IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤマトプロテック株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社立売堀製作所の特許一覧

<>
  • 特許-流水検知装置 図1
  • 特許-流水検知装置 図2
  • 特許-流水検知装置 図3
  • 特許-流水検知装置 図4
  • 特許-流水検知装置 図5
  • 特許-流水検知装置 図6
  • 特許-流水検知装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】流水検知装置
(51)【国際特許分類】
   A62C 35/68 20060101AFI20220707BHJP
   F16K 27/02 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
A62C35/68
F16K27/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017093919
(22)【出願日】2017-05-10
(65)【公開番号】P2018187222
(43)【公開日】2018-11-29
【審査請求日】2020-02-13
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000114905
【氏名又は名称】ヤマトプロテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000155838
【氏名又は名称】株式会社立売堀製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】特許業務法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】堀 健志
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 辰基
(72)【発明者】
【氏名】趙 明修
(72)【発明者】
【氏名】阿部 章
【合議体】
【審判長】水野 治彦
【審判官】佐々木 正章
【審判官】鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0385976(KR,Y1)
【文献】実開昭60-102482(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 35/68
F16K 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火設備の配管に取り付けられて、流体の流路及び当該流路を回動自在に閉塞する弁体を有する本体と、
筐体に収納され、前記弁体の回動に応じて信号を出力するスイッチと、を具備し、
前記筐体は、
前記本体に対向する第1側壁、前記第1側壁の下方から前記本体から遠ざかる方向に延びる底面、並びに、前記第1側壁及び前記底面から連続する後壁を含むベースと、
前記ベースに着脱自在に装着され、前記ベースによって形成された空間を覆うカバーと、
前記カバーに設けられ、前記ベースに装着された前記カバーが前記後壁から遠ざかる方向に移動することを規制する第1規制部と、
前記カバーに設けられ、前記ベースに装着された前記カバーが前記第1側壁から遠ざかる方向に移動することを規制する第2規制部と、
を含み、
前記カバーは、前記第1側壁に対向する第2側壁、前記後壁に対向する前壁、及び、前記底面に対向する天面、を含み、
前記第1規制部は、前記カバーが前記ベースに装着された状態において、前記後壁の外面に対向する第1突起、及び、前記後壁の内面に対向する第2突起を有し、
前記第1突起は、前記天面から前記後壁の外面に沿って延び、
前記第2突起は、前記第2側壁から前記後壁の内面に沿って延びており、
前記第2規制部は、前記カバーが前記ベースに装着された状態において前記第1側壁の外面と対向する第3突起であり、
前記第3突起は、前記天面及び前記前壁のうち少なくとも一方から前記第1側壁の外面に沿って延びており、
を特徴とする流水検知装置。
【請求項2】
前記前壁は、前記ベースに装着された前記カバーが前記底面から遠ざかる方向に移動することを規制する単一の第3規制部を更に有すること、
を特徴とする請求項1に記載の流水検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火設備の配管に取り付けられる流水検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流水検知装置は、流路及びその流路を回動自在に閉塞する弁体を有する本体と、弁体の回動を検知して信号を出力するスイッチと、を有している。かかる流水検知装置では、通常、弁体が流路に嵌装された弁座に載置され、流路が閉じられた状態にある。そして、スプリンクラーヘッドの開放に伴って二次側の圧力が低下すると、弁体が回動して一次側から二次側へ流水が生じる。
【0003】
上述したスイッチを構成する複数の構成部材をスイッチボックス(筐体)に収納することが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-114174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、流水検知装置では、スイッチの取付けや点検の際に、スイッチボックスの蓋を取り外したり取り付けたりする作業が発生する。
【0006】
しかし、特許文献1では、スイッチボックスの開閉作業を簡易に行うことは配慮されていない。そのため、スイッチの据付けや点検のために時間や手間が掛かる。したがって、例えば集合住宅に戸別に設置される流水検知装置の施工や点検に要する時間や労力は多大なものとなる。
【0007】
そこで、本発明は、スイッチを収納する筐体の開閉作業を簡便に行うことができる流水検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決すべく、本発明は、消火設備の配管に取り付けられて、流体の流路及び当該流路を回動自在に閉塞する弁体を有する本体と、筐体に収納され、前記弁体の回動に応じて信号を出力するスイッチと、を具備し、前記筐体は、前記本体に対向する第1側壁、前記第1側壁の下方から前記本体から遠ざかる方向に延びる底面、並びに、前記第1側壁及び前記底面から連続する後壁を含むベースと、前記ベースに着脱自在に装着され、前記ベースによって形成された空間を覆うカバーと、前記カバーに設けられ、前記ベースに装着された前記カバーが前記後壁から遠ざかる方向に移動することを規制する第1規制部と、前記カバーに設けられ、前記ベースに装着された前記カバーが前記第1側壁から遠ざかる方向に移動することを規制する第2規制部と、を含むことを特徴とする流水検知装置を提供する。
【0009】
上記のような構成を有する本発明の流水検知装置では、前記カバーが、前記第1側壁に対向する第2側壁、前記後壁に対向する前壁、及び、前記底面に対向する天面、を含み、前記第1規制部が、前記カバーが前記ベースに装着された状態において、前記後壁の外面に対向する第1突起、及び、前記後壁の内面に対向する第2突起を有すること、が好ましい。
【0010】
また、上記のような構成を有する本発明の流水検知装置では、前記第1突起が、前記天面から前記後壁の外面に沿って延び、前記第2突起が、前記第2側壁から前記後壁の内面に沿って延びること、が好ましい。
【0011】
また、上記のような構成を有する本発明の流水検知装置では、前記第2規制部が、前記カバーが前記ベースに装着された状態において前記第1側壁の外面と対向する第3突起であること、が好ましい。
【0012】
また、上記のような構成を有する本発明の流水検知装置では、前記第3突起が、前記天面及び前記前壁のうち少なくとも一方から前記第1側壁の外面に沿って延びること、が好ましい。
【0013】
また、上記のような構成を有する本発明の流水検知装置では、前記筐体が、前記ベースに装着された前記カバーが前記底面から遠ざかる方向に移動することを規制する第3規制部を更に有すること、が好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スイッチを収納する筐体の開閉作業を簡便に行うことができる流水検知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の代表的な実施形態に係る流水検知装置1を示す正面図である。
図2図1の流水検知装置1の平面図である。
図3図1の流水検知装置1の左側面図である。
図4図1の流水検知装置1のA-A線断面図である。
図5図1の流水検知装置1を構成するスイッチを収納するケース60を示す分解図である。
図6図5のケース60の組立て過程を示す図である。
図7図5のケース60が組み立てられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の代表的な実施形態に係る流水検知装置を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0017】
流水検知装置は、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、特定駐車場用泡消火設備の構成部品として、それぞれの設備の配管に取り付けられる。流水検知装置1は、閉鎖型スプリンクラーヘッド、閉鎖型泡水溶液ヘッド又は一斉開放弁その他の弁の開放に伴う流水現象を検知し、信号又は警報を発する。
【0018】
ここでは、本発明を作動弁型の流水検知装置に適用した例を説明する。ただし、本発明は、他のタイプの湿式の流水検知装置のみならず、乾式の流水検知装置や予作動式の流水検知装置にも適用可能である。
【0019】
[流水検知装置の構造]
本実施形態に係る流水検知装置の構造を説明する。図1図4に示すように、本実施形態に係る流水検知装置1は、本体10、弁体30、及びスイッチ50を有する。以下、これらの構成要素を順に説明する。
【0020】
(本体)
本体10は、図4に示すように、送水ポンプ側(一次側)の配管に接続される流入口11と、スプリンクラーヘッドなどの散水装置側(二次側)の配管に接続される流出口12と、流入口11及び流出口12の間を繋ぐ流路13と、を含む。流路13には、弁体30を収容する弁室14が形成されている。
【0021】
弁室14は、流入口11に繋がる開口に嵌装された弁座16を有している。弁座16は、弁体30が載置される略リング状の部材であって、例えば真鍮のような金属材料で作製される。
【0022】
本体10には、図2に示すように、弁体30のピン(回動軸)35を挿通するための孔17が形成されている。また、本体10には、ピン35を本体10の外側に突出させるための貫通孔18が形成されている。
【0023】
その他、本体10は、図4に示すように、メンテナンス用の開口19を有する。この開口19は通常、カバー20により塞がれている。メンテナンスの際にカバー20が外され、開口19を通じて例えば弁体30の点検や交換が行われる。
本体10はまた、図1に示すように、本体10に接続される排水管(図示せず)を開閉するための排水弁21を有する。
【0024】
(弁体)
弁体30は、本体10の弁室14に回動自在に取り付けられる略円盤状の部材である。弁体30は、図4に示すように、弁座16に載置されることで流路13を閉塞する。
【0025】
弁体30は、図2及び図4に示すように、ピン35(回動軸)に向かって延びるアーム32を有している。アーム32は、ピン35を挿通するための孔33,34を有している。ピン35がアーム32の孔33,34及び弁体30の孔17に挿通されることで、弁体30が本体10に連結される。
【0026】
ピン35は、孔33,34に挿通された状態で弁体30に固定されている。ここでは、図2のように、ピン35の頭部近傍に形成されたネジ溝が孔33の内周面に形成されたネジ溝と係合することで、ピン35が弁体30に固定される。あるいは、ピン35は、例えばロックボルトのような他の固定手段によって弁体30に固定されてもよい。
【0027】
ピン35の先端部は、図2に示すように、本体10(弁室14)を貫いて外部に突出し、スイッチ50の駆動軸53と連結される。したがって、駆動軸53は、弁体30の回動に伴って回動する。これにより、弁体30の回動動作はスイッチ50側に伝達されることになる。
【0028】
弁体30はまた、図4に示すように、弁座16に載置された状態において流入口11側に突出する、テーパー形状の突出部36を有する。突出部36は、例えばポリアセタール(POM)などの樹脂で形成される。POMは、自己潤滑性に優れ、金属製の弁座16と組み合わせて使用した場合に摩耗しにくい。
【0029】
(スイッチ)
スイッチ50は、弁体30の回動に応じて信号を出力する。かかるスイッチ50は、図2及び図3に示すように、リミットスイッチ52、駆動軸53、テコ54、押圧部56、端子57、及び切替スイッチ58を含み、ケース60に収納されている。
【0030】
ここで、図5図7を参照しつつ、本実施形態の流水検知装置1の特徴部分であるケース60を詳細に説明する。
以下の説明では、ケース60に関する「前」、「後」、「右」、「左」、「上」、「下」の用語を次のように使用することとする。すなわち、図5に示すように、「前」の語は、図1に示す本体10の正面側を指し、「後」の語は本体10の正面から遠ざかる方向を指す。「右」の語は、図1に示す本体10に近い側を指し、「左」の語は本体から遠ざかる方向を指す。「上」、「下」の語は、鉛直上方、鉛直下方をそれぞれ指す。したがって、前後方向、右左方向、及び上下方向は、図5に示すように互いに直交する。
【0031】
ケース60は、略直方体状を呈し、例えば樹脂素材で作製される筐体である。かかるケース60は、ベース61、及びカバー62を含む。ケース60はまた、第1規制部として機能する突出片71,72、第2規制部として機能する突出片73,74、並びに、第3規制部として機能するネジ75及びネジ孔64Aを有する。以下、これら構成要素を説明する。
【0032】
ベース61には、上述したスイッチ50の構成部材が直接に又は取付金具を介して取り付けられる。かかるベース61は、図5に示すように右側壁63、底面64、及び後壁65を含む。ベース61は、一体的に成形されてもよい。
【0033】
右側壁63は、本体10に対向するように配置され(図1図2参照)、略矩形状を呈する板状部材である。かかる右側壁63は、駆動軸53を挿通するための孔63Aを有する。右側壁63はまた、ベース61を本体に固定するためのネジ(図示せず)を挿通するためのネジ孔63B~63Dを有する。
【0034】
底面64は、右側壁63の下縁(下方)から連続し、本体10から遠ざかる方向(左側)に延びる略矩形状の板部材である。底面64には、後述するネジ74と係合するネジ孔64Aが形成されている。底面64には、端子57などに接続される配線を挿通するための開口(図示せず)が形成されていてもよい。
【0035】
後壁65は、右側壁63の後縁及び底面64の後縁から連続するように設けられる略矩形状の板部材である。
【0036】
次いでカバー62について述べると、カバー62は、ベース61を構成する右側壁63、底面64、及び後壁65によって形成された空間を着脱自在に覆う部材である。かかるカバー62は、図5に示すように左側壁66、天面67、及び前壁68を含む。カバー62は、一体的に成形されてもよい。
【0037】
左側壁66は、右側壁63に対向するように配置される略矩形状の板部材である。カバー62がベース61に装着された状態において、左側壁66は、その後縁近傍において後壁65の左縁に接触ないし対向し、また、その下縁近傍において底面64の左縁に接触ないし対向する。これにより、カバー62の本体10側(右側)への移動が規制されることになる。
【0038】
左側壁66は、その後縁に沿って突出片71を有する。突出片71は、第1規制部を構成する第1突起の一例である。本実施形態では、突出片71は、カバー62がベース61に装着された状態において後壁65の内面と対向するように、左側壁66の内面から右側壁63に向かって突出している。また、突出片71は、図6に示すように、カバー62をベース61に装着する際に後壁65の左上角を突出片71,72同士の隙間Gに案内するように、左側壁66の上縁から下縁にほぼ亘るように形成されている。
【0039】
天面67は、左側壁66の上縁から連続し、ベース61の底面64と対向するように設けられる略矩形状の板部材である。カバー62がベース61に装着された状態において、天面67は、その後縁近傍において後壁65の上縁に接触ないし対向し、また、その右縁近傍において右側壁63の上縁に接触ないし対向する。これにより、カバー62の下側への移動が規制されることになる。
【0040】
天面67は、その後縁に沿って突出片72を、その右縁に沿って突出片73を、有する。突出片72は、第1規制部を構成する第2突起の一例である。また、突出片73は、単独で又は突出片74と一体で、第2規制部を構成する第3突起の一例である。
【0041】
具体的に、突出片72は、カバー62がベース61に装着された状態において後壁65の外面と対向するように、天面67の後縁から下方に向かって突出している。そのため、カバー62がベース61に装着された状態において、突出片71,72同士の隙間Gに後壁65が入り込み、カバー62の前後方向への移動が規制されることになる。また、突出片72は、隙間Gに挿入された後壁65が外側に外れないように、天面67の上縁の左右両端に亘るように形成されている。
【0042】
突出片73は、カバー62がベース61に装着された状態において右側壁63の外面と対向するように、天面67の右縁から下方に向かって突出している。そのため、突出片73が右側壁63の外面と接触することで、右側壁63,左側壁66同士が離れる方向(左方向)へのベース61の移動が規制される。本実施形態では、突出片73は、ベース61の左方向への移動を確実に規制するべく、天面67の右縁の前後両端に亘るように形成されている。
【0043】
前壁68は、左側壁66の前縁及び天面67の前縁から連続し、ベース61の後壁65と対向するように設けられる略矩形状の板部材である。カバー62がベース61に装着された状態において、前壁68は、その右縁近傍において右側壁63の前縁に接触ないし対向し、また、その下縁近傍において底面64の前縁に接触ないし対向する。これにより、カバー62の後側への移動が規制されることになる。
【0044】
前壁68は、その右縁に沿って突出片74を有する。突出片74は、単独で又は突出片73と一体で、第2規制部を構成する第3突起の一例である。
【0045】
具体的に、突出片74は、カバー62がベース61に装着された状態において右側壁63の外面と対向するように、前壁68の右縁から後方に向かって突出している。そのため、突出片74が右側壁63の外面と接触することで、右側壁63,左側壁66同士が離れる方向(左方向)へのベース61の移動が規制される。本実施形態では、突出片74は、ベース61の左方向への移動を確実に規制するべく、前壁68の右縁の上下両端に亘るように形成されている。
【0046】
前壁68はまた、上述したネジ孔64Aとともに第3規制部として機能するネジ75を有する。ネジ75がベース61のネジ孔64Aと係合することで、カバー62の上下方向への移動が規制されるとともに、カバー62がベース61に固定されることになる。
【0047】
その他、前壁68には、切替スイッチ58を露出させるための窓68Aが形成されている。
【0048】
スイッチ50の説明に戻ると、図2に示すように、ケース60の右側壁63から駆動軸53が突出している。かかる駆動軸53は、弁体30のピン35に連結されて、ピン35の回動をテコ54に伝達する。
【0049】
テコ54は、駆動軸53に取り付けられ、駆動軸53の回動に応じて図3の方向Rに回動する。テコ54は、下端部においてバネ55に取り付けられ、上端部で押圧部56を押圧するように付勢されている。なお、テコ54は、例えば点検作業のために、ユーザ操作に応じて、駆動軸53とは独立して駆動軸53の周りに回動し、押圧部56の押圧を解除するように構成されてもよい。
【0050】
リミットスイッチ52は、例えばローラ・レバー型のスイッチであって、先端にローラが取り付けられたレバーが押圧部56によって押されると、信号を出力する。
【0051】
押圧部56は、リミットスイッチ52を押圧する方向に付勢される一方で、テコ54によって、リミットスイッチ52から離間するように押し戻されている。したがって、駆動軸53の回動(及びユーザ操作)に伴ってテコ54が押圧部56から遠ざかる方向に回動すると、押圧部56はリミットスイッチ52を押圧することになる。
【0052】
端子57は、電線を介してリミットスイッチ52及び切替スイッチ58のそれぞれと電気的に接続されている。切替スイッチ58は、定常運転の状態(すなわち弁体30の動作を監視している状態)と、メンテナンスのために定常運転を解除した状態と、を切り替える。
【0053】
このようなスイッチ50では、テコ54は、弁体30の回動に応じて回動し、押圧部56の押圧状態を解除する。その結果、押圧部56はリミットスイッチ52をオン(又はオフ)させ、かかるオン(又はオフ)に応じた検知信号がリミットスイッチ52から出力される。
【0054】
[流水検知装置の動作]
上述した構造を有する流水検知装置1の動作を説明する。
流水検知装置1の本体10の一次側(流入口11側)及び二次側(流出口12側)に、加圧水(又は加圧泡水溶液)が満たされている状態では、弁体30は、弁座16に載置されて流路13を閉塞している。そして、閉鎖型スプリンクラーヘッド(閉鎖型泡水溶液ヘッド又は一斉開放弁その他の弁でもよい)が開放すると、二次側の圧力低下により弁体30が弁座16から離れて流路13を開き、加圧水が一次側から二次側へ流出する。
【0055】
弁体30が回動すると、駆動軸53が回動する。駆動軸53の回動に伴ってテコ54が回動し、テコ54による押圧部56の押し戻しが解除される。そして、押圧部56がリミットスイッチ52を押圧し、信号が出力される。
【0056】
このような流水検知装置1において、スイッチ50のケース60を閉じるためには、つぎのような作業を行う。
まず、カバー62をベース61に被せる。具体的には、図5のようにカバー62をベース61の上方に配置したうえで、図6のように、後壁65の内面がカバー62の突出片71に対向するとともに、右側壁63の外面がカバー62の突出片74に対向するように、カバー62を配置する。この位置関係を維持したまま、方向Dに沿って(下方に)カバー62を移動させる。つまり、後壁65が突出片71に沿って天面67側にスライドするように、カバー62を移動させる。
【0057】
あるいは、カバー62をベース61に対して傾けた状態で、後壁65の上縁の外面側をカバー62の突出片71の内面側に対向させるとともに、後壁65の上縁の左端を突出片71、72同士の隙間Gに挿入する。その状態で、カバー62を、後壁65の上縁を中心に回動させる。
【0058】
上記のいずれかの操作をすることで、カバー62を、その前後方向及び左右方向への移動を規制した状態で、ベース61に被せることができる。この状態で、ネジ75をネジ孔64Aに係合させると、図7のようにカバー62がベース61に固定される。
【0059】
また、カバー62をベース61から取り外す際には、ネジ75とネジ孔64Aとの係合を解除したうえで、図6のようにカバー62を上方(図5の方向D)に略直線状に引き上げればよい。本実施形態においては、略直線状に引き上げれば取り外せるため、例えば回動させて取り外す場合に比べて、必要とするスペースが少なくて済む。
【0060】
このように、本実施形態に係る流水検知装置1では、スイッチ50の構成部品を収納するケース60のカバー62をベース61に省スペースで容易に着脱することができる。したがって、スイッチ50の設置及び点検の作業が簡便となる。
【0061】
また、突出片71,72,73,74は、ベース61(右側壁63、後壁65)とカバー62(左側壁66、天面67、前壁68)との間の隙間を覆うことから、水滴のスイッチ50内への侵入を抑止することが可能となる。
【0062】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それらも本発明に含まれる。
【0063】
例えば、突出片71は、突出片72と相俟って後壁65の前後方向の移動を規制できる限り、左側壁66の高さ方向に亘って形成されている必要はない。例えば、突出片71は、左側壁66の後縁の近傍から右側壁63に向かって突出する1個又は複数の突起でもよい。
【0064】
また、突出片71は、左側壁66に設けられる必要はない。例えば、突出片71は、天面67に設けられてもよい。
【0065】
突出片72は、突出片71と相俟って後壁65の前後方向の移動を規制できる限り、天面67の幅方向に亘って形成されている必要はない。例えば、突出片72は、天面67の後縁から下方に突出する1個又は複数の突起でもよい。
【0066】
突出片73、74は、右側壁63の左右方向への移動を規制できる限り、いずれか一方のみ設けられてもよい。また、突出片73,74は、それぞれ天面67の前後端及び前壁68の上下端に亘って形成されている必要はない。例えば、突出片73,74は、天面67の右縁又は前壁68の右縁から突出する1個又は複数の突起でもよい。
【符号の説明】
【0067】
1・・・流水検知装置、
10・・・本体、
13・・・流路、
30・・・弁体、
50・・・スイッチ、
60・・・ケース、
61・・・ベース、
62・・・カバー、
71,72・・・突出片(第1規制部)、
73,74・・・突出片(第2規制部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7