IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 紀伊産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-凹凸模様付加飾成形体およびその製法 図1
  • 特許-凹凸模様付加飾成形体およびその製法 図2
  • 特許-凹凸模様付加飾成形体およびその製法 図3
  • 特許-凹凸模様付加飾成形体およびその製法 図4
  • 特許-凹凸模様付加飾成形体およびその製法 図5
  • 特許-凹凸模様付加飾成形体およびその製法 図6
  • 特許-凹凸模様付加飾成形体およびその製法 図7
  • 特許-凹凸模様付加飾成形体およびその製法 図8
  • 特許-凹凸模様付加飾成形体およびその製法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】凹凸模様付加飾成形体およびその製法
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
A45D40/00 P
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2016254700
(22)【出願日】2016-12-28
(65)【公開番号】P2018102775
(43)【公開日】2018-07-05
【審査請求日】2019-10-30
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000158781
【氏名又は名称】紀伊産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079382
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123928
【弁理士】
【氏名又は名称】井▲崎▼ 愛佳
(74)【代理人】
【識別番号】100136308
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 優子
(72)【発明者】
【氏名】片山 就介
(72)【発明者】
【氏名】小松 冨士夫
(72)【発明者】
【氏名】岡田 親典
(72)【発明者】
【氏名】馬場 裕
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】窪田 治彦
【審判官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-300336(JP,A)
【文献】特開平4-284299(JP,A)
【文献】特開2009-28986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D40/00
B23K26/00-26/70
B25H7/04
B44B3/00-3/06
B44C1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心軸Pを有しその回転中心軸Pを中心として環状に延びる周面を有する成形体を備え、上記成形体は樹脂成形体からなり、少なくとも上記成形体の周面に、周面の周方向に沿って連続的もしくは断続的に形成された凹部と、凹部が形成されていない部分とで構成された凹凸模様が設けられているとともに、
上記成形体の、凹凸模様が形成された周面に、金属薄膜層が形成されており、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で、上記金属薄膜層の一部が部分的に除去されて切欠き模様が形成されており、
上記周面を周方向にn分割した各所定領域における凹凸模様の凹部および切欠き模様における金属薄膜層の切欠き開口が、それぞれの所定領域を回転中心軸Pに対し真上に位置決めした状態において垂直下向きに形成されてることを特徴とする凹凸模様付加飾成形体。
【請求項2】
回転中心軸Pを有しその回転中心軸Pを中心として環状に延びる周面を有する成形体を備え、上記成形体は樹脂成形体からなり、少なくとも上記成形体の周面に、周面の周方向に沿って連続的もしくは断続的に形成された凹部と、凹部が形成されていない部分とで構成された凹凸模様が設けられているとともに、
上記成形体の、凹凸模様が形成された周面に、金属薄膜層が形成されており、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で、上記金属薄膜層の一部が部分的に除去されて切欠き模様が形成されており、
上記凹凸模様の凹部および切欠き模様における金属薄膜層の切欠き開口が、全て回転中心軸Pに向かって形成されてることを特徴とする凹凸模様付加飾成形体。
【請求項3】
回転中心軸Pを有しその回転中心軸Pを中心として環状に延びる周面を有する、樹脂成形体からなる成形体を準備する工程と、上記成形体の周面にレーザ照射を行い、その周面の表面部を部分的に除去して凹部を形成し、その凹部と、凹部が形成されていない部分とで凹凸模様を得る工程と、上記凹凸模様が形成された成形体の周面に、金属薄膜層を形成する工程と、上記金属薄膜層の一部を、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で部分的に除去することにより、切欠き模様を得る工程とを備えた凹凸模様付加飾成形体の製法であって、
上記凹凸模様を得る工程において、上記成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記成形体の周面を、周方向にn分割し、その分割された一つの所定領域に対し垂直方向にレーザ照射を行って凹部を形成する動作と、成形体を回動させて分割された所定領域を順次、レーザ照射を受ける位置に位置決めする動作とを交互に行うとともに、
上記切欠き模様を得る工程において、上記成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記成形体の周面を、周方向にn分割し、その分割された一つの所定領域に対し垂直方向にレーザ照射を行って上記金属薄膜層の一部に切欠き開口を形成する動作と、成形体を回動させて分割された所定領域を順次、レーザ照射を受ける位置に位置決めする動作とを交互に行うようにしたことを特徴とする凹凸模様付加飾成形体の製法。
【請求項4】
回転中心軸Pを有しその回転中心軸Pを中心として環状に延びる周面を有する、樹脂成形体からなる成形体を準備する工程と、上記成形体の周面にレーザ照射を行い、その周面の表面部を部分的に除去して凹部を形成し、その凹部と、凹部が形成されていない部分とで凹凸模様を得る工程と、上記凹凸模様が形成された成形体の周面に、金属薄膜層を形成する工程と、上記金属薄膜層の一部を、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で部分的に除去することにより、切欠き模様を得る工程とを備えた凹凸模様付加飾成形体の製法であって、
上記凹凸模様を得る工程において、上記成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記成形体を周方向に連続的に回動させながらレーザ照射を行って凹部を形成するとともに、
上記切欠き模様を得る工程において、上記成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記成形体を周方向に連続的に回動させながらレーザ照射を行って上記金属薄膜層の一部に切欠き開口を形成するようにしたことを特徴とする凹凸模様付加飾成形体の製法。
【請求項5】
上記切欠き模様を形成する工程において、成形体の周面における金属薄膜層の除去予定部にレーザ照射を行う際、成形体への凹凸模様形成時のレーザ照射データを利用して、切欠き模様を形成するようにした請求項3または4記載の凹凸模様付加飾成形体の製法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状に設けられた周面に凹凸模様が付与された凹凸模様付加飾成形体およびその製法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料を収容したコンパクト容器や口紅容器等には、単に機能性だけでなく、見栄えがよい、商品イメージを反映したデザインである、といった意匠性も要求される。このような要求に応えるために、例えば、コンパクト容器の蓋部に、アルミニウム蒸着等によって金属薄膜層を形成して金属光沢を与えたものや、複雑な色模様が印刷された転写シートを貼着したもの等、様々な技術を駆使して、容器外観のアイキャッチ効果を高めたものが提案されている。
【0003】
また、最近は、より複雑な模様を付与するために、上記金属薄膜層や転写シートの一部をレーザ照射によって除去し、その除去部から容器の地の部分や地の部分の上に形成された着色層を露出させて文字や図柄模様を形成することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。さらに、成形体の表面に予め凹凸模様を形成し、その上に金属薄膜層等の被覆層を形成した後、その凹凸模様の凹凸に合わせて、レーザ照射により被覆層を部分的に除去して、より印象的な凹凸模様を得ることが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-216417号公報
【文献】特開2006-334122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような表面加飾は、通常、成形体の表面が平面であるか、ごくなだらかな褶曲面であることを前提としている。すなわち、加飾しようとする対象面の反りが大きかったり凹凸面であったりすると、転写シートをきれいに貼着することができず、美麗な加飾を付与することができない。
【0006】
そこで、転写シートを用いることなく、化粧料容器として多用されている有底円筒体や有天円筒体の成形体の周面に、鮮明な凹凸模様を形成することや、鮮明な凹凸模様に被覆層を重ね、この被覆層をレーザ照射によって部分的に除去することが検討されている。例えば図9(a)に示すように、円柱状の成形体50の周面に、その中心軸に対し垂直な断面が放射状に形成された凸部51を得ることができれば、エッジが鋭角となって輪郭の鮮明な凹凸模様を付与することができる。また、このような凹凸模様に被覆層を設けてレーザ照射によって切欠き模様を付与すれば、より興趣に富む外観を得ることができる。
【0007】
しかしながら、図9(a)に示すような放射状の凸部が付いた形状を、例えば上下方向に開く金型を用いて射出成形しようとしても、凸部51の両縁部[図9(a)において、斜線Mで示す部分]がアンダーカットとなり、そのままでは脱型できないという問題がある。このため、スライド型を組み合わせた複雑な金型が必要となり、多大なコスト負担となる。
【0008】
また、図9(a)に示すような放射状の凸部がついた凹凸模様において、その表面に、鎖線で示すように、金属薄膜層のような被覆層52を形成し、その一部をレーザ照射によって除去して切欠き模様を形成する場合、上記アンダーカットとなる部分Mの下側の部分は、単一方向からのレーザ照射では、被覆層52を除去することができず、凹凸模様ときれいに重なった切欠き模様を得ることができないという問題がある。そのため、レーザ照射を、照射の方向を変えて繰り返し行うことも考えられるが、レーザ照射のための装置および入力するデータが複雑となり、実用的ではない。
【0009】
このため、従来は、例えば図9(b)に示すように、なだらかな傾斜面の凸部51’を組み合わせた凹凸模様を、射出成形やブロー成形等によって付与したものが主流であり、鮮明な、強い印象の凹凸模様を有する成形体を、低コストで提供することのできる技術の確立が求められている。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、環状の周面を有する成形体において、その周面に沿って鮮明で印象の強い凹凸模様が形成された凹凸模様付加飾成形体およびその製法の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明は、回転中心軸Pを有しその回転中心軸Pを中心として環状に延びる周面を有する成形体を備え、上記成形体は樹脂成形体からなり、少なくとも上記成形体の周面に、周面の周方向に沿って連続的もしくは断続的に形成された凹部と、凹部が形成されていない部分とで構成された凹凸模様が設けられているとともに、
上記成形体の、凹凸模様が形成された周面に、金属薄膜層が形成されており、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で、上記金属薄膜層の一部が部分的に除去されて切欠き模様が形成されており、上記周面を周方向にn分割した各所定領域における凹凸模様の凹部および切欠き模様における金属薄膜層の切欠き開口が、それぞれの所定領域を回転中心軸Pに対し真上に位置決めした状態において垂直下向きに形成されており、上記各凹部の開口端面と凹部底面とがなす角度と、上記各切欠き開口の開口端面と開口底面とがなす角度に、それぞれ規則的な統一性がある凹凸模様付加飾成形体を第1の要旨とする。
【0012】
また、本発明は、回転中心軸Pを有しその回転中心軸Pを中心として環状に延びる周面を有する成形体を備え、上記成形体は樹脂成形体からなり、少なくとも上記成形体の周面に、周面の周方向に沿って連続的もしくは断続的に形成された凹部と、凹部が形成されていない部分とで構成された凹凸模様が設けられているとともに、上記成形体の、凹凸模様が形成された周面に、金属薄膜層が形成されており、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で、上記金属薄膜層の一部が部分的に除去されて切欠き模様が形成されており、
上記凹凸模様の凹部および切欠き模様における金属薄膜層の切欠き開口が、全て回転中心軸Pに向かって形成されており、上記各凹部の開口端面と凹部底面とがなす角度と、上記各切欠き開口の開口端面と開口底面とがなす角度に、それぞれ規則的な統一性がある凹凸模様付加飾成形体を第2の要旨とする。
【0014】
そして、本発明は、回転中心軸Pを有しその回転中心軸Pを中心として環状に延びる周面を有する、樹脂成形体からなる成形体を準備する工程と、上記成形体の周面にレーザ照射を行い、その周面の表面部を部分的に除去して凹部を形成し、その凹部と、凹部が形成されていない部分とで凹凸模様を得る工程と、上記凹凸模様が形成された成形体の周面に、金属薄膜層を形成する工程と、上記金属薄膜層の一部を、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で部分的に除去することにより、切欠き模様を得る工程とを備えた凹凸模様付加飾成形体の製法であって、上記凹凸模様を得る工程において、上記成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記成形体の周面を、周方向にn分割し、その分割された一つの所定領域に対し垂直方向にレーザ照射を行って凹部を形成する動作と、成形体を回動させて分割された所定領域を順次、レーザ照射を受ける位置に位置決めする動作とを交互に行うとともに、上記切欠き模様を得る工程において、上記成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記成形体の周面を、周方向にn分割し、その分割された一つの所定領域に対し垂直方向にレーザ照射を行って上記金属薄膜層の一部に切欠き開口を形成する動作と、成形体を回動させて分割された所定領域を順次、レーザ照射を受ける位置に位置決めする動作とを交互に行うようにした凹凸模様付加飾成形体の製法を第3の要旨とする。
【0015】
また、本発明は、回転中心軸Pを有しその回転中心軸Pを中心として環状に延びる周面を有する、樹脂成形体からなる成形体を準備する工程と、上記成形体の周面にレーザ照射を行い、その周面の表面部を部分的に除去して凹部を形成し、その凹部と、凹部が形成されていない部分とで凹凸模様を得る工程と、上記凹凸模様が形成された成形体の周面に、金属薄膜層を形成する工程と、上記金属薄膜層の一部を、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で部分的に除去することにより、切欠き模様を得る工程とを備えた凹凸模様付加飾成形体の製法であって、上記凹凸模様を得る工程において、上記成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記成形体を周方向に連続的に回動させながらレーザ照射を行って凹部を形成するとともに、上記切欠き模様を得る工程において、上記成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記成形体を周方向に連続的に回動させながらレーザ照射を行って上記金属薄膜層の一部に切欠き開口を形成するようにした凹凸模様付加飾成形体の製法を第4の要旨とする。
【0017】
そして、本発明は、それらの製法のなかでも、特に、上記切欠き模様を形成する工程において、成形体の周面における金属薄膜層の除去予定部にレーザ照射を行う際、成形体への凹凸模様形成時のレーザ照射データを利用して、切欠き模様を形成するようにした凹凸模様付加飾成形体の製法を第の要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
すなわち、本発明の凹凸模様付加飾成形体は、回転中心軸Pを有しその回転中心軸Pを中心として環状に延びる周面を有する形状の成形体において、上記成形体が樹脂成形体からなり、その成形体の周面の周方向に沿って、連続的もしくは断続的に凹部が形成され、それによって凹凸模様が構成されている。そして、上記凹凸模様を構成する凹部が、凹凸模様が形成された周面を周方向にn分割した各所定領域において、それぞれ回転中心軸Pに対し特定の向きで形成されているか、全ての凹部が回転中心軸Pに向かって形成されている。なお、本発明において、「n分割する」とは仮想的に分割することをいう。
【0019】
この構成によれば、凹凸模様の凹部が、いずれも成形体の回転中心軸Pに対し特定の向きで形成されているため、凹部の開口端面と、凹部底面とがなす角度に、規則的な統一性がある。したがって、凹凸模様が、どの部分も鮮明で、非常に美麗で、強い印象を与えるものとなる。また、微細な点や線によって形成された凹部からなる繊細な絵柄や文字も、鮮明に表現されるため、従来にない、優れたアイキャッチ効果を発揮する。
【0020】
しかも、本発明では、特に、上記成形体の、凹凸模様が形成された周面に、金属薄膜層が形成されており、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で、上記金属薄膜層の一部が部分的に除去されて切欠き模様が形成されて、凹凸模様が付与されている部分の少なくとも一部に切欠き模様が付与されているため、凹凸模様と切欠き模様とが相俟って、複雑な立体感が付与されており、より印象的な外観を有したものとなる。
【0021】
また、本発明の第1の製法は、上記凹凸模様付加飾成形体を得る方法であって、上記凹凸模様を形成する工程において、成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記成形体の周面を、周方向にn分割し、その分割された一つの所定領域に対し垂直方向にレーザ照射を行い凹部を形成する動作と、成形体を回動させて分割された所定領域を順次、レーザ照射を受ける位置に位置決めする動作とを交互に行うようにしたものである。
【0022】
この製法によれば、成形体の全周にわたってレーザ照射加工を行う際、加工対象となる周面を、周方向にn分割してその分割領域ごとにレーザ照射を行うため、1回のレーザ照射のために取り扱う加工データの量が小さくなり、短時間で、断続的に処理を行うことができる。したがって、処理品を移動させるタイミングを短くすることができ、処理効率を高めることができる。ただし、レーザ照射が断続的になるため、そのレーザ照射の開始点と終了点において凹凸模様がずれないよう注意を要する。
【0023】
さらに、本発明の第2の製法は、同じく上記凹凸模様付加飾成形体を得る方法であって、上記凹凸模様を得る工程において、成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、成形体を周方向に連続的に回動させながらレーザ照射を行い切欠き開口を形成するようにしたものである。
【0024】
この製法によれば、成形体の全周にわたってレーザ照射加工を行う際、加工対象となる周面を、連続的に回動させながらレーザ照射を行うため、上記第1の製法のように、加工が途切れた境界部における凹凸模様のずれを気にする必要がなく、周面のどの部分についても美麗な仕上がりとなる。ただし、凹凸模様のデザインによっては、1回のレーザ照射のために取り扱う加工データの量が膨大になり、1回の処理に時間がかかるため、切欠き模様のデザインや要求される単位時間当たりの処理量に応じて、上記第1の製法と、この第2の製法とを使い分けることが望ましい。
【0025】
しかもれらの製法において、特に、上記凹凸模様が形成された成形体の周面に、金属薄膜層を形成する工程と、上記金属薄膜層の一部を、上記凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で部分的に除去することにより、切欠き模様を形成する工程とを備えているため、凹凸模様と切欠き模様とが重なった、より印象深い模様の加飾成形体を、簡単に得ることができる
【0026】
そして、それらの製法のなかでも、特に、上記切欠き模様を形成する工程において、上記金属薄膜層が形成された成形体を、その回転中心軸Pを中心として回転自在に支受し、上記金属薄膜層が形成された成形体の周面を、周方向に連続的もしくは所定角度ずつ断続的に回動させながら、成形体の周面における金属薄膜層の除去予定部にレーザ照射を行う際、成形体への凹凸模様形成時のレーザ照射データを利用して、切欠き模様を形成するようにしたものは、凹凸模様と切欠き模様が高い位置精度で重なるものを、簡単に得ることができ、より好適である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施の形態である凹凸模様付加飾成形体を示す斜視図である。
図2】上記実施の形態の蓋部側周面の展開図である。
図3】(a)は上記実施の形態における凹凸模様の凸部に設けられた切欠き模様の説明図、(b)はその形成方法の説明図である。
図4】上記実施の形態における凹凸模様の凹部に設けられた切欠き模様の説明図である。
図5】上記実施の形態の、凹凸模様のみが付与された成形体を示す斜視図である。
図6】上記実施の形態の凹凸模様の形成に用いられる装置の説明図である。
図7】(a)は上記凹凸模様の形成方法の一例を示す模式的な説明図、(b)は上記凹凸模様の形成方法の他の例を示す模式的な説明図である。
図8】本発明の他の実施の形態の説明図である。
図9】(a)、(b)は、ともに従来の凹凸模様における問題点の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0029】
図1は、本発明をマスカラ容器の蓋部に適用した一実施の形態を示している。このマスカラ容器は、マスカラ液を収容する有底筒状の本体部1と、この本体部1の上端部に着脱自在に嵌合する有天筒状の蓋部2とを備えており、上記本体部1の外周面が、下にいくほどやや縮径されている。なお、上記蓋部2の内側には、下向きに延びるマスカラ塗布具が嵌入固定されているが、上記マスカラ塗布具に特別な特徴はなく、その図示と説明を省略する。
【0030】
上記マスカラ容器の本体部1と蓋部2は、ともに、赤色に着色された樹脂成形体[この例ではポリプロピレン樹脂(PP樹脂)]からなる成形体3の表面に、無色透明なアンダーコート層30を介して、アルミニウムを蒸着してなる金属薄膜層4が形成され、全体として金属光沢色が付与されている[図3(b)を参照]。
【0031】
上記蓋部2について、詳細に説明する。まず、蓋部2の側周面(以下、単に「周面」という)2aには、この面を展開して平面的に示す図2に示すように、下側に、花と花びらとを示す模様が、周囲から盛り上がってレリーフ状に形成されている(第1の凹凸模様T)。そして、花を示す部分には、斜線状のスリットからなる第1の切欠き模様Rが形成されている。また、上記第1の切欠き模様Rの上側には、周方向に連続して延びる、表面から凹んだ帯状領域が形成されている(第2の凹凸模様U)。そして、この帯状領域に、縦縞状のスリットからなる第2の切欠き模様Sが形成されている。
【0032】
上記第1の切欠き模様Rは、図3(a)に示すように、花を示す凹凸模様Tに対し、その膨らみに陰影をつけるかのように、部分的に形成されている。切欠き模様Rは、斜線状のスリット、すなわち1本1本が線状の切欠き開口5によって構成されており、各切欠き開口5では、金属薄膜層4が除去されて、その下の、無色透明なアンダーコート層30が露出し、その下の赤色に着色された成形体3の表面が透けて、赤い線としてみえている。
【0033】
また、上記第2の切欠き模様Sは、図4に示すように、帯状の凹凸模様Uの凹部内に、過不足なく延びる線状の切欠き開口5によって構成されており、各切欠き開口5では、上記切欠き模様Rと同様、金属薄膜層4が除去されて、その下の、透明なアンダーコート層30が露出し、その下の赤色に着色された成形体3の表面が透けて、赤い線としてみえている。
【0034】
上記蓋部2は、例えばつぎのようにして得ることができる。すなわち、まず、樹脂材料として赤色に着色されたPP樹脂を用い、図5に示すように、蓋部2の周面2aとなる外周面に花や花びらを立体的に示すレリーフ調の凹凸模様Tおよび帯状の凹部からなる凹凸模様Uが形成された有底筒状の成形体3を準備する。
【0035】
上記成形体3は、この成形体3より一回り大きな外周形状を有する有底筒状の凹凸加工用の予備成形体3'(図5において鎖線で示す)にレーザ照射を行い、その外周面を部分的に揮発除去して、凹凸模様T、Uを形成することによって得ることができる。なお、レーザ照射による予備成形体3’の外周面凹凸加工は、レーザ装置に予め加工する位置のデータを入力しておき、それに基づいてレーザ光を断続的に走査させることによって行われる。
【0036】
上記レーザ照射は、例えば図6に示すような装置を用い、予備成形体3’を回転させながら行うことが好適である。より詳しく説明すると、この装置は、予備成形体3’を水平に支受するワーク支受部11と、上記ワーク支受部11に支受された予備成形体3’に回転動作を与えるモータ12とを備えている。
【0037】
上記ワーク支受部11は、予備成形体3’の中空部と嵌合して予備成形体3’の開口側を支受する支持軸11aと、予備成形体3'の天面中心を押し付け保持する押さえ軸11bとで構成されており、この両者によって、予備成形体3'が水平に支受されるようになっている。そして、上記支持軸11aの外周面と、予備成形体3'の開口部内周面には、互いに係合する周り止め部が設けられており(図示せず)、モータ12からの回転がこの支持軸11aに伝達されると、予備成形体3’が支持軸11aと一体的に回転するようになっている。
【0038】
また、上記ワーク支受部11の上方には、レーザ装置の出力部13が配置されており、矢印で示すように、ワーク支受部11によって支受された予備成形体3’の表面に向かって垂直にレーザ光が照射されるようになっている。
【0039】
そして、例えば図7(a)に示すように、予備成形体3’の表面を周方向に3分割し、まず、周面全体の1/3の領域に対し、真上からレーザ照射を行い、部分的に凹凸模様T、Uを形成する(図2でX1として示す部分の、金属薄膜層4が形成されていない状態)。つぎに、予備成形体3’を120°回転させて同様にレーザ照射を行い、図2でX2として示す部分(金属薄膜層4が形成されていない状態)の加工を行う。さらに、予備成形体3’を120°回転させて同様にレーザ照射を行い、図2にX3として示す部分(金属薄膜層4が形成されていない状態)の加工を行う。なお、Pは回転中心軸である[図7(b)も同じ]。
【0040】
このようにして、予備成形体3’の周面全体に加工を施して、周面に凹凸模様T、Uが形成された成形体3を得ることができる。その周面に形成された凹凸模様T、Uの凹部は、図7(a)に示すように、3分割された周面の部分が、それぞれ真上に配置された状態でレーザ照射を受けるため、その配置において、垂直下向きに形成される。
【0041】
なお、予備成形体3’の表面にレーザ照射を行う際、上記のように、予備成形体3’の表面を周方向にn分割(上記の例では3分割)し、予備成形体3’を(360/n)°ずつ回転させて、n回のレーザ照射を断続的に行うと、1回のレーザ照射のために取り扱う加工データの量が、全周を一度に加工する場合の1/nとなり、短時間での断続処理となる。したがって、処理品の搬送等のタイミングを短くすることができ、生産効率を高めることができる。ただし、レーザ照射が断続的になるため、そのレーザ照射の開始点と終了点において、凹凸模様がずれないよう注意を要する。
【0042】
そして、予備成形体3’(成形体3)の材質によっては、レーザ照射時に生じる乱反射光が、凹凸模様の凹部内の側面に当たって凹部形状を予定外の形状に変形させるおそれがある。そこで、レーザの種類、予備成形体3’の材質等を勘案して、1回のレーザ照射領域を広く設定しすぎないよう注意を要する。
【0043】
このような観点から、レーザ照射をn回に分けて断続的に行う場合、通常、nは3以上に設定することが好ましく、より好ましくは4以上である。
【0044】
また、予備成形体3’の表面にレーザ照射を行う際、上記のように、レーザ照射をn回に分けて断続的に行うのではなく、図7(b)に示すように、予備成形体3’を回転しながらレーザ照射を行い、周面全体に対し連続的に凹凸模様を形成することもできる。このようにして得られた凹凸模様T、Uの凹部は、図示のように、全て回転中心軸Pに向かって形成される。
【0045】
この方法によれば、上記のようにレーザ照射を断続的に行う場合とは異なり、加工が途切れた境界部における凹凸模様のずれを気にする必要がなく、周面のどの部分についても美麗な仕上がりとなる。ただし、凹凸模様T、Uのデザインによっては、1回のレーザ照射のために取り扱う加工データの量が膨大になり、1回の処理に時間がかかるため、凹凸模様のデザインや要求される単位時間当たりの処理量に応じて、上記のように、n分割して断続的にレーザ照射を行うか、1回で全周の加工を連続的に行うかを使い分けることが望ましい。
【0046】
つぎに、上記凹凸模様T、Uが形成された成形体3の天面と周面に、アンダーコート用の無色透明な樹脂組成物を用いてアンダーコート層30を形成する。そして、上記アンダーコート層30の表面にアルミニウムを蒸着して、金属薄膜層4を形成する。蒸着は、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング等、適宜の蒸着方法を用いて行うことができる。
【0047】
つぎに、上記金属薄膜層4の所定部分にレーザ照射を行い、図3(b)に示すように、金属薄膜層4を部分的に揮発除去して、切欠き模様R、Sを形成する[図2図3(a)を参照]。なお、レーザ照射による金属薄膜層4の除去加工も、上記成形体3を得るための凹凸加工と同様、レーザ装置に予め加工する位置のデータを入力しておき、それに基づいてレーザ光を断続的に走査させることによって行われる。したがって、レーザ照射によって凹凸模様T、Uを形成した際の加工データを、切欠き模様R、Sを形成するときの加工データに利用すれば、煩雑な調整を行うことなく、凹凸模様T、Uに対し、的確な配置で切欠き模様R、Sを形成することができ、好適である。
【0048】
上記金属薄膜層4に対するレーザ照射も、予備成形体3’に対するレーザ照射の場合と同様、図6に示すような装置を用い、金属薄膜層4が形成された成形体3を回転させながら行うことが好適である。この場合も、金属薄膜層4が形成された成形体3に対するレーザ照射をn回に分けて断続的に行い、周面の1/nずつ切欠き模様を形成する方法と、金属薄膜層4が形成された成形体3を回転しながらレーザ照射を行い、周面全体に対し連続的に切欠き模様R、Sを形成する方法とを、適宜選択することができる。
【0049】
なお、上記レーザ照射を断続的に行って切欠き模様R、Sを得る場合、その切欠き開口5は、図7(a)に示す凹凸模様T、Uの凹部と同様、n分割された周面の部分が、それぞれ真上に配置された状態でレーザ照射を受けるため、その配置において、垂直下向きに形成される。
【0050】
また、上記レーザ照射を連続的に行って切欠き模様R、Sを得る場合、その切欠き開口5は、図7(b)に示す凹凸模様T、Uの凹部と同様、全て回転中心軸Pに向かって形成される。
【0051】
このようにして得られた蓋部2は、全体が、金属薄膜層4によって金属光沢をしており、その周面2aの一部が盛り上がって、花と花びらの模様がレリーフ状の凹凸模様Tが形成されている。また、周方向に凹部が延びる帯状の凹凸模様Uが形成されている。そして、上記凹凸模様Tと部分的に重なって、その凹凸を強調するかのように、赤い斜線状のスリットからなる切欠き模様Rが形成され、その凹凸が強調されている。また、上記凹凸模様Uと完全に重なる配置で、その凹部内に赤い縦縞状のスリットからなる切欠き模様Sが形成されているため、周方向に動きのある、統一感のあるデザインとなっている。
【0052】
特に、上記凹凸模様T、Uの各凹部と、切欠き模様R、Sの各切欠き開口5が、いずれも成形体3の回転中心軸P(図5参照)に対し特定の向きで形成されているため、互いに重なり合う凹凸模様T、Uの凹部端面の角度と、金属薄膜層4の切り欠かれた開口端面が露出した開口面となす角度とが、ともに規則的で、しかも鮮明である。したがって、凹凸模様T、Uの凹凸が鮮明であるだけでなく、切欠き模様R、Sが、微細な斜線や縦縞によって構成されているにもかかわらず、どの部分も鮮明に表現されており、全体的に優れたアイキャッチ効果を発揮する。
【0053】
そして、上記凹凸模様T、Uの凹凸が、抜き勾配の関係で鮮明に得られないようなデザインである場合、複雑な金型を用いることなく、簡単にデザイン通りの凹凸模様を得ることができるため、とりわけ好適である。しかも、上記の例のように、成形体3の表面に金属薄膜層4を形成し、この金属薄膜層4をレーザ照射によって除去加工して切欠き模様R、Sを形成する場合、凹凸模様T、Uを形成したときの加工データを、切欠き模様R、Sを形成するときの加工データに利用することができるため、煩雑な調整を行うことなく、凹凸模様T、Uに対し、的確な配置で切欠き模様R、Sを形成することができる。
【0054】
さらに、上記の例では、上記切欠き模様R、Sによって、蓋部2の周面2aが、滑らかな金属薄膜層4で完全に被覆されているのではなく、ところどころ、斜線状もしくは縦縞状のスリットによるざらつきが付与されているため、蓋部2を本体部1から外すときや、この蓋部2から延びる塗布具(図示せず)を利用してまつげにマスカラ液を塗布するときに、蓋部2が滑らず、使い勝手がよいという利点を有する。
【0055】
なお、上記の例において、成形体3の材質は、PP樹脂に限るものではなく、成形可能な各種の合成樹脂を用いることができる。なかでも、上記PP樹脂の他、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル-スチレン(AS)樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)等を用いることが、成形性、耐久性、軽量性の点で好ましい。そして、上記成形体3の色は、赤色に限らず、マスカラ容器全体のデザインに応じて選択され、透明、不透明を問わず、また有色、無色も問わない。
【0056】
また、上記の例では、金属薄膜層4を、アルミニウムの蒸着によって形成したが、金属の種類は、アルミニウムに限らず、ステンレス等、他の金属材料からなる薄膜であってもよい。また、金属薄膜層4の上に、ホログラム形成層やパール調付与層、無色または有色のミドルコート層、無色または有色のトップコート層等をさらに形成したものであってもよい。これらの場合、より複雑な金属光沢色調を得ることでき、デザインの幅が広がる。あるいは、成形体3と金属薄膜層4の間に設けたアンダーコート層30を着色してもよい。この場合、切欠き模様R、Sにおいては、着色されたアンダーコート層30の表面が露出するため、成形体3の色ではなくアンダーコート層30の色が、切欠き開口5[図3(b)、図4を参照]からみえることとなる。また、成形体4とアンダーコート層30の間に他の着色層や部分的な模様となる層が形成され、それらの層が、透明なアンダーコート層30から透けてみえるようになっていてもよい。
【0058】
そして、本発明において、凹凸模様を形成するために用いられるレーザとしては、樹脂に対し揮発除去作用を有するものであれば、特に限定されるものではなく、各種のレーザを用いることができる。例えば、CO2レーザ、エキシマレーザ、半導体レーザ等があげられ、なかでもCO2レーザが、制御性、仕上がり性において好適である。
【0059】
また、上記の例のように、凹凸模様T、Uの上に金属薄膜層4を形成し、この金属薄膜層4にレーザ照射を行って切欠き模様R、Sを形成する場合のレーザも、金属に対し揮発除去作用を有するものであれば、特に限定されるものではなく、各種のレーザを用いることができる。例えば、YAGレーザ、YVO4レーザ、半導体レーザ等が好適に用いられる。
【0060】
なお、上記の例は、全体が略円柱状のマスカラ容器の蓋部2に本発明を適用したが、本発明が対象とする成形体は、必ずしも回転中心軸Pを中心とする完全な回転体である必要はなく、例えば三角柱や四角柱のような多角柱であってもよい。また、円柱や角柱において、軸方向に緩やかな湾曲やテーパを有するものであっても差し支えない。
【0061】
そして、上記マスカラ容器や口紅容器の蓋部や本体部のように、軸方向に長い周面を有するものの他、例えば図8に示すように、平面視四角状のコンパクト容器(もちろん平面視が円形や楕円形等のコンパクト容器であってもよい)において、その蓋部20もしくは本体部21の側面となる周面に、連続的もしくは断続的に凹凸模様T'を施す場合にも、本発明を適用することができる。とりわけ、凹凸模様T'の凹凸形状が、抜き勾配の関係で鮮明な凹凸とならない場合や、金型が複雑になって製作が困難な場合、上述のように、回転中心軸Pを中心として、図8において矢印で示すように回転させながらレーザ照射を行うことによって凹凸模様を得ることが好適である。
【0062】
さらに、本発明は、マスカラ容器や口紅容器、コンパクト容器、といった化粧料容器への加飾だけでなく、周面への美麗な加飾が求められる、各種の樹脂成形品に広く適用可能である。例えば、携帯電話、文房具、家電製品、玩具、各種ケース等に応用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、美麗な凹凸模様が周面に連続的もしくは断続的に形成され、しかもその凹凸模様の少なくとも一部と重なる配置で、金属薄膜層による切欠き模様が形成された、興趣に富む加飾成形体およびその製法に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
2 蓋部
2a 周面
3 成形体
T、U 凹凸模様
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9