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特許7100762天然ガス液化施設における混合冷媒の保存方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】天然ガス液化施設における混合冷媒の保存方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 1/00 20060101AFI20220706BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
F25J1/00 B
F25B27/00 Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021507593
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019043014
(87)【国際公開番号】W WO2020036711
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】62/718,738
(32)【優先日】2018-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517002476
【氏名又は名称】エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ライバーグ ブレット エル
(72)【発明者】
【氏名】ライト スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】只野 研一
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 直樹
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05636529(US,A)
【文献】特表2009-500579(JP,A)
【文献】特開昭57-169573(JP,A)
【文献】米国特許第05024061(US,A)
【文献】特開2016-080344(JP,A)
【文献】特表2009-543894(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0308482(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0160010(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25J 1/00
F25B 27/00
C10L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの少なくとも部分的な運転停止中の運転方法であって、
前記冷媒分配サブシステムの1又は2以上の構成要素内の混合冷媒の少なくとも一部を排出サブシステムの高圧保持タンクに排出するステップであって、前記高圧保持タンクへの排出は、前記混合冷媒を前記冷媒分配サブシステムから前記高圧保持タンクに圧送すること、又は前記冷媒分配サブシステムを再充填ガスで再充填することによって達成される、ステップと、
前記混合冷媒の少なくとも一部を前記高圧保持タンクから低圧ドラムに移送するステップと、
を含み、
前記低圧ドラムは、凝縮器に結合された通気口を有する、方法。
【請求項2】
前記高圧保持ドラム内の前記混合冷媒の一部及び/又は前記低圧ドラム内の前記混合冷媒の一部を前記冷媒分配サブシステムに戻すステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
以下の条件:
前記冷媒分配サブシステム内の前記混合冷媒は、約2絶対バール(bara)~約25baraの圧力及び約-175°C~約-25°Cの温度にあること、
前記高圧保持タンク内の前記混合冷媒は、約5bara~約25baraの圧力及び約-175°C~約-100°Cの温度にあること、及び/又は
前記低圧ドラム内の前記混合冷媒は、大気圧~約2baraの圧力及び約-125°C~約-25°Cの温度にあること、
の内の少なくとも1つが満たされる、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記高圧保持タンクへの排出は、前記冷媒分配サブシステムを再充填ガスで再充填することによって達成され、前記冷媒分配サブシステムへの再充填前の前記再充填ガスの圧力は、前記冷媒分配サブシステム内の前記混合冷媒の圧力よりも高く、前記冷媒分配サブシステム内の前記混合冷媒の前記圧力は、前記高圧保持タンク内の前記混合冷媒の圧力よりも大きい、請求項1から3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの少なくとも部分的な運転停止中の運転方法であって、
前記冷媒分配サブシステムの1又は2以上の構成要素内の混合冷媒の少なくとも一部を排出サブシステムの低圧ドラムに排出するステップと、を含み、
前記低圧ドラムは、凝縮器に結合された通気口を有し、
前記方法は、さらに、
前記冷媒分配サブシステムを再充填サブシステムからの再充填ガスで再充填するステップを含み、
前記冷媒分配サブシステム内の圧力は、前記低圧ドラム内の圧力よりも高く、
前記冷媒分配サブシステム内の前記圧力は、前記再充填サブシステム内の前記再充填ガスの圧力よりも低い、
方法。
【請求項6】
前記低圧ドラム内の前記混合冷媒の一部を前記冷媒分配サブシステムに戻すステップを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
以下の条件:
前記再充填サブシステム内の前記再充填ガスの圧力は、約5絶対バール(bara)~約35baraであり、約-175°C~約-100°Cの温度にあること、
前記冷媒分配サブシステム内の前記圧力は、約2bara~約25baraであり、約-175°C~約-25°Cの温度にあること、及び/又は
前記低圧ドラム内の前記圧力は、大気圧~約2bara及び約-125°C~約-25°Cの温度にあること、
の内の少なくとも1つが満たされる、
請求項又はに記載の方法。
【請求項8】
天然ガス液化施設であって、
混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステムと、
高圧保持タンク、低圧ドラム、及び前記高圧保持タンクを前記低圧ドラムから分離するバルブを含む排出サブシステムであって、前記高圧保持タンク内の圧力は、前記冷媒分配サブシステム内の前記混合冷媒よりも低い、排出サブシステムと、
を備え、
前記低圧ドラムは、凝縮器に結合された通気口を有し、
前記天然ガス液化施設は、さらに、
前記冷媒分配サブシステム内の前記混合冷媒よりも高い圧力で再充填ガスを収容する再充填サブシステム、を備え、
複数の第1のバルブが、前記冷媒分配サブシステム及び前記排出サブシステムを分離し、
複数の第2のバルブが、前記冷媒分配サブシステム及び前記再充填サブシステムを分離し、
排出モードにおいて、(a)前記冷媒分配サブシステムからの前記混合冷媒の少なくとも一部が、前記複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して前記高圧保持タンクに移送され、(b)前記再充填サブシステムからの前記再充填ガスの少なくとも一部が、前記複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して前記冷媒分配サブシステムに移送され、(c)必要に応じて、前記高圧保持タンクからの混合冷媒は、前記バルブを介して前記低圧ドラムに流入することができる、
天然ガス液化施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、名称が「CONSERVING MIXED REFRIGERANT IN NATURAL GAS LIQUEFACTION FACILITIES」である、2018年8月14日に出願された米国仮特許出願第62/718738号の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの排出運転中に混合冷媒を保存するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
天然ガスは、そのクリーンな燃焼性及び利便性の理由から、近年広く用いられるようになっている。しかしながら、大量の天然ガス(すなわち、主としてメタン)は、世界の遠隔の地域にある。このガスは、経済的に市場に移送できる場合には、大きな価値がある。ガス埋蔵量が市場に適度に近接してあり、2つの場所の間の地形が許容される場合、ガスは、典型的には、生産された後、水中及び/又は陸上ベースのパイプラインを通じて市場に移送される。しかしながら、ガスが、パイプラインの敷設が不可能であるか、又は経済的に法外な場所で生産されるときには、このガスを市場に導入するためには他の技術を用いる必要がある。
【0004】
ガスの非パイプライン移送に一般的に用いる技術は、産出現場又はその近くでガスを液化すること、及び移送船に搭載された特別設計の貯蔵タンクにて液化天然ガスを市場に移送することを含む。天然ガスは、冷却されて液体状態に凝縮され、実質的に大気圧で-162°C(-260°F)の温度で液化天然ガス(「LNG」)を生成し、これによって、現場で又は移送船に搭載できる貯蔵タンクに貯蔵できるガスの量が大幅に増加する。
【0005】
多くの天然ガス液化施設では、液化天然ガス(LNG)を製造するために天然ガスを予冷、液化、及びサブクーリングする混合冷媒サブシステムを使用する。混合冷媒は、典型的には、窒素及び軽質炭化水素(例えば、メタン、エタン、プロパン、及びブタン)の混合物を含む。遠隔の場所、又は天然ガスの供給が有意な量の比較的重量がある軽質炭化水素(例えば、エタン及びそれよりも重質の)を含有しない場所では、比較的重量がある軽質炭化水素が天然ガス液化施設に運び込まれる必要がある場合があり、これは、購入コスト及び輸送コストがかかる。
【0006】
比較的重量がある軽質炭化水素は揮発性であるので、混合冷媒からのこれらの化合物の損失は問題である。比較的重量がある軽質炭化水素の損失は、天然ガス液化施設の一部が(例えば、計画的保守又は計画外の理由で)運転停止される際に有意となる可能性がある。天然ガス液化施設の構成要素にて使用される混合冷媒は、加温されて圧力が増大するので、天然ガス液化施設の当該部分における混合冷媒の一部又は全部は、過圧及び潜在的な爆発を軽減するために排出される。多くの場合、排出された混合冷媒は、放出され燃焼される。その後、天然ガス液化施設の一部がライン上に戻されると、貯蔵場所からの混合冷媒が、放出及び燃焼した冷媒量を補うために使用される。施設運転停止中に混合冷媒を保存する代替の方法は、有意なコスト節減の機会をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2016/0040928号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0097188号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0167788号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/0149424号明細書
【発明の概要】
【0008】
本開示は、一般に、天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの排出運転中に混合冷媒を保存するためのシステム及び方法に関する。
【0009】
天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの少なくとも部分的な運転停止中の運転方法は、冷媒分配サブシステムの1又は2以上の構成要素内の混合冷媒の少なくとも一部を排出サブシステムの高圧保持タンクに排出するステップであって、高圧保持タンクへの排出は、混合冷媒を冷媒分配サブシステムから高圧保持タンクに圧送するか、又は冷媒分配サブシステムを再充填ガスで再充填することによって達成される、ステップと、任意選択的に、混合冷媒の少なくとも一部を高圧保持タンクから低圧ドラムに移送するステップと、を含むことができる。
【0010】
天然ガス液化施設は、混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステムと、ポンプ、高圧保持タンク、低圧ドラム、及び高圧保持タンクを低圧ドラムから分離するバルブを含む排出サブシステムと、を備えることができ、複数のバルブは、冷媒分配サブシステム及び排出サブシステムを分離し、排出モードにおいて、ポンプは、混合冷媒の少なくとも一部を冷媒分配サブシステムから高圧保持タンクまで移送し、必要に応じて、高圧保持タンクからの混合冷媒は、バルブを介して低圧ドラムに流入することができる。
【0011】
天然ガス液化施設は、混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステムと、高圧保持タンク、低圧ドラム、及び高圧保持タンクを低圧ドラムから分離するバルブを含む排出サブシステムであって、高圧保持タンク内の圧力は、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒よりも低い、排出サブシステムと、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒よりも高い圧力で再充填ガスを収容する再充填サブシステムと、を備えることができ、複数の第1のバルブは、冷媒分配サブシステム及び排出サブシステムを分離し、複数の第2のバルブは、冷媒分配サブシステム及び再充填サブシステムを分離し、排出モードにおいて、(a)冷媒分配サブシステムからの混合冷媒の少なくとも一部が、複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して高圧保持タンクに移送され、(b)再充填サブシステムからの再充填ガスの少なくとも一部が、複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して冷媒分配サブシステムに移送され、(c)必要に応じて、高圧保持タンクからの混合冷媒は、バルブを介して低圧ドラムに流入することができる。
【0012】
天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの少なくとも部分的な運転停止中の運転方法は、冷媒分配サブシステムの1又は2以上の構成要素内の混合冷媒の少なくとも一部を排出サブシステムの低圧ドラムに排出するステップと、冷媒分配サブシステムを再充填サブシステムからの再充填ガスで再充填するステップとを含むことができ、冷媒分配サブシステム内の圧力は、低圧ドラム内の圧力よりも高く、冷媒分配サブシステム内の圧力は、再充填サブシステム内の再充填ガスの圧力よりも低い。
【0013】
天然ガス液化施設は、混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステムと、低圧ドラムを備える排出サブシステムであって、低圧ドラム内の圧力は、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒よりも低い、排出サブシステムと、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒よりも高い圧力で再充填ガスを収容する再充填サブシステムと、を備えることができ、複数の第1のバルブは、冷媒分配サブシステム及び排出サブシステムを分離し、複数の第2のバルブは、冷媒分配サブシステム及び再充填サブシステムを分離し、排出モードにおいて、(a)冷媒分配サブシステムからの混合冷媒の少なくとも一部が、複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して低圧ドラム318に移送され、(b)再充填サブシステムからの再充填ガスの少なくとも一部が、複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して冷媒分配サブシステムに移送される。
【0014】
以下の図は、実施形態の特定の態様を例示するために含まれており、排他的な実施形態とみなされるべきではない。開示された主題は、当業者には想起され、本開示の利益を有する形態及び機能において相当な修正、変更、組み合わせ、及び均等物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の排出サブシステムを実装することによって、冷媒分配サブシステムの排出中に冷媒を保存するための天然ガス液化施設の一部の例示的な図である。
図2】本発明の第2の排出サブシステムを実装することによって、冷媒分配サブシステムの排出中に冷媒を保存するための天然ガス液化施設の一部の例示的な図である。
図3】本発明の第3の排出サブシステムを実装することによって冷媒分配サブシステムの排出中に冷媒を保存するための天然ガス液化施設の一部の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、一般に、天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの排出運転中に混合冷媒を保存するためのシステム及び方法に関する。
【0017】
図1は、天然ガス液化施設の一部100の例示的な図である。天然ガス液化施設の一部100は、所望の温度及び圧力に混合冷媒を維持して、混合冷媒を天然ガス液化施設の構成要素に分配する冷媒分配サブシステム102を含む。冷媒分配サブシステム102の例示の構成要素は、分離器又はドラム104、液化熱交換器106、及び分配ライン108を含む。当業者は、適切且つ安全な運転のために冷媒分配サブシステム102内に含むことができる又は含める必要がある他の構成要素を認識しているであろう。構成要素の実施例は、(例えば、予冷及びサブクーリング用の)追加の熱交換器、凝縮器、圧縮器、ポンプ、バルブ、及び同様のものを含むことができるが、これらに限定されない。冷媒分配サブシステム又はその一部の非限定的な実施例は、米国特許出願公開第2016/0040928号、第2017/0097188号、第2017/0167788号、及び第2018/0149424号に見出すことができ、これらの各々は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0018】
不活性ガス、軽質炭化水素、及びフッ化炭素は、混合冷媒中の成分として使用することができる。混合冷媒での使用に適した成分の実施例としては、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素、天然ガス、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、フルオロメタン、ジフルオロメタン、オクタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロエタン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン、1,1,1-トリフルオロエタン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1ジフルオロエタン、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、オクタフルオロシクロブタン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン、ヘプタフルオロプロピル、メチルエーテル、及び同様のものが挙げられるが、これらに限定されない。混合冷媒の特定の実施例としては、プロパン及びメタン、プロピレン及びメタン、プロパン及びプロピレン、プロピレン及びプロパン、プロパン及びエタン、プロピレン及びエタン、プロパン及びエチレン、プロピレン及びエチレン、窒素及び天然ガス、テトラフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン、及び同様のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
冷媒分配サブシステム102の様々な構成要素内の混合冷媒の圧力は、混合冷媒の組成及び混合冷媒の温度に依存する。典型的には、混合冷媒の温度は、約-175°C及び約-25°Cに維持される。混合冷媒の圧力は、約2絶対バール(bara)~約25bara、より典型的には約5bara~約25baraに維持される。当業者であれば、冷媒分配サブシステムの様々な構成要素の適切且つ安全な動作温度及び圧力が冷媒分配サブシステムの混合冷媒の組成及び設計に依存することは、認識するであろう。
【0020】
天然ガス液化施設の例示の一部100はまた、排出サブシステム110を含む。例示するように、複数のバルブ112が、冷媒分配サブシステム102及び排出サブシステム110を分離している。例示の排出サブシステム110は、ポンプ114、高圧保持タンク116、低圧ドラム118、高圧保持タンク116を低圧ドラム118から分離するバルブ120、及び任意選択的に低圧ドラム118に関連した凝縮器/フレアサブシステム122を含む。凝縮器/フレアサブシステム122の代替形態において、フレアへの単純な通気口(例示せず)を含めることができる。
【0021】
運転時には、運転停止又は部分運転停止(本明細書では「排出モード」と呼ばれる)中、冷媒分配サブシステム102内の混合冷媒の温度が上昇し、これにより混合冷媒圧力が増大する。過圧及び潜在的爆発を回避するために、冷媒分配サブシステム102は、少なくとも部分的に排出を行うことができる。排出時には、バルブ112によって、冷媒分配サブシステム102の構成要素の内の1又は2以上における混合冷媒の少なくとも一部が、排出サブシステム110に流入することができる。ポンプ114は、高圧の混合冷媒を高圧保持タンク116に移送する。高圧保持タンク116は、適切な安全圧力(例えば、約5bara~約25bara)及び温度(約-175°C及び約-100°C)で混合冷媒を貯蔵し維持する。
【0022】
高圧保持タンク116内の温度が上昇し、及び/又は高圧保持タンク116が最大能力になると、高圧保持タンク116内の混合冷媒は、低圧ドラム118に排出することができる。排出サブシステム110のバルブ120及び他の何れかの適切な構成要素によって、高圧保持タンク116及び低圧ドラム118は、異なる圧力で作動することができる。低圧ドラム118は、適切な安全圧力(例えば、大気圧~約2bara)及び温度(約-125°C及び約-25°C)で混合冷媒を貯蔵して維持する。
【0023】
低圧ドラム118において、混合冷媒の最も揮発性成分(例えば、窒素及びメタン)は、低圧ドラム118における混合冷媒から蒸発する。蒸発した成分は、通気ライン124を通過して、(a)圧力バルブ126及びフレアに到るか、又は(b)凝縮器128に到り、蒸発した成分が凝縮され、低圧ドラム118内の混合冷媒に追加される。
【0024】
当業者であれば、排出サブシステムの様々な構成要素の適切且つ安全な動作温度及び圧力が排出サブシステムの混合冷媒の組成及び設計に依存することは、認識するであろう。
【0025】
冷媒分配サブシステム102がオンラインに戻る状態になると、高圧保持タンク116及び低圧ドラム118内の混合冷媒は、冷媒分配サブシステム102に戻すことができる。運転停止中に損失した混合冷媒の成分は、オンラインに戻ったときに、冷媒分配サブシステム102の適切且つ安全な動作のために混合冷媒に戻すことができる。
【0026】
図1を簡潔に要約すると、天然ガス液化施設は、混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステム102と、ポンプ114、高圧保持タンク116、低圧ドラム118、及び高圧保持タンク116を低圧ドラム118から分離するバルブ120を含む排出サブシステム110と、を備えることができ、複数のバルブ112は、冷媒分配サブシステム102及び排出サブシステム110を分離し、排出モードにおいて、ポンプ114は、混合冷媒の少なくとも一部を冷媒分配サブシステム102から高圧保持タンク116に移送し、必要に応じて、高圧保持タンク116からの混合冷媒は、バルブ120を介して低圧ドラム118に流入することができる。
【0027】
本明細書で使用する場合、2つの構成要素を流体接続するラインを説明する際に、ラインは、2つの構成要素及びラインに沿って設置できるポンプ、コネクタ、熱交換器及びバルブのような他のハードウェアを流体接続する1又は複数のラインを包含する一般用語として使用される。
【0028】
図2は、天然ガス液化施設の一部200の例示的な図である。天然ガス液化施設の一部200は、混合冷媒を所望の温度及び圧力に維持して混合冷媒を天然ガス液化施設の構成要素に分配する冷媒分配サブシステム202を含む。冷媒分配サブシステム202の例示の構成要素は、分離器又はドラム204、液化熱交換器206、及び分配ライン208を含む。当業者であれば、適切且つ安全な運転のために冷媒分配サブシステム202内に含むことができる又は含む必要がある他の構成要素を認識するであろう。構成要素の実施例は、(例えば、予冷及びサブクーリング用の)追加の熱交換器、凝縮器、圧縮器、ポンプ、バルブ、及び同様のものを含むことができるが、これらに限定されない。冷媒分配サブシステム又はその一部の非限定的な実施例は、米国特許出願公開第2016/0040928号、米国特許出願公開第2017/0097188号、米国特許出願公開第2017/0167788号、及び米国特許出願公開第2018/0149424号に見出すことができ、これらの各々は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0029】
冷媒分配サブシステム202の様々な構成要素内の混合冷媒の圧力は、混合冷媒の組成及び混合冷媒の温度に依存する。典型的には、混合冷媒の温度は、約-175°C及び約-25°Cに維持される。混合冷媒の圧力は、約2bara~約25bara、より典型的には約5bara~約25baraに維持される。当業者であれば、冷媒分配サブシステムの様々な構成要素の適切且つ安全な動作温度及び圧力が冷媒分配サブシステムの混合冷媒組成及び設計に依存することは、認識するであろう。
【0030】
天然ガス液化施設の例示の一部200はまた、排出サブシステム210を含む。例示するように、複数のバルブ212が、冷媒分配サブシステム202及び排出サブシステム210を分離している。例示の排出サブシステム210は、高圧保持タンク216、低圧ドラム218、高圧保持タンク216を低圧ドラム218から分離するバルブ220、及び任意選択的に低圧ドラム218に関連した凝縮器/フレアサブシステム222を含む。凝縮器/フレアサブシステム222の代替形態において、フレアへの単純な通気口(例示せず)を含めることができる。
【0031】
天然ガス液化施設の例示の一部200はまた、再充填サブシステム230を含む。例示するように、複数のバルブ232が、冷媒分配サブシステム202及び再充填サブシステム230を分離している。
【0032】
排出モードにおいて、冷媒分配サブシステム202内の混合冷媒の温度が上昇することになり、これにより混合冷媒圧が増大する。過圧及び潜在的爆発を回避するために、冷媒分配サブシステム202は、少なくとも部分的に排出を行うことができる。排出時には、バルブ212によって、冷媒分配サブシステム202の構成要素の内の1又は2以上内の混合冷媒の少なくとも一部が、排出サブシステム210の高圧保持タンク216に流入することができる。高圧保持タンク216は、高圧保持タンク216への混合冷媒の移送を達成するために、冷媒分配サブシステム202よりも低い圧力に維持されている。
【0033】
冷媒分配サブシステム202を高圧保持タンク216よりも高い圧力に維持するために、再充填サブシステム230は、再充填ガスを冷媒分配サブシステム202に追加する。再充填ガスは、典型的には、乾性天然ガス、窒素又はその混合物である。再充填サブシステム230は、適切な安全圧力(例えば、約5bara~約35bara)及び温度(約-175°C及び約-100°C)で再充填ガスを貯蔵して維持する。
【0034】
高圧保持タンク216は、適切な安全圧力(例えば、約5bara~約25bara)及び温度(約-175°C及び約-100°C)で混合冷媒を貯蔵し維持する。
【0035】
高圧保持タンク216の温度が上昇し、及び/又は高圧保持タンク216が最大能力になると、高圧保持タンク216内の混合冷媒は、低圧ドラム218に排出することができる。排出サブシステム210のバルブ220及び他の何れかの適切な構成要素によって、高圧保持タンク216及び低圧ドラム218は、異なる圧力で作動することができる。低圧ドラム218は、適切な安全圧力(例えば、大気圧~約2bara)及び温度(約-125°C及び約-25°C)で混合冷媒を貯蔵して維持する。
【0036】
低圧ドラム218において、混合冷媒の最も揮発性の高い成分(例えば、窒素及びメタン)は、低圧ドラム218における混合冷媒から蒸発する。蒸発した成分は、通気ライン224を通過して(a)圧力バルブ226及び次いでフレアに到るか、又は(b)凝縮器228に到り、蒸発した成分が凝縮され、低圧ドラム218内の混合冷媒に追加される。
【0037】
天然ガス液化施設のこの例示の一部200において、流体圧力は、サブシステム間で及び排出サブシステム210の構成要素間で流体を移送するのに使用される。従って、再充填サブシステム230は、冷媒分配サブシステム202よりも高い圧力にあり、冷媒分配サブシステム202は、高圧保持タンク216よりも高い圧力にあり、高圧保持タンク216は、低圧ドラム218よりも高い圧力にある。記載されるような圧力低下は、混合冷媒のジュール・トムソン冷却を引き起こす可能性があり、これにより各サブシステム及びその構成要素を低温に維持することに伴うコストが低減される。
【0038】
当業者であれば、排出サブシステムの様々な構成要素の適切且つ安全な動作温度及び圧力が排出サブシステムの混合冷媒組成及び設計に依存することを認識するであろう。
【0039】
冷媒分配サブシステム202がオンラインに戻る状態になると、高圧保持タンク216及び低圧ドラム218内の混合冷媒は、冷媒分配サブシステム202に戻すことができる。混合冷媒の組成は、恐らくは、蒸発した成分及び再充填ガスとの混合に起因して、排出プロセス中に変化することになる。従って、混合冷媒の様々な成分が混合冷媒に追加されて、適切な組成を取得し、オンラインで戻ったときに冷媒分配サブシステム202の適切且つ安全な動作を確保することができる。
【0040】
図1及び図2を参照すると、天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの少なくとも部分的な運転停止中の運転方法は、冷媒分配サブシステム102、202の1又は2以上の構成要素内の混合冷媒の少なくとも一部を排出サブシステム110、210の高圧保持タンク116、216に排出するステップであって、高圧保持タンクへの排出は、(a)混合冷媒を冷媒分配サブシステム102、202から高圧保持タンク116、216に圧送すること、又は(b)冷媒分配サブシステム102、202を再充填ガスで再充填することによって達成される、ステップと、任意選択的に、混合冷媒の少なくとも一部を高圧保持タンク116、216から低圧ドラム118、218に移送するステップと、含むことができる。
【0041】
図2を簡潔に要約すると、天然ガス液化施設は、混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステム202と、高圧保持タンク216、低圧ドラム218、及び高圧保持タンク216を低圧ドラム218から分離するバルブ220を含む排出サブシステム210であって、高圧保持タンク216内の圧力は、冷媒分配サブシステム202内の混合冷媒よりも低い、排出サブシステム210と、冷媒分配サブシステム202内の混合冷媒よりも高い圧力で再充填ガスを収容する再充填サブシステム230と、を備えることができ、複数の第1のバルブ212は、冷媒分配サブシステム202及び排出サブシステム210を分離し、複数の第2のバルブ232は、冷媒分配サブシステム202及び再充填サブシステム230を分離し、排出モードにおいて、(a)冷媒分配サブシステム202からの混合冷媒の少なくとも一部は、複数の第1のバルブ212の内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して高圧保持タンク216に移送され、(b)再充填サブシステム230からの再充填ガスの少なくとも一部が、複数の第1のバルブ232の内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して冷媒分配サブシステム202に移送され、(c)必要に応じて、高圧保持タンク216からの混合冷媒は、バルブ220を介して低圧ドラム218に流入することができる。
【0042】
図3は、天然ガス液化施設の一部300の例示的な図である。天然ガス液化施設の一部300は、混合冷媒を所望の温度及び圧力に維持して混合冷媒を天然ガス液化施設の構成要素に分配する冷媒分配サブシステム302を含む。冷媒分配サブシステム302の例示の構成要素は、分離器又はドラム304、液化熱交換器306、及び分配ライン308を含む。当業者であれば、適切且つ安全な運転のために冷媒分配サブシステム302内に含むことができる又は含む必要がある他の構成要素を認識するであろう。構成要素の実施例は、(例えば、予冷及びサブクーリング用の)追加の熱交換器、凝縮器、圧縮器、ポンプ、バルブ及び同様のものを含むことができるが、これらに限定されない。冷媒分配サブシステム又はその一部の非限定的な実施例は、米国特許出願公開第2016/0040928号、米国特許出願公開第2017/0097188号、米国特許出願公開第2017/0167788号、及び米国特許出願公開第2018/0149424号に見出すことができ、これらの各々は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0043】
冷媒分配サブシステム302の様々な構成要素内の混合冷媒の圧力は、混合冷媒の組成及び混合冷媒の温度に依存する。典型的には、混合冷媒の温度は、約-175°C及び約-25°Cに維持される。混合冷媒の圧力は、約2bara~約25bara、より典型的には約5bara~約25baraに維持される。当業者であれば、冷媒分配サブシステムの様々な構成要素の適切且つ安全な動作温度及び圧力が冷媒分配サブシステムの混合冷媒組成及び設計に依存することは、認識するであろう。
【0044】
天然ガス液化施設の例示の一部300はまた、排出サブシステム310を含む。例示するように、複数のバルブ312が、冷媒分配サブシステム302及び排出サブシステム310を分離している。例示の排出サブシステム310は、低圧ドラム318、及び任意選択的に低圧ドラム318に関連した凝縮器/フレアサブシステム322を含む。凝縮器/フレアサブシステム322の代替形態において、フレアへの単純な通気口(例示せず)を含めることができる。
【0045】
天然ガス液化施設の例示の一部300は、再充填サブシステム330を含む。例示するように、複数のバルブ332が、冷媒分配サブシステム302及び再充填サブシステム330を分離している。
【0046】
排出モードにおいて、冷媒分配サブシステム302内の混合冷媒の温度が上昇することになり、これにより混合冷媒圧が増大する。過圧及び潜在的爆発を回避するために、冷媒分配サブシステム302は、少なくとも部分的に排出を行うことができる。排出時には、バルブ312によって、冷媒分配サブシステム302の構成要素の内の1又は2以上内の混合冷媒の少なくとも一部が、排出サブシステム310の低圧ドラム318に流入することができる。低圧保持タンク318は、低圧保持タンク318への混合冷媒の移送を達成するために、冷媒分配サブシステム302よりも低い圧力に維持されている。
【0047】
冷媒分配サブシステム302を低圧ドラム318よりも高い圧力に維持するために、再充填サブシステム330は、再充填ガスを冷媒分配サブシステム302に追加する。再充填ガスは、典型的には、乾性天然ガス、窒素又はその混合物である。再充填サブシステム330は、適切な安全圧力(例えば、約5bara~約36bara)及び温度(約-175°C及び約-100°C)で再充填ガスを貯蔵して維持する。
【0048】
低圧ドラム318は、適切な安全圧力(例えば、大気圧~約2bara)及び温度(約-125°C及び約-25°C)で混合冷媒を貯蔵して維持する。
【0049】
低圧ドラム318において、混合冷媒の最も揮発性の高い成分(例えば、窒素及びメタン)は、低圧ドラム318における混合冷媒から蒸発する。蒸発した成分は、通気ライン324を通過して(a)圧力バルブ326及び次いでフレアに到るか、又は(b)凝縮器328に到り、蒸発した成分が凝縮され、低圧ドラム318内の混合冷媒に追加される。
【0050】
天然ガス液化施設のこの例示の一部300において、流体圧力は、サブシステム間で及び排出サブシステム310の構成要素間で流体を移送するのに使用される。従って、再充填サブシステム330は、冷媒分配サブシステム302よりも高い圧力にあり、冷媒分配サブシステム302は、低圧ドラム318よりも高い圧力にあり、記載されるような圧力低下は、混合冷媒のジュール・トムソン冷却を引き起こす可能性があり、これにより各サブシステム及びその構成要素を低温に維持することに伴うコストが低減される。これは、冷媒分配サブシステム302から低圧ドラム318への混合冷媒の移送において最も顕著である。
【0051】
当業者であれば、排出サブシステムの様々な構成要素の適切且つ安全な動作温度及び圧力が排出サブシステムの混合冷媒組成及び設計に依存することを認識するであろう。
【0052】
冷媒分配サブシステム302がオンラインに戻る状態になると、低圧ドラム318内の混合冷媒は、冷媒分配サブシステム302に戻すことができる。混合冷媒の組成は、恐らくは、蒸発した成分及び再充填ガスとの混合に起因して、排出プロセス中に変化することになる。従って、混合冷媒の様々な成分が混合冷媒に追加されて、適切な組成を取得し、オンラインで戻ったときに冷媒分配サブシステム302の適切且つ安全な動作を確保することができる。
【0053】
図3を簡潔に要約すると、天然ガス液化施設は、混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステム302と、低圧ドラム318を備える排出サブシステム310であって、低圧ドラム318内の圧力は、冷媒分配サブシステム302内の混合冷媒よりも低い、排出サブシステム310と、冷媒分配サブシステム302内の混合冷媒よりも高い圧力で再充填ガスを収容する再充填サブシステム330と、を備えることができ、複数の第1のバルブ312は、冷媒分配サブシステム302及び排出サブシステム310を分離し、複数の第2のバルブ332は、冷媒分配サブシステム302及び再充填サブシステム330を分離し、排出モードにおいて、(a)冷媒分配サブシステム302からの混合冷媒の少なくとも一部は、複数の第1のバルブ312の内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して低圧ドラム318に移送され、(b)再充填サブシステム330からの再充填ガスの少なくとも一部が、複数の第1のバルブ332の内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して冷媒分配サブシステム302に移送される。
【0054】
図3を参照すると、天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステム302の少なくとも部分的な運転停止中の運転方法は、冷媒分配サブシステム302の1又は2以上の構成要素内の混合冷媒の少なくとも一部を排出サブシステム310の低圧ドラム318に排出するステップであって、冷媒分配サブシステム302内の圧力は、低圧ドラム318内の圧力よりも高く、冷媒分配サブシステム302内の圧力は、冷媒分配サブシステム302を再充填ガスで再充填することによってより高い圧力に維持される、ステップを含むことができる。
【実施例
【0055】
実施例1は、天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの少なくとも部分的な運転停止中の運転方法であり、本方法は、冷媒分配サブシステムの1又は2以上の構成要素内の混合冷媒の少なくとも一部を排出サブシステムの高圧保持タンクに排出するステップであって、高圧保持タンクへの排出は、混合冷媒を冷媒分配サブシステムから高圧保持タンクに圧送すること又は冷媒分配サブシステムを再充填ガスで再充填することによって達成される、ステップと、任意選択的に、混合冷媒の少なくとも一部を高圧保持タンクから低圧ドラムに移送するステップと、を含む。
【0056】
実施例2:任意選択的に、実施例1は、高圧冷媒保持ドラム内の混合冷媒の一部を冷媒分配サブシステムに戻すステップを更に含むことができる。
【0057】
実施例3:任意選択的に、実施例1及び/又は実施例2は、低圧冷媒保持ドラム内の冷媒の一部を冷媒分配サブシステムに戻すステップを更に含むことができる。
【0058】
実施例4:任意選択的に、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒は、約2bara~約25baraの圧力及び約-175°C~約-25°Cの温度にあるように、実施例1~実施例3の内の1又は2以上を実行することができる。
【0059】
実施例5:任意選択的に、高圧保持タンク内の混合冷媒は、約5bara~約25baraの圧力及び約-175°C~約-100°Cの温度にあるように、実施例1~実施例4の内の1又は2以上を実行することができる。
【0060】
実施例6:任意選択的に、低圧ドラム内の混合冷媒は、大気圧~約2baraの圧力及び約-125°C~約-25°Cの温度にあるように、実施例1~実施例5の内の1又は2以上を実行することができる。
【0061】
実施例7:任意選択的に、高圧保持タンクへの排出は、(b)冷媒分配サブシステムを再充填ガスで再充填することによって達成され、冷媒分配サブシステムへの再充填前の再充填ガスの圧力は、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒の圧力よりも高く、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒の圧力は、高圧保持タンク内の混合冷媒の圧力よりも大きいように、実施例1~実施例6の内の1又は2以上を実行することができる。
【0062】
実施例8:任意選択的に、冷媒は、メタン、エタン、プロパン、ブタンガス、及び任意選択的に窒素を含む混合物であるように、実施例1~実施例7の内の1又は2以上を実行することができる。
【0063】
実施例9:任意選択的に、低圧冷媒保持ドラムは、凝縮器に結合された通気口を有するように、実施例1~実施例8の内の1又は2以上を実行することができる。
【0064】
実施例10は、天然ガス液化施設であって、混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステムと、ポンプ、高圧保持タンク、低圧ドラム、及び高圧保持タンクを低圧ドラムから分離するバルブを含む排出サブシステムと、を備え、複数のバルブは、冷媒分配サブシステム及び排出サブシステムを分離し、排出モードにおいて、ポンプは、混合冷媒の少なくとも一部を冷媒分配サブシステムから高圧保持タンクに移送し、必要に応じて、高圧保持タンクからの混合冷媒は、バルブを介して低圧ドラムに流入することができる。
【0065】
実施例11は、天然ガス液化施設であって、混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステムと、高圧保持タンク、低圧ドラム、及び高圧保持タンクを低圧ドラムから分離するバルブを含む排出サブシステムであって、高圧保持タンク内の圧力は、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒よりも低い、排出サブシステムと、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒よりも高い圧力で再充填ガスを収容する再充填サブシステムと、を備え、複数の第1のバルブは、冷媒分配サブシステム及び排出サブシステムを分離し、複数の第2のバルブは、冷媒分配サブシステム及び再充填サブシステムを分離し、排出モードにおいて、(a)冷媒分配サブシステムからの混合冷媒の少なくとも一部が、複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して高圧保持タンクに移送され、(b)再充填サブシステムからの再充填ガスの少なくとも一部が、複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して冷媒分配サブシステムに移送され、(c)必要に応じて、高圧保持タンクからの混合冷媒は、バルブを介して低圧ドラムに流入することができる。
【0066】
実施例12:任意選択的に、実施例10及び/又は実施例11は、高圧冷媒保持ドラム内の混合冷媒の一部を冷媒分配サブシステムに戻すサブシステムを更に備えることができる。
【0067】
実施例13:任意選択的に、実施例10~実施例12の内の1又は2以上は、低圧冷媒保持ドラム内の冷媒の一部を冷媒分配サブシステムに戻すサブシステムを更に備えることができる。
【0068】
実施例14:任意選択的に、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒は、約2bara~約25baraの圧力及び約-175°C~約-25°Cの温度にあるように、実施例10~実施例13の内の1又は2以上を構成することができる。
【0069】
実施例15:任意選択的に、高圧保持タンク内の混合冷媒は、約5bara~約25baraの圧力及び約-175°C~約-100°Cの温度にあるように、実施例10~実施例14の内の1又は2以上を構成することができる。
【0070】
実施例16:任意選択的に、低圧ドラム内の混合冷媒は、大気圧~約2baraの圧力及び約-125°C~約-25°Cの温度にあるように、実施例10~実施例15の内の1又は2以上を構成することができる。
【0071】
実施例17:任意選択的に、再充填サブシステム内の再充填ガスは、約5bara~約35bara及び約-175°C~約-100°Cの温度にあるように、実施例11~実施例16の内の1又は2以上を構成することができる。
【0072】
実施例18:任意選択的に、冷媒分配サブシステムへの再充填前の再充填ガスの圧力は、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒の圧力よりも高く、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒の圧力は、高圧保持タンク内の混合冷媒の圧力よりも大きいように、実施例11~実施例17の内の1又は2以上を構成することができる。
【0073】
実施例19:任意選択的に、冷媒は、メタン、エタン、プロパン、ブタンガス、及び任意選択的に窒素を含む混合物であるように、実施例10~実施例18の内の1又は2以上を構成することができる。
【0074】
実施例20:任意選択的に、低圧冷媒保持ドラムは、凝縮器に結合された通気口を有するように、実施例10~実施例19の内の1又は2以上を構成することができる。
【0075】
実施例21は、天然ガス液化施設における冷媒分配サブシステムの少なくとも部分的な運転停止中の運転方法であって、冷媒分配サブシステムの1又は2以上の構成要素内の混合冷媒の少なくとも一部を排出サブシステムの低圧ドラムに排出するステップと、冷媒分配サブシステムを再充填サブシステムからの再充填ガスで再充填するステップとを含み、冷媒分配サブシステム内の圧力は、低圧ドラム内の圧力よりも高く、冷媒分配サブシステム内の圧力は、再充填サブシステム内の再充填ガスの圧力よりも低い。
【0076】
実施例22:任意選択的に、実施例21は、高圧冷媒保持ドラム内の混合冷媒の一部を冷媒分配サブシステムに戻すステップを更に含むことができる。
【0077】
実施例23:任意選択的に、実施例21及び/又は実施例22は、低圧冷媒保持ドラム内の冷媒の一部を冷媒分配サブシステムに戻すステップを更に含むことができる。
【0078】
実施例24:任意選択的に、再充填サブシステム内の再充填ガスの圧力は、約5bara~約35bara及び約-175°C~約-100°Cの温度にあるように、実施例21~実施例23の内の1又は2以上を実行することができる。
【0079】
例示的な25:任意選択的に、冷媒分配サブシステム内の圧力は、約2bara~約25bara及び約-175°C~約-25°Cの温度にあるように、実施例21~実施例24の内の1又は2以上を実行することができる。
【0080】
実施例26:任意選択的に、低圧ドラム内の圧力は、大気圧~約2bara及び約-125°C~約-25°Cの温度にあるように、実施例21~実施例25の内の1又は2以上を実行することができる。
【0081】
実施例27:任意選択的に、低圧冷媒保持ドラムは、凝縮器に結合された通気口を有するように、実施例21~実施例26の内の1又は2以上を実行することができる。
【0082】
実施例28は、天然ガス液化施設であって、混合冷媒を収容する冷媒分配サブシステムと、低圧ドラムを備える排出サブシステムであって、低圧ドラム内の圧力は、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒よりも低い、排出サブシステムと、冷媒分配サブシステム内の混合冷媒よりも高い圧力で再充填ガスを収容する再充填サブシステムと、を備え、複数の第1のバルブは、冷媒分配サブシステム及び排出サブシステムを分離し、複数の第2のバルブは、冷媒分配サブシステム及び再充填サブシステムを分離し、排出モードにおいて、(a)冷媒分配サブシステムからの混合冷媒の少なくとも一部が、複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して低圧ドラム318に移送され、(b)再充填サブシステムからの再充填ガスの少なくとも一部が、複数の第1のバルブの内の少なくとも1つにわたる圧力低下を介して冷媒分配サブシステムに移送される。
【0083】
実施例29:任意選択的に、実施例28は、高圧冷媒保持ドラム内の混合冷媒の一部を冷媒分配サブシステムに戻すサブシステムを更に備えることができる。
【0084】
実施例30:任意選択的に、実施例28及び/又は実施例29は、低圧冷媒保持ドラム内の冷媒の一部を冷媒分配サブシステムに戻すサブシステムを更に備えることができる。
【0085】
実施例31:任意選択的に、再充填サブシステム内の再充填ガスの圧力は、約5bara~約35bara及び約-175°C~約-100°Cの温度にあるように、実施例28~実施例30の内の1又は2以上を構成することができる。
【0086】
実施例32:任意選択的に、冷媒分配サブシステム内の圧力は、約2bara~約25bara及び約-175°C~約-25°Cの温度にあるように、実施例28~実施例31の内の1又は2以上を構成することができる。
【0087】
実施例33:任意選択的に、低圧ドラム内の圧力は、大気圧~約2bara及び約-125°C~約-25°Cの温度にあるように、実施例28~実施例32の内の1又は2以上を構成することができる。
【0088】
実施例34:任意選択的に、低圧冷媒保持ドラムは、凝縮器に結合された通気口を有するように、実施例28~実施例33の内の1又は2以上を構成することができる。
【0089】
特に明記しない限り、本明細書及び関連する特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量、反応条件などの特性を表す全ての数字は、全ての事例において用語「約」によって修正されると理解されるべきである。従って、そうではないと示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明の実施形態によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効桁数に照らして、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0090】
本明細書に開示される本発明の実施形態を組み込んだ1又は2以上の例示的な実施形態が本明細書に提示される。明確にするために、物理的実装の全ての機能が本出願において記載され又は図示されているとは限らない。本発明の実施形態を組み込んだ物理的実施形態の開発において、多くの実装時固有の決定は、システム関連、ビジネス関連、政府関連、及び他の制約への準拠など、実装毎に且つ適宜異なる開発者の目標を実現するために行う必要があることは理解される。開発者の努力は時間がかかる場合があるが、それでも尚、このような努力は、本開示の利益を有する当業者にとって日常的な業務であろう。
【0091】
構成及び方法は、本明細書では種々の構成要素又はステップを「含む」という観点から記載されているが、構成及び方法はまた、種々の構成要素及びステップから「本質的に成る」又は「から成る」ことができる。
【0092】
従って、本発明は、上述の目的及び利点並びに本明細書で内在されるものを実現するように良好に適応される。上記で開示された特定の実施形態は、単に例証に過ぎないので、本発明は、本明細書の教示の利益を有する当業者には明らかな異なる同等の手法で修正及び実施することができる。更に、以下の請求項で説明する以外に、本明細書に示す構造又は設計の詳細事項に限定されるものではない。従って、上記で開示された特定の例示の実施形態は、変更、組み合わせ、又は修正することができ、全てのこのような変形形態は、本発明の範囲及び精神内にあるものとみなされる点は明らかである。好適には、本明細書で例示的に開示される本発明は、本明細書で具体的に開示されないあらゆる要素及び/又は本明細書で開示されるあらゆる任意の要素がない限り、実施することができる。構成及び方法は、本明細書では種々の構成要素又はステップを「含む」という観点から記載されているが、構成及び方法はまた、種々の構成要素及びステップから「本質的に成る」又は「から成る」ことができる。上記で開示された全ての数及び範囲は、ある量までは異なる可能性がある。下限及び上限を有する数値範囲が開示されるときは常に、この範囲内に含まれるあらゆる数及びあらゆる包含範囲は、具体的に開示される。詳細には、本明細書で開示される(「約aから約bまで」、又は同等に「ほぼaからbまで」、或いは同等に「ほぼa~b」の形態の)値の全ての範囲は、値のより広い範囲内に包含される全ての数及び範囲を記載していることを理解されたい。また、特許請求の範囲における用語は、特許権所有者によって明示的に明確に定義されない限り、これらの明白な通常の意味を有する。更に、特許請求の範囲で用使用される不定冠詞「a」又は「an」は、本明細書では、導入する要素の1又は2以上を意味するものと定義される。
【符号の説明】
【0093】
100 天然ガス液化施設の一部
102 冷媒分配サブシステム
104 分離器又はドラム
106 液化熱交換器
108 分配ライン
110 排出サブシステム
112 バルブ
114 ポンプ
116 高圧保持タンク
118 低圧ドラム
120 バルブ
122 凝縮器/フレアサブシステム
124 通気ライン
128 凝縮器
図1
図2
図3