(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】物流情報更新方法、システム及び組立ボックス
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20220706BHJP
G06Q 50/28 20120101ALI20220706BHJP
【FI】
B65G61/00 550
G06Q50/28
(21)【出願番号】P 2021073501
(22)【出願日】2021-04-23
【審査請求日】2021-04-23
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521119072
【氏名又は名称】株式会社東忠ソフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】丁偉儒
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-095300(JP,A)
【文献】特開2007-233884(JP,A)
【文献】特開2009-249065(JP,A)
【文献】特許第4454682(JP,B1)
【文献】特開2002-347936(JP,A)
【文献】特開2013-086972(JP,A)
【文献】特開2017-005880(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0000108(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0340855(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
G06Q 50/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物流情報更新方法であって、前記物流情報更新方法は積載ボックス(1)と、第1積載装置(2)と、第2積載装置(3)と
、クラウドプラットフォーム(9)とを含む物流情報更新システムに適用され、前記積載ボックス(1)は近距離通信モジュール(12)を含み、前記物流情報更新方法は、
前記第1積載装置(2)が積載開始情報及び積載ボックス情報を
前記クラウドプラットフォーム内に構築された物流チェーンにおいて更新するように、予め設定された接続規則に基づいて、積載ボックス(1)は近距離通信モジュール(12)を介して前記第1積載装置(2)と通信接続を確立するステップと、
前記積載ボックス(1)と前記第1積載装置(2)との通信接続が確立された後、積載ボックス(1)への荷物の積載を開始し、かつ対応する荷物情報を取得し、荷物情報を前記物流チェーンにおいて更新するステップと、
荷物を前記積載ボックス(1)に置いた後、配送待ち情報を前記物流チェーンにおいて更新するステップであって、前記配送待ち情報が前記荷物、及び前記積載ボックス(1)に対応するステップと、
積載を完了した後、積載ボックス(1)を第2積載装置(3)に輸送し、予め設定された接続規則に基づいて、近距離通信モジュール(12)を介して前記第2積載装置(3)と通信接続を確立し、前記第2積載装置(3)が前記積載ボックス情報及び前記荷物情報を取得するステップと、
前記荷物が取り出されると、配送完了情報を前記物流チェーンにおいて更新するステップと、を含む、
ことを特徴とする物流情報更新方法。
【請求項2】
予め設定された接続規則に基づいて、積載ボックス(1)は近距離通信モジュール(12)を介して前記第1積載装置(2)と通信接続を確立する前記物流情報更新方法は、
前記積載ボックス(1)が前記第1積載装置(2)に置かれた時間を取得するステップ、又は
前記積載ボックス(1)が前記第1積載装置(2)に置かれた後、配送者が入力した操作命令を取得するステップと、
前記時間又は前記操作命令が前記接続規則を満たすか否かを判断するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1積載装置(2)は走査モジュール(6)を含み、配送者が荷物を前記積載ボックス(1)に置く過程で、荷物情報を取得する前記物流情報更新方法は、
前記荷物に対する走査情報を取得し、前記走査情報に基づいて、前記荷物情報を生成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記荷物情報が複数の配送先に対応する場合、前記配送先にそれぞれ第2積載装置(3)が対応しており、前記荷物が取り出されると、配送完了情報を前記物流チェーンにおいて更新する方法は、
前記第2積載装置(3)に対応する荷物を確認するステップと、
確認に成功した場合、前記荷物情報における前記荷物との状態を更新するステップであって、前記状態に署名済み及び未署名が含まれるステップと、
更新した荷物情報を前記物流チェーンにおいて更新するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2積載装置(3)に対応する荷物を確認する前記物流情報更新方法は、
前記配送待ち情報及び前記積載ボックス情報を確認するステップと、
確認に成功した後、前記第2積載装置(3)に対応する荷物を確認するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1積載装置(2)は撮像モジュール(7)を含み、前記物流情報更新方法はさらに、
前記撮像モジュール(7)を介して、配送者の情報を確認し、かつ前記配送者の情報を前記物流チェーンにおいて更新するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2積載装置(3)は検証モジュール(13)を含み、前記物流情報更新方法はさらに、
前記検証モジュール(13)を介して、前記第2積載装置(3)を検証し、かつ検証に成功した後、予め設定された接続規則に基づいて、近距離通信モジュール(12)を介して前記第2積載装置(3)と通信接続を確立する前記ステップを実行し続けるステップを含む、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、物流技術分野に関し、特に、物流情報更新方法、システム及び組立ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引業界の急速な発展に伴い、宅配物流サービス業界にもかつてない発展の機会が訪れており、モノのインターネット技術がますます広く深く物流業界に適用されている。
【0003】
現在の物流業界では、荷受人が荷物の輸送状態をリアルタイムで把握できるようにするため、物流会社が特別にクラウドプラットフォームで対応する物流チェーンを構築し、荷受人はいつでもどこでも対応するソフトウェアにログインすることで自分の荷物情報を調べることができる。ところで、現在の物流チェーン上の情報更新は、配送者が手動でデータを入力する方式で更新されている。
【0004】
上記のような関連技術について、本発明者らは、配送荷物数の増加に伴い、配送者の作業圧力が増大しており、物流チェーンの手動更新により、配送者の作業量がさらに増大することは間違いないと考えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
配送者の作業量を軽減するために、本願は物流情報更新方法、システム及び組立ボックスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様によれば、本願は、物流情報更新方法を提供し、以下の技術案を採用する。
物流情報更新方法であって、前記方法は組立ボックスと、第1組立装置と、第2組立装置とを含む物流情報更新システムに適用され、前記組立ボックスは近距離通信モジュールを含み、前記方法は、
前記組立ボックスが前記第1組立装置に置かれた後、前記第1組立装置が組立開始情報及び組立ボックス情報を物流チェーンに更新するように、予め設定された接続規則に基づいて、近距離通信モジュールを介して前記第1組立装置と通信接続を確立するステップと、
配送者が荷物を前記組立ボックスに置く過程で、荷物情報を取得し、かつ荷物情報を前記物流チェーンに更新するステップと、
配送者が荷物を前記組立ボックスに置いた後、配送待ち情報を前記物流チェーンに更新するステップであって、前記配送待ち情報が前記荷物、及び前記組立ボックスに対応するステップと、
配送過程で、前記組立ボックスが第2組立装置に置かれた後、予め設定された接続規則に基づいて、近距離通信モジュールを介して前記第2組立装置と通信接続を確立し、前記第2組立装置が前記組立ボックス情報及び前記荷物情報を取得するステップと、
前記荷物が取り出されると、配送完了情報を前記物流チェーンに更新するステップと、を含む。
【0007】
上記技術案を採用することにより、配送者が荷物を組立ボックスに積載し、荷物を組立ボックスから取り出す過程で、配送者が手動で入力せずに、荷物情報、組立ボックス情報及び対応する配送状態を全て物流チェーンに自動的に入力でき、配送者の作業量を大幅に減少させ、物流効率の向上に役立つ。
【0008】
選択可能に、予め設定された接続規則に基づいて、近距離通信モジュールを介して前記第1組立装置と通信接続を確立する前記方法は、
前記組立ボックスが前記第1組立装置に置かれた時間を取得するステップ、又は
前記組立ボックスが前記第1組立装置に置かれた後、配送者が入力した操作命令を取得するステップと、
前記時間又は前記操作命令が前記接続規則を満たすか否かを判断するステップと、を含む。
【0009】
上記技術案を採用することにより、組立ボックスが第1組立装置に置かれると第1組立装置と通信接続を確立するのではなく、置かれる時間が接続規則を満たしてからでなければならず、この設定により誤操作の発生を低減することができ、操作命令を手動で入力して通信接続の確立を早めることを可能にし、接続方式をより柔軟にさせる。
【0010】
選択可能に、前記第1組立装置は走査モジュールを含み、配送者が荷物を前記組立ボックスに置く過程で、荷物情報を取得する前記方法は、
前記荷物に対する走査情報を取得し、前記走査情報に基づいて、前記荷物情報を生成するステップを含む。
【0011】
上記技術案を採用することにより、第1組立装置の荷物情報が走査モジュールによって走査して得られ、配送者が荷物情報を1つずつ手動で入力する必要がなく、操作がより簡単で、配送者の作業量をさらに軽減する。
【0012】
選択可能に、前記荷物情報が複数の配送先に対応し、前記配送先がそれぞれ第2組立装置に対応し、前記荷物が取り出されると、配送完了情報を前記物流チェーンに更新する前記方法は、
前記第2組立装置に対応する荷物を確認するステップと、
確認に成功した場合、前記荷物情報における前記荷物との状態を更新するステップであって、前記状態に署名済み及び未署名が含まれるステップと、
更新した荷物情報を前記物流チェーンに更新するステップと、を含む。
【0013】
上記技術案を採用することにより、同一の組立ボックスに複数の荷物が積載されている場合、各荷物が1つの配送先に対応し、配送ミスを避けるため、荷物を引き渡す際に、荷物及び対応する第2組立装置を再確認し、誤りがないことを確認してから現在の荷物の配送を完了し、物流の正確率を保証する。
【0014】
選択可能に、前記第2組立装置に対応する荷物を確認する前記方法は、
前記配送待ち情報及び前記組立ボックス情報を確認するステップと、
確認に成功した後、前記第2組立装置に対応する荷物を確認するステップと、を含む。
【0015】
上記技術案を採用することにより、荷物を確認する前に、まず組立ボックスを確認し、配送者が組立ボックスを取り違えることを避け、組立ボックスに誤りがないことを確認した後に荷物を確認し、配送者の不必要な操作を減らし、荷物の引き渡し効率を高めることができる。
【0016】
選択可能に、前記第1組立装置は撮像モジュールを含み、前記方法はさらに、
前記撮像モジュールを介して、配送者の情報を確認し、かつ前記配送者の情報を前記物流チェーンに更新するステップを含む。
【0017】
上記技術案を採用することにより、撮像モジュールが配送者を撮影し、さらに撮影して得られた配送者の画像情報を確かめ、配送者の身元に誤りがないことを確かめた後に配送者の情報を物流チェーンに更新し、一方では配送者の身元が間違っていないことを確保し、他方では荷受人が配送者の情報を事前に把握するようにし、物流チェーンの情報公開の役割をさらに発揮する。
【0018】
選択可能に、前記第2組立装置は検証モジュールを含み、前記方法はさらに、
前記検証モジュールを介して、前記第2組立装置を検証し、かつ検証に成功した後、予め設定された接続規則に基づいて、近距離通信モジュールを介して前記第2組立装置と通信接続を確立する前記ステップを実行し続けるステップを含む。
【0019】
上記技術案を採用することにより、配送者が物流チェーンから与えられた配送先に従って組立ボックスを所定の位置まで輸送した後、配送者は検証モジュールを介して第2組立装置を検証し、荷受地に誤りがないことを証明してから荷物の引き渡しを行い、荷物の正常な引き渡しを確保する。
【0020】
第2態様によれば、本願は物流情報更新システムを提供し、以下の技術案を採用する。
物流情報更新システムであって、クラウドプラットフォームと、組立ボックスと、第1組立装置と、第2組立装置とを含み、前記組立ボックスは近距離通信モジュールを含み、前記近距離通信モジュールは第1組立装置及び第2組立装置とそれぞれ通信接続を確立するために用いられ、前記第1組立装置は発送地に位置し、前記第2組立装置は荷受地に位置し、前記クラウドプラットフォームに物流チェーンが構築され、前記クラウドプラットフォームはインターネットを介して第1組立装置、第2組立装置に接続され、かつクラウドプラットフォームは第1組立装置及び第2組立装置から物流情報を取得して物流チェーンを更新する。
【0021】
選択可能に、前記第1組立装置は走査モジュールを含み、前記走査モジュールは荷物を走査して走査情報を取得するために用いられ、前記クラウドプラットフォームは第1組立装置から走査情報を取得して走査情報に基づいて荷物情報を生成するために用いられる。
【0022】
第3態様によれば、本願は組立ボックスを提供する。
組立ボックスであって、荷物を積載して輸送するための筐体を含み、前記筐体に近距離通信モジュールが設けられており、前記近距離通信モジュールは組立ボックス情報が予め設定された無線周波数タグを含む。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本願は以下の有益な技術的効果の少なくとも1つを含む。荷物の組立開始から荷物の引き渡しまでの間に、配送者が手動で入力することなく組立ボックス情報、荷物情報などの関連情報を物流チェーンに更新でき、配送者が情報入力に費やす時間を節約し、物流効率を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本願の実施例の組立ボックスの概略構造図である。
【
図2】本願の実施例のシステムのブロック図である。
【
図3】本願の実施例の第1組立装置の構造ブロック図である。
【
図4】本願の実施例の第2組立装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面1~4を参照して本願をさらに詳細に説明する。
【0026】
本願の実施例は組立ボックスを開示し、
図1を参照すると、組立ボックスは筐体11を含み、筐体11に近距離通信モジュール12が固定されており、近距離通信モジュール12は無線周波数タグを含む。無線周波数タグ内に組立ボックス情報が予め書き込まれており、組立ボックス情報は無線周波数タグが位置する組立ボックスに対応する組立ボックス番号を含み、各組立ボックス番号は一意である。
【0027】
本願の実施例は物流情報更新システムをさらに開示し、
図2を参照すると、第1組立装置2と、第2組立装置3と、組立ボックス1とを含む。第1組立装置2は荷物発送地に設けられ、第2組立装置3は荷受地に設けられる。組立ボックス1は荷物の発送地で荷物を積載し、さらに荷物を荷受地に輸送するために用いられる。
【0028】
図3を参照すると、第1組立装置2は秤量プラットフォーム4を含み、秤量プラットフォーム4に無線周波数リーダライタ5、スキャナである走査モジュール6、カメラである撮像モジュール7及びプロセッサ8が取り付けられている。スキャナ、無線周波数リーダライタ5及びカメラはいずれもプロセッサ8に電気的に接続されている。プロセッサ8はまたインターネットを介してクラウドプラットフォーム9と情報のインタラクションを実現する。
【0029】
秤量プラットフォーム4は荷物の重量を秤量するために用いられ、秤量プラットフォーム4には機械秤と電子秤のいずれかを使用することができる。機械秤と電子秤の違いは、機械秤の場合配送者が読み取り、かつ読み出した荷物重量を配送者が手動でプロセッサ8に入力する必要があるのに対し、電子秤の場合プロセッサ8への電気的接続が必要で、電子秤が荷物を秤量した後に荷物重量をプロセッサ8に自動的に伝送する点である。
【0030】
スキャナは荷物上の荷物タグを走査して荷物タグに記憶された荷物コードを読み取り、かつ荷物コードをプロセッサ8に伝送するために用いられる。荷物タグは二次元コードであってもバーコードであってもよい。
【0031】
カメラは配送者の画像を撮影して画像をプロセッサ8に伝送するために手動で操作される。
【0032】
無線周波数リーダライタ5は組立ボックス1上の無線周波数タグにマッチングし、無線周波数リーダライタ5は非接触で、無線周波数タグ内の情報を近距離で読み取るために用いられる。無線周波数リーダライタ5に計時モジュール10が設けられており、計時モジュール10に第1計時時間と第2計時時間が記憶されている。無線周波数リーダライタ5が無線周波数タグを認識すると、計時モジュール10は第1計時時間のカウントダウンを開始し、組立ボックス1の無線周波数タグが第1計時時間内で常に無線周波数リーダライタ5の読み取り範囲内にあれば、無線周波数リーダライタ5は読み取った組立ボックス情報をプロセッサ8に伝送する。逆に、無線周波数リーダライタ5はプロセッサ8に組立ボックス情報を伝送しない。ところで、計時モジュール10が第1計時時間のカウントダウンを完了した後、無線周波数タグが無線周波数リーダライタ5の読み取り範囲から離脱すると、計時モジュール10は第2計時時間のカウントダウンを開始し、第2計時時間が完了する前に、無線周波数タグが無線周波数リーダライタ5の読み取り範囲に再び戻る限り、計時モジュール10は計時を停止し、第2計時時間が終了したとき、無線周波数タグが依然として無線周波数リーダライタ5の読み取り範囲に再び入らないと、計時モジュール10はプロセッサ8にリマインダーを送信し、プロセッサ8は計時モジュール10のリマインダーに応答してクラウドプラットフォーム9に組立停止情報を伝送する。
【0033】
クラウドプラットフォーム9は手動操作に基づいて物流注文を予め記憶しており、物流注文は配送者情報と荷物情報を含む。配送者情報は配送者画像、配送者の名前及び連絡先を含み、配送者画像は配送者の連絡先にそれぞれ対応し、配送者の連絡先は配送者の名前にも追加対応する。荷物情報は荷物コード、荷物の配送先、荷物の状態及び荷物の重量区間を含む。ここで、異なる荷物は異なる荷物コードを有する。荷物の配送先は異なる発送地の第2組立装置3に対応し、荷物の重量区間は範囲値であり、物流注文を生成するときに適切な重量区間を手動で選択して荷物タグに入力し、荷物の状態は署名済み及び未署名を含む。
【0034】
クラウドプラットフォーム9内に物流チェーンが構築されており、物流が開始されていないとき、物流チェーンは基礎的な枠組みを有するだけで、物流チェーンにおける荷物情報及び配送者情報はいずれも空白となり、物流チェーンにおける荷物状態は未署名であり、かつ物流チェーン全体の物流状態は積み込み未開始である。物流開始後、クラウドプラットフォーム9はプロセッサ8から実際の物流データを取得して物流チェーンを更新、改善する。
【0035】
また、クラウドプラットフォーム9は物流注文に応じて配送者が荷物を配送する際のルートを予め定め、さらに荷物状況に応じて組立ボックス1の数及び箱詰め状況を計画する。箱詰めの基本的な原則は、可能な限り同一の配送先の荷物を1つの組立ボックス1に計画することであるが、同一の配送先の荷物が多すぎて1つの組立ボックス1が全て収容できない場合には、荷物の余分な部分を空きスペースのある他の組立ボックス1内に置く。しかしある配送先に対応する荷物を複数の異なる配送先に対応する組立ボックス1にそれぞれ置く必要がある場合には、1つの組立ボックス1を個別に手配して当該配送先に対応する余分な荷物を積載する。例えば、現在3つのバッチの荷物A、B、Cがあり、荷物Aは1つの組立ボックス1内の半分のスペースを占有すればよく、荷物Bは1つの組立ボックス1を占有した後に2つ目の組立ボックス1の30%のスペースを必要とし、荷物Cは1つの組立ボックス1の80%のスペースを占有する必要がある場合、荷物Bの余分な部分は荷物Aとともに同一の組立ボックス1に積み込むことができ、合計3つの組立ボックス1を手配すればよい。計画された配送ルートによれば、荷物Aが荷物Bよりも先に届けられると、荷物Aと同一の組立ボックス1に積み込まれた荷物Bが組立ボックス1からの荷物Aの取り出しに影響を与えないために、荷物Bは荷物Aの下方に置かれるか又は荷物Aとは別に組立ボックス1の両側に置かれてもよい。また他の条件が変わらない場合、荷物Bは1つの組立ボックス1を占有した後に組立ボックス1のスペースの70%を必要とし、そこで、余分な荷物Bを2分割してそれぞれ荷物A、荷物Cと積み込むのではなく、余分な荷物Bを独立した組立ボックス1に個別に積み込み、つまり合計4つの組立ボックス1を手配する必要がある。もちろん、荷物の形状がそれぞれ異なるため、異なる荷物が積み重なると隙間ができやすく、組立ボックス1内のスペース利用率を低下させ、具体的に配分する際には、実際の状況に応じて可能な限り合理的に配分する必要がある。
【0036】
プロセッサ8は受信データに応じて異なる応答を有する。具体的には以下のとおりである。
【0037】
プロセッサ8が無線周波数リーダライタ5から伝送された組立ボックス番号を受信すると、プロセッサ8は組立開始情報を生成し、かつ組立ボックス情報とともにクラウドプラットフォーム9に伝送する。
【0038】
プロセッサ8がカメラから伝送された画像を受信すると、プロセッサ8は画像をクラウドプラットフォーム9に転送する。クラウドプラットフォーム9は画像が配送者の画像であるか否かを確かめ、そうであれば、対応する配送者情報を対応する物流チェーンに追加し、そうでなければ、クラウドプラットフォーム9はプロセッサ8に警告命令を送信し、プロセッサ8は現在の人が配送者に属さないことを注意するように警告する。
【0039】
プロセッサ8が荷物重量を受信すると、プロセッサ8はスキャナから荷物番号を取得し、プロセッサ8は荷物重量を荷物番号とともにクラウドプラットフォーム9にアップロードする。クラウドプラットフォーム9は荷物番号に基づいて対応する荷物の重量区間を見つけ、さらに荷物重量が重量区間内にあるか否かを判断する。荷物重量が重量区間内にある場合、クラウドプラットフォーム9は配送待ち情報を生成し、対応する荷物情報とともに物流チェーンに更新する。荷物重量が重量区間内にない場合、クラウドプラットフォーム9はプロセッサ8に警告命令を伝送する。プロセッサ8にブザーや点滅灯などの機器を設けて警告命令に応答させることで、より顕著な注意効果を奏する。
【0040】
図4を参照すると、第2組立装置3は同様に秤量プラットフォーム4を含む。第2組立装置3の秤量プラットフォームに同様に無線周波数リーダライタ5、走査モジュール6及びプロセッサ8が設けられている。第2組立装置3上の無線周波数リーダライタ5、走査モジュール6及びプロセッサ8は構造的に、機能的にいずれも第1組立装置2における無線周波数リーダライタ5、走査モジュール6及びプロセッサ8と一致しているが、第2組立装置3が荷受地に適用されるため、組立ボックス1及び荷物が正しく配送されているか否かを検証する必要があり、第2組立装置3上のプロセッサ8が第1組立装置2上のプロセッサ8と使用方法が異なるようになる。また、第2組立装置3の秤量プラットフォーム4に検証モジュール13が追加的に設けられている。検証モジュール13にそれぞれが対応する荷受人を表す電子タグが設けられている。
【0041】
配送者は組立ボックス1を開く前に、モバイル端末を用いて検証モジュール13から電子タグを取得する必要があり、取得方式は走査又はブルートゥース接続などの様々な近距離無線通信方式が可能である。電子タグで表される荷受人が確実に荷物に対応する荷受人である場合にのみ、組立ボックス1と第2組立装置3との間の通信接続が確立される。
【0042】
第2組立装置3上のプロセッサ8は無線周波数リーダライタ5から伝送された組立ボックス番号を受信し、かつ組立ボックス番号をクラウドプラットフォーム9に伝送するために用いられる。クラウドプラットフォーム9は組立ボックス番号が物流チェーンに記憶された組立ボックス番号と一致するか否かを確かめる。誤りがないことを確かめた後、プロセッサ8はさらにスキャナ及び検証モジュール13からそれぞれ荷物番号及び電子タグを取得し、かつ電子タグを荷物番号とともにクラウドプラットフォーム9に伝送し、クラウドプラットフォーム9は当該荷物番号に対応する配送待ち情報が存在するか否かを確認する。再確認に成功した後、クラウドプラットフォーム9は荷物の状態を署名済みに変更すると同時に配送完了情報を生成し、クラウドプラットフォーム9は電子タグ、配送完了情報及び荷物状態をともに物流チェーンに更新する。また、組立ボックス1が第2組立装置3から離脱する場合、第2組立装置3上のプロセッサ8は組立停止情報を送信しない。
【0043】
本願の実施例は物流情報更新方法を開示する。物流情報更新方法は以下を含む。
物流注文を取得し、物流注文に基づいて組立ボックス1の数を決定して配送ルートを計画し、組立ボックス1の組立ボックス番号は当該組立ボックス1に積み込むべき荷物の荷物情報に直接バインドされる。
【0044】
発送地で、配送者は組立ボックス1を第1組立装置2の秤量プラットフォーム4に置き、秤量プラットフォーム4上の無線周波数リーダライタ5は組立ボックス1上の無線周波数タグを読み取り、かつ読み取った組立ボックス番号をプロセッサ8に伝送する。プロセッサ8は組立ボックス番号をクラウドプラットフォーム9に伝送する。クラウドプラットフォーム9は組立ボックス番号を受信した後、プロセッサ8から送信された組立停止情報を受信するまでの期間を通信接続期間とし、クラウドプラットフォーム9がこの期間中に受信した荷物情報はいずれも現在の組立ボックス番号にバインドされる。期間の初めにクラウドプラットフォーム9は組立開始情報を物流チェーンに更新し、物流チェーンの状態は積み込み未開始から組立開始に交換される。
【0045】
組立ボックス1が第1組立装置2に一時的に置かれたり、第1組立装置2から一時的に離脱したりするだけで、クラウドプラットフォーム9が無駄な情報を繰り返し受信してしまうことを避けるために、組立ボックス1と第1組立装置2との接続規則を予め設定し、かつ接続規則に合わせるように第1組立装置2に計時モジュール10を設け、計時モジュール10内にカウントダウンのための第1計時時間及び第2計時時間が設けられている。接続規則は具体的には、組立ボックス1が第1組立装置2に置かれると、無線周波数リーダライタ5が無線周波数タグを認識でき、計時モジュール10が第1計時時間のカウントダウンを開始し、組立ボックス1が第1計時時間内で第1組立装置2から離脱しない限り、通信接続の確立に成功し、無線周波数リーダライタ5が読み取った組立ボックス番号をプロセッサ8に伝送することである。一方、第1予め設定された時間内で、組立ボックス1が第1組立装置2から離脱して無線周波数タグを無線周波数リーダライタ5の読み取り範囲から離脱させる場合、通信接続の確立に成功せず、無線周波数リーダライタ5は組立ボックス番号をプロセッサ8に伝送しない。また、通信接続を完了した組立ボックス1が第1組立装置2から離脱した場合には、通信接続は依然として維持され、計時モジュール10が第2計時時間のカウントダウンを開始し、第2計時時間のカウントダウンが終了した後にのみ、通信接続が切断されたと見なされ、第2計時時間が完了する前に、無線周波数タグは無線周波数リーダライタ5の読み取り範囲に再び戻ると、計時モジュール10は計時を停止し、組立ボックス1と第1組立装置2との通信接続を維持する。
【0046】
もちろん配送者が待ち時間を減らすために手動で操作命令を入力することで通信接続を素早く確立することもできる。
【0047】
通信接続を完了すると、当該組立ボックス1に属する荷物を選別して第1組立装置2に輸送し、さらに荷物の検証及び配送者の検証を行う。荷物の検証方法は、まずスキャナを用いて荷物上の認識タグを走査して秤量を行うことである。プロセッサ8は荷物コード及び荷物重量をクラウドプラットフォーム9に転送する。クラウドプラットフォーム9は荷物コードに基づいて対応する荷物情報にマッチングし、かつ荷物重量が対応する荷物重量区間内にあるか否かを判断する。荷物の重量に誤りがなければ、クラウドプラットフォーム9は荷物情報を現在の組立ボックス1に対応する物流チェーンに更新し、かつプロセッサ8にフィードバックして配送者に通知し、配送者は秤量に誤りのない荷物を組立ボックス1内に置く。称重重量が記入された重量区間と一致しない荷物は、返品又は輸送費の精算が行われる。
【0048】
配送者の検証方法は、配送者が第1組立装置2上のカメラを操作して自分を撮影することである。撮影された画像情報はクラウドプラットフォーム9に自動的に伝送されて検証される。検証に成功すると、クラウドプラットフォーム9は対応する配送者情報を組立ボックス番号にバインドする。
【0049】
通信接続期間中、クラウドプラットフォーム9は検証に成功した配送者情報を対応する荷物番号に対応する物流チェーンに自動的に入力する。実際の組立過程では、配送者の検証及び荷物の検証の順序は要求されず、通信接続期間中に完了すればよい。
【0050】
現在の組立ボックス1に対応する荷物が全て組立ボックス1に積み込まれた後、配送者は組立ボックス1を第1組立装置2から取り外し、通信接続が切断され、プロセッサ8はクラウドプラットフォーム9に組立停止情報を伝送する。
【0051】
クラウドプラットフォーム9は組立停止情報を受信すると、荷物情報の配送先を統計し、配送者の配送ルートを自動的に計画する。配送者はモバイル端末を介してクラウドプラットフォーム9にアクセスして配送ルートを把握する。
【0052】
同一の組立ボックス1内に1つの荷物しか組み立てられていない場合には、物流チェーンの始点は発送地であり、終点は当該荷物の配置先に対応する荷受地である。同一の組立ボックス1内に複数の荷物が組み立てられている場合には、発送地から最も遠い荷受地が物流チェーンの終点となり、残りの荷受地が物流チェーンの中間ノードとなる。クラウドプラットフォーム9が荷受人に表示する物流チェーンは発送地から対応する荷受先までの間のこの区間の物流チェーンのみを表示し、後続の物流チェーンは全て表示されない。
【0053】
配送者が配送を行う際に、複数の組立ボックス1を一度に輸送することが多く、輸送を容易にするために、配送者は輸送手段を用いて全ての組立ボックス1を積載する。そして、荷受地に到着すると、配送者は1群の組立ボックス1から現在の荷受地に対応する組立ボックス1を見つけて確かめ、さらに誤りがないことを確かめられた組立ボックス1を輸送手段から荷受地内に運搬する必要がある。
【0054】
そして配送者は荷受地の第2組立装置3を検証し、検証方式は、配送者がモバイル端末を用いて検証モジュール13から電子タグを取得し、当該電子タグで表される荷受人が物流チェーンに表示された荷受人であるか否かを判断することである。誤りがなければ、荷受人の番になって組立ボックス1と荷物に誤りがないかを検証し、検証方式は組立ボックス1を介して第2組立装置3と通信接続を確立し、第2組立装置3は同様にスキャナ、無線周波数リーダライタ5を介して組立ボックス番号及び荷物情報を取得し、かつクラウドプラットフォーム9上で組立ボックス番号及び荷物情報が正確であるか否かを確かめることである。検証過程で、まず組立ボックス番号を確認し、確認に成功した後、さらに組立ボックス1を開いて荷物を確認し、組立ボックス番号が間違っている時に余計な操作をすることを避ける。一方、荷物検証の過程で、プロセッサ8はクラウドプラットフォーム9に荷物コードを伝送するほか、電子タグを付加する。荷物も誤りがないことが確かめられると、クラウドプラットフォーム9は自動的に荷物の状態を署名済みに変更し、かつ電子タグを物流チェーンに更新し、電子タグを介して荷受人の署名証明とする。
【0055】
以上はいずれも本願の好適な実施例であり、これによって本願の保護範囲が制限されるものではないので、本願の構造、形状、原理に基づく等価な変化は全て本願の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0056】
1...組立ボックス、11...筐体、12...近距離通信モジュール、2...第1組立装置、3...第2組立装置、4...秤量プラットフォーム、5...無線周波数リーダライタ、6...走査モジュール、7...撮像モジュール、8...プロセッサ、9...クラウドプラットフォーム、10...計時モジュール、13...検証モジュール。
【要約】 (修正有)
【課題】配送者の作業量を軽減できる物流情報更新方法、システム及び組立ボックスを提供する。
【解決手段】組立ボックスが第1組立装置に置かれた後、第1組立装置が組立開始情報及び組立ボックス情報を物流チェーンに更新するように、近距離通信モジュールを介して第1組立装置と通信接続を確立するステップと、配送者が荷物を組立ボックスに置く過程で、荷物情報を取得し、かつ荷物情報を物流チェーンに更新するステップと、配送者が荷物を組立ボックスに置いた後、配送待ち情報を物流チェーンに更新するステップと、組立ボックスが第2組立装置に置かれた後、第2組立装置が組立ボックス情報及び荷物情報を取得するステップと、荷物が取り出されると、配送完了情報を物流チェーンに更新するステップと、を含む。配送者が手動で入力せずに、荷物情報、組立ボックス情報及び対応する配送状態を全て物流チェーンに自動的に入力する。
【選択図】
図1