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特許7100693テトラヒドロプロトベルベリン系化合物、その製造方法、使用及び医薬組成物
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  • 特許-テトラヒドロプロトベルベリン系化合物、その製造方法、使用及び医薬組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】テトラヒドロプロトベルベリン系化合物、その製造方法、使用及び医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 455/03 20060101AFI20220706BHJP
   C07D 498/14 20060101ALI20220706BHJP
   C07D 471/14 20060101ALI20220706BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20220706BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20220706BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20220706BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20220706BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20220706BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220706BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20220706BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220706BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20220706BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20220706BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
C07D455/03
C07D498/14 CSP
C07D471/14 101
A61K31/4375
A61P25/18
A61P25/24
A61P25/22
A61P25/14
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/00
A61K31/5383
A61P25/30
A61P25/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020509452
(86)(22)【出願日】2018-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2018100340
(87)【国際公開番号】W WO2019034031
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】201710693250.1
(32)【優先日】2017-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512148861
【氏名又は名称】シャンハイ インスティチュート オブ マテリア メディカ,チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシーズ
(73)【特許権者】
【識別番号】520052385
【氏名又は名称】トップハーマン シャンハイ カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】ホー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チアン シアンルイ
(72)【発明者】
【氏名】リー チエンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン チェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ウェイミン
(72)【発明者】
【氏名】チュー フーチアン
(72)【発明者】
【氏名】ウー チュンホイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ロンシア
(72)【発明者】
【氏名】シェン チンシャン
(72)【発明者】
【氏名】チアン ホアリャン
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】蘭国特許出願公開第06501747(NL,A)
【文献】特表2012-513413(JP,A)
【文献】国際公開第2009/002873(WO,A1)
【文献】特表2014-515379(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0149488(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1900076(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1900075(CN,A)
【文献】特開昭52-095699(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105418601(CN,A)
【文献】Yamahara, Johji; Konoshima, Takao; Sakakibara, Yayoi; Ishiguro, Makiko; Sawada, Tokunosuke; Fujimura, Hajime,Central depressant action of tetrahydroberberine and its derivatives,Chemical & Pharmaceutical Bulletin,1976年,24(8),,1909-12
【文献】Chen, Jichao; Wang, Tianyu; Xu, Shengtao; Lin, Aijun; Yao, Hequan; Xie, Weijia; Zhu, Zheying; Xu, Jinyi,Design, synthesis and biological evaluation of novel nitric oxide-donating protoberberine derivatives as antitumor agents,European Journal of Medicinal Chemistry,2017年,132,,173-183
【文献】Barkovic, Dragutin; Gasparac, Zlatko,Semisynthetic berberine homologs. I. Ethers of berberrubine,Farmaceutski Glasnik,1966年,22(4),,127-31
【文献】富岡清,人名反応に学ぶ有機合成の戦略,第1版第2刷,日本,化学同人,2007年03月30日,P196-197, P436-439
【文献】辻二郎,遷移金属が拓く有機合成 その多彩な反応形式と最新の成果,第1版,日本,化学同人,1997年,P15-18
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00-521/00
A61K 31/33- 33/44
A61P 1/00- 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で示されるテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体及びその混合物、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物であって、
【化1】
前記一般式(I)の化合物は、以下のような一般式(I-A)、(I-E)又は(I-F)で示され、
【化2】
そのうち、
一般式(I-A)及び(I-E)においては、
R1とR2が隣接するベンゼン環とともに、1~4つの置換基を含む置換又は未置換の以下の環:
【化3】
を形成し、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、オキソ基、チオ基、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれ、
一般式(I-F)においては、
2とR3が隣接するベンゼン環とともに、1~4つの置換基を含む置換又は未置換の以下の環:
【化4】
を形成し、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、オキソ基、チオ基、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる
ことを特徴とする、
テトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体及びその混合物、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物。
【請求項2】
一般式(I-A-1)で示されるテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体及びその混合物、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物であって、
【化5】
そのうち、
R2は、フッ素、塩素、臭素、-SCH3、-SCH2CH3、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、トリフルオロメチル基、ブロモメチル基、クロロメチル基、ビニル基、アミノ基、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH2CN、-CH2CH2CN、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、-CH2CO2H、-CH2CH2CO2H、-SO2CH3、-SO2CF3、-CH2NHMe、-CH2NMe2、-CH2CONH2、-CH2CONHMe又は-CH2CONMe2からなる群より選ばれる
ことを特徴とする、テトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体及びその混合物、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物。
【請求項3】
以下の化合物:
(1)(S)-2-メチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(2)(S)-2-n-プロピル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(3)(S)-2-イソブチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(4)(S)-2-シアノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(5)(S)-2-カルバモイル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(6)(S)-2-ホルミル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(7)(S)-2-ヒドロキシメチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(8)(S)-2-カルボキシル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(9)(S)-2-エトキシカルボニル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(10)(S)-2-アミノメチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(11)(S)-2-アセチルアミノメチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(12)(S)-2-アセチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(13)(S)-2-アミノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(14)(S)-2-アセチルアミノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(15)(S)-2-ブロモ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(16)(S)-2-クロロ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(17)(S)-2-ビニル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(18)(S)-2-ヒドロキシエチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(19)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-シアノ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(20)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-カルバモイル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(21)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-アセチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(22)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-アミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(23)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-アセチルアミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(24)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-ホルミル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(25)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-ヒドロキシメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(26)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-メチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(27)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-シアノ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(28)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-カルバモイル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(29)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-ホルミル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(30)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-ヒドロキシメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(31)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-アミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(32)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-アセチルアミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(33)(S)-2,10-ジアミノ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(34)(S)-2,10-ジアセチルアミノ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン
(35)2,3-ジシアノ-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(36)2,3-イミノジカルボニル-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(37)(S)-2,10-ジシアノ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(38)(S)-2,10-ジカルバモイル-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(39)2,3-ジカルバモイル-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(40)(S)-4、10,11-トリメトキシ-3,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-h]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン-2(1H)-オン;
(41)(S)-4、10,11-トリメトキシ-3,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-h]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン-2(1H)-チオン;
(42)(S)-4、10,11-トリメトキシ-1,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-h]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン;
(43)(S)-4、10,11-トリメトキシ-1,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイソキノリノ[3,2-a][1,2,3]トリアゾロ[4、5-h]イソキノリン;
(44)9,10-ジメトキシ-1,5,6,8,13,13a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-g]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン;
(45)9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[4、5-g]イソキノリン;
(46)9,10-ジメトキシ-3,5,6,8,13,13a-ヘキサヒドロ-2H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[4、5-g]イソキノリン-2-オン;
(47)10,11-ジメトキシ-4、6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイソキノリノ[3,2-a][1,4]オキサジノ[3,2-g]イソキノリン-3(2H)-オン;
(48)10,11-ジメトキシ-7,9,14、14a-テトラヒドロ-6H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[5,4-h]イソキノリン;
(49)10,11-ジメトキシ-6,7,14、14a-テトラヒドロ-1H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[5,4-h]イソキノリン-2(9H)-オン;
(50)11,12-ジメトキシ-3,7,8,10,15,15a-ヘキサヒドロイソキノリノ[3,2-a][1,4]オキサジノ[2,3-h]イソキノリン-2(1H)-オン;
(51)(S)-2-(ジフルオロメトキシ)-3,9,10-トリメトキシ-9-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(52)(S)-2-アリルオキシ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(53)(S)-2-シクロプロピルオキシ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(54)(S)-2-シクロペンチルオキシ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(55)(S)-3,9-ジメトキシ-2, 10-ジヒドロキシエトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(56)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-ヒドロキシエトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(57)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-シクロプロピルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(58)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-シクロペンチルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(59)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-シクロプロピルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(60)(S)-2-メタンスルホニルアミノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
からなる群より選ばれる、ことを特徴とする、
テトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体及びその混合物、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物。
【請求項4】
中枢神経系疾患を予防及び/又は治療するための医薬の製造における、請求項1~3のいずれか一項に記載のテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体及びその混合物、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物の使用。
【請求項5】
前記中枢神経系疾患は、統合失調症;制御困難な、処置困難な又は慢性な統合失調症;情動障害;精神障害;情緒障害;I型双極性感情障害;II型双極性感情障害;うつ病;内因性うつ病;大うつ病;制御困難なうつ病;気分変調性障害;気分循環性障害;パニック発作;パニック障害;社会恐怖症;強迫性概念障害及び行動障害;衝動的障害;心的外傷後ストレス障害;不安障害;急性ストレス障害;ヒステリー性障害;神経性無食欲症;適応障害;認知障害;自閉症;神経性頭痛;躁病;パーキンソン病;ハンチントン病;アルツハイマー病;痴呆症;記憶障碍;多動性障害;薬物依存症;睡眠障碍;注意欠陥/亢進系疾患和トゥレット障害からなる群より選ばれる、ことを特徴とする、請求項記載の使用。
【請求項6】
治療有効量の請求項1~3のいずれか一項に記載の一般式(I)で示されるテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物の一つ又は複数の混合物と、任意の薬理学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化学及び化学合成分野に関する。具体的に、本発明は、新規な構造を有するテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、その製造方法、医薬組成物及びドーパミンと5-HT受容体関連の神経系疾患、特に、パーキンソン病、統合失調症、薬物依存症、多動性障害、偏頭痛などの神経系疾患を治療するための医薬の製造における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
テトラヒドロプロトベルベリン系化合物(THPBs)は、4つの縮合環構造を有するイソキノリン系アルカロイドである。このような天然アルカロイドは、DA受容体に対する拮抗作用、抗腫瘍、抗菌、抗不整脈、脂質低下、抗うつ、鎮痛作用などのような幅広い薬理活性を有する。例えば、テトラヒドロパルマチンは、鎮痛、催眠に用いられ、キシロピニンは、鎮咳、喘息緩和に用いられ、コリダリン(corydaline)は、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有する。一部のテトラヒドロプロトベルベリン系化合物の構造は、以下のとおりである。
【0003】
【化1】
【0004】
統合失調症の脳DA機能不均衡の病因論により、患者の陽性症状の標的領域が皮質下構造であり、これらの領域におけるD2受容体の活動亢進により、陽性症状が生じる。患者の陰性症状は、大脳皮質の前頭前野(mPFC)のD1受容体の機能低下により引き起こされ、D1受容体アゴニストは、学習記憶障碍を改善することができる。従って、D1受容体作動とD2受容体拮抗との二重作用を有する非古典な抗統合失調症薬は、mPFCのD1受容体の機能低下の改善に適するとともに、皮質下構造D2受容体の活動亢進の阻害に適するため、新規な抗統合失調症薬の研究方向の一つである。金国章院士らの研究によるL-ステホリジン(l-SPD)は、世界中に初めてのD1作動-D2拮抗二重作用を有する抗統合失調症薬のリード化合物である。初期臨床試験により、l-SPDが非古典な抗統合失調症薬の作用特性を有し、統合失調症の陰性症状に対する改善が速く、かつ明確的なEPSと鎮静効果を有しないと分かった。l-SPDは、さらに、抗パーキンソン病作用を有する。片側6-OHDA損傷ラットは、パーキンソン病の一般的な動物モデルである。0.5-8mg/kgの用量範囲内に、l-SPDは、最大回転応答がD1アゴニストであるアポモルヒネ(APO)よりも有意に低いもの、用量依存的に反対側(the intact side)回転挙動を誘発することができる。早期臨床試験により、l-SPDと抗パーキンソン病薬を併用することにより、PD患者における運動障碍の副作用の発生を有意に低下することができるとわかった。また、研究により、l-SPDは、モルヒネにより誘発される条件付け場所嗜好性(conditioned place preference,CPP)の確立、維持及び再構築を阻害することができ、オピオイド依存症を治療する可能性があるとわかった。
【0005】
l-SPDの誘導体であるL-クロロスクレリン(l-CSL)も、D1作動-D2拮抗二重作用を有し、かつドーパミン受容体に対する活性がさらに強いが、両方とも経口生物学的利用能が低く、物性が劣るなどような問題が存在し、それらの臨床的応用を制限する。そのため、それらをリード化合物とするシリーズ誘導体は、さらなる検討する価値がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の1つの目的は、一般式(I)で示されるテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、並びにその薬理学的に許容される無機若しくは有機塩、結晶水和物及び溶媒和物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上記の一般式(I)の化合物の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、治療有効量の一般式(I)の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、並びにその薬理学的に許容される無機若しくは有機塩、結晶水和物及び溶媒和物の一つ又は複数の混合物を含む、医薬組成物を提供することにある。
【0009】
本発明のまた他の目的は、ドーパミンと5-HT受容体関連の疾患を治療するための医薬の製造における、上記の一般式(I)の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、並びにその薬理学的に許容される無機若しくは有機塩、結晶水和物及び溶媒和物の使用を提供する。
【0010】
上記の目的に基づき、本発明は、一般式(I)で示されるテトラヒドロプロトベルベリン系であって、
【0011】
【化2】
【0012】
そのうち、
R1~R4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、チオール基、C1~C6アルコキシ基、ハロC1~C6アルコキシ基、ヒドロキシC1~C6アルコキシ基、C1~C6アルキルスルファニル基、C1~C6アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、C3~C6シクロアルコキシ基、C2~C6アルケニル基、C2~C6アルケニルオキシ基、C2~C6アルキニル基、C2~C6アルキニルオキシ基、ハロC1~C6アルキル基、アミノ基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルキルスルホニル基で置換されたアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノC1~C6アルキル基、ヒドロキシC1~C6アルキル基、シアノC1~C6アルキル基、C1~C6アルカノイル基、ハロC1~C6アルカノイル基、スルホニルアミノ基(-SO2NH2)、C1~C6アルキル基で置換されたスルホニルアミノ基、カルバモイル基(-CONH2)、C1~C6アルキル基で置換されたカルバモイル基、カルボキシルC1~C6アルキル基,C1~C6アルキルスルホニル基、ハロC1~C6アルキルスルホニル基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシカルボニル基、カルバモイルC1~C6アルキル基又はC1~C6アルキル基で置換されたカルバモイルC1~C6アルキル基は、からなる群より選ばれる。
【0013】
あるいは、R1、R2、R3、R4のうち隣接するいずれかの2つの置換基は、隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成してもよく、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。具体的に、前記ベンゾ[5~6員単環式複素環]は、
【0014】
【化3】
【0015】
からなる群より選ばれる。
【0016】
R5~R6は、それぞれ独立して、ハロゲン、チオール基、C1~C6アルコキシ基、ハロC1~C6アルコキシ基、ヒドロキシC1~C6アルコキシ基、C1~C6アルキルスルファニル基、C1~C6アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、C3~C6シクロアルコキシ基、C2~C6アルケニル基、C2~C6アルケニルオキシ基、C2~C6アルキニル基、C2~C6アルキニルオキシ基、ハロC1~C6アルキル基、アミノ基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルキルスルホニル基で置換されたアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノC1~C6アルキル基、ヒドロキシC1~C6アルキル基、シアノC1~C6アルキル基、C1~C6アルカノイル基、ハロC1~C6アルカノイル基、スルホニルアミノ基(-SO2NH2)、C1~C6アルキル基で置換されたスルホニルアミノ基、カルバモイル基(-CONH2)、C1~C6アルキル基で置換されたカルバモイル基、カルボキシルC1~C6アルキル基,C1~C6アルキルスルホニル基、ハロC1~C6アルキルスルホニル基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシカルボニル基、カルバモイルC1~C6アルキル基又はC1~C6アルキル基で置換されたカルバモイルC1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。
【0017】
ただし、R1~R6のうち4つ又はそれ以上が同時にC1~C6アルコキシ基であることがない。
【0018】
一般式(I)の化合物におけるC14位不斉炭素原子(*)の立体配置がR型又はS型であり、ただし、一般式(I)には、以下の化合物が含まれない。
1)2,3,9,10-テトラメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
2)9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
3)2,3,10-トリメトキシ-9-アミノ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
4)3-メトキシメトキシ-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
5)2,9,10-トリメトキシ-3-アリルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
6)2,3,9-トリメトキシ-10-ニトロ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
7)2,3,10-トリメトキシ-9-メトキシカルボニル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン。
【0019】
好ましくは、R1~R4は、それぞれ独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、チオール基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、-SCH3、-SCH2CH3、プロピル基、シクロプロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、ブロモメチル基、クロロメチル基、ビニル基、ビニルメチル基、アミノ基、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH2CN、-CH2CH2CN、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、スルホニルアミノ基(-SO2NH2)、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、-CH2CO2H、-CH2CH2CO2H、-SO2CH3、-SO2CF3、-CH2NHMe、-CH2NMe2、-CH2CONH2、-NHCOCH3、-CH2NHCOCH3、-CH2CONHMe又は-CH2CONMe2からなる群より選ばれる。
【0020】
あるいは、R1とR2が隣接するベンゼン環とともに1~2つの置換基を含有する置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成してもよく、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれ、前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。
【0021】
あるいは、R2、R3が、隣接するベンゼン環とともに1~2つの置換基を含有する置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成してもよく、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれ、前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。
【0022】
あるいは、R3、R4が、隣接するベンゼン環とともに1~2つの置換基を含有する置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成してもよく、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれ、前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。
【0023】
R5~R6は、それぞれ独立して、フッ素、塩素、臭素、チオール基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、-SCH3、-SCH2CH3、プロピル基、シクロプロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、ブロモメチル基、クロロメチル基、ビニル基、ビニルメチル基、アミノ基、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH2CN、-CH2CH2CN、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、スルホニルアミノ基(-SO2NH2)、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、-CH2CO2H、-CH2CH2CO2H、-SO2CH3、-SO2CF3、-CH2NHMe、-CH2NMe2、-CH2CONH2、-NHCOCH3、-CH2NHCOCH3、-CH2CONHMe又は-CH2CONMe2からなる群より選ばれる。
【0024】
好ましくは、R1~R6のうち2つ又は3つは、C1~C6アルコキシ基である。より好ましくは、R1~R6のうち2つ又は3つは、メトキシである。
【0025】
好ましくは、本発明の一般式(I)の化合物は、一般式(I-A)~(I-G)で示される化合物からなる群より選ばれる。
【0026】
【化4】
【0027】
そのうち、
R1~R4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、チオール基、C1~C6アルコキシ基、ハロC1~C6アルコキシ基、ヒドロキシC1~C6アルコキシ基、C1~C6アルキルスルファニル基、C1~C6アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、C3~C6シクロアルコキシ基、C2~C6アルケニル基、C2~C6アルケニルオキシ基、C2~C6アルキニル基、C2~C6アルキニルオキシ基、ハロC1~C6アルキル基、アミノ基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルキルスルホニル基で置換されたアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノC1~C6アルキル基、ヒドロキシC1~C6アルキル基、シアノC1~C6アルキル基、C1~C6アルカノイル基、ハロC1~C6アルカノイル基、スルホニルアミノ基(-SO2NH2)、C1~C6アルキル基で置換されたスルホニルアミノ基、カルバモイル基(-CONH2)、C1~C6アルキル基で置換されたカルバモイル基、カルボキシルC1~C6アルキル基,C1~C6アルキルスルホニル基、ハロC1~C6アルキルスルホニル基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6アルコキシカルボニルC1~C6アルコキシ基、カルバモイルC1~C6アルキル基又はC1~C6アルキル基で置換されたカルバモイルC1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。
【0028】
あるいは、R1とR2が隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成してもよく、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。
【0029】
あるいは、R2、R3が隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成してもよく、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。
【0030】
あるいは、R3、R4が隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成してもよく、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。
【0031】
R5~R6は、シアノ基、カルバモイル基、C1~C6アルカノイル基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルキルスルホニル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基、アルデヒド基、ヒドロキシC1~C6アルキル基、アミノC1~C6アルキル基、C1~C6アルキル基、アミノ基、ヒドロキシC1~C6アルコキシ基、C3~C6シクロアルコキシ基、C3~C5シクロアルキル基からなる群より選ばれる。
【0032】
好ましくは、一般式(I)の化合物は、一般式(I-A-1)で示される化合物からなる群より選ばれる。
【0033】
【化5】
【0034】
その中、R2は、ハロゲン、チオール基、ハロC1~C6アルコキシ基、ヒドロキシC1~C6アルコキシ基、C1~C6アルキルスルファニル基、C1~C6アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、C3~C6シクロアルコキシ基、C2~C6アルケニル基、C2~C6アルケニルオキシ基、C2~C6アルキニル基、C2~C6アルキニルオキシ基、ハロC1~C6アルキル基、アミノ基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノ基、C1~C6アルキルスルホニル基で置換されたアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノC1~C6アルキル基、ヒドロキシC1~C6アルキル基、シアノC1~C6アルキル基、C1~C6アルカノイル基、ハロC1~C6アルカノイル基、スルホニルアミノ基(-SO2NH2)、C1~C6アルキル基で置換されたスルホニルアミノ基、カルバモイル基(-CONH2)、C1~C6アルキル基で置換されたカルバモイル基、カルボキシルC1~C6アルキル基,C1~C6アルキルスルホニル基、ハロC1~C6アルキルスルホニル基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基、C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシカルボニル基、カルバモイルC1~C6アルキル基又はC1~C6アルキル基で置換されたカルバモイルC1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。
【0035】
好ましくは、R2は、ハロゲン、チオール基、ハロC1~C4アルコキシ基、ヒドロキシC1~C4アルコキシ基、C1~C4アルキルスルファニル基、C1~C4アルキル基、C3~C5シクロアルキル基、C3~C5シクロアルコキシ基、C2~C4アルケニル基、C2~C4アルケニルオキシ基、C2~C4アルキニル基、C2~C4アルキニルオキシ基、ハロC1~C4アルキル基、アミノ基、C1~C4アルキル基で置換されたアミノ基、C1~C4アルカノイル基で置換されたアミノ基、C1~C4アルキルスルホニル基で置換されたアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノC1~C4アルキル基、ヒドロキシC1~C4アルキル基、シアノC1~C4アルキル基、C1~C4アルカノイル基、ハロC1~C4アルカノイル基、スルホニルアミノ基(-SO2NH2)、C1~C4アルキル基で置換されたスルホニルアミノ基、カルバモイル基(-CONH2)、C1~C4アルキル基で置換されたカルバモイル基、カルボキシルC1~C4アルキル基,C1~C4アルキルスルホニル基、ハロC1~C4アルキルスルホニル基、C1~C4アルキル基で置換されたアミノC1~C4アルキル基、C1~C4アルカノイル基で置換されたアミノC1~C4アルキル基、C1~C4アルコキシカルボニル基、カルバモイルC1~C4アルキル基又はC1~C4アルキル基で置換されたカルバモイルC1~C4アルキル基からなる群より選ばれる。
【0036】
より好ましくは、R2は、フッ素、塩素、臭素、チオール基、トリフルオロメトキシ基、-SCH3、-SCH2CH3,メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、トリフルオロメチル基、ブロモメチル基、クロロメチル基、ビニル基、アミノ基、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH2CN、-CH2CH2CN、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、スルホニルアミノ基(-SO2NH2)、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、-CH2CO2H、-CH2CH2CO2H、-SO2CH3、-SO2CF3、-CH2NHMe、-CH2NMe2、-CH2CONH2、-CH2CONHMe又は-CH2CONMe2からなる群より選ばれる。]
【0037】
好ましくは、本発明の一般式(I)の化合物は、
(1)(S)-2-メチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(2)(S)-2-n-プロピル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(3)(S)-2-イソブチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(4)(S)-2-シアノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(5)(S)-2-カルバモイル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(6)(S)-2-ホルミル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(7)(S)-2-ヒドロキシメチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(8)(S)-2-カルボキシル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(9)(S)-2-エトキシカルボニル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(10)(S)-2-アミノメチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(11)(S)-2-アセチルアミノメチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(12)(S)-2-アセチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(13)(S)-2-アミノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(14)(S)-2-アセチルアミノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(15)(S)-2-ブロモ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(16)(S)-2-クロロ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(17)(S)-2-ビニル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(18)(S)-2-ヒドロキシエチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(19)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-シアノ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(20)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-カルバモイル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(21)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-アセチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(22)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-アミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(23)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-アセチルアミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(24)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-ホルミル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(25)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-ヒドロキシメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(26)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-メチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(27)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-シアノ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(28)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-カルバモイル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(29)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-ホルミル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(30)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-ヒドロキシメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(31)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-アミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(32)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-アセチルアミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(33)(S)-2,10-ジアミノ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(34)(S)-2,10-ジアセチルアミノ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン
(35)2,3-ジシアノ-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(36)2,3-イミノジカルボニル-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(37)(S)-2,10-ジシアノ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(38)(S)-2,10-ジカルバモイル-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(39)2,3-ジカルバモイル-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(40)(S)-4、10,11-トリメトキシ-3,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-h]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン-2(1H)-オン;
(41)(S)-4、10,11-トリメトキシ-3,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-h]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン-2(1H)-チオン;
(42)(S)-4、10,11-トリメトキシ-1,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-h]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン;
(43)(S)-4、10,11-トリメトキシ-1,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイソキノリノ[3,2-a][1,2,3]トリアゾロ[4、5-h]イソキノリン;
(44)9,10-ジメトキシ-1,5,6,8,13,13a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-g]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン;
(45)9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[4、5-g]イソキノリン;
(46)9,10-ジメトキシ-3,5,6,8,13,13a-ヘキサヒドロ-2H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[4、5-g]イソキノリン-2-オン;
(47)10,11-ジメトキシ-4、6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイソキノリノ[3,2-a][1,4]オキサジノ[3,2-g]イソキノリン-3(2H)-オン;
(48)10,11-ジメトキシ-7,9,14、14a-テトラヒドロ-6H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[5,4-h]イソキノリン;
(49)10,11-ジメトキシ-6,7,14、14a-テトラヒドロ-1H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[5,4-h]イソキノリン-2(9H)-オン;
(50)11,12-ジメトキシ-3,7,8,10,15,15a-ヘキサヒドロイソキノリノ[3,2-a][1,4]オキサジノ[2,3-h]イソキノリン-2(1H)-オン;
(51)(S)-2-(ジフルオロメトキシ)-3,9,10-トリメトキシ-9-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(52)(S)-2-アリルオキシ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(53)(S)-2-シクロプロピルオキシ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(54)(S)-2-シクロペンチルオキシ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(55)(S)-3,9-ジメトキシ-2, 10-ジヒドロキシエトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(56)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-ヒドロキシエトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(57)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-シクロプロピルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(58)(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-シクロペンチルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(59)(S)-2,3,9-トリメトキシ-10-シクロプロピルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
(60)(S)-2-メタンスルホニルアミノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン;
からなる群より選ばれる。
【0038】
本発明は、さらに、一般式(I)の化合物及びその中間体の製造方法を提供する。前記製造方法は、以下のような方法一ないし六のいずれかにより行われてもよく、本発明で使用される出発原料は、市販されるもの又は類似する化合物の既知の合成法に従って製造されたものである。
【0039】
方法一:フェノール性水酸基含有の置換テトラヒドロプロトベルベリンを原料として、アルキル化試薬とのアルキル化反応により目標化合物が得られる。具体的な反応条件は、中国特許出願CN1900076Aを参照できる。前記アルキル化試薬は、ブロモシクロプロパン、ブロモシクロペンタン、ブロモエタノール、クロロエタノール、3-ブロモプロピレン、モノクロロジフルオロメタンを含むが、これらに限定されない。
【0040】
方法二:反応式1~4で示されるように、フェノール性水酸基含有の置換テトラヒドロプロトベルベリン(I-1a)~(I-4a)を原料として、塩基の存在下でスルホニル化試薬との反応により化合物(I-1b)~(I-4b)が得られ、(I-1b)~(I-4b)とカップリング試薬のカップリング反応により式I-1~I-4化合物が得られる。
【0041】
【化6】
【0042】
そのうち、R2は、水素、ハロゲン、C1~C6アルキルスルファニル基、C1~C6アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、C2~C6アルケニル基、C2~C6アルキニル基、アミノ基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基、ベンジルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、C1~C6アルカノイル基からなる群より選ばれる。R1、R3、R4は、水素又はC1~C6アルコキシ基からなる群より選ばれる。R5とR6は、C1~C6アルコキシ基である。
【0043】
又は、
【0044】
【化7】
【0045】
そのうち、R5は、ハロゲン、C1~C6アルキルスルファニル基、C1~C6アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、C2~C6アルケニル基、C2~C6アルキニル基、アミノ基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基、ベンジルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、C1~C6アルカノイル基からなる群より選ばれる。R1~R4は、水素又はC1~C6アルコキシ基からなる群より選ばれる。R6は、C1~C6アルコキシ基である。
【0046】
又は、
【0047】
【化8】
【0048】
そのうち、R2、R6は、同時に、水素、ハロゲン、C1~C6アルキルスルファニル基、C1~C6アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、C2~C6アルケニル基、C2~C6アルキニル基、アミノ基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基、ベンジルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、C1~C6アルカノイル基からなる群より選ばれる。R1、R3、R4は、水素又はC1~C6アルコキシ基からなる群より選ばれる。R5は、C1~C6アルコキシ基である。
【0049】
又は、
【0050】
【化9】
【0051】
そのうち、R2、R3は、同時に、水素、ハロゲン、C1~C6アルキルスルファニル基、C1~C6アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、C2~C6アルケニル基、C2~C6アルキニル基、アミノ基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基、ベンジルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、C1~C6アルカノイル基からなる群より選ばれる。R1、R4は、水素又はC1~C6アルコキシ基からなる群より選ばれる。R5とR6は、C1~C6アルコキシ基である。
【0052】
反応式1~4におけるLは、離脱基を示し、例えば、C1~C6アルキルスルホニルオキシ基、ハロC1~C6アルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ナフタレンスルホニルオキシ基であり、好ましくはメタンスルホニルオキシ基及びトリフルオロメタンスルホニルオキシ基である。
【0053】
前記スルホニル化試薬は、C1~C6アルキルスルホニルクロリド、C1~C6アルキルスルホン酸無水物、ベンゼンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホン酸無水物、ナフタレンスルホニルクロリド、ナフタレンスルホン酸無水物からなる群より選ばれ、好ましくはメタンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホニルクロリド及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物である。前記溶媒は、メチレンクロリド、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、アセトニトリル、トルエン、アセトン、ジオキサン及びクロロホルムからなる群より選ばれる。
【0054】
前記塩基は、無機塩基又は有機塩基からなる群より選ばれ、前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれ、前記有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン及びN,N-ジメチルピリジンからなる群より選ばれる。
【0055】
前記カップリング反応は、パラジウム触媒と塩基の存在下で行われる。前記パラジウム触媒は、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、ジ(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド((Ph3P)2PdCl2)、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムクロリド((PhCN)2PdCl2)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh34)、ビス(トリフェニルホスフィン)酢酸パラジウム((Ph3P)2Pd(OAc)2)、1,2-ジ(ジフェニルホスフィノ)エタンパラジウムジクロリド((PdCl2(dppe)2))、ビス(1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム(Pd(dppe)2)、ビス(ジベンザルアセトン)パラジウム(Pd(dba)2)、トリ(ジベンザルアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウムジクロリド(PdCl2(dippp))及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(Pd(dppf)Cl2)からなる群より選ばれる。前記塩基は、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、メタノールナトリウム、エタノールナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリウムフルオリド、ナトリウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムのうち一つ又は複数である。前記反応溶媒は、特に制限されないが、反応に影響しなければよい。必要に応じて、適切なリガンドを反応助剤として加えて上記の反応を行ってもよい。適切なリガンドは、2,2’-ジベンゼンホスフィン-1,1’-ビナフチル(BINAP)、トリ-t-ブチル(P(t-Bu)3)、1,1’-ジ-(ジベンゼンホスフィノ)フェロセン(dppf)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4、6-トリイソプロピルビフェニル(x-phos)、4、5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(Xantphos)、トリ-t-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート及びトリ(2-メチルフェニル)ホスフィン(P(o-tolyl)3)からなる群より選ばれる。前記カップリング試薬は、C1~C6アルキルボロン酸、シクロプロピルボロン酸、ベンジルアミン、シアン化カリウム、シアン化亜鉛、トリブチルビニル錫、CO、CO2,ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸リチウム、ナトリウムC1~C6アルキルチオレート、メタンスルホン酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
【0056】
方法三:反応式5で示されるように、テトラヒドロプロトベルベリン(I-5a)を原料として、複数工程の反応により式(I-5)の化合物が得られる。
【0057】
【化10】
【0058】
前記方法三は、
1)式(I-5a)の化合物の塩基の存在下でスルホニル化試薬との反応により、式(I-5b)の化合物が生成される工程と、
2)式(I-5b)の化合物とカップリング試薬の反応により、式(I-5c)の化合物が得られる工程と、
3)式(I-5c)の脱ベンジル反応により、式(I-5d)の化合物が得られる工程と、
4)式(I-5d)の塩基の存在下で溶媒中のアルキル化反応により、式(I-5)の化合物が得られる工程と、
を含む。
【0059】
そのうち、R6は、ハロゲン、C1~C6アルキルスルファニル基、C1~C6アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、C2~C6アルケニル基、C2~C6アルキニル基、C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、C1~C6アルカノイル基からなる群より選ばれる。R1、R3、R5は、水素又はC1~C6アルコキシ基からなる群より選ばれる。R2は、C1~C6アルコキシ基である。Lは、離脱基を示し、例えば、C1~C6アルキルスルホニルオキシ基、ハロC1~C6アルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ナフタレンスルホニルオキシ基であり、好ましくはメタンスルホニルオキシ基及びトリフルオロメタンスルホニルオキシ基である。]
【0060】
そのうち、工程1)におけるスルホニル化試薬は、C1~C6アルキルスルホニルクロリド、C1~C6アルキルスルホン酸無水物、ベンゼンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホン酸無水物、ナフタレンスルホニルクロリド、ナフタレンスルホン酸無水物からなる群より選ばれ、好ましくはメタンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホニルクロリド及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物である。前記溶媒は、メチレンクロリド、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、アセトニトリル、トルエン、アセトン、ジオキサン及びクロロホルムからなる群より選ばれる。前記塩基は、無機塩基又は有機塩基からなる群より選ばれ、前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれ、前記有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン及びN,N-ジメチルピリジンからなる群より選ばれる。
【0061】
工程2)カップリング反応は、パラジウム触媒と塩基の存在下で行われる。前記パラジウム触媒は、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、ジ(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド((Ph3P)2PdCl2)、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムクロリド((PhCN)2PdCl2)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh34)、ビス(トリフェニルホスフィン)酢酸パラジウム((Ph3P)2Pd(OAc)2)、1,2-ジ(ジフェニルホスフィノ)エタンパラジウムジクロリド(PdCl2(dppe)2)、ビス(1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム(Pd(dppe)2)、ビス(ジベンザルアセトン)パラジウム(Pd(dba)2)、トリ(ジベンザルアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウムジクロリド(PdCl2(dippp))及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(Pd(dppf)Cl2)からなる群より選ばれる。前記塩基は、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、メタノールナトリウム、エタノールナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリウムフルオリド、ナトリウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムのうち一つ又は複数である。前記反応溶媒は、特に制限されないが、反応に影響しなければよい。必要に応じて、適切なリガンドを反応助剤として加えて上記の反応を行ってもよい。適切なリガンドは、2,2’-ジベンゼンホスフィン-1,1’-ビナフチル(BINAP)、トリ-t-ブチル(P(t-Bu)3)、1,1’-ジ-(ジベンゼンホスフィノ)フェロセン(dppf)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4、6-トリイソプロピルビフェニル(x-phos)、4、5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(Xantphos)、トリ-t-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート及びトリ(2-メチルフェニル)ホスフィン(P(o-tolyl)3)である。
【0062】
工程3)脱ベンジル反応は、接触水素化法又は酸分解法を採用することができる。接触水素化法は、Pd/C、水酸化パラジウム又は水酸化パラジウム炭素などを触媒として、水素ガスを還元剤とする。酸分解法は、塩酸、臭化水素酸又は酢酸で行われてもよい。接触水素化法又は酸分解法による脱ベンジル反応は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール又は低級アルコール-水の混合溶媒又は酢酸エチルで、20~100℃の範囲内で常圧反応を行う。
【0063】
工程4)アルキル化反応溶媒は、メチレンクロリド、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、アセトニトリル、トルエン、アセトン、ジオキサン及びクロロホルムからなる群より選ばれる。前記塩基は、無機塩基又は有機塩基からなる群より選ばれ、前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれ、前記有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン及びN,N-ジメチルピリジンからなる群より選ばれる。前記アルキル化試薬は、ヨードメタン、ブロモエタン、2-ブロモプロパン、2-クロロプロパン、ブロモ-n-ブタン、ブロモ-n-ペンタン、ブロモ-n-ヘキサンを含むが、これらに限定されない。
【0064】
方法四:以下の反応式6-9で示されるように、フェノール性水酸基含有の置換テトラヒドロプロトベルベリンである式(I-6a)~(I-9a)の化合物を原料として、ニトロ化、還元、閉環反応により、式(I-6)~(I-9)の化合物が製造されてなる。
【0065】
【化11】
【0066】
そのうち、R1とR2が隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成し、具体的に、前記ベンゾ[5~6員単環式複素環]は、
【0067】
【化12】
【0068】
からなる群より選ばれる。前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。R3は、水素又はC1~C6アルコキシ基からなる群より選ばれる。R5とR6は、C1~C6アルコキシ基である。
【0069】
又は、
【0070】
【化13】
【0071】
そのうち、R2とR3が隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成し、具体的に、前記ベンゾ[5~6員単環式複素環]は、
【0072】
【化14】
【0073】
からなる群より選ばれる。前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。R5~R6は、C1~C6アルコキシ基である。
【0074】
又は、
【0075】
【化15】
【0076】
そのうち、R3とR4が隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成し、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。具体的に、前記ベンゾ[5~6員単環式複素環]は、
【0077】
【化16】
【0078】
からなる群より選ばれる。R5~R6は、C1~C6アルコキシ基である。
【0079】
又は、
【0080】
【化17】
【0081】
そのうち、R2とR3が隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成し、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。具体的に、前記ベンゾ[5~6員単環式複素環]は、
【0082】
【化18】
【0083】
からなる群より選ばれる。R5~R6は、C1~C6アルコキシ基である。
【0084】
前記ニトロ化反応におけるニトロ化試薬は、各種濃度の硝酸、濃硫酸と硝酸の混合物、硝酸、硝酸ナトリウムと濃硫酸の混合物、硝酸カリウムと濃硫酸の混合物、亜硝酸ナトリウムと濃硫酸の混合物、酢酸と硝酸の混合物からなる群より選ばれることができ、好ましくは酢酸と硝酸の混合物である。ニトロ化試薬が混合物である場合、混合比率に制限されない。反応温度は、-20℃~室温の間にある。
【0085】
前記還元反応は、Pd/Cを触媒として、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール又は低級アルコール-水の混合溶媒で、0~40℃範囲内で1~10時間常圧水素化により行われる。
【0086】
前記閉環反応は、閉環試薬の存在下で、塩基の非存在又は存在下で行われる。前記閉環試薬は、ホスゲン、トリホスゲン、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、尿素、四臭化炭素、ギ酸、オルトギ酸トリメチル、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、アセチルクロリド、クロロアセチルクロリド、ブロモアセチルブロマイド、ブロモアセチルクロリドなどを含むが、これらに限定されない。前記塩基は、無機塩基又は有機塩基からなる群より選ばれ、前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム及び重炭酸ナトリウムからなる群より選ばれ、前記有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン及びN,N-ジメチルピリジンからなる群より選ばれる。反応溶媒は、特に制限されないが、反応に影響しなければよい。
【0087】
方法五:反応式10~11で示されるように、式(I-10a)又は(I-7a)の化合物を原料として、複数工程の反応により、式(I-10)又は(I-11)の化合物が製造されてなる。
【0088】
【化19】
【0089】
そのうち、R1とR2が隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成し、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。具体的に、前記ベンゾ[5~6員単環式複素環]は、
【0090】
【化20】
【0091】
からなる群より選ばれる。Lは、離脱基を示し、例えばC1~C6アルキルスルホニルオキシ基、ハロC1~C6アルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ナフタレンスルホニルオキシ基であり、好ましくはメタンスルホニルオキシ基及びトリフルオロメタンスルホニルオキシ基である。R3は、水素又はC1~C6アルコキシ基からなる群より選ばれる。R5とR6は、C1~C6アルコキシ基である。
【0092】
又は、
【0093】
【化21】
【0094】
そのうち、R2とR3が隣接するベンゼン環とともに1~4つの置換基を含む置換又は未置換のベンゾ[5~6員単環式複素環]を形成し、前記置換における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、オキソ基(=O)、チオ基(=S)、C1~C6アルキル基からなる群より選ばれる。前記複素環が、N、O、Sから選ばれる1~3つのヘテロ原子を含有する。具体的に、前記ベンゾ[5~6員単環式複素環]は、
【0095】
【化22】
【0096】
からなる群より選ばれる。Lは、離脱基を示し、例えばC1~C6アルキルスルホニルオキシ基、ハロC1~C6アルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ナフタレンスルホニルオキシ基であり、好ましくはメタンスルホニルオキシ基及びトリフルオロメタンスルホニルオキシ基である。R5~R6は、C1~C6アルコキシ基である。
【0097】
前記方法五は、
1)式(I-10a)又は(I-7a)の化合物とニトロ化試薬のオルト位ニトロ化反応により、式(I-10b)又は(I-7b)の化合物が生成される工程と、
2)式(I-10b)又は(I-7b)の化合物とスルホニル化試薬の塩基の存在下で適切な溶媒中での反応により、式(I-10c)又は(I-11a)の化合物が得られる工程と、
3)式(I-10c)又は(I-11a)の化合物とベンジルアミンのBuchwald-Hartig反応により、式(I-10d)又は(I-11b)の化合物が得られる工程と、
4)式(I-10d)又は(I-11b)の化合物の還元反応により、式(I-10e)又は(I-11c)の化合物が得られる工程と、
5)式(I-10e)又は(I-11c)の化合物の閉環反応により、式(I-10)又は(I-11)の化合物が得られる工程と、
を含む。
【0098】
上記の方法において、
工程1)におけるニトロ化試薬は、濃硫酸と硝酸の混合物、硝酸、硝酸ナトリウムと濃硫酸の混合物、硝酸カリウムと濃硫酸の混合物、亜硝酸ナトリウムと濃硫酸の混合物、酢酸と硝酸の混合物であってもよく、好ましくは酢酸と硝酸の混合物である。混合比率には、制限されない。反応温度は、-20℃~室温の間にある。反応時間は、10分間~12時間である。
【0099】
工程2)におけるスルホニル化試薬は、C1~C6アルキルスルホニルクロリド、C1~C6アルキルスルホン酸無水物、ベンゼンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホン酸無水物、ナフタレンスルホニルクロリド、ナフタレンスルホン酸無水物からなる群より選ばれ、好ましくはメタンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホニルクロリド及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物である。前記溶媒は、メチレンクロリド、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、アセトニトリル、トルエン、アセトン、ジオキサン及びクロロホルムからなる群より選ばれる。前記塩基は、無機塩基又は有機塩基からなる群より選ばれ、前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれ、前記有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン及びN,N-ジメチルピリジンからなる群より選ばれる。
【0100】
工程3)カップリング反応は、パラジウム触媒と塩基の存在下で行われる。前記パラジウム触媒は、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、ジ(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド((Ph3P)2PdCl2)、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムクロリド((PhCN)2PdCl2)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh34)、ビス(トリフェニルホスフィン)酢酸パラジウム((Ph3P)2Pd(OAc)2)、1,2-ジ(ジフェニルホスフィノ)エタンパラジウムジクロリド((PdCl2(dppe)2))、ビス(1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム(Pd(dppe)2)、ビス(ジベンザルアセトン)パラジウム(Pd(dba)2)、トリ(ジベンザルアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウムジクロリド(PdCl2(dippp))及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(Pd(dppf)Cl2)からなる群より選ばれる。前記塩基は、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、メタノールナトリウム、エタノールナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリウムフルオリド、ナトリウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムのうち一つ又は複数である。前記反応溶媒は、特に制限されないが、反応に影響しなければよい。必要に応じて、適切なリガンドを反応助剤として加えて上記の反応を行ってもよい。適切なリガンドは、2,2’-ジベンゼンホスフィン-1,1’-ビナフチル(BINAP)、トリ-t-ブチル(P(t-Bu)3)、1,1’-ジ-(ジベンゼンホスフィノ)フェロセン(dppf)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4、6-トリイソプロピルビフェニル(x-phos)、4、5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(Xantphos)、トリ-t-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート及びトリ(2-メチルフェニル)ホスフィン(P(o-tolyl)3)である。
【0101】
工程4)還元反応は、Pd/C、水酸化パラジウム又は水酸化パラジウム炭素を触媒として、ギ酸アンモニウム又は水素ガスを還元剤として、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール又は低級アルコール-水の混合溶媒で、20~100℃範囲内で常圧反応を行う。
【0102】
工程5)閉環反応は、閉環試薬の存在下、塩基の非存在又は存在下で行われる。前記閉環試薬は、ホスゲン、トリホスゲン、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、尿素、ギ酸、亜硝酸ナトリウム、二硫化炭素、硫ホスゲン 、オルト酢酸トリエチル、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸メチル、クロロアセトアミドなどを含むが、これらに限定されない。前記塩基は、無機塩基又は有機塩基からなる群より選ばれ、前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム及び重炭酸ナトリウムからなる群より選ばれ、前記有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン及びN,N-ジメチルピリジンからなる群より選ばれる。反応溶媒は、特に制限されないが、反応に影響しなければよい。
【0103】
方法六:
方法一ないし五により得られた式I-1~I-11化合物は、官能基変換により得られる。
【0104】
前記官能基変換反応は、例えば、酸化加水分解反応、ホウ水素化-酸化反応、縮合アシル化反応、還元反応、アシル化反応、エステル化反応、グリニャール反応、塩素化反応又は臭素化反応などにより行われる。
【0105】
前記酸化加水分解反応は、酸化剤と塩基の存在下で行われる。前記酸化加水分解系は、過酸化水素/水酸化ナトリウム、過酸化水素/水酸化カリウム、過酸化水素/炭酸カリウム、過酸化水素/炭酸ナトリウムなどを含むが、これらに限定されない。
【0106】
前記ホウ水素化-酸化反応は、まず、アルケニル基に対してホウ素試薬が付加し、さらに、酸化加水分解によりアルコールが得られる。前記ホウ素試薬は、ボラン、9-BBNなどを含むが、これらに限定されない。前記酸化加水分解系は、過酸化水素/水酸化ナトリウム、過酸化水素/水酸化カリウム、過酸化水素/炭酸カリウム、過酸化水素/炭酸ナトリウムなどを含むが、これらに限定されない。
【0107】
前記縮合アシル化反応は、縮合剤の存在下で行われる。前記縮合剤は、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)、O-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)などを含むが、これらに限定されない。
【0108】
前記還元反応は、還元剤の存在下で行われる。前記還元剤は、水素ガス、ギ酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)、ボランなどを含むが、これらに限定されない。
【0109】
前記アシル化反応は、アシル化試薬の存在下で行われる。前記アシル化試薬は、アセチルクロリド、酢酸無水物、プロピオニルクロリド、プロピオン酸無水物、メタンスルホニルクロリドなどを含むが、これらに限定されない。
【0110】
前記エステル化反応系は、塩化チオニル/メタノール、塩化チオニル/エタノールなどを含むが、これらに限定されない。
【0111】
前記塩素化反応は、塩素化試薬の存在下で行われる。前記塩素化試薬は、塩化チオニル、五塩化リン及びN-クロロコハク酸イミド(NCS)などを含むが、これらに限定されない。
【0112】
前記グリニャール反応は、グリニャール試薬の存在下で行われる。前記グリニャール試薬は、メチルマグネシウムブロマイド、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムヨージドなどを含むが、これらに限定されない。
【0113】
前記臭素化反応は、臭素化試薬の存在下で行われる。前記臭素化試薬は、臭素単体、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)などを含むが、これらに限定されない。
【0114】
本発明でいう「薬理学的に許容される無機若しくは有機塩」は、一般式(I)で示される化合物と、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸又はリン酸などのような無機酸との塩、又は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、メタンスルホン酸、クエン酸などのような有機酸との塩、又は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム又はアンモニア水などようなの塩基とのナトリウム、カリウム、カルシウム又はアンモニウム塩である。「薬理学的に許容される塩」は、それらの溶媒和物も含む。溶媒和物の例として、水和物、アルコール和物などが挙げられる。
【0115】
本発明は、さらに、中枢神経系疾患を予防及び/又は治療するための医薬の製造における、本発明による一般式(I)で示されるテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物使用を提供する。
【0116】
本発明は、さらに、ヒト又は動物に上記の本発明の一般式(I)で示されるテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物の一つ又は複数の混合物を投与することを含む、中枢神経系疾患を治療及び/又は予防する方法を提供する。
【0117】
本発明は、さらに、治療有効量の上記の一般式(I)で示されるテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物の一つ又は複数の混合物と、任意の薬理学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。前記医薬組成物は、中枢神経系疾患の治療又は予防に使用できる。
【0118】
本発明は、さらに、上記の一般式(I)で示されるテトラヒドロプロトベルベリン系化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、並びにその薬理学的に許容される塩、結晶水和物及び溶媒和物の一つ又は複数の混合物と、薬理学的に許容される担体とを混合することを含む、前記医薬組成物の製造方法を提供する。
【0119】
本発明の医薬組成物では、治療目的に応じて、様々な医薬剤形を選択することができるが、一般的に、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、懸濁液、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤、散剤、坐剤、ガス剤及び注射剤などを含む。
【0120】
上記の中枢神経系疾患は、統合失調症;制御困難な、処置困難な又は慢性な統合失調症;情動障害;精神障害;情緒障害;I型双極性感情障害;II型双極性感情障害;うつ病;内因性うつ病;大うつ病;制御困難なうつ病;気分変調性障害;気分循環性障害;パニック発作;パニック障害;社会恐怖症;強迫性概念障害及び行動障害;衝動的障害;心的外傷後ストレス障害;不安障害;急性ストレス障害;ヒステリー性障害;神経性無食欲症;適応障害;認知障害;自閉症;神経性頭痛;躁病;パーキンソン病;ハンチントン病;アルツハイマー病;様々な認知症;記憶障碍;多動性障害;薬物依存症;睡眠障碍;注意欠陥/亢進系疾患及びトゥレット障害などからなる群より選ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
図1】ペントバルビタールナトリウムで処理されたPCPAラット不眠モデル睡眠潜時に対する実施例60の単回投与の影響を示すヒストグラム(*P<0.05vsモデル群)である。
図2】ペントバルビタールナトリウムで処理されたPCPAラット不眠モデル睡眠時間に対する実施例60の単回投与の影響を示すヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0122】
一般式(I)における各基の定義は、以下の通りである。
【0123】
用語「ハロゲン」とは、一般的に、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味するが、好ましくはフッ素、塩素又は臭素であり、より好ましくはフッ素又は塩素である。
【0124】
C1~C6アルキル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖の飽和ヒドロカルビル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1-エチルプロピル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、3-メチルペンチル基又はn-ヘキシル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又はt-ブチル基である。
【0125】
ハロC1~C6アルキル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖の飽和ヒドロカルビル基の水素原子が1つ又は複数の同じ又は異なるハロゲン原子で置換されたものを意味し、例えば、トリフルオロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロフルオロメチル基、クロロエチル基、ブロモプロピル基、2-クロロブチル又はペンタフルオロエチル基などが挙げられる。
【0126】
C1~C6アルコキシ基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、s-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基又はn-ヘキシルオキシ基などが挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基又はt-ブトキシ基である。
【0127】
ハロC1~C6アルコキシ基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基の水素原子が1つ又は複数の同じ又は異なるハロゲン原子置換を意味し、例えば、-OCF3、-OCH2CH2Cl、-OCHBrCH2Cl又は-OCF2CF3などが挙げられる。
【0128】
C1~C6アルキルスルファニル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルキルスルファニル基を意味し、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、n-プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、n-ブチルスルファニル基、イソブチルスルファニル基、t-ブチルスルファニル基、s-ブチルスルファニル基、n-ペンチルスルファニル基、イソペンチルスルファニル基、ネオペンチルスルファニル基又はn-ヘキシルスルファニル基などが挙げられ、好ましくはメチルスルファニル基、エチルスルファニル基、n-プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、n-ブチルスルファニル基、イソブチルスルファニル基又はt-ブチルスルファニル基である。
【0129】
C2~C6アルケニル基とは、1~3つの二重結合を含有する炭素数2-6の直鎖又は分岐鎖の不飽和ヒドロカルビル基を意味し、シス立体配置とトランス立体配置の両方を含み、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1,3-ブタジエニル基、1,3-ペンタジエニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、3,3-ジメチル-1-プロペニル基又は2-エチル-1-プロペニル基などが挙げられる。
【0130】
C2~C6アルキニル基とは、炭素数2-6の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基を意味し、例えば、エチニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-ペンチニル基、2-ペンチニル基又は2-ヘキシニル基などが挙げられる。
【0131】
C2~C6アルケニルオキシ基とは、1~3つの二重結合を含有する炭素数2-6の直鎖又は分岐鎖のアルケニルオキシ基を意味し、例えば、ビニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、1-メチル-1-プロペニルオキシ基、2-メチル-1-プロペニルオキシ基、1-ペンテニルオキシ基、1,3-ペンタジエニルオキシ基又は2-ペンテニルオキシ基などが挙げられる。
【0132】
C2~C6アルキニルオキシ基とは、炭素数2-6の直鎖又は分岐鎖のアルキニルオキシ基を意味し、例えば、エチニルオキシ基、2-プロピニルオキシ基、2-ブチニルオキシ基、3-ブチニルオキシ基、1-メチル-2-プロピニルオキシ基、2-ペンチニルオキシ基又は2-ヘキシニルオキシ基などが挙げられる。
【0133】
C1~C6アルカノイル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルカノイル基を意味し、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、イソブタノイル基、ペンタノイル基、t-ブタノイル基又はヘキサノイル基などが挙げられる。
【0134】
ハロC1~C6アルカノイル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルカノイル基における水素原子が1つ又は複数の同じ又は異なるハロゲン原子で置換されたものを意味し、例えば、トリフルオロアセチル基などが挙げられる。
【0135】
C1~C6アルキル基で置換されたカルバモイル基とは、カルバモイル基における水素原子が1つ又は2つの同じ又は異なるC1~C6アルキル基で置換されたものを意味し、例えば、-CONHMe、-CONHEt、-CON(Me)Et、-CONEt2又は-CONMe2などが挙げられる。
【0136】
C1~C6アルキル基で置換されたスルホニルアミノ基とは、スルホニルアミノ基における水素原子が1つ又は2つの同じ又は異なるC1~C6アルキル基で置換されたものを意味し、例えば、-SO2NHMe又は-SO2NHEtなどが挙げられる。
【0137】
ヒドロキシC1~C6アルキル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の一つの炭素原子がヒドロキシと結合してなるものを意味し、例えば、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH(OH)CH3、-CH2CH2CH2OH、-CH2CH2CH2CH2OH又は-CH2CH(CH3)CH2OHなどが挙げられる。
【0138】
アミノC1-C6アルキル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の一つの炭素原子がアミノ基と結合してなるものを意味し、例えば、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-CH(NH2)CH3、-CH2CH2CH2NH2又は-CH2CH2CH2CH2NH2などが挙げられる。
【0139】
C1~C6アルキル基で置換されたアミノC1~C6アルキル基とは、アミノ基における水素原子が1つ又は2つの同じ又は異なるC1~C6アルキル基で置換されたものを意味し、例えば、-CH2NHMe又は-CH2CH2NEt2などが挙げられる。
【0140】
カルバモイルC1~C6アルキル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の一つの炭素原子がカルバモイル基のカルボニル基炭素と結合してなるものを意味し、例えば、-CH2CONH2、-CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH3又は-CH2CH2CH2CONH2などが挙げられる。
【0141】
C1~C6アルキル基で置換されたカルバモイルC1~C6アルキル基とは、カルバモイルC1~C6アルキル基におけるアミノ基水素原子が1つ又は2つの同じ又は異なるC1~C6アルキル基で置換されたものを意味し、例えば、-CH2CONHMe、-CH2CH2CONHEt、-CH2CH2CONMe2又は-CH2CONEt2などが挙げられる。
【0142】
シアノC1~C6アルキル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の一つの炭素原子がシアノ基と結合してなるものを意味し、例えば、シアノメチル(-CH2CN)、2-シアノエチル基、1-シアノエチル基、3-シアノプロピル基、4-シアノブチル又は5-シアノペンチル基などが挙げられる。
【0143】
カルボキシルC1~C6アルキル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の一つの炭素原子がカルボキシル基と結合してなるものを意味し、例えば、カルボキシルメチル(-CH2COOH)、2-カルボキシルエチル基、1-カルボキシルエチル基、3-カルボキシルプロピル基、4-カルボキシルブチル又は5-カルボキシルペンチル基などが挙げられる。
【0144】
C1~C6アルキルスルホニル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルキルスルホニル基を意味し、例えば、メタンスルホニル基、エチルスルホニル基又はプロピルスルホニル基などが挙げられる。
【0145】
ハロC1~C6アルキルスルホニル基とは、炭素数1-6の直鎖又は分岐鎖のアルキルスルホニル基における水素原子が1つ又は複数の同じ又は異なるハロゲン原子で置換されたものを意味し、例えば、トリフルオロメタンスルホニル基などが挙げられる。
【0146】
C1~C6アルキル基で置換されたアミノ基とは、アミノ基における水素原子が1つ又は2つの同じ又は異なるC1~C6アルキル基で置換されたものを意味し、例えば、-NHMe又は-NEt2などが挙げられる。
【0147】
C1~C6アルカノイル基で置換されたアミノ基とは、アミノ基における水素原子が1つ又は2つの同じ又は異なるC1~C6アルカノイル基で置換されたものを意味し、例えば、-NHCOMe又は-NHCOEtなどが挙げられる。
【0148】
C1~C6アルキルスルホニル基で置換されたアミノ基とは、アミノ基における水素原子が1つ又は2つの同じ又は異なるC1~C6アルキルスルホニル基で置換されたものを意味し、例えば、-NHSO2Me又は-NHSO2Etなどが挙げられる。
【0149】
C3-C6シクロアルキル基とは、炭素数3-6の飽和シクロヒドロカルビル基を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0150】
C3-C6シクロアルコキシ基とは、炭素数3-6の飽和シクロヒドロカルビルオキシ基を意味し、例えば、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0151】
本発明の化合物は、以下の有益な効果を有する。
【0152】
1)本発明の化合物は、ドーパミンD1受容体及び/又はドーパミンD2受容体に対して良好な活性を有する。一部の化合物は、ドーパミンD1受容体又はドーパミンD2受容体に対する拮抗作用のIC50は、1~10nMのレベルにも達する。本発明の化合物は、5-HT受容体に対しても一定的な活性を有する。
【0153】
2)本発明の一部の化合物は、ドーパミンD2受容体作動と拮抗の二重作用を有し、D2受容体調整剤であり、ドーパミンD2受容体関連の中枢神経系疾患の治療によく使用できる。
【0154】
3)本発明の化合物は、フェノール性水酸基を含まず、溶解度がよく、物性がよく、代謝性質がよく、経口生物学的利用能が高く、薬理的効果の維持時間が長い。
【0155】
4)本発明の化合物は、活性が強いだけでなく、経口的に有効であり、薬理的効果の用量が低く、毒副作用が小さいなどの特性を有し、パーキンソン病、統合失調症、双極性感情障害、うつ病、不安障害、躁病、多動性障害、薬物依存症又は偏頭痛のようなドーパミン受容体関連の中枢神経系疾患の治療によく使用でき、良好な臨床的使用の見込みがある。
【実施例
【0156】
実施例1 (S)-2-メチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0157】
【化23】
【0158】
化合物1-aの製造は、本願出願者の特許CN102399166Bを参照することができる。
【0159】
工程1:
1-a(300mg、0.72mmol)をDMF(4mL)に溶解し、硫酸ジメチル(0.07mL,0.72mmol)、ナトリウム水素(69mg、2.88mmol)を添加し、撹拌しながら6時間反応した。メチレンクロリドを加えて抽出し、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、1-bが得られた(60mg、収率19%)。1H-NMR(300Hz,CDCl3)δ 2.53-2.79(m,3H),3.03-3.23(m,3H),3.42-3.56(m,2H),3.84(s,6H),3.87(s,3H),4.22(d,1H),5.14(s,2H),6.64(s,1H),6.74(s,1H),6.81(m,2H),7.29-7.49(m,5H).ESI-MS m/z 432.3(M+H)+
【0160】
工程2:
1-b(60mg、0.14mmol)を酢酸エチル(2mL)に溶解し、パラジウム炭素(10mg)を添加し、10時間水素化反応した。濾過し、濾過液を濃縮し、石油エーテルでスラリー化して、1-cが得られた(12mg、収率25%)。1H-NMR(300Hz,CDCl3)δ 2.57-2.71(m,2H),2.80(dd,1H),3.07-3.29(m,3H),3.47-3.57(d,2H),3.84(s,6H),3.87(s,3H),4.24(d,1H),6.59(s,1H),6.78(d,1H),6.81(s,1H),6.87(d,1H).ESI-MS m/z 342.33(M+H)+
【0161】
工程3:
1-c(1g、2.9mmol)に、メチレンクロリド(5ml)及びトリエチルアミン(0.82ml、5.8mmol)を添加し、氷浴下でTf2O(0.58ml、3.48mmol)をゆっくり滴下し、滴下完了後に室温で3時間撹拌した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、1-dが得られた(0.8g、収率57%)。
【0162】
工程4:
1-d(150mg、0.317mmol)を、三つ口フラスコに仕込み、メチルボロン酸(76mg、1.27mmol)、炭酸カリウム(175mg、1.27mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(79mg、0.063mmol)、1,4-ジオキサン(3mL)を添加し、窒素置換後に100℃で一晩還流した。反応液を濾過し、濾過液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(10mg、収率9%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.20(s,3H),2.57-2.86(m,3H),3.11-3.34(m,3H),3.48-3.58(m,2H),3.81(s,3H),3.84(s,6H),4.24(d,1H),6.56(s,1H),6.78(d,1H),6.87(d,1H),7.01(s,1H).ESI-MS m/z 340.1(M+H)+
【0163】
実施例2 (S)-2-n-プロピル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0164】
【化24】
【0165】
実施例1の生成物の合成方法を参照して、1-dとプロピルボロン酸から表題化合物を製造した。即ち、メチルボロン酸(76mg、1.27mmol)の代わりに、プロピルボロン酸(111.6mg、1.27mmol)を使用した。収率:25%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.96(t,3H),1.54-1.65(m,2H),2.52-2.90(m,5H),3.11-3.35(m,3H),3.49-3.63(m,2H),3.80(s,3H),3.85(s,6H),4.27(d,1H),6.58(s,1H),6.79(d,1H),6.88(d,1H),7.00(s,1H).ESI-MS m/z 368.2(M+H)+
【0166】
実施例3 (S)-2-イソブチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0167】
【化25】
【0168】
実施例1の生成物の合成方法を参照して、1-dとイソブチルボロン酸から表題化合物を製造した。即ち、メチルボロン酸(76mg、1.27mmol)の代わりに、イソブチルボロン酸(129.5mg、1.27mmol)を使用した。収率:28%。ESI-MS m/z 382.29(M+H)+
【0169】
実施例4 (S)-2-シアノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0170】
【化26】
【0171】
1-d(660mg、1.39mmol)に、DMAc(15ml)、シアン化亜鉛(328mg、2.78mmol)、亜鉛粉(28mg、0.41mmol)、DPPF(155mg、0.27mmol)、Pd2(dba)3(80mg、0.13mmol)を添加し、160℃で一晩加熱した。DMAcを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(450mg、収率92%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.42-2.62(m,2H),2.81(d,1H),2.97-3.20(m,2H),3.35-3.50(m,3H),3.72(s,3H),3.77(s,3H),3.88(s,3H),4.07(d,1H),6.87(二つのdピーク),7.01(s,1H),7.74(s,1H).ESI-MS m/z 350.7(M+H)+
【0172】
実施例5 (S)-2-カルバモイル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0173】
【化27】
【0174】
実施例4の生成物(320mg、0.91mmol)に、DMSO(3ml)、過酸化水素水(3ml)、水酸化ナトリウム(75mg、1.82mmol)を添加し、70℃で2時間加熱した。飽和塩化アンモニウム溶液でpHを弱塩基性に調整し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(130mg、収率38%)。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 2.59-2.95(m,3H),3.11-3.29(m,2H),3.40-3.61(m,3H),3.81(s,3H),3.82(s,3H),3.95(s,3H),4.21(d,1H),6.91(m,3H),7.97(s,1H).ESI-MS m/z 369.1(M+H)+
【0175】
実施例6 (S)-2-ホルミル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0176】
【化28】
【0177】
実施例4の生成物(500mg、1.42mmol)に、メチレンクロリド(2ml)を添加し、氷浴下でDIBAL(2.8ml)を添加し、氷浴を維持しながら3時間反応した。1Mの塩酸でpH=5程度に調整し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(390mg、収率77%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.59-2.87(m,3H),3.17-3.28(m,2H),3.39(dd,1H),3.48-3.61(m,2H),3.85(s,6H),3.92(s,3H),6.73(s,1H),6.79(d,1H),6.88(d,1H),7.75(s,1H),10.42(s,1H).
【0178】
実施例7 (S)-2-ヒドロキシメチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0179】
【化29】
【0180】
実施例6の生成物(390mg、1.10mmol)に、メタノール(3ml)及び水素化ホウ素ナトリウム(84mg)を添加し、室温で30分間撹拌した。メタノールを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(210mg、収率53%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.41-2.75(m,3H),2.91-3.17(m,2H),3.24-3.47(m,3H),3.72(s,3H),3.74(s,3H),3.77(s,3H),4.07(d,1H),4.45(d,1H),4.94(t,1H),6.67(s,1H),6.88(s,2H),7.28(s,1H).ESI-MS m/z 355.6(M+H)+
【0181】
実施例8 (S)-2-カルボキシル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0182】
【化30】
【0183】
実施例4の生成物(400mg、1.14mmol)に、30%の過酸化水素溶液(10ml)、10Mの水酸化ナトリウム溶液(5ml)、エタノール(5ml)を添加し、72時間加熱還流した。大部分の溶媒を濃縮し、濃塩酸でpHを弱酸性に調整し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(150mg、収率35%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.59-2.89(m,3H),3.17-3.32(m,2H),3.42(dd,1H),3.50-3.63(m,2H),3.85(s,6H),4.07(s,3H),4.26(d,1H),6.77-6.83(m,2H),6.88(d,1H),8.10(s,1H).ESI-MS m/z 369.5(M+H)+,367.8(M-H)-
【0184】
実施例9 (S)-2-エトキシカルボニル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0185】
【化31】
【0186】
実施例8の生成物(137mg、0.37mmol)に、エタノール(3ml)を添加し、室温で塩化チオニル(0.08ml、1.11mmol)を添加し、2時間加熱還流した。溶媒を濃縮し、メチレンクロリド-飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(50mg、収率34%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.39(t,3H),2.57-2.87(m,3H),3.14-3.27(m,2H),3.33(dd,1H),3.48-3.60(m,2H),3.85(s,6H),3.88(s,3H),4.24(d,1H),4.36(q,2H),6.71(s,1H),6.78(d,1H),6.89(d,1H),7.71(s,1H).ESI-MS m/z 398.1(M+H)+
【0187】
実施例10 (S)-2-アミノメチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0188】
【化32】
【0189】
実施例4の生成物(150mg、0.42mmol)に、THF(2ml)及びボラン-テトラヒドロフラン溶液(1.2ml)を添加し、一晩加熱還流した。1M塩酸を添加してPH=2程度に調整し、100℃で1時間加熱した。重炭酸ナトリウム溶液でPHを弱塩基性に調整し、メチレンクロリド-水で抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(50mg、収率33%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.98(d,1H),3.26(t,1H),3.69-4.04(m,13H),4.24-4.79(m,3H),6.96(s,1H),6.97(d,1H),7.08(d,1H),7.63(s,1H),8.42(brs,2H),12.08(s,1H).ESI-MS m/z 355.0(M+H)+
【0190】
実施例11 (S)-2-アセチルアミノメチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0191】
【化33】
【0192】
実施例10の生成物(75mg、0.21mmol)に、メチレンクロリド(1.5ml)、トリエチルアミン(0.09ml、0.63mmol)、酢酸無水物(0.04ml、0.42mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(20mg、収率24%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.97(s,3H),2.56-2.85(m,3H),3.12-3.37(m,3H),3.47-3.59(m,2H),3.85(s,9H),4.24(d,1H),4.41(d,2H),6.01(brs,1H),6.62(s,1H),6.79(d,1H),6.88(d,1H),7.17(s,1H).ESI-MS m/z 397.0(M+H)+
【0193】
実施例12(S)-2-アセチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0194】
【化34】
【0195】
実施例4の生成物(250mg、0.71mmol)に、1Mメチルマグネシウムブロマイド(5ml)を添加し、一晩加熱還流した。1M塩酸を添加しpH=2に調整し、室温で2時間撹拌した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(20mg、収率7%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.57-2.86(m,3H),2.62(s,3H),3.15-3.31(m,3H),3.39(dd,1H),3.48-3.62(m,2H),3.85(s,6H),3.90(s,3H),4.26(d,1H),6.71(s,1H),6.79(d,1H),6.88(d,1H),7.70(s,1H).ESI-MS m/z 368.2(M+H)+
【0196】
実施例13 (S)-2-アミノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン塩酸塩(I-A系)
【0197】
【化35】
【0198】
工程1:
1-d(2g、4.22mmol)を、二口フラスコに仕込み、炭酸セシウム(3.4g、10.5mmol)、酢酸パラジウム(189mg、0.84mmol)、BINAP(789mg、1.26mmol)及びトルエン(15ml)を添加し、15分間窒素置換し、ベンジルアミン(0.92ml、8.44mmol)を仕込み、110℃で一晩反応した。トルエンを濃縮し、メチレンクロリドを添加して生成物を溶解し、濾過により不溶物を除去し、濾過液にメチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、13-aが得られた(400mg、収率22%)。ESI-MS m/z 430.8(M+H)+
【0199】
工程2:
13-a(400mg、0.93mmol)に、メタノール(5ml)、パラジウム炭素(40mg)及びギ酸アンモニウム(293mg、4.65mmol)を添加し、2時間加熱還流した。濾過によりパラジウム炭素を除去し、メタノールを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、オイル状のものが得られ、HCl-EtOHを添加して塩を形成して、黄色固体として表題化合物が得られた(225mg、収率64%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.98(d,1H),3.17(t,1H),3.48(m,2H),3.69-3.96(m,11H),4.38(d,1H),4.62(d,1H),4.75(d,1H),6.94-7.15(m,3H),7.45(s,1H),9.75(brs,2H),11.99(s,1H).ESI-MS m/z 341.3(M+H)+
【0200】
実施例14 (S)-2-アセチルアミノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン塩酸塩(I-A系)
【0201】
【化36】
【0202】
実施例11の生成物の合成方法を参照して、実施例13の生成物と酢酸無水物から表題化合物を製造した。即ち、実施例10の生成物(75mg、0.21mmol)の代わりに、実施例13の生成物(72mg、0.21mmol)を使用した。収率:38%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.19(s,3H),2.61-2.93(m,3H),3.15-3.31(m,2H),3.39(dd,1H),3.51-3.69(m,2H),3.83(s,6H),3.86(s,3H),6.60(s,1H),6.78(d,1H),6.87(d,1H),7.72(brs,1H),8.32(s,1H).ESI-MS m/z 383.1(M+H)+
【0203】
実施例15 (S)-2-ブロモ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0204】
【化37】
【0205】
工程1:
1-d(300mg、0.63mmol)に、塩化リチウム(135mg、3.15mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(80mg、0.063mmol)、ヘキサブチルジ錫(0.65ml、1.26mmol)及び1,4-ジオキサン(2ml)を添加し、窒素置換し、一晩加熱還流した。溶媒を濃縮し、メチレンクロリド、水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、15-aが得られた(132mg、収率33%)。ESI-MS m/z 615.4(M+H)+
【0206】
工程2:
15-a(110mg、0.17mmol)に、メチレンクロリド(3ml)を添加し、氷浴条件下でNBS(40mg、0.22mmol)を添加し、5分間撹拌した。メチレンクロリド、水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(56mg、収率77%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.56-2.87(m,3H),3.09-3.31(m,3H),3.48-3.58(m,2H),3.85(s,6H),3.88(s,3H),4.24(d,1H),6.65(s,1H),6.79(d,1H),6.88(d,1H),7.42(s,1H).ESI-MS m/z 403.6(M+H)+
【0207】
実施例16 (S)-2-クロロ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0208】
【化38】
【0209】
実施例15の生成物の合成方法を参照して、15-aとNCS反応により表題化合物を製造した。即ち、NBS(40mg、0.22mmol)の代わりに、NCS(29mg、0.22mmol)を使用した。収率:35%。ESI-MS m/z 360.7(M+H)+
【0210】
実施例17 (S)-2-ビニル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0211】
【化39】
【0212】
1-d(800mg、1.69mmol)に、乾燥のDMF(15ml)、塩化リチウム(270mg、5.07mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(25mg、0.03mmol)、トリブチルビニル錫(0.6ml、2.02mmol)を添加し、窒素置換し、一晩加熱還流した。DMFを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(275mg、収率46%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.62-2.92(m,3H),3.15-3.29(m,2H),3.35(dd,1H),3.51-3.65(m,2H),3.84(s,3H),3.86(s,6H),4.27(d,1H),5.25(d,1H),5.73(d,1H),6.62(s,1H),6.80(d,1H),6.90(d,1H),7.02(dd,1H),7.34(s,1H).ESI-MS m/z 352.0(M+H)+
【0213】
実施例18 (S)-2-ヒドロキシエチル-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0214】
【化40】
【0215】
実施例17の生成物(200mg、0.56mmol)に、THF(1ml)及び1Mボラン-テトラヒドロフラン溶液(1.7ml、1.68mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。水(2ml)、1M水酸化ナトリウム溶液(6ml)、30%の過酸化水素水(1.2ml)を添加し、65℃で2時間加熱した。飽和塩化アンモニウム溶液でpHを弱塩基性に調整し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(60mg、収率28%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.58-2.93(m,5H),3.12-3.36(m,3H),3.49-3.60(m,2H),3.83(s,3H),3.86(s,6H),3.80-3.88(m,2H),4.25(d,1H),6.62(s,1H),6.80(d,1H),6.89(d,1H),7.05(s,1H).ESI-MS m/z 370.1(M+H)+
【0216】
実施例19 (S)-2,3,10-トリメトキシ-9-シアノ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-C系)
【0217】
【化41】
【0218】
工程1:
L-テトラヒドロパルマチン19-a(10g、28.1mmol)を、メタンスルホン酸(12mL)に溶解し、メチオニン(5g、30.9mmol)を添加して、30℃で3時間反応した。氷浴下で反応液をNaOH溶液にゆっくり添加し、PH=13に調整し,減圧濾過により原料を除去し、濾過液をメチレンクロリドで複数回抽出し、有機相を合併し水で洗浄し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗生成物がメタノール再結晶により、白色固体として19-bが得られた(1.59g、収率16%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.58-2.72(m,2H),2.83(dd,1H),3.07-3.30(m,3H),3.47-3.62(m,2H),3.87(s,6H),3.89(s,3H),4.24(d,1H),5.68(s,1H),6.62(s,1H),6.68(d,1H),6.74(m,2H).ESI-MS m/z 342.3(M+H)+
【0219】
工程2:
19-b(1g、2.9mmol)に、メチレンクロリド(5ml)及びトリエチルアミン(0.82ml、5.8mmol)を添加し、氷浴下でTf2O(0.58ml、3.48mmol)をゆっくり滴下し、滴下完了後に室温で3時間撹拌した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、19-cが得られた(0.8g、収率57%)。
【0220】
工程3:
実施例4の合成方法を参照して、19-cからシアノ化反応により表題化合物を製造した。即ち、1-d(660mg、1.39mmol)の代わりに、19-c(660mg、1.39mmol)を使用した。収率:50%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.60-2.73(m,2H),2.82(dd,1H),3.05-3.32(m,3H),3.60(dd,1H),3.73(d,1H),3.87(s,3H),3.88(s,3H),3.92(s,3H),6.63(s,1H),6.70(s,1H),6.81(d,1H),7.33(d,1H).ESI-MS m/z 351.0(M+H)+
【0221】
実施例20 (S)-2,3,10-トリメトキシ-9-カルバモイル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-C系)
【0222】
【化42】
【0223】
実施例5の生成物の合成方法を参照して、実施例19の生成物から表題化合物を製造した。即ち、実施例4の生成物(320mg、0.91mmol)の代わりに、実施例19の生成物(320mg、0.91mmol)を使用した。収率:40%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.63(m,2H),2.83(dd,1H),3.10(m,2H),3.30(dd,1H),3.58(dd,1H),3.85(m,10H),4.13(d,1H),5.86(s,1H),6.08(s,1H),6.60(s,1H),6.72(s,1H),6.80(d,1H),7.17(d,1H).ESI-MS m/z 369.2(M+H)+
【0224】
実施例21 (S)-2,3,10-トリメトキシ-9-アセチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-C系)
【0225】
【化43】
【0226】
実施例12の生成物の合成方法を参照して、実施例19の生成物から表題化合物を製造した。即ち、実施例4の生成物(250mg、0.71mmol)の代わりに、実施例19の生成物(250mg、0.71mmol)を使用した。収率:33%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.51(s,3H),2.63(m,2H),2.84(dd,1H),3.11(m,2H),3.30(dd,1H),3.57(dd,1H),3.68(d,1H),3.85(m,10H),6.60(s,1H),6.72(s,1H),6.80(d,1H),7.16(d,1H).ESI-MS m/z 368.1(M+H)+
【0227】
実施例22 (S)-2,3,10-トリメトキシ-9-アミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-C系)
【0228】
【化44】
【0229】
実施例10の生成物の合成方法を参照して、実施例19の生成物をシアノ基還元により表題化合物を製造した。即ち、実施例4の生成物(150mg、0.42mmol)の代わりに、実施例19の生成物(150mg、0.42mmol)を使用した。収率:50%。
【0230】
実施例23 (S)-2,3,10-トリメトキシ-9-アセチルアミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-C系)
【0231】
【化45】
【0232】
実施例11の生成物の合成方法を参照して、実施例22の生成物をアセチル化反応により表題化合物を製造した。即ち、実施例10の生成物(75mg、0.21mmol)の代わりに、実施例22の生成物(75mg、0.21mmol)を使用した。収率:80%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.93(s,3H),2.64(m,2H),2.84(dd,1H),3.04-3.32(m,3H),3.54(d,1H),3.66(d,1H),3.84(s,3H),3.86(s,3H),3.88(s,3H),4.32(d,1H),4.44(m,2H),5.77(t,1H),6.61(s,1H),6.71(s,1H),6.77(d,1H),7.10(d,1H).ESI-MS m/z 397.1(M+H)+
【0233】
実施例24 (S)-2,3,10-トリメトキシ-9-ホルミル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-C系)
【0234】
【化46】
【0235】
実施例6の生成物の合成方法を参照して、実施例19の生成物から表題化合物を製造した。即ち、実施例4の生成物(500mg、1.42mmol)の代わりに、実施例19の生成物(500mg、1.42mmol)を使用した。収率:49%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.58-2.75(m,2H),2.87(t,1H),3.02-3.33(m,4H),3.57(d,1H),3.86(s,3H),3.87(s,3H),3.90(s,3H),4.61(d,1H),6.61(s,1H),6.71(s,1H),6.87(d,1H),7.35(d,1H),10.63(s,1H).ESI-MS m/z 354.3(M+H)+
【0236】
実施例25(S)-2,3,10-トリメトキシ-9-ヒドロキシメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-C系)
【0237】
【化47】
【0238】
実施例7の生成物の合成方法を参照して、実施例24の生成物から表題化合物を製造した。即ち、実施例6の生成物(390mg、1.10mmol)の代わりに、実施例24の生成物(390mg、1.10mmol)を使用した。収率:69%。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 3.10(t,2H),3.27(m,2H),3.58(td,1H),3.78-3.97(m,11H),4.67(m,2H),4.74-4.84(m,2H),6.84(s,1H),6.98(s,1H),7.06(d,1H),7.30(d,1H).ESI-MS m/z 356.1(M+H)+
【0239】
実施例26 (S)-2,3,9-ジメトキシ-10-メチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-D系)
【0240】
【化48】
【0241】
工程1:
1-a(1g、2.4mmol)に、メチレンクロリド(5ml)及びトリエチルアミン(0.67ml、4.8mmol)を添加し、氷浴下でTf2O(0.48ml、2.88mmol)をゆっくり滴下し、滴下完了後に室温で3時間撹拌した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、26-aが得られた(0.74g、収率56%)。
【0242】
工程2:
26-a(500mg、0.91mmol)を、三つ口フラスコに仕込み、メチルボロン酸(218mg、3.64mmol)、炭酸カリウム(502mg、3.64mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(210mg、0.182mmol)、1,4-ジオキサン(5mL)を添加し、窒素置換後に100℃で一晩還流した。反応液を濾過し、濾過液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、26-bが得られた(75mg、収率20%)。
【0243】
工程3:
26-b(75mg、0.180mmol)を、酢酸エチル(2mL)に溶解し、パラジウム炭素(10mg)を添加し、10時間水素化反応した。濾過し、濾過液を濃縮して、26-cが得られた(53mg、収率90%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.27(s,3H),2.59-2.71(m,2H),2.85(dd,1H),3.08-3.23(m,2H),3.27(dd,1H),3.55(d,2H),3.75(s,3H),3.88(s,3H),4.23(d,1H),6.60(s,1H),6.82(s,1H),6.84(d,1H),7.00(d,1H).ESI-MS m/z 326.2(M+H)+
【0244】
工程4:
化合物1-bの合成方法を参照して、26-cと硫酸ジメチルからメチル化反応により表題化合物を製造した。即ち、1-aの代わりに、26-cを使用した。収率:40%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.27(s,3H),2.61-2.72(m,2H),2.87(dd,1H),3.11-3.25(m,2H),3.29(dd,1H),3.58(d,2H),3.76(s,3H),3.87(s,3H),3.89(s,3H),4.24(d,1H),6.62(s,1H),6.74(s,1H),6.86(d,1H),7.01(d,1H).ESI-MS m/z 340.3(M+H)+
【0245】
実施例27 (S)-2,3,9-トリメトキシ-10-シアノ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-D系)
【0246】
【化49】
【0247】
工程1:
26-a(500mg、0.91mmol)に、DMAc(15ml)、シアン化亜鉛(214mg、1.82mmol)、亜鉛粉(18mg、0.27mmol)、DPPF(101mg、0.18mmol)、Pd2(dba)3(83mg、0.09mmol)を添加し、160℃で一晩加熱した。DMAcを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、27-aが得られた(348mg、収率92%)。
【0248】
工程2:
27-a(300mg、0.70mmol)を、エタノール(4mL)に溶解し、濃塩酸2mlを添加し、100℃で1時間反応した。そのまま溶媒を留去して、化合物27-bが得られた(236mg、収率90%)。
【0249】
工程3:
27-b(250mg、0.67mmol)を、アセトン(4mL)に溶解し、硫酸ジメチル(0.095mL,1.01mmol)、水酸化ナトリウム(107mg、2.68mmol)を添加し、室温で撹拌しながら6時間反応した。メチレンクロリドを加えて抽出し、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(200mg、収率85%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.60-2.73(m,2H),2.91(dd,1H),3.05-3.24(m,2H),3.34(dd,1H),3.49(d,1H),3.59(dd,1H),3.87(s,3H),3.88(s,3H),4.08(s,3H),4.19(d,1H),6.62(s,1H),6.69(s,1H),6.96(d,1H),7.38(d,1H).ESI-MS m/z 351.0(M+H)+
【0250】
実施例28 (S)-2,3,9-トリメトキシ-10-カルバモイル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-D系)
【0251】
【化50】
【0252】
実施例5の生成物の合成方法を参照して、実施例27の生成物から酸化加水分解反応により表題化合物を製造した。即ち、実施例4の生成物(320mg、0.91mmol)の代わりに、実施例27の生成物(320mg、0.91mmol)を使用した。収率:54%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.69(m,2H),2.94(m,1H),3.06-3.28(m,2H),3.38(dd,1H),3.60(m,2H),3.84(s,3H),3.87(s,3H),3.89(s,3H),4.26(d,1H),5.87(s,1H),6.63(s,1H),6.72(s,1H),7.08(d,1H),7.57(s,1H),7.90(d,1H).ESI-MS m/z 369.0(M+H)+
【0253】
実施例29 (S)-2,3,9-トリメトキシ-10-ホルミル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-D系)
【0254】
【化51】
【0255】
実施例6の生成物の合成方法を参照して、実施例27の生成物から還元反応により表題化合物を製造した。即ち、実施例4の生成物(500mg、1.42mmol)の代わりに、実施例27の生成物(500mg、1.42mmol)を使用した。収率:64%。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 2.62-2.78(m,2H),2.85(dd,1H),3.02-3.27(m,2H),3.54-3.72(m,3H),3.80(s,3H),3.83(s,3H),3.93(s,3H),4.27(d,1H),6.71(s,1H),6.89(s,1H),7.16(d,1H),7.67(d,1H),10.27(s,1H).ESI-MS m/z 354.0(M+H)+
【0256】
実施例30 (S)-2,3,9-トリメトキシ-10-ヒドロキシメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-D系)
【0257】
【化52】
【0258】
実施例7の生成物の合成方法を参照して、実施例29の生成物から還元反応により表題化合物を製造した。即ち、実施例6の生成物(390mg、1.10mmol)の代わりに、実施例29の生成物(390mg、1.10mmol)を使用した。収率:80%。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 2.60-2.87(m,3H),3.02-3.28(m,2H),3.46-3.66(m,3H),3.78(s,3H),3.80(s,3H),3.82(s,3H),4.22(d,1H),4.64(s,2H),6.71(s,1H),6.88(s,1H),7.01(d,1H),7.28(d,1H).ESI-MS m/z 356.0(M+H)+
【0259】
実施例31 (S)-2,3,9-トリメトキシ-10-アミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-D系)
【0260】
【化53】
【0261】
実施例10の生成物の合成方法を参照して、実施例27の生成物を還元反応により表題化合物を製造した。即ち、実施例4の生成物(150mg、0.42mmol)の代わりに、実施例27の生成物(150mg、0.42mmol)を使用した。収率:60%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.64~2.88(m,3H),3.10~3.30(m,3H),3.60(d,2H),3.74(d,1H),3.82(s,3H),3.86(s,3H),3.88(s,3H),4.31-4.51(m,3H),6.61(s,1H),6.72(s,1H),6.77(d,1H),7.11(d,1H).ESI-MS m/z 355.0(M+H)+
【0262】
実施例32 (S)-2,3,9-トリメトキシ-10-アセチルアミノメチル-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-D系)
【0263】
【化54】
【0264】
実施例11の生成物の合成方法を参照して、実施例31の生成物と酢酸無水物の反応により表題化合物を製造した。即ち、実施例10の生成物(75mg、0.21mmol)の代わりに、実施例31の生成物(75mg、0.21mmol)を使用した。収率:67%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.99(s,3H),2.68(m,2H),2.88(dd,1H),3.14-3.37(m,3H),3.59(m,2H),3.79(s,3H),3.87(s,3H),3.89(s,3H),4.23(d,1H),4.45(m,2H),5.86(t,1H),6.62(s,1H),6.72(s,1H),6.93(d,1H),7.12(d,1H).ESI-MS m/z 397.0(M+H)+
【0265】
実施例33 (S)-2,10-ジアミノ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-B系)
【0266】
【化55】
【0267】
工程1:
l-SPD(1g、3.0mmol)に、メチレンクロリド(5ml)、ピリジン(1.25ml、15mmol)を添加し、氷浴下でTf2O(1.5ml、9.0mmol)をゆっくり滴下し、滴下完了後に室温で1時間撹拌した。1M塩酸洗浄でピリジンを除去し、メチレンクロリド-水で抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、33-aが得られた(1g、収率60%)。1H-NMR(300Hz,CDCl3)δ 2.59-2.94(m,3H),3.10-3.31(m,3H),3.58(m,2H),3.90(s,6H),4.23(d,1H),6.78(s,1H),6.98(d,1H),7.06(s,1H),7.09(d,1H).ESI-MS m/z 592.0(M+H)+
【0268】
工程2:
33-a(800mg、1.35mmol)に、DMF(10ml)、炭酸セシウム(1.32g)、酢酸パラジウム(184mg)、X-phos(132mg)を添加し、15分間窒素置換した、ベンジルアミン(0.372ml)を仕込み、150℃で加熱3時間反応した。DMFを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、33-bが得られた(180mg、収率26%)。ESI-MS m/z 506.4(M+H)+
【0269】
工程3:
33-b(175mg、0.34mmol)に、パラジウム炭素(40mg)、メタノール(3ml)、ギ酸アンモニウム(436mg、6.8mmol)を添加し、一晩加熱還流した。パラジウム炭素を濾過し、メタノールを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(53mg、収率47%)。1H-NMR(300Hz,CD3OD)δ 2.72-2.95(m,3H),3.06-3.28(m,3H),3.42(m,2H),3.77(s,3H),3.85(s,3H),4.35(d,1H),6.64(s,1H),6.75(m,2H),6.81(d,1H).ESI-MS m/z 326.2(M+H)+
【0270】
実施例34 (S)-2,10-ジアセチルアミノ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-B系)
【0271】
【化56】
【0272】
実施例11の生成物の合成方法を参照して、実施例33の生成物と酢酸無水物から表題化合物を製造した。即ち、実施例10の生成物(75mg、0.21mmol)の代わりに、実施例33の生成物(69mg、0.21mmol)を使用した。収率:34%。1H-NMR(300Hz,CDCl3)δ 2.20(s,6H),2.57-2.89(m,3H),3.09-3.26(m,2H),3.41(d,1H),3.51-3.65(m,2H),3.78(s,3H),3.87(s,3H),4.20(d,1H),6.61(s,1H),6.94(d,1H),7.58(s,1H),7.73(s,1H),8.09(d,1H),8.32(s,1H).ESI-MS m/z 409.9(M+H)+
【0273】
実施例35 2,3-ジシアノ-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-F系)
【0274】
【化57】
【0275】
工程1:
35-a(10g、29.4mmol)を、メチレンクロリド(300ml)に溶解し、氷浴下でBCl3のメチレンクロリド溶液(59ml、58.8mmol)を滴下し、室温で一晩置き、翌日メタノール(100ml)を滴下して過剰なBCl3をクエンチし、溶媒を蒸発させ、そのまま次の工程の反応に使用した。
【0276】
工程2:
35-b(9g、27.5mmol)を、メチレンクロリド(100ml)に懸濁し、ピリジン(20ml)を添加し、氷浴下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(10ml)を滴下し、室温で5時間撹拌した。メチレンクロリドを加えて希釈し、1M HCl溶液で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、有機相を乾燥して濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、35-cが得られた(3g、2工程の収率17%)。
【0277】
工程3:
35-c(2.7g、4.5mmol)に、シアン化亜鉛(1.6g、13.6mmol)、1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(383mg、0.69mmol)、亜鉛粉(110mg、1.69mmol)、Pd2(dba)3(273mg、0.47mmol)及びDMAc(10ml)を添加し、窒素置換し、160℃で2時間還流した。室温まで冷却し、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(1g、収率63%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.59-2.71(m,1H),2.77-2.94(m,2H),3.17-3.33(m,3H),3.58(d,1H),3.67(dd,1H),3.85(s,6H),4.26(d,1H),6.81(d,1H),6.89(d,1H),7.59(s,1H),7.71(s,1H).ESI-MS m/z 346.3(M+H)+
【0278】
実施例36 2,3-イミノジカルボニル-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-F系)
【0279】
【化58】
【0280】
金属ナトリウム(170mg、7.3mmol)を無水エタノール(10ml)に添加し、完全に溶解した後、実施例35の生成物(200mg、0.57mmol)を添加し、50℃で2時間加熱した。反応液を10% HNO3溶液(10ml)に仕込み、30分間撹拌し、徐々に固体が沈殿し、濾過して生成物が得られた。濾過液を乾燥まで濃縮し、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、有機相を乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、合併して、表題化合物が得られた(110mg、収率52%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.16-2.39(m,2H),2.65(t,1H),2.75-2.95(m,2H),3.17(t,2H),3.35(d,1H),3.44(s,3H),3.49(s,3H)、3.82(d,1H),6.60(s,2H),7.30(s,1H),7.51(s,1H),10.93(s,1H).ESI-MS m/z 365.2(M+H)+
【0281】
実施例37 (S)-2,10-ジシアノ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-B系)
【0282】
【化59】
【0283】
実施例35の生成物の合成方法を参照して、33-aから表題化合物を製造した。即ち、35-cの代わりに、33-aを使用した。収率:74%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.58-2.94(m,3H),3.13-3.38(m,3H),3.48(d,1H),3.58(d,1H),3.91(s,3H),4.09(s,3H),4.19(d,1H)、6.71(s,1H),6.96(d,1H),7.41(m,2H).ESI-MS m/z 346.5(M+H)+
【0284】
実施例38 (S)-2,10-ジカルバモイル-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-B系)
【0285】
【化60】
【0286】
実施例5の生成物の合成方法を参照して、実施例37の生成物から酸化加水分解反応により表題化合物を製造した。即ち、実施例4の生成物(0.91mmol)の代わりに、実施例37の生成物(0.91mmol)を使用した。収率:40%。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 2.64-2.97(m,3H),3.12-3.38(m,2H),3.50-3.74(m,3H),3.84(s,3H),3.97(s,3H),4.28(d,1H),6.95(s,1H),7.11(d,1H),7.65(d,1H),7.99(s,1H).ESI-MS m/z 382.1(M+H)+
【0287】
実施例39 2,3-ジカルバモイル-9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-F系)
【0288】
【化61】
【0289】
実施例5の生成物の合成方法を参照して、実施例35の生成物から酸化加水分解反応により表題化合物を製造した。即ち、実施例4の生成物(0.91mmol)の代わりに、実施例35の生成物(0.91mmol)を使用した。収率:42%。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 2.61-2.92(m,3H),3.18(m,2H),3.47(dd,1H),3.55(d,1H),3.68(dd,1H),3.82(s,3H),3.83(s,3H),4.23(d,1H)、6.88(d,1H),6.93(d,1H),7.39(s,1H),7.58(s,1H).ESI-MS m/z 382.1(M+H)+
【0290】
実施例40 (S)-4、10,11-トリメトキシ-3,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-h]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン-2(1H)-オン(I-A系)
【0291】
【化62】
【0292】
工程1:
1-c(4g、11.7mmol)に、メチレンクロリド(20ml)、酢酸(10ml)を添加し、氷浴下で30%の硝酸(4.6ml)を滴下し、加入完了後に室温で5時間撹拌した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で3回洗浄し、乾燥し、濃縮して、40-a粗生成物が得られ(5g)、そのまま次の工程に使用した。
【0293】
工程2:
40-a(4g、10.3mmol)に、メチレンクロリド(40ml)及びトリエチルアミン(2.86ml、20.6mmol)を添加し、氷浴下でTf2O(1.7ml、10.3mmol)を滴下し、加入完了後に室温で3時間撹拌した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、40-bが得られた(2.4g、2工程の収率49%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.69-2.83(m,3H),2.91-3.20(m,3H),3.84(d,6H),3.91(d,1H),3.97(s,3H),4.10(t,1H),4.20(d,1H),6.77(s,2H),6.97(s,1H).
【0294】
工程3:
40-b(2.4g、4.6mmol)に、乾燥のトルエン(20ml)、炭酸セシウム(2.26g、6.9mmol)、酢酸パラジウム(104mg、0.46mmol)、BINAP(289mg、0.46mmol)を添加し、窒素置換し、ベンジルアミン(1ml、9.2mmol)を仕込み、3時間加熱還流した。トルエンを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、40-cが得られた(1.4g、収率63%)。
【0295】
工程4:
40-c(1.4g、2.9mmol)に、メタノール(15ml)、パラジウム炭素(140mg)、ギ酸アンモニウム(1.85g、29mmol)を添加し、2時間加熱還流した。パラジウム炭素を濾過し、メタノールを濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、メチレンクロリド-水で抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、HCl-MeOH塩を形成して、薄い黄色固体として40-dが得られた(1g、収率87%)。
【0296】
工程5:
40-d(164mg、0.42mmol)に、メチレンクロリド(2.5ml)、トリエチルアミン(0.3ml、2.1mmol)を添加し、さらにトリホスゲン(50mg、0.16mmol)をトルエン(2.5ml)に溶解し、定圧滴下漏斗で上記の反応液にゆっくり添加し、室温で撹拌しながら2時間反応した。飽和重炭酸ナトリウム溶液を適量添加し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(75mg、収率46%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.31-2.74(m,3H),2.90-3.12(m,2H),3.28-3.42(m,1H),3.63(t,2H),3.73(s,3H),3.77(s,3H),3.79(s,3H),4.05(d,1H),6.43(s,1H),6.84(d,1H),6.89(d,1H),10.51(s,1H),10.63(s,1H).ESI-MS m/z 382.2(M+H)+,380.2(M-H)-
【0297】
実施例41 (S)-4、10,11-トリメトキシ-3,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-h]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン-2(1H)-チオン(I-A系)
【0298】
【化63】
【0299】
40-d(150mg、0.42mmol)に、水(2ml)、水酸化ナトリウム(51mg、1.26mmol)、二硫化炭素(0.051ml、0.84mmol)を添加し、80℃で1時間加熱した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(100mg、収率59%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.61-2.85(m,3H),3.10-3.30(m,3H),3.76(m,2H),3.84(s,3H),3.87(s,3H),3.89(s,3H),4.20(d,1H),6.46(s,1H),6.77(m,2H).ESI-MS m/z 398.3(M+H)+
【0300】
実施例42 (S)-4、10,11-トリメトキシ-1,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-h]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン(I-A系)
【0301】
【化64】
【0302】
40-d(200mg、0.56mmol)に、ギ酸(3ml)を添加し、1時間加熱還流した。溶媒を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウムを添加して弱塩基性に調整し、メチレンクロリド-水で抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(90mg、収率43%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.68-2.88(m,3H),3.19-3.39(m,2H),3.72(d,1H),3.84(s,3H),3.85(s,3H),3.95(s,3H),4.07(d,2H),4.29(d,1H),6.49(s,1H),6.76(d,1H),6.87(d,1H),7.93(s,1H).ESI-MS m/z 366.1(M+H)+
【0303】
実施例43 (S)-4、10,11-トリメトキシ-1,6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイソキノリノ[3,2-a][1,2,3]トリアゾロ[4、5-h]イソキノリン(I-A系)
【0304】
【化65】
【0305】
40-d(200mg、0.56mmol)に、水(2ml)、酢酸(0.42ml、7.28mmol)を添加し、氷浴で0℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウム水溶液(50mg亜硝酸ナトリウム含有)を滴下し、氷浴下で1時間反応した後に、85℃までに加熱して1時間反応した。飽和重炭酸ナトリウムを添加して弱塩基性に調整し、メチレンクロリド-水で抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(80mg、収率38%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.70-2.87(m,3H),3.22-3.39(m,2H),3.69(d,1H),3.85(d,6H),3.99(s,3H),4.05(d,1H),4.14(d,1H),4.30(d,1H),6.53(s,1H),6.77(d,1H),6.88(d,1H).ESI-MS m/z 367.2(M+H)+
【0306】
実施例44 9,10-ジメトキシ-1,5,6,8,13,13a-ヘキサヒドロイミダゾロ[4、5-g]イソキノリノ[3,2-a]イソキノリン(I-F系)
【0307】
【化66】
【0308】
原料44-hは、特許文献CN102399166B、あるいは、J.Org.Chem,2009,74,9225-8228; Bioorg.Med.Chem.2013, 21,856-868.などの非特許文献を参照し、パラヒドロキシベンゼンアセトニトリルから複数工程の反応により製造された。化合物44-hから、方法五(反応式11)により、表題化合物が製造された。具体的な操作は、以下の通りであった。
【0309】
工程1:
パラヒドロキシベンゼンアセトニトリル44-a(3g、22mmol)に、アセトン(30ml)、炭酸カリウム(6.2g、45mmol)及び臭化ベンジル(3.2ml)を添加し、2時間加熱還流した。アセトンを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、メタノールでスラリー化して、白色固体として44-bが得られた(3.8g、収率76%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.68(s,2H),5.07(s,2H),6.97(d,2H),7.23(d,2H),7.29-7.47(m,5H).
【0310】
工程2:
水素化ホウ素ナトリウム(1.3g)を、THF(5ml)に懸濁した。さらに、2.66mlトリフルオロ酢酸(5mlTHFで希釈)を、氷浴下で水素化ホウ素ナトリウムにゆっくり滴下し、滴下完了後に室温に移した。44-b(2g)を、THF(5ml)に溶解し、反応系にゆっくり仕込んだ。室温で4時間反応した。反応液を、氷水に撹拌しながらゆっくり滴下し、メチレンクロリド-水で抽出し、乾燥し、濃縮し、HCl-MeOHを添加して塩を形成して、濃縮し、アセトンを添加してスラリー化して、白色固体として44-cが得られた(1g、収率42%)。
【0311】
工程3:
44-c(1.15g、4.4mmol)及び44-d(0.92g)に、エタノール(20ml)、トリエチルアミン(2.4ml)を添加し、12時間加熱還流した。エタノールを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、石油エーテル/酢酸エチルでスラリー化して、44-eが得られた(1.3g、収率68%)。ESI-MS m/z 436.3(M+H)+
【0312】
工程4:
44-e(10g、23.0mmol)に、トルエン(30ml)、塩化ホスホリル(26ml)を添加し、4時間加熱還流した。塩化ホスホリルとトルエンを濃縮し、氷水に仕込み、炭酸ナトリウム溶液を添加してpH=7に調整し、酢酸エチルを添加して抽出し、乾燥し、濃縮し、メタノールを添加し、氷浴条件下で水素化ホウ素ナトリウム(3g)を添加し、加入完了後に室温で一晩撹拌した。メタノールを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、44-gが得られた(0.7g、2工程の収率7%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.56-2.93(m,3H),3.05-3.32(m、3H),3.56(m,2H),3.86(s,6H),4.26(d,1H),5.06(s,2H),6.74-6.92(m,4H),7.06(d,1H),7.29-7.50(m,5H).ESI-MS m/z 402.7(M+H)+
【0313】
工程5:
44-g(1.4g)に、エタノール(5ml)及びパラジウム炭素(70mg)を添加し、室温で12時間水素化反応した。濾過し、濾過液を乾燥まで濃縮し、44-hが得られた(1.2g、収率100%)。
【0314】
工程6:
44-h(0.9g、2.8mmol)に、メチレンクロリド(5ml)を添加し、氷浴下で65%の濃硝酸(0.33ml)を添加し、加入完了後に室温で2時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加してpH>7に調整し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、44-iが得られた(0.3g)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.56-2.95(m,3H),3.06-3.33(m,3H),3.50-3.66(m,2H),3.86(s,6H),4.26(d,1H),6.81(d,1H),6.88(d,1H),7.06(s,1H),7.90(s,1H),10.38(brs,1H).ESI-MS m/z 357.3(M+H)+
【0315】
工程7:
44-i(300mg、0.84mmol)に、メチレンクロリド(5ml)、ピリジン(0.34ml、4.2mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.28ml、1.68mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。1Mの塩酸(4ml)を添加し、飽和食塩水で抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、44-jが得られた(330mg、収率80%)。ESI-MS m/z 489.1(M+H)+
【0316】
工程8:
44-j(330mg、0.67mmol)に、トルエン(3ml)、酢酸パラジウム(15mg、0.067mmol)、BINAP(42mg、0.067mmol)、炭酸セシウム(330mg、1.00mmol)、ベンジルアミン(0.15ml、1.34mmol)を添加し、2時間加熱還流した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、44-kが得られた(250mg、収率83%)。ESI-MS m/z 446.3(M+H)+
【0317】
工程9:
44-k(250mg、0.56mmol)に、メタノール(5ml)、水酸化パラジウム(25mg)、ギ酸アンモニウム(360mg)を添加し、2時間加熱還流した。メタノールを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、エタノールを添加し、HCl-MeOH滴下して塩を形成して、浅い黄色固体として44-lが得られた(180mg、収率88%)。
【0318】
工程10:
44-l(108mg、0.30mmol)に、ギ酸(2.5ml)を添加し、1時間加熱還流した。ギ酸を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(50mg、収率50%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.64-2.78(m,1H),2.86-2.98(m,2H),3.21-3.46(m,3H),3.59(d,1H),3.79(d,1H),3.85(s,6H),4.28(d,1H),5.34(brs,1H),6.80(d,1H),6.90(d,1H),7.38(s,1H),7.59(s,1H),7.99(s,1H).ESI-MS m/z 336.2(M+H)+
【0319】
実施例45 9,10-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[4、5-g]イソキノリン(I-F系)
【0320】
【化67】
【0321】
工程1:
44-i(520mg、1.46mmol)に、メタノール(20ml)、パラジウム炭素(40mg)を添加し、室温で3時間水素化した。濾過し、濾過液にHCl-MeOHを添加して塩を形成して、浅い黄色固体を沈殿させ、濾過し、加熱乾燥により45-aが得られた(480mg、収率91%)。
【0322】
工程2:
45-a(85mg、0.23mmol)に、オルトギ酸トリメチル(1.5ml)を添加し、2時間加熱還流した。オルトギ酸トリメチルを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(60mg、収率76%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.63-2.74(m,1H),2.86-2.99(m,2H),3.21-3.41(m,3H),3.58(d,1H),3.76(dd,1H),3.86(d,6H),6.80(d,1H),6.89(d,1H),7.49(s,1H),7.54(s,1H),8.04(s,1H).ESI-MS m/z 337.2(M+H)+
【0323】
実施例46 9,10-ジメトキシ-3,5,6,8,13,13a-ヘキサヒドロ-2H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[4、5-g]イソキノリン-2-オン(I-F系)
【0324】
【化68】
【0325】
45-a(90mg、0.27mmol)に、テトラヒドロフラン(2ml)、CDI(90mg、0.54mmol)を添加し、室温で5時間反応した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、白色固体として表題化合物が得られた(62mg、収率63%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.41-2.64(m,2H),2.73(d、1H),2.92-3.17(m,2H),3.26-3.44(m,2H),3.49(d,1H),3.72(s,3H),3.77(s,3H),4.07(d,1H),6.82(s,1H),6.87(dd,1H),7.29(s,1H),11.50(s,1H).ESI-MS m/z 353.3(M+H)+
【0326】
実施例47 10,11-ジメトキシ-4、6,7,9,14、14a-ヘキサヒドロイソキノリノ[3,2-a][1,4]オキサジノ[3,2-g]イソキノリン-3(2H)-オン(I-F系)
【0327】
【化69】
【0328】
工程1:
45-a(150mg、0.46mmol)に、メチレンクロリド(5ml)、トリエチルアミン(0.18ml)及びクロロアセチルクロリド(0.038ml)を添加し、室温で一晩撹拌した。メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー、47-aが得られた(100mg、収率54%)。ESI-MS m/z 403.2(M+H)+
【0329】
工程2:
47-a(100mg、0.24mmol)に、アセトン(3ml)及び炭酸カリウム(53mg)を添加し、5時間加熱還流した。アセトンを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、純白色固体として表題化合物が得られた(60mg、収率66%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.37-2.68(m,3H),2.89(t,1H),3.09(d,1H),3.24-3.45(m,3H),3.71(s,3H),3.76(s,3H),4.05(d,1H),4.52(s,2H),6.61(s,1H),6.80-6.98(m,3H),10.66(s,1H).ESI-MS m/z 367.2(M+H)+,365.2(M-H)-
【0330】
実施例48 10,11-ジメトキシ-7,9,14、14a-テトラヒドロ-6H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[5,4-h]イソキノリン(I-E系)
【0331】
【化70】
【0332】
工程1:
44-h(0.9g、2.8mmol)に、メチレンクロリド(5ml)を添加し、氷浴下で65%の濃硝酸(0.33ml)を添加し、加入完了後に室温で2時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加してpH>7に調整し,メチレンクロリド-水を加えて抽出し、乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、48-aが得られた(0.5g)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.66-2.94(m,4H),2.98-3.18(m,2H),3.85(s,6H),3.93(d,1H),4.22(d,1H),4.63(dd,1H),6.76(d,2H),7.01(d,1H),7.29(d,1H).ESI-MS m/z 357.3(M+H)+
【0333】
工程2:
48-a(400mg、1.12mmol)に、メタノール(20ml)、パラジウム炭素(40mg)を添加し、室温で3時間水素化した。濾過し、濾過液にHCl-MeOHを添加して塩を形成して、浅い黄色固体を沈殿させ、濾過し、加熱乾燥により48-bが得られた(410mg、収率100%)。
【0334】
工程3:
48-b(85mg、0.23mmol)に、オルトギ酸トリメチル(1.5ml)を添加し、2時間加熱還流した。オルトギ酸トリメチルを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(42mg、収率53%)。
【0335】
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.66-3.00(m,3H),3.17(t,1H),3.42(d,1H),3.75(s,3H),3.78(s,3H),3.88(dd,1H),4.16(d,1H),4.34(d,2H),6.93(m,2H),7.26(d,1H),7.64(d,1H),8.75(s,1H).ESI-MS m/z 337.2(M+H)+
【0336】
実施例49 10,11-ジメトキシ-6,7,14、14a-テトラヒドロ-1H-イソキノリノ[3,2-a]オキサゾロ[5,4-h]イソキノリン-2(9H)-オン(I-E系)
【0337】
【化71】
【0338】
実施例46の生成物の合成方法を参照して、48-bから表題化合物を製造した。即ち、45-aの代わりに、48-bを使用した。収率:75%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.60-2.87(m,3H),3.09-3.25(m,3H),3.68(t,2H),3.85(s,6H),4.17(d,1H),6.73-6.81(dd,2H),6.90(d,1H),7.03(d,1H),9.41(s,1H).ESI-MS m/z 353.2(M+H)+
【0339】
実施例50 11,12-ジメトキシ-3,7,8,10,15,15a-ヘキサヒドロイソキノリノ[3,2-a][1,4]オキサジノ[2,3-h]イソキノリン-2(1H)-オン(I-E系)
【0340】
【化72】
【0341】
実施例47の生成物の合成方法を参照して、48-bから表題化合物を製造した。即ち、45-aの代わりに、48-bを使用した。収率:59%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.61-2.90(m,3H),2.93-3.19(m,3H),3.84(s,3H),3.85(s,3H),3.91(m,2H),4.20(d,1H),4.31(d,1H),4.48(d,1H),6.69-6.89(m,4H),8.14(brs,1H).ESI-MS m/z 367.2(M+H)+,365.2(M-H)-
【0342】
実施例51 (S)-2-(ジフルオロメトキシ)-3,9,10-トリメトキシ-9-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0343】
【化73】
【0344】
1-c(200mg、0.58mmol)を、DMF(5ml)に溶解し、炭酸セシウム(378mg、1.16mmol)を添加し、100℃まで昇温、TLCにより原料が完全に反応したことを示すまで、5~6時間継続して系中にモノクロロジフルオロメタンを仕込んだ。反応を停止し、DMFを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(69mg、収率30%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.58-2.88(m,3H),3.12-3.29(m,3H),3.54(d,2H),3.85(s,6H),3.86(s,3H),4.25(d,1H),6.54(t,1H),6.70(s,1H),6.79(d,1H),6.88(d,1H),7.05(s,1H).ESI-MS m/z 392.3(M+H)+
【0345】
実施例52 (S)-2-アリルオキシ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0346】
【化74】
【0347】
1-c(200mg、0.58mmol)を、DMF(5ml)に溶解し、炭酸セシウム(378mg、1.16mmol)及び3-ブロモプロピレン(0.073ml、0.87mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。DMFを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(112mg、収率50%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.96(m,2H),3.38(m,2H),3.77(s,3H),3.79(s,3H),3.82(s,3H),3.84(m,2H),4.33-4.72(m,5H),5.27(dd,1H),5.42(dd,1H),6.05(m,1H),6.84(s,1H),7.03(d,1H),7.05(s,1H),7.09(d,1H),11.06(brs,1H).ESI-MS m/z 382.2(M+H)+
【0348】
実施例53(S)-2-シクロプロピルオキシ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン塩酸塩(I-A系)
【0349】
【化75】
【0350】
1-c(200mg、0.58mmol)を、DMF(5ml)に溶解し、炭酸セシウム(378mg、1.16mmol)及びブロモシクロプロパン(0.070ml、0.87mmol)を添加し、150℃で3時間撹拌した。DMFを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(141mg、収率63%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 0.56-0.87(m,4H),2.89(d,1H),3.06(t,1H),3.37(m,2H),3.74(s,3H),3.80(s,3H),3.82(s,3H),3.84(m,3H),4.39(dd,1H),4.66(m,2H),6.83(s,H),7.04(d,1H),7.09(d,1H),7.26(s,1H),11.27(brs,1H).ESI-MS m/z 382.2(M+H)+
【0351】
実施例54 (S)-2-シクロペンチルオキシ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン塩酸塩(I-A系)
【0352】
【化76】
【0353】
実施例52の生成物の合成方法を参照して、1-cとブロモシクロペンタンから表題化合物を製造した。即ち、3-ブロモプロピレンの代わりに、ブロモシクロペンタンを使用した。収率:42%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.89(m,8H),2.56-2.72(m,2H),2.82(dd,1H),3.05-3.28(m,3H),3.54(d,2H),3.83(s,3H),3.85(s,6H),4.24(d,1H),4.76(m,1H),6.61(s,1H),6.74(s,1H),6.79(d,1H),6.88(d,1H).
【0354】
実施例55 (S)-2,10-ジヒドロキシエトキシ-3,9-ジメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-B系)
【0355】
【化77】
【0356】
l-SPD(300mg、0.91mmol)に、DMF(3ml)、炭酸カリウム(1.26g、9.1mmol)、ブロモエタノール(0.13ml、1.82mmol)、ヨード化カリウム(75mg、0.45mmol)を添加し、120℃で3時間反応した。メチレンクロリドを加えて抽出し、水で3回洗浄し、DMFを除去し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(10mg、収率2%)。1H NMR(300Hz,DMSO-d6)δ 2.85(d,1H),3.01(t,1H),3.35(m,2H),3.64-3.88(m,12H),4.00(m,4H),4.36(dd,1H),4.60(m,2H),4.92(brs,2H),6.81(s,1H),6.97(d,1H),7.02(s,1H),7.06(d,1H).ESI-MS m/z 416.0(M+H)+
【0357】
実施例56 (S)-2,3,10-トリメトキシ-9-ヒドロキシエトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-C系)
【0358】
【化78】
【0359】
実施例55の生成物の合成方法を参照して、19-bとブロモエタノールから表題化合物を製造した。即ち、l-SPDの代わりに、19-bを使用した。収率:44%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.56-2.74(m,2H),2.83(dd,1H),3.06-3.33(m,3H),3.56(d,2H),3.80-3.95(m,11H),3.99-4.20(m,2H),4.27(d,1H),6.61(s,1H),6.72(s,1H),6.79(d,1H),6.91(d,1H).ESI-MS m/z 386.0(M+H)+
【0360】
実施例57 (S)-2,3,10-トリメトキシ-9-シクロプロピルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン塩酸塩(I-C系)
【0361】
【化79】
【0362】
実施例53の生成物の合成方法を参照して、19-bとブロモシクロプロパンから表題化合物を製造した。即ち、原料1-cの代わりに、19-bを使用した。収率:65%。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 0.53(m,2H),0.77(m,2H),2.86(d,1H),3.04(dd,1H),3.37(m,2H),3.76(s,3H),3.78(s,3H),3.80-3.90(m,5H),4.25(dd,1H),4.34(m,1H),4.41(d,1H),4.66(t,1H),6.82(s,1H),7.02(s,1H),7.03(d,1H),7.10(d,1H),11.59(brs,1H).ESI-MS m/z 382.1(M+H)+
【0363】
実施例58 (S)-2,3,10-トリメトキシ-9-シクロペンチルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-C系)
【0364】
【化80】
【0365】
実施例54の生成物の合成方法を参照して、19-bとブロモシクロペンタンから表題化合物を製造した。即ち、原料1-cの代わりに、19-bを使用した。収率:33%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.85(m,8H),2.55-2.73(m,2H),2.84(dd,1H),2.06-3.30(m,3H),3.51(m,2H),3.82(s,3H),3.87(s,3H),3.88(s,3H),4.20(d,1H),4.95(m,1H),6.61(s,1H),6.73(s,1H),6.77(d,1H),6.84(d,1H).ESI-MS m/z 410.3(M+H)+
【0366】
実施例59 (S)-2,3,9-トリメトキシ-10-シクロプロピルオキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-D系)
【0367】
【化81】
【0368】
工程1:
1-a(500mg、1.20mmol)を、DMF(8ml)に溶解し、炭酸セシウム(782mg、2.40mmol)及びブロモシクロプロパン(0.12ml、1.80mmol)を添加し、150℃下で3時間撹拌した。DMFを濃縮し、メチレンクロリド-水を加えて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、59-aが得られた(356mg、収率65%)。
【0369】
工程2:
59-a(300mg、0.65mmol)を、エタノール(4mL)に溶解し、濃塩酸2mlを添加し、100℃下1時間反応した。そのまま溶媒を留去して、化合物59-bが得られた(233mg、収率88%)。
【0370】
工程3:
59-b(200mg、0.49mmol)を、アセトン(4mL)に溶解し、硫酸ジメチル(0.070mL、0.74mmol)、水酸化ナトリウム(80mg、1.98mmol)を添加し、室温で撹拌しながら6時間反応した。メチレンクロリドを加えて抽出し、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(155mg、収率82%)。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 0.55-0.81(m,4H),2.35-2.69(m,3H),2.83-3.16(m,3H),3.34(m,2H),3.68(s,3H),3.73(d,6H),3.85(m,1H),4.04(d,1H),6.67(s,1H),6.86(s,1H),6.89(d,1H),7.13(d,1H).ESI-MS m/z 382.3(M+H)+
【0371】
実施例60 (S)-2-メタンスルホニルアミノ-3,9,10-トリメトキシ-6,8,13,13a-テトラヒドロ-5H-ジベンゾ[a,g]キノリジン(I-A系)
【0372】
【化82】
【0373】
実施例13の生成物(40mg)を、2mlメチレンクロリドに添加し、1滴のピリジン(約1.5eq)を添加した。氷浴下で1滴のメタンスルホニルクロリド(約1.5eq)滴下し、氷浴温度を維持しながら10分間撹拌した後に、室温に移し、3時間反応した。系中にメチレンクロリド及び水を添加して抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥濃縮して、粗生成物40mgが得られた。DCM/MeOH=100:1の系でカラムクロマトグラフィーにより、表題化合物が得られた(20mg)。ESI-MS m/z 419.24(M+H)+
【0374】
薬理実験
1)D1拮抗活性測定
LANCETM cAMP 384 Kit(米国PerkinElmer社製品)を使用して、ヒト組換えD1受容体を発現するHEK293細胞のD1受容体に対する化合物の拮抗作用を測定した。化合物によるドーパミンの拮抗がHEK293細胞におけるcAMP生成に対する阻害作用を測定することにより、化合物のD1拮抗作用を評価した。cAMP濃度がキットインストラクションにおける方法に従って測定され、化合物の測定濃度が0.1nM-10000nMであり、SCH23390を陽性対照として採用し、IC50がExcelfitソフトウェアで算出され、一部の化合物の測定結果は、表1に示した。
【0375】
2)D2拮抗活性測定
使用LANCETM cAMP 384 Kit(米国PerkinElmer社製品)を使用して、ヒト組換えD2受容体を発現するHEK293細胞のD2受容体に対する化合物の拮抗作用を測定した。化合物によるドーパミンの拮抗がHEK293細胞におけるcAMP生成に対する阻害作用を測定することにより、化合物のD2拮抗作用を評価した。cAMP濃度がキットインストラクションにおける方法に従って測定され、化合物の測定濃度が0.1nM-10000nMであり、リスペリドンを陽性対照として採用し、IC50がExcelfitソフトウェアで算出され、一部の化合物の測定結果は、表1に示した(NDは、当該項目が測定しなかったことを示す)。
【0376】
【表1】
【0377】
3)5-HT1A作動活性測定
LANCETM cAMP 384 Kit(米国PerkinElmer社製品)を使用して、ヒト組換え5-HT1A受容体を発現するHEK293細胞の5-HT1A受容体に対する化合物の作動作用を測定した。化合物がHEK293細胞におけるcAMP生成に対する阻害作用を測定することにより、化合物の5-HT1A作動作用を評価した。cAMP濃度がキットインストラクションにおける方法に従って測定され、化合物の測定濃度が0.1nM-10000nMであり、8-OH-DPATを陽性対照として採用し、IC50がExcelfitソフトウェアで算出され、結果は、表2に示した。
【0378】
【表2】
【0379】
以上から、測定された化合物は、ドーパミンD1、D2受容体に対して比較的良好な拮抗活性を有し、5-HT1A受容体に対して作動作用を有し、中枢神経系関連の、特にD1、D2、5-HT1A受容体関連の疾患を治療するための医薬の製造に用いられることがわかった。
【0380】
薬理的効果実験
1)鎮静催眠作用
パラクロロフェニルアラニン(PCPA)を注射したラット不眠モデルを採用して、実施例60の鎮静催眠作用を評価し、結果は、図1-2で示されるようであった。
【0381】
投与量及び投与方法:PCPA投与量150mg/kgで、全てのWistarラットは、実験前72時間に単回腹腔内注射により投与された。ジアゼパム群(DI)の投与量は、それぞれ、2,4mg/kgであり、単回腹腔内注射により投与された。被験薬物群の投与量は、それぞれ、1,3mg/kgであり、単回胃内投与された。ペントバルビタールナトリウムの投与量は、25mg/kgであり、単回腹腔内注射により投与された。投与体積は、いずれも、10ml/kgであった。試験同日、モデル群には、同じ体積の生理塩水を投与してから30分後に、ペントバルビタールナトリウムを投与した。DI群には、DIを投与してから30分後に、ペントバルビタールナトリウムを投与した。被験薬物群には、薬物を投与してから60分後に、ペントバルビタールナトリウムを投与した。
【0382】
指標観察:ペントバルビタールナトリウムを投与した後に、ラットの反応を密接に観察した。投与後から立ち直し反射の消失1分後までの時間は、睡眠潜時とされた。立ち直し反射消失1分後から立ち直し反射回復までの時間は、睡眠時間とされた。
【0383】
図1-2から、実施例60は、1mg/kg用量でモデルラットの睡眠時間を有意に延長させ、3mg/kg用量でPCPA不眠モデルラットの睡眠潜時を有意に短縮させ、睡眠時間を延長させ、実施例60が良好な催眠作用を有することがわかった。
【0384】
2)PCP誘発のマウス高自発活動試験
PCP(フェンサイクリジン)を生理塩水に溶解し、7mg/kg用量の溶液を配合した。被験化合物は、使用直前に0.5%CMC-Na溶液で適切な濃度の溶液を配合した。オスICRマウスは、18-22gであった。試験の際に、マウスをランダムに溶媒対照群、モデル対照群、陽性対照群、及び各被験薬物群に分けた。各群に8匹のマウスがあった。各群のマウスに、それぞれ、胃内投与により各被験薬物を投与した。被験薬物を投与してから45分後、それぞれ、マウスにPCP(7mg/kg)溶液を腹腔内注射した。自発的なオープンフィールドビデオ分析システムを使用して、被験薬物又は生理塩水を投与してから45分後のマウス活動軌跡を記録し、その後、PCPを投与してから75分内のマウスの活動軌跡を記録した。自発的なオープンフィールドビデオ分析システムを使用して、マウスの活動軌跡を解析し、各群マウスの活動合計行程を統計解析し、その結果をmean±SDとして示された。結果は、采用一元配置分散分析により統計解析された。
【0385】
PCPモデリング後、マウスの自発活動は、生理塩水群と比べて、有意に増加され、被験化合物は、以下の用量(表3)でいずれもPCP誘発のマウス高自発活動を著しく低下させることができ、モデル群と比較して有意な差が示された。本発明の化合物は、経口的に有効であり、有効用量がL-ステホリジンよりも低く、かつ薬理的効果の維持時間が長い。一方、L-ステホリジンは、有効用量が高く、代謝が速く、薬理的効果作用の持続時間が短い。
【0386】
【表3】
図1
図2