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  • 特許-外壁パネルの作製方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】外壁パネルの作製方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/16 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
E04G21/16
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017129838
(22)【出願日】2017-06-30
(65)【公開番号】P2019011643
(43)【公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】大久保 雅司
(72)【発明者】
【氏名】橘 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】添田 智美
(72)【発明者】
【氏名】藤沼 智洋
(72)【発明者】
【氏名】鴨下 栄紀
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-068523(JP,A)
【文献】実開平04-086855(JP,U)
【文献】特開平01-154967(JP,A)
【文献】特開2016-094786(JP,A)
【文献】特開2012-172347(JP,A)
【文献】特開2018-053624(JP,A)
【文献】実開平05-089704(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/14-21/18
E04C 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外壁面材を上下に並べて下地材で連結した外壁パネルを、当該外壁パネルが取り付けられる建物躯体の取付箇所とは異なる場所で組み立てるための地組架台を用いて外壁パネルを作製する方法であって、
上記地組架台には、上記外壁面材を上記下地材に固定する位置での当該外壁面材の上端が位置する箇所においてマークが付されており、
調整治具を用い、当該調整治具の上部を未固定の上側の外壁面材の上端に係合させて当該調整治具の上部の握り部を操作し、上側の外壁面材を下側に押さえることで当該外壁面材の上端を上記マークの位置に合わせて上記下地材に固定し、下側の外壁面材と上側の外壁面材との間の目地の幅を規定値に合わせることを特徴とする外壁パネルの作製方法。
【請求項2】
請求項1に記載の外壁パネルの作製方法において、上記外壁面材の上端が、前後に分かれた同一高さの2個の凸部からなる場合、前側の凸部を上記マークの位置に合わせることを特徴とする外壁パネルの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上下に配置した外壁面材を下地材で連結した外壁パネルを建物躯体の外壁取付箇所とは異なる場所で組み立てるのに用いられる地組架台、および上記地組架台を用いた外壁パネルの作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建物躯体への取付状態で上下方向に並ぶ複数枚の外壁パネルを、上記建物躯体への取付け用の下地となり、上記外壁パネルの横幅方向に並んでそれぞれ上下方向に延びる複数本の胴縁に、上記建物躯体の外壁パネル取付け箇所とは別の場所で組み付けて下地一体型の外壁パネルユニットとする作業に用いる地組架台であって、自立する地組架台本体と、この地組架台本体にそれぞれ取付けられ、上記外壁パネルユニットのユニット化前の上記複数本の各胴縁を、ユニット化後の配置関係でかつ立ち姿勢として、その下端および上部で位置決め状態に保持する複数の下端固定治具および上側固定治具と、を備える、外壁パネルの地組架台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-94786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、外壁パネルの下地材(縦胴縁)の位置決め技術について開示するに過ぎない。ここで、上記外壁パネルの外壁面材については、固定済の下側の外壁面材の上側に外壁面材を配置するときに、この上側の外壁面材の上端を押さえて下方への力を付与し、下側の外壁面材と上側の外壁面材との間の目地の幅(上下間隔)が所定寸法となったときに、上側の外壁面材を下地材に固定することが考えられる。
【0005】
この場合、上側の外壁面材の上端を押さえるときの作業目線と、上記目地の幅を計測するときの作業目線との間には、外壁面材の縦寸法程度の距離の開きが生じることになる。このため、一人の作業者で上記目地の幅の計測をしつつ外壁面材の位置調整を行うことは容易ではなく、また、作業者を複数人で行うのでは、コストが上昇することになる。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、外壁パネルの外壁面材の位置決めが的確に行える地組架台および外壁パネルの作製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の地組架台は、上記の課題を解決するために、複数の外壁面材を上下に並べて下地材で連結した外壁パネルを、当該外壁パネルが取り付けられる建物躯体の取付箇所とは異なる場所で組み立てるための地組架台であって、上記複数の外壁面材の上下間隔揃えと側面揃えの少なくとも一方を行うための位置基準部を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、上記複数の外壁面材の上下間隔揃えと側面揃えの少なくとも一方を行うための位置基準部を地組架台に備えたので、外壁パネルの外壁面材の位置決めが的確に行えることになる。
【0009】
上記位置基準部として、上記外壁面材を上記下地材に固定する位置での当該外壁面材の上端が位置する箇所に、マークが付されていてもよい。これによれば、作業者は、上記外壁面材の上端を治具等で押さえ、当該上端を上記マークの位置に合わせることで、下側の外壁面材と上側の外壁面材との間の目地の幅(上下間隔)を規定値に合わせることができる。したがって、上下の外壁面材の目地の幅を直接的に計測する必要がなくなり、例えば、一人の作業者によって上記目地の幅を規定値に合わせつつ外壁面材を固定していくことが容易になる。
【0010】
上記マークは、上記外壁面材の後面側に位置する支柱部の前側の面に付されていてもよい。
【0011】
上記位置基準部として、上記外壁面材の側面に存在する突出部と干渉しないように当該突出部よりも前側の側面部分に接触する接触部を有していてもよい。これによれば、目につく上記外壁面材の前側を基準にして、上記位置基準部である上記接触部による上記外壁面材の側面揃えが行える。
【0012】
上記接触部は、当該地組架台を構成する支柱部または梁部に設けられていてもよい。
【0013】
また、この発明の外壁パネルの作製方法は、複数の外壁面材を上下に並べて下地材で連結した外壁パネルを、当該外壁パネルが取り付けられる建物躯体の取付箇所とは異なる場所で組み立てるための地組架台を用いて外壁パネルを作製する方法であって、上記地組架台には、上記外壁面材を上記下地材に固定する位置での当該外壁面材の上端が位置する箇所においてマークが付されており、上記外壁面材の上端を下方に押さえることで当該外壁面材の上端を上記マークの位置に合わせて上記下地材に固定することを特徴とする。
【0014】
上記の方法によれば、作業者は、上記外壁面材の上端を治具等で押さえ、当該上端を上記マークの位置に合わせることで、下側の外壁面材と上側の外壁面材との間の目地の幅を規定値に合わせることができる。したがって、上下の外壁面材の目地の幅を直接的に計測する必要がなくなり、例えば、一人の作業者によって上記目地の幅を規定値に合わせつつ外壁面材を固定していくことが容易になる。
【0015】
上記の方法において、上記外壁面材の上端が、前後に分かれた同一高さの2個の凸部からなる場合、前側の凸部を上記マークの位置に合わせるようにしてもよい。これによれば、目につく上記外壁面材の前側を基準にして、上記マークによる上記外壁面材の目地寸法合わせが行われる。
【発明の効果】
【0016】
本発明であれば、外壁パネルの外壁面材の位置決めが的確に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る外壁パネルの地組架台で製作することができる外壁パネルの構造例を示した概略の斜視図である。
図2】同図(A)は図1の外壁パネルにおける外壁面材の上部および下部の断面を示すとともにマークとの関係を示した説明図であり、同図(B)は図1の上下に並ぶ外壁面材の嵌め込み箇所を示すとともに下側の外壁面材と上側の外壁面材との間の目地の幅との関係を示した説明図である。
図3】本発明の実施形態に係る外壁パネルの地組架台を示すとともに、外壁パネルを仮想線で示した正面図である。
図4図3の地組架台を示すとともに、組み立て中の外壁パネルを仮想線で示した概略の斜視図である。
図5図3の地組架台に設けられた位置基準部としての接触部による外壁面材の側面揃えを示した説明図である。
図6図3の地組架台による外壁パネルの組み立ておよびこれに伴う下地材保持具の操作状態を示した説明図である。
図7図6中の閉鎖断面鋼材用の下地材保持具を示した概略の平面図である。
図8図6中の開放断面鋼材用の下地材保持具を示した概略の平面図である。
図9】本発明の実施形態に係る外壁パネルの作製方法を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、外壁パネル5は、複数の横長の外壁面材51を上下に並べて下地材52で相互に連結された構造を有する。図1に示す例では、上記下地材52として、最も端位置の2本の縦胴縁52aと、中央側の例えば4本の縦胴縁52bを備えている。上記縦胴縁52aは、角形鋼管等の閉鎖断面鋼材からなっている。一方、上記縦胴縁52bは、リップ溝型鋼や溝型鋼等の開放断面鋼材からなる。なお、下地材52の全てを閉鎖断面鋼材である縦胴縁52aとすることもでき、また、下地材52の全てを開放断面鋼材である縦胴縁52bとすることもできる。
【0019】
上記外壁面材51の端面の前後幅方向の略中央には、突出部51gが形成されている。また、上記外壁面材51は、例えば、図2(A)および図2(B)に示すように、不燃断熱材51aを鋼板51b、51cで挟み込んだ金属サンドイッチパネルである。2枚の外壁面材51を上下に並べた場合、下段に位置する外壁面材51の上端面に形成された横幅方向に長い2か所の凹部51dに、上段に位置する外壁面材51の下端面に形成された横幅方向に長い2か所の凸部51eが嵌まり込むことにより、上下の外壁面材51が互いに面外方向に位置ずれしないように組み合わされる。なお、上下の外壁面材51により形成される目地の幅(高さ)Xは、例えば、10mm幅とされる。
【0020】
図3および図4に示すように、地組架台1を用いることによって、上記複数の外壁面材51を上下に並べて下地材52で連結した外壁パネル5を、当該外壁パネル5が取り付けられる建物躯体の外壁取付箇所とは異なる場所で組み立てることができる。なお、図4では、地組架台1を簡略化して示している。また、この図4において、「前側」は、地組架台1を構成する各部材についての前面側とされ、また、上記外壁面材51等についても、その前面側を上記「前側」に向けた状態でセットされるものとする。
【0021】
上記地組架台1は、上記外壁面材51の側面側に位置する支柱部11Aと、上記外壁面材51の後面側となる位置に配置された奥側支柱部11Bと、上記支柱部11A、11Bの下側と中側と上側とにそれぞれ掛け渡される3本の梁部12と、を備える。
【0022】
例えば、上記支柱部11Aの下部側は、下側の梁部12の前面側に固定されており、上記支柱部11Aの中央側および上部側は、中側と上側の梁部12の前面側にスペーサ11aを介してそれぞれ固定されている。中側と上側の梁部12は、上記縦胴縁52a、52bの後面側に設けられる。また、上記奥側支柱部11Bの下端は、下側の梁部12の上面上に固定され、上記奥側支柱部11Bの上部は、上側の梁部12の前面側に固定されている。
【0023】
上記梁部12は、例えば、架台支持フレームに固定される。また、例えば、最下の梁部12の前側部に面材載置部が形成されており、この面材載置部上に最下段の外壁面材51が置かれる。
【0024】
上段に位置する上記梁部12および中段に位置する上記梁部12上には、閉鎖断面鋼材からなる上記縦胴縁52aを保持する下地材保持具2および開放断面鋼材からなる上記縦胴縁52bを保持する下地材保持具3が固定されている。なお、下段に位置する上記梁部12には、図示していないが、上記縦胴縁52a、52bが差し込まれる位置決め凸部或いは上記縦胴縁52a、52bの側面が当接される位置決め板部が設けられる。
【0025】
図4に示したごとく、上記縦胴縁52a、52bをセットした後、外壁面材51をセットしていく。この時に、外壁面材51に面外方向の反りがあれば、図示しない反り矯正手段によって強制することもできる。作業者は、セットした上記外壁面材51の上端部側にビス等をねじ込み、上記外壁面材51を先にセットした上記縦胴縁52a、52bに固定する。
【0026】
また、上下に配置される複数の外壁面材51については、図5に示すように、位置基準部としての接触部材14の突出板部を基準面とし、この基準面に外壁面材51の一端を押し当てることで、複数の外壁面材51の縁を互いに揃えるようにしている。上記接触部材14は、例えば、Lアングルをその長手方向が鉛直を向くように配置され、このLアングルにおける一方の板部が上記突出板部とされる。ここで、上記外壁面材51の上記突出部51gと干渉しないように、上記接触部材14の突出板部は、上記突出部51gよりも前側となる箇所の上記外壁面材51の側面部に接触するように設けられている。換言すれば、目につく上記外壁面材51の前側において、上記接触部材14による上記外壁面材51の側面揃えが行われる。
【0027】
また、上下に配置される複数の外壁面材51の横目地の幅(高さ)Xについては、図9に示すように、調整治具500によって上側の外壁面材51を下側に押さえることで、上下の外壁面材51にできる目地の幅Xを、例えば一定の10mmに調節することができる。上記目地の高さXを一定に揃えるために、上記外壁面材51の後面側に位置する支柱部11Bの前側の面に、位置基準部として複数のマークMが墨或いはテープ等によって付されている。上記マークMは、上記外壁面材51を上記下地材52に固定する各位置での当該外壁面材51の上端(凸部51e)が位置する箇所ごと(高さごと)に付されている。外壁パネル5の作製法の詳細については、後述する。
【0028】
また、図6に示すように、上記下地材保持具2,3によって上記縦胴縁52a、52bの前後方向の移動規制がされた状態で、外壁面材51を上記縦胴縁52a、52bに固定していく際に、上記下地材保持具2を操作することができ、また、外壁パネル5が完成された後には、上記下地材保持具2、3を操作して、上記外壁パネル5を地組架台1から取り外すことができる。
【0029】
上記下地材保持具2は、例えば、図7に示すように、ベース板21を備える。このベース板21にはボルト挿通孔が形成されており、このボルト挿通孔にボルトを挿通し、上記梁部12に形成されている螺子孔にねじ込むことで、上記ベース板21が上記梁部12に固定される。
【0030】
上記下地材保持具2は、前側に突出するように片部22(第2固定部)を備える。上記ベース板21の前側の辺(第1固定部)と、この辺に直交する上記片部22(第2固定部)の辺とにより、閉鎖断面鋼材からなる上記縦胴縁52aの後面を含む隣り合う2面に接触する固定接触部が形成される。そして、上記片部22から上記縦胴縁52aの幅相当の間隔をおいて、上記縦胴縁52aの前面を含む他の隣り合う2面に接触および離脱が行える可動接触部23が設けられている。上記下地材保持具2は、上記片部22による固定接触部と上記可動接触部23とにより、上記閉鎖断面鋼材からなる上記縦胴縁52aの外面に接触し、上記縦胴縁52aの左右移動および前後移動を規制する規制状態と、上記規制状態を解除する解除状態とを形成することができる。
【0031】
上記可動接触部23は、第1片部23aを回動自在に支持するように上記ベース板21上に設けられた蝶番23bと、上記第1片部23aの端側で第2片部23cを回動自在に支持する蝶番23dと、上記第2片部23cの略中央側で第3片部23eを回動自在に支持する蝶番23fとを備える。上記蝶番23bおよび蝶番23dは上記ベース板21の前側の辺と平行に回動軸を有しており、上記蝶番23fは上記前側の辺と略同一面内で直交する方向に回動軸を有している。
【0032】
上記縦胴縁52bを保持する下地材保持具3は、例えば、図8に示すように、ベース板31を備える。このベース板31にはボルト挿通孔が形成されており、このボルト挿通孔にボルトを挿通し、上記梁部12に形成されている螺子孔にねじ込むことで、上記ベース板31が上記梁部12に固定される。
【0033】
上記下地材保持具3は、前側に突出するように固定片部32を備える。この固定片部32には、上記縦胴縁52bとしてのリップ溝形鋼におけるリップ部に係合する係合部32aが形成されている。上記リップ溝形鋼における後面側が上記ベース板31の前側の辺に当たり、上記係合部32aをリップ部に係合させることで、上記縦胴縁52bの前後移動を規制する規制状態を形成することができる。また、上記固定片部32から上記縦胴縁52bの幅相当の間隔をおいて、上記縦胴縁52bの側面に接触および離脱が行える可動接触部33が設けられている。上記可動接触部33は、上記縦胴縁52bの側面に接触する片部33aを、を上記ベース板31上に設けた蝶番33bによって、回動自在に支持している。
【0034】
図9に、この実施形態の外壁パネルの作製方法の一例を示す。この作製方法では、上記外壁面材51を上記下地材52に固定する位置での当該外壁面材51の上端が位置する箇所においてマークMが付された上記地組架台1を用いて外壁パネルを作製する。そして、この方法においては、例えば、調整治具500を用い、既設の下側の外壁面材51から力を得て、未固定の上側の外壁面材51を下側に押さえる。すなわち、上記調整治具500の下部を既設の下側の外壁面材51の下部に係合させ、上記調整治具500の上部を未固定の上側の外壁面材51の上端に係合させ、上記上部の握り部に連結されているボールねじ部を回すことで、上側の外壁面材51を下側に押さえる。作業者は、このように、上側の外壁面材51を下方に押さえる操作を行い、当該外壁面材51の上端を上記マークMの位置に合わせた後に、上側の外壁面材51をビス等によって上記下地材52に固定する。
【0035】
上記の方法によれば、作業者は、上記外壁面材51の上端を治具等で押さえ、当該上端を上記マークMの位置に合わせることで、下側の外壁面材51と上側の外壁面材51との間の目地の幅Xを規定値に合わせることができる。したがって、上下の外壁面材51の目地Xの幅を直接的に計測する必要がなくなり、例えば、一人の作業者によって上記目地の幅Xを規定値に合わせつつ外壁面材51を固定していくことが容易になる。
【0036】
ここで、上記外壁面材51の上端が前後に分かれた同一高さの2個の凸部51eからなる場合、前側の凸部51eを上記マークMの位置に合わせるようにしてもよい(図2参照)。これによれば、目につく上記外壁面材51の前側を基準にして、上記マークMによる上記外壁面材51の目地寸法合わせが行われる。なお、上記接触部材14についても、目につく上記外壁面材51の前側において、上記接触部材14による上記外壁面材51の側面揃えが行われている。
【0037】
また、上記地組架台1は、同一の外壁パネル5の作製において繰り返し用いることができる。仕様が異なる外壁パネルを作製するときには、この仕様に合わせて上記マークMを付しなおせばよい。
【0038】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 :地組架台
2 :下地材保持具(閉鎖断面鋼材)
3 :下地材保持具(開放断面鋼材)
5 :外壁パネル
11A :支柱部
11B :奥側支柱部
11a :スペーサ
12 :梁部
14 :接触部材(接触部)
21 :ベース板
22 :片部
23 :可動接触部
23a :第1片部
23b :蝶番
23c :第2片部
23d :蝶番
23e :第3片部
23f :蝶番
31 :ベース板
32 :固定片部
32a :係合部
33 :可動接触部
33a :片部
33b :蝶番
51 :外壁面材
51a :不燃断熱材
51b :鋼板
51c :鋼板
51d :凹部
51e :凸部
51g :突出部
52 :下地材
52a :縦胴縁(閉鎖断面)
52b :縦胴縁(開放断面)
500 :調整治具
M :マーク
X :目地幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9