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特許7100687一体化された指示を有するカテーテル挿入トレー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】一体化された指示を有するカテーテル挿入トレー
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/33 20160101AFI20220706BHJP
   A61M 39/08 20060101ALI20220706BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
A61B50/33
A61M39/08
A61M25/00
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020188101
(22)【出願日】2020-11-11
(62)【分割の表示】P 2019035265の分割
【原出願日】2014-10-16
(65)【公開番号】P2021035564
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】61/891,496
(32)【優先日】2013-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/015,206
(32)【優先日】2014-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】グリセロ,ジェイソン・アイ
(72)【発明者】
【氏名】ロバーズ,スコット
(72)【発明者】
【氏名】シルバー,アダム
(72)【発明者】
【氏名】カリー,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】プリヴィテラ,サルヴァトーレ
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン,ロビン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】アイスノーグル,デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ファンボア
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ,グレース
(72)【発明者】
【氏名】ホッジス,ステイシー
(72)【発明者】
【氏名】リーシャー,ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】メリル,ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】マン,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】スケルトン,サラ
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0145589(US,A1)
【文献】実開昭56-146951(JP,U)
【文献】特開昭50-149175(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0228098(US,A1)
【文献】特開2007-203264(JP,A)
【文献】米国特許第03759375(US,A)
【文献】特開2006-131284(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0150025(US,A1)
【文献】特開平07-206065(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0283426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 50/33
A61M 39/08
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル導入システムであって、
幅よりも大きい長さを有するカテーテル導入トレーを備え、
前記カテーテル導入トレーは、その表面に、手順表示(47、48、49、50)を含み、
前記カテーテル導入トレーは、
フォーリーカテーテル(92)を含むドレナージシステムを収容し、第1の区画壁(10、12)によって形成される第1の区画(1)と、
前記第1の区画壁(12)によって前記第1の区画(1)から分離され、潤滑構成要素(89)と膨張構成要素(88)とを収容する第2の区画(2)と、
前記第1の区画壁(10)によって前記第1の区画(1)から分離され、複数の傾斜溝(28)を含み、前記複数の傾斜溝(28)の各々は、複数のスナップ嵌め構造(32)を含む、第3の区画(3)と、を備え
前記カテーテル導入システムは、さらに、前記カテーテル導入トレーのまわりに取り外し可能に包まれる無菌ラップ(56)を備え、
前記無菌ラップ(56)は、包まれた形態と、包まれていない形態と、を有し、
前記無菌ラップ(56)は、帯(46)によって前記包まれた形態に維持され、
前記帯(46)は、患者に対する前記カテーテル導入トレーの向きの指示を備える、カテーテル導入システム。
【請求項2】
請求項1に記載のカテーテル導入システムであって、
前記第3の区画に複数のスワブ(34)が配置され、
前記複数のスワブ(34)の各々は、細長いステム(38)と、該細長いステム(38)に固定されるか一体化された吸収性ヘッド(36)と、を備え、前記複数のスワブ(34)の各々の細長いステム(38)は、前記複数のスナップ嵌め構造(32)によって、前記複数の傾斜溝(28)のうちの1つに固定される
カテーテル導入システム。
【請求項3】
請求項2に記載のカテーテル導入システムであって、
前記吸収性ヘッド(36)の遠位部分の幅は、前記吸収性ヘッド(36)の近位部分の幅よりも大きく、
前記近位部分は、前記細長いステム(38)に固定されるか一体化される
カテーテル導入システム。
【請求項4】
請求項2に記載のカテーテル導入システムであって、
前記複数のスワブ(34)の各々の前記細長いステム(38)は、略矩形の断面形状を有する、
カテーテル導入システム。
【請求項5】
請求項1に記載のカテーテル導入システムであって、
前記複数の傾斜溝(28)の各々の前記複数のスナップ嵌め構造(32)は、互いに対向する側から延在し、長手方向にオフセットされている
カテーテル導入システム。
【請求項6】
請求項5に記載のカテーテル導入システムであって、
前記複数の傾斜溝(28)の各々は、正確に3つのスナップ嵌め構造(32)を含み、
前記3つのスナップ嵌め構造(32)のうち第1の側にある第1のスナップ嵌め構造が、第2の側にある第2のスナップ嵌め構造および第3のスナップ嵌め構造の間で長手方向に位置決めされる
カテーテル導入システム。
【請求項7】
請求項6に記載のカテーテル導入システムであって、
前記3つのスナップ嵌め構造(32)は、前記複数の傾斜溝(28)の各々に対して同様に位置決めされる
カテーテル導入システム。
【請求項8】
請求項1に記載のカテーテル導入システムであって、
前記第3の区画(3)はウェル(24)を備え、
前記複数の傾斜溝(28)の各々は、前記ウェル(24)に流体連通する
カテーテル導入システム。
【請求項9】
請求項1に記載のカテーテル導入システムであって、
前記第1の区画(1)は、第1の長さと第1の幅を有し、前記第1の区画は、第1の高さを有し、前記第2の区画(2)は、前記第1の長さに沿って延在する第2の長さを有し、前記第2の長さは、前記第1の長さより大きい
カテーテル導入システム。
【請求項10】
請求項9に記載のカテーテル導入システムであって、
前記第3の区画(3)は、前記第2の区画(2)に直交する前記第1の幅に沿って延在する
カテーテル導入システム。
【請求項11】
請求項に記載のカテーテル導入システムであって、
前記帯(46)は、さらに、前記カテーテル導入トレーの使用のための指示を備える
カテーテル導入システム。
【請求項12】
請求項に記載のカテーテル導入システムであって、
さらに、前記無菌ラップ(56)の頂部に配置される包装ラベル(62)を備え、
前記包装ラベル(62)は、前記包装ラベル(62)の上面部分から異なる平面に折り曲げられる少なくとも3つの側面を有し、
前記包装ラベル(62)の前記少なくとも3つの側面の各々は、前記カテーテル導入システムの包装後にユーザーに視認可能である
カテーテル導入システム。
【請求項13】
請求項に記載のカテーテル導入システムであって、
一対の無菌手袋が、前記カテーテル導入トレーの頂部に位置決めされ、前記帯を(46)取り外した後にアクセス可能であり、前記無菌ラップ(56)を前記包まれた形態から前記包まれていない形態へ移行させる
カテーテル導入システム。
【請求項14】
請求項13に記載のカテーテル導入システムであって、
包装ラベル(62)が、前記包まれた形態の前記無菌ラップ(56)の上に位置決めされ、

前記包装ラベル(62)は、頂面および少なくとも2つの側面に、素早く読み取ることが容易な態様で、前記カテーテル導入システムの基本的特徴を強調する情報構造としての情報スクエア(44)を備える カテーテル導入システム。
【請求項15】
請求項14に記載のカテーテル導入システムであって、
前記少なくとも2つの側面が前記包装ラベル(62)の前記頂面に対して垂直に配置されるように、密封バッグ(60)が、前記カテーテル導入トレーおよび前記包装ラベル(62)のまわりに位置決めされ、それによって、複数の平面における前記包装ラベル(62)の視認性が提供される
カテーテル導入システム。
【請求項16】
請求項15に記載のカテーテル導入システムであって、
さらに、前記包まれた形態の前記無菌ラップ(56)と、前記包装ラベル(62)と、の間に位置決めされる会陰ケアパケット(74)を備え、
前記会陰ケアパケット(74)は、密封袋(82)内に会陰ケアのための1つ以上のアイテムを備える
カテーテル導入システム。
【請求項17】
請求項1に記載のカテーテル導入システムであって、
前記第2の区画(2)は、前記第1の区画(1)の底面よりも、前記カテーテル導入トレーの頂部に近い位置に配置される底面を有する
カテーテル導入システム。
【請求項18】
請求項17に記載のカテーテル導入システムであって、
前記第2の区画(2)の前記潤滑構成要素(89)および前記膨張構成要素(88)は、個別の注射器内に配置される
カテーテル導入システム。
【請求項19】
請求項18に記載のカテーテル導入システムであって、
前記第1の区画壁(12)は、前記第1の区画(1)と前記第2の区画(2)との間に第1の高さ低減部分を有し、これにより、前記個別の注射器の少なくとも一方に対するアクセスを提供する
カテーテル導入システム。
【請求項20】
請求項1に記載のカテーテル導入システムであって、
前記ドレナージシステムは、ドレナージバッグと、ドレナージ管と、安定化デバイスと、を備える
カテーテル導入システム。
【請求項21】
請求項1に記載のカテーテル導入システムであって、
前記手順表示(47、48、49、50)は、前記カテーテル導入トレーの表面に印刷されるか、または、前記カテーテル導入トレーの表面に刻印される
カテーテル導入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2013年10月16日に出願された米国特許仮出願第61/891,496号および2014年6月20日に出願された米国特許仮出願第62/015,206号の利益を主張するものである。これらの仮出願は、それぞれ、その全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]尿ドレナージシステムは、以前から、病院および健康管理施設において、患者の排尿の促進、管理および監視が必要なとき、および、患者から尿を採集することが必要なときに使用されている。これらの尿ドレナージシステムによって、患者はベッドに居続けることができ、おまるを使用したり、またはトイレを使用するために移動したりする必要がなくなる。尿ドレナージシステムは、カテーテル(例えばフォーリー(Foley)カテー
テル)、採集容器/バッグ(例えばポリマー材料もしくはPVCフィルムでできたバッグ)、尿計量器、フォーリーカテーテルを採集容器/バッグもしくは尿計量器に接続する管、および/または、その他の機器を備えていてもよい。操作時、最初にカテーテルが患者に導入され、カテーテルは、長い管(例えばドレナージ管)を介してドレナージ容器/バッグおよび/または尿計量器に接続される。尿は、カテーテルおよび管の中を通って流出し、次いで最終的に採集容器/バッグおよび/または尿計量器に入る。尿は、カテーテルから採集バッグ内へ重力だけによって移動させることができる。平均すると、患者は、1時間に約80~90mLの尿を生成する。
【0003】
[0003]尿の正確な監視は、臨床医が尿の流量または体積の異常を検出するのに役立つ。これらの異常は、患者がある種の問題を抱えていることを臨床医に知らせることができる。しかしながら、フォーリーカテーテルに取り付けられたドレナージシステムの信頼性が高くない場合、または、フォーリーカテーテルおよびドレナージシステムが適正に使用されない場合には、尿排出量を正確に測定することができない。また、落下による外傷数を減らすために、病院が使用するベッドはますます低床になっている。より低床のベッドが採用されると、管が排液するのを可能にするために使用可能な高さが小さくなる。病院で使用されるドレナージ管および関連するベンチング(venting)システムも変更/修正を
受けている。ベンチングの変更は、ますます低床となっている病院のベッドと相まって、最適とは言えないドレナージ性能を生み出している。例えば、管の中に尿が滞留することが観察されている。このことは、多くの患者にとって決定的に重要な尿排出量および尿流量の正確な測定を妨げる。
【0004】
[0004]現在のところ、2番目に多い院内感染(Hospital Acquired Infection:HAI)の一般的な形態は、カテーテル関連尿路感染(catheter-associated urinary tract infection:CAUTI)である。病院は、医療標準としての厳しい無菌性手法に従うことによってその病院のCAUTI率を切り下げる方法に興味を寄せている。しかしながら、この医療標準を満たす病院の能力に影響を及ぼす因子は数多くある。これらの因子には、医師(health care practitioner)/看護士の経験および訓練、患者因子(例えば。全般的な健康状態、体重および解剖学的構造)、環境因子およびトレー配置、ならびに、内容物および指示/表示などが含まれる。手順に対して最適化された構成要素および直観的に理解できるレイアウトを有するカテーテル導入パッケージおよび/またはカテーテル導入トレーは、潜在的にCAUTI率を低減させる無菌性手法の順守を増大させうる。医療処置に使用されるトレーを含む医療用パッケージの例が、米国特許出願公開第2003/0159969号明細書(特許文献1)及び米国特許第3976195号明細書(特許文献2)等に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2003/0159969号明細書
【文献】米国特許第3976195号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0005]健康管理分野では、尿カテーテルなどのカテーテル(例えば、留置カテーテルまたは間欠カテーテル)を患者に挿入するための、より信頼性が高く安全で容易な方法が求められている。より具体的には、留置フォーリーカテーテルなどの尿カテーテルを患者に挿入するプロセスを改良し標準化するカテーテル導入パッケージおよび/またはカテーテル導入トレー(例えば、フォーリーカテーテルトレー)を提供することが求められている。
【0007】
[0006]本開示は、患者のニーズをより十分に満たし、信頼性および使いやすさを向上させ、CAUTI事件を減らし、安全性を向上させ、上述したその他の問題および本明細書の他の場所に記載されたその他の問題に対処するように構成された、カテーテル導入パッケージ、カテーテルトレーおよびドレナージシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0007]本明細書には、医療処置全般、特にカテーテル導入に対して使用されるパッケージ、システム、トレー、アセンブリ、デバイス、方法などの実施形態およびそれらに対する向上が記載される。
【0009】
[0008]本明細書に記載された目的は、改良された医療手順パッケージおよび/またはトレー(例えば、改良されたカテーテル導入パッケージおよび/または改良されたカテーテル導入トレー)を提供することによって達成することができる。この改良された医療手順パッケージは、改良された医療手順トレーをその中に含むことができ、この医療手順トレーは、直観的に理解できるように配置することができ、医療手順の実施および結果を改善するための指示または手順表示を備えていてもよい。この医療手順パッケージおよび/または医療手順トレーは、その医療手順に必要かつ/または役立つ様々な器具および構成要素を備えることができる。例えば、改良されたカテーテル導入パッケージは、改良されたカテーテル導入トレー、より大きな塗布範囲および飽和を可能にするヨードスワブまたはスワブスティック(綿棒)、改良された効能を有し片手での使用を可能にする手指殺菌剤、流体の表面張力を断ち切ってドレナージを改善する管、および/または、本明細書に記載された他の構成要素を備えることができる。
【0010】
[0009]様々な実施形態によれば、本開示は、挿入時の使いやすさを助長し適正な無菌性手法を支援することによってCAUTI率の低減に役立ちうる構成要素のレイアウトおよび/または配置を有するカテーテル導入パッケージおよびカテーテル導入トレーを提供する。本開示は、さらに、CAUTI率を低減させるのに役立つより容易でより無菌性の高いカテーテル導入を助長することができるカテーテル導入方法、ならびに、カテーテル導入パッケージおよび/またはカテーテル導入トレーの使用方法を提供する。さらに、本開示は、ドレナージ性能を向上させることができるシステムを提供する。このことは、(1)ドレナージ管内の流体を排除するのに役立ち、(2)尿測定(例えば、排出量および流量の測定)の正確さを増大させる。
【0011】
[0010]一実施形態では、カテーテル導入パッケージは、カテーテル導入トレーを備えている。このカテーテル導入トレーは、ドレナージシステムを保持する第1の区画と、注射器を保持する第2の区画と、スワブを保持する第3の区画と、を備えている。このスワブは、スワブの吸収性ヘッドが下方へ偏向されて第3の区画のウェル(well)に入り、スワブの細長い部材がより容易な把持および取出しのために上向きに角度付けられるように、傾斜姿勢で保持される。カテーテル導入トレーは、さらに、カテーテル導入トレー上に直接に刻印されたカテーテル導入指示または手順表示を備えている。このカテーテル導入パッケージは、カテーテル導入トレーの周りに包まれた無菌ラップ(例えば、CSR wrap)をさらに備えていてもよい。スワブの吸収性ヘッドは、吸収性発泡体から形成されてもよく、スワブの細長い部材は、丸い稜を有する略矩形の断面を有していてもよい。このカテー
テル導入パッケージは、カテーテル導入トレーと一緒に包装されたペリケアキット(peri-care kit)を無菌ラップの外側の位置にさらに備えていてもよい。このカテーテル導入
パッケージは、帯(belly band)を無菌ラップの外側にさらに備えていてもよい。この帯は、無菌ラップを開封する前にカテーテル導入トレーをどのような向きに置くのかに関する指示または手順表示を備えている。さらに、このカテーテル導入パッケージは、包装ラベルを無菌ラップの外側に備えていてもよい。この包装ラベルは、ラベルの上面部分から異なる平面に折り曲げられた少なくとも3つの側面を備えている。この少なくとも3つの側面は、カテーテル導入パッケージの1つ以上の側からカテーテル導入パッケージを見たときに、視認可能である。これに代えて、または、加えて、この包装ラベルは、情報構造(例えば、情報スクエア)を備えている。この上方構造の各々は、素早く読み取ることが容易な態様で、カテーテル導入パッケージの基本的特徴を強調する。このカテーテル導入パッケージは、輸送中および保管中に無菌性を維持するために、密封された外容器または外バッグ(例えば、透明なプラスチックバッグ)を、その他の構成要素の周りに備えていてもよい。
【0012】
[0011]一実施形態では、医療手順パッケージは、医療手順を実行するのに有用な器具を保持する3つ以上の区画と、医療手順トレー上に直接的に刻印されるか含まれる指示/手順表示であって、医療手順の工程をどのように実施するのかを使用者に指示する指示/手順表示と、を備えている。医療手順トレーのこれらの3つ以上の区画、指示/手順表示および器具は、所定の配置で配置されており、この配置は、当該配置に基づいて、医療手順が、工程から工程へ直観的に理解できるように進行するような態様である。この配置には、様々な構成要素または器具(例えば、2~20個の器具/構成要素または4~10個の器具/構成要素)を、それらの構成要素または器具が使用される順序で互いの上に積み重ねることが含まれてもよい(例えば、他の構成要素または器具が位置決めされる前に使用されるべき構成要素または器具は、後に使用される他の構成要素または器具の上に配置される)。
【0013】
[0012]一実施形態では、患者を処置する方法は、医療手順トレーを用意する工程を備えている。この医療手順トレーは、医療手順を実行するのに有用な器具を有する3つ以上の区画と、医療手順トレー上に直接的に刻印された指示/手順表示であって、医療手順の工程をどのように実施するのかを使用者に指示する指示/手順表示と、を備えている。この方法は、医療手順トレー上に刻印された指示/手順表示に従いながら、患者に対して医療手順を実行する工程をさらに備えていてもよい。医療手順トレーの3つ以上の区画、指示/手順表示および器具は、それらが医療手順トレー上/内でどのように配置されているかに基づいて、医療手順が、工程から工程へ直観的に理解できるように進行するような態様で配置されている。
【0014】
[0013]一実施形態では、患者にカテーテルを導入する方法は、カテーテル導入トレーを有するカテーテル導入パッケージを用意する工程を備えている。このカテーテル導入トレーは、カテーテルを有するドレナージシステムを保持する第1の区画と、スワブを保持する第2の区画と、を備えている。このスワブは、スワブの吸収性ヘッドが下方へ偏向されて第2の区画のウェルに入り、スワブの細長い部材が斜め上方に角度付けられた傾斜姿勢でスワブを保持する。この方法は、さらに、吸収性ヘッドが滅菌溶液と接触するように滅菌溶液をウェルに注ぎ、患者のカテーテルが導入されるべき領域を、スワブを使用して洗浄し、患者の尿道にカテーテルの一部分を挿入する工程を備えている。カテーテル導入トレーの周囲に密封容器またはバッグが配置されてもよい。この方法は、この密封容器またはバッグを開封する工程を備えていてもよい。カテーテル導入トレーの周りに無菌ラップが包まれてもよい。この方法は、滅菌溶液をウェルに注ぐ前に、無菌ラップを開封する工程を備えていてもよい。このカテーテル導入パッケージは、無菌ラップの外側に位置するペリケアキットをさらに備えていてもよい。この方法は、無菌ラップを開封する前に、ペ
リケアキットを使用して、患者の会陰の一部分を洗浄する工程を備えていてもよい。無菌ラップの外側に帯が配置されてもよい。この帯は、無菌ラップを開封する前にカテーテル導入トレーをどのように適正な向きに置くのかに関する指示(単数または複数)/手順表示(単数または複数)を備えていてもよい。この方法は、無菌ラップを開封する前に、トレーを、この指示(単数または複数)/手順表示(単数または複数)に従った向きに方向付ける工程を備えていてもよい。
【0015】
[0014]一実施形態では、カテーテル導入パッケージを製造する方法は、カテーテル導入トレーを用意する工程を備えている。このカテーテル導入トレーは、第1の区画と、第2の区画と、第3の区画であって、スワブを保持するための溝を有する、第3の区画の底部の傾斜部分を有する第3の区画と、カテーテル導入トレー上に直接的に刻印されたカテーテル導入指示/手順表示と、を備えている。第1の区画、第2の区画および第3の区画はそれぞれ、壁/バリヤによって互いから少なくとも部分的に分離されている。この方法は、第1の区画内にドレナージシステムを配置し、第2の区画内に注射器を配置し、第3の区画内にスワブを配置する工程を備えていてもよい。スワブは、スワブの吸収性ヘッドが下方へ偏向されて第3の区画のウェルに入り、スワブの細長い部材が、より容易な把持および取出しのために斜め上方に角度付けられるように、第3の区画内に配置される。この方法は、カテーテル導入トレーを無菌ラップでくるむ工程と、無菌ラップの一部分の周りに帯を配置する工程と、をさらに備えていてもよい。この帯は、無菌ラップを開封する前にカテーテル導入トレーをどのように適正な向きに置くのかに関する指示(単数または複数)/手順表示(単数または複数)を備えている。さらに、この方法は、帯および無菌ラップの外側においてカテーテル導入トレーにペリケアキットを追加する工程を備えていてもよい。このペリケアキットは、洗浄ペーパータオル(cleansing towelette)と、手指殺
菌剤と、患者を洗浄するための指示/手順表示と、を保持するジッパ付の袋を備えている。この方法は、詳細なカテーテル導入指示および/または手順表示の文書をカテーテル導入パッケージに追加する工程を備えていてもよい。さらに、この方法は、包装ラベルであって、上面部分から折り曲げられる少なくとも3つの側面部分を備えている包装ラベルをカテーテル導入パッケージの上に配置する工程、および/または、包装ラベルであって、素早く読み取ることが容易な態様で、カテーテル導入パッケージの1つ以上の基本的特徴を強調する情報構造(単数または複数)を有する包装ラベルをカテーテル導入パッケージの上に包装ラベルを配置する工程を備えていてもよい。この情報構造(単数または複数)は、1つの情報スクエアまたは多数の情報スクエアであってもよい。この方法は、カテーテル導入パッケージを取り囲む透明なプラスチックバッグを(例えばヒートシーリングによって)密封する工程をさらに備えていてもよい。
【0016】
[0015]一実施形態では、カテーテル導入システムは、カテーテル導入手順のための構成要素を固定する容器を備えている。この容器は、容器の全体形状を画定する外殻と、この外殻内の複数の区画と、を有する。この複数の区画の各々は、1つ以上の分離壁/分割壁によって、この複数の区画のうちの隣接する1つ以上の区画から分離されている。この複数の区画は、カテーテルアセンブリを収容できるようにサイズおよび構成が決められた第1の区画と、1つ以上の分離壁/分割壁によって第1の区画から分離された1つ以上の第2の区画と、を備えている。この1つ以上の第2の区画のうちの少なくとも1つは、1つ以上の分離壁/分割壁のうちの少なくとも1つの部分分離壁/分割壁(例えば、高さの低い部分を備える分離壁/分割壁)を備えている。
【0017】
[0016]一実施形態では、カテーテル導入手順を実行するためのカテーテル導入システムが提供される。このカテーテル導入システムは、カテーテル導入トレーを備えている。このカテーテル導入トレーは、容器の全体形状を画定する外殻と、外殻内の複数の区画と、を有する。この複数の区画の各々は、1つ以上の分離壁/分割壁によって、複数の区画のうちの隣接する1つ以上の区画から分離されている。この複数の区画は、カテーテルアセ
ンブリを収容する第1の区画と、1つ以上の分離壁/分割壁によって第1の区画から分離された1つ以上の第2の区画と、を備えていてもよい。1つ以上の第2の区画のうちの少なくとも1つは、1つ以上の分離壁/分割壁のうちの少なくとも1つの部分分離壁/分割壁(例えば、高さの低い部分を備える分離壁/分割壁)を備えていてもよい。さらに、このカテーテル導入システムは、1つ以上の第2の区画のうちの第2の区画内に位置する1つ以上のスワブを備えている。
【0018】
[0017]開示されたパッケージ、トレー、デバイス、システムおよび方法は、以下の図面を参照することによってより完全に理解することができる。この特許文献の内容の各部分は、米国および他の国の著作権法の下の著作権保護の対象である。本特許文献または本特許開示は、米国特許商標庁の利用可能に公開されているファイルまたはレコードに出ているので、本著作権の所有者は、本特許文献または本特許開示のファクシミリ複写について、何人によるものであっても異議を唱えないが、全ての著作権を保有している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】[0018]一体化された指示/手順表示を備える、カテーテル導入トレーの形態の例示的な医療手順トレーの上面図である。
図2】[0019]図1の例示的な医療手順トレーの上面、正面(すなわち近位)、右斜視図である。
図3】[0020]図1の例示的な医療手順トレーの右側立面図である。
図4】[0021]図1の例示的な医療手順トレーの背面(すなわち遠位)側立面図である。
図5】[0022]一体化された指示/手順表示を備える、図1のトレーよりも大きなカテーテル導入トレーの形態の他の例示的な医療手順トレーの上面図である。
図6A】[0023]カテーテル導入パッケージおよび/またはカテーテル導入トレーに備えられ得る例示的なスワブまたはスワブスティックの上面図である。
図6B】[0024]図6Aの例示的なスワブまたはスワブスティックの側面斜視図である。
図6C】[0025]細長い部材または棒の断面形状を示す、図6Aの例示的なスワブまたはスワブスティックの端面図である。
図7A】[0026]カテーテル導入パッケージおよび/またはカテーテル導入トレーに備えられ得る例示的なスワブまたはスワブスティックの上面図である。
図7B】[0027]図7Aの例示的なスワブまたはスワブスティックの側面斜視図である。
図7C】[0028]細長い部材または棒の図6Cに示された断面形状とは異なる断面形状を示す、図7Aの例示的なスワブまたはスワブスティックの端面図である。
図8】[0029]図7A~7Cに示されたスワブまたはスワブスティックと同様の例示的なスワブまたはスワブスティックを備える、カテーテル導入トレーの例示的なスワブ区画および小貯蔵またはオーバフロー区画の上面図であり、この図では、スワブ区画の固定構造からそれを解放するために、1つのスワブまたはスワブスティックが約90度回転されている。
図9】[0030]密封バッグの中に封入され、包装ラベルを有する例示的なカテーテル導入パッケージの上面図であり、この包装ラベルは、その上面および2つの側面に情報スクエアを有しており、これらの側面は、カテーテル導入パッケージが他のカテーテル導入パッケージと積層される場合であっても容易に視認可能である。
図10】[0031]密封バッグの中に封入され、包装ラベルを有する(図9に示されたカテーテル導入パッケージとは異なる)別の例示的なカテーテル導入パッケージの上面正面斜視図であり、この包装ラベルは、その上面および2つの側面(そのうちの1つの側面が見えている)に情報スクエアを有しており、これらの側面は、カテーテル導入パッケージが他のカテーテル導入パッケージと積層される場合であっても容易に視認可能である。
図11】[0032]密封バッグの外に出されているが、依然として同じ包装ラベルをその上に有する、図9の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図12】[0033]密封バッグの中にカテーテル導入パッケージを封入する前にカテーテル導入パッケージの他の構成要素の上に置かれたときに側面を折り曲げることができる位置を示すために追加された線を備える、図10の例示的なカテーテル導入パッケージの包装ラベルの平らにされた上面図である。
図13】[0034]例示的な詳細な指示/手順表示の文書すなわち使用法説明(DFU)文書をその上に示す、密封バッグおよび包装ラベルが取り外された後の例示的なカテーテル導入パッケージ(例えば、図9または図10の例示的なカテーテル導入パッケージ)の上面図である。
図14A】[0035]カテーテル導入パッケージに備えられ得る、例示的な詳細カテーテル導入指示/手順表示文書または使用法説明(DFU)文書のページを示している。
図14B】[0036]図14Aの例示的な詳細なカテーテル導入指示/手順表示または使用法説明(DFU)文書の別のページを示している。
図14C】[0037]図14Aの例示的な詳細なカテーテル導入指示/手順表示または使用法説明(DFU)文書の別のページを示している。
図14D】[0038]図14Aの例示的な詳細なカテーテル導入指示/手順表示または使用法説明(DFU)文書の別のページを示している。
図15A】[0039]カテーテル導入パッケージに備えられ得る例示的な患者教育情報シート/パンフレットの前面を示している。
図15B】[0040]図15Aの例示的な患者教育情報シート/パンフレットの裏面を示している。
図16】[0041]例示的なラベルまたはインサートシートをその上に示す、例示的な詳細な指示/手順表示文書または使用法説明(DFU)文書のない図13の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図17】[0042]例示的な会陰ケアまたはペリケアキット/パケットをその上に示す、例示的なラベルまたはインサートシートのない(例えば、図16の例示的なカテーテル導入パッケージと同様の)例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図18】[0043]別の異なる例示的な会陰ケアまたはペリケアキット/パケットをその上に示す、例示的なラベルまたはインサートシートのない(例えば、図16の例示的なカテーテル導入パッケージと同様の)例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図19】[0044]図18の例示的な会陰ケア(すなわちペリケア)キットまたはパケットの構成要素の分離された図である。
図20】[0045]指示/手順表示を備える帯をその上に示す、会陰ケア(すなわちペリケア)キットまたはパケットのない(例えば、図17または図18の例示的なカテーテル導入パッケージと同様の)例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図21】[0046]例示的なカテーテル導入トレーの周りに部分的にのみ折り重ねられ/包まれた無菌ラップを示す、帯のない(例えば、図20または図21の例示的なカテーテル導入パッケージと同様の)例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図22】[0047]完全に広げられているが、カテーテル導入トレーの下に依然として敷かれている無菌ラップを備える図22の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図であり、構成要素が取り出される前の、または、製造中/包装中に、無菌ラップ内に収められるべき全ての構成要素がラップ内に置かれた後の例示的なカテーテル導入トレーの内容物を示している。
図23】[0048]部分的に広げられ、例示的なカテーテル導入トレーの上に載った無菌手袋のパッケージを有する図23の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図24】[0049]例示的なカテーテル導入トレーの上に載った(防水性アンダーパッドおよび/または有窓ドレープを表す)パッド/ドレープを露出させた、無菌手袋のパッケージのない図24の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図25】[0050]スワブ区画内にあるとともに例示的なカテーテル導入トレーの小貯蔵またはオーバフロー区画の上に延在する滅菌ポビドンヨード溶液のパケットを露出させた、スワブ区画から移動したパッド/ドレープを有する図25の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図26】[0051]例示的なカテーテル導入トレーの小貯蔵またはオーバフロー区画の上に棒の近位端が延在するスワブ区画内のスワブまたはスワブスティックを露出させた、滅菌ポビドンヨード溶液のない図26の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図27】[0052]無菌液の注射器がカテーテルの膨張ポートに取り付けられた図27の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図28】[0053]カテーテルの遠位部分が、注射器またはカテーテル区画内に配置され、潤滑ゼリーの注射器が、注射器またはカテーテル区画に隣接して配置され、カテーテルの遠位領域または遠位端の上に潤滑ゼリーを分注する準備ができた、図28の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図である。
図29】[0054]カテーテルがトレーから取り出され患者に挿入された後の図29の例示的なカテーテル導入パッケージの上面図であり、ドレナージ管が患者の方向に延在している。
図30A】[0055]例示的なカテーテル導入システムの上面図である。
図30B】[0056]ラップに包まれた、図30Aの例示的なカテーテル導入システムのカテーテル導入トレーの上面図である。
図31A】[0057]例示的なカテーテル導入トレーおよびその内容物の等角図である。
図31B】[0058]内容物の一部が取り出された図31Aの例示的なカテーテル導入トレーの等角図である。
図31C】[0059]図31Aの例示的なカテーテル導入トレーの背面等角図である。
図32】[0060]全ての内容物が取り出された図31Aの例示的なカテーテル導入トレーの上面図である。
図33】[0061]例示的なカテーテル導入システムの上面図である。
図34】[0062]例示的な有窓ドレープの上面図である。
図35】[0063]例示的なスワブの等角図である。
図36A】[0064]例示的なカテーテル導入システムの等角図である。
図36B】[0065]図36Aの例示的なカテーテル導入システムの例示的なカテーテル導入トレーの等角図である。
図37A】[0066]例示的なカテーテル導入システムの等角図である。
図37B】[0067]図37Aの例示的なカテーテル導入システムの部分的に広げられたカテーテル導入トレーの等角図である。
図37C】[0068]図37Aの例示的なカテーテル導入システムの広げられたカテーテル導入トレーの部分等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0069]本発明は、様々な変更および代替形態を受け入れ得るが、図面には、本発明の特定の実施形態が例として示されており、本明細書ではそれらの実施形態が詳細に説明される。しかしながら、本明細書における特定の実施形態の説明は、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図しておらず、添付の特許請求項によって定義される本発明の趣旨および範囲内にある全ての変更、等価物および代替実施形態を包含することを意図していることが理解されるべきである。
【0021】
[0070]いくつかの実施形態を説明し図示する以下の説明および添付図は、本開示の様々な態様および特徴に基づく医療手順パッケージ、医療手順トレー、カテーテル導入パッケ
ージ、カテーテル導入トレー、および、これらに関連する構成要素、アセンブリ、システムなど、ならびに、これらを製造する様々な方法および使用する方法のいくつかの可能な構成を、非限定的な形で例示することを目的とする。
【0022】
[0071]本明細書では、(例えば、カテーテル導入手順を含む)様々な医療手順で使用されるものを含む様々なパッケージ、トレー、システム、アセンブリ、デバイスおよび方法が説明される。以下では、特定の実施形態を例として説明するが、説明される実施形態および例は、本発明を限定するものではない。したがって、例えば、カテーテル導入パッケージ、カテーテル導入トレー、カテーテル導入手順などに関する本発明の諸態様が説明されることがあるが、開示は、カテーテル導入に関係したパッケージ、トレー、システム/アセンブリ、手順などに限定されない。むしろ、本明細書に記載された実施形態に関連した本発明の原理は、他の実施形態および他のタイプのパッケージ、トレー、システム/アセンブリ、デバイス、方法などにも適用することができる。
【0023】
[0072]様々な実施形態によれば、上述した目的および本明細書の他の場所に記載された目的は、改良された医療手順パッケージおよび/または改良された医療手順トレー(例えば、より直観的に理解できるレイアウト、または、より良好に編成されたレイアウト、および/または、指示/手順表示をトレー上に備える)を提供することによって達成することができる。例えば、使いやすさを向上させる、適正な手法の順守を改善する、感染の可能性を低減させるなどの目的を達成するために、改良されたカテーテル導入パッケージおよび/または改良されたカテーテル導入トレーが提供され得る。
【0024】
[0073]様々な実施形態によれば、医療手順パッケージは、その中に医療手順トレーを備えていてもよい。医療手順パッケージは、さらに、その医療手順に必要または役立つ他の構成要素を備えていてもよい。本明細書で考えられる医療手順トレー(単数または複数)は、単段トレーであってもよく、または、多数の段を有していてもよい。この医療手順トレー(単数または複数)は、様々な形状およびサイズを有していてもよい。例えば、医療手順トレーは、全体にまたは概ね矩形、正方形、円形、卵形、三角形、六角形、多角形または他の形状を有していてもよい。この医療手順トレー(単数または複数)は、さらに、様々な形状およびサイズの多数の区画を備えていてもよい(例えば、それらの区画は、上述の形状のうちの任意の形状または他の形状を有していてもよい)。加えて、この医療手順トレー(単数または複数)および区画は、様々な寸法を有していてもよい。非限定的な例として、略矩形の医療手順トレーは、177.8mm(7インチ)から508.0mm(20インチ)の範囲の長さ、101.6mm(4インチ)から304.8mm(12インチ)の範囲の幅、および、25.4mm(1インチ)から101.6mm(4インチ)の範囲の高さを有していてもよい。一実施形態では、略矩形の医療手順トレー(例えば、図1~4に示されたカテーテル導入トレーと同様のカテーテル導入トレー)は、約279.4mm(約11インチ)の長さ、約215.9mm(約8.5インチ)の幅、および、約50.8mm(約2インチ)の高さを有していてもよい。一実施形態では、略矩形の医療手順トレー(例えば、図5,31A~31C,32に示されたトレーと同様)は、約355.6mm(約14インチ)の長さ、約215.9mm(約8.5インチ)の幅、および、約63.5mm(約2.5インチ)の高さを有していてもよい。
【0025】
[0074]様々な実施形態によれば、医療手順パッケージは、その中に1つ以上のカテーテル導入トレーを備えるカテーテル導入パッケージであってもよい。例えば、カテーテル導入パッケージは、より直観的に理解できるレイアウトまたはより良好に編成されたレイアウト、および/または、指示/手順表示をトレー上に備える、改良されたカテーテル導入トレーを備えていてもよい。以下では、カテーテル導入パッケージおよび/またはカテーテル導入トレーに関する様々な特徴が記載されるが、記載されるそれらの特徴を、カテーテル導入以外の手順に対して使用される医療手順パッケージおよび/またはトレーに含め
または適用することもできる。
【0026】
[0075]カテーテル導入パッケージは、カテーテル導入に必要または役立つ構成要素を備えていてもよい。カテーテル導入パッケージに含めることができるカテーテル導入に役立つ構成要素には、ドレナージシステム、ドレナージ/採集バッグ、ドレナージ管、カテーテル(例えば、フォーリーカテーテル)、ドレナージ排出口、安定化デバイス(例えば、C.R.Bard,Inc.のStatLock(登録商標)フォーリー安定化デバイス)、尿計量器、スワブ
またはスワブスティック、準備用の球体(例えば、脱脂綿球)、鉗子、検体または試料容器、試料に関する詳細を記入し、検体または試料容器に貼り付けることができるラベル、滅菌皮膚洗浄剤のパケットまたは容器(例えば、ポビドンヨード溶液のパケットまたは容器)、潤滑剤のパケットまたは容器(例えば、潤滑ゼリーの注射器)、無菌液の注射器(例えば、フォーリーカテーテルの保持バルーンを膨張させるための無菌水の10cc注射器)、患者にかける有窓ドレープ、患者の尻の下に敷くアンダーパッド(例えば、防水性吸収性アンダーパッド)、手袋(例えば、ゴム手袋、ラテックス手袋、ラテックスを含まない手袋のパッケージ)、無菌ラップ(例えば、CSRラップ)、帯(例えば、無菌ラップを、折り畳まれた形状に保つため)、会陰ケアパケット、手指殺菌剤(例えば、消毒用ハンドリンスゲル)、濡れたタオレット(例えば、カスチール石鹸タオレットのパッケージ)、指示/手順表示(例えば、健康管理提供者用の指示シート、および/または、患者用の指示パンフレット)、安全考慮事項/工程のチェックリスト、患者情報カルテ、インサートシート、包装ラベル、外容器(例えば、密封バッグ)、および/または、他の構成要素などが含まれ得る。カテーテル導入パッケージに含まれるこれらの構成要素は、別体のパッケージまたはバッグ(例えば、トレーの外側のパッケージ)に入れてカテーテル導入トレーの1つ以上の区画に備えられてもよく、または、第2のカテーテル導入トレーに備えられてもよい。
【0027】
[0076]このカテーテル導入トレー(単数または複数)には、トレー(単数または複数)上の論理的な位置に配置された工程順の指示/手順表示がラベル付けされていてもよい。カテーテル導入トレー(単数または複数)は、カテーテル導入手順をより直観的に理解できるレイアウトおよび構成を有していてもよい。単段カテーテル導入トレーが、例えば図1~4に示されており、以下に説明される。この単段カテーテル導入トレーは、略矩形の形状を有するとともに、様々な形状の多数の区画を備えている。この多数の区画は、工程順の指示/手順表示を備えており、また、改良されたレイアウトを有している。同様に、他の同様の単段カテーテル導入トレーが図5,31A~31C,32に示されている。
【0028】
[0077]様々な実施形態によれば、例えば図1~5に示されているように、カテーテル導入トレーは、主区画1と、注射器またはカテーテル区画2と、スワブ区画3と、小貯蔵またはオーバフロー区画4と、角貯蔵区画5と、を備えていてもよい。このトレーは、さらに、強化リブ(例えば、図2に示された強化リブ20。図31A~31Cの強化リブ205も参照されたい)を備えている。強化リブは、トレーを強化するのに役立ち、また、保持されたとき(例えば、片手で保持されたとき)に、トレーが曲がらないようにするのに役立つ。
【0029】
[0078]図1,2,5を参照すると、主区画1は、トレー内の最大の区画であり、カテーテル導入手順のための任意の数のアイテム(例えば、ドレナージシステム、採集バッグ、ドレープ、アンダーパッド、膨張用注射器および/または手袋)を収容することができる。カテーテル導入パッケージおよび/または主区画1に備えられ得るドレナージシステムは、例えば、ドレナージ/採集バッグ、ドレナージ管、カテーテル(例えば、フォーリーカテーテル)、ドレナージ排出口、尿計量器および/または他のドレナージシステム構成要素を備えていてもよい。これらのドレナージシステム構成要素は、予め接続され、予め接続された状態でカテーテル導入パッケージに収容されてもよく、または、後で組立/接
続される分離した構成要素として収容されてもよい。
【0030】
[0079]カテーテル導入パッケージに含まれるドレナージシステムおよび管は、そのシステムおよび管を通した尿のドレナージを改善するのに役立つ態様で構成および配置され得る。例えば、ドレナージシステムの管または他の構成要素は、ドレナージを改善するために、流体の表面張力を断ち切るように構成されてもよい。より低床のベッドに対応するためにドレナージ管を短くすることができ、または、様々なサイズのベッドに対応するためにドレナージ管の長さを調整可能とすることができる。管または他のドレナージシステム構成要素は、その中を通したドレナージを容易にするために、表面にコーティング(例えば、潤滑コーティング)を有していてもよい。任意選択で、管または他のドレナージシステム構成要素は、ドレナージを容易にするために、表面に超疎水性パターンを備えていてもよい。
【0031】
[0080]加えて、管または他のドレナージシステム構成要素のデュロメータには適当な範囲がある。しかしながら、コイル状に巻いてトレーに入れることができる構成要素(例えば、ドレナージ管および/またはカテーテル)については、室温で固まった形状を保持する傾向を有していない管デュロメータを有することが望ましい。例えば、コイル状に巻かれた構成要素に対して最終的に使用されるデュロメータが、トレーから取り出され使用に供されるときにその構成要素をコイル状形状のまま残す傾向を有していないことを確実にするために、様々なデュロメータを用いて実験することができる。ドレナージを容易にするためには、例えば、コイル状に巻かれた状態で主区画に入れられているにもかかわらず、患者に接続されたときに、ドレナージ管がコイル状に巻かれた状態を維持せず、ドレナージ管がまっすぐになる傾向を有するように、デュロメータをドレナージ管に与えることが望ましい。ドレナージ管は、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、ラテックス、Teflonまたは他のポリマー材料から形成されてもよい。
【0032】
[0081]図1に示されるように、トレーの側面8,9の外壁すなわち周囲壁は、主区画1の直交する2つの壁を形成するとともに、主区画1の角部を形成する。角部では、側面8,9の外壁すなわち周囲壁が互いに交わっている。追加的な2つの内壁10,12が、主区画1を他の区画から分離している。2つの内壁10,12は、(完全な高さを有するトレーの内壁または外壁に比べて高さが低い)高さの低い部分14,16を備えている。
【0033】
[0082]さらに、主区画1は、角部のところに、主区画1の床と主区画1の壁との間に形成された内部フィレット18を備えている。このようなフィレット18は、主区画1の角部を補強することができる。
【0034】
[0083]例えば図1,2,5に示されるように、トレーの主区画は、当該主区画上に一体化された指示/手順表示および/または他の情報を備えていてもよい。例えば、主区画は、当該主区画上に書かれたロゴまたは商標名(例えば「SureStepTM Foley Tray System」および「BARD」)を備えていてもよい。主区画は、さらに、またはその代わりに、カテーテル導入に関係した指示/手順表示であって、主区画上に印刷されるか他の方法で主区画上に含まれる指示/手順表示を備えていてもよい。例えば、主区画は、患者にカテーテルをどのように導入するのかに関する指示/手順表示、または、カテーテル導入後に実施する工程に関する指示/手順表示を備えていてもよい。任意選択で、主区画は、フォーリーカテーテルの適正な手入れおよびメンテナンスのための指示/手順表示を備えていてもよい。例えば図1および図5に示されるように、主区画上に一体化された指示/手順表示は、以下の指示/手順表示を備えていてもよい。「(1)StatLock(登録商標)でフォーリーを固定します」、「(2)バッグを膀胱よりも低い位置に配置します」、「クリップで管をシートに固定します」、「(3)挿入日を記録します」、「(4)病院の方針に従ってレッドシールを維持します」、「(5)カテーテルの必要性を日常的に評価します」。
これらの指示/手順表示または他の情報は、その指示/手順表示または他の情報を臨床医が確実に読むように視認性を高めるために、大文字または太字で表示されてもよいし、他の方法で注意喚起されてもよい。任意選択で、カテーテル導入後にカテーテルをどのようにして適正に手入れしメンテナンスするのかについて患者に指示することを健康管理提供者/臨床医に思い起こさせるために、指示/手順表示が主区画上に印刷されてもよく、または、備えられていてもよい。指示/手順表示は、患者に与えられるべき重要な指示を網羅することを健康管理提供者/臨床医が思い出すのに役立つように書かれてもよい。
【0035】
[0084]注射器またはカテーテル区画2は、細長い形状を有し、トレーのほぼ全長にわたっている。トレーの外壁すなわち周囲壁は、注射器またはカテーテル区画2の3つの壁を形成するのに寄与する。内壁12は、トレーの対向する外壁間すなわち周囲壁間にわたっており、注射器またはカテーテル区画2を、他の区画から(すなわち、主区画1およびスワブ区画3から)分離している。注射器またはカテーテル区画2は、1つ以上の注射器(例えば、潤滑ゼリーの注射器、および、保持バルーンを膨張させるための無菌液の注射器)および/またはカテーテル(例えば、フォーリーカテーテル)を収容できるサイズおよび形状を有している。例えば、潤滑ゼリーの注射器および10cc無菌水の注射器を、注射器またはカテーテル区画2に入れることができるが、エンドユーザ(例えば、臨床医)は、カテーテル導入時に注射器を取り出し、患者に挿入する前にカテーテルを(例えば、カテーテルの潤滑を容易にするために)注射器またはカテーテル区画2内に置くことができる。
【0036】
[0085]内壁12の一部分は、カテーテル区画2を主区画1から分離している。内壁12の一部は、(例えばトレーの外壁と同じ高さまで延在する)完全な高さを有するが、内壁12は、(内壁12、トレーまたは外壁の完全な高さに比べて低い)高さの低い部分16,22も備えている。内壁12の高さの低い部分16は、壁の切れ目または開口(これは、注射器またはカテーテル区画2を主区画1と流体連通させることができ、また、主区画1を注射器またはカテーテル区画2と流体連通させることができる)として機能することができる。高さの低い部分16に沿って、内壁12は、例えば図2,6に示されるように(図31A~31Cも参照されたい)、注射器またはカテーテル区画2と主区画1との間に小さな段を形成してもよい。この段は、例えば図2,6に示されるように(図31A~31Cも参照されたい)、注射器またはカテーテル区画2の床よりも低い/深い床を有する主区画1によって形成されてもよい。
【0037】
[0086]図1,2では、内壁の高さの低い別の部分(すなわち、高さの低い部分22)が、注射器またはカテーテル区画2をスワブ区画3から分離している。内壁12の高さの低い部分22は、トレーまたは外壁の完全な高さに比べて部分的なまたは低い高さを有する。図5は、高さの低い部分16の代替配置を示しており、この配置では、高さの低い部分16の両方が、内壁に沿って、注射器またはカテーテル区画と主区画との間に位置している(すなわち、注射器またはカテーテル区画とスワブ区画との間に高さの低い部分22がない)。他の配置および構成も可能である。注射器またはカテーテル区画2に注射器が入れられ、または、備えられる場合、高さの低い部分(例えば、高さの低い部分16,22)は、エンドユーザがトレー内に指を入れ注射器をつかむためのより開けた空間を提供することによって、注射器またはカテーテル区画2から注射器を容易に取出しやすくするのに役立つ。これによって、内壁12に高さの低い部分がなく、臨床医がより幅の狭い領域内で注射器をつかもうとしなければならない場合よりも、注射器の取出しが容易になる。
【0038】
[0087]例えば図1,5に示されるように、トレーの注射器またはカテーテル区画は、さらに、この区画上に一体化された指示/手順表示および/または他の情報を備えていてもよい。例えば、注射器またはカテーテル区画は、任意選択で、この区画上に書かれた、カテーテル導入に関係する指示/手順表示を備えていてもよい。図1,5に示されるように
、注射器またはカテーテル区画上に一体化された指示/手順表示は、以下の指示/手順表示を備えていてもよい、「ここで分注およびフォーリーの潤滑を行います」(あるいは、この指示を単に「フォーリーを潤滑します」とすることもできる)、「生殖器を後退させます(非利き手)」、「スワブを用いて患者の準備を行います(利き手)」、「カテーテルを挿入し、バルーンを膨張させます(利き手)」。図1,5に示され、上述されたとおり、これらの指示/手順表示は、所与の工程に対してどちらの手を使用するのか(例えば、利き手なのかまたは非利き手なのか)を、健康管理提供者に知らせることができる。これらの指示/手順表示または他の情報は、その指示/手順表示または他の情報を臨床医が確実に読むように視認性を高めるために、大文字または太字で表示されてもよく、他の方法で注意喚起されてもよい。
【0039】
[0088]カテーテル導入トレーの外壁すなわち周囲壁も、その上に、指示/手順表示または他の情報を備えていてもよいことに留意されたい。例えば、図1,2,5に示されるように、外壁すなわち周囲壁6は、指示/手順表示47「ヨードを開封します」を備えていてもよく、外壁すなわち周囲壁7は、指示/手順表示49「水注射器を取り付けます」を備えていてもよい。これらの指示/手順表示または他の情報は、その指示/手順表示または他の情報を臨床医が確実に読むように視認性を高めるために、大文字または太字で表示されてもよく、他の方法で注意喚起されてもよい。
【0040】
[0089]図3,4に示されるように、注射器またはカテーテル区画2のベース55は、他の全ての区画のベースからオフセットされていてもよい。言い換えると、トレーの頂部から注射器またはカテーテル区画2のベース55までの深さまたは離隔距離は、トレーの頂部から例えば主区画1のベース57までの深さまたは離隔距離と同じでなくてもよい。ベース55は他の区画のベースからオフセットされているので、注射器またはカテーテル区画の底部/床も、他の区画の底部/床からオフセットされており、これには、主区画1の底部/床からオフセットされていることも含まれる。
【0041】
[0090]スワブ区画3は、トレーの側面6に沿ったトレーの外壁すなわち周囲壁の一部分に沿って延在しており、外壁のその部分は、スワブ区画3の壁を形成している。スワブ区画3は、様々なアイテム(例えば、スワブまたはスワブスティックおよびヨード)を備えていてもよい。内壁10の一部分および内壁12の一部分は、スワブ区画3の2つの側面に沿って延在してスワブ区画3の壁を形成しており、また、スワブ区画3を、主区画1および注射器またはカテーテル区画2からそれぞれ分離している。さらに、スワブ区画3の第4の側面に沿って、小貯蔵またはオーバフロー区画4が延在している。一実施形態では、例えば図1,2に示されるように、内壁10は、スワブ区画3を主区画1から分離する完全な高さを有しており、内壁12は、スワブ区画3を注射器またはカテーテル区画2から分離するより低い高さ(すなわち、高さの低い部分22)を有する。一実施形態では、内壁10および内壁12が、スワブ区画3を、主区画1および注射器またはカテーテル区画2から分離するかどうかに関わらず、例えば図5に示されるように、内壁10と内壁12との両方が完全な高さを有する。
【0042】
[0091]スワブ区画3は、斜めの底部/床を有しており、この斜めの底部/床は、小貯蔵またはオーバフロー区画4と注射器またはカテーテル区画2の間に広がり、それらの区画間に下向きの勾配を有する(すなわち、カテーテル区画2の近くのスワブ区画3の底部/床は貯蔵区画4の近くよりも低い)。そのため、スワブ区画に注がれた流体は、カテーテル区画2へ向かう方向に流れ、スワブ区画3をカテーテル区画2から分離する内壁12の近くの(例えば、図1,2の高さの低い部分22に隣接した)スワブ区画の最も低い/最も深い部分すなわちウェル24に溜まることができる。例えば図1,2に示されるように、スワブ区画3の角部にも、主区画1のフィレット18と同様のフィレットが備えられてもよい。
【0043】
[0092]図8は、スワブ区画3および隣接する小貯蔵またはオーバフロー区画4の拡大図を示しており、スワブ区画3内にはスワブまたはスワブスティックが収容されている。小貯蔵またはオーバフロー区画4の近くでは、スワブ区画3の底部/床は、小貯蔵またはオーバフロー区画4をスワブ区画3から分離する(図2に示された)別の内壁30によって支持されてもよい。さらに、この内壁30は、(小貯蔵またはオーバフロー区画4の底部/床から)上方へ延在していてもよいが、スワブ区画3の底部/床までしか延在しておらず、小貯蔵またはオーバフロー区画4の近くのスワブ区画3の底/床は、障害物のないまま残っている(そのため、例えば図8に示されるように、それよりも長い棒/ステムを有するスワブまたはスワブスティックは、スワブ区画3の底部/床から、小貯蔵またはオーバフロー区画4の一部分の上へ延在していてもよい)。この構成または配置は、さらに、スワブ区画3にあまりに多くの流体/ヨードが注がれた場合に、小貯蔵またはオーバフロー区画4がオーバフローェルの役目を果たすことを可能にする。
【0044】
[0093]スワブ区画3の底部/床は、小貯蔵またはオーバフロー区画4とカテーテル区画2との間の領域に少なくとも部分的に沿って延在する1つ以上の溝28を備えている。カテーテル区画2の近くで、溝28は、スワブ区画3の底部/床の、内壁12に隣接した最も低い/最も深い部分すなわちウェル24まで延在し、また、ウェル24と流体連通している。その結果、溝(単数または複数)28に注がれた液体は、下向きの勾配に沿って溝(単数または複数)28を通って下方へ流れ、スワブ区画3の底部/床の、カテーテル区画2に近い最も低い/最も深い部分すなわちウェル24に溜まる。溝(単数または複数)28は、細長いデバイス(例えば、スワブまたはスワブスティック)を保持するように構成されていてもよく、溝28の各々は、複数の細長いデバイス(例えば、スワブまたはスワブスティック)を離間させるのを助けるために、1つ以上のバリヤ26によって分離されてもよい。溝(単数または複数)28は、さらに、細長いデバイス(例えば、スワブ、スワビングスティック、スワブスティック)を溝(単数または複数)28内に固定するのに役立つことができるアンダーカット構造またはスナップ嵌め構造(例えば、構造32)を備えていてもよい。
【0045】
[0094]例えば図1,5,8に示されるように、トレーのスワブ区画は、さらに、その上に一体化された指示/手順表示および/または他の情報を備えていてもよい。例えば、スワブ区画は、(例えば、バリヤ26のうちの1つの上に)任意選択で、スワブ区画上に印刷されるか他の方法で備えられた、カテーテル導入に関係する指示/手順表示を備えていてもよい。図1,5,8に示されるように、スワブ区画上に一体化された指示/手順表示は、指示/「ここにヨードを注ぎます」との手順表示を備えていてもよい。これらの指示/手順表示または他の情報は、その指示/手順表示または他の情報を臨床医が確実に読むように視認性を高めるために、大文字または太字で表示されてもよいし、他の方法で注意喚起されてもよい。
【0046】
[0095]1つ以上のスワブまたはスワブスティック(例えば、図6A~8に示されたスワブまたはスワブスティック34)をスワブ区画3内に入れ、(例えば、図8に示されているように)溝28内に保持することができる。スワブまたはスワブスティックは、スワブ区画3内にぴったりと収まり、溝28内に保持されるように特に構成されてもよい。スワブ区画3は、さらに、ヨードまたはポビドンヨード溶液を備えていてもよい。このヨードまたはポビドンヨード溶液は、スワブ区画3内のそれ自体の容器、パケットまたは注射器(例えば、図26に示されたポビドンヨードパケット52)に入れられてもよい。あるいは、このヨードまたはポビドンヨード溶液は、スワブ(単数または複数)またはスワブスティック(単数または複数)34と直接的に接触した状態で、スワブ区画3内に収容および/または封入(例えば、スワブ区画3の底部/床の一部分と接触するように収容/封入)されてもよい。
【0047】
[0096]図6A~6Cは、細長い部材または棒/ステム38を有するスワブまたはスワブスティック34の一実施形態を示している。この細長い部材または棒/ステム38は、図7A~7Cに示されたスワブまたはスワブスティック34よりも(例えば、断面が)丸い側面を有する。図7A~7Cは、細長い部材または棒/ステム38を有するスワブまたはスワブスティック34の一実施形態を示している。この細長い部材または棒/ステム38は、図6A~6Cに示されたスワブまたはスワブスティック34ほどには丸くない側面すなわち角ばった側面を有する。図6A~7Cに示されたスワブまたはスワブスティック34は、備えられ得る可能な他のスワブまたはスワブスティックを代表している。スワブまたはスワブスティック34は、吸収性ヘッド36と、細長い部材または棒/ステム38と、を備えている。吸収性ヘッド36は、洗浄溶液(例えば、ヨードまたはポビドンヨード溶液)中でのより高い飽和と、洗浄されるべき領域の表面領域とのより大きな接触と、を可能にするように構成される。吸収性ヘッド36は、様々な材料から形成することができ、このような材料には、発泡体、レーヨン(例えば、レーヨンのパフまたはレーヨンのスパイラル)、綿、他の材料、および/または、これらの材料のうちの1つ以上の材料の組合せが含まれる。吸収性ヘッドの飽和を向上させるために、吸収性ヘッド36は、洗浄溶液を容易に吸収し分散させる材料から形成されていることが望ましい。吸収性ヘッドで使用するためには、洗浄溶液中でその材料の十分な重量百分率を吸収する材料が望ましく、その材料がさらに、吸収された洗浄溶液の大きな百分率を放出する場合には特に望ましい。すなわち、大量の洗浄溶液を吸収し、さらに、洗浄のために患者に対して使用されるときに大量の洗浄溶液を放出する材料を使用することが望ましい。(レーヨンまたは他の材料とは対照的な)発泡体の吸収性ヘッド36を形成すると、洗浄溶液の吸収性および飽和性が改善された吸収性ヘッド36が得られることが分かった。さらに、発砲体の吸収性ヘッドは、洗浄されるべき患者の領域に接触させたとき、および、洗浄中の領域に押し付けられてわずかに圧縮されたときに、大量の洗浄溶液を容易に放出する。これによって、患者の領域の洗浄がより容易になり、エンドユーザは患者をより優しく洗浄することができる。吸収性ヘッド36が完全にまたは部分的に発泡体で形成されている場合、その発泡体は、オープンセル発泡体、クローズドセル発泡体、ポリウレタン発泡体、高密度発泡体、ラテックス発泡体、ハニーゴールド(honey gold)発泡体または他のタイプの発泡体とすることができる。吸収性ヘッドは、細長い部材または棒に接着するように加熱されてもよく(例えば、発泡体が加熱され、棒に接着されてもよい)、または、他の付着手段が使用(例えば、接着剤が使用)されてもよい。
【0048】
[0097]吸収性ヘッドに対して選択される発泡体または他の材料(単数または複数)は、洗浄溶液と接触したときに劣化せず、または、少なくとも劣化に対して抵抗することが好ましい。一実施形態では、スワブまたはスワブスティックは、ヨードまたはポビドンヨード溶液と接触した状態で収容されてもよく、そのため、カテーテル導入パッケージ内で最初にアクセスされたときに、スワブまたはスワブスティックは既に飽和している。例えば、洗浄溶液をスワブ(単数または複数)またはスワブスティック(単数または複数)の吸収性ヘッド(単数または複数)と接触した状態に保持するシールが、スワブ区画3内またはスワブ区画3の上に配置され、シールが取り外されるまで漏れが防止されてもよい。洗浄溶液と接触した状態で包装され保管されたときに、時間が経過しても吸収性ヘッドが劣化しないことが極めて重要である。例えば、ハニーゴールド発泡体は、ヨードまたはポビドンヨード溶液と接触したときの劣化に対する十分な抵抗性を有している。
【0049】
[0098]吸収性ヘッド36は、様々なサイズおよび形状を有することができる。発泡体は、洗浄されるべき領域の表面領域とのより大きな接触を提供するような形状に形成されることが好ましい。例えば、吸収性ヘッド36は、その遠位端または遠位領域(例えば、患者と接触する領域)が、患者と接触する可能性がより低い領域(例えば、近位端、または、吸収性ヘッド36が細長い部材または棒38に取り付けられる領域)よりも実質的に大
きくなるような形状に形成されてもよい。それによって、吸収性ヘッドの患者と接触する端部の表面積がより大きくなり、患者の洗浄がより迅速かつ容易になる。さらに、吸収性ヘッドの遠位領域の方が大きいと、ヨードの大部分は、患者と接触する領域に吸収される(反対に、吸収性ヘッドの最も大きな領域が遠位端または遠位端の近くにないときは、ヨードの多くが、患者に接触しない位置または患者を洗浄しない位置で吸収され、無駄となる)。吸収性ヘッド36は、図6A~7Bに示されるような形状に形成されてもよく、厚みよりも幅が大きくでもよい。吸収性ヘッド36は、全体にまたは概ね円形、矩形または台形に形成されてもよい。任意選択で、吸収性ヘッド36の形状は、全体にまたは概ね円錐形、角錐形、涙のしずく形、卵形または三角形であってもよく(より大きなベース端がスワブまたはスワブスティックの遠位先端に配置される)、あるいは、他の形状であってもよい。形状が略角錐形である場合、角錐形状の底面は、略三角形、正方形、五角形、六角形などの形状であってもよい。略円錐形、角錐形または他の形状であっても、吸収性ヘッドの遠位端の稜は、(例えば、図6A~7Bにおいて遠位稜が湾曲しているように)湾曲するか、テーパ状であってもよい。さらに、細長い部材または棒38の遠位端は、湾曲していてもよい(例えば、頂端または最も遠位側の端を平らにするのではなく、遠位端を半円形にしてもよい)。湾曲は、スワブまたはスワブスティックで洗浄するときに患者を傷つけにくいからである。
【0050】
[0099]一実施形態では、吸収性ヘッドの長さは、12.7mm(0.5インチ)から50.8mm(2インチ)の間(一実施形態では、この長さは約25.4mm(約1インチ)であってもよい)であってもよく、吸収性ヘッドの幅は、その最も広いところで、12.7mm(0.5インチ)から50.8mm(2インチ)の間(一実施形態では、その幅は、その最も広いところで、約25.4mm(約1インチ)であってもよい)であってもよく、吸収性ヘッドの幅は、その最も狭いところで、2.5mm(0.1インチ)から25.4mm(1インチ)の間(一実施形態では、その幅は、その最も狭いところで、約12.7mm(約1/2インチ)であってもよい)であってもよい。さらに、吸収性ヘッドの形状が略円錐形でも略角錐形でもない場合(すなわち、吸収性ヘッドの幅および厚みがどこでも同じであるような場合)、吸収性ヘッドは、幅よりも小さな厚み(例えば、2.5mm(0.1インチ)から25.4mm(1インチ)の間の厚みを有していてもよい(一実施形態では、この厚さは、約9.5mm(約3/8インチ)であってもよい)。
【0051】
[00100]一実施形態では、細長い部材または棒38の長さは、50.8mm(2インチ
)から177.8mm(7インチ)の間であってもよい(例えば、細長い部材または棒38の長さは、88.9mm(3.5インチ)から114.3mm(4.5インチ)の間であってもよく、または、約108.0mm(約4.25インチ)であってもよい)。吸収性ヘッド36内への棒38の貫入長さ(すなわち、吸収性ヘッドの近位端を超えて遠位方向へ延在する棒38の長さ)は、6.4mm(0.25インチ)から25.4mm(1インチ)の間であってもよい。この貫入長さが、吸収性ヘッドの全長に対して適当な範囲内にあることを確実にすることが好ましい。棒38が吸収性ヘッド36内へ入り込みすぎた場合には、棒38によって、患者の皮膚があまりにも容易に傷つけられる可能性がある(例えば、洗浄中に棒が患者をこする可能性がより高くなる可能性があり、また、棒が、十分な量の発泡体によって囲われない可能性がある)。一方で、棒38が吸収性ヘッド36内へ十分には延びていない場合には、吸収性ヘッド36は、構造を欠き、(特に液体で飽和している場合に)ガタつくであろう。このことは、エンドユーザが、スワブまたはスワブスティックの吸収性ヘッドを案内し、患者を有効に洗浄することをより困難にする。棒38の貫入長さは、吸収性ヘッド36の長さの35から70%の間であることが理想的であろう(例えば、貫入長さは、吸収性ヘッドの長さの約50%であってもよい)。細長い部材または棒38は、様々な材料から形成することができ、このような材料には、プラスチック材料またはポリマー材料が含まれる。
【0052】
[00101]細長い部材または棒38は、異なる様々な断面サイズおよび形状を有していて
もよい。例えば、スワブまたはスワブスティックは、比較的に平らにされてもよく、または、略矩形の断面(または、例えば図6Cに示されるように稜が丸い矩形状の断面、もしくは、例えば図7Cに示されるように稜が切り落とされた長方状の断面)を有していてもよく、そのため、保持するのがより容易である。図6A~6Cに示された細長い部材または棒38は、丸い稜を有するが、それを除けば、概ね矩形の形状を有する。この形状は、断面が円形の棒よりも、患者を清浄している間の保持および操作が容易な形状である。さらに、細長い部材または棒38のこの断面形状および類似の断面形状は、輸送中または使用前にスワブまたはスワブスティックが移動することを防ぐために、スワブまたはスワブスティックが、スナップ式にトレーにはめ込まれること、または、構造32の下に保持されることを可能にする。この断面を有するスワブまたはスワブスティックを取り外すためには、細長い部材または棒38を、時計回り方向または反時計回り方向に単純にひねるだけでよく、構造32は、使用するスワブまたはスワブスティックを容易に解放する。例えば、図8は、構造32の下の所定の位置にスナップ式にはめ込まれるか保持された2つのスワブまたはスワブスティックを示しており、さらに、構造32がもはやスワブスティックを保持せずまたはスワブスティックの取出しを妨げないようにひねられた1つのスワブまたはスワブスティックを示している。これによって、輸送中および使用前に、スワブまたはスワブスティックがスワブ区画3内において非常に安定するだけでなく、カテーテル導入時のスワブまたはスワブスティックの取出しが非常に単純かつ容易になる。
【0053】
[00102]一実施形態では、細長い部材または棒が、略平らな(例えば、略矩形の)形状
を有する場合、細長い部材または棒38の幅または直径は、約3.2mm(約1/8インチ)から約19.1mm(約3/4インチ)の間であってもよく(例えば、この幅は約6.4mm(約1/4インチ)であってもよい)、厚みは、1.6mm(1/16インチ)から12.7mm(1/2インチ)の間であってもよい(例えば、この厚みは約3.2mm(約1/8インチ)であってもよい)。細長い部材または棒は、略円形の断面を有するか、または、略円筒形である場合、細長い部材または棒38の直径は、3.2mm(1/8インチ)から12.7mm(1/2インチ)の間であってもよい(例えば、この直径は約6.4mm(約1/4インチ)であってもよい)。
【0054】
[00103]スワブまたはスワブスティックは、スワブまたはスワブスティックが、スワブ
区画3の底部の最も低い/最も深い部分すなわちウェル24に溜まったヨードにさらされ、ヨードまたはポビドンヨード溶液で容易に飽和するように、吸収性ヘッド36がスワブ区画3の底部の最も低い/最も深い部分すなわちウェル24内にあるような態様で、トレー内に装着され、保持される。しかしながら、細長い部材または棒38は、それ自体がヨードまたはポビドンヨード溶液にさらされないような態様で、トレー内に装着され、保持されてもよい。
【0055】
[00104]小貯蔵またはオーバフロー区画4は、トレーの外壁すなわち周囲壁6の一部分
に沿って延在しており、この一部分は、小貯蔵またはオーバフロー区画4の壁を形成している。小貯蔵またはオーバフロー区画4の他の3つの壁は、小貯蔵またはオーバフロー区画4を主区画1、スワブ区画3および角部区画5から分離する部分的な高さの内壁によって形成される。これらの区画は、小貯蔵またはオーバフロー区画4を、その3つの側面のところで取り囲んでいてもよい。小貯蔵またはオーバフロー区画4は、スワブ区画からオーバフローすることがある流体を集めるオーバフローウェルの役目を果たすことができる。任意選択で、小貯蔵またはオーバフロー区画4は、カテーテル導入に対して有用な1つ以上のアイテムを収容または保持することができる。
【0056】
[00105]例えば図1,5に示されるように、トレーの小貯蔵またはオーバフロー区画は
、さらに、その上に一体化された指示/手順表示および/または他の情報を備えていても
よい。例えば、小貯蔵またはオーバフロー区画は、任意選択で、この区画上に印刷されるか他の方法で備えられた、カテーテル導入に関係した指示/手順表示を備えていてもよい。図1,5に示されるように、小貯蔵またはオーバフロー区画上に一体化された情報は、健康管理提供者/臨床医は「完全な指示については使用法指示を参照する」べきであるとする注意書きを備えていてもよい。これらの指示/手順表示または他の情報は、その指示/手順表示または他の情報を臨床医が確実読むように視認性を高めるために、大文字または太字で表示されてもよく、他の方法で注意喚起されてもよい。
【0057】
[00106]角部貯蔵区画5は、トレーの外壁すなわち周囲壁6の一部分および外壁すなわ
ち周囲壁9の一部分に沿って広がっており、これらの一部分は、角部貯蔵区画5の2つの壁および角部を形成している。角部貯蔵区画5の他の2つの壁は、角部貯蔵区画5を主区画1および小貯蔵またはオーバフロー区画4から分離する部分的な高さの内壁(例えば、高さの低い部分14)によって形成されてもよい。これらの区画は、その2つの側面のところで角部貯蔵区画5を取り囲んでいる。
【0058】
[00107]角部貯蔵区画5の底部/床は、非平面であってもよい。すなわち、この底部/
床は、非平面の形状、丸い形状、または、部分的に円筒形の形状を有していてもよい。この形状は、検体または試料容器を保持するのに特に有用である場合がある。角部貯蔵区画は、カテーテル導入に対して有用な様々な器具を収容または保持することができる。例えば、角部貯蔵区画はラベルを保持することができ、このラベルは、第1の面に臨床医が記入することができ、第2の面を、検体または試料容器に貼り付けることができる。第2の面は、その上に既に接着剤を備えていてもよい。この接着剤は、取外し可能なカバーシートによって覆われてもよく、このカバーシートは、ラベルを貼り付けるときに剥がすことができる。角部貯蔵区画は、さらに、検体または試料容器54を備えていてもよい。
【0059】
[00108]一実施形態では、これらの区画のうちの少なくとも一部の区画は、その区画の
汚染を防ぐような形態で密封されてもよい。一実施形態では、これらの区画のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他の区画から独立して開封されてもよい。例えば、使用者は、最初に、他の区画が密封されたまま、主区画を開封してもよい。主区画に収容されるアイテムを使用した後に、使用者は、別の区画を開封し、その区画に収容されたアイテムを使用してもよい。
【0060】
[00109]一実施形態では、使用者は、注射器またはカテーテル区画2、または、主区画
1を開封する前に、スワブ区画3を開封してもよい。使用者は、ヨードまたは他の滅菌溶液をスワブ区画に注いでもよく、スワブ区画を使用してスワブに滅菌溶液を染み込ませ、次いで、ヨードが染み込んだスワブを使用して患者を洗浄してもよい。使用者は、次いで、主区画1を開封する前に、注射器またはカテーテル区画2を開封し、その中に潤滑剤を分注してもよい。使用者は、次いで、主区画1を開封して、カテーテルにアクセスしてもよい。カテーテル区画の形状およびサイズは、カテーテルの潤滑を容易にする(例えば、カテーテルの先端は、カテーテル区画の細長い形状内で回転することができ、その回転中にカテーテルの表面に潤滑剤を集めることができる)。カテーテルは、注射器またはカテーテル区画2内で潤滑され、次いで、患者の尿道に挿入されてもよい。
【0061】
[00110]様々な実施形態によれば、図1,2,5に示され、上述されたように、トレー
は、適当または好ましいカテーテル挿入手法のための順序付けされた工程順の指示/手順表示をトレー上に有していてもよい。
【0062】
[00111]カテーテル導入パッケージおよびカテーテル導入トレーを使用する例示的な手
順または方法の文脈、および、カテーテル導入パッケージを製造または包装する方法の文脈で、カテーテル導入パッケージ(単数または複数)およびカテーテル導入トレー(単数
または複数)の他の態様または特徴がさらに説明される。以下で説明される態様または特徴は、上述した様々な実施形態に組み込むことができる。構成要素の配置およびそれらの構成要素にどのようにアクセスするのかは、カテーテル導入パッケージの直観的に理解できる全体設計の一部である。すなわち、工程から工程へ進んで、カテーテル導入手順をより直観的に理解できるようにし、手順をより容易および/または迅速に完了する論理的な態様で、構成要素および構造が配置される。カテーテル導入パッケージ内の構成要素の段階的な順序付けは、使用者/臨床医が、どの工程が次に来るのかを論理的に知るのを助ける。例えば、パッケージ内の第1のアイテムを露出させ、次いで、第1のアイテムが使用された後に、第1のアイテムの下にあった、カテーテル導入手順で使用する次の論理的アイテムである第2のアイテムを露出させる。第2のアイテムが使用された後、第2のアイテムの下にあった、カテーテル導入手順で使用する次の論理的アイテムである第3のアイテムを露出させることができ、以下同様に操作することができる。
【0063】
[00112]本明細書に記載されたカテーテル導入パッケージ(単数または複数)およびカ
テーテル導入トレー(単数または複数)は、多くの異なる態様で使用することができる。以下では、例示的かつ非限定的な使用方法が説明される。しかしながら、状況および患者の固有のニーズの求めに応じて、臨床医は、本明細書に記載された工程もしくは手順を変更してもよく、工程の順序を入れ替えてもよく、記載された工程以外の追加の工程が実行されてもよく、および/または、ある種の工程が省略されてもよい。また、以下の説明を、多くの工程を有する手順全体の説明と考えることができ、または、記載された工程のサブセットのみをそれぞれが含む、一連の方法または手順の説明と考えることもできる。
【0064】
[00113]まず、例えば図9,10に示されるようなカテーテル導入パッケージが用意さ
れてもよい(例えば、健康管理提供者/臨床医は、棚からもしくは購入によってこのカテーテル導入パッケージを取得もしくは選択することができ、または、カテーテル導入を待っている患者のいる病室に置いてもよい)。図9,10から分かるように、カテーテル導入パッケージは、(例えば、外容器60(例えば、密封バッグ)によって密封されてもよい。外容器60は、カテーテル導入パッケージのその他の内容物を、それらの内容物が無菌状態に維持され適正に収容されるように取り囲む。カテーテル導入パッケージの密封バッグ(または他の外容器)のすぐ内側に、紙または厚紙の包装ラベル62が備えられてもよい。外容器60(または密封バッグ)は透明であってもよく、または、少なくとも部分的に透明であってもよい。その結果、ラベル62またはラベルの部分を臨床医が見ることができる。ラベル62は、カテーテル導入パッケージの側面に沿って広がるような態様で折り曲げることができる側面64を備えていてもよい。ラベルは、1つ、2つ、3つ、または、4つの側面を備えていてもよい。例えば、図11,12は、それぞれ、大きな上面部分66と、大きな上面部分66がある平面とは異なる平面内に折り曲げることができるそれよりも小さな3つの側面すなわち側面部分64と、を有するラベル62を示している。図12上の線は、側面または側面部分を形成するための折り目を作ることができる場所を示している。一実施形態では、ラベルが、3つではなく4つの側面すなわち側面部分64を有する。
【0065】
[00114]包装ラベル62は、指示および/または他の情報をラベル上に備えていてもよ
い。例えば、ラベル62は、カテーテルを導入するための初期の指示を備えていてもよい。ラベル62は、ラベル上に印刷されるか他の方法で備えられたロゴ、商標または製品名(例えば、「SureStepTM Foley Tray SYSTEM」、「Lubri-sil(R) I.C. Complete Care(R)」および/または「BARD」を備えていてもよい。ラベル62は、さらに、またはその代わりに、カテーテル導入に関係した、ラベル62上に書かれた指示を備えていてもよい。例えば、このラベルは、図9~12のラベル62の上面部分66の左下の4分割部分に示されているように、その患者が留置尿道カテーテル使用のためのCDCガイドラインを満たしているか否かを確認するための指示(単数または複数)40を備えていてもよい。この
ラベルは、(例えば、図9~12に示されたラベル62の上面部分66の左下の4分割部分に示されているように)患者がCDCガイドラインのもとで留置尿道カテーテル使用に対して適格であることを示す様々な因子を確認するためのチェックリスト41を備えていてもよい。ラベル62は、さらに、図9~12のラベル62の上面部分66の右側に示されているように、カテーテル導入パッケージの構成要素のリスト42を備えていてもよい。これらの指示または他の情報は、その指示または他の情報を臨床医が確実に読むように視認性を高めるために、大文字または太字で表示されてもよく、他の方法で注意喚起されてもよい。
【0066】
[00115]包装ラベル62は、さらに、単純化され読みやすい態様で注意喚起された基本
的情報または変数を備えていてもよい。例えば、1片の基本的情報または変数の注意喚起された読みやすい表示をそれぞれが有する視覚的識別子、スクエア、他の形状、および/または、他の構造が備えられてもよい。図9~12では、ラベル62は、カテーテル導入パッケージに関する1片の基本的情報の表示をそれぞれが含む情報スクエア44を備えるものとして示されている。情報スクエア44は、本質的に、ある範囲の可能性または変数から、カテーテル導入トレーに関する特定の情報を、隔離および明示する。以下のものを含む様々な特徴または変数が注意喚起され得る。(1)トレーが、ドレナージバッグまたは尿計量器を備えているのか否か、(2)カテーテルのフレンチサイズ、(3)含まれるカテーテルのタイプ、(4)カテーテルまたは他の構成要素で使用されている材料の基質タイプ(例えば、ラテックス材料なのかまたはラテックスを含まない材料なのか)、(5)特別な構成要素または構造(例えば、StatLock(登録商標)固定デバイスを含むこと、特別な感染制御コーティングを含むこと、または、他の構造を含むこと)。このように、特定の変数を、他のあらゆるものから切り離して注意喚起すると、健康管理提供者は、カテーテル導入パッケージまたはトレーの中にあるものを一目で理解することができる。したがって、健康管理提供者は、そのカテーテル導入パッケージまたはトレーの他とは異なる基本的要素が何であるのかを速やかに決定することができる。例えば、図9に示されたカテーテル導入パッケージと図10に示されたカテーテル導入パッケージの両方が同じ棚に保管されている場合、健康管理提供者は、情報スクエア44を見るだけで、それらのカテーテル導入パッケージ間の主要な相違点を速やかに見分けることができるであろう。図9の情報スクエア44から、図9のカテーテル導入パッケージが、フレンチサイズ18のカテーテルと、ドレナージバッグと、BardのStatLock(登録商標)と、を備え、非ラテックスカテーテルであることがすぐに見分けられる。図10の情報スクエア44から、図10のカテーテル導入パッケージが、フレンチサイズ16のカテーテルと、ドレナージバッグと、BardのStatLock(登録商標)と、を備えていることがすぐに見分けられる。
【0067】
[00116]さらに、包装ラベル62は、多数の平面において視認可能となるように構成さ
れてもよい。ラベルは、上から視認可能であることに加えて、カテーテル導入パッケージが側面から見られたときに視認可能な側面すなわち側面部分をそのラベル(または、ラベルの一部分)が形成するような態様で、カテーテル導入パッケージの縁のところで折り曲げるように構成されてもよい。図9~12では、ラベル62は、情報スクエア44がカテーテル導入パッケージの上から、および、トレーの少なくとも2つの側面から視認可能なように構成されている。任意選択で、ラベルは、カテーテル導入パッケージの全ての側面(例えば、3つまたは4つの側面)に情報スクエア44が出現するように構成されてもよい。このようにすると、カテーテル導入パッケージをどのように積み重ねても、ラベルを見ることができる。さらに、多数のカテーテル導入パッケージが互いに積み重ねられていることがあるが、それでも、カテーテル導入パッケージの1つ以上の側面に情報スクエアがあるので、臨床医は、積み重ねられたパッケージの側面から、いずれのカテーテル導入パッケージが特定の患者に対する所望のパッケージであるのかを速やかに見分けることができる。
【0068】
[00117]カテーテル導入パッケージは、情報スクエア44に基づいて(例えば、情報ス
クエア44に目を通した後に)選択することができる。カテーテル導入パッケージを用意/取得/選択した後、使用者は、容器(例えば、密封バッグ)を開封し、カそれをテーテル導入パッケージの残りの部分の周囲から取り除くことができる。容器(または、密封バッグ)が取り除かれた後、カテーテル導入パッケージの残りの部分は、例えば図11に示されるように見える。
【0069】
[00118]使用者は、次いで、ラベル62を取り外し、それをわきに置いて、ラベル62
の下にあった他の構成要素を露出させることができる。例えば、図9~11に示されたカテーテル導入パッケージからラベルが取り外されると、例えば図13に示されるように、カテーテル導入のための詳細指示、または、カテーテル導入パッケージもしくはトレーの使用法説明文書68を露出させることができる。これにより、安全考慮事項に関する詳細指示および/または情報は、カテーテル導入パッケージ内でアクセスされる最初のアイテムのうちの1つである。詳細指示を一番前に提供することによって、他のどの工程よりも前に、かつ、カテーテル導入トレーの周りのCSRラップによって形成された無菌フィールドを破る前に、使用者/臨床医/健康管理提供者が手順全体を概観することができる。このことは、より効率的かつ安全に手順を実行するのに役立つ。図14A~14Dの文書68の様々なページ上で、例示的な詳細指示のページを見ることができる。図14A~14Dに含まれる全ての工程は、例示的なカテーテル導入方法または手順として実行することができる。
【0070】
[00119]さらに、関連する患者教育情報を提供することもできる。この患者教育情報は
、詳細指示に添付されてもよく、または、それとは別にカテーテル導入パッケージ内に配置されてもよい。この患者教育情報は、留置カテーテルの手入れに関して患者に指示するために健康管理提供者によって使用されてもよく、最終的には、参照用に患者に与えられてもよい。図15A,15Bは、カテーテル導入トレー内の患者シート/パンフレット70上に含めることができる患者教育情報の例を示している。図15Aは、患者教育情報シート70の英語で書かれた第1の面を示し、図15Bは、患者教育情報シート70のスペイン語で書かれた第2の面を示している。
【0071】
[00120]この詳細指示または使用法説明文書の下に、カテーテル導入パッケージは、安
全考慮事項/工程のチェックリスト、患者情報カルテ、または、同じシート上に併載された安全考慮事項/工程と患者情報カルテとを含むインサートシートを備えていてもよい。図16は、患者情報をその上に記録または記入することができ、安全情報を含む例示的なインサートシート72を示している。このインサートシート72には、詳細指示がパッケージから取り出された後にアクセスすることができる。インサートシート72をこの位置に置くことは、患者を治療する前に最後の安全チェックを実行するため、および、重要な患者情報を手元に置くために有益である場合がある。インサートシート72は、ステッカラベルとして構成されてもよい。例えば、インサートシート72は、ステッカ接着剤を保護する裏当てを備えていてもよく、裏当てが剥がされたときに、インサートシート72が、患者に関連したファイルまたはカルテに貼り付けられてもよい。
【0072】
[00121]詳細指示68およびインサートシート72をカテーテル導入パッケージから取
り出した後、図17および18に示されるように会陰ケア(またはペリケア)パケットまたはキット74が露出し、これにアクセスすることができる。ペリケアキットは、カテーテル導入を実施する領域を、ヨード溶液を使用してその領域をさらに洗浄および滅菌する前に、初期洗浄するのに役立つ。このことは、非常に汚れており、ヨード溶液を最も有効とするためにはその前に初期洗浄を実施しなければならない患者に対して特にあてはまる。このペリケアキットは、患者の会陰の初期洗浄または会陰ケア一般に役立つアイテムを備えていてもよい。例えば、図18,19に示されるように、ペリケアキットは、健康管
理提供者が自分の手を滅菌するための手指殺菌剤76(例えば、消毒用ハンドリンスゲル)と、濡れたタオレット78(例えば、カスチール石鹸タオレットのパッケージ)と、指示/手順表示80(例えば、健康管理提供者に対する指示/手順表示、および/または、患者に対する指示)と、を備えていてもよい。手指殺菌剤は、改良された効能を有するように、および/または、片手での使用を可能にするように構成されてもよい。
【0073】
[00122]図17~19に示されるように、複数のアイテム/構成要素を一緒にしておく
ために、ペリケアキットのアイテムが、バッグ82(例えば、ジップロック(登録商標)袋)または他のパッケージに含められてもよい。一実施形態では、使用されるバッグのタイプは、ジッパ84を備える袋である。このようなタイプのバッグは、例えばジッパを備えていないバッグまたは引き裂いて開封しなければならないバッグよりも、手袋をはめたまま開封するのが容易であることが分かっている。しかしながら、ジッパまたはジップロック機構の代わりに、バッグ上にミシン目を有するバッグも考えられる。そのようなバッグは、より安価に製造できる場合がある。
【0074】
[00123]例示的なペリケア指示/手順表示80が図17~19に示されている。指示8
0は、健康管理提供者に以下のことを知らせることができる。「1.手を洗い、手袋を装着します」、「2.患者に手順を説明し、ペリケアキットを開封します」、「3.提供されたタオレットのパケットを使用して患者の尿道周囲領域を洗浄します」および「手袋を外し、提供されたアルコール手指殺菌剤ゲルを用いて手を清潔にします」。他の指示/手順表示も可能である。この例示的な方法は、指示上の工程として上に列挙された4つの工程のうちの一部または全部の工程を実行することを備えていてもよい。
【0075】
[00124]この例示的な方法は、3つの主要な段階、すなわち、(A)初期ペリケア段階
、(B)カテーテル導入段階、および、(C)カテーテル手入れおよびメンテナンス段階を経て進行することができる。これらの段階の各々は、指示/手順表示、および/または、他の材料上に、これらの異なる主要な段階であることを表す大きな「A」、「B」または「C」とともに示される。ペリケア指示80上に示されているとおり、指示/手順表示の最上部には、最初の段階であることを示す大きな「A」がある。本明細書の他の場所で説明されているが、帯46は、第2の段階を示す大きな「B」を備えており、カテーテル導入トレーの主区画1は、第3の段階を示す大きな「C」を備えている。
【0076】
[00125]ペリケアキットを取り出して使用した後、図20に示されるように、帯/表示
包装46が露出されてもよい(図30Bの表示包装140も参照されたい)。帯46は、少なくとも1つの方向にトレーを一周してもよい。帯46は、CSRラップを無傷に保ち、無菌バリヤを維持するのを助けることができる。帯46は、さらに、全ての内容物をトレー内に保つのを助けることができ、そのため、アイテムが動き回らない。
【0077】
[00126]帯/表示包装46は、指示/手順表示、および/または、他の情報をその上に
備えていてもよい。例えば、図20に示されるように(図30Bも参照されたい)、この帯は、患者に対してトレーをどのような向きに置くのかを健康管理提供者に知らせる指示/手順表示を備えていてもよい。例えば、この帯には、「挿入部位の方へ向けてください」と書かれていてもよく、この帯は、患者の会陰および尿路の最も近くに配置されるべきカテーテル導入トレーの端部を指し示す矢印を有していてもよい。これによって、CSRラップが開封されたときに、トレーが、最も論理的で直観的に理解できる使用に対して適正に配置されていることが確実になる。
【0078】
[00127]さらに、図20に示されているように(図30Bの表示包装140も参照され
たい)、帯46は、以下の指示/手順表示を備えていてもよい、「適正な無菌性手法を利用します」、「(1)CSRラップを開封します」、「(2)無菌手袋を装着します」、
「(3)アンダーパッドを敷きます」、「(4)有窓ドレープをかけます」、および、(5)「トレー指示に従います」。これらの指示/手順表示は、これらの指示/手順表示が、第2の段階すなわちカテーテル導入段階の部分であることを示す大きな「B」を、最上部に備えている。これらの指示/手順表示は、CSRラップを開封すること、および、CSRラップが開封された後に他の工程を実行することを健康管理提供者に知らせる。無菌バリヤを破る前にこの情報を提供することは、手順を事前に概観する機会を健康管理提供者に与え、CSRラップを開封することによって無菌バリヤが破られたときには健康管理提供者の準備ができていることを確実にする。任意選択で、帯の代わりに、ラベルまたはステッカが使用されてもよく、そのラベルまたはステッカは、本明細書に記載された帯と同じ情報を提供してもよい。
【0079】
[00128]トレーの向きが定められ、健康管理提供者が帯指示/手順表示を読んだ後、次
の工程は、帯を開封し、および/または、帯を取り外す工程である。帯を取り外した後、無菌ラップ56(例えば、CSRラップ)を開封することができる。図21は、無菌ラップ56を広げることを表現するために、無菌ラップ56の3つの角部が広げられたカテーテル導入トレーを示している。帯および無菌ラップが開封されるまで、カテーテル導入トレーおよびその構成要素の無菌バリヤは破られていないことに留意されたい。これによって、初期ペリケア段階が完了される間、および、カテーテル導入に対してトレーが適正な位置および向きに置かれる間、無菌バリヤが維持される。この例示的な方法のこれらの初期工程の間、無菌バリヤを無傷のままにしておくことによって、汚染およびその結果として生じる患者感染の機会がより少なくなる。
【0080】
[00129]帯46によって指示されたとおりの向きにカテーテル導入トレーが置かれてい
る場合、無菌ラップ56(例えば、CSRラップ)が開封されると、トレーは、カテーテル導入トレーおよびその構成要素の論理的で都合のよい使用に対して適正な向きに置かれる。このトレーは、本明細書に記載された段階的な論理的使用のために配置および順序付けされている。無菌ラップ56を完全に開封した後のトレーの初期の図が図22に示されている。(無菌ラップ56の実際の縁部が図22~29に示された破断縁部を超えて広がっていることを示すために、破断線が使用されている。)カテーテル導入のための無菌フィールドを形成するために、無菌ラップ56がカテーテル導入トレーの下に留まっていてもよいことに留意されたい。図22およびその他の図に示されたトレーは、カテーテル導入トレーの下縁部の近くに立ち、注射器またはカテーテル区画が健康管理提供者から遠い側に配置されたときに、右利きの健康管理提供者が使いやすいように、右利きの人向けに作られている(すなわち、帯が、脚と脚との間の生殖器の方を指している場合、右利きの使用者は、患者の右脚に近い方の側に立つ)。あるいは、カテーテル導入トレーは、左利きの人向けであってもよい(例えば、本質的に、外壁7に沿って、あるいは、注射器またはカテーテル区画に沿って配置された鏡による図22~29に示されたトレーの鏡像)。
【0081】
[00130]帯46上に指示されているとおり、最初にCSRラップを開封した後、健康管
理提供者は、次に、トレー内に提供された無菌手袋を装着する。図22に示されるように、CSRラップが開封された後のトレー内の一番上のアイテムは、無菌手袋のパッケージ58である(手袋のカフ端をパッケージ58上に示すことができることに留意されたい)。無菌手袋は、適当であることが知られている材料(例えば、ラテックス材料、ゴム材料、または、ラテックスを含まない材料)から製作されてもよい)。無菌ラップの下のトレーの一番上にこのように手袋を置くことは、先に進む前に手袋を装着すべきであることを健康管理提供者が直観的に知るのに役立つ(直観的であるので、帯46上の指示/手順表示を再び参照することが不必要となり得る)。手袋のパッケージ58は、カフを健康管理提供者の方へ下方に折り返し、次いで、本を開くようにパッケージを開封することによって、図23に示されるように開封され得る。この直観的に理解でき論理的な態様で開封された場合、手袋の装着が容易になるように、健康管理提供者の左側に左手の手袋が配置さ
れ、健康管理提供者の右側に右手の手袋が配置される。左右の手袋を識別するために、例えば図23に示されるように、パッケージ58上に記号または他の表示が備えられてもよい。
【0082】
[00131]帯46上に指示されているとおり、手袋を装着した後、健康管理提供者は、患
者の尻の下にアンダーパッドを敷く。図24に示されるように、手袋のパッケージがトレーから取り出された後、アンダーパッドおよび有窓ドレープが露出する。図24に示された折り畳まれたパッド/ドレープ86は、(1)防水性アンダーパッドおよび(2)別個の有窓ドレープを代表している。このアンダーパッドは、防水性の面と液体吸収性の面とを有していてもよい。その場合、吸収性の面は患者の下に上向きに置かれ、防水性の面(または、プラスチック面)は下向きに置かれる。帯46上に指示されているとおり、アンダーパッドを敷いた後、健康管理提供者は、有窓ドレープの中心開口を通じて生殖器が見えるように有窓ドレープを患者にかける。図24では、アンダーパッドと有窓ドレープとは別個のものとしては示されていないが、これらは、ともに、パッド/ドレープ86の領域に備えられており、アンダーパッドが有窓ドレープの上になるように配置されている(すなわち、これは、最初にアンダーパッドが敷かれ、それによって、その後にかけられる有窓ドレープが露出するからである)。この有窓ドレープは、ドレープを臨床医から遠ざかる方向へ開くことが直観的に理解できるように論理的に配置され、折り畳まれている。この点は、ドレープを最も有利に使用する上で好ましい。
【0083】
[00132]帯46上に指示されているとおり、有窓ドレープをかけた後、健康管理提供者
は、指示/手順表示に従い、および、/または、カテーテル導入トレー上に書かれた工程を実施する。図25に示されるように、アンダーパッドおよび有窓ドレープを取り出すと、滅菌溶液(例えば、ポビドンヨード溶液)のパッケージ52が露出する。(図25は、スワブ区画3の上から主区画1内へ移動させた有窓ドレープを示していることに留意されたい。ドレープをこのように移動させるか、または、有窓ドレープを患者にかけると、スワブ区画内の滅菌溶液が露出する)。さらに、トレーの左側に、トレー上の第1の指示/手順表示47(すなわち、「(1)ヨードを開封します」。この指示の変形または他の指示も可能である)が見える(帯46によって指示されたとおりの向きに置かれている場合、トレーの左側は、患者およびカテーテルが導入される領域に最も近い側でもある)。人は英語を左から右に読むので、第1の指示47を左に置くことは論理的であり、左にある指示から始めることは直観的に理解できるものである(左から右へ読まない国では、これは調整され得る)。さらに、この指示/手順表示は、トレー内の滅菌溶液またはヨード溶液52の近くに配置されており、これによって、この指示/手順表示に従うことがより容易かつ直観的に理解できるものになる。
【0084】
[00133]臨床医が右利きであり、トレーが、帯46によって指示されたとおりの向きに
置かれていると仮定すると、滅菌溶液またはヨード溶液52は、自動的に患者の最も近くに配置される。(しかしながら、上述したとおり、トレーが左利きの人向けに作られている(例えば、本質的に図のトレーの鏡像である)場合には、帯によって指示されたとおりにトレーを配置した左利きの使用者も、滅菌溶液またはヨード溶液を自動的に患者の最も近くに配置するように、別の配置も可能である(例えば、左利きの臨床医は、トレーの右利きの臨床医が立つ側とは反対の側、または、患者の左脚に近い側に立つ)。)滅菌溶液またはヨード溶液(およびスワブ区画)を患者の最も近くに配置することは、トレーを使用する上で好ましい。スワブ区画3およびヨード溶液のウェルを患者の最も近くに置くことは有益である。それは、そうすることによって、滅菌溶液またはヨード溶液で飽和したスワブを、トレーを横切って引きずるか移動させることが防止されるからである(トレーの他の構成要素の上を横切ってスワブを移動させた場合には、それらの構成要素の上にスワブが滴を落とす可能性がある)。
【0085】
[00134]図26は、ポビドンヨード溶液を取り出した後のカテーテル導入トレーを示し
ている。滅菌溶液またはヨード溶液のパケット52を取り出すと、スワブまたはスワブスティック34と、トレー上の第2の指示/手順表示48と、が露出することに留意されたい。これは、滅菌溶液またはヨード溶液のパケットを持ち上げた後に、健康管理提供者が第2の指示48に論理的に従うことに直観的につながる。トレー上の第2の指示48は、スワブ区画3内にあり、「(2)ここにヨードを注ぎます→」と表示し、スワブ区画3の最も低い/最も深い場所すなわちウェルを指す(この指示の変形または他の指示も可能である)。スワブ区画3のバリヤまたは溝の上に滅菌溶液またはヨード溶液が注がれた場合、その傾斜によって、最も低い/最も深い場所すなわちウェルへ溶液が確実に流れる。
【0086】
[00135]スワブの吸収性ヘッドが滅菌溶液またはヨード溶液を吸収し始めるように、健
康管理提供者が滅菌溶液またはヨード溶液をスワブ区画3のウェルに注いだ後、健康管理提供者は、次いで、第3の指示/手順表示49によって指示されたとおりに、カテーテル92(例えば、フォーリーカテーテル)の膨張ポートに無菌液の注射器88を取り付けることができる。第3の指示49は、健康管理提供者が滅菌溶液またはヨード溶液を注いだばかりのスワブ区画のウェルから遠くない位置であって、第3の指示で使用される無菌液の注射器の近くの位置の、トレーの外壁7上に論理的に配置されている。第3の指示49は、「(3)水注射器を取り付けます」と表示している(この指示の変形または他の指示/手順表示も可能である)。図27は、カテーテル92の膨張ポートに取り付けられた後の無菌液または無菌水の注射器88を示している。
【0087】
[00136]注射器またはカテーテル区画から無菌液の注射器88が取り出された後、(以
前は無菌液の注射器によって隠れていた)第4の指示/手順表示50が露出する。第4の指示50は、健康管理提供者に以下のことを知らせてもよい。「(4)カテーテルを潤滑します」もしくは「(4)ここで分注およびフォーリーの潤滑を行います」または同様の内容(この場合も、この指示の変形または他の指示/手順表示が可能である)。実際、カテーテルの潤滑は、健康管理提供者によって実施される次の工程である。これを実行するために、健康管理提供者は、潤滑ゼリーの注射器89を取り出す。この取出しによって、以前は潤滑ゼリーの注射器89によって隠れていた第5、第6および第7の指示/手順表示が露出する。健康管理提供者は、次いで、所望の方式でカテーテルを潤滑してもよい。一実施形態では、健康管理提供者は、カテーテル92(このカテーテルはフォーリーカテーテルであってもよい)の上からプラスチックラップ90(図27,28に示されている)を取り除き、カテーテル92の一部分を、例えば図28に示されるように注射器またはカテーテル区画2内へ移動させる。注射器またはカテーテル区画2内にフォーリーカテーテル92の遠位端94を置くことは、潤滑およびカテーテル導入のためにカテーテル92を整列させるのに役立つ。例えば、図28に示されるように、カテーテル92の遠位端94が注射器またはカテーテル区画2の左端の側面の近くに配置されると、カテーテル92の遠位端94は、患者およびカテーテルが導入される領域に非常に近い位置に配置される(帯46によって指示されたとおりの向きにトレーが置かれていると仮定する)。さらに、カテーテル92の遠位先端は、本質的に、カテーテル92の遠位先端が、カテーテルが導入される領域を指すように配置され、その結果、健康管理提供者がカテーテル92を単純に持ち上げて、カテーテル92が指している方向へカテーテル92を短い距離だけ移動させて、患者へのカテーテル92の挿入を始めることができるように、位置決めされる。カテーテル92が、注射器またはカテーテル区画2内に配置された後、使用者は、注射器またはカテーテル区画2内のカテーテル92の遠位部分上に、注射器89から潤滑ゼリーを分注することができ(例えば、注射器またはカテーテル区画の左側の患者およびカテーテルが導入される領域の近くに注射器を分注することができ)、カテーテル92が適正に潤滑されることを確実にするために、潤滑ゼリーの中でカテーテル92をひねることができる。
【0088】
[00137]上記の潤滑方法は、上述した理由から有益であるが、カテーテル92を潤滑す
る他の方法も可能である。一実施形態では、健康管理提供者は、トレーの周りの無菌/CSRラップの一部分の上に潤滑ゼリーを分注し、その潤滑ゼリーの中にカテーテルの端部を置いて潤滑してもよい。一実施形態では、主区画1からカテーテル92を移動させる前に、使用者は、注射器またはカテーテル区画2内に潤滑ゼリーを直接的に分注し、次いで、その潤滑ゼリーの中に、カテーテル92の遠位部分を移動させてもよい。
【0089】
[00138]カテーテル92を潤滑した後、健康管理提供者は、カテーテル92を注射器お
よびカテーテル区画2内に一時的に残し、その間に、健康管理提供者は、自分の非利き手を使用して生殖器を後退させ、利き手を使用して、滅菌溶液またはヨード溶液で飽和したスワブまたはスワブスティックを用いた患者の準備および滅菌を行ってもよい。上述したとおり、スワブまたはスワブスティック(例えば、吸収性ヘッド36および棒38を有する上述したスワブまたはスワブスティック34)を時計回りまたは反時計回りにひねって、スワブ区画の溝からそれらを容易に解放することができる。スワブまたはスワブスティックは、それぞれ、患者に対する1回のスワイプのためのみに使用されることが好ましい。女性患者に関しては、(1)1つのスワブまたはスワブスティックを下向きにストロークして、右の小陰唇を洗浄し、そのスワブまたはスワブスティックを捨て、(2)別のスワブまたはスワブスティックを下向きにストロークして、左の小陰唇を洗浄し、そのスワブまたはスワブスティックを捨て、(3)第3のスワブまたはスワブスティックを使用して、小陰唇間の中央領域を洗浄することによって、患者を洗浄することができる。男性患者に関しては、スワブまたはスワブスティックを、尿道から出発して外側へ作業を進める円運動させることによって、患者を洗浄することができる。このようにして患者の準備および滅菌を実施した後、健康管理提供者は、利き手を使用して、患者の膀胱にカテーテルを挿入し(カテーテルが膀胱に入ると管の中に尿が見えるようになるが、保持バルーンが膀胱に入ることを可能にするために、この点からさらに50.8mm(2インチ)挿入すべきである)、膨張ポートを介して無菌液の注射器88からカテーテル92内へ無菌液を注入することによって膀胱内で保持バルーンを膨らます。実際、これらの工程は、第5の工程、第6の工程および第7の工程としてトレー上で指示されている工程であり、これらの工程はそれぞれ以下のとおり記載される。「(5)生殖器を後退させます(非利き手)」、「(6)スワブを用いて患者の準備を行います(利き手)」、および、「(7)カテーテルを挿入し、バルーンを膨張させます(利き手)」。これらの指示/手順表示の変形または他の指示/手順表示も可能である。膨張させた後、健康管理提供者は、膨張されたバルーンが膀胱頸に対してぴったりと合うまで、カテーテルを静かに引っ張ることができる。これらの工程は、手順のカテーテル導入段階すなわち段階「B」を完了させる。
【0090】
[00139]図29は、カテーテルが患者の体内に適正に置かれた直後にトレーがどのよう
に見えるのかを示している。ドレナージ管95は、カテーテル92に容易に従って、患者に向かってトレーから出ることに留意されたい。図29の主区画1内には、折り畳まれた尿採集バッグ96が配置されており、尿採集バッグ96は、管95、カテーテル92および/またはカテーテルアセンブリの他の構成要素に予め接続された状態で包装されていてもよい。尿採集バッグ96は、尿が患者から排出されたときに尿を集めるために、広げられ、患者よりも低い位置に吊り下げられてもよい。
【0091】
[00140]患者のカテーテル導入の後(すなわち、患者の膀胱にカテーテルが挿入され、
保持バルーンが膨張された後)、追加的な工程が実施されてもよい。例えば、段階「C」、すなわち、手入れおよびメンテナンス段階において、健康管理提供者は、以下のことを実施してもよい。(1)フォーリーカテーテルを患者に(例えば、StatLock(登録商標)デバイスを使用して)固定すること、(2)患者の膀胱よりも低い位置に尿バッグおよび/または尿計量器を配置し(例えば、ベッドの下のベッドレール上のハンガーにバッグを吊り下げ)、管がねじれないようにベッドシーツに(例えばmクリップで)管を固定する
こと、(3)ラベルおよび/またはカルテ(例えば、図16に示されたラベル/シート72)上にカテーテル挿入の日時を表示することによって挿入日を記録し、病院の手続きに従って手順を記録すること、(4)カテーテルを維持する(例えば、カテーテルが無菌レッドシールを有する場合には、そのレッドシールを維持する)こと、(5)留置カテーテルの必要性を再評価し、カテーテルが不必要になるか否かを日常的に評価すること、(6)および/または、他の手入れまたはメンテナンス工程。
【0092】
[00141]段階「C」および関連する指示/手順表示は、図1,2,5に示されるように
、カテーテル導入トレーの主区画内で識別される。段階「C」指示/手順表示は、例えば、以下の指示/手順表示を含む。「(1)StatLock(登録商標)を使用してフォーリーを固定します」、「(2)膀胱よりも低い位置にバッグを配置し」、「クリップを使用して管をシーツに固定します」、「(3)挿入日を記録します」、「(4)病院の方針に従ってレッドシールを維持します」、「(5)カテーテルの必要性を日常的に評価します」。これらの指示/手順表示の変形または他の指示/手順表示も可能である。尿試料は、図14Dに指示されているようにして採取されてもよい。最終的に、図14Cに指示されているようにしてカテーテルが取り出されてもよい。
【0093】
[00142]本明細書に記載されたカテーテル導入パッケージ(単数または複数)およびカ
テーテル導入トレー(単数または複数)は、様々な方法で製造/包装され得る。例えば、カテーテル導入パッケージの製造業者または販売業者は、状況および固有のニーズが要求するときには、本明細書に記載された工程または手順を変更してもよく、工程の順序を入れ替えてもよく、記載された工程以外の追加的な工程を実施してもよく、および/または、ある種の工程を省略してもよい。さらに、上述した特徴、構成要素、配置、構成および構成要素の順序付けなど(例えば、カテーテル導入パッケージの使用をより直観的に理解できるかより論理的にする特徴または配置)が、製造中に(例えば、製造/包装方法において)カテーテル導入パッケージに追加されてもよく、または、カテーテル導入パッケージに備えられてもよい。しかしながら、以下では、例示的で非限定的な製造/包装方法が記載される。本明細書に記載された工程は、記載されたとおりの順序で、または、別の順序で実施されてもよい。
【0094】
[00143]一実施形態では、カテーテル導入トレー(例えば、図1~5に示され、上述さ
れたトレーと同様のカテーテル導入トレー、または、その特徴を備えるカテーテル導入トレー)を用意することによって、カテーテル導入パッケージが製造/包装される。このトレーは、カテーテル導入パッケージの製造業者によって購入または形成されてもよい。製造される場合、トレーは、射出成形プロセスまたは他の適当なプロセスを使用して形成されてもよい。上述され、例えば図1,2,5に示されたトレー上に、指示/手順表示が一体化され、印刷され、または、他の方法で備えられてもよい。
【0095】
[00144]様々な構成要素(例えば、上でまたは本明細書の他の場所で論じられた任意の
構成要素)がトレーに追加されてもよい。一実施形態では、予め接続されたドレナージシステムが、図26に示されるようにトレー(例えば、主区画1)に追加され/備えられてもよい。このドレナージシステムは、ドレナージ/採集バッグ96、ドレナージ管95、カテーテル92(例えば、フォーリーカテーテル)、ドレナージ排出口、尿計量器、または、他のドレナージ構成要素を備えていてもよい。図8または図26に示されるように、スワブまたはスワブスティック34が、トレー(例えば、主区画1)に追加され/備えられてもよい。図26に示されるように、検体または試料容器54、および、試料に関する詳細を記入し、検体または試料容器に貼り付けることができるラベルが、トレー(例えば、角部貯蔵区画5)に追加され/備えられてもよい。図25に示されるように、滅菌皮膚洗浄剤のパケットまたは容器52(例えば、ポビドンヨード溶液のパケットまたは容器)が、トレー(例えば、スワブ区画3におけるスワブスティック34の上)に追加され/備
えられてもよい。図26に示されるように、潤滑剤のパケットまたは容器89(例えば、潤滑ゼリーの注射器)が、トレー(例えば、注射器またはカテーテル区画2)に追加され/備えられてもよい。図26に示されるように、無菌液の注射器88(例えば、フォーリーカテーテルの保持バルーンを膨張させるための無菌水の10cc注射器)が、トレー(例えば、注射器またはカテーテル区画2における潤滑ゼリーの注射器89の上または部分的に上)に追加され/備えられてもよい。図24に示されるように、患者にかける有窓ドレープが、トレー(例えば、他の構成要素の上)に追加され/備えられてもよく、2つ以上の区画の部分にまたがっていてもよい。患者の尻の下に敷くアンダーパッド(例えば、防水性吸収性アンダーパッド)が、トレー(例えば、有窓ドレープまたは他の構成要素の上)に追加され/備えられてもよく、2つ以上の区画の部分にまたがっていてもよい。図には、アンダーパッドおよび有窓ドレープの両方が、パッド/ドレープ86によって表現されている。図22に示されるように、手袋(例えば、ゴム手袋、ラテックス手袋、ラテックスを含まない手袋のパッケージ58)が、トレー(例えば、アンダーパッドまたは他の構成要素の上)に追加され/備えられてもよく、2つ以上の区画の部分にまたがっていてもよい。
【0096】
[00145]トレーおよび構成要素は、滅菌されてもよく、無菌ラップ56(例えば、CS
Rラップ)が、図20~21に示されるように、カテーテル導入トレーの周りに落ち畳まれるか、包まれてもよい。図20に示されるように、帯46(例えば、無菌ラップを、折り畳み形態に保ち、全ての内容物をトレーの内側に維持するのに役立ち、そのため、アイテムが動き回らない帯)が、無菌ラップ56の周りに備えられてもよい。図17,18に示されるように、会陰ケア(または、ペリケア)パケットまたはキット74(例えば、図17~19に示されている)が、カテーテル導入パッケージに追加され/備えられてもよく、例えば、帯46および/または無菌ラップ56の上に置かれてもよい。会陰ケアパケットまたはキット74は、手指殺菌剤76(例えば、消毒用ハンドリンスゲル)、濡れたタオレット78(例えば、カスチール石鹸タオレットのパッケージ)、指示80(例えば、健康管理提供者のための指示、および/または、患者のための指示)、および/または、他の構成要素を備えていてもよい(例えば、図19を参照されたい)。図16に示されるように、指示または他の情報を有するインサートシートまたはラベル72が、カテーテル導入パッケージに追加され/備えられてもよく、例えば、安全考慮事項/工程のチェックリスト、および/または、患者情報カルテを有するインサートシートまたはラベル72が、会陰ケアパケットまたはキットの上に備えられてもよい。図13に示されるように、詳細指示文書(例えば、図14A~14Dに示されている)および/または患者教育情報(例えば、図15A,15Bに示されている)が、カテーテル導入パッケージに追加され/備えられてもよく、例えば、使用法(DFU)文書68および/または患者教育パンフレット70が、インサートシートの上に備えられてもよい。包装ラベル62(例えば、上述され、図9~12に示された包装ラベル)が、カテーテル導入パッケージ(例えば、他の全ての構成要素の上)に追加され/備えられてもよく、縁部が下方へ折り曲げられて、カテーテル導入トレーの側面が覆われてもよい。図9,10に示されるように、カテーテル導入パッケージは、滅菌され、密封(例えば、密封容器またはバッグ60に入れて)されてもよい。カテーテル導入またはケアに対して有用な他の構成要素が備えられてもよい。
【0097】
[00146]一実施形態では、カテーテル導入システムは、尿管カテーテルアセンブリ、お
よび/または、尿管カテーテル導入手順に適したもしくは必要な材料もしくは供給源(例えば、殺菌液、潤滑剤、膨張液、手袋などのカテーテル導入要素もしくは構成要素)を備えていてもよい。例えば、カテーテル導入システムは、尿管カテーテルアセンブリ(例えば、フォーリーカテーテルを有するアセンブリ)ならびに他の無菌および/または非無菌カテーテル導入要素を収容および/または固定するための多数の区画を有するカテーテル導入トレーを備えていてもよい。この無菌および/または非無菌カテーテル導入要素には
、上述した任意のものが含まれる。無菌カテーテル導入要素は、非無菌カテーテル導入要素によって汚染されることがない形態で、カテーテル導入トレー内に収容されてもよい。
【0098】
[00147]カテーテル導入トレーは、カテーテル導入手順中に使用者の助けとなり得る1
つ以上の視覚的手順表示または指示を備えていてもよい。例えば、この手順表示は、カテーテル導入構成要素および/または要素が使用者および/または患者に対して予測可能かつ適当な、または、望ましい位置および/または向きに配置され得るように、患者に対してカテーテル導入トレー(および、そのカテーテル導入構成要素または要素)の向きを定める際に使用者を助けることができる。これに加えて、または、その代わりに、この手順表示は、カテーテル導入構成要素の使用、および/または、カテーテル導入構成要素のカテーテル導入トレーからの取出しの順序を決める際に使用者を助けることができる。
【0099】
[00148]上述したとおり、カテーテル導入トレーおよびこのようなトレーを備えるシス
テムは、カテーテル導入手順中の無菌性手法を容易にすることができる。一実施形態では、図30Aに示されるように、カテーテル導入システム100は、カテーテル導入トレーおよびカテーテル導入構成要素を密封的にシールまたは収容し得る容器110(例えば、密封バッグ)を備えている。例えば、容器110は、無菌カテーテル導入構成要素の無菌性を維持するのを容易にすることができる。例えば、容器110は、プラスチックバッグ(例えば、ポリエチレンバッグ)であってもよい。さらに、容器110は、剥ぎ取ることができる側111を備えられてもよく、この剥ぎ取ることができる側111は、剥ぎ取ることができない側112から切り離して、容器110に開口を形成することができ(上記の容器60も同様の特徴および特性を有し得る)、この開口を介して、容器110内に位置する内容物を取り出すことができる。
【0100】
[00149]一実施形態では、カテーテル導入トレー、および、その内容物(すなわち、カ
テーテル導入構成要素)のうちの少なくとも一部は、識別カバー120によって少なくとも部分的に取り囲まれるか包囲されてもよい。一実施形態では、包装ラベルまたは識別カバー120(例えば、上述の包装ラベル62と同様)は、基本的情報または変数を含む1つ以上の視覚的識別子(例えば、視覚的識別子121,122,123(例えば、これらの識別子は、上述の情報スクエアと同様であってもよい)を備えていてもよく、この識別子は、カテーテル導入システム100のタイプおよび/または内容物に関係した表示を提供することができる。
【0101】
[00150]例えば、包装ラベルまたは識別カバー120は、紙、厚紙、プラスチック(例
えば、プラスチックフィルム)などのシート状の材料から製作されてもよい。視覚的識別子121,122,123は、カテーテル導入システム100の具体的なタイプおよび/またはその内容物を使用者が識別するのに十分な情報を伝えるように構成されてもよい。例えば、視覚的識別子121は、カテーテルのサイズ(例えば、フレンチサイズ16など)を識別することができる。一例では、視覚的識別子122は、カテーテル導入システム100が尿計量器(これは、カテーテルに取り付けられ得る)を表示してもよく、および/または、視覚的識別子123は、カテーテル導入システム100がカテーテル安定化デバイス(例えば、STATLOCK)を備えていることを表示してもよい。
【0102】
[00151]視覚的識別子121,122,123は、視覚的に互いから分離または隔離さ
れてもよい。例えば、視覚的識別子121,122,123は、その外側輪郭を画定または形成し得る略正方形または矩形の周囲輪郭線を備えていてもよい。言い換えると、視覚的識別子121,122,123の識別情報は、視覚的識別子121,122,123の略矩形の輪郭線内に含められてもよい。したがって、例えば、使用者は、その手順に適した特定のカテーテル導入システム100を識別および/または選択するために、識別カバー120の関連情報の位置を容易および/または迅速に特定することができる。
【0103】
[00152]視覚的識別子121,122,123のうちの1つ、一部または全部は、カテ
ーテル導入システム100の詳細について使用者に知らせることができる視認可能な表示または情報を備えていてもよい。例えば、視覚的識別子121,122,123は、文字、画像、記号などを備えていてもよい。さらに、視覚的識別子121,122,123および/またはそれらの部分は、視覚的識別子121,122,123を識別および/または区別する際に使用者の助けとなり得る適当な色または多数の色を有していてもよい。一実施形態では、視覚的識別子121,122,123のうちの少なくとも1つの識別子は、他の識別子とは異なる色を有していてもよい。
【0104】
[00153]視覚的識別子121,122,123の識別情報を包囲または包含する輪郭の
具体的な輪郭形状、サイズ、太さまたはこれらの組合せは、実施形態ごとに変更することができることを理解すべきである。そのため、視覚的識別子121,122,123は、略円形、三角形または多角形の形状を有していてもよい。さらに、識別カバー120は、視覚的識別子121,122,123を担持することができ、実施形態ごとに変更することができる、任意の数の適当な材料を含有していてもよい。例えば、視覚的識別子121,122,123は、印刷、エンボス加工または他の方法で、識別カバー120上に転写されてもよい。
【0105】
[00154]識別カバー120は、任意の数の視覚的識別子を備えていてもよい。言い換え
ると、視覚的識別子121,122,123は、識別カバー120上の任意の数の適当な位置に配置されてもよく、および/または、複製されてもよい。例えば、識別カバー120は、その主要な面およびその副次的な面に、視覚的識別子121,122,123を備えていてもよい。一実施形態では、視覚的識別子121,122,123は、カテーテル導入システム100の視認可能な1つ、一部または全部の面に配置されてもよい(例えば、その保管中において、視覚的識別子121,122,123のうちの1つ、一部または全部がカテーテル導入システム100のどの側からも視認可能であってもよい)。
【0106】
[00155]識別カバー120は、カテーテル導入トレーから取外し可能であってもよい。
例えば、識別カバー120は、その全体がカテーテル導入トレーから取り外されてもよい(例えば、識別カバー120は、カテーテル導入トレー上にあってもよく、容器110によってカテーテル導入トレーに対して固定されていてもよい)。さらに、図30Bに示されように、識別カバーを取り外すことによって、カテーテル導入トレーが露出されてもよく、カテーテル導入トレーは、中央材料室(CSR)の無菌ラップ130によってまたはその中に包まれてもよい。したがって、CSR無菌ラップ130は、少なくとも一時的に、カテーテル導入トレー内に構成要素を固定することができる。
【0107】
[00156]CSR無菌ラップ130は、開封され、カテーテル導入トレーから取り外され
てもよく、カテーテル導入手順中に使用されてもよい。例えば、カテーテル導入手順の部位の近くに少なくとも部分的に無菌の環境を提供し、それによってカテーテル導入手順に関連した感染のリスクを低減させるために、CSR無菌ラップ130は、患者の近くおよび/または患者の下に配置されてもよい。CSR無菌ラップ130は、実質的に不透明であってもよい。その結果、カテーテル導入トレーの内容物および/またはカテーテル導入構成要素の位置は、隠され、または、使用者から見えないようになる。任意選択で、CSR無菌ラップ130は、半透明または透明であってもよい。その結果、使用者は、カテーテル導入トレー内に収容されたカテーテル導入構成要素を見ることができ、および/または、視覚的に識別することができる。
【0108】
[00157]カテーテル導入システム100は、帯または方向表示包装140を備えていて
もよく、この帯または方向表示包装140は、使用者からは視認できない場合があるカテ
ーテル導入トレー内の構成要素の相対的な位置および/または向きの表示を提供することができる。例えば、帯または表示包装140は、方向矢印141を備えていてもよい。使用者は、方向矢印141をカテーテル挿入部位の方へ向けることができ、それによって、患者に対するカテーテル導入トレーおよび当該トレー内のカテーテル導入構成要素の向きを定めることができる。例えば、方向矢印141が挿入部位の方向に整合するようにカテーテル導入トレーの向きを定めると、カテーテル導入構成要素および/または要素を、少なくとも部分的に順番に配置することができる。その結果、手順の相対的前期で使用されるべきカテーテル導入要素および/または構成要素は、手順の相対的後期で使用されることが意図されたカテーテル導入構成要素よりも、患者の近くに配置される。
【0109】
[00158]加えて、帯または表示包装140は、カテーテル導入手順に対する適正な無菌
性手法に対して使用者に警告する警告表示142を備えていてもよい。例えば、警告表示142は、適正な無菌性手順に適したまたは必要な特定の工程を識別する1つ以上の特定の要素を備えていてもよい。一実施形態では、警告表示142は、以下の工程のうちの1つ以上の工程を識別する。(1)CSR無菌ラップ130を開封する工程、(2)無菌手袋を装着する工程、(3)アンダーパッドを敷く工程、(4)有窓ドレープをかける工程、または、(5)カテーテル導入トレーの内側に位置する手順表示によって識別された工程に従う工程。
【0110】
[00159]表示包装140は、CSR無菌ラップ130のまわりを包むことができるが、
本開示はそれだけに限定されない。例えば、ステッカまたは接着ラベルは、CSR無菌ラップに貼り付けられてもよく、表示包装140と同じまたは同様の表示を備えていてもよい。その代わりに、または、それに加えて、表示は、CSR無菌ラップ130上に直接的に配置されてもよい(例えば、印刷、エンボス加工または他の方法でCSR無菌ラップ130に転写されてもよい)。
【0111】
[00160]カテーテル導入トレーからCSR無菌ラップ130が取り外され、または、開
封された後、カテーテル導入トレーの内容物を露出させることができる。図31Aは、カテーテル導入システム100のカテーテル導入トレー200を示している。カテーテル導入トレー200は、様々なカテーテル導入構成要素を固定または収容することができる多数の区画を備えていてもよい。カテーテル導入トレー200の形状およびサイズは、その周囲壁によって画定され得る。例えば、周囲壁201,202,203,204は、カテーテル導入トレー200の略矩形の外殻または外周を画定し得る。
【0112】
[00161]カテーテル導入トレー200は、成形(例えば、射出成形、熱成形)または(
例えば、プラスチック材料からの)スタンピングによって形成されてもよい。したがって、外壁または周囲壁201,202,203,204は、シート状の材料から形成されてもよい。外壁または周囲壁201,202,203,204のうちの1つ以上は、周囲壁201,202,203,204に剛性(rigidity)および/または剛さ(stiffness)
を提供することができる強化リブ205を備えていてもよい。強化リブ205は、概ねテーパ状の形状を有していてもよく、および/または、対応するそれぞれの周囲壁201,202,203,204から外側へ突出していてもよい。より具体的には、例えば、強化リブ205の下部(カテーテル導入トレー200の底部/床に近い側の部分)は、強化リブ205の上部(カテーテル導入トレー200の開口に近い側の部分)よりも、対応するそれぞれの周囲壁201,202,203,204から大きく突出していてもよい。強化リブ205のうちの1つ、一部または全部のリブの少なくとも一部分は、部分的に円錐形の形状を有していてもよい。
【0113】
[00162]カテーテル導入トレー200は、スワブ区画210を備えていてもよく、スワ
ブ区画210は、その中に1つ以上のスワブ150を備えていてもよい。これに加えて、
または、その代わりに、区画210は、洗浄/滅菌溶液または殺菌剤パケット160を備えていてもよく、洗浄/滅菌溶液または殺菌剤パケット160は、(例えば、ポビドンヨード溶液を含む)1つ以上の殺菌剤または洗浄/滅菌溶液を備えていてもよい。区画210は、カテーテル導入トレー200の周囲壁201の近くに配置され、周囲壁201によって少なくとも部分的に画定されてもよい。いくつかの場合には、殺菌剤パケット160の外面は無菌ではないことがある。したがって、洗浄/滅菌溶液または殺菌剤パケット160は、別の包装またはバッグの中に配置されてもよく、この別の包装またはバッグは、無菌の外面を有していてもよい。この無菌の外面は、滅菌されていない洗浄溶液または殺菌剤パケット160によるカテーテル導入トレー200内の他のカテーテル導入構成要素の汚染を防ぐか低減させることができる。このプラスチックバッグは、パケット160およびパケット160内の他の構成要素を開封および/またはアクセスするために使用者が操作することができるジッパまたは同様の機構を備えていてもよい。
【0114】
[00163]カテーテル導入指示は、カテーテル導入手順の間に実行される様々な工程また
は行為の画像および説明を備えていてもよい。いくつかの場合には、指示は、さらに、特定の工程番号または行為番号を識別してもよく、それによって、カテーテル導入手順のための工程または行為の特定の順序が示唆される。カテーテル導入指示(これは、無菌でなくてもよい)は、プラスチックバッグなどの無菌容器に入れられてもよく、それによって、無菌でない指示を、カテーテル導入トレー200内の無菌のカテーテル導入構成要素から隔離または分離することができる。さらに、いくつかの例では、カテーテル導入システムは、カテーテル導入指示の多数のセットを備えていてもよく、これによって、無菌性カテーテル導入手順の順守を改善することができる。例えば、カテーテル導入指示は、無菌プラスチックバッグの内部(例えば、ステッカとして)、および/または、他のカテーテル導入要素もしくは構成要素(例えば、殺菌剤パケット160と一緒に無菌容器に)、カテーテル導入システムの外部スリーブもしくは外部などに、取り付けまたは貼り付けられてもよい。
【0115】
[00164]区画210は、殺菌物質(例えば、液体)を収容するように構成されていても
よく、この殺菌物質は、殺菌剤パケット160から区画210内に分注されてもよい。例えば、以下で詳細に説明されるが、区画210は、傾斜した底部/床を有していてもよい。その結果、パケット160からの洗浄または滅菌溶液(例えば、ポビドンヨード溶液)または殺菌剤は、区画210の底部/床と、側壁および/または分離壁/分割壁(例えば、内部分離壁/分割壁211)と、の間の最も低い角部の近くおよび/またはその角部のところに溜まることができる。さらに、スワブ150の先端は、区画210の底部/床と側壁との間の最も低い角部のところまたはその近くに配置されてもよい。その結果、スワブ150の先端は、分注された滅菌液または殺菌液の中に配置される。
【0116】
[00165]区画210は、周囲壁201の一部分、内部分離壁/分割壁211、内部分離
壁/分割壁212および傾斜した底部/床によって、少なくとも部分的に形成されてもよい。例えば、区画210の最も低い部分は、内部分離壁211および傾斜した底部/床によって、内部分離壁211と傾斜した底部/床との間に形成された角部辺のところに配置されてもよい。したがって、区画210の傾斜した底部/床および/または内部分離壁211の近くにスワブ150の先端/吸収性ヘッドを配置することによって、区画210の最も低い部分のところ、または、その近くにスワブ150の先端/吸収性ヘッドを配置することができる。
【0117】
[00166]上述したとおり、患者に対するカテーテル導入トレー200は、周囲壁201
および区画210がカテーテル導入トレー200の反対側の周囲壁203よりも挿入部位の近くに配置されるように、方向付けられ得る。言い換えると、方向表示包装の方向矢印に基づいてカテーテル導入トレー200の向きを定めることによって(カテーテル導入ト
レー200の内容物および区画がCSR無菌ラップ130(図30B)によって隠されるか覆われた状態で)、周囲壁201および区画210を挿入部位の近くに置くことができる。いくつかの場合には、最初に、殺菌剤パケット160からの殺菌液で飽和され得るスワブ150を使用して挿入部位が滅菌されてもよい。そのため、区画210を、スワブ150および殺菌剤パケット160とともに、挿入部位の近くに置くことによって、(例えば、カテーテル導入トレー200内の1つ以上のカテーテル導入構成要素上に)殺菌液がこぼれ落ちることを低減させることができ、および/または、挿入部位の汚染につながる可能性があるスワブ150の汚染を低減させることができる。
【0118】
[00167]以下に詳細に説明されるが、区画210は、傾斜した底部/床を有していても
よい。例えば、カテーテル導入トレー200の上縁部206などの上縁部(または上面)は、仮想平面内にあってもよい。この仮想平面は、カテーテル導入トレー200を支持することができる支持面(例えば、患者のベッドの表面)に対して略平行であってもよい。区画210の傾斜した底部/床は、上縁部206の仮想平面および/または支持面に対して平行ではない向きを有していてもよい。
【0119】
[00168]さらに、区画210の底部/床は、カテーテル導入トレー200内の1つ以上
の他の区画の底部/床に対して非平行であってもよい。例えば、カテーテル導入トレー200は、支持面上に配置されてもよい。その結果、1つ以上の区画の底部/床は、支持面上でカテーテル導入トレー200を支持および/または方向付けする。したがって、上述したとおり、区画210の底部/床は、支持面に対して平行ではない向きを有することができる。
【0120】
[00169]カテーテル導入トレー200は、側部区画220を備えていてもよい。例えば
、区画220は、実質的に、カテーテル導入トレー200の1つの側面の全体または全長に沿って延在していてもよい(例えば、区画220は、周囲壁201と周囲壁203との間を延在していてもよく、および/または、それによって部分的に形成されてもよい)。したがって、いくつかの場合には、周囲壁によって(例えば、204によって)区画220の1つの側面が形成されてもよい。
【0121】
[00170]区画220は、カテーテル導入キットの任意の数の適当な要素または構成要素
を備えていてもよい。例えば、区画220は、カテーテルのバルーン(後述)を膨張させるのに使用することができる液体を含む注射器170、および/または、潤滑剤を含んでいてもよい注射器180を備えていてもよい。そのため、区画220の幅は、注射器170,180を収容できる十分な大きさであってもよい。いくつかの場合には、注射器170,180は、区画220に沿って長さ方向に方向付けられてもよく、区画220内において一列に並べられてもよい。すなわち、一方の注射器の前方にもう一方の注射器が置かれてもよい。
【0122】
[00171]カテーテル導入トレー200は、分離壁221に、1つ以上の切欠きまたは凹
部を備えていてもよく、この切欠きまたは凹部は、隣接する区画(単数または複数)から(例えば、カテーテル区画230から)区画220を分離してもよい。例えば、内部分離壁221の1つ以上の凹部は、カテーテル導入トレー200の上縁部206よりも下に位置する頂縁部を備えていてもよい。より具体的には、いくつかの場合には、この凹部は、区画230から1つ以上の注射器170,180へのアクセスを提供してもよい。したがって、カテーテル導入キットの使用者は、区画220内に指を入れる代わりに、または、それに加えて、区画230内に指を入れることによって、注射器170および/または注射器180を取り出すことができる。
【0123】
[00172]一実施形態では、注射器170および注射器180のサイズは異なっていても
よい。したがって、一実施形態では、異なるサイズの注射器170,180を収容できるように、区画220の少なくとも一部分の幅が区画220の別の部分よりも小さくてもよい。例えば、区画210は、幅狭用突出部222を備えていてもよく、幅狭用突出部222は、区画220の空間内へ延在し、それによって、区画220の一部分の幅を狭くしてもよい。例えば、注射器170は、注射器180よりも小さな直径または周囲サイズを有していてもよい。したがって、幅狭用突出部222は、注射器180を収容できる十分な幅を有し得る区画220の幅を狭くすることができる(例えば、幅狭用突出部222は、区画220内で注射器170が横方向に動くことを防止または制限することができる)。
【0124】
[00173]上述したとおり、カテーテル導入トレー200は、主区画すなわちカテーテル
区画230を備えていてもよい。区画230は、略矩形の形状を有していてもよい。例えば、区画230およびその形状は、周囲壁203、周囲壁202の少なくとも一部分および分離壁/分割壁212,221によって、少なくとも部分的に形成されてもよい。一実施形態では、区画230は略矩形の形状を有していてもよいが、区画230の形状は、実施形態ごとに変更することができることを理解すべきである。
【0125】
[00174]いずれにしても、区画230のサイズ(例えば、周囲寸法および深さ)、形状
または構成は、カテーテルアセンブリ190を収容するものであってもよい。例えば、カテーテルアセンブリ190は、尿採集バッグおよび/または尿計量器192に接続することができるカテーテル191を備えていてもよい。いくつかの場合には、区画230は、さらに、STATLOCK193を収容してもよい。STATLOCK193は、カテーテル導入手順の間、カテーテルアセンブリ190の少なくとも一部分を固定することができる。
【0126】
[00175]以下で詳細に説明するように、区画230は、ほぼ平ら、または、ほぼ平坦な
底部/床を有していてもよい。例えば、区画230の底部/床は、支持面上でカテーテル導入トレー200を支持してもよい。したがって、一実施形態では、区画210の底部/床は、区画230の底部/床に対して平行ではない向きを有してもよい。
【0127】
[00176]上述したとおり、区画230は、略矩形の形状を有していてもよい。さらに、
区画230は、区画230の周囲を形成する壁と壁の間に、丸いか面取りされた内部角部231を有していてもよい。これに加えて、またはその代わりに、壁(例えば、周囲壁および/または分離壁)の上部は、1つ以上の面取部またはフィレット232を有していてもよい。この面取部またはフィレット232は、このような壁の対応するそれぞれの長さに沿って少なくとも部分的に延在していてもよい。
【0128】
[00177]カテーテル導入トレー200は、さらに、補助容器195(例えば、検体用ま
たは試料用容器)を収容することができる補助区画240を備えていてもよい。例えば、補助容器195は、略円筒形であってもよく、キャップを備えていてもよい。さらに、区画240の形状、サイズおよび構成は、補助容器195を区画240の中に固定するものであってもよい。一実施形態では、区画240の長さは、補助容器195の長さと同等であっていてもよい(例えば、区画240は、小さなクリアランスを有していてもよく、または、補助容器195との締り嵌めを有していてもよい。)。一実施形態では、区画240の底部/床は、半円筒形または略円弧形であってもよく、補助容器195の略円筒形の形状にほぼ従っていてもよい。したがって、例えば、区画240の底部/床は、補助容器195のまわりを少なくとも部分的に包むことができる。
【0129】
[00178]例えば、図31Bに示されるように、区画240は、部分的に丸くされた底部
/床241を有していてもよい。区画240は、カテーテル導入トレー200の区画210から分離されていてもよい。例えば、カテーテル導入トレー200は、区画240と区画210との間に位置するオーバフロー空洞250を備えていてもよい。一実施形態では
、オーバフロー空洞250は、区画210と区画240との間の凹部または凹陥部を形成してもよい。例えば、オーバフロー空洞250は、区画210内に分注された殺菌液のオーバフローを防止または制限することができる。さらに、使用者は、挿入部位のところまたはその近くに殺菌液を塗布する前に、スワブ150を軽くたたいて、スワブ150の先端の過剰な殺菌液をオーバフロー空洞250内へ落とすことができる。
【0130】
[00179]区画210の傾斜した底部/床213は、オーバフロー空洞250よりも上方
に立ち上がるか、または、一段高くなっていてもよい。例えば、傾斜した底部/床213は、その末端に、傾斜した底部/床213から、オーバフロー空洞250またはオーバフロー空洞250またはその縁部に向かって下方へ延在してもよいフィレットまたは放射状構造214を有していてもよい。放射状構造214は、傾斜した底部/床213と、傾斜した底部/床213よりも下方に位置するオーバフロー空洞250の少なくとも一部分と、の間の移行部を提供することができる。いずれにしても、傾斜した底部/床213は、オーバフロー空洞250から遠ざかる方向に沿って下方へ傾斜していてもよい。
【0131】
[00180]上述したとおり、殺菌液は、区画210の最も低い部分215(例えば、傾斜
した底部/床213の最も低い部分またはその近く)で分注されてもよい。さらに、区画210内に分注された殺菌液は、概ね、区画210の最も低い部分215に向かって流れ、そこに溜まることができる。加えて、この殺菌液中に、スワブ150の先端151を配置または位置決めしてもよい。そのため、使用者は、追加の行為なしで、スワブ150を区画210から取り出し、殺菌液を挿入部位に塗布することができる。
【0132】
[00181]スワブ150は、区画210内に分注された殺菌液中に先端(単数または複数
)または吸収性ヘッド(単数または複数)151を配置するように、区画210内に固定されてもよい。例えば、スワブ150のうちの1つ、一部または全部は、細長いステム/棒152と、ステム/棒152に取り付けられた先端/吸収性ヘッド151と、を備えていてもよい。さらに、区画210は、スワブ150の細長いステム/棒152を収容し固定することができる溝216を備えていてもよい。したがって、区画210の溝216内にスワブ150のステム/棒152を固定することができる。
【0133】
[00182]溝216は、1つ以上の保持構造(例えば、戻り止め、突出部)を備えていて
もよい。この保持構造は、溝216内にステム/棒152を固定してもよい。例えば、ステム152は、略矩形または全体に矩形の断面形状を有していてもよい。ステム/棒152がその矩形の断面形状の長辺に沿って方向付けられたときに、保持構造は、溝216内に細長いステム152を固定してもよい。さらに、(例えば、ステム152の矩形の断面形状の短辺が、溝216の中にあるように方向付けられるように)溝216内のスワブ150を回転または捻ることによって、溝216からステム152が外されてもよい。
【0134】
[00183]言い換えると、溝216の保持構造同士の間の間隔は、細長いステム152の
矩形の断面形状の長辺の幅よりも小さくてもよい。その結果、保持構造は、細長いステム/棒152を溝216内に拘束することができる。さらに、保持構造同士の間の間隔は、細長いステム/棒152の矩形の断面形状の短辺の長さよりも大きくてもよい。したがって、溝216内のスワブ150を捻るか回転させることによって、細長いステム/棒152を溝216から取り出すために、細長いステム/棒152が、溝216の保持構造同士の間を通過することができる。
【0135】
[00184]カテーテル導入トレー200(および、図1~5に示されたカテーテル導入ト
レー)は、任意の数の適当な方法で、また、任意の数の適当な製造手法で製造することができる。上述したとおり、カテーテル導入トレー(単数または複数)は、射出成形、熱成形または他の方法で大量生産することができる。例えば、カテーテル導入トレー(単数ま
たは複数)は、本明細書に記載されているとおり、プラスチック材料のシートから製作することができ、このシートを圧縮および加熱して適当な外形にすることによって加工され得る。そのため、カテーテル導入トレー(単数または複数)の壁のうちの1つ以上は、比較的薄いプラスチック材料(例えば、0.1mm(0.005インチ)、0.3mm(0.010インチ)、0.5mm(0.020インチ)、1.3mm(0.050インチ)、2.5mm(0.100インチ)など)を備えていてもよい。上述したとおり、カテーテル導入トレー(単数または複数)は、その1つ以上の周囲壁に強化リブを備えていてもよく、この強化リブは、このような周囲壁に剛性を与えることができる。
【0136】
[00185]カテーテル導入トレー(単数または複数)は、カテーテル導入トレー(単数ま
たは複数)の内部空間を本明細書に記載された区画に分割する1つ以上の分離壁/分割壁に、本明細書に記載された強化リブを備えていてもよい。さらに、以下で詳細に説明されるように、分離壁/分割壁(例えば、分離壁/分割壁221)は、シート材料の折り重ねられた層または2重層を備えていてもよい。強化リブは、区画から離れる方向に(例えば、区画210、区画220、区画230から離れる方向に)、シート材料層間の空間内へ突出していてもよい。
【0137】
[00186]上述したとおり、これらの区画内において、底部/床と分離壁との間に形成さ
れた内部角部および/または稜は、フィレットまたは面取部を備えていてもよい。例えば、このようなフィレットまたは面取部は、これらの区画の内部角部または稜における応力を低減させることができる。したがって、これらの区画の内部角部および/または稜に形成されたフィレットおよび/または面取部は、カテーテル導入トレー200を形成するシート材料の破壊または破損を低減または防止することができる。
【0138】
[00187]区画230の底部/床は、実質的に平坦であってもよい。それに加えて、また
は、その代わりに、区画230の底部/床は、突出部232および凹部233を有していてもよい。例えば、凹部233は、突出部232よりも低くてもよく、または、突出部232よりもカテーテル導入トレー200の上縁部206から離れた位置にあってもよい。さらに、凹部233は、突出部232のまわりを、少なくとも部分的または完全に取り囲んでもよい。そのため、例えば、凹部233は、面232を取り囲むことができるカテーテルの少なくとも一部分を収容してもよい。
【0139】
[00188]上述したとおり、カテーテル導入トレー200は、例えば患者のベッドの表面
などの支持面上に配置されてもよい。例えば、図31Cに示されるように、区画230の凹部233は、カテーテル導入トレー200の外面に突出部を形成してもよく、突出部232は、カテーテル導入トレー200の外面に凹部を形成してもよい。そのため、凹部233の外面は、カテーテル導入トレー200の向きを定めかつ/または支持面上でカテーテル導入トレー200を支持することができる表面を提供または形成することができる。さらに、一実施形態では、凹部233の外面は、上縁部206の仮想平面に対して略平行であってもよい。
【0140】
[00189]さらに、上述したとおり、区画210の溝216は、傾斜した底部/床213
に対して略平行であってもよく、また、支持面に対しては傾いているか非平行であってもよい。区画210の溝216の向きは、凹部233の外面に対して非平行であってもよい。例えば、カテーテル導入トレー200の外面において、溝216は、傾斜した底部/床213から外側へ突出していてもよい。
【0141】
[00190]カテーテル導入トレーの区画(例えば、区画210)またはその一部分は、そ
の中に、殺菌液または洗浄液(例えば、ポビドンヨード溶液)を備えていてもよい。例えば、その区画の少なくとも一部分は、殺菌液を備えていてもよく、剥離可能なカバーによ
って密封されてもよい。そのため、カテーテル導入手順の間、使用者は、殺菌液をパケットから(例えば、カテーテル導入トレー内へ)こぼすことを回避することができ、これによって、殺菌液がこぼれることを防止また低減させることができる。スワブは、この殺菌液中に少なくとも部分的に浸漬されても翼、および/または、殺菌液と一緒に、剥離可能なカバーによって少なくとも部分的にシールされてもよい。その代わりに、または、それに加えて、スワブは、カテーテル導入トレーの別の区画内に配置されてもよい。
【0142】
[00191]上述したとおり、カテーテル導入トレー200の分離壁/分割壁は、シート材
料の2つの層によって形成されてもよい。それらの分離壁/分割壁のうちの少なくとも一部は、それらのシート材料層間に空間を有していてもよい。例えば、分離壁221は、互いに間隔を置いて配置された第1の層221aおよび第2の層221bを備えていてもよい(例えば、第1の層221aは、区画230の周囲を画定または形成してもよく、第2の層221bは、区画220の周囲を画定または形成してもよい。
【0143】
[00192]分離壁221の第1の層221a上の強化リブ205は、区画230から離れ
る方向に、第1の層221aと第2の層221bとの間の空間内へ外側に向けて突出していてもよい。第2の層221b上の強化リブ205も、区画220から離れる方向に、カテーテル導入トレー200の外周または外縁部に向かって外側へ突出していてもよい。いずれにしても、上述したとおり、カテーテル導入トレー200の区画は、カテーテル導入トレー200の外面部分上に強化リブ205によって形成された突出部に対応する凹部を有していてもよい。
【0144】
[00193]カテーテル導入トレー200は、カテーテル導入手順中に使用者を支援するこ
とができる1つ以上の指示または手順表示を備えていてもよい。例えば、図32に示されるように、カテーテル導入トレー200は表示301~307を備えていてもよい。表示301~307は、カテーテル導入トレー200上に印刷されていてもよい。例えば、カテーテル導入手順中に、第1の表示301は、殺菌液を含むパッケージを開封することを使用者に知らせてもよく、第2の表示302は、殺菌液を区画210に注ぐことを使用者に知らせてもよい。
【0145】
[00194]第3の表示303は、カテーテルバルーンを膨張させるための液体を含む注射
器をカテーテルに取り付けることを使用者に知らせてもよい。一実施形態では、第4の表示304は、潤滑剤を分注することを使用者に知らせてもよく、および/または、区画220内の潤滑剤を分注する位置を識別または示唆してもよい。さらに、表示305~307は、カテーテル導入手順中に実行する追加のまたは代替の工程(例えば、生殖器を後退させ(非利き手で)、スワブを用いて患者の準備を行い(利き手で)、カテーテルを挿入し、バルーンを膨張させる(利き手で)工程)を識別してもよい。
【0146】
[00195]視認性を向上させるために、カテーテル導入トレー200は、拡大文字または
太字を使用して印刷された表示301~307を備えていてもよい。さらに、図32に示されるように、別の拡大された指示/表示が区画230の底部/床に印刷されてもよい。カテーテル導入トレー200上の表示301~307の存在は、印刷されたパンフレットまたは同種の指示の必要性をなくすか低減させることができる。
【0147】
[00196]一実施形態では、図33に示されるように、カテーテル導入システム100a
は、1つ以上の手順表示260aをCSR無菌ラップ130a上に備えていてもよい。そうではないと本明細書に記載されている場合を除いて、カテーテル導入システム100aならびにその要素および構成要素は、カテーテル導入システム100(図30A~32)ならびにそれに対応するそれぞれの要素および構成要素と同様または同一であってもよい。例えば、カテーテル導入システム100aは、カテーテル導入トレー200と、上記の
カテーテル導入トレー200に関して上述されたカテーテル導入要素および/または構成要素と、を備えていてもよい。
【0148】
[00197]一実施形態では、CSR無菌ラップ130aは、カテーテル導入手順中に使用
者を支援することができる1つ以上の手順表示260aを備えていてもよい。例えば、手順表示260aのうちの1つ以上は、個別に隔離されてもよく、および/または、個別に区切られても翼よく、または、周囲輪郭線によって視覚的に囲まれてもよい。特に、手順表示260aの各々を隔離すると、使用者の注意を引くことができ、または、使用者の注意を手順表示に集めることができ、また、手順表示の識別を容易にすることができる。手順表示260aは、表示301~307(図32)と類似または同一の情報を備えていてもよい。
【0149】
[00198]一実施形態では、カテーテル導入トレーは有窓ドレープを備えていてもよく、
この有窓ドレープは、患者を部分的に覆ってもよく、カテーテルの挿入を容易にすることができる。図34は、有窓ドレープ270を示している。有窓ドレープ270は、略矩形の形状を有していてもよい。さらに、有窓ドレープ270は、ミシン目271を備えていてもよい。特に、ミシン目271は、一般に、有窓ドレープ270に切欠きの形状を形成してもよく、この切欠きは、ミシン目271によって区切られた、有窓ドレープ270の部分を引き裂くことによって、有窓ドレープ270に形成され得る。一実施形態では、有窓ドレープ270の中心部分は、既に開口されている。すなわち、有窓ドレープ270を包装する前に、ミシン目271によって囲まれた領域内の中心材料が取り除かれている。
【0150】
[00199]ミシン目271によって画定される形状、または、中心開口の形状は、有窓ド
レープ270で患者を覆った後に、カテーテル導入手順の実行のために患者の生殖器にアクセスするのに適当なものであってもよい。さらに、いくつかの場合には、有窓ドレープ270は、側部切欠き272を備えていてもよい。例えば、側部切欠き272は、略V字状であってもよい。一実施形態では、側部切欠き272は、患者の脚の付近に有窓ドレープ270を配置することを容易にする。
【0151】
[00200]上述したとおり、カテーテル導入システムは、カテーテル導入手順を容易にす
ることができる様々な構成要素(例えば、カテーテル導入部位の近くまたは当該部位のところの領域の殺菌を容易にすることができるスワブ)を備えていてもよい。図35は、例示的なスワブ150を示している。例えば、スワブ150は、細長い部材またはステム/棒152と、これに取り付けられた先端/吸収性ヘッド151と、を備えていてもよい。
【0152】
[00201]先端/吸収性ヘッド151は、全体に丸い外側または遠位部分と、(例えば、
先端/吸収性ヘッド151の近位端および細長いステム/棒152に向かって次第に細くなる)テーパ状の近位部分と、を有していてもよい。例えば、先端/吸収性ヘッド151は、近位端のところで、遠位部分よりも細くてもよい(すなわち、遠位部分は、全体に漏斗状に広がっていてもよく、その前端は全体に丸くてもよい)。
【0153】
[00202]先端/吸収性ヘッド151は、適当な任意の材料を含んでいてもよく、この材
料は、実施形態ごとに変更することができる。先端/吸収性ヘッド151は、液体吸収材料を含むか備えていてもよい。この液体吸収材料は、殺菌液を吸収することができ、続いて、カテーテル導入部位および/またはその近くに殺菌液を分配することができる。例えば、先端/吸収性ヘッド151は、適当な発泡体、スポンジ、綿などを備えていてもよい。
【0154】
[00203]先端/吸収性ヘッド151は、任意の数の適当な機構によって細長いステム/
棒152に取り付けられてもよい。この機構は、実施形態ごとに変更することができる。
例えば、先端/吸収性ヘッド151は、接着剤、超音波溶接などによって、細長いステム/棒152に取り付けされてもよい。細長いステム152は、先端/吸収性ヘッド151内の所定の深さまで入れられてもよく、このことは、先端/吸収性ヘッド151と細長いステム/棒152とを一体として適当に固定し、同時に、(例えば、挿入部位に殺菌液を塗布している間に、患者が細長いステム/棒152に接触すること、および/または、細長いステム/棒152によって患者が傷ついたり怪我をしたりすることを回避する態様で)細長いステム/棒152の前方に先端/吸収性ヘッド151の十分な部分が残るようにすることを容易にすることができる。例えば、細長いステム/棒152に固定された後、先端/吸収性ヘッド151は、十分な柔軟性、十分な弾力性および/または剛性を有することができ、その結果、先端は、殺菌液を吸収した後に、実質的に曲がらず、挿入部位に殺菌液を塗布する間には、弾力的に曲がることができる。
【0155】
[00204]上述したとおり、いくつかの例では、カテーテル導入トレー内のカテーテルア
センブリは、カテーテル導入トレーを支持する支持面に対して略平行に方向付けられてもよい。カテーテル導入トレー内のカテーテルアセンブリは、支持面に対して略垂直すなわち直交して方向付けられてもよい。図36A~36Bは、カテーテル導入トレー200aを備えるカテーテル導入システム100aを示している。カテーテル導入トレー200aは、カテーテルアセンブリ、および/または、カテーテル導入手順のための1つ以上の構成要素もしくは要素を固定する。本明細書に記載がある場合を除いて、カテーテル導入システム100aならびにその要素および構成要素は、カテーテル導入システム100(図30)およびその要素または構成要素と同様または同一であってもよい。例えば、本明細書に記載がある場合を除いて、カテーテル導入トレー200a、ならびに、カテーテル導入トレー200a内に収容されるカテーテル導入要素および構成要素は、カテーテル導入トレー200(図31A~32)およびそれに収容されるカテーテル導入要素または構成要素と同様であってもよい。
【0156】
[00205]例えば、図36Aに示されるように、カテーテル導入トレー200aは、略矩
形の形状を有していてもよく、その形状は、周囲壁201a~204aによって形成されてもよい。周囲壁201a~204aは、略平面であってもよく、したがって、カテーテル導入トレー200aの箱のような構造または外周を形成してもよい。カテーテル導入トレー200aは、さらに、指示および/または1つ以上のカテーテル導入構成要素を備えることができる頂部区画210aを備えていてもよい。一実施形態では、頂部区画210aは、分離壁211a,212aおよび底壁213aによって形成されてもよい。一実施形態では、分離壁211a,212aおよび/または底壁213aは、カテーテル導入トレー200aから取外し可能であってもよい。
【0157】
[00206]一実施形態では、分離壁211a,212aおよび/または底壁213aの取
外しによって、カテーテル導入トレー200a内に収容される追加的なカテーテル導入構成要素へのアクセスを提供し得る。例えば、図36Bに示されるように、分離壁211a,212aおよび底壁213a(図36A)を取り出した後、カテーテル導入トレー200aの中心区画220aは、露出されることができ、および/または、使用者に対してアクセス可能とすることができる。例えば、区画220aは、カテーテルアセンブリ190を収容しまたは備えていてもよい。一実施形態では、区画210aは、1つ以上の分離壁によって(例えば、分離壁221a,222aによって)隣接する区画から分離されてもよい。上述したとおり、区画210a内のカテーテルアセンブリ190は、(例えば、患者のベッドの表面などの支持面にカテーテル導入トレー200aが置かれたときに)支持面に対して略垂直になるように方向付けられてもよい。
【0158】
[00207]一実施形態では、分離壁221a,222aは、隣接する区画230a,24
0aから中心区画220aを分離してもよい。区画230aおよび/または240aは、
手順のための様々なカテーテル導入要素または構成要素を収容しまたは備えていてもよい。それらのカテーテル導入要素または構成要素は、カテーテル導入トレー200(図31A~32)に関して上述されたカテーテル導入構成要素と同様または同一であってもよい。いくつかの場合には、分離壁221および/または222aは、カテーテル導入トレー200aから取外し可能であってもよく、このことは、カテーテル導入トレー200aからのカテーテル導入要素または構成要素の取出しを容易にすることができる。
【0159】
[00208]カテーテル導入トレー200aは、適当な任意の材料から構築することができ
る。例えば、カテーテル導入トレー200aは、厚いシート状の材料またはパネル(例えば、プラスチック材料)から構築されてもよい。例えば、それらのパネルの厚みは、以下の範囲のうちの1つ以上の範囲内にあってもよい。約2.5mm(約0.1インチ)から約5.1mm(約0.2インチ)、約3.8mm(約0.15インチ)から約7.6mm(約0.3インチ)、約6.4mm(約0.25インチ)から約12.7mm(約0.5インチ)。しかしながら、パネルの厚みは、2.5mm(0.1インチ)未満であってもよく、または、12.7mm(0.5インチ)よりも大きくてもよいことを理解すべきである。さらに、カテーテル導入トレー200aは、カテーテル導入手順後に再使用されてもよい(例えば、カテーテル導入トレー200aは、再使用のために殺菌および/または再包装されてもよい)。
【0160】
[00209]一実施形態では、(例えば、分離壁を取り外すのに加えて、または、それに代
えて)カテーテル導入トレーは、少なくとも部分的に分解されてもよい。図37Aは、カテーテル導入トレー200bを備えていてもよいカテーテル導入システム100bを示しており、カテーテル導入トレー200bは、その中の内容物にアクセスするために広げられ得る。上述したとおり、カテーテル導入システム100bは、CSR無菌ラップ130bで包むことができるカテーテル導入トレー200bを備えていてもよく、CSR無菌ラップ130bは、カテーテル導入トレー200bにアクセスするために開封され得る。例えば、最初に、CSR無菌ラップ130bのフラップまたは部分131bは、患者に向けて広げられてもよい(例えば、それによってCSR無菌ラップ130bの無菌部分131bで支持面を覆うことができる)。
【0161】
[00210]一実施形態では、CSR無菌ラップ130bは、ポケット132bを備えてい
てもよく、ポケット132bは、カテーテル導入トレー200bを露出させるためにCSR無菌ラップ130bが開封されたときに露出されてもよい。一実施形態では、カテーテル導入手順中および/またはその後に、使用済みのアイテムまたはゴミがポケット132bに入れられてもよい。続いて、このゴミは、CSR無菌ラップ130bと一緒に廃棄されてもよい。
【0162】
[00211]ドレープ(例えば、有窓ドレープ270)は、CSR無菌ラップ130bが開
封され後にドレープが露出され、そのドレープをCSR無菌ラップ130bから取り外してカテーテル導入手順で使用することができるように、CSR無菌ラップ130bに取り付けられてもよい。一実施形態では、有窓ドレープ270は、適当な任意の手段でCSR無菌ラップ130bに取り付けられてもよく、この手段は、実施形態ごとに変更することができる。一例では、有窓ドレープ270は、弱い接着剤、テープ、タブなどでCSR無菌ラップ130bに取り付けられてもよい。
【0163】
[00212]上述したとおり、カテーテル導入トレー200bは、CSR無菌ラップ130
bを開封した後に露出され得る。カテーテル導入トレー200bは、1つ以上の識別子260bを備えていてもよく、この識別子260bは、カテーテル導入手順における工程の順序、および/または、カテーテル導入構成要素の使用順序を識別または示唆してもよい(例えば、それらの識別子は、カテーテル導入トレー200bの1つ以上の外面にあって
もよい)。例えば、識別子260bは、カテーテル導入トレー200bの頂面に配置されてもよく、カテーテル導入手順の後続の工程を表示してもよい。一実施形態によれば、カテーテル導入トレー200bのトップパネル201bは、カテーテル導入トレー200bを広げて、カテーテル導入トレー200b内のカテーテル導入構成要素にアクセスするために開封されてもよい。
【0164】
[00213]図37Bに示されるように、カテーテル導入トレー200bを開封した後、使
用者は、区画210bにアクセスすることができ、区画210bは、カテーテル導入手順のためのカテーテルアセンブリ190を備えていてもよい。例えば、トップパネル201bは、(トップパネル201bに接続された)サイドパネル202bと一緒に、パネル203b,204b,205bから離れる方向に広げることができる。より具体的には、サイドパネル203b,204bおよび強化リブ205bは、区画210bの外縁部を部分的に形成してもよい。サイドパネル202bおよびトップパネル201bをサイドパネル203b,204b,205bから広げると、(サイドパネル202bがそこから広げられた)側面および(トップパネル201bが取り外された)頂面を通して、区画210bにアクセスすることができる。一実施形態では、サイドパネル202bおよびトップパネル201bは、概ね挿入部位とは反対の方向または挿入部位から遠ざかる方向に、(例えば、カテーテル導入手順を妨げないと思われる態様で)広げられてもよい。
【0165】
[00214]さらに、カテーテル導入トレー200bは、パネル201bの内面に、追加的
または代替のカテーテル導入構成要素(例えば、注射器170、スワブ150)を備えていてもよい。このようなカテーテル導入構成要素は、トップパネル201bおよび/またはサイドパネル202bに取り付けられるか固定されてもよい。例えば、注射器170は、1本または数本のストラップ220bを用いてトップパネル201bに固定されてもよい。さらに、いくつかの場合には、スワブ150は、1つ以上のポケット230b内でトップパネル201bに固定されてもよい。カテーテル導入構成要素(例えば、注射器170、スワブ150など)は、任意の数の適当な方法で、任意の数の適当な機構(例えば、接着剤、タブなど)によって、トップパネル201bに取り付けられるか固定されてもよいことを理解すべきである。いずれにしても、トップパネル201bおよび/またはサイドパネル202bの内面に固定されたカテーテル導入構成要素は、サイドパネル203b,204b,205bから離れる方向に広げられた後に、アクセス可能およびそこから取外し可能であってもよい。
【0166】
[00215]さらに、サイドパネル202bおよび/またはトップパネル201bは、1つ
以上の手順表示260bを、対応する1つ以上のカテーテル導入構成要素の近くに備えていてもよい。例えば、手順表示260bは、番号によってカテーテル導入構成要素を識別してもよく、この番号は、カテーテル導入手順のための提案された一連の工程のうちの提案された工程番号に対応していてもよい。さらに、カテーテル導入構成要素および対応する手順表示260bは、より大きな番号を有する表示および対応するカテーテル導入構成要素が概して挿入部位からより離れて配置されるように、順番に配置されてもよい。言い換えると、(カテーテル導入トレー200bの向きに基づいて、)カテーテル導入手順の相対的に前段で使用されるカテーテル導入構成要素は、挿入部位のより近くにあってもよく、一方、カテーテル導入手順の相対的に後段で使用されるカテーテル導入構成要素は、挿入部位からより離れて配置される。
【0167】
[00216]一実施形態では、カテーテル導入トレー200bは、水平パネル207bを備
えていてもよく、この水平パネル207bは、サイドパネル204bに接続され、サイドパネル204bから延在していてもよい(例えば、水平パネル207bは、区画210bの中へ折り曲げされてもよく、および/または、カテーテル導入トレー200bを支持する支持面に対して略平行であってもよい)。いくつかの場合には、水平パネル207bは
、1つ以上のカテーテル導入構成要素を支持および/または固定してもよい。例えば、水平パネル207bは、潤滑剤を含むポーチ180bを固定してもよく、ポーチ180bは、水平パネル207bから取り外され、カテーテル導入手順で使用されてもよい。
【0168】
[00217]一実施形態では、サイドパネル204bおよび水平パネル207bは、図37
Cに示されるように、サイドパネル203b,205bから離れる方向に広げられてもよい。例えば、サイドパネル204bを広げると、区画210b内にアクセスすることができる。さらに、1つ以上のカテーテル導入構成要素が、サイドパネル204b、および/または、水平パネル207bの内側に、その内面のところで取り付けされてもよい。例えば、殺菌剤パケット160が水平パネル207bおよび/またはサイドパネル204bに(例えば、弱い接着剤を用いて)取り付けられてもよい。さらに、カテーテル導入トレー200bは、カテーテル導入手順のシーケンス中の殺菌剤パケット160が使用され得る工程または特定の順序もしくは位置を識別する表示260bを備えていてもよい。
【0169】
[00218]上述したとおり、カテーテル導入システムは、無菌ラップに包まれたカテーテ
ル導入トレーを備えていてもよく、この無菌ラップは、カテーテル導入手順中に使用されてもよい。カテーテル導入システムは、無菌ラップによって包装されおよび/または無菌ラップ内に固定された1つ以上のカテーテル導入構成要素を(例えば、カテーテル導入トレーなしで無菌ラップ内に直接的に)備えていてもよい。このようなカテーテル導入システムは、カテーテル導入手順後に捨てられる廃棄物または材料を減らすことができる。例えば、カテーテル導入材料を完成させた後に、無菌ラップを廃棄および/または堆肥化して、カテーテル導入システムからの長期的な廃棄物を減らすことができる。
【0170】
[00219]上記のパッケージ、トレー、システム、アセンブリ、方法などは、概して、カ
テーテル導入パッケージ、カテーテル導入トレーおよびカテーテル導入手順に対して適用されるものとして説明された。しかしながら、記載された原理は、他のタイプの医療手順パッケージ、トレー、システム、アセンブリおよび方法に適用することもできる。さらに、一般に、1つの実施形態に記載された特徴は、他の実施形態に記載された特徴と組み合わせられてもよい。
【0171】
[00220]本発明が特定のバリエーションおよび例示的な図に関して説明されたが、本発
明は、記載されたそれらのバリエーションまたは図だけに限定されないことを当業者は理解するであろう。加えて、上述された方法および工程は、ある事象がある順序で起こることを示している場合には、ある工程の順序を変更することができること、および、そのような変更は本発明のバリエーションに基づくことを当業者は理解するであろう。加えて、上述したとおりの順番で実行されるだけでなく、可能な場合には、それらの工程のうちのある工程は、並行プロセスで同時に実施されてもよい。したがって、本開示の趣旨または特許請求の範囲に見られる本発明の均等物の範囲内にある本発明のバリエーションが存在する範囲において、この特許はそれらのバリエーションも包含することが意図されている。本発明は、例えば、以下の形態でも実現可能である。
[形態1]
カテーテル導入パッケージであって、
カテーテル導入トレーを備え、
前記カテーテル導入トレーは、
ドレナージシステムを保持する第1の区画と、
注射器を保持する第2の区画と、
スワブを保持する第3の区画であって、前記スワブの吸収性ヘッドが下方へ偏向して前記第3の区画のウェルに入り、前記スワブの細長い部材が、より容易な把持および取出しのために上方に向けて角度付けられる傾斜姿勢で前期スワブが保持される第3の区画と、
前記カテーテル導入トレー上に直接的に刻印されたカテーテル導入指示と、
前記カテーテル導入トレーのまわりに包まれる無菌ラップと
を備えるカテーテル導入パッケージ。
[形態2]
形態1に記載のカテーテル導入パッケージであって、
前記スワブの前記吸収性ヘッドは、吸収性発泡体から形成された
カテーテル導入パッケージ。
[形態3]
形態2に記載のカテーテル導入パッケージであって、
前記スワブの前記細長い部材は、丸い稜を有する略矩形の断面を有する
カテーテル導入パッケージ。
[形態4]
形態1に記載のカテーテル導入パッケージであって、
さらに、前記カテーテル導入トレーと一緒に包装されるペリケアキットを前記無菌ラップの外側の位置に備える
カテーテル導入パッケージ。
[形態5]
形態1に記載のカテーテル導入パッケージであって、
さらに、前記無菌ラップの外側に帯を備え、
前記帯は、前記無菌ラップを開封する前に前記カテーテル導入トレーをどのように方向付けるのかに関する指示を備える
カテーテル導入パッケージ。
[形態6]
形態1に記載のカテーテル導入パッケージであって、
さらに、前記無菌ラップの外側に包装ラベルを備える
カテーテル導入パッケージ。
[形態7]
形態6に記載のカテーテル導入パッケージであって、
前記包装ラベルは、前記ラベルの上面部分から異なる平面に折り曲げられる少なくとも3つの側面を備え、
前記少なくとも3つの側面は、前記カテーテル導入パッケージの1つ以上の側から前記カテーテル導入パッケージを見たときに、視認可能である
カテーテル導入パッケージ。
[形態8]
形態6に記載のカテーテル導入パッケージであって、
前記包装ラベルは、複数の情報構造を備え、
前記複数の情報構造の各々は、素早く読み取ることが容易な態様で、前記カテーテル導入パッケージの基本的特徴を強調する
カテーテル導入パッケージ。
[形態9]
形態8に記載のカテーテル導入パッケージであって、
情報構造は、情報スクエアである
カテーテル導入パッケージ。
[形態10]
医療手順パッケージであって、
前記医療手順を実施するのに有用な器具を保持する3つ以上の区画と、
前記医療手順トレー上に直接的に刻印された指示であって、前記医療手順の工程をどのように実施するのかを使用者に説明する指示と
を備え、
前記医療手順トレーの前記3つ以上の区画、前記指示および器具は、所定の配置で配置
されており、
前記所定の配置は、該所定の配置に基づいて、前記医療手順が、工程から工程へ直観的に理解できるように進行するように設定されている
医療手順パッケージ。
[形態11]
形態10に記載の医療手順パッケージであって、
前記所定の配置は、少なくとも第1の器具を第2の器具の上に位置決めすることを備え、
前記第1の器具は、前記医療手順において前記第2の器具よりも前に使用されることが予定されている
医療手順パッケージ。
[形態12]
形態11に記載の医療手順パッケージであって、
前記所定の配置は、少なくとも第3の器具を前記第1の器具の上に位置決めすることを備え、
前記第3の器具は、前記医療手順において前記第1の器具よりも前に使用されることが予定されている
医療手順パッケージ。
[形態13]
形態12に記載の医療手順パッケージであって、
前記所定の配置は、少なくとも第4の器具を前記第3の器具の上に位置決めすることを備え、
前記第4の器具は、前記医療手順において前記第3の器具よりも前に使用されることが予定されている
医療手順パッケージ。
[形態14]
患者にカテーテルを導入する方法であって、
カテーテル導入トレーを有するカテーテル導入パッケージを用意する工程を備え、
前記カテーテル導入トレーは、
カテーテルを有するドレナージシステムを保持する第1の区画と、
スワブを保持する第2の区画であって、前記スワブの吸収性ヘッドが下方へ偏向して前記第2の区画のウェルに入り、前記スワブの細長い部材が上方に向けて角度付けられる傾斜姿勢で前期スワブが保持される第2の区画と
を備え、
前記方法は、さらに、
前記吸収性ヘッドが滅菌溶液と接触するように該滅菌溶液を前記ウェル内に注ぐ工程と、
前記スワブを使用して、前記患者の、カテーテルが導入されるべき領域を洗浄する工程と、
カテーテルの一部分を前記患者の尿道に挿入する工程と
を備える方法。
[形態15]
形態14に記載の方法であって、
無菌ラップが、前記カテーテル導入トレーのまわりに包まれており、
前記方法は、さらに、滅菌溶液を前記ウェル内に注ぐ前に、前記無菌ラップを開封する工程を備える
方法。
[形態16]
形態15に記載の方法であって、
前記カテーテル導入パッケージは、さらに、前記無菌ラップの外側に位置するペリケア
キットを備え、
前記方法は、さらに、前記無菌ラップを開封する前に、前記ペリケアキットを使用して、前記患者の会陰の一部分を洗浄する工程を備える
方法。
[形態17]
形態15に記載の方法であって、
帯が前記無菌ラップの外側に配置されており、
前記帯は、前記無菌ラップを開封する前に前記カテーテル導入トレーをどのように適正に方向付けするのかに関する指示を備え、
前記カテーテル導入トレーは、前記無菌ラップを開封する前に、前記指示に従って方向付けられる
方法。
[形態18]
カテーテル導入パッケージを製造する方法であって、
カテーテル導入トレーを用意する工程を備え、
前記カテーテル導入トレーは、
第1の区画と、
第2の区画と、
第3の区画であって、スワブを保持するための溝を有する前記第3の区画の底部の傾斜部分を備える第3の区画と、
前記カテーテル導入トレー上に直接的に刻印されたカテーテル導入指示と
を備え、
前記第1の区画、前記第2の区画および前記第3の区画は、それぞれ、壁によって互いから少なくとも部分的に分離され
前記方法は、さらに、
前記第1の区画内にドレナージシステムを配置し、前記第2の区画内に注射器を配置し、前記スワブの吸収性ヘッドが下方へ偏向して前記第3の区画のウェルに入り、前記スワブの細長い部材が、より容易な把持および取出しのために上方に向けて角度付けられるように前記第3の区画内にスワブを配置する工程と、
前記カテーテル導入トレーを無菌ラップ内に包む工程と
を備える方法。
[形態19]
形態18に記載の方法であって、
さらに、前記無菌ラップの一部分の周りに帯を配置する工程を備え、
前記帯は、前記無菌ラップを開封する前に前記カテーテル導入トレーをどのように適正に方向付けするのかに関する指示を備える
方法。
[形態20]
形態18に記載の方法であって、
さらに、前記カテーテル導入トレーにペリケアキットを追加する工程を備え、
前記ペリケアキットは、前記帯および前記無菌ラップの外側に追加され、
前記ペリケアキットは、前記患者を洗浄するための、洗浄タオレットと、手指殺菌剤と、指示と、を保持するジッパ付きの袋を備える
方法。
[形態21]
形態20に記載の方法であって、
さらに、詳細カテーテル導入指示の文書を前記カテーテル導入パッケージに追加する工程を備える
方法。
[形態22]
形態18に記載の方法であって、
さらに、前記カテーテル導入パッケージの上に包装ラベルを配置する工程を備え、
前記包装ラベルは、上面部分から折り曲げられる少なくとも3つの側面部分を備える
方法。
[形態23]
形態18に記載の方法であって、
さらに、前記カテーテル導入パッケージの上に包装ラベルを配置する工程を備え、
前記包装ラベルは、複数の情報構造を備え、
前記複数の情報構造は、それぞれ、素早く読み取ることが容易な態様で、前記カテーテル導入パッケージの基本的特徴を強調する
方法。
[形態24]
形態23に記載の方法であって、
情報構造は、情報スクエアである
方法。
[形態25]
カテーテル導入手順のための構成要素を固定するための容器であって、
前記容器の全体形状を画定する外殻と、
前記外殻内の複数の区画であって、該複数の区画の各々の区画が、1つ以上の分離壁によって、前記複数の区画のうちの隣接する1つ以上の区画から分離された複数の区画と
を備え、
前記複数の区画は、
カテーテルアセンブリを収容できるようにサイズおよび構成が定められた第1の区画と、
前記1つ以上の分離壁によって前記第1の区画から分離された1つ以上の第2の区画と
を備え、
前記1つ以上の第2の区画のうちの少なくとも1つは、前記1つ以上の分離壁のうちの少なくとも1つの部分分離壁を備える
容器。
[形態26]
形態25に記載の容器であって、
前記1つ以上の分離壁のうちの少なくとも1つ、または、前記外殻の少なくとも一部分は、1つ以上の強化リブを備える
容器。
[形態27]
形態25に記載の容器であって、
前記1つ以上の第2の区画は、傾斜した底部を有する第2の区画を備える
容器。
[形態28]
形態27に記載の容器であって、
前記複数の区画のうちの前記第1の区画は、該第1の区画の前記傾斜した底部に1つ以上の溝を備える
容器。
[形態29]
形態28に記載の容器であって、
前記傾斜した底部の前記1つ以上の溝は、前記傾斜した底部に対して略平行な向きを有しており、
前記1つ以上の溝は、その中に1つ以上の細長いシャフトを固定するように構成された
容器。
[形態30]
形態25に記載の容器であって、
前記1つ以上の第2の区画は、丸い底部を有するとともに略円筒形の小型容器を収容するようにサイズおよび構成が定められた第3の区画を備える
容器。
[形態31]
形態25に記載の容器であって、
前記1つ以上の第2の区画は、前記第1の区画よりも浅い第4の区画を備え、
前記第4の区画は、前記第1の区画の底部よりも上方に位置する底部を有する
容器。
[形態32]
形態31に記載の容器であって、
前記1つ以上の第2の区画のうちの前記第4の区画は、前記少なくとも1つの部分分離壁のうちの第1の部分分離壁によって、前記第1の区画から分離された
容器。
[形態33]
形態32に記載の容器であって、
前記第1の部分分離壁は、前記第1の区画の底部から前記外殻の頂部まで完全な高さで延在する第1の部分と、前記第1の区画の前記底部から前記第4の区画の前記底部まで延在する第2の部分と、を備える
容器。
[形態34]
形態25に記載の容器であって、
前記1つ以上の第2の区画のうちの少なくとも一部は、前記1つ以上の第2の区画のうちの対応する第2の区画内に対置されたアイテムのうちの1つ以上を識別する1つ以上の手順識別子を備える
容器。
[形態35]
形態34に記載の容器であって、
前記1つ以上の手順識別子は、前記カテーテル導入手順における順次行為に対応する数値を備える
容器。
[形態36]
カテーテル導入手順を実施するためのカテーテル導入システムであって、
カテーテル導入トレーを備え、
前記カテーテル導入トレーは、
前記容器の全体形状を画定する外殻と、
前記外殻内の複数の区画であって、前記複数の区画の区画が、1つ以上の分離壁によって、前記複数の区画のうちの隣接する1つ以上の区画から分離された複数の区画と
を備え、
前記複数の区画は、
カテーテルアセンブリを収容する第1の区画と、
前記1つ以上の分離壁によって前記第1の区画から分離された1つ以上の第2の区画と
を備え、
前記1つ以上の第2の区画のうちの少なくとも1つは、前記1つ以上の分離壁のうちの少なくとも1つの部分分離壁を備え、
前記カテーテル導入トレーは、さらに、前記1つ以上の第2の区画のうちの第2の区画内に配置される1つ以上のスワブを備える
カテーテル導入システム。
[形態37]
形態36に記載のカテーテル導入システムであって、
前記1つ以上のスワブの各々は、細長いステムと、該細長いステムに固定されるか一体化された吸収性ヘッドと、を備える
カテーテル導入システム。
[形態38]
形態37に記載のカテーテル導入システムであって、
前記吸収性ヘッドの遠位部分の幅は、前記吸収性ヘッドの近位部分の幅よりも大きく、
前記近位部分は、前記細長いステムに固定されるか一体化される
カテーテル導入システム。
[形態39]
形態37に記載のカテーテル導入システムであって、
前記第2の区画は、1つ以上の溝を備え、
前記1つ以上のスワブは、前記1つ以上の溝のうちの対応する溝内に固定される
テーテル導入システム。
[形態40]
形態39に記載のカテーテル導入システムであって、
前記1つ以上のスワブの前記細長いステムの各々は、略矩形の断面形状を有し、
前記細長いステムは、前記第2の区画の前記1つ以上の溝のうちの対応する溝内に、捻り可能に固定される
カテーテル導入システム。
[形態41]
形態36に記載のカテーテル導入システムであって、
前記1つ以上の第2の区画は、前記第1の区画よりも浅い第3の区画を備え、
前記第3の区画は、前記第1の区画の底部よりも上方に位置する底部を備える
カテーテル導入システム。
[形態42]
形態41に記載のカテーテル導入システムであって、
さらに、前記第3の区画内に配置される1つ以上の注射器を備え、
前記1つ以上の第2の区画のうちの前記第3の区画は、部分分離壁によって前記第1の区画から分離される
カテーテル導入システム。
[形態43]
形態42に記載のカテーテル導入システムであって、
前記部分分離壁は、前記第1の区画の底部から前記外殻の頂部まで完全な高さで延在する第1の部分と、前記第1の区画の前記底部から、前記1つ以上の第2の区画のうちの前記第3の区画の前記底部まで延在する第2の部分と、を備える
カテーテル導入システム。
[形態44]
形態43に記載のカテーテル導入システムであって、
前記1つ以上の注射器は、前記第1の区画からアクセス可能である
カテーテル導入システム。
[形態45]
カテーテル導入手順を実施するためのカテーテル導入システムであって、
カテーテル導入トレーを備え、
前記カテーテル導入トレーは、
前記容器の全体形状を画定する外殻と、
前記外殻内の複数の区画であって、該複数の区画の各々の区画が、1つ以上の分離壁によって、前記複数の区画のうちの隣接する1つ以上の区画から分離された複数の区画と
を備え、
前記複数の区画は、
カテーテルアセンブリを収容する第1の区画と、
前記1つ以上の分離壁によって前記第1の区画から分離された1つ以上の第2の区画と
を備え、
前記1つ以上の第2の区画のうちの少なくとも1つは、前記1つ以上の分離壁のうちの少なくとも1つの部分分離壁を備え、
前記1つ以上の第2の区画は、
傾斜した底部を有する第2の区画と、
前記第1の区画よりも浅い第3の区画であって、前記第1の区画の底部よりも上方に位置する底部を有する第3の区画と
を備え、
前記カテーテル導入トレーは、さらに、
前記1つ以上の第2の区画のうちの前記第2の区画内に配置される1つ以上のスワブと、
前記1つ以上の第2の区画のうちの前記第3の区画内に配置される1つ以上の注射器と
を備える
カテーテル導入システム。

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30A
図30B
図31A
図31B
図31C
図32
図33
図34
図35
図36A
図36B
図37A
図37B
図37C