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  • 特許-静電容量型の伸縮可能なタッチパッド 図1a
  • 特許-静電容量型の伸縮可能なタッチパッド 図1b
  • 特許-静電容量型の伸縮可能なタッチパッド 図2
  • 特許-静電容量型の伸縮可能なタッチパッド 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】静電容量型の伸縮可能なタッチパッド
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220707BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220707BHJP
   G01L 1/14 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
G06F3/041 640
G06F3/041 495
G06F3/044 126
G06F3/041 520
G01L1/14 A
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018008530
(22)【出願日】2018-01-23
(65)【公開番号】P2018139108
(43)【公開日】2018-09-06
【審査請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】17153443.1
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507343327
【氏名又は名称】サンコ テキスタイル イスレットメレリ サン ベ ティク エーエス
【氏名又は名称原語表記】SANKO TEKSTIL ISLETMELERI SAN. VE TIC. A.S.
【住所又は居所原語表記】Organize Sanayi Bolgesi 3. Cadde 16400 Inegol-Bursa(TR)
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】オズギュル シバノグル
(72)【発明者】
【氏名】レイラ ゼンギ
(72)【発明者】
【氏名】ギュネス バナズィリ
(72)【発明者】
【氏名】メルヴェ ナギハン アクジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ケナン ロヤン
(72)【発明者】
【氏名】オズギュル アクデミル
(72)【発明者】
【氏名】フェヒム チャグラル
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/154560(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0009905(US,A1)
【文献】国際公開第2016/025554(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0011814(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0328043(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0018274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G01L 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量型の伸縮可能なタッチパッド(10)を備える検出装置であって、前記伸縮可能なタッチパッド(10)は、単方向または双方向に伸縮可能な布(20)からなり、前記布に複数の導電性要素が組み込まれており、前記導電性要素は、タッチによって生じる静電容量アナログ信号の変化を与える電極を形成する抵抗歪ゲージ(30、40)であり、前記検出装置は、前記静電容量アナログ信号を処理し、前記抵抗歪ゲージの抵抗を測定するようになっている制御ユニット(90)を備えていることを特徴とする。
【請求項2】
前記抵抗歪ゲージ(30、40)は、双方向アレイに直交する方向に沿って設置され、絶縁性材料(50)は、前記抵抗歪ゲージ(30、40)の交差部(60)に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の検出装置
【請求項3】
前記抵抗歪ゲージ(30、40)は、前記伸縮可能な布(20)にスクリーン印刷された抵抗性エラストマーコーティングを含むことを特徴とする請求項1に記載の検出装置
【請求項4】
前記抵抗歪ゲージ(30、40)は、前記布(20)に織り込まれた、または編まれた導電性の糸を含むことを特徴とする請求項1に記載の検出装置
【請求項5】
前記抵抗歪ゲージ(30、40)は、ストライプにスクリーン印刷された抵抗性エラストマーコーティングを含むことを特徴とする請求項1に記載の検出装置
【請求項6】
前記伸縮可能な布(20)は、2つの直交する方向において異なる伸び特性を有することを特徴とする請求項1に記載の検出装置
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の検出装置を組み込んでいる着用可能な衣類。
【請求項8】
前記タッチパッド(10)によって検出された前記静電容量アナログ信号を分析するために、前記伸縮可能なタッチパッド(10)に接続された前記制御ユニット(90)をさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載の着用可能な衣類。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の検出装置の動作方法であって、前記方法は、
-前記伸縮可能なタッチパッド(10)によって与えられる静電容量アナログ信号を連続的に測定する工程と、
-タッチがされたか否かを判断するために、測定された静電容量信号を閾値と比較する工程とを含み、
前記閾値は、静電容量の実際の測定値の関数として、および前記タッチパッドのコンデンサ電極を形成する抵抗歪ゲージ(30、40)の抵抗の関数として連続的に調整されていることを特徴とする検出装置の動作方法。
【請求項10】
前記方法は、
-前記抵抗歪ゲージ(30、40)の電気抵抗の変化を測定する工程と、
-前記抵抗歪ゲージ(30、40)の伸びによる静電容量誤差を修正するために、伸びとして測定された電気抵抗の変化を使用する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の検出装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量型の伸縮可能なタッチパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
歪ゲージとしての伸縮可能な抵抗性布またはエラストマーは、当該技術分野において知られている。導電性材料で実現されたタッチセンサも、当該技術分野において知られている。これらの用途では、電子機器入力ステージの静電気放電(ESD)保護は、一般に、各々の静電容量センサトレースに直列の抵抗器によって確立されている。
【0003】
タッチセンサは、一般に、固体または硬質基板上に実装されており、一般に、着用することが困難であることも知られている。歪ゲージは、歪ゲージの機能によって決まる性質により、常に、伸縮可能な基板上に実装されている。
【0004】
特許文献1には、編み金属ステッチからなり、かつ縦方向および横方向の両方に弾性を有するように設計されたテキスタイル圧力センサが開示されている。テキスタイル圧力センサのニットの布は、少なくともその領域において導電性の第1および第2の構造からなっている。中間絶縁要素は、第1および第2の導電性構造体の間に配置されている。このテキスタイル圧力センサの表面および静電容量の両方は、テキスタイル構造が様々な方向に伸長することができるという事実により、一定ではない。これは、圧力測定のエラーにつながる可能性がある。従って、これらの伸長の影響は、例えば、伸長測定によって補償されなければならない。
【0005】
特に、特許文献1には、計算された圧力に影響を及ぼす容量変化を補償するために布の伸び量を測定するための歪ゲージのアレイを使用することが記載されている。
【0006】
しかし、上記従来技術の布圧力センサの主な目的は、圧力、より正確には、間接的に圧力を測定する現象として、電極間の静電容量を使用することにより、布に沿った圧力分布を測定することである。
【0007】
特許文献2には、第1の電極層と第2の電極層との間に挟まれた少なくとも1つの絶縁材料層を含む可撓性圧力検出プラットフォームが開示されており、各電極層は、可撓性材料に埋め込まれたストライプ電極のアレイを含んでいる。圧力は、特定の垂直導電性ストライプおよび水平導電性ストライプの交差部での静電容量変化に基づいて測定されている。
【0008】
特許文献3には、インタラクティブテキスタイルについて記載されている。インタラクティブテキスタイルは、タッチ入力を検出する静電容量タッチセンサを形成するために、インタラクティブテキスタイルに織り込まれた導電糸のグリッドを含んでいる。検出されたタッチ入力は、遠隔デバイスを制御するために使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2016/018274号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/294756号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/048235号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、タッチセンサとして、および/または歪ゲージとして動作することができる伸縮可能な布を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この、およびその他の課題は、単方向または双方向に伸縮可能な布からなり、そこに複数の導電性要素が組み込まれている静電容量型の伸縮可能なタッチパッドであって、前記導電性要素は、タッチによって生じる静電容量信号の変化を与える電極を形成する抵抗歪ゲージであることを特徴とする静電容量型の伸縮可能なタッチパッドによって達成される。
【0012】
この実施形態の利点としては、上記の構造が、タッチパッド、すなわち、タッチ入力デバイスとして使用することができるデバイスの機能と、表面が伸縮可能なタッチパッドの伸び、および三次元におけるこのような伸びの位置、方向、および表面を測定することができる歪ゲージの機能とを結合していることである。
【0013】
より具体的には、歪ゲージを設けることにより、伸縮時の個々のタッチセンサの静電容量の変化を修正することができる。したがって、伸縮可能なタッチパッドの機能は、i)タッチセンサの修正を与えること、およびii)布の伸び、および伸びの方向を監視することの2つである。
【0014】
本発明の別の実施形態では、抵抗歪ゲージは、双方向アレイに直交する方向に沿って設置され、絶縁性材料は、前記抵抗歪ゲージの交差部に配置されている。
【0015】
この実施形態の利点としては、この特定のケースでは、歪ゲージも可撓性抵抗であるという事実により、タッチセンサの出力を読み出すために、静電気放電(ESD)保護抵抗が必要とされないことである。
【0016】
本発明のさらなる実施形態では、抵抗歪ゲージは、伸縮可能な布に印刷された抵抗性エラストマーコーティングを含んでいる。
【0017】
別の実施形態では、抵抗歪ゲージは、ストライプにスクリーン印刷された抵抗性エラストマーコーティングを含むこともできる。
【0018】
伸縮可能な布は、2つの直交する方向において異なる伸び特性を有することもできる。
【0019】
本発明は、上記のような伸縮可能なタッチパッドの動作方法にも関しており、前記方法は、
-前記伸縮可能なタッチパッドによって与えられる静電容量アナログ信号を連続的に測定する工程と、
-タッチがされたか否かを判断するために測定された静電容量信号を閾値と比較する工程とを含み、
前記閾値は、前記タッチパッドのコンデンサ電極を形成する抵抗歪ゲージの抵抗の関数として連続的に調整されている。
【0020】
この実施形態の利点としては、タッチイベント検出アルゴリズムを歪ゲージの抵抗の変化の関数として調整することにより、バイナリタッチイベントを検出する際のより良い感度を得ることができることである。
【0021】
本発明によれば、前記方法は、
-抵抗歪ゲージの電気抵抗の変化を測定する工程と、
-抵抗歪ゲージの伸びによる寄生静電容量誤差を修正するために、伸びとして測定された電気抵抗の変化を使用する工程とをさらに含んでいる。
【0022】
好ましい実施形態は、従属請求項の目的としている。
【0023】
以下、添付の例示的および非限定的な図面を参照して、本発明を詳細に説明する。同じ符号は、同じ要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1a】本発明の第1の実施形態による静電容量型の伸縮可能なタッチパッドを示す図である。
図1b】本発明の別の実施形態による静電容量型の伸縮可能なタッチパッドを示す図である。
図2図1aおよび図1bの伸縮可能なタッチパッドのいずれかの出力を読み取ることに適した制御ユニットの回路図を示す図である。
図3】本発明の一実施形態によるタッチ検出方法の動作の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
例示的な実施形態を、添付の図面を参照して、用途および使用を限定することなく説明する。
【0026】
図1aでは、静電容量型の伸縮可能なタッチパッド10が示されており、伸縮可能なタッチパッド10は、その中に組み込まれた複数の導電性要素を有する伸縮可能な布20を含んでいる。
【0027】
電流が各導電性要素30を通って流れるので、導電性要素30の各々は、ポート間の電圧降下を引き起こす2つのポートを有しており、各要素は、2つのルーティング32を有し、1つは、それぞれの要素30に入り、もう1つは、そこから出て、かつ2つの接触パッド35も有している。
【0028】
同様に、導電性要素40の各々は、2つのルーティング42を有し、1つは、それぞれの要素40に入り、もう1つは、そこから出て、かつ2つの接触パッド45も有している。
【0029】
特に、導電性要素は、タッチによって引き起こされる静電容量信号の変化を与えることに適した電極を形成する抵抗歪ゲージ30、40であってもよい。
【0030】
抵抗歪ゲージ30、40は、このような静電容量の変化を表す信号を制御ユニット90に与えることができる。
【0031】
制御ユニット90は、このような信号を連続的に測定し、このような信号を可変閾値と比較することによってタッチイベントとして解釈するように設計されている。この閾値は、タッチパッド10のコンデンサ電極を形成する静電容量の実際の測定値と抵抗歪ゲージの抵抗値との関数となっている。
【0032】
伸縮可能な布20は、2つの直交する方向において異なる伸び特性を有することができる。
【0033】
抵抗歪ゲージ30、40は、双方向アレイに直交する方向に沿って設置され、絶縁性材料50は、抵抗歪ゲージ30、40の交差部60に配置されている。
【0034】
抵抗歪ゲージ30、40は、伸縮可能な布20に印刷された、または布に組み込まれた伸縮可能なストライプに印刷された抵抗性エラストマーコーティングを含むことができる。
【0035】
このように、伸縮可能な抵抗歪ゲージ30、40が作り出され、金属導電線とは対照的に、抵抗歪ゲージ30、40は、適用されるテキスタイル材料と同程度に伸縮または伸長することができ、それらの電気抵抗は加えられる伸びの関数として変化する。
【0036】
さらに、抵抗歪ゲージ30、40は、布に織り込まれた、または編まれた導電性の糸を含むことができ、または導電性の糸からなることができる。
【0037】
伸縮可能なタッチパッド10は、着用可能な衣類に組み込むことができる。
【0038】
着用可能な衣類は、例えばルーティング32、42および接触パッド35、45によって、伸縮可能なタッチパッド10に接続された制御ユニットを含むことができ、これにより、タッチパッド10によって検出された信号を検出して分析することができる。
【0039】
図1bでは、静電容量型の別の伸縮可能なタッチパッド10’が示されており、導電性要素30および導電性要素40のそれぞれは、接地(GND)に接続されたルーティングの1つを有している。
【0040】
伸縮可能なタッチパッド10の出力を読み取ることに適している制御ユニット90の回路図は、図2に示されている。
【0041】
制御ユニット90は、例えばユーザがタッチパッド10と相互作用する場合に、各静電容量検出電極、すなわち抵抗歪ゲージ30、40によって与えられる電気信号を読み出すために使用される静電容量デジタル変換器(CDC)100を備えている。
【0042】
より具体的には、電流は、歪ゲージ30、40を流れ、可変電圧は、図2の回路の点Nで測定され、測定された電圧は、抵抗歪ゲージ30、40の電気抵抗の変化を表している。
【0043】
図2の回路には示されていないが、CDC100は、本発明の目的のために2つの測定値を同時に分析することができるように、DQM140にも接続されている。CDC100およびDQM140は、同じマイクロコントローラの一部であることが好ましい。
【0044】
したがって、CDC100は、静電容量Cp(図2の破線で示す)、すなわち、同じ電子ノードNに結合されたユーザのタッチイベントによる寄生静電容量を読み出すことによって、タッチイベントチャネルとして動作することができる。
【0045】
制御ユニット90は、ダイオード110およびローパスフィルタ(LPF)120も備えている。ダイオード110の出力において、伸縮された場合の抵抗歪ゲージ30、40の伸びを表す電圧レベルを読み出すことができる。
【0046】
ローパスフィルタ(LPF)120は、読み出した静電容量信号の不要な高周波数成分をフィルタリングして取り除くために動作し、制御ユニット90は、LPF120の出力をデジタル化するためのアナログ-デジタル変換器(ADC)130をさらに備えている。
【0047】
ローパスフィルタ(LPF)120は、固定帯域幅のローパスフィルタであることが好ましい。
【0048】
ADC130は、別個の要素であってもよいし、マイクロコントローラ内に統合されて、伸長イベントチャネルとして動作してもよい。
【0049】
最後に、制御ユニット90は、検出の視覚化のためのデータ品質モニタ(DQM)140を備えている。DQM140は、マイクロコントローラによって実行されるソフトウェアとして実現されてもよく、タッチイベントを監視するためにCDC100とノードNとの間に配置されてもよい。
【0050】
一般に、伸縮された場合、個々の歪ゲージ30、40のインピーダンスが変化し、寄生静電容量の変化の検出精度が低下する現象が生ずる。
【0051】
したがって、制御ユニット90の上記の回路では、個々のセンサの伸びによる誤差を補償しながらタッチイベントを検出するために、様々な要素が相互作用することになる。
【0052】
図3は、本発明の一実施形態によるタッチ検出方法の動作の一例を示すグラフである。
【0053】
本発明のタッチ検出方法は、従来技術に対する着用可能なセンサのタッチイベントに対する感度を向上させることを目的としており、歪ゲージ30、40の伸びによるインピーダンスの変化を考慮して、意図的なタップまたはタッチの場合にのみタッチイベントを検出することができるようにしている。
【0054】
第1の工程として、上述の制御ユニット90の例示的な動作において、時間に沿った異なる静電容量値を表す生データが記録され(図3の曲線A)、そのような静電容量値は、タッチイベントに相関されてもよいし、相関されなくてもよい。
【0055】
固定帯域幅ローパスフィルタ(LPF)120を使用して、生データ平均曲線を計算することができる(曲線B)。すなわち、生データをフィルタリングし、フィルタリングされたデータを移動平均する。
【0056】
フィルタリングされた生データ平均と、センサストライプの伸びの表示としての歪ゲージの抵抗とに基づいて、可変閾値(曲線C)が計算されている。
【0057】
図3に見られるように、実際に測定されたデータ(検出されたタッチ)の第1のピークは、x軸の320付近で始まり340付近で終了する第2の、およびより長時間検出されたピークよりもはるかに高くなっている。この第2のタッチイベントの間に、センサストライプが伸長されていることが、タッチの測定値がy軸上で約1000付近とより低くなっていることの主な理由である。センサストライプは、タッチイベントの間に徐々に解除され、抵抗が下がるにつれて閾値(C)と実際の測定値(A)とが徐々に増加している。
【0058】
動作中、タッチイベントを検出するために、伸縮可能なタッチパッドの静電容量アナログ信号は、曲線Aに示すように連続的に測定されている。
【0059】
測定された静電容量信号を曲線Cの閾値と連続的に比較し、タッチイベントが生じたか否かを判断している。
【0060】
測定された静電容量が可変閾値より大きい値を有する場合、タッチイベントが発生し、高い論理値が出力されている(レベル1000における曲線D)と判断される。
【0061】
これに対して、測定された静電容量が可変閾値Cより低い値を有する場合、タッチイベントが発生しておらず、低い論理値が出力されている(レベル0における曲線D)と判断される。
【0062】
上述のように、静電容量閾値の値は、固定されていないが、抵抗歪ゲージ30、40の電気抵抗の測定された変化の関数として連続的に調整されている。
【0063】
測定された電気抵抗伸びの変化は、抵抗歪ゲージ30、40の伸びによる寄生静電容量誤差を修正するために使用される。
【0064】
このような方法の実施により、ランダムノイズおよび非意図的ピークがタッチイベント検出を妨害することを防止している。
【0065】
もちろん、歪ゲージは、タッチパッドの表面に何が起きているかを監視するためにも使用される。例えば、衣類の着用者が、衣類を着用している関節をどの方向にどのくらい曲げているかの情報を、歪ゲージは、伝えることができる。
【0066】
本発明では、タッチセンサと歪ゲージ機能とが、同じ要素、すなわち抵抗歪ゲージ30、40によって行われることを意味している。
【0067】
少なくとも1つの例示的な実施形態を、前述の概要および詳細な説明で示したが、多くの変形例が存在することは言うまでもない。例示的な実施形態は、単なる例示であり、いかなる形であれ、本発明の範囲、適用の可能性、または構成を限定することを意図するものではない。むしろ、前述の概要および詳細な説明は、当業者に、少なくとも1つの例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを提供するが、特許請求の範囲およびそれらの法的同等物に記載された範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記述された機能および要素の配置に、様々な変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0068】
10、10’ タッチパッド
20 布
30 抵抗歪ゲージ(導電性要素)
32 ルーティング
35 接触パッド
40 抵抗歪ゲージ(導電性要素)
42 ルーティング
45 接触パッド
50 絶縁性材料
60 交差部
90 制御ユニット
100 静電容量デジタル変換器(CDC)
110 ダイオード
120 ローパスフィルタ(LPF)
130 アナログ-デジタル変換器(ADC)
140 データ品質モニタ(DQM)
図1a
図1b
図2
図3