(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】活性マトリックスおよびその製造方法、ならびに(残油)流動接触分解触媒
(51)【国際特許分類】
B01J 29/16 20060101AFI20220707BHJP
B01J 21/06 20060101ALI20220707BHJP
B01J 35/10 20060101ALI20220707BHJP
B01J 37/03 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
B01J29/16 M
B01J21/06 M
B01J35/10 301A
B01J37/03 B
(21)【出願番号】P 2018054522
(22)【出願日】2018-03-22
【審査請求日】2021-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000190024
【氏名又は名称】日揮触媒化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】江藤 真由美
(72)【発明者】
【氏名】正木 千鈴
(72)【発明者】
【氏名】水野 隆喜
【審査官】若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2003/064038(WO,A1)
【文献】特表2005-536343(JP,A)
【文献】国際公開第2016/170995(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/026574(WO,A1)
【文献】特開平04-305248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動接触分解触媒または残油流動接触分解触媒の中に添加される活性マトリックスであって、
アルミニウムおよびチタンの複合酸化物および/またはその含水物、あるいはアルミニウム、チタンおよび金属元素Mの複合酸化物および/またはその含水物を含んでなり、
前記金属元素Mは、ジルコニウム、イットリウムおよびニオブからなる群から選ばれ、
チタンおよび金属元素Mの含有量の合計がTiO
2およびMO
x/2(ただし、xは金属元素Mの価数である。)の合計量に換算して1~
15質量%であり、
金属元素Mが含まれる場合は、チタンの含有量と金属元素Mの含有量との比が、(TiO
2の含有量)/(MO
x/2の含有量)に換算して0.1以上であり、
酸量が0.20~0.45mmol/gであり、
比表面積が200~400m
2/gである
活性マトリックス。
【請求項2】
アルミニウム塩およびチタン塩の溶液をアルミン酸塩の溶液に添加してアルミニウムおよびチタンの複合酸化物および/またはその含水物を析出させる工程、あるいは
アルミニウム塩、チタン塩および前記金属Mの塩の溶液をアルミン酸塩の溶液に添加してアルミニウム、チタンおよび金属元素Mの複合酸化物および/またはその含水物を析出させる工程
を含む、請求項1に記載の活性マトリックスの製造方法。
【請求項3】
アルミニウム塩およびチタン塩の溶液をアルミン酸塩の溶液に添加する前、またはアルミニウム塩、チタン塩および前記金属Mの塩の溶液をアルミン酸塩の溶液に添加する前に、前記アルミン酸塩の溶液にアルミン酸塩の加水分解の抑制剤を添加する工程を含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
ゼオライトおよびマトリックスを含み、前記マトリックスが請求項1に記載の活性マトリックスを含む流動接触分解触媒。
【請求項5】
ゼオライトおよびマトリックスを含み、前記マトリックスが請求項1に記載の活性マトリックスを含む残油流動接触分解触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(残油)流動接触分解触媒のマトリックスを形成する材料として使用される活性マトリックスおよびその製造方法、ならびに(残油)流動接触分解触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
製油所での残油処理比率の増加を背景とし、流動接触分解触媒、特に残油流動接触分解用の触媒の改良が求められている。具体的には、常圧蒸留残渣油などの重質炭化水素油に対する分解能力(以下「ボトム分解能」とも記載する。)の高さや、触媒表面に析出するコークの析出量が少ないことなど、種々の観点で高い性能を発揮できる触媒が求められている。
これらの要求に応えるべく、従来、様々な技術が提案されている。(たとえば、特許文献1~3)。
【0003】
また特許文献4には、良好な摩耗耐性および高いアクセシビリティを有する触媒の提供を目的とした触媒の製造方法が開示され、触媒前駆体混合物に、添加剤としてZrの化合物を添加してもよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-080326号公報
【文献】特開2014-231034号公報
【文献】特開2017-087204号公報
【文献】特表2004-528180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ボトム分解能を高め、コークの析出量を低減させるための従来の技術には、たとえばゼオライトを改質するといったものが多かったが、従来公知のゼオライトを使用しつつ、ボトム分解能を高め、コークの析出量を低減させる技術が発現すれば、その利用価値は高い。
本発明は、(残油)流動接触分解において、ボトム分解能を高め、コークの析出量を低減させるための新たな手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、(残油)流動接触分解触媒中で原料油の粗分解に寄与しているとされる活性アルミナに着目し、活性アルミナに改良を加えることで上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
【0007】
本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕
流動接触分解触媒または残油流動接触分解触媒の中に添加される活性マトリックスであって、
アルミニウムおよびチタンの複合酸化物および/またはその含水物、あるいはアルミニウム、チタンおよび金属元素Mの複合酸化物および/またはその含水物を含んでなり、
前記金属元素Mは、ジルコニウム、イットリウムおよびニオブからなる群から選ばれ、
チタンおよび金属元素Mの含有量の合計がTiO2およびMOx/2(ただし、xは金属元素Mの価数である。)の合計量に換算して1~20質量%であり、
金属元素Mが含まれる場合は、チタンの含有量と金属元素Mの含有量との比が、(TiO2の含有量)/(MOx/2の含有量)に換算して0.1以上であり、
酸量が0.20~0.45mmol/gであり、
比表面積が200~400m2/gである
活性マトリックス。
【0008】
〔2〕
アルミニウム化合物およびチタン化合物の酸性溶液をアルミン酸塩の溶液に添加してアルミニウムおよびチタンの複合酸化物を析出させる工程、あるいは
アルミニウム化合物、チタン化合物および前記金属Mの化合物の酸性溶液をアルミン酸塩の溶液に添加してアルミニウム、チタンおよび金属元素Mの複合酸化物および/またはその含水物を析出させる工程
を含む、上記〔1〕の活性マトリックスの製造方法。
【0009】
〔3〕
ゼオライトおよびマトリックスを含み、前記マトリックスが上記〔1〕の活性マトリックスを含む流動接触分解触媒。
【0010】
〔4〕
ゼオライトおよびマトリックスを含み、前記マトリックスが上記〔1〕の活性マトリックスを含む残油流動接触分解触媒。
【発明の効果】
【0011】
本発明の活性マトリックスまたは(残油)流動接触分解触媒を用いることにより、(残油)流動接触分解において、ボトム分解能を高め、コークの析出量を低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明をさらに詳細に説明する。
なお、流動接触分解触媒および残油流動接触分解触媒を、特に区別せずに「(残油)流動接触分解触媒」とも記載する。
【0013】
[活性マトリックス]
本発明に係る活性マトリックスは、
流動接触分解触媒または残油流動接触分解触媒の中に添加される活性マトリックスであって、
アルミニウムおよびチタンの複合酸化物および/またはその含水物、あるいはアルミニウム、チタンおよび金属元素Mの複合酸化物および/またはその含水物を含んでなり、
前記金属元素Mは、ジルコニウム、イットリウムおよびニオブからなる群から選ばれ、
チタンおよび金属元素Mの含有量の合計がTiO2およびMOx/2(ただし、xは金属元素Mの価数である。)の合計量に換算して1~20質量%であり、
金属元素Mが含まれる場合は、チタンの含有量と金属元素Mの含有量との比が、(TiO2の含有量)/(MOx/2の含有量)に換算して0.1以上であり、
酸量が0.20~0.45mmol/gであり、
比表面積が200~400m2/gである
ことを特徴としている。
【0014】
前記複合酸化物の含水物としては、たとえば前記複合酸化物のゲルが挙げられる。以下、複合酸化物および/またはその含水物(含水複合酸化物)を、まとめて「(含水)複合酸化物」とも記載する。
【0015】
前記(含水)複合酸化物は、本発明に係る活性マトリックスの主成分であり、活性マトリックス中に、たとえば95質量%以上、好ましくは99質量%以上、より好ましくは99.9質量%以上含まれる。
【0016】
本発明に係る活性マトリックスには、少量のアンモニウム塩、アルカリ金属(たとえばナトリウム)またはその塩などが含まれていてもよい。
前記金属元素Mとしては、ジルコニウムが好ましい。
【0017】
本発明に係る活性マトリックスにおけるチタンおよび金属元素Mの含有量の合計は、TiO2およびMOx/2(ただし、xは金属元素Mの価数である。)の合計量に換算して1~20質量%、好ましくは5~15質量%である。
【0018】
また、金属元素Mが含まれる場合は、チタンの含有量と金属元素Mの含有量との比は、(TiO2の含有量)/(MOx/2の含有量)に換算して0.1以上、好ましくは100~0.1、より好ましくは50~0.5の範囲にある。
【0019】
チタンおよび金属元素Mの含有量の合計、ならびにチタンの含有量と金属元素Mの含有量との比が上記範囲にあると、(残油)流動接触分解において、ボトム分解能を高め、コークの析出量を低減させることができる。
【0020】
本発明に係る活性マトリックスの、下記の方法で測定される酸量は、0.20~0.45mmol/g、好ましくは0.25~0.40mmol/gである。
酸量が上記範囲にあると、ボトム分解能を高め、コークの析出量を低減させることができる。
【0021】
<酸量の測定方法>
昇温脱離(TPD)装置の試料室内に活性マトリックスを導入し、試料室内を500℃で1時間排気処理した後、100℃まで降温させ、活性マトリックスに100℃で0.5時間かけてアンモニアガスを吸着させる。次いで、試料室内を100℃で0.5時間排気処理した後、ヘリウムガスの流通下で、活性マトリックスを100℃から10℃/分の昇温速度で700℃まで加熱し、その間に脱離するアンモニアの量を測定する。脱離したアンモニアの総量をアンモニア吸着量とし、このアンモニア吸着量に基づいて酸量を算出する。
【0022】
前記酸量は、たとえば活性マトリックス中のTiの量が増加すると、減少する傾向にある。
本発明に係る活性マトリックスの、下記の方法で測定される比表面積は、200~400m2/g、好ましくは220~360m2/g、より好ましくは250~350m2/gである。
比表面積が上記範囲にあると、(残油)流動接触分解において、ボトム分解能を高め、コークの析出量を低減させることができる。
【0023】
<比表面積の測定方法>
真空排気しながら500℃で1時間熱処理した活性マトリックスに対して、窒素ガスを吸着させ、BET法により比表面積(m2/g)を算出する。
前記比表面積は、たとえば活性マトリックス中の金属元素Mの量が増えると、減少する傾向にある。
本発明に係る活性マトリックスは、(残油)流動接触分解触媒の中に添加されると、すなわち後述するように(残油)流動接触分解触媒のマトリックスの原料として使用すると、(残油)流動接触分解において、ボトム分解能を高め、コークの析出量を低減させることができる。
【0024】
(活性マトリックスの製造方法)
本発明に係る活性マトリックスは、アルミニウム化合物およびチタン化合物の酸性溶液をアルミン酸塩の溶液に添加してアルミニウムおよびチタンの(含水)複合酸化物を析出させる工程、またはアルミニウム化合物、チタン化合物および前記金属Mの化合物の酸性溶液をアルミン酸塩の溶液に添加してアルミニウム、チタンおよび金属元素Mの(含水)複合酸化物を析出させる工程を含む製造方法により製造することができる。
【0025】
前記アルミニウム化合物およびチタン化合物の酸性溶液は、たとえばアルミニウム化合物の溶液とチタン化合物の溶液とを混合する方法、またはアルミニウム化合物およびチタン化合物を溶媒と混合する方法により調製してもよい。
【0026】
また、前記アルミニウム化合物、チタン化合物および金属元素Mの化合物の酸性溶液は、たとえばアルミニウム化合物の溶液とチタン化合物の溶液と金属元素Mの化合物の溶液とを混合する方法、アルミニウム化合物の溶液とチタン化合物および金属元素Mの化合物の溶液とを混合する方法、またはアルミニウム化合物、チタン化合物および金属元素Mの化合物を溶媒と混合する方法により調製してもよい。
【0027】
前記アルミニウム化合物としてはアルミニウム塩が挙げられ、アルミニウム塩の例としては、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、が挙げられ、硫酸アルミニウムが好ましい。また、アルミニウム化合物の溶液としては、ポリ塩化アルミニウム、酸化アルミニウム、または水酸化アルミニウムを溶解させた溶液も挙げられる。
【0028】
前記チタン化合物の例としては、硫酸チタニル、四塩化チタンが挙げられ、硫酸チタニルが好ましい。
前記金属元素Mの塩の例としては、金属元素Mの硫酸塩、硝酸塩、塩化物などの無機酸塩が挙げられ、硫酸塩や塩化物が好ましい。さらに具体的な例としては、硫酸ジルコニウム、硫酸イットリウム、硝酸イットリウム、塩化ジルコニウム、塩化イットリウム、塩化ニオブが挙げられ、硫酸ジルコニウム、硫酸イットリウム、塩化ニオブが好ましい。
【0029】
前記アルミニウム化合物と前記チタン化合物との組み合わせとしては、硫酸アルミニウムと硫酸チタニルとの組み合わせ、塩化アルミニウムと四塩化チタンとの組み合わせが好ましい。
【0030】
前記アルミニウム化合物と前記チタン化合物と前記金属元素Mの化合物との組み合わせとしては、硫酸アルミニウムと硫酸チタニルと金属元素Mの硫酸塩(たとえば硫酸ジルコニウム)との組み合わせ、塩化アルミニウムと四塩化チタンと金属元素Mの塩化物(たとえば塩化ジルコニウム)との組み合わせが好ましい。
【0031】
前記溶液に含まれる溶媒としては水が好ましい。すなわち、前記溶液としては水溶液が好ましい。
前記溶液は、アルミニウム化合物、チタン化合物および任意の金属元素Mの化合物の選択により、あるいは酸(たとえば、塩酸)の添加により、酸性とすることができる。
【0032】
前記アルミン酸塩の溶液に含まれるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムが挙げられ、アルミン酸ナトリウムが好ましい。
前記アルミン酸塩の溶液に含まれる溶媒としては水が好ましい。すなわち、前記溶液としては水溶液が好ましい。
【0033】
本発明に係る製造方法では、前記アルミニウム化合物、チタン化合物および任意の金属元素Mの化合物の溶液を前記アルミン酸塩の溶液に添加してアルミニウム、チタンおよび任意の金属元素Mの(含水)複合酸化物を析出させる。
【0034】
この添加の際の温度は、たとえば20~80℃、好ましくは30~70℃である。温度がこの範囲にあるとバイヤライトまたはチタンの酸化物等の生成を抑制することができる。
【0035】
この添加の前に、予め前記アルミン酸塩の溶液にアルミン酸塩の加水分解の抑制剤が添加されてもよい。前記抑制剤の例としては、グルコン酸ナトリウム挙げられる。前記抑制剤は、たとえば水溶液の形態で前記アルミン酸塩の溶液に添加される。
【0036】
前記アルミニウム化合物、チタン化合物および任意の金属元素Mの化合物の溶液は、前記アルミン酸塩の溶液1,000gに対して、たとえば50~150g/分、好ましくは60~120g/分程度の速度で添加される。添加速度がこの範囲にあるとバイヤライトまたはチタンの酸化物等の生成を抑制することができる。
【0037】
前記アルミニウム化合物、チタン化合物および任意の金属元素Mの化合物の溶液と前記アルミン酸塩の溶液との割合は、製造しようとする(含水)複合酸化物中のアルミニウムとチタンと任意の金属元素Mとの所望の割合、系中の硫酸イオン等の共存イオン濃度などを考慮して適宜調整すればよい。
【0038】
前記アルミニウム塩、チタン塩および任意の金属元素Mの塩の溶液を前記アルミン酸塩の溶液に添加すると、アルミニウム、チタンおよび任意の金属元素Mの複合酸化物が、通常、ヒドロゲルスラリーの形態で得られる。
【0039】
ヒドロゲルスラリーを、好ましくは重炭酸アンモニウム水溶液などで洗浄し、次いで水で洗浄し、その後濾過することにより、前記(含水)複合酸化物を含む活性マトリックスが得られる。
【0040】
[(残油)流動接触分解用触媒]
本発明に係る流動接触分解触媒は、ゼオライトおよびマトリックスを含み、前記マトリックスが上述した本発明に係る活性マトリックスを含むことを特徴としている。
また、本発明に係る残油流動接触分解触媒は、ゼオライトおよびマトリックスを含み、前記マトリックスが上述した本発明に係る活性マトリックスを含むことを特徴としている。
【0041】
《ゼオライト》
ゼオライトとしては、(残油)流動接触分解触媒に従来使用されているゼオライトを使用することができ、たとえば、FAU型(フォージャサイト型。たとえば、Y型ゼオライト、X型ゼオライト。)、MFI型(たとえば、ZSM-5、TS-1。)、CHA型(。たとえば、チャバサイト、SAPO-34。)、またはMOR型(たとえば、モルデナイト。)のいずれか1または2以上のゼオライトが挙げられ、特にFAU型ゼオライトが好ましい。FAU型ゼオライトとしては、水素型Y型ゼオライト(HY)、超安定化Y型ゼオライト(USY)、HYに希土類金属をイオン交換等により担持させたレアアース交換Y型ゼオライト(REY)、USYに希土類金属をイオン交換等により担持させたレアアース交換超安定化Y型ゼオライト(REUSY)が挙げられ、特にUSYが好ましい。
【0042】
《マトリックス》
前記マトリックスは、上述した本発明に係る活性マトリックスを含む。
前記マトリックスは、さらに、結合剤、増量剤、各種添加物など、(残油)流動接触分解触媒に従来含まれる成分を含んでいてもよい。
【0043】
前記結合剤としては、たとえばシリカ、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア等のシリカ系結合剤、およびアルミナ-リン酸アルミニウム、リン修飾アルミナ、アルミナ-マグネシア等のアルミナ系結合剤が挙げられる、好ましくはシリカ系結合剤が挙げられる。
【0044】
前記増量剤としては、たとえばカオリン、ベントナイト、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト等の粘土または粘土鉱物が挙げられ、好ましくはカオリンが挙げられる。
【0045】
前記添加物の例としては金属捕捉剤(たとえば、二酸化マンガン)が挙げられる。
また、前記マトリックスは、本発明の効果が損なわれない範囲で従来の活性マトリックス(活性アルミナ)を含んでいてもよい。
【0046】
《(残油)流動接触分解触媒》
本発明に係る(残油)流動接触分解触媒は、
前記ゼオライトを、たとえば10~50質量%、好ましくは15~45質量%;
本発明に係る活性マトリックスを、たとえば1~30質量%、好ましくは2~25質量%;
前記結合剤を、たとえば5~30質量%、好ましくは10~25質量%;
前記増量剤を、たとえば5~50質量%、好ましくは7~40質量%;および
前記添加剤を、たとえば0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%;
の割合で含む。
【0047】
また、前記結合剤に活性アルミナが含まれる場合、(残油)流動接触分解触媒中の活性アルミナの量はたとえば1~30質量%、好ましくは5~25質量%である。
本発明に係る(残油)流動接触分解触媒は、さらに希土類金属を含んでいてもよい。
【0048】
本発明に係る(残油)流動接触分解触媒の、後述する実施例で採用された方法で測定される平均粒子径は、たとえば40~90μm、好ましくは50~80μmである。
本発明に係る(残油)流動接触分解触媒のチタンおよび任意の金属元素Mの含有量(TiO2およびMOx/2(ただし、xは金属元素Mの価数である。)の合計量に換算)は、たとえば0.1~5質量%、好ましくは0.2~3質量%である。
【0049】
本発明に係る(残油)流動接触分解触媒の、水銀注入法により測定される細孔容積は、たとえば0.25~0.45ml/g、好ましくは0.26~0.35ml/gである。
本発明に係る(残油)流動接触分解触媒の、後述する実施例で採用された方法で測定される比表面積は、たとえば180~320m2/gである。
【0050】
本発明に係る(残油)流動接触分解触媒の、後述する実施例で採用された方法で測定される嵩密度は、たとえば0.68g/ml以上である。
本発明に係る(残油)流動接触分解触媒は、本発明に係る活性マトリックスを含んでいるため、これを含まない(残油)流動接触分解触媒と比べて、ボトム分解能が高く、コークの析出量が少ない点で優れている。
【0051】
((残油)流動接触分解触媒の製造方法)
本発明に係る(残油)流動接触分解触媒は、活性マトリックスとして本発明に係る活性マトリックスを使用することを除けば従来公知の方法により製造することができる。
たとえば、本発明に係る活性マトリックスと、上述したゼオライト、結合剤、増量剤および各種添加物、またはこれらの原料と、溶媒(たとえば、水)とを常法により混合してスラリーを調製し、このスラリーを噴霧乾燥することにより、粒子状の本発明に係る(残油)流動接触分解触媒を製造することができる。
【0052】
各成分は、各成分またはその原料のそのものを混合に供してもよく、スラリー(溶媒としては、水が挙げられる。)の形態で混合に供してもよい。
前記結合剤の原料の例としては、シリカゾル、シリカ-アルミナゾルが挙げられる。
【0053】
前記噴霧乾燥に供される前記スラリーの固形分濃度は、噴霧乾燥の操作性の観点から、たとえば25~50質量%である。
前記噴霧乾燥の条件は、たとえは以下のとおりである。
スプレー入口温度:200~450℃
出口温度:110~350℃
【0054】
前記噴霧乾燥により得られた(残油)流動接触分解触媒の粒子は、水で洗浄し、次いで乾燥させてもよい。
前記噴霧乾燥により得られた粒子には、ゼオライトへのイオン交換の観点から、希土類金属を、たとえばその塩化物の水溶液として接触させてもよい。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<測定方法ないし評価方法>
実施例等における測定方法ないし評価方法は、以下のとおりである。
[活性マトリックスの測定方法ないし評価方法]
(各元素の含有量)
各元素の質量分析は、Naは原子吸光光度計、Na以外は誘導結合プラズマ分光分析装置にて化学分析を行った。具体的には、活性マトリックスに硫酸とフッ化水素酸を加え加熱し、乾固させ、乾固物を濃塩酸に溶解し、水で濃度10~100質量ppmに希釈した溶液に調製し、株式会社 日立ハイテクサイエンス社製の原子吸光光度計(Z-2310)、(株)島津製作所製 誘導結合プラズマ分光分析装置(ICPS-8100)にて分析した。波長は、Na:589.6nm、Al:396.2nm、Ti:323.5nm、Zr:349.6nmである。
【0056】
(組成)
実施例等の活性マトリックスの一部を抜き出し、活性マトリックスおよび前記活性マトリックスを焼成(600℃)したものをX線回折分析法に供し、活性マトリックスの組成を確認した。
【0057】
(酸量)
実施例等の活性マトリックスの酸量を、昇温脱離法(NH3-TPD法)により測定した。具体的には、昇温脱離(TPD)装置(マイクロトラックベル社製 BELCAT-B)の試料室内に実施例等の活性マトリックスを0.2グラム導入し、試料室内を500℃で1時間排気処理した後、100℃まで降温させ、活性マトリックスに100℃で0.5時間かけてアンモニアガスを吸着させる。次いで、試料室内を100℃で0.5時間排気処理した後、50ml/分の量のヘリウムガスの流通下で、活性マトリックスを100℃から10℃/分の昇温速度で700℃まで加熱し、100℃から700℃までの加熱の間に脱離するアンモニアの量を測定した。脱離したアンモニアの総量をアンモニア吸着量とし、このアンモニア吸着量に基づいて酸量を算出した。
【0058】
(比表面積)
実施例等の活性マトリックスの比表面積を、マイクロトラック・ベル株式会社製のBELSORP-mini Ver2.5.6により測定した。具体的には、真空排気しながら500℃で1時間熱処理した活性マトリックスに対して、窒素ガスを吸着させ、BET法により比表面積(m2/g)を算出した。
【0059】
[触媒の測定方法ないし評価方法]
(平均粒子径)
実施例等の触媒の粒度分布を、堀場製作所(株)製レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA-300)により測定した。具体的には、光線透過率が70~95%の範囲となるように試料を溶媒(水)に投入し、循環速度:2.8L/分、超音波照射:3分間、反復回数:30回の条件で測定した。メジアン径(D50)を平均粒子径として採用した。
【0060】
(嵩密度)
実施例等の触媒を、200mlのガラス製メスシリンダーに、その上端から10cmの高さから自重落下させて充填し、触媒質量を充填容積で除して嵩密度(g/ml)を求めた。
【0061】
(比表面積)
実施例等の触媒の比表面積を、マイクロトラック・ベル株式会社製のBELSORP-mini Ver2.5.6により測定した。具体的には、真空排気しながら500℃で1時間熱処理した触媒に対して、窒素ガスを吸着させ、BET法により比表面積(m2/g)を算出した。
【0062】
(細孔容積)
実施例等の触媒約0.4gを全自動多機能水銀ポロシメーター(Quantachrome社製:POREMASTER 60-GT)にセットし、真空脱気した後、20から55000psiの範囲で水銀を圧入して細孔容積を測定した。
【0063】
(触媒活性)
実施例等の触媒について、ACE-MAT(Advanced Cracking Evaluation-Micro Activity Test)を用い、性能評価試験を行った。前処理として、触媒を600℃で2時間焼成した後、触媒にミッチェル法でニッケルを1000ppm、バナジウムを2000ppm担持させ、次いで100%水蒸気雰囲気下で、780℃で13時間熱処理した。
【0064】
触媒の性能評価試験における反応条件は以下のとおりである。
原料油:脱硫減圧軽油(DSVGO)50質量%+脱硫常圧蒸留残渣油(DSAR)50質量%
反応温度:520℃
触媒質量基準の空間速度(WHSV):8h-1
触媒/油比:5.0(質量%/質量%)
転化率:100-(LCOおよびHCOの収率)
生成油のカット温度
ガソリン:C5~沸点216℃
ライトサイクルオイル(LCO):沸点範囲216~343℃
ヘビーサイクルオイル(HCO):沸点範囲343℃以上
【0065】
<活性マトリックスの製造>
[実施例1]~新規活性マトリックス((TiO2+ZrO2)/Al2O3=10/90、TiO2/ZrO2=49)の製造~
TiをTiO2の量に換算して33質量%含む硫酸チタニル水和物の結晶148.0gを純水832.0gで希釈した。次に、ZrをZrO2の量に換算して18.32質量%含む硫酸ジルコニウム水溶液5.5gを純水14.5gで希釈し、硫酸チタニル水溶液と混合した。この希釈硫酸チタニル-硫酸ジルコニウム水溶液を、AlをAl2O3の量に換算して2.5質量%含む硫酸アルミニウム水溶液5045.0gと混合し60℃に加温した。この混合水溶液を、AlをAl2O3の量に換算して4.1質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液7843.9gと濃度26.8質量%のグルコン酸ナトリウム水溶液36.0gとの混合水溶液(60℃)に約10分かけて添加し、チタン-ジルコニウム-アルミニウムヒドロゲルスラリー(以下「ヒドロゲルスラリー1」とも記載する。)を得た。このヒドロゲルスラリー1を0.5質量%重炭酸アンモニウム水溶液(ヒドロゲルの固形分量に対して30倍)で洗浄し、次いで純水(ヒドロゲルの固形分量に対して20倍)で洗浄した後、ろ過した。
【0066】
ろ過後のヒドロゲルを水と混合して固形分濃度約11質量%となる様に再度スラリー化し、スラリーのpHをアンモニア水を加えて10とした後、95℃にて5時間熟成を行い、スラリー(以下「活性マトリックススラリー1」とも記載する。)を得た。
活性マトリックススラリー1をろ過して固形分(以下「活性マトリックス1」とも記載する。)を得た。活性マトリックス1の測定結果を表1に示す。
【0067】
[実施例2]~新規活性マトリックス((TiO2+ZrO2)/Al2O3=10/90、TiO2/ZrO2=24)の製造~
TiをTiO2の量に換算して33質量%含む硫酸チタニル水和物の結晶145.0gを純水815.0gで希釈した。次に、ZrをZrO2の量に換算して18.32質量%含む硫酸ジルコニウム水溶液10.9gを純水29.1gで希釈し、硫酸チタニル水溶液と混合した。この希釈硫酸チタニル-ジルコニウム水溶液を、AlをAl2O3の量に換算して2.5質量%含む硫酸アルミニウム水溶液5051.0gと混合し60℃に加温した。この混合水溶液を、AlをAl2O3の量に換算して4.1質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液7837.9gと濃度26.8質量%のグルコン酸ナトリウム水溶液36.0gとの混合水溶液(60℃)に約10分かけて添加し、チタン-ジルコニウム-アルミニウムヒドロゲルスラリー(以下「ヒドロゲルスラリー2」とも記載する。)を得た。ヒドロゲルスラリー2をヒドロゲルスラリー2に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、スラリー(以下「活性マトリックススラリー2」とも記載する。)を得た。
活性マトリックススラリー2をろ過して固形分(以下「活性マトリックス2」とも記載する。)を得た。活性マトリックス2の測定結果を表1に示す。
【0068】
[実施例3]~新規活性マトリックス((TiO2+ZrO2)/Al2O3=10/90、TiO2/ZrO2=9)の製造~
TiをTiO2の量に換算して33質量%含む硫酸チタニル水和物の結晶136.0gを純水764.0gで希釈した。次に、ZrをZrO2の量に換算して18.32質量%含む硫酸ジルコニウム水溶液27.3gを純水72.7gで希釈し、硫酸チタニル水溶液と混合した。この希釈硫酸チタニル-ジルコニウム水溶液を、AlをAl2O3の量に換算して2.5質量%含む硫酸アルミニウム水溶液5068.9gと混合し60℃に加温した。この混合水溶液を、AlをAl2O3の量に換算して4.1質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液7820.0gと濃度26.8質量%のグルコン酸ナトリウム水溶液36.0gとの混合水溶液(60℃)に約10分かけて添加し、チタン-ジルコニウム-アルミニウムヒドロゲルスラリー(以下「ヒドロゲルスラリー3」とも記載する。)を得た。ヒドロゲルスラリー1をヒドロゲルスラリー3に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、スラリー(以下「活性マトリックススラリー3」とも記載する。)を得た。
活性マトリックススラリー3をろ過して固形分(以下「活性マトリックス3」とも記載する。)を得た。活性マトリックス3の分析結果を表1に示す。
【0069】
[実施例4]~新規活性マトリックス((TiO2+ZrO2)/Al2O3=10/90、TiO2/ZrO2=1)の製造~
TiをTiO2の量に換算して33質量%含む硫酸チタニル水和物の結晶75.5gを純水424.5gで希釈した。次に、ZrをZrO2の量に換算して18.32質量%含む硫酸ジルコニウム水溶液136.5gを純水363.5gで希釈し、硫酸チタニル水溶液と混合した。この希釈硫酸チタニル-ジルコニウム水溶液を、AlをAl2O3の量に換算して2.5質量%含む硫酸アルミニウム水溶液5188.6gと混合し60℃に加温した。この混合水溶液を、AlをAl2O3の量に換算して4.1質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液7700.3gと濃度26.8質量%のグルコン酸ナトリウム水溶液36.0gとの混合水溶液(60℃)に約10分かけて添加し、チタン-ジルコニウム-アルミニウムヒドロゲルスラリー(以下「ヒドロゲルスラリー4」とも記載する。)を得た。ヒドロゲルスラリー1をヒドロゲルスラリー4に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、スラリー(以下「活性マトリックススラリー4」とも記載する。)を得た。
【0070】
活性マトリックススラリー4をろ過して固形分(以下「活性マトリックス4」とも記載する。)を得た。活性マトリックス4の分析結果を表1に示す。なお、活性マトリックス1~4のいずれにも、金属元素としてTiおよび/またはZrのみを含む酸化物の相は確認されなかった。
【0071】
[比較例1]~既存活性マトリックス(Tiを含まないベース活性マトリックス)の製造~
AlをAl2O3の量に換算して2.5質量%含む硫酸アルミニウム水溶液6500gを60℃に加温した。この硫酸アルミニウム水溶液を、AlをAl2O3の量に換算して4.6質量%含むアルミン酸ナトリウム水溶液7344.8gと濃度26.8質量%のグルコン酸ナトリウム水溶液40gとの混合水溶液(60℃)に約10分かけて添加し、アルミナヒドロゲルスラリー(以下「ヒドロゲルスラリーC1」とも記載する。)を得た。ヒドロゲルスラリー1をヒドロゲルスラリーC1に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、スラリー(以下「活性マトリックススラリーC1」とも記載する。)を得た。
活性マトリックススラリーC1をろ過して固形分(以下「活性マトリックスC1」とも記載する。)を得た。活性マトリックスC1の分析結果を表1に示す。
【0072】
【0073】
<(残油)流動接触分解触媒の製造>
[実施例5]
水ガラス(Siの量をSiO2換算で17.5質量%に調整した3号水ガラス、以下同じ。)1142.8gを硫酸水溶液(濃度25質量%に調整したもの、以下同じ)457.2gを加えて調製した、SiをSiO2の量に換算して12.5質量%含むシリカヒドロゾル1600gに、カオリンを291g(脱水後の量として242g)、実施例2で製造した濃度10.5質量%の活性マトリックススラリー2を476.2g、活性アルミナ(擬ベーマイト形アルミナ水和物から得られたアルミナと、ジブサイト形アルミナ水和物から得られたアルミナとの混合物)を171.6g(同量のAlを含むAl2O3として150g)、濃度33質量%の超安定化Y型ゼオライト(特開2006-150183号公報に記載されたアルミニウム再挿入Y型ゼオライト)スラリーを1030.3g、および金属捕捉剤(二酸化マンガン)を18.1g加え、混合懸濁スラリーを調製した。この混合懸濁スラリーを液滴として入口温度が250℃,出口温度が150℃の噴霧乾燥機で噴霧乾燥を行い、平均粒子径が65μm程度の粒状乾燥紛体を得た。
【0074】
この粒状乾燥紛体を温水で洗浄し、次いで硫酸アンモニウム水溶液でイオン交換及び温水洗浄を2回繰り返した後、これに希土類元素(RE)塩化物(LaCl3)の水溶液をRE2O3換算で2.7質量%となる様に添加して、前記粒状乾燥紛体にREを担持させた。次に、これを乾燥させて炭化水素の(残油)流動接触分解触媒(以下「触媒A」とも記載する。)を得た。触媒Aの測定結果等を表2に示す。
なお、カオリン、活性アルミナ、ゼオライトスラリー、メタルトラップ剤および希土類元素(RE)塩化物の詳細は以下のとおりである。
【0075】
[実施例6]
活性マトリックススラリー2の量を952.4gに、カオリンの量を230.8g(脱水後の量として191.9g)に変更したこと以外は実施例5と同様にして、(残油)流動接触分解触媒(以下「触媒B」とも記載する。)を得た。触媒Bの測定結果等を表2に示す。
【0076】
[実施例7]
活性マトリックススラリー2の量を1904.8gに、カオリンの量を110.6g(脱水後の量として92g)に変更したこと以外は実施例5と同様にして、(残油)流動接触分解触媒(以下「触媒C」とも記載する。)を得た。触媒Cの測定結果等を表2に示す。
【0077】
[比較例2]
活性マトリックススラリー2を添加せず、活性アルミナの量を228.8(同量のAlを含むAl2O3として200g)gに変更したこと以外は実施例5と同様にして、(残油)流動接触分解触媒(以下「ベース触媒」とも記載する。)を得た。ベース触媒の測定結果等を表2に示す。
【0078】