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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】ソーラーセル接合
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/18 20060101AFI20220706BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
H01L31/04 400
H01L31/04 262
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019570367
(86)(22)【出願日】2017-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 US2017067608
(87)【国際公開番号】W WO2018236417
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】15/627,890
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516306337
【氏名又は名称】マーリン・ソーラー・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MERLIN SOLAR TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】5891 Rue Ferrari San Jose CA 95138 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャイルド,ケント・ライリー
(72)【発明者】
【氏名】ダム,ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】ルディン,アーサー
(72)【発明者】
【氏名】プラブ,ゴパル
(72)【発明者】
【氏名】ムラリ,ベンカテサン
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0078073(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0128013(US,A1)
【文献】特開2009-238959(JP,A)
【文献】特開2000-323505(JP,A)
【文献】特開2006-147887(JP,A)
【文献】国際公開第2016/067516(WO,A1)
【文献】国際公開第02/056352(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/20
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合装置であって、
熱源と、
前記熱源に結合される第1のプレートであって、熱伝導性があり、ソーラーセル全体を覆うように構成されている、前記第1のプレートと、
第2のプレートであって、熱伝導性があり、前記ソーラーセル全体を覆うように構成されている、前記第2のプレートと、
開放位置と閉鎖位置とに前記接合装置を移動させるように構成されている作動機構であって、前記開放位置では、前記第1のプレート及び前記第2のプレートは離れており、前記閉鎖位置では、前記第1のプレート及び前記第2のプレートは、前記ソーラーセルの互いに対向する前表面及び後表面それぞれ接触する、前記作動機構と、を備え、
前記第2のプレートは、前記接合装置が前記閉鎖位置にあるとき、前記第2のプレートが第1のプレートよりも低い温度を有するように、熱を放散するように構成され、
前記第1のプレート及び前記第2のプレートは力を前記ソーラーセルに印加するように構成され、前記ソーラーセルの第1の端における前記力は、前記接合装置が前記閉鎖位置にあるとき、または前記閉鎖位置に移動しているとき、前記ソーラーセルの第2の端における前記力と異なる、前記接合装置。
【請求項2】
前記作動機構が前記接合装置を前記開放位置から前記閉鎖位置に移動させるとき、前記第1のプレート及び前記第2のプレートは相互に非平行である、請求項1に記載の接合装置。
【請求項3】
前記第1のプレートまたは前記第2のプレートの少なくとも1つは複数の付勢要素を備え、前記複数の付勢要素における第1の付勢要素は、前記複数の付勢要素における第2の付勢要素の第2の付勢力よりも高い第1の付勢力を有する、請求項1に記載の接合装置。
【請求項4】
前記第1のプレートまたは前記第2のプレートの少なくとも1つは、圧縮可能ブロックの長さにわたる密度勾配がある前記圧縮可能ブロックを備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項5】
前記力は、前記ソーラーセルの前記第1の端から前記第2の端にかけて減少する、請求項1に記載の接合装置。
【請求項6】
前記第1のプレートは第1の接触表面を有し、前記第2のプレートは第2の接触表面を有し、前記第1の接触表面及び前記第2の接触表面は、前記閉鎖位置では、前記ソーラーセルの前記前表面及び前記後表面それぞれ接触し、
前記第1の接触表面は、前記第1の接触表面にわたって第1の均一温度において動作するように構成され、
前記第2の接触表面は、前記第2の接触表面にわたって第2の均一温度において動作するように構成される、請求項1に記載の接合装置。
【請求項7】
前記第2のプレートは、
基板と、
前記基板に結合されるメッシュと、
前記メッシュに結合される熱伝導性シートであって、前記熱伝導性シートは前記ソーラーセルに向かって配向する、前記熱伝導性シートと、
を備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項8】
前記第1のプレート及び前記第2のプレートに流体的に結合される気体源をさらに備え、
前記第1のプレート及び前記第2のプレートは、それぞれ、前記第1のプレートが前記閉鎖位置にあるとき、前記気体源から前記ソーラーセルに気体を送達するように構成されている流導管を備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項9】
接合装置であって、
熱源と、
前記熱源に結合される第1のプレートであって、熱伝導性があり、ソーラーセル全体を覆うように構成されている、前記第1のプレートと、
第2のプレートであって、熱伝導性があり、前記ソーラーセル全体を覆うように構成されている、前記第2のプレートと、
開放位置と閉鎖位置とに前記接合装置を移動させるように構成されている作動機構であって、前記開放位置では、前記第1のプレート及び前記第2のプレートは離れており、前記閉鎖位置では、前記第1のプレート及び前記第2のプレートは、前記ソーラーセルの互いに対向する前表面及び後表面それぞれ接触する、前記作動機構と、を備え、
前記閉鎖位置にあるとき、前記第1のプレート及び前記第2のプレートは、相互に異なる温度において動作するように構成され、
前記第1のプレート及び前記第2のプレートは、力を前記ソーラーセルに印加するように構成され、前記ソーラーセルの第1の端における前記力は、前記接合装置が前記閉鎖位置にあるとき、または前記閉鎖位置に移動しているとき、前記ソーラーセルの第2の端における前記力と異なる、前記接合装置。
【請求項10】
前記作動機構が前記接合装置を前記開放位置から前記閉鎖位置に移動させるとき、前記第1のプレート及び前記第2のプレートは相互に非平行である、請求項9に記載の接合装置。
【請求項11】
前記第1のプレートまたは前記第2のプレートの少なくとも1つは、複数の付勢要素を備え、前記複数の付勢要素における第1の付勢要素は、前記複数の付勢要素における第2の付勢要素の第2の付勢力よりも高い第1の付勢力を有する、請求項9に記載の接合装置。
【請求項12】
前記第1のプレートまたは前記第2のプレートの少なくとも1つは、圧縮可能ブロックの長さにわたる密度勾配がある前記圧縮可能ブロックを備える、請求項9に記載の接合装置。
【請求項13】
前記力は、前記ソーラーセルの前記第1の端から前記第2の端にかけて減少する、請求項9に記載の接合装置。
【請求項14】
前記第2のプレートに結合される第2の熱源をさらに備える、請求項9に記載の接合装置。
【請求項15】
前記第1のプレートは第1の接触表面を有し、前記第2のプレートは第2の接触表面を有し、前記第1の接触表面及び前記第2の接触表面は、前記閉鎖位置では、前記ソーラーセルの前記前表面及び前記後表面それぞれ接触し、
前記第1の接触表面は、前記第1の接触表面にわたって第1の均一温度において動作するように構成され、
前記第2の接触表面は、前記第2の接触表面にわたって第2の均一温度において動作するように構成される、請求項9に記載の接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年6月27日に出願された「Solar Cell Bonding」と題する米国仮特許出願第62/354,976号に対する優先権を主張する、2017年6月20日に出願された「Solar Cell Bonding」と題する米国非仮特許出願第15/627,890号に対する優先権を主張し、これらの両方の特許は、全ての目的のために参照により、本明細書によって組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ソーラーセルは、光子を電気エネルギーに変換するデバイスである。セルによって生じる電気エネルギーは、半導体材料に結合される電気接点を通して集められ、モジュール内の他の太陽電池との相互接続によって送られる。最も一般的に、ソーラーセル金属は、銀ペーストをセル上にスクリーン印刷し、次に、スクリーン印刷されたバスバーにわたってリボンを半田付けすることによって達成される。リボンは、ソーラーモジュールに対して直列様式で複数のソーラーセルを一緒に一列にする(すなわち、電気的に相互接続する)ために使用される。また、リボンは、タビングリボン、相互接続ワイヤ、太陽光ワイヤと称され、または他の同様の用語で呼ばれる。
【0003】
別の種類のソーラーセル金属は、米国特許第8,916,038号「Free-Standing Metallic Article for Semiconductors」及び米国特許第8,936,709号「Adaptable Free-Standing Metallic Article for Semiconductors」に開示され、これらの特許では、単一の金属品は、ソーラーセルの光入射表面から電流を集め、同様に、セルを一緒に相互接続するために使用される。ある配列にソーラーセルを一緒に接続するために、セルの前表面の各金属品は、金属品の1つの一部であり得るセル間相互接続を使用して、近接セルの後表面の金属品に電気的に結合される。
【0004】
再生可能エネルギーは、増え続ける人口に対するエネルギー需要を供給するために、重要な分野であり続けるので、ソーラーセルのコスト及び製造効率を改善する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、接合装置は、熱源、第1のプレート、第2のプレート、及び作動機構を備える。第1のプレートは熱源に結合される。第1のプレート及び第2のプレートは、それぞれ、熱伝導性があり、ソーラーセル全体を覆うように構成されている。作動機構は、開放位置と閉鎖位置とに接合装置を移動させるように構成される。開放位置では、第1のプレート及び第2のプレートは離れており、閉鎖位置では、第1のプレート及び第2のプレートは、ソーラーセルの反対面に接触する。第2のプレートは、接合装置が閉鎖位置にあるとき、第2のプレートが第1のプレートよりも低い温度を有するように、熱を放散するように構成されている。第1のプレート及び第2のプレートは、力をソーラーセルに印加するように構成されている。ソーラーセルの第1の端における力は、接合装置が閉鎖位置にあるとき、または閉鎖位置に移動しているとき、ソーラーセルの第2の端における力と異なる。
【0006】
いくつかの実施形態では、接合装置は、熱源、第1のプレート、第2のプレート、及び作動機構を備える。第1のプレートは熱源に結合される。第1のプレート及び第2のプレートは、それぞれ、熱伝導性があり、ソーラーセル全体を覆うように構成されている。作動機構は、開放位置と閉鎖位置とに接合装置を移動させるように構成される。開放位置では、第1のプレート及び第2のプレートは離れており、閉鎖位置では、第1のプレート及び第2のプレートは、ソーラーセルの反対面に接触する。閉鎖位置にあるとき、第1のプレート及び第2のプレートは、相互に異なる温度において動作するように構成されている。第1のプレート及び第2のプレートは、力をソーラーセルに印加するように構成されている。ソーラーセルの第1の端における力は、接合装置が閉鎖位置にあるとき、または閉鎖位置に移動しているとき、ソーラーセルの第2の端における力と異なる。
【0007】
いくつかの実施形態では、接合装置は、熱源、第1のプレート、第2のプレート、及び作動機構を備える。第1のプレートは熱源に結合される。第1のプレート及び第2のプレートは、それぞれ、熱伝導性があり、ソーラーセル全体を覆うように構成されている。作動機構は、開放位置と閉鎖位置とに接合装置を移動させるように構成される。開放位置では、第1のプレート及び第2のプレートは離れており、閉鎖位置では、第1のプレート及び第2のプレートは、ソーラーセルの反対面に接触する。第2のプレートは、第1のプレートが閉鎖位置にあるとき、第2のプレートが第1のプレートよりも低い温度を有するように、熱を放散するように構成されている。第1のプレート及び第2のプレートは、接合装置が閉鎖位置にあるとき、または閉鎖位置に移動しているとき、ソーラーセルの第2の端における力よりも高い力をソーラーセルの第1の端に印加するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】リボン金属を備えた従来式ソーラーセルの上面図である。
図2】先行技術で既知であるような、ソーラーセルの金属に利用される単一の金属品の斜視図である。
図3】いくつかの実施形態による、ソーラーセル接合装置の側面図の概略図である。
図4】いくつかの実施形態による、接合装置の実施形態の前面斜視図である。
図5A】いくつかの実施形態による開放位置にある接合装置の概略側面図である。
図5B】いくつかの実施形態による閉鎖位置にある接合装置の概略側面図である。
図6A】いくつかの実施形態による接合装置のさらなる実施形態の概略側面図である。
図6B】いくつかの実施形態による接合装置のさらなる実施形態の概略側面図である。
図7】いくつかの実施形態による、接合アセンブリのプレートの実施形態の拡大組立図である。
図8】ピンチローラシステム及び気体流を含む接合装置の別の実施形態の斜視図である。
図9】いくつかの実施形態による、図8の接合装置の加熱プレートの側面斜視図である。
図10A】動作の様々な段階における図8の接合装置の図を示す。
図10B】動作の様々な段階における図8の接合装置の図を示す。
図10C】動作の様々な段階における図8の接合装置の図を示す。
図11A図8の加熱プレートの詳細な上面図である。
図11B図8の加熱プレートの詳細な斜視図である。
図12A】いくつかの実施形態による整合特徴の斜視図及び詳細図を示す。
図12B】いくつかの実施形態による整合特徴の斜視図及び詳細図を示す。
図12C】いくつかの実施形態による整合特徴の斜視図及び詳細図を示す。
図13A】いくつかの実施形態による追加の整合特徴の斜視図及び詳細図を示す。
図13B】いくつかの実施形態による追加の整合特徴の斜視図及び詳細図を示す。
図13C】いくつかの実施形態による追加の整合特徴の斜視図及び詳細図を示す。
図14】本開示の接合装置を使用して、金属要素をソーラーセル上に接合するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
太陽産業では、ソーラーセルを電気的に接続する従来の方法は、セルの前面及び後面の両方に位置する、銀が堆積するパッド上に半田コーティングされた銅から作成された導電性金属リボンまたはワイヤを半田付けすることである。リボンは、ソーラーセルの表面から電流を集め、モジュール内のソーラーセル用の管としての役割を果たし、それにより、ソーラーモジュールからのエネルギーを利用することができる。リボンまたはワイヤを取り付けるプロセスは、かなり複雑で、費用がかかり、時間がかかる可能性があり、直列様式(すなわち、最初に、ソーラーセルの片側(前面または後面)、次に、反対側にある)で達成される。
【0010】
従来の結合プロセスは、半田コーティングされたリボンをセルの上面または底面の銀パッド上に導入し、リボンを、広範囲の側面から側面におけるアクション(例えば、ソーラーセルに対して縦方向または横方向におけるアクション)で半田付けすることによって開始する。次に、プロセスは、セルの裏面で繰り返す。現在のプロセスは、熱風半田付け、リボンに物理的に触れる個々の半田ごて、または集中した赤外光を使用する。これら全ての方法は、時間がかかり、費用がかかり、本質的に、壊れやすいソーラーセルには厳しくなる。その厳しさは、点衝撃損傷または熱膨張の不均一性のいずれかに起因するものである。これらの問題の両方は、セルの亀裂及び/または破損を生じさせる。これらの問題は、セルの片側、次に、他の側を接合する連続するプロセスで、2回プロセスを繰り返す必要があることに起因して悪化する。また、従来の方法はアップグレードするのに費用がかかる。例えば、産業界が、ますます、リボン(またはワイヤ)を取り付けることに移行している場合、標準的機器は、リボンの数を増やすために費用がかかり且つ時間がかかる機械のアップグレードが必要となる。また、従来の方法は、セルサイズの変更またはカットセルの変動に適応性がない。本機器は、全てのセル変化配列に変換される必要があり、この変換により、製造の中断時間、及び機器コストの発生をもたらす。
【0011】
本開示は、同時に、ソーラーセルの前面金属要素及び後面金属要素の両方を接合または半田付けする単一のサイクルを説明する。前面金属要素は、光電池の光入射表面上にある。金属は、例えば、ソーラーセルから電流を集め、セルを相互接続するために使用される、従来式リボンもしくはワイヤ、または他の種類の金属グリッドまたは金属品であり得る。本発明の方法及びシステムは、1つのツールで様々な種類のカットセル形状に接合される広範囲の金属種類(サイズ、形状、及び量等)を可能にする。したがって、費用がかかるツールのアップグレードまたは中断時間が生じることなく、任意のソーラーセル上の大きいまたは小さなエリア配列ギャングボンディングを達成することができる。
【0012】
図1は、リボン金属を備えた従来式ソーラーセル10である。単結晶セルとして示されるようなソーラーセル10は、セル10の表面に半田付けされる3つのリボン15を有する。セル10の表面は、セルによって発生する電流のための管としての役割を果たす銀指部17を有し、リボン15は、エネルギーを指から集める。ソーラーモジュール用のセルの配列で使用されるとき、リボン15は、セルの縁を通り過ぎるように延在し、一般的に、直列接続のために次のセルの後側へのセルの相互接続を可能にする。従来式セル10の後側(図示されない)は、一般的に、リボンが半田付けされる個別の銀パッドを有する。ほとんどのタブストリンガ動作では、リボン15は、セル10の前表面上に置かれ、セル10の前表面に半田付けされ、次に、後続の製造ステップでは、リボンは、ストリングの近接セルの後側に半田付けされる。
【0013】
図2は、米国特許第8,916,038号及び米国特許第8,936,709号等に開示されている別の種類の金属化を示し、これらの特許の両方は、参照により本明細書によって組み込まれ、単一の金属品がソーラーセルの表面全体に金属化を提供している。図2では、前面金属品20、半導体ウエハ22、及び後面金属品24が示される。前面金属品20は、ウエハ22の光入射表面に上に搭載されるだろう一方、後面金属品24は、ウエハ22の後表面に搭載されるであろう。前面金属品20の相互接続要素26は、ソーラーモジュール内の隣接セルの後面金属品24に電気的に結合されるだろう。
【0014】
本開示では、同時に、ソーラーセルの前表面及び後表面の両方に金属を接合することができる装置を提供する。本システムは、前面金属要素及び後面金属要素の両方を、ソーラーセルの銀取り付けパッドに対して整合させ、次に、単一の加熱及び加圧ステップにおいて、スタックを一緒に(すなわち、前面金属、ウエハ、及び後部金属を一緒に)取り付ける。加えられた熱は、誘導熱、放射熱、抵抗加熱、熱風、または他の熱源であり得る。熱は、上面等のソーラーセルの片側だけに、または同時に上面及び底面に加えることができる。機械的手段または空気圧的手段等によって、圧力を印加することができる。本システムは、一方の縁から別の縁まで光電池にわたって印加される制御された押圧アクションにおいて熱を均等に拡散するように構成されている。例えば、非平行プレート、差分ばね力、または密度が変動する発泡体ブロックによって、この不均一押圧アクションを達成することができる。これは、差動力(すなわち、反対端と比較して、光電池の一端で異なるような、ある量の印加された力)をもたらす。
【0015】
また、本発明の実施形態は、さらに後面に取り付けるために十分な熱及び圧力を加えながら、壊れやすい後面銀パッドを保護するために、前面の取り付けに必要なより高い熱と、後面の取り付けに必要なより低い熱を分ける。これは、全て、1つの加熱、加圧、及び時間ステップで達成される。1つのステップで、金属の前面及び後面の取り付けを完了することによって、全ての材料の熱不整合を制御する。これは、ソーラーセルの製造中に発生する亀裂の原因をなくす。また、本発明の実施形態は、全てのステップを1つに組み合わせることによって、いくつかのステップによってセルを移動させる際の危険性をなくす。また、ある大きい熱プレス(前表面全体及び後表面に対するプレスを含む)の性質に起因して、点光源の亀裂の可能性は小さくなる。
【0016】
図3は、いくつかの実施形態による、ソーラーセル接合装置100の簡略化された側面図の概略図である。装置100は、第1のプレート110と、第2のプレート120と、第1のプレート110に結合される熱源130とを含む。第1のプレート110及び第2のプレート120は、半田等の接合材料を溶かし、構成要素を一緒に取り付けるために、ソーラーセル構成要素への熱伝達を可能にする、熱伝導性材料から作成される。第1のプレート110及び第2のプレート120の熱伝導性材料は、例えば、銅、アルミニウム、金、黄銅、青銅、または石英であり得る。本実施形態にレバー140として示されるような作動機構は、矢印150によって示されるように、装置100を開閉するために使用される。装置100は開放位置で示され、その状態では、ソーラーセル構成要素が接合するために第1のプレート110と第2のプレート120との間に挿入され得る。接合された構成要素を装着した後、作動機構140は、第1のプレート110及び第2のプレート120を閉鎖位置に一緒に移動させるために使用され、第1のプレート110の接触表面111及び第2のプレート120の接触表面121は接触し、圧力をセル構成要素の反対面に印加する。いくつかの実施形態では、第1のプレート110は作動機構140によって移動する一方、第2のプレート120は静止したままである。いくつかの実施形態では、第1のプレート110及び第2のプレート120の両方は作動機構140または2つの分離している作動機構によって移動され得る。
【0017】
図3の実施形態では、第1のプレート110及び第2のプレート120は、第1のプレート110の縁112において及び第2のプレート120の縁122において、ジョイント160によって一緒にヒンジで結合される。ジョイント160は、開放位置と閉鎖位置とにプレート110及び120を移動させるとき、第2のプレート120に対して非平行に第1のプレート110を整合させるヒンジ162を含む。例えば、作動機構が開放位置から閉鎖位置に接合装置を移動させるとき、第1のプレート110及び第2のプレート120は相互に非平行であり得、第1のプレートは、ソーラーセルの第1の端の近くで第2のプレートにより近くなる。他の実施形態では、ジョイント160は、相互に平行である第1のプレート110及び第2のプレート120を整合するために使用されることができる。ジョイント160は、また、第2のプレート120に対する第1のプレート110の垂直変位を可能にし得る垂直ロッド164を含む。いくつかの実施形態では、垂直ロッド164は、また、その縦軸を中心に回転運動を可能にし得、その回転運動は、装置100からソーラーセル構成要素の装着及び取り外しを容易にし得る。例えば、図4は、第1のプレート110及び第2のプレート120が、開放位置で、横方向に回転し、相互に変位する実施形態における、接合装置102の平面図である。ソーラーセル構成要素200は、ソーラーセル200がプレート110とプレート120との間で押圧されるであろうとき、接合するための準備の際における、接合装置102の内部に示される。プレート110及びプレート120は、開放位置と閉鎖位置とに移動するために、垂直に上昇及び下降することができ、また、相互に非平行であるように、プレート110及び120の角度を調整する回転ジョイント(本実施形態では図示されない)を含み得る。
【0018】
限定ではないが、リンク機構、ギヤ、リニアスライド、及び空気圧シリンダ等の他の種類の機構は、開放位置と閉鎖位置とに本開示の接合装置を移動させるために使用され得る。レバー140以外の作動機構は、例えば、電子制御器、押しボタン、及び滑車を含み得る。
【0019】
図3に戻り、熱源130は、抵抗熱、赤外線、熱風、または誘導コイル等の任意の種類の熱源であり得る。25~500度の範囲における作動温度の熱源等の熱源は、使用される半田の溶解温度に適応するように選ばれることができる。いくつかの実施形態では、熱源は、作動温度まで上昇するのに1秒未満の時間等の急速な上昇時間があり得る。熱源130が第1のプレート110上に搭載されるように示されているが、いくつかの実施形態では、熱源130は、熱源の種類に適切な任意の方法で接合装置100に組み込まれ得る。例えば、抵抗加熱に関して、加熱要素は第1のプレート110の内部に埋め込まれ得、制御パネルは、例えば、示される接合装置100に取り付けられている、または接合装置100から分離して等、他の場所に位置する。さらなる実施形態では、第2の熱源170は第2のプレート120に結合され得、第2の熱源170は、熱源130と同じ、または異なる種類(例えば、抵抗、赤外線等)であり得る。図3の実施形態では、第2の熱源170は、第2のプレート120の内部に埋め込まれるように示される。
【0020】
様々な実施形態では、本発明の接合装置は、セル及びセル設計の多くの構成を収容するように設計され得る。例えば、第1のプレート110及び第2のプレート120の表面エリアは、様々な数のリボンのために、さらに、複数のセルをすぐに接合するために、任意のサイズセルに合わせて設計されることができる。例えば、プレート110及び120は、本装置によって接合される、予想される最大のセルを覆う長さ及び幅を有し得し、それにより、より小型サイズのセルは、また、同じ装置によって収容されることができる。他の実施形態では、固定具は、半導体ウエハ上に銀指/パッドを伴う金属要素を整合することを補助するために含まれ得る。固定具は、プレート110及び120に一体化され得る、または取り外し可能な挿入部であり得る。
【0021】
図5A図5Bは、明確にするために、装置100の第1のプレート110及び第2のプレート120だけを示す、動作中の接合装置100の側面図である。ソーラーセル200の構成要素は、接合するために装置100に装填され、構成要素は、前面金属要素210、半導体ウエハ220、及び後面金属要素230を含む。いくつかの実施形態では、前面金属要素210は相互接続要素215を含み、相互接続要素215は、ウエハ220の表面上にわたって横たわる前面金属要素210の主要部よりも大きい厚さ(図5Aにおける垂直高さ)を有し得る。他の実施形態では、相互接続要素215は不在であり得る。前面金属要素210及び後面金属要素230は、図1にあるような従来式リボンまたは図2にあるような格子型物品であり得る。金属要素210及び230は、それらの上に事前にコーティングされた半田を有し得る、または、接合装置100に挿入される前に、半田は2次プロセスで適用され得る。
【0022】
図5Aでは、装置100は開放位置で示され、第1のプレート110及び第2のプレート120は離れており、その状態では、ソーラーセル200の構成要素が装置100に装着され得る。接合プロセスを開始するために、第1のプレート110は、閉鎖位置に移動する前に、熱源130等から加熱される。第1のプレート110は、矢印151によって示されるように、ソーラーセル200に向かって移動し、第1のプレート110からの熱は、前面金属要素210及び後面金属要素230の上で半田を溶かす。第1のプレート110は、角運動及び垂直変位を伴い得るように、第2のプレート120に向かって関節接合される。第1のプレート110及び第2のプレート120が傾斜して一緒に移動するため、プレート110及び120が閉鎖位置に移動するにつれて、縁112と122との間の距離は一緒に、プレートの反対縁113と123との間の距離よりも近くなっており、溶けた半田は縁112と縁122との間でより薄い間隔エリアから、縁113と縁123との間のより厚い間隔エリアまで流れ、等しいリフロー長さをもたらす。相互に対して第1のプレート110及び第2のプレート120の傾けられた構成は、ソーラーセル200への力の印加をもたらし、ソーラーセル200の第1の端202に印加される力は、接合装置100が閉鎖位置に移動しているとき、ソーラーセル200の第2の端203に印加された力と異なる。本実施形態では、力は、第2の端203よりも、ソーラーセル200の第1の端202において高くなる。プレートが一緒に移動するときの第1のプレート110及び第2のプレート120の非平行整合は、また、相互接続要素215の増加した高さに適応し、再度、半田がソーラーセル表面にわたって流れるとき、半田が、金属のより厚いエリアから、より薄いエリアまで流れることを可能にする。
【0023】
図5Bでは、装置100は閉鎖位置にあり、プレート110及び120は相互に対面し、ソーラーセル200の反対面と直接接触している。第1のプレート110の第1の接触表面111はソーラーセル200の前表面に接触し、第2のプレート120の第2の接触表面121は後表面に接触する。閉鎖位置では、接合プロセスを実施するために、ソーラーセル200に熱を加え続ける。熱は、熱源130から、第1のプレート110を通って、ソーラーセル200まで、次に、第2のプレート120まで流れる。熱が発生している間、圧力は、第1のプレート110及び第2のプレート120からソーラーセル200に印加され、安全な接合を促進し、熱膨張に起因する金属要素の上昇を防止する。
【0024】
図6A及び図6Bは、差動力が接合装置によって生じ得る、さらなる実施形態の簡略化された側面図である。明確にするために、熱源、ならびに第1のプレート110及び第2のプレート120を一緒に結合する作動機構は、図6A及び図6Bに示されていない。図6Aでは、接合装置104の第1のプレート110は付勢構成要素180の配列を含み、付勢構成要素180は、閉鎖位置にあるとき、ソーラーセル200に接触するであろう表面エリアにわたって位置付けられる。説明を明確にするために、付勢構成要素180は、必ずしも、縮尺どおりに描かれていない。本実施形態の付勢構成要素180のそれぞれは、第1のプレート110に一端において結合される付勢要素181と、付勢要素181の反対端に結合されるキャップ182とを含む。付勢要素181は付勢力を提供し、例えば、圧縮ばね、または発泡体等の圧縮性材料であり得る。いくつかの実施形態で省略され得るキャップ182は、例えば、付勢要素181の端が平坦ではない場合、または付勢要素181の端がソーラーセルに接触するために十分な接触エリアを提供しない場合、ソーラーセル200の接触表面を改善する。例えば、キャップ182は、平坦な端面を伴う円筒片であり得、端面の直径は付勢要素181の直径よりも大きい。図6Aの付勢構成要素180は、例示的実施形態として、ばね留めピンとして示される。熱は第1のプレート110から付勢配列180を通ってソーラーセル200まで移送し、その状態では、ソーラーセルに対面する付勢構成要素180の端は、第1のプレート110の接触表面111になる。付勢要素181及び/またはキャップ182に関して可能である材料は、限定ではないが、銅、セラミック、及び石英を含む。キャップ182の追加材料は、限定ではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、Vespel(登録商標)、Torlon(登録商標)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。
【0025】
付勢構成要素180は、配列にわたって変動する付勢力により構成されることによって、ソーラーセル200にわたって、差動力を生じさせるように構成されている。ソーラーセル200の表面にわたって印加される不均一な力は、非平行プレートに関して上記に説明したように、半田リフローを促進することを補助する。例えば、表面にわたって減少する力は、より高い力を有する端から、より低い力を伴う他端まで流れる際に半田を補助することができ、より均一の半田厚さをもたらす。図6Aの実施形態では、矢印のサイズによって示されるように、ソーラーセル200の第1の端202の近くにある第1の付勢要素の第1の付勢力183aは、ソーラーセル200の第2の端203の近くにある第2の付勢要素の第2の付勢力183cよりも大きい。中間付勢要素は、付勢力183aと付勢力183cとの間の値を有する第3の付勢力183bを有する。いくつかの実施形態では、付勢力の差は、圧力、例えば、プレートの一端から他端までの0.015lbs/inの差等、約0.010~0.020lbs/inの差で表され得る。いくつかの実施形態では、ばね留めピンは、相互に異なるばね力を有することに加えて、またはその代わりに、表面にわたる可変間隔を有し得る。例えば、1つの領域内のピンの間のより広い間隔は、別の領域内で一緒により近くで離間するピンよりも小さい力がソーラーセル上に印加されることをもたらすであろう。第2の付勢要素の第2の付勢力よりも高い第1の付勢力等の配列180にわたって変動する付勢力を有するこの構成は、閉鎖位置に移動するとき、プレート110及び120を相互に非平行にすることが必要ではなく、ソーラーセル200にわたって変動する力をもたらす。したがって、変動する力は、非平行プレートと同様に、接合装置を閉鎖位置に移動させるときよりもむしろ、接合装置が閉鎖位置にあるとき、ソーラーセルに印加され得る。複数の付勢構成要素180を伴う実施形態では、第1のプレート110及び第2のプレート120は、平行に相互に向かって移動し得る、または、それらのプレートは相互に対して傾けられ得る。第1のプレート110に組み込まれるように、力成分が説明されているが、他の実施形態では、力成分は、第2のプレート120に、または、第1のプレート110及び第2のプレート120の両方に組み込まれることができることに留意されたい。
【0026】
図6Bは、加熱プレート110がソーラーセル200にわたって差動力を生じさせる圧縮可能ブロック190を含む、別の接合システム106の実施形態を示す。圧縮可能ブロック190は、例えば、セラミック、石英、PTFE、Vespel、Torlon、及びPEEK等の発泡材料であり得る。発泡体は、ソーラーセルが加熱プレート110に付着することを防止することを助けるフッ素ポリマー等の非コーティングまたはシートで覆われ得る。圧縮可能ブロック190は、ソーラーセル200の第1の端202と第2の端203との間に延在する方向に、長さ191にわたって密度勾配がある。密度勾配は、圧縮可能ブロック190に、ソーラーセルにわたって差動力を印加させる。図6Aの付勢構成要素180の配列と同様に、圧縮可能ブロック190は、ソーラーセル200の第1の端202の近くの力193aと、ブロック190の中間領域内のより少ない力193bと、ソーラーセル200の第2の端203の近くに最小の力193cとを有する。付勢力の差はブロック190にわたる密度勾配によって生じ、ブロック190は、力193cに対応する第2の密度よりも高い、力193aに対応する第1の密度を有する。密度勾配は段階的または連続的に発生し得る。密度勾配は、例えば、0.015lbs/in等の約0.010~0.020lbs/inの差の、プレートの一端と他の端との間に圧力差を生じさせ得る。
【0027】
上記の実施形態のいずれも、プレート110及び120は、限定ではないが、機械的に、空気圧で、または油圧で動作することができるクランプ、密封フレーム構造、またはアクチュエータ等の様々な機構を使用する閉鎖位置で保持されることができる。
【0028】
圧力をソーラーセルに印加することに加えて、第1のプレート110及び第2のプレート120の両方は、ソーラーセルの表面上にわたって均一な熱を加えるように設計される。おおよそ均一温度で動作することで、熱応力がソーラーセル200の表面にわたって発生することを防止する。いくつかの実施形態では、第1のプレートは、第2のプレートの第2の均一温度と異なる第1の均一温度を有する。すなわち、閉鎖位置にあるとき、第1のプレート及び第2のプレートは、相互に異なる温度において動作するように構成され得る。本開示の様々な実施形態では、第2のプレートよりも高い温度で動作する第1のプレートが説明されているが、他の実施形態は、ソーラーセルの前面金属が第2の(底面)プレートに対面する接合アセンブリに置かれた等の場合、第2のプレートよりも低い温度で動作する第1のプレートを利用し得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、第2のプレート120は、第1のプレート110の温度よりも低い温度で動作するように構成されている。例えば、第1及び第2のプレートの両方は熱源を有し得、ヒータは、相互に異なる温度で動作し、プレートが接触するソーラーセルの側面で異なる半田温度を達成する。別の例では、第1のプレート110は熱源を有し得る一方、第2のプレート120は熱源を有さない。第2のプレート120がそれ自体の熱源を有しない係る実施形態では、第2のプレートは熱を放散するように構成され得、それにより、第2のプレート120は、加熱プロセス中に第1のプレート110(熱源130によって活発に加熱される)よりも低い温度で動作する。このように、後面金属要素230の半田の温度は、前側からの異なる半田の要求に適応するために制御され得る。高品質な銀は、一般的に、ソーラーセルの前側で使用される一方、低コストの銀の混合物は、一般的に、後側で使用される。本発明の接合装置は、ソーラーセルの前側及び後側に、熱を同時に加えることを可能にする(ただし、各側に適切に異なる温度で加える)。さらに、ソーラーセル内の熱応力が軽減されるため、250~350度の温度等のより高い温度の半田を使用することができる。接合装置によって適応することができる広範囲の温度のために、例えば、様々な比率の鉛スズ、ポリマー、またはスズ等の様々な種類の半田を使用することができる。
【0030】
図7は、均一であるが、第1のプレート110よりも低い作動温度を達成している、第2のプレート120の実施形態の分解組立図を示す。本実施形態の第2のプレート120は、一緒に積み重ねられた3つの層である基板124、メッシュ125、及び熱伝導性シート126を含む。熱伝導性シート126は、金属等の材料の固体シートのように、図7に示される。第2のプレート120は、ソーラーセルに向かって配向する熱伝導性シート126が設置される。シート126は、ソーラーセルの表面にわたって均一温度を達成する高熱伝導性を有する。メッシュ125は、さらに均一温度を維持する熱伝導性がある一方で、熱を放散する熱破壊を提供し、第1のプレート110と比較して、第2のプレート120の低い作動温度をもたらす。基板124は、シート126によって、ソーラーセルに提示される有効温度を制御及び維持する断熱材料である。一実施形態では、例えば、基板124はシリコーンゴムであり、メッシュ125は銅であり、シート126はチタンである。メッシュ125は、直線要素及び/または湾曲要素等を伴うスクリーン構成もしくは格子型構成、または任意の他の交差設計もしくは非交差設計であり得る。
【0031】
図8は、気体流が加熱システムで利用され、ピンチローラシステムが作動機構で使用される、接合装置の別の実施形態の斜視図である。接合装置300は、第1のプレート310、第2のプレート320、及び熱源330を含む。熱源330は、例えば、ランプアセンブリであり得る。他の実施形態では、前述の図3に示されるように、熱源330は、第1のプレート310及び/または第2のプレート320に組み込まれ得る。接合装置300は、また、構造の両端において上面及び底面のピンチローラ342を有するフレーム構造として具体化される作動機構340を含む。第1のプレート310及び第2のプレート320は、その外側表面にピンチローラガイド344を有し、ガイド344はピンチローラ342が進み得る平行溝である。また、図8では、各々、第1のプレート310及び第2のプレート320のOリング密閉部311及び321、排出管350、ならびに摺動密閉部352が示され、それらの全ては、下記により詳細に説明される。
【0032】
図9は、ソーラーセル200がプレート間の空間に装着されている、開放位置における第1のプレート310及び第2のプレート320を示す。プレート310及び320は、ばね留めジョイント360と一緒に結合される。ジョイント360は、クラムシェル式ジョイントとして、ここで具体化される。他の実施形態は、例えば、垂直空気圧リフト(関節が外れている)、またはマルチジョイントヒンジ(不均一に関節が外れている)を含む。
【0033】
図10A図10Cは、接合装置300の作動機構340に装着される第1のプレート310の段階を示す。図10Aは、プレート310及び320の左の縁が作動機構340に最初に挿入され、開放位置に静止している、拡大斜視図である。矢印301によって示されるように、プレート310及び320が装置300に挿入されるとき、ピンチローラ342aのローラは、ローラガイド344を横断し、クラムシェル部を整合し、ばね力を加え、プレートアセンブリを閉鎖する。また、図10Aは、排出管350の中の通気スロット351を示し、これは、図11A図11Dに関して後で説明される。図10Bでは、プレートは、水平であり及びピンチローラ342aによって閉鎖されているプレート310の右縁によって見られるように、完全に挿入されている。図10Cは、アセンブリ全体の全部の斜視図を提供し、プレート310及び320は閉鎖位置にあり、(この図に図示されない、下側に対応するローラを伴う)ピンチローラ342a及び342bによって閉鎖されながら保持される。また、左のピンチローラアセンブリ342bは蓋(すなわち、第1のプレート310)を閉じるために力をかけ、さらなるクランプ力をアセンブリに加えることに留意されたい。
【0034】
図11A図11Bは、気体流が、熱源として及び半田プロセスを補助することの両方のために利用される実施形態では、第1のプレート310及び第2のプレート320の2つの図を示す。図11Aは、プレート310または320の角部のワイヤフレームの上面図を示し、図11Bは、一緒に積み重ねられたプレート310及び320の斜視図を示す。図11Aに示されるように、本実施形態のプレート310及び320は、Oリング密閉部311/321で終端する内部流導管370を有する。流導管370は、円筒状で垂直に交差する管の通路として示されるが、他の形状及びレイアウトが可能である。導管370は、プレート310/320の内部表面(ソーラーセルに対面する表面)の上に、その長さに沿った孔375を含む。
【0035】
空気等の気体は気体源から導入され、摺動密閉部352(図8)及びOリング密閉部311/321を通って導管370に流れる。空気は、導管370から、ヒンジプレート310及び320の内部の貫通孔375を通って押される。したがって、気体源は、第1のプレート及び第2のプレートに流体的に結合され、流体導管370は、第1のプレートが閉鎖位置にあるとき、気体源からソーラーセルに気体を送達するように構成されている。本実施形態では、第1のプレート310及び第2のプレート320は、プレートの表面にわたって実質的に均一温度を達成するために、銅等の熱伝導性材料から作成される。空気はスリット376を通って離れるように流束蒸気を運び、排出管350(図10B)の中の通気スロット351は、蒸気をアセンブリから排出する。導管370を通って流れる空気は熱源330によって加熱され、また、ソーラーセル上で半田ジョイントに熱を均等に加えることを補助するであろう。第2の(下側)プレート320の空気は、必要に応じて、下側プレート320の冷却において使用されることができ、第2のプレート320の温度は、例えば、導管370を通る気体流量によって制御されることができる。気体は全部の取り付けプロセス中にプレート310及び320を通って流れ、また、プロセスが完了した後に、接合装置100を冷却するために使用されることができる。
【0036】
図12A図12C及び図13A図13Cは、本明細書に開示される接合装置とともに使用され得る整合固定具の実施形態を示し、差し込み図は、拡大断面図である。図12Aは、ソーラーセル構成要素に合わせて成形される凹部エリアである整合ポケットを有する下側プレート320を示す。図12Aの差し込み図は、整合ポケット410及び420に対応する段エリアを示す。ポケット420は、ポケット410の周囲に形成される。図12Bでは、後面金属要素412はポケット410に設置されており、図12Cでは、後面金属要素412の上にわたって、半導体ウエハ422はポケット420に設置されている。したがって、ポケット410及び420は後面金属要素412をウエハ422と整合させ、これは、ソーラーセル構成要素の特定の半田エリアが適切に一緒に接合されることに重要である。
【0037】
図13Aは、さらなる整合固定具を使用する、接合装置に設置されている前面金属要素を示す。図13Bでは、ピン430は第2のプレート320に組み込まれ、ピン430は前面金属要素に関する整合特徴としての役割を果たす。前面金属要素は、相互接続要素215の中に開口が作られ、その開口にピン430が挿入される。ピン430は、第1のプレート310の中に対応する干渉ポケット440を有し、前面金属要素を接合装置内に固着することを補助する。
【0038】
図12A図12C及び図13A図13Cの整合特徴は、接合装置のプレート内で機械加工され得る、または、別の構成要素として製造され、本装置の中で組み立てられ得る。いくつかの実施形態では、整合固定具は取り外し可能であり得、それにより、接合装置は、異なるソーラーセルサイズまたは配列に合わせて交換可能に構成され得る。
【0039】
図14は、本開示の接合装置を使用して、金属要素をソーラーセル上に接合するための流れ図500の実施形態である。ステップ510では、接合装置が提供され、接合装置は第1及び第2のプレートを有する。第1及び第2のプレートは、ソーラーセル全体を覆うようにサイズ決定される。開放位置では、第1のプレート及び第2のプレートは離れており、閉鎖位置では、第1のプレート及び第2のプレートは、ソーラーセルの反対面に接触する。ステップ520では、ソーラーセル構成要素は接合装置内に装着される。ソーラーセル構成要素は、前面金属要素、半導体ウエハ、及び後面金属要素を含む。金属要素は、従来式リボンであり得る、または、半導体ウエハの表面全体上にわたって金属を提供する単一の金属品であり得る。金属品は、セル間相互接続要素を含み得る。
【0040】
ステップ530では、熱源は熱を第1のプレートに加える。いくつかの実施形態では、第2のプレートは、また、それ自体の熱源を含み得る。第1のプレートが加熱された状態になるとき、第1のプレートから放射する熱は、金属要素上の半田を溶かすことを開始させる。次に、ステップ540において、接合装置は、第1のプレートを第2のプレートに向かって移動させること等によって、開放位置から閉鎖位置に移動する。閉鎖位置では、所望の時間周期にわたって、熱及び圧力を前面金属及び後部金属の両方に印加する単一のプロセスにおいて、ソーラーセル全体を一緒に接合する。第1のプレート及び第2のプレートは、制御された半田リフローに達するために、力をソーラーセルに印加するように構成され、ソーラーセルの第1の端における力の量は、接合装置が閉鎖位置にあるとき、または閉鎖位置に移動しているとき、ソーラーセルの第2の端における力と異なる。いくつかの実施形態では、力の量は、ソーラーセルの第1の端からソーラーセルの第2の端にかけて減少する。いくつかの実施形態では、第1のプレートは、第2のプレートに対して非平行である。プレートの非平行整合は、ソーラーセルにわたって、均一な半田フローを促進することを補助する。閉鎖位置では、プレートは平行であり、ソーラーセルに直接接触する。他の実施形態では、セルにわたって接合装置によって印加された力は、変動する付勢力を伴う複数の付勢要素によって、または密度勾配がある圧縮可能ブロックによって生じ得る。
【0041】
閉鎖位置にあるとき、第1のプレート及び第2のプレートは、相互に異なる温度において動作するように構成されている。例えば、第2のプレートは、第1のプレートが閉鎖位置にあるとき、第2のプレートが第1のプレートよりも低い温度を有するように、熱を放散するように構成され得る。第1のプレート及び第2のプレートは、ソーラーセルに接触する表面上に均一温度を有するように構成されている。さらに、第1のプレート及び第2のプレートの温度は、金属要素に使用される特定の種類の半田に適応するように調整され得る。いくつかの実施形態では、第2のプレートは、基板と熱伝導性シートとの間に位置するメッシュ等の、熱を放散する複数の層の材料を利用し得る。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2のプレートは、プレートの温度を制御する空気等の気体流を使用し得る。ステップ550では、接合半田セルは接合装置から取り外される。
【0042】
開示される発明の実施形態への参照は詳細にされており、それらの1つ以上の例が添付図に示されている。各例は、本発明の技術に限定されないものとして、本発明の技術の説明により提供されている。実際に、本明細書は本発明の特定の実施形態に関して詳細に説明されているが、当業者は、前述の理解に達すると、これらの実施形態に対する改変、それらの変形例、及びそれらの同等物を容易に想像し得ることを認識するだろう。例えば、一実施形態の一部として示される、または説明される特徴は、またさらなる実施形態を生じさせるように、別の実施形態で使用され得る。したがって、本発明の主題は、添付の請求項及びその同等物の範囲内で、全ての係る修正及び変形例を対象とすることが意図される。本発明に対するこれらの且つ他の修正及び変形例は、添付の請求項に、より具体的に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって実践され得る。さらに、当業者は、前述の説明は単なる一例によるものであり、本発明を制限することが意図されないことを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14