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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】ペット用サークル及び扉ユニット
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/035 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
A01K1/035 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018062620
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019170252
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】516371922
【氏名又は名称】株式会社ペティオ
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】永井 俊和
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-036743(JP,A)
【文献】特開平11-276006(JP,A)
【文献】実開昭62-061865(JP,U)
【文献】特開2008-142028(JP,A)
【文献】登録実用新案第3204296(JP,U)
【文献】特開2011-139690(JP,A)
【文献】実開昭62-047693(JP,U)
【文献】特開2011-163085(JP,A)
【文献】実開昭61-147892(JP,U)
【文献】特開2010-252738(JP,A)
【文献】国際公開第2008/082376(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/00 - 3/00
31/00 -31/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口面を観音開き式に開閉する一対の開き戸と、当該一対の開き戸のうちいずれか一方の開き戸内で開閉する引き戸とを備え
一方の前記開き戸は、出入口が設けられ、前記出入口の上縁付近と下縁付近に水平姿勢で架設された一対のガイド線材と、当該ガイド線材に架け渡される線材とを備え、
前記引き戸は、枠状の線材と、上下の線材に掛け渡される線材と、前記出入口を開閉するように、前記ガイド線材を挿通するスライダを備えている、
扉ユニット。
【請求項2】
正面と背面と左右の側面とによって囲まれる内部空間内に、隣り合う居住スペースとトイレスペースとを設けたペット用サークルであって、
前記正面又は前記内部空間の上面は、請求項1に記載の扉ユニットを備えている、
ペット用サークル。
【請求項3】
前記正面又は前記上面は、前記開き戸が前記内部空間内に入り込まないように、閉扉した開き戸が当たるストッパを有するフレームを備えている請求項2に記載のペット用サークル。
【請求項4】
前記各開き戸は、前記フレームに当たったり外れたりするフック付きのスライド部材を有する開き戸側ロック手段を備えている請求項3に記載のペット用サークル。
【請求項5】
前記引き戸は、前記一方の開き戸に脱着するフック付きのスライド部材を有する引き戸側ロック手段を備えている請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載のペット用サークル。
【請求項6】
前記内部空間を前記居住スペースと前記トイレスペースとに仕切る仕切パネルを備えている請求項2乃至5のうちいずれか1項に記載のペット用サークル。
【請求項7】
前記仕切パネルは、開閉する仕切扉を備えている請求項6に記載のペット用サークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫などのペットを入れる内部空間を備えたペット用サークル及びこのペット用サークルに好適に備えられる扉ユニットに関し、特に、内部空間内を居住スペースとトイレスペースとに仕切ったペット用サークル及び扉ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫などのペットを屋内のリビングルームなどで飼えるようにしたペット用サークルが種々提供されている。例えば、特許文献1には、広めの居住スペースと狭めのトイレスペースとが隣り合うように設けられたペット用サークルが記載されている。
【0003】
このペット用サークルは、内部空間を設ける周壁パネルと、この内部空間を居住スペースとトイレスペースとに区画する仕切パネルと、内部空間の上面を覆う天面パネルとを備えている。居住スペースの床面は、タオル地やカーペット地とされている。トイレスペースには、プラスチック製や金属製のトレーが設置されている。なお、ペット用サークルは、一般的に正面のパネルに扉を取り付けたものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-23904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたペット用サークルは、トイレスペースに設置されたトレーが引き出されることにより、トレーを掃除することができる。そして、このペット用サークルは、内部空間が天面パネルによって覆われている。したがって、このペット用サークルは、トレーだけでなく、トイレスペースペース内及び居住スペース内を掃除しにくいものになっている。
【0006】
本発明は、ペットを入れる内部空間を掃除しやすいようにしたペット用サークル及びこのペット用サークルに好適に備えられる扉ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の扉ユニットは、
開口面を観音開き式に開閉する一対の開き戸と、当該一対の開き戸のうちいずれか一方の開き戸内で開閉する引き戸とを備えている。
【0008】
本発明の一態様のペット用サークルは、
正面と背面と左右の側面とによって囲まれる内部空間内に、隣り合う居住スペースとトイレスペースとを設けたペット用サークルであって、
前記正面又は前記内部空間の上面は、本発明の扉ユニットを備えている。
【0009】
本発明の一態様のペット用サークルにおいて、
前記正面又は前記上面は、前記開き戸が前記内部空間内に入り込まないように、閉扉した開き戸が当たるストッパを有するフレームを備えていてもよい。
この場合、前記各開き戸は、前記フレームに当たったり外れたりするフック付きのスライド部材を有する開き戸側ロック手段を備えていてもよい。
【0010】
本発明の一態様のペット用サークルにおいて、
前記引き戸は、前記一方の開き戸に脱着するフック付きのスライド部材を有する引き戸側ロック手段を備えていてもよい。
【0011】
本発明の一態様のペット用サークルにおいて、
前記内部空間を前記居住スペースと前記トイレスペースとに仕切る仕切パネルを備えていてもよい。
この場合、前記仕切パネルは、開閉する仕切扉を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ペットを入れる内部空間を掃除しやすいようにしたペット用サークル及びこのペット用サークルに好適に備えられる扉ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るペット用サークルの一実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明に係るペット用サークルの正面に備えられた扉ユニットの一実施形態を示す斜視図であって、一方の開き戸が開扉し、他方の開き戸及び引き戸が閉扉している状態を示す斜視図である。
図3】本発明に係るペット用サークルの正面に備えられた扉ユニットの正面の一実施形態を示す斜視図であって、両方の開き戸が閉扉し、引き戸が開扉している状態を示す分解斜視図である。
図4】本発明に係るペット用サークルの正面に備えられた扉ユニットの正面の一実施形態を示す斜視図であって、両方の開き戸が開扉し、引き戸が閉扉している状態を示す斜視図である。
図5】本発明に係るペット用サークルの他実施形態を示す斜視図である。
図6】本発明に係るペット用サークルの他実施形態を示す斜視図であって、一方の開き戸が開扉し、他方の開き戸及び引き戸が閉扉している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るペット用サークル及び扉ユニットの一実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本発明に係るペット用サークルの一実施形態を示す斜視図である。図2乃至図4は、本発明に係るペット用サークルの正面に備えられた扉ユニットの一実施形態を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、ペット用サークルは、正面と背面と左右の側面とを有する周壁パネル1によって囲まれる内部空間2を備えている。内部空間2内は、広めの居住スペース21と狭めのトイレスペース22とが隣り合うように設けられている。図示した内部空間2は、正面から見て右側に居住スペース21が配置され、左側にトイレスペース22が配置されているが、正面から見て右側にトイレスペース22が配置され、左側に居住スペース21が配置されてもよい。周壁パネル1は、正面フレーム11と、背面パネル12と、左右の側面パネル13,14とを備えている。
【0016】
図2乃至図4に示すように、正面フレーム11は、開口面15を設けるような枠状とされている。正面フレーム11は、起立姿勢及び水平姿勢の2本一組の線材(番線)5と、水平姿勢の上下の線材5からそれぞれ突出した連結軸5aとを備えている。
【0017】
図1に示すように、背面パネル12、右の側面パネル13及び左側の側面パネル14は、起立姿勢で並べられた多数本の線材5と、水平姿勢で上中下の位置に並べられた線材5とによって檻状とされている。背面パネル12も水平姿勢の上下の線材5から上下に突出した連結軸(図示せず)を備えている。
【0018】
正面フレーム11には、扉ユニット3が取り付けられている。扉ユニット3は、開口面15を観音開き式に開閉する一対の開き戸31,32と、当該一対の開き戸31,32のうちいずれか一方の開き戸31内で開閉する引き戸33とを備えている。各開き戸31,32及び引き戸33は、枠状の線材5と上下の線材5に架け渡される起立姿勢の線材5とを備えている。
【0019】
一方の開き戸(以下、「大きな開き戸」ともいう。)31は、居住スペース21の前面を開閉する。図3に示すように、大きな開き戸31には、居住スペース21内への出入口34が設けられている。この出入口34は、内部空間2内の中央側に設けられる。この出入口34は、引き戸33によって開閉する。この出入口34と引き戸33は、ほぼ同じ大きさで、大きな開き戸31の半分程度の大きさとされている。他方の開き戸(以下、「小さな開き戸」ともいう。)32は、トイレスペース22の前面を開閉する。小さな開き戸32と引き戸33は、隣り合って配置される。
【0020】
各開き戸31,32の水平姿勢の線材5の外側端部は、正面フレーム11の両端の起立姿勢の線材5を巻くように曲げ返されている。各開き戸31,32は、正面フレーム11の両側の起立姿勢の線材5を軸にして開閉する。閉扉した各開き戸31,32は、正面フレーム11の下側の水平姿勢の線材5がストッパ11sとなって、居住スペース21内やトイレスペース22内に入り込むことがないようにされている。
【0021】
各開き戸31,32は、先端側に開き戸側ロック手段311,321を備えている。開き戸側ロック手段311,321は、スライド部材311a,321aと、操作部311b,321bとを備えている。スライド部材は、起立姿勢の2本一組の線材5で構成され、上端に鉤状のフック部(採番せず)を備えている。フック部は、スライド部材の上端を折り返して成形され、スライド部材が昇降することで正面フレーム11の上側の線材5に着脱する。スライド部材の下端部は、正面フレーム11の下側のストッパ11sに当たったり外れたりする当たり部とされる。
【0022】
操作部は、手が掛けられる把持部やスライド部材を下向きに付勢するバネを備えている。飼主である使用者が操作部の把持部を持ち上げる状態とすることで、スライド部材のフック部が上側の線材5から外れ、下側ストッパ部が下側のストッパ11sに当たらないようにすることができる。換言すれば、使用者が操作部を操作しない限り、スライド部材が正面フレーム11に当たる状態となって、開き戸31,32を開扉することができない。
【0023】
図3に示すように、引き戸33は、大きな開き戸31の線材5に沿ってスライドし、居住スペース21内への出入口34を開閉する。大きな開き戸31の上縁付近と下縁付近には、水平姿勢のガイド線材5が架設されている。引き戸33の両側の起立姿勢の線材5の上端と下端とには、ガイド線材5を挿通する筒状のスライダ(採番せず)が備えている。スライダがガイド線材5を外嵌する状態となって移動し、引き戸33がスライドし、居住スペース21の出入口を開閉する。
【0024】
引き戸33は、引き戸側ロック手段331を備えている。引き戸側ロック手段331は、開き戸側ロック手段311,321と同様、スライド部材331aと、操作部331bとを備えている。スライド部材は、起立姿勢の2本一組の線材5で構成され、上端に鉤状のフック部(採番せず)を備えている。フック部は、スライド部材の上端を折り返して成形され、スライド部材331aが昇降することで正面フレーム11の上側の線材5に着脱する。正面フレーム11の上側の線材5には、引き戸33の鉤状部が引っ掛かる掛止部(採番せず)が設けられている。
【0025】
ペット用サークルは、周壁パネル1や扉ユニット3の他に、トレー4と、仕切パネル6と、上枠体7と、下枠体8と、桟9とを備えている。
【0026】
トレー4は、広めの居住スペース21内に置かれる大きめの居住側トレー部41と、狭めのトイレスペース22内に置かれる小さめのトイレ側トレー部42とに区画されている。居住側トレー部41上には、図示しない食器が置かれたり、マットが敷かれたりすることもある。両トレー部41,42の外周は、立ち上がった周壁部(採番せず)で囲まれている。トレー4は、例えばABS樹脂のような樹脂や金属などで成形される。
【0027】
トレー4は、居住側トレー部41の周壁部であって、トイレ側トレー部42部に隣り合う周壁部に近接して突出部(採番せず)が設けられている。この居住側トレー部41の周壁部と突出部との間に隙間が設けられる。この居住側トレー部41の側壁部と突出部との間に仕切パネル6の下端部が嵌め込まれる。
【0028】
周壁パネル1は、上下から上枠体7と下枠体8に挟まれ、保形され、線材5の先端部が露出しないようにされる。上枠体7と下枠体8には、正面フレーム11や背面パネル12に備えられた連結軸5aが挿し込まれる小孔が形成されている。上枠体7の上面には、桟9の両端部を嵌め込む切欠き(図示せず)が形成されている。桟9は、上枠体7の切欠きに着脱自在とされている。下枠体8は、トレー4の外周を囲む状態となる。
【0029】
仕切パネル6は、内部空間2を居住スペース21とトイレスペース22とに区画するように正面フレーム11と背面パネル12との間に挟まれる。仕切パネル6の上縁は、桟9に固定されている。仕切パネル6の下縁は、居住側トレー部41上に載る状態とされる。
【0030】
仕切パネル6は、仕切部61と、仕切出入口(採番せず)と、仕切扉63とを備えている。仕切部61と仕切出入口と仕切扉63とはほぼ同じ大きさとされている。仕切扉63が仕切出入口を塞いで閉扉した状態から仕切扉63が仕切部61に重なる状態にスライドすると、仕切出入口が開けられる。
【0031】
仕切扉63が仕切出入口を閉扉すると、ペットが居住スペース21とトイレスペース22との間でペットが行き来することができない。仕切扉63が仕切出入口を開扉すると、居住スペース21とトイレスペース22との間でペットが行き来することができる。仕切部61も仕切扉63も起立姿勢と水平姿勢の複数本の線材5とによって檻状とされている。仕切パネル6は、仕切扉63のスライドをガイドする線材5を備えている。
【0032】
ここで、ペット用サークルの使用態様について説明する。このペット用サークルは、屋内の例えばリビングルームに設置される。このペット用サークルのトレー4は、居住スペース21内に居住側トレー部41が置かれ、トイレスペース22内にトイレ側トレー部42が置かれる。このペット用サークルは、天面が開口しているため、居住スペース21内の居住側トレー部41上に天面から食器などを出し入れすることができる。
【0033】
このペット用サークルは、各開き戸31,32、引き戸33、仕切扉63を閉扉して、ロックすることができる。各開き戸31,32は、開き戸側ロック手段311,321のスライド部材311a,321aの上端部に備えられたフック部が正面フレーム11の上側の線材5に引っ掛かり、スライド部材の下端部が正面フレーム11の下側のストッパ11sに当たることで、開扉しない。引き戸33は、引き戸側ロック手段331のスライド部材331aのフック部が正面フレーム11の上側の掛止部に引っ掛かっていることで、開扉しない。
【0034】
このペット用サークルは、仕切パネル6によって居住スペース21とトイレスペース22が仕切られることで、リビングルーム内で飼われているペットに対してトイレの躾を行うことができる。
【0035】
トイレの躾を行う場合、飼主である使用者は、大きな開き戸31に備えられた引き戸33をスライドさせて開扉することで、ペットを居住スペース21内に入れる。引き戸33は、引き戸側ロック手段331の操作部331bが操作されることで、フック部が正面フレーム11の上側の線材5から外れ、開扉することができる。ペットが居住スペース21内に入れられると、引き戸33を閉扉する。閉扉された引き戸33は、引き戸側ロック手段331によって、勝手に開扉しない。
【0036】
居住スペース21内に入れられたペットが排泄しそうな様子であると使用者が察知すると、仕切パネル6の仕切扉63を開扉し、ペットをトイレスペース22内に誘導する。ペットがトイレスペース22内に入った後、仕切パネル6の仕切扉63を閉扉する。ペットが排泄すると、使用者は、ペットを褒め、仕切パネル6の仕切扉63を開扉し、ペットを居住スペース21内に戻す。あるいは、使用者は、小さな開き戸32を開扉し、トイレスペース22内のペットをリビングルーム内に誘導する。
【0037】
ペットに対するトイレの躾けが進むと、リビングルーム内にいるペットは、リビングルーム内からトイレスペース22内に入ろうとする。このようなペットを見た使用者は、小さな開き戸32を開扉する。ペットは、リビングルーム内からトイレスペース22内に直接入る。仕切パネル6の仕切扉63は、閉扉されている。
【0038】
あるいは、ペットが居住スペース21内に入っている場合は、居住スペース21内からトイレスペース22内に入ろうとする。このようなペットを見た使用者は、仕切パネル6の仕切扉63を開扉する。ペットがトイレスペース22内に入った後、仕切パネル6の仕切扉63を閉扉する。排泄後、ペットは、小さな開き戸32が開扉されることで、リビングルーム内に戻り、あるいは、仕切パネル6の仕切扉63を開扉することで、居住スペース21内に入るようにすることができる。
【0039】
ペットに対してトイレの躾ができると、仕切パネル6の仕切扉63は、開扉し続けてもよい。使用者は、就寝時や外出時などにおいてペットを居住側トレー部41内に入れる。仕切パネル6の仕切扉63を開扉した状態とすることで、ペットは自らトイレスペース22内で排泄し、その後、居住スペース21内に戻る。
【0040】
トイレスペース22内のトレー4が汚れると、使用者は、各開き戸31,32を開扉する。各開き戸31,32が開扉されることで、正面フレーム11の開口面15が全開する。したがって、使用者は、身を内部空間2内に入れてトレー4を掃除したり、敷かれたマットを交換したりしやすくなる。
【0041】
ただし、居住側トレー部41には、仕切パネル6の下縁が載っている。したがって、トレー4を内部空間2から取り出すには、まず仕切パネル6を取り外す。そして、使用者は、各開き戸31,32を開扉することで、居住側トレー部41とトイレ側トレー部42とが一体のトレー4を内部空間2内から取り出して、丸洗いすることができる。
【0042】
両トレー部42,41が取り出された内部空間2は、床が露出する。使用者は、床を掃除することもできる。両トレー部42,41は、掃除された後、内部空間2内に戻される。その後、各開き戸31,32が閉扉される。
【0043】
ペットに対するトイレの躾ができると、仕切パネル6の仕切扉63は、開けっ放しにしてもよい。飼主が外出したり、就寝したりするとき以外は、正面フレーム11の小さな開き戸32も開けっ放しにしてもよい。
【0044】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形改良等(変形実施形態)は本発明に含まれるものである。
【0045】
例えば、図5及び図6に示すような変形実施形態における扉ユニット3は、ペット用サークルに設けられた内部空間2の上面に備えられる。図5は、本発明に係るペット用サークルの変形実施形態を示す斜視図である。図6は、本発明に係るペット用サークルの変形実施形態を示す斜視図であって、一方の開き戸31が開扉し、他方の開き戸32及び引き戸33が閉扉している状態を示す斜視図である。
【0046】
変形実施形態の内部空間2は、前記実施形態と同様の周壁パネル1内に設けられる。周壁パネル1は、上下枠体7,8に挟まれる。内部空間2は、仕切パネル6によって大きな居住スペース21と小さなトイレスペース22とに仕切られている。図示した内部空間2は、正面から見て右側に居住スペース21が配置され、左側にトイレスペース22が配置されているが、正面から見て右側にトイレスペース22が配置され、左側に居住スペース21が配置されてもよい。仕切パネル6の上縁は、上枠体に着脱可能な桟9に固定される。仕切パネル6は、周壁パネル1内から抜き挿し可能とされている。
【0047】
変形実施形態の扉ユニット3は、内部空間2の上面に設けられた開口面15に備えられる。扉ユニット3は、居住スペース21側とトイレスペース22側とで観音開き式に開閉する一対の開き戸31,32と、居住スペース21側の開き戸31内で開閉する引き戸33とを備えている。一対の開き戸31,32は、前記実施形態と同様、大きな開き戸31と小さな開き戸32とを備えている。大きな開き戸31には、引き戸33によって開閉する出入口34が設けられている。出入口34は、内部空間2内の中央側に設けられる。引き戸33は、小さな開き戸32と隣り合って配置される。
【0048】
したがって、図6に示すように、居住スペース21側の大きな開き戸31は、居住スペース21側の右側の側面パネル13の上縁を回転軸として開閉する。トイレスペース22側の小さな開き戸32は、トイレスペース22側の左側の側面パネル14の上縁を回転軸として開閉する。ペット用サークルは、通常、背面パネル12をリビングルームの壁面に当たるように設置される。
【0049】
各開き戸31,32が仮に背面パネル12の上縁を回転軸に開閉すると、最大限、壁に当たる真上向きまで開扉し、使用者が開き戸31,32を支える必要がある。しかし、本変形実施形態の開き戸31,32は、側面パネル13,14の上縁を回転軸として傾斜するように開扉する。したがって、開き戸31,32は、使用者が支えることなく開扉することができる。
【0050】
このペット用サークルは、仕切パネル6を内部空間2内から取り外すこともできる。したがって、使用者は、内部空間2内の居住側トレー部41を容易に掃除することができる。仕切パネル6の仕切が外され、各開き戸31,32が開扉されることで、内部空間2内のトレー4を取り出すことができる。
【0051】
このペット用サークルの正面は、前記実施形態の正面フレーム11に替えて、正面パネル16が備えられる。正面パネル16は、居住スペース21内に出入りできるようにする引き戸35と、トイレスペース22内に出入りできるようにする開き戸36とを備え、居住スペース21を開閉する大きな開き戸を備えていない。したがって、この扉ユニット3は、既存のペットサークルに扉ユニット3を後付することが可能となる。
【0052】
図示しないさらに異なる変形実施形態のペット用サークルは、扉ユニット3の大きな開き戸31に設けられる出入口34が内部空間2の中央側でなく、側面パネル13側に設けられる。この場合は、引き戸33は、小さな開き戸32と線対称の位置に配置される。したがって、引き戸33と小さな開き戸32とは、離れて配置される。さらに、大きな開き戸31が図示したサイズよりも大きくされると、出入口34は、大きな開き戸31の半分以下の大きさとしてもよい。
【0053】
図示しないさらに異なる変形実施形態のペット用サークルは、内部空間2内を居住スペース21とトイレスペース22とに仕切る仕切パネル6を備えないものとする。特に、仕切パネル6は、ペットを躾けるために有用であることから、躾けられたペットを入れるペット用サークルとして使用する場合は、仕切パネル6は不要である。
【0054】
図示しないさらに異なる変形実施形態のペット用サークルは、居住スペース21がトイレスペース22よりも大きく、トイレスペース22が居住スペース21よりも小さくされるだけでなく、同じ大きさとしてもよい。さらに異なる実施形態は、居住側トレー部41とトイレ側トレー部42とを別体成形したものとする。
【0055】
さらに、ペット用サークルに備えられる周壁パネル1や扉ユニット3は、複数の線材5を格子状に組んだ檻状とすることなく、いずれかをプラスチック製のボードとしたり、多数の孔を開けたボードとしたりしてもよい。
【0056】
さらに、前記実施形態では、扉ユニット3がペット用サークルに好適に備えられるとした。しかし、扉ユニット3は、ペット用サークル以外に適用することができる。
【0057】
以上まとめると、本発明が適用される扉ユニット3及びペット用サークルは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
【0058】
すなわち、本発明に係る扉ユニット3は、
開口面15を観音開き式に開閉する一対の開き戸31,32と、当該一対の開き戸31,32のうちいずれか一方の開き戸31内で開閉する引き戸33とを備えている。
【0059】
この扉ユニット3によれば、一対の開き戸31,32を全開することで、開口面15を最大限に開口し、一対の開き戸31,32を開扉して引き戸33を開扉することで、開き戸31,32を開扉するためのスペースを設けることなく、最小限の範囲で開口面15を開口させることができる。
【0060】
本発明に係るペット用サークルは、
正面と背面と左右の側面とによって囲まれる内部空間2内に、隣り合う居住スペース21とトイレスペース22とを設けたペット用サークルであって、
前記正面又は前記内部空間2の上面は、本発明に係る扉ユニット3を備えている。
【0061】
このペット用サークルによれば、引き戸33を開閉することで、ペットを内部空間2内に出し入れし、一対の開き戸31,32を全開することで、内部空間2内の掃除などを容易に行うことができる。
【0062】
本発明に係るペット用サークルにおいて、前記正面又は前記上面は、前記開き戸31,32が前記内部空間2内に入り込まないように、閉扉した開き戸31,32が当たるストッパを有するフレームを備えている。
このペット用サークルによれば、閉扉した開き戸31,32が当たるストッパを有するフレームを備えていることにより、開き戸31,32が内部空間2内に入り込まないようにすることができる。
【0063】
本発明に係るペット用サークルにおいて、前記各開き戸31,32は、前記フレームに当たったり外れたりするフック付きのスライド部材を有する開き戸側ロック手段311,321を備えている。
このペット用サークルによれば、開き戸側ロック手段311,321を備えることにより、開き戸31,32を通常、閉扉した状態とし、必要なときだけ開扉するようにできる。
【0064】
本発明に係るペット用サークルにおいて、前記引き戸33は、前記一方の開き戸31に脱着するフック付きのスライド部材を有する引き戸側ロック手段331を備えている。
このペット用サークルによれば、引き戸側ロック手段331を備えることにより、引き戸33を通常、閉扉した状態とし、必要なときだけ開扉することができる。
【0065】
本発明に係るペット用サークルにおいて、前記内部空間2を前記居住スペース21と前記トイレスペース22とに仕切る仕切パネル6を備えている。
このペット用サークルによれば、居住スペース21とトイレスペース22とが仕切パネル6によって仕切られることで、ペットが居住スペース21とトイレスペース22とを勝手に行き来できないようにすることができる。
【0066】
この場合、前記仕切パネル6は、開閉する仕切扉63を備えていることが好ましい。
このペット用サークルによれば、引き戸33や他方の開き戸32を開閉することなく、ペットを居住スペース21とトイレスペース22との間で行き来できるようにすることができる。
【符号の説明】
【0067】
1…周壁パネル
11…正面フレーム
12…背面パネル
13…側面パネル
14…側面パネル
15…開口面
2…内部空間
21…居住スペース
22…トイレスペース
3…扉ユニット
31…一方(大きな)開き戸
311…開き戸側ロック手段
32…他方(小さな)開き戸
321…開き戸側ロック手段
33…引き戸
331…引き戸側ロック手段
4…トレーB
5…線材
6…仕切パネル
63…仕切扉
7…上枠体
8…下枠体
9…桟
図1
図2
図3
図4
図5
図6