(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
E05B 65/00 20060101AFI20220707BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20220707BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20220707BHJP
A47G 29/122 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
E05B65/00 D
E05B49/00 J
B65G61/00 550
A47G29/122 A
(21)【出願番号】P 2018009746
(22)【出願日】2018-01-24
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】300076563
【氏名又は名称】原 周平
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】原 周平
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0231112(US,A1)
【文献】米国特許第5979750(US,A)
【文献】特開昭64-46191(JP,A)
【文献】特開平4-339986(JP,A)
【文献】特開平7-293076(JP,A)
【文献】特開平2-265507(JP,A)
【文献】実開平6-42791(JP,U)
【文献】特開平3-267020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 65/00
E05B 49/00
B65G 61/00
A47G 29/12-29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納可能な収納ボックスを備え、該収納ボックスの一部に開口部が形成され、該開口部を扉で遮蔽し施錠可能に構成される収納部と、
前記扉を解錠するために操作を行う操作部と、
前記扉を解錠する際に情報の出力を行う情報出力部と、
前記収納ボックスの庫内には、該収納ボックスの収納空間を複数に区画する1以上の棚板と、
収納装置全体の動作を制御する制御部と、
前記収納空間に収納されている物品を検知し、該検知結果を示す検知信号を前記制御部へ出力する検知部とを有し、
前記収納ボックスの開口部の開口方向は、前記操作部及び前記情報出力部が設置される領域の面の方向と異なり、
前記棚板は、移動することにより、前記収納ボックスの収納空間の区画を解除することを可能に構成され、
前記収納ボックスの開口部は、互いに異なる方向に複数開口し、
前記複数の開口部のうち少なくとも1つは、前記区画された複数の収納空間ごとに前記扉を備え、他の前記開口部のうち少なくとも1つは、前記区画された複数の収納空間にまたがって前記扉を備えており、
前記制御部は、前記区画された複数の収納空間のうちいずれかに物品が収納されていることを示す前記検知信号が前記検知部から入力されると、前記物品が収納されている収納空間及び他の収納空間の開口部をまたがって遮蔽する前記扉の解錠を行わないことを特徴とする収納装置。
【請求項2】
物品を収納可能な収納ボックスを備え、該収納ボックスの一部に開口部が形成され、該開口部を扉で遮蔽し施錠可能に構成される収納部と、
前記扉を解錠するために操作を行う操作部と、
前記扉を解錠する際に情報の出力を行う情報出力部と、
前記収納ボックスの庫内には、該収納ボックスの収納空間を複数に区画する1以上の棚板と
前記棚板の移動を規制する移動規制部とを有し、
前記収納ボックスの開口部の開口方向は、前記操作部及び前記情報出力部が設置される領域の面の方向と異なり、
前記棚板は、移動することにより、前記収納ボックスの収納空間の区画を解除することを可能に構成され、
前記収納ボックスの開口部は、互いに異なる方向に複数開口し、
前記複数の開口部のうち少なくとも1つは、前記区画された複数の収納空間ごとに前記扉を備え、他の前記開口部のうち少なくとも1つは、前記区画された複数の収納空間にまたがって前記扉を備えており、
前記移動規制部は、前記複数の収納空間にまたがって備えられている扉が解錠された場合に、該またがっている複数の収納空間を区画している前記棚板の移動の規制を解除することを特徴とする収納装置。
【請求項3】
前記収納装置全体の動作を制御する制御部と、
前記収納空間に収納されている物品を検知し、該検知結果を示す検知信号を前記制御部へ出力する検知部とをさらに有し、
前記制御部は、前記区画された複数の収納空間のうちいずれかに物品が収納されていることを示す前記検知信号が前記検知部から入力されると、前記物品が収納されている収納空間及び他の収納空間の開口部をまたがって遮蔽する前記扉の解錠を行わないことを特徴とする請求項2記載の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置に関し、特に、配送物等を入庫する個人用の収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宅配ロッカーと称される施錠可能な収納装置が、集合住宅の共用部等に設置され、宅配便の受取り等のサービスに利用されている。
この宅配ロッカーを利用した宅配便の受取りサービスにおいては、集合住宅の居住者が不在の場合であっても、宅配業者が居住者宛の配送物を宅配ロッカーのボックス内に収納し施錠しておき、その後、居住者が該当するボックスを解錠して自分宛の配送物を取り出すことができる。
このように、配送物の盗難等を防止し、配送物を安全に受け取ることを可能にするものである。
また、宅配ロッカーは、様々なサイズの収納ボックスを複数備え、様々なサイズの荷物の入庫に対応可能に構成されている。
【0003】
このような宅配ロッカーを利用した宅配便サービスに係る従来技術の1つに特許文献1が開示するところのロッカーシステムが提案されている。
特許文献1のロッカーシステムでは、配送業者が集合住宅の居住者等宛の荷物を配送するとき、集合住宅等に設置された宅配ロッカーにおいて、その荷物の大きさに合致したロッカーのボックスに荷物を入庫し収納した後に施錠する。
このように、宅配ロッカーを利用することにより、たとえ荷物の配送時に荷物の受取人が在宅していない場合であっても、受取人は、帰宅後に宅配ロッカーから自分宛の荷物を容易に受け取ることが可能となる。
一方、配送業者は、再配達を行う必要がないので、効率よく配達業務を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のとおり、宅配ロッカーは集合住宅等に設置され、その居住者に利用されることが一般的であるが、近年は個人宅の居住者においても、その需要が高まってきている。
しかしながら、特に都市部の個人宅は集合住宅に比べて敷地面積が狭小であることから、上記特許文献1に開示のような、様々なサイズの荷物の入庫に対応するような収納ボックスを備えた宅配ロッカーの設置場所を確保することが困難であるという問題がある。
一方、個人宅に設置する宅配ロッカーの収納ボックスのサイズを個人宅の敷地面積に合わせて小さくした場合には、様々なサイズの荷物、特に、大型や長尺の荷物に対応できず、再配達等の不具合が生じる。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、個人宅において様々なサイズの荷物を収納可能であり、さらに、設置スペースの有効活用が可能な収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため、本発明における収納装置は、物品を収納可能な収納ボックスを備え、収納ボックスの一部に開口部が形成され、開口部を扉で遮蔽し施錠可能に構成される収納部と、扉を解錠するために操作を行う操作部と、扉を解錠する際に情報の出力を行う情報出力部と、収納ボックスの庫内には、収納ボックスの収納空間を複数に区画する1以上の棚板と、収納装置全体の動作を制御する制御部と、収納空間に収納されている物品を検知し、検知結果を示す検知信号を制御部へ出力する検知部とを有し、収納ボックスの開口部の開口方向は、操作部及び情報出力部が設置される領域の面の方向と異なり、棚板は、移動することにより、収納ボックスの収納空間の区画を解除することを可能に構成され、収納ボックスの開口部は、互いに異なる方向に複数開口し、複数の開口部のうち少なくとも1つは、区画された複数の収納空間ごとに扉を備え、他の開口部のうち少なくとも1つは、区画された複数の収納空間にまたがって扉を備えており、制御部は、区画された複数の収納空間のうちいずれかに物品が収納されていることを示す検知信号が検知部から入力されると、物品が収納されている収納空間及び他の収納空間の開口部をまたがって遮蔽する扉の解錠を行わないことを特徴とする。
【0008】
また、本発明における収納装置は、物品を収納可能な収納ボックスを備え、収納ボックスの一部に開口部が形成され、開口部を扉で遮蔽し施錠可能に構成される収納部と、扉を解錠するために操作を行う操作部と、扉を解錠する際に情報の出力を行う情報出力部と、収納ボックスの庫内には、収納ボックスの収納空間を複数に区画する1以上の棚板と棚板の移動を規制する移動規制部とを有し、収納ボックスの開口部の開口方向は、操作部及び情報出力部が設置される領域の面の方向と異なり、棚板は、移動することにより、収納ボックスの収納空間の区画を解除することを可能に構成され、収納ボックスの開口部は、互いに異なる方向に複数開口し、複数の開口部のうち少なくとも1つは、区画された複数の収納空間ごとに扉を備え、他の開口部のうち少なくとも1つは、区画された複数の収納空間にまたがって扉を備えており、移動規制部は、複数の収納空間にまたがって備えられている扉が解錠された場合に、またがっている複数の収納空間を区画している棚板の移動の規制を解除することを特徴とする。
【0009】
また、本発明における収納装置によれば、収納装置全体の動作を制御する制御部と、収納空間に収納されている物品を検知し、検知結果を示す検知信号を制御部へ出力する検知部とをさらに有し、制御部は、区画された複数の収納空間のうちいずれかに物品が収納されていることを示す検知信号が検知部から入力されると、物品が収納されている収納空間及び他の収納空間の開口部をまたがって遮蔽する扉の解錠を行わないことを特徴とする。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明における収納装置は、物品を収納可能な収納ボックスを備え、収納ボックスの一部に開口部が形成され、開口部を扉で遮蔽し施錠可能に構成される収納部と、扉を解錠するために操作を行う操作部と、扉を解錠する際に情報の表示を行う表示部とを有し、収納ボックスの扉は、操作部及び表示部が設置される面とは異なる面に設けられるので、収納ボックスの収納空間を大きくとることができ、限られた設置スペースにおいて様々なサイズの荷物を収納することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態における収納システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における収納装置の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態における収納装置の正面側の外観を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における収納装置の正面側の外観を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態における収納部の構成を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における棚板の移動機構の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における収納装置の情報格納部が格納する各データベースを示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態における認証DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態における収納ボックスDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの構成を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの情報格納部が格納するデータベースを示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態における収納装置に物品を入庫するときの収納装置による動作の流れを示すフローチャートである。
【
図13】本発明の第1の実施の形態における収納装置から物品を取り出すときの収納装置による動作の流れを示すフローチャートである。
【
図14】本発明の第1の実施の形態の変形例における収納部の構成を示す図である。
【
図15】本発明の第1の実施の形態の変形例における収納装置の外観を示す図である。
【
図16】本発明の第2の実施の形態の収納装置における制御部と収納部の電気的接続を示す図である。
【
図17】本発明の第2の実施の形態における棚板の移動規制構造を示す図である。
【
図18】本発明の第2の実施の形態における収納部の右側面図である。
【
図19】本発明の第2の実施の形態におけるA-Aの断面図である。
【
図20】本発明の第2の実施の形態におけるA-Aの断面図である。
【
図21】本発明の第2の実施の形態におけるA-Aの断面図である。
【
図22】本発明の第2の実施の形態の変形例におけるA-Aの断面図である。
【
図23】本発明の第3の実施の形態における棚板の外観を示す図であり、収納装置の右側面側から見た図である。
【
図24】本発明の第3の実施の形態におけるA-Aの断面図である。
【
図25】本発明の第3の実施の形態におけるA-Aの断面図である。
【
図26】本発明の第3の実施の形態におけるB-Bの断面図である。
【
図27】本発明の第4の実施の形態における収納装置の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施の形態>
(第1の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態における収納システムにおいて、収納装置10はユーザの個人住宅の玄関先等に設置され、収納ボックスを有し、当該収納ボックス内にユーザ宛の配送物(郵便物を含む)を施錠可能に保管する。
収納装置10は、例えば四角柱型であり、その4つの側面のうちの1つには、表示用のディスプレイや情報入力用のキー等が配置され、その他の2つの側面には、収納ボックスの扉が配置される。
当該2つの側面のどちらの扉を開扉しても、共通の収納ボックス内への物品の入庫又は収納ボックスからの取出しが可能に構成されている。
一般的な宅配ロッカーであれば、収納ボックスの扉は、ディスプレイ及び情報入力キーと同一の面に設置されるのに対し、上記の通り、本実施の形態における収納装置10は、一般的な宅配ロッカーとは異なり、ディスプレイ及び情報入力キーが、収納ボックスの扉とは異なる面に設けられている。
従って、本実施の形態における収納装置10は、上記一般的な宅配ロッカーと比べて扉の面積を大きくとることができ、大型や長尺の物品を容易に収納することが可能となっている。
【0016】
(第1の実施の形態の構成)
図1は、本発明の実施の形態における収納システムの構成を示す図である。以下、図を用いて、収納システムの構成について説明を進める。
収納システムは、例えばユーザの個人宅の玄関先等に設置されユーザ宛の配送物等を施錠したまま保管する収納装置10と、その収納装置10の収納状況を管理する管理サーバ20とを有して構成される。
【0017】
図に示すように、管理サーバ20は、インターネット又はLAN等のネットワーク100を介して、収納装置10と通信可能に接続されている。
【0018】
(2)収納装置10の構成
(a)収納装置10の全体構成
収納装置10は、1以上の収納ボックスを備え、当該収納ボックスにユーザの物品を施錠したまま一時的に収納するものである。
収納装置10は、上述のとおり、例えば個人住宅の玄関先、庭又は駐車場等、個人住宅の敷地内に設置される。
例えば、ユーザ不在の場合であっても、配送業者はユーザ宛の配送物を一時的に収納装置10に収納し、施錠しておき、後ほど、ユーザが収納装置10からその配送物を取出す。
また、上記収納ボックスに収納されるユーザの物品とは、例えば、ユーザ宛の配送物、ユーザが配送依頼する配送物又はユーザがクリーニングを依頼した衣類(未クリーニング、クリーニング済みを含む)等である。
上記ユーザの物品は、ユーザ自らが収納ボックスに入庫する物品がある一方、配送業者、クリーニング業者又はスーパーマーケット等の小売店の事業者等の各事業者がユーザのために入庫する物品もある。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
図3,4は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10正面側の外観を示す図であり、
図3は各扉が閉扉した状態を示し、
図4は開扉した状態を示している。
図に示すように、収納装置10は、CPU等から構成され収納装置10全体を制御する制御部11と、各種情報を格納する情報格納部12と、ネットワーク100を介して管理サーバ20と通信を行う通信部13と、各種情報を表示する表示部14と、各種キー等を備え情報入力が可能であるとともに、収納ボックスの解錠用の認証情報の入力等の各種操作を行うために用いられる操作部15と、ユーザ宛の配送物等の物品を収納する収納ボックスを備える収納部16と、郵送物等の投函口から投函可能な配送物を収納するポスト部17と、上記制御部11、情報格納部12、通信部13、表示部14及び操作部15を構成する回路を物理的に収容する筐体である回路収容部18とを有して構成される。
各部11~17は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部11の制御の下、種々の処理が実行される。
【0020】
図3,4に示す例では、収納装置10は、四角柱形状をなしており、正面101側には、表示部14及び操作部15が設けられている。
また、図に示すように、正面101側の裏側には、当該裏側に沿って薄板状の回路収容部18が設けられている。
【0021】
図3,4に示す例では、収納ボックスの扉162,163,164は、上記表示部14及び操作部15が設けられている正面とは異なる面である、2つの側面102,103に互いに対向するように設けられている。
【0022】
制御部11は、収納装置10全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部11は、情報格納部12から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部12に情報の書込みを実行する。
【0023】
情報格納部12は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部12は、制御部11で実行するプログラムを記憶する領域や制御部11が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有するとともに、後述のデータベースやテーブルを格納する。
制御部11は、その情報格納部12に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0024】
通信部13は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ20との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部13は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0025】
表示部14は、ディスプレイやランプ等の表示装置である。
制御部11は、情報格納部12から画像を読み出し、画像出力処理を実行して画面情報を生成する。また、制御部11は、通信部13が管理サーバ30から受信した画像情報に対して画像出力処理を実行して画面情報を生成する。
制御部11は、上記生成した画像情報を表示部14へ出力する。
表示部14は、上記入力した画像情報をディスプレイ等に画面表示する。
また、制御部11は、制御信号を表示部14へ出力し、表示部14が有するランプを点灯させることもできる。
【0026】
操作部15は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部14と連携してポインティングデバイスを提供する。操作部15は、ユーザ等による各種操作を受け付けて、その操作内容を示す信号を制御部11等に出力する。
制御部11は、上記操作内容を示す信号を入力すると、当該信号の内容に応じて、表示部14へその操作内容に応じた画面表示を行う旨の制御信号を表示部14へ出力する。
表示部14は、その制御信号を入力すると、当該制御信号に応じて画面表示を行う。
なお、上記表示部14と操作部15は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい
【0027】
また、操作部15は、赤外線通信等の近距離無線通信を行って情報記録媒体(後述の認証媒体41,42)から情報を読み取る情報読取装置を備えている。
操作部15により認証媒体41,42から認証情報等を読み取ると、制御部11は、その読み取られた認証情報等に基づいて、収納部16の解錠のための認証を行う。
なお、上記表示部14と操作部15は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
【0028】
ユーザは、上記解錠用の認証情報が記録されている認証媒体41を操作部15(情報読取装置)にかざす等して所定距離内まで接近させると、操作部15は、上記認証媒体41から上記解錠用の認証情報を読み取る。
【0029】
収納部16は、物品を収納する箱型の1以上の施解錠可能な収納ボックスを有して構成される。
収納ボックスは、少なくとも四角柱形状の収納装置10の側面における異なる面に複数の扉が設けられており、扉が開扉することにより、当該扉の部分が開口し、配送業者等の事業者は当該開口部から物品を入庫したり、ユーザは当該開口部から物品を取り出したり又は入庫したりすることが可能に構成されている。
【0030】
収納部16は、収納ボックスの各扉を個別に施解錠する施解錠部165を有する。
施解錠部165は、制御部11と電気的に接続されており、例えば、制御部11から送出される制御信号により施解錠を行う電気錠で、収納ボックスの扉の施錠・解錠状態を検知することができる。
収納ボックスの扉には、開く方向に付勢力が作用しており、施解錠部165により解錠されると、扉は自動で開くようになっている。
また、ユーザが物品を収納ボックス内に入庫して施錠しようとする場合には、ユーザが扉を上記付勢力に抗して閉じることで、施錠が自動で行われる。
【0031】
また、上記施解錠部165は、施錠用のレバーを備えていて、ユーザが収納ボックスの扉を閉扉するときに施錠用のレバーを操作することで、上記施解錠部165が有する部材を物理的に移動させて扉162を施錠するよう構成されていてもよい。
施解錠部165は、上記のような電気錠又は施錠用のレバー機構に限らず、従来から存在するあらゆる一般的な施解錠装置を適用することが可能である。
【0032】
収納ボックスは、物品が収納されていないとき、施錠はされているものの、認証なしで所定のキー操作等で解錠及び開扉が可能である。
一方、収納ボックスに物品が収納され、施錠されているときには、ユーザは、認証媒体41を操作部15に接近させる等して認証情報を入力する。
制御部11は、上記入力された認証情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、収納ボックスの扉が解錠され、物品の取出しを行うことができる。
【0033】
図5は、本発明の第1の実施の形態における収納部16の構成を示す図である。
図に示す例では、可動式の棚板161が、実線で示す位置(以下、「水平位置」という)にあり、棚を形成したときには、収納部16の収納ボックスの空間は2つの収納空間A,Bに区画される。
また、棚板161がヒンジ部1601周りに回動して扉162と平行である点線で示す位置(以下、「垂直位置」という)まで移動すると、収納空間A,Bの区画は解消され、収納空間A,Bを合わせた収納空間Cが形成される。
【0034】
図に示す例では、上述のとおり、収納ボックスの扉162,163,164は、上記表示部14及び操作部15が設けられている側面とは異なる側面に設けられている。
図3,4の向かって左側面側には2つの扉162,163が設けられ、これらと対向するように、向かって右側面側には扉164が設けられている。
扉162,163は、側面102側において、閉扉時には、収納空間A,Bをそれぞれ遮蔽するように設けられている。
一方、扉164は、閉扉時には、収納空間Cを、すなわち、収納空間A,Bにまたがって全体を遮蔽するよう設けられている。
【0035】
棚板161は、上述のとおり可動式であり、水平位置まで移動し棚を形成したときには、収納ボックスの庫内の空間を2つの収納空間A,Bに区画し、各収納空間A,Bにそれぞれ物品を個別に収納することができる。
一方、棚板161を移動させて区画を解消し、収納ボックスの収納空間を1つ(収納空間C)にすると、大型又は長尺の物品を収納できるようになる。
【0036】
図6は、本発明の第1の実施の形態における棚板161の移動機構の一例を示す図であり、
図3の収納装置10の正面側からのX-X断面図である。
本図では、ポスト部17の描画は省略されている。
本図において、(a)は、棚板161が区画し、収納空間A,Bを形成している状態を示し、(b)は、棚板161が上方に回動して区画を解消し収納空間Cが形成されている状態を示している。
図に示す例では、棚板161は、ヒンジ部1601を介して正面101側及び背面104側に回動可能に取り付けられている。
棚板161をヒンジ部1601を軸にして上方(
図6では向かって反時計回りに45°)に回動させ、棚板161を扉162に重ね合わせるように起立させると、区画されていた収納空間A,Bが解放され、収納空間A,Bの体積を合わせた1つの収納空間Cが形成される。
また、図示されていないが、棚板161は、水平より下方に回動することを規制し、上方にのみ回動する構成を備えており、例えば、正面101側及び背面104側に固定され、棚板161の一部を支持する部材を備えている。
【0037】
収納部16においては、棚板161を係止して、棚板161の移動を規制する移動規制部1602が設けられている。
図6の例では、扉164の裏側(庫内側)に移動規制部1602が突設されている。
図に示すように、扉164が閉扉しているときには、上記移動規制部1602が棚板161の上面側に突出する位置にあり、移動規制部1602が棚板161の上方への回動を規制している。
たとえ扉162,163が開扉しており、棚板161に触れることのできる状態であっても、扉164が閉扉しているときには、上記のとおり移動規制部1602が棚板161の上面に当接し、その回動を規制するので、収納空間Cが形成されることなく、収納空間A,Bは維持される。
【0038】
なお、上記棚板161及びヒンジ部1601を用いた収納ボックスの収納空間の変更方法はあくまでも一例であり、上記方法に限定されない。例えば、棚板161を移動させるのではなく、取り外すことで収納空間の区画を解消するよう構成してもよい。
また、移動規制部1602による収納ボックスの収納空間の変更を規制する方法もあくまでも一例であり、上記方法に限定されない。
【0039】
収納部16は、収納ボックスの収納空間A,Bそれぞれに収納されている物品を検知する検知部1605,1606と、棚板161が垂直位置まで回動していることを検知する検知部1607とを有する。
検知部1605~1607は、例えば、赤外線等の光学センサや重量センサ等により構成される。
検知部1605~1607は、制御部11と電気的に接続され、検知結果を示す信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記検知結果を示す信号が入力されると、当該入力信号に基づいて、物品が各収納空間A,Bに収納されていること、又は棚板161が上方に回動していることを確認(検出)することができる。
【0040】
ポスト部17は、ハガキなどの郵送物や、小型又は薄型の配送物等を収納する収納空間を有して構成される。
ポスト部17には、投函口171が設けられている。
郵便事業者や配送事業者は、上記投函口171から郵送物等を投函する。
投函された郵送物等はポスト部17の収納空間に収納される。
【0041】
ポスト部17には、上記投函された郵送物等を取り出す開口部(図示せず)が設けられており、当該開口部は施錠可能な扉172により遮蔽されている。
また、ポスト部17は、収納部16と同様に施解錠部175を有している。
扉172及びその施解錠部175の構成については、収納部16と同様であるので、その説明を省略する。
【0042】
回路収容部18は、制御部11、情報格納部12、通信部13、表示部14及び操作部15を構成する回路を物理的に収容する筐体である。
図3に示すように、回路収容部18は、収納装置10の正面側にまとめられて配置され、回路収容部18が占めるスペースを除いた空間は、収納部16の収納ボックス及びポスト部17に割り当てられているので、収納部16及びポスト部17の収納空間を効率よく確保することを可能にしている。
【0043】
(b)収納装置10の情報格納部12の構成
図7は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の情報格納部12が格納する各データベース121,122を示す図である。
図に示すように、収納装置10の情報格納部12は、収納部16を解錠する際に必要なパスワード等の認証情報等を管理する認証DB(Data Base)121と、収納ボックスにおける物品の収納状況及び棚板161の移動状態を管理する収納ボックスDB(Data Base)122とを格納する。
【0044】
図8は、本発明の第1の実施の形態における認証DB121のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、認証DB121は、収納ボックス解錠用の認証情報をそれぞれ各利用者(ユーザや配送業者の事業者)を識別するID(利用者ID)に対応付けて管理している。
【0045】
利用者は、利用者ID及び認証情報、あるいは認証情報のみを操作部15を用いて入力すると、操作部15はその入力された情報を示す信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、その操作部15からの入力信号が示す情報と、上記認証DB121で管理されている認証情報等とを照合し、認証処理を行う。
制御部11は、認証成功と判断すると、扉162,163,164のいずれか又は複数を解錠する。
【0046】
また、図に示すように、認証DB121は、各利用者(ユーザ又は事業者)が収納ボックスを解錠可能な条件を、各利用者IDにそれぞれ対応付けて管理している。
図の例では、「未使用の収納空間の解錠」については、全ての利用者に対して許可されている。
一方、「使用中の収納空間の解錠」については、その収納空間に物品が入庫された際の使用目的によって、許可される利用者が異なる。
【0047】
ここで、「使用中の収納空間の解錠」について説明する。
ユーザ又は事業者は、収納装置10に物品を入庫するときにその使用目的を操作部15を用いて入力する。
例えば、事業者が、ユーザ宛の配送物を配送し、収納装置10に入庫するときは、その使用目的を示す情報として「配送物の入庫」を入力する。
また、ユーザが、他者に送りたい配送物を収納装置10に入庫して配送を依頼するときには、その使用目的を示す情報として「配送の依頼」を入力する。
また、ユーザが、未クリーニング品を収納装置10に入庫してクリーニングを依頼するときには、その使用目的を示す情報として「クリーニングの依頼」を入力する。
【0048】
認証DB121は、上記使用目的に応じて、取出しが可能な利用者の情報を管理する。
図の例では、「○」は当該使用目的の際に解錠が許可されており、「×」は禁止されていることを示す。
図の例では、認証DB121において、利用者ID「0001」は、使用目的「配送物の入庫」、「配送の依頼」及び「クリーニングの依頼」の全てが「○」となっており、利用者ID「0001」のユーザが、「配送物の入庫」、「配送の依頼」及び「クリーニングの依頼」が使用目的の場合、収納空間の扉を解錠して物品を取り出すことができることが示されている。
一方、認証DB121において、利用者ID「0002」は使用目的のうち「配送の依頼」のみが「○」となっており、利用者ID「0002」の配送業者は、「配送の依頼」が使用目的のときのみ収納空間の扉を解錠でき、その他の使用目的の場合には解錠できないことが示されている。
このように、収納部16の使用目的に応じて解錠可能な者を制限することにより、物品の盗難等を容易に防ぐことが可能となる。
【0049】
認証DB121は、以上説明した収納部16の扉162~164の解錠に加え、収納部16ポスト部17の扉172の解錠の認証にも用いられる。
ポスト部17の扉172の解錠は、原則、ユーザに対してのみ許可する。
ユーザは、認証媒体41を操作部15に接近させる等すると、認証媒体41に書き込まれている認証情報等が操作部15に入力される。
入力された認証情報等を示す信号は、操作部15から制御部11へ入力される。
制御部11は、上記入力信号に示される認証情報等と、認証DB121において管理されている認証情報等とを照合し、認証を行う。
制御部11は、上記認証の結果、認証成功と判断すると、ポスト部17へ解錠信号を出力する。
ポスト部17は、上記解錠信号が入力されると、施解錠部により扉172を解錠する。
【0050】
図9は、本発明の第1の実施の形態における収納ボックスDB122のデータ構成の一例を示す図である。
収納ボックスDB122は、各検知部1605~1607による検知結果に基づく現在の収納ボックスの収納状況を管理している。
【0051】
各検知部1605,1606,1607が物品有り又は棚板161が棚を形成している状態をそれぞれ「○」とし、物品無し又は棚板161が上方に回動して1つの収納空間Cが形成されている状態をそれぞれ「×」とすると、検知部1605,1606,1607の検知結果が、「○」,「○」,「○」の場合は、収納空間A,B両方に物品が収納中であることを表し、「○」,「×」,「○」の場合は、「×」,「○」,「○」の場合は、それぞれ、収納空間Aのみ、収納空間Bのみに物品が収納中であることを表す。
また、検知部1605,1606,1607の検知結果が、「○」,「○」,「×」の場合は、区画されていない1つの収納空間Cに大型又は長尺の物品が収納中であることを表す。
【0052】
また、収納空間A,Bの少なくとも一方に物品が収納されて、収納ボックスDB122において「収納中」となっている場合は、棚板161の移動が規制されて収納空間Cが形成され得ないので、収納ボックスDB122における収納空間Cの項目は「使用不可」となる。
【0053】
さらに、収納ボックスDB122は、使用中の収納空間については、物品入庫の際に入力された「使用目的」についても管理している。
図の例では、「収納中」の収納空間Aの使用目的は、「配送物の入庫」と管理されている。当該収納空間Aについては、認証DB121において使用目的「配送物の入庫」における解錠が許可されている利用者のみ解錠することができる。
なお、本例では、収納ボックスDB122は、上記の通り使用目的を格納しているが、これに代えて又は加えて、解錠可能な利用者のIDを格納するよう構成してもよい。
【0054】
(3)管理サーバ20の構成
管理サーバ20は、収納装置10を解錠する認証情報を管理する情報処理装置である。
管理サーバ20は、ネットワーク100を介して収納装置10と接続される。
【0055】
図10は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の構成を示す図である。
図に示すように、管理サーバ20は、CPU等から構成され管理サーバ20全体を制御する制御部21と、各種情報を格納する情報格納部22と、ネットワーク100を介して収納装置10と通信を行う通信部23とを有して構成される。
各部21~23は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部31の制御の下、種々の処理が実行される。
【0056】
制御部21は、管理サーバ20全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部21は、情報格納部22から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部22に情報の書込みを実行する。
【0057】
情報格納部22は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部22は、制御部21で実行するプログラムを記憶する領域や制御部21が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有するとともに、後述のデータベースを格納する。
制御部21は、その情報格納部22に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0058】
通信部23は、ネットワーク100を介して行う収納装置10との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部23は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0059】
図11は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の情報格納部22が格納するデータベース221を示す図である。
図に示すように、情報格納部22は、収納部16を解錠する際に必要なパスワード等の認証情報等を管理する認証DB221を格納する。
認証DB121,221で管理される各情報は、例えば、定期的に又は一方が更新されるごとに、収納装置10と管理サーバ20との間で通信が行われ、最新の内容に同期がとられる。すなわち、認証DB121,221同士で情報の同期がとられ、最新の情報に更新される。
【0060】
(4)認証媒体41,42の構成
認証媒体41,42は、例えば、磁気、光磁気又は電気的にメモリ等に認証情報が記録されたICカード等の媒体や電子機器(携帯端末等)等であってもよいし、文字情報やコード情報が表面に印刷又は形成された媒体であってもよい。
認証媒体41,42は、例えば、赤外線等の近距離無線通信等を用いて、自身に記録されている認証情報等を収納装置10に入力する。
なお、認証媒体41,42の情報の記録方式、及び収納装置10が認証媒体41,42の情報を読み取る方式については特に限定されず、周知のあらゆる先行技術を適用可能である。
【0061】
認証媒体41は、ユーザが所有する情報記録媒体であり、収納装置10の収納ボックスを解錠するための認証情報と、当該ユーザの利用者IDとが記録されている。
認証媒体41は、収納装置10使用のための専用のICカードであってもよいし、例えば他の用途に使用可能な交通系等の汎用のICカードや携帯端末であってもよい。
【0062】
例えば、ユーザは、認証媒体41を収納装置10の操作部15にかざす等して接近させ、近距離無線通信等を用いて、認証媒体41に記録されている認証情報を収納装置10の操作部15に読み取らせ、認証情報を収納装置10に入力する。
収納装置10は、上記入力された認証情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、収納ボックスの扉を解錠し、ユーザは、当該解錠された収納ボックスから物品を取り出したり、物品を入庫したりできるようになる。
例えば、ユーザは、事業者により収納ボックスに入庫された自分宛の配送物やクリーニング済みの衣類等を取り出したり、他人への配送を希望する物品や未クリーニングの衣類を入庫したりする。
【0063】
認証媒体42は、事業者が所有する情報記録媒体である。
当該事業者は、ユーザ宛の配送物を収納装置10に配送する配送事業者(郵便の事業者も含む)、クリーニング事業者又はユーザが購入した商品を配送するネットスーパー等の小売店の事業者等である。
【0064】
認証媒体42は、収納装置10使用のための専用のICカードであってもよいし、例えば他の用途に使用可能な交通系等の汎用のICカードや携帯端末であってもよい。
認証媒体42には、事業者用の認証情報と、当該事業者の利用者IDとが記録されている。
【0065】
例えば、事業者は、認証媒体42を収納装置10の操作部15にかざす等して接近させ、近距離無線通信等を用いて、認証媒体42に記録されている認証情報を収納装置10の操作部15に読み取らせ、認証情報を収納装置10に入力する。
収納装置10は、上記入力された認証情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、収納装置10の収納ボックスの扉を解錠する。
【0066】
(第1の実施の形態の動作)
(1)物品を入庫するときの動作
図12は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10に物品を入庫するときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、一例として、事業者がユーザ宛の配送物を収納装置10に入庫するときの動作について説明する。
【0067】
まず、事業者は、ユーザ宛の配送物を持って、個人住宅の玄関先等の収納装置10の設置場所を訪れる。
事業者は、収納装置10の使用目的として、収納装置10の操作部15を用いて「配送物の入庫」を選択する(ステップS101)。
操作部15は、上記「配送物の入庫」が選択された旨の信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記信号が入力されると、認証を開始させるために無線信号の発信をさせる等の制御信号を操作部15へ出力する。
操作部15は、上記制御信号が入力されると、当該制御信号に基づいて無線信号を収納装置10外部へ向けて発信する。
【0068】
そして、事業者は、認証のために認証媒体42を操作部15にかざす等して接近させる。
すると、収納装置10の操作部15は、その認証媒体42に書き込まれた利用者ID及び認証情報を読み取る(ステップS102)。
すなわち、認証媒体42は、上記操作部15から発信された無線信号を受信すると、自身に書き込まれている利用者ID及び認証情報を含む無線信号を外部へ発信する。操作部15は、当該認証媒体42から発信された無線信号を受信することにより、上記認証媒体42に書き込まれた利用者ID及び認証情報を読み取る。
当該読み取られた利用者ID及び認証情報を示す信号が、制御部11に入力される。
【0069】
制御部11は、上記利用者ID及び認証情報を示す信号が入力されると、認証DB121を参照し、認証DB121において当該利用者ID及び認証情報が互いに対応付けられて格納されているか否かを判断する(ステップS103)。
ここで、制御部11は、認証DB121において互いに対応付けられて格納されていない場合(ステップS103/No)、認証失敗と判断し、収納ボックスの解錠を行わずに動作を終了する。
【0070】
一方、制御部11は、認証DB121において互いに対応付けられて格納されている場合には(ステップS103/Yes)、認証成功と判断し、収納ボックスDB122を参照し、収納空間A,B,Cの収納状況を検出し、その検出結果を示す信号を表示部14へ出力し、各収納空間の収納状況を表示させる(ステップS104)。
【0071】
次に、事業者は、表示部14に表示された各収納空間の収納状況を確認し、操作部15を用いて、現在収納されていない収納空間のうち、今回持ち運んでいる配送物が収納可能な収納空間を選択する(ステップS105)。
【0072】
操作部15は、選択された収納空間を示す信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、当該信号が入力されると、上記選択された収納空間に対応する扉の解錠信号を収納部16へ出力し、解錠及び開扉させる(ステップS106)。
このとき、当該収納ボックスの扉は解錠とともに自動的に開扉されてもよい。
【0073】
ここで、事業者は収納空間A,Bのいずれかを選択した場合、当該選択した収納空間を遮蔽する扉(扉162又は扉163)が解錠及び開扉され、事業者は、当該開扉した収納空間に物品を入庫する。
一方、事業者は収納空間Cを選択した場合、当該選択した収納空間Cを遮蔽する扉164が解錠及び開扉される。事業者は、そこで、棚板161を垂直位置まで上方に回動させると、収納空間A,Bの区画が解消し、収納空間Cが形成される。事業者は、当該形成された収納空間Cに物品を入庫する。
【0074】
事業者は、配送物を入庫後、当該収納ボックスの扉を閉扉する。
収納部16は、上記収納ボックスが閉扉されると、当該収納ボックスを施錠する(ステップS107)。
【0075】
検知部1607は、棚板161が垂直位置まで回動して、収納空間Cが形成されていることを検知し、その検知結果を示す検知信号を生成し、制御部11へ出力する。
検知部1605は収納空間Aに収納されている物品を検知し、検知部1606は収納空間Bに収納されている物品を検知する。
また、検知部1605,1606は、収納空間Cに収納されている物品を検知する。
収納空間Cの底部に設置されている検知部1606は、収納空間Cに物品が収納されたことを検知し、その検知結果を示す検知信号を生成し、制御部11へ出力する。
収納空間Cの側面上部に設置されている検知部1605は、収納された物品の高さが検知部1605の水平位置近傍まで達する程度のものの場合には、収納空間Cに物品が収納されたことを検知し、その検知結果を示す検知信号を生成し、制御部11へ出力する。
【0076】
次に、制御部11は、検知部1605~1607から入力された検知信号の検知結果に基づいて、収納ボックスDB122における収納空間の収納状況を更新するとともに、ステップS101において「配送物の入庫」が選択されたことに基づいて、収納ボックスDB122において、使用目的として「配送物の入庫」を、今回物品を収納した収納空間の項目に書き込む(ステップS108)。
このように収納ボックスDB122に使用目的が書き込まれることにより、今回収納空間に入庫された物品は、認証DB121において当該「使用目的」が許可された利用者のみ(今回はユーザ)が取り出すことができるようになっている。
以上で、動作が終了する。
【0077】
以上説明したように、事業者は、収納装置10に配送物等の物品を入庫するとき、複数サイズの収納空間からその配送物のサイズに合った収納空間を選択することができ、収納空間の有効活用を行うことが可能となる。
【0078】
なお、事業者がユーザ宛の配送物を収納装置10に入庫する例について説明したが、ユーザが他者への配送物や未クリーニングの衣類等の物品を収納装置10に入庫する場合にも適用することができる。
この場合、ユーザは、ステップS101において、操作部15を用いて、収納装置10の使用目的として、「配送の依頼」又は「クリーニングの依頼」等を選択する。
そして、制御部11は、「配送の依頼」が使用目的として選択された場合には、ステップS108において、当該使用目的「配送の依頼」を、収納ボックスDB122における今回物品を収納した収納空間の項目に書き込む。
また、制御部11は、「クリーニングの依頼」が使用目的として選択された場合には、当該使用目的「クリーニングの依頼」を収納ボックスDB122における今回物品を収納した収納空間の項目に書き込む。
このように、ユーザが収納装置10に物品を入庫する場合には、選択する使用目的が収納ボックスDB122に書き込まれ、当該使用目的により物品が入庫された収納空間の解錠が許可されている利用者以外は取り出すことができないようになっている。
【0079】
(2)物品を取り出すときの動作
事業者が収納装置10の収納ボックスに物品を入庫した後、ユーザは、上記収納ボックスから当該物品を取り出す。
図13は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10から物品を取り出すときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、一例として、ユーザが、事業者により入庫されたユーザ宛の配送物を収納装置10から取り出すときの動作について説明する。
【0080】
まず、ユーザは、収納装置10の設置場所を訪れる。
ユーザは、収納装置10の使用目的として、収納装置10の操作部15を用いて「配送物の取出し」を選択する(ステップS201)。
操作部15は、上記「配送物の取出し」が選択された旨の信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記信号が入力されると、認証を開始させるために無線信号の発信をさせる等の制御信号を操作部15へ出力する。
操作部15は、上記制御信号が入力されると、当該制御信号に基づいて無線信号を収納装置10外部へ向けて発信する。
【0081】
そして、ユーザは、認証のために認証媒体41を操作部15にかざす等して接近させる。
すると、収納装置10の操作部15は、その認証媒体41に書き込まれた利用者ID及び認証情報を読み取る(ステップS202)。
すなわち、認証媒体41は、上記操作部15から発信された無線信号を受信すると、自身に書き込まれている利用者ID及び認証情報を含む無線信号を外部へ発信する。操作部15は、当該認証媒体41から発信された無線信号を受信することにより、上記認証媒体41に書き込まれた利用者ID及び認証情報を読み取る。
当該読み取られた利用者ID及び認証情報を示す信号が、制御部11に入力される。
【0082】
制御部11は、上記利用者ID及び認証情報を示す信号が入力されると、認証DB121を参照し、認証DB121において当該利用者ID及び認証情報が互いに対応付けられて格納されているか否かを判断する(ステップS203)。
ここで、制御部11は、認証DB121において互いに対応付けられて格納されていない場合(ステップS203/No)、認証失敗と判断し、収納ボックスの解錠を行わずに動作を終了する。
【0083】
一方、制御部11は、認証DB121において互いに対応付けられて格納されている場合には(ステップS203/Yes)、認証成功と判断し、収納ボックスDB122を参照し、物品が入庫されている収納空間の項目のうち、認証DB121においてユーザに解錠が許可されていれる使用目的が対応付けられている項目があるか否かを判断する(ステップS204)。
ここで、制御部11は、収納ボックスDB122において、ユーザが解錠を許可されている使用目的が対応付けられている収納空間の項目がない場合(ステップS204/No)、ユーザ宛の配送物が収納装置10に収納されていないと判断し、収納ボックスの解錠を行わずに動作を終了する。
【0084】
一方、制御部11は、収納ボックスDB122において、ユーザが解錠を許可されている使用目的が対応付けられている収納空間の項目がある場合(ステップS204/Yes)、当該項目に示される収納空間を遮蔽する扉の解錠信号を収納部16へ出力し、解錠及び開扉させる(ステップS205)。
このとき、当該収納ボックスの扉は解錠とともに自動的に開扉されてもよい。
ここで、上記項目に示される収納空間がそれぞれ収納空間A,B,Cである場合には、施解錠部165は、それぞれ扉162,163,164を解錠し開扉する。
すなわち、検知部1605,1606,1607が、収納空間Aにユーザ宛の配送物が収納されていると検知した場合には、施解錠部165は、制御部11からの解錠信号に基づいて扉162のみを解錠し、収納空間Bにユーザ宛の配送物が収納されていると検知した場合には、施解錠部165は、制御部11からの解錠信号に基づいて扉163のみを解錠し、収納空間Cにユーザ宛の配送物が収納されていると検知した場合には、施解錠部165は、制御部11からの解錠信号に基づいて扉164のみを解錠する。
【0085】
収納空間A,Bの扉162,163が開扉されたときには、ユーザは収納空間A,Bから自身宛の配送物を取り出した後、閉扉する(ステップS206/Yes)。
一方、収納空間Cの扉164が開扉された時には、ユーザは収納空間Cから自身宛の配送物を取り出した後、棚板161を下方手前側(扉164側)に水平位置まで回動させ、棚を形成させてから閉扉する(ステップS206/No)。
ここで、ユーザが棚板161を下方手前側に回動させずに扉164を閉扉した場合(ステップS207/No)、検知部1607は、棚板161が垂直位置にあるままであることを検知し、当該検知結果を示す検知信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記検知信号が入力されると、「棚板161を下方手前に回動させて棚を形成すること」を促すメッセージ等を表示部14に表示させたり、図示しないスピーカ等から音声出力をさせたりする(ステップS208)。
また、このとき、制御部11は、解錠信号を収納部16へ出力し、自動解錠させるようにしてもよい。
ユーザは、上記メッセージ等を確認して、収納部16を解錠し、棚板161を下方手前側(扉164側)に回動させ、棚を形成させてから閉扉する。
【0086】
収納部16は、上記収納ボックスが閉扉されると、当該収納ボックスを施錠する(ステップS208)。
【0087】
例えば、収納空間Cから配送物が取り出された場合には、検知部1607は、棚板161が下方手前側に水平位置まで回動して収納空間A,Bが形成されているので、棚板161が垂直位置にあることを示す検知信号を生成せず、制御部11へも出力しない。
検知部1605,1606は、当該形成された収納空間A,Bには物品が収納されていないので、検知しない。
【0088】
次に、制御部11は、検知部1605~1607からの検知信号に基づいて、又は検知信号が入力されないことに基づいて、収納ボックスDB122における収納空間の収納状況を更新するとともに、上記物品が取り出された収納空間の項目から使用目的を削除する(ステップS209)。
例えば、収納空間Cから配送物が取り出された場合には、扉162,163,164閉扉後に、検知部1605~1607から検知信号が入力されないことに基づいて、収納ボックスDB122における収納空間の収納状況を「未収納」に更新するとともに、上記物品が取り出された収納空間の項目から使用目的を削除する。
【0089】
このように収納ボックスDB122から使用目的が削除されることにより、今回物品が取り出された収納空間は、この後入庫可能になる。
以上で、動作が終了する。
【0090】
なお、ユーザが自身宛の配送物を収納装置10から取り出す例について説明したが、事業者がユーザにより入庫された物品を収納装置10から取り出す場合にも適用することができる。
例えば、収納装置10に入庫されている物品について、その使用目的として「配送の依頼」が、収納ボックスDB122の項目に書き込まれている場合には、配送事業者は、収納ボックスの扉の解錠のための認証の際に、上記配送業者の認証情報等を入力することにより、当該扉の解錠を行うことができる。
また、収納装置10に入庫されている物品について、その使用目的として「クリーニングの依頼」が、収納ボックスDB122の項目に書き込まれている場合には、クリーニング事業者は、収納ボックスの扉の解錠のための認証の際に、上記クリーニング事業者の認証情報等を入力することにより、当該扉の解錠を行うことができる。
【0091】
(第1の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態における収納システムによれば、収納装置10は、表示部14及び操作部15を、収納ボックスの扉162~164が配置されている面とは異なる面に配置するよう構成しているので、収納ボックスの扉及び開口部の面積を大きくとることができ、十分な収納空間を確保して大型又は長尺の物品を収納することが可能となる。
【0092】
本発明の第1の実施の形態における収納システムによれば、収納装置10は、収納ボックスを複数の収納空間(例えば収納空間A,B)を区画する可動式の棚板(棚板161)を有して構成され、大型又は長尺の物品を収納ボックスに収納する際には、上記棚板161を移動させて当該区画を解消して、上記複数の収納空間(収納空間A,B)を合わせた収納空間(収納空間C)を形成するので、様々なサイズの物品を効率よく収納することが可能となる。
【0093】
本発明の第1の実施の形態における収納システムによれば、上記複数の収納空間(収納空間A,B)を遮蔽する扉(扉162,163)と、上記区画が解消された収納空間(収納空間C)を遮蔽する扉(扉164)とを個別に設けて構成しているので、既に物品が収納されている収納空間は遮蔽されたまま、未収納の収納空間を効率よく利用することが可能となる。
【0094】
本発明の第1の実施の形態における収納システムによれば、収納装置10は、上記棚板(棚板161)は、上記区画が解消された収納空間(収納空間C)全体を遮蔽する扉(扉164)を開扉したときのみ移動させることが可能に構成されているので、区画された収納空間(収納空間A,B)に物品が収納されているときに棚板161が移動することを規制することができ、例えば、棚板上に置かれた物品が落下する等のトラブルを防ぐことが可能となる。
【0095】
本発明の第1の実施の形態における収納システムによれば、収納装置10は、従来の宅配ロッカーと異なり、住宅の壁等に固定することなく、自立して地面又は床の上に設置するものであるので、当該従来の壁に固定する宅配ロッカーと比べて、壁に固定する面を自由に使用することができ、収納装置10の設計自由度が向上する。
本実施の形態のように、その自由に使用することができるようになった面に収納ボックスの扉を設けることもできる。その結果、本実施の形態のように、収納スペースの有効活用も可能となる。
また、上述のように、本実施の形態における収納装置10は、壁に固定しない自立型の収納装置であるので、従来の壁に固定される宅配ロッカーと異なり、住居等の建築物の建築後に追加して設置することができる。
【0096】
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
【0097】
図14は、本発明の第1の実施の形態の変形例における収納部16の構成を示す図である。
図5に示す例では、可動式の棚板161をヒンジ部1601を軸にして上方に回動させ、棚板161を扉162に重ね合わせるように起立させることにより、区画されていた収納空間A,Bが解放され、収納空間Cが形成されるものであった。
これに対し、
図14に示す例では、可動式の棚板161をヒンジ部1601を軸にして上方に回動させ、棚板161を扉164に重ね合わせるように起立させることにより、区画されていた収納空間A,Bが解放され、収納空間Cが形成される。
また、
図5,14の例に限らず、棚板161はあらゆる方向、位置に移動させることにより、収納空間Cを形成することができる。
【0098】
図15は、本発明の第1の実施の形態の他の変形例における収納装置10の外観を示す図である。
以上説明した第1の実施の形態では、ポスト部17の投函口171及び扉172は、扉164と同じ側に設けられていたが、他の側、例えば、
図15に示すように、表示部14及び操作部15が設けられている正面側に設けられてもよい。
【0099】
以上説明した本発明の第1の実施の形態では、ヒンジ部1601周りに棚板161が回動可能に構成され、扉164側から見て棚板161を上方奥に回動させて棚板161を扉162と重なるような位置に移動させることで、収納空間A,B間の区画を解消し、収納空間Cを形成するものであった。
収納空間A,Bの区画を解消する際の棚板161の移動を実現するための構成は、上記構成に限定されず、他のあらゆる構成により実現することが可能である。
例えば、垂直方向に立設されたレールに棚板161を上下垂直方向に移動可能に取り付け、棚板161を地面との平行を保ったままレールに沿って上方又は下方にスライドさせることにより、収納空間A,Bの区画を解消するように構成してもよい。
【0100】
<第2の実施の形態>
(第2の実施の形態の概要)
上述の第1の実施の形態における収納装置10では、扉164の裏側(庫内側)に移動規制部1602が突設されており、扉164が閉扉しているときには、上記移動規制部1602が棚板161の上面側に突出する位置にあり、移動規制部1602が棚板161の上方への回動を規制するものであった。
これに対し、本発明の第2の実施の形態における収納装置10では、移動規制部はフック形状に形成されており、そのフック先端部を棚板161の底面側に設けられた溝部内の係合部に係合して棚板161の移動を規制する。
以下、特記しない限り、本発明の第2の実施の形態における構成及び動作は、第1の実施の形態又はその変形例と同様であるとして説明を進める。
【0101】
(第2の実施の形態の構成)
図16は、本発明の第2の実施の形態の収納装置10における制御部11と収納部16の電気的接続を示す図である。
図に示すように、収納部16は、各扉162~164の施解錠を行う上述の施解錠部165と、電気モータ等の駆動源を備え、後述の移動規制部1661を移動させて棚板161の施解錠を行う施解錠部1663と、棚板161が水平位置にあることを検知する棚板検知部1665とを有する。
【0102】
これら施解錠部165,1663は、制御部11と電気的に接続されており、制御部11から出力される制御信号により動作する。
また、棚板検知部1665は、棚板161が水平位置まで移動したことを示す検知信号を制御部11へ出力する。
【0103】
施解錠部165は、第1の実施の形態と同様に、制御部11から出力された制御信号(解錠信号)が入力すると、当該制御信号に基づいて該当する扉の解錠を行う。
【0104】
施解錠部1663は、制御部11から出力された制御信号が入力すると、上記電気モータ等の動力源を駆動させて、自身に接続された後述の回動軸1662を介して当該回動軸1662周りに移動規制部1661を回動させる。
【0105】
棚板検知部1665は、棚板161が水平位置まで移動したことを検知すると、その水平位置まで移動したことを示す検知信号を生成し、その後、検知しなくなるまで検知信号を制御部11への出力を継続する。
制御部11は、その検知信号が入力されると、棚板161が水平位置にあることを認識し、この状態で、上述のように、収納空間A,Bの少なくとも一方に配送物が収納されていることを認識すると、施解錠部1663へ制御信号を出力して、後述の移動規制部1661を移動させて棚板161をロックし、棚板161を水平位置にある状態のまま移動を規制する。
また、棚板161が水平位置にない状態の場合には、棚板検知部1665は、棚板161が水平状態にあることを検知しないので、上記検知信号を制御部11へ出力しない。その場合、制御部11は、上記棚板161の移動をロックするための制御信号を施解錠部1663へ出力しない。
【0106】
図17は、本発明の第2の実施の形態における棚板161の移動規制構造を示す図であり、棚板161は水平位置にある。
図18は、本発明の第2の実施の形態における収納部16の右側面図であって、扉164方向から見た図であり、棚板161は垂直位置にある。
図19は、
図17に示すA-Aの断面図であり、棚板161が水平位置にある状態を示している。
図20は、
図17に示すA-Aの断面図であり、棚板161が水平位置にない状態を示している。
図19,20ともに、図に向かって右側が扉164側である。
なお、
図17~20においては、説明の便宜上、構成を一部省略している。
【0107】
図17~20に示すように、収納部16は、所定方向に回動して棚板161に係合して、棚板161の移動を規制する移動規制部1661と、上記移動規制部1661及び施解錠部1663と接続され、当該施解錠部1663の駆動源による回転運動を当該移動規制部1661に伝達する回動軸1662と、電気モータ等の駆動源を備え、上記移動規制部1661を移動させる施解錠部1663と、棚板161が水平位置まで移動すると接触し、共に移動する部材である棚板接触部1664と、上記移動した棚板接触部1664が接触することにより棚板161が水平位置にあることを検知する棚板検知部1665とを有して構成される。
【0108】
図17~20に示すように、棚板161は底面側に上記移動規制部1661が遊嵌する溝部1611が設けられている。
溝部1611内には、上記遊嵌した移動規制部1661の先端が係合する係合部1612が設けられ、その係合部1612には、係合部1612に係合した移動規制部1661の先端を係止する係止部1613が設けられている。
【0109】
移動規制部1661はフック形状の部材であり、回動軸1662周りに回動可能に回動軸1662に取り付けられている。
図の例では、移動規制部1661、回動軸1662及び施解錠部1663は、収納部16の収納空間の正面側及び背面側の内壁の棚板161の先端寄りに1つずつ設けられている。
また、図の例では、移動規制部1661、回動軸1662及び施解錠部1663は、棚板161が水平位置にあるときに、略同じ高さに設置され、移動規制部1661が、水平位置にある棚板161の底面側から溝部1611に進入可能となっている。
【0110】
図19に示すように、移動規制部1661は、点線で示す解除位置にあるときには、棚板161による水平位置から垂直位置への移動を規制しない。
また、移動規制部1661は、実線で示す係止位置にあるときには、棚板161による水平位置から垂直位置への移動を規制する。
移動規制部1661は、施解錠部1663の駆動源により、解除位置と係止位置との間を回動する。
また、移動規制部1661は、解除位置と係止位置との間のみ回動可能なように回動角度が制限されている。
【0111】
回動軸1662は、軸の一方が施解錠部1663に備えられている上記電動モータ等の駆動源に接続され、他方が移動規制部1661に接続されている。
【0112】
少なくとも収納空間A又はBに配送物が入庫され、検知部1605,1606が当該入庫を検知すると、当該検知したことを示す検知信号を制御部11へ出力する。
また、棚板検知部1665は、棚板161が水平位置にあることを検知すると、検知信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記各検知信号が検知部1605,1606及び棚板検知部1665から入力されると、上記施解錠部1663に対して制御信号を出力し、施解錠部1663はその制御信号が入力されると、移動規制部1661を回動軸1662周りに回動させる。
図19に示すように、解除位置にある移動規制部1661は、上述のように施解錠部1663により回動軸1662周りに矢印P方向に回動することにより、矢印Qで示すように、棚板161の底面側に設けられた溝部1611内に進入し、移動規制部1661のフック状先端部が実線で示す係止位置まで移動すると、そのフック状先端部が溝部1611内の例えば凹部状の係合部1612に係合する。
【0113】
図19に示すように、係止部1613は、移動規制部1661の先端を係止する部材であり、溝部1611内における係合部1612の扉164側の係止部分1614と対向する位置に設けられている。
係止部1613は、上記対向する係合部1612の係止部分1614の方向に付勢力が作用している。
移動規制部1661のフック状先端部が、上記係止部1613の付勢力に抗して、係止部1613と係止部分1614に当接してその間隔を拡張しながら、係止部1613と係止部分1614との間に嵌入すると、上記付勢力により、移動規制部1661のフック状先端部は、係止部1613と係止部分1614とにより挟持され、棚板161に係止される。
【0114】
また、施解錠部1663は、移動規制部1661を係止位置まで移動させると、回動軸1662周りの移動をロックし、移動規制部1661の移動を規制する。
【0115】
このように、移動規制部1661が棚板161に係止されると、上記係合部1612に係合した移動規制部1661が、棚板161のヒンジ部1601周りの回動を規制するようになる。
従って、たとえ棚板161を移動させる力が外部から加えられても棚板161が水平位置を維持し、収納空間A,Bを形成している状態を継続することができるようになる。
【0116】
一方、制御部11は、施解錠部165に対して扉164の解錠信号を出力するときには、上記施解錠部1663に対して制御信号を出力し、施解錠部1663はその制御信号が入力されると、移動規制部1661を回動軸1662周りにPの反対方向に回動させる。
図19に示すように、実線で示す係止位置にあり、先端が係合部1612と係止部1613により係止されている移動規制部1661は、施解錠部1663により点線で示す解除位置まで溝部1611内を回動軸1662周りのP方向の反対方向に回動することにより、移動規制部1661のフック状先端部が上記係止部1613の付勢力に抗して係合部1612及び係止部1613の間から離脱し、点線で示す解除位置まで回動する。
そうすると、棚板161はヒンジ部1601周りに垂直位置まで回動可能な状態となり、収納空間Cを形成することが可能となる。
【0117】
棚板検知部1665は、施解錠部1663の上面に設置されている。
棚板接触部1664は、一部が施解錠部1663の上面に支持されており、その支持部分を支点とした垂直上方への付勢力が作用している。
例えば、棚板接触部1664は、金属薄板のように可撓性を有する部材を所定角度折曲させたものである。
図20に示すように、棚板161が水平位置にない場合には、当該付勢力により、棚板接触部1664は棚板検知部1665に接触しない位置にある。
一方、棚板161が水平位置まで移動する際に、棚板161の底面が棚板接触部1664の上面に接触する。棚板161は、そのまま上記付勢力に抗して、棚板接触部1664を垂直下方に押圧しながら水平位置まで移動すると、
図19に示すように、棚板接触部1664の底面は棚板検知部1665の上面に接触する。
そうすると、棚板検知部1665は、棚板161が水平位置にあることを検知する。
【0118】
例えば、棚板接触部1664及び棚板検知部1665は電気接点を構成する。
この場合、棚板接触部1664が棚板検知部1665に接触することにより、所定の電気回路に電流が流れ、棚板検知部1665が当該電流に基づいた検知信号を制御部11へ出力するようにしてもよい。
【0119】
棚板検知部1665は圧力センサであり、棚板接触部1664が棚板検知部1665の上面を押圧すると、その圧力を検知し、当該圧力検知により、棚板161が水平位置にあることを示す検知信号を制御部11へ出力するようにしてもよい。
また、棚板検知部1665が圧力センサである場合、構成上、棚板接触部1664を省略してもよく、この場合、棚板161の底面が圧力センサである棚板検知部1665に直接接触して押圧し、棚板検知部1665は、当該圧力を検知する。
なお、圧力センサの構成及び種類は特に限定するものではなく、例えば静電容量や電気抵抗値の変化等により検知するといった一般的なものであってよい。
【0120】
また、棚板検知部1665は、棚板161の位置を検知するものであれば、上記電気接点又は圧力センサ以外の構成であってもよい。
図21は、
図17に示すA-A断面図であり、棚板161が水平位置にある状態を示している。
例えば、
図21に示すように、棚板検知部1665は、施解錠部1663の上面から垂直上方向に突出し、垂直下方向に押下可能なボタンである場合には、棚板161が水平位置まで移動し、当該突出ボタンを垂直下方向に押下したときに、棚板検知部1665は当該ボタンの押下に基づいて、棚板161の水平位置への移動を検知するように構成することもできる。
【0121】
次に、本発明の第2の実施の形態の変形例について説明する。
以下、特記しない限り、本変形例の構成及び動作は、第2の実施の形態と同様であるとして説明を進める。
【0122】
図22は、本発明の第2の実施の形態の変形例における
図17に示すA-A断面図であり、棚板161が水平位置にある状態を示している。
【0123】
本変形例では、施解錠部1663は、第2の実施の形態とは異なり、電気錠ではなく、部材の物理的変位により施解錠を行う一般的な機械錠を構成する。
【0124】
棚板検知部1665は、例えば、施解錠部1663の上面から垂直上方向に突出し、垂直下方向に押下可能なボタンである。
棚板161が水平位置まで移動し、当該突出ボタンを垂直下方向に押下したときに、棚板検知部1665は当該ボタンの押下に基づいて、所定の部材を物理的に移動させ、当該部材を施解錠部1663の所定部分に当接させ、当該部材の移動による力を施解錠部1663に伝達する。
施解錠部1663は、上記棚板検知部1665の部材が当接すると、移動規制部1661を回動軸1662周りにP方向に回動させる。
そして、第2の実施の形態と同様に、溝部1611内をP方向に回動した移動規制部1661のフック状先端部が係合部1612及び係止部1613に係止される。
【0125】
また、施解錠部1663は、移動規制部1661を係合部1612に係合するまで移動させると、回動軸1662周りの移動をロックし、移動規制部1661の移動を規制する。
【0126】
図に示すように、本変形例では、押下することにより上記移動規制部1661による棚板161のロックを解錠する解錠ボタン1666が施解錠部1663の扉164側に設けられている。
【0127】
ユーザが扉164を開扉したとき、解錠ボタン1666を押下すると、当該解錠ボタン1666の押下による変位により、解錠ボタン1666が施解錠部1663内の所定の部材に当接する。
すると、施解錠部1663は、第2の実施の形態と同様に、移動規制部1661をP方向の反対方向に回動させ、移動規制部1661のフック状先端部が上記係止部1613の付勢力に抗して係合部1612及び係止部1613の間から離脱する。
そうすると、棚板161はヒンジ部1601周りに上方に回動可能な状態となり、収納空間Cを形成することが可能となる。
【0128】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態の変形例によれば、施解錠部1663は機械錠であり、棚板161が水平位置に移動すると、移動規制部1661を回動させて、棚板161の移動をロックする。
また、施解錠部1663は、解錠ボタン1666がユーザにより押下されると、移動規制部1661を回動させて、棚板161のロックを解錠する。
このように、施解錠部1663、移動規制部1661、回動軸1662、係合部1612及び係止部1613等は電気錠を構成せずに、一般的な機械錠を構成する場合であっても、棚板161の移動を規制することが可能である。
なお、本変形例では、フック状の移動規制部1661が棚板161に係止しその移動を規制していたが、この構成に限定されず、その他、一般的に用いられている機械錠の構成であってもよい。
【0129】
また、本変形例では、解錠ボタン1666は、施解錠部1663の扉164側に設けられている。
従って、ユーザが解錠ボタン1666を押下することができるのは扉164が解錠及び開扉されたときに限定されるので、収納空間A,Bのいずれかに配送物が収納されている場合、ユーザが扉162,163を開扉して、誤って棚板161を垂直位置に移動させるといったことを防止することが可能となる。
なお、解錠ボタン1666の設置位置は、扉162,163から操作が困難な位置であれば、上記施解錠部1663の扉164側に限定されず、例えば、正面側又は背面側に設置されてもよい。
【0130】
(第2の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、回動可能な移動規制部1661を棚板161の一部に係合させることにより、棚板161自体の移動を規制するので、収納空間A,Bが使用されている際に、利用者が棚板161を誤って垂直位置に移動させることを防止することができる。
また、移動規制部を扉164の裏面以外の位置にも設置することができ、その設計自由度が向上する。
【0131】
以上説明した第2の実施の形態によれば、移動規制部1661及び施解錠部1663は、収納部16の収納空間の正面側及び背面側の内壁に1つずつ設けられているが、その設置個数及び設置位置は、棚板161を規制可能であれば、上記例に限定されない。
【0132】
また、移動規制部1661のフック状先端部は、棚板161の底面側に設けられた係合部1612に係合するが、当該フック状先端部が係合する位置は、これに限定されず、例えば棚板161の上面側や側面側であってもよい。
【0133】
また、本実施の形態における一例では、移動規制部1661の形状をフック形状としたが、棚板161に係合可能な形状であればこれに限定されない。
【0134】
<第3の実施の形態>
(第3の実施の形態の概要)
上述の第2の実施の形態における収納装置10では、移動規制部はフック形状に形成されており、そのフック先端部を棚板161の底面側に設けられた溝部内の係合部に係合して棚板161の移動を規制するものであった。
これに対し、本発明の第3の実施の形態における収納装置10では、移動規制部は貫通孔を有する環状等の形状に形成され、棚板161の底面側に突出して設けられている。棚板161が水平位置まで移動すると、上記突出した移動規制部は施解錠部の係合部により錠止され、棚板161自体の移動が規制される。
以下、特記しない限り、本発明の第3の実施の形態における構成及び動作は、第2の実施の形態又はその変形例と同様であるとして説明を進める。
【0135】
(第3の実施の形態の構成)
図23は、本発明の第3の実施の形態における棚板161の外観を示す図であり、収納装置10の右側面側から見た図である。
【0136】
図23に示すように、移動規制部1617は、コの字状の金属等の素材により構成されており、その開口側は棚板161の底面側に固定されている。
本実施の形態では、図に示すように、一例として、移動規制部1617は図に向かって棚板161の左右両端に、棚板161水平位置にあるときに垂直下方に突出する向きに設けられている。
【0137】
コの字状の移動規制部1617には貫通孔1618が形成されている。
後述するように、当該貫通孔1618には施解錠部1633の係止部1671,1672が挿入し係止することにより、棚板161の垂直位置への移動を規制することが可能である。
なお、本例では、移動規制部1617はコの字状に形成されていたが、上記貫通孔1618が形成され、移動規制部1617の底面と合わせて係止部1671,1672による係止が可能であれば他の形状でもよく、例えば、環状、円弧状、又は他の形状の一部をくり貫いたものであってもよい。
【0138】
本実施の形態における外観は、第2の実施の形態と同様に、おおよそ
図17に示すものであり、
図17と異なる部分については後述する。
図24は、本発明の第3の実施の形態における
図17に示すA-Aの断面図であり、棚板161が水平位置にない状態を示している。
図25は、本発明の第3の実施の形態における
図17に示すA-Aの断面図であり、棚板161が水平位置にある状態を示している。
【0139】
図26は、本発明の第3の実施の形態における
図25に示すB-Bの断面図である。
【0140】
図24~26に示すように、本実施の形態では、施解錠部1663は、上述の移動規制部1617を係止する一対の互いに対向する係止部1671,1672と、棚板161が水平位置にあることを検知する棚板検知部1673とを有する。
【0141】
係止部1671,1672は、制御部11と電気的に接続されており、制御部11から出力される制御信号により電動モータ等の駆動源により動作する。
例えば、係止部1671,1672の先端は、図に示すように、互いに対向方向に屈曲して爪状をなしており、棚板161が水平位置にないときには、
図24に示すように、当該両係止部1671,1672の先端には間隔が形成されている。
施解錠部1663に上記制御部11からの制御信号が入力されると、係止部1671,1672は互いに対向方向(内側)に変位し、
図25に示すように両先端が互いに当接し、施錠状態になる。
また、制御部11は、施解錠部165に対し扉164の解錠信号を出力したときには、施解錠部1663に対しても解錠信号を出力する。施解錠部1663に当該解錠信号が入力すると、係止部1671,1672は互いに対向方向の逆方向(外側)に変位し、
図24に示すように両先端が互いに離間し、解錠状態になる。
【0142】
棚板検知部1673は、上記移動規制部1617の先端が当接することにより棚板161が水平位置にあることを検知する。
例えば、棚板検知部1673は圧力センサであり、移動規制部1617の先端が棚板検知部1673の上面を押圧すると、その圧力を検知し、当該圧力検知により、棚板161が水平位置にあることを示す検知信号を制御部11へ出力する。
なお、棚板検知部1673に用いられる圧力センサの構成及び種類は特に限定するものではなく、例えば静電容量や電気抵抗値の変化等により検知するといった一般的なものであってよい。
また、棚板検知部1673は、上方に付勢力を有したボタン状の部材を有し、上記移動規制部1617が付勢力に抗して当該ボタン状の部材を垂直下方に押圧すると、当該押圧を検知するよう構成されてもよい。
【0143】
棚板検知部1673は棚板161が水平位置まで移動したことを示す検知信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記検知信号が棚板検知部1673から入力されると、上記制御信号を係止部1671,1672へ出力する。係止部1671,1672は、当該制御信号が入力されると、上述のように、互いに対向方向に変位し、両先端が互いに当接する。
【0144】
(第3の実施の形態の動作)
(1)施錠動作
まず、本発明の第3の実施の形態における施解錠部1663による棚板161の施錠動作を説明する。
【0145】
扉164が解錠及び開扉後、ユーザは、収納空間Cから配送物を取出した後等には、上述のとおり、棚板161を垂直位置から水平位置に移動させる。
棚板161を水平位置へ移動させると、棚板161の底面側に設けられている移動規制部1617が、離間している解錠状態の係止部1671,1672間に挿入し、その先端が棚板検知部1673を押圧する。
【0146】
棚板検知部1673は、当該移動規制部1617による押圧を検知すると、当該押圧の検知信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記押圧の検知信号が入力されると、係止部1671,1672により施錠をする旨の制御信号を施解錠部1663へ出力する。
【0147】
施解錠部1663に上記制御信号が入力されると、係止部1671,1672は、対向方向に互いに変位し、両係止部1671,1672の先端が移動規制部1617の貫通孔1618に挿入され、当該両先端同士が当接して停止する。
このように、係止部1671,1672の両先端部は、移動規制部1617の貫通孔1618に挿入されて当接して固定され、施錠を行うことにより、移動規制部1617は、係止部1671,1672に係止され、棚板161の移動は規制される。
【0148】
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、棚板161が水平位置へ移動したとき、移動規制部1617が棚板検知部1673を押圧すると、係止部1671,1672が移動規制部1617を係止することにより施錠を行い、棚板161を水平位置に固定する。
【0149】
(2)解錠動作
次に、本発明の第3の実施の形態における施解錠部1663による棚板161の解錠動作を説明する。
【0150】
制御部11は、認証成功と判断し、扉164を解錠する制御信号を施解錠部165へ出力すると、上記係止部1671,1672による施錠を解錠する制御信号を施解錠部1663へ出力する。
【0151】
施解錠部1663は、上記解錠信号が入力されると、係止部1671,1672は互いに対向方向の逆方向(外側)へ変位し、係止部1671,1672の先端間に間隔が生じる。
このようにして、施解錠部1663は棚板161を解放し、解錠を行うので、ユーザは、収納空間Cを形成するために、棚板161を垂直位置まで移動することが可能となる。
【0152】
(第3の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、係止部1671,1672の先端が対向方向に移動して、移動規制部1617の貫通孔1618に挿入した状態で互いに当接して固定することにより、棚板161自体の移動を規制するので、収納空間A,Bが使用されている際に、利用者が棚板161を誤って垂直位置に移動させることを防止することができる。
また、移動規制部を扉164の裏面以外の位置にも設置することができ、その設計自由度が向上する。
【0153】
以上説明した第3の実施の形態によれば、移動規制部1617は棚板161の裏面に設けられ、施解錠部1663は、収納部16の収納空間の正面側及び背面側の内壁に1つずつ設けられているが、その設置個数及び設置位置は、棚板161を規制可能であれば、上記例に限定されない。
【0154】
第3の実施の形態では、移動規制部1617の形状を環状又はコの字状としたが、係止部1671,1672により係止可能な形状であればこれに限定されない。
【0155】
第3の実施の形態では、電動モータ等の駆動源が、係止部1671,1672を互いの対向方向又はその逆方向へ移動させることを可能に構成していたが、係止部1671,1672の駆動機構については本例に限定されず、その他一般的な駆動機構を用いてもよい。
【0156】
また、以上説明した第3の実施の形態では、施解錠部1663は、制御部11からの制御信号により施解錠を行う電気錠であるが、第2の実施の形態の変形例のように、部材の物理的変位により施解錠を行う一般的な機械錠を構成してもよい。
その場合、第2の実施の形態の変形例と同様に、押下することにより上記施解錠部1663による棚板161のロックを解錠する解錠ボタンが施解錠部1663の扉164側に設けられるようにしてもよい。
【0157】
<第4の実施の形態>
(第4の実施の形態の概要)
上述の第1の実施の形態における収納装置10は四角柱形状であり、正面に表示部14及び操作部15を備え、左右両側面に収納ボックスの扉162~164を備えていた。
これに対し、本発明の第4の実施の形態における収納装置10は円柱形状をなしており、その円柱側面上に表示部14、操作部15及び収納ボックスの扉162~164を備えるものである。
以下、特記しない限り、本発明の第4の実施の形態における構成及び動作は、第1の実施の形態又はその変形例と同様であるとして説明を進める。
【0158】
(第4の実施の形態の構成)
図23は、本発明の第4の実施の形態における収納装置10の外観を示す図である。
図に示すように、収納装置10が円柱形状をなしている。
本例では、円柱側面上の正面側に表示部14及び操作部15が設けられ、同じく円柱側面上の左右両側面側に収納ボックスの扉162~164が設けられる。
【0159】
(第4の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態における収納装置10は円柱形状をなしており、その側面に表示部14、操作部15及び収納ボックスの扉162~164を備えるので、扉の開閉方向や設置面積等の関係で、第1の実施の形態における収納装置10のような四角柱型の設置が困難な環境であっても、本実施の形態のような円柱型の収納装置10であれば設置が可能な場合もあり、収納装置10が設置可能な場所を拡大することが可能となる。
【0160】
なお、本実施の形態では、収納装置10を円柱状に形成したが、表示部14及び操作部15が設けられる面と、収納ボックスの扉162~164が設けられる面とが別であれば、他の形状及び構成であってもよい。
また、上述のように、収納装置10は、第1,第2の実施の形態では四角柱形状、第4の実施の形態では円柱状に形成されていたが、他の多角柱形状、円柱に類する形状をなすものであってもよい。
【0161】
<実施の形態のまとめ>
以上説明したように、本発明の第1~第4の実施の形態における収納システムによれば、収納装置10は、表示部14及び操作部15を、収納ボックスの扉162~164が配置されている面とは異なる面に配置するよう構成しているので、収納ボックスの扉及び開口部の面積を大きくとることができ、十分な収納空間を確保して大型又は長尺の物品を収納することが可能となる。
【0162】
上記の収納装置10及び管理サーバ20は、主にCPUとメモリにロードされたプログラムによって実現される。ただし、それ以外の任意のハードウェアおよびソフトウェアの組合せによってこの装置またはサーバを構成することも可能であり、その設計自由度の高さは当業者には容易に理解されるところである。
また、上記の収納装置10又は管理サーバ20をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0163】
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
【0164】
本発明の第1~第4の実施の形態では、情報を出力する手段(情報出力部)として、収納装置10に表示部14が設けられていたが、画像に代えて音声を出力するスピーカ等を設けてもよいし、その両方を設けてもよい。
【0165】
以上説明した第1~第4の実施の形態では、制御部11は、収納装置10の使用目的に応じて、利用者の認証を行っていたが、収納ボックスDB122において使用目的に代えて又は加えて、利用者IDが格納されていた場合には、当該利用者IDが操作部15を介して入力されたときに、認証成功と判断するようにしてもよい。
【0166】
また、以上説明した第1~第4の実施の形態では、収納装置10は、管理サーバ20とネットワークを介して接続されていたが、接続されず、単独でオフラインに構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0167】
10 収納装置
11,21 制御部
12,22 情報格納部
13,23 通信部
14 表示部
15 操作部
16 収納部
17 ポスト部
18 回路収容部
20 管理サーバ
121,221 認証DB
122 収納ボックスDB
161 棚板
162~164,172 扉
165,1663 施解錠部
171 投函口
1601 ヒンジ部
1602,1617,1661 移動規制部
1605~1607 検知部
1611 溝部
1612 係合部
1613,1671,1672 係止部
1614 係合部の係止部分
1618 貫通孔
1662 回動軸
1664 棚板接触部
1665,1673 棚板検知部
1666 解錠ボタン