(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】圧延機
(51)【国際特許分類】
B21B 31/18 20060101AFI20220706BHJP
B21B 13/14 20060101ALI20220706BHJP
B21B 29/00 20060101ALI20220706BHJP
B21B 31/02 20060101ALI20220706BHJP
B21B 37/42 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
B21B31/18 Z
B21B13/14 G
B21B29/00 A
B21B31/02 B
B21B37/42
(21)【出願番号】P 2021553263
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2019041943
(87)【国際公開番号】W WO2021079498
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314017543
【氏名又は名称】Primetals Technologies Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】堀井 健治
(72)【発明者】
【氏名】杉本 達則
(72)【発明者】
【氏名】大和田 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】佐古 彰
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩明
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特公昭63-055369(JP,B2)
【文献】特開2000-015310(JP,A)
【文献】特開平02-070311(JP,A)
【文献】国際公開第2011/122069(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向にシフトするロールと、
前記ロールと共に前記ロールの軸方向にシフトし、前記ロールからの荷重を受ける軸受と、
前記軸受に対して鉛直方向にベンディング力を与えて前記ロールをベンディングさせる3以上の第1シリンダと、を備え、
前記軸受および前記第1シリンダは前記ロールの駆動側および操作側のいずれも備えられており、
圧延材の入側又は出側に、前記第1シリンダが前記ロールの軸方向に2つ設けられるとともに、
前記圧延材の出側又は入側のうち、前記第1シリンダが2つ設けられた側とは反対側に、前記第1シリンダが1つ設けられ、
前記圧延材の出側又は入側から見たときに、前記2つの前記第1シリンダの間に前記反対側の前記第1シリンダが位置している
ことを特徴とする圧延機。
【請求項2】
請求項1に記載の圧延機において、
前記2つの前記第1シリンダのうち1つ以上が、前記軸受の中心がシフトする範囲よりも外側に配置される
ことを特徴とする圧延機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の圧延機において、
前記圧延機のハウジングの前記圧延材の入側又は出側のうち少なくともいずれか一方に固定されており、前記第1シリンダが設けられている固定部材と、
前記固定部材のうち、前記入側又は前記出側の何れか一方に、前記軸受に対して圧延方向、あるいは圧延方向とは逆側に押圧力を加える第2シリンダと、を更に備えた
ことを特徴とする圧延機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧延機において、
前記入側又は前記出側の何れか一方に、前記軸受に対して圧延方向、あるいは圧延方向とは逆側に押圧力を加える第2シリンダを更に備え、
前記第2シリンダは、前記圧延機を前記圧延材の出側又は入側から見たときに、前記2つの前記第1シリンダの間、又は前記1つの前記第1シリンダの前記軸方向の両側に配置される
ことを特徴とする圧延機。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の圧延機において、
前記第1シリンダを駆動する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、前記2つの前記第1シリンダのうち前記軸方向の外側に設けられた前記第1シリンダと前記1つの前記第1シリンダとを結ぶ直線と前記ロールの軸線との交点よりも前記軸方向の外側、又は前記2つの前記第1シリンダのうち前記軸方向の内側に設けられた前記第1シリンダと前記1つの前記第1シリンダとを結ぶ直線と前記ロールの軸線との交点よりも前記軸方向の内側に前記軸受の中心が配置されている時、且つ前記ロールのベンディング時に、前記2つの前記第1シリンダの何れか1つと、前記反対側に設けられた前記第1シリンダを駆動するように構成された
ことを特徴とする圧延機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の圧延機において、
前記第1シリンダを駆動する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、前記ロールのベンディング時に、前記2つの前記第1シリンダの合計出力と、前記反対側に設けられた前記第1シリンダの出力との差が所定範囲内となるように構成された
ことを特徴とする圧延機。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の圧延機において、
前記2つの前記第1シリンダの間に、更に前記軸受に対して鉛直方向にベンディング力を与えて前記ロールをベンディングさせる第3シリンダを更に備えた
ことを特徴とする圧延機。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の圧延機において、
前記反対側に設けられた1つの前記第1シリンダから前記軸方向の外側の位置に、前記軸受に対して鉛直方向にベンディング力を与えて前記ロールをベンディングさせる第4シリンダを1つ以上更に備え、
前記圧延機を前記圧延材の出側又は入側から見たときに、前記反対側に設けられた前記第1シリンダと前記第4シリンダとの間に前記2つの前記第1シリンダのうちの1つが配置される
ことを特徴とする圧延機。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の圧延機において、
前記圧延機は、前記圧延材に接触する作業ロールと、前記作業ロールに接触する中間ロールと、を備えており、
前記ロールが前記中間ロールである
ことを特徴とする圧延機。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の圧延機において、
前記圧延機のハウジングの前記圧延材の入側又は出側のうち少なくともいずれか一方に固定されており、前記第1シリンダが設けられている固定部材と、
圧延材に接触する作業ロールの軸受に前記第1シリンダと反対方向のベンディング力を与えて前記作業ロールをベンディングさせる第5シリンダと、を更に備えた
ことを特徴とする圧延機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延機に関する。
【背景技術】
【0002】
軸受に対する極端な偏荷重の発生を防止することができ、軸受の耐用寿命の長期化およびロールシフト量の拡大、ひいては圧延材の形状修正能力の向上が図れる圧延機の一例として、特許文献1には、圧延用ロールの軸受に作用するベンデイング力の合力がその軸受の長手方向中心位置に常時作用するべく、ロール軸方向に沿つて配置される複数のベンデイング用シリンダの各圧力を調整可能としていること、即ち、例えば軸受の長手方向中心に近接するシリンダの液圧を大きく、軸受の長手方向に近接していない側のシリンダの液圧を小さく設定し、これによりベンディング力の作用位置が異なっても、軸受に対しては軸受の長手方向の中心にベンディング力の合力を作用させる、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧延ロールをロール軸方向に移動させるシフト機能と、ロールの軸受に軸直角方向の加圧力を作用させるベンディング機能とを有し、ロールの移動とベンディング力との関連作用によって圧延材の形状制御を行う圧延機が知られている。
【0005】
このような圧延機では、シフトするロールの位置によって軸受とベンディング用シリンダとの位置が変わって軸受に偏荷重が作用すると、軸受の寿命が短くなる場合があり、特にシフト量が大きいロールで顕著となる。
【0006】
軸受に作用する偏荷重を抑制して、軸受の寿命を長期化する技術の一例として、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1では、軸受に作用するベンディング力の合力がその軸受のロール軸方向の中央部分に作用するべく各シリンダ圧を調整可能としている。
【0007】
この圧延機ではロールのシフトに応じたベンディング用シリンダを多数必要とし、さらに、各々のシリンダの押圧力を調整するための機構が多数必要である。例えば、特許文献1では、一つの軸受に対して8つのシリンダと少なくとも4つの調整機構を必要としている。このような圧延機は部品点数が多くなるので、構造の簡素化という点で改良の余地がある。
【0008】
本発明は、従来の圧延機に比べて簡易な構造でも、軸受への偏荷重を低減可能な構造を有する圧延機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、軸方向にシフトするロールと、前記ロールと共に前記ロールの軸方向にシフトし、前記ロールからの荷重を受ける軸受と、前記軸受に対して鉛直方向にベンディング力を与えて前記ロールをベンディングさせる3以上の第1シリンダと、を備え、前記軸受および前記第1シリンダは前記ロールの駆動側および操作側のいずれも備えられており、圧延材の入側又は出側に、前記第1シリンダが前記ロールの軸方向に2つ設けられるとともに、前記圧延材の出側又は入側のうち、前記第1シリンダが2つ設けられた側とは反対側に、前記第1シリンダが1つ設けられ、前記圧延材の出側又は入側から見たときに、前記2つの前記第1シリンダの間に前記反対側の前記第1シリンダが位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来の圧延機に比べて簡易な構造でも、軸受への偏荷重を低減することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例1の圧延機を備えた圧延設備の概要を示す図である。
【
図2】実施例1の圧延機の概要を説明する正面図である。
【
図3】
図2のAーA’矢視断面の一部を示す図である。
【
図4】
図2のBーB’矢視断面の一部を示す図である。
【
図5】実施例1の圧延機のうち、中間ロール部分の詳細を説明する平面図である。
【
図6】実施例1の圧延機のうち、駆動側の軸方向内側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダのみ駆動した場合の第2シリンダの押圧力を説明する図である。
【
図7】実施例1の圧延機のうち、駆動側の軸方向外側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダのみ駆動した場合の第2シリンダの押圧力を説明する図である。
【
図8】本発明の実施例2の圧延機のうち、中間ロール部分の詳細を説明する平面図である。
【
図9】本発明の実施例3の圧延機のうち、中間ロール部分の詳細を説明する平面図である。
【
図10】本発明の実施例4の圧延機のうち、中間ロール部分の詳細を説明する平面図である。
【
図11】本発明の実施例5の圧延機のうち、中間ロール部分の詳細を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の圧延機の実施例を、図面を用いて説明する。
【0013】
<実施例1>
本発明の圧延機の実施例1について
図1乃至
図5を用いて説明する。
図1は本実施例1の圧延機を備えた圧延設備の概要を示す図、
図2は圧延機の概要を説明する正面図、
図3は
図2のAーA’矢視断面の一部を示す図、
図4は
図2のBーB’矢視断面の一部を示す図、
図5は中間ロール部分の詳細を説明する平面図である。
【0014】
最初に、本実施例の圧延機を備えた圧延設備の概要について
図1を用いて説明する。
【0015】
図1に示すように、圧延設備1は、圧延材5をストリップに熱間圧延する圧延機を複数備えており、圧延材5の入側から、第1スタンド10、第2スタンド20、第3スタンド30、第4スタンド40、第5スタンド50、第6スタンド60、第7スタンド70の7スタンドと、制御装置80と、を有している。このうち第1スタンド10、第2スタンド20、第3スタンド30、第4スタンド40、第5スタンド50、第6スタンド60、第7スタンド70の各々と制御装置80のうち各スタンドを制御する部分とが本発明でいう圧延機に相当する。
【0016】
なお、圧延設備1については、
図1に示すような7スタンドに限られず、最低2スタンド以上からなるものとすることができる。
【0017】
次に、本発明の圧延機の概要の一部について
図2を用いて説明する。なお、
図2では
図1に示す第7スタンド70を例に説明するが、本発明の圧延機は、
図1に示す第1スタンド10、第2スタンド20、第3スタンド30、第4スタンド40、第5スタンド50、第6スタンド60のうちいずれのスタンドにも適用することができる。
【0018】
図2において、本実施例の圧延機である第7スタンド70は、圧延材5を圧延する6段の圧延機であって、ハウジング700と、制御装置80と、油圧装置(図示省略)とを有している。
【0019】
ハウジング700は、上作業ロール710および下作業ロール711、これら上作業ロール710および下作業ロール711にそれぞれ接触することで支持する上中間ロール720,下中間ロール721を備えている。更に、上中間ロール720、下中間ロール721にそれぞれ接触することで支持する上補強ロール730、下補強ロール731を備えている。
【0020】
これらの各ロールのうち、上作業ロール710の軸方向の端部には、上作業ロール710と共にロールの軸方向にシフトし、ロールからの荷重を受ける軸受(図示の都合上省略)が駆動側および操作側のいずれにも設けられており、これらの軸受を上作業ロール軸受箱712により支持している。下作業ロール711も、同様に、軸方向の端部に軸受(図示省略)が駆動側および操作側のいずれにも設けられており、これらの軸受を下作業ロール軸受箱713により支持している。
【0021】
本実施例では、上作業ロール710は、操作側の上作業ロール軸受箱712を介して、
図3に示すようなシフトシリンダ715により、ロール軸方向にシフト可能に構成されている。同様に、下作業ロール711も、操作側の下作業ロール軸受箱713を介して、
図3に示すようなシフトシリンダ716により、ロール軸方向にシフト可能に構成されている。
【0022】
上中間ロール720は、その軸方向の端部に軸受790(
図5参照)が駆動側および操作側のいずれにも設けられており、これらの軸受790をそれぞれ上中間ロール軸受箱722A,722により支持している。下中間ロール721も、軸方向の端部に軸受(図示省略)が駆動側および操作側のいずれにも設けられており、これらの軸受をそれぞれ下中間ロール軸受箱723A,723により支持している。
【0023】
また、上中間ロール720は、駆動側の上中間ロール軸受箱722Aを介して、
図3に示すようなシフトシリンダ725により、ロール軸方向にシフト可能に構成されている。同様に、下中間ロール721も、駆動側の下中間ロール軸受箱723Aを介して、
図3に示すようなシフトシリンダ726により、ロール軸方向にシフト可能に構成されている。
【0024】
図2に戻り、入側固定部材702は圧延材5の入側のハウジング700に固定されており、圧延材5の出側には、この入側固定部材702に対向するように出側のハウジング700に出側固定部材703が固定されている。
【0025】
第7スタンド70では、
図2および
図4に示すように、操作側および駆動側のいずれにおいても、入側固定部材702の作業ロールベンディングブロック部714に設けられた上作業ロールベンディングシリンダ740と上中間ロールベンディングブロック部727に設けられた上作業ロールベンディングシリンダ742と、出側固定部材703に設けられた上作業ロールベンディングシリンダ741,743と、により上作業ロール軸受箱712を支持しており、適宜これらのシリンダを駆動することで上作業ロール710の軸受に対して鉛直方向にベンディング力を与えて上作業ロール710をベンディングさせることができるようになっている。
【0026】
同様に、
図2および
図4に示すように、操作側および駆動側のいずれにおいても、入側固定部材702に設けられた下作業ロールベンディングシリンダ744,746と、出側固定部材703に設けられた下作業ロールベンディングシリンダ745,747と、により下作業ロール軸受箱713を支持しており、適宜これらのシリンダを駆動することで下作業ロール711の軸受に対して鉛直方向にベンディング力を与えて下作業ロール711をベンディングさせることができるようになっている。
【0027】
上中間ロール720は、操作側および駆動側のいずれにおいても、入側固定部材702の上中間ロールベンディングブロック部727に設けられた上中間ロールベンディングシリンダ750と出側固定部材703の上中間ロールベンディングブロック部727に設けられた上中間ロールベンディングシリンダ751とにより上中間ロール軸受箱722,722Aを支持しており、適宜これらのシリンダを駆動することで軸受790に対して鉛直方向にベンディング力を与えて上中間ロール720をベンディングさせることができるようになっている。また、上中間ロールベンディングブロック部727には上作業ロールベンディングシリンダ742,743が入側および出側に設けられ、適宜これらのシリンダを駆動することで上作業ロール710をベンディングさせることができるようになっている。
【0028】
下中間ロール721も、操作側および駆動側のいずれにおいても、入側固定部材702の下中間ロールベンディングブロック部728に設けられた下中間ロールベンディングシリンダ752と出側固定部材703の下中間ロールベンディングブロック部728に設けられた下中間ロールベンディングシリンダ753とにより下中間ロール軸受箱723,723Aを支持しており、適宜これらのシリンダを駆動することで軸受790に対して鉛直方向にベンディング力を与えて下中間ロール721をベンディングさせることができるようになっている。また、下中間ロールベンディングブロック部728には下作業ロールベンディングシリンダ746,747が入側および出側に設けられ、適宜これらのシリンダを駆動することで下作業ロール711をベンディングさせることができるようになっている。
【0029】
これらのシリンダのうち、上作業ロールベンディングシリンダ740,741は圧延材5に接触する上作業ロール710の軸受に鉛直方向インクリース側(反圧延材側方向)にベンディング力を与えて上作業ロール710をベンディングさせるように配置されている(第1シリンダ)。また、上作業ロールベンディングシリンダ742,743は、軸受に上作業ロールベンディングシリンダ740,741と反対方向である鉛直方向デクリース側(圧延材側方向)のベンディング力を与えて上作業ロール710をベンディングさせるように配置されている(第5シリンダ)。
【0030】
同様に、下作業ロールベンディングシリンダ744,745は圧延材5に接触する下作業ロール711の軸受に鉛直方向インクリース側にベンディング力を与えて下作業ロール711をベンディングさせるように配置されている(第1シリンダ)。また、下作業ロールベンディングシリンダ746,747は、軸受に下作業ロールベンディングシリンダ744,745と反対方向のデクリース側のベンディング力を与えて下作業ロール711をベンディングさせるように配置されている(第5シリンダ)。
【0031】
上中間ロールベンディングシリンダ750,751は上中間ロール720の軸受790に対して鉛直方向インクリース側にベンディング力を与えてロールをベンディングさせるように配置されている(第1シリンダ)。
【0032】
下中間ロールベンディングシリンダ752,753は下中間ロール721の軸受790に対して鉛直方向インクリース側にベンディング力を与えてロールをベンディングさせるように配置されている(第1シリンダ)。
【0033】
図2、
図3および
図4に示すように、がた取りを目的として、圧延材5の入側の入側固定部材702に、上作業ロール軸受箱712のライナ(図示省略)を介して上作業ロール710に水平方向の力、具体的には圧延方向に押圧力を加えるように上作業ロール軸受箱がた取りシリンダ760が設けられている(第2シリンダ)。同様に、入側固定部材702には、下作業ロール軸受箱713のライナを介して下作業ロール711に圧延方向に押圧力を加えるように下作業ロール軸受箱がた取りシリンダ762が設けられている(第2シリンダ)。これにより、ロール軸方向に対して直交する方向で作業ロール等に所望の力を加えることができる。
【0034】
また、
図2、
図3および
図4に示すように、がた取りを目的として、圧延材5の出側の出側固定部材703に、上中間ロール軸受箱722A,722のライナを介して上中間ロール720に水平方向の力、すなわち圧延方向とは逆側に押圧力を加えるように上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771が設けられている(第2シリンダ)。同様に、出側固定部材703に、下中間ロール軸受箱723A,723のライナを介して下中間ロール721に対して圧延方向とは逆側に押圧力を加えるように下中間ロール軸受箱がた取りシリンダ773が設けられている(第2シリンダ)。
【0035】
図2に戻り、上補強ロール730の軸方向の端部に軸受(図示省略)が駆動側および操作側のいずれにも設けられており、これらの軸受を上補強ロール軸受箱732により支持している。下補強ロール731も、同様に、軸方向の端部に軸受(図示省略)が駆動側および操作側のいずれにも設けられており、これらの軸受を下補強ロール軸受箱733により支持している。
【0036】
また、
図2に示すように、入側のハウジング700に、上補強ロール軸受箱732を介して上補強ロール730に水平方向の力を加えるように上補強ロール軸受箱がた取りシリンダ780が設けられている。同様に、入側のハウジング700には、下補強ロール軸受箱733を介して下補強ロール731に水平方向の力を加えるように下補強ロール軸受箱がた取りシリンダ782が設けられている。
【0037】
油圧装置は、上述した各ベンディングシリンダやがた取りシリンダ、シフトシリンダ、あるいは圧延材5を圧延するための圧下力を上作業ロール710および下作業ロール711に加える圧下シリンダ(図示省略)等の各油圧シリンダに接続されており、この油圧装置は制御装置80に接続されている。
【0038】
制御装置80は油圧装置を作動制御して、上述した各ベンディングシリンダ等に圧油を給排することでそれらの各シリンダを駆動制御している。
【0039】
次に、
図5を用いて各ロールのうち、上中間ロール720に関係する構成について説明する。なお、上作業ロール710や下作業ロール711、下中間ロール721についても、上中間ロール720と同等の構成を有するものとすることができる。その詳細な構成は、上中間ロール720のものと略同じであるため、説明は省略する。
【0040】
本発明は、好適には
図5に示すような上中間ロール720、あるいは下中間ロール721に適用される。
【0041】
図5に示すように、本実施例では、上中間ロール720の駆動側と操作側の各々において、圧延材5の入側には、上中間ロールベンディングシリンダ750がロールの軸方向に2つ設けられている。また、圧延材5の出側には、上中間ロールベンディングシリンダ751が1つ設けられている。このうち、圧延材5の出側に設けられた上中間ロールベンディングシリンダ751は、圧延方向から見たときに、反対側の入側に設けられた2つの上中間ロールベンディングシリンダ750の間に位置するように配置される。
【0042】
更に、入側に設けられた2つの上中間ロールベンディングシリンダ750のうち、駆動側および操作側のいずれも、軸方向外側の上中間ロールベンディングシリンダ750は、シフトシリンダ725によりシフト機構725Aを介して上中間ロール720を軸方向にシフトさせたときに軸受790の中心がシフトする範囲よりも外側に配置されている。
【0043】
また、本実施例では、圧延材5の出側に配置された上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771は、圧延方向から見たときに、同じ出側に1つ設けられている上中間ロールベンディングシリンダ751の軸方向の両側に配置されている。
【0044】
特には、3つの上中間ロールベンディングシリンダ750,751の出力の作用位置と、2つの上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の出力の作用位置とが、それぞれ軸受790の軸方向の長さをLBとしたときに、軸受790の軸方向中心から軸方向外側にLB/4以内、かつ軸受790の軸方向中心から軸方向内側にLB/4以内、すなわち軸受790の軸方向中心のLB/2に収まるように配置されること、あるいは、および出力が制御されることが望ましい。
【0045】
より望ましくは、入側の2つの上中間ロールベンディングシリンダ750の中間位置と出側の2つの上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の中間位置はそれぞれ同じであるか近接していることが望ましい。この場合、出側の上中間ロールベンディングシリンダ751の軸方向位置は、入側の2つの上中間ロールベンディングシリンダ750の軸方向位置の中間、すなわち2つの上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の中間に位置していることがより望ましい。
【0046】
本実施例では、圧延材5の入側に配置されている上作業ロールベンディングシリンダ742は、駆動側および操作側のいずれも、軸方向に2つ設けられている上中間ロールベンディングシリンダ750の軸方向の間の位置に設けられている。
【0047】
これに対し、圧延材5の出側に配置されている上作業ロールベンディングシリンダ743は、駆動側および操作側のいずれも、上中間ロールベンディングシリンダ751の軸方向より内側の位置に設けられている。
【0048】
次に、本実施例の上中間ロールベンディングシリンダ750,751や上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の駆動制御の詳細について
図5や表1を参照して説明する。これらの駆動制御は、油圧装置を駆動制御する制御装置80により実行される。
【0049】
まず、ロールのベンディング時は、2つの第1シリンダの合計出力と、反対側に設けられた第1シリンダの出力との差が所定の範囲内となるように構成されている。好ましくはロール軸線上にロールベンディングシリンダの合力が作用するようにする。また、上中間ロール720のシフト位置によって、入側に配置されている2つの上中間ロールベンディングシリンダ750の何れか1つもしくは2つともと、反対側に設けられた第1シリンダとを駆動するように構成されている。
【0050】
ここで、上中間ロール720のシフト量、すなわち軸受790の軸方向中心のシフト量をLS(駆動方向側のシフト量をプラスとする)とする。
【0051】
【0052】
中間ロールがL
Sの間をシフトするとき軸受中心は
図5に示す区間A、B、Cに存在する。軸受中心が区間Cにあるときは、駆動側では、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750のうち、軸方向内側のシリンダは駆動させずに、軸方向外側の上中間ロールベンディングシリンダ750と出側の上中間ロールベンディングシリンダ751とを駆動する。
【0053】
駆動したシリンダを結んだ線とロール軸線との交点近傍に入側と出側の駆動したシリンダの出力合計が作用する。該シリンダの出力合計が作用する位置は軸受790の軸方向中心から軸方向外側にLB/4以内、かつ軸受790の軸方向中心から軸方向内側にLB/4以内、すなわち軸受790の軸方向中心のLB/2に収まるように配置している。
【0054】
従って、軸方向内側の入側の上中間ロールベンディングシリンダ750と出側の上中間ロールベンディングシリンダ751とを結ぶ直線とロール軸線との交点より軸方向外側にLB/4以内の位置に、区間Aと区間Bの境目が存在する。
【0055】
また、軸方向外側の入側の上中間ロールベンディングシリンダ750と出側の上中間ロールベンディングシリンダ751とを結ぶ直線とロール軸線との交点より軸方向内側にLB/4以内の位置に、区間Bと区間Cの境目が存在する。
【0056】
操作側では、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750のうち、軸方向外側のシリンダは駆動させずに、軸方向内側の上中間ロールベンディングシリンダ750と出側の上中間ロールベンディングシリンダ751とを駆動する。
【0057】
軸受中心が区間Aにあるときは、駆動側では、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750のうち、軸方向外側のシリンダは駆動させずに、軸方向内側の上中間ロールベンディングシリンダ750と出側の上中間ロールベンディングシリンダ751とを駆動する。
【0058】
操作側では、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750のうち、軸方向内側のシリンダは駆動させずに、軸方向外側の上中間ロールベンディングシリンダ750と出側の上中間ロールベンディングシリンダ751とを駆動する。
【0059】
軸受中心が区間Bにあるときは、駆動側および操作側のいずれでも、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750のいずれの出力をその合計が出側の上中間ロールベンディングシリンダの出力と同じになるように、1/2とするとともに、出側の上中間ロールベンディングシリンダ751を区間A,Cの場合と同様に駆動する。
【0060】
上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771については、表1における区間Cでは、駆動側では、軸方向内側のシリンダは駆動させずに、軸方向外側のシリンダのみを駆動する。操作側では、軸方向外側のシリンダは駆動させずに、軸方向内側のシリンダを駆動する。
【0061】
また、表1における区間Aは、駆動側では、軸方向外側のシリンダは駆動させずに、軸方向内側のシリンダのみを駆動する。操作側では、軸方向内側のシリンダは駆動させずに、軸方向外側のシリンダを駆動する。
【0062】
表1における区間Bでは、駆動側および操作側のいずれでも、2つのシリンダのいずれの出力を必要とする出力の1/2で駆動する。
【0063】
上記の例では上中間ロールベンディングシリンダ750,751の出力や上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の出力はON,1/2ON、OFFの3通りの場合について説明したが、各々の上中間ロールベンディングシリンダ750,751の出力、各々の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の出力をより細かく別個に調整して、より正確に軸受790の軸方向中心にベンディング力が加わるようにすることができる。以下、異なる出力制御の一例について説明する。
【0064】
以下、駆動側のみを例に説明する。操作側については軸方向の位置関係を逆にすることで対応可能であり、その詳細は省略する。
【0065】
軸受中心が区間Cにあるとき、2つの上中間ロールベンディングシリンダ750の合計出力にα1をかけた出力を軸方向外側の出力とし、該合計出力にα2をかけた出力を軸方向内側の出力とし、α1とα2の合計が1であり、合計出力の作用位置がほぼ軸受中心になるようにα1とα2を調整し、上中間ロールベンディングシリンダ751とを駆動する。もしくは、α1=1、α2=0とし軸方向外側の上中間ロールベンディングシリンダ750と上中間ロールベンディングシリンダ751とを駆動する。
【0066】
また、軸方向外側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771を必要とする出力に所定の係数γ1を乗じた出力とするとともに軸方向内側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771を必要とする出力に所定の係数γ2を乗じた出力とで駆動する。ここで、γ1とγ2の合計が1であり、合計出力の作用位置がほぼ軸受中心になるようにγ1とγ2を調整する。あるいは、軸方向外側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771のみ駆動する。
【0067】
軸受中心が区間Aにあるとき、2つの上中間ロールベンディングシリンダ750の合計出力にα1をかけた出力を軸方向外側の出力とし、該合計出力にα2をかけた出力を軸方向内側の出力とし、α1とα2の合計が1であり、合計出力の作用位置がほぼ軸受中心になるようにα1とα2を調整し、上中間ロールベンディングシリンダ751とを駆動する。もしくは、α1=0、α2=1とし軸方向内側の上中間ロールベンディングシリンダ750と上中間ロールベンディングシリンダ751とを駆動する。
【0068】
また、軸方向外側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771を必要とする出力に所定の係数γ1を乗じた出力とするとともに軸方向内側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771を必要とする出力に所定の係数γ2を乗じた出力とで駆動する。ここで、γ1とγ2の合計が1であり、合計出力の作用位置がほぼ軸受中心になるようにγ1とγ2を調整する。あるいは、軸方向内側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771のみ駆動する。
【0069】
軸受中心が区間Bにあるとき、2つの上中間ロールベンディングシリンダ750の合計出力にα1をかけた出力を軸方向外側の出力とし、該合計出力にα2をかけた出力を軸方向内側の出力とし、α1とα2の合計が1であり、合計出力の作用位置がほぼ軸受中心になるようにα1とα2を調整し、上中間ロールベンディングシリンダ751とを駆動する。
【0070】
また、軸方向外側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771を必要とする出力に所定の係数γ1を乗じた出力とするとともに軸方向内側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771を必要とする出力に所定の係数γ2を乗じた出力とで駆動する。ここで、γ1とγ2の合計が1であり、合計出力の作用位置がほぼ軸受中心になるようにγ1とγ2を調整する。
【0071】
表1のように2つの上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771を作動した場合、軸受中心が区間Bにあるときは該作動位置を軸受790の軸方向中心のLB/2に収まるようにすることができるが、区間Cおよび区間Aでは該作動位置を軸受790の軸方向中心のLB/2を超える場合がある。これに対し、γ1とγ2を調整することでA、B、Cの各区間で該作動位置を軸受790の軸方向中心のLB/2に収まるようにすることができる。
【0072】
なお、各々の領域におけるα1、α2の値は同じ値である必要はなく、各々の領域において、2つの上中間ロールベンディングシリンダ750の出力と上中間ロールベンディングシリンダ751の出力の合計が作用する位置が、軸受790の中心位置と略一致するように適宜異なる値とすることができる。
【0073】
また、各々の領域におけるγ1、γ2の値は同じ値である必要はなく、各々の領域において、2つの上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の出力の作用位置が、軸受790の中心位置と略一致するように適宜異なる値とすることができる。
【0074】
次に、本実施例の効果について説明する。
【0075】
上述した本発明の実施例1の圧延機は、軸方向にシフトするロールと、ロールと共にロールの軸方向にシフトし、ロールからの荷重を受ける軸受と、軸受に対して鉛直方向にベンディング力を与えてロールをベンディングさせる3以上の第1シリンダと、を備え、軸受および第1シリンダを駆動側および操作側のいずれも備えている。このうち、圧延材5の入側又は出側に、第1シリンダがロールの軸方向に2つ設けられるとともに、圧延材5の出側又は入側のうち、第1シリンダが2つ設けられた側とは反対側に、第1シリンダが1つ設けられ、圧延方向から見たときに、2つの第1シリンダの間に反対側の第1シリンダが位置しているものである。
【0076】
このように、圧延材5の入側と出側の合計3つの第1シリンダを千鳥配置とすることで、ロールのシフト位置に応じて駆動する第1シリンダを適宜変更することができ、これにより、従来の圧延機に比べて簡易な構造であってもベンディング合力を軸受の長手方向中央部近傍に作用させる構造とすることができる。したがって、簡易な構造でも軸受への偏荷重を低減することができる。
【0077】
また、2つの第1シリンダのうち1つ以上が、軸受の中心がシフトする範囲よりも外側に配置されるため、第1シリンダのベンディング力の合力を軸受の長手方向の中央部近傍により正確かつ確実に作用させることができ、軸受への偏荷重をより確実に低減することができる。
【0078】
更に、ハウジング700の圧延材5の入側又は出側のうち少なくともいずれか一方に固定されており、第1シリンダが設けられている入側固定部材702,出側固定部材703のうち、入側又は出側の何れか一方に、軸受790に対して圧延方向、あるいは圧延方向とは逆側に押圧力を加える第2シリンダと、を更に備えたことで、圧延材5の先端の噛み込み時に軸受と第1シリンダとが圧延方向にずれることを防止することができる。これにより、ベンディング作用位置がずれない、との効果が得られる。すなわち、ベンディング力が作用した状態で軸受が圧延方向に動くことを抑制することができるため、第1シリンダが押圧している部分で滑りが生じず、第1シリンダのダメージや、押圧される側の摩耗を抑制でき、ベンディングの精度を高く維持することができる。
【0079】
また、入側又は出側の何れか一方に、軸受に対して圧延方向、あるいは圧延方向とは逆側に押圧力を加える第2シリンダを更に備え、第2シリンダは、圧延機を圧延方向から見たときに、第1シリンダの軸方向の両側に配置されることにより、第2シリンダの押圧力を軸受の長手方向中央部近傍に作用させやすくなり、より圧延材の噛み込み時に軸受と第1シリンダが圧延方向にずれにくくすることができるので、ベンディングの精度をより高い状態で維持することができる。
【0080】
第2シリンダの押圧力が軸受の長手方向中央部近傍に作用させることで生じる効果は以下である。
図6は、駆動側の軸方向内側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771のみ駆動した場合で、軸受の長手方向中央部近傍に第2シリンダの押圧力が作用した場合を示す。
【0081】
図6に示すように、ロールから軸受に作用する圧延方向の力Fd、第2シリンダの押圧力Fg2、上中間ロール軸受箱722Aと上中間ロールベンディングブロック部727のライナに生じる外側の反力F1、内側の反力F2とすると、Fg2=Fd+F1+F2の関係となる。F1とF2のいずれかが0になるとライナが当たっていない状態になるので好ましくない。ここではFg2はFd作用位置近くに発生しているので、Fg2を比較的小さな値とすることができる。すなわち、第2シリンダの押圧力を小さくすることができる。
【0082】
これに対し、
図7は駆動側の軸方向外側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771のみ駆動した場合で、軸受の長手方向中央部近傍から離れた位置に第2シリンダの押圧力が作用した場合を示す。
【0083】
第2シリンダの押圧力Fg1は同様に、Fg1=Fd+F1+F2の関係となる。F2が0にならないようにするためには、モーメントのつり合いからFg1は大きな値となってしまう。これでは、より大きな第2シリンダが必要となり、構造的にその大きなシリンダを上中間ロールベンディングブロック部727に納めることは困難となる。しかしながら、
図6のように第2シリンダの押圧力を軸受の長手方向中央部近傍に作用させることで第2のシリンダの必要となる出力を抑え、シリンダの大きさを抑えて、上中間ロールベンディングブロック部727の中に収納可能とすることができる。
【0084】
更に、第1シリンダを駆動する制御装置80を更に備え、制御装置80は、外側の第1シリンダと反対側に設けられた第1シリンダとを結ぶ直線とロール軸線との交点をX、内側の第1シリンダと反対側に設けられた第1シリンダとを結ぶ直線とロール軸線との交点をYとすると、Xよりも外側、又はYよりも内側に軸受の中心が配置されている時、且つロールのベンディング時に、2つの第1シリンダの何れか1つと、反対側に設けられた第1シリンダを駆動するように構成されたことで、軸受1つにつき第1シリンダ2つで、ベンディング合力を軸受の長手方向中央部近傍により正確に作用させることができ、軸受へ偏荷重が加わることをより確実に抑制することができる。
【0085】
また、第1シリンダを駆動する制御装置80を更に備え、制御装置80は、ロールのベンディング時に、2つの第1シリンダの合計出力と、反対側に設けられた第1シリンダの出力との差が所定範囲内となるように構成されたことにより、軸受の入側と出側にほぼ等しいベンディング力を作用させることができ、ロールを安定して保持することができる。
【0086】
更に、上中間ロール720,下中間ロール721は、一般的にシフト量が大きい。そこで、圧延材5に接触する上作業ロール710,下作業ロール711と、上作業ロール710,下作業ロール711に接触する上中間ロール720,下中間ロール721と、を備えており、ロールが上中間ロール720,下中間ロール721であることで、簡易な構造においてシフト量が大きい場合であっても、ベンディング合力を軸受の長手方向中央部近傍に作用させる構造とすることができる。
【0087】
また、ハウジング700の圧延材5の入側又は出側のうち少なくともいずれか一方に固定されており、第1シリンダが設けられている入側固定部材702,出側固定部材703と、圧延材5に接触する上作業ロール710および下作業ロール711の軸受に第1シリンダと反対方向のベンディング力を与えて上作業ロール710および下作業ロール711をベンディングさせる第5シリンダと、を更に備えたことにより、第5シリンダも第1シリンダと同じ部材に設けることができ、省スペース化を図ることができる。
【0088】
<実施例2>
本発明の実施例2の圧延機について
図8を用いて説明する。実施例1と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。以下の実施例においても同様とする。
【0089】
図8に示すように、本実施例の圧延機では、実施例1の圧延機とは反対に、圧延材5の入側に上中間ロールベンディングシリンダ750A(第1シリンダ)がロールの軸方向に1つ設けられているとともに、圧延材5の出側に上中間ロールベンディングシリンダ751A(第1シリンダ)が2つ設けられている。
【0090】
このうち、圧延材5の入側に設けられた上中間ロールベンディングシリンダ750Aは、圧延方向から見たときに、反対側の出側に設けられた2つの上中間ロールベンディングシリンダ751Aの間に位置するように配置される。
【0091】
また、本実施例では、圧延材5の出側に配置された上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771Aは、圧延方向から見たときに、同じ出側に2つ設けられている上中間ロールベンディングシリンダ751Aの軸方向の間に配置されている。
【0092】
本実施例においては、入側に設けられた上中間ロールベンディングシリンダ750Aと出側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771Aとは軸方向位置が同じであることが望ましい。
【0093】
次に、本実施例の上中間ロールベンディングシリンダ750A,751Aや上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771Aの駆動制御の詳細について
図8や表2を参照して説明する。
【0094】
【0095】
入側の上中間ロールベンディングシリンダ750Aと軸方向外側の出側の上中間ロールベンディングシリンダ751Aとの交点から軸方向内側にLB/4以内の位置に、区間Bと区間Cの境目が存在する。軸受中心が区間Cにあるときは、駆動側では、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750Aを駆動するとともに、出側の上中間ロールベンディングシリンダ751Aのうち、軸方向内側のシリンダは駆動させずに、軸方向外側のシリンダを駆動する。操作側では、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750Aを駆動するとともに、出側の上中間ロールベンディングシリンダ751Aのうち、軸方向外側のシリンダは駆動させずに、軸方向内側のシリンダを駆動する。
【0096】
入側の上中間ロールベンディングシリンダ750Aと軸方向内側の出側の上中間ロールベンディングシリンダ751Aとの交点から軸方向外側にLB/4以内の位置に、区間Aと区間Bの境目が存在する。軸受中心が区間Aにあるときは、駆動側では、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750Aを駆動するとともに、出側の上中間ロールベンディングシリンダ751Aのうち、軸方向外側のシリンダは駆動させずに、軸方向内側のシリンダを駆動する。操作側では、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750Aを駆動するとともに、軸方向内側のシリンダは駆動させずに、軸方向外側のシリンダを駆動する。
【0097】
軸受中心が区間Bにあるときは、駆動側および操作側のいずれでも、入側の上中間ロールベンディングシリンダ750Aを区間A,Cの場合と同様に駆動するとともに、出側の上中間ロールベンディングシリンダ751Aのいずれの出力をその合計が入側の上中間ロールベンディングシリンダの出力と同じになるように、1/2とする。
【0098】
上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771Aについては、表2における区間A,B,Cのいずれの区間においても駆動する。
【0099】
その他の構成・動作は前述した実施例1の圧延機と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0100】
本発明の実施例2のように、入側又は出側の何れか一方に、軸受790に対して圧延方向、あるいは圧延方向とは逆側に押圧力を加える第2シリンダを更に備え、第2シリンダは、圧延機を圧延方向から見たときに、2つの第1シリンダの間に配置されることによっても、前述した実施例1の圧延機とほぼ同様な効果が得られる。
【0101】
中間ロールがL
Sの間をシフトするとき軸受中心は
図8に示す区間A、B、Cに存在する。第2シリンダは、圧延機を圧延方向から見たときに、第1シリンダの軸方向の間に配置されることによって、第2シリンダがLsのほぼ中間に位置することで、第2シリンダの押圧力をシフトする軸受の長手方向中央部近傍に作用させやすくなり、第2のシリンダの必要となる出力を抑え、シリンダの大きさを抑えて、上中間ロールベンディングブロック部727の中に収納可能とすることができる。これにより圧延材の噛み込み時に軸受と第1シリンダが圧延方向にずれにくくすることができるので、ベンディングの精度をより高い状態で維持することができる。
【0102】
実施例1と同様に2つの上中間ロールベンディングシリンダ751Aの合計出力にα1をかけた出力を軸方向外側の出力とし、該合計出力にα2をかけた出力を軸方向内側の出力とし、α1とα2の合計が1であり、合計出力の作用位置がほぼ軸受中心になるようにα1とα2を調整し、上中間ロールベンディングシリンダ750Aとを駆動することもできる。
【0103】
なお、駆動側を
図5の駆動側に示す形態にするとともに操作側を
図8の操作側に示す形態とすることができる。また、逆に駆動側を
図8の駆動側に示す形態にするとともに操作側を
図5の操作側に示す形態とすることができる。
【0104】
<実施例3>
本発明の実施例3の圧延機について
図9や表3を用いて説明する。
【0105】
図9に示す本実施例の圧延機では、実施例1の圧延機において、圧延材5入側の2つの上中間ロールベンディングシリンダ750の間に、更に軸受790に対して鉛直方向にベンディング力を与えてロールをベンディングさせる上中間ロールベンディングシリンダ750B(第3シリンダ)を備えている。この上中間ロールベンディングシリンダ750Bは、上中間ロールベンディングシリンダ750と同様に、インクリース側にベンディング力を加えるように配置されている。
【0106】
次に、本実施例の上中間ロールベンディングシリンダ750,750B,751や上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の駆動制御の詳細について説明する。
【0107】
本実施例でも、軸受790のシフト量をLSとし、LSを区間A,B,C,Dに分ける。表3は軸受中心位置と各シリンダの駆動状態の関係を示す。e1とd1を結ぶ線とロール軸線の交点位置は区間Dと区間Cの境目、e3とd1を結ぶ線とロール軸線の交点位置は区間Bと区間Aの境目としている。
【0108】
【0109】
軸受の軸方向中心が区間Dに存在している場合は、軸方向外側の上中間ロールベンディングシリンダ750,e1と、上中間ロールベンディングシリンダ751,d1とを駆動する。
【0110】
軸受の軸方向中心が区間Cに存在している場合は、軸方向外側の上中間ロールベンディングシリンダ750,e1の出力を必要とする入側のベンディング力Pbeに所定の係数α1を乗じた出力と、上中間ロールベンディングシリンダ750B,e2の出力を必要とする入側のベンディング力Pbeに所定の係数α2を乗じた出力とで駆動するとともに、上中間ロールベンディングシリンダ751,d1を駆動する。
【0111】
軸受の軸方向中心が区間Bに存在している場合は、上中間ロールベンディングシリンダ750B,e2の出力を必要とする入側のベンディング力Pbeに所定の係数α2を乗じた出力と、軸方向内側の上中間ロールベンディングシリンダ750,e3の出力を必要とする入側のベンディング力Pbeに所定の係数α3を乗じた出力とで駆動するとともに、上中間ロールベンディングシリンダ751,d1を駆動する。
【0112】
軸受の軸方向中心が区間Aに存在している場合は、軸方向内側の上中間ロールベンディングシリンダ750,e3と、上中間ロールベンディングシリンダ751,d1とを駆動する。
【0113】
いずれの領域に軸受の軸方向中心が存在している場合も、入側のベンディング力Pbeと出側のベンディング力Pbdの合力は、ロールに必要とされるベンディング力になるように調整されていて、かつ、その合力がロール軸心近くに作用するようにしている。
【0114】
上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の出力については、いずれの個所においても、軸方向外側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771,g1の出力を必要とするがた取り押付け力Pgに所定の係数γ1を乗じた出力とするとともに軸方向内側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771,g2の出力を必要とするがた取り押付け力Pgに所定の係数γ2を乗じた出力とで駆動する。
【0115】
なお、各々の領域におけるα1、α2、α3についても、γ1、γ2と同様に値は同じ値である必要はなく、各々の領域において、4つの上中間ロールベンディングシリンダ750,750B,751の出力の作用位置や2つの上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の出力の作用位置が、軸受790の中心位置と略一致するように適宜異なる値とする。また、区間Dにおいて入側でe1だけを用いるのではなくe1とe2を用い軸受の長手方向中心位置近傍にベンディング力を作用させることも可能であり、出力の配分は各区間でのα1、α2、α3の設定によって、適宜定めることができる。
【0116】
その他の構成・動作は前述した実施例1の圧延機と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0117】
本発明の実施例3の圧延機においても、前述した実施例1の圧延機とほぼ同様な効果が得られる。
【0118】
また、2つの第1シリンダの間に、更に軸受790に対して鉛直方向にベンディング力を与えてロールをベンディングさせる第3シリンダを備えたことにより、ベンディング力を作用させることができる範囲が軸方向に広がるので、シフト量を増やすことができるとともに、シフト量が小さいときにより正確に軸受の長手方向中心位置に荷重を印加させることができる。
【0119】
さらに、上中間ロールベンディングシリンダ750,750B,751の出力は
図9の上中間ロール軸受箱つば部822ABにロールベンディング力として作用する。該上中間ロール軸受箱つば部822ABの長さをL
CBとする。中間ロールがシフトするとき軸受も軸受箱とともにシフトする。軸受がシフトした位置でロールベンディング力を作用させるためには、そのシフト位置で駆動するベンディングシリンダのところに上中間ロール軸受箱つば部822ABが必要となるが、シフト位置によって、使うベンディングシリンダを選択するようにしたことで、シフト量が大きい場合でも長いL
CBを必要とせず軸受箱を複雑にしない効果がある。長いL
CBを必要とする場合は、軸受箱が軸方向に長くなり大型化し複雑な構造になってしまう問題が生じるが、それを回避できる。
【0120】
なお、本実施例では、上中間ロールベンディングシリンダ750Bを1つ設ける場合について説明したが、2つ以上設けることができる。このとき、2つ目以降は軸方向の位置は特に限定されず、軸方向外側の上中間ロールベンディングシリンダ750より軸方向外側に1つ以上配置したり、軸方向内側の上中間ロールベンディングシリンダ750より軸方向内側に1つ以上配置することができる。
【0121】
また、実施例1と実施例2との関係のように、
図9の入側と出側とを逆転させて、出側に上中間ロールベンディングシリンダ750と上中間ロールベンディングシリンダ750Bとを配置することができる。この場合も、上中間ロールベンディングシリンダ750Bの数に特に限定されず、1つ以上設けることができる。
【0122】
更には、上中間ロールベンディングシリンダ750Bと同様の仕様のシリンダを入側および出側に1つ以上追加することができる。
【0123】
<実施例4>
本発明の実施例4の圧延機について
図10や表4を用いて説明する。
【0124】
図10に示す本実施例の圧延機では、実施例1の圧延機において、圧延方向から見たときに、圧延材5出側に、圧延材5入側の2つの上中間ロールベンディングシリンダ750より駆動側では軸方向外側の位置に操作側では軸方向内側の位置に、上中間ロールベンディングシリンダ751C(第4シリンダ)をそれぞれ1つ更に備えている。この上中間ロールベンディングシリンダ751Cは、上中間ロールベンディングシリンダ750と同様に、インクリース側にベンディング力を加えるように配置されている。
【0125】
次に、本実施例の上中間ロールベンディングシリンダ750,751,751Cや上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771の駆動制御の詳細について説明する。
【0126】
本実施例でも、軸受790のシフト量をLSとし、LSを区間A,Bに分ける。表4は軸受中心位置と各シリンダの駆動状態の関係を示す。e1とd2を結ぶ線とロール軸線の交点位置は区間Bと区間Aの境目としている。
【0127】
【0128】
軸受790の軸方向中心が区間Bに存在している場合は、軸方向外側の上中間ロールベンディングシリンダ750,e1と、上中間ロールベンディングシリンダ751C,d1の出力を必要とする出側のベンディング力Pbdに所定の係数αd1を乗じた出力と上中間ロールベンディングシリンダ751,d2の出力を必要とする出側のベンディング力Pbdに所定の係数αd2を乗じた出力とで駆動する。
【0129】
がた取りシリンダについては、いずれの区間においても軸方向外側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771,g1の出力を必要とするがた取り押付け力Pgに所定の係数γ1を乗じた出力とするとともに軸方向内側の上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771,g2の出力を必要とするがた取り押付け力Pgに所定の係数γ2を乗じた出力とで駆動する。
【0130】
軸受790の軸方向中心が区間Aに存在している場合は、上中間ロールベンディングシリンダ750,e1の出力を必要とする入側のベンディング力Pbeに所定の係数αe1を乗じた出力と、上中間ロールベンディングシリンダ750,e2の出力を必要とする入側のベンディング力Pbeに所定の係数αe2を乗じた出力と、上中間ロールベンディングシリンダ751,d2とを駆動する。
【0131】
なお、各々の区間における係数αe1、αe2、αd1、αd2については、同じ値である必要はなく、各々の区間において、4つの上中間ロールベンディングシリンダ750,e1,750,e2,751C,d1,751,d2の出力の作用位置が、軸受790の中心位置と略一致するように適宜異なる値とする。
【0132】
また、上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771,g1および771,g2の各々の区間における係数γ1、γ2については、同じ値である必要はなく、各々の区間において、上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ771,g1および771,g2の出力の作用位置が、軸受790の中心位置と略一致するように、あるいは極力軸受790の中心位置に近づけられるように適宜異なる値とする。
【0133】
その他の構成・動作は前述した実施例1の圧延機と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0134】
本発明の実施例4の圧延機においても、前述した実施例1の圧延機とほぼ同様な効果が得られる。
【0135】
また、反対側である出側に設けられた1つの第1シリンダから軸方向の外側の位置に、更に軸受790に対して鉛直方向にベンディング力を与えてロールをベンディングさせる第4シリンダを1つ以上更に備え、圧延機を圧延方向から見たときに、反対側に設けられた第1シリンダと第4シリンダとの間に入側の2つの第1シリンダのうちの1つが配置されることによっても、ベンディング力を作用させることができる範囲を軸方向に広げることができ、シフト量を増やすことができる。
【0136】
なお、本実施例では、上中間ロールベンディングシリンダ751Cを1つ設ける場合について説明したが、2つ以上設けることができる。このとき、2つ目以降は軸方向の位置は特に限定されず、上中間ロールベンディングシリンダ751Cと上中間ロールベンディングシリンダ751との間に1つ以上配置したり、上中間ロールベンディングシリンダ751より軸方向内側に1つ以上配置することができる。
【0137】
また、
図10の入側と出側とを逆転させて、入側に上中間ロールベンディングシリンダ750と上中間ロールベンディングシリンダ751Cとを配置することができる。この場合も、上中間ロールベンディングシリンダ751Cの数に特に限定されず、1つ以上設けることができる。
【0138】
更には、上中間ロールベンディングシリンダ751Cを入側および出側に追加することができる。
【0139】
<実施例5>
本発明の実施例5の圧延機について
図11を用いて説明する。
【0140】
図11に示す本実施例の圧延機は、
図5に示した実施例1の圧延機からデクリース側に押圧力を印加する上作業ロールベンディングシリンダ742,743および下作業ロールベンディングシリンダ746,747を省略したものであり、その他の構成・動作は前述した実施例1の圧延機と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0141】
本発明の実施例5の圧延機においても、前述した実施例1の圧延機とほぼ同様な効果が得られる。
【0142】
なお、実施例3および実施例4においても、本実施例と同様にデクリース側のベンディングシリンダを省略することができる。また、実施例2において、デクリース側のベンディングシリンダを追加することもできる。
【0143】
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。中間ロールまわりに関して説明したが、シフトする作業ロールまわりにも有効に利用することが可能である。
【0144】
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0145】
1…圧延設備
5…圧延材
10…第1スタンド(圧延機)
20…第2スタンド(圧延機)
30…第3スタンド(圧延機)
40…第4スタンド(圧延機)
50…第5スタンド(圧延機)
60…第6スタンド(圧延機)
70…第7スタンド(圧延機)
80…制御装置
700…ハウジング
702…入側固定部材
703…出側固定部材
710…上作業ロール(ロール)
711…下作業ロール(ロール)
712…上作業ロール軸受箱
713…下作業ロール軸受箱
714…作業ロールベンディングブロック部
715,716,725,726…シフトシリンダ
720…上中間ロール(ロール)
721…下中間ロール(ロール)
722,722A…上中間ロール軸受箱
723,723A…下中間ロール軸受箱
725A…シフト機構
727…上中間ロールベンディングブロック部
728…下中間ロールベンディングブロック部
730…上補強ロール
731…下補強ロール
732…上補強ロール軸受箱
733…下補強ロール軸受箱
740,741…上作業ロールベンディングシリンダ(第1シリンダ)
742,743…上作業ロールベンディングシリンダ(第5シリンダ)
744,745…下作業ロールベンディングシリンダ(第1シリンダ)
746,747…下作業ロールベンディングシリンダ(第5シリンダ)
750,750A,751,751A…上中間ロールベンディングシリンダ(第1シリンダ)
750B…上中間ロールベンディングシリンダ(第3シリンダ)
751C…上中間ロールベンディングシリンダ(第4シリンダ)
752,753…下中間ロールベンディングシリンダ(第1シリンダ)
760…上作業ロール軸受箱がた取りシリンダ(第2シリンダ)
762…下作業ロール軸受箱がた取りシリンダ(第2シリンダ)
771,771A…上中間ロール軸受箱がた取りシリンダ(第2シリンダ)
773…下中間ロール軸受箱がた取りシリンダ(第2シリンダ)
780…上補強ロール軸受箱がた取りシリンダ
782…下補強ロール軸受箱がた取りシリンダ
790…軸受
822AB…上中間ロール軸受箱つば部