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特許7100985検体測定装置および試薬庫内の空気の循環方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】検体測定装置および試薬庫内の空気の循環方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
G01N35/00 B
G01N35/00 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018010312
(22)【出願日】2018-01-25
(65)【公開番号】P2019128266
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】川元 祐峰
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 知弘
(72)【発明者】
【氏名】買田 信吾
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-137329(JP,A)
【文献】特開2017-044508(JP,A)
【文献】特開2014-119328(JP,A)
【文献】実開昭57-130183(JP,U)
【文献】特開2017-090353(JP,A)
【文献】特開2017-150871(JP,A)
【文献】国際公開第2014/002952(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0043163(US,A1)
【文献】特開2002-014107(JP,A)
【文献】中国実用新案第205749525(CN,U)
【文献】特開2012-194071(JP,A)
【文献】特表2013-510294(JP,A)
【文献】特表平05-500115(JP,A)
【文献】特開2016-114610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬容器に収容された試薬を用いて検体を測定する測定部と、
前記試薬容器を収容する試薬庫と、
前記試薬庫内に配置され、前記試薬容器を保持する試薬容器ホルダと、
前記試薬庫内において前記試薬容器ホルダの下方に配置され、前記試薬庫内の空気を循環させるフィンと、
前記試薬容器ホルダおよび前記フィンを回転駆動させる駆動部と、を備える、検体測定装置。
【請求項2】
前記試薬庫内の空気を冷却する冷却部を備え、
前記駆動部は、前記冷却部により冷却された空気を循環させるように、前記フィンを駆動させる、請求項1に記載の検体測定装置。
【請求項3】
前記フィンおよび前記試薬容器ホルダは、前記フィンの回転軸と前記試薬容器ホルダの回転軸とが同一となるように、配置されている、請求項1または2に記載の検体測定装置。
【請求項4】
前記試薬容器ホルダは、複数の前記試薬容器が円周状に配置されるように、円形の外周縁を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の検体測定装置。
【請求項5】
連結部材を介して前記試薬容器ホルダを支持する回転テーブルと、
前記回転テーブルを支持する支持部とを備え、
前記フィンは、前記回転テーブルに設けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の検体測定装置。
【請求項6】
前記フィンは、前記回転テーブルに一体的に設けられた突起により構成されている、請求項5に記載の検体測定装置。
【請求項7】
前記駆動部の回転駆動を前記試薬容器ホルダに伝える伝達軸を備え、
前記フィンは、前記伝達軸に設けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載の検体測定装置。
【請求項8】
前記試薬容器ホルダは、貫通口を有する板状部材を含み、
前記板状部材は、前記試薬容器の底面を前記貫通口から露出させるように、前記試薬容器を保持する、請求項1~7のいずれか1項に記載の検体測定装置。
【請求項9】
前記板状部材は、前記試薬容器を吊り下げて保持する吊り下げ部を複数含む、請求項8に記載の検体測定装置。
【請求項10】
試薬容器に収容された試薬を用いて検体を測定する測定部と、
前記試薬容器を収容する試薬庫と、
前記試薬庫内に配置され、前記試薬容器を保持する試薬容器ホルダと、
前記試薬庫内において前記試薬容器ホルダの下方に配置され、前記試薬庫内の空気を循環させるフィンと、
駆動部とを備え、
前記試薬容器ホルダは、第1試薬容器ホルダと、前記第1試薬容器ホルダの周囲に配置された第2試薬容器ホルダとを含み、
前記駆動部は、前記第1試薬容器ホルダを回転駆動させる第1駆動部と、前記第2試薬容器ホルダおよび前記フィンを回転駆動させる第2駆動部とを含む、検体測定装置。
【請求項11】
前記試薬庫内の空気を冷却する冷却部を備え、
前記駆動部は、前記冷却部により冷却された空気を循環させるように、前記フィンを駆動させる、請求項10に記載の検体測定装置。
【請求項12】
前記フィン、前記第1試薬容器ホルダおよび前記第2試薬容器ホルダは、前記フィンの回転軸と前記第1試薬容器ホルダの回転軸と前記第2試薬容器ホルダの回転軸とが同一となるように、配置されている、請求項10または11に記載の検体測定装置。
【請求項13】
連結部材を介して前記第2試薬容器ホルダを支持する回転テーブルと、
前記回転テーブルを支持する支持部とを備え、
前記フィンは、前記回転テーブルに設けられている、請求項10~12のいずれか1項に記載の検体測定装置。
【請求項14】
前記フィンは、前記回転テーブルに一体的に設けられた突起により構成されている、請求項13に記載の検体測定装置。
【請求項15】
試薬庫内に配置され試薬容器を保持した試薬容器ホルダを回転駆動し、
前記試薬庫内において前記試薬容器ホルダの下方に配置されたフィンを、前記試薬容器ホルダと連動して回転駆動し、
前記フィンの回転駆動により前記試薬庫内の空気を循環させる、試薬庫内の空気の循環方法。
【請求項16】
前記試薬庫内の空気を冷却し、
冷却した空気を前記フィンにより、循環させる、請求項15に記載の試薬庫内の空気の循環方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体測定装置および試薬庫内の空気の循環方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体測定装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、図17に示すように、試薬を用いて検体を分析する分析部901と、試薬が収められた試薬ボトル902を収容する試薬保管庫903とを備える自動分析装置900(検体測定装置)が開示されている。この特許文献1の自動分析装置900は、試薬保管庫903内に配置されて試薬ボトル902を保持する試薬保持ラック904と、試薬保持ラック904を回転駆動させる駆動部905と、試薬保管庫903内の空気を循環させる循環装置906とをさらに備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-119328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の自動分析装置900(検体測定装置)は、試薬保持ラック904を回転駆動させる駆動部905と、試薬保管庫903内の空気を循環させる循環装置906とを備えているため、循環装置906を駆動させるためのモータを設ける必要がある。そのため、循環装置906のモータを配置するためのスペースの分だけ、装置が大型化するという問題点がある。また、循環装置906のモータの分だけ部品点数が増加するという問題点がある。
【0006】
この発明は、装置の大型化を抑制するとともに部品点数の増加を抑制することに向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による検体測定装置(100)は、試薬容器(200)に収容された試薬を用いて検体を測定する測定部(10)と、試薬容器(200)を収容する試薬庫(20)と、試薬庫(20)内に配置され、試薬容器(200)を保持する試薬容器ホルダ(30)と、試薬庫内において試薬容器ホルダの下方に配置され、試薬庫(20)内の空気を循環させるフィン(40)と、試薬容器ホルダ(30)およびフィン(40)を回転駆動させる駆動部(40)と、を備える。
【0008】
第1の局面による検体測定装置(100)では、上記のように、試薬容器ホルダ(30)およびフィン(40)を回転駆動させる駆動部(40)を設ける。これにより、試薬容器ホルダ(30)を回転駆動させる駆動部(50)とは別個に、フィン(40)を回転駆動させる駆動部を設ける必要がないので、その分のスペースを確保する必要がない。その結果、装置が大型化するのを抑制することができる。また、フィン(40)を回転駆動させる駆動部を別個に設ける必要がないので、装置構成を簡素化することができるとともに、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による検体測定装置(100)において、好ましくは、試薬庫(20)内の空気を冷却する冷却部(22)を備え、駆動部(50)は、冷却部(22)により冷却された空気を循環させるように、フィン(40)を駆動させる。このように構成すれば、冷却部(22)により冷却された空気をフィン(40)により試薬庫(20)内において循環させることができるので、試薬庫(20)内を効率よく冷却することができる。
【0010】
上記第1の局面による検体測定装置(100)において、好ましくは、フィン(40)および試薬容器ホルダ(30)は、フィン(40)の回転軸と試薬容器ホルダ(30)の回転軸とが同一となるように、配置されている。このように構成すれば、試薬容器ホルダ(30)の回転軸と、フィン(40)の回転軸とを共通化することができるので、装置構成を簡素化することができる。
【0011】
上記第1の局面による検体測定装置(100)において、好ましくは、試薬容器ホルダ(30)は、複数の試薬容器(200)が円周状に配置されるように、円形の外周縁を有する。このように構成すれば、複数の試薬容器(200)を略円形の試薬容器ホルダ(30)に円周状に配置してコンパクトに保管庫内に収容することができる。
【0012】
上記第1の局面による検体測定装置(100)において、好ましくは、連結部材(39)を介して試薬容器ホルダ(30)を支持する回転テーブル(38)と、回転テーブル(38)を支持する支持部(521)とを備え、フィン(40)は、回転テーブル(38)に設けられている。このように構成すれば、試薬容器ホルダ(30)を支持する回転テーブル(38)にフィン(40)を設けることができるので、別途フィン(40)を設けるスペースを設ける必要がない。これにより、装置構成の簡素化および装置の小型化を図ることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、フィン(40)は、回転テーブル(38)に一体的に設けられた突起(41)により構成されている。このように構成すれば、回転テーブル(38)の回転とともに突起(41)も回転されるので、試薬容器ホルダ(30)の回転移動に伴って、試薬庫(20)内に空気の流れを発生させることができる。
【0014】
上記第1の局面による検体測定装置(100)において、好ましくは、駆動部(50)の回転駆動を試薬容器ホルダ(30)に伝える伝達軸(42)を備え、フィン(40)は、伝達軸(42)に設けられている。このように構成すれば、伝達軸(42)の回転とともにフィン(40)も回転されるので、試薬容器ホルダ(30)の回転移動に伴って、試薬庫(20)内に空気の流れを発生させることができる。
【0015】
上記第1の局面による検体測定装置(100)において、好ましくは、試薬容器ホルダ(30)は、貫通口(35)を有する板状部材(30a)を含み、板状部材(30a)は、試薬容器(200)の底面を貫通口(35)から露出させるように、試薬容器(200)を保持する。このように構成すれば、試薬容器ホルダ(30)を回転させることにより、試薬容器ホルダ(30)に保持された試薬容器(200)により試薬庫(20)内の空気を流動させることができるので、これによっても、試薬庫(20)内の空気を循環させることができる。
【0016】
この場合、好ましくは、板状部材(30a)は、試薬容器(200)を吊り下げて保持する吊り下げ部(34)を複数含む。このように構成すれば、複数の吊り下げ部(34)により複数の試薬容器(200)を保持することができるので、保持する試薬の量および種類を容易に多くすることができる。
【0017】
この発明の第2の局面による検体測定装置(101)は、試薬容器(200)に収容された試薬を用いて検体を測定する測定部(10)と、試薬容器(200)を収容する試薬庫(20)と、試薬庫(20)内に配置され、試薬容器(200)を保持する試薬容器ホルダ(30)と、試薬庫内において試薬容器ホルダの下方に配置され、試薬庫(20)内の空気を循環させるフィン(40)と、駆動部(50)とを備え、試薬容器ホルダ(30)は、第1試薬容器ホルダ(31)と、第1試薬容器ホルダ(31)の周囲に配置された第2試薬容器ホルダ(32)とを含み、駆動部(50)は、第1試薬容器ホルダ(31)を回転駆動させる第1駆動部(51)と、第2試薬容器ホルダ(32)およびフィン(40)を回転駆動させる第2駆動部(52)とを含む。
【0018】
第2の局面による検体測定装置(101)では、上記のように、第2試薬容器ホルダ(32)およびフィン(40)を回転駆動させる第2駆動部(52)を設ける。これにより、第2試薬容器ホルダ(32)を回転駆動させる第2駆動部(52)とは別個に、フィン(40)を回転駆動させる駆動部を設ける必要がないので、その分のスペースを確保する必要がない。その結果、装置が大型化するのを抑制することができる。また、フィン(40)を回転駆動させる駆動部を別個に設ける必要がないので、装置構成を簡素化することができるとともに、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0019】
上記第2の局面による検体測定装置(101)において、好ましくは、試薬庫(20)内の空気を冷却する冷却部(22)を備え、駆動部(50)は、冷却部(22)により冷却された空気を循環させるように、フィン(40)を駆動させる。このように構成すれば、冷却部(22)により冷却された空気をフィン(40)により試薬庫(20)内において循環させることができるので、試薬庫(20)内を効率よく冷却することができる。
【0020】
上記第2の局面による検体測定装置(101)において、好ましくは、フィン(40)、第1試薬容器ホルダ(31)および第2試薬容器ホルダ(32)は、フィン(40)の回転軸と第1試薬容器ホルダ(31)の回転軸と第2試薬容器ホルダ(32)の回転軸とが同一となるように、配置されている。このように構成すれば、第2試薬容器ホルダ(32)の回転軸と、フィン(40)の回転軸とを共通化することができるので、装置構成を簡素化することができる。
【0021】
上記第2の局面による検体測定装置(101)において、好ましくは、連結部材(39)を介して第2試薬容器ホルダ(32)を支持する回転テーブル(38)と、回転テーブル(38)を支持する支持部(521)とを備え、フィン(40)は、回転テーブル(38)に設けられている。このように構成すれば、第2試薬容器ホルダ(32)を支持する回転テーブル(38)にフィン(40)を設けることができるので、別途フィン(40)を設けるスペースを設ける必要がない。これにより、装置構成の簡素化および装置の小型化を図ることができる。
【0022】
この場合、好ましくは、フィン(40)は、回転テーブル(38)に一体的に設けられた突起(41)により構成されている。このように構成すれば、回転テーブル(38)の回転とともに突起(41)も回転されるので、第2試薬容器ホルダ(32)の回転移動に伴って、試薬庫(20)内に空気の流れを発生させることができる。
【0023】
この発明の第3の局面による試薬庫(20)内の空気の循環方法は、試薬庫(20)内に配置され試薬容器(200)を保持した試薬容器ホルダ(30)を回転駆動し、試薬庫内において試薬容器ホルダの下方に配置されたフィンを、試薬容器ホルダ(30)と連動して回転駆動し、フィン(40)の回転駆動により試薬庫(20)内の空気を循環させる。
【0024】
第3の局面による試薬庫(20)内の空気の循環方法では、上記のように、試薬容器ホルダ(30)と連動してフィン(40)を回転駆動する。これにより、試薬容器ホルダ(30)を回転駆動させる駆動部(50)とは別個に、フィン(40)を回転駆動させる駆動部を設ける必要がないので、その分のスペースを確保する必要がない。その結果、装置が大型化するのを抑制することが可能な試薬庫(20)内の空気の循環方法を提供することができる。また、フィン(40)を回転駆動させる駆動部を別個に設ける必要がないので、装置構成を簡素化することができるとともに、部品点数が増加するのを抑制することが可能な試薬庫(20)内の空気の循環方法を提供することができる。
【0025】
上記第3の局面による試薬庫(20)内の空気の循環方法において、好ましくは、試薬庫(20)内の空気を冷却し、冷却した空気をフィン(40)により、循環させる。このように構成すれば、冷却された空気をフィン(40)により試薬庫(20)内において循環させることができるので、試薬庫(20)内を効率よく冷却することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上記のように、装置の大型化を抑制するとともに部品点数の増加を抑制することが可能な検体測定装置および試薬庫内の空気の循環方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】検体測定装置の概要を示した模式図である。
図2】他の構成の検体測定装置の概要を示した模式図である。
図3】検体測定装置の構成例を示した模式的な平面図である。
図4】試薬庫の構成例を示した斜視図である。
図5】試薬容器ホルダの構成例を示した斜視図である。
図6】試薬容器ホルダの構成例を示した平面図である。
図7】試薬容器ホルダの構成例を示した側面図である。
図8】回転テーブルの構成例を示した上面斜視図である。
図9】回転テーブルの構成例を示した下面斜視図である。
図10】R2試薬を収容する試薬容器を示した斜視図である。
図11】R1試薬およびR3試薬を収容する試薬容器を示した斜視図である。
図12】フィンの他の第1例を示した側面図である。
図13】フィンの他の第2例を示した側面図である。
図14】フィンの他の第2例を示した平面図である。
図15】検体測定装置の測定処理を説明するための図である。
図16図15に示した測定処理を説明するためのフローチャートである。
図17】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
[検体測定装置の概要]
まず、図1を参照して、一実施形態による検体測定装置100の概要について説明する。
【0029】
検体測定装置100は、被検体から採取された検体に所定の試薬を添加して作製された測定用試料を測定する装置である。
【0030】
被検体は、主としてヒトであるが、ヒト以外の他の動物であってもよい。検体測定装置100は、たとえば患者から採取された検体の臨床検査または医学的研究のための測定を行う。検体は、生体由来の検体である。生体由来の検体は、たとえば、被検体から採取された血液(全血、血清または血漿)、尿、またはその他の体液などの液体、あるいは、採取された体液や血液に所定の前処理を施して得られた液体などである。また、検体は、たとえば、液体以外の、被検体の組織の一部や細胞などであってもよい。検体測定装置100は、検体中に含有される所定の対象成分を検出する。対象成分は、たとえば、血液や尿検体中の所定の成分、細胞や有形成分を含んでもよい。対象成分は、DNA(デオキシリボ核酸)などの核酸、細胞および細胞内物質、抗原または抗体、タンパク質、ペプチドなどでもよい。検体測定装置100は、血球計数装置、血液凝固測定装置、免疫測定装置、尿中有形成分測定装置など、またはこれら以外の測定装置であってよい。
【0031】
一例としては、検体測定装置100は、抗原抗体反応を利用して検体中の被検物質を検出する免疫測定装置である。免疫測定装置は、対象成分として、たとえば、血液に含まれる抗原または抗体、タンパク質や、ペプチドなどを検出する。免疫測定装置は、血清または血漿を検体として取得して、検体に含まれる抗原または抗体などを定量測定または定性測定する。なお、抗原抗体反応は、抗原と抗体との反応のみならず、アプタマー等の特異的結合物質を用いた反応を含む。アプタマーは、特定の物質と特異的に結合するように合成された核酸分子またはペプチドである。
【0032】
検体測定装置100は、検体に所定の1または複数種類の試薬を添加して、測定用試料を調製する。試薬は、ボトル状の試薬容器200に収容された状態で、検体測定装置100にセットされる。図1に示すように、検体測定装置100は、測定部10と、試薬庫20と、試薬容器ホルダ30と、フィン40と、駆動部50とを備える。
【0033】
測定部10は、試薬を用いて検体を測定する。具体的には、測定部10は、試薬容器200の試薬を検体に添加して測定用試料を調整して、検体を測定する。また、測定部10は、検体および試薬により調製された測定用試料に含まれる成分を検出するように構成されている。測定部10による対象成分の検出方法は問わず、化学的方法、光学的方法、電磁気学的方法などの対象成分に応じた方法が採用できる。測定部10は、検出結果に基づいて、たとえば対象成分の有無、対象成分の数または量、対象成分の濃度や存在比率などを測定する。
【0034】
試薬庫20は、試薬が収められた試薬容器200を収容する。試薬庫20は、所定の温度に試薬を保冷または保温する。たとえば、試薬庫20は、試薬を所定の温度に保冷する。つまり、試薬庫20内の温度は、試薬庫20の外部の温度より低く保たれる。
【0035】
試薬容器ホルダ30は、試薬庫20内に配置されている。また、試薬容器ホルダ30は、複数の試薬容器200を保持可能である。また、試薬容器ホルダ30には、検体測定装置100によって自動で、またはユーザによって手動で、試薬容器200がセットされる。試薬容器ホルダ30は、図1のように試薬容器200を吊り下げるように支持してもよい。また、試薬容器ホルダ30は、試薬容器200の下面を支持してもよいし、側面を挟んで支持してもよい。また、試薬容器ホルダ30は、試薬容器200の所定箇所に設けられた係合部(図示せず)を試薬容器ホルダ30の支持する部分に引っかける態様で試薬容器200を保持してもよい。
【0036】
試薬容器ホルダ30は、平面視において、たとえば、円形形状を有している。また、試薬容器ホルダ30は、複数の試薬容器200を円周状に配置可能である。なお、試薬容器ホルダ30は、円形形状以外の形状を有していてもよい。たとえば、試薬容器ホルダ30は、平面視において、矩形形状に形成されていてもよい。また、複数の試薬容器200が直線状に配置されていてもよい。
【0037】
フィン40は、試薬庫20内の空気を循環させる。具体的には、フィン40は、試薬庫20内に設けられ、回転駆動することにより、試薬庫20内の空気を移動させる。これにより、試薬庫20内を効率よく保冷または保温することが可能である。
【0038】
駆動部50は、試薬容器ホルダ30を回転駆動させる。また、駆動部50は、フィン40を回転駆動させる。つまり、駆動部50は、試薬容器ホルダ30およびフィン40の両方を回転駆動させる単一の駆動部である。言い換えると、フィン40は、試薬容器ホルダ30と連動して回転駆動し、試薬庫20内の空気を循環させる。これにより、試薬容器ホルダ30を回転駆動させる駆動部50とは別個に、フィン40を回転駆動させる駆動部を設ける必要がないので、その分のスペースを確保する必要がない。その結果、装置が大型化するのを抑制することができる。また、フィン40を回転駆動させる駆動部を別個に設ける必要がないので、装置構成を簡素化することができるとともに、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0039】
駆動部50は、試薬庫20の外側に配置されている。たとえば、駆動部50は、試薬庫20の下方に配置されている。
【0040】
次に、図2を参照して、他の構成例による検体測定装置101の概要について説明する。
【0041】
検体測定装置101は、検体に所定の1または複数種類の試薬を添加して、測定用試料を調製する。試薬は、ボトル状の試薬容器200に収容された状態で、検体測定装置100にセットされる。図2に示すように、検体測定装置101は、測定部10と、試薬庫20と、試薬容器ホルダ30と、フィン40と、駆動部50とを備える。試薬容器ホルダ30は、第1試薬容器ホルダ31と、第2試薬容器ホルダ32とを含む。駆動部50は、第1駆動部51と、第2駆動部52とを含む。
【0042】
測定部10は、試薬容器200に収容された試薬を用いて検体を測定する。試薬庫20は、試薬が収められた試薬容器200を収容する。試薬容器ホルダ30は、試薬庫20内に配置され、試薬容器200を保持可能である。フィン40は、試薬庫20内の空気を循環させる。
【0043】
第1試薬容器ホルダ31は、円形状に形成されている。第1試薬容器ホルダ31は、複数の試薬容器200を保持可能である。第2試薬容器ホルダ32は、平面視において、第1試薬容器ホルダ31の周囲に配置されている。つまり、第2試薬容器ホルダ32は、平面視において、第1試薬容器ホルダ31を取り囲むように円環状に形成されている。第1試薬容器ホルダ31と第2試薬容器ホルダ32とは、同心状に配置されていて、互いに独立して回転できる。また、第1試薬容器ホルダ31と第2試薬容器ホルダ32とは、略同じ高さ位置に配置されている。
【0044】
第1駆動部51は、第1試薬容器ホルダ31を回転駆動させる。第2駆動部52は、第2試薬容器ホルダ32を回転駆動させる。また、第2駆動部52は、フィン40を回転駆動させる。つまり、第2駆動部52は、第2試薬容器ホルダ32およびフィン40の両方を回転駆動させる単一の駆動部である。これにより、第2試薬容器ホルダ32を回転駆動させる第2駆動部52とは別個に、フィン40を回転駆動させる駆動部を設ける必要がないので、その分のスペースを確保する必要がない。その結果、装置が大型化するのを抑制することができる。また、フィン40を回転駆動させる駆動部を別個に設ける必要がないので、装置構成を簡素化することができるとともに、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0045】
なお、試薬容器ホルダ30は、三重以上の円周状に配列された複数の試薬容器ホルダが設けられていてもよい。
【0046】
つぎに、本実施形態の検体測定装置100により実施される試薬庫20内の空気の循環方法について簡単に説明する。試料測定方法は、以下のステップ(1)~(3)を含む。
(1)試薬庫20内に配置され試薬容器200を保持した試薬容器ホルダ30を回転駆動する。
(2)試薬容器ホルダ30と連動して、フィン40を回転駆動する。
(3)フィン40の回転駆動により試薬庫20内の空気を循環させる。
【0047】
本実施形態の試薬庫20内の空気の循環方法では、上記のように、試薬容器ホルダ30と連動して、フィン40を回転駆動する。これにより、試薬容器ホルダ30を回転駆動させる駆動部50とは別個に、フィン40を回転駆動させる駆動部を設ける必要がないので、その分のスペースを確保する必要がない。その結果、装置が大型化するのを抑制することが可能な試薬庫20内の空気の循環方法を提供することができる。また、フィン40を回転駆動させる駆動部を別個に設ける必要がないので、装置構成を簡素化することができるとともに、部品点数が増加するのを抑制することが可能な試薬庫20内の空気の循環方法を提供することができる。
【0048】
[検体測定装置の具体的な構成例]
次に、図3図16を参照して、検体測定装置100の具体的な構成例について詳細に説明する。図3図16の例では、検体測定装置100は、抗原抗体反応を利用して検体中の被検物質を検出する免疫測定装置である。
【0049】
検体測定装置100は、測定部10と、試薬庫20と、試薬容器ホルダ30と、フィン40と、駆動部50とを備える。また、図3の構成例では、検体測定装置100は、筐体110と、検体搬送部120と、検体分注部130と、反応容器供給部140と、反応容器移送部150と、反応部160と、試薬容器移送部170と、BF分離部180と、試薬分注部190とを備える。測定部10は、検出部11と、制御部12とを含む。
【0050】
筐体110は、検体測定装置100の各部を内部に収容可能な箱状形状を有する。筐体110は、単一階層上に検体測定装置100の各部を収容する構成であってもよいし、上下方向に複数の階層が設けられた階層構造を有し、検体測定装置100の各部をそれぞれの階層に割り当てて配置してもよい。
【0051】
検体搬送部120は、被検体から採取された検体を、検体分注部130による吸引位置まで搬送するように構成されている。検体搬送部120は、検体を収容した試験管が複数設置されたラックを所定の検体吸引位置まで搬送できる。
【0052】
検体分注部130は、検体搬送部120により搬送された検体を吸引し、吸引した検体を反応容器60に分注する。検体分注部130は、吸引および吐出を行うための流体回路に接続されたピペットと、ピペットを移動させる移動機構とを含む。検体分注部130は、図示しないチップ供給部にセットされた分注チップをピペットの先端に装着して、搬送された試験管中の検体を分注チップ内に所定量吸引する。検体分注部130は、吸引した検体を所定の検体分注位置に配置された反応容器60に分注する。分注後、検体分注部130は、分注チップをピペットの先端から取り外して廃棄する。
【0053】
反応容器供給部140は、複数の反応容器60を貯留している。反応容器供給部140は、所定の反応容器供給位置において、反応容器移送部150に反応容器60を1つずつ供給できる。
【0054】
反応容器移送部150は、反応容器60を移送する。反応容器移送部150は、反応容器供給位置から反応容器60を取得し、検体分注部130、試薬分注部190、反応部160、検出部11などの各々の処理位置に反応容器60を移送する。反応容器移送部150は、たとえば反応容器60を把持するキャッチャまたは反応容器60の設置穴を有する保持部と、キャッチャまたは保持部を移動させる移動機構とにより構成される。移動機構は、たとえば1または複数の直線移動可能な直動機構により、1軸または複数軸方向に移動する。移動機構は、回転軸回りに水平回転するアーム機構や、多関節ロボット機構を含んでいてもよい。反応容器移送部150は、1つまたは複数設けられる。
【0055】
反応部160は、ヒーターおよび温度センサを備え、反応容器60を保持して反応容器60に収容された試料を加温して反応させる。加温により、反応容器60内に収容された検体および試薬が反応する。反応部160は、筐体110内に1つまたは複数設けられる。反応部160は、筐体110に固定的に設置されていてもよいし、筐体110内で移動可能に設けられていてもよい。反応部160が移動可能に構成される場合、反応部160は、反応容器移送部150の一部としても機能しうる。
【0056】
試薬容器移送部170は、試薬容器200を移送することができる。たとえば、試薬容器移送部170は、図示しないフィンド機構により試薬容器200を持ち上げ、試薬容器ホルダ30の保持部33にそれぞれセットできる。
【0057】
BF分離部180は、反応容器60から、液相と固相とを分離するBF分離処理を実行する機能を有する。BF分離部180は、それぞれ反応容器60を設置可能な処理ポートを1つまたは複数含む。処理ポートには、R2試薬に含まれる磁性粒子を集磁するための磁力源182(図15参照)と、液相の吸引および洗浄液の供給を行うための洗浄部181(図15参照)とが設けられている。BF分離部180は、後述する免疫複合体が形成された磁性粒子を集磁した状態で、洗浄部181により反応容器60内の液相を吸引して洗浄液を供給する。洗浄部181は、液相の吸引通路と洗浄液の吐出通路とを備え、図示しない流体回路に接続されている。これにより、液相に含まれる不要な成分を免疫複合体と磁性粒子との結合体から分離して除去できる。
【0058】
試薬分注部190は、試薬容器200内の試薬を吸引し、吸引した試薬を反応容器60に分注する。試薬分注部190は、試薬の吸引および吐出を行うための吸引管190aを、試薬吸引位置と、試薬分注位置との間で水平方向に移動できる。また、試薬分注部190は、吸引管190aを下方向に移動させ、試薬容器200の内部に進入させることができる。また、試薬分注部190は、吸引管190aを下方向に移動させ、試薬容器200の上方位置まで吸引管190aを退避させることができる。吸引管190aは、図示しない流体回路と接続され、試薬容器200から所定量の試薬を吸引し、試薬分注位置に移送された反応容器60に試薬を分注する。
【0059】
吸引管190aは、液面センサに接続されている。液面センサは、制御部12に接続されており、試薬容器200から試薬を吸引する際、試薬の液面と吸引管190aとの接触による静電容量の変化に基づいて試薬液面を検知して、検知結果を制御部12に出力する。また、制御部12は、試薬分注部190の動作量を監視することによって、吸引管190aの上下方向の移動量を監視する。
【0060】
試薬分注部190は、たとえば、R1試薬~R3試薬の各々の分注用に、3つ設けられる。1つの試薬分注部190によって、複数種類の試薬を分注してもよい。図3に示した構成例では、試薬分注部190は、R1試薬を分注するための第1試薬分注部191と、R2試薬を分注するための第2試薬分注部192と、R3試薬を分注するための第3試薬分注部193と、を含む。また、試薬分注部190は、R4試薬を分注するための第4試薬分注部194およびR5試薬を分注するための第5試薬分注部195を含む。
【0061】
第1試薬分注部191は、R1試薬を吸引するための最も内周側の孔部21dと、所定のR1試薬分注位置との間で吸引管190aを移動できる。第2試薬分注部192は、R2試薬を吸引するための最も外周側の孔部21dと、所定のR2試薬分注位置との間で吸引管190aを移動できる。第3試薬分注部193は、R3試薬を吸引するための径方向中間位置の孔部21dと、所定のR3試薬分注位置との間で吸引管190aを移動できる。第4試薬分注部194および第5試薬分注部195は、それぞれR4試薬およびR5試薬を収容した試薬容器(図示せず)と送液チューブを介して接続されており、反応容器移送部150によって移送された反応容器60中に試薬を吐出できる。
【0062】
検出部11は、光電子増倍管などの光検出器11a(図15参照)を含む。検出部11は、各種処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光検出器11aで取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定する。
【0063】
制御部12は、CPUなどのプロセッサ12aと、ROM、RAMおよびハードディスクなどの記憶部12bとを含む。プロセッサ12aは、記憶部12bに記憶された制御プログラムを実行することにより、検体測定装置100の制御部として機能する。制御部12は、上述した検体測定装置100の各部の動作を制御する。また、制御部12は、検出部11により検出した結果を測定する。
【0064】
図3の構成例では、検体測定装置100は、試薬容器ホルダ30を収容する箱状の試薬庫20を備える。図4に示すように、試薬容器ホルダ30は、試薬庫20の断熱機能を有するケース21内に設けられている。試薬庫20は、ケース21内に試薬容器ホルダ30と冷却部22とを有し、試薬容器ホルダ30にセットされた試薬容器200内の試薬を保管に適した一定温度に保冷する。また、試薬庫20は、試薬容器200を複数収容させるように、試薬容器ホルダ30を試薬庫20内に配置する。
【0065】
ケース21は、円形状の上面部21aおよび底面部21bと、円筒状の側面部21cとにより区画された内部空間を有する。上面部21a、底面部21bおよび側面部21cは、断熱材を含んでおり、ケース21の内部と外部とを断熱する。たとえば、上面部21a、底面部21bおよび側面部21cは、発砲材料を含んでいる。これにより、試薬容器200を冷温保管することができる。
【0066】
上面部21aは、試薬容器200の上部を覆う。上面部21aは、円板形状を有している。また、上面部21aは、試薬庫20の外周よりも大きい外周を有する。底面部21bは、試薬容器200の下部を覆う。底面部21bは、円板形状を有している。側面部21cは、試薬容器200の側面を覆う。側面部21cは、円筒形状を有している。
【0067】
試薬庫20は、試薬分注部190が試薬庫20の内部へ進入するための孔部21dを有する。孔部21dは、上面部21aに設けられている。また、孔部21dは、複数設けられている。
【0068】
冷却部22は、試薬庫20内の空気を冷却する。冷却部22は、たとえば、ペルチェ素子などを含む冷却源と、熱を伝えるフィンとを含む。また、冷却部22は、試薬庫20の底面部21b付近に複数設けられている。冷却部22には、フィン40により試薬庫20内の空気が送られて、冷却された空気が試薬庫20内を循環される。
【0069】
試薬容器ホルダ30は、複数の試薬容器200を保持することができる。試薬容器ホルダ30は、複数の保持部33を含む。具体的には、試薬容器ホルダ30は、試薬容器200を吊り下げて保持する吊り下げ部34を含む。また、試薬容器ホルダ30は、貫通口35を含む。また、試薬容器ホルダ30は、複数の試薬容器200を円周方向に並べて保持するように形成されている。図4の構成例では、試薬容器ホルダ30は、図5および図6に示すように、第1試薬容器ホルダ31と、第2試薬容器ホルダ32とを含む。また、試薬容器ホルダ30は、回転テーブル38と、連結部材39とを含む。
【0070】
試薬容器ホルダ30の貫通口35は、試薬容器200が挿入されて設置される。具体的には、試薬容器ホルダ30は、貫通口35を有する板状部材30aを含む。また、板状部材30aは、試薬容器200の底面を貫通口35から露出させるように、試薬容器200を保持する。これにより、試薬容器ホルダ30を回転させることにより、試薬容器ホルダ30に保持された試薬容器200により試薬庫20内の空気を流動させることができるので、これによっても、試薬庫20内の空気を循環させることができる。また、板状部材30aは、試薬容器200を吊り下げて保持する吊り下げ部34を複数含む。また、吊り下げ部34は、下方に向かって先細る形状を有する。
【0071】
図4および図5に示すように、試薬容器ホルダ30は、水平に延びる扁平形状に形成されている。これにより、試薬を効率よく保冷または保温するとともに部品点数の増加を抑制することが可能である。
【0072】
試薬容器ホルダ30は、保持部33により、試薬容器200を位置決めして固定する。これにより、試薬容器200を、試薬容器ホルダ30の所定の位置に精度よく配置することができるとともに、試薬容器200が試薬容器ホルダ30に対して移動するのを抑制することができる。
【0073】
試薬容器ホルダ30は、複数の試薬容器200が円周状に配置されるように構成されている。また、試薬容器ホルダ30は、円形の外周縁を有する。これにより、複数の試薬容器200を略円形の試薬容器ホルダ30に円周状に配置してコンパクトに保管庫内に収容することができる。
【0074】
また、試薬容器ホルダ30は、試薬容器200の側面が試薬庫20内に露出するように試薬容器200を保持するように構成されている。これにより、試薬容器ホルダ30を回転させることにより、試薬容器ホルダ30に保持された試薬容器200により試薬庫20内の空気を流動させることができるので、これによっても、試薬庫20内の空気を循環させることができる。
【0075】
また、試薬容器ホルダ30は、試薬容器200を吊り下げて保持するように構成されている。これにより、試薬容器200の上方部分を支持することができるので、上方から試薬を吸引する場合に安定して試薬容器200を保持することができる。
【0076】
また、試薬容器ホルダ30の第1試薬容器ホルダ31は、円形状に形成されている。また、第2試薬容器ホルダ32は、平面視において、第1試薬容器ホルダ31を取り囲むように円環状に形成されている。第1試薬容器ホルダ31と第2試薬容器ホルダ32とは、同心状に配置されていて、互いに独立して回転できる。また、第1試薬容器ホルダ31と第2試薬容器ホルダ32とは、略同じ高さ位置に配置されている。
【0077】
内周側の第1試薬容器ホルダ31は、円周状に複数の試薬容器200を保持できる。外周側の第2試薬容器ホルダ32は、円周状に複数の試薬容器200を保持できる。
【0078】
試薬容器ホルダ30は、保持する試薬容器200内の試薬を撹拌するために、間欠的に回転駆動することが可能である。つまり、試薬容器ホルダ30は、加速と減速とを繰り返すことにより、試薬容器200内の試薬に対して慣性を働かせて、試薬を試薬容器200内において移動させる。これにより、試薬容器200内の試薬を効率よく撹拌することが可能である。
【0079】
たとえば、第2試薬容器ホルダ32には、磁性粒子を含む試薬が収められた試薬容器200がセットされる。磁性粒子の沈殿を抑制するために、常に、または、定期的に試薬を撹拌する必要がある。そこで、第2試薬容器ホルダ32を常に、または、定期的に回転駆動させる。後述するように、第2試薬容器ホルダ32の回転駆動とともに、フィン40が回転駆動されるので、試薬の撹拌とともに、試薬庫20内の空気の循環を行うことができる。
【0080】
フィン40は、試薬庫20内の空気を循環させる。フィン40は、試薬容器ホルダ30を駆動させる駆動部50により回転駆動される。図3の構成例では、フィン40は、第2試薬容器ホルダ32を回転駆動させる第2駆動部52により回転駆動される。つまり、第2駆動部52は、試薬容器ホルダ30およびフィン40の両方を回転駆動させる単一の駆動部である。これにより、装置の大型化を抑制するとともに部品点数の増加を抑制することができる。
【0081】
フィン40および試薬容器ホルダ30は、フィン40の回転軸と試薬容器ホルダ30の回転軸とが同一となるように、配置されている。これにより、試薬容器ホルダ30の回転軸と、フィン40の回転軸とを共通化することができるので、装置構成を簡素化することができる。
【0082】
具体的には、フィン40、第1試薬容器ホルダ31および第2試薬容器ホルダ32は、フィン40の回転軸と第1試薬容器ホルダ31の回転軸と第2試薬容器ホルダ32の回転軸とが同一となるように、配置されている。これにより、第2試薬容器ホルダ32の回転軸と、フィン40の回転軸とを共通化することができるので、装置構成を簡素化することができる。
【0083】
また、駆動部50により駆動されるフィン40は、冷却部22により冷却された空気を循環させるように構成されている。つまり、駆動部50は、冷却部22により冷却された空気を循環させるように、フィン40を駆動させる。これにより、冷却部22により冷却された空気をフィン40により試薬庫20内において循環させることができるので、試薬庫20内を効率よく冷却することができる。
【0084】
また、フィン40は、冷却部22に向けて空気を送るように構成されている。これにより、冷却部22により冷却された空気をフィン40による送風により試薬庫20内に拡散させることができるので、効果的に試薬庫20内を冷却することができる。
【0085】
駆動部50は、試薬容器ホルダ30を回転駆動させる。また、駆動部50は、フィン40を回転駆動させる。具体的には、駆動部50は、第1駆動部51と、第2駆動部52とを含む。第1駆動部51は、第1試薬容器ホルダ31を回転駆動させる。第2駆動部52は、第2試薬容器ホルダ32を回転駆動させる。また、第2駆動部52は、フィン40を回転駆動させる。
【0086】
図7に示すように、第1駆動部51は、試薬庫20の外側に配置されている。具体的には、第1駆動部51は、試薬庫20の下方の外側に配置されている。第1駆動部51は、回転軸511を回転させる。回転軸511は、第1試薬容器ホルダ31を支持している。つまり、第1駆動部51は、回転軸511を介して、第1試薬容器ホルダ31を回転駆動させる。第1駆動部51は、たとえばステッピングモータやサーボモータなどの駆動源である。具体的には、第1駆動部51は、第1試薬容器ホルダ31の中心に接続され上下に延びる回転軸511を回転駆動することにより、第1試薬容器ホルダ31を回転させる。回転軸511は、下端部が第1駆動部51に連結され、上端部が第1試薬容器ホルダ31の中心に連結されている。
【0087】
これにより、試薬庫20の外側に配置された第1駆動部51により、第1試薬容器ホルダ31を容易に回転移動させることができる。また、第1駆動部51を試薬庫20の外に設けることにより、第1駆動部51が第1試薬容器ホルダ31に保持された試薬容器200に干渉するのを抑制することができるとともに、第1駆動部51の熱が試薬庫20内に伝達されるのを抑制することができる。
【0088】
第2駆動部52は、試薬庫20の外側に配置されている。具体的には、第2駆動部52は、試薬庫20の下方の外側に配置されている。第2駆動部52は、支持部521を回転させる。支持部521は、回転テーブル38を支持している。回転テーブル38は、複数の連結部材39を介して第2試薬容器ホルダ32を支持している。つまり、第2駆動部52は、支持部521、回転テーブル38および連結部材39を介して、第2試薬容器ホルダ32を回転駆動させる。第2駆動部52は、たとえばステッピングモータやサーボモータなどの駆動源である。具体的には、第2駆動部52は、伝達機構522を介して第2試薬容器ホルダ32に連結された回転テーブル38を回転駆動することにより、第2試薬容器ホルダ32を回転させる。回転テーブル38は、カップリングおよび支持部521を介して、伝達機構522に連結されている。回転テーブル38および支持部521は、中央に回転軸511を通す貫通孔が設けられており、回転軸511とは独立して回転する。これにより、第2駆動部52と、第1駆動部51とが、それぞれ、外周側の第2試薬容器ホルダ32と、内周側の第1試薬容器ホルダ31とを独立して回転駆動させる。
【0089】
これにより、第1試薬容器ホルダ31とは独立して第2試薬容器ホルダ32を回転移動させることができる。また、第2駆動部52を試薬庫20の外に設けることにより、第2駆動部52が第2試薬容器ホルダ32に保持された試薬容器200に干渉するのを抑制することができるとともに、第2駆動部52の熱が試薬庫20内に伝達されるのを抑制することができる。
【0090】
図8および図9に示すように、フィン40は、回転テーブル38に設けられている。つまり、フィン40は、連結部材39を介して第2試薬容器ホルダ32を支持する回転テーブル38に設けられている。これにより、試薬容器ホルダ30を支持する回転テーブル38にフィン40を設けることができるので、別途フィン40を設けるスペースを設ける必要がない。これにより、装置構成の簡素化および装置の小型化を図ることができる。
【0091】
また、回転テーブル38は、平面視において、略円形の外周縁を有する。また、回転テーブル38は、試薬庫20の下方付近に設けられている。回転テーブル38には、複数の開口が設けられ、回転テーブル38の下方の領域と上方の領域との間で空気が通過しやすくなっている。
【0092】
また、フィン40は、回転テーブル38に一体的に設けられた突起41により構成されている。これにより、回転テーブル38の回転とともに突起41も回転されるので、試薬容器ホルダ30の回転移動に伴って、試薬庫20内に空気の流れを発生させることができる。
【0093】
図8および図9に示す構成例では、突起41は、回転テーブル38の下面に設けられている。つまり、突起41は、回転テーブル38に対して下方に突出するように形成されている。また、突起41は、回転テーブル38の回転により下降流を発生させるように構成されている。つまり、突起41は、回転テーブル38の下方に設けられた冷却部22に向けて気流を発生させる。なお、突起41は、回転テーブル38の上面に設けられていてもよい。また、突起41は、回転テーブル38の外周面に設けられていてもよい。突起41は、試薬庫20内の空気を流動させる羽根形状を有していてもよい。突起41は、回転テーブル38の半径方向に沿って延びるように配置されている。つまり、突起41は、回転テーブル38の回転方向と交差する方向に延びるように配置されている。
【0094】
回転テーブル38は、十~数十rpmの回転速度で回転駆動される。つまり、回転テーブル38とともに回転駆動されるフィン40は、十~数十rpmの回転速度で回転駆動される。
【0095】
突起41は、回転テーブル38に対してネジなどにより締結して取り付けてもよいし、回転テーブル38と一体的に形成してもよい。また、突起41は、回転テーブル38に対して鉛直方向に突出していてもよいし、鉛直方向に対して傾斜して突出していてもよい。また、突起41は、複数設けらている。なお、突起41は、単数設けられていてもよい。
【0096】
試薬容器200は、試薬容器201と、試薬容器202とを含む。図10および図11に示す各構成例では、試薬容器201は、後述するR2試薬を収容する容器本体232を含む。試薬容器202は、後述するR3試薬を収容する容器本体233と、R1試薬を収容する容器本体231とが、1組に連結された多連タイプの試薬容器である。
【0097】
試薬容器201および試薬容器202は、それぞれ、容器本体の上部を覆う上部カバー240を備える。上部カバー240は、容器本体の側面の一部を覆うように容器本体の側面に沿う外周部241を有し、外周部241の下端部に、試薬容器ホルダ30と係合するための係合部242が設けられている。係合部242は、試薬容器ホルダ30の保持部33に支持される。図10および図11の構成例において、上部カバー240は、被把持部243を有する。また、上部カバー240には、開閉可能な蓋部220が設けられている。
【0098】
図4の構成例において、円周方向に並べて保持された複数の試薬容器201の各々の蓋部220は、同一円周状に並んで配置されている。円周方向に並べて保持された複数の試薬容器202の各々の試薬容器202は、同一円周状に並んで配置されている。円周方向に並べて保持された複数の試薬容器202の各々の容器本体231、233は、それぞれ同一円周状に並んで配置されている。試薬容器ホルダ30において、容器本体232、容器本体233、容器本体231の各々は、半径方向の異なる位置に配置されている。そのため、図3に示したように、ケース21の上面部21aには、R1試薬~R3試薬のそれぞれの吸引位置に対応する孔部21dが、対応する試薬容器200の蓋部220が配列された円周上の所定位置に重なるように、3箇所に設けられている。
【0099】
図12に示すように、フィン40は、駆動部50の回転駆動を試薬容器ホルダ30に伝える伝達軸42に設けてもよい。これにより、伝達軸42の回転とともにフィン40も回転されるので、試薬容器ホルダ30の回転移動に伴って、試薬庫20内に空気の流れを発生させることができる。
【0100】
また、図13および図14に示すように、フィン40は、平面視において、試薬容器ホルダ30の回転軸線上とは異なる位置に配置されていてもよい。フィン40は、ギア43および44と、伝達軸42を介して、駆動部50に接続されている。フィン40の回転軸線は、平面視において、伝達軸42とは、オフセットされる。また、ギア43の歯数は、ギア44の歯数よりも少ない。これにより、伝達軸42の回転駆動が増速されて、フィン40に伝達される。その結果、試薬容器ホルダ30に対してフィン40の回転数を大きくすることが可能である。また、図13および図14に示す構成例では、フィン40は、4つ設けられている。なお、フィン40は、3つ以下設けられていてもよいし、5つ以上設けられていてもよい。
【0101】
(免疫測定の概要)
図3図14に示した構成例では、上記の通り、R1試薬~R5試薬を用いて免疫測定が行われる。図15を参照して、免疫測定の一例として、被検物質81がB型肝炎表面抗原(HBsAg)である例について説明する。
【0102】
まず、反応容器60に被検物質81を含む検体とR1試薬とが分注される。第1試薬分注部191により、R1試薬が反応容器60中に分注され、検体分注部130により、反応容器60中に検体が分注される。R1試薬は、捕捉物質84を含有し、被検物質81と反応して結合する。捕捉物質84は、捕捉物質84がR2試薬に含まれる固相担体82と結合するための結合物質を含む。
【0103】
この結合物質と固相担体との結合には、たとえばビオチンとアビジン類、ハプテンと抗ハプテン抗体、ニッケルとヒスタチジンタグ、グルタチオンとグルタチオン-S-トランスフェラーゼなどの組み合わせが利用できる。なお、「アビジン類」とは、アビジンおよびストレプトアビジンを含むことを意味する。
【0104】
たとえば、捕捉物質84は、ビオチンで修飾された抗体(biotin抗体)である。すなわち、捕捉物質84には、結合物質としてビオチンが修飾されている。検体とR1試薬との分注後、反応部160において反応容器60内の試料が所定温度に加温されることにより、捕捉物質84と被検物質81とが結合する。
【0105】
次に、第2試薬分注部192により、反応容器60にR2試薬が分注される。R2試薬は、固相担体82を含有する。固相担体82は、捕捉物質84の結合物質と結合する。固相担体82は、たとえばビオチンと結合するストレプトアビジンを固定した磁性粒子(StAvi結合磁性粒子)である。StAvi結合磁性粒子のストレプトアビジンは、結合物質であるビオチンと反応して結合する。R2試薬の分注後、反応部160において反応容器60内の試料が所定温度に加温される。この結果、被検物質81と捕捉物質84とが、固相担体82と結合する。
【0106】
固相担体82上に形成された被検物質81および捕捉物質84と、未反応の捕捉物質84とは、BF分離部180による1次BF分離処理によって分離される。BF分離部180の処理ポートに反応容器60がセットされると、BF分離部180は、磁力源182による集磁状態での洗浄部181による液相の吸引と、洗浄液の吐出と、非集磁状態での攪拌と、の各工程を1または複数回実行する。1次BF分離処理によって、未反応の捕捉物質84などの不要成分が、反応容器60中から除去される。1次BF分離処理では、最終的に反応容器60内の液相が吸引された状態で、次の工程に進む。
【0107】
次に、第3試薬分注部193により、反応容器60にR3試薬が分注される。R3試薬は、標識物質83を含有し、被検物質81と反応して結合する。R3試薬の分注後、反応部160において反応容器60内の試料が所定温度に加温される。この結果、固相担体82上に、被検物質81と、標識物質83と、捕捉物質84とを含む免疫複合体85が形成される。図15の例では、標識物質83は、ALP(アルカリホスファターゼ)標識抗体である。
【0108】
固相担体82上に形成された免疫複合体85と、未反応の標識物質83とは、2次BF分離処理によって分離される。BF分離部180は、磁力源182による集磁状態での液相の吸引と、洗浄液の吐出と、非集磁状態での攪拌と、の各工程を1または複数回実行する。2次BF分離処理によって、未反応の標識物質83などの不要成分が、反応容器60中から除去される。2次BF分離処理では、最終的に反応容器60内の液相が吸引された状態で、次の工程に進む。
【0109】
その後、第4試薬分注部194および第5試薬分注部195の各々により、反応容器60にR4試薬およびR5試薬が分注される。R4試薬は、緩衝液を含有する。固相担体82と結合した免疫複合体85が緩衝液中に分散される。R5試薬は、化学発光基質を含有する。R4試薬に含有される緩衝液は、免疫複合体85に含まれる標識物質83の標識(酵素)と基質との反応を促進する組成を有する。R4、R5試薬の分注後、反応部160において反応容器60内の試料が所定温度に加温される。標識に対して基質を反応させることによって光が発生し、発生する光の強度が検出部11の光検出器11aにより測定される。制御部12は、検出部11の検出信号に基づいて、検体中の被検物質81の含有量などを測定する。
【0110】
(測定処理動作の説明)
次に、図15に示した検体測定装置100の測定処理動作を、図16を用いて説明する。また、図16に示す各ステップの処理は、制御部12によって制御される。
【0111】
ステップS1において、制御部12は、反応容器移送部150に反応容器60をR1試薬分注位置に移送させる。制御部12は、第1試薬分注部191に、反応容器60内にR1試薬を分注させる。
【0112】
ステップS2において、反応容器60に検体が分注される。制御部12は、検体分注部130により検体搬送部120上の試験管から検体を吸引させる。制御部12は、検体分注部130により、吸引した検体を反応容器60に分注させる。分注後、検体分注部130は、図示しない廃棄口に分注チップを廃棄するように制御される。検体分注部130は、分注チップを介した分注動作を行う度に、未使用の分注チップに交換する。
【0113】
ステップS3において、制御部12は、反応容器移送部150により反応容器60をR2試薬分注位置に移送させ、第2試薬分注部192により反応容器60にR2試薬を分注させる。R2試薬の分注後、制御部12は、反応容器移送部150により、反応部160に反応容器60を移送させる。反応容器60は、反応部160において所定時間の間加温される。
【0114】
ステップS4において、制御部12は、BF分離部180に1次BF分離処理を実行させる。まず、制御部12は、反応容器移送部150により反応容器60をBF分離部180に移送させる。BF分離部180は、反応容器60中の試料に対して1次BF分離処理(図15参照)を行い、液体成分を除去するように制御される。
【0115】
ステップS5において、制御部12は、反応容器移送部150により反応容器60をR3試薬分注位置に移送し、第3試薬分注部193により反応容器60にR3試薬を分注させる。R3試薬の分注後、制御部12は、反応容器移送部150により、反応部160に反応容器60を移送させる。反応容器60は、反応部160において所定時間の間加温される。
【0116】
ステップS6において、制御部12は、BF分離部180に2次BF分離処理を実行させる。まず、制御部12は、反応容器移送部150により反応容器60をBF分離部180に移送させる。BF分離部180は、反応容器60中の試料に対して2次BF分離処理(図15参照)を行い、液体成分を除去するように制御される。
【0117】
ステップS7において、反応容器60にR4試薬が分注される。制御部12は、反応容器移送部150により反応容器60をR4試薬分注位置に移送させ、第4試薬分注部194により、反応容器60にR4試薬を分注させる。
【0118】
ステップS8において、反応容器60にR5試薬が分注される。制御部12は、反応容器移送部150により反応容器60をR5試薬分注位置に移送させ、第5試薬分注部195により、反応容器60にR5試薬を分注させる。R5試薬の分注後、制御部12は、反応容器移送部150により、反応部160に反応容器60を移送させる。反応容器60は、反応部160において所定時間の間加温される。
【0119】
ステップS9において、免疫複合体85の検出処理が行われる。制御部12は、反応容器移送部150により反応容器60を検出部11に移送させる。検出部11により、標識に対して基質を反応させることによって生じる光の強度が測定される。検出部11の検出結果は、制御部12に出力される。
【0120】
検出終了後は、ステップS10において、反応容器移送部150が、測定処理済みの反応容器60を検出部11から取り出して、図示しない廃棄口に廃棄するように制御される。
【0121】
以上により、検体測定装置100による測定処理動作が行われる。
【0122】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0123】
10:測定部、20:試薬庫、22:冷却部、30:試薬容器ホルダ、30a:板状部材、31:第1試薬容器ホルダ、32:第2試薬容器ホルダ、34:吊り下げ部、35:貫通口、38:回転テーブル、39:連結部材、40:フィン、41:突起、42:伝達軸、50:駆動部、51:第1駆動部、52:第2駆動部、100、101:検体測定装置、200:試薬容器、521:支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
図17