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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】端末装置および基地局装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220707BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20220707BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04W72/04 133
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017184638
(22)【出願日】2017-09-26
(65)【公開番号】P2019062344
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(74)【代理人】
【識別番号】100160783
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 裕之
(73)【特許権者】
【識別番号】518446879
【氏名又は名称】鴻穎創新有限公司
【氏名又は名称原語表記】FG INNOVATION COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat 2623,26/F Tuen Mun Central Square,22 Hoi Wing Road,Tuen Mun,New Territories,The Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】中村 理
(72)【発明者】
【氏名】後藤 淳悟
(72)【発明者】
【氏名】浜口 泰弘
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/050584(WO,A1)
【文献】特表2016-519485(JP,A)
【文献】特表2016-536928(JP,A)
【文献】Lenovo,Motorola Mobility,Discussion on UL DMRS indication,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #90 R1-1712682,2017年08月25日
【文献】Samsung,UL DMRS design,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #90 R1-1713515,2017年08月25日,pp.1-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 72/04
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と通信する端末装置であって、
復調用参照信号の構成に関する設定情報として第1の復調用参照信号構成と第2の復調用参照信号構成のいずれかを指定する上位層処理部と、
アップリンク伝送のためのパラメータを少なくとも含むダウンリンク制御情報を受信する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合には、前記ダウンリンク制御情報の所定のフィールドのビットに応じて、伝送方式としてDFT-S-OFDMとCP-OFDMのいずれかを選択し、前記第2の復調用参照信号構成が設定されている場合には、伝送方式としてCP-OFDMを用いる端末装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2の復調用参照信号構成が設定されている場合には、前記ダウンリンク制御情報の所定のフィールドのビットに応じて、復調用参照信号が含まれるOFDMシンボル内にデータ信号を含む構成とするか否かを選択する、請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合には、復調用参照信号とヌルキャリアからなるOFDMシンボルを生成する、請求項2記載の端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記上位層処理部で前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合において、伝送方式としてDFT-S-OFDMが選択された場合、復調用参照信号とヌルキャリアからなるOFDMシンボルを生成し、伝送方式としてCP-OFDMが選択された場合、復調用参照信号とデータ信号を含むOFDMシンボルを生成する、請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記ダウンリンク制御情報は、ランク数に関する情報をさらに含み、
前記第1の復調用参照信号構成が設定され、かつ、前記ランク数が1より大きい場合、DFT-S-OFDMの代わりにCP-OFDMを伝送方式として用いる請求項1または4に記載の端末装置。
【請求項6】
端末装置と通信する基地局装置であって、
前記端末装置が使用する復調用参照信号の構成に関する設定情報として第1の復調用参照信号構成と第2の復調用参照信号構成のいずれかを指定する上位層の信号を送信する送信部と、
アップリンク伝送のためのパラメータを少なくとも含むダウンリンク制御情報を送信する送信部と、
前記端末装置が送信する信号を受信する受信部と、
を備え、
前記送信部は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合には、前記ダウンリンク制御情報は、伝送方式としてDFT-S-OFDMとCP-OFDMのいずれかを指定し、
前記受信部は、前記第2の復調用参照信号構成が設定されている場合には、前記端末装置がCP-OFDMを伝送方式として用いたと仮定して復調処理を行う基地局装置。
【請求項7】
前記送信部は、前記第2の復調用参照信号構成が設定されている場合には、復調用参照信号が含まれるOFDMシンボル内にデータ信号を含む構成とするか否かを指定する、請求項6記載の基地局装置。
【請求項8】
前記受信部は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合には、復調用参照信号とヌルキャリアからなるOFDMシンボルを受信する、請求項7記載の基地局装置。
【請求項9】
前記受信部は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合において、前記ダウンリンク制御情報によってDFT-S-OFDMの選択を指示する場合、復調用参照信号とヌルキャリアからなるOFDMシンボルを受信し、前記ダウンリンク制御情報によってCP-OFDMの選択を指示する場合、復調用参照信号とデータ信号を含むOFDMシンボルを受信する、請求項6記載の基地局装置。
【請求項10】
前記ダウンリンク制御情報は、ランク数に関する情報をさらに含み、
前記第1の復調用参照信号構成が設定され、かつ、前記ランク数が1より大きい場合、DFT-S-OFDMの代わりにCP-OFDMを用いたと仮定して復調処理を行う請求項6または9に記載の基地局装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置および基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で仕様化されているLTE(Long
Term Evolution)の通信システムでは、下りリンクにおいて、周波数選択性フェージングへの耐性が高いCP-OFDM(Cyclic Prefix Orthogonal Frequency Division Multiplexing)が採用されている。一方、アップリンクでは、広いカバレッジを確保するため、OFDMよりも電力効率の高いDFT-S-OFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing、SC-FDMA(Single Carrier
Frequency Division Multiple Access)とも呼ばれる)が採用されている。またフェージングの影響を補償するための参照信号に関しては、ダウンリンクの制御情報を用いて、参照信号のサイクリックシフトの値(回転量)は、ダウンリンク制御情報(Downlink Control Information、DCI)の中の3ビットのフィールドが用いられる。端末装置は受信したDCIの中のサイクリックシフトの値によって端末装置毎に異なる回転量を参照信号に与え送信を行う。(非特許文献1)。
【0003】
3GPPでは、第5世代移動通信システム(5G)として、高い周波数利用効率で大容量通信を行うeMBB(enhanced Mobile Broadband)と、多数端末を収容するmMTC(massive Machine Type Communication)と、高信頼な低遅延通信を実現するURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)という3つのユースケースの要求条件を満たす無線マルチプルアクセス(NR、new radio)の仕様化が進められている(非特許文献2)。上記の要求条件を満たすため、アップリンクにおいてもCP-OFDMの採用が決まっている。また復調用参照信号(DMRS)の構成についても、2つの構成があり、端末装置は上位レイヤからの通知によって、2つの構成の内1つを選択し、アップリンクの参照信号として送信することが合意されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical layer procedures(Release 12)” 3GPP TS 36.213 v12.5.0 (2015-03)
【文献】“3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies;(Release 14)” 3GPP TR 38.913 v0.3.0 (2016-03)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NRでは、上記の2つの構成の切り替えの他に、参照信号が含まれるOFDMシンボルで、さらにデータを送信するかどうかの切り替え、さらにDFT-S-OFDMを用いるかCP-OFDMを用いるかの切り替えを行う必要がある。
【0006】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の参照信号の設定に関して効率的な制御を行う基地局装置、端末装置及び通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために本発明に係る基地局装置、端末装置および通信方法の構成は、次の通りである。
【0008】
(1)本発明の一態様は、基地局装置と通信する端末装置であって、復調用参照信号の構成に関する設定情報として第1の復調用参照信号構成と第2の復調用参照信号構成のいずれかを指定する上位層処理部と、 アップリンク伝送のためのパラメータを少なくとも含むを受信する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合には、前記ダウンリンク制御情報の所定のフィールドのビットに応じて、伝送方式としてDFT-S-OFDMとCP-OFDMのいずれかを選択し、前記第2の復調用参照信号構成が設定されている場合には、伝送方式としてCP-OFDMを用いることを特徴とする。
【0009】
(2)また、本発明の一態様は、前記制御部は、前記第2の復調用参照信号構成が設定されている場合には、前記ダウンリンク制御情報の所定のフィールドのビットに応じて、復調用参照信号が含まれるOFDMシンボル内にデータ信号を含む構成とするか否かを選択すること、を特徴とする。
【0010】
(3)本発明の一態様は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合には、復調用参照信号とヌルキャリアからなるOFDMシンボルを生成すること、を特徴とする。
【0011】
(4)また、本発明の一態様は、前記上位層処理部で前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合において、伝送方式としてDFT-S-OFDMが選択された場合、復調用参照信号とヌルキャリアからなるOFDMシンボルを生成し、伝送方式としてCP-OFDMが選択された場合、復調用参照信号とデータ信号を含むOFDMシンボルを生成すること、を特徴とする。
【0012】
(5)また、本発明の一態様は、前記ダウンリンク制御情報は、ランク数に関する情報をさらに含み、前記第1の復調用参照信号構成が設定され、かつ、前記ランク数が1より大きい場合、DFT-S-OFDMの代わりにCP-OFDMを伝送方式として用いること、を特徴とする。
【0013】
(6)本発明の一態様は、端末装置と通信する基地局装置であって、前記端末装置が使用する復調用参照信号の構成に関する設定情報として第1の復調用参照信号構成と第2の復調用参照信号構成のいずれかを指定する上位層の信号を送信する送信部と、アップリンク伝送のためのパラメータを少なくとも含むダウンリンク制御情報を送信する送信部と、前記端末装置が送信する信号を受信する受信部と、を備え、前記送信部は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合には、前記ダウンリンク制御情報は、伝送方式としてDFT-S-OFDMとCP-OFDMのいずれかを指定し、前記受信部は、前記第2の復調用参照信号構成が設定されている場合には、前記端末装置がCP-OFDMを伝送方式として用いたと仮定して復調処理を行うことを特徴とする。
【0014】
(7)また、本発明の一態様は、前記送信部は、前記第2の復調用参照信号構成が設定されている場合には、復調用参照信号が含まれるOFDMシンボル内にデータ信号を含む構成とするか否かを指定すること、を特徴とする。
【0015】
(8)また、本発明の一態様は、前記受信部は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合には、復調用参照信号とヌルキャリアからなるOFDMシンボルを受信すること、を特徴とする。
【0016】
(9)また、本発明の一態様は、前記受信部は、前記第1の復調用参照信号構成が設定されている場合において、前記ダウンリンク制御情報によってDFT-S-OFDMの選択を指示する場合、復調用参照信号とヌルキャリアからなるOFDMシンボルを受信し、前記ダウンリンク制御情報によってCP-OFDMの選択を指示する場合、復調用参照信号とデータ信号を含むOFDMシンボルを受信すること、を特徴とする。
【0017】
(10)また、本発明の一態様は、前記ダウンリンク制御情報は、ランク数に関する情報をさらに含み、前記第1の復調用参照信号構成が設定され、かつ、前記ランク数が1より大きい場合、DFT-S-OFDMの代わりにCP-OFDMを用いたと仮定して復調処理を行うこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一又は複数の態様によれば、基地局装置及び端末装置はダウンリンク制御情報による効率的な制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態に係る通信システム1の構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るDMRS構成1の周波数配置を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るDMRS構成2の周波数配置を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るDMRS構成1においてDFT-S-OFDMを伝送方式とした場合のスロット構成を示す図である。
図5】第1の実施形態に係るDMRS構成1においてCP-OFDMを伝送方式とした場合のスロット構成を示す図である。
図6】第1の実施形態に係るDMRS構成2において参照信号とデータを多重しない場合のスロット構成を示す図である。
図7】第1の実施形態に係るDMRS構成2において参照信号とデータを多重する場合のスロット構成を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る通信システム1の無線フレーム構成の一例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る基地局装置10の構成の概略ブロック図である。
図10】第1の実施形態に係る端末装置20の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態に係る通信システムは、基地局装置(セル、スモールセル、サービングセル、コンポーネントキャリア、eNodeB、Home eNodeB、gNodeB)および端末装置(端末、移動端末、UE:User Equipment)を備える。該通信システムにおいて、下りリンクの場合、基地局装置は送信装置(送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、TRP(Tx/Rx Point))となり、端末装置は受信装置(受信点、受信端末、受信アンテナ群、受信アンテナポート群)となる。上りリンクの場合、基地局装置は受信装置となり、端末装置は送信装置となる。前記通信システムは、D2D(Device-to-Device)通信にも適用可能である。その場合、送信装置も受信装置も共に端末装置になる。
【0021】
前記通信システムは、人間が介入する端末装置と基地局装置間のデータ通信に限定されるものではなく、MTC(Machine Type Communication)、M2M通信(Machine-to-Machine Communication)、IoT(Internet of Things)用通信、NB-IoT(Narrow Band-IoT)等(以下、MTCと呼ぶ)の人間の介入を必要としないデータ通信の形態にも、適用することができる。この場合、端末装置がMTC端末となる。前記通信システムは、上りリンク及び下りリンクにおいて、CP-OFDM(Cyclic Prefix - Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等のマルチキャリア伝送方式を用いることができる。前記通信システムは、上りリンクにおいて、DFTS-OFDM(Discrete Fourier Tra
nsform Spread - Orthogonal Frequency Division Multiplexing、SC-FDMAとも称される)等の伝送方式を用いてもよい。なお、以下では、上りリンク及び下りリンクにおいて、OFDM伝送方式を用いた場合で説明するが、これに限らず、他の伝送方式を適用することができる。
【0022】
本実施形態における基地局装置及び端末装置は、無線事業者がサービスを提供する国や地域から使用許可(免許)が得られた、いわゆるライセンスバンド(licensed band)と呼ばれる周波数バンド、及び/又は、国や地域からの使用許可(免許)を必要としない、いわゆるアンライセンスバンド(unlicensed band)と呼ばれる周波数バンドで通信することができる。
【0023】
本実施形態において、“X/Y”は、“XまたはY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“XおよびY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“Xおよび/またはY”の意味を含む。
【0024】
本実施形態においては、主に復調用参照信号(DMRS)について説明を行うが、他の参照信号(サウンディング参照信号(SRS)、位相トラッキング参照信号(PTRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)等)に適用してもよい。また本明細書中でデータとは、制御情報であってもよい。またアップリンクで説明を行うが、ダウンリンクやサイドリンク(端末間通信)に適用してもよい。
【0025】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る通信システム1の構成例を示す図である。本実施形態における通信システム1は、基地局装置10、端末装置20を備える。カバレッジ10aは、基地局装置10が端末装置20と接続可能な範囲(通信エリア)である(セルとも呼ぶ)。なお、基地局装置10は、カバレッジ10aにおいて、複数の端末装置20を収容することができる。前記通信システム1は、端末装置20が、複数の伝送方式の切り替えおよびデータと参照信号を多重するか否かの切り替えを行い、基地局装置10と通信を行うことができるシステムである。
【0026】
図1において、上りリンク無線通信r30は、少なくとも以下の上りリンク物理チャネルを含む。上りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)
・物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)
・物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)
【0027】
PUCCHは、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用いられる物理チャネルである。上りリンク制御情報は、下りリンクデータ(Downlink transport block, Medium Access Control Protocol Data Unit: MAC PDU, Downlink-Shared Channel: DL-SCH, Physical Downlink Shared Channel: PDSCH)に対する肯定応答(positive acknowledgement: ACK)/否定応答(Negative acknowledgement: NACK)を含む。ACK/NACKは、HARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat request ACKnowledgement)、HARQフィードバック、HARQ応答、または、HARQ制御情報、送達確認を示す信号とも称される。
【0028】
上りリンク制御情報は、初期送信のためのPUSCH(Uplink-Shared Channel: UL-SCH)リソースを要求するために用いられるスケジューリングリクエスト(Scheduling Request: SR)を含む。スケジューリングリクエストは、初期送信のためのUL-SCHリソースを要求することを示す。
【0029】
上りリンク制御情報は、下りリンクのチャネル状態情報(Channel State Information:
CSI)を含む。前記下りリンクのチャネル状態情報は、好適な空間多重数(レイヤ数)を示すランク指標(Rank Indicator: RI)、好適なプレコーダを示すプレコーディング行列指標(Precoding Matrix Indicator: PMI)、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標(Channel Quality Indicator: CQI)などを含む。前記PMIは、端末装置によって決定されるコードブックを示す。該コードブックは、物理下りリンク共有チャネルのプレコーディングに関連する。前記CQIは、所定の帯域における好適な変調方式(例えば、QPSK、16QAM、64QAM、256QAMAMなど)、符号化率(coding rate)、および周波数利用効率を指し示すインデックス(CQIインデックス)を用いることができる。端末装置は、PDSCHのトランスポートブロックが所定のブロック誤り確率(例えば、誤り率0.1)を超えずに受信可能であろうCQIインデックスをCQIテーブルから選択する。
【0030】
PUSCHは、上りリンクデータ(Uplink Transport Block、Uplink-Shared Channel:
UL-SCH)を送信するために用いられる物理チャネルであり、伝送方式としては、CP-OFDM、もしくはDFT-S-OFDMが適用される。PUSCHは、前記上りリンクデータと共に、下りリンクデータに対するHARQ-ACKおよび/またはチャネル状態情報を送信するために用いられてもよい。PUSCHは、チャネル状態情報のみを送信するために用いられてもよい。PUSCHはHARQ-ACKおよびチャネル状態情報のみを送信するために用いられてもよい。
【0031】
PUSCHは、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)シグナリングを送信するために用いられる。RRCシグナリングは、RRCメッセージ/RRC層の情報/RRC層の信号/RRC層のパラメータ/RRC情報要素とも称される。RRCシグナリングは、無線リソース制御層において処理される情報/信号である。基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、セル内における複数の端末装置に対して共通のシグナリングであってもよい。基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、ある端末装置に対して専用のシグナリング(dedicated signalingとも称する)であってもよい。すなわち、ユーザ装置スペシフィック(ユーザ装置固有)な情報は、ある端末装置に対して専用のシグナリングを用いて送信される。RRCメッセージは、端末装置のUE Capabilityを含めることができる。UE Capabilityは、該端末装置がサポートする機能を示す情報である。
【0032】
PUSCHは、MAC CE(Medium Access Control Element)を送信するために用いられる。MAC CEは、媒体アクセス制御層(Medium Access Control layer)において処理(送信)される情報/信号である。例えば、パワーヘッドルームは、MAC CEに含まれ、物理上りリンク共有チャネルを経由して報告されてもよい。すなわち、MAC CEのフィールドが、パワーヘッドルームのレベルを示すために用いられる。上りリンクデータは、RRCメッセージ、MAC CEを含むことができる。RRCシグナリング、および/または、MAC CEを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。RRCシグナリング、および/または、MAC CEは、トランスポートブロックに含まれる。
【0033】
PRACHは、ランダムアクセスに用いるプリアンブルを送信するために用いられる。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられる。PRACHは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャ、ハンドオーバプロシージャ、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャ、上りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、およびPUSCH(UL-SCH)リソースの要求を示すために用いられる。
【0034】
上りリンクの無線通信では、上りリンク物理信号として上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal: UL RS)が用いられる。上りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。上りリンク参照信号には、復調用参照信号(Demodulation Reference Signal: DMRS)、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal: SRS)が含まれる。DMRSは、物理上りリンク共有チャネル/物理上りリンク制御チャネルの送信に関連する。例えば、基地局装置10は、物理上りリンク共有チャネル/物理上りリンク制御チャネルを復調するとき、伝搬路推定/伝搬路補正を行うために復調用参照信号を使用する。
【0035】
3GPPでは、NRのDMRSとして、2つの構成を用意することが合意されている。1つは図2に示す構成(DMRS構成1、第1の復調用参照信号構成、第1の参照信号構成)であり、周波数インデックス0,1,2,...,11のうち、偶数サブキャリア(周波数インデックス0,2,4,...,10)に参照信号を配置し、奇数サブキャリア(周波数インデックス1,3,5,...,11)はヌルキャリアとするパターン(図2上図)と奇数サブキャリア(周波数インデックス1,3,5,...,11)に参照信号を配置し、偶数サブキャリア(周波数インデックス0,2,4,...,10)はヌルキャリアとするパターン(図2下図)のうち、基地局装置内の制御部がどちらかを選択し、その情報を上位層処理部を介して端末装置に通知し、端末装置の制御部はその情報に基づいて参照信号を配置する。
【0036】
DMRSの2つの構成のもう一つは、図3に示す構成(DMRS構成2、第2の復調用参照信号構成、第2の参照信号構成)である。図3に示すように、周波数インデックス0,1,6,7に参照信号を配置する第0サブキャリアセット(図3上図)と、周波数インデックス2,3,8,9に参照信号を配置する第1サブキャリアセット(図3中図)と周波数インデックス4,5,10,11)に参照信号を配置する第2サブキャリアセット(図3下図)の中から、基地局装置内の制御部がいずれかを選択し、その情報を上位層処理部を介して端末装置に通知し、端末装置の制御部はその情報に基づいて参照信号を配置する。なお、DMRS構成1と同様、参照信号を配置しないサブキャリアは、ヌルキャリアが配置される。つまり何も信号が配置されない。
【0037】
本実施形態では、DMRS構成1とDMRS構成2のどちらの構成とすべきという情報が上位レイヤによって制御部に通知される場合を考える。ただしこれに限らず、ダウンリンク制御情報(DCI)のようなL1シグナリングを用いて動的に通知されてもよい。
【0038】
ここでDMRS構成1の場合、DMRSは等間隔に1サブキャリア毎に等間隔に配置されるため、DMRSのPAPR/CMは低くなる。そこで、DMRS構成1の場合、CP-OFDMに加え、DFT-S-OFDMをデータ送信時の伝送方式として用いることが考えられる。そこで、アップリンクに関するDCIフォーマットのフィールド中の少なくとも1ビットを、伝送方式(ウェーブフォーム)の動的な切り替えのために用いる。なお、DCIフォーマットのウェーブフォームの切り替えの通知に必要なビット数は1に限定されず、どのような複数ビットであってもよい。
【0039】
図4を用いて説明を行う。図4は、伝送方式を示すDCIフィールドが、DFT-S-OFDMを用いることを示す場合を表現している。図4に示すように、1番目のOFDMシンボルから6番目のOFDMシンボルにおいてDFT-S-OFDMによってデータ生成が行われる。一方、図5は、伝送方式を示すDCIフィールドが、CP-OFDMを用いることを示す場合を表現している。図5に示すように、1番目のOFDMシンボルから6番目のOFDMシンボルにおいてCP-OFDMによってデータ生成が行われる。このように、DMRS構成1の使用がRRC等によって設定された場合、基地局装置はDCI
フィールド中の少なくとも1ビットを用いて、ウェーブフォームの切り替えを端末に指示し、端末装置は受信されたDCIを用いて、PUSCHのウェーブフォームを選択し送信を行う。例えばDCIフィールドが‘0’の場合、DFT-S-OFDMをPUSCHの伝送方式として用い、DCIフィールドが‘1’の場合、CP-OFDMをPUSCHの伝送方式として用いる等である。
【0040】
次にDMRS構成2の場合について説明を行う。DMRSは連続する2サブキャリアに配置されるため、DMRSのPAPR/CMは高くなる。そこで、DMRS構成2の場合、DFT-S-OFDMは用いられず、CP-OFDMのみが伝送方式として用いられることが考えられる。そこで、基地局装置は、DCIフォーマット中の少なくとも1ビットを、ウェーブフォームの切り替えの指示に用いるのではなく、DMRSを含むOFDMシンボルに、さらにデータを含めるか否かを示すために用いる。
【0041】
図6を用いて説明を行う。図6は、DMRSとデータの周波数領域多重(FDM)を示すDCIフィールドが、多重を行わないことを示す場合を表現している。図6に示すように、1番目のOFDMシンボルから6番目のOFDMシンボルにおいてCP-OFDMによってデータ生成が行われ、かつ、DMRSが配置されているOFDMシンボルはデータ信号を配置しない。一方、図7は、DMRSとデータの周波数領域多重を示すDCIフィールドが、多重を行うことを示す場合を表現している。図7に示すように、1番目のOFDMシンボルから6番目のOFDMシンボルにおいてCP-OFDMによってデータ生成が行われると共に、DMRSが配置されているOFDMシンボルにおいて、データ信号も配置される。なお、図7ではDMRSが配置されないすべてのリソースエレメントにおいてデータ信号を配置しているが、本発明はこれに限定されず、一部のリソースエレメントはデータ信号が配置され、一部のリソースエレメントはヌルキャリアが配置されてもよい。どのキャリアをヌルキャリアとするかは、SU-MIMOあるいはMU-MIMOを行うためのDMRSを考慮して決定されてもよい。このように、DMRS構成2の使用がRRC等によって設定された場合、ウェーブフォームの切り替え用のビットではなく、データ信号とDMRSをFDMするか否かを示すためのビットがDCIのフィールド内に用意される。端末装置の制御部は、
【0042】
図4図7ではDMRSがスロットの先頭のOFDMシンボルのみに配置される場合を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されず、異なるDMRSの配置を想定してもよい。例えばDMRSを含むOFDMシンボル数は1より多くてもよい。例えば2シンボルの場合、第0および第1OFDMシンボルにDMRSが配置される。また、DMRSはスロットの先頭に配置されなくてもよい。例えば、第1OFDMシンボルにDMRSが配置され、第0および第2~第6OFDMシンボルにDMRSが配置されない構成としてもよい。また1スロットに含まれるシンボル数は7でなくてもよい。つまり任意の自然数に対して本発明を適用可能である。
【0043】
このように本実施形態によれば、DMRS構成1が設定された場合は伝送方式を変更可能とするビットをDCIフィールドに用意し、DMRS構成2が設定された場合はデータ信号と参照信号の多重の有無を変更可能とするビットをDCIフィールドに用意する。この結果、少ないビット数で効率的な制御を行うことができる。
【0044】
NRでは、先頭のOFDMシンボルに加えて、DRMSを配置するOFDMシンボル数を増やすことが検討されている。ここで先頭とは、スロット(フレーム、ミニスロット)中のOFDMシンボルの内、制御信号を除く初めのOFDMシンボルを表す。例えば、先頭の2OFDMシンボルにDMRSを配置することや先頭の1OFDMシンボルとN番目(Nは3以上)のOFDMシンボルにDMRSを配置することが検討されている。図2の構成(DMRS構成1)では、DFT-S-OFDMとCP-OFDMをDCIフィール
ドにより指定するのではなく、制御情報(例えば、RRCシグナリング)で通知されるDMRSを配置するOFDMシンボル数によって、ウェーブフォームを切り替えても良い。例えば、端末装置はDMRS構成1かつDMRSを1OFDMシンボルに配置する時はDCIフィールドによりウェーブフォームが指定され、DMRS構成1かつDMRSをM個(Mは2以上)のOFDMシンボルに配置する時はDFT-S-OFDMを使用するとしても良い。なお、単純にDMRSを配置するOFDMシンボル数だけでDCIフィールドの通知を使用するかが決まる必要はなく、例えば、端末装置は先頭のM個のOFDMシンボルにDMRSが配置する場合、DCIフィールドでウェーブフォームが指定され、先頭のM個のOFDMシンボルでない位置にDMRSが配置される場合(DMRSを配置するOFDMシンボルの数はM)はDFT-S-OFDMを使うとしても良い。
【0045】
SRSは、物理上りリンク共有チャネル/物理上りリンク制御チャネルの送信に関連しない。基地局装置10は、上りリンクのチャネル状態を測定(CSI Measurement)するためにSRSを使用する。
【0046】
図1において、下りリンクr31の無線通信では、少なくとも以下の下りリンク物理チャネルが用いられる。下りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・物理報知チャネル(PBCH)
・物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)
・物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)
【0047】
PBCHは、端末装置で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(Master Information Block: MIB, Broadcast Channel: BCH)を報知するために用いられる。MIBはシステム情報の1つである。例えば、MIBは、下りリンク送信帯域幅設定、システムフレーム番号(SFN:System Frame number)を含む。MIBは、PBCHが送信されるスロットの番号、サブフレームの番号、および、無線フレームの番号の少なくとも一部を指示する情報を含んでもよい。
【0048】
PDCCHは、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信するために用いられる。下りリンク制御情報は、用途に基づいた複数のフォーマット(DCIフォーマットとも称する)が定義される。1つのDCIフォーマットを構成するDCIの種類やビット数に基づいて、DCIフォーマットは定義されてもよい。各フォーマットは、用途に応じて使われる。下りリンク制御情報は、下りリンクデータ送信のための制御情報と上りリンクデータ送信のための制御情報を含む。下りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットは、下りリンクアサインメント(または、下りリンクグラント)とも称し、アップリンク伝送を行うためのパラメータを含む。上りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットは、上りリンクグラント(または、上りリンクアサインメント)とも称し、アップリンク伝送を行うためのパラメータを含む。
【0049】
1つの下りリンクアサインメントは、1つのサービングセル内の1つのPDSCHのスケジューリングに用いられる。下りリンクグラントは、該下りリンクグラントが送信されたスロットと同じスロット内のPDSCHのスケジューリングのために少なくとも用いられてもよい。下りリンクアサインメントには、PDSCHのためのリソースブロック割り当て、PDSCHに対するMCS(Modulation and Coding Scheme)、初期送信または再送信を指示するNDI(NEW Data Indicator)、下りリンクにおけるHARQプロセス番号を示す情報、誤り訂正符号化時にコードワードに加えられた冗長性の量を示すRedudancy versionなどの下りリンク制御情報が含まれる。コードワードは、誤り訂正符号化後のデータである。下りリンクアサインメントはPUCCHに対する送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)コマンド、PUSCHに対するTPCコ
マンドを含めてもよい。上りリンクグラントは、PUSCHを繰り返し送信する回数を示すRepetiton numberを含めてもよい。なお、各下りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットには、上記情報のうち、その用途のために必要な情報(フィールド)が含まれる。
【0050】
1つの上りリンクグラントは、1つのサービングセル内の1つのPUSCHのスケジューリングを端末装置に通知するために用いられる。上りリンクグラントは、PUSCHを送信するためのリソースブロック割り当てに関する情報(リソースブロック割り当ておよびホッピングリソース割り当て)、PUSCHのMCSに関する情報(MCS/Redundancy version)、DMRSに施されるサイクリックシフト量、PUSCHの再送に関する情報、PUSCHに対するTPCコマンド、下りリンクのチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)要求(CSI request)、など上りリンク制御情報を含む。上りリンクグラントは、上りリンクにおけるHARQプロセス番号を示す情報、PUCCHに対する送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)コマンド、PUSCHに対するTPCコマンドを含めてもよい。なお、各上りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットには、上記情報のうち、その用途のために必要な情報(フィールド)が含まれる。
【0051】
PDCCHは、下りリンク制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check: CRC)を付加して生成される。PDCCHにおいて、CRCパリティビットは、所定の識別子を用いてスクランブル(排他的論理和演算、マスクとも呼ぶ)される。パリティビットは、C-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)、SPS(Semi Persistent
Scheduling)C-RNTI、Temporary C-RNTI、P(Paging)-RNTI、SI(System Information)-RNTI、またはRA(Random Access)-RNTIでスクランブルされる。C-RNTIおよびSPS C-RNTIは、セル内において端末装置を識別するための識別子である。Temporary C-RNTIは、コンテンションベースランダムアクセス手順(contention based random access procedure)中に、ランダムアクセスプリアンブルを送信した端末装置を識別するための識別子である。C-RNTIおよびTemporary C-RNTIは、単一のサブフレームにおけるPDSCH送信またはPUSCH送信を制御するために用いられる。SPS C-RNTIは、PDSCHまたはPUSCHのリソースを周期的に割り当てるために用いられる。P-RNTIは、ページングメッセージ(Paging Channel: PCH)を送信するために用いられる。SI-RNTIは、SIBを送信するために用いられる、RA-RNTIは、ランダムアクセスレスポンス(ランダムアクセスプロシジャーにおけるメッセージ2)を送信するために用いられる。
【0052】
PDSCHは、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、DL-SCH)を送信するために用いられる。PDSCHは、システムインフォメーションメッセージ(System Information Block: SIBとも称する。)を送信するために用いられる。SIBの一部又は全部は、RRCメッセージに含めることができる。
【0053】
PDSCHは、RRCシグナリングを送信するために用いられる。基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、セル内における複数の端末装置に対して共通(セル固有)であってもよい。すなわち、そのセル内のユーザ装置共通な情報は、セル固有のRRCシグナリングを使用して送信される。基地局装置から送信されるRRCシグナリングは、ある端末装置に対して専用のメッセージ(dedicated signalingとも称する)であってもよい。すなわち、ユーザ装置スペシフィック(ユーザ装置固有)な情報は、ある端末装置に対して専用のメッセージを使用して送信される。
【0054】
PDSCHは、MAC CEを送信するために用いられる。RRCシグナリングおよび
/またはMAC CEを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。PMCHは、マルチキャストデータ(Multicast Channel: MCH)を送信するために用いられる。
【0055】
図1の下りリンクの無線通信では、下りリンク物理信号として同期信号(Synchronization signal: SS)、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal: DL RS)が用いられる。下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。
【0056】
同期信号は、端末装置が、下りリンクの周波数領域および時間領域の同期を取るために用いられる。下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンク物理チャネルの伝搬路推定/伝搬路補正を行なうために用いられる。例えば、下りリンク参照信号は、PBCH、PDSCH、PDCCHを復調するために用いられる。下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンクのチャネル状態の測定(CSI measurement)するために用いることもできる。
【0057】
下りリンク物理チャネルおよび下りリンク物理信号を総称して、下りリンク信号とも称する。また、上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号を総称して、上りリンク信号とも称する。また、下りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルとも称する。また、下りリンク物理信号および上りリンク物理信号を総称して、物理信号とも称する。
【0058】
BCH、UL-SCHおよびDL-SCHは、トランスポートチャネルである。MAC層で用いられるチャネルを、トランスポートチャネルと称する。MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(TB:Transport Block)、または、MAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliverする)データの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理などが行なわれる。
【0059】
図8は、本実施形態に係る通信システム1の無線フレーム構成の一例を示す図である。1つの無線フレームは10msの長さで固定的に定義される。1つのサブフレームはサブキャリア間隔が15kHzの場合、1msの長さで固定的に定義される。1つの無線フレームが10個のサブフレームから構成される。1つのスロットは、OFDMシンボル数で定義される。1つのサブフレームに含まれるスロット数は、1つのスロットに含まれるOFDM数によって変わる。図8では、1つのスロットが、スロット長0.5msとなる7つのOFDMシンボルから構成される例である。この場合、1つのサブフレームは2つのスロットから構成される。1つのミニスロットは、OFDMシンボル数で定義される。ミニスロットに含まれるOFDMシンボル数は、スロットに含まれるOFDMシンボル数より小さい。図8では、1つのミニスロットが2つのOFDMシンボルで構成される例である。通信システム1は、スロット単位またはミニスロット単位で、物理チャネルを無線リソースにマッピングする。なお、DFT-s-OFDMを用いて通信を行う場合、前記OFDMシンボルは、DFT-s-OFDM(SC-FDMA(Single Carrier - Frequency Division Multiple Access))シンボルとなる。
【0060】
図9は、本実施形態に係る基地局装置10の構成の概略ブロック図である。基地局装置10は、上位層処理部(上位層処理ステップ)102、制御部(制御ステップ)104、送信部(送信ステップ)106、送信アンテナ108、受信アンテナ110、受信部(受信ステップ)112を含んで構成される。送信部106は、上位層処理部102から入力される論理チャネルに応じて、物理下りリンクチャネルを生成する。送信部106は、符号化部(符号化ステップ)1060、変調部(変調ステップ)1062、下りリンク制御
信号生成部(下りリンク制御信号生成ステップ)1064、下りリンク参照信号生成部(下りリンク参照信号生成ステップ)1066、多重部(多重ステップ)1068、および無線送信部(無線送信ステップ)1070を含んで構成される。受信部112は、物理上りリンクチャネルを検出し(復調、復号など)、その内容を上位層処理部102に入力する。受信部112は、無線受信部(無線受信ステップ)1120、伝搬路推定部(伝搬路推定ステップ)1122、多重分離部(多重分離ステップ)1124、等化部(等化ステップ)1126、復調部(復調ステップ)1128、復号部(復号ステップ)1130を含んで構成される。
【0061】
上位層処理部102は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層などの物理層より上位層の処理を行なう。上位層処理部102は、送信部106および受信部112の制御を行なうために必要な情報を生成し、制御部104に出力する。上位層処理部102は、下りリンクデータ(DL-SCHなど)、システム情報(MIB, SIB)などを送信部106に出力する。なお、DMRS構成情報はRRC等の上位レイヤによる通知ではなく、システム情報(MIBあるいはSIB)によって端末装置に通知してもよい。
【0062】
上位層処理部102は、ブロードキャストするシステム情報(MIB、又はSIBの一部)を生成、又は上位ノードから取得する。上位層処理部102は、BCH/DL-SCHとして、前記ブロードキャストするシステム情報を送信部106に出力する。前記MIBは、送信部106において、PBCHに配置される。前記SIBは、送信部106において、PDSCHに配置される。上位層処理部102は、端末装置固有のシステム情報(SIB)を生成し、又は上位の―度から取得する。上位層処理部は、該SIBに、eMBB/URLLC/mMTCなど用途に関する情報を含めてもよい。該SIBは、送信部106において、PDSCHに配置される。
【0063】
上位層処理部102は、各端末装置のための各種RNTIを設定する。前記RNTIは、PDCCH、PDSCHなどの暗号化(スクランブリング)に用いられる。上位層処理部102は、前記RNTIを、制御部104/送信部106/受信部112に出力する。
【0064】
上位層処理部102は、PDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック、DL-SCH)、端末装置固有のシステムインフォメーション(System Information Block: SIB)、RRCメッセージ、MAC CE、DMRS構成情報がSIBやMIBのようなシステム情報や、DCIで通知されない場合はDMRS構成情報などを生成、又は上位ノードから取得し、送信部106に出力する。DMRS構成情報は、アップリンクとダウンリンク、それぞれに対して別々に設定されてもよいし、包括的に設定されるとしてもよい。上位層処理部102は、端末装置20の各種設定情報の管理をする。なお、無線リソース制御の機能の一部は、MACレイヤや物理レイヤで行われてもよい。
【0065】
上位層処理部102は、端末装置がサポートする機能(UE capability)等、端末装置に関する情報を端末装置20(受信部112を介して)から受信する。端末装置20は、自身の機能を基地局装置10に上位層の信号(RRCシグナリング)で送信する。端末装置に関する情報は、その端末装置が所定の機能をサポートするかどうかを示す情報、または、その端末装置が所定の機能に対する導入およびテストの完了を示す情報を含む。所定の機能をサポートするかどうかは、所定の機能に対する導入およびテストを完了しているかどうかを含む。
【0066】
端末装置が所定の機能をサポートする場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信する。端末装置が所定の機能をサポートし
ない場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信しないようにしてよい。すなわち、その所定の機能をサポートするかどうかは、その所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信するかどうかによって通知される。なお、所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)は、1または0の1ビットを用いて通知してもよい。
【0067】
上位層処理部102は、受信部112から復号後の上りリンクデータ(CRCも含む)からDL-SCHを取得する。上位層処理部102は、端末装置が送信した前記上りリンクデータに対して誤り検出を行う。例えば、該誤り検出はMAC層で行われる。
【0068】
制御部104は、上位層処理部102/受信部112から入力された各種設定情報に基づいて、送信部106および受信部112の制御を行なう。制御部104は、上位層処理部102/受信部112から入力された設定情報に基づいて、下りリンク制御情報(DCI)を生成し、送信部106に出力する。例えば制御部104は、上位層処理部102/受信部112から入力されたDMRSに関する設定情報(DMRS構成1であるかDMRS構成2であるか)を考慮して、DMRSの周波数配置(DMRS構成1の場合は偶数サブキャリアあるいは奇数サブキャリア、DMRS構成2の場合は第0~第2のセットのいずれか)を設定し、DCIを生成する。DCIにはDMRSの周波数配置の他、データ信号とDMRSのFDMに関する情報、ウェーブフォームに関する情報、DMRSのサイクリックシフトに関する情報、周波数領域のOCC(Orthogonal Cover Code)の符号パターン、複数のOFDMシンボルに渡ってDMRSシンボルが設定される場合は時間領域のOCCの符号パターン等が通知されてもよい。DCIにはDMRSに関する情報の他、MCSや周波数割り当てに関する情報等、様々なものが含まれる。
【0069】
制御部104は、伝搬路推定部1122で測定されたチャネル品質情報(CSI Measurement結果)を考慮して、PUSCHのMCSを決定する。制御部104は、前記PUSCHのMCSに対応するMCSインデックスを決定する。制御部104は、決定したMCSインデックスをアップリンクグラントに含める。
【0070】
送信部106は、上位層処理部102/制御部104から入力された信号に従って、PBCH、PDCCH、PDSCHおよび下りリンク参照信号などを生成する。符号化部1060は、上位層処理部102から入力されたBCH、DL-SCHなどを、予め定められた/上位層処理部102が決定した符号化方式を用いて、ブロック符号、畳み込み符号、ターボ符号、ポーラ符号化、LDPC符号などによる符号化(リピティションを含む)を行なう。符号化部1060は、制御部104から入力された符号化率に基づいて、符号化ビットをパンクチャリングする。変調部1062は、符号化部1060から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、等の予め定められた/制御部104から入力された変調方式(変調オーダー)でデータ変調する。該変調オーダーは、制御部104で選択された前記MCSインデックスに基づく。
【0071】
下りリンク制御信号生成部1064は、制御部104から入力されたDCIに対してCRCを付加する。下りリンク制御信号生成部1064は、前記CRCに対して、RNTIを用いて暗号化(スクランブリング)を行う。さらに、下りリンク制御信号生成部1064は、前記CRCが付加されたDCIに対してQPSK変調を行い、PDCCHを生成する。下りリンク参照信号生成部1066は、端末装置が既知の系列を下りリンク参照信号として生成する。前記既知の系列は、基地局装置10を識別するための物理セル識別子などの基に予め定められた規則で求まる。
【0072】
多重部1068は、PDCCH/下りリンク参照信号/変調部1062から入力される各チャネルの変調シンボルを多重する。つまり、多重部1068は、PDCCH/下りリ
ンク参照信号を/各チャネルの変調シンボルをリソースエレメントにマッピングする。マッピングするリソースエレメントは、前記制御部104から入力される下りリンクスケジューリングによって制御される。リソースエレメントは、1つのOFDMシンボルと1つのサブキャリアからなる物理リソースの最小単位である。なお、MIMO伝送を行う場合、送信部106は符号化部1060および変調部1062をレイヤ数具備する。この場合、上位層処理部102は、各レイヤのトランスポートブロック毎にMCSを設定する。
【0073】
無線送信部1070は、多重された変調シンボルなどを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)してOFDMシンボルを生成する。無線送信部1070は、前記OFDMシンボルにサイクリックプレフィックス(cyclic prefix: CP)を付加してベースバンドのディジタル信号を生成する。さらに、無線送信部1070は、前記ディジタル信号をアナログ信号に変換し、フィルタリングにより余分な周波数成分を除去し、搬送周波数にアップコンバートし、電力増幅し、送信アンテナ108に出力して送信する。
【0074】
受信部112は、制御部104の指示に従って、受信アンテナ110を介して端末装置20からの受信信号を検出(分離、復調、復号)し、復号したデータを上位層処理部102/制御部104に入力する。無線受信部1120は、受信アンテナ110を介して受信された上りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部1120は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去する。無線受信部1120は、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。前記周波数領域の信号は、多重分離部1124に出力される。
【0075】
多重分離部1124は、制御部104から入力される上りリンクのスケジューリングの情報(上りリンクデータチャネル割当て情報など)に基づいて、無線受信部1120から入力された信号をPUSCH、PUCCH及上りリンク参照信号などの信号に分離する。前記分離された上りリンク参照信号は、伝搬路推定部1122に入力される。前記分離されたPUSCH、PUCCHは、等化部1126に出力する。
【0076】
伝搬路推定部1122は、上りリンク参照信号を用いて、周波数応答(または遅延プロファイル)を推定する。復調用に伝搬路推定された周波数応答結果は、等化部1126へ入力される。伝搬路推定部1122は、上りリンク参照信号を用いて、上りリンクのチャネル状況の測定(RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)の測定)を行う。上りリンクのチャネル状況の測定は、PUSCHのためのMCSの決定などに用いられる。
【0077】
等化部1126は、伝搬路推定部1122より入力された周波数応答より伝搬路での影響を補償する処理を行う。補償の方法としては、MMSE重みやMRC重みを乗算する方法や、MLDを適用する方法等、既存のいかなる伝搬路補償を適用することができる。復調部1128は、予め決められている/制御部104から指示される変調方式の情報に基づき、復調処理を行う。
【0078】
復号部1130は、予め決められている符号化率/制御部104から指示される符号化率の情報に基づいて、前記復調部の出力信号に対して復号処理を行う。復号部1130は、復号後のデータ(UL-SCHなど)を上位層処理部102に入力する。
【0079】
図10は、本実施形態における端末装置20の構成を示す概略ブロック図である。端末
装置20は、上位層処理部(上位層処理ステップ)202、制御部(制御ステップ)204、送信部(送信ステップ)206、送信アンテナ208、受信アンテナ210および受信部(受信ステップ)212を含んで構成される。
【0080】
上位層処理部202は、媒体アクセス制御(MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、無線リソース制御(RRC)層の処理を行なう。上位層処理部202は、自端末装置の各種設定情報の管理をする。上位層処理部202は、自端末装置がサポートしている端末装置の機能を示す情報(UE Capability)を、送信部206を介して、基地局装置10へ通知する。上位層処理部202は、UE CapabilityをRRCシグナリングで通知する。
【0081】
上位層処理部202は、DL-SCH、BCHなどの復号後のデータを受信部212から取得する。上位層処理部202は、前記DL-SCHの誤り検出結果から、HARQ-ACKを生成する。上位層処理部202は、SRを生成する。上位層処理部202は、HARQ-ACK/SR/CSI(CQIレポートを含む)を含むUCIを生成する。また上位層処理部202は、DMRS構成情報が上位レイヤによって通知されている場合、DMRS構成に関する情報を制御部204に入力する。上位層処理部202は、前記UCIやUL-SCHを送信部206に入力する。なお、上位層処理部202の機能の一部は、制御部204に含めてもよい。
【0082】
制御部204は、受信部212を介して受信した下りリンク制御情報(DCI)を解釈する。制御部204は、上りリンク送信のためのDCIから取得したPUSCHのスケジューリング/MCSインデックス/TPC(Transmission Power Control)などに従って、送信部206を制御する。制御部204は、下りリンク送信のためのDCIから取得したPDSCHのスケジューリング/MCSインデックスなどに従って、受信部212を制御する。さらに制御部204は、下りリンク送信のためのDCIに含まれるDMRSの周波数配置に関する情報と、上位層処理部202から入力されるDMRS構成情報にしたがって、DMRSの周波数配置を特定する。
【0083】
送信部206は、符号化部(符号化ステップ)2060、変調部(変調ステップ)2062、上りリンク参照信号生成部(上りリンク参照信号生成ステップ)2064、上りリンク制御信号生成部(上りリンク制御信号生成ステップ)2066、多重部(多重ステップ)2068、無線送信部(無線送信ステップ)2070を含んで構成される。
【0084】
符号化部2060は、制御部204の制御に従って(MCSインデックスに基づいて算出される符号化率に従って)、上位層処理部202から入力された上りリンクデータ(UL-SCH)を畳み込み符号化、ブロック符号化、ターボ符号化等の符号化を行う。
【0085】
変調部2062は、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の制御部204から指示された変調方式/チャネル毎に予め定められた変調方式で、符号化部2060から入力された符号化ビットを変調する(PUSCHのための変調シンボルを生成する)。さらにDMRS構成1が上位レイヤによって通知されている場合で、基地局装置が所定のDCIフィールドの値によってDFT-S-OFDMを伝送方式として用いることを指示し、端末装置がDCIによってDFT-S-OFDMを伝送方式として用いることを通知された場合、変調シンボル列に対してDFT(Discrete Fourier Transform)を適用する。一方、DMRS構成2が上位レイヤによって通知されている場合、もしくはDMRS構成1が上位レイヤによって通知され、所定のDCIフィールドの値によってCP-OFDMを伝送方式として用いることが通知された場合、伝送方式としてCP-OFDMを適用するため、変調シンボル列に対してDFTを適用しない。
【0086】
上りリンク参照信号生成部2064は、制御部204の指示に従って、基地局装置10を識別するための物理セル識別子(physical cell identity: PCI、Cell IDなどと称される)、上りリンク参照信号を配置する帯域幅、サイクリックシフト、DMRSシーケンスの生成に対するパラメータの値、さらに周波数配置などを基に、予め定められた規則(式)で求まる系列を生成する。
【0087】
上りリンク制御信号生成部2066は、制御部204の指示に従って、UCIを符号化、BPSK/QPSK変調を行い、PUCCHのための変調シンボルを生成する。
【0088】
多重部2068は、制御部204からの上りリンクスケジューリング情報(RRCメッセージに含まれる上りリンクのためのSPSにおける送信間隔、DCIに含まれるリソース割り当てなど)に従って、PUSCHのための変調シンボル、PUCCHのための変調シンボル、上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎に多重する(つまり、各信号はリソースエレメントにマップされる)。
【0089】
無線送信部2070は、多重された信号をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)して、OFDMシンボルを生成する。無線送信部2070は、前記OFDMシンボルにCPを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成する。さらに、無線送信部2070は、前記ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、余分な周波数成分を除去し、アップコンバートにより搬送周波数に変換し、電力増幅し、送信アンテナ208を介して基地局装置10に送信する。
【0090】
受信部212は、無線受信部(無線受信ステップ)2120、多重分離部(多重分離ステップ)2122、伝搬路推定部(伝搬路推定ステップ)2144、等化部(等化ステップ)2126、復調部(復調ステップ)2128、復号部(復号ステップ)2130を含んで構成される。
【0091】
無線受信部2120は、受信アンテナ210を介して受信した下りリンク信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部2120は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対してFFTを行い、周波数領域の信号を抽出する。
【0092】
多重分離部2122は、前記抽出した周波数領域の信号を下りリンク参照信号、PDCCH、PDSCH、PBCHに分離する。伝搬路推定部2124は、下りリンク参照信号(DM-RSなど)を用いて、周波数応答(または遅延プロファイル)を推定する。復調用に伝搬路推定された周波数応答結果は、等化部1126へ入力される。伝搬路推定部2124は、下りリンク参照信号(CSI-RSなど)を用いて、上りリンクのチャネル状況の測定(RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)の測定)を行う。下りリンクのチャネル状況の測定は、PUSCHのためのMCSの決定などに用いられる。下りリンクのチャネル状況の測定結果は、CQIインデックスの決定などに用いられる。
【0093】
等化部2126は、伝搬路推定部2124より入力された周波数応答よりMMSE規範に基づく等化重みを生成する。等化部2126は、多重分離部2122からの入力信号(PUCCH、PDSCH、PBCHなど)に該等化重みを乗算する。復調部2128は、予め決められている/制御部204から指示される変調オーダーの情報に基づき、復調処理を行う。
【0094】
復号部2130は、予め決められている符号化率/制御部204から指示される符号化率の情報に基づいて、前記復調部2128の出力信号に対して復号処理を行う。復号部2130は、復号後のデータ(DL-SCHなど)を上位層処理部202に入力する。
【0095】
本発明の一又は複数の態様によれば、上位層処理部においてDMRS構成1が設定された場合は伝送方式の変更を可能とし、DMRS構成2が設定された場合は、データ信号と参照信号のFDMを設定可能とする。この結果、それぞれのDMRS構成に合わせたDCIによる効率的な制御を行うことができる。
【0096】
(第2の実施形態)
【0097】
第1の実施形態では、DMRS構成1が設定された場合、DCIによってウェーブフォームを切り替え、DMRSとデータ信号の1OFDMシンボル内での多重は行わないことを前提とした。しかしながら、CP-OFDMを用いる場合、PAPRは問題とならないため、DMRS構成1においてDMRSとデータ信号をFDMしても問題ない。そこで本実施形態では、DMRS構成1が設定され、さらにCP-OFDMが設定された場合に、データ信号とDMRSの周波数領域多重を許容する方法について説明を行う。
【0098】
本実施形態では、DMRS構成が1であるか2であるかに関わらず、DCIにデータ信号とDMRSの多重を許容するか否かを示すビットを設け、基地局装置が端末装置にDCIを送信する。上位層処理部によってDMRS構成が2であることが設定された場合、第1の実施形態と同様、ウェーブフォームはCP-OFDMで固定とし、基地局装置は該ビットによってデータ信号とDMRSの多重を許容するか否かをDCIによって指定する。一方、上位層処理部によってDMRS構成が1であることが設定された場合も同様に、基地局装置は該ビットによってデータ信号とDMRSの多重を許容するか否かをDCIによって指定する。ただし、上位層処理部でDMRS構成2が設定された場合と異なり、基地局装置から通知されるDCIが、データ信号とDMRSの多重を行うことを指示するものであった場合、端末装置の制御部はアップリンク伝送のウェーブフォームとしてCP-OFDMを用いる。言い換えると,基地局装置から通知されるDCIが、アップリンク伝送のウェーブフォームとしてCP-OFDMを用いることを指示するものであった場合、端末装置の制御部はデータ信号とDMRSの周波数領域多重を行ったOFDMシンボルを生成する。一方、データ信号とDMRSの多重を行わないことを指示するDCIを受信した場合、端末装置の制御部はアップリンクのウェーブフォームとしてDFT-S-OFDMを用いる。
【0099】
このように本実施形態によれば、上位層処理部によってDMRS構成1が設定された場合、基地局装置は、データ信号とDMRSの多重に関する情報と、ウェーブフォームに関する情報を関連付けて指定する。この結果、少ない制御情報量でPAPRの増加を抑えた上で、効率的な伝送を行うことができる。
【0100】
(第3の実施形態)
【0101】
第1および第2の実施形態では、アップリンク伝送のランク数(ストリーム数、レイヤ数)が1であることを前提としていた。本実施形態ではランク数が1より大きい場合について説明を行う。
【0102】
DFT-S-OFDMは、セルエッジの端末装置、つまり最大電力もしくはそれに準ずる高い送信電力を設定する必要がある端末に対して適用される場合に、CP-OFDMを適用する場合と比較して効果がある。セルエッジの端末装置はランク数が1より大きな伝
送を行う可能性は低いため、NRにおいて、DFT-S-OFDMのランク数は1に限定することが合意されている。
【0103】
そこで、上位レイヤによってDMRS構成1が設定され、基地局装置がDCIによって通知するランク数が1より大きい場合、端末装置の制御部は、アップリンクの伝送方式としてCP-OFDMを用い、DCIの所定のフィールドの値によって参照信号とデータ信号の多重を行うか否かを切り替える。なお、上位レイヤによってDMRS構成1が設定され、基地局装置からDCIによって通知されるランク数が1である場合、DCIフォーマット中の所定のフィールドによってCP-OFDMとDFT-S-OFDMを切り替える。この時、第1の実施形態のように、DMRS構成1が設定された場合は参照信号とデータ信号の多重を行わない構成としてもよいし、第2の実施形態のように、DMRS構成によらず、DCIによって参照信号とデータ信号の多重を行うか行わないかを切り替えてもよい。基地局装置の受信部は、送信したDCIに基づいて受信処理を行う。
【0104】
このように本実施形態によれば、DMRS構成1かつランク数が1より大きい場合、伝送方式をCP-OFDMとし、DCIによって参照信号とデータ信号の多重を行うか行わないかを切り替える。この結果、ランク数が1でない場合においても効率的な伝送を行うことができる。
【0105】
なお、上記の実施形態はその一部またはすべてを組み合わせて実施できる。
【0106】
本発明に関わる装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上述した実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、処理時に一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリに読み込まれ、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0107】
なお、上述した実施形態における装置の一部、をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、実施形態の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。ここでいう「コンピュータシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体等のいずれであっても良い。
【0108】
さらに「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0109】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、すなわち典型的には集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプ
ログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。前述した電気回路は、ディジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0110】
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
【0111】
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、基地局装置、端末装置および通信方法に用いて好適である。
【符号の説明】
【0113】
10 基地局装置
20 端末装置
10a 基地局装置10が端末装置と接続可能な範囲
102 上位層処理部
104 制御部
106 送信部
108 送信アンテナ
110 受信アンテナ
112 受信部
1060 符号化部
1062 変調部
1064 下りリンク制御信号生成部
1066 下りリンク参照信号生成部
1068 多重部
1070 無線送信部
1120 無線受信部
1122 伝搬路推定部
1124 多重分離部
1126 等化部
1128 復調部
1130 復号部
202 上位層処理部
204 制御部
206 送信部
208 送信アンテナ
210 受信アンテナ
212 受信部
2060 符号化部
2062 変調部
2064 上りリンク参照信号生成部
2066 上りリンク制御信号生成部
2068 多重部
2070 無線送信部
2120 無線受信部
2122 多重分離部
2124 伝搬路推定部
2126 等化部
2128 復調部
2130 復号部
図1
図2
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図10