。これらの補正因子は、センサ較正の各場合においてこのプロセスを繰り返すことなく、センサの生涯の使用を通してその後の全ての生体サンプルに対して決定され得る。
【0052】
本明細書中の技術は、以下に詳細に記載されるように、3つの主要なステップ:センサ較正、補正因子の確立、及びサンプル測定を含み得るクレアチニン測定システムを提供する。
【0053】
センサ較正
クレアチニン測定システムは、クレアチニンセンサ及びクレアチンセンサの両方を含有する。センサは、センサの生涯の使用を通して、所定のクレアチニン及びクレアチン濃度を有する較正溶液に定期的にさらされる。これらの感度は、決定されたら、その後のサンプル測定のために使用され得る。多分析物臨床化学分析計(例えば、GEM PAKカートリッジ)において、較正試薬溶液は、クレアチニン又はクレアチン酵素センサに影響を与えることが知られているHCO 、Ca++、及びpHも含有し得る。これらの溶液は全て、複数の分析物、例えば、HCO 、Ca++及びpHなどに対する共有較正溶液としての役割を果たすので、生体サンプルマトリックスと正確に一致するようにこれらの全てを配合することはできない。したがって、較正プロセスから得られるセンサ感度は、生体サンプルマトリックス中で測定される感度と同一ではない。さらに、このような偏差は、多層センサ構造の製造プロセスの間に生じ得る微細な変動のために、センサ間で一貫していない。
【0054】
クレアチニン/クレアチン補正溶液
本明細書中の技術は、クレアチニン又はクレアチン酵素センサを阻害又は妨害することが知られている分析物を有する生体サンプルマトリックスをシミュレートするために1つ又は複数の特定のクレアチニン/クレアチン溶液を提供する。
【0055】
第1の補正溶液は、例えば、HCO (例えば、約20mM)、Ca++(例えば、約0.8mM)、pH(例えば、約7.4)、及びpCO(例えば、約30mmHg)など、又はHCO (例えば、約10から約30mM)、Ca++(例えば、約0.4から約1.6mM)、pH(例えば、約7.0から8.0)、及びpCO(例えば、約15から約45mmHg)の範囲内(これらは、全て正常の臨床サンプルマトリックスに近い濃度である)の阻害/妨害因子を有するマトリックス中に、所定のクレアチニン及びクレアチン濃度を有し得る。
【0056】
生体マトリックスと同様であるが、異なるレベルのクレアチニン及びクレアチンを有する第2の補正溶液も提供され得る。
【0057】
これらの補正溶液は、一定のpCO及びpHレベルを維持するために密封試薬バッグ又はアンプルのいずれかにおいて貯蔵され得る。これらの溶液は緩衝化され、殺生物剤が補充され、そして試薬の安定性を保証するために最適な貯蔵温度で保持され得る。これらの補正溶液は、センサの設置及び初期較正のプロセスの完了の間に、サンプルとして測定され得る。
【0058】
クレアチニン及びクレアチンのための個々のセンサ補正因子の確立
クレアチニン/クレアチン補正溶液は、センサ感度を確立するために、センサの設置中、及び初期較正の後に各クレアチニン又はクレアチン測定システムにおいて測定され得る。センサからの測定クレアチニン及びクレアチン濃度は、補正溶液の所定のクレアチニン及びクレアチンレベルと比較され、クレアチニン及びクレアチンセンサの両方に対してそれぞれ補正因子を確立する。
【0059】
或いは、2つの補正溶液は、センサ設置後に連続して測定することができ、これは、2つの別個のレベルのクレアチニン及びクレアチンの測定の結果として、より正確な補正因子を提供することができる。
【0060】
これらの補正因子は、特定のクレアチニン及びクレアチンセンサについて、較正溶液中で得られる感度に対する生体マトリックス中の感度偏差を提供する。
【0061】
本明細書中の技術によると、較正クレアチンセンサ及び較正クレアチニンセンサを有するクレアチニン/クレアチン測定システムの精度は、較正クレアチンセンサを用いて、既知の濃度のクレアチン(CR_BMCS2)及び既知の濃度のクレアチニン(CREA_BMCS2)を有する第1の生体マトリックス補正溶液(BMCS2)の測定クレアチンセンサ電流信号(MΔI2)を測定し;BMCS2中のクレアチンの測定濃度(MCR_BMCS2)を決定し;MCR_BMCS2とCR_BMCS2とを比較して、クレアチンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCR)を決定し;較正クレアチニンセンサを用いて、BMCS2の測定クレアチニンセンサ電流信号(MΔI2’)を測定し;BMCS2中のクレアチニンの測定濃度(MCREA_BMCS2)を決定し;且つMCREA_BMCS2とCREA_BMCS2とを比較して、クレアチニンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCREA)を決定することによって改善され得る。
【0062】
生体マトリックス補正値/因子を提供するために、CR_BMCS2及びCREA_BMCS2は安定した値を有し得る。例えば、このような安定した値は、BMCS2中の安定したクレアチン対クレアチニン比、又はBMCS2の貯蔵温度に基づき得る。
【0063】
本明細書中の技術によると、本明細書に開示される生体マトリックス補正溶液は、Ca++、HCO 、pH、pCO、pO、他の電解質、及び代謝産物からなる群から選択される1つ又は複数の生体マトリックス因子を含み得るが、これらに限定されない。
【0064】
得られたら、ΔCRは、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチン測定値に適用され、ΔCREAは、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチニン測定値に適用され得る。
【0065】
本明細書中の技術によると、較正クレアチンセンサ及び較正クレアチニンセンサを有するクレアチニン/クレアチン測定システムの精度は、較正クレアチンセンサを用いて、既知の濃度のクレアチン(CR_BMCS3)及び既知の濃度のクレアチニン(CREA_BMCS3)を有する第2の生体マトリックス補正溶液(BMCS3)の第2の測定クレアチンセンサ電流信号(M2ΔI2)を測定するステップと、BMCS3中のクレアチンの測定濃度(M2CR_BMCS3)を決定するステップと、M2CR_BMCS3とCR_BMCS3とを比較して、第2のクレアチンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCR’)を決定するステップと、較正クレアチニンセンサを用いて、BMCS3の測定クレアチニンセンサ電流信号(M2ΔI2’)を測定するステップと、BMCS3中のクレアチニンの測定濃度(M2CREA_BMCS3)を決定するステップと、M2CREA_BMCS3とCREA_BMCS3とを比較して、クレアチニンセンサ生体マトリックス補正因子(ΔCREA’)を決定するステップとを付加的に含むことによってさらに改善され得る。
【0066】
第1の生体マトリックス補正溶液について上記で議論されたように、CR_BMCS3及びCREA_BMCS3は、BMCS3中の安定したクレアチン対クレアチニン比、又はBMCS3の貯蔵温度(例えば、4℃)に基づき得る安定した値を有し得る。
【0067】
得られたら、ΔCR’は、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチン測定のSlopeに適用され、ΔCR、ΔCR’、ΔCREA及びΔCREA’は、生体マトリックスサンプルから得られたクレアチニン測定のSlope1及びSlope2に適用され得る。
【0068】
本開示の実施形態において、安定したクレアチン対クレアチニン比は、約1.5から約2、又は1.5から2である。
【0069】
本開示の実施形態において、BMCS2又はBMCS3はそれぞれ、約2~5mg/dLのクレアチン及び約1~3mg/dLのクレアチニンを含み得る。
【0070】
本明細書中の技術によると、上記の生体マトリックス補正溶液の安定した値は、最低8カ月間安定することができる。
【0071】
本開示の実施形態において、Ca++の濃度は約0.4mmol/Lと約1.6mmol/Lの間であり、HCO の濃度は約10mmol/Lと約30mmol/Lの間である。
【0072】
生体サンプル中のクレアチニン/クレアチンの測定
各患者サンプルについて、クレアチニン及びクレアチンセンサにおいて電流信号が測定され、次に、最も近い較正からの感度を使用して、患者サンプル中のクレアチニン及びクレアチン濃度が推定される。次に、補正因子が測定濃度に適用され、最終クレアチニン及びクレアチン測定結果をもたらすことができる。
【0073】
或いは、較正プロセスから得られた当初の感度に補正を適用することができる。このアプローチでは、補正溶液から得られた補正因子は、最も近いセンサ較正からの感度に直接適用される。次に、サンプル電流信号及び補正感度から、サンプルのクレアチニン及びクレアチン濃度が推定される。
【0074】
キット
本開示は、本開示の方法において使用するための本開示の薬剤を含有するキットも提供する。本開示のキットは、本開示の薬剤(例えば、クレアチン、クレアチニンなど)を含む1つ又は複数の容器を含むことができ、及び/又は分析物、例えば、HCO 、及びCa++などを含有する1つ又は複数の補正溶液中の薬剤を含有することができる。さらに、本開示のキットは、様々な異なるpHレベルに調整された補正溶液も含むことができる。いくつかの実施形態において、キットはさらに、本開示の方法に従って使用するための使用説明書を含む。いくつかの実施形態において、これらの使用説明書は、薬剤/溶液をセンサ(例えば、クレアチンセンサ、クレアチニンセンサなど)に適用する方法、及び本開示の方法のいずれかに従って対象の変数(例えば、Ca++補正因子、HCO 補正因子、pH補正因子、pCO補正因子、pO補正因子、電解質補正因子、代謝産物補正因子などの生体マトリックス因子)を計算する方法の説明を含む。いくつかの実施形態において、使用説明書は、本明細書に開示される測定システムを設置及び較正する方法の説明を含む。
【0075】
使用説明書は、一般に、試薬/溶液濃度、試薬/溶液比(例えば、クレアチン/クレアチニン比)、貯蔵寿命などに関する情報を含む。本開示のキットにおいて提供される使用説明書は、通常、ラベル又は添付文書(例えば、キットに含まれる紙シート)に書かれた説明書であるが、機械可読な説明書(例えば、磁気又は光記憶ディスク上にある説明書)も容認できる。
【0076】
ラベル又は添付文書は、試薬/溶液を使用して、本明細書に記載される測定システムで使用するための様々なクレアチン及び/又はクレアチニンセンサのいずれかを較正し得ることを示す。使用説明書は、本明細書に記載される方法のいずれかを実行するため、例えば、測定システムを設置及び較正するために提供され得る。
【0077】
本開示のキットは、適切にパッケージングされている。適切なパッケージングには、バイアル、アンプル、ボトル、ジャー、フレキシブルパッケージング(例えば、密封されたMylar又はプラスチック袋)などが含まれるが、これらに限定されない。また、GEM Premier全血分析計群(Instrumentation Laboratory, Bedford, MA)などの特定のデバイスと組み合わせて使用するためのパッケージも考えられる。特定の実施形態では、試薬又は溶液中の少なくとも1つの活性剤は、クレアチン及び/又はクレアチニンである。
【0078】
キットは、任意選択的に、緩衝材及び解釈的情報などの付加的な構成要素を提供し得る。通常、キットは、容器と、容器上の又は容器に関連されたラベル又は添付文書とを含む。
【0079】
本開示の実行は、他に記載されない限り、化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA、遺伝学、免疫学、細胞生物学、細胞培養及び遺伝子導入生物学の従来の技術(これらは、当業者の範囲内である)を用いる。例えば、Maniatis et al., 1982, Molecular Cloning (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.);Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning, 2nd Ed. (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.);Sambrook and Russell, 2001, Molecular Cloning, 3rd Ed. (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.);Ausubel et al., 1992), Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley&Sons, including periodic updates);Glover, 1985, DNA Cloning (IRL Press, Oxford);Anand, 1992;Guthrie and Fink, 1991;Harlow and Lane, 1988, Antibodies, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.);Jakoby and Pastan, 1979;Nucleic Acid Hybridization (B. D. Hames & S. J. Higgins eds. 1984);Transcription And Translation (B. D. Hames & S. J. Higgins eds. 1984);Culture Of Animal Cells (R. I. Freshney, Alan R. Liss, Inc., 1987);Immobilized Cells And Enzymes (IRL Press, 1986);B. Perbal, A Practical Guide To Molecular Cloning (1984);the treatise, Methods In Enzymology (Academic Press, Inc., N.Y.);Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells (J. H. Miller and M. P. Calos eds., 1987, Cold Spring Harbor Laboratory);Methods In Enzymology, Vols. 154 and 155 (Wu et al. eds.), Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology (Mayer and Walker, eds., Academic Press, London, 1987);Handbook Of Experimental Immunology, Volumes I- IV (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds., 1986);Riott, Essential Immunology, 6th Edition, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1988;Hogan et al., Manipulating the Mouse Embryo, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1986);Westerfield, M., The zebrafish book. A guide for the laboratory use of zebrafish (Danio rerio), (4th Ed., Univ. of Oregon Press, Eugene, 2000)を参照されたい。
【0080】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本開示の実施又は試験において、本明細書に記載されるものと同様又は同等の方法及び材料が使用され得るが、適切な方法及び材料は以下に記載される。本明細書で言及される刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は全て、参照によってその全体が援用される。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は単なる実例であり、限定は意図されない。
【0081】
本開示は、計算及びシークエンシングの両方に関して本開示の方法の実行に関与するコンピュータシステムにも関する。
【0082】
コンピュータシステム(又はデジタルデバイス)は、結果を受信、伝送、表示及び/又は保存し、結果を分析し、及び/又は結果及び分析の報告を作成するために使用され得る。コンピュータシステムは、媒体(例えば、ソフトウェア)及び/又はネットワークポート(例えば、インターネットから)から命令を読み取ることができる論理装置であると理解することができ、任意選択的に、固定媒体を有するサーバーに接続され得る。コンピュータシステムは、CPU、ディスクドライブ、キーボード及び/又はマウスなどの入力デバイス、並びにディスプレイ(例えば、モニター)のうちの1つ又は複数を含み得る。命令又は報告の伝送などのデータ通信は、通信媒体を通して、ローカル又はリモート位置にあるサーバーに対して達成することができる。通信媒体は、データを伝送及び/又は受信する任意の手段を含むことができる。例えば、通信媒体は、ネットワーク接続、無線接続、又はインターネット接続であり得る。このような接続は、ワールドワイドウェブによる通信を提供することができる。本開示に関連するデータは、受信のため、及び/又は受信者によるレビューのために、このようなネットワーク又は接続(又はプリントアウトなどの物理的報告の郵送を含むがこれらに限定されない、情報を伝送するための任意の他の適切な手段)によって伝送され得ることが想定される。受信者は、個人、又は電子システム(例えば、1つ若しくは複数のコンピュータ、及び/又は1つ若しくは複数のサーバー)であり得るが、これらに限定されない。コンピュータシステムは、クレアチニン/クレアチンバイオセンサシステム/装置に不可欠であってもいし、又はクレアチニン/クレアチンバイオセンサシステム/装置とは分離され、離れていてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、コンピュータシステムは1つ又は複数のプロセッサを含み得る。プロセッサは、1つ又は複数のコントローラ、計算ユニット、及び/又はコンピュータシステムの他のユニットと関連させるか、或いは所望されるようにファームウェアに埋め込むことができる。ソフトウェアで実行される場合、ルーチンは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気ディスク、レーザーディスク、又は他の適切な記憶媒体などの任意のコンピュータ可読メモリに保存され得る。同様に、このソフトウェアは、例えば、電話線、インターネット、無線接続などの通信チャネルによるもの、又はコンピュータ可読ディスク、フラッシュドライブなどの輸送可能な媒体によるものを含む、任意の既知の配信方法によって計算デバイスに配信され得る。種々のステップは、種々のブロック、操作、ツール、モジュール及び技術として実行することができ、これは次に、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアの任意の組合せにおいて実行され得る。ハードウェア(例えば、クレアチニン/クレアチンバイオセンサシステム/装置)において実行される場合、ブロック、操作、技術などの一部又は全ては、例えば、カスタム集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)などにおいて実行され得る。
【0084】
クライアント-サーバー、リレーショナルデータベースアーキテクチャを本開示の実施形態において使用することができる。クライアント-サーバーアーキテクチャは、ネットワーク上の各コンピュータ又はプロセスがクライアント又はサーバーのいずれかであるネットワークアーキテクチャである。サーバーコンピュータは、通常、ディスクドライブ(ファイルサーバー)、プリンタ(プリントサーバー)、又はネットワークトラフィック(ネットワークサーバー)を管理するための専用の高性能コンピュータである。クライアントコンピュータは、ユーザーがアプリケーションを実行するPC(パーソナルコンピュータ)又はワークステーション、及び本明細書に開示される出力デバイス例を含む。クライアントコンピュータは、リソース、例えば、ファイル、デバイス、及びさらには処理能力についてサーバーコンピュータに依存する。本開示いくつかの実施形態では、サーバーコンピュータは、データベース機能の全てを取り扱う。クライアントコンピュータは、全てのフロントエンドデータ管理を取り扱うソフトウェアを有することができ、ユーザーからのデータ入力を受信することもできる。
【0085】
コンピュータ実行可能コードを含み得る機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体又は物理的な伝送媒体を含むがこれらに限定されない、多数の形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、光又は磁気ディスク、例えば、任意のコンピュータなどにおける記憶デバイスのいずれか、例えば、図面に示されるデータベースなどを実行するために使用され得るものなどを含む。揮発性記憶媒体は、このようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、コンピュータシステム内のバスを構成するワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバーを含む。搬送波伝送媒体は、電気若しくは電磁信号、又は音響若しくは光波、例えば、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信の間に生成されるものなどの形態をとることができる。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD若しくはDVD-ROM、任意の他の光媒体、パンチカード 紙テープ、孔のパターンを有する任意の他の物理的な記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、データ若しくは命令を伝送する搬送波、このような搬送波を伝送するケーブル若しくはリンク、又はコンピュータがプログラミングコード及び/又はデータを読み取ることができる任意の他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くは、1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシークエンスを実行のためのプロセッサに伝えることに関与し得る。
【0086】
対象のコンピュータ実行可能コードは、サーバー、PC、又はスマートフォン若しくはタブレットなどのモバイルデバイスを含む、プロセッサを含み得る任意の適切なデバイスにおいて実行することができる。任意のコントローラ又はコンピュータは、任意選択的に、陰極線管(「CRT」)ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ(例えば、アクティブマトリックス液晶ディスプレイ、液晶ディスプレイなど)などであり得るモニターを含む。コンピュータ回路は、マイクロプロセッサ、メモリ、インターフェース回路などの多数の集積カイロチップを含むボックス内に配置されることが多い。またボックスは、任意選択的に、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、大容量リムーバブルドライブ、例えば、書き込み可能なCD-ROM、及び他の一般的な周辺要素も含む。キーボード、マウス、又はタッチ式スクリーンなどの入力デバイスは、任意選択的に、ユーザーからの入力を提供する。コンピュータは、パラメータフィールドセットへのユーザー入力の形態(例えば、GUIにおいて)、又はプログラムされた命令の形態(例えば、様々な異なる特定の操作のために予めプログラムされた形態)のいずれかで、ユーザー命令を受信するための適切なソフトウェアを含むことができる。
【0087】
本開示の例示的な実施形態についてこれから詳細に言及されるであろう。本開示は例示的な実施形態と共に記載されるが、本開示をこれらの実施形態に限定することは意図されないと理解されるであろう。反対に、特許請求の範囲により定義されるような本開示の趣旨及び範囲内に含まれ得る代替物、修正物、及び等価物を包含することが意図される。
【実施例
【0088】
実施例
本開示は、限定すると解釈されてはならない以下の実施例によってさらに説明される。本出願を通して引用される全ての参考文献、並びに公開特許及び特許出願の内容は、参照によって本明細書に援用される。当業者は、本開示が、開示される構造、材料、組成物及び方法における変動と共に実施することができ、このような変動が本開示の範囲内にあると見なされること認識するであろう。
【0089】
実施例1:生体マトリックス補正技術を用いる場合及び用いない場合の、GEM PAKカートリッジにより測定される全血クレアチニンサンプルの、化学分析計による血漿クレアチニンに対するバイアスチャート
2つの溶液マトリックス補正による全血臨床サンプルのバイアス(GEM PAK及び参照化学分析計で測定されたクレアチニンの間の差異)は、臨床上の要求を満たすために最小限にされる。
【0090】
この研究において、各試験カートリッジには、クレアチニン測定システムと、2つの外部補正溶液とが含有された。クレアチニン測定システムは、クレアチニンセンサ、クレアチンセンサ、3つの較正溶液(CS1、CS2、及びCS3)、及び2つの外部生体マトリックス補正溶液(BMCS2及びBMCS3)から構成された。全血サンプルのクレアチン及びクレアチニン濃度を確立するための2つのアプローチを調査した:選択肢(a)GEM PAKにより測定されるサンプルのためにクレアチン及びクレアチニン生体マトリックス補正を適用しない;及び選択肢(b)各PAKの使用寿命の初めにBMCS2及びBMCS3を測定することにより確立された補正因子に基づき、その後、使用寿命を通してクレアチン及びクレアチニンスロープにその補正因子を適用して、全血臨床サンプル中のクレアチン及びクレアチニンを補正した。図1Aは、選択肢(a)をクレアチニンに適用することにより、全ての全血臨床サンプルについて報告されたクレアチニンのバイアスが著しく負であり、許容できる臨床規格に対していくらか散在していることを示す(点線に対する青色ひし形のデータ点を参照)。図1Bは、選択肢(b)をクレアチニンサンプルアルゴリズムに適用することにより、全血臨床サンプルにおいて報告されるクレアチニンの負のバイアス及び散在の両方が、サンプル範囲全体にわたって、所望の臨床規格を満たすように有意に低減されることを実証した(点線に対する青色ひし形のデータ点を再度参照)。
【0091】
参照による援用
本明細書中で引用又は言及される全ての文書、及び本明細書中で引用された文書中で引用又は言及される全ての文書は、本明細書中又は参照によって本明細書中に援用される任意の文書中で言及される任意の製品のための任意の製造業者の使用説明書、記載、製品規格、及び製品シートと一緒に参照によって本明細書に援用され、本開示の実施において使用され得る。
【0092】
等価物
本明細書に記載される詳細な実施例及び実施形態は、説明のためだけに例として与えられ、決して本開示を限定すると考えられてはならないことが理解される。それを考慮すれば種々の修正又は変化が当業者に示唆され、これらは本出願の趣旨及び範囲内に含まれ、特許請求の範囲の範囲内であると考えられる。本開示のシステム、方法、及びプロセスに関連するさらなる有利な特徴及び機能性は、特許請求の範囲から明らかであろう。さらに、当業者は、単なるルーチン的な実験を用いて、本明細書に記載される本開示の特定の実施形態の多数の等価物を認識する又は確認できるであろう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲により包含されることが意図される。
図1A
図1B