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特許7100927ワーク加工装置及びそのワーク加工装置を備えた超音波加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】ワーク加工装置及びそのワーク加工装置を備えた超音波加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23D 79/00 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
B23D79/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021510142
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(86)【国際出願番号】 JP2020042759
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】506329292
【氏名又は名称】スターテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134326
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 聡
(72)【発明者】
【氏名】菱川 辰巳
【審査官】荻野 豪治
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-131106(JP,A)
【文献】特開2005-349549(JP,A)
【文献】特開2007-098513(JP,A)
【文献】特開平06-055494(JP,A)
【文献】特開2014-213386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 79/00
B26D 1/04 - 1/11
B26D 3/00 - 3/30
B26D 5/00 - 5/42
B26D 7/08
B26D 7/26
B29C 37/02
B24B 1/00 - 1/04
B24B 9/00 - 19/28
B24B 41/00 - 51/00
B23C 3/12
B23B 51/10
B23K 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ッター刃の進行方向に対する角度を、ークの形状に応じて変更可能なカッター刃角度変更機構と、前記カッター刃の前記角度の変更方向に抗して、前記カッター刃角度変更機構を付勢するカッター刃角度付勢機構と、を備え、前記カッター刃を使用して前記ワーク を加工するワーク加工装置において、
前記カッター刃角度付勢機構は、前記カッター刃角度変更機構の両側に向かって、所定の 空気圧によって付勢され、かつ突出して配置された移動可能な2つの第1のピストンを備 え、
前記カッター刃の前記角度が変更されない場合には、前記カッター刃角度変更機構に前記 2つの第1のピストンを当接させて付勢し、前記カッター刃の前記角度が変更される場合 には、その変更方向に応じて、前記カッター刃角度変更機構に前記2つの第1のピストン のうち何れか1つの第1のピストンに当接させて付勢することを特徴とするワーク加工装置。
【請求項2】
前記カッター刃角度変更機構が前記2つの第1のピストンに当接して付勢されているとき に前記カッター刃の前記角度を固定するカッター刃角度ロック機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のワーク加工装置。
【請求項3】
前記カッター刃を、前記ワークの形状に応じて、前記ワークに対する一定方向の位置を変更可能なカッター刃位置変更機構と、
前記カッター刃の前記位置の変更方向に抗して、前記カッター刃位置変更機構を付勢するカッター刃位置付勢機構と、を備え
前記カッター刃位置付勢機構は、前記カッター刃位置変更機構の両側に向かって、所定の 空気圧によって付勢され、かつ突出して配置された移動可能な2つの第2のピストンを備 え、
前記カッター刃の前記位置が変更されない場合には、前記カッター刃位置変更機構に前記 2つの第2のピストンを当接させて付勢し、前記カッター刃の前記位置が変更される場合 には、その位置方向に応じて、前記カッター刃位置変更機構に前記2つの第2のピストン のうち何れか1つの第2のピストンを当接させて付勢することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワーク加工装置。
【請求項4】
前記カッター刃位置変更機構が前記2つの第2のピストンに当接して付勢されているとき に前記カッター刃の前記位置を固定するカッター刃位置ロック機構を備えたことを特徴とする請求項に記載のワーク加工装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項の何れかのワーク加工装置を備え、
前記カッター刃を、前記角度の変更方向と交差する方向に、超音波振動させてワークを加工することを特徴とする超音波加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを加工するためのワーク加工装置及びそのワーク加工装置を備えた超音波加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワークを加工するためのワーク加工装置及び超音波加工装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1及び特許文献2には、カッター刃10を使用してワークを加工する超音波加工装置が記載されており、この超音波加工装置は、カッター刃10を、ワークの形状に応じて揺動させるとともに、揺動機構を、コイルスプリング機構84によって、カッター刃10の揺動角度方向に抗して付勢することによって、カッター刃10を被加工物の面に押し当てるようにしている(引用文献1の図13及び図14等、引用文献2の図13及び図14等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-273212号公報
【文献】特開2008-030251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1及び引用文献2に記載のカッター刃は、揺動機構のみによって揺動していることから、被加工物に対する揺動方向への押し当てについては問題無いものの、複雑な形状の被加工物には対応できない可能性が高いという問題があった。
【0006】
すなわち、引用文献1及び引用文献2に記載のカッター刃は、揺動機構のみによって揺動していることから、被加工物の形状が複雑な場合には、カッター刃を被加工物の面に沿って押し当てることができないという問題があった。
【0007】
本発明は、従来技術が有する上述した問題に対応してなされたものであり、複雑な加工形状の被加工物(以下、「ワーク」と記す)に対しても、カッター刃を有効に押し当てることができるワーク加工装置、また、そのワーク加工装置を備え、複雑な加工形状の被加工物をより精密に加工することができる超音波加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様は、カッター刃を使用してワークを加工するワーク加工装置において、前記カッター刃の進行方向に対する角度を、前記ワークの形状に応じて変更可能なカッター刃角度変更機構と、前記カッター刃の前記角度の変更方向に抗して、前記カッター刃角度変更機構を付勢するカッター刃角度付勢機構と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様のワーク加工装置において、前記カッター刃角度付勢機構は、前記カッター刃の前記角度に拘わらず、略一定の付勢力で前記カッター刃角度変更機構を付勢することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様のワーク加工装置において、前記カッター刃を、前記ワークの形状に応じて、前記ワークに対する一定方向の位置を変更可能なカッター刃位置変更機構と、前記カッター刃の前記位置の変更方向に抗して、前記カッター刃位置変更機構を付勢するカッター刃位置付勢機構と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第4の態様は、第1の態様または第2の態様のワーク加工装置において、前記角度を固定するカッター刃角度ロック機構を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第5の態様は、第3の態様のワーク加工装置において、前記角度を固定するカッター刃角度ロック機構を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第6の態様は、第3の態様または第5の態様のワーク加工装置において、前記ワークに対する前記一定方向の位置を固定するカッター刃位置ロック機構を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第7の態様の超音波加工装置は、第1の態様乃至第6の態様の何れかのワーク加工装置を備え、前記カッター刃を、前記角度の変更方向と交差する方向に、超音波振動させてワークを加工することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の第8の態様の超音波加工装置は、第3の態様、第5の態様、または第6の態様のワーク加工装置を備え、前記カッター刃を、前記ワークに対する前記一定方向と交差する方向に、超音波振動させてワークを加工することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の態様のワーク加工装置によれば、カッター刃を使用してワークを加工するものを対象として、特に、カッター刃の進行方向に対する角度を、ワークの形状に応じて変更可能なカッター刃角度変更機構と、カッター刃の角度の変更方向に抗して、カッター刃角度変更機構を付勢するカッター刃角度付勢機構と、を備えているので、複雑な加工形状のワークに対しても、カッター刃を有効に押し当てて加工することができる。
【0017】
また、本発明の第2の態様のワーク加工装置によれば、第1の態様のワーク加工装置において、カッター刃角度付勢機構は、カッター刃の角度に拘わらず、略一定の付勢力でカッター刃角度変更機構を付勢するので、第1の態様のワーク加工装置の効果に加え、複雑な加工形状のワークであっても、カッター刃をさらに有効に押し当てて加工することができる。
【0018】
また、本発明の第3の態様のワーク加工装置によれば、第1の態様または第2の態様のワーク加工装置において、カッター刃を、ワークの形状に応じて、ワークに対する一定方向の位置を変更可能なカッター刃位置変更機構と、カッター刃の位置の変更方向に抗して、カッター刃位置変更機構を付勢するカッター刃位置付勢機構と、を備えているので、第1の態様または第2の態様のワーク加工装置の効果に加え、複雑な加工形状のワークであっても、カッター刃をさらに有効に押し当てて加工することができる。
【0019】
また、本発明の第4の態様のワーク加工装置によれば、第1の態様または第2の態様のワーク加工装置において、角度を固定するカッター刃角度ロック機構を備えているので、第1の態様または第2の態様のワーク加工装置の効果に加え、ワークの形状に応じて、カッター刃を有効に押し当てる機構を選択してワークを加工することができる。
【0020】
また、本発明の第5の態様のワーク加工装置によれば、第3の態様のワーク加工装置において、角度を固定するカッター刃角度ロック機構を備えているので、第3の態様のワーク加工装置の効果に加え、ワークの形状に応じて、カッター刃を有効に押し当てる機構を選択してワークを加工することができる。
【0021】
また、本発明の第6の態様のワーク加工装置によれば、第3の態様または第5の態様のワーク加工装置において、ワークに対する一定方向の位置を固定するカッター刃位置ロック機構を備えているので、第3の態様または第5の態様のワーク加工装置の効果に加え、ワークの形状に応じて、カッター刃を有効に押し当てる機構をさらに選択してワークを加工することができる。
【0022】
また、本発明の第7の態様の超音波加工装置によれば、第1の態様乃至第6の態様の何れかのワーク加工装置を備え、カッター刃を、角度の変更方向と交差する方向に、超音波振動させてワークを加工するので、ワークをより精密に加工することができる。
【0023】
さらに、本発明の第8の態様の超音波加工装置によれば、第3の態様、第5の態様または第6の態様のワーク加工装置を備え、カッター刃を、ワークに対する一定方向と交差する方向に、超音波振動させてワークを加工するので、ワークをより精密に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態の超音波加工装置の全体側面図である。
図2】本実施形態の超音波加工装置に備えられたワーク加工装置の全体斜視図である。
図3図2のA-A断面図である。
図4図2のB-B断面図であり、カッター刃角度付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かっていない状態(角度0度)を示す図である。
図5図2のC-C断面図であり、カッター刃位置付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かっていない状態(位置0mm)を示す図である。
図6】本実施形態の超音波加工装置のブロック図である。
図7】本実施形態の超音波加工装置のメインコントローラのブロック図である。
図8】本実施形態の超音波加工装置におけるメインプログラムのフローチャートである。
図9】本実施形態の超音波加工装置における超音波加工プログラムのフローチャートである。
図10図2のB-B断面図において、カッター刃角度付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かり、カッター刃が反時計回り方向に最大角度回転した状態(角度+θ1度)を示す図である。
図11図2のB-B断面図において、カッター刃角度付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かり、カッター刃が時計回り方向に最大角度回転した状態(角度-θ1度)を示す図である。
図12図2のB-B断面図において、カッター刃角度ロック用シリンダーをONさせ、カッター刃の角度を固定した状態(角度0度)を示す図である。
図13】取り付けられたカッター刃を下方から見た図であり、カッター刃とカッター刃の回転方向との関係を説明した説明図である。
図14図2のC-C断面図において、カッター刃位置付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かり、カッター刃が+X方向に最大変位移動した状態(角度+X1mm)を示す図である。
図15図2のC-C断面図において、カッター刃位置付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かり、カッター刃が-X方向に最大変位移動した状態(角度-X1mm)を示す図である。
図16図2のC-C断面図において、カッター刃位置ロック用シリンダーをONさせ、カッター刃の位置を固定した状態(変位0mm)を示す図である。
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
(実施形態)
先ず、本発明の実施形態について説明する。
【0027】
図1は、本発明の1実施形態の超音波加工装置の全体側面図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の超音波加工装置1は、テーブル10と、そのテーブル10に固定された多関節ロボット3と、その多関節ロボット3の先端に回転可能に接続されたワーク加工装置5と、テーブル10に設けられたワーク設置台16と、テーブル10に配置された発振器2、メインコントローラ4及びロボットコントローラ6と、テーブル10の外部に配置されたエアコンプレッサー14(図6参照)とを備える。
【0029】
そして、本実施形態の超音波加工装置1は、ワーク加工装置5の先端に接続された、断面両側が研磨された先細りのカッター刃69を振動子71によって図面上上下方向に超音波振動させることによって、ワーク設置台16に設置されたワークWを加工するものである。
【0030】
なお、ワーク設置台16には、操作パネル8が設けられており、超音波加工装置1の操作者は、操作パネル8を操作することにより超音波加工装置1を動作させることができる。
【0031】
多関節ロボット3は、ロボットコントローラ6からの指令によって動作する一般の5軸の多関節ロボットであり、ワーク加工装置5の位置及び角度を自在に変えて、ワークWに対向するものである。
【0032】
多関節ロボット3は、第1の基台32に対して、第2の基台34を旋回させるための第1回転軸44と、第2の基台34に対して下腕部(下アーム部)36を前後に回動させるための第2回転軸46と、下腕部36に対して中腕部(中アーム部)38を上下に回動させるための第3回転軸48と、中腕部38に対して上腕部(上アーム部)40を上下に回動させるための第4回転軸50と、上腕部40に対して回転部42を同軸に回転させるための第5回転軸52との5軸を備える。
【0033】
多関節ロボット3は、ケーブル(図示せず)によってロボットコントローラ6に電気的に接続されており、ロボットコントローラ6は、メインコントーラ4に電気的に接続されている(図6参照)。
【0034】
図2は、本実施形態の超音波加工装置1に備えられたワーク加工装置5の全体斜視図であり、図3は、図2のA-A断面図であり、図4は、図2のB-B断面図であり、カッター刃角度付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かっていない状態(角度0度)を示す図であり、図5は、 図2のC-C断面図であり、カッター刃位置付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かっていない状態(角度0度)を示す図である。
【0035】
ワーク加工装置5は、その先端に接続されたカッター刃69を、発振器2からケーブル73を介して電気的に接続された振動子71により超音波振動させることによって、ワーク設置台16に設置されたワークWを加工するものである。
【0036】
ワーク加工装置5は、図2乃至図5に示すように、下部のカッター刃角度変更機構9、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a、第2のカッター刃角度付勢用シリンダー75b及びカッター刃角度ロック用シリンダー77と、上部のカッター刃位置変更機構7、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a、第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79b及びカッター刃位置ロック用シリンダー81とを備える。
【0037】
カッター刃角度変更機構9は、図3及び図4に示すように、ワーク加工装置5に固定された基軸11と、その基軸11に回転可能に接続され、振動子71及びカッター刃69が接続された回転体13と、その回転体13に設けられ、後述する第3の突起部87に当接可能な第1の突起部83と、回転体13の第1の突起部83とは反対側に設けられ、後述する第4の突起部89に当接可能な第2の突起部85と、回転体13に設けられ、後述するロックピン39が勘合する凹部91と、回転体13が回転可能に形成された空隙部15とを備える。
【0038】
第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75aは、回転体13の平面視左回転の回転力に抗して回転体13を付勢するものであって、内部に空隙部21を有する第1の筐体17と、その第1の筐体17の空隙部21内にスライド可能に配置されたピストン19と、そのピストン19の先端に接続された第3の突起部87とを備え、第1の筐体17の空隙部21とエアコンプレッサー14(図6参照)とは、接続チューブ23によって連通されている。
【0039】
また、第2のカッター刃角度付勢用シリンダー75bは、回転体13の平面視右回転の回転力に抗して回転体13を付勢するものであって、内部に空隙部29を有する第2の筐体25と、その第2の筐体25の空隙部29内にスライド可能に配置されたピストン27と、そのピストン27の先端に接続された第4の突起部89とを備え、第2の筐体25の空隙部29とエアコンプレッサー14(図6参照)とは、接続チューブ31によって連通されている。
【0040】
なお、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a、第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75b、接続チューブ23、接続チューブ31及びエアコンプレッサー14が本発明の「カッター刃角度付勢機構」を構成する。
【0041】
さらに、カッター刃角度ロック用シリンダー77は、回転体13の回転を停止させるものであって、内部に空隙部37(図12参照)を有する第3の筐体33と、その第3の筐体33の空隙部37内にスライド可能に配置されたピストン35と、そのピストン35の先端に接続されたロックピン39とを備え、第3の筐体33の空隙部37とエアコンプレッサー14(図6参照)とは接続チューブ41及び接続チューブ43によって連通されている。
【0042】
なお、カッター刃角度ロック用シリンダー77、接続チューブ41、接続チューブ43及びエアコンプレッサー14が本発明の「カッター刃角度ロック機構」を構成する。
【0043】
カッター刃位置変更機構7は、図3及び図5に示すように、ワーク加工装置5に固定された基台92と、その基台92に移動可能に接続された移動体90と、その移動体90に設けられ、後述する第5の突起部95に当接可能な第7の突起部97と、移動体90に設けられ、後述する第6の突起部99に当接可能な第8の突起部98と、移動体90に設けられ、後述するロックピン67が勘合する凹部93とを備える。
【0044】
第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79aは、内部に空隙部49を有する第4の筐体45と、その第4の筐体45の空隙部49内にスライド可能に配置されたピストン47と、そのピストン47の先端に接続された第5の突起部95とを備え、第4の筐体45の空隙部49とエアコンプレッサー14(図6参照)とは、接続チューブ51によって連通されている。
【0045】
また、第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79bは、内部に空隙部57を有する第5の筐体53と、その第5の筐体53の空隙部57内にスライド可能に配置されたピストン55と、そのピストン55の先端に接続された第6の突起部99とを備え、第5の筐体53の空隙部57とエアコンプレッサー14(図6参照)とは、接続チューブ59によって連通されている。
【0046】
なお、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a、第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79b、接続チューブ51、接続チューブ59及びエアコンプレッサー14が本発明の「カッター刃位置付勢機構」を構成する。
【0047】
さらに、カッター刃位置ロック用シリンダー81は、内部に空隙部65(図16参照)を有する第6の筐体61と、その第6の筐体61の空隙部65(図16参照)内にスライド可能に配置されたピストン63と、そのピストン63の先端に接続されたロックピン67とを備え、第6の筐体61の空隙部65(図16参照)とエアコンプレッサー14(図6参照)とは、接続チューブ94及び接続チューブ96によって連通されている。
【0048】
なお、カッター刃位置ロック用シリンダー81、接続チューブ94、接続チューブ96及びエアコンプレッサー14が本発明の「カッター刃位置ロック機構」を構成する。
【0049】
次に、本実施形態の超音波加工装置1のブロック図について説明する。
【0050】
図6は、本実施形態の超音波加工装置のブロック図であり、図7は、本実施形態の超音波加工装置のメインコントローラのブロック図である。
【0051】
図6において、超音波加工装置1は、電源12に電気的に接続されたメインコントローラ4と、そのメインコントローラ4に電気的に接続され、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a、第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75b、カッター刃角度ロック用シリンダー77、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a、第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79b及びカッター刃位置ロック用シリンダー81を駆動するためのエアコンプレッサー14と、メインコントローラ4に電気的に接続され、多関節ロボット3を制御するためのロボットコントローラ6と、振動子71を駆動するための発振器2と、装置の操作者からの入力を受け付ける操作パネル8とを備える。
【0052】
なお、本実施形態においては、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75bを、纏めて「カッター刃角度付勢用シリンダー75」、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a及び第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79bを、纏めて「カッター刃位置付勢用シリンダー79」と記すこともある。
【0053】
また、図7において、メインコントローラ4は、CPU(中央演算処理装置)22と、そのCPU22に入出力可能に接続されたRAM(Random Access Memory)24と、CPU22に入出力可能に接続されたROM(Read Only Memory)26とを備える。
【0054】
RAM24は、ワークWを加工するための加工データを記憶した加工データテーブル24aと、超音波加工装置1がワークWを加工する際の後述する加工モードに対応した設定項目を記憶した加工モードデータテーブル24bとを備える。
【0055】
また、ROM26は、本実施形態の超音波加工装置1全体の動作を司るメインプログラム26aと、後述する加工モードに応じて超音波加工装置1の超音波加工を実行する超音波加工プログラム26bとを備える。
【0056】
次に、上述した構成の超音波加工装置1の動作について説明する。
【0057】
図8は、本実施形態の超音波加工装置におけるメインプログラムのフローチャートであり、図9は、本実施形態の超音波加工装置における超音波加工プログラムのフローチャートである。
【0058】
本実施形態の超音波加工装置1は、前述した通り、ワーク加工装置5の先端に接続されたカッター刃69を振動子71によって超音波振動させることによって、ワーク設置台16に設置されたワークWを加工するものである。
【0059】
また、本実施形態の超音波加工装置1は、ワークWを加工する加工モードとして、4つの加工モードを備えている。
【0060】
具体的には、本実施形態の超音波加工装置1は、カッター刃角度付勢用シリンダー75及びカッター刃位置付勢用シリンダー79をONさせた状態でカッター刃69を付勢し、ワークWを加工する第1の加工モードと、カッター刃角度ロック用シリンダー77及びカッター刃位置付勢用シリンダー79をONさせた状態でカッター刃69を付勢し、ワークWを加工する第2の加工モードと、カッター刃角度付勢用シリンダー75及びカッター刃位置ロック用シリンダー81をONさせた状態でカッター刃69を付勢し、ワークWを加工する第3の加工モードと、カッター刃角度ロック用シリンダー77及びカッター刃位置ロック用シリンダー81をONさせた状態でカッター刃69を付勢せずに、ワークWを加工する第4の加工モードと、を備える。
【0061】
図8において、先ず、装置の操作者が電源スイッチを入れた後、操作パネル8上の操作ボタンによってワークWの処理個数及び加工モードを入力してスタートボタンを押下すると、超音波加工装置1は、多関節ロボット3のアームを初期位置に移動させ(S1)、ワークWの処理個数をセットし(S3)、入力された加工モードに基づいて加工モードデータテーブル24bから設定項目を抽出し(S5)、後述する超音波加工プログラムを実行する(S7)。
【0062】
(第1の加工モード)
先ず、カッター刃角度付勢用シリンダー75及びカッター刃位置付勢用シリンダー79をONさせた状態でカッター刃69を付勢し、ワークWを加工する第1の加工モードが設定されているとして説明する。なお、第1の加工モードは、複雑な加工形状のワークWを加工する際に最適な加工モードである。
【0063】
図9において、超音波加工プログラムでは、先ず、加工データテーブル24aから加工データを取得した後(S21)、加工モードがカッター刃角度付勢モードか否かが判断される(S23)。
【0064】
第1の加工モードは、カッター刃角度付勢モードを使用するため(S23:Yes)、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2のカッター刃角度付勢用シリンダー75bがONされ(S25)、加工モードがカッター刃位置付勢モードか否かが判断される(S29)。
【0065】
第1の加工モードは、カッター刃位置付勢モードを使用するため(S29:Yes)、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a及び第2の第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79bがONされる(S31)。
【0066】
なお、上述した図4は、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75bがONされ、カッター刃に負荷が掛かっていない状態(角度0度)を示している。
【0067】
図4を参照して、具体的に説明すると、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75aがONされ、エアがエアコンプレッサー14から接続チューブ23を介して第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75aの第1の筐体17の空隙部21に注入されると、ピストン19が図面上下側に下がり、ピストン19の先端に接続された第3の突起部87が回転体13に設けられた第1の突起部83に当接する。
【0068】
また、第2のカッター刃角度付勢用シリンダー75bがONされ、エアがエアコンプレッサー14から接続チューブ31を介して第2のカッター刃角度付勢用シリンダー75bの第2の筐体25の空隙部29に注入されると、ピストン27が図面上上側に上がり、ピストン27の先端に接続された第4の突起部89が回転体13に設けられた第2の突起部85に当接する。
【0069】
このように、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75bがONされると、回転体13は、基軸11に対して図面上右回り方向及び左周り方向に回転可能であるものの、回転体13が、ピストン19の先端に接続された第3の突起部87及びピストン27の先端に接続された第4の突起部89に付勢されることにより、カッター刃69に負荷が掛からない状態であれば、カッター刃69は、角度0度の位置(図13参照)に安定している状態となる。
【0070】
超音波加工プログラムに戻り、加工モードの設定が完了すると、次に、ワークWがワーク設置台16にセットされているか否かが判断され(S35)、ワークWがワーク設置台16にセットされていない場合には(S35:No)、ワークWがワーク設置台16にセットされるまで待ち、ワークWがワーク設置台16にセットされている場合には(S35:Yes)、カッター刃69に接続された振動子71を超音波振動させるために発振器2を駆動する(S37)。
【0071】
次に、カッター刃69がワークWに対する加工開始位置に位置するように、多関節ロボット3の各アームを移動させ(S39)、ワークWを超音波加工するためにカッター刃69を移動させる(S41)。
【0072】
ここで、カッター刃角度付勢用シリンダー75及びカッター刃位置付勢用シリンダー79をONさせた状態でカッター刃69を付勢してワークWを加工する第1の加工モードにおいて、ワーク加工装置5内部の動作について説明する。
【0073】
図10は、図2のB-B断面図において、カッター刃角度付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かり、カッター刃が反時計回り方向に最大角度回転した状態(角度+θ1度)を示す図であり、図11は、図2のB-B断面図において、カッター刃角度付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かり、カッター刃が時計回り方向に最大角度回転した状態(角度-θ1度)を示す図であり、図13は、取り付けられたカッター刃を下方から見た図であり、カッター刃とカッター刃の回転方向との関係を説明した説明図である。
【0074】
上述した通り、図4は、カッター刃69に負荷が掛からない状態を示しているが、第1の加工モードにおいては、ワーク加工装置5のワークW加工中において、カッター刃69がワークWから回転負荷を受けた場合には、カッター刃69が±数度(最高±5°)の範囲内で回転可能なように構成されている。
【0075】
しかしながら、回転体13は、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2のカッター刃角度付勢用シリンダー75bがONすることによって、ピストン19の先端に接続された第3の突起部87が回転体13に設けられた第1の突起部83に当接し、かつ、ピストン27の先端に接続された第4の突起部89が回転体13に設けられた第2の突起部85に当接することによって、常に角度0度の位置(図13参照)に向かって付勢された状態にあって、その状態で回転可能というのが正しい。
【0076】
例えば、図10に示すように、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75bがONされた状態で、カッター刃69に回転負荷が掛かり、回転体13に設けられた第1の突起部83がピストン19の先端に接続された第3の突起部87を押し続け、カッター刃69が図面上反時計回り方向に最大角度回転した場合(角度+θ1度)には、回転体13に設けられた第1の突起部83は、ピストン19の先端に接続された第3の突起部87に当接するが、回転体13に設けられた第2の突起部85は、ピストン27の先端に接続された第4の突起部89に当接しない。
【0077】
回転体13に設けられた第1の突起部83がピストン19の先端に接続された第3の突起部87を押し続けている場合には、第3の突起部87に当接する第1の突起部83は、第3の突起部87から-θ方向にf1の力で付勢される。なお、この力f1は、回転体13の角度によって変わるものではなく、第1の突起部83が第3の突起部87に当接する限りにおいて一定である。
【0078】
一方、例えば、図11に示すように、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75bがONされた状態で、カッター刃69に回転負荷が掛かり、回転体13に設けられた第2の突起部85がピストン27の先端に接続された第4の突起部89を押し続け、カッター刃69が図面上時計回り方向に最大角度回転した場合(角度-θ1度)には、回転体13に設けられた第2の突起部85は、ピストン27の先端に接続された第4の突起部89に当接するが、回転体13に設けられた第1の突起部83は、ピストン19の先端に接続された第3の突起部87に当接しない。
【0079】
回転体13に設けられた第2の突起部85がピストン27の先端に接続された第4の突起部89を押し続けている場合には、第4の突起部89に当接する第2の突起部85は、第4の突起部89から+θ方向にf1の力で付勢される。なお、この力f1も、回転体13の角度によって変わるものではなく、第2の突起部85が第4の突起部89に当接する限りにおいて一定である。
【0080】
図14は、図2のC-C断面図において、カッター刃位置付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かり、カッター刃が+X方向に最大変位移動した状態(角度+X1mm)を示す図であり、図15は、図2のC-C断面図において、カッター刃位置付勢用シリンダーをONさせ、カッター刃に負荷が掛かり、カッター刃が-X方向に最大変位移動した状態(角度-X1mm)を示す図である。
【0081】
上述した通り、図5は、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a及び第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79bをONさせ、カッター刃に負荷が掛かっていない状態(位置0mm)を示しているが、第1の加工モードにおいては、ワーク加工装置5のワークW加工中において、カッター刃69がワークWから負荷を受けた場合には、カッター刃69が±数mm(最高±5mm)の範囲内で移動可能なように構成されている。
【0082】
しかしながら、移動体90は、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a及び第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79bがONすることによって、移動体90に設けられた第7の突起部97がピストン47の先端に接続された第5の突起部95に当接し、かつ、移動体90に設けられた第8の突起部98がピストン55の先端に接続された第6の突起部99に当接することによって、常に位置0mmの位置(図14参照)に向かって付勢された状態にあって、その状態で移動可能というのが正しい。
【0083】
例えば、図14に示すように、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a及び第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79bがONされた状態で、カッター刃69に負荷が掛かり、移動体90に設けられた第8の突起部98がピストン55の先端に接続された第6の突起部99を押し続け、カッター刃69が+X方向に最大変位移動した場合(角度+X1mm)には移動体90に設けられた第8の突起部98は、ピストン55の先端に接続された第6の突起部99に当接するが、移動体90に設けられた第7の突起部97は、ピストン47の先端に接続された第5の突起部95に当接しない。
【0084】
移動体90に設けられた第8の突起部98がピストン55の先端に接続された第6の突起部99を押し続けている場合には、第6の突起部99に当接する第8の突起部98は、第6の突起部99から-X方向にf2の力で付勢される。なお、この力f2は、移動体90の位置によって変わるものではなく、第8の突起部98が第6の突起部99に当接する限りにおいて一定である。
【0085】
一方、例えば、図15に示すように、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a及び第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79bがONされた状態で、カッター刃69に負荷が掛かり、移動体90に設けられた第7の突起部97がピストン47の先端に接続された第5の突起部95を押し続け、カッター刃69が-X方向に最大変位移動した場合(角度-X1mm)には、移動体90に設けられた第7の突起部97は、ピストン47の先端に接続された第5の突起部95に当接するが、移動体90に設けられた第8の突起部98は、ピストン55の先端に接続された第6の突起部99に当接しない。
【0086】
移動体90に設けられた第7の突起部97がピストン47の先端に接続された第5の突起部95を押し続けている場合には、第5の突起部95に当接する第7の突起部97は、第5の突起部95から+X方向にf2の力で付勢される。なお、この力f2は、移動体90の位置によって変わるものではなく、第7の突起部97が第5の突起部95に当接する限りにおいて一定である。
【0087】
超音波加工プログラムに戻り、ワークWの加工が完了したか否かが判断され(S43)、ワークWの加工が完了していない場合には(S43:No)、カッター刃69の移動(加工)を継続し(S41)、ワークWの加工が完了している場合には(S43:Yes)、メインプログラムに戻る(S45)。
【0088】
(第2の加工モード)
次に、カッター刃角度ロック用シリンダー77及びカッター刃位置付勢用シリンダー79をONさせた状態でカッター刃69を付勢し、ワークWを加工する第2の加工モードについて説明する。なお、第2の加工モードは、第1のモードよりも高速で加工する場合に使用される。
【0089】
図9において、超音波加工プログラムでは、先ず、加工データテーブル24aから加工データを取得した後(S21)、加工モードがカッター刃角度付勢モードか否かが判断される(S23)。
【0090】
第2の加工モードは、カッター刃角度付勢モードを使用しないため(S23:No)、第1のカッター刃角度ロック用シリンダー77がONされ(S27)、加工モードがカッター刃位置付勢モードか否かが判断される(S29)。
【0091】
第2の加工モードは、カッター刃位置付勢モードを使用するため(S29:Yes)、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a及び第2の第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79bがONされる(S31)。
【0092】
図12は、図2のB-B断面図において、カッター刃角度ロック用シリンダーをONさせ、カッター刃の角度を固定した状態(角度0度)を示す図である。
【0093】
図12を参照して、具体的に説明すると、カッター刃角度ロック用シリンダー77がONされ、エアがエアコンプレッサー14から接続チューブ41及び接続チューブ43を介してカッター刃角度ロック用シリンダー77の第3の筐体33の空隙部37に注入されると、ピストン35が図面上左側に移動し、ピストン35の先端に接続されたロックピン39が回転体13に設けられた凹部91に勘合する。
【0094】
このように、カッター刃角度ロック用シリンダー77がONされると、回転体13は、ロックピン39によって固定され、カッター刃69は、角度0度の位置(図13参照)に固定される。
【0095】
超音波加工プログラムに戻り、加工モードの設定が完了すると、次に、ワークWがワーク設置台16にセットされているか否かが判断され(S35)、ワークWがワーク設置台16にセットされていない場合には、ワークWがワーク設置台16にセットされるのを待ち(S35:No)、ワークWがワーク設置台16にセットされている場合には(S35:Yes)、カッター刃69に接続された振動子71を超音波振動させるために発振器2を駆動する(S37)。
【0096】
次に、カッター刃69がワークWに対する加工開始位置に位置するように、多関節ロボット3の各アームを移動させ(S39)、ワークWを超音波加工するためにカッター刃69を移動させる(S41)。
【0097】
なお、カッター刃位置付勢用シリンダー79をONさせた状態でカッター刃69を付勢してワークWを加工する際のワーク加工装置5内部の動作については、図5図14及び図15を参照して、上述した通りである。
【0098】
したがって、第2加工モードにおいては、加工装置5は、カッター刃69の角度を角度0度に固定するとともに、ワークWに対して、カッター刃69を位置0mmの位置に向かって一定の力f2で付勢するようにして、ワークWを加工する。
【0099】
そして、ワークWの加工が完了したか否かが判断され(S43)、ワークWの加工が完了していない場合には(S43:No)、カッター刃69の移動(加工)を継続し(S41)、ワークWの加工が完了している場合には(S43:Yes)、メインプログラムに戻る(S45)。
【0100】
(第3の加工モード)
次に、カッター刃角度付勢用シリンダー75及びカッター刃位置ロック用シリンダー81をONさせた状態でカッター刃69を付勢し、ワークWを加工する第3の加工モードについて説明する。なお、第3の加工モードも、複雑な加工形状のワークWを加工する際に適切な加工モードであるが、第1の加工モードよりも高速で加工する場合に使用される。
【0101】
図9において、超音波加工プログラムでは、先ず、加工データテーブル24aから加工データを取得した後(S21)、加工モードがカッター刃角度付勢モードか否かが判断される(S23)。
【0102】
第3の加工モードは、カッター刃角度付勢モードを使用するため(S23:Yes)、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2のカッター刃角度付勢用シリンダー75bがONされ(S25)、加工モードがカッター刃位置付勢モードか否かが判断される(S29)。
【0103】
第3の加工モードは、カッター刃位置付勢モードを使用しないため(S29:No)、カッター刃位置ロック用シリンダー81がONされる(S33)。
【0104】
図16は、図2のC-C断面図において、カッター刃位置ロック用シリンダーをONさせ、カッター刃の位置を固定した状態(変位0mm)を示す図である。
【0105】
図16を参照して、具体的に説明すると、カッター刃位置ロック用シリンダー81がONされ、エアがエアコンプレッサー14から接続チューブ94及び接続チューブ96を介してカッター刃位置ロック用シリンダー81の第6の筐体61の空隙部65に注入されると、ピストン63が図面上左側に移動し、ピストン63の先端に接続されたロックピン67が移動体90に設けられた凹部93に勘合する。
【0106】
このように、カッター刃位置ロック用シリンダー81がONされると、移動体90は、ロックピン67によって固定され、カッター刃69は、位置0mmの位置(図16等参照)に固定される。
【0107】
超音波加工プログラムに戻り、加工モードの設定が完了すると、次に、ワークWがワーク設置台16にセットされているか否かが判断され(S35)、ワークWがワーク設置台16にセットされていない場合には、ワークWがワーク設置台16にセットされるのを待ち(S35:No)、ワークWがワーク設置台16にセットされている場合には(S35:Yes)、カッター刃69に接続された振動子71を超音波振動させるために発振器2を駆動する(S37)。
【0108】
次に、カッター刃69がワークWに対する加工開始位置に位置するように、多関節ロボット3の各アームを移動させ(S39)、ワークWを超音波加工するためにカッター刃69を移動させる(S41)。
【0109】
なお、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2のカッター刃角度付勢用シリンダー75bがONさせた状態でカッター刃69を付勢してワークWを加工する際のワーク加工装置5内部の動作については、図4図10図11及び図13を参照して、上述した通りである。
【0110】
したがって、第3の加工モードにおいては、加工装置5は、カッター刃69の位置を位置0mmに固定するとともに、ワークWに対して、カッター刃69を角度0度に向かって一定の力f1で付勢するようにして、ワークWを加工する。
【0111】
そして、ワークWの加工が完了したか否かが判断され(S43)、ワークWの加工が完了していない場合には(S43:No)、カッター刃69の移動(加工)を継続し(S41)、ワークWの加工が完了している場合には(S43:Yes)、メインプログラムに戻る(S45)。
【0112】
(第4の加工モード)
最後に、カッター刃角度ロック用シリンダー77及びカッター刃位置ロック用シリンダー81をONさせた状態でカッター刃69を付勢せずに、ワークWを加工する第4の加工モードについて説明する。なお、第4の加工モードは、最も高速で加工する場合に使用される。
【0113】
図9において、超音波加工プログラムでは、先ず、加工データテーブル24aから加工データを取得した後(S21)、加工モードがカッター刃角度付勢モードか否かが判断される(S23)。
【0114】
第4の加工モードは、カッター刃角度付勢モードを使用しないため(S23:No)、カッター刃角度ロック用シリンダー77がONされ(S27)、加工モードがカッター刃位置付勢モードか否かが判断される(S29)。
【0115】
また、第4の加工モードは、カッター刃位置付勢モードも使用しないため(S29:No)、カッター刃位置ロック用シリンダー81がONされる(S33)。
【0116】
そして、加工モードの設定が完了すると、次に、ワークWがワーク設置台16にセットされているか否かが判断され(S35)、ワークWがワーク設置台16にセットされていない場合には、ワークWがワーク設置台16にセットされるのを待ち(S35:No)、ワークWがワーク設置台16にセットされている場合には(S35:Yes)、カッター刃69に接続された振動子71を超音波振動させるために発振器2を駆動する(S37)。
【0117】
次に、カッター刃69がワークWに対する加工開始位置に位置するように、多関節ロボット3の各アームを移動させ(S39)、ワークWを超音波加工するためにカッター刃69を移動させる(S41)。
【0118】
なお、カッター刃角度ロック用シリンダー77をONさせた状態でカッター刃69を付勢せずにワークWを加工する際のワーク加工装置5内部の動作については、図4及び図12を参照して、上述した通りである。
【0119】
また、カッター刃位置ロック用シリンダー81をONさせた状態でカッター刃69を付勢せずにワークWを加工する際のワーク加工装置5内部の動作についても、図5及び図16を参照して、上述した通りである。
【0120】
したがって、第4の加工モードにおいては、加工装置5は、カッター刃69の角度を角度0度に、カッター刃69の位置を位置0mm に固定して、ワークWを加工する。
【0121】
そして、ワークWの加工が完了したか否かが判断され(S43)、ワークWの加工が完了していない場合には(S43:No)、カッター刃69の移動(加工)を継続し(S41)、ワークWの加工が完了している場合には(S43:Yes)、メインプログラムに戻る(S45)。
【0122】
図8のメインプログラムに戻ると、カッター刃69に接続された振動子71の超音波振動を停止させるために発振器2をOFFするとともに(S9)、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a、第2のカッター刃角度付勢用シリンダー75b、カッター刃角度ロック用シリンダー77、第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a、第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79b及びカッター刃位置ロック用シリンダー81のすべてのシリンダーをOFFする(S11)。
【0123】
そして、多関節ロボット3のアームを初期位置に移動させた後(S13)、加工されたワークWがワーク設置台16から除去されたか否かが判断され(S15)、ワークWが除去されていないと判断された場合には(S15:No)、ワークWが除去されるのを待ち、ワークWが除去されたと判断された場合には(S15:Yes)、さらに、ワークWの処理個数が操作パネル8で入力した処理個数に達したか否かが判断される(S17)。
【0124】
ここで、ワークWの処理個数が操作パネル8で入力した処理個数に達していないと判断された場合には(S17:No)、再度、超音波加工プログラムが実行され、ワークWの処理個数が操作パネル8で入力した処理個数に達したと判断された場合には(S17:Yes)、処理を終了する(S19)。
【0125】
本実施形態のワーク加工装置5によれば、カッター刃69を使用してワークWを加工するものを対象として、特に、カッター刃69の進行方向に対する角度を、ワークWの形状に応じて変更可能なカッター刃角度変更機構9と、カッター刃69の角度の変更方向に抗して、カッター刃角度変更機構9を付勢する第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75bと、を備えているので、複雑な加工形状のワークWに対しても、カッター刃69を有効に押し当てて加工することができる。
【0126】
また、本実施形態のワーク加工装置5によれば、第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75bは、カッター刃69の角度に拘わらず、略一定の付勢力f1でカッター刃角度変更機構9を付勢するので、複雑な加工形状のワークWであっても、カッター刃69をさらに有効に押し当てて加工することができる。
【0127】
また、本実施形態のワーク加工装置5によれば、カッター刃69を、ワークWの形状に応じて、ワークWに対する一定方向の位置を変更可能なカッター刃位置変更機構7と、カッター刃69の位置の変更方向に抗して、カッター刃位置変更機構7を付勢する第1のカッター刃位置付勢用シリンダー79a及び第2のカッター刃位置付勢用シリンダー79bと、を備えているので、複雑な加工形状のワークWであっても、カッター刃69をさらに有効に押し当てて加工することができる。
【0128】
また、本実施形態のワーク加工装置5によれば、回転体13の回転角度を固定するカッター刃角度ロック用シリンダー77を備えているので、ワークWの形状に応じて、カッター刃69を有効に押し当てる機構を選択してワークWを加工することができる。
【0129】
また、本実施形態のワーク加工装置5によれば、ワークWに対する一定方向の位置を固定するカッター刃位置ロック用シリンダー81を備えているので、ワークWの形状に応じて、カッター刃69を有効に押し当てる機構をさらに選択してワークWを加工することができる。
【0130】
さらに、本実施形態の超音波加工装置1によれば、カッター刃69を、角度の変更方向と交差する方向に、超音波振動させてワークWを加工するので、ワークをより精密に加工することができる。
【0131】
以上、本発明の実施形態における超音波加工装置及びワーク加工装置について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【0132】
例えば、上述の実施形態において使用した振動子71は、カッター刃69を図面上上下方向に振動させるように説明したが、それに限られるものではなく、回転体13の回転方向に対して交差する方向であっても良く、移動体90の移動方向に対して交差する方向であっても良い。
【0133】
また、上述の実施形態において使用したカッター刃69は、両側研磨のカッター刃を使用して説明したが、片側研磨のカッター刃であっても加工方向を考慮すれば使用可能である。
【符号の説明】
【0134】
1・・・超音波加工装置
2・・・発振器
3・・・多関節ロボット
5・・・ワーク加工装置
6・・・ロボットコントローラ
7・・・カッター刃位置変更機構
9・・・カッター刃角度変更機構
14・・・エアコンプレッサー
69・・・カッター刃
71・・・振動子
75・・・カッター刃角度付勢用シリンダー
77・・・カッター刃角度ロック用シリンダー
79・・・カッター刃位置付勢用シリンダー
81・・・カッター刃位置ロック用シリンダー
W・・・ワーク
【要約】
【課題】 複雑な加工形状のワークに対しても、カッター刃を有効に押し当てることができるワーク加工装置、また、そのワーク加工装置を備え、複雑な加工形状の被加工物をより精密に加工することができる超音波加工装置を提供する。
【解決手段】 ワーク加工装置5は、カッター刃69を使用してワークWを加工するものであり、カッター刃69の進行方向に対する角度を、ワークWの形状に応じて変更可能なカッター刃角度変更機構9と、カッター刃69の角度の変更方向に抗して、カッター刃角度変更機構9を付勢する第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75a及び第2の第1のカッター刃角度付勢用シリンダー75bと、を備える。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16