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▶ 伊藤忠リーテイルリンク株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】衛生マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220706BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
A41D13/11 B
A62B18/02 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019151826
(22)【出願日】2019-08-22
(65)【公開番号】P2020200569
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-01-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503460921
【氏名又は名称】伊藤忠リーテイルリンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】脇本 任人
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3212967(JP,U)
【文献】特開2014-128387(JP,A)
【文献】国際公開第2015/080228(WO,A1)
【文献】特開2015-029568(JP,A)
【文献】特開2012-029990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向へ延びる上下端縁部及び縦方向へ延びる左右側縁部を有するマスク本体と、前記マスク本体の左側縁部及び右側縁部に取り付けられた耳掛け紐とを有する衛生マスクにおいて、
前記マスク本体が、前記衛生マスクを着用する着用者の顔面の側に位置する所定面積の布帛と、前記布帛の反対側に位置する所定面積の繊維不織布とから形成され、
前記マスク本体の上端縁部では、前記繊維不織布の上端縁から上方へ延出する前記布帛の上端縁部が該繊維不織布の上端縁部の非肌対向面の側に折り返されているとともに、前記折り返された布帛の上端縁部の非肌対向面に接合用第1繊維不織布が重なり、前記布帛の折り返された上端縁部が前記繊維不織布の上端縁部と前記接合用第1繊維不織布とに挟まれた状態で、該布帛と該繊維不織布と該接合用第1繊維不織布とが溶着され、前記マスク本体の下端縁部では、前記繊維不織布の下端縁から下方へ延出する前記布帛の下端縁部が該繊維不織布の下端縁部の非肌対向面の側に折り返されているとともに、前記折り返された布帛の下端縁部の非肌対向面に接合用第2繊維不織布が重なり、前記布帛の折り返された下端縁部が前記繊維不織布の下端縁部と前記接合用第2繊維不織布とに挟まれた状態で、該布帛と該繊維不織布と該接合用第2繊維不織布とが溶着されていることを特徴とする衛生マスク。
【請求項2】
前記マスク本体の左側縁部では、前記布帛の左側縁部の肌対向面と前記繊維不織布の左側縁部の非肌対向面とに接合用第3繊維不織布が重なり、前記布帛の左側縁部と前記繊維不織布の左側縁部とが前記接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、該布帛と該繊維不織布と該接合用第3繊維不織布とが溶着され、前記マスク本体の右側縁部では、前記布帛の右側縁部の肌対向面と前記繊維不織布の右側縁部の非肌対向面とに接合用第4繊維不織布が重なり、前記布帛の右側縁部と前記繊維不織布の右側縁部とが前記接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、該布帛と該繊維不織布と該接合用第4繊維不織布とが溶着されている請求項1に記載の衛生マスク。
【請求項3】
前記マスク本体の上端縁部及び左側縁部が交差する上方第1角部では、前記折り返された布帛の非肌対向面に接合用第1繊維不織布が重なるとともに、前記布帛の肌対向面と前記接合用第1繊維不織布の非肌対向面とに前記接合用第3繊維不織布が重なり、前記布帛と前記繊維不織布と前記接合用第1繊維不織布とが前記接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、該布帛と該繊維不織布と該接合用第1繊維不織布と該接合用第3繊維不織布とが溶着され、前記マスク本体の上端縁部及び右側縁部が交差する上方第2角部では、前記折り返された布帛の非肌対向面に接合用第1繊維不織布が重なるとともに、前記布帛の肌対向面と前記接合用第1繊維不織布の非肌対向面とに前記接合用第4繊維不織布が重なり、前記布帛と前記繊維不織布と前記接合用第1繊維不織布とが前記接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、該布帛と該繊維不織布と該接合用第1繊維不織布と該接合用第4繊維不織布とが溶着され、前記マスク本体の下端縁部及び左側縁部が交差する下方第1角部では、前記折り返された布帛の非肌対向面に接合用第2繊維不織布が重なるとともに、前記布帛の肌対向面と前記接合用第2繊維不織布の非肌対向面とに前記接合用第3繊維不織布が重なり、前記布帛と前記繊維不織布と前記接合用第2繊維不織布とが前記接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、該布帛と該繊維不織布と該接合用第2繊維不織布と該接合用第3繊維不織布とが溶着され、前記マスク本体の下端縁部及び右側縁部が交差する下方第2角部では、前記折り返された布帛の非肌対向面に接合用第2繊維不織布が重なるとともに、前記布帛の肌対向面と前記接合用第2繊維不織布の非肌対向面とに前記接合用第4繊維不織布が重なり、前記布帛と前記繊維不織布と前記接合用第2繊維不織布とが前記接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、該布帛と該繊維不織布と該接合用第2繊維不織布と該接合用第4繊維不織布とが溶着されている請求項2に記載の衛生マスク。
【請求項4】
前記布帛が、織物であり、前記衛生マスクでは、前記マスク本体を形成する前記繊維不織布が塵埃及び粒子を捕集するフィルタとしての機能を有し、前記マスク本体を形成する前記織物が着用中に前記着用者の湿気を吸湿する吸湿機能と着用中に該着用者に滑らかな肌触りを感じさせる好感触機能とを有する請求項1ないし請求項3いずれかに記載の衛生マスク。
【請求項5】
前記織物が、細い織り糸を密に織った平織りのローン生地であり、前記ローン生地では、経(タテ)に綿番手が50~120番手の糸が使用され、緯(ヨコ)に綿番手が50~120番手の糸が使用されている請求項4に記載の衛生マスク。
【請求項6】
前記ローン生地の打込本数が、150~200本の範囲にある請求項5に記載の衛生マスク。
【請求項7】
前記ローン生地が、前記着用者の口に対向する第1対向部と、前記口を除く着用者の残余の部位に対向する第2対向部とを有し、前記第1対向部に位置する前記ローン生地の密度が、前記第2対向部に位置する前記ローン生地の密度よりも低く、前記第1対向部に位置する前記ローン生地の通気性が、前記第2対向部に位置する前記ローン生地の通気性よりも高い請求項5又は請求項6に記載の衛生マスク。
【請求項8】
前記第1対向部に位置するローン生地の打込本数が、150~170本の範囲にあり、前記第2対向部に位置するローン生地の打込本数が、170~200本の範囲にある請求項7に記載の衛生マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
上下方向及び幅方向を有し、上下方向の寸法を2等分する横断中心線と、マスク本体と、マスク本体の両側縁から環状に延びる一対の耳掛け部とを備え、マスク本体が一対の耳掛け部の上下固定部が位置する上下端部と上下端部間に位置する口覆い部と両側縁に沿って上下方向へ断続的に延びる複数の接合部が配置されたシール域とを有し、口覆い部と下端部とがマスク本体を形成するシートを折り重ねて形成された襞部を有し、横断中心線よりも下方に位置してマスク本体の両側縁から幅方向の内側へ延びる切欠を有する使い捨てマスクが開示されている(特許文献1参照)。この使い捨てマスクのマスク本体を形成する内層シートと外層シートとは、熱融着性繊維を含む質量1 0 ~ 4 0 g/ m 2 の通気性を有する繊維不織布シートであって、メルトブローン繊維不織布、スパンボンド繊維不織布、S M S 繊維不織布、エアスルー繊維不織布等の各種公知の繊維不織布が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3203087号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の使い捨てマスクは、マスクを着用する着用者の顔面の側に位置する内層シートが繊維不織布から作られているから、その吸湿性が低く、マスクの着用中に内層シートが着用者の汗や呼気を吸湿することはなく、汗や呼気が着用者の肌に付着したままとなり、マスクの着用中における着用者の肌のサラっと感を保持することができない。又、内層シートが湿気を吸湿することがないから、マスクの着用中に内層シートの肌触りがベタついて着用者の肌に不快な感触を与える場合がある。
【0005】
本発明の目的は、着用中に着用者の湿気を吸湿する吸湿機能を有し、着用中における着用者の肌のサラッと感を保持することができる衛生マスクを提供することにある。本発明の他の目的は、滑らかな肌触りを感じさせる好感触機能を有し、着用中に着用者の肌に不快な感触を与えることはなく、着用中に着用者の肌にベタつかずに滑らかでサラサラとした良好な感触を与えることができる衛生マスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、横方向へ延びる上下端縁部及び縦方向へ延びる左右側縁部を有するマスク本体と、マスク本体の左側縁部及び右側縁部に取り付けられた耳掛け紐とを有する衛生マスクである。
【0007】
前記前提における本発明の特徴は、マスク本体が、衛生マスクを着用する着用者の顔面の側に位置する所定面積の布帛と、布帛の反対側に位置する所定面積の繊維不織布とから形成され、マスク本体の上端縁部では、繊維不織布の上端縁から上方へ延出する布帛の上端縁部が繊維不織布の上端縁部の非肌対向面の側に折り返されているとともに、折り返された布帛の上端縁部の非肌対向面に接合用第1繊維不織布が重なり、布帛の折り返された上端縁部が繊維不織布の上端縁部と接合用第1繊維不織布とに挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布とが溶着され、マスク本体の下端縁部では、繊維不織布の下端縁から下方へ延出する布帛の下端縁部が繊維不織布の下端縁部の非肌対向面の側に折り返されているとともに、折り返された布帛の下端縁部の非肌対向面に接合用第2繊維不織布が重なり、布帛の折り返された下端縁部が繊維不織布の下端縁部と接合用第2繊維不織布とに挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布とが溶着されていることにある。
【0008】
本発明の一例として、マスク本体の左側縁部では、布帛の左側縁部の肌対向面と繊維不織布の左側縁部の非肌対向面とに接合用第3繊維不織布が重なり、布帛の左側縁部と前記繊維不織布の左側縁部とが接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第3繊維不織布とが溶着され、マスク本体の右側縁部では、布帛の右側縁部の肌対向面と繊維不織布の右側縁部の非肌対向面とに接合用第4繊維不織布が重なり、布帛の右側縁部と繊維不織布の右側縁部とが接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第4繊維不織布とが溶着されている。
【0009】
本発明の他の一例として、マスク本体の上端縁部及び左側縁部が交差する上方第1角部では、折り返された布帛の非肌対向面に接合用第1繊維不織布が重なるとともに、布帛の肌対向面と接合用第1繊維不織布の非肌対向面とに接合用第3繊維不織布が重なり、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布とが接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布と接合用第3繊維不織布とが溶着され、マスク本体の上端縁部及び右側縁部が交差する上方第2角部では、折り返された布帛の非肌対向面に接合用第1繊維不織布が重なるとともに、布帛の肌対向面と接合用第1繊維不織布の非肌対向面とに接合用第4繊維不織布が重なり、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布とが接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布と接合用第4繊維不織布とが溶着され、マスク本体の下端縁部及び左側縁部が交差する下方第1角部では、折り返された布帛の非肌対向面に接合用第2繊維不織布が重なるとともに、布帛の肌対向面と接合用第2繊維不織布の非肌対向面とに接合用第3繊維不織布が重なり、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布とが接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布と接合用第3繊維不織布とが溶着され、マスク本体の下端縁部及び右側縁部が交差する下方第2角部では、折り返された布帛の非肌対向面に接合用第2繊維不織布が重なるとともに、布帛の肌対向面と接合用第2繊維不織布の非肌対向面とに接合用第4繊維不織布が重なり、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布とが接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布と接合用第4繊維不織布とが溶着されている。
【0010】
本発明の他の一例としては、布帛が、織物であり、衛生マスクでは、マスク本体を形成する繊維不織布が塵埃及び粒子を捕集するフィルタとしての機能を有し、マスク本体を形成する織物が着用中に着用者の湿気を吸湿する吸湿機能と着用中に着用者に滑らかな肌触りを感じさせる好感触機能とを有する。
【0011】
本発明の他の一例としては、織物が、細い織り糸を密に織った平織りのローン生地であり、ローン生地では、経(タテ)に綿番手が50~120番手の糸が使用され、緯(ヨコ)に綿番手が50~120番手の糸が使用されている。
【0012】
本発明の他の一例としては、ローン生地の打込本数が、150~200本の範囲にある。
【0013】
本発明の他の一例としては、ローン生地が、着用者の口に対向する第1対向部と、口を除く着用者の残余の部位に対向する第2対向部とを有し、第1対向部に位置するローン生地の密度が、第2対向部に位置するローン生地の密度よりも低く、第1対向部に位置するローン生地の通気性が、第2対向部に位置するローン生地の通気性よりも高い。
【0014】
本発明の他の一例としては、第1対向部に位置するローン生地の打込本数が、150~170本の範囲にあり、第2対向部に位置するローン生地の打込本数が、170~200本の範囲にある。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る衛生マスクによれば、マスク本体が衛生マスクを着用する着用者の顔面の側に位置する所定面積の布帛と布帛の反対側に位置する所定面積の繊維不織布とから形成され、衛生マスクの着用中に布帛が着用者の肌に当接(接触)するから、衛生マスクの着用中に着用者の肌に不快な感触を与えることはなく、衛生マスクの着用中に着用者の肌にベタつかずに滑らかな感触を与えることができるとともに、着用中に着用者の肌にサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【0016】
布帛が織物であり、マスク本体を形成する繊維不織布が塵埃及び粒子を捕集するフィルタとしての機能を有し、マスク本体を形成する織物が着用中に着用者の湿気を吸湿する吸湿機能と着用中に着用者に滑らかな肌触りを感じさせる好感触機能とを有する衛生マスクは、繊維不織布のフィルタ機能を利用して空気に含まれる塵埃や粒子(微細粒子)、花粉を除去することができ、衛生マスクによって塵埃や粒子(微細粒子)、花粉が除去された清浄な空気を作ることができる。衛生マスクは、織物の吸湿機能を利用して衛生マスクの着用中に織物に着用者の汗や呼気を吸湿させることができ、衛生マスクの着用中における着用者の肌のサラッと感を保持することができる。衛生マスクは、織物の好感触機能によってマスクの着用中に着用者の肌に滑らかでベタつかずにサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【0017】
織物が細い織り糸を密に織った平織りのローン生地であり、ローン生地の経(タテ)に綿番手が50~120番手の糸が使用され、ローン生地の緯(ヨコ)に綿番手が50~120番手の糸が使用されている衛生マスクは、前記綿番手の経(タテ)糸と緯(ヨコ)糸とを使用することで、平織りのローン生地に優れた吸湿機能を付与することができ、ローン生地の優れた吸湿機能を利用して衛生マスクの着用中に織物に着用者の汗や呼気を吸湿させることができるとともに、衛生マスクの着用中における着用者の肌のサラッと感を確実に保持することができる。衛生マスクは、平織りのローン生地に優れた好感触機能を付与することができ、ローン生地の優れた好感触機能によってマスクの着用中に着用者の肌に滑らかな感触を与えることができるとともに、着用中に着用者の肌にベタつかずにサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【0018】
ローン生地の打込本数が150~200本の範囲にある衛生マスクは、ローン生地の打込本数を前記範囲にすることで、ローン生地が最適な密度を有し、ローン生地に優れた吸湿機能と優れた好感触機能とを付与することができる。衛生マスクは、前記打込本数のローン生地の優れた吸湿機能を利用して衛生マスクの着用中に織物に着用者の汗や呼気を吸湿させることができ、衛生マスクの着用中における着用者の肌のサラッと感を確実に保持することができる。衛生マスクは、前記打込本数のローン生地の優れた好感触機能によってマスクの着用中に着用者の肌に滑らかな感触を与えることができ、着用中に着用者の肌にベタつかずにサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【0019】
ローン生地が着用者の口に対向する第1対向部と口を除く着用者の残余の部位に対向する第2対向部とを有し、第1対向部に位置するローン生地の密度が第2対向部に位置するローン生地の密度よりも低く、第1対向部に位置するローン生地の通気性が第2対向部に位置するローン生地の通気性よりも高い衛生マスクは、第1対向部に位置するローン生地の密度が第2対向部に位置するローン生地の密度よりも低く、第1対向部に位置するローン生地の通気性が第2対向部に位置するローン生地の通気性よりも高いから、第1対向部に位置するローン生地が着用者の呼吸を邪魔することがなく、衛生マスクの着用中に着用者が楽に呼吸することができる。衛生マスクは、第2対向部に位置するローン生地の密度が第1対向部に位置するローン生地の密度よりも高いから、口を除く着用者の残余の部位に当接(接触)するローン生地が優れた吸湿機能と優れた好感触機能とを有し、第2対向部に位置するローン生地の優れた吸湿機能を利用して衛生マスクの着用中に織物に着用者の汗や呼気を吸湿させることができ、衛生マスクの着用中における着用者の肌のサラッと感を確実に保持することができるとともに、第2対向部に位置するローン生地の優れた好感触機能によって衛生マスクの着用中に着用者の肌に滑らかな感触を与えることができ、着用中に着用者の肌にベタつかずにサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【0020】
第1対向部に位置するローン生地の打込本数が150~170本の範囲にあり、第2対向部に位置するローン生地の打込本数が170~200本の範囲にある衛生マスクは、第1対向部に位置するローン生地の打込本数が前記範囲にあり、第2対向部に位置するローン生地の打込本数が前記範囲にあるから、第1対向部に位置するローン生地の密度を第2対向部に位置するローン生地の密度よりも低くすることができるとともに、第1対向部に位置するローン生地の通気性を第2対向部に位置するローン生地の通気性よりも高くすることができ、第1対向部に位置するローン生地が着用者の呼吸を邪魔することがなく、衛生マスクの着用中に着用者が楽に呼吸することができる。衛生マスクは、第2対向部に位置する前記打込本数のローン生地の密度を第1対向部に位置する前記打込本数のローン生地の密度よりも高くすることができるから、口を除く着用者の残余の部位に当接(接触)するローン生地が優れた吸湿機能と優れた好感触機能とを有し、第2対向部に位置するローン生地の優れた吸湿機能を利用して衛生マスクの着用中に織物に着用者の汗や呼気を吸湿させることができ、衛生マスクの着用中における着用者の肌のサラッと感を確実に保持することができるとともに、第2対向部に位置するローン生地の優れた好感触機能によって衛生マスクの着用中に着用者の肌に滑らかな感触を与えることができ、着用中に着用者の肌にベタつかずにサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【0021】
マスク本体の上端縁部において、繊維不織布の上端縁から上方へ延出する布帛の上端縁部が繊維不織布の上端縁部の非肌対向面の側に折り返されているとともに、折り返された布帛の上端縁部の非肌対向面に接合用第1繊維不織布が重なり、布帛の折り返された上端縁部が繊維不織布の上端縁部と接合用第1繊維不織布とに挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布とが溶着され、マスク本体の下端縁部において、繊維不織布の下端縁から下方へ延出する布帛の下端縁部が繊維不織布の下端縁部の非肌対向面の側に折り返されているとともに、折り返された布帛の下端縁部の非肌対向面に接合用第2繊維不織布が重なり、布帛の折り返された下端縁部が繊維不織布の下端縁部と接合用第2繊維不織布とに挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布とが溶着されている衛生マスクは、布帛の上端縁部が繊維不織布の上端縁部と接合用第1繊維不織布とに挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布とが溶着され、布帛の下端縁部が繊維不織布の下端縁部と接合用第2繊維不織布とに挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布とが溶着されることで、マスク本体の上端縁部及び下端縁部において布帛と繊維不織布とが強固に固着され、マスク本体の上端縁部及び下端縁部において布帛と繊維不織布とが不用意に剥離することはなく、衛生マスクがその形態を保持することができ、繊維不織布のフィルタ機能、織物(ローン生地)の吸湿機能や好感触機能を確実に利用することができる。衛生マスクは、繊維不織布のフィルタ機能によって空気に含まれる塵埃や粒子(微細粒子)、花粉を除去することができ、織物(ローン生地)の吸湿機能によって衛生マスクの着用中における着用者の肌のサラッと感を保持することができるとともに、織物(ローン生地)の好感触機能によって衛生マスクの着用中に着用者の肌に滑らかでサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【0022】
マスク本体の左側縁部において、布帛の左側縁部の肌対向面と繊維不織布の左側縁部の非肌対向面とに接合用第3繊維不織布が重なり、布帛の左側縁部と繊維不織布の左側縁部とが接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第3繊維不織布とが溶着され、マスク本体の右側縁部において、布帛の右側縁部の肌対向面と繊維不織布の右側縁部の非肌対向面とに接合用第4繊維不織布が重なり、布帛の右側縁部と繊維不織布の右側縁部とが接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第4繊維不織布とが溶着されている衛生マスクは、布帛の左側縁部と繊維不織布の左側縁部とが接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第3繊維不織布とが溶着され、布帛の右側縁部と繊維不織布の右側縁部とが接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第4繊維不織布とが溶着されることで、マスク本体の左側縁部及び右側縁部において布帛と繊維不織布とが強固に固着され、マスク本体の左側縁部及び右側縁部において布帛と繊維不織布とが不用意に剥離することはなく、衛生マスクがその形態を保持することができ、繊維不織布のフィルタ機能、織物(ローン生地)の吸湿機能や好感触機能を確実に利用することができる。衛生マスクは、繊維不織布のフィルタ機能によって空気に含まれる塵埃や粒子(微細粒子)、花粉を除去することができ、織物(ローン生地)の吸湿機能によって衛生マスクの着用中における着用者の肌のサラッと感を保持することができるとともに、織物(ローン生地)の好感触機能によって衛生マスクの着用中に着用者の肌に滑らかでサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【0023】
マスク本体の上端縁部及び左側縁部が交差する上方第1角部において、折り返された布帛の非肌対向面に接合用第1繊維不織布が重なるとともに、布帛の肌対向面と接合用第1繊維不織布の非肌対向面とに接合用第3繊維不織布が重なり、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布とが接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布と接合用第3繊維不織布とが溶着され、マスク本体の上端縁部及び右側縁部が交差する上方第2角部において、折り返された布帛の非肌対向面に接合用第1繊維不織布が重なるとともに、布帛の肌対向面と接合用第1繊維不織布の非肌対向面とに接合用第4繊維不織布が重なり、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布とが接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布と接合用第4繊維不織布とが溶着され、マスク本体の下端縁部及び左側縁部が交差する下方第1角部において、折り返された布帛の非肌対向面に接合用第2繊維不織布が重なるとともに、布帛の肌対向面と接合用第2繊維不織布の非肌対向面とに接合用第3繊維不織布が重なり、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布とが接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布と接合用第3繊維不織布とが溶着され、マスク本体の下端縁部及び右側縁部が交差する下方第2角部において、折り返された布帛の非肌対向面に接合用第2繊維不織布が重なるとともに、布帛の肌対向面と接合用第2繊維不織布の非肌対向面とに接合用第4繊維不織布が重なり、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布とが接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布と接合用第4繊維不織布とが溶着されている衛生マスクは、上方第1角部において、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布とが接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布と接合用第3繊維不織布とが溶着され、上方第2角部において、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布とが接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第1繊維不織布と接合用第4繊維不織布とが溶着され、下方第1角部において、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布とが接合用第3繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布と接合用第3繊維不織布とが溶着されるとともに、下方第2角部において、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布とが接合用第4繊維不織布に挟まれた状態で、布帛と繊維不織布と接合用第2繊維不織布と接合用第4繊維不織布とが溶着されることで、マスク本体の上方第1角部や上方第2角部、下方第1角部、下方第2角部において布帛と繊維不織布とが強固に固着され、マスク本体の上方第1角部や上方第2角部、下方第1角部、下方第2角部において布帛と繊維不織布とが不用意に剥離することはなく、衛生マスクがその形態を保持することができ、繊維不織布のフィルタ機能、織物(ローン生地)の吸湿機能や好感触機能を確実に利用することができる。衛生マスクは、繊維不織布のフィルタ機能によって空気に含まれる塵埃や粒子(微細粒子)、花粉を除去することができ、織物(ローン生地)の吸湿機能によって衛生マスクの着用中における着用者の肌のサラッと感を保持することができるとともに、織物(ローン生地)の好感触機能によって衛生マスクの着用中に着用者の肌に滑らかでサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一例として示す衛生マスクの正面図。
図2図1の衛生マスクの背面図。
図3】衛生マスクの分解斜視図。
図4図1のA-A線断面図。
図5図1のB-B線断面図。
図6図1のC-C線断面図。
図7】衛生マスクの着用状態を示す斜視図。
図8】他の一例として示す衛生マスクの背面図。
図9図8のD-D線断面図。
図10図8のE-E線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
一例として示す衛生マスク10Aの正面図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る衛生マスクの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、図1の衛生マスク10Aの背面図であり、図3は、図1の衛生マスク10Aの分解斜視図である。図4は、図1のA-A線断面図であり、図5は、図1のB-B線断面図である。図6は、図1のC-C線断面図であり、図7は、衛生マスク10Aの着用状態を示す斜視図である。図1では、縦方向を矢印Xで示し、横方向を矢印Yで示す。
【0026】
図1に示す衛生マスク10Aは、着用者46の鼻及び口を覆う所定面積のマスク本体11と、着用者46の両耳に引っ掛ける一対の耳掛け紐12とから形成されている。マスク本体11は、横方向へ延びる上端縁部13及び横方向へ延びる下端縁部14と、縦方向へ延びる左側縁部15及び縦方向へ延びる右側縁部16とを有する。マスク本体11は、衛生マスク10Aを着用する着用者46の顔面の側に位置する所定面積の1枚(1層)の織物17(布帛)と、織物17(布帛)の反対側に位置する所定面積の2枚(2層)の繊維不織布18a,18b(第1繊維不織布18a及び第2繊維不織布18b)とから形成されている。
【0027】
マスク本体11では、織物17と繊維不織布18a,18bとが織物17、繊維不織布18b(第2繊維不織布18b)、繊維不織布18a(第1繊維不織布18a)の順でそれらの厚み方向へ重なり合っている。マスク本体11では、重なり合う織物17(後記するローン生地17a)と繊維不織布18a,18bとが横方向へ延びる折曲線19で折り畳まれ、使用時に非肌対向面の側に突出する複数のプリーツ20が形成されている。プリーツ20では、折り畳まれた繊維不織布18a,18b及び織物17が重なり合い、プリーツ20が4枚(4層)の繊維不織布18a,18b及び2枚(2層)の織物17の6枚(6層)から作られている。
【0028】
織物17には、細い織り糸を密に織った平織りのローン生地17aが使用されている。なお、織物17として、ローン生地17aの他に、ブロード生地やオックスフォード生地、シャンプレー生地、ボイル生地等の平織りの織物17を使用することもできる。織物17(ローン生地17aや他の織物)を形成する糸には、吸湿性と保温性があって通気性に優れ、サラッとした感触がある綿(コットン)が使用されているが、綿とポリエステルから作られた混紡糸を使用することもできる。
【0029】
ローン生地17aは、横方向へ長い矩形にカットされ、横方向へ延びる上端縁部21及び横方向へ延びる下端縁部22と、縦方向へ延びる左側縁部23及び縦方向へ延びる右側縁部24とを有し、着用者46の口に対向する第1対向部25と、口を除く着用者46の残余の部位に対向する第2対向部26とを有するとともに、着用者46の肌に対向する肌対向面27と、着用者46の肌に非対向の非肌対向面28とを有する。第1対向部25は、マスク本体11の上下方向中央部であり、プリーツ29が形成されている部位である。第1対向部25(第1対向中央部)は、ローン生地17aの左側縁部23と右側縁部24との間で横方向へ延びている。
【0030】
第2対向部26は、マスク本体11の上下方向中央部を除く上部(第2対向上部)及び下部(第2対向下部)であり、プリーツ20が形成されていない部位である。第2対向部26(第2対向上部及び第2対向下部)は、ローン生地17aの左側縁部23と右側縁部24との間で横方向へ延びている。ローン生地17a(第1対向中央部、第2対向上部、第2対向下部)は、衛生マスク10Aの着用中に着用者46に柔らかで良好な肌触りを感じさせる好感触機能を有するとともに、衛生マスク10Aの着用中に着用者46から発散された湿気(汗や呼気)を吸湿する吸湿機能を有する。
【0031】
それら繊維不織布18a,18bは、横方向へ長い矩形にカットされ、横方向へ延びる上端縁部29及び横方向へ延びる下端縁部30と、縦方向へ延びる左側縁部30及び縦方向へ延びる右側縁部31とを有するとともに、着用者46の肌に対向する肌対向面33と、着用者46の肌に非対向の非肌対向面34とを有する。繊維不織布18aには、メルトブローン繊維不織布とスパンボンド繊維不織布とのうちのいずれか一方が使用され、繊維不織布18bには、メルトブローン繊維不織布とスパンボンド繊維不織布とのうちのいずれか他方が使用されている。なお、繊維不織布18a,18bには、メルトブローン繊維不織布とスパンボンド繊維不織布との複合不織布を使用することもできる。また、繊維不織布18a,18bには、他の種類の繊維不織布を使用することもできる。繊維不織布18bは、空気に含まれる塵埃及び粒子(微細粒子)、花粉を捕集するフィルタとしての機能を有する。
【0032】
ローン生地17a(織物)を作る糸には、経(タテ)に綿番手が50~120番手の糸が使用され、緯(ヨコ)に綿番手が50~120番手の糸が使用されている。なお、経(タテ)に使用される糸の綿番手は、70~100番手が好ましく、緯(ヨコ)に使用される糸の綿番手は、70~120番手が好ましい。経(タテ)に使用される糸の綿番手が50番手未満であって緯(ヨコ)に使用される糸の綿番手が50番手未満では、糸の太さが大きくなってその糸から作られたローン生地17aの肌触りがガサガサして低下し、着用者46の不快感を与える場合がある。また、糸が密にならずローン生地17aの吸湿機能が低下する。衛生マスク10Aでは、前記綿番手の経(タテ)糸と緯(ヨコ)糸とを使用することで、平織りのローン生地17aに優れた吸湿機能と優れた好感触機能とを付与することができる。
【0033】
ローン生地17aは、その打込本数が150~200本の範囲、好ましくは、160~200本の範囲にある。ローン生地17aの打込本数が150本未満では、ローン生地17aの密度が低下してローン生地17aの肌触りが低下し、ローン生地17aが着用者46の肌に当接(接触)したときに着用者46の不快感を与える場合があるとともに、ローン生地17aの吸湿機能が低下し、着用者46の汗や呼気を十分に吸湿することができない。ローン生地17aの打込本数が200本を超過すると、ローン生地17aの密度が必要以上に増加し、ローン生地17aの通気性が低下して衛生マスク10Aを着用した着用者46のスムーズな呼吸を妨げる場合がある。
【0034】
衛生マスク10Aは、ローン生地17aの打込本数を150~200本の範囲(好ましくは、160~200本の範囲)にすることで、ローン生地17aが最適な密度を有し、ローン生地17aに優れた吸湿機能と優れた好感触機能とを付与することができるとともに、ローン生地17aの通気性を最適に保持することができ、衛生マスク10Aを着用した着用者46が違和感なく呼吸することができる。
【0035】
それら耳掛け紐12は、弾性的に伸縮可能であって不織布や織布、プラスチックフィルム、ゴム紐等の公知の材料によって作られている。それら耳掛け紐12は、マスク本体11の左側縁部15及び右側縁部16に取り付けられている。耳掛け紐12の一方は、その一端部35がマスク本体11の上端縁部13及び左側縁部15が交差する上方第1角部37に固着(溶着)され、その他端部36がマスク本体11の下端縁部14及び左側縁部15が交差する下方第1角部38に固着(溶着)されている。
【0036】
耳掛け紐12の他方は、その一端部36がマスク本体11の上端縁部13及び右側縁部16が交差する上方第2角部39に固着(溶着)され、その他端部36がマスク本体11の下端縁部14及び右側縁部15が交差する下方第2角部40に強固に固着(溶着)されている。マスク本体11の上方第1角部37及び上方第2角部39や下方第1角部38及び下方第2角部40に対する耳掛け紐12の固着は、ソニックシール(超音波シール)が利用されている。
【0037】
マスク本体11では、ローン生地17aの非肌対向面28と繊維不織布18bの肌対向面33とが重なり合い、繊維不織布18bの非肌対向面34と繊維不織布18aの肌対向面33とが重なり合っている。マスク本体11の上端縁部13では、図4に示すように、繊維不織布18a,18bの上端縁から上方へローン生地17a(布帛)の上端縁部21が延出し、繊維不織布18a,18bの上端縁から上方へ延出するローン生地17aの上端縁部21が繊維不織布18a,18bの上端縁部29の非肌対向面34の側に折り返されている。
【0038】
折り返されたローン生地17aの上端縁部21の非肌対向面28(折り返される前の肌対向面27)に横方向へ延びる矩形の接合用第1繊維不織布41が配置され、折り返されたローン生地17aの上端縁部21が繊維不織布18aの上端縁部29の非肌対向面34に重なっているとともに、折り返されたローン生地17aの上端縁部21の非肌対向面28(折り返される前の肌対向面27)に接合用第1繊維不織布41が重なっている。
【0039】
マスク本体11の上端縁部13では、ローン生地17a(布帛)の折り返された上端縁部21が繊維不織布18a,18bの上端縁部29と接合用第1繊維不織布41とに挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41とがソニックシールによる溶着によって強固に固着されている。マスク本体11の上端縁部13には、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41を溶着した複数のシール部42が横方向へ並んでいる。マスク本体11の上端縁部13におけるローン生地17aと繊維不織布18aと間には、横方向へ延びる塑性変形可能な金属板50が設置されている。
【0040】
マスク本体11の下端縁部14では、繊維不織布18a,18bの下端縁から下方へローン生地17a(布帛)の下端縁部22が延出し、繊維不織布18a,18bの下端縁から下方へ延出するローン生地17aの下端縁部22が繊維不織布18a,18bの下端縁部30の非肌対向面34の側に折り返されている。折り返されたローン生地17aの下端縁部22の非肌対向面28(折り返される前の肌対向面27)に横方向へ延びる矩形の接合用第2繊維不織布43が配置され、折り返されたローン生地17aの下端縁部22が繊維不織布18aの下端縁部30の非肌対向面34に重なっているとともに、折り返されたローン生地17aの下端縁部22の非肌対向面28(折り返される前の肌対向面27)に接合用第2繊維不織布43が重なっている。
【0041】
マスク本体11の下端縁部14では、ローン生地17a(布帛)の折り返された下端縁部22が繊維不織布18a,18bの下端縁部30と接合用第2繊維不織布43とに挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43とがソニックシールによる溶着によって強固に固着されている。マスク本体11の下端縁部14には、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43を溶着した複数のシール部42が横方向へ並んでいる。
【0042】
マスク本体11の左側縁部15には、縦方向へ延びる接合用第3繊維不織布44が配置されている。マスク本体11の左側縁部15では、図5に示すように、接合用第3繊維不織布44がローン生地17a(布帛)及び繊維不織布18a,18bの左側縁で折り曲げられ、ローン生地17aの左側縁部23の肌対向面27と繊維不織布18a,18bの左側縁部31の非肌対向面34とに接合用第3繊維不織布44が重なっている。
【0043】
マスク本体11の左側縁部15では、ローン生地17a(布帛)の左側縁部23と繊維不織布18a,18bの左側縁部31とが接合用第3繊維不織布44に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第3繊維不織布44とがソニックシールによる溶着によって強固に固着されている。マスク本体11の左側縁部15には、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第3繊維不織布44を溶着した複数のシール部42が縦方向へ並んでいる。
【0044】
マスク本体11の右側縁部16には、縦方向へ延びる接合用第4繊維不織布45が配置されている。マスク本体11の右側縁部16では、接合用第4繊維不織布45がローン生地17a(布帛)及び繊維不織布18a,18bの右側縁で折り曲げられ、ローン生地17aの右側縁部24の肌対向面27と繊維不織布18a,18bの右側縁部32の非肌対向面34とに接合用第4繊維不織布45が重なっている。
【0045】
マスク本体11の右側縁部16では、ローン生地17a(布帛)の右側縁部24と繊維不織布18a,18bの右側縁部32とが接合用第4繊維不織布45に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第4繊維不織布45とがソニックシールによる溶着(熱溶着)によって強固に固着されている。マスク本体11の右側縁部16には、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第4繊維不織布45を溶着した複数のシール部42が縦方向へ並んでいる。マスク本体11では、その左側縁部15及び右側縁部16において、プリーツ20を形成するローン生地17aと繊維不織布18a,18bとが折り畳まれた状態で縦方向へ並ぶ複数のシール部42で固着されることで、マスク本体11(ローン生地17a及び繊維不織布18a,18b)のプリーツ20の形態が保持されている。
【0046】
マスク本体11の上端縁部13及び左側縁部15が交差する上方第1角部37では、図6に示すように、折り返されたローン生地17a(布帛)の上方第1角部37に位置する上端縁部21の非肌対向面28(折り返される前の肌対向面27)と上方第1角部37に位置する接合用第1繊維不織布41の一方の端部とが重なるとともに、上方第1角部37に位置する接合用第3繊維不織布44がローン生地17aの肌対向面27と接合用第1繊維不織布41の非肌対向面とに重なっている。
【0047】
マスク本体11の上方第1角部37では、ローン生地17a(布帛)と繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41の一方の端部とが接合用第3繊維不織布44に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41と接合用第3繊維不織布44とがソニックシールによる溶着によって強固に固着されている。
【0048】
マスク本体11の上端縁部13及び右側縁部16が交差する上方第2角部39では、折り返されたローン生地17a(布帛)の上方第2角部39に位置する上端縁部21の非肌対向面28(折り返される前の肌対向面27)と上方第2角部39に位置する接合用第1繊維不織布41の他方の端部とが重なるとともに、上方第2角部39に位置する接合用第4繊維不織布45がローン生地17aの肌対向面27と接合用第1繊維不織布41の非肌対向面とに重なっている。
【0049】
マスク本体11の上方第2角部39では、ローン生地17a(布帛)と繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41の他方の端部とが接合用第4繊維不織布45に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41と接合用第4繊維不織布45とがソニックシールによる溶着によって強固に固着されている。
【0050】
マスク本体11の下端縁部14及び左側縁部15が交差する下方第1角部38では、折り返されたローン生地17a(布帛)の下方第1角部38に位置する下端縁部22の非肌対向面28(折り返される前の肌対向面27)と下方第1角部38に位置する接合用第2繊維不織布43の一方の端部とが重なるとともに、下方第1角部38に位置する接合用第3繊維不織布44がローン生地17aの肌対向面27と接合用第2繊維不織布43の非肌対向面とに重なっている。
【0051】
マスク本体11の下方第1角部38では、ローン生地17a(布帛)と繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43の一方の端部とが接合用第3繊維不織布44に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43と接合用第3繊維不織布44とがソニックシールによる溶着によって強固に固着されている。
【0052】
マスク本体11の下端縁部14及び右側縁部16が交差する下方第2角部40では、折り返されたローン生地17a(布帛)の下方第2角部40に位置する下端縁部22の非肌対向面28(折り返される前の肌対向面27)と下方第2角部40に位置する接合用第2繊維不織布43の他方の端部とが重なるとともに、下方第2角部40に位置する接合用第4繊維不織布45がローン生地17aの肌対向面27と接合用第2繊維不織布43の非肌対向面とに重なっている。
【0053】
マスク本体11の下方第2角部40では、ローン生地17a(布帛)と繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43の他方の端部とが接合用第4繊維不織布45に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43と接合用第4繊維不織布45とがソニックシールによる溶着によって強固に固着されている。接合用第1繊維不織布41~接合用第4繊維不織布45に使用する繊維不織布は、繊維不織布18a,18bのそれと同一である。
【0054】
マスク本体11では、その上下端縁部13,14や左右側縁部15,16、上方第1角部37及び上方第2角部39、下方第1角部38及び下方第2角部40を除く部位(第1対向部25及び第2対向部26)においてローン生地17a(布帛)と繊維不織布18aと繊維不織布18bとが固着されていない。従って、第1対向部25及び第2対向部26においてローン生地17aと繊維不織布18aと繊維不織布18bとが部分的に固着されている場合と比較し、第1対向部25及び第2対向部26においてマスク本体11が柔軟性及び通気性に優れている。
【0055】
衛生マスク10Aを着用するには、マスク本体11のローン生地17a(布帛)を着用者46の肌(口、鼻)に対向させた状態で、耳掛け紐12を着用者46が耳に掛ける。着用中の衛生マスク10Aでは、ローン生地17aの第1対向部25が着用者46の口に当接(接触)し、ローン生地17aの第2対向部26が着用者46の口を除く残余の部位に当接(接触)する。マスク本体11では、着用者46の顔面の凸形状に合わせてプリーツ20が着用者46の非肌対向面の側(外方)に突出する。
【0056】
衛生マスク10Aの着用中に着用者46の呼吸によって空気がマスク本体11に吸い込まれると、繊維不織布18のフィルタ機能によって空気に含まれる塵埃や粒子(微細粒子)、花粉が繊維不織布18に捕集される。着用者46は、塵埃や粒子(微細粒子)、花粉が除去された清浄空気を吸うことができる。衛生マスク10Aの着用中に着用者46の口や鼻、頬(皮膚)にローン生地17aが当接(接触)し、着用者46の汗や呼気がローン生地17a(コットン)に吸湿される。
【0057】
衛生マスク10Aは、マスク本体11がマスク10Aを着用する着用者46の顔面の側に位置する所定面積のローン生地17a(布帛)とローン生地17aの反対側に位置する所定面積の繊維不織布18a,18bとから形成され、マスク本体11を形成する繊維不織布18bが塵埃及び粒子(微細粒子)、花粉を捕集するフィルタとしての機能を有するから、繊維不織布18bのフィルタ機能を利用して空気に含まれる塵埃や粒子(微細粒子)、花粉を除去することができ、マスク本体11によって塵埃や粒子(微細粒子)、花粉が除去された清浄な空気を作ることができる。
【0058】
衛生マスク10Aは、マスク本体11を形成するローン生地17a(織物17)が着用中に着用者46から発散される湿気を吸湿する吸湿機能を有するから、ローン生地17aの吸湿機能を利用してマスク10Aの着用中にローン生地17aに着用者46の汗や呼気を吸湿させることができ、マスクの着用中に着用者の肌に滑らかでベタつかずにサラサラとした良好な感触を与えることができるとともに、マスク10Aの着用中における着用者46の肌のサラッと感を保持することができる。
【0059】
衛生マスク10Aは、マスク本体11を形成するローン生地17a(織物)が着用中に着用者46に滑らかで良好な肌触りを感じさせる好感触機能を有するから、マスク10Aの着用中に着用者46の肌に不快な感触を与えることはなく、ローン生地17aの好感触機能によってマスク10Aの着用中に着用者46の肌に滑らかな感触を与えることができ、着用者46の肌に滑らかでベタつかずにサラサラとした良好な感触を与えることができる。
【0060】
衛生マスク10Aは、ローン生地17a(布帛)の折り返された上端縁部21が繊維不織18a,18bの上端縁部29と接合用第1繊維不織布41とに挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41とがソニックシールによって溶着され、ローン生地17aの折り返された下端縁部22が繊維不織布18a,18bの下端縁部30と接合用第2繊維不織布43とに挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43とがソニックシールによって溶着されることで、マスク本体11の上端縁部13及び下端縁部14においてローン生地17aと繊維不織布18a,18bとが強固に固着され、マスク本体11の上端縁部13及び下端縁部14においてローン生地17aと繊維不織布18a,18bとが不用意に剥離することはなく、衛生マスク10Aがその形態を保持することができ、繊維不織布18a,18bのフィルタ機能を確実に利用することができるとともに、織物17(ローン生地17a)の吸湿機能や好感触機能を確実に利用することができる。
【0061】
衛生マスク10Aは、ローン生地17a(布帛)の左側縁部23と繊維不織布18a,18bの左側縁部31とが接合用第3繊維不織布44に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第3繊維不織布44とがソニックシールによって溶着され、ローン生地17aの右側縁部24と繊維不織布18a,18bの右側縁部32とが接合用第4繊維不織布45に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第4繊維不織布45とがソニックシールによって溶着されることで、マスク本体11の左側縁部15及び右側縁部16においてローン生地17aと繊維不織布18a,18bとが強固に固着され、マスク本体11の左側縁部15及び右側縁部16においてローン生地17aと繊維不織布18a,18bとが不用意に剥離することはなく、衛生マスク10Aがその形態を保持することができ、繊維不織布18a,18bのフィルタ機能を確実に利用することができるとともに、織物17(ローン生地17a)の吸湿機能や好感触機能を確実に利用することができる。
【0062】
衛生マスク10Aは、上方第1角部37において、ローン生地17a(布帛)と繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41とが接合用第3繊維不織布44に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41と接合用第3繊維不織布44とがソニックシールによって溶着され、上方第2角部39において、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41とが接合用第4繊維不織布45に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41と接合用第4繊維不織布45とがソニックシールによって溶着され、下方第1角部38において、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43とが接合用第3繊維不織布44に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43と接合用第3繊維不織布44とがソニックシールによって溶着されるとともに、下方第2角部40において、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43とが接合用第4繊維不織布45に挟まれた状態で、ローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43と接合用第4繊維不織布45とがソニックシールによって溶着されることで、マスク本体11の上方第1角部37や上方第2角部39、下方第1角部38、下方第2角部40においてローン生地17aと繊維不織布18a,18bとが強固に固着され、マスク本体11の上方第1角部37や上方第2角部39、下方第1角部38、下方第2角部40においてローン生地17aと繊維不織布18a,18bとが不用意に剥離することはなく、衛生マスク10Aがその形態を保持することができ、繊維不織布18a,18bのフィルタ機能を確実に利用することができるとともに、織物17(ローン生地17a)の吸湿機能や好感触機能を確実に利用することができる。
【0063】
図8は、他の一例として示す衛生マスク10Bの背面図であり、図9は、図8のD-D線断面図である。図10は、図8のE-E線断面図である。図8では、縦方向を矢印Xで示し、横方向を矢印Yで示す。図8に示す衛生マスク10Bが図1のそれと異なるところは、第1対向部25に位置するローン生地17aの密度が第2対向部26に位置するローン生地17aの密度よりも低く、第1対向部25に位置するローン生地17aの通気性が第2対向部26に位置するローン生地17aの通気性よりも高い点にあり、その他の構成は図1の衛生マスク10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに図1の衛生マスク10Aの説明を援用することで、この衛生マスク10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0064】
図8に示す衛生マスク10Bは、着用者46の鼻及び口を覆う所定面積のマスク本体11と、着用者46の両耳に引っ掛ける一対の耳掛け紐12とから形成されている。マスク本体11は、横方向へ延びる上端縁部13及び下端縁部14と、縦方向へ延びる左側縁部15及び右側縁部16とを有する。マスク本体11は、衛生マスク10Bを着用する着用者46の顔面の側に位置する所定面積のローン生地17a(織物17)と、ローン生地17aの反対側に位置する所定面積の2枚の繊維不織布18a,18bとから形成されている。
【0065】
マスク本体11には、重なり合うローン生地17aと繊維不織布18a,18bとが横方向へ延びる折曲線19で折り畳まれ、使用時に非肌対向面の側に突出する複数のプリーツ20が形成されている。繊維不織布18a,18bやプリーツ20は、図1の衛生マスク10Aのそれらと同一である。繊維不織布18bは、空気に含まれる塵埃及び粒子(微細粒子)、花粉を捕集するフィルタとしての機能を有する。耳掛け紐12は、図1の衛生マスク10Aのそれと同一であり、マスク本体11に対する耳掛け紐12の固着(熱溶着)は、図1の衛生マスク10Aの耳掛け紐12のそれと同一である。
【0066】
マスク本体11の上端縁部13におけるローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41との固着(溶着)やマスク本体11の下端縁部14におけるローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43との固着(溶着)、マスク本体11の左側縁部15におけるローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第3繊維不織布44との固着(溶着)、マスク本体11の右側縁部16おけるローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第4繊維不織布45との固着(溶着)は、図1の衛生マスク10Aのマスク本体11の上端縁部13や下端縁部14、左側縁部15、右側縁部16おけるそれらと同一である。
【0067】
マスク本体11の上方第1角部37におけるローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41と接合用第3繊維不織布44との固着(溶着)、マスク本体11の上方第2角部39におけるローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第1繊維不織布41と接合用第4繊維不織布45との固着(溶着)、マスク本体11の下方第1角部38におけるローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43と接合用第3繊維不織布44との固着(溶着)、マスク本体11の下方第2角部40におけるローン生地17aと繊維不織布18a,18bと接合用第2繊維不織布43と接合用第4繊維不織布45との固着(溶着)は、図1の衛生マスク10Aのマスク本体11の上方第1角部37や上方第2角部39、下方第1角部38、下方第2角部40おけるそれらと同一である。なお、第1対向部25及び第2対向部26では、ローン生地17a(布帛)と繊維不織布18aと繊維不織布18bが固着されていない。図8の衛生マスク10Bの着用手順は、図1のそれと同一である。
【0068】
ローン生地17a(織物)を作る糸には、図1のそれと同様に、経(タテ)に綿番手が50~120番手(好ましくは、70~100番手)の糸が使用され、緯(ヨコ)に綿番手が50~120番手(好ましくは、70~120番手)の糸が使用されている。ローン生地17a(織物17)は、第1対向部25(プリーツ20が形成されたマスク本体11の上下方向中央部47)の密度が第2対向部(マスク本体11の上下方向中央部47を除くマスク本体11の上端縁部13を含む上部48及びマスク本体11の下端縁部14を含む下部49)の密度よりも低く、第1対向部25(上下方向中央部47)の通気性が第2対向部26(マスク本体11の上部48及び下部49)の通気性よりも高い。ローン生地17aの第1対向部25に4枚(4層)の繊維不織布18a,18b及び2枚(2層)のローン生地17aからなる6枚重ね(6層)のプリーツ20が作られていたとしても、第1対向部25の密度が第2対向部26の密度よりも低く、第1対向部25の通気性が第2対向部26の通気性よりも高いから、プリーツ20が作られた第1対向部25を空気がスムーズに通流する。
【0069】
第1対向部25に位置するローン生地17aの打込本数は、150~170本の範囲、好ましくは、160~170本の範囲にあり、第2対向部26に位置するローン生地17aの打込本数は、170~200本の範囲、好ましくは、180~200本の範囲にある。第1対向部25のローン生地17aの打込本数が150本未満では、ローン生地17aの密度が低下して第1対向部25のローン生地17aの肌触りが低下し、第1対向部25のローン生地17aが着用者46の肌に当接(接触)したときに着用者46の不快感を与える場合があるとともに、ローン生地17aの吸湿機能が低下し、第1対向部25において着用者46の汗や呼気を十分に吸湿することができない。
【0070】
第1対向部25のローン生地17aの打込本数が170本を超過すると、第1対向部25のローン生地17aの密度が必要以上に増加し、ローン生地17aの通気性が低下して衛生マスク10Bを着用した着用者46のスムーズな呼吸を妨げる場合がある。衛生マスク10Bは、第1対向部25のローン生地17aの打込本数を前記範囲にすることで、第1対向部25のローン生地17aが最適な密度を有し、ローン生地17aに優れた吸湿機能と優れた好感触機能とを付与することができるとともに、ローン生地17aの通気性を最適に保持することができ、衛生マスク10Aを着用した着用者46が違和感なく呼吸することができる。
【0071】
第2対向部26のローン生地17aの打込本数が170本未満では、ローン生地17aの密度が低下して第2対向部26のローン生地17aの肌触りが低下し、第2対向部26のローン生地17aが着用者46の肌に当接(接触)したときに着用者46の良好な間隔を与えることができない場合があるとともに、第2対向部26におけるローン生地17aの吸湿機能が低下し、着用者46の汗や呼気を十分に吸湿することができない。衛生マスク10Bは、第2対向部26のローン生地17aの打込本数を前記範囲にすることで、第2対向部26のローン生地17aが最適な密度を有し、第2対向部26におけるローン生地17aに優れた吸湿機能と優れた好感触機能とを付与することができる。
【0072】
図8の衛生マスク10Bは、図1の衛生マスク10Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。衛生マスク10Bは、第1対向部25(上下方向中央部47)に位置するローン生地17aの打込本数が150~170本の範囲(好ましくは、160~170本の範囲)にあり、第2対向部26(上部48及び下部49)に位置するローン生地17aの打込本数が170~200本の範囲(好ましくは、180~200本の範囲)にあるから、第1対向部25に位置するローン生地17aの密度を第2対向部26に位置するローン生地17aの密度よりも低くすることができるとともに、第1対向部25に位置するローン生地17aの通気性を第2対向部26に位置するローン生地17aの通気性よりも高くすることができ、第1対向部25に位置するローン生地17aが着用者46の呼吸を邪魔することがなく、衛生マスク10Bの着用中に着用者46が楽に呼吸することができる。
【0073】
衛生マスク10Bは、第2対向部26に位置する前記打込本数のローン生地17aの密度を第1対向部25に位置する前記打込本数のローン生地17aの密度よりも高くすることができるから、口を除く着用者46の残余の部位に当接(接触)するローン生地17aが優れた吸湿機能と優れた好感触機能とを有し、第2対向部26に位置するローン生地17aの優れた吸湿機能を利用して衛生マスク10Bの着用中に17a(織物17)に着用者46の汗や呼気を吸湿させることができ、衛生マスク10Bの着用中における着用者46の肌のサラッと感を確実に保持することができるとともに、第2対向部26に位置するローン生地17aの優れた好感触機能によって衛生マスク10Bの着用中に着用者46の肌に柔らかな感触を与えることができ、着用中に着用者46の肌に滑らかでサラサラとした良好な感触を与えることができる
【符号の説明】
【0074】
10A 衛生マスク
10B 衛生マスク
11 マスク本体
12 耳掛け紐
13 上端縁部
14 下端縁部
15 左側縁部
16 右側縁部
17 織物(布帛)
17a ローン生地
18a 繊維不織布(第1繊維不織布)
18b 繊維不織布(第2繊維不織布)
19 折曲線
20 プリーツ
21 上端縁部
22 下端縁部
23 左側縁部
24 右側縁部
25 第1対向部
26 第2対向部
27 肌対向面
28 非肌対向面
29 上端縁部
30 下端縁部
31 左側縁部
32 右側縁部
33 肌対向面
34 非肌対向面
35 一端部
36 他端部
37 上方第1角部
38 下方第1角部
39 上方第2角部
40 下方第2角部
41 接合用第1繊維不織布
42 シール部
43 接合用第2繊維不織布
44 接合用第3繊維不織布
45 接合用第4繊維不織布
46 着用者
47 上下方向中央部
48 上部
49 下部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10