ホーム > 特許ランキング > 上銀科技股▲分▼有限公司
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】リニアスライドレール及びその防塵組立部材
(51)【国際特許分類】
F16C 29/06 20060101AFI20220706BHJP
F16C 33/76 20060101ALI20220706BHJP
【ＦＩ】
F16C29/06
F16C33/76 Z
【請求項の数】
5
(21)【出願番号】P 2021071657
(22)【出願日】2021-04-21
(65)【公開番号】P2022063834
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】109135108
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林建廷
(72)【発明者】
【氏名】劉冠▲ケツ▼
【審査官】日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第２００６／０６４６１４（ＷＯ，Ａ１）
【文献】特開２０１４－２５５０９（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００８－２２４０４１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００７－２５５４４０（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００４－３６６４３（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００２－１６１９１７（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｆ１６Ｃ ２９／０６
Ｆ１６Ｃ ３３／７６
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドレール及び前記スライドレールにスライド可能に設置されているスライダーを有する、リニアスライドレールの防塵組立部材であって、前記スライドレールと前記スライダーとの間に設置されている２つの防塵シートを備え、
各前記防塵シートは第一部及び前記第一部に連接されている第二部を含み、
前記第一部は第一端及び前記第一端に対する第二端を含み、
前記第二部は第一端及び前記第一端に対する第二端を含み、
前記第一部の前記第二端は前記第二部の前記第一端に連接され、
前記第一部及び前記第二部により前記スライドレールの上部を収容するための凹部が形成され、
前記第二部は少なくとも１つの定位部をさらに具備し、
少なくとも１つの前記定位部及び前記第一部の前記第一端は前記スライダーに固定されるために用いられ、これにより前記防塵シート及び前記スライダーの相対的変位を制限することを特徴とする、
リニアスライドレールの防塵組立部材。
【請求項2】
前記第一部は第一軸に沿って延伸し、少なくとも部分的な前記第二部が第二軸に沿って延伸し、前記第一軸は前記第二軸とは非平行であることを特徴とする請求項１に記載リニアスライドレールの防塵組立部材。
【請求項3】
前記防塵シートの少なくとも１つの前記定位部は前記第二部の前記第一端と前記第二端との間に位置していることを特徴とする請求項１に記載リニアスライドレールの防塵組立部材。
【請求項4】
前記防塵シートの少なくとも１つの前記定位部の数量は複数であり、これら前記定位部は前記第二部の前記第一端及び前記第二端にそれぞれ位置していることを特徴とする請求項１に記載リニアスライドレールの防塵組立部材。
【請求項5】
第一収容空間を含むスライダーと、前記スライダーの対向する両側にそれぞれ設置されるために用いられている２つのエンドキャップであって、各前記エンドキャップはエンドキャップの底面及び対向する２面のエンドキャップの側面を含み、前記エンドキャップの底面及び前記２面のエンドキャップの側面により第二収容空間が形成され、前記第二収容空間は前記第一収容空間に連通し、前記エンドキャップの底面には第一位置限定部を含み、各前記エンドキャップの側面は少なくとも１つの第二位置限定部を含む２つのエンドキャップと、
前記第一収容空間及び前記第二収容空間に貫設されるために用いられているスライドレールと、
前記２つの防塵シートは前記リニアスライドレールの中心軸に沿って前記第一収容空間及び前記第二収容空間に設置され、各前記防塵シートの前記第一部の前記第一端は前記エンドキャップの底面の前記第一位置限定部に突き当てられ、各前記防塵シートの前記第二部の少なくとも１つの前記定位部は前記エンドキャップの側面の少なくとも１つの前記第二位置限定部にそれぞれ係合している請求項１乃至４の何れか１項に記載の防塵組立部材と、を備えていることを特徴とする、
リニアスライドレール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防塵技術の分野に関し、より詳しくは、リニアスライドレール及びその防塵組立部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリニアスライドレールの防塵組立部材は、主に２枚の防塵シートＡ２で構成されている（図１参照）。各防塵シートＡ２のうちの一端はエンドキャップＡ１のエンドキャップの底面Ａ１１とエンドキャップの側面Ａ１２との間に形成されている凹部Ａ１３中に挿入されている。その後、２枚の防塵シートＡ２の他端がエンドキャップの底面Ａ１１の方向に向けて圧入され、２枚の防塵シートＡ２の他端が相互に当接する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の技術では、２枚の防塵シートＡ２が互いに当接するように重ね合せ接続しているのみであり、防塵シートＡ２がスライドレールに接触した際に受力して陥落しやすかった。また、防塵シートＡ２はスライドレールのラジアルに固定されておらず、このため、部分的な防塵シートＡ２がスライドレールとスライダーとの間に巻き込まれやすく、リニアスライドレールの抵抗異常が生じた。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、リニアスライドレール及びその防塵組立部材を提供することを主目的とする。つまり、本発明によれば、部分的な防塵組立部材の防塵部材がスライダーとスライドレールとの間に入り込むことで抵抗異常が発生するのを回避する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明のある態様のリニアスライドレールの防塵組立部材は、リニアスライドレールはスライドレール及び前記スライドレールにスライド可能に設置されているスライダーを有し、前記防塵組立部材は、前記スライドレールと前記スライダーとの間に設置されている２つの防塵シートであって、各前記防塵シートは第一部及び前記第一部に連接されている第二部を含み、前記第一部は第一端及び前記第一端に対する第二端を含み、前記第二部は第一端及び前記第一端に対する第二端を含み、前記第一部の前記第二端は前記第二部の前記第一端に連接され、前記第一部及び前記第二部により前記スライドレールの上部を収容するための凹部が形成され、前記第二部は少なくとも１つの位置決めユニットをさらに具備し、少なくとも１つの前記位置決めユニット及び前記第一部の前記第一端は前記スライダーに固定されるために用いられ、これにより前記防塵シート及び前記スライダーの相対的変位を制限している２つの防塵シートを備えている。
【0007】
本発明の別の態様は、リニアスライドレールである。このリニアスライドレールは、第一収容空間を含むスライダーと、前記スライダーの対向する両側にそれぞれ設置されるために用いられている２つのエンドキャップであって、各前記エンドキャップはエンドキャップの底面及び対向する２面のエンドキャップの側面を含み、前記エンドキャップの底面及び前記２面のエンドキャップの側面により第二収容空間が形成され、前記第二収容空間は前記第一収容空間に連通し、前記エンドキャップの底面には第一位置限定部を含み、各前記エンドキャップの側面は少なくとも１つの第二位置限定部を含む２つのエンドキャップと、前記第一収容空間及び前記第二収容空間に貫設されるために用いられているスライドレールと、前記２つの防塵シートは前記リニアスライドレールの中心軸に沿って前記第一収容空間及び前記第二収容空間に設置され、各前記防塵シートの前記第一部の前記第一端は前記エンドキャップの底面の前記第一位置限定部に突き当てられ、各前記防塵シートの前記第二部の少なくとも１つの前記位置決めユニットは前記エンドキャップの側面の少なくとも１つの前記第二位置限定部にそれぞれ係合している防塵組立部材と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果がある。
本発明に係るリニアスライドレール及びその防塵組立部材は防塵シートの第一部の第一端及び第二部の位置決めユニットにより防塵シートの変位を制限し、部分的な防塵シートがスライダー及びスライドレールの間に入り込んで抵抗異常が生じるのを回避する。
本発明に係るリニアスライドレール及びその防塵組立部材は防塵シートの第一部の第一端及び第二部の位置決めユニットにより防塵シートの変位を制限し、部分的な防塵シートがスライダー及びスライドレールの間に入り込んで抵抗異常が生じるのを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来のリニアスライドレールの防塵組立部材を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係るリニアスライドレールを示す外観斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係るエンドキャップの金属スクレーパーを取り外したリニアスライドレールの側面図であって、エンドキャップ、防塵組立部材、スライダー及びスライドレールを示す配置関係図である。
【図6】本発明の一実施例に係る防塵組立部材がスライドレールに装設されている概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0011】
【0012】
本発明の一実施例に係るリニアスライドレールは、スライダー１０と、２つのエンドキャップ２０と、スライドレール３０と、２つのワイパーシール４０と、を備えている。
スライダー１０は第一収容空間Ｈ１を含む。２つのエンドキャップ２０はスライダー１０のリニアスライドの中心軸Ｐに沿った対向する両端にそれぞれ位置している。各エンドキャップ２０はエンドキャップの底面２１及び対向する２面のエンドキャップの側面２２を含み、２つのエンドキャップの側面２２はエンドキャップの底面２１の対向する両側にそれぞれ位置し、且つエンドキャップの底面２１及び２つのエンドキャップの側面２２により第一収容空間Ｈ１に連通している第二収容空間Ｈ２が形成されている。
２つのワイパーシール４０は２つのエンドキャップ２０にそれぞれ配置されている。各ワイパーシール４０は第一収容空間Ｈ１及び対応する第二収容空間Ｈ２に連通している第三収容空間Ｈ３を含む。これにより、スライドレール３０は中心軸Ｐに沿ってスライダー１０の第一収容空間Ｈ１、２つのエンドキャップ２０の第二収容空間Ｈ２、及び２つのワイパーシール４０の第三収容空間Ｈ３に貫設されている。
スライダー１０は第一収容空間Ｈ１を含む。２つのエンドキャップ２０はスライダー１０のリニアスライドの中心軸Ｐに沿った対向する両端にそれぞれ位置している。各エンドキャップ２０はエンドキャップの底面２１及び対向する２面のエンドキャップの側面２２を含み、２つのエンドキャップの側面２２はエンドキャップの底面２１の対向する両側にそれぞれ位置し、且つエンドキャップの底面２１及び２つのエンドキャップの側面２２により第一収容空間Ｈ１に連通している第二収容空間Ｈ２が形成されている。
２つのワイパーシール４０は２つのエンドキャップ２０にそれぞれ配置されている。各ワイパーシール４０は第一収容空間Ｈ１及び対応する第二収容空間Ｈ２に連通している第三収容空間Ｈ３を含む。これにより、スライドレール３０は中心軸Ｐに沿ってスライダー１０の第一収容空間Ｈ１、２つのエンドキャップ２０の第二収容空間Ｈ２、及び２つのワイパーシール４０の第三収容空間Ｈ３に貫設されている。
【0013】
本実施例に係るリニアスライドレールは防塵組立部材をさらに備え、防塵組立部材はスライダー１０とスライドレール３０との間に設置されている同じ２枚の防塵シート５０を含む。防塵シート５０は、例えば、プラスチック射出成形方式で製造される等しい断面積の細長い構造であり、これにより製造コストが低下し、製造時に射出成形による変形が生じるのを回避している。
各防塵シート５０は第一部５１及び第二部５２を含む。第一部５１は第一端５１１及び第一端５１１に対する第二端５１２を含み、第二部５２は第一端５２１及び第一端５２１に対する第二端５２２を含む。第一部５１の第二端５１２は第二部５２の第一端５２１に連接されている。第一部５１の第一端５１１はリニアスライドレールのエンドキャップ２０に固定されるために用いられ、防塵シート５０及びリニアスライドレールの相対的変位を制限している。
各防塵シート５０は第一部５１及び第二部５２を含む。第一部５１は第一端５１１及び第一端５１１に対する第二端５１２を含み、第二部５２は第一端５２１及び第一端５２１に対する第二端５２２を含む。第一部５１の第二端５１２は第二部５２の第一端５２１に連接されている。第一部５１の第一端５１１はリニアスライドレールのエンドキャップ２０に固定されるために用いられ、防塵シート５０及びリニアスライドレールの相対的変位を制限している。
【0014】
第一部５１及び第二部５２がエンドキャップ２０のエンドキャップの側面２２の形状に適合して凹部Ｒ１が形成され、凹部Ｒ１はスライドレール３０の上部を収容するために用いられている（図５参照）。詳しくは、第一部５１は第一軸Ｄ１に沿って延伸して平板状を呈し、少なくとも部分的な第二部５２が第二軸Ｄ２に沿って延伸している。第一軸Ｄ１及び第二軸Ｄ２は実質的にリニアスライドの中心軸Ｐに対し垂直になり、且つ第一軸Ｄ１は第二軸Ｄ２とは非平行し、例えば、第一軸Ｄ１が実質的に第二軸Ｄ２に対し垂直になる。
【0015】
第二部５２は少なくとも１つの位置決めユニット５２３をさらに備え、位置決めユニット５２３はリニアスライドレールのエンドキャップ２０に固定されるために用いられ、防塵シート５０及びリニアスライドレールの相対的変位を制限している。図５を参照すれば、第二部５２は２つの位置決めユニット５２３を含む。２つの位置決めユニット５２３は第二部５２の第一端５２１及び第二端５２２にそれぞれ位置している。
【0016】
また、エンドキャップ２０はエンドキャップの底面２１に２つの第一位置限定部２１１を備え、２つの第一位置限定部２１１は対称に配置されている。エンドキャップ２０は各エンドキャップの側面２２に少なくとも１つの第二位置限定部２２１を含み、そのうちの１つのエンドキャップの側面２２にある第二位置限定部２２１及び他の１つのエンドキャップの側面２２にある第二位置限定部２２１は対称に配置されている。第一位置限定部２１１はエンドキャップの底面２１に凸設されている。第一位置限定部２１１は、例えば、第一軸Ｄ１に沿って延伸している支持ユニット２１１１及び第二軸Ｄ２に沿って延伸している延伸ユニット２１１２を含み、支持ユニット２１１１及び延伸ユニット２１１２により凹部Ｈ１が形成されている。しかしながら、本発明はこれに限られない。第二位置限定部２２１の数量、形状、及び位置は防塵シート５０にある位置決めユニット５２３の数量、形状、及び位置に基づいて設計されている。
図６の実施例では、防塵シート５０にある位置決めユニット５２３の数量が２つである場合、位置決めユニット５２３は防塵シート５０の第二部５２に位置している外面５４に凹設され、且つ位置決めユニット５２３が第二部５２の第一端５２１及び第二端５２２にそれぞれ位置している場合、エンドキャップの側面２２にある第二位置限定部２２１の数量も２つであり、第二位置限定部２２１はエンドキャップの側面２２に凸設され、且つ第二位置限定部２２１はエンドキャップの側面２２にある位置も防塵シート５０がエンドキャップ２０に挿入した際の位置決めユニット５２３の第二部５２にある位置に対応する。
図６の実施例では、防塵シート５０にある位置決めユニット５２３の数量が２つである場合、位置決めユニット５２３は防塵シート５０の第二部５２に位置している外面５４に凹設され、且つ位置決めユニット５２３が第二部５２の第一端５２１及び第二端５２２にそれぞれ位置している場合、エンドキャップの側面２２にある第二位置限定部２２１の数量も２つであり、第二位置限定部２２１はエンドキャップの側面２２に凸設され、且つ第二位置限定部２２１はエンドキャップの側面２２にある位置も防塵シート５０がエンドキャップ２０に挿入した際の位置決めユニット５２３の第二部５２にある位置に対応する。
【0017】
防塵組立部材はエンドキャップ２０をスライダー１０に組み立てた後にリニアスライドレールに組み立てる。防塵組立部材をリニアスライドレールに装設する場合、図３と図６に示されるように、２枚の防塵シート５０をリニアスライドの中心軸Ｐに沿って第一収容空間Ｈ１及び第二収容空間Ｈ２に挿入する。また、２枚の防塵シート５０を互いに分離するように設置すると共に２つのエンドキャップ２０に固定する。詳しくは、まず防塵シート５０の第二部５２により第二軸Ｄ２に沿ってエンドキャップの側面２２を支承させ、且つ防塵シート５０の第二部５２及びエンドキャップ２０のエンドキャップの側面２２は第二部５２にある位置決めユニット５２３によりエンドキャップの側面２２にある第二位置限定部２２１と相互に位置決めさせ、例えば、位置決めユニット５２３及び第二位置限定部２２１を相互に係合することで、第二部５２及びエンドキャップの側面２２の第一軸Ｄ１に沿っての相対的変位を制限する。
次いで、防塵シート５０の第一部５１の第一端５１１を第一軸Ｄ１に沿って第一位置限定部２１１の凹部Ｈ１中に圧入させ、第一部５１の第一端５１１をエンドキャップの底面２１の第一位置限定部２１１に突き当てる。具体的には、第一部５１の第一端５１１の端面を第一位置限定部２１１の支持ユニット２１１１に突き当て、且つ外面５４に対向させると共に第一部５１の第一端５１１の内面５５の位置で第一位置限定部２１１の延伸ユニット２１１２に接触させ、第一部５１の第一端５１１を第一位置限定部２１１により支持させる。これにより、第一部５１及びエンドキャップの底面２１の第一軸Ｄ１及び第二軸Ｄ２に沿っての相対的変位を制限する。
このようにして、防塵シートがリニアスライドレールで動作する期間に変位せず、防塵能力を失って部分的な防塵シートがスライドレール及びスライダーの間に陥落し、リニアスライドレールの抵抗が上昇しないようにしている。
次いで、防塵シート５０の第一部５１の第一端５１１を第一軸Ｄ１に沿って第一位置限定部２１１の凹部Ｈ１中に圧入させ、第一部５１の第一端５１１をエンドキャップの底面２１の第一位置限定部２１１に突き当てる。具体的には、第一部５１の第一端５１１の端面を第一位置限定部２１１の支持ユニット２１１１に突き当て、且つ外面５４に対向させると共に第一部５１の第一端５１１の内面５５の位置で第一位置限定部２１１の延伸ユニット２１１２に接触させ、第一部５１の第一端５１１を第一位置限定部２１１により支持させる。これにより、第一部５１及びエンドキャップの底面２１の第一軸Ｄ１及び第二軸Ｄ２に沿っての相対的変位を制限する。
このようにして、防塵シートがリニアスライドレールで動作する期間に変位せず、防塵能力を失って部分的な防塵シートがスライドレール及びスライダーの間に陥落し、リニアスライドレールの抵抗が上昇しないようにしている。
【0018】
２枚の防塵シート５０がエンドキャップ２０に固定されると、各防塵シート５０の中心軸Ｐに沿った対向する両端が２つのワイパーシール４０にそれぞれ突き当てられ、図７に示されるように、２枚の防塵シート５０がリニアスライドレール中で対称に配置される（図４参照）。図７のワイパーシール４０はエンドキャップ２０内部に設置され、エンドキャップ２０がスライダー１０に組み立てられた後、ワイパーシール４０を視覚的に観察できなくなる。
【0019】
さらに容易に第一部５１の第一端５１１をエンドキャップの底面２１の第一位置限定部２１１に固定するために、本実施例或いは他の実施例では、第一位置限定部２１１の延伸ユニット２１１２に面取り部２１２ を設けている（図６参照）。
【0020】
本実施例或いは他の実施例では、各防塵シート５０は第二部５２の第二端５２２に連接している第三部５３をさらに備えている。図５に示されるように、第二部５２及び第三部５３がエンドキャップ２０のエンドキャップの側面２２の形状に適合して凹部Ｒ２が形成されている。詳しくは、第三部５３は第二部５２から第一軸Ｄ１に沿って延伸し、且つスライドレール３０に接触している。
防塵シート５０及びエンドキャップ２０の相対的変位が制限を受けることで、第三部５３及びスライドレール３０の相対的位置が固定に保持される。よって、第三部５３がスライドレール３０に接触すると、リニアスライドレールの密封度が高まるのみならず、防塵効果も確保し、受力して変形する際にスライダー１０及びスライドレール３０の間が陥落してリニアスライドレールに抵抗異常が生じるのを回避している。
防塵シート５０及びエンドキャップ２０の相対的変位が制限を受けることで、第三部５３及びスライドレール３０の相対的位置が固定に保持される。よって、第三部５３がスライドレール３０に接触すると、リニアスライドレールの密封度が高まるのみならず、防塵効果も確保し、受力して変形する際にスライダー１０及びスライドレール３０の間が陥落してリニアスライドレールに抵抗異常が生じるのを回避している。
【0021】
上述の実施例は図５の防塵シート５０の第一部５１が平板状を呈し、且つ第二部５２の第一端５２１及び第二端５２２に位置決めユニット５２３がそれぞれ設置されているものを例として説明しているが、本発明はこれに限られない。以下、例を挙げて他の実施態様について説明する。
【0022】
また、本発明の他の実施例に係る防塵組立部材は２枚の防塵シート６０を備えている（図８参照）。防塵シート６０は図５に示されるようにエンドキャップ２０に装設されている。防塵シート６０は図５に示される防塵シート５０に相似している。しかしながら、防塵シート６０の第一部６１の第一端６１１と第二端６１２との間には折り曲げユニット６１３をさらに含む。これにより、第一部６１の第一端６１１がさらに容易にエンドキャップ２０の第一位置限定部２１１に固定され、さらには第一位置限定部２１１に当着する。
【0023】
或いは、本発明の又他の実施例に係る防塵組立部材は２枚の防塵シート７０を備えている （図９参照）。防塵シート７０は第一部７１及び第二部７２を含む。第一部７１及び第二部７２により凹部Ｒ３が形成されている。第一部７１は図８の第一部６１に相似し、よって、第一部７１に関する説明は第一部６１に関する説明を参照し、ここでは再述はしない。
少なくとも部分的な第二部７２が第二軸Ｄ２に沿って延伸している。第二部７２は位置決めユニット７２３を備えている。位置決めユニット７２３は第二部７２の外面７６の位置に凹設されるように形成され、且つ第二部７２の第一端７２１と第二端７２２との間に位置している。
少なくとも部分的な第二部７２が第二軸Ｄ２に沿って延伸している。第二部７２は位置決めユニット７２３を備えている。位置決めユニット７２３は第二部７２の外面７６の位置に凹設されるように形成され、且つ第二部７２の第一端７２１と第二端７２２との間に位置している。
【0024】
防塵シート７０の第二部７２の位置決めユニット７２３に対応するように設置するため、エンドキャップ８０のエンドキャップの側面８２には第二位置限定部８２１が凸設され、防塵シート７０の位置決めユニット７２３及び第二位置限定部８２１が相互に位置決めされ、例えば、相互に係合され、防塵シート７０の第二部７２及びエンドキャップ８０のエンドキャップの側面８２が第二軸Ｄ２に沿って相互に変位するのを制限している。
【0025】
本実施例或いは他の実施例では、防塵シート７０は第三部７３をさらに備えている。第三部７３は第二部７２に連接し、第二部７２は第一部７１と第三部７３との間に位置している。第二部７２及び第三部７３がエンドキャップ８０のエンドキャップの側面８２の形状に適合して凹部Ｒ４が形成されている。これにより、リニアスライドレールの密封度が高まる。
【0026】
本実施例或いは他の実施例では、防塵シート７０は第四部７４をさらに備えている。第四部７４は第三部７３に連接し、第三部７３は第二部７２と第四部７４との間に位置している。第三部７３及び第四部７４がエンドキャップ８０のエンドキャップの側面８２の形状に適合して凹部Ｒ５が形成されている。これにより、リニアスライドレールの密封度が高まる。
【0027】
本実施例或いは他の実施例では、防塵シート７０の第二部７２の第一端７２１は延伸ユニット７２４として設けられている。延伸ユニット７２４の対向する両端のうちの一端は第一部７１に連接し、他端は第二部７２である。延伸ユニット７２４及び第一部７１により凹部Ｒ３１が形成され、延伸ユニット７２４及び第二部７２の残りの部分により他の凹部３２が形成されている。
【0028】
上述の各実施例は全て図７のワイパーシール４０がエンドキャップ２０内部に設置されている例について説明しているが、しかしながら本発明はこの例に限られない。
他の実施例では、図１０に示されるように、ワイパーシール４０’がエンドキャップ２０’外部に設置されていると共にエンドキャップ２０’のスライダー１０から離間する一側に位置している。これにより、エンドキャップ２０’をスライダー１０に組み立てた後にもワイパーシール４０’を視覚的に観察可能になる。
他の実施例では、図１０に示されるように、ワイパーシール４０’がエンドキャップ２０’外部に設置されていると共にエンドキャップ２０’のスライダー１０から離間する一側に位置している。これにより、エンドキャップ２０’をスライダー１０に組み立てた後にもワイパーシール４０’を視覚的に観察可能になる。
【0029】
上述の実施例では全て位置決めユニットが第二部に凹設されている例について説明しているが、本発明はこの例に限られず、防塵シートにある位置決めユニットの形状が対応するエンドキャップの側面にある対応する第二位置限定部の形状に適合していればよい。例えば、少なくともそのうちの１つの位置決めユニットが第二部に凸設され、対応する第二位置限定部がエンドキャップの側面に凹設されている。
【0030】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0031】
１０ スライダー
２０ エンドキャップ
２０’ エンドキャップ
２１ エンドキャップの底面
２１１ エンドキャップの底面の第一位置限定部
２１１１ 第一位置限定部の支持ユニット
２１１２ 第一位置限定部の延伸ユニット
２２ エンドキャップの側面
２２１ 第二位置限定部
３０ スライドレール
４０ ワイパーシール
４０’ ワイパーシール
５０ 防塵シート
５１ 防塵シートの第一部
５１１ 第一部の第一端
５１２ 第一部の第二端
５２ 防塵シートの第二部
５２１ 第二部の第一端
５２２ 第二部の第二端
５２３ 第二部の位置決めユニット
５３ 防塵シートの第三部
５４ 防塵シートの外面
５５ 防塵シートの内面
６０ 防塵シート
６１ 防塵シートの第一部
６１１ 第一部の第一端
６１２ 第一部の第二端
６１３第一部の折り曲げユニット
７０ 防塵シート
７１ 防塵シートの第一部
７１３ 第一部の折り曲げユニット
７２ 防塵シートの第二部
７２１ 第二部の第一端
７２２ 第二部の第二端
７２３ 第二部の位置決めユニット
７２４ 延伸ユニット
７３ 防塵シートの第三部
７４ 防塵シートの第四部
７６ 防塵シートの外面
８０ エンドキャップ
８２ エンドキャップの側面
８２１ 第二位置限定部
Ａ１ エンドキャップ
Ａ１１ エンドキャップの底面
Ａ１２ エンドキャップの側面
Ａ１３ 凹部
Ａ２ 防塵シート
Ｄ１ 第一軸
Ｄ２ 第二軸
Ｈ１ 第一収容空間
Ｈ２ 第二収容空間
Ｈ３ 第三収容空間
Ｐ リニアスライドの中心軸
Ｒ１ 凹部
Ｒ２ 凹部
Ｒ３ 凹部
Ｒ３１ 凹部
Ｒ３２ 凹部
Ｒ４ 凹部
Ｒ５ 凹部
Ｈ１ 凹部
２０ エンドキャップ
２０’ エンドキャップ
２１ エンドキャップの底面
２１１ エンドキャップの底面の第一位置限定部
２１１１ 第一位置限定部の支持ユニット
２１１２ 第一位置限定部の延伸ユニット
２２ エンドキャップの側面
２２１ 第二位置限定部
３０ スライドレール
４０ ワイパーシール
４０’ ワイパーシール
５０ 防塵シート
５１ 防塵シートの第一部
５１１ 第一部の第一端
５１２ 第一部の第二端
５２ 防塵シートの第二部
５２１ 第二部の第一端
５２２ 第二部の第二端
５２３ 第二部の位置決めユニット
５３ 防塵シートの第三部
５４ 防塵シートの外面
５５ 防塵シートの内面
６０ 防塵シート
６１ 防塵シートの第一部
６１１ 第一部の第一端
６１２ 第一部の第二端
６１３第一部の折り曲げユニット
７０ 防塵シート
７１ 防塵シートの第一部
７１３ 第一部の折り曲げユニット
７２ 防塵シートの第二部
７２１ 第二部の第一端
７２２ 第二部の第二端
７２３ 第二部の位置決めユニット
７２４ 延伸ユニット
７３ 防塵シートの第三部
７４ 防塵シートの第四部
７６ 防塵シートの外面
８０ エンドキャップ
８２ エンドキャップの側面
８２１ 第二位置限定部
Ａ１ エンドキャップ
Ａ１１ エンドキャップの底面
Ａ１２ エンドキャップの側面
Ａ１３ 凹部
Ａ２ 防塵シート
Ｄ１ 第一軸
Ｄ２ 第二軸
Ｈ１ 第一収容空間
Ｈ２ 第二収容空間
Ｈ３ 第三収容空間
Ｐ リニアスライドの中心軸
Ｒ１ 凹部
Ｒ２ 凹部
Ｒ３ 凹部
Ｒ３１ 凹部
Ｒ３２ 凹部
Ｒ４ 凹部
Ｒ５ 凹部
Ｈ１ 凹部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】