(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】偏光フィルムを含む着脱可能なディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20220707BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G02B5/30
G09F9/00 366A
(21)【出願番号】P 2020546258
(86)(22)【出願日】2018-11-21
(86)【国際出願番号】 KR2018014303
(87)【国際公開番号】W WO2019103439
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2017-0156072
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0142260
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519191400
【氏名又は名称】キム,ヨン ス
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ス
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-097345(JP,A)
【文献】特開2007-047621(JP,A)
【文献】特開2015-114852(JP,A)
【文献】国際公開第2013/125312(WO,A1)
【文献】特表2017-523443(JP,A)
【文献】国際公開第2012/073990(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0211105(US,A1)
【文献】国際公開第2006/123616(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/137158(WO,A1)
【文献】特開2003-131202(JP,A)
【文献】米国特許第06145231(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
G06F3/03
3/041-3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーン、偏光フィルム及びウィンドウを含むディスプレイ装置において、
前記偏光フィルムの少なくとも一側に存在する粘着調整層を含み、
前記粘着調整層は、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂のコーティング材が用いられているため摩擦力を低下させることができ、接着力が0.1gf/25mm~500gf/25mmである着脱層と前記偏光フィルム間の摩擦力を低下させて滑り性を向上させることにより、前記着脱層の接着力を容易に着脱可能になるように調整し、
前記粘着調整層は、前記着脱層に対向配置され、
前記粘着調整層の表面に対する水接触角が小さいため接着力が高い第1領域と、前記水接触角が大きいため接着力が低い第2領域とを含む粘着調整パターン、前記着脱層の粘着剤が食い込む微細凹凸パターン、及びこれが組み合わされたパターンのうちのいずれか一つであり、前記着脱層が着脱される前記偏光フィルムをディスプレイに適用することにより、損傷した前記偏光フィルムを前記ウィンドウと一緒に容易に交換できることを特徴とする、偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記粘着調整層が前記粘着調整パターンである場合、前記粘着調整パターン
の前記第1領域
には、
接着力を高めるためのコーティング
が施されるか、または、前記偏光フィルム、前記タッチスクリーン、及び前記タッチスクリーンに付着された
タッチスクリーンカバー層のうちのいずれか一つ
がそのまま露出
されることを特徴とする、請求項1に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記粘着調整層が前記粘着調整パターンである場合、前記粘着調整パターン
の第2領域は、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含むか、または、チタニア(TiO
2)あるいはシリカ(SiO
2)からなる蒸着層上のフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項4】
前記粘着調整層が前記粘着調整パターンである場合、前記粘着調整パターンは、ライン状、格子状、島状、またはこれらが組み合わされた形状に配列されたことを特徴とする、請求項1に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項5】
前記粘着調整層が前記微細凹凸パターンである場合、前記微細凹凸パターンは、断面が角張っているか、または、曲率を有するか、あるいは、これらが組み合わされた微細凹凸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記粘着調整層が前記微細凹凸パターンである場合、前記微細凹凸パターンは、ライン状、格子状、島状、またはこれらが組み合わされた形状に配列されたことを特徴とする、請求項1に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記粘着調整層が前記微細凹凸パターンである場合、前記微細凹凸パターンは、前記微細凹凸のない平坦部と、前記微細凹凸のある凹凸部とに区分されることを特徴とする、請求項5に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項8】
前記粘着調整層が前記微細凹凸パターンである場合、前記微細凹凸パターンは、曲面縁部または屈曲部に凹凸部が対応することを特徴とする、請求項1に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項9】
前記着脱層は、表面改質シート及び着脱シートのうちのいずれか一方であることを特徴とする、請求項1に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項10】
前記着脱層が前記表面改質シートである場合、前記表面改質シートは、透明な高分子フィルムの表面にコロナ処理、プラズマ処理、またはそれらの連続処理により製造されることを特徴とする、請求項9に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【請求項11】
前記着脱層が前記着脱シートである場合、前記着脱シートは、シート状であり、粘着性を有することを特徴とする、請求項9に記載の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に係り、さらに詳しくは、偏光フィルムを含む着脱機能付きディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置では、液晶表示素子(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、またはマイクロ発光ダイオード(Micro LED)などのディスプレイが画面を形成する。このようなディスプレイ装置は、各種映像画面装置に適用されている。一方、前記装置は、取り扱い便宜を図るためにタッチスクリーンを採用し、入射光の垂直または水平の偏光波を別々に通過または遮断することができる偏光フィルムを適用する。前記偏光フィルムは、偏光波を区別するだけでなく、光の性質を変化させる用途に拡大されている。タッチスクリーンの前面には、強化ガラスまたは透明高分子樹脂などからなるウィンドウが配置される。ウィンドウは、ディスプレイ部と印刷された縁のベゼル部とに分けられており、外部からの衝撃や接触による損傷からディスプレイ装置を保護する。ウィンドウは、光学的に透明な接着剤(OCA)または紫外線硬化接着剤などを使用して、タッチスクリーンに接着固定されている。最近では、柔軟で湾曲したディスプレイの出現により、それに対応するウィンドウが出現している。
【0003】
図1は、従来の偏光フィルムが適用されたディスプレイ装置の代表的な例を概略的に示す断面図である。このとき、前記ディスプレイ装置は、図示された平面的なものだけでなく、湾曲したものも含む。
図1によれば、従来のディスプレイ装置は、LCDやOLEDなどのディスプレイ500上にタッチスクリーン510、接着層520、偏光フィルム530、接着層520及びウィンドウ540を順次積層した構造を有する。接着層520は、高い透明性と高い接着力を有する透明性の高い接着剤であり、タッチスクリーン510と偏光フィルム530との間、及び偏光フィルム530とウィンドウ540との間に配置される。
【0004】
一方、韓国登録特許第10-1574923号は、着脱可能なウィンドウを有するディスプレイ装置及びその着脱方法を提案している。具体的には、上記特許によれば、損傷したウィンドウを容易に交換し、ウィンドウをディスプレイ装置から簡単に分離し、ディスプレイ装置の製造工程を簡略化し、製造コストを削減し、多様にデザインすることができる。同様に、タッチスクリーンを着脱可能なディスプレイ装置も可能である。さらに、この特許によれば、ディスプレイ装置は、異なる製造業者または製品などの異なるチャネルを介してウィンドウ、タッチスクリーン、及びディスプレイを入手して組み立てることによって製造することができる。例えば、ウィンドウはA社の製品A、タッチスクリーンはB社の製品B、ディスプレイはC社の製品Cを、それぞれの購入チャネルを通じて取得し、A、B及びCからなるディスプレイ装置として組み立てることができる。
【0005】
しかしながら、前記特許で提案された多様な利用のために、偏光フィルムを使用する方法は十分ではない。したがって、前記特許に偏光フィルムを適切に適用するための具体的な方法が必要である。一般的に、偏光フィルムはタッチスクリーンとウィンドウとの間に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、損傷したウィンドウを容易に交換し、ウィンドウをディスプレイ装置から簡単に分離し、ディスプレイ装置の製造工程を簡略化し、製造コストを削減し、多様にデザインできる、偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するための偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置は、タッチスクリーン、偏光フィルム及びウィンドウを含むディスプレイ装置において、前記偏光フィルム、前記タッチスクリーン、及び前記タッチスクリーンに付着されたタッチスクリーンカバー層のうちのいずれか一つに存在し、前記偏光フィルムの少なくとも一側に存在する粘着調整層を含み、前記粘着調整層は、接着力が0.1gf/25mm~500gf/25mmである着脱層の接着力を調整する。
【0009】
本発明の装置において、前記粘着調整層は、粘着調整パターン、微細凹凸パターン、及びこれが組み合わされたパターンのうちのいずれか一つであってもよい。前記粘着調整パターンは、接着角が小さい第1領域と接着角が大きい第2領域とに区分され、前記第1領域は、小さい接着角を有するようにコーティングするか、または、偏光フィルム、前記タッチスクリーン、及び前記タッチスクリーンに付着されたタッチスクリーンカバー層のうちのいずれか一つをそのまま露出させてもよい。前記粘着調整パターンは、接着角が小さい第1領域と接着角が大きい第2領域とに区分され、前記第2領域は、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含むか、または、チタニア(TiO2)あるいはシリカ(SiO2)からなる蒸着層上のフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含んでもよい。前記粘着調整パターンは、ライン状、格子状、島状、またはこれらが組み合わされた形状に配列されてもよい。
【0010】
本発明の装置において、前記微細凹凸パターンは、断面が角張っているか、または、曲率を有するか、あるいは、これらが組み合わされた微細凹凸を含む。前記微細凹凸パターンは、ライン状、格子状、島状、またはこれらが組み合わされた形状に配列されてもよい。前記微細凹凸パターンは、前記微細凹凸のない平坦部と、前記微細凹凸のある凹凸部とに区分される。前記微細凹凸パターンは、曲面縁部または屈曲部に前記凹凸部が対応することができる。
【0011】
本発明の好ましい装置において、前記着脱層は、表面改質シート及び着脱シートのうちのいずれか一方であってもよい。前記表面改質シートは、透明な高分子フィルムの表面にコロナ処理、プラズマ処理、またはそれらの連続処理により製造されてもよい。前記着脱シートは、シート状であり、粘着性を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の偏光フィルムを含む着脱ディスプレイ装置によれば、0.1gf/25mm~500gf/25mmの接着力を有する着脱層が着脱される偏光フィルムをディスプレイに適用することにより、損傷した偏光フィルムをウィンドウと一緒に容易に交換でき、ウィンドウを容易に分離でき、ディスプレイ装置の製造工程を簡略化でき、製造コストを削減でき、多様にデザインすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来の偏光フィルムが適用されたディスプレイ装置の代表的な例を概略的に示す断面図である。
【
図2】本発明による着脱第1ディスプレイ装置を示す図である。
【
図3】本発明による着脱第2ディスプレイ装置を示す図である。
【
図4】本発明による着脱第3ディスプレイ装置を示す図である。
【
図5】本発明によるディスプレイ装置に適用される粘着調整パターンの例を示す平面図である。
【
図6】本発明によるディスプレイ装置に適用される微細凹凸パターンの例を示す平面図である。
【
図7】本発明の実施例によるディスプレイ装置に適用される微細凹凸パターンの微細凹凸の例を示す断面図である。
【
図8】本発明の実施例によるディスプレイ装置に適用される微細凹凸パターンのパターン例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳述する。後述する実施例は、様々な他の形態に変形されてもよく、本発明の範囲が後述する実施例に限定されるものではない。本発明の実施例は、当該分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。また、図面において、膜(層、パターン)及び領域の厚さは、明確性のために誇張され得る。また、膜(層、パターン)が他の膜(層、パターン)の「上」、「上部」、「下部」、「一面」にあるといわれるとき、それは、他の膜(層、パターン)に直接形成されてもよく、またはそれらの間に他の膜(層、パターン)が介在されてもよい。
【0015】
本発明の実施例は、接着力が0.1gf/25mm~500gf/25mmの着脱層が形成された偏光フィルムをディスプレイに適用することにより、
損傷した偏光フィルムをウィンドウと一緒に容易に交換し、ウィンドウを容易に分離し、ディスプレイ装置の製造工程を簡略化し、製造コストを削減し、多様にデザインできるディスプレイ装置を提案する。この際、前記ウィンドウ及び偏光フィルムがタッチスクリーン上に着脱されるか、ウィンドウが偏光フィルムに着脱される。本発明の着脱層は、偏光フィルムまたはタッチスクリーンへの着脱に限定されるものであり、既存のウィンドウへの着脱が可能なウィンドウ保護フィルムとは明確に区別される。
【0016】
本発明の実施例に適用されるディスプレイ装置は、モバイル機器、情報処理端末及びテレビなどの全ての映像処理機器を意味する。前記モバイル機器としては、携帯電話、スマートフォン、タブレット等があり、前記情報処理端末としては、ATM、キオスク等がある。前記ディスプレイ装置のディスプレイは、平面でも曲面でもよく、フレキシブル(flexible)でもよい。前記映像処理機器は、ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイを含む。したがって、前記ウィンドウとは、一般に、モバイル機器のウィンドウ、情報処理端末のウィンドウ、及びテレビなどの全ての映像処理機器のウィンドウを挿す。同様に、前記タッチスクリーン及びディスプレイも、全ての映像処理機器に適用されるタッチスクリーン及びディスプレイを指す。
【0017】
図2は、本発明の実施例による第1ディスプレイ装置100を示す図である。ただし、厳密な意味での図面を表現するものではなく、説明の便宜上、図面に示されない構成要素がある場合もある。
【0018】
図2に示すように、第1ディスプレイ装置100は、LCD/OLED/マイクロLEDなどのディスプレイ10、タッチスクリーン20、接着層30、偏光フィルム40、粘着調整層50、着脱層60及びウィンドウ70が順次積層されてなる。ディスプレイ10は、液晶表示素子(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、電気泳動ディスプレイ(EPD)などがあり、量子ドットも利用される。タッチスクリーン20は、金属酸化物またはプラスチックからなる絶縁層の片面または両面に形成された導電パターンを有する。金属酸化物は主に前記導電パターンに適用され、金属酸化物には、ITO、ATO、ZnO等またはCu、導電性高分子または銀ナノワイヤーなどがある。タッチスクリーン20には、ガラス等の材質からなるタッチスクリーンカバー層が付着されていてもよい。接着層30には、例えば、熱硬化性接着剤や紫外線硬化型接着剤が用いられてもよい。ただし、これに限らず、OCAテープ等を用いてもよい。
【0019】
ウィンドウ70は、透明な材質であれば無制限で利用できる。例えば、ウィンドウ70は、ガラス基板またはプラスチック基板を含んでもよい。具体的には、ガラス基板は、強化ガラスであってもよく、プラスチック基板は、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephtalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、ポリエーテルスルホン(PES:polyether sulfone)、ポリイミド(PI:polyimide)、ポリアリレート(PAR;polyarylate)、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)及びシクロオレフィンコポリマー(COC;cycloolefin copolymer)のうちのいずれか一つ以上を含んでもよい。また、ウィンドウ20は、強化ガラスとプラスチック基板が複数の層として形成された積層構造であってもよい。
【0020】
ウィンドウ70は、透明なまたは各種機能を発現させる印刷層を有することができる。前記印刷層は、透明コーティング、半透明コーティング及びカラーコーティングのうちのいずれか一つ以上のコーティングを適用することができる。前記印刷層は、シルク印刷、UVを用いたインクジェット印刷、熱硬化を用いたインクジェット印刷、または転写印刷によって形成することができる。ウィンドウ70上には、耐指紋コーティング、抗菌コーティング、傷防止コーティングなどの機能性コーティング層を形成してもよい。前記機能性コーティング層は、塗液を塗るウェットコーティングや蒸着などのドライコーティングで形成されてもよい。また、ウィンドウ70のガラス基板またはプラスチック基板の底部には、遮蔽、反射防止、青色光遮断、電磁波遮断、プライバシーなどの特性を提供することができる。また、ウィンドウ70には、ボタン、カメラ、スピーカーなどを露出させるための開口部(opening)が形成されていてもよい。
【0021】
偏光フィルム40は、入射光の垂直または水平の偏光波を別々に通過または遮断することができる特性を有するフィルムである。偏光フィルム40は、ノートパソコンやモニタなどの薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)装置、特殊効果用のカメラフィルタ、立体映画用のメガネ、視認性の高いOLEDなどに使用される光学フィルムである。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)モジュールのバックライトから放出される光の強度は全ての方向に均一であるが、偏光フィルムは、放出される光の中で偏光軸と同じ方向に振動する光のみを透過し、その他は吸収または反射して、特定の方向の偏光を生成する。偏光された光がLCD液晶を通過すると、液晶の配列方向が電気的に画素(ピクセル)ごとに調整されるため、画素の輝度が変化する。近年、OLEDなどでは、偏光フィルム40は、偏光波の区別に加えて、光の性質を変化させる用途に拡大されている。
【0022】
一方、偏光フィルム40は、それ自体でウィンドウの飛散防止の役割を果たすことができる。もちろん、ウィンドウの底面に飛散防止用のフィルムを設けてもよいが、偏光フィルム40を設ける場合には、ウィンドウ70の底面に飛散防止用のフィルムを設けなくてもよい。偏光フィルム40は、タッチスクリーン20またはタッチスクリーンカバー層とウィンドウ70との間に配置される。
【0023】
着脱層60としては、透明な材質であればいずれも使用可能であるが、アクリル系重合体、シリコーン系重合体またはウレタン系重合体である熱硬化性樹脂、または紫外線硬化型樹脂に架橋剤が混合された接着剤、またはこれらの混合物、またはこれらの共重合体であってもよい。着脱層60は、単層であってもよく、層ごとに異なる物質からなる多層であってもよい。多層は、本発明の着脱層が用いられる環境に応じて、各層をなす物質を適宜選択することができる。着脱層60の厚さは、十分に接着できる程度であれば可能であり、10μm~200μmが適当である。前記厚さは、本発明が属する分野における通常の知識を有する者により繰り返しの実験で得られることは自明である。
【0024】
着脱層60の接着力が約0.1gf/25mm~500gf/25mmである場合、着脱層60は、自己接着力を有する。前記自己接着力は、着脱層60を偏光フィルム40に載せさえすれば、着脱層60が気泡なく自ら貼り付く性質である。
【0025】
一方、着脱を容易にするために、偏光フィルム40上に粘着調整層50を付加してもよい。粘着調整層50は、摩擦力を低下させて滑り性(slip property)を向上させる。粘着調整層50は、着脱層60を偏光フィルム40に容易に着脱することができる。粘着調整層50は、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂のコーティング材を用いてもよい。粘着調整層50は、チタニア(TiO2)あるいはシリカ(SiO2)をタッチスクリーン20またはタッチスクリーンカバー層に蒸着させた後、蒸着されたタッチスクリーン20またはタッチスクリーンカバー層上にフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂をコーティングして形成することができる。このとき、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を、イージークリーニングコーティング(ECC:Easy Cleaning Coating)法で形成させてもよい。粘着調整層50を適用すると、着脱層60を偏光フィルム40に付着するとき、気泡の発生をより効果的に抑制することができる。また、粘着調整層50により、消費者は、別のツールを必要とせず自らウィンドウ70を偏光フィルム40に容易に着脱することができる。
【0026】
本発明の実施例による接着力は、粘着調整層50の存在に応じて変化し得る。粘着調整層50が存在する場合の接着力は、0.1gf/25mm乃至500gf/25mmまで着脱が可能であるが、粘着調整層50が存在しない場合の接着力は、0.1gf/25mm~200gf/25mmが必要である。同じ材質及び厚さの着脱層60があるとき、粘着調整層50が存在すると、ウィンドウを偏光フィルム40に気泡なく付着しやすい。また、粘着調整層50の影響によりウィンドウ70の分離が比較的容易に起こる。
【0027】
図3は、本発明の実施例による着脱第2ディスプレイ装置200を示す図である。第2ディスプレイ装置200は、接着層30、粘着調整層50及び着脱層60の配置が変更されていることを除いては、第1ディスプレイ装置100と同様である。したがって、同じ符号の詳細な説明は省略する。
【0028】
図3に示すように、第2ディスプレイ装置200は、LCD/OLED/マイクロLEDなどのディスプレイ10、タッチスクリーン20、着脱層60、粘着調整層50、偏光フィルム40、接着層30及びウィンドウ70が順次積層されてなる。このとき、タッチスクリーン20には、ガラスなどの材質からなるタッチスクリーンカバー層が付着されてもよい。ディスプレイ10、タッチスクリーン20、タッチスクリーンカバー層、着脱層60、粘着調整層50、偏光フィルム40、接着層30及びウィンドウ70については、第1ディスプレイ装置100について説明したものと同様である。第2ディスプレイ装置200に粘着調整層50を適用すると、偏光フィルム40をタッチスクリーン20またはタッチスクリーンカバー層に付着するとき、気泡の発生をより効果的に抑制することができる。また、粘着調整層50により、消費者は、別のツールを必要とせず自ら偏光フィルム40が付着されたウィンドウ70をタッチスクリーン20に容易に着脱することができる。
【0029】
一方、第2ディスプレイ装置200では、粘着調整層50が偏光フィルム40に配置されることを例として挙げたが、場合によっては、粘着調整層50がタッチスクリーン20またはタッチスクリーンカバー層に配置されてもよい。この場合、着脱層60は、偏光フィルム40に形成される。
【0030】
図4は、本発明の実施例による着脱第3ディスプレイ装置300を示す図である。第3ディスプレイ装置300は、偏光フィルム40の両側にそれぞれ粘着調整層50及び着脱層60が配置されたことを除いては、第1ディスプレイ装置100と同様である。したがって、同じ符号の詳細な説明は省略する。
【0031】
図4に示すように、第3ディスプレイ装置300は、LCD/OLED/マイクロLEDなどのディスプレイ10、タッチスクリーン20、着脱層60、粘着調整層50、偏光フィルム40、粘着調整層50、着脱層60及びウィンドウ70が順次積層されてなる。このとき、タッチスクリーン20には、ガラスなどの材質からなるタッチスクリーンカバー層が付着されてもよい。ディスプレイ10、タッチスクリーン20、タッチスクリーンカバー層、着脱層60、粘着調整層50、偏光フィルム40及びウィンドウ70については、第1ディスプレイ装置100について説明したものと同様である。第3ディスプレイ装置300に粘着調整層50を適用すると、着脱層60をタッチスクリーン20またはタッチスクリーンカバー層に付着するか、または偏光フィルム40に付着するとき、気泡の発生をより効果的に抑制することができる。また、粘着調整層50により、消費者は、別のツールを必要とせず自らウィンドウ70及び偏光フィルム40が付着されたウィンドウ70を容易に着脱することができる。
【0032】
一方、第3ディスプレイ装置200では、粘着調整層50が偏光フィルム40に配置されることを例として挙げたが、場合によっては、粘着調整層50がタッチスクリーン20またはタッチスクリーンカバー層に配置されてもよい。この場合、着脱層60は、偏光フィルム40に形成される。
【0033】
本発明の実施例をフレキシブルディスプレイ装置に適用すると、低い粘着力を誘導する粘着調整層50が非常に重要である。すなわち、低粘着力で着脱層60が押される現象が発生し、粘着調整層50の滑り現象が起こる。これにより、フレキシブルディスプレイ装置を交換するか折り曲げるとき、着脱層60の柔軟性により接着力の信頼性が向上する。本発明の好ましい実施例では、断面粘着-断面接着の偏光フィルム40での粘着力200gf/25mm以下の着脱層60と粘着調整層50を用いた着脱可能なディスプレイ装置、ディスプレイ装置のモジュールに適用されてもよい。
【0034】
一方、本発明の実施例による粘着調整層50は、粘着力を様々な方法で調整することができる。以下では、粘着調整層50の粘着力を調整する例について説明する。
図5は、粘着調整パターンの使用例を示す図であり、
図6~
図8は、微細凹凸パターンの使用例を示す図である。これにより、前記粘着調整パターン及び前記微細凹凸パターンは、粘着調整層50の一例であるといえる。また、前記粘着調整パターン及び前記微細凹凸パターンは、偏光フィルム40に形成されるものとして説明するが、前記パターンは、タッチスクリーン20またはタッチスクリーンカバー層に形成されてもよい。
【0035】
図5は、本発明の実施例によるディスプレイ装置に適用される粘着調整パターン51の例を示す平面図である。ここでは、粘着調整パターン51の少数の例を挙げたに過ぎないが、本発明の範囲内で様々に変形することができる。このとき、ディスプレイ装置については、
図2~
図4を参照する。
【0036】
図5に示すように、図中、第1領域eは、接触角が小さいため接着力が高い部分であり、第2領域fは、接着角が大きいため接着力が低い部分である。このとき、第2領域fが占める面積は、第1領域e及び第2領域fの全体面積の5~95%であってもよい。第1領域eの接触角は約30度以下であり、接着力が比較的高い。すなわち、着脱層60と偏光フィルム40との接合部において、着脱層60の接着力をそのまま維持するか、前記接着力を強化する。
【0037】
第1領域eは、偏光フィルム40をそのまま露出させてもよく、または接触角を小さくするためにコーティングされてもよい。偏光フィルム40が露出されると、接着力をそのまま維持した状態で、着脱層が偏光フィルム40に付着される。特に、本発明のディスプレイ装置100、200、300が曲面を形成する場合、ほとんどの屈曲は、このようなメカニズムによりスプリングバック現象を克服し、着脱層を偏光フィルム40に着脱可能である。万が一、ディスプレイ装置100、200、300の屈曲が激しい場合や、形状が複雑な場合、偏光フィルム40に着脱層を付着させにくいことがある。この困難を克服するために、接触角を人為的に小さくするためのコーティングを施してもよいし、または後述する微細凹凸を設けてもよい。前記接触角を小さくするコーティングの方法としては、本発明の範囲内で様々な方法を適用することができ、例えば、有機ケイ素化合物をコーティングして接触角を小さくして接着力を高めることができる。
【0038】
第2領域fは、指紋防止、汚染防止、滑り性を付与し、チタニア(TiO2)あるいはシリカ(SiO2)を偏光フィルム40に蒸着させた後、蒸着された偏光フィルム40上にフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂をコーティングして形成することができる。このとき、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を、ECC(Easy Cleaning Coating)法で形成させてもよい。第2領域fの接触角は約100度以上であり、粘着力は比較的低い。すなわち、着脱層60と偏光フィルム40との接着力を弱化させる。第2領域fを適用すると、着脱層60を偏光フィルム40に付着するとき、気泡の発生をより効果的に抑制することができる。また、第2領域fにより、消費者は、別のツールを必要とせず自らウィンドウ70などを偏光フィルム40に容易に着脱することができる。
【0039】
粘着調整パターン51の一例として、硬化可能な第1領域e及び第2領域fが帯(stripe)状に配置される(a)。このとき、第1領域eは、偏光フィルム40の縁部に位置することが好ましい。例えば、第1領域eは、主にベゼル領域に配置されていてもよい。このように、粘着調整パターン51を構成する第1領域e及び第2領域fのそれぞれの幅を適宜調整することができる。図中の前記帯の形状は、所定の厚さを有する長方形状でるが、場合によっては、波打ち状などに変形してもよい。
【0040】
粘着調整パターン51の他の例として、第1領域e及び第2領域fが格子状で各格子(セル)内に配置される(b)。このとき、第1領域eは、偏光フィルム40のコーナー付近に位置することが好ましい。例えば、第1領域eは、主にベゼル領域に配置されていてもよい。このように、粘着調整パターン51を構成する第1領域e及び第2領域fのそれぞれの面積を適宜調整することができる。図中の前記格子の形状は、所定の面積を有する長方形状であるが、場合によっては、円形状、楕円形状、波打ち状などの形状を含んでもよい。
【0041】
粘着調整パターン51のまた他の例として、柵状に閉鎖された第1領域e及び第2領域fが配置されている(c)。このとき、第1領域eは、偏光フィルム40のコーナー及び縁部に位置することが好ましい。例えば、第1領域eは、主にベゼル領域に配置されていてもよい。このように、粘着調整パターン51を構成する第1領域e及び第2領域fのそれぞれの面積を適宜調整することができる。図中の前記柵の形状は、所定の厚さを有する長方形状であるが、場合によっては、波打ち状などに変形してもよい。
【0042】
粘着調整パターン51のまた他の例として、第1領域e及び第2領域fのうちのいずれか一方が、閉鎖された柵の一部を貫通している(d)。このとき、第1領域eは、偏光フィルム40のコーナーの付近に位置することが好ましい。例えば、第1領域eは、主にベゼル領域に配置されていてもよい。このように、粘着調整パターン51を構成する第1領域e及び第2領域fのそれぞれの面積を適宜調整することができる。図中の前記柵の形状は、所定の厚さを有する長方形状であるが、場合によっては、波打ち状などに変形してもよい。
【0043】
本発明の実施例による粘着調整パターン51は、着脱接着力を自在に調整することを可能にする。接着力の異なる第1領域e及び第2領域fの面積を調整すると、粘着調整パターン18の接着力は変化する。また、粘着調整パターン51の第1領域eと第2領域fとの接着力が異なるため、気泡が除去される可能性が高くなる。
【0044】
図6は、本発明の実施例によるディスプレイ装置に適用される微細凹凸パターン52の例を示す平面図である。微細凹凸パターン52は、粘着調整層50の粘着力を調整する役割をする。ここでは、微細凹凸パターン52の少数の例を挙げたに過ぎないが、本発明の範囲内で様々に変形することができる。このとき、ディスプレイ装置については、
図2~
図4を参照する。このとき、gは微細凹凸のない平坦部であり、hは微細凹凸のある凹凸部であってもよい。着脱層60の粘着剤が微細凹凸の間の空間に浸透するため、凹凸部hは、着脱層60との結合力が平坦部gよりも強い。すなわち、凹凸部hは、着脱層60と組み合わせることでアンカー(anker)効果を有する。
【0045】
図6(a)に示すように、微細凹凸パターン52には、平坦部g及び硬化可能な凹凸部hが帯(stripg)状に配置されている(a)。このとき、平坦部gが占める割合は、平坦部g及び凹凸部hの全体面積の5~95%であってもよい。本発明の微細凹凸パターン52が適用される偏光フィルム40の形状によって、平坦部g及び凹凸部hの配列順序が異なる場合がある。例えば、ベゼル領域が比較的広い場合には、主にベゼル領域に凹凸部hを配置してもよい。このように、微細凹凸パターン52を構成する平坦部g及び凹凸部hのそれぞれの幅を適宜調整することができる。図中の前記帯の形状は、所定の厚さを有する長方形状であるが、場合によっては、波打ち状などに変形してもよい、
【0046】
図6(b)に示すように、微細凹凸パターン52が格子状に形成されており、各格子(セル)内には、平坦部gまたは凹凸部hが配置されている(b)。本発明の微細凹凸パターン52が適用される偏光フィルム40の形状によって、平坦部g及び凹凸部hの配列順序が異なる場合がある。例えば、ベゼル領域が広い場合、主にベゼル領域に凹凸部hを配置してもよい。このように、微細凹凸パターン52を構成する平坦部g及び凹凸部hのそれぞれの面積を適宜調整することができる。図中の前記格子の形状は、所定の厚さを有する長方形状であるが、場合によっては、円形状、楕円形状などの形状を含んでもよい。
【0047】
図6(c)に示すように、微細凹凸パターン52には、柵状に閉鎖された平坦部g及び凹凸部hが配置されている(c)。本発明の微細凹凸パターン52が適用される偏光フィルム40の形状によって、平坦部g及び凹凸部hの配列順序が異なる場合がある。例えば、ベゼル領域が広い場合、主にベゼル領域に凹凸部hを配置してもよい。このように、微細凹凸パターン52を構成する平坦部g及び凹凸部hのそれぞれの面積を適宜調整することができる。図中の前記柵形状は、所定の厚さを有する長方形状であるが、場合によっては、波打ち状などに変形してもよい。
【0048】
図6(d)に示すように、微細凹凸パターン52では、平坦部g及び凹凸部hのうちのいずれか一方が、閉鎖された柵の一部を貫通している(d)。本発明の微細凹凸パターン52が適用される偏光フィルム40の形状によって、平坦部g及び凹凸部hの配列順序が異なる場合がある。例えば、ベゼル領域が広い場合、主にベゼル領域に凹凸部hを配置してもよい。このように、微細凹凸パターン52を構成する平坦部g及び凹凸部hのそれぞれの面積を適宜調整することができる。図中の前記柵の形状は、所定の厚さを有する長方形状であるが、場合によっては、波打ち状などに変形してもよい。
【0049】
着脱層60を、本発明の実施例による微細凹凸パターン52を有する粘着調整層50に付着すると、着脱層60の粘着剤が微細凹凸の間の空間に浸透して、不透明な画面が透明になる。これにより、微細凹凸を有する微細凹凸パターン52を用いても、透明状態の画面の明視性(視認性)を維持し続けることができる。微細凹凸パターン52は、微細凹凸の割合を調整することにより、着脱層60の着脱に影響を与える接着力を自在に調整することができる。
【0050】
微細凹凸パターン52の微細凹凸は、様々な方法で形成される。例えば、シリカ等の半透明性ビーズを紫外線または熱硬化性樹脂などと混合し、粘着調整層50にコーティングし硬化させて形成することができる。また、紫外線または熱硬化性樹脂などでコーティングされた微細凹凸形状が刻まれたシート(sheet)またはロール金型を圧着し硬化させて形成することができる。紫外線または熱硬化性樹脂などでコーティングされたフィルムまたはシートを転写することにより、微細凹凸のある微細凹凸パターン52を作製することができる。微細凹凸に合わせた形状の金型を用いて成形することにより、微細凹凸パターン52を形成することができる。
【0051】
また、レーザービームを用いて粘着調整層50の表面に照射することにより、微細凹凸を形成することができる。紫外線または熱硬化インクを使用して粘着調整層50の表面に印刷することにより、微細凹凸を形成することができる。粘着調整層50の表面に物理的な衝撃を加えることにより、表面に微細凹凸を形成することができる。微細凹凸パターン52の場合は、マスキングした後、樹脂などをコーティングするか、露光やエッチングなどにより微細凹凸を形成し、マスクを除去することにより形成することができる。微細凹凸を形成する方法としては、上記の方法以外にも、本発明の範囲内で他の方法を適用することができる。
【0052】
本発明のディスプレイ装置100の偏光フィルム40は、別途に製造され、離型フィルムによって保護されている。偏光フィルム40の着脱層60を微細凹凸パターン52に付着するためには、前記離型フィルムを除去する。離型フィルムが除去されると、着脱層60が露出される。このとき、微細凹凸が形成された微細凹凸パターン52は、それ自体で指紋防止、汚染防止及び反射防止などの効果があり、画面の明視性(視認性)を損なうことなく、微細凹凸により着脱層60が安定して着脱できるという効果を得ることができる。
【0053】
図7は、本発明の実施例によるディスプレイ装置に適用される微細凹凸パターン52の微細凹凸の例を示す断面図である。ここで、粘着調整層50は、微細凹凸パターン52に該当する。
【0054】
図7に示すように、微細凹凸パターン52には、様々な形状の微細凹凸が形成されている。ここでは、そのいくつかの例を示す。ここでは、微細凹凸パターン52の断面が、長方形52a、三角形52b、円形52cのうちから選ばれたいずれか一つの形状、あるいは、ビーズ(bead)またはビーズとバインダー52dからなることを例として挙げた。すなわち、微細凹凸52a~52dの断面は、角張っているか、または、曲率を有するか、あるいは、これらが組み合わされたものであってもよい。微細凹凸パターン52に微細凹凸52a~52dを形成すると、微細凹凸パターン52が半透明となり、光透過率が低下する。透過率が低下した微細凹凸52a~52dを含む微細凹凸パターン52は、透過率が低く、微細凹凸52a~52dのない透明部分とは区別される。
【0055】
微細凹凸52a~52dは、指紋防止、汚染防止、反射防止などの様々な効果を発現させる。微細凹凸52a~52dがあれば、指紋や汚れがついた部分が不連続になり、指紋の形成、汚染物質の付着を防止することができる。具体的には、微細凹凸52a~52dの凸部には指紋や汚れが付着する可能性があるが、凹部には付着しない。したがって、微細凹凸52a~52dは、指紋防止、汚れ防止の効果がある。また、微細凹凸52a~52dは、乱反射を誘導する。前記乱反射により、外光がディスプレイ装置100、200、300の画面部で反射しないように遮断する。前記乱反射は、外光がディスプレイ装置100、200、300の画面部から反射されないように遮断する。さらに、微細凹凸52a~52dには凹部が存在しているため、気泡の排出が容易である。すなわち、微細凹凸52a~52dは、着脱層60が微細凹凸パターン52に安定して着脱されるようにする。
【0056】
着脱層60を、本発明の実施例による微細凹凸52a~52dを有する微細凹凸パターン52に付着すると、着脱層60の粘着剤が微細凹凸52a~52dの間の空間に浸透して、半透明の画面が透明に変化する。これにより、微細凹凸52a~52dを有する微調整パターン52を用いても、透明状態の画面の明視性(視認性)を維持続けることができる。
【0057】
図8は、本発明の実施例によるディスプレイ装置に適用される微細凹凸パターン52のパターン例を示す斜視図である。このとき、微細凹凸については、
図7を参照する。
【0058】
図8に示すように、微細凹凸パターン52は、ライン状(a)52e、格子状(b)52f、島状(c)52gなどの配列が可能である。このとき、微細凹凸パターン52の配列においては、断面が長方形52aである場合を例に挙げたが、三角形52b、円形52cのうちから選ばれたいずれか一つの形状、あるいは、ビーズ(bead)またはビーズとバインダー52dからなることも可能である。すなわち、微細凹凸52a~52dの断面は、角張っているか、または、曲率を有するか、あるいは、これらが組み合わされたものである。また、微細凹凸パターン52の配列は、一定間隔で規則的に配列されていてもよいが、一定間隔ではなく不規則に配列されていてもよい。
【0059】
一方、本発明の実施例では、粘着調整パターン51と微細凹凸パターン52とを組み合わせてもよい。例えば、前述の粘着調整パターン51で提示した概念を、微細凹凸パターン52の平坦部gにそのまま適用してもよい。微細凹凸パターン52の平坦部gは、粘着調整パターン51を採用してもよい。
【0060】
また、本発明の実施例による着脱層60は、表面改質シートを適用してもよく、粘着剤がコーティングされていない着脱シートを適用してもよい。したがって、前記表面改質シート及び着脱シートは、着脱層60の例であってもよい。
【0061】
前記表面改質シートは、透明な高分子フィルムの表面にプラズマ処理、コロナ処理、またはこれらの連続処理することにより、表面の接着力が0.1gf/25mm~500gf/25mmに変化したものである。ここで、前記連続処理は、コロナ処理後のプラズマ処理の順に行うことが好ましい。このとき、高分子フィルムは、例えば、PET(polyethylene terephthalate)、PEN(polyethylene naphthalate)、PES(polyether sulfone、PI(polyimide)、PAR(polyarylate)、PC(polycarbonate)、PMMA(polymethyl methacrylate)及びCOC(cycloolefin copolymer)のうちのいずれ一つ以上を含んでもよい。
【0062】
前記プラズマ処理の場合、大気圧プラズマ、減圧プラズマ、コロナプラズマなどのプラズマ法が用いられる。すなわち、高分子フィルムの粘着力を向上させるために、表面を化学的に洗浄するだけでなく、表面を活性化しながら化学的反応と物理的反応により表面の有機物を除去する。プラズマ処理を経た高分子フィルムは、イオンや電子の高エネルギーを利用して、表面から数μm以内の領域での化学的結合を変化させる。また、表面の所定の厚さを削り出して接触角を大きくする。高分子フィルムの表面が他の材料とよく反応できるように化学的や物理的に活性化される。このようにプラズマ処理された前記表面改質シートは、微細な異物の除去のような表面洗浄、表面粗さの変更、極性官能基の形成などの表面改質が行われる。
【0063】
前記コロナ処理の場合、コロナ放電技術を利用して、処理されるべき高分子フィルムの表面の接着力を向上させる。コロナを使用して前記高分子フィルムを処理すると、コロナ内の荷電粒子がフィルム表面に衝突するため、フィルムの表面が酸化される。したがって、表面酸化により生成された極性基、例えばC=O、COH、COOH、-COO-、-CO-等によりフィルムの表面エネルギーが増大し、導電性高分子物質との親和性が向上するため、フィルムの接着性が向上する。また、コロナ処理により、上記の化学極性基に加え、ポリマー分子間に架橋構造が形成されるため、密着性の向上を図ることができる。一般に、コロナ表面処理は、コロナ放電が発生する両電極間に高分子フィルムを配置し、両電極に所定の電力を供給してコロナ放電を発生させることにより、表面における接着力が0.1gf/25mm~500gf/25mmである前記表面改質シートを製造する。
【0064】
前記着脱シートは、コーティングではなくシート状でウィンドウ70に付着される粘着シートである。前記着脱シートは、アクリル系重合体、シリコーン系重合体またはウレタン系重合体である熱硬化性樹脂、または紫外線硬化型樹脂に架橋剤が混合された接着剤、またはこれらの混合物、またはこれらの共重合体のうちから選ばれたいずれか一つからなるシートであってもよい。例えば、(a)炭素数1~12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(b)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(c)アミド基を有する単量体、および(d)ビニルエステル系単量体を含む単量体成分を共重合し、樹脂酸価が0.1mgKOH/g以下で、誘電率が3~6であるアクリル系高分子化合物がある。また、シリコーンゲルであることを特徴とする光透過性減圧粘着シート、架橋シリコーン系(cross-linked silicone type)粘着シートがある。
【0065】
また、前記着脱シートは、アルコキシアルキルアクリレートを主な単量体とする酸成分を含まない特定の分子量のアクリル系重合体と架橋剤とを含む粘着剤組成物からなるシート;固形分比で、(メタ)アクリル系樹脂65~85質量%と、ポリオキシアルキレンポリオール10~30質量%と、ポリイソシアネート1.0~5.0質量%と、スズ系触媒0.005~0.1質量%とを含み、酸価0~5mgKOH/g、(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量10万~60万、(B)ポリオキシアルキレンポリオールの数平均分子量500~1500である透明粘着シート;などがある。
【0066】
ヒドロゲルタイプのシートが可能である。例えば、シロキサンプレポリマーと親水性モノマーとの共重合体を主成分とするヒドロゲルが好ましい。前記ヒドロゲルは、光学的に透明で均質である。もちろん、前記ヒドロゲルに接着力を付与するために、所定のエラストマーなどの物質を混合することができる。前記エラストマーは、常温ではゴムの特性を持っているが、高温では徐々に可塑化することでプラスチックの特性を示す。熱可塑性エラストマーは、架橋結合のない弾性ゴムの形で存在する。特にオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂とオレフィン系ゴム(例えば、EDPM、エチレンプロピレンジエンモノマー)を主成分として結合させた物質である。
【0067】
本発明の実施例による着脱シートは0.1gf/25mm~500gf/25mmの接着力を有するシートタイプであるため、コーティングする工程に比べて簡単に偏光フィルム40に着脱することができる。すなわち、前記着脱シートを偏光フィルム40の大きさに合わせて付着すればよい。前記着脱シートのそれぞれの厚さは、着脱が十分に行われる程度であればよいが、好ましくは10μm~200μmである。前記厚さが、本発明に属する分野で通常の知識を有する者が繰り返し実験により得られることは明らかである。
【0068】
以上、本発明を好適な実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で当分野で通常の知識を有する者によって様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 ディスプレイ
20 タッチスクリーン
30 接着層
40 偏光フィルム
50 粘着調整層
51 粘着調整パターン
52 微細凹凸パターン
60 着脱層
70 ウィンドウ