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  • 特許-楽曲再生操作装置およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】楽曲再生操作装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
H04R3/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020525007
(86)(22)【出願日】2018-06-13
(86)【国際出願番号】 JP2018022563
(87)【国際公開番号】W WO2019239518
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2020-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】315017409
【氏名又は名称】AlphaTheta株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大熊 孝尚
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-262723(JP,A)
【文献】特開2011-158669(JP,A)
【文献】特開平11-164388(JP,A)
【文献】特開2011-057128(JP,A)
【文献】特開2010-196446(JP,A)
【文献】特開2009-252556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した複数の楽曲データを含むアクティブコンテンツを再生し、再生中の楽曲データの再生時間位置を設定する楽曲再生操作装置であって、
前記再生中の楽曲データの音量の操作状況を取得する操作状況取得部と、
前記操作状況取得部により取得された音量の操作状況に基づいて、前記アクティブコンテンツ中における前記再生中の楽曲データの出力音量レベルが所定の閾値を超えた時間を再生時間位置として登録する時間位置登録部と、
前記再生中の楽曲データの閾値を超える時間が、所定の時間連続しなかった場合、前記時間位置登録部に登録された再生時間位置を補正する時間位置補正部と、
を備える楽曲再生操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の楽曲再生操作装置において、
前記アクティブコンテンツの再生中に、前記時間位置登録部により登録された再生時間位置を、前記アクティブコンテンツの再生時間位置とともに表示する時間位置表示部を備えている楽曲再生操作装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の楽曲再生操作装置において、
前記時間位置補正部は、前記再生時間位置の補正において、
前記再生中の楽曲データの前記閾値を超える時間が、所定の時間連続しなかった場合に、前記再生中の楽曲データの前記出力音量レベルが前記閾値を超えた時点を前記再生時間位置から除外し、
前記再生中の楽曲データの前記閾値を超える時間が、所定の時間連続した場合に、前記再生中の楽曲データの前記出力音量レベルが前記閾値を超えた時点を前記再生時間位置とする、楽曲再生操作装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の楽曲再生操作装置において、
前記時間位置補正部は、
前記操作状況取得部により取得された前記操作状況に基づいて、スクラッチ操作が行われたか否かを判定し、
前記スクラッチ操作が行われた場合、前記スクラッチ操作が終了した時点を前記再生時間位置とする、楽曲再生操作装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の楽曲再生操作装置として機能させるコンピュータ読取可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲再生操作装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SNS(Social Networking Service)の分野では、DJコントローラ等の楽曲再生操作装置を用いて自己が行ったDJパフォーマンスを、動画等のアクティブコンテンツとしてアップロードし、自己のDJプレイを広く公衆に視聴させ、視聴者にアピールすることが行われている。視聴者は、このような動画を視聴する際、動画中で連続再生される任意の楽曲にランダムアクセスしたい場合がある。動画中に楽曲データの再生開始位置にチャプター等が設定されていれば、ランダムアクセスを容易に行うことができる。
【0003】
ところで、ストリーミングやダウンロードにより提供される映画等の動画等においても、自己が繰り返して再生したい位置にチャプターを設定することが行われている。
チャプター設定は、従来手動で行っていたが、手動によるチャプター設定は手間がかかるので、自動的にチャプター設定を行う技術が提案されている。
【0004】
しかし、自動的に設定されたチャプターと自己の再生開始したい時点とは、必ずしも一致しないので、最終的には手動によるチャプター設定に頼らざるを得ないという課題がある。
これを解決する方法として、たとえば、特許文献1には、ユーザーのコンテンツに対する操作情報を取得して、取得した操作情報をコンテンツの操作パターンとして特定し、特定された操作パターン情報に基づいて、チャプター位置を決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-195025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザーのコンテンツに対する操作情報からコンテンツの操作パターンを特定しているため、特定された限られた操作パターンしか、チャプター位置を決定することができない。
これに対して、DJコントローラ等の楽曲再生操作装置では、DJコントローラの操作も多岐に亘って複雑化され、操作パターンとして特定するのが困難であり、特許文献1に記載の技術では対応できないという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、アクティブコンテンツ中で連続再生される楽曲データの再生時間位置を容易に設定することのできる楽曲再生操作装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の楽曲再生操作装置は、連続した複数の楽曲データを含むアクティブコンテンツを再生し、再生中の楽曲データの再生開始時点を設定する楽曲再生操作装置であって、前記再生中の楽曲データの音量の操作状況を取得する操作状況取得部と、前記操作状況取得部により取得された音量の操作状況に基づいて、前記アクティブコンテンツ中における前記再生中の楽曲データの再生時間位置を登録する時間位置登録部と、を備える。
本発明のコンピュータ読取可能なプログラムは、コンピュータを、前述した楽曲再生操作装置として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る楽曲再生操作装置の構造を示す模式図。
図2】前記実施の形態における楽曲再生操作装置のブロック図。
図3】前記実施の形態におけるムービーデータ中の楽曲データの再生時間位置の登録を説明するための模式図。
図4】前記実施の形態における楽曲データの登録された再生時間位置を示す模式図。
図5】前記実施の形態の作用を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の一形態について説明する。図1には、本発明の実施の形態に係る楽曲再生操作装置1が示されている。楽曲再生操作装置1は、DJコントローラ2、コンピュータ3、およびスピーカー4を備える。DJコントローラ2およびコンピュータ3は双方向通信可能なUSBケーブル5により双方向通信可能に接続されている。DJコントローラ2およびスピーカー4は、アナログケーブル6により接続されている。
【0011】
DJコントローラ2は、操作者が操作をすることにより、コンピュータ3で再生中の楽曲に対して、スクラッチ、ループ再生、CUE等の再生操作を行う。また、DJコントローラ2は、再生中の楽曲データに対して、フェーズ、ノイズ等のエフェクト処理を行う。DJコントローラ2は、左右に配置される2つのデッキ部2Aと、2つのデッキ部2Aの間に配置されるミキサー部2Bとを備える。
【0012】
デッキ部2Aは、操作者がDJコントローラ2を操作する主たる部分であり、コンピュータ3により再生中の楽曲データに対して、スクラッチ、ループ再生、キュー等の種々の特殊再生操作を行う。
具体的には、デッキ部2Aは、ジョグダイヤル21、テンポスライダー22、キューボタン23、プレイ/ポーズボタン24、およびパフォーマンスパッド25を備え、それぞれのデッキ部2Aには、2チャンネルの音源を接続できるようになっている。
【0013】
ジョグダイヤル21は、回転操作子として機能し、操作者がジョグダイヤル21を回転させることにより、再生中の楽曲データの速度を順方向に速めたり、逆転方向に回転させて逆転再生させたりすることができる。また、ジョグダイヤル21は、順方向、逆方向の回転を繰り返すことにより、DJパフォーマンス特有のスクラッチ再生を行うことができる。
テンポスライダー22は、再生中の楽曲データの再生速度を調整するレバーであり、中央から上部にスライドさせると、再生速度が上昇し、下部にスライドさせると再生速度が低下する。
【0014】
キューボタン23は、操作者が操作することにより、楽曲データの再生開始位置をキューポイントとして設定することができる。具体的にはキューボタン23が操作されると、楽曲データ中の所定の位置がキューポイントとして設定され、次回再生開始時には、設定されたキューポイントから再生が開始される。
プレイ/ポーズボタン24は、操作者が操作することにより、再生中の楽曲データの再生の開始、停止を行うことができる。
パフォーマンスパッド25は、操作者が操作することにより、再生中の楽曲データへの効果を切り替えることができる。たとえば、操作者がパフォーマンスパッド25を操作することにより、再生中の楽曲データに対して、瞬間的にループ、キュー、キーシフト等の効果を付与することができる。
【0015】
ミキサー部2Bは、操作者が操作することにより、左右のデッキ部2Aから出力される出力音量レベルを調整したり、再生中の楽曲データに対して、コーラス、エコー、ノイズ等の種々の効果を付与することができる。
ミキサー部2Bは、エフェクト選択つまみ26、エフェクト量調整つまみ27、チャンネルフェーダー28、およびクロスフェーダー29を備える。
【0016】
エフェクト選択つまみ26は、操作者が回転操作することにより、楽曲データに対するエフェクト処理を選択することができる。選択できるエフェクト処理としては、たとえば、コーラス、エコー、ディストーション、ノイズ等である。
エフェクト量調整つまみ27は、無段階で回転可能なつまみとして構成され、操作者が回転操作することにより、楽曲データに対するエフェクト処理の深さ、大きさを調整することができる。
【0017】
チャンネルフェーダー28は、操作者が操作することにより、デッキ部2Aの各チャンネルにおける出力音量レベルを調整することができる。
クロスフェーダー29は、左右のデッキ部2Aから出力される楽曲データの出力音量レベルを切り替えるレバーである。
その他、ミキサー部2Bは、操作者が操作することにより、各チャンネルにおける高周波域、中周波域、低周波域における出力音量レベルを調整して音質を変化させることができるイコライザ調整つまみを備えている。
また、DJコントローラ2は、再生中の楽曲データの進行状況を示す波形、キューポイント位置を表示する表示部30を備える。
【0018】
コンピュータ3は、図1に示すように、ディスプレイ31およびキーボード32を備え、DJコントローラ2と連動するムービー再生ソフトウェアが実行されるとともに、本発明のコンピュータ読み取り可能なプログラムとしての時間位置登録ソフトウェアが実行される。なお、本実施の形態では、コンピュータ3をUSBケーブル5によって接続していたが、本発明はこれに限られない。たとえば、DJコントローラ2と無線通信可能なPDA(Personal Digital Assistant)をコンピュータ3の代わりとして用いてもよい。
図2には、コンピュータ3の機能ブロック図が示されている。コンピュータ3は、ハードディスク、SDメモリ等の記憶装置33、および演算処理装置34を備える。
【0019】
記憶装置33には、ムービー再生ソフトウェア記憶部331、および時間位置登録ソフトウェア記憶部332、ムービーデータ記憶部333、時間位置記憶部334を含む種々のソフトウェア、データが記憶されている。
ムービー再生ソフトウェア記憶部331には、ムービーデータ記憶部333に記憶されたムービーデータを再生するソフトウェアが記憶される。ムービー再生ソフトウェアは、演算処理装置34にロードされることにより、ムービー再生部341、再生制御部342、およびムービー出力部343が実行される。
【0020】
時間位置登録ソフトウェア記憶部332には、複数の楽曲データを連続して含むムービーデータの再生中に、それぞれの楽曲データの再生時間位置を登録する時間位置登録ソフトウェアが記憶されている。コンピュータ読取可能な時間位置登録ソフトウェアは、演算処理装置34にロードされることにより、操作状況取得部344、時間位置登録部345、時間位置補正部346、および時間位置表示部347が実行される。
ムービーデータ記憶部333には、複数のムービーデータがMPEG形式等の所定の形式で記憶されている。記憶されるムービーデータは、たとえば、再生中に複数の楽曲を連続して再生するDJパフォーマンス等の動画が記憶され、インターネット上にアップロードすることにより、自己のパフォーマンスをアピールするために用いられる。
【0021】
ムービー再生部341は、ムービーデータ記憶部333に記憶された複数のムービーデータの中から所望のムービーデータを選択し、選択されたムービーデータを再生する。具体的には、ムービー再生部341は、圧縮されたMPEG形式のファイルを解凍し、演算処理装置34内で処理できる形式に変換する。
また、ムービー再生部341は、CCDカメラ等撮像したDJパフォーマンスを、フィードバックして、撮像と同時にムービーデータとして再生することも行う。フィードバックされたムービーデータは、ムービー出力部343を介してディスプレイ31上に表示される。
【0022】
再生制御部342は、DJコントローラ2のミキサー部2Bに設けられたチャンネルフェーダー28、クロスフェーダー29等の音量調整用の操作子の操作状況を、ムービーデータに反映させ、ムービーデータの所定の時間位置で連続する楽曲データの出力音量レベルを切り替える。
ムービー出力部343は、再生制御部342によりDJコントローラ2の操作状況を反映させたムービーデータを出力し、ディスプレイ31上に表示する。
【0023】
操作状況取得部344は、再生制御部342に入力されるDJコントローラ2の操作状況を監視し、チャンネルフェーダー28、クロスフェーダー29の操作状況を取得する。
時間位置登録部345は、操作状況取得部344により取得されたチャンネルフェーダー28、クロスフェーダー29の操作状況に基づいて、ムービーデータ中で連続する楽曲データの再生時間位置を登録する。
具体的には、時間位置登録部345は、図3に示すように、ムービーデータMD中に含まれる楽曲データSD1から楽曲データSD4の再生開始時間を再生開始時間位置として登録する。
【0024】
時間位置登録部345は、楽曲データの出力音量レベルが所定の閾値THを超えた時間位置を各楽曲データの再生開始時間位置として登録する。
ただし、図3の2曲目から4曲目のように、操作者がチャンネルフェーダー28、クロスフェーダー29を小刻みに操作して、楽曲データSD2から楽曲データSD4の閾値THを超える時間が、所定の時間連続しなかった場合、楽曲データSD1から楽曲データSD4の再生開始時間位置と決定するのは好ましくないことから、時間位置記憶部334に登録する前に、時間位置補正部346によって、補正を行う。
【0025】
時間位置補正部346は、操作者のチャンネルフェーダー28、クロスフェーダー29を小刻みに操作して、閾値THを超える時間が所定の時間に達しなかった場合、その時間位置を、再生開始時間位置から除外する。そして、時間位置補正部346は、楽曲データSD2から楽曲データSD4のように、閾値THを超える時間が、所定時間連続する時点を再生開始時間位置として補正する。
【0026】
時間位置登録部345は、各楽曲データのメタデータから取得されるアーティスト、曲名と、その楽曲のムービーデータMD中における再生開始時間位置をテーブル形式のファイルとして時間位置記憶部334に登録する。
その際、時間位置登録部345は、たとえば、ムービーデータMDのファイルとは別に、CUEファイルを生成し、ムービーデータMDとの関連付けを行って、時間位置記憶部334に登録する。なお、登録するファイルのデータ形式は、CUEファイルには限られず、他のデータ形式のファイルであってもよく、さらには、ムービーデータMDに付帯させてもよい。
【0027】
時間位置表示部347は、ムービーデータの再生時間位置とともに、楽曲データSD1から楽曲データSD4の再生開始時間位置を、ディスプレイ31上に表示する。具体的には、図4に示すように、時間位置表示部347は、ムービーデータMDの再生時間位置上に楽曲データSD1の再生開始の時間位置#1から楽曲データSD4の再生開始の時間位置#4を、グラフ形式でディスプレイ31上に表示する。
また、時間位置表示部347は、ムービーデータMDの再生時間位置のグラフの下に、楽曲データSD1から楽曲データSD4のアーティスト名、曲名、最開始時間を、テーブルTBLとして表示する。
【0028】
次に、本実施の形態の作用を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
コンピュータ3の演算処理装置34は、記憶装置33に記憶された時間位置登録ソフトウェアをロードし、時間位置登録ソフトウェアを起動する(手順S1)。
CCDカメラ等により、操作者が行うDJパフォーマンスの撮像を開始する(手順S2)。
操作状況取得部344は、操作者が行うDJコントローラ2の操作状況を取得する(手順S3)。
時間位置登録部345は、DJコントローラ2の操作において、音量操作があったか否かを判定する(手順S4)。音量操作でなかった場合、操作状況の取得を継続する。
【0029】
音量操作であると判定された場合、時間位置登録部345は、出力音量レベルが所定の閾値THを超えているか否かを判定する(手順S5)。閾値THを超えていないと判定された場合、操作状況の取得を継続する。
閾値THを超えていると判定された場合、時間位置登録部345は、閾値THを超えている時間が、所定時間連続しているか否かを判定する(手順S6)。
【0030】
所定時間連続していないと判定された場合、時間位置補正部346は、当該時間位置を楽曲データの再生開始時間位置から除外する補正を行う(手順S7)。
所定時間連続していると判定された場合、時間位置登録部345は、当該時間位置を楽曲データの再生開始時間位置としての登録を維持する。具体的には、図3における楽曲データSD1の場合、閾値THを超えるポイントP0から出力音量レベルが所定時間維持されているため、ポイントP0を再生開始時間位置として登録する。一方、楽曲データSD2の場合、閾値THを超えるのは、ポイントP1からポイントP5まであるが、超えた時間が所定時間連続していない、ポイントP1からポイントP4は除外され、ポイントP5が再生開始時間位置として登録される。
【0031】
時間位置登録部345は、ムービーデータMDがすべて終了したか否かを判定する(手順S8)。
ムービーデータMDが終了していないと判定された場合、ムービーデータMDのフィードバック再生を継続し、操作状況取得部344による操作状況の取得を継続する。
ムービーデータMDが終了していると判定された場合、時間位置登録部345は、楽曲データSD1から楽曲データSD4のアーティスト名、曲名、再生開始時間位置を、テーブル形式の情報としてCUEファイルを生成し、撮像されたムービーデータと関連付けて記憶装置33の時間位置記憶部334に保存する(手順S9)。
【0032】
このような本実施の形態によれば、以下のような効果がある。
本実施の形態では、DJパフォーマンスのムービーデータMDの撮像中に、操作状況取得部344によりDJコントローラ2の音量の操作状況を取得して、時間位置登録部345により再生開始時間位置を登録している。したがって、DJパフォーマンスをムービーデータMDで撮像中に、自動的に楽曲データSDから楽曲データSD4の再生開始時間位置を登録することができる。
よって、ムービーデータMD中で連続した楽曲データSDから楽曲データSD4の再生開始時間位置を容易に設定することができ、ムービーデータMDを視聴しながら、手動で再生開始位置を登録する必要がない。
【0033】
本実施の形態では、時間位置表示部347により、ムービーデータMD中の楽曲データSD1から楽曲データSD4の再生開始時間位置視認することができる。したがって、ムービーデータMDをインターネット等にアップロードした際、ムービーデータMDを視聴する視聴者が、自らの判断によって再生開始時間位置を選択して、繰り返し再生画像、および再生楽曲を視聴することができる。
また、ムービーデータとともに、CUEファイルのようなテーブルTBLを視聴者に提供することにより、視聴者側でも再生開始位置を自由に編集することができる。
本実施の形態では、再生中の楽曲データの出力音量レベルが所定の閾値を超えた時間を再生開始時間位置として登録している。したがって、ムービーデータMDの視聴者が、再生される楽曲データSDから楽曲データSD4を、十分視聴できる状態から認識できる。
【0034】
本実施の形態では、再生中の楽曲データSD2から楽曲データSD4の出力音量レベルの閾値を超える時間が、所定の時間連続しなかった場合、時間位置補正部346により、再生開始時間位置としての登録を除外している。したがって、前曲の楽曲データSD1の出力音量と、後曲の楽曲データSD1の出力音量が混在する位置での再生時間位置の登録を防止でき、楽曲データSD2から楽曲データSD4の出力音量が安定した時点で確実に再生開始時間位置として登録することができる。
【0035】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前述した実施の形態では、ムービーデータMD中で連続する楽曲データSDから楽曲データSD4の再生開始時間位置を登録していたが、本発明は、これに限られない。たとえば、音声のみからなるアクティブコンテンツ、音声および静止画像からなるアクティブコンテンツにおいて本発明を適用してもよい。
【0036】
前述した実施の形態では、楽曲データSD1から楽曲データSD4の再生開始時間位置を登録していたが、本発明はこれに限られない。たとえば、再生終了時間位置、楽曲のイントロを除くAメロ開始時間位置、楽曲の最も盛り上がるサビ開始時間位置を再生時間位置として登録してもよい。
前述した実施の形態では、出力音量レベルが所定の閾値THを一定時間連続していなければ、再生開始時間位置としての登録から除外していたが、本発明はこれに限られない。たとえば、楽曲の継目において、操作者がDJコントローラ2のジョグダイヤル21をスクラッチ操作した場合、スクラッチ開始位置を再生開始時間位置として登録するのではなく、スクラッチが終了した時点を再生開始時間位置として登録するように補正してもよい。
【0037】
前述した実施の形態では、DJコントローラ2およびコンピュータ3をUSBケーブル5で接続した楽曲再生操作装置1に本発明を適用していたが、本発明はこれに限られない。たとえば、コンピュータ3上で起動されたソフトウェアからなる楽曲再生操作装置に本発明を適用してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な手順、装置構成等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の手順、装置構成等であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…楽曲再生操作装置、2…DJコントローラ、2A…デッキ部、2B…ミキサー部、3…コンピュータ、4…スピーカー、5…USBケーブル、6…アナログケーブル、21…ジョグダイヤル、22…テンポスライダー、23…キューボタン、24…プレイ/ポーズボタン、25…パフォーマンスパッド、28…チャンネルフェーダー、29…クロスフェーダー、30…表示部、31…ディスプレイ、32…キーボード、33…記憶装置、34…演算処理装置、331…ムービー再生ソフトウェア記憶部、332…時間位置登録ソフトウェア記憶部、333…ムービーデータ記憶部、334…時間位置記憶部、341…ムービー再生部、342…再生制御部、343…ムービー出力部、344…操作状況取得部、345…時間位置登録部、346…時間位置補正部、347…時間位置表示部、MD…ムービーデータ、SD…楽曲データ、SD1…楽曲データ、SD2…楽曲データ、SD3…楽曲データ、SD4…楽曲データ、TBL…テーブル、TH…閾値。
図1
図2
図3
図4
図5