(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】弾性複合構造支持体
(51)【国際特許分類】
F16F 7/00 20060101AFI20220706BHJP
B60B 9/04 20060101ALI20220706BHJP
B60B 9/10 20060101ALI20220706BHJP
B60C 7/00 20060101ALI20220706BHJP
F16F 1/30 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
F16F7/00 H
B60B9/04
B60B9/10
B60C7/00 H
F16F1/30
(21)【出願番号】P 2019535839
(86)(22)【出願日】2017-12-29
(86)【国際出願番号】 US2017068990
(87)【国際公開番号】W WO2018126157
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2019-09-13
(31)【優先権主張番号】PCT/US2016/069440
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】クロン スティーブン エム
(72)【発明者】
【氏名】ゲイロ ライアン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ライネ ティモシー ブレット
【審査官】岩田 行剛
(56)【参考文献】
【文献】特表昭60-501598(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第00334354(FR,A1)
【文献】仏国特許出願公開第01164324(FR,A1)
【文献】国際公開第2015/124692(WO,A1)
【文献】中国実用新案第202053829(CN,U)
【文献】特開2005-351393(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0126948(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108974232(CN,A)
【文献】中国実用新案第204870334(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 7/00-7/28
B60B 9/00-9/28
F16F 7/00-7/14
F16F 1/00-6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面と第2の表面とを接続するための弾性複合構造体であって、
第1の端部、第2の端部、第1の側部、および第2の側部を有する、第1の支持要素と、
第1の端部、第2の端部、第1の側部、および第2の側部を有する、第2の支持要素であって、前記第2の支持要素が、前記第1の支持要素と内角を形成し、前記内角が、前記第1の支持要素の第1の側部および前記第2の支持要素の第1の側部の上に位置決めされている、第2の支持要素と、
前記第1の支持要素の第1の端部と前記第2の支持要素の第2の端部とを接続する第1のエラストマー接合体であって、前記第1の支持要素の第1の側部および前記第2の支持要素の第1の側部の上に位置決めされている、第1のエラストマー接合体と、
前記第1の支持要素の第2の端部を前記第1の表面に接続し、かつ前記第1の支持要素の前記第2の側部の上に位置決めされている、第2のエラストマー接合体と、
前記第2の支持要素の第1の端部を前記第2の表面に接続し、かつ前記第2の支持要素の前記第2の側部の上に位置決めされている、第3のエラストマー接合体と、を備える、
弾性複合構造体。
【請求項2】
前記第1の表面が、ハブの外側表面であり、前記第2の表面が、外側トレッドバンドの内側表面であり、前記ハブと、前記弾性複合構造体と、前記外側トレッドバンドとが、ホイールを形成している、請求項1に記載の弾性複合構造体。
【請求項3】
前記弾性複合構造体が、前記ホイールの第1の横側部から前記ホイールの第2の横側部まで延在するスポークを形成している、請求項2に記載の弾性複合構造体。
【請求項4】
前記第1の支持要素と前記第2の支持要素とを接続する強化膜をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の弾性複合構造体。
【請求項5】
前記強化膜が、コードを含む、請求項4に記載の弾性複合構造体。
【請求項6】
前記強化膜が、前記第1の支持要素の前記第2の側部および前記第2の支持要素の前記第2の側部上に位置決めされている、請求項4または請求項5に記載の弾性複合構造体。
【請求項7】
前記接合体の前記強化膜が、ポリエステル、レーヨン、アラミド、ナイロン、および綿からなる群から選択される材料から構成されるコード
を含む、請求項4に記載の弾性複合構造体。
【請求項8】
前記第1の支持要素および前記第2の支持要素には、前記第1の接合体を構成する前記エラストマーよりも大きい曲げ剛性を有する1つ以上の強化材が使用されている、請求項1~7のいずれかに記載の弾性複合構造体。
【請求項9】
前記第1の支持要素および前記第2の支持要素には、複数の細長い強化材が使用されている、請求項1~8のいずれかに記載の弾性複合構造体。
【請求項10】
前記第1の支持要素および前記第2の支持要素が、繊維強化プラスチックを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の弾性複合構造体。
【請求項11】
前記第1の支持要素および前記第2の支持要素が、繊維強化プラスチックと、前記繊維強化プラスチックを囲むエラストマーから構成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の弾性複合構造体。
【請求項12】
前記繊維強化プラスチック強化材が、前記支持要素のうちの各々の前記第1の端部から前記第2の端部へ延在する方向に配向された複数の繊維を含む、請求項11に記載の弾性複合構造体。
【請求項13】
前記接合体が、ゴムエストラマーから構成される、請求項1~12のいずれか1項に記載の弾性複合構造体。
【請求項14】
前記第1の接合体を二分し、かつ前記第1の支持要素と前記第2の支持要素との間に位置決めされた膜をさらに備える、請求項1~13のいずれか1項に記載の弾性複合構造体。
【請求項15】
前記二分膜が、細長い強化材から構成される、請求項14に記載の弾性複合構造体。
【請求項16】
前記二分膜の前記細長い強化材が、繊維強化プラスチックから構成される、請求項15に記載の弾性複合構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、タイヤのための支持構造体に関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明の態様及び利点は、以下の説明に部分的に記載されるか、または説明から明らかになるか、または本発明の実施を通じて学ぶことができる。
【0003】
少なくとも1つの実施形態は、エラストマーと、エラストマーよりも比較的高い曲げ剛性を有する第2の材料と、構成される複合ばねであって、第2の材料から構成される第1のヒンジ側部および第2のヒンジ側部を有する、複合ばねと、エラストマーから構成される接合体と、を開示し、第1のヒンジ側部および第2のヒンジ側部を構成する第2の材料は、第1のヒンジ側部と第2のヒンジ側部とを接続する接合体によって不連続であるか、そうでなければ互いに分離されている。
【0004】
エラストマーが、エラストマーゴムである、前段落に記載の少なくとも1つの実施形態。
【0005】
第2の材料が、ガラス繊維強化樹脂などの剛性複合材料である、2つの前段落のいずれかに記載の少なくとも1つの実施形態。
【0006】
複合ばねが、タイヤのための支持要素を形成する、3つの前段落のいずれかに記載の少なくとも1つの実施形態。
【0007】
支持構造体が、非空気圧式タイヤのスポークである、前段落に記載の少なくとも1つの実施形態。
【0008】
少なくとも1つの実施形態は、タイヤのためのスポークであって、タイヤは、外側トレッドバンドと、第1のスポーク要素と、第2のスポーク要素と、該第1のスポーク要素と該第2のスポーク要素とを接続する接合体と、を含む、ハブに取り付けられる、タイヤのためのスポークを開示し、接合体は、第1のスポーク要素および第2スポーク要素が、少なくとも第1の曲げ平面内で偏向可能であるように配設された弾性材料を含み、第1のスポーク要素および第2のスポーク要素は、ハブと外側トレッドバンドとの間に配置される。
【0009】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、および利点は、以下の明細書本文及び添付の特許請求の範囲を参照することによって、よりよく理解されるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例証し、本説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
当業者を対象として、本発明の最良の形態を含む本発明の完全かつ実施可能な開示が本明細書において示され、本明細書は添付図面を参照する。
【0011】
【
図1】公称荷重条件下で複数の弾性複合構造体がタイヤの一部を形成するスポークとして構成されている本発明の例示的実施形態の側面図を提供する。
【
図2】公称荷重を超える条件下で複数の弾性複合構造体がタイヤの一部を形成するスポークとして構成されている本発明の例示的実施形態の側面図を提供する。
【
図3】スポークとして構成された本発明の例示的実施形態の透視図を提供する。
【
図4】スポークの例示的実施形態の正面図を提供する。
【
図5】例示的実施形態の赤道断面図を示す
図4の5-5線に沿った断面図を提供する。
【
図6】タイヤの一部を形成する本発明の実施形態の断面図を提供し、この実施形態は、無荷重状態(実線で示される)および圧縮の公称荷重条件下である(破線で示される)。
【
図7】タイヤの一部を形成する本発明の実施形態の断面図を提供し、この実施形態は、無荷重状態(実線で示される)および引張の公称荷重条件下である(破線で示される)。
【
図8】本発明のスポークの例示的実施形態の透視図を提供し、強化材の位置および配向を含む実施形態の構成要素を示すために部分が除去されている。
【
図9】本発明の代替実施形態の赤道断面図を提供する。
【
図10】タイヤの一部を形成する本発明の代替実施形態の断面図を提供し、この実施形態は、無荷重状態(実線で示す)および圧縮の公称荷重条件下である(破線で示される)。
【
図11】タイヤの一部を形成する本発明の代替実施形態の断面図を示し、この実施形態は、無荷重状態(実線で示される)および引張の公称荷重条件下である(破線で示される)。
【
図12】本発明のスポークの代替例示的実施形態の透視図を提供し、強化材の位置および配向を含む実施形態の構成要素を示すために部分が除去されている。
【
図13】本発明の代替実施形態の赤道断面図を示す。
【
図14】本発明のスポークの代替例示的実施形態の透視図を提供し、強化材の位置および配向を含む実施形態の構成要素を示すために部分が除去されている。
【
図15】本発明のスポーク実施形態を形成するために使用される金型の例示的実施形態の透視図を提供する。弾性複合構造体の構成要素が示されており、いくつかの構成要素は、強化材の位置および配向を示すために弾性材料の一部が除去されている。
【
図16】本発明の代替スポーク実施形態を形成するために使用される金型の代替実施形態の透視図を提供する。弾性複合構造体の構成要素が示されており、いくつかの構成要素は、強化材の位置および配向を示すために弾性材料の一部が除去されている。
【0012】
異なる図における同一または類似の参照符号の使用は、同一または類似の特徴を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、荷重を弾性的に支持するための機械的構造体を提供する。本発明を説明するために、これより本発明の実施形態及び/または方法を詳細に参照する。本発明の1つ以上の実施例が図面内に、または図面により示されている。各々の実施例は本発明の説明として提供されるものであり、本発明の限定として提供されるものではない。実際、当業者には、様々な修正および変形が、本発明の範囲または趣旨を逸脱することなく本発明においてなされ得ることは明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として例示または記載されている機能またはステップは、別の実施形態またはステップと共に使用して、さらなる実施形態または方法をもたらすことができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内に属する修正及び変形をカバーすることが意図される。
【0014】
以下の用語は、本開示に関して以下の通りに定義される。
【0015】
「軸方向」または図中の文字「A」は、例えばそれが路面に沿って移動するときのせん断バンド、タイヤ、及び/またはホイールの回転軸に平行な方向を指す。
【0016】
「半径方向」または図中の文字「R」は、軸方向に直交し、軸方向に直交して延出するあらゆる半径と同じ方向に延出する方向を指す。
【0017】
「赤道面」は、回転軸に対して垂直に通過し、外側トレッドバンドおよび/またはホイール構造を二分する平面を意味する。
【0018】
図中の「周方向」または文字「C」は、軸方向に直交しかつ半径方向に直交する方向を指す。
【0019】
図中の「進行前方向」または文字「F」は、美的および/または性能上の理由から主にタイヤが進行するように設計された方向を指す。進行前方向とは異なる方向への進行が可能であり、予想される。
【0020】
図中の「回転方向」または文字「D」は、美的および/または性能上の理由から主にタイヤが回転するように設計された方向を指す。回転方向と反対の方向の回転が可能であり、予想される。
【0021】
「半径方向面」は、赤道面に垂直にホイールの回転軸を通過する平面を意味する。
【0022】
「横方向」または「L」という文字は、赤道面に直交する方向を意味する。
【0023】
本明細書で使用される「弾性材料」または「エラストマー」は、ゴムを含む材料などの、ゴム様弾性を示すポリマーを指す。
【0024】
本明細書で使用される「エラストマー」は、ゴムを含む材料などの、弾性材料またはエラストマーを含む材料を指す。
【0025】
本明細書で使用される「内角」または「内側角」は、2つの表面間に形成される、0度を超え180度未満の角を意味する。本明細書で使用されるとき、鋭角、直角および鈍角はすべて「内角」と見なされる。
【0026】
本明細書で使用される「外角」または「外側角」または「反射角」は、180度を超えるが360度未満である2つの表面間に形成される角を意味する。
【0027】
「撓み可能」とは、弾力的に曲げることができることを意味する。
【0028】
「公称荷重」または「所望の設計荷重」は、構造体がそれを運搬するように設計されている荷重である。より具体的には、ホイールまたはタイヤの文脈で使用されるとき、「公称荷重」とは、ホイールまたはタイヤが運搬および動作するように設計されている荷重を指す。公称荷重または所望の設計荷重には、製造業者によって指定された最大荷重までの荷重が含まれ、車両タイヤの場合は、タイヤの側部上にマーキングで示されることが多い。公称荷重を超える荷重条件は構造体によって維持される可能性があるが、構造的損傷、摩耗の加速、または性能低下の可能性がある。公称荷重未満であるが、無荷重状態よりも大きい荷重状態は、公称荷重と見なすことができるが、撓みは、公称荷重での撓み未満の可能性がある。
【0029】
「弾性率」または「伸び率」(MPa)は、ダンベル試験片について、ASTM規格D412に基づいて23℃の温度で10%(MA10)で測定した。測定値は、第2の伸び、すなわち適合サイクルの後に得られた。これらの測定値は、試験片の元の断面に基づく、MPaでの正割係数である。
【0030】
図1は、複数の弾性複合構造体がスポーク100として構成され、タイヤ10の一部を形成する外側トレッドバンド200に取り付けられている、本発明の例示的実施形態の横側面図を示す。タイヤ10は、ホイールに組み込まれてもよい。例えば、タイヤ10は、乗用車両に取り付けられたハブ12を有する非空気圧式ホイールの一部であってもよく、これにより車両は地表面を横切って転動することができる。大型トラック用、トレーラー用、小型トラック用、オフロード用、ATV用、バス用、航空機用、農業用、採鉱用、自転車用、オートバイ用、乗用車用タイヤを含むがこれらに限定されない、他の目的および車両に本発明を組み込むことができる。そのような非空気圧式ホイールは、中心軸20を中心とする旋回軸を有する半径方向外側表面を有するハブ12を有するであろう。タイヤ10は、多数の方法のうちのいずれかによって、例えばボルト、ねじ、クランプまたはスロットなどの機械的締結具によって、および/またはシアノアクリレート、ポリウレタン接着剤などの接着剤によって、および/または他の接着材料またはそれらの組み合わせによって、ハブ10に取り付けることができる。
【0031】
ここに示されたタイヤ10は、タイヤ10がその周りを回転する回転軸20を有する。この例示的な実施形態では、外側トレッドバンド200の半径方向外側表面230は、タイヤが転動する地表面30と接する。公称荷重の下では、タイヤのスポーク100は、タイヤが接触パッチに出入りするにつれて曲がる。スポークが接触パッチの外側の軸20を中心に回転するにつれてスポーク100にはより小さな撓みが生じるが、大部分の撓みはスポーク100が接触パッチを出入りしてそこを通って進行する間に生じる。
【0032】
各々のスポーク100は、弾性ヒンジとして作用する「鼻」部分130を有する。「鼻」部分130は、スポークの半径方向内側部分を形成する支持要素とスポークの半径方向外側部分を形成する支持要素とを接続するエラストマー接合体である。スポーク100の支持要素は、最初は互いに対してある角で位置決めされている。スポーク支持要素間の180度未満の角が内角であり、スポーク支持要素間の180度を超える角が外角である。エラストマー接合は、各々のスポーク支持要素に取り付けられたエラストマーからなり、そして内角側部上のスポーク要素の側部に位置決めされている。
【0033】
スポークの半径方向内側部分は、別の表面、本実施形態ではハブ12の半径方向外側表面、に接続する半径方向内側足部112を有する。本実施形態では、半径方向内側足部112は、半径方向外側支持をハブ12に接続するエラストマー接合体構成される。スポーク100の半径方向外側部分は、外側支持要素を本実施形態では外側トレッドバンド200の半径方向内側表面であるさらに別の表面に接続する別のエラストマー体構成される半径方向外側足部114を有する。
【0034】
示されている例示的な実施形態では、トレッドバンド200は、エラストマー材料を含み、変形が接触パッチ内に平面のフットプリントを形成することを可能にする。図示の例示的実施形態では、スポーク100の半径方向外側の足部114は、トレッドバンド200の半径方向内側の表面202と、鼻部分130とは反対側の支持要素の側部とに取り付けられている。図示の例示的実施形態では、スポークは、シアノアクリレート接着剤によって適所に付着されている。他の実施形態では、スポークは、例えば生ゴムを使用してゴム成分を一緒に硬化することによって、または硬化または部分硬化ゴム成分間に生ゴムのストリップを使用することによって、エラストマー材料を一緒に付着することを含む他の方法によって取り付けることができる。いくつかの実施形態では、外側トレッドバンド200はまた、タイヤの周りで周方向に荷重を運搬するのを助けるための強化材を有することもできる。
【0035】
この特定の実施形態では、タイヤ100のサイズは、205/55R16であり、トレッドの横幅は約165mmである。
【0036】
図2は、車輪10内のスポークとして構成された本発明の例示的な実施形態を示しており、この実施形態はその公称荷重を超えて荷重がかけられている。この特定の例では、タイヤに1000kgの質量荷重(おおよそ9800Nの力)をかけた。この場合、撓みは20mmを超え、スポーク鼻部分130とスポーク足部分110との間の接触をもたらした。そのような条件下では、鼻部と足部の部分は、スポークの脚部分の荷重を外す「バンプストップ」として作用する。この状況における個々のスポーク100は、それらが接触パッチを出入りするとき、および/または接触パッチを通って進行するときに互いに接触し得る。スポークが接触パッチに入るところでは、接触は、鼻部分130と半径方向外側の足部114との間で起こるように示され、接触は、スポークが接触パッチを出るところでは鼻部分130と半径方向内側の足部分112との間で起こるように示されている。個々のスポークとそれに隣接するスポークとの接触が起こり得るが、この場合、荷重の一部は、半径方向内側の足部112を通って、スポーク130の鼻部分を通って、半径方向外側の足部114を通って、および外側トレッドバンド200を通って地表面30に伝達され得る。ある意味で、示されている本実施形態のスポークの形状は、足部112、114をスポークの鼻部130と接続するスポークの支持要素または脚部への構造的損傷を防ぐための「バンプストップ」として作用することができる。公称荷重を超えるこのような荷重条件は、過剰な質量で車両に過荷重をかけることによって発生する可能性があり、または高速進行中にタイヤが縁石などの障害物に遭遇する場合に発生する可能性がある。この特定の実施形態はこの特定の方式で振る舞うが、本発明の他の実施形態は異なる振る舞をすることがあり、「バンプストップ」品質を示しても示さなくてもよい。
【0037】
図示の実施形態では、外側バンド200は、外側バンドを強化するための強化材210を保持する。外側バンド200の半径方向外側表面には、トレッド230が設けられている。
【0038】
図3は、スポーク100の実施形態の透視図を提供する。この特定の実施形態では、スポークは、スポークの横方向に同様の断面形状を維持する。半径方向内側の足部112および半径方向外側の足部114の両方である足部110は各々、ホイール10のハブ12および外側バンド200への取り付け点を提供することが分かる。半径方向内側の足部112の半径方向内側端部での周方向の広がりは、付着、接着、および/または機械的に、ハブ12に取り付けるための周方向に広い表面122を提供する。半径方向外側の足部114の半径方向外側端部での周方向の広がりは、付着、接着、および/または機械的に、外側トレッドバンド200に取り付けるための周方向に広い表面124を提供する。図示の実施形態における半径方向内側表面122および半径方向外側表面124は、スポークの周方向にわずかに湾曲して、ハブの曲率半径方向および外側バンド200の半径方向内側表面202をスポークがそれぞれの位置に取り付く位置に一致させるように示されている。代替的に、半径方向内側表面122および半径方向外側表面124の表面もスポークの周方向に平坦であり得る。
【0039】
図示の実施形態のスポーク100の鼻部分、または「接合体」130とも呼ばれるものは、エラストマー材料からなり、ここでは半径方向内側脚部142および半径方向外側脚部144を含む第1および第2の支持要素を接続するように作用する。鼻部分は、半径方向内側脚部142と半径方向外側脚部144との間で周方向に厚くなる。スポークの周方向は、この実施形態では、ホイール10の周方向と同じであると理解されるべきである。この実施形態に示されるような単一のスポークに関して、周方向は、半径方向および横方向の両方に対して概して直交している。
【0040】
図示の実施形態では、半径方向内側の脚部142は、半径方向外側の脚部142よりわずかに短いことが分かる。この長さの違いは、スポークが接触パッチを通って進行するときの径の変化に対応し、隣接するスポークが「入れ子」になるために利用可能なスペースを最大にする。
【0041】
図4は、スポークの周方向の正面図を示す。半径方向内面は、横方向に湾曲した半径方向内側表面122を生成する第1および第2の突出部166、168を有する。これによりスポーク100の横断面は横方向にわずかに変化する。代替b実施形態では、スポーク100は、横方向に同一の断面を維持してもよい。
【0042】
図5は、スポーク100の主要構成要素を示す実施形態の断面図を示す。図示の実施形態のスポーク100は、従来のゴム製空気入りラジアルタイヤ、ポリエステルコード材料およびガラス繊維強化樹脂の構造物に使用される一般的な種類のゴム構成される。
【0043】
図示の実施形態で使用されるゴムは、半径方向内側のエラストマー接合体112および半径方向外側の弾性接合体114の領域において4.8MPaの弾性率を有する比較的柔らかいゴム構成される。各々のエラストマー接合体112、114は、それぞれ半径方向内側の脚部142および半径方向外側の脚部144に取り付けられている。半径方向内側脚部142および半径方向外側脚部144は、それらに曲げ剛性を与えるように、すなわちスポーク100が圧縮または引張を受けているときにそれらが弾性的に変形できるように構築される。半径方向外側脚部144の半径方向外側端部148は、エラストマー接合体114に取り付けられているが、そうでなければ「自由」であり、スポークが、伸張または圧縮されるときにエラストマー接合体114を圧縮または伸張するように移動し得る。同様に、半径方向内側の脚部142の半径方向内側の端部146は、エラストマー接合体112に取り付けられているが、そうでなければ「自由」であり、スポーク100が圧縮または引張を受けているときにエラストマー接合体112を圧縮または伸張するように移動する。半径方向内側のエラストマー接合体112は、それが取り付けられるハブ12に近い方向で周方向に厚くなる。図示の実施形態では、エラストマー接合体112は、外側に張り出してハブ10に最も近い突起116を形成している。同様に、半径方向外側のエラストマー接合体114は、それが取り付けられている外側バンド200に近づくにつれて周方向に厚くなる。図示の実施形態では、エラストマー接合体114は、外側に張り出して、外側バンド200に最も近い突起118を形成している。
【0044】
図示の実施形態では、スポーク100の鼻部区間130を補強するために膜132が使用されている。示されている実施形態の膜構造132は、おおよそ1mmのペースおよびおおよそ3,750MPaの引張弾性率を有する1100×2コードから製造されたポリエステル繊維構成される。そのような強化繊維は、空気入りタイヤのラジアルコードに一般的に使用されているものと類似している。膜の強化材を囲むゴムは、おおよそ5MPaの弾性率を有する。図示の実施形態では、このゴムは従来の空気入りラジアルタイヤの製造に使用されるタイプのものである。代替的に、アラミド、綿、ナイロンもしくはレーヨンまたはそれらの組み合わせなどの他の材料のコードを使用することを含む、他の膜強化材料を使用することができる。代替的に、強化ペース、フィラメント数、コード数および直径は、変化してもよい。図示の実施形態では、強化膜132は、スポークの高さのおおよそ5分の1に延在しており、概して三角形状の鼻エラストマー接合体136と概ね同じ広がりを持っている。図示の実施形態では、エラストマー接合体136は、半径方向内側スポーク脚部142と半径方向外側スポーク脚部144との間の中間区域付近で周方向外側に厚くなり張り出し、エラストマー接合体136のおおよそ中間点に突起138を形成する。
【0045】
例示的実施形態の強化膜132の強化コードは、膜の長さに沿ってほぼ半径方向に配向されている。
【0046】
スポーク100の脚部142、144は、ゴムで囲まれて膜を形成する繊維強化プラスチック強化材構成される。脚部膜142、144は、おおよそ140,000N・mm2の曲げ剛性を有する。この特定の実施形態では、フィラメントは、約2mmの間隔でおおよそ1mmの直径を有する。示される特定の実施形態のフィラメントは、引き抜き成形によって形成されたガラス強化樹脂である。実施形態のフィラメントは、おおよそ10MPaの弾性率を有する。代替的に、グラファイトエポキシ、ガラスエポキシまたはアラミド強化樹脂またはエポキシまたはそれらの組み合わせなどの炭素繊維を含む他の強化材を使用してもよい。強化されていないプラスチック強化材または金属強化材もまた、それらが支持されることを意図された公称荷重に対して十分な曲げ剛性を有するならば、使用されてもよい。代替的に、他のペーシングおよび他の直径直径の膜および強化材を使用してもよい。スポーク100の脚部142、144は、スポーク100を構成する他の構成要素と比較して比較的大きな剛性を有する。脚部142、144は弾力的に作用し、スポークの鼻部分130が半径方向内側の脚部142と半径方向外側の脚部144とを接続する接合体として作用することを可能にする大きな曲げ剛性を有する。脚部112、114は、半径方向内側の脚部142をハブに接続し、半径方向外側の脚部144を外側バンド200に接続する第2および第3の接合体として作用する。
【0047】
図6は、外側トレッドバンド200およびハブ12に取り付けられてタイヤ10の一部を形成するスポーク100の例示的な実施形態の部分横断面図を示す。図示の特定の実施形態では、64個のスポークが外側トレッドバンド200の内周の周りに取り付けられている。公称荷重条件下では、本明細書に示されている例示的な実施形態の215/45R17サイズのタイヤでは、タイヤは無荷重状態から20mm撓む。例示的な実施形態では、500kgの質量荷重(約4,900Nの力)を使用してタイヤの公称荷重条件を概算した。
【0048】
スポーク100が半径方向外側の足部114と半径方向内側の足部112との間で圧縮を受けながら半径方向内側に変形すると、鼻部130のエラストマー接合体136は、スポークの半径方向内側の脚部142と半径方向外側の脚部144との間で圧縮を受ける。半径方向外側の足部114の半径方向外側のエラストマー接合体114は、鼻部130に最も近い部分に沿って圧縮を受け、エラストマー接合体114の遠位部分に引張を受ける。
【0049】
同様に、半径方向内側の足部112において、スポーク100が半径方向内側に変形すると、半径方向内側の足部112のエラストマー接合体112は、鼻部130に最も近い部分に沿って圧縮を受け、エラストマー接合体の遠位部分に引張を受ける。
【0050】
図5の破線は、半径方向外側の足部114´と半径方向内側の足部112´との間で圧縮を受けているスポーク100´を示す。圧縮スポーク100´は、ハブ嵌合表面122、122´が定位置に固定された状態で位置決めされている一方、半径方向外側の足部114、114´は、半径方向内側に変位している。したがって、スポークが圧縮されると、半径方向内側脚部142´の半径方向内側部分146´が、半径方向内側足部112´の半径方向内側表面122´に対して半径方向外側に移動するように、半径方向内側脚部142、142´の半径方向内側部分146、146´が半径方向外側に変位することが観察され得る。同様に、類似の変位が、スポークが圧縮されているとき、半径方向外側脚部144´の半径方向外側部分148´が、半径方向外側足部114´の半径方向外側表面124´に対して半径方向内側に移動するように、半径方向外側脚部144、144´の半径方向外側部分148、148´が半径方向内側に変位した状態で、半径方向外側足部114、114´に生じる。半径方向外側脚部144、144´の半径方向外側部分148、148´および半径方向内側脚部142、142´の半径方向内側部分146、146´の変位を可能にするスポークの構造物は、本明細書では「自由」スポーク端部を有すると称される。
【0051】
本実施形態の鼻部分130は、半径方向外側スポーク144の半径方向内側部分と半径方向内側スポーク142の半径方向外側部分とを拘束し、スポークが圧縮状態にあるときにそれらが互いから離れるのを抑制する強化膜132を有する。スポーク100が圧縮されると、エラストマー接合体136が、圧縮を受ける。スポーク100が圧縮されるにつれて、強化膜132から最も遠いエラストマー接合体136の部分が半径方向に収縮することが観察され得る。半径方向外側脚部144の半径方向内側部分および半径方向内側脚部142の半径方向外側部分のスポーク禁止変位の構造物は、本明細書では「拘束されている」または「自由ではない」と呼ぶことができる。
【0052】
図7は、半径方向外側の足部114、114´´が半径方向内側の足部112、112´´から離れるように引っ張られているときの同じ実施形態を示す。スポーク100は、概して荷重を外されている状態が実線で、またスポーク100´は、引張を受けている状態が破線で示されている。本図に示されるように、スポークが圧縮されているときに圧縮を受けた脚部112、112´´、114、114´´の部分が、スポークが引張を受けているときに、どのようにして引張を受けているかに留意されたい。同様に、本図に示されるように、スポークが圧縮されているときに引張を受けた脚部112、112´´、114、114´´のエラストマー接合体の部分が、スポークが引張を受けているときに、圧縮を受けている。鼻部分130、130´´のエラストマー接合体136、136´´は、スポーク100、100´´の足部´´112、112´´、114、114´´に最も近い部分で引張を受ける。
【0053】
図8は、スポークの実施形態の透視切欠図を示す。鼻部強化膜132の強化材134の部分が示されており、脚部140の細長い脚部強化材146の一部および足部強化膜の足部強化材の一部も示されている。鼻部膜の強化材は、ほぼ半径方向に向けられ、スポーク100の鼻部130の周りに巻き付けられているのが示されている。支持要素140の強化材146は、支持要素140の長さに沿ってほぼ半径方向に配向された細長い強化材として示されている。
【0054】
本発明の代替実施形態もまた可能でありそして予想される。例えば、
図9は、鼻部強化膜が存在しない代替実施形態の断面図を示す。その代わりに、スポークが圧縮状態にあるときに、脚部112、114から最も遠い鼻部130のエストラマー接合体136の部分は、スポーク100の鼻部分130から最も遠いエストラマー接合体112、114の部分と同様、半径方向に伸張して離れることができる。したがって、この実施形態では、半径方向外側支持要素144の半径方向内側端部および半径方向内側支持要素142の半径方向外側端部は「自由」である。この特定の実施形態では、追加の強化材172が鼻部分130のエラストマー接合体136内に配置されている。この追加の強化材は、そうでなければエラストマー接合体136の圧縮および引張のポアソン効果のために生じるであろう周方向へのエラストマー接合体の移動を阻止する。この特定の実施形態では、細長い強化材172は、エラストマー接合体136を概ね2つの部分に、半径方向外側部分および半径方向内側部分、に二分する周方向に配向されている。
【0055】
図10は、外側トレッドバンド200およびハブ12に取り付けられてタイヤ10の一部を形成するスポーク100の代替の例示的な実施形態の部分横断面図を示す(ただし、外側トレッドバンド200およびハブ10は図示されていないが、それらは
図1および
図2にある通りである)。図示の特定の実施形態では、64個のスポークが外側トレッドバンド200の内周の周りに取り付けられている。公称荷重条件下では、本明細書に示されている例示的な実施形態の215/45R17サイズのタイヤでは、タイヤは無荷重状態から20mm撓む。例示的な実施形態では、500kgの質量荷重(約4,900Nの力)を使用して、ここでは圧縮で示されているタイヤの公称荷重条件およびスポークの公称荷重条件を近似した。
【0056】
半径方向外側の足部114と半径方向内側の足部112との間で圧縮を受けながら、スポーク100が半径方向内側に変形すると、鼻部鼻部130のエラストマー接合体136は、スポーク100の脚部112、114に最も近い部分に沿ったスポークの半径方向内側脚部142と半径方向外側の脚部144と間の圧縮を受け、脚部112、114から最も遠いエラストマー接合体の部分で半径方向に引張を受ける。半径方向外側の足部114の半径方向外側のエラストマー接合体114は、鼻部130に最も近い部分に沿って圧縮を受け、鼻部分130から最も遠位のエラストマー接合体114の部分に引張を受ける。
【0057】
同様に、半径方向内側の足部112において、スポーク100が半径方向内側に変形すると、半径方向内側の足部112のエラストマー接合体112は、鼻部130に最も近い部分に沿って圧縮を受け、エラストマー接合体の遠位部分に引張を受ける。
【0058】
図5の破線は、半径方向外側の足部114´と半径方向内側の足部112´との間で圧縮を受けているスポーク100´を示す。圧縮スポーク100´は、ハブ嵌合表面122、122´が定位置に固定された状態で位置決めされている一方、半径方向外側の足部114、114´は、半径方向内側に変位している。したがって、スポークが圧縮されると、半径方向内側脚部142´の半径方向内側部分146´が、半径方向内側足部112´の半径方向内側表面122´に対して半径方向外側に移動するように、半径方向内側脚部142、142´の半径方向内側部分146、146´が半径方向外側に変位することが観察され得る。同様に、類似の変位が、スポークが圧縮されているとき、半径方向外側脚部144´の半径方向外側部分148´が、半径方向外側足部114´の半径方向外側表面124´に対して半径方向内側に移動するように、半径方向外側脚部144、144´の半径方向外側部分148、148´が半径方向内側に変位した状態で、半径方向外側足部114、114´に生じる。半径方向外側脚部144、144´の半径方向外側部分148、148´および半径方向内側脚部142、142´の半径方向内側部分146、146´の変位を可能にするスポークの構造物は、本明細書では「自由」スポーク端部を有すると称される。この代替実施形態に示されるように、半径方向外側支持構造体144の半径方向内側部分および半径方向内側支持構造体142の半径方向外側部分は、本明細書では「自由」スポーク端部を有すると称され得る。
【0059】
本実施形態の鼻部分130は、エラストマー体136を周方向に拘束する強化材172を有する。スポーク100が圧縮されると、エラストマー接合体136は、足部112、114に最も近い部分に沿って圧縮を受ける。ポアソン効果は、エラストマー材料が圧縮されているときにエラストマー材料の膨らみを引き起こし、それは本明細書では強化材172によって拘束される。
【0060】
図11は、半径方向外側の足部114、114´´が半径方向内側の足部112、112´´から離れるように引っ張られているときの同じ実施形態を示す。スポーク100は、概して荷重を外されている状態が実線で、またスポーク100´は、引張を受けている状態が破線で示されている。本図に示されるように、スポークが圧縮されているときに圧縮を受けた脚部112、112´´、114、114´´の部分が、スポークが引張を受けているときに、どのようにして引張を受けているかに留意されたい。同様に、本図に示されるように、スポークが圧縮されているときに引張を受けた脚部112、112´´、114、114´´のエラストマー接合体の部分が、スポークが引張を受けているときに、圧縮を受けている。鼻部分130、130´´のエラストマー接合体136、136´´は、スポーク100、100´´の足部112、112´´、114、114´´に最も近い部分において引張を受け、鼻部分130、130´´のエラストマー接合体の部分136、136´´は、スポーク100、100´´の足部112、112´´、114、114´´から最も遠い部分で圧縮を受ける。
【0061】
図12は、スポークの実施形態の透視切欠図を示す。脚部140の細長い脚部強化材146の部分が示されている。エラストマー接合体136の強化材172は、周方向に配向された複数の強化材174として示されている。支持要素140の強化材146は、支持要素140の長さに沿ってほぼ半径方向に配向された細長い強化材として示されている。本実施形態の強化材146、174は、引き抜き成形ガラス樹脂複合材である。
【0062】
図13は、鼻部強化膜もエラストマー接合体強化材も存在しない代替実施形態の断面図を示す。ここに、先の実施形態のように、スポークが圧縮状態にあるときに、脚部112、114から最も遠い鼻部130のエストラマー接合体136の部分は、スポーク100の鼻部分130から最も遠いエストラマー接合体112、114の部分と同様、半径方向に伸張して離れることができる。したがって、この実施形態では、半径方向外側支持要素144の半径方向内側端部および半径方向内側支持要素142の半径方向外側端部は「自由」である。この特定の実施形態では、鼻部分130のエラストマー接合体136は、細長い強化材を全く含まない。
【0063】
図14は、スポークの実施形態の透視切欠図を示す。脚部140の細長い脚部強化材146の部分が示されている。支持要素140の強化材146は、支持要素140の長さに沿ってほぼ半径方向に配向された細長い強化材として示されている。本実施形態の強化材146は、引き抜き成形ガラス樹脂複合材である。
【0064】
図15は、個々のスポーク100を製造するために使用される金型400、410、420、430、440、450、460の分解透視図を示す。スポーク構成要素は、金型に入れられるときに分離して示されている。スポーク構成要素のいくつかは、強化繊維とコードの配向を示す。例えば、鼻部強化膜132の強化材134は、その構成要素の部分切欠図に示されている。この実施形態では、強化材は、互いに平行にかつ強化膜132の幅に沿って延在するように示されている。両方の脚部140、142、144が示され、半径方向内側の脚部142は、互いに平行にかつ半径方向内側の脚部140の幅に沿って位置決めされた複合ガラス樹脂強化材146を示す部分切欠きと共に示されている。脚部140の強化材146は、弾性的に可撓性であるが、鼻強化膜132の繊維強化材134は、周囲のゴムマトリックス材料の成形時に永久的に変形するのに十分に可撓性である。
【0065】
図16は、個々のスポーク100を製造するために使用される代替の金型400、410、420、430、440、450、460の分解透視図を示す。スポーク構成要素は、金型に入れられるときに分離して示されている。スポーク構成要素のいくつかは、強化繊維とコードの配向を示す。例えば、エラストマー接合体136の強化材174は、その構成要素の部分切欠図に示されている。この実施形態では、強化材174は、互いに平行にかつ強化膜172の幅に沿って延在するように示されている。両方の脚部140、142、144が示され、半径方向内側の脚部142は、互いに平行にかつ半径方向内側の脚部140の幅に沿って位置決めされた複合ガラス樹脂強化材146を示す部分切欠きと共に示されている。脚部140の強化材146およびエラストマー接合体136の強化材174は、弾性的に可撓性である。この特定の実施形態では、鼻部膜強化材132が省略されていることに留意されたい。代替的に、両方の鼻部膜強化材132を、エラストマー接合体強化材172と組み合わせて含んでもよい。
【0066】
いったん様々な未硬化の成分が金型の底部410の上の適所に置かれると、金型400は閉じられて固定される。ここでは、金型は、開口部470を通ってねじ締結具で閉じられ、そして金型構成要素の開口部470のねじ付き部分に固定される。締結具の締め付けは圧力をかけ、または硬化中に追加の圧力が金型の頂部に加えられる。金型400を加熱することにより、ゴム成分を加熱してゴムを硬化させ、ゴム成分を互いに付着させ、自動車の非空気圧式タイヤの構造要素として使用するのに十分な耐久性の優れた弾性品質を有する複合スポークを形成する。弾性複合構造体の他の用途としては、モーターマウント、トランスミッションマウントまたはシートマウントなどの防振マウント、あるいは弾性複合構造体によって接続されている別の物体に対するある物体の移動を可能にする弾性ヒンジとしての使用が挙げられる。
【0067】
本明細書に示され記載されたスポークの実施形態の「V字形状」は、隣接するスポークがタイヤの垂直偏向におおよそ等しい距離にわたって半径方向に偏向されたときに「入れ子」して線形のばね定数を与えることを可能にする。スポークの入れ子は、公称荷重条件下で隣接スポークが衝突するのを回避する。
【0068】
スポークの剛性は、「V字形状スポーク」の「v」の長さ、構成材料の弾性率、およびスポークの内部構造を調整することによって調整することができることを当業者は理解するはずである。
【0069】
本発明の範囲内で、他のウェブ要素構成及び寸法を用いてもよく、ハニカムまたは他のパターンを形成し得るような相互接続されたウェブ要素を含むことが理解されるべきである。弾性複合構造体がスポークとして構成されているとき、それらは、タイヤの幅を横切って横方向に延在するように構成されているが、それらはタイヤの横方向に対する角のような他の角で構成されてもよい。例えば、スポークは、タイヤの周方向と横方向との間の対角線に延在してもよい。
【0070】
開示された技術の態様の選択された組み合わせは、本発明の複数の異なる実施形態に対応する。本明細書に提示され説明された例示的な実施形態の各々は、本主題の限定を暗示するべきではないことに留意されたい。一実施形態の一部として図示または説明された特徴またはステップは、さらなる実施形態を生み出すために別の実施形態の態様と組み合わせて使用されてもよい。付加的に、特定の特徴は、同じまたは類似の機能を実行する明示的に言及されていない類似の装置または特徴と交換することができる。
【0071】
本明細書に開示された寸法および値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されると理解されるべきではない。代わりに、他に特定されない限り、そのような各々の寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に等価な範囲の両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。また、本明細書に開示されている寸法および値は特定の測定単位に限定されない。例えば、英語の単位で表現された寸法は、メートル法および他の単位の同等の寸法を含むと理解される(例えば、「1インチ」として開示された寸法は「2.5cm」の同等の寸法を意味することを意図する)。
【0072】
本明細書で使用されるとき、用語「方法」または「プロセス」は、本明細書に開示される発明の範囲から逸脱することなく、示される以外の順序で実行され得る1つ以上のステップを指す。本明細書で使用されるとき、用語「方法」または「プロセス」は、少なくとも1つの電子またはコンピュータベースの装置によって実行される1つ以上のステップを含み得る。いずれの一連のステップも例示であり、本明細書に記載の方法を任意の特定の順序に限定することを意図するものではなく、ステップの追加、ステップの省略、ステップの繰り返しまたはステップの同時実施を排除することも意図していない。本明細書で使用されるとき、用語「方法」または「プロセス」は、ステップを実行する命令を実行するためのプロセッサを有する少なくとも1つの電子またはコンピュータベースの装置によって実行される1つ以上のステップを含み得る。
【0073】
用語「1つ(a)」、「1つ(an)」、および単数形の単語は、その用語が1つ以上の何かが提供されることを意味するように、同じ単語の複数形を含むと解釈されるべきである。「少なくとも1つ」および「1つ以上」という用語は、互換的に使用される。「aとbの間」であると説明されている範囲は「a」と「b」の値を含む。
【0074】
相互参照または関連する特許または出願を含む、本明細書で引用されたすべての文書は、明示的に除外されない限り、または他に限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本明細書に開示または請求される発明に関する先行技術であること、あるいはそれが単独で、または他の参考文献と組み合わせて、そのような発明を参照、教示、示唆または開示することは承認されない。さらに、この文書中の用語のいかなる意味または定義も、参照により組み込まれる文書中の同じ用語のあらゆる意味または定義と矛盾する限り、この文書中のその用語に割り当てられた意味または定義が支配するものとする。