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特許7100773表示システム、表示方法、およびコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-05
(45)【発行日】2022-07-13
(54)【発明の名称】表示システム、表示方法、およびコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20220706BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
G06F3/01
G06F3/00 A
G06F3/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021560826
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(86)【国際出願番号】 JP2019046397
(87)【国際公開番号】W WO2021106108
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391010116
【氏名又は名称】EIZO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】藪井 智彦
(72)【発明者】
【氏名】北山 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 清之
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0250759(US,A1)
【文献】特開2014-056430(JP,A)
【文献】特開2016-085690(JP,A)
【文献】特開2005-182497(JP,A)
【文献】特開2017-016299(JP,A)
【文献】特開平6-052322(JP,A)
【文献】特開平5-173515(JP,A)
【文献】特開平11-265333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示装置と第2表示装置を備える表示システムであって、
前記第1表示装置は、第1表示部と第1制御部と第1入力装置とを備え、
前記第2表示装置は、第2表示部と第2制御部と第2入力装置とを備え、
前記第1表示部は、少なくとも1つの第1コンピューターから出力された第1画像を表示し、
前記第2表示部は、少なくとも1つの第2コンピューターから出力された第2画像を表示し、
前記第1制御部は、前記第1および第2コンピューターを操作する前記第1入力装置から出力される第1情報の入力を受け付け、
前記第2制御部は、前記第2コンピューターを操作する前記第2入力装置から出力される第2情報の入力を受け付け、
前記第2制御部は、さらに、当該第2制御部が受け付けた前記第2情報を、前記第1制御部へ送信し、
前記第1入力装置から前記第1情報が出力された場合、前記第1情報に基づく前記第1または第2コンピューターが前記表示システムの操作対象となる一方、前記第2入力装置から前記第2情報が出力された場合、前記第2情報に基づく前記第2コンピューターが前記表示システムの操作対象となるように構成されている、表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムであって、
前記第1情報は、前記第1および第2表示部における位置を指定する情報であり、
前記第2情報は、第2表示部における位置を指定する情報である、表示システム。
【請求項3】
請求項1に記載の表示システムであって、
前記第1情報は、キーデータであり、
前記第2情報は、第2表示部における位置を指定する情報である、表示システム。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の表示システムであって、
前記第2制御部は、前記第2表示部に対するタッチ操作により前記第2情報の入力を受け付ける、表示システム。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の表示システムであって、
前記第1表示装置および前記第2表示装置の少なくとも一方は、複数のコンピューターと接続されており、
複数のコンピューターと接続された表示装置が備える表示部は、当該接続された複数のコンピューターの出力する画像に対応して複数の領域に分割された分割表示を行い、
前記複数の領域のうち、入力操作の対象となっている領域に対応するコンピューターを、操作可能に構成されている、表示システム。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の表示システムであって、
前記第2表示装置は、複数の前記第2コンピューターと接続されており、
前記第2表示部は、前記第2コンピューターの出力する画像に対応して複数の領域に分割された分割表示を行い、
前記第2制御部は、前記複数の領域の配置に関する情報を、前記第1制御部に送信する、表示システム。
【請求項7】
表示システムの制御方法であって、
前記表示システムは、第1表示装置と第2表示装置を備え、
前記第1表示装置は、第1表示部と第1制御部と第1入力装置とを備え、
前記第2表示装置は、第2表示部と第2制御部と第2入力装置とを備え、
前記制御方法は、
前記第1表示部に、少なくとも1つの第1コンピューターから出力された第1画像を表示させるステップと、
前記第2表示部に、少なくとも1つの第2コンピューターから出力された第2画像を表示させるステップと、
前記第1制御部に、前記第1および第2コンピューターを操作する前記第1入力装置から出力される第1情報の入力を受け付けさせるステップと、
前記第2制御部に、前記第2コンピューターを操作する前記第2入力装置から出力される第2情報の入力を受け付けさせるステップと、
前記第2制御部に、当該第2制御部が受け付けた前記第2情報を、前記第1制御部へ送信させるステップとを含み、
前記表示システムは、前記第1入力装置から前記第1情報が出力された場合、前記第1情報に基づく前記第1または第2コンピューターが前記表示システムの操作対象となる一方、前記第2入力装置から前記第2情報が出力された場合、前記第2情報に基づく前記第2コンピューターが前記表示システムの操作対象となるように構成されている、制御方法。
【請求項8】
表示システムを機能させるコンピュータープログラムであって、
前記表示システムは、第1表示装置と第2表示装置を備え、
前記第1表示装置は、第1表示部と第1制御部と第1入力装置とを備え、
前記第2表示装置は、第2表示部と第2制御部と第2入力装置とを備え、
前記コンピュータープログラムは、
前記第1表示部に、少なくとも1つの第1コンピューターから出力された第1画像を表示させ、
前記第2表示部に、少なくとも1つの第2コンピューターから出力された第2画像を表示させ、
前記第1制御部に、前記第1および第2コンピューターを操作する前記第1入力装置から出力される第1情報の入力を受け付けさせ、
前記第2制御部に、前記第2コンピューターを操作する前記第2入力装置から出力される第2情報の入力を受け付けさせ、
前記第2制御部に、当該第2制御部が受け付けた前記第2情報を、前記第1制御部へ送信させ
前記表示システムは、前記第1入力装置から前記第1情報が出力された場合、前記第1情報に基づく前記第1または第2コンピューターが前記表示システムの操作対象となる一方、前記第2入力装置から前記第2情報が出力された場合、前記第2情報に基づく前記第2コンピューターが前記表示システムの操作対象となるように構成されている、 コンピュータープログラム。
【請求項9】
表示部と制御部と入力装置とを備える表示装置であって、
前記表示部は、少なくとも1つの第1コンピューターから出力された画像を表示し、
前記制御部は、
少なくとも1つの第2コンピューターから出力された第2画像を表示する第2表示部と、前記第2コンピューターを操作する 第2入力装置とを備える第2表示装置と通信可能に構成され、
前記第1および第2コンピューターを操作する前記入力装置から出力される第1情報の入力を受け付け、
前記第2表示装置から、前記第2入力装置から出力される第2情報を受信し、
前記入力装置から前記第1情報が出力された場合、前記第1情報に基づく前記第1または第2コンピューターが操作対象となる一方、前記第2入力装置から前記第2情報が出力された場合、前記第2情報に基づく前記第2コンピューターが操作対象となるように構成されている、 表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示方法、およびコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のコンピューター、表示装置、および入力装置と接続され、入力装置からの入力に応じて操作するコンピューターを切り替える複数のKVM(K:キーボード、V:ビデオ、M:マウス)スイッチをカスケード接続させたKVMスイッチが開示されている(例えば、特許文献1)。当該文献において、一方のKVMスイッチのみに入力装置(マウス及びキーボード)が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-85690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、複数の表示装置がそれぞれ入力装置及びコンピューター切替機構を備え、複数の表示装置がカスケード接続される場合において、一方の入力装置からの入力と他方の入力装置からの入力とをスムーズに切り替えたいというニーズがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、複数の表示装置がそれぞれ入力装置を備える場合において、異なる入力装置からの入力をスムーズに切り替える表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1表示装置と第2表示装置を備える表示システムであって、前記第1表示装置は、第1表示部と第1制御部と第1入力装置とを備え、前記第2表示装置は、第2表示部と第2制御部と第2入力装置とを備え、前記第1表示部は、少なくとも1つの第1コンピューターから出力された第1画像を表示し、前記第2表示部は、少なくとも1つの第2コンピューターから出力された第2画像を表示し、前記第1制御部は、前記第1および第2コンピューターを操作する前記第1入力装置から出力される第1情報の入力を受け付け、前記第2制御部は、前記第2コンピューターを操作する前記第2入力装置から出力される第2情報の入力を受け付け、前記第2制御部は、さらに、当該第2制御部が受け付けた前記第2情報を、前記第1制御部へ送信する、表示システムが提供される。
【0007】
このような構成とすることにより、第2制御部が受け付けた第2情報が、第1制御部へ送信されることとなり、第1制御部は、最新の第2情報を把握することが可能となる。その結果、第1表示装置から受け付ける入力と第2表示装置から受け付ける入力とをスムーズに切り替えることが可能となる。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴が独立に発明を構成する。
【0009】
好ましくは、前記第1情報は、前記第1および第2表示部における位置を指定する情報であり、前記第2情報は、第2表示部における位置を指定する情報である。
好ましくは、前記第1情報は、キーデータであり、前記第2情報は、第2表示部における位置を指定する情報である。
好ましくは、前記第2制御部は、前記第2表示部に対するタッチ操作により前記第2情報の入力を受け付ける。
好ましくは、前記第1表示装置および前記第2表示装置の少なくとも一方は、複数のコンピューターと接続されており、複数のコンピューターと接続された表示装置が備える表示部は、当該接続された複数のコンピューターの出力する画像に対応して複数の領域に分割された分割表示を行い、前記複数の領域のうち、入力操作の対象となっている領域に対応するコンピューターを、操作可能に構成されている。
好ましくは、前記第2表示装置は、複数の前記第2コンピューターと接続されており、前記第2表示部は、前記第2コンピューターの出力する画像に対応して複数の領域に分割された分割表示を行い、前記第2制御部は、前記複数の領域の配置に関する情報を、前記第1制御部に送信する。
本発明の他の態様によれば、表示システムの制御方法であって、前記表示システムは、第1表示装置と第2表示装置を備え、前記第1表示装置は、第1表示部と第1制御部と第1入力装置とを備え、前記第2表示装置は、第2表示部と第2制御部と第2入力装置とを備え、前記制御方法は、前記第1表示部に、少なくとも1つの第1コンピューターから出力された第1画像を表示させるステップと、前記第2表示部に、少なくとも1つの第2コンピューターから出力された第2画像を表示させるステップと、前記第1制御部に、前記第1および第2コンピューターを操作する前記第1入力装置から出力される第1情報の入力を受け付けさせるステップと、前記第2制御部に、前記第2コンピューターを操作する前記第2入力装置から出力される第2情報の入力を受け付けさせるステップと、前記第2制御部に、当該第2制御部が受け付けた前記第2情報を、前記第1制御部へ送信させるステップとを含む、制御方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、表示システムを機能させるコンピュータープログラムであって、前記表示システムは、第1表示装置と第2表示装置を備え、前記第1表示装置は、第1表示部と第1制御部と第1入力装置とを備え、前記第2表示装置は、第2表示部と第2制御部と第2入力装置とを備え、前記コンピュータープログラムは、前記第1表示部に、少なくとも1つの第1コンピューターから出力された第1画像を表示させ、前記第2表示部に、少なくとも1つの第2コンピューターから出力された第2画像を表示させ、前記第1制御部に、前記第1および第2コンピューターを操作する前記第1入力装置から出力される第1情報の入力を受け付けさせ、前記第2制御部に、前記第2コンピューターを操作する前記第2入力装置から出力される第2情報の入力を受け付けさせ、前記第2制御部に、当該第2制御部が受け付けた前記第2情報を、前記第1制御部へ送信させる、コンピュータープログラムが提供される。
本発明の他の態様によれば、表示部と制御部と入力装置とを備える表示装置であって、前記表示部は、少なくとも1つのコンピューターから出力された画像を表示し、前記制御部は、第2表示部と第2入力装置とを備える第2表示装置と通信可能に構成され、前記コンピューターを操作する前記入力装置から出力される第1情報の入力を受け付け前記第2表示装置から、前記第2入力装置から出力される第2情報を受信する、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】表示システム1のハードウェア構成を示す図である。
図2】表示システム1の機能構成を示すブロック図である。
図3】第1主制御部13における第1表示部16および第2表示部26の座標の管理方法を説明する図である。
図4】第1表示装置10の一部の領域に対して、操作機器2を用いて操作した場合の表示システム1の動作を説明する図である。
図5】第1表示装置10の一部の領域に対して、第1表示部16のタッチパネルを操作した場合の表示システム1の動作を説明する図である。
図6】第2表示装置20の一部の領域に対して、操作機器2を用いて操作した場合の表示システム1の動作を説明する図である。
図7】第2表示装置20の一部の領域に対して、第2表示部26のタッチパネルを操作した場合の表示システム1の動作を説明する図である。
図8】複数の表示装置をカスケード接続した場合における表示システム1のハードウェア構成を示す図である。
図9】複数の表示装置を並列接続した場合における表示システム1のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1.表示システム1のハードウェア構成>
図1を参照し、表示システム1のハードウェア構成を説明する。図1に示すように、表示システム1は、第1表示装置10と第2表示装置20と、コンピューターとしての複数のPC(Personal Computer)3a~3hを備える。第1表示装置10と第2表示装置20は、制御信号ケーブル5によって互いに接続され、通信可能に構成されている。
【0012】
第1表示装置10および第2表示装置20は、複数のPC3a~3hと画像信号ケーブル4および制御信号ケーブル5で接続されている。具体的には、第1表示装置10は第1コンピューターとしてのPC3a~3dと接続され、第2表示装置20は第2コンピューターとしてのPC3e~3hと接続されている。なお、画像信号ケーブル4と制御信号ケーブル5は1本のケーブルにまとめてもよい。
【0013】
第1表示装置10が備える第1表示部16は、複数の領域D1~D4に分割可能に構成されている。PC3a~3dから出力される画像は、第1表示部16の領域D1~D4に第1画像として表示される。また、第2表示装置20が備える第2表示部26は複数の領域D5~D8に分割可能に構成されている。PC3e~3hから出力される画像は、第2表示部26の領域D5~D8に第2画像として表示される。なお、本実施形態において画像とは、静止画または動画を意味する。
【0014】
第1表示装置10には、第1および第2コンピューターを操作する操作機器2が接続されている。例えば、操作機器2はポインティング装置またはキーデータ出力装置である。より具体的には、ポインティング装置は、マウスであり、キーデータ出力装置は、ハードウェアまたはソフトウェアキーボードである。本実施形態では、第1表示装置10には、操作機器2としてのキーボード2aおよびマウス2bが接続されている。ユーザーは、キーボード2aによるタイプ操作、およびマウス2bによるカーソル操作を行うことにより、第1表示装置10に接続されたPC3a~3dおよび第2表示装置20に接続されたPC3e~3hを操作することができる。
【0015】
第1表示装置10が備える第1表示部16および第2表示装置20が備える第2表示部26は、タッチパネルディスプレイとしての機能を有している。ユーザーは、第1表示部16をタッチすることにより、第1表示装置10に接続されたPC3a~3dを操作することができる。また、第2表示部26をタッチすることにより、第2表示装置20に接続されたPC3e~3hを操作することができる。
【0016】
<2.表示システム1の機能構成>
(2.1.第1表示装置10)
図2を参照し、表示システム1の機能構成を説明する。図2に示すように、第1表示装置10は、第1制御部11と、第1表示部16を備える。第1制御部11は、入力受付部12と、第1主制御部13と、タッチパネル制御部14と、通信部15を含む。
【0017】
入力受付部12は、第1入力装置としての操作機器2およびタッチパネル制御部14から出力される第1情報の入力を受け付ける。第1主制御部13は、不図示の記憶部に記憶されたプログラムを読み出して種々の演算処理を実行するものであり、例えば、CPU等により構成される。第1主制御部13は、入力受付部12から受信した入力情報がマウス2bによる第1表示部16または第2表示部26におけるカーソルの移動情報の場合、移動量に基づいて第1表示部16上または第2表示部26上のカーソルを移動させる。
【0018】
ユーザーは、第1表示部16上でマウス2bによるカーソル操作を行うことにより、第1情報として、第1表示部16における位置を指定する情報である移動量を入力受付部12へ入力することができる。また、第2表示部26上でマウス2bによるカーソル操作を行うことにより、第1情報として、第2表示部26における位置を指定する情報である移動量を入力受付部12へ入力することができる。
【0019】
タッチパネル制御部14は、例えば、導電層を備えた電極膜によって構成され、第1表示部16に対するユーザーのタッチ操作を検知し、第1表示部16における位置を指定する情報である座標情報を、第1情報として入力受付部12へ伝達する。通信部15は、第1表示装置10とPC3a~3dとの間で種々の信号の通信を行う。
【0020】
第1表示部16は、入力された画像データを画像として表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、電子ペーパーその他のディスプレイで構成される。
【0021】
(2.2.第2表示装置20)
第2表示装置20は、第2制御部21と、第2表示部26を備える。第2制御部21は、入力受付部22と、第2主制御部23と、第2入力装置としてのタッチパネル制御部24と、通信部25を含む。第2表示装置20の構成は、入力受付部22がタッチパネル制御部24から出力される第2表示部26における位置を指定する情報である第2情報の入力を受け付けることを除いて、第1表示装置10の構成と同じであるため、説明は繰り返さない。第2表示部26における位置を指定する情報は、例えば、第2表示部26における座標情報である。
【0022】
さらに、第1表示装置10の第1主制御部13と、第2表示装置20の第2主制御部23とは、制御信号ケーブル5により双方向に通信可能に構成されている。例えば、USB(Universal Serial Bus)通信、RS232(Recommended Standard 232)通信、またはUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信等によって通信可能に構成されている。
【0023】
具体的には、第1主制御部13は、キーボード2aからの入力情報、マウス2bからの入力情報、および第2表示装置20へ接続されるPC3e~3hに関する情報を第2主制御部23へ送信する。一方、第2主制御部23は、第2表示部26における複数の領域の配置に関する情報、および第2表示部26に対するタッチ操作に関する情報を第1主制御部13へ送信する。第2表示部26における複数の領域の配置に関する情報は、例えば、複数の領域のレイアウト情報である。具体的には、第2表示部26における複数の領域D5~D8の位置を示す情報である。第2表示部26に対するタッチ操作に関する情報の送信については、詳細を後述する。
【0024】
上記の各構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、CPUがプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。プログラムは、内蔵の記憶部に格納してもよく、コンピューターが読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶部に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。ハードウェアによって実現する場合、ASIC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。
【0025】
(2.3.第1表示部16および第2表示部26における位置情報の管理)
第1主制御部13は、第1表示部16および第2表示部26における位置を指定する情報を、座標情報に変換して、一元的に管理している。具体的には、図3に示すように、第1表示部16および第2表示部26を並べた形で座標系を設定する。図3は第1表示部16および第2表示部26を上下に並べた例であるが、左右に並べてもよい。
【0026】
第1主制御部13は、マウス2bによって操作されるカーソルの位置およびキーボードの入力対象を一元的に管理する。これにより、カーソルによる第1表示部16及び第2表示部の間の行き来およびキーボードの入力対象の管理が容易になる。一方、それぞれのタッチパネルディスプレイに対するそれぞれのタッチ位置の情報は、それぞれの主制御部により管理される。
【0027】
<3.表示システム1の動作>
図4図7を参照し、本実施形態における表示システム1の動作を説明する。なお、図4図7では、第1表示部16または第2表示部26において、各種操作(すなわち、キーボード2aによるタイプ操作、マウス2bによるカーソル操作またはタッチパネルによるタッチ操作)の対象となっている領域を斜線で示している。
【0028】
図4に示すように、第1表示装置10の領域D1に対して操作機器2を用いて操作をした場合、入力操作の対象となっている領域D1に対応するPC3aが操作対象となる。このとき、操作機器2からの入力内容は、矢印Y11~Y14の順に入力受付部12、第1主制御部13、通信部15と伝達され、領域D1に対応するPC3aに送信される。
【0029】
例えば、操作機器2としてキーボード2aを操作した場合、操作機器2から入力受付部12に対してキーデータが伝達される(矢印Y11)。また、第1主制御部13からPC3aに対してもキーデータが伝達される(矢印Y13、Y14)。
【0030】
また、操作機器2としてマウス2bを操作した場合、操作機器2から入力受付部12に対して移動量が伝達される(矢印Y11)。また、第1主制御部13からPC3aに対しては、当該移動量に基づいて算出されたカーソルの位置を示す座標情報が伝達される(矢印Y13、Y14)。一例として、領域D1上のカーソルを領域D2へ移動させると、操作対象のPCがPC3aからPC3bに切り替わる。また、ユーザーが領域D2上のカーソルを領域D5へ移動させると、操作対象のPCがPC3bからPC3eに切り替わる。
【0031】
図5に示すように、第1表示装置10の領域D1に対して第1表示部16のタッチパネルを操作した場合、入力操作の対象となっている領域D1に対応するPC3aが操作対象となる。このとき、第1表示部16からの入力内容は、矢印Y21~Y25の順にタッチパネル制御部14、入力受付部12、第1主制御部13、通信部15と伝達され、領域D1に対応するPC3aに送信される。
【0032】
図6に示すように、第2表示装置20の領域D5に対して操作機器2を用いて操作をした場合、入力操作の対象となっている領域D5に対応するPC3eが操作対象となる。このとき、操作機器2からの入力内容は、矢印Y31~Y35の順に入力受付部12、第1主制御部13、第2主制御部23、通信部25と伝達され、領域D5に対応するPC3eに送信される。
【0033】
図7に示すように、第2表示装置20の領域D5に対して第2表示部26のタッチパネルを操作した場合、入力操作の対象となっている領域D5に対応するPC3eが操作対象となる。このとき、第2表示部26からの入力内容は、矢印Y41~Y45の順にタッチパネル制御部24、入力受付部22、第2主制御部23、通信部25と伝達され、領域D5に対応するPC3eに送信される。
【0034】
ここで、第2主制御部23は、さらに、入力受付部22が受け付けた第2情報を、第1主制御部13へ送信する(矢印Y46)。このようにすることにより、第1主制御部13は現在操作中の領域D5におけるタッチ位置(第2情報に相当)をリアルタイムで把握することが可能となる。
【0035】
そのため、第2表示装置20の領域D5に対してタッチ操作をしている最中に入力装置のマウス2bを操作した場合に、直近のタッチ位置をカーソル位置が示すように表示させることができる。また、第2表示装置20の領域D5に対してタッチ操作をしている最中に入力装置のキーボード2aを操作した場合に、直近のタッチ位置に対応する領域においてキーボード2aでの操作が有効となる。これにより、異なる入力装置からの入力をスムーズに切り替えることが可能となる。
【0036】
以上のように、表示システム1は、第1表示装置10と第2表示装置20を備える。第1表示装置10は、第1表示部16と第1制御部11と操作機器2およびタッチパネル制御部14を含む第1入力装置とを備える。第1表示部16は、複数のPC3a~3dから出力された第1画像を表示する。第1制御部11は、複数のPC3a~3hを操作する第1入力装置から出力される第1情報の入力を受け付ける。
【0037】
第2表示装置20は、第2表示部26と第2制御部21とタッチパネル制御部24を含む第2入力装置とを備える。第2表示部26は、複数のPC3e~3hから出力された第2画像を表示する。第2制御部21は、複数のPC3e~3hを操作する第2入力装置から出力される第2情報の入力を受け付ける。第2制御部21は、さらに、第2制御部21が受け付けた第2情報を、第1制御部11へ送信する。
【0038】
このような構成とすることにより、複数の表示装置がそれぞれ入力装置を備える場合において、異なる入力装置からの入力をスムーズに切り替えることが可能となる。
【0039】
<4.他の実施形態>
【0040】
本願の技術的思想の適用範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、第1表示装置10および第2表示装置20に複数のPCが接続されているが、この例に限定されることはなく、1つのPCのみが第1表示装置10および第2表示装置20のそれぞれに接続されている形態であってもよい。
【0041】
また、表示システム1は、3つ以上の表示装置を備えていてもよい。この場合、図8に示すように、複数の表示装置がカスケード接続されていてもよいし、図9に示すように、操作機器2を備える第1表示装置10に対して複数の表示装置が並列に接続されていてもよい。
【0042】
また、第1表示装置10は、操作機器2として、キーボード2aのみを備える形態であってもよい。この場合、キーボード2aからは通常のキーデータを入力可能であるとともに、予め定められたショートカットキーの操作を行うことにより、操作対象とするPCを切り替え可能に構成することができる。このような構成とすることにより、マウス2bを備えない形態についても、第1および第2表示部における位置を指定する情報を第1入力装置から入力することができ、本願の技術的思想を適用することが可能である。
【0043】
また、第1表示装置10は、タッチパネル制御部14を備えておらず、操作機器2のみを第1入力装置として備える構成としてもよい。
【0044】
また、第2表示装置20は、タッチパネル制御部14を備えておらず、カメラなどの撮像装置を利用した認識装置(例えば視線認識装置)、または音声入力装置などを第2入力装置として備える構成としてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、第1表示装置のみに操作機器2が接続されていたが、この形態に限定されることはなく、第2表示装置に操作機器2が接続されていてもよい。
【0046】
さらに、本発明は、上述のプログラムを格納する、コンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
【0047】
本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0048】
1:表示システム、2:操作機器(第1入力装置)、2a:キーボード、2b:マウス、4:画像信号ケーブル、5:制御信号ケーブル、10:第1表示装置、11:第1制御部、12:入力受付部、13:第1主制御部、14:タッチパネル制御部(第1入力装置)、15:通信部、16:第1表示部、20:第2表示装置、21:第2制御部、22:入力受付部、23:第2主制御部、24:タッチパネル制御部(第2入力装置)、25:通信部、26:第2表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9