(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2018074423
(22)【出願日】2018-04-09
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】森 一智
【審査官】阿部 知
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-022049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定信号に起因して実行された抽選処理による抽選結果に対応する変動演出を実行する変動演出実行手段と、
割込み演出開始フラグに基づいて割込み演出を実行する割込み演出実行手段と、を有し、
前記変動演出実行手段は、前記抽選結果が特別遊技状態となるものであるか否かの結果を示す変動図柄の前記変動演出に関して、変動時間が異なる第1変動パターンと第2変動パターンを少なくとも含む複数種類の変動パターンに応じた変動演出を実行可能であり、前記変動図柄が確定すると、前記変動演出を停止し、
前記割込み演出は、
複数の演出パターンの中から抽選により決定され、複数回の前記抽選結果にそれぞれ対応する変動演出に亘って実行可能な
先読み予告演出であり、
前記割込み演出実行手段は、前記変動図柄が確定しても、前記割込み演出を停止せず継続し、
前記割込み演出実行手段は、前記第1変動パターンと前記第2変動パターンとで共通の演出シナリオによって前記割込み演出開始フラグに基づいて前記割込み演出を実行
し、
前記変動演出実行手段は、前記第1変動パターンと前記第2変動パターンとでそれぞれ異なる変動演出パターンシナリオによって変動演出を実行し、
前記共通の演出シナリオは、前記割込み演出が実行される場合の変動パターンにおいても、前記変動演出パターンシナリオには予め組み込まれておらず、該変動演出パターンシナリオに、前記第1変動パターンと前記第2変動パターンとで前記変動時間及び前記変動演出に応じてそれぞれ異なるタイミングに実行されるように組み込まれた前記割込み演出開始フラグに基づいて読み出されてなる遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットなどの遊技機に関し、より詳しくは、プログラムの容量を削減することができ、さらに、処理を簡素化することができる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ機等の遊技機として、例えば特許文献1に記載のような遊技機が知られている。この遊技機は、割込み演出により多数の演出を可能とし、遊技者の興趣を向上させることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような遊技機は、プログラムの容量を削減することができておらず、さらに、処理を簡素化することができていないといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、プログラムの容量を削減することができ、さらに、処理を簡素化することができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明に係る遊技機によれば、所定信号に起因して実行された抽選処理による抽選結果に対応する変動演出を実行する変動演出実行手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a,
図20に示すステップS50)と、
割込み演出開始フラグ(例えば、明細書段落[0072]~[0078]に記載の開始フラグ参照)に基づいて割込み演出を実行する割込み演出実行手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a,
図20に示すステップS50)と、を有し、
前記変動演出実行手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a,
図20に示すステップS50)は、前記抽選結果が特別遊技状態となるものであるか否かの結果を示す変動図柄(例えば、
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の前記変動演出に関して、変動時間が異なる第1変動パターンと第2変動パターンを少なくとも含む複数種類の変動パターン(例えば、
図11(b)参照)に応じた変動演出を実行可能であり、前記変動図柄(例えば、
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)が確定すると、前記変動演出を停止し、
前記割込み演出は、
複数の演出パターンの中から抽選により決定され、複数回の前記抽選結果にそれぞれ対応する変動演出に亘って実行可能な
先読み予告演出であり
(例えば、明細書段落[0050]の記載参照)、
前記割込み演出実行手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a,
図20に示すステップS50)は、前記変動図柄(例えば、
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)が確定しても、前記割込み演出を停止せず継続し、
前記割込み演出実行手段(例えば、
図3に示すサブ制御CPU800a,
図20に示すステップS50)は、前記第1変動パターンと前記第2変動パターンとで共通の演出シナリオ(例えば、明細書段落[0072]~[0078]に記載の突入演出のシナリオ参照)によって前記割込み演出開始フラグ(例えば、明細書段落[0072]~[0078]に記載の開始フラグ参照)に基づいて前記割込み演出を実行
し、
前記変動演出実行手段(例えば、図3に示すサブ制御CPU800a,図20に示すステップS50)は、前記第1変動パターンと前記第2変動パターンとでそれぞれ異なる変動演出パターンシナリオ(例えば、図11(b)に示す会話予告演出参照)によって変動演出を実行し、
前記共通の演出シナリオ(例えば、明細書段落[0072]~[0078]に記載の突入演出のシナリオ参照)は、前記割込み演出が実行される場合の変動パターンにおいても、前記変動演出パターンシナリオ(例えば、図11(b)に示す会話予告演出参照)には予め組み込まれておらず、該変動演出パターンシナリオ(例えば、図11(b)に示す会話予告演出参照)に、前記第1変動パターンと前記第2変動パターンとで前記変動時間及び前記変動演出(例えば、図11(b)に示す会話予告演出参照)に応じてそれぞれ異なるタイミングに実行されるように組み込まれた前記割込み演出開始フラグに基づいて読み出されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プログラムの容量を削減することができ、さらに、処理を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の外観を示す斜視図である。
【
図2】同実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。
【
図3】同実施形態に係る遊技機の制御装置を示すブロック図である。
【
図4】同実施形態に係る演出シナリオテーブルの図を示し、(a)は複数の演出シナリオデータが格納されている図を示し、(b)は(a)に示す演出シナリオデータの1レイヤデータ内に格納されているデータを示し、(c)は(b)に示す制御コードデータが参照する制御テーブルを示す図である。
【
図5】同実施形形態に係るVDPを示すブロック図である。
【
図6】割込み演出(突入演出)が発生してから終了するまでのタイミングチャートを示す図である。
【
図7】(a)~(f)は、割込み演出(突入演出)が発生する際の画面例を示す図である。
【
図8】
図7(c)~(e)に示す同実施形態に係る液晶表示装置に表示されている割込み演出(突入演出)を描画する際の説明図である。
【
図9】(a)は、割込み演出(突入演出)の制御コマンドの例を示し、(b-1)は、割込み演出(突入演出)が液晶表示装置に表示されている際、特別図柄が確定した場合、液晶表示装置に表示される従来の表示例と、同実施形態の表示例とのタイミングチャートを示し、(b-2)は、割込み演出(突入演出)が液晶表示装置に表示されている際、特別図柄が再変動した場合、液晶表示装置に表示される従来の表示例と、同実施形態の表示例とのタイミングチャートを示す図である。
【
図10】(a)は、会話予告演出のタイミングチャートを示し、(b)は、特別図柄の変動のタイミングチャートを示し、(c)は、(b)に示す特別図柄の変動時に、(a)に示す会話予告演出が発生した際のタイミングチャートを示す図である。
【
図11】(a)は、
図10(c)に示す中特別図柄停止時に割込み演出(突入演出)が発生することを示すタイミングチャートを示し、(b)は、
図10(c)に示す中特別図柄停止時に割込み演出(突入演出)が発生させる際、開始フラグを用いて割込み演出(突入演出)を発生させることを示すタイミングチャートを示す図である。
【
図12】(a)~(f)は、割込み演出(蝶の演出)が発生する際の画面例を示す図である。
【
図13】(a)は、割込み演出(蝶の演出)が発生してから終了するまでのタイミングチャートを示し、(b)は、割込み演出(蝶の演出)の制御コマンドの例を示す図である。
【
図14】(a)は、1枚の静止画像からなるキャラクタが液晶表示装置に表示されている画面例を示し、(b)は、(a)に示すような表示をさせるにあたって、縮小された1枚の静止画像からなるキャラクタの画像を液晶表示装置に表示させて、該画像を拡大させることで表示させていることを説明する説明図である。
【
図15】(a)~(d)は、
図14(b)に示す方法とは異なる方法で、縮小された1枚の静止画像からなるキャラクタの画像を液晶表示装置に表示させて、該画像を拡大させることで
図14(a)に示すような表示をさせることを説明する説明図である。
【
図16】(a)~(c)は、縮小された1枚の静止画像からなるキャラクタの画像を液晶表示装置に表示させて、該画像を拡大させ、その後、拡大させた画像を縮小させたことを説明する説明図である。
【
図17】(a)は、1枚の静止画像が液晶表示装置に表示されている画面例を示し、(b)は、(a)に示すような表示をさせるにあたって、縮小された1枚の静止画像を液晶表示装置に表示させて、該画像を拡大させることで表示させていることを説明する説明図である。
【
図18】(a)は、
図17(a)に示すような表示をさせるにあたって、文字が表示されていない1枚の静止画像が液晶表示装置に表示されている画面例を示し、(b)は、文字を表示させるにあたって、縮小された1枚の文字画像を液晶表示装置に表示させて、該文字画像を拡大させることで表示させていることを説明する説明図である。
【
図19】同実施形態に係るサブ制御のメイン処理を示すフローチャート図である。
【
図20】
図19に示すデータ解析処理を示すフローチャート図である。
【
図21】同実施形態に係るサブ制御のタイマ割込み処理を示すフローチャート図である。
【
図22】同実施形態に係るサブ制御のコマンド受信処理を示すフローチャート図である。
【
図23】(a)は動画に関する初期コマンドリストを説明するフローチャート図を示し、(b)は動画に関する定常コマンドリストを説明するフローチャート図を示し、(c)は静止画に関するコマンドリストを説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態を、パチンコ遊技機を例にして、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0013】
<遊技機外観構成の説明>
まず、
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成を説明する。
【0014】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、木製の外枠2の前面に矩形状の前面枠3を開閉可能に取り付け、その前面枠3の裏面に取り付けられている遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤4が装着された構成からなる。遊技盤4は、
図2に示す遊技領域40を前面に臨ませた状態で装着され、
図1に示すようにこの遊技領域40の前側に透明ガラスを支持したガラス扉枠5が設けられている。なお、上記遊技領域40は、遊技盤4の面上に配設された球誘導レール6(
図2参照)で囲まれた領域からなるものである。
【0015】
一方、パチンコ遊技機1は、
図1に示すように、ガラス扉枠5の下側に前面操作パネル7が配設され、その前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が一体形成されている。また、この前面操作パネル7には、球貸しボタン11及びプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられ、さらには、略十字キーからなる操作スイッチ13が設けられている。この操作スイッチ13は、主として遊技者が使用するもので、上下左右4箇所に対応する上下左右選択スイッチSW1~SW4とで構成されている。
【0016】
一方、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプ(図示せず)点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置14が設けられている。また、この上受け皿9には、当該上受け皿9に貯留された遊技球を下方に抜くための球抜きボタン15が設けられている。
【0017】
また一方、
図1に示すように、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射ハンドル16が設けられ、前面枠3の上部両側面側には、BGM(Background music)あるいは効果音を発するスピーカ17が設けられている。そして、上記前面枠3の周枠には、LEDランプ等の装飾ランプが配設されている。
【0018】
他方、上記遊技盤4の遊技領域40には、
図2に示すように、略中央部にLCD(Liquid Crystal Display)等からなる液晶表示装置41が配設されている。この液晶表示装置41は、表示エリアを左、中、右の3つのエリアに分割し、独立して数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)の変動表示等が可能なものである。そしてこのような液晶表示装置41の周囲には、装飾用の上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cが設けられており、この上飾り42a、左飾り42b、右飾り42cの背面側には可動役物装置43が配設されている。
【0019】
この可動役物装置43は、
図2に示すように、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う上可動役物43aと、左可動役物43bと、右可動役物43cと、左上可動役物43dと、さらに、上・左・右・左上可動役物43a~43dを、夫々、駆動する2相のステッピングモータ等のモータ(図示せず)とで構成されている。なお、これら上・左・右・左上可動役物43a~43dには、光の装飾により演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが配設されている。
【0020】
一方、液晶表示装置41の真下には、特別図柄始動口44が配設され、その内部には入賞球を検出する特別図柄始動口スイッチ44a(
図3参照)が設けられている。そして、この特別図柄始動口44の右側には、大入賞口45が配設され、その内部には入賞球を検出する大入賞口スイッチ45a(
図3参照)が設けられている。
【0021】
さらに、上記液晶表示装置41の右上部(右飾り42c近傍)にはゲートからなる普通図柄始動口46が配設され、その内部には、遊技球の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ46a(
図3参照)が設けられている。また、上記大入賞口45の右側及び上記特別図柄始動口44の左側には、一般入賞口47が夫々配設され(図示では、右側に1つ、左側に3つ)、その内部には、夫々、遊技球の通過を検出する一般入賞口スイッチ47a(
図3参照)が設けられている。
【0022】
そして、上記遊技盤4の遊技領域40の右下周縁部には、7セグメントが3個並べて構成されており、そのうち2個の7セグメントが特別図柄表示装置48であり、他の7セグメントは保留球数等を表示するものである。この特別図柄表示装置48の左側には、2個のLEDからなる普通図柄表示装置49が設けられている。なお、上記遊技盤4の遊技領域40には、複数の遊技釘(図示せず)が配設され、遊技球の落下方向変換部材としての風車50が配設されている。
【0023】
<制御装置の説明>
次に、上記のような外観構成からなるパチンコ遊技機1内に設けられる遊技の進行状況に応じて電子制御を行う制御装置を、
図3を用いて説明する。この制御装置は、
図3に示すように、遊技動作全般の制御を司る主制御基板60と、その主制御基板60からの制御コマンドに基づいて遊技球を払出す払出制御基板70と、画像と光と音についての制御を行うサブ制御基板80とで主に構成されている。
【0024】
主制御基板60は、主制御CPU600と、一連の遊技制御手順を記述した遊技プログラム等を格納した主制御ROM601と、作業領域やバッファメモリ等として機能する主制御RAM602とで構成されたワンチップマイクロコンピュータを搭載している。そして、このように構成される主制御基板60には、払出モータMを制御して遊技球を払い出す払出制御基板70が接続されている。そしてさらには、特別図柄始動口44への入賞を検出する特別図柄始動口スイッチ44aと、普通図柄始動口46の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ46aと、一般入賞口47への入賞を検出する一般入賞口スイッチ47aと、大入賞口45への入賞を検出する大入賞口スイッチ45aとが接続されている。また、主制御基板60には、特別図柄表示装置48と、普通図柄表示装置49とが接続されている。
【0025】
このように構成される主制御基板60は、特別図柄始動口スイッチ44a又は普通図柄始動口スイッチ46aからの信号を主制御CPU600にて受信すると、遊技者に有利な特別遊技状態(いわゆる「大当たり」)を発生させるか、あるいは、遊技者に不利な遊技状態(いわゆる「ハズレ」)を発生させるかの抽選を行い、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄あるいは普通図柄の表示内容を決定し、その決定した情報を特別図柄表示装置48又は普通図柄表示装置49に送信する。これにより、特別図柄表示装置48又は普通図柄表示装置49に抽選結果が表示されることとなる。そしてさらに、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600は、その決定した情報を含む演出制御コマンドを生成し、サブ制御基板80に送信する。なお、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600が、一般入賞口スイッチ47a、大入賞口スイッチ45aからの信号を受信した場合は、遊技者に幾らの遊技球を払い出すかを決定し、その決定した情報を含む払出制御コマンドを払出制御基板70に送信することで、払出制御基板70が遊技者に遊技球を払い出すこととなる。
【0026】
一方、払出制御基板70は、上記主制御基板60(主制御CPU600)からの払出制御コマンドを受信し、その受信した払出制御コマンドに基づいて払出モータ信号を生成する。そして、その生成した払出モータ信号にて、払出モータMを制御し、遊技者に遊技球を払い出す。そしてさらに、払出制御基板70は、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や払出動作の異常に係るステイタス信号を送信し、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板71の動作を開始又は停止させる発射制御信号を送信する処理を行う。
【0027】
サブ制御基板80は、上記主制御基板60(主制御CPU600)からの演出制御コマンドを受けて各種演出を実行制御すると共に、液晶表示装置41に表示される表示画像を制御するサブ制御CPU800aと、演出制御手順を記述した制御プログラムや
図4に示す演出シナリオテーブルPR_TBL等が格納されているサブ制御ROM800bと、作業領域やバッファメモリ等として機能するサブ制御RAM800cとで構成されたサブワンチップマイコン800を搭載している。そしてさらに、サブ制御基板80は、所望のBGMや効果音を生成する音LSI801と、BGMや効果音等の音データ等が予め格納されている音ROM802と、サブワンチップマイコン800の指示に基づき液晶表示装置41に表示される画像データを生成するVDP803と、静止画圧縮データと動画圧縮データが格納されているCGROM804と、動画圧縮データを伸張する作業領域と、液晶表示装置41に表示される画像データを一時的に保存するフレームバッファ領域とで構成されるDDR2SDRAM805とが搭載されている。なお、静止画とは、いわゆるスプライト画像であって、文字等のテキストデータや背景画像、あるいは、特別図柄等、単一の画像を示すものである。また、動画とは、連続的に変化する複数枚(複数フレーム分)の静止画の集合を意味し、液晶表示装置41に複数枚の静止画が連続して描画されることで、円滑な動作が再現されるものである。なおまた、静止画圧縮データと、動画圧縮データは、一体的に作成されておらず、別々に作成され、それぞれ、別々にCGROM804内に格納されている。しかして、文字等のテキストデータである静止画圧縮データと、動画圧縮データとが別々に作成され、CGROM804内に別々に格納されることにより、綴り間違い等の不具合が発生しても、その文字等のテキストデータだけを修正すれば良いからデバックの精度を向上させることができ、さらには、作業工数を削減することができる。
【0028】
このように構成されるサブ制御基板80には、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが搭載されている装飾ランプ基板90が接続され、さらに、各種設定等が可能な操作スイッチ13が接続され、内蔵されているランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置14が接続され、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う可動役物装置43が接続されている。そしてさらに、BGMや効果音等を発するスピーカ17が接続され、さらに、液晶表示装置41が接続されている。
【0029】
かくして、このように構成されるサブ制御基板80は、主制御基板60(主制御CPU600)より送信される大当たり抽選結果(大当たりかハズレの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、始動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報を含んだ演出制御コマンドをサブ制御CPU800aにて受信する。そして、サブ制御CPU800aは、受信した演出制御コマンドに対応した演出パターンを、サブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンを実行指示する制御信号をサブ制御RAM800c内に一時的に格納する。
【0030】
サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、音に関する制御信号を音LSI801に送信する。これを受けて音LSI801は、当該制御信号に対応する音データを音ROM802より読み出し、スピーカ17に出力する。これにより、スピーカ17より上記決定された演出パターンに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
【0031】
またサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、光に関する制御信号を装飾ランプ基板90に送信する。これにより、装飾ランプ基板90が、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプを点灯又は消灯する制御を行うため、上記決定された演出パターンに対応したランプ演出が実行されることとなる。
【0032】
そしてサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成し、その生成した画像データを液晶表示装置41に送信することにより、上記決定された演出パターンに対応した画像が液晶表示装置41に表示されることとなる。
【0033】
さらにサブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、可動役物に関する制御信号を可動役物装置43に送信する。これにより、可動役物装置43は、上記決定された演出パターンに対応した可動をすることとなる。なお、
図3に示す符号100は電源基板で、上記説明した各基板への電源を供給しており、図示では、電源供給ルートは、省略している。
【0034】
<演出シナリオテーブルの説明>
ここで、サブ制御ROM800b内に格納されている演出シナリオテーブルPR_TBLについて、
図4を用いて詳しく説明する。
図4(a)に示すように、演出シナリオテーブルPR_TBLには、サブ制御CPU800aにて決定された演出パターンに対応した複数の演出シナリオデータPS_DATAが格納されている。この演出シナリオデータPS_DATAには、液晶表示装置41に表示させる画像データを描画する際に使用される1レイヤ毎のデータである1レイヤデータPS_DATA1が複数格納されている。この1レイヤデータPS_DATA1には、
図4(b)に示すように、1フレーム~10フレーム描画する等のフレームデータPS_DATA10と、制御コードデータPS_DATA11と、液晶表示装置41に表示させる際の位置を示す座標データPS_DATA12と、画像の変形,拡大,縮小,透過度等の画素計算データPS_DATA13と、画像の拡大,縮小を示す拡縮データPS_DATA14とが格納されている。そしてさらには、スピーカ17より発せられる音を示す音データPS_DATA15と、可動役物装置43を可動させるための可動役物データPS_DATA16と、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプを点灯又は消灯させるためのランプデータPS_DATA17とが格納されている。
【0035】
また、制御コードデータPS_DATA11は、
図4(c)に示す制御テーブルCH_TBLが格納されているサブ制御ROM800bのアドレス番地が格納されており、そのアドレス番地に示す内容のデータが参照されることとなる。すなわち、制御テーブルCH_TBLは、
図4(c)に示すように、複数のキャラ用データCH_DATAが格納されており、このキャラ用データCH_DATAには、静止画か動画かを示すデータPS_DATA110と、CGROM804のアドレス番地を示すアドレスデータPS_DATA111と、画像サイズを示す画像サイズデータPS_DATA112と、操作スイッチ13の連打演出又は演出ボタン装置14の押下演出の有効/無効を示すボタンデータPS_DATA113と、可動役物装置43の可動を開始するタイミングを示す可動役物タイミングデータPS_DATA114と、が格納されている。これにより、制御コードデータPS_DATA11は、
図4(c)に示す制御テーブルCH_TBLに格納されている複数のキャラ用データCH_DATAから、一つのキャラ用データCH_DATAを参照することとなる。なお、演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1は、優先順位が低いものから順に格納されており、この優先順位が低い位置に、
図4(c)に示す制御テーブルCH_TBLより動画を示すデータPS_DATA110が参照されるような制御コードデータPS_DATA11が格納され、優先順位が高い位置に、
図4(c)に示す制御テーブルCH_TBLより静止画を示すデータPS_DATA110が参照されるような制御コードデータPS_DATA11が格納されている。
【0036】
<VDPの説明>
一方、液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するVDP803は、
図5に示すように構成されている。
【0037】
図5に示すように、VDP803は、DDR2SDRAM805用のインターフェース回路(I/F)8030と、CGROM804用のインターフェース回路(I/F)8031と、サブワンチップマイコン800用のインターフェース回路(I/F)8032とが内蔵されている。そしてさらに、VDP803は、サブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)からインターフェース回路(I/F)8032を介してアクセスされるシステム制御レジスタ8033と、コマンドリストを記憶するコマンドメモリ8034と、コマンドリストを解析するコマンドパーサ8035と、CGROM804内のデータの読出しを制御するCGメモリコントローラ8036と、静止画圧縮データをデコードする静止画デコーダ8037と、動画圧縮データをデコードする動画デコーダ8038と、静止画デコーダ8037及び動画デコーダ8038にてデコード(伸張)された画像について、拡大・縮小・回転・移動などのアフィン変換や投影変換などを実行するジオメトリエンジン8039と、内蔵VRAM8040と、液晶表示装置41に表示される画像データを生成するレンダリングエンジン8041と、DDR2SDRAM805内のデータの読出し、及び、DDR2SDRAM805内へのデータの書き込みを制御するDDR2SDRAMコントローラ8042と、液晶表示装置41へレンダリングエンジン8041にて生成された画像データを表示させるタイミング等の制御を行うディスプレイコントローラ8043と、液晶表示装置41へ画像データを送信するにあたり、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)形式で送信するLVDS送信部8044とで構成されている。
【0038】
システム制御レジスタ8033は、VDP803に対する指示データなどをサブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)が書き込むレジスタ群と、VDP803の動作状態などを示す情報をサブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)が読み出すレジスタ群とに大別される。これにより、サブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)は、所定の入力レジスタに必要な設定値を書き込むことで、VDP803を適宜動作させ、必要な出力レジスタの値を参照することで、VDP803の動作状態を把握することが可能となる。
【0039】
一方、コマンドメモリ8034は、コマンドリストが記憶されるもので、このコマンドリストは、サブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)よりインターフェース回路(I/F)8032を介して送信されてくるものである。より具体的に説明すると、サブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)は、主制御基板60(主制御CPU600)にて受信した演出制御コマンドに対応した演出パターンを、サブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターン、すなわち、
図4に示す演出シナリオテーブルPR_TBLに基づいて、コマンドリストを作成し、インターフェース回路(I/F)8032を介してコマンドメモリ8034に送信する。これを受けて、コマンドメモリ8034は、そのコマンドリストを記憶するというものである。
【0040】
他方、コマンドパーサ8035は、上記コマンドメモリ8034に記憶されているコマンドリストを解析し、このコマンドリスト解析によって、毎フレーム描画動作が実行されることとなる。すなわち、静止画デコーダ8037は、コマンドパーサ8035によるコマンドリストの解析結果に基づいて、CGメモリコントローラ8036を用いて、アドレスデータPS_DATA111(
図4(c)参照)にて示すCGROM804のアドレス番地より静止画圧縮データを読出し、その読み出した静止画圧縮データをデコード(伸張)する。そして、デコードされた静止画データは、内蔵VRAM8040内に一時保存されることとなる。
【0041】
一方、動画デコーダ8038は、コマンドパーサ8035によるコマンドリストの解析結果に基づいて、CGメモリコントローラ8036を用いて、アドレスデータPS_DATA111(
図4(c)参照)にて示すCGROM804のアドレス番地より動画圧縮データを読出し、その読み出した動画圧縮データをデコード(伸張)する。そして、デコードされた動画データは、DDR2SDRAM805内に一時保存されることとなる。
【0042】
このようにして、デコード(伸張)された静止画や動画(1フレーム分の動画)は、コマンドパーサ8035によるコマンドリストの解析結果、すなわち、
図4(b)に示す各種データ(フレームデータPS_DATA10,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づいて、ジオメトリエンジン8039が、拡大・縮小・回転・移動などのアフィン変換や、投影変換などの処理を施し、その処理が施された静止画データは、内蔵VRAM8040内に格納され、動画データは、DDR2SDRAM805内に格納されることとなる。
【0043】
そして、その後、レンダリングエンジン8041が機能して、DDR2SDRAM805内に格納されている動画データが、DDR2SDRAMコントローラ8042によって読み出され、レンダリングエンジン8041によって、動画データが描画される。次いで、内蔵VRAM8040より静止画データが読み出され、静止画データが描画される。これにより、動画データ上に静止画データが上書き描画されることにより、液晶表示装置41に表示される画像データが生成されることとなる。なお、この生成された画像データは、DDR2SDRAMコントローラ8042によって、DDR2SDRAM805内のフレームバッファ領域内に書き込まれることとなる。
【0044】
かくして、フレームバッファ領域内に書き込まれた画像データは、ディスプレイコントローラ8043によって、DDR2SDRAMコントローラ8042より読み出され、LVDS送信部8044によって液晶表示装置41に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置41にレンダリングエンジン8041によって生成された画像データが表示されることとなる。
【0045】
ところで、液晶表示装置41に表示される画像データは1フレーム毎に更新されるが、この1フレームの表示動作が終わったことをサブワンチップマイコン800(サブ制御CPU800a)が把握できるように、
図3,
図5に示すVSYNC(垂直同期信号)を割込み信号としてVDP803からサブ制御CPU800aに対して送信するようにしている。これにより、サブ制御CPU800aは、1フレーム分の画像データが液晶表示装置41に表示されたことを把握することができる。なお、このVSYNC割込み信号は、例えば、33ms毎に発生するようにしている。
【0046】
ここで、本発明の特徴とするところは、割込み演出、又は、画像演出に関するところであるため、この点につき、
図6~
図18を参照して具体的に説明する。
【0047】
<割込み演出(突入演出)の説明>
まず、割込み演出(突入演出)に関する点について説明することとする。
【0048】
特別図柄始動口44(
図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ44a(
図3参照)にて検出)すると、その入賞した遊技球(入賞球)に対して、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当たり」)、あるいは、遊技者に不利な遊技状態を発生させるか(いわゆる「ハズレ」)の抽選が主制御基板60(主制御CPU600)にて行われる。そして、その抽選結果が演出制御コマンドとして主制御基板60(主制御CPU600)よりサブ制御基板80に送信される。
【0049】
そして、サブ制御基板80は、上記演出制御コマンドをサブ制御CPU800aにて受信し、当該サブ制御CPU800aは、受信した演出制御コマンドに対応した演出パターンをサブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成し、その生成した画像データを液晶表示装置41に送信することにより、上記決定された演出パターンに対応した画像が液晶表示装置41に表示されることとなる。
【0050】
ところで、多数の演出パターンの中から抽選により決定した演出パターンが、割込み演出(突入演出)が発生するものであった場合、以下のように処理される。なお、このような割込み演出(突入演出)は、先読み予告演出などの複数変動にまたがるものに使用される。
【0051】
特別図柄始動口44(
図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ44a(
図3参照)にて検出)すると、主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御コマンドとして変動コマンドが送信され、もって、特別図柄の変動が開始(
図6に示すタイミングT1参照)し、液晶表示装置41には、
図7(a)に示すように、特別図柄の変動が表示、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動が表示される(本変動表示映像P1参照)。そして、
図6に示すタイミングT2時、上記決定した演出パターン内に組み込まれた突入演出の開始を示す開始フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、割込み演出である突入演出が実行される。この際、液晶表示装置41には、
図7(b)に示すように、中特別図柄SD2が停止し、中特別図柄SD2の四隅側に「突入演出」との文字が表示される(画像P2参照)。なお、開始フラグの詳細は、後述することとする。
【0052】
次いで、液晶表示装置41には、
図7(b)に示すような画像P2が表示された後、
図7(c)に示すような突入演出表示映像P3が表示される。液晶表示装置41に表示される突入演出表示映像P3は、突入演出(本実施形態においては、光沢のある卵型の球形状の周りをリング状の光が覆っている映像P3aを例示)が表示され、画面右下隅には、遊技者が視認できる程度に小さく左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動が表示(映像P3b参照)されているものである。そして、
図6に示すタイミングT5時、突入演出シナリオ内に組み込まれた突入演出の終了を示す終了フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、突入演出の実行が終了する。この際、液晶表示装置41には、
図7(f)に示すように、特別図柄の変動が表示、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動が表示される(本変動表示映像P1参照)。なお、終了フラグの詳細は、後述することとする。
【0053】
ところで、この突入演出は、
図6に示すように、液晶表示装置41に表示中に、主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御コマンドとして確定コマンドが送信され、
図6に示すタイミングT3時、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の変動が確定しても、さらに、主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御コマンドとして変動コマンドが送信され、
図6に示すタイミングT4時、再び、特別図柄(
図7(e)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の変動が開始しても、その影響を受けずに、突入演出の開始から終了まで表示し続けられるものである。
【0054】
すなわち、従来であれば、本実施形態に示すような割込み演出である突入演出が液晶表示装置41に表示中に、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の変動が確定する
図9(b-1)に示すタイミングT3時、又は、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の変動が再び開始する
図9(b-2)に示すタイミングT4時、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納しておいた抽選により決定した演出パターンをクリアする。そのため、
図9(b-1),(b-2)に示すように、特別図柄の変動が確定(タイミングT3時)、又は、特別図柄の変動が再び開始(タイミングT4時)すると、液晶表示装置41には、表示されている割込み演出である突入演出が表示途中であっても、突入演出の実行が停止するため、非表示となる。それゆえ、遊技者の興趣を低下させてしまう可能性があるといった問題があった。なお、突入演出が非表示となった際、液晶表示装置41には、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の確定内容、又は、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の変動内容が表示されることとなる。
【0055】
そこで、本実施形態においては、サブ制御RAM800cに格納される演出パターンとは別の領域に割込み演出(突入演出)を格納するようにしている。
【0056】
しかして、本実施形態に示すような割込み演出である突入演出が液晶表示装置41に表示中に、
図9(b-1),(b-2)に示すように、特別図柄の変動が確定(タイミングT3時)、又は、特別図柄の変動が再び開始(タイミングT4時)した際、サブ制御CPU800aが、サブ制御RAM800cに格納される演出パターン(変動に関する演出を含む)の領域をクリアし、割込み演出(突入演出)の領域をクリアしないようにすれば、液晶表示装置41に表示されている割込み演出である突入演出は、
図9(b-1),(b-2)に示すように、タイミングT5時、サブ制御CPU800aが突入演出の終了を示す終了フラグを実行するまで、液晶表示装置41に表示し続けられることとなる。
【0057】
しかして、本実施形態によれば、発生した割込み演出を途中で終了させることなく、最後まで表示させることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0058】
ところで、上記のような変動に関する演出と、割込み演出(突入演出)とを液晶表示装置41に表示するにあたって、
図6に示すような表示をしている。すなわち、タイミングT1~T2時、
図7(a)に示すような特別図柄の変動を表示、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動を表示し(本変動表示映像P1参照)ている。そして、液晶表示装置41の表示を切り替え、タイミングT2~T3時、
図7(b)に示すような画像P2を表示した後、
図7(c)に示すような突入演出表示映像P3、すなわち、突入演出(本実施形態においては、光沢のある卵型の球形状の周りをリング状の光が覆っている映像P3aを例示)、並びに、遊技者が視認できる程度に小さく左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動を表示(映像P3b参照)している。さらに、タイミングT3時、
図7(d)に示すような突入演出表示映像P4、すなわち、突入演出(本実施形態においては、光沢のある卵型の球形状の周りをリング状の光が覆っている映像P3aを例示)、並びに、遊技者が視認できる程度に小さく、確定した左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3を表示(映像P4a参照)している。そしてさらに、タイミングT4時、
図7(e)に示すような突入演出表示映像P3、すなわち、突入演出(本実施形態においては、光沢のある卵型の球形状の周りをリング状の光が覆っている映像P3aを例示)、並びに、遊技者が視認できる程度に小さく左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動を表示(映像P3b参照)している。またさらに、タイミングT5時、液晶表示装置41の表示を切り替え、
図7(f)に示すような特別図柄の変動を表示、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動を表示し(本変動表示映像P1参照)ている。
【0059】
しかして、このように液晶表示装置41の表示を切り替えるにあたって、本実施形態においては、処理の簡素化を図るため、
図8に示すように、映像を重ね合わせる処理をしている。具体的に説明すると、サブ制御CPU800aが、
図6に示す変動に関する演出の画像(映像)に基づくコマンドリストをVDP803に送信すると、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像(映像)を表示させるように、
図8に示す本変動表示映像P1を生成する。そして、その生成された本変動表示映像P1は、VDP803によって、液晶表示装置41に描画される。さらに、サブ制御CPU800aは、
図7(b)~(e)に示すような突入演出が発生した際、
図6に示す割込み演出の画像に関するコマンドリストもVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像(映像)を表示させるように、
図8に示す突入演出表示映像P3を生成する。そして、その生成された突入演出表示映像P3は、VDP803によって、
図8に示すように、本変動表示映像P1上に重ね合わされて、液晶表示装置41に描画される。すなわち、液晶表示装置41には本変動表示映像P1,突入演出表示映像P3の何れも、VDP803によって、描画されている。そして、液晶表示装置41に突入演出表示映像P3を描画するにあたって、突入演出表示映像P3を本変動表示映像P1上に重ね合わせるようにしている。これにより、本変動表示映像P1は、突入演出表示映像P3により完全に隠蔽されることとなるから、液晶表示装置41には、
図7(c)~(e)に示すような突入演出表示映像P3が表示され、
図8に示す本変動表示映像P1(左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)は、
図6に示すタイミングT2~タイミングT5中も液晶表示装置41に描画(
図6に示す特別図柄の変動→確定→再変動の描画)され続けているものの、遊技者からは視認不能(視認できない)となる。そのため、本変動表示映像P1の内容を示す表示として、
図7(c)~(e),
図8に示すように、遊技者が視認できる程度に小さく左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動又は確定を表示(映像P3b、P4a参照)している。なお、
図7(b)~(e)に示すような突入演出が発生していない時、又は、終了した時は、
図8に示す突入演出表示映像P3は生成されないため、本変動表示映像P1上に重ね合わされていた突入演出表示映像P3がなくなり、もって、本変動表示映像P1(左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)が液晶表示装置41に表示、すなわち、遊技者からは視認可能となる。
【0060】
しかして、このように、液晶表示装置41の表示を切り替えるにあたって、上記説明したような重ね合わせる処理をすれば、処理が簡素化されることとなる。すなわち、液晶表示装置41に突入演出表示映像P3が遊技者から視認可能に表示されている際、例えば、遊技者からは視認不能(視認できない)な本変動表示映像P1を生成すべく透明な映像を生成する処理をすることも考えられるが、そのような処理をすると、複雑な制御が必要となるため、単に、映像を重ね合わせる処理した方が、処理が簡素化されることとなる。また、このように液晶表示装置41の表示内容に合わせて映像を透明にしたりしなかったりするような処理をすると表示タイミングがずれる可能性があり、もって、遊技者に違和感を与える可能性があるため、単に、映像を重ね合わせる処理した方が好ましい。
【0061】
ところで、本実施形態においては、突入演出の開始を示す開始フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、割込み演出である突入演出が実行され、突入演出の終了を示す終了フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、割込み演出である突入演出の実行が終了する処理にしているが、それは、次の理由によるものである。以下、
図10,
図11を参照して具体的に説明する。
【0062】
まず、
図10(a)に示すように、タイミングT10~タイミングT11時、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行され、タイミングT11~タイミングT14時、ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行され、タイミングT14~タイミングT17時、ステップアップ3(SU3)の会話予告演出が実行される会話予告演出が存在しているものとする。そして、
図10(b)に示すように、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)が4秒間変動し(タイミングT10~タイミングT11)、タイミングT11~タイミングT12の期間中に、中特別図柄SD2の変動が停止する処理が実行される4秒変動演出パターンと、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)が9秒間変動し(タイミングT10~タイミングT13)、タイミングT13~タイミングT15の期間中に、中特別図柄SD2の変動が停止する処理が実行される9秒変動演出パターンと、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)が13秒間変動し(タイミングT10~タイミングT16)、タイミングT16~タイミングT18の期間中に、中特別図柄SD2の変動が停止する処理が実行される13秒変動演出パターンと、が存在しているものとする。
【0063】
かくして、4秒変動演出パターンが実行されている際、会話予告演出が実行されると、
図10(c)に示すように、タイミングT10~タイミングT11時、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行された後、タイミングT13~タイミングT15の期間中に、中特別図柄SD2の変動が停止する処理が実行される。
【0064】
そして、9秒変動演出パターンが実行されている際、ステップアップ1(SU1)のみの会話予告演出が実行されると、
図10(c)に示すように、タイミングT10~タイミングT11時、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行された後、タイミングT11~タイミングT13時、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の変動処理が実行され、そして、タイミングT13~タイミングT15の期間中に、中特別図柄SD2の変動が停止する処理が実行される。
【0065】
また、13秒変動演出パターンが実行されている際、ステップアップ1(SU1)のみの会話予告演出が実行されると、
図10(c)に示すように、タイミングT10~タイミングT11時、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行された後、タイミングT11~タイミングT16時、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の変動処理が実行され、そして、タイミングT16~タイミングT18の期間中に、中特別図柄SD2の変動が停止する処理が実行される。
【0066】
さらに、9秒変動演出パターンが実行されている際、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行されると、
図10(c)に示すように、タイミングT10~タイミングT11時、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行され、タイミングT11~タイミングT14時、ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行され、その後、タイミングT14~タイミングT15の期間中に、中特別図柄SD2の変動が停止する処理が実行される。
【0067】
またさらに、13秒変動演出パターンが実行されている際、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行されると、
図10(c)に示すように、タイミングT10~タイミングT11時、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行され、タイミングT11~タイミングT14時、ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行され、その後、タイミングT14~タイミングT17時、特別図柄(
図7(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)の変動処理が実行され、そして、タイミングT16~タイミングT18の期間中に、中特別図柄SD2の変動が停止する処理が実行される。
【0068】
そしてさらに、13秒変動演出パターンが実行されている際、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ3(SU3)の会話予告演出が実行されると、
図10(c)に示すように、タイミングT10~タイミングT11時、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行され、タイミングT11~タイミングT14時、ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行され、タイミングT14~タイミングT17時、ステップアップ3(SU3)の会話予告演出が実行され、その後、タイミングT17~タイミングT18の期間中に、中特別図柄SD2の変動が停止する処理が実行される。
【0069】
かくして、4秒変動演出パターン、9秒演出パターン、13秒演出パターンの何れかが実行される際、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ3(SU3)の会話予告演出が実行されるパターンとして、
図10(c)に示す、6パターンの演出の何れかが実行されることとなる。
【0070】
ところで、このような6パターンの演出の何れかが実行されるにあたって、上記説明した割込み演出である突入演出を実行させる際、この突入演出は、
図7(b)に示すように、中特別図柄SD2が停止した際、実行されるものであるから、
図11(a)に示すように、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行される4秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT11時から突入演出が実行される。また、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行される9秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT13時から突入演出が実行される。さらに、ステップアップ1(SU1)のみの会話予告演出が実行される13秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT16時から突入演出が実行される。またさらに、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行される9秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT14時から突入演出が実行される。そしてさらに、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行される13秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT16時から突入演出が実行される。またさらに、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ3(SU3)の会話予告演出が実行される13秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT17時から突入演出が実行される。
【0071】
しかしながら、上記のように突入演出が実行される6パターン全てのシナリオを用意、すなわち、サブ制御ROM800b内に予め格納しておくと、プログラムの容量が増えるばかりか、本説明では理解を容易にするために会話予告演出しか例示していないが、実際の処理では、他の予告演出等が複合されて実行されるものであるから、処理が複雑化することとなる。
【0072】
そこで、本実施形態においては、突入演出のシナリオを1つだけ用意、すなわち、サブ制御ROM800b内に、突入演出のシナリオを1つだけ予め格納しておき、その突入演出の開始を示す開始フラグ(突入演出のシナリオを呼び出すCALL関数等)を用いて、その1つだけ用意しておいた突入演出が実行されるようにしている。すなわち、
図11(b)に示すように、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行される4秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT11時に、サブ制御CPU800aが、開始フラグを実行するように、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行される4秒変動演出パターンのシナリオに開始フラグを組み込んでおく。これにより、タイミングT11時に、1つだけ用意しておいた突入演出のシナリオがサブ制御ROM800b内より呼び出され(読み出され)、突入演出が実行されることとなる。
【0073】
また、
図11(b)に示すように、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行される9秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT13時に、サブ制御CPU800aが、開始フラグを実行するように、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行される9秒変動演出パターンのシナリオに開始フラグを組み込んでおく。これにより、タイミングT13時に、1つだけ用意しておいた突入演出のシナリオがサブ制御ROM800b内より呼び出され(読み出され)、突入演出が実行されることとなる。
【0074】
さらに、
図11(b)に示すように、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行される13秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT16時に、サブ制御CPU800aが、開始フラグを実行するように、ステップアップ1(SU1)の会話予告演出が実行される13秒変動演出パターンのシナリオに開始フラグを組み込んでおく。これにより、タイミングT16時に、1つだけ用意しておいた突入演出のシナリオがサブ制御ROM800b内より呼び出され(読み出され)、突入演出が実行されることとなる。
【0075】
またさらに、
図11(b)に示すように、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行される9秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT14時に、サブ制御CPU800aが、開始フラグを実行するように、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行される9秒変動演出パターンのシナリオに開始フラグを組み込んでおく。これにより、タイミングT14時に、1つだけ用意しておいた突入演出のシナリオがサブ制御ROM800b内より呼び出され(読み出され)、突入演出が実行されることとなる。
【0076】
そしてさらに、
図11(b)に示すように、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行される13秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT16時に、サブ制御CPU800aが、開始フラグを実行するように、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ2(SU2)の会話予告演出が実行される13秒変動演出パターンのシナリオに開始フラグを組み込んでおく。これにより、タイミングT16時に、1つだけ用意しておいた突入演出のシナリオがサブ制御ROM800b内より呼び出され(読み出され)、突入演出が実行されることとなる。
【0077】
またさらに、
図11(b)に示すように、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ3(SU3)の会話予告演出が実行される13秒変動演出パターンが実行されている際、タイミングT17時に、サブ制御CPU800aが、開始フラグを実行するように、ステップアップ1(SU1)~ステップアップ3(SU3)の会話予告演出が実行される13秒変動演出パターンのシナリオに開始フラグを組み込んでおく。これにより、タイミングT18時に、1つだけ用意しておいた突入演出のシナリオがサブ制御ROM800b内より呼び出され(読み出され)、突入演出が実行されることとなる。
【0078】
しかして、このように、突入演出のシナリオを1つだけ用意しておき、その突入演出の開始を示す開始フラグを各種シナリオに組み込んでおけば、所望のタイミングで突入演出が実行されることとなるから、プログラムの容量を削減することができ、さらに、処理を簡素化することができる。
【0079】
以上のことより、本実施形態においては、突入演出の開始を示す開始フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、割込み演出である突入演出が実行され、突入演出の終了を示す終了フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、割込み演出である突入演出の実行が終了する処理にしている。
【0080】
ところで、突入演出の終了を示す終了フラグを用いているのは、次の理由によるものである。以下、
図9を参照して具体的に説明する。
【0081】
図9(b-1),(b-2)に示すように、タイミングT2時、サブ制御CPU800aが、突入演出の開始を示す開始フラグを実行すると、サブ制御CPU800aは、
図9(a)に示す、突入演出の表示に関する制御コマンド(D608H 01H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(突入演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(突入演出)に関する領域に格納されている突入演出の表示に関する制御コマンド(D608H 01H)を読み出し、その制御コマンドに対応した画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成し、その生成した画像データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41に、
図7(b)~(e)に示すような突入演出が表示されることとなる。
【0082】
しかしながら、このままでは、上述したように、サブ制御RAM800cの割込み演出(突入演出)に関する領域は、特別図柄の変動が確定、又は、特別図柄の変動が再び開始したとしても、サブ制御CPU800aにてクリアされないため、突入演出の表示に関する制御コマンド(D608H 01H)が格納されたままとなる。それゆえ、液晶表示装置41に、
図7(c)~(e)に示すような突入演出が表示され続けることとなり、新たに、突入演出を開始しようとしても、開始されないこととなる。そこで、適切なタイミングで突入演出の表示を終了するようにするため、1つだけ用意しておいた突入演出のシナリオの最後に、突入演出の終了を示す終了フラグを組み込んでおく。これにより、サブ制御CPU800aが、突入演出のシナリオを実行した最後に、突入演出の終了を示す終了フラグを実行すると、サブ制御CPU800aは、
図9(a)に示す、突入演出の表示に関する制御コマンド(D608H 00H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(突入演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(突入演出)に関する領域に格納されている突入演出の表示に関する制御コマンド(D608H 00H)を読み出し、その制御コマンドに対応した画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、液晶表示装置41に、
図7(c)~(e)に示すような突入演出が表示されないように処理する。
【0083】
しかして、このようにすれば、発生した割込み演出を途中で終了させることなく、最後まで表示させることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができることとなる。
【0084】
以上のことより、本実施形態においては、突入演出の実行を終了させるにあたって、突入演出の終了を示す終了フラグを用いて、終了させるようにしている。
【0085】
<割込み演出(蝶の演出)の説明>
次に、割込み演出(蝶の演出)に関する点について説明することとする。上記説明した割込み演出(突入演出)では、突入演出が発生すると、
図7(a)に示すような特別図柄の変動が表示されないが、この割込み演出(蝶の演出)では、割込み演出(蝶の演出)と共に、
図7(a)に示すような特別図柄の変動も表示されるようになっている。このような割込み演出(蝶の演出)にも、上記割込み演出(突入演出)にて説明した処理が適用可能である。この点、
図12~
図13を主に参照して具体的に説明する。なお、この割込み演出(蝶の演出)も、先読み予告演出などの複数変動にまたがるものに使用される。
【0086】
特別図柄始動口44(
図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ44a(
図3参照)にて検出)すると、主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御コマンドとして変動コマンドが送信され、もって、特別図柄の変動が開始(
図13(a)に示すタイミングT20参照)することとなる。この際、液晶表示装置41には、
図12(a)に示すような、特別図柄の変動が表示、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動が表示される(画像P10参照)。
【0087】
次いで、
図13(a)に示すタイミングT21時、主制御基板60(主制御CPU600)より受信した演出制御コマンドに対応した演出パターンをサブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中からサブ制御CPU800aが抽選により決定した演出パターンに組み込まれた、蝶の発生を示す発生フラグを、サブ制御CPU800aが実行すると、蝶が発生する演出が実行される。すなわち、サブ制御CPU800aが、蝶の発生を示す発生フラグを実行(サブ制御ROM800b内に格納されている蝶の演出シナリオを呼び出し(読み出し)実行)すると、サブ制御CPU800aは、
図13(b)に示す、蝶の発生パターンに関する制御コマンド(D188H 04H、又は、D188H 05H(本実施形態では、この制御コマンドが発生)、又は、D188H 06H、又は、D188H 07H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の発生パターンに関する制御コマンド(D188H 05H)を読み出し、その制御コマンドに対応した画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成し、その生成した画像データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41に、
図12(b)に示すような蝶の演出が表示されることとなる。より具体的に説明すると、サブ制御CPU800aが、
図13(a)に示すタイミングT21時、
図12(b)に示すように、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動し、右特別図柄SD3が停止する変動に関する演出の画像に基づくコマンドリストをVDP803に送信すると、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように、
図12(b)に示す画像P20a(左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動し、右特別図柄SD3が停止している画像)を生成する。そして、その生成された画像P20aは、VDP803によって、液晶表示装置41に描画される。さらに、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の発生パターンに関する制御コマンド(D188H 05H)を読み出し、その制御コマンドに対応した画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これを受けて、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように、
図12(b)に示す画像P20b(蝶CH1の画像)を生成する。そして、その生成された画像P20bは、VDP803によって、液晶表示装置41に描画される。これにより、
図12(b)に示すように、液晶表示装置41には、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動し、右特別図柄SD3が停止している画像P20aの右特別図柄SD3から蝶CH1の画像P20bが発生している画像P20が表示されることとなる。
【0088】
次いで、サブ制御CPU800aは、
図13(a)に示すタイミングT21~タイミングT22中、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動し、右特別図柄SD3が停止する変動に関する演出の画像に基づくコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように、
図12(c)に示す画像P30a(左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動し、右特別図柄SD3が停止している画像)を生成する。そして、その生成された画像P30aは、VDP803によって、液晶表示装置41に描画される。さらに、サブ制御CPU800aは、
図13(a)に示すタイミングT21~タイミングT22中、サブ制御ROM800bから呼び出した(読み出した)蝶の演出シナリオに基づき、
図12(b)に示す蝶CH1の画像P20bの位置から、
図12(c)に示す蝶CH1の画像P30bの位置まで、
図12(b)に示す矢印Y1方向に蝶CH1を移動させる画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これを受けて、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように、
図12(c)に示す画像P30b(蝶CH1の画像)を生成する。そして、その生成された画像P30bは、VDP803によって、液晶表示装置41に描画される。これにより、
図12(c)に示すように、液晶表示装置41には、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動し、右特別図柄SD3が停止している画像P30aの右特別図柄SD3から蝶CH1が、
図12(b)に示す矢印Y1方向に飛び立ち、
図12(c)に示す蝶CH1の画像P30bの位置まで移動する画像P30が表示されることとなる。
【0089】
次いで、
図13(a)に示すタイミングT22時、サブ制御ROM800bから呼び出した(読み出した)蝶の演出シナリオに組み込まれた、蝶の待機を示す待機フラグを、サブ制御CPU800aが実行すると、蝶がその場で待機する演出が実行される。すなわち、サブ制御CPU800aが、蝶の待機を示す待機フラグを実行すると、サブ制御CPU800aは、
図13(b)に示す、蝶の待機に関する制御コマンド(D188H 03H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の待機に関する制御コマンド(D188H 03H)を読み出し、その制御コマンドに対応した画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成し、その生成した画像データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41に、
図12(c)に示すような蝶の演出が表示されることとなる。より具体的に説明すると、サブ制御CPU800aが、
図13(a)に示すタイミングT22時、
図12(c)に示すように、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動し、右特別図柄SD3が停止する変動に関する演出の画像に基づくコマンドリストをVDP803に送信すると、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように、
図12(c)に示す画像P30a(左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動し、右特別図柄SD3が停止している画像)を生成する。そして、その生成された画像P30aは、VDP803によって、液晶表示装置41に描画される。さらに、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の待機に関する制御コマンド(D188H 03H)を読み出し、その制御コマンドに対応した画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これを受けて、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように、
図12(c)に示す画像P30b(蝶CH1の画像)を生成する。そして、その生成された画像P30bは、VDP803によって、液晶表示装置41に描画される。これにより、
図12(c)に示すように、液晶表示装置41には、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動し、右特別図柄SD3が停止している画像P30aと、画面右上隅で待機している蝶CH1の画像P30bとを備える画像P30が表示されることとなる。なお、この蝶CH1は、
図13(a)に示すタイミングT22~タイミングT27まで、
図12(c)~(g)に示すように、画面右上隅で待機している状態で、液晶表示装置41に表示されることとなる。そして、特別図柄(
図12(a)に示す左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3)は、
図13(a)に示すように、タイミングT23時、
図12(d)に示すように、画面右上隅で待機している蝶CH1(画像P30b参照)と共に、変動内容が確定したもの(画像P40a参照)が液晶表示装置41に表示される(画像P40参照)。さらに、タイミングT24時、
図12(e)に示すように、画面右上隅で待機している蝶CH1(画像P30b参照)と共に、再び変動した内容(画像P50a参照)が液晶表示装置41に表示され(画像P50参照)、タイミングT25時、
図12(f)に示すように、画面右上隅で待機している蝶CH1(画像P30b参照)と共に、変動内容が確定したもの(画像P40a参照)が液晶表示装置41に表示され(画像P40参照)、タイミングT26時、
図12(g)に示すように、画面右上隅で待機している蝶CH1(画像P30b参照)と共に、再び変動した内容(画像P50a参照)が液晶表示装置41に表示されることとなる(画像P50参照)。すなわち、タイミングT22~タイミングT27中、上記説明した割込み演出(突入演出)と同様、特別図柄の変動が確定(タイミングT23時,タイミングT25時)、又は、特別図柄の変動が再び開始(タイミングT24時,タイミングT26時)したとしても、
図12(c)~(g)に示すように、画面右上隅で待機している蝶CH1の画像P30bは、液晶表示装置41に表示され続けることとなる。これは、上記割込み演出(突入演出)で説明したように、サブ制御RAM800cに格納される演出パターンとは別の領域に割込み演出(蝶の演出)を格納するようにし、主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御コマンドとして確定コマンドが送信され、特別図柄の変動が確定(タイミングT23時,タイミングT25時)、又は、主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御コマンドとして変動コマンドが送信され、特別図柄の変動が再び開始(タイミングT24時,タイミングT26時)した際、サブ制御CPU800aが、サブ制御RAM800cに格納されている演出パターン(変動に関する演出含む)の領域をクリアし、割込み演出(蝶の演出)の領域をクリアしないようにしているためである。
【0090】
次いで、
図13(a)に示すタイミングT27時、主制御基板60(主制御CPU600)より受信した演出制御コマンドに対応した演出パターンをサブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中からサブ制御CPU800aが抽選により決定した演出パターンに組み込まれた、待機している蝶の制御内容を示す制御フラグを、サブ制御CPU800aが実行すると、蝶が動作する演出が実行される。すなわち、サブ制御CPU800aが、
図13(a)に示すタイミングT27時、蝶の制御内容を示す制御フラグを実行すると、サブ制御CPU800aは、
図13(b)に示す、蝶の制御パターンに関する制御コマンド(D188H 01H(本実施形態では、この制御コマンドが発生)、又は、D188H 02H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の制御パターンに関する制御コマンド(D188H 01H)を読み出し、その制御コマンドに対応した画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成し、その生成した画像データを液晶表示装置41に送信することにより、液晶表示装置41に、
図12(h)に示すような蝶の演出が表示されることとなる。より具体的に説明すると、サブ制御CPU800aが、
図13(a)に示すタイミングT27時、並びに、タイミングT27~タイミングT28中、
図12(h)に示すように、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3が変動している変動に関する演出の画像に基づくコマンドリストをVDP803に送信する。これを受けて、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように、
図12(h)に示す画像P60a(左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3が変動している画像)を生成する。そして、その生成された画像P60aは、VDP803によって、液晶表示装置41に描画される。さらに、サブ制御CPU800aは、
図13(a)に示すタイミングT27時、並びに、タイミングT27~タイミングT28中、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の制御パターンに関する制御コマンド(D188H 01H)を読み出し、その制御コマンドに対応した画像、すなわち、
図12(h)に示す蝶CH1の破線位置から矢印Y2方向に蝶CH1を移動させ、液晶表示装置41の画面外まで移動させる画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これを受けて、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように、
図12(h)に示す画像を生成する。これにより、
図12(h)に示すように、液晶表示装置41には、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3が変動している画像P60aと、蝶CH1が、
図12(h)に示す破線位置から矢印Y2方向に液晶表示装置41の画面外まで移動する画像とで構成された画像P60が表示されることとなる。
【0091】
しかして、このように、特別図柄の変動内容に如何に係らず、割込み演出(蝶の演出)中に分岐演出を発生させるようにすれば、演出のバリエーション(種類)が増え、遊技者の興趣を向上させることができる。なお、蝶の制御パターンに関する制御コマンド(D188H 02H)のボタン変化とは、上記のように、
図12(h)に示す蝶CH1の破線位置から蝶が飛び立った際、それに合わせて、
図1に示す演出ボタン装置14に内蔵されている内蔵ランプ(図示せず)が点灯することを意味している。なおまた、本実施形態において説明したしたようなボタン変化はあくまで一例であり、例えば、液晶表示装置41に表示されている蝶CH1が、演出ボタン装置14の押下を遊技者に促すボタン表示に変化して表示されるようにしても良い。また、
図12(h)に示す蝶CH1の破線位置から蝶が飛び立った際、それに合わせて、
図1に示す演出ボタン装置14のボタン有効時間が発生するようにしても良い。また、液晶表示装置41に表示されている蝶CH1が、演出ボタン装置14の押下を遊技者に促すボタン表示に変化し、それに合わせて、
図1に示す演出ボタン装置14のボタン有効時間が発生すると共に、演出ボタン装置14に内蔵されている内蔵ランプ(図示せず)が点灯するようにしても良い。
【0092】
次いで、
図13(a)に示すタイミングT28時、サブ制御ROM800bから呼び出した(読み出した)蝶の演出シナリオに組み込まれた、蝶の演出の終了を示す終了フラグを、サブ制御CPU800aが実行すると、蝶の演出が終了することとなる。すなわち、サブ制御CPU800aが、蝶の演出の終了を示す終了フラグを実行すると、サブ制御CPU800aは、
図13(b)に示す、蝶の演出の終了に関する制御コマンド(D188H 00H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の演出の終了に関する制御コマンド(D188H 00H)を読み出し、その制御コマンドに対応した画像に関するコマンドリストをVDP803に送信する。これにより、VDP803が、液晶表示装置41に蝶の演出が表示されないように制御することとなる。
【0093】
しかして、このように、割込み演出(蝶の演出)と共に、変動に関する演出が表示されている場合であっても、上記割込み演出(突入演出)にて説明した処理と同様の処理を適用させることにより、発生した割込み演出を途中で終了させることなく、最後まで表示させることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができることとなる。
【0094】
なお、割込み演出(蝶の演出)においても、フラグを用いて制御しているが、これは、上記割込み演出(突入演出)にて説明した通り、プログラムの容量を削減することができ、さらに、処理を簡素化することができるためである。
【0095】
ところで、液晶表示装置41に、
図12(c)~(g)に示す、画面右上隅で待機している蝶CH1の画像P30bが表示されている際、上記説明した処理内容だけでは、別の予告演出が発生するような演出を発生させる際、新たに、割込み演出(蝶の演出)の実行が開始されてしまう可能性があり、もって、新たに、蝶CH1が液晶表示装置41に表示されてしまうという不自然な演出が実行されてしまう可能性がある。そこで、本実施形態においては、そのようなことが発生しないよう、次のような条件を設けている。
【0096】
すなわち、サブ制御CPU800aが、蝶の発生を示す発生フラグを実行する際、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に、蝶の演出の終了に関する制御コマンド(D188H 00H)が格納されているか否かを確認し、格納されていれば、蝶の発生を示す発生フラグを実行するようにしている。しかして、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に、蝶の演出の終了に関する制御コマンド(D188H 00H)が格納されているということは、液晶表示装置41に蝶CH1の画像が表示されていないということであるから、液晶表示装置41に、
図12(c)~(g)に示す、画面右上隅で待機している蝶CH1の画像P30bが表示されているにもかかわらず、新たに、蝶CH1が液晶表示装置41に表示されてしまうことがなくなる。これにより、不自然な演出が実行されてしまうことがなくなる。
【0097】
また、液晶表示装置41に、蝶CH1が表示されていないにも係らず、蝶の制御パターンに関する制御コマンド(D188H 01H、又は、D188H 02H)が実行され、
図12(h)に示す破線位置から矢印Y2方向に液晶表示装置41の画面外まで移動する画像が表示されないように、次のような条件を設けている。
【0098】
すなわち、サブ制御CPU800aが、待機している蝶の制御内容を示す制御フラグを実行する際、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に、蝶の待機に関する制御コマンド(D188H 03H)が格納されているか否かを確認し、格納されていれば、蝶の制御内容を示す制御フラグを実行するようにしている。しかして、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に、蝶の待機に関する制御コマンド(D188H 03H)が格納されているということは、液晶表示装置41に待機中の蝶CH1の画像が表示されているということであるから、液晶表示装置41に、蝶CH1が表示されていないにも係らず、
図12(h)に示す破線位置から矢印Y2方向に液晶表示装置41の画面外まで移動する蝶CH1の画像が液晶表示装置41に表示されてしまうことがなくなる。これにより、不自然な演出が実行されてしまうことがなくなる。
【0099】
<画像演出の説明>
次に、画像演出に関する点について説明することとする。
【0100】
従来の画像演出においては、アニメーションで作成した動画像を用いて遊技者にインパクト(強い印象)を与えるような演出を実行している。しかしながら、このようなアニメーションで作成した動画像を用いた演出では、プログラム容量が大きくなるばかりか、処理の簡素化が図れないといった問題がある。
【0101】
そこで、本実施形態においては、アニメーションで作成した動画像ではなく、1枚の静止画を用いて、遊技者にインパクト(強い印象)を与えるような演出を実行するようにしている。この点、
図14~
図15を主に参照して具体的に説明する。
【0102】
図14(a)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P100を液晶表示装置41に表示させる演出が発生した際、単に、液晶表示装置41に一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P100を表示させただけでは、遊技者へのインパクトに欠ける可能性がある。
【0103】
そこで、本実施形態においては、次のような処理をしている。すなわち、
図14(b)に示すように、
図14(a)に示す画像P100を縮小した一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P101を、液晶表示装置41の画面左上隅に表示させる。そして、その表示後、瞬時(例えば、0.02秒)に、画像P101の左上隅(破線K1で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y10方向に、画像P101を拡大させ、
図14(a)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P100を液晶表示装置41に表示させるようにしている。
【0104】
上記の処理をより具体的に説明すると、サブ制御CPU800aが、
図14(b)に示す画像P101を表示させ、該画像P101を
図14(b)に示す矢印Y10方向に拡大表示させるようなコマンドリストを、
図4に示す演出シナリオテーブルPR_TBLに基づいて作成し、その作成したコマンドリストをVDP803に送信すると、VDP803が、当該コマンドリストに基づく画像を表示させるように画像データを生成する。すなわち、VDP803は、CGROM804(
図5参照)内に格納されている静止画圧縮データを読み出し、その読み出した静止画圧縮データをデコードし、そのデコード後の画像データを生成する。そして、VDP803は、その生成した画像データを、DDR2SDRAM805(
図5参照)のフレームバッファ領域に格納し、その格納した画像データを液晶表示装置41に表示させるようにする。これにより、
図14(b)に示す画像P101が液晶表示装置41に表示されることとなる。
【0105】
次いで、VDP803は、上記デコード後の画像データを、
図14(b)に示す画像P101の左上隅(破線K1で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y10方向に、拡大処理し、DDR2SDRAM805(
図5参照)のフレームバッファ領域に格納する。そして、VDP803は、その格納した画像データを液晶表示装置41に表示させるようにする。これにより、
図14(b)に示す画像P101が液晶表示装置41に表示された後、瞬時(例えば、0.02秒)に、画像P101の左上隅(破線K1で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y10方向に、画像P101を拡大させた、
図14(a)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P100が、液晶表示装置41に表示させることとなる。
【0106】
しかして、このように、液晶表示装置41に一枚の静止画像からなるキャラクタCH10を表示させるにあたって、一枚の静止画像を、拡大表示させるだけで、躍動感を与えることができ、もって、遊技者にインパクト(強い印象)を与えることができる。また、アニメーションを作成しなくとも、VDP803を用いて、一枚の静止画像を拡大表示させるだけで、遊技者にインパクト(強い印象)を与える演出を実現することができるばかりか、プログラム容量を削減することができ、さらに、処理の簡素化を図ることができる。
【0107】
ところで、一枚の静止画像を、拡大表示させるにあたって、上記説明では、
図14(b)に示す画像P101の左上隅(破線K1で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y10方向に、拡大処理するようにしたが、それに限らず、
図15に示すような方法で拡大処理するようにしても良い。
【0108】
すなわち、
図15(a)に示すように、
図14(a)に示す画像P100を縦長に縮小した一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P102を、液晶表示装置41の画面左隅に表示させる。そして、その表示後、瞬時(例えば、0.017秒)に、画像P102の左辺の中心(破線K2で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y11方向に、画像P102を拡大させ、
図14(a)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P100を液晶表示装置41に表示させる。なお、
図14(b)に示す矢印Y10方向に画像P101を拡大させる距離と、
図15(a)に示す矢印Y11方向に画像P102を拡大させる距離とは異なっている。すなわち、
図14(b)に示す画像P101を拡大させる距離の方が、
図15(b)に示す画像P103を拡大させる距離よりも長くなっている。それゆえ、
図14(b)に示す画像P101を拡大させて
図14(a)に示す画像P100を液晶表示装置41に表示させる時間よりも、
図15(a)に示す画像P102を拡大させて
図14(a)に示す画像P100を液晶表示装置41に表示させる時間の方が短くなっている。
【0109】
また、
図15(b)に示すように、
図14(a)に示す画像P100を縦長に縮小した一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P103を、液晶表示装置41の画面中央位置に表示させる。そして、その表示後、瞬時(例えば、0.015秒)に、画像P103の中心点(破線K3で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y12方向(図示左側)、矢印Y12方向(図示左側)と相反する矢印Y13方向(図示右側)に、画像P103を拡大させ、
図14(a)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P100を液晶表示装置41に表示させる。なお、矢印Y12方向(図示左側)、矢印Y12方向(図示左側)と相反する矢印Y13方向(図示右側)に、画像P103を拡大させるにあたって、同距離拡大するようにしている。これにより、不自然に拡大した画像P100が液晶表示装置41に表示されないこととなる。また、矢印Y12方向(図示左側)、矢印Y13方向(図示右側)に
図15(b)に示す画像P103を拡大させる距離と、
図15(a)に示す画像P102を拡大させる距離とは異なっている。すなわち、
図15(a)に示す画像P102を拡大させる距離の方が、
図15(b)に示す画像P103を拡大させる距離よりも長くなっている。それゆえ、
図15(a)に示す画像P102を拡大させて
図14(a)に示す画像P100を液晶表示装置41に表示させる時間よりも、
図15(b)に示す画像P103を拡大させて
図14(a)に示す画像P100を液晶表示装置41に表示させる時間の方が短くなっている。
【0110】
一方、
図15(c)に示すように、
図14(a)に示す画像P100を横長に縮小した一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P104を、液晶表示装置41の画面中央位置に表示させる。そして、その表示後、瞬時(例えば、0.013秒)に、画像P104の中心点(破線K4で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y14方向(図示上側)、矢印Y14方向(図示上側)と相反する矢印Y15方向(図示下側)に、画像P104を拡大させ、
図14(a)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P100を液晶表示装置41に表示させる。なお、矢印Y14方向(図示上側)、矢印Y14方向(図示上側)と相反する矢印Y15方向(図示下側)に、画像P104を拡大させるにあたって、同距離拡大するようにしている。これにより、不自然に拡大した画像P100が液晶表示装置41に表示されないこととなる。また、
図15(b)に示す画像P103を拡大させる距離と、
図15(c)に示す画像P104を拡大させる距離とは異なっている。すなわち、
図15(b)に示す画像P103を拡大させる距離の方が、
図15(c)に示す画像P104を拡大させる距離よりも長くなっている。それゆえ、
図15(b)に示す画像P103を拡大させて
図14(a)に示す画像P100を液晶表示装置41に表示させる時間よりも、
図15(c)に示す画像P104を拡大させて
図14(a)に示す画像P100を液晶表示装置41に表示させる時間の方が短くなっている。
【0111】
また一方、
図15(d)に示すように、
図14(a)に示す画像P100を縮小した一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P105を、液晶表示装置41の画面中央位置に表示させる。そして、その表示後、瞬時(例えば、0.018秒)に、画像P105の中心点(破線K5で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y16方向(図示左上側)、矢印Y16方向(図示左上側)と相反する矢印Y17方向(図示右下側)、矢印Y18方向(図示右上側)、矢印Y18方向(図示右上側)と相反する矢印Y19方向(図示左下側)に、画像P105を拡大させ、
図14(a)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P100を液晶表示装置41に表示させる。なお、矢印Y16方向(図示左上側)、矢印Y16方向(図示左上側)と相反する矢印Y17方向(図示右下側)、矢印Y18方向(図示右上側)、矢印Y18方向(図示右上側)と相反する矢印Y19方向(図示左下側)に、画像P105を拡大させるにあたって、同距離拡大するようにしている。これにより、不自然に拡大した画像P100が液晶表示装置41に表示されないこととなる。また、
図15(d)に示す画像P105を拡大させる距離は、
図15(a)に示す画像P102を拡大させる距離よりも長く、
図14(b)に示す画像P101を拡大させる距離よりも短くなっている。それゆえ、
図15(d)に示す画像P105を拡大させて
図14(a)に示す画像P100を液晶表示装置41に表示させる時間は、
図15(a)に示す画像P102を拡大させて
図14(a)に示す画像P100を液晶表示装置41に表示させる時間よりも長く、
図14(b)に示す画像P101を拡大させて
図14(a)に示す画像P100を液晶表示装置41に表示させる時間よりも短くなっている。
【0112】
しかして、このように、一枚の静止画像を、拡大表示させるにあたっては、基準を画像の四隅の何れか、又は、画像の四辺の何れか、又は、画像の中心点を基準とするようにすれば良い。このようにすれば、一枚の静止画像を、拡大表示させる際、不自然に拡大表示させることなく、確実に拡大表示させることができることとなる。なお、画像の四辺の何れかを基準とする際は、画像の四辺の何れかの中心を基準とした方が、拡大表示させる処理がよりし易くなる。
【0113】
また、本実施形態においては、画像を拡大表示させる例を示したが、拡大表示させた方向とは逆の方向に画像を縮小表示させても良い。しかして、このようにしても、躍動感を与えることができ、もって、遊技者にインパクト(強い印象)を与えることができる。また、アニメーションを作成しなくとも、VDP803を用いて、一枚の静止画像を縮小表示させるだけで、遊技者にインパクト(強い印象)を与える演出を実現することができるばかりか、プログラム容量を削減することができ、さらに、処理の簡素化を図ることができる。
【0114】
ところで、本実施形態においては、画像を一度、拡大表示又は縮小表示させる例を示したが、一度拡大表示させてから、さらに、縮小又は拡大表示させても良い。
【0115】
すなわち、
図16(a)に示すように、
図14(a)に示す画像P100を縮小した一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P105を、液晶表示装置41の画面中央位置に表示させる。そして、その表示後、瞬時(例えば、0.018秒)に、画像P105の中心点(破線K5で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y16方向(図示左上側)、矢印Y16方向(図示左上側)と相反する矢印Y17方向(図示右下側)、矢印Y18方向(図示右上側)、矢印Y18方向(図示右上側)と相反する矢印Y19方向(図示左下側)に、画像P105を拡大させ、
図16(b)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P110を液晶表示装置41に表示させる。そしてさらに、その表示後、瞬時(例えば、0.005秒)に、画像P110の中心点(破線K5で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y20方向(図示左上側)、矢印Y20方向(図示左上側)と相反する矢印Y21方向(図示右下側)、矢印Y22方向(図示右上側)、矢印Y22方向(図示右上側)と相反する矢印Y23方向(図示左下側)に、画像P110を縮小させ、
図16(c)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P111を液晶表示装置41に表示させる。
【0116】
しかして、このように、一度拡大表示させてから、さらに、縮小又は拡大表示させるというバウンド処理をすれば、より躍動感を与えることができ、もって、遊技者によりインパクト(強い印象)を与えることができる。なお、本実施形態においては、一度拡大表示させてから、さらに、縮小又は拡大表示させる例を示したが、それに限らず、一度拡大表示させてから、さらに、縮小又は拡大表示させ、そしてさらに、縮小又は拡大表示させるというように、縮小又は拡大表示を繰り返し行うようにしても良い。しかして、このように複数回、縮小又は拡大表示を繰り返すことにより、より躍動感を与えることができ、もって、遊技者によりインパクト(強い印象)を与えることができる。
【0117】
ところで、本実施形態においては、キャラクタCH10を例に説明したが、それに限らず、文字画像、枠画像、文字画像と枠画像が一体となった画像にも適用可能である。
【0118】
すなわち、
図17(a)に示すように、キャラクタCH10と、枠画像W1と、枠画像W1の中心に配置されている台詞の文字画像M1とで構成された画像P120を液晶表示装置41に表示させるにあたって、
図17(b)に示すように、
図17(a)に示す画像P120を縦長に縮小した一枚の静止画像からなる画像P121を、液晶表示装置41の画面中央位置に表示させる。そして、その表示後、瞬時(例えば、0.015秒)に、画像P121の中心点(破線K10で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y30方向(図示左側)、矢印Y30方向(図示左側)と相反する矢印Y31方向(図示右側)に、画像P121を拡大させ、
図17(a)に示すような画像P120を液晶表示装置41に表示させる。
【0119】
しかして、このようにすれば、文字画像、枠画像、文字画像と枠画像が一体となった画像にも適用可能である。なお、本実施形態においては、文字画像と枠画像が一体となった画像しか例示していないが、文字画像と枠画像が別々の画像の場合は、次のように処理することができる。例えば、
図18(a)に示すように、台詞の文字画像M1は表示させず、枠画像W1だけを拡大表示させる(画像P130参照)。そしてその後、
図18(b)に示すように、拡大表示させた枠画像W1に、瞬時(例えば、0.015秒)に、文字画像M1の中心点(破線K20で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y40方向(図示左側)、矢印Y40方向(図示左側)と相反する矢印Y41方向(図示右側)に、文字画像M1を拡大させ、
図17(a)に示すような画像P120を液晶表示装置41に表示させる。なお、
図18では、文字画像M1を拡大表示させる例を示したが、そのまま表示するようにしても良い。
【0120】
なおまた、文字画像、枠画像、文字画像と枠画像が一体となった画像に限らず、特別図柄の画像、遊技者に操作スイッチ13又は演出ボタン装置14の操作を促す画像等、どのような画像にも適用可能である。
【0121】
<サブ制御基板の処理内容の説明>
次に、上記説明した割込み演出、又は、画像演出に関する具体的な処理方法について、
図19~
図23に示すサブ制御基板80の処理内容(プログラムの概要)を参照して説明する。
【0122】
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板100(
図3参照)から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。そしてその信号を受けて、サブ制御CPU800aは、
図19に示すメイン処理を行う。
【0123】
<メイン処理の説明>
図19に示すように、まず、サブ制御CPU800aが、内部に設けられているレジスタを初期化すると共に、入出力ポートの入出力方向を設定する。そしてさらに、出力方向に設定された出力ポートから送信されるデータがシリアル転送となるように設定する(ステップS1)。
【0124】
その設定後、サブ制御CPU800aは、上記主制御基板60(
図3参照)から受信する演出制御コマンドを格納するサブ制御RAM800c内のメモリ領域を初期化する(ステップS2)。そして、サブ制御CPU800aは、上記主制御基板60からの割込み信号を受信する入力ポートの割込み許可設定処理を行う(ステップS3)。
【0125】
次いで、サブ制御CPU800aは、作業領域、スタック領域として使用するサブ制御RAM800c内のメモリ領域を初期化し(ステップS4)、音LSI801(
図3参照)に初期化指令を行う。これにより、音LSI801は、その内部に設けられているレジスタを初期化する(ステップS5)。
【0126】
次いで、サブ制御CPU800aは、上・左・右・左上可動役物43a~43dを動作させるモータ(図示せず)に異常が発生しているか否か、そのモータ(図示せず)を動作させるモータデータが格納されるサブ制御RAM800c内のメモリ領域を確認する。異常データが格納されている場合は、サブ制御CPU800aは、当該モータを原点位置に戻す指令を行う。これにより、上・左・右・左上可動役物43a~43dは初期位置に戻ることとなる(ステップS6)。
【0127】
次いで、サブ制御CPU800aは、その内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行う。すなわち、サブ制御CPU800aは、1ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように上記CTCの時間定数レジスタを設定する(ステップS7)。
【0128】
次いで、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの作業領域を対象とする8ビット加算演算であるチェックサム演算を行い、そのチェックサム演算値と、後述するメモリバックアップ(ステップS16参照)にて算出しサブ制御RAM800c内に格納されているチェックサム演算値とを比較し、一致しているか否かの確認を行う(ステップS8)。一致していなければ(ステップS9:NO)、サブ制御RAM800c内の全領域を全てクリアする処理を行う(ステップS10)。
【0129】
一方、一致(ステップS9:YES)、あるいは、上記ステップS10の処理を終えた後、サブ制御CPU800aは、図示しないウオッチドックタイマ機能を解除し(ステップS11)、サブ制御CPU800aやVDP803等のハードウェアのリフレッシュを実行する(ステップS12)。
【0130】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記サブ制御RAM800c内のメモリ領域に格納されている上記主制御基板60(
図3参照)から受信する演出制御コマンド(特別図柄の変動コマンドや、特別図柄の停止コマンド等)を読み出し、その内容に応じた演出パターンを、サブ制御ROM800b内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定する(ステップS13)。なお、この際、サブ制御CPU800aは、抽選により決定した演出パターンを、サブ制御RAM800c内のメモリ領域に格納している。
【0131】
次いで、サブ制御CPU800aは、後述するタイマ割込み処理にて取得した操作スイッチ13又は演出ボタン装置14の入力内容を解析する処理を行う(ステップS14)。具体的には、操作スイッチ13又は演出ボタン装置14が、遊技者によって、押圧された瞬間か、放された瞬間か、あるいは、押圧されたままの状態か等の解析を行う。
【0132】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記ステップS13にて抽選により決定した演出パターンに基づいて、上・左・右・左上可動役物43a~43dの動作制御や、装飾ランプ基板90(
図3参照)に搭載されているLEDランプ等の装飾ランプの点灯又は消灯の制御や、スピーカ17の制御や、液晶表示装置41に表示される画像の制御を実行する(ステップS15)。なお、具体的な処理方法については、後述することとする。
【0133】
次いで、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの作業領域を対象とする8ビット加算演算であるチェックサム演算を行い、そのチェックサム演算値を、サブ制御RAM800c内に格納するメモリバックアップ処理を行う(ステップS16)。
【0134】
次いで、サブ制御CPU800aは、VDP803からサブ制御CPU800aに対してVSYNC割込み信号が送信されてきたか否かの確認を行う(ステップS17)。VSYNC割込み信号が送信されて来なければ(ステップS17:NO)、サブ制御CPU800aは、VSYNC割込み信号が送信されてくるまで、ステップS17の処理を繰り返し実行し、VSYNC割込み信号が送信されてくると(ステップS17:YES)、再度ステップS8の処理に戻り、ステップS8~S17の処理を繰り返すこととなる。
【0135】
<データ解析処理の説明>
続いて、
図20を参照して、メイン処理のステップS15のデータ解析処理にて詳述する。まず、サブ制御CPU800aは、ステップS13にて抽選により決定した演出パターンに対応する演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する(ステップS50)。この際、割込み演出、又は、画像演出に関する画像データも生成されることとなる。以下、具体的に説明する。
【0136】
<割込み演出(突入演出)の説明>
まず、演出パターンに関する画像(変動演出に関する画像含む)としては、
図6に示すタイミングT1~タイミングT3時、サブ制御CPU800aは、
図7(a),(f)に示すように、特別図柄の変動が表示、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動が表示される本変動表示映像P1を生成するためのコマンドリストを生成する。そして、
図6に示すタイミングT3~タイミングT4時、特別図柄の確定内容を示す画像を生成するためのコマンドリストを生成する。そしてさらに、
図6に示すタイミングT5時以降、
図7(f)に示すように、特別図柄が、再び変動する表示、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3が変動表示される本変動表示映像P1を生成するためのコマンドリストを生成する。なお、特別図柄が確定、又は、特別図柄が再変動した際、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納している抽選により決定した演出パターンをクリアすることとなる。
【0137】
かくして、上記のように生成されたコマンドリストは、VDP803(
図5参照)に送信される。これにより、VDP803は、CGROM804内に格納されている静止画圧縮データ並びに動画圧縮データをデコードし、そのデコード後の画像データを適宜変換処理した上で、DDR2SDRAM805のフレームバッファ領域に格納し、もって、その格納した画像データを液晶表示装置41に描画する。
【0138】
一方、
図6に示すタイミングT2時、ステップS13にて抽選により決定した演出パターン内に組み込まれている突入演出の開始を示す開始フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、
図9(a)に示す突入演出の表示に関する制御コマンド(D608H 01H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(突入演出)に関する領域(ステップS13にて抽選により決定した演出パターンが格納されている領域とは別の領域)に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(突入演出)に関する領域に格納されている突入演出の表示に関する制御コマンド(D608H 01H)を読み出し、その制御コマンドに対応した突入演出のシナリオ、すなわち、演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する。
【0139】
次いで、サブ制御CPU800aは、
図6に示すタイミングT2~タイミングT5時、割込み演出(突入演出)に対応した演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する。
【0140】
次いで、サブ制御CPU800aは、
図6に示すタイミングT5時、演出シナリオテーブルPR_TBLより選択した演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)内に組み込まれている突入演出の終了を示す終了フラグを実行する。これにより、サブ制御CPU800aは、
図9(a)に示す、突入演出の表示に関する制御コマンド(D608H 00H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(突入演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(突入演出)に関する領域に格納されている突入演出の表示に関する制御コマンド(D608H 00H)を読み出し、その制御コマンドに対応した演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示装置41の表示(割込み演出(突入演出)の表示)を終了させるためのコマンドリストを生成する。
【0141】
かくして、上記のように生成されたコマンドリストは、VDP803(
図5参照)に送信される。これにより、VDP803は、CGROM804内に格納されている静止画圧縮データ並びに動画圧縮データをデコードし、そのデコード後の画像データを適宜変換処理した上で、DDR2SDRAM805のフレームバッファ領域に格納し、もって、その格納した画像データを液晶表示装置41に描画する。
【0142】
しかして、このように、液晶表示装置41に共に描画される演出パターンに関する映像(画像)(変動演出に関する映像(画像)含む)と、割込み演出(突入演出)の映像(画像)は、
図8に示すように、割込み演出(突入演出)の映像(画像)が、演出パターンに関する映像(画像)(変動演出に関する映像(画像)含む)上に重ね合わされて描画されるため、液晶表示装置41では、
図7(c)~(e)に示すような表示がされることとなる。
【0143】
<割込み演出(蝶の演出)の説明>
次に、割込み演出(蝶の演出)について説明する。
【0144】
まず、演出パターンに関する画像(変動演出に関する画像含む)としては、
図13(a)に示すタイミングT20~タイミングT21時、サブ制御CPU800aは、特別図柄の変動が表示、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動が表示される画像を生成するためのコマンドリストを生成する。そして、
図13(a)に示すタイミングT21~タイミングT23時、サブ制御CPU800aは、右特別図柄SD3の変動が停止し、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2が変動している画像を生成するためのコマンドリストを生成する。そしてさらに、
図13(a)に示すタイミングT23~タイミングT24時、サブ制御CPU800aは、特別図柄の確定内容を示す画像を生成するためのコマンドリストを生成する。また、
図13(a)に示すタイミングT24~タイミングT25時、サブ制御CPU800aは、特別図柄が再び変動、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動が表示される画像を生成するためのコマンドリストを生成する。またさらに、
図13(a)に示すタイミングT25~タイミングT26時、サブ制御CPU800aは、特別図柄の確定内容を示す画像を生成するためのコマンドリストを生成する。そして、
図13(a)に示すタイミングT26時以降、サブ制御CPU800aは、特別図柄が再び変動、すなわち、左特別図柄SD1,中特別図柄SD2,右特別図柄SD3の変動が表示される画像を生成するためのコマンドリストを生成する。なお、特別図柄が確定、又は、特別図柄が再変動した際、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cに格納している抽選により決定した演出パターンをクリアすることとなる。
【0145】
かくして、上記のように生成されたコマンドリストは、VDP803(
図5参照)に送信される。これにより、VDP803は、CGROM804内に格納されている静止画圧縮データ並びに動画圧縮データをデコードし、そのデコード後の画像データを適宜変換処理した上で、DDR2SDRAM805のフレームバッファ領域に格納し、もって、その格納した画像データを液晶表示装置41に描画する。
【0146】
一方、
図13(a)に示すタイミングT21時、ステップS13にて抽選により決定した演出パターン内に組み込まれている蝶の発生を示す発生フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、
図13(b)に示す、蝶の発生パターンに関する制御コマンド(D188H 04H、又は、D188H 05H(本実施形態では、この制御コマンドが発生)、又は、D188H 06H、又は、D188H 07H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域(ステップS13にて抽選により決定した演出パターンが格納されている領域とは別の領域)に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の発生パターンに関する制御コマンド(D188H 05H)を読み出し、その制御コマンドに対応した蝶の演出シナリオ、すなわち、演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する。
【0147】
次いで、サブ制御CPU800aは、
図13(a)に示すタイミングT21~タイミングT22時、割込み演出(蝶の演出)に対応した演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する。
【0148】
次いで、
図13(a)に示すタイミングT22時、演出シナリオテーブルPR_TBLより選択した演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)内に組み込まれている蝶の待機を示す待機フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、
図13(b)に示す、蝶の待機に関する制御コマンド(D188H 03H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の待機に関する制御コマンド(D188H 03H)を読み出し、その制御コマンドに対応した蝶の演出シナリオ、すなわち、演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する。
【0149】
次いで、
図13(a)に示すタイミングT27時、ステップS13にて抽選により決定した演出パターン内に組み込まれている待機している蝶の制御内容を示す制御フラグをサブ制御CPU800aが実行すると、サブ制御CPU800aは、
図13(b)に示す、蝶の制御パターンに関する制御コマンド(D188H 01H(本実施形態では、この制御コマンドが発生)、又は、D188H 02H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の制御パターンに関する制御コマンド(D188H 01H)を読み出し、その制御コマンドに対応した蝶の演出シナリオ、すなわち、演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示装置41に表示させる画像データを生成するためのコマンドリストを生成する。
【0150】
次いで、
図13(a)に示すタイミングT28時、演出シナリオテーブルPR_TBLより選択した演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)内に組み込まれている蝶の演出の終了を示す終了フラグを実行すると、サブ制御CPU800aは、
図13(b)に示す、蝶の演出の終了に関する制御コマンド(D188H 00H)を発行し、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納する。そして、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に格納されている蝶の演出の終了に関する制御コマンド(D188H 00H)を読み出し、その制御コマンドに対応した演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)を演出シナリオテーブルPR_TBLより選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1に格納されている各種データ(フレームデータPS_DATA10,制御コードデータPS_DATA11,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14)に基づき、VDP803に液晶表示装置41の表示(割込み演出(蝶の演出)の表示)を終了させるためのコマンドリストを生成する。
【0151】
かくして、上記のように生成されたコマンドリストは、VDP803(
図5参照)に送信される。これにより、VDP803は、CGROM804内に格納されている静止画圧縮データ並びに動画圧縮データをデコードし、そのデコード後の画像データを適宜変換処理した上で、DDR2SDRAM805のフレームバッファ領域に格納し、もって、その格納した画像データを液晶表示装置41に描画する。
【0152】
しかして、このように、液晶表示装置41に共に描画される演出パターンに関する画像(変動演出に関する画像含む)と、割込み演出(蝶の演出)の画像は、液晶表示装置41に共に表示され、
図12(a)~(h)に示すような表示がされることとなる。
【0153】
かくして、上述したような処理を経て、割込み演出に関する画像データが生成されることとなる。
【0154】
しかして、このようにすれば、発生した割込み演出を途中で終了させることなく、最後まで表示させることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができることとなる。
【0155】
<画像演出の説明>
次に、画像演出に関する点について説明する。
【0156】
サブ制御CPU800aは、
図14(b)に示す画像P101を表示させ、該画像P101を
図14(b)に示す矢印Y10方向に拡大表示させるようなコマンドリストを、
図4に示す演出シナリオテーブルPR_TBLに基づいて、生成する。そして、このコマンドリストは、VDP803(
図5参照)に送信される。これにより、VDP803は、CGROM804内に格納されている静止画圧縮データを読み出し、その読み出した静止画圧縮データをデコードし、そのデコード後の画像データを生成する。そして、VDP803は、その生成した画像データを、DDR2SDRAM805(
図5参照)のフレームバッファ領域に格納し、その格納した画像データを液晶表示装置41に表示させるようにする。これにより、
図14(b)に示す画像P101が液晶表示装置41に表示されることとなる。
【0157】
次いで、VDP803は、上記デコード後の画像データを、
図14(b)に示す画像P101の左上隅(破線K1で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y10方向に、拡大処理し、DDR2SDRAM805(
図5参照)のフレームバッファ領域に格納する。そして、VDP803は、その格納した画像データを液晶表示装置41に表示させるようにする。これにより、
図14(b)に示す画像P101が液晶表示装置41に表示された後、瞬時(例えば、0.02秒)に、画像P101の左上隅(破線K1で示す位置)を基準として、その基準を中心として、矢印Y10方向に、画像P101を拡大させた、
図14(a)に示すような一枚の静止画像からなるキャラクタCH10の画像P100が、液晶表示装置41に表示させることとなる。
【0158】
なお、
図15(a)~(d)、
図16(a)~(c)、
図17、
図18に示す画像の拡大処理は、上記説明した内容と同様の処理となるため、説明は省略する。
【0159】
かくして、上述したような処理を経て、画像演出に関する画像データが生成されることとなる。
【0160】
しかして、このようにすれば、躍動感を与えることができ、もって、遊技者にインパクト(強い印象)を与えることができる。また、アニメーションを作成しなくとも、VDP803を用いて、一枚の静止画像を縮小表示させるだけで、遊技者にインパクト(強い印象)を与える演出を実現することができるばかりか、プログラム容量を削減することができ、さらに、処理の簡素化を図ることができる。
【0161】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記選択された演出シナリオデータPS_DATAに格納されているボタンデータPS_DATA113(
図4(c)参照)に演出ボタン装置14の押下演出が有効である旨のデータが格納されている場合、そのデータをサブ制御RAM800c内のメモリ領域に格納する。なお、
図13(a)に示すタイミングT27時、サブ制御RAM800cの割込み演出(蝶の演出)に関する領域に、蝶の制御パターンに関する制御コマンド(D188H 02H)が格納されていた場合、演出シナリオテーブルPR_TBLより選択される演出シナリオデータPS_DATA(
図4(a)参照)に格納されているボタンデータPS_DATA113(
図4(c)参照)には、演出ボタン装置14の押下演出が有効である旨のデータが格納されている。
【0162】
一方、サブ制御CPU800aは、上記選択された演出シナリオデータPS_DATAに格納されているランプデータPS_DATA17(
図4(b)参照)のデータ内容に基づき、光に関する制御信号を生成し、サブ制御RAM800c内に格納する処理を行う。
【0163】
また、サブ制御CPU800aは、上記選択された演出シナリオデータPS_DATAに格納されている可動役物データPS_DATA16(
図4(b)参照)のデータ内容に基づき、上・左・右・左上可動役物43a~43dの動作内容を決定し、その決定した動作内容に応じた可動役物装置43のモータ(図示せず)のモータデータを生成する。
【0164】
またさらに、サブ制御CPU800aは、上記選択された演出シナリオデータPS_DATAに格納されている音データPS_DATA15(
図4(b)参照)のデータ内容に基づき、音に関する制御信号を生成する(ステップS51)。
【0165】
かくして、サブ制御CPU800aは、
図19に示すステップS13にて抽選により決定した演出パターンに基づくデータを全て生成し終えるまで(ステップS52:NO)、上記ステップS50及びステップS51の処理を繰り返し行い、上記データを全て生成し終えると(ステップS52:YES)、ステップS53の処理に進む。
【0166】
次いで、サブ制御CPU800aは、上記ステップS51にてサブ制御RAM800c内に格納した内容及び
図19に示すステップS14にて処理した操作スイッチ13又は演出ボタン装置14の入力内容に基づき、ボタン有効時処理を行う(ステップS53)。
【0167】
<タイマ割込み処理の説明>
続いて、
図21を参照して、メイン処理のステップS7(
図19参照)の処理にて設定した、1ms毎のタイマ割込みが発生した際の処理について説明する。
【0168】
図21に示すように、サブ制御CPU800aは、1ms毎のタイマ割込みが発生した際、各レジスタの内容をサブ制御RAM800c内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS100)。
【0169】
次いで、サブ制御CPU800aは、操作スイッチ13のデータや演出ボタン装置14のデータや可動役物装置43のモータデータ等を2度取得し(ステップS101)、その2度取得したデータが一致しているか否かを確認する(ステップS102)。データが一致していなければ、サブ制御CPU800aは、データが一致するまで(ステップS102:NO)ステップS101の処理を繰り返し、一致していれば(ステップS102:YES)、一致したデータをサブ制御RAM800c内に格納する(ステップS103)。
【0170】
次いで、サブ制御CPU800aは、操作スイッチ13又は演出ボタン装置14からの信号を受信する(ステップS104)。この受信した信号が、
図19に示すステップS14のボタン解析処理にて解析されることとなる。
【0171】
次いで、サブ制御CPU800aは、ステップS51にてサブ制御RAM800c内に記憶した光に関する制御信号を装飾ランプ基板90(
図3参照)に送信する(ステップS105)。
【0172】
次いで、サブ制御CPU800aは、ステップS100の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS106)。これにより、
図19に示すメイン処理に戻ることとなる。
【0173】
<コマンド受信割込み処理の説明>
続いて、
図22を参照して、このようなメイン処理の実行中に、主制御基板60より演出制御コマンド及び割込み信号が送信されてきた際の処理について説明する。
【0174】
図22に示すように、サブ制御CPU800aは、上記割込み信号を受信した際、各レジスタの内容をサブ制御RAM800c内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS150)。その後、サブ制御CPU800aは、演出制御コマンドを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS151)、サブ制御RAM800c内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを算出する(ステップS152)。
【0175】
そしてその後、サブ制御CPU800aは、再度、演出制御コマンドを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS153)、ステップS151にて読み出した値とステップS153にて読み出した値が一致しているか否かを確認する。一致していなければ(ステップS154:NO)、ステップS157に進み、一致していれば(ステップS154:YES)、上記算出したポインタに対応するアドレス番地に、主制御基板60より受信した演出制御コマンドを格納する(ステップS155)。なお、この格納された演出制御コマンドが、
図19に示すステップS13の処理の際、サブ制御CPU800aに読み出されることとなる。
【0176】
次いで、サブ制御CPU800aは、サブ制御RAM800c内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを更新し(ステップS156)、ステップS150の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS157)。これにより、
図19に示すメイン処理に戻ることとなる。
【0177】
<コマンドリストの説明>
ここで、
図20に示すステップS50又はステップS53にて生成したコマンドリストについて、
図23を用いて詳しく説明する。
【0178】
このコマンドリストは、VDP803(コマンドパーサ8035)に対する指令を列記したコマンド列であるが、その記載内容や記載順序が、動画の描画を指示する場合と、静止画の描画を指示する場合とでやや相違する。
【0179】
動画の描画をVDP803に指示する場合は、
図23(a)の初期コマンドリストと、
図23(b)の定常コマンドリストの構成となる。
【0180】
図23(a)に示すように、サブ制御CPU800aは、先ず、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM805のメモリ領域、並びに、DDR2SDRAM805の動画データを格納するメモリ領域の設定を行うコマンドを生成する(ステップS200)。なお、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM805のメモリ領域を設定するにあたっては、
図4(c)に示す画像サイズデータPS_DATA112が参照される。すなわち、サイズが例えば640×320であれば、それに応じたメモリ領域が設定されることなる。
【0181】
次いで、動画のデコードを指示するコマンドを生成する(ステップS201)。具体的には、どの動画圧縮データをデコードするかの指示であり、該当する動画が格納されているCGROM804のアドレス番地やその動画のフレーム数などと共に指示する。なお、該当する動画が格納されているCGROM804のアドレス番地は、
図4(c)に示すアドレスデータPS_DATA111が参照され、その動画のフレーム数は、
図4(b)に示すフレームデータPS_DATA10が参照される。
【0182】
次いで、終了処理用コマンドを記入して初期コマンドリストの生成を終える(ステップS202)。
【0183】
続いて、サブ制御CPU800aは、
図23(b)に示す定常コマンドリストを生成する。
【0184】
この定常コマンドリストは、
図23(b)に示すように、動画の描画指示で構成されており、上記初期コマンドリストにおいて、デコードした動画データに関し、どのフレーム番号のデコードデータを、液晶表示装置41のどの座標位置に描画するかのコマンドを生成する(ステップS203)。次いで、終了処理用コマンドを記入して定常コマンドリストの生成を終える(ステップS204)。なお、この描画指示にあたってのコマンド生成は、
図4(b)に示すフレームデータPS_DATA10,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14が参照される。
【0185】
一方、静止画の描画をVDP803に指示する場合、
図23(c)に示すとおり、サブ制御CPU800aは、先ず、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM805のメモリ領域、並びに、静止画データを格納する内蔵VRAM8040のメモリ領域の設定を行うコマンドを生成する(ステップS210)。なお、フレームバッファ領域が設定されているDDR2SDRAM805のメモリ領域を設定するにあたっては、
図4(c)に示す画像サイズデータPS_DATA112が参照される。すなわち、サイズが例えば640×320であれば、それに応じたメモリ領域が設定されることなる。
【0186】
次いで、静止画のデコードを指示するコマンドを生成する(ステップS211)。具体的には、どの静止画圧縮データをデコードするかの指示であり、該当する静止画が格納されているCGROM804のアドレス番地やデータサイズなどと共に指示する。なお、該当する静止画が格納されているCGROM804のアドレス番地は、
図4(c)に示すアドレスデータPS_DATA111が参照され、データサイズは、
図4(c)に示す画像サイズデータPS_DATA112が参照される。
【0187】
次いで、デコードされた静止画データを、液晶表示装置41のどの座標位置に、どのような態様(回転角度や縮小拡大等)で描画するかのコマンドを生成する(ステップS212)。次いで、終了処理用コマンドを記入して静止画に関するコマンドリストの生成を終える(ステップS213)。なお、この描画指示にあたってのコマンド生成は、
図4(b)に示すフレームデータPS_DATA10,座標データPS_DATA12,画素計算データPS_DATA13,拡縮データPS_DATA14が参照される。
【0188】
かくして、このような動画に関するコマンドリスト並びに静止画に関するコマンドリストは、VDP803(
図3,
図5参照)に送信され、適宜処理された上で、液晶表示装置41に送信される。これにより、液晶表示装置41に所望の画像が表示されることとなる。
【0189】
ところで、このようなコマンドリストは、動画の描画を指示した後、静止画の描画を指示することとなる。それは、サブ制御CPU800aは、主制御CPU600より送信されてくる演出制御コマンドによって、
図4(a)に示す演出シナリオテーブルPR_TBLに格納されている複数の演出シナリオデータPS_DATAのうち、何れかの演出シナリオデータPS_DATAを選択し、その選択した演出シナリオデータPS_DATAに格納されている1レイヤデータPS_DATA1を優先順位の低いものから順に参照し、コマンドリストを生成するためである。すなわち、本実施形態によれば、この優先順位が低い位置に、
図4(c)に示す制御テーブルCH_TBLより動画を示すデータPS_DATA110(
図4(c)参照)が参照されるような制御コードデータPS_DATA11が格納され、優先順位が高い位置に、
図4(c)に示す制御テーブルCH_TBLより静止画を示すデータPS_DATA110(
図4(c)参照)が参照されるような制御コードデータPS_DATA11が格納されているため、動画の描画を指示するコマンドリストが先に生成され、その後、静止画の描画を指示するコマンドリストが生成することとなる。これにより、動画データが描画された後、その描画された動画データ上に静止画データが上書き描画されることとなり、もって、液晶表示装置41に表示される画像データが生成されることとなる。
【0190】
しかして、このように、描画された動画データ上に静止画データが上書き描画されることによって、画像データが生成されることにより、圧縮画像であっても文字を鮮明に表示させることができる。
【0191】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、発生した割込み演出を途中で終了することなく、最後まで表示することができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0192】
また、本実施形態によれば、簡易的な処理で、遊技者にインパクトを与えることができる。
【0193】
なお、本実施形態においては、DDR2SDRAM805内にフレームバッファ領域を設定するようにしたが、それに限らず、内蔵VRAM8040内にフレームバッファ領域を設定するようにしても良い。
【0194】
また、サブワンチップマイコン800内にサブ制御CPU800aを設ける例を示したが、それに限らず、VDP803内にサブ制御CPU800aを設けるようにしても良い。
【0195】
一方、本実施形態においては、サブ制御基板80として、演出制御基板と液晶制御基板が一体になっている例を示したが、それに限らず、演出制御基板と液晶制御基板を別々の基板で構成しても良い。その際は、VSYNC(垂直同期信号)を演出制御基板が液晶制御基板より受け取ることができるようにしておけば良い。
【符号の説明】
【0196】
1 パチンコ遊技機
41 液晶表示装置
60 主制御基板
80 サブ制御基板
800a サブ制御CPU(変動演出実行手段、割込み演出実行手段)
SD1 左特別図柄(変動図柄)
SD2 中特別図柄(変動図柄)
SD3 右特別図柄(変動図柄)