(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】投影機及びその照明システム
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20220706BHJP
F21V 9/20 20180101ALI20220706BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220706BHJP
F21V 7/26 20180101ALI20220706BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20220706BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20220706BHJP
H04N 9/31 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
G03B21/14 A
F21V9/20
F21S2/00 340
F21V7/26
G03B21/00 D
H04N5/74 A
H04N9/31 500
(21)【出願番号】P 2018213377
(22)【出願日】2018-11-14
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】201711213259.4
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】潘 浩▲うぇい▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡 志賢
(72)【発明者】
【氏名】謝 ▲啓▼堂
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-160178(JP,A)
【文献】特開2013-250285(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0153636(US,A1)
【文献】特開2017-142903(JP,A)
【文献】国際公開第2015/104801(WO,A1)
【文献】特開2017-151293(JP,A)
【文献】特開2017-142459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K9/00-9/90
F21S2/00-45/70
F21V1/00-15/04
G02B6/35
26/00-26/08
27/00-30/60
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
H01S5/00-5/50
H04N5/66-5/74
9/12-9/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明システム、ライトバルブ及び投影レンズを含む投影機であって、
前記照明システムは、励起光源、第一レンズ組、第一ダイクロイック素子、波長変換素子及びビームスプリッタを含み、
前記励起光源は、励起光束を発し、前記励起光束は、ビーム軸を有し、
前記第一レンズ組は、第一光軸を有し、
前記第一ダイクロイック素子は、前記励起光束の伝搬経路上で前記第一レンズ組と前記励起光源との間に位置し、前記第一ダイクロイック素子は、前記励起光束を反射して前記第一レンズ組に伝搬させ、前記励起光束は、前記第一光軸に平行な方向に沿って前記第一レンズ組に入射し、前記第一レンズ組に入射する前記励起光束の前記ビーム軸は、前記第一レンズ組の前記第一光軸と非同軸であり、
前記波長変換素子は、前記第一レンズ組から伝搬して来た前記励起光束の伝搬経路に位置し、反射領域及び波長変換領域を有し、
前記波長変換領域が前記励起光束の伝搬経路に位置する時に、前記波長変換領域は、前記励起光束を変換光束に変換し、前記変換光束を前記第一レンズ組へ反射し、前記第一レンズ組から伝搬して来た前記変換光束は、前記第一ダイクロイック素子を通過し、
前記反射領域が前記励起光束の伝搬経路に位置する時に、前記反射領域は、前記励起光束を前記第一レンズ組へ反射し、
前記ビームスプリッタは、前記第一レンズ組から伝搬して来た前記励起光束及び前記変換光束の伝搬経路に位置し、前記励起光束を第一ブランチの励起光束及び第二ブランチの励起光束に分割し、前記ビームスプリッタは、前記第一ブランチの励起光束を通過させ、前記第二ブランチの励起光束を前記第一ダイクロイック素子へ反射し、前記第一レンズ組から前記ビームスプリッタに入射する前記励起光束の前記ビーム軸は、前記第一ダイクロイック素子から前記第一レンズ組に入射する前記励起光束の前記ビーム軸と非同軸であり、前記第一レンズ組から伝搬して来た前記変換光束は、前記ビームスプリッタを通過し、
前記ライトバルブは、
照明光束の伝搬経路に配置され、前記照明光束を映像光束に変換し、
前記投影レンズは、前記映像光束の伝搬経路に配置される、投影機。
【請求項2】
請求項1に記載の投影機であって、
第二レンズ組をさらに含み、
前記第二レンズ組は、前記第一ダイクロイック素子及び前記ビームスプリッタから伝搬して来た前記変換光束、前記ビームスプリッタから伝搬して来た前記第一ブランチの励起光束、及び前記第一ダイクロイック素子から伝搬して来た前記第二ブランチの励起光束の伝搬経路に位置し、前記変換光束、前記第一ブランチの励起光束、及び前記第二ブランチの励起光束を照明光束に収斂し、
前記第一ダイクロイック素子及び前記ビームスプリッタは、前記第一レンズ組と前記第二レンズ組との間に配置される、投影機。
【請求項3】
請求項2に記載の投影機であって、
前記第二レンズ組は、第二光軸を有し、前記第一ブランチの励起光束及び前記第二ブランチの励起光束は、前記第二光軸に平行な方向に沿って前記第二レンズ組に入射し、
前記第二光軸は、前記第一ブランチの励起光束の第一サブビーム軸と、前記第二ブランチの励起光束の第二サブビーム軸との間に位置する、投影機。
【請求項4】
請求項3に記載の投影機であって、
前記第一光軸は、前記第二光軸と共軸である、投影機。
【請求項5】
請求項1に記載の投影機であって、
前記第一ダイクロイック素子は、第一色分割面及び第二色分割面を有し、前記第二色分割面は、前記第一色分割面に対向し、前記ビームスプリッタは、光分割面を有し、前記第一色分割面は、前記励起光束を前記第一レンズ組へ反射し、前記光分割面は、前記第二ブランチの励起光束を前記第二色分割面へ反射し、前記第二色分割面
は、前記第二ブランチの励起光束を第二レンズ組へ反射させ、
前記第二色分割面は、前記光分割面に平行である、投影機。
【請求項6】
請求項1に記載の投影機であって、
前記第一ダイクロイック素子は、
第一面を有する第一プリズム;
第二面を有し、前記第一面が前記第二面に互に対向する第二プリズム;及び
前記第一面と前記第二面との間に形成される色分割層を含む、投影機。
【請求項7】
請求項1に記載の投影機であって、
前記ビームスプリッタは、
第一面を有する第一プリズム;
第二面を有し、前記第一面が前記第二面に互に対向する第二プリズム;及び
前記第一面と前記第二面との間に形成される光分割層を含む、投影機。
【請求項8】
請求項1に記載の投影機であって、
補充光源をさらに含み、
前記補充光源は、前記ビームスプリッタに対して補充光束を発し、
前記ビームスプリッタは、前記補充光束を2ブランチの補充光束に分割し、前記ビームスプリッタ及び前記第一ダイクロイック素子は、それぞれ、前記2ブランチの補充光束を第二レンズ組へ反射し、
前記ビームスプリッタは、前記第一ダイクロイック素子と前記補充光源との間に位置
し、
前記補充光源は、赤色光源である、投影機。
【請求項9】
請求項1に記載の投影機であって、
補充光束を発する補充光源;及び
前記補充光束を第二レンズ組へ反射する第二ダイクロイック素子をさらに含み、
前記変換光束は、前記第二ダイクロイック素子を通過し、前記第二ダイクロイック素子は、前記第一レンズ組と第二レンズ組との間に位置
し、
前記補充光源は、赤色光源である、投影機。
【請求項10】
請求項9に記載の投影機であって、
前記第一ダイクロイック素子及び前記ビームスプリッタは、全て、前記第二ダイクロイック素子と前記第一レンズ組との間に位置し、前記第一ブランチの励起光束、前記第二ブランチの励起光束、及び前記変換光束は、前記第二ダイクロイック素子を通過した後に前記第二レンズ組に入射する、投影機。
【請求項11】
請求項9に記載の投影機であって、
前記第一ダイクロイック素子及び前記ビームスプリッタは、全て、前記第二ダイクロイック素子と前記第二レンズ組との間に位置し、前記励起光束は、前記第二ダイクロイック素子を通過する、投影機。
【請求項12】
励起光源、第一レンズ組、第一ダイクロイック素子、波長変換素子、及びビームスプリッタを含む照明システムであって、
前記励起光源は、励起光束を発し、前記励起光束は、ビーム軸を有し、
前記第一レンズ組は、第一光軸を有し、
前記第一ダイクロイック素子は、前記励起光束の伝搬経路上で前記第一レンズ組と前記励起光源との間に位置し、前記第一ダイクロイック素子は、前記励起光束を反射して前記第一レンズ組に伝搬させ、前記励起光束は、前記第一光軸に平行な方向に沿って前記第一レンズ組に入射し、前記第一レンズ組に入射する前記励起光束の前記ビーム軸は、前記第一レンズ組の前記第一光軸と非同軸であり、
前記波長変換素子は、前記第一レンズ組から伝搬して来た前記励起光束の伝搬経路に位置し、反射領域及び波長変換領域を有し、
前記波長変換領域が前記励起光束の伝搬経路に位置する時に、前記波長変換領域は、前記励起光束を変換光束に変換し、前記変換光束を前記第一レンズ組へ反射し、前記第一レンズ組から伝搬して来た前記変換光束は、前記第一ダイクロイック素子を通過し、
前記反射領域が前記励起光束の伝搬経路に位置する時に、前記反射領域は、前記励起光束を前記第一レンズ組へ反射し、
前記ビームスプリッタは、前記第一レンズ組から伝搬して来た前記励起光束及び前記変換光束の伝搬経路に位置し、前記励起光束を第一ブランチの励起光束及び第二ブランチの励起光束に分割し、前記ビームスプリッタは、前記第一ブランチの励起光束を通過させ、前記第二ブランチの励起光束を前記第一ダイクロイック素子へ反射し、前記第一レンズ組から前記ビームスプリッタに入射する前記励起光束の前記ビーム軸は、前記第一ダイクロイック素子から前記第一レンズ組に入射する前記励起光束の前記ビーム軸と非同軸であり、前記第一レンズ組から伝搬して来た前記変換光束は、前記ビームスプリッタを通過する、照明システム。
【請求項13】
請求項12に記載の照明システムであって、
第二レンズ組をさらに含み、
前記第二レンズ組は、前記第一ダイクロイック素子及び前記ビームスプリッタから伝搬して来た前記変換光束、前記ビームスプリッタから伝搬して来た前記第一ブランチの励起光束、及び前記第一ダイクロイック素子から伝搬して来た前記第二ブランチの励起光束の伝搬経路に位置し、前記変換光束、前記第一ブランチの励起光束、及び前記第二ブランチの励起光束を照明光束に収斂し、
前記第一ダイクロイック素子及び前記ビームスプリッタは、前記第一レンズ組と前記第二レンズ組との間に配置される、照明システム。
【請求項14】
請求項13に記載の照明システムであって、
前記第二レンズ組は、第二光軸を有し、前記第一ブランチの励起光束及び前記第二ブランチの励起光束は、前記第二光軸に平行な方向に沿って前記第二レンズ組に入射し、
前記第二光軸は、前記第一ブランチの励起光束の第一サブビーム軸と、前記第二ブランチの励起光束の第二サブビーム軸との間に位置する、照明システム。
【請求項15】
請求項
14に記載の照明システムであって、
前記第一光軸は、前記第二光軸と共軸である、照明システム。
【請求項16】
請求項12に記載の照明システムであって、
前記第一ダイクロイック素子は、第一色分割面及び第二色分割面を有し、前記第二色分割面は、前記第一色分割面に対向し、前記ビームスプリッタは、光分割面を有し、前記第一色分割面は、前記励起光束を前記第一レンズ組へ反射し、前記光分割面は、前記第二ブランチの励起光束を前記第二色分割面へ反射し、前記第二色分割面
は、前記第二ブランチの励起光束を第二レンズ組へ反射させ、
前記第二色分割面は、前記光分割面に平行である、照明システム。
【請求項17】
請求項12に記載の照明システムであって、
前記第一ダイクロイック素子は、
第一プリズム及び第二プリズムを含む一対のプリズムであって、前記第一プリズム及び前記第二プリズムは、それぞれ、第一面及び第二面を有し、前記第一面は、前記第二面に互に対向する、一対のプリズム;及び
前記第一面と前記第二面との間に形成される色分割層を含む、照明システム。
【請求項18】
請求項12に記載の照明システムであって、
前記ビームスプリッタは、
第一プリズム及び第二プリズムを含む一対プリズムであって、前記第一プリズム及び前記第二プリズムは、それぞれ、第一面及び第二面を有し、前記第一面は、前記第二面に互に対向する、一対プリズム;及び
前記第一面と前記第二面との間に形成される光分割層を含む、照明システム。
【請求項19】
請求項12に記載の照明システムであって、
補充光源をさらに含み、
前記補充光源は、前記ビームスプリッタに対して補充光束を発し、
前記ビームスプリッタは、前記補充光束を2ブランチの補充光束に分割し、前記ビームスプリッタ及び前記第一ダイクロイック素子は、それぞれ、前記2ブランチの補充光束を第二レンズ組へ反射し、
前記ビームスプリッタは、前記第一ダイクロイック素子と前記補充光源との間に位置
し、
前記補充光源は、赤色光源である、照明システム。
【請求項20】
請求項12に記載の照明システムであって、
補充光束を発する補充光源;及び
前記補充光束を第二レンズ組へ反射する第二ダイクロイック素子をさらに含み、
前記変換光束は、前記第二ダイクロイック素子を通過し、前記第二ダイクロイック素子は、前記第一レンズ組と第二レンズ組との間に位置
し、
前記補充光源は、赤色光源である、照明システム。
【請求項21】
請求項20に記載の照明システムであって、
前記第一ダイクロイック素子及び前記ビームスプリッタは、全て、前記第二ダイクロイック素子と前記第一レンズ組との間に位置し、前記第一ブランチの励起光束、前記第二ブランチの励起光束、及び前記変換光束は、前記第二ダイクロイック素子を通過した後に前記第二レンズ組に入射する、照明システム。
【請求項22】
請求項20に記載の照明システムであって、
前記第一ダイクロイック素子及び前記ビームスプリッタは、全て、前記第二ダイクロイック素子と前記第二レンズ組との間に位置し、前記励起光束は、前記第二ダイクロイック素子を通過する、照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、投影機及びその照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の投影機は、通常、多くの光学素子(例えば、レンズ及び反射鏡)及び長く複雑な光路(optical path)を有する。これらの光学素子及びこのような光路を収納するために、上述の投影機は、通常、比較的大きい体積を有する。しかし、今のところ、投影機の設計は、体積を小さくして小型化する傾向にある。よって、従来の一般的な投影機の体積よりも小さい投影機の設計は、多くのメーカーの関心ある研究課題の1つである。
【0003】
なお、この「背景技術」の部分が、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、投影機の小型化を助けることができる照明システムを提供することにある。
【0005】
本発明のもう1つの目的は、上述の照明システムを含む投影機を提供することにあり、照明システムは、映像画面の色均一度の向上を助けることができる。
【0006】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示されている技術的特徴から、さらに理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の1つ又は一部又は全部の目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一側面による投影機は、照明システム、ライトバルブ及び投影レンズを含む。照明システムは、励起光源(exciting light source)、第一レンズ組、第一ダイクロイック素子(first dichroic element)、波長変換素子(wavelength-converting component)及びビームスプリッタ(beam splitter)を含む。励起光源は、励起光束(excited beam)を発するために用いられ、そのうち、励起光束は、ビーム軸(beam axis)を有する。第一レンズ組は、第一光軸(first optical axis)を有し、第一ダイクロイック素子は、励起光束の伝搬経路に位置し、また、第一レンズ組と励起光源との間に位置する。第一ダイクロイック素子は、励起光束を第一レンズ組へ反射するために用いられ、そのうち、励起光束は、第一光軸に平行な方向に沿って第一レンズ組に入射し、第一レンズ組に入射する励起光束のビーム軸は、第一レンズ組の第一光軸と非同軸(noncoaxial)である。波長変換素子は、第一レンズ組から伝搬して来た励起光束の伝搬経路に位置し、且つ反射領域(reflective region)及び波長変換領域(wavelength-converting region)を有する。波長変換領域が励起光束の伝搬経路に位置する時に、波長変換領域は、励起光束を変換光束(converted beam)に変換するために用いられ、また、変換光束を第一レンズ組へ反射するために用いられる。そのうち、第一レンズ組から伝搬して来た変換光束は、第一ダイクロイック素子を通過する。反射領域が励起光束の伝搬経路に位置する時に、反射領域は、励起光束を第一レンズ組へ反射するために用いられる。ビームスプリッタは、第一レンズ組から伝搬して来た励起光束及び変換光束の伝搬経路に位置し、また、励起光束を第一ブランチの励起光束及び第二ブランチの励起光束に分割するために用いられる。ビームスプリッタは、第一ブランチの励起光束を通過させるために用いられ、また、第二ブランチの励起光束を第一ダイクロイック素子へ反射するために用いられる。第一レンズ組からビームスプリッタに入射する励起光束のビーム軸は、第一ダイクロイック素子から第一レンズ組に入射する励起光束のビーム軸と非同軸である。第一レンズ組から伝搬して来た変換光束は、ビームスプリッタを通過する。ライトバルブ(Light Valve、LV)は、照明光束の伝搬経路に配置され、照明光束を映像光束(image beam)に変換するために用いられる。投影レンズは、映像光束の伝搬経路に配置される。
【0008】
また、本発明の他の側面によれば、上述の照明システムをさらに提供する。照明システムは、励起光源、第一レンズ組、第一ダイクロイック素子、波長変換素子及びビームスプリッタを含む。励起光源は、励起光束を発するために用いられ、そのうち、励起光束は、ビーム軸を有する。第一レンズ組は、第一光軸を有し、第一ダイクロイック素子は、励起光束の伝搬経路に位置し、また、第一レンズ組と励起光源との間に位置する。第一ダイクロイック素子は、励起光束を第一レンズ組へ反射するために用いられ、そのうち、励起光束は、第一光軸に平行な方向に沿って第一レンズ組に入射し、第一レンズ組に入射する励起光束のビーム軸は、第一レンズ組の第一光軸と非同軸である。波長変換素子は、第一レンズ組から伝搬して来た励起光束の伝搬経路に位置し、また、反射領域及び波長変換領域を有する。波長変換領域が励起光束の伝搬経路に位置する時に、波長変換領域は、励起光束を変換光束に変換するために用いられ、また、変換光束を第一レンズ組へ反射するために用いられる。そのうち、第一レンズ組から伝搬して来た変換光束は、第一ダイクロイック素子を通過する。反射領域が励起光束の伝搬経路に位置する時に、反射領域は、励起光束を第一レンズ組へ反射するために用いられる。ビームスプリッタは、第一レンズ組から伝搬して来た励起光束及び変換光束の伝搬経路に位置し、また、励起光束を第一ブランチの励起光束及び第二ブランチの励起光束に分割するために用いられる。ビームスプリッタは、第一ブランチの励起光束を通過させるために用いられ、また、第二ブランチの励起光束を第一ダイクロイック素子へ反射するために用いられる。第一レンズ組からビームスプリッタに入射する励起光束のビーム軸は、第一ダイクロイック素子から第一レンズ組に入射する励起光束のビーム軸と非同軸である。第一レンズ組から伝搬して来た変換光束は、ビームスプリッタを通過する。
【0009】
上述によれば、励起光束が第一光軸に平行な方向に沿って第一レンズ組に入射し、また、励起光束のビーム軸と第一レンズ組光軸とが非同軸であり、これにより、第一ダイクロイック素子及び波長変換素子から来た2つの励起光束は、異なる伝搬経路に沿って第一レンズ組を2回通過する。このようにして、励起光束の伝搬経路の分布範囲を小さくし、投影機の小型化を助けることができる。
【0010】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて添付した図面を参照することにより、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本発明の一実施例における照明システムを示す図である。
【
図1C】
図1Aにおける第一ダイクロイック素子及びビームスプリッタの両者の透過率(transmittance)が波長に伴って変化することを示す図である。
【
図2A】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
【
図2B】
図2Aにおける第一ダイクロイック素子及びビームスプリッタの両者の透過率が波長に伴って変化することを示す図である。
【
図3A】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
【
図3B】
図3Aにおける第一、第二ダイクロイック素子及びビームスプリッタの三者の透過率が波長に伴って変化することを示す図である。
【
図4】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
【
図5】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
【
図6】本発明の一実施例における投影機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上述した及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく次のような好ましい実施例における詳細な説明により明確になる。なお、以下の実施例に言及されている方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前又は後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用されている方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0013】
図1Aは、本発明の一実施例における照明システムを示す図である。
図1Aに示すように、照明システム100は、第一レンズ組110、第二レンズ組120、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150を含み、そのうち、第一レンズ組110は、第二レンズ組120と互いに対向し且つ対称的に配置され、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150は、第一レンズ組110と第二レンズ組120との間に配置される。
図1Aに示す実施例では、第一レンズ組110及び第二レンズ組120の各自が1つのレンズを含む。言い換えると、第一レンズ組110は、1つのレンズであり、第二レンズ組120は、もう1つのレンズであり、そのうち、
図1Aに示すように、第一レンズ組110及び第二レンズ組120は、ともに、凸レンズであっても良い。なお、他の実施例では、第一レンズ組110及び第二レンズ組120の各自が少なくとも二つのレンズを含んでもよい。よって、第一レンズ組110及び第二レンズ組120の各自が含むレンズの数量は、1つに限定されない。
【0014】
第一レンズ組110は、第一光軸A11を有し、第二レンズ組120は、第二光軸A12を有し、そのうち、第一光軸A11及び第二光軸A12は、共軸であっても良い。言い換えると、第一レンズ組110及び第二レンズ組120は、1つの基準直線(reference line)に沿って配列され、そのうち、この基準直線は、実質的に、第一レンズ組110及び第二レンズ組120の両者の中心(center)を通過(passing through)し、
図1Aに示す第一光軸A11及び第二光軸A12のようである。なお、第一レンズ組110及び第二レンズ組120を組み立てる過程において誤差が生じる可能性があり、これにより、第一光軸A11及び第二光軸A12は、若干非同軸になることがある。なお、このような若干非同軸が照明システム100の基本機能に影響しなければ、このような若干非同軸も、上述の第一光軸A11及び第二光軸A12が共軸であることに属する。
【0015】
照明システム100は、さらに、励起光源170を含み、それは、励起光束L11を発することができる。励起光源170は、レーザー光源、例えば、レーザーダイオード(Laser Diode、LD)又は複数のレーザーダイオードからなるアレー(laser bank array)であっても良い。よって、励起光束L11は、レーザー光束(laser beam)であっても良い。励起光束L11は、ビーム軸を有し、それは、励起光束L11の主光線(chief ray)の伝搬経路に相当する。本出願の全ての図面(
図1Aを含む)では、直線を以て励起光束L11の主光線を示し、また、この主光線(即ち、上述の直線)を以て励起光束L11を表するが、励起光束L11の他の光線、例えば、周辺光線(marginal ray)の図示を省略する。また、本出願の図面では、励起光束L11を表す直線も、励起光束L11の伝搬経路を表し、即ち、図面に示す励起光束L11は、励起光束L11の伝搬経路と見なすことができる。
【0016】
第一ダイクロイック素子130は、励起光束L11の伝搬経路上で第一レンズ組110と励起光源170との間に位置する。第一ダイクロイック素子130は、励起光束L11を第一レンズ組110へ反射する。第一ダイクロイック素子130は、第一色分割面131及び第二色分割面132を有し、第二色分割面132は、第一色分割面131に対向し、そのうち、第一色分割面131は、励起光束L11を第一レンズ組110へ反射することができる。第一ダイクロイック素子130により反射された後の励起光束L11は、第一光軸A11に平行な方向に沿って第一レンズ組110に入射することができ、即ち、第一ダイクロイック素子130から第一レンズ組110に入射する励起光束L11のビーム軸は、第一光軸A11に平行である。
【0017】
図1Aに示す実施例では、第一光軸A11及び第二光軸A12は、全て、第一ダイクロイック素子130を通過することができず、これにより、第一ダイクロイック素子130により反射された励起光束L11のビーム軸は、第一光軸A11に平行であるが、第一光軸A11と非同軸である。このようにして、励起光束L11は、基本的に、第一レンズ組110の第一半分(first half part。
図1Aに示す第一レンズ組110の上半分のようである)111のみに入射するが、第一レンズ組110的第二半分112(
図1Aに示す第一レンズ組110の下半分のようである)に入射することができない。よって、第一ダイクロイック素子130から来た励起光束L11は、第一レンズ組110全体を照射することができない。
【0018】
照明システム100は、さらに、波長変換素子160を含み、それは、第一レンズ組110から伝搬して来た励起光束L11の伝搬経路に位置する。言い換えると、励起光束L11が第一レンズ組110を通過した後に、第一レンズ組110により、励起光束L11を集め、また、励起光束L11の入射角度を、波長変換素子160に入射するように変更することができる。励起光束L11が第一レンズ組110を通過する時に、第一レンズ組110から来た励起光束L11は、第一光軸A11に平行な方向に沿って波長変換素子160に入射することができない。
【0019】
図1A及び
図1Bに示すように、波長変換素子160は、蛍光体ホイール(phosphor wheel)であっても良い。波長変換素子160全体の形状は、円盤状であっても良いが、
図1Bは、波長変換素子160の正面を示している。波長変換素子160は、第一レンズ組110に対して回転することができ、そのうち、波長変換素子160は、回転軸163cを軸として回転する。本実施例では、回転軸163cは、第一光軸A11及び第二光軸A12に平行であっても良いが、第一光軸A11及第二光軸A12と非同軸である。
【0020】
波長変換素子160は、反射領域161及び波長変換領域162を有する。波長変換素子160が第一レンズ組110に対して回転することができるので、波長変換素子160が回転することで、励起光束L11が波長変換素子160を照射する位置を変更し、これにより、反射領域161又は波長変換領域162を励起光束L11の伝搬経路に挿入させ、励起光束L11を反射領域161又は波長変換領域162に入射させるかを決定することができる。
【0021】
波長変換素子160は、基板(図示せず)及び蛍光粉(phosphor powder。図示せず)を含んでも良い。基板は、例えば、金属板であり、それは、反射率(reflectivity)が良好な光反射面を有する。蛍光粉は、基板の光反射面に分布し、また、波長変換領域162内に設置されるが、反射領域161内に設置されない。言い換えると、蛍光粉は、波長変換領域162内の光反射面を覆うが、反射領域161内の光反射面を覆わない。なお、本発明は、これに限定されず、他の実施例では、波長変換素子160の反射領域161に他の蛍光粉を設置しても良く、この他の蛍光粉は、波長変換領域162の蛍光粉の濃度と異なり、或いは、反射領域161に設置される蛍光粉による励起光の波長は、波長変換領域162の蛍光粉による励起光の波長と異なり、例えば、異なる色の光である。
【0022】
反射領域161が励起光束L11の伝搬経路に位置する時に、励起光束L11は、反射領域161にある光反射面に入射することができ、これにより、反射領域161は、励起光束L11を第一レンズ組110へ反射することができる。反射領域161により反射された励起光束L11は、依然として、第一光軸A11に平行な方向に沿って第一レンズ組110に戻る。よって、励起光束L11のビーム軸は、依然として、第一光軸A11に平行である。
【0023】
反射領域161により反射された励起光束L11のビーム軸は、第一光軸A11と非同軸であり、また、反射領域161により反射された励起光束L11は、第一レンズ組110の第二半分112に入射し且つ通過することができるが、第一半分111に入射することができない。第一レンズ組110から伝搬して来た励起光束L11は、
図1Aに示すように、ビームスプリッタ150に入射するが、第一ダイクロイック素子130に入射しない。言い換えると、第一レンズ組110からビームスプリッタ150に入射する励起光束L11のビーム軸は、第一ダイクロイック素子130から第一レンズ組110に入射する励起光束L11のビーム軸に平行であるが、それと同軸でない。
【0024】
波長変換領域162が励起光束L11の伝搬経路に位置する時に、励起光束L11は、波長変換領域162にある蛍光粉に入射することができる。蛍光粉は、励起光束L11のエネルギーを吸収し、そして、変換光束L13に変換することができ、そのうち、変換光束L13の波長は、励起光束L11の波長と異なる。変換光束L13が基板の光反射面に反射され得るため、変換光束L13は、波長変換領域162を離れ、且つ第一レンズ組110へ伝搬する。これで分かるように、波長変換領域162が励起光束L11の伝搬経路に位置する時に、波長変換領域162は、励起光束L11を変換光束L13に変換し、且つ変換光束L13を第一レンズ組110へ反射することができる。
【0025】
なお、波長変換領域162内の蛍光粉が光線を散乱(scattering)させることができるので、波長変換領域162により変換された変換光束は、散乱光線(scattered light rays)であり、且つランバート分布(Lambertian distribution)することができる。よって、波長変換領域162から来た変換光束L13は、発散光束(diverging beam)である。変換光束L13は、第一レンズ組110の第一半分111及び第二半分112を通過し、また、第一レンズ組110に収斂(converge)され、これにより、変換光束L13は、平行光束(parallel beam)に収斂され、また、第一光軸A11及び第二光軸A12に平行な方向に沿って伝搬することができる。そのうち、収斂後の変換光束L13は、そのビーム軸は、第一光軸A11に接近し又はそれと重なることができるので、第一レンズ組110から伝搬して来た変換光束L13は、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150を同時に照射することができる。また、変換光束L13は、第一ダイクロイック素子130を通過することができる。
【0026】
また、第一レンズ組110から伝搬して来た励起光束L11及び変換光束L13は、全て、ビームスプリッタ150に入射することができるため、ビームスプリッタ150は、第一レンズ組110から伝搬して来た励起光束L11及び変換光束L13の伝搬経路に位置する。励起光束L11及び変換光束L13が全てビームスプリッタ150に入射するが、ビームスプリッタ150は、励起光束L11及び変換光束L13に対しての作用が異なる。詳細に言えば、ビームスプリッタ150は、変換光束L13を通過させることができるが、励起光束L11を次のような2つの部分、即ち、第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11bに分割することができる。また、ビームスプリッタ150は、励起光束L11の波長を変更せず、即ち、第一ブランチの励起光束L11a、第二ブランチの励起光束L11b及び励起光束L11の三者の波長は、全て、同じである。
【0027】
ビームスプリッタ150の励起光束L11に対しての作用として、ビームスプリッタ150は、第一ブランチの励起光束L11aを通過させ、また、第二ブランチの励起光束L11bを第一ダイクロイック素子130へ反射することができ。具体的に言えば、ビームスプリッタ150は、光分割面151を含み、光分割面151は、第二ブランチの励起光束L11bを第一ダイクロイック素子130の第二色分割面132へ反射し、且つ、第一ブランチの励起光束L11aを通過させることができる。また、第二色分割面132は、第二ブランチの励起光束L11bを反射して第二レンズ組120に伝搬させることができる。
【0028】
第二色分割面132は、光分割面151に平行であっても良く、これにより、第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11bは、第二光軸A12に平行な方向に沿って第二レンズ組120に入射することができる。第一ブランチの励起光束L11aは、第一サブビーム軸(first sub-beam axis)を有し、第二ブランチの励起光束L11bは、第二サブビーム軸を有し、そのうち、
図1Aでは、第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11bを示すための直線は、それぞれ、第一サブビーム軸及び第二サブビーム軸と見なすことができる。
【0029】
第一光軸A11及び第二光軸A12は、全て、ビームスプリッタ150を通過せず、これにより、第二光軸A12は、第一ブランチの励起光束L11aの第一サブビーム軸と、第二ブランチの励起光束L11bの第二サブビーム軸との間に位置する。よって、第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11bは、それぞれ、第二レンズ組120の第四半分122及び第三半分121を通過することができる。これで分かるように、ビームスプリッタ150は、励起光束L11を2ブランチの光束(第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11b)に分割し、これにより、この2ブランチの光束は、それぞれ、第二レンズ組120の2つの半分(第三半分121及び第四半分122)を通過することができる。言い換えると、ビームスプリッタ150及び第一ダイクロイック素子130の第二色分割面132は、実質的に、励起光束L11が第二レンズ組120の2つの半分を同時に照射し得るようにさせるものであり、これにより、励起光束L11が第二レンズ組120の1つの半分のみを照射するのを避けることができる。このようにして、映像画面上の色均一度(color uniformity)を向上させ、映像画面の品質を維持し又は改善することができる。
【0030】
図1Cは、
図1Aにおける第一ダイクロイック素子及びビームスプリッタの両者の透過率が波長に伴って変化することを示す図である。そのうち、線分C13、C15は、それぞれ、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150の、波長に伴って変化する透過率を示す。なお、
図1Cにおける線分C13、C15は、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150が、入射した光線の波長に基づいて該光線を反射し又は通過させることを説明するための一例に過ぎない。
【0031】
また、
図1Cには、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150の両者の透過率を開示し、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150の両者の反射率を開示していないが、反射率と透過率との互いの関係は、負の相関(negative correlation)である。言い換えると、透過率が低いほど、反射率が高い。逆に、透過率が高いほど、反射率が低い。よって、
図1Cには、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150の両者の反射率が開示されていないが、当業者は、透過率の変化から反射率全体の変化を把握することができる。
【0032】
図1Cによれば、第一ダイクロイック素子130(線分C13)の、波長が460nmよりも小さい光線に対しての透過率は、ゼロであるが、第一ダイクロイック素子130(線分C13)の、波長が500nmよりも大きい光線に対しての透過率は、100%である。これは、第一ダイクロイック素子130が、波長が460nmよりも小さい光線を反射することができ、また、波長が500nmよりも高い光線を通過させることを表す。また、ビームスプリッタ150(線分C15)の、波長が460nmよりも小さい光線に対しての透過率は、50%であるが、ビームスプリッタ150(線分C15)の、波長が500nmよりも大きい光線に対しての透過率は、100%である。よって、ビームスプリッタ150は、波長が500nmよりも大きい光線を通過させ、また、波長が460nmよりも小さい光線を2つの光線に分割することができる。
【0033】
図1Cに示す線分C13、C15によれば、励起光源170は、波長が例えば445nm又は454nmの青色光を提供するように青色光源を選択することができ、波長変換素子160の波長変換領域162内には、波長が500nmよりも大きい変換光束L13を生成し得る蛍光粉を選択することができる。このようにして、第一ダイクロイック素子130は、励起光束L11及び第二ブランチの励起光束L11bを反射し、また、変換光束L13を通過させることができ、ビームスプリッタ150も、変換光束L13を通過させ、また、励起光束L11を第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11bに分割することができる。さらに、第一ダイクロイック素子130の第一色分割面131及び第二色分割面132は、それぞれ、励起光束L11及び第二ブランチの励起光束L11bを反射することができる。
【0034】
図1Aに示すように、第二レンズ組120は、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150から伝搬して来た変換光束L13、ビームスプリッタ150から伝搬して来た第一ブランチの励起光束L11a、及び第一ダイクロイック素子130から伝搬して来た第二ブランチの励起光束L11bの伝搬経路に位置する。よって、第二レンズ組120は、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150から来た変換光束L13、第一ブランチの励起光束L11a、及び第二ブランチの励起光束L11bを受けることができる。
【0035】
第二レンズ組120は、光線を収斂する機能を有するため、変換光束L13、第一ブランチの励起光束L11a、及び第二ブランチの励起光束L11bを照明光束LC1に収斂することができる。このようにして、照明システム100は、投影機に適用することができ、また、照明光束LC1をライトバルブ(
図1A至
図1C皆図示せず)に提供し、投影機に映像画面を投影させることができる。
【0036】
図2Aは、本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図2Aを参照する。
図2Aに示す照明システム200は、
図1Aに示す照明システム100に類似したものである。例えば、照明システム100、200は、幾つかの同じ素子(element)、例えば、第一レンズ組110及び第二レンズ組120を含む。なお、照明システム200、100の両者は、依然として相違点が存在する。例えば、照明システム200は、さらに、補充光源280を含み、それは、
図1Aの照明システム100に現れず、そのうち、補充光源280は、レーザー光源、例えば、レーザーダイオードであっても良い。よって、補充光源280が発する補充光束L21も、レーザー光束であり、そのうち、補充光束L21は、赤色光波長範囲を有する。他の実施例では、補充光源280は、発光ダイオード(Light emitting diode、LED)であっても良い。
【0037】
補充光源280は、ビームスプリッタ250へ補充光束L21を発することができ、ビームスプリッタ250は、補充光束L21を2ブランチの補充光束L21a、L21bに分割することができ、そのうち、ビームスプリッタ250は、補充光束L21の波長を変更することができず、即ち、2ブランチの補充光束L21a、L21bの両者の波長は、補充光束L21の波長と同じである。
図1Aと同様に、本出願の全ての図面(
図2Aを含む)では、直線を以て補充光束L21の主光線を示し、また、この主光線(即ち、上述の直線)を以て補充光束L21を表するが、補充光束L21の他の光線、例えば、周辺光線の図示を省略する。また、本出願の図面では、補充光束L21を表す直線も、補充光束L21の伝搬経路を表し、即ち、図面に示す補充光束L21は、補充光束L21の伝搬経路と見なすことができ、また、
図2Aでは、2ブランチの補充光束L21a、L21bを示す直線は、それぞれ、2ブランチの補充光束L21a、L21bの両者のサブビーム軸と見なすことができる。
【0038】
図2A及び
図2Bに示すように、照明システム200が含む第一ダイクロイック素子230及びビームスプリッタ250は、前述の実施例の第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150と異なり、
図2Bに示す線分C23、C25のようである。詳細に言えば、
図2Bにおける線分C23、C25は、それぞれ、波長に伴って変化する、第一ダイクロイック素子230及びビームスプリッタ250の透過率を表す。なお、線分C23、C25は、第一ダイクロイック素子230及びビームスプリッタ250が、入射した光線の波長に基づいて該光線を反射し又は通過させることを説明するための一例に過ぎない。
【0039】
図2Bによれば、第一ダイクロイック素子230(線分C23)の、波長が460nmより小さい及び630nmよりも大きい光線に対しての透過率は、ゼロであるが、第一ダイクロイック素子230(線分C23)の、波長が500nm~600nmにある光線に対しての透過率は、100%である。これは、第一ダイクロイック素子230が、波長の範囲が500nm~600nmである光線を通過させ、また、波長が460nmよりも小さい及び630nmよりも大きい光線を反射し得ることを意味する。また、ビームスプリッタ250(線分C25)の、波長が460nmよりも小さい及び630nmよりも大きい光線に対しての透過率は、50%であるが、ビームスプリッタ250(線分C25)の、波長が500nm~600nmにある光線に対しての透過率は、100%である。よって、ビームスプリッタ250は、波長範囲が500nm~600nmである光線を通過させ、また、波長が460nmよりも小さい及び630nmよりも大きい光線を2つの光線に分割することができる。
【0040】
図2Bに示す線分C23、C25によれば、励起光源170bは、依然として、波長が例えば445nm又は454nmの青色光源を選択することができ、また、波長変換素子160も、依然として、波長が500nmよりも大きい変換光束L13を生成し得る蛍光粉を選択することができ、これにより、第一ダイクロイック素子230も、励起光束L11及び第二ブランチの励起光束L11bを反射し、また、変換光束L13を通過させることができ、また、ビームスプリッタ250も、変換光束L13を通過させ、励起光束L11を第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11bに分割することができる。
【0041】
補充光源280は、波長が630nmよりも大きい赤色光源を選択することができ、これにより、ビームスプリッタ250及び第一ダイクロイック素子230は、それぞれ、2ブランチの補充光束L21a、L21bを反射することができる。また、ビームスプリッタ250は、第一レンズ組110と第二レンズ組120との間だけでなく、第一ダイクロイック素子230と補充光源280との間にも位置し、これにより、ビームスプリッタ250及び第一ダイクロイック素子230は、それぞれ、2ブランチの補充光束L21b、L21aを第二レンズ組120へ反射することができる。2ブランチの補充光束L21b、L21aは、第二レンズ組120を通過することができ、第二レンズ組120は、変換光束L13、第一ブランチの励起光束L11a、第二ブランチの励起光束L11b、及びブランチ補充光束L21b、L21aを照明光束LC2に収斂し、ライトバルブ(
図2A及び
図2Bでは、全て、図示されない)に提供し、映像光束に変換させることができる。
【0042】
また、第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11bと同様に、第二レンズ組120の第二光軸A12も、2ブランチの補充光束L21a、L21bの両者のサブビーム軸の間に位置する。よって、2ブランチの補充光束L21a、L21bも、それぞれ、第二レンズ組120の第四半分122及び第三半分121を通過することができる。よって、ビームスプリッタ250も、実質的に、補充光束L21が第二レンズ組120の2つの半分を同時に照射するようにさせることができ、これにより、補充光束L21が第二レンズ組120の1つの半分のみを照射することを避け、色均一度を向上させることができる。
【0043】
図3Aは、本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図3Aを参照する。
図3Aに示す照明システム300は、
図1Aに示す照明システム100に類似したものである。例えば、照明システム200、300は、第一レンズ組110、第二レンズ組120、第一ダイクロイック素子130、ビームスプリッタ150などの同じ素子を含む。しかし、照明システム100と異なり、照明システム300は、さらに、補充光源280及び第二ダイクロイック素子340を含み、そのうち、第二ダイクロイック素子340は、第一レンズ組110と第二レンズ組120との間に位置し、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150は、第二ダイクロイック素子340と第一レンズ組110との間に位置する。
【0044】
補充光源280は、第二ダイクロイック素子340へ補充光束L21を発することができ、即ち、第二ダイクロイック素子340は、補充光束L21の伝搬経路に位置する。第二ダイクロイック素子340は、補充光束L21を第二レンズ組120へ反射し、また、第一ブランチの励起光束L11a、第二ブランチの励起光束L11b、及び変換光束L13を通過させることができ、そのうち、第一ブランチの励起光束L11a、第二ブランチの励起光束L11b、及び変換光束L13は、第二ダイクロイック素子340を通過した後に第二レンズ組120に入射することができ、これにより、第二レンズ組120は、第一ブランチの励起光束L11a、第二ブランチの励起光束L11b、変換光束L13及び補充光束L21を照明光束LC3に収斂することができる。
【0045】
また、第一レンズ組110の第一光軸A11及び第二レンズ組120の第二光軸A12は、全て、第二ダイクロイック素子340を通過し、そのうち、補充光束L21のビーム軸は、第二光軸A12と共軸であっても良く、これにより、補充光束L21の主光線は、第二光軸A12に平行な方向に沿って伝搬することができるのみならず、第二レンズ組120の中心を通過することもでき、これは、第二レンズ組120が補充光束L21を収斂することに有利である。
【0046】
図3Bは、
図3Aにおける第一、第二ダイクロイック素子及びビームスプリッタの三者の透過率が波長に伴って変化することを示す図である。
図3A及び
図3Bを参照する。
図3Bにおける線分C33、C35、C34は、それぞれ、波長に伴って変化する、第一ダイクロイック素子130、ビームスプリッタ150、及び第二ダイクロイック素子340の透過率を表す。
図1Bと同様に、線分C33、C35、C34は、説明のための一例に過ぎない。
図3Bによれば、第二ダイクロイック素子340(線分C34)の、波長が630nmよりも小さい光線に対して透過率は、100%であるが、波長が630nmよりも大きい光線に対しての透過率は、ゼロである。よって、補充光源280は、波長が630nmよりも大きい赤色光源を選択し、これにより、第二ダイクロイック素子340は、補充光束L21を反射することができる。
【0047】
図4は、本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図4を参照する。
図4に示す照明システム400は、
図3Aに示す照明システム300に類似したものであるが、照明システム300、400間の主な相違点は、第一ダイクロイック素子130、第二ダイクロイック素子340及びビームスプリッタ150の三者の相対位置にある。具体的に言えば、
図4に示す照明システム400では、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150は、ともに、第二ダイクロイック素子340と第二レンズ組120との間に位置し、第一レンズ組110は、波長変換素子160と第二ダイクロイック素子340との間に位置する。
【0048】
よって、第一レンズ組110から伝搬して来た励起光束L11及び変換光束L13は、第二ダイクロイック素子340を通過した後にビームスプリッタ150に入射することができる。言い換えると、ビームスプリッタ150により励起光束L11を第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11bに分割する前に、励起光束L11は、第二ダイクロイック素子340を通過した。よって、
図3Aに示す照明システム300と異なり、第一ブランチの励起光束L11a及び第二ブランチの励起光束L11bは、第二ダイクロイック素子340を通過することができない。また、
図3Aに示す実施例と異なり、
図4における励起光源170及び補充光源280の両者の位置は、
図3Aにおける励起光源170及び充光源280を交換した後の位置であり、これにより、励起光束L11及び補充光束L21は、それぞれ、第一ダイクロイック素子130及び第二ダイクロイック素子340に入射することができる。
【0049】
図5は、本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図5を参照する。
図5に示す照明システム500は、前述の
図2Aに示す照明システム200に類似したものであり、例えば、照明システム200、500は、幾つかの同じ素子を含み、また、照明システム500における素子の配置(arrangement)も、照明システム200における素子の配置と同じであり、そのうち、照明システム500も、照明光束LC2を提供することができる。なお、照明システム500と照明システム200とは、依然として、相違点があり、それは、照明システム500に含まれる第一ダイクロイック素子530及びビームスプリッタ550にある。
【0050】
第一ダイクロイック素子530及びビームスプリッタ550は、それぞれ、プリズムセット(prism set)である。詳細に言えば、第一ダイクロイック素子530は、第一プリズム531、色分割層532及び第二プリズム533を含み、ビームスプリッタ550は、第一プリズム551、第二プリズム552及び光分割層553を含む。第一ダイクロイック素子530では、第一プリズム531は、第一面(surface)531aを有し、第二プリズム533は、第二面533aを有する。第一面531a及び第二面533aは、互いに対向し、色分割層532は、第一面531aと第二面533aとの間に形成される。ビームスプリッタ550では、第一プリズム551は、第一面551aを有し、第二プリズム552は、第二面552aを有し、そのうち、第一面551a及び第二面552aは、互いに対向し、光分割層553は、第一面551aと第二面552aとの間に形成される。
【0051】
励起光源170から出射したばかりの励起光束L11が第一ダイクロイック素子530に入射し、また、第一レンズ組110から来た励起光束L11及び変換光束L13がビームスプリッタ550に入射する時に、励起光束L11及び変換光束L13は、第一ダイクロイック素子530及びビームスプリッタ550の両者の外側の表面に垂直に入射することができるので、励起光束L11及び変換光束L13の両者の偏向(deflected)を低減し、大部分又は全部の励起光束L11及び変換光束L13の第二レンズ組120への進入を助けることができる。また、
図5に示す第一ダイクロイック素子530及びビームスプリッタ550によれば、第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150の機能を維持又は改善する条件下で、前述の実施例における第一ダイクロイック素子130及びビームスプリッタ150は、
図5に示すプリズムセット(第一ダイクロイック素子530及びビームスプリッタ550)に変更することができる。よって、前述の実施例における照明システム100~400は、プリズムセット形式の第一ダイクロイック素子及びビームスプリッタを採用することもできる。
【0052】
以上の実施例に記載の照明システムは、全て、投影機に用いることができる。
図6を参照する。
図6は、本発明の一実施例における投影機600を示している。投影機600は、照明システム690、フィルターホイール610、光均一化器620、プリズムセット630、ライトバルブ640及び投影レンズ650を含み、そのうち、照明システム690は、前述の実施例における照明システム100~500のうちの任意の1つであり、また、照明光束LC6を生成することができ、それは、照明光束LC1、LC2又はLC3である。よって、照明光束LC6は、第二レンズ組120から出射したものである。
【0053】
フィルターホイール610、光均一化器620、プリズムセット630及びライトバルブ640は、全て、照明光束LC6の伝搬経路に配置され、そのうち、照明光束LC6は、順に、フィルターホイール610、光均一化器620、プリズムセット630及びライトバルブ640を通過することができる。フィルターホイール610は、光透過部及び複数の光フィルタリング部(図示せず)を有し、また、照明光束LC6に対して回転することができ、これにより、照明光束LC6を、光透過部又は複数の光フィルタリング部を照射させることができ、そのうち、フィルターホイール610は、波長変換素子(例えば、波長変換素子160)に合わせて回転することができ、これにより、異なる照明光束LC6は、フィルターホイール610の異なる位置を照射することができる。
【0054】
詳細に言えば、照明光束LC6が収斂後の励起光束L11である時に、照明光束LC6は、フィルターホイール610の光透過部に入射し、また、光透過部を直接透過する。光透過部は、照明光束LC6(励起光束L11)の色を変えることができないので、照明光束LC6が光透過部を透過した後に、照明光束LC6の色は、変わらない。照明光束LC6が収斂後の変換光束L13である時に、照明光束LC6は、フィルターホイール610の光フィルタリング部に入射することができ、これにより、フィルターホイール610は、照明光束LC6(変換光束L13)をフィルタリングすることができ、また、フィルタリング後の照明光束LC6の色は、フィルタリング前の照明光束LC6の色と異なる。他の実施例では、フィルターホイール610の光透過部に散乱素子(図示せず)を設置しても良く、それは、励起光束L11を散乱し、励起光束L11のコヒーレンス(coherence)を破壊するために用いられる。
【0055】
光均一化器620は、フィルターホイール610を通過した照明光束LC6の伝搬経路に配置され、照明光束LC6を均一化することができる。プリズムセット630は、光均一化器620から来た照明光束LC6の伝搬経路に配置され、照明光束LC6をライトバルブ640へ反射することができる。ライトバルブ640は、照明光束LC6を映像光束L61に変換することができ、そのうち、ライトバルブ640は、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)又はDMD(Digital Micromirror Device)であっても良い。投影レンズ650は、映像光束L61の伝搬経路に配置され、映像光束L61をスクリーンに投影して映像画面を形成させることができる。
【0056】
以上のことを纏めると、上述の実施例では、励起光束が第一レンズ組に平行な方向に沿って第一レンズ組を通過するが、励起光束のビーム軸は、第一、第二レンズ組の光軸と非同軸である。これにより、第一ダイクロイック素子及び波長変換素子の反射領域からの2つの励起光束は、異なる伝搬経路に沿ってそれぞれ第一レンズ組の2つの異なる半分(例えば、第一半分111及び第二半分112)に進入することができる。よって、励起光束は、第一レンズ組を2回通過することができ、これにより、励起光束の伝搬経路の分布範囲を小さくし、投影機の小型化を助けることができる。
【0057】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の権利範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及されている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、または、異なる実施例又は範囲を区別するためのものみであり、要素の数量上での上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0058】
100、200、300、400、500、690:照明システム
110:第一レンズ組
111:第一半分
112:第二半分
120:第二レンズ組
121:第三半分
122:第四半分
130、230、530:第一ダイクロイック素子
131:第一色分割面
132:第二色分割面
150、250、550:ビームスプリッタ
151:光分割面
160:波長変換素子
161:反射領域
162:波長変換領域
163c:回転軸
170:励起光源
280:補充光源
340:第二ダイクロイック素子
531、551:第一プリズム
531a、551a:第一面
532:色分割層
533、552:第二プリズム
533a、552a:第二面
553:光分割層
600:投影機
610:フィルターホイール
620:光均一化器
630:プリズムセット
640:ライトバルブ
650:投影レンズ
A11:第一光軸
A12:第二光軸
C13、C15、C23、C25、C33、C34、C35:線分
L11:励起光束
L11a:第一ブランチの励起光束
L11b:第二ブランチの励起光束
L13:変換光束
L21:補充光束
LC1、LC2、LC3、LC6:照明光束
L21a、L21b:2ブランチの補充光束
L61:映像光束。