(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】遊技用装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2018096166
(22)【出願日】2018-05-18
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(73)【特許権者】
【識別番号】591085972
【氏名又は名称】日本ゲームカード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】柳 漢呉
【審査官】福田 知喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-010495(JP,A)
【文献】特開2016-022014(JP,A)
【文献】特開2017-185125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機からの所定情報を受信可能な遊技用装置であって、
前記遊技機から受信した前記所定情報の受信処理を行う受信制御部を備え、
前記所定情報は、遊技に関する遊技情報と、遊技価値の付与に関する遊技性能を特定可能な性能情報と、前記遊技機の設置に関する設置情報とを含み、
前記受信制御部は、前記
遊技情報を外部へ出力する特定情報出力部の適否判定を行い、当該適否判定の結果に基づいて前記特定情報出力部からの前記
遊技情報の出力を制限する
が、
前記性能情報および前記設置情報を外部へ出力する特殊情報出力部については、前記特定情報出力部の適否判定の結果に関わらず、前記特殊情報出力部から前記性能情報および前記設置情報を出力する、遊技用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機と通信可能に接続される遊技用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技球が封入された封入式遊技機では、特許文献1に開示されているように遊技用装置と通信可能に接続され、当該遊技用装置が管理装置と接続されている。管理装置は、遊技用装置から変動中情報を受信する情報受信手段を備えており、情報受信手段が受信した変動中情報を情報記憶手段で記憶している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技用装置では、CU制御部がホール用管理コンピュータと通信を行うための外部通信部を設けていることが記載されているだけで、ホール用管理コンピュータへ出力する情報が不正確となることを防止することについては何ら考慮されていない。そのため、特許文献1の遊技用装置では、外部へ出力する情報が不正確となることを防止する必要があった。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技用装置から外部へ出力する情報が不正確となることを防止することができる遊技用装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 遊技機(例えば、P台2)からの所定情報(例えば、ホールコン・不正監視情報など)を受信可能な遊技用装置(例えば、CU3)であって、
前記遊技機から受信した前記所定情報の受信処理を行う受信制御部(例えば、SC基板325)を備え、
前記所定情報は、遊技に関する遊技情報と、遊技価値の付与に関する遊技性能を特定可能な性能情報と、前記遊技機の設置に関する設置情報とを含み、
前記受信制御部は、前記
遊技情報(例えば、
図45に示すホールコン出力BOX811に通知する情報)を外部へ出力する特定情報出力部(例えば、ホールコン出力BOX811)の適否判定を行い(例えば、ホールコン出力BOX811の認証処理)、当該適否判定の結果に基づいて前記特定情報出力部からの前記
遊技情報の出力を制限する(例えば、ホールコン出力BOX811の認証ができない場合(NG)、CU3はホールコン出力BOX811との通信を行わず、情報を出力しない)
が、
前記性能情報および前記設置情報を外部へ出力する特殊情報出力部については、前記特定情報出力部の適否判定の結果に関わらず、前記特殊情報出力部から前記性能情報および前記設置情報を出力する。
【0007】
このような構成によれば、遊技用装置から外部へ出力する情報が不正確となることを防止することができる。
【0008】
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記受信制御部における前記特定情報出力部の適否判定の結果に関わらず、前記遊技機での遊技を可能とする(例えば、ホールコン出力BOX811の認証ができない場合(NG)であっても、P台2での遊技は可能である)。
【0009】
このような構成によれば、特定情報出力部の適否判定の結果が、遊技機での遊技に影響を与えることがなく営業を継続することができる。
【0010】
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記受信制御部と前記特定情報出力部との通信を制御する特定制御部(例えば、CU制御部323など)をさらに備え、
前記特定制御部は、前記特定情報出力部の適否判定の結果に基づいて、前記特定情報の表示部(例えば、ホールコン810に接続された表示部)への表示を制限する(例えば、認証データの有効期限が切れた場合、発射球数、総賞球球数、主制御状態および遊技情報についてはCU制御部323からホールコン出力BOX811へ通知しない)。
【0011】
このような構成によれば、遊技用装置から外部へ出力する情報が不正確となることを防止することができる。
【0012】
(4) 上記(1)~(3)の遊技機において、
前記所定情報には、遊技に関する遊技情報(例えば、ホールコン・不正監視情報など)と、遊技価値の付与に関する遊技性能を特定可能な性能情報(例えば、遊技機性能情報など)と、前記遊技機の設置に関する設置情報(例えば、遊技機設置情報など)とを含み、
前記受信制御部における前記特定情報出力部の適否判定の結果に関わらず、前記性能情報および前記設置情報を外部へ出力する特殊情報出力部(例えば、外部出力端子340を介して管理コンピュータ802に出力する)をさらに備える。
【0013】
このような構成によれば、特定情報出力部の適否判定がNGであっても、性能情報および設置情報を外部へ出力することができる。
【0014】
(5) 上記(4)の遊技機において、
前記性能情報は、前記特定情報出力部から出力されない(例えば、ホールコン出力BOX811を介してホールコン810に通知されることはない)。
【0015】
このような構成によれば、遊技用装置から外部へ出力する情報が不正確となることを防止することができる。
【0016】
(6) 上記(1)~(5)の遊技機において、
前記受信制御部における前記特定情報出力部の適否判定の結果が異常である場合に、異常を報知する報知部(例えば、表示器54で異常を報知する)をさらに備える。
【0017】
このような構成によれば、特定情報出力部の適否判定の結果が異常であることを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】カードユニットおよびパチンコ遊技機を示す正面図である。
【
図2】カードユニットおよびパチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【
図3】カードユニットとパチンコ遊技機とを接続するPIF配線の構成を説明するための概略図である。
【
図4】カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報の概略を説明する説明図である。
【
図5】パチンコ遊技機からカードユニットへ送信される遊技機情報通知の概略を説明するための図である。
【
図6】遊技機種類の情報を説明するための図である。
【
図9】ホールコン・不正監視情報を説明するための図である。
【
図10】ホールコン・不正監視情報を説明するための図である。
【
図11】カードユニットとパチンコ遊技機との間の通信シーケンスを示す図である。
【
図12】カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報のタイミングを示す図である。
【
図13】カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報のタイミングチャートである。
【
図14】カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される貸出情報および貸出応答情報のタイミングの変形例を示す図である。
【
図15】カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続発生となった場合の情報のタイミングを示す図である。
【
図16】カードユニットとパチンコ遊技機とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。
【
図17】パチンコ遊技機からカードユニットへ遊技機設置情報を送信するタイミングを説明するためのシーケンスを示す図である。
【
図18】パチンコ遊技機からカードユニットへ遊技機性能情報を送信するタイミングを説明するためのシーケンスを示す図である。
【
図19】パチンコ遊技機からカードユニットへホールコン・不正監視情報を送信するタイミングを説明するためのシーケンスを示す図である。
【
図20】パチンコ遊技機からカードユニットへ送信する遊技機情報の種別決定の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図21】カードユニットとパチンコ遊技機との間の計数通知シーケンスを示す図である。
【
図22】カードユニットとパチンコ遊技機との間の計数通知シーケンスを示す図である。
【
図23】カードユニットとパチンコ遊技機との間のPIF断線時の復旧シーケンスを示す図である。
【
図24】カードユニットとパチンコ遊技機との間のPIF断線時の復旧シーケンスを示す図である。
【
図25】カードユニットとパチンコ遊技機との接続構成を説明するためのブロック図である。
【
図26】カードユニットとパチンコ遊技機との間の計数中の通信異常シーケンスを示す図である。
【
図27】カードユニットとパチンコ遊技機との間の計数中の通信異常シーケンスを示す図である。
【
図28】カードユニットとパチンコ遊技機との間の貸出時の通信異常シーケンスを示す図である。
【
図29】主制御基板と枠制御基板との間の通信シーケンスを示す図である。
【
図30】通信タイミングを説明するための通信シーケンスを示す図である。
【
図31】主制御基板と枠制御基板との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。
【
図32】遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスを説明するための図である。
【
図33】遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。
【
図34】遊技情報に含まれる種別情報を説明するための図である。
【
図35】遊技機情報応答のコマンドを説明するための図である。
【
図36】遊技状態が変化する前後での入賞個数の集計結果を説明するための図である。
【
図37】枠制御基板において実行される性能表示演算処理を説明するためのフローチャートである。
【
図38】枠制御基板において通過数加算処理を説明するためのフローチャートである。
【
図39】遊技盤面判定関連処理を説明するためのフローチャートである。
【
図40】ベース値の算出および表示の状況を説明するための図である。
【
図41】カードユニットおよびパチンコ遊技機を含む遊技用システムの構成を説明するためのブロック図である。
【
図42】カードユニットとホールコン出力BOXとの間の接続シーケンスを示す図である。
【
図43】カードユニットとホールコン出力BOXとの間の接続シーケンスを示す図である。
【
図44】カードユニットとホールコン出力BOXとの間の通信を説明するための図である。
【
図45】カードユニット内およびホールコン出力BOXへ通知される内容を説明するための図である。
【
図46】SCとCU制御部との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。
【
図47】遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。
【
図48】遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。
【
図49】計数通知のコマンドを説明するための図である。
【
図50】電文受領応答のコマンドを説明するための図である。
【
図51】貸出通知のコマンドを説明するための図である。
【
図52】貸出受領結果応答のコマンドを説明するための図である。
【
図53】SC基板とCU制御部との間で送受信される情報のタイミングを説明するためのシーケンスを示す図である。
【
図54】ホールコン出力BOXからホールコンへ出力される情報を説明するためのブロック図である。
【
図55】標準ポートホールコン出力信号を説明するためのブロック図である。
【
図56】拡張ポートのホールコン出力信号を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
【0020】
<パチンコ遊技機の構成>
まず、
図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行う呼出しランプ装置などであってもよい。
【0021】
P台2は、内部に遊技媒体の一例の遊技球(パチンコ球)を封入しており(以下、封入球ともいう)、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、左上側に設けた発射装置である発射機構30の発射ソレノイドを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射ソレノイドが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて封入球が遊技領域27内に発射される。
【0022】
発射ソレノイドを駆動させて封入球を1発ずつ遊技領域27に打込むと、それに伴い減算機構32で、P台2において遊技可能な遊技球数から1球ずつ減算する。遊技球の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域を遊技球が通過するように発射強度Tを調整することができる。
【0023】
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれた封入球が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。
図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
【0024】
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞球の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態(大当り遊技状態ともいう)となり、大入賞口271が開放する。
【0025】
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777などの確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
【0026】
遊技領域27内に打込まれた封入球はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞した封入球およびアウト口154に回収された封入球は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置の封入球が遊技領域27内に打込まれる。
【0027】
また、P台2の打球操作ハンドル25の上方位置に遊技球数を表示するための遊技球数表示器が設けられている。遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、枠制御部171(
図2参照)によって制御される。この遊技球数表示器29により、遊技球数や発生したエラーのエラー番号などが表示される。なお、遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
【0028】
さらに、P台2における遊技球数表示器29の左方位置には、遊技球から持ち球への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される(たとえば0.3秒押下状態が継続する度に250球の計数処理が実行される)。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば250球)だけ遊技球から持ち球への計数が行われるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技球のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行う場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
【0029】
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合と比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けられている。なお、スピーカの位置および個数は、
図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
【0030】
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の遊技機枠(前枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、遊技機枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
【0031】
<カードユニットの構成>
次に、引続き
図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
【0032】
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記憶情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばプリペイド残額、持ち球数、あるいは貯玉数など)を“遊技球のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技球のデータによって特定される球数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技球のデータ”とは、発射可能な球の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技球のデータ”を貯玉や持ち球と同様に、単に“遊技球”と称する。
【0033】
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記憶されている情報が読取られる。
【0034】
CU3からP台2の前面側に伸びた部分には、表示器54が設けられている。表示器54は、挿入された遊技用記憶媒体(カード)に記憶されているプリペイド残額などを表示するものであるが、遊技球数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器54の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。例えば、
図1に示す表示器54では、球貸ボタン321と、返却ボタン319と、再プレイボタンとが表示され、これらの表示項目を指でタッチすることにより操作入力が可能である。なお、表示器54には、再プレイボタンを表示してもよい。
【0035】
球貸ボタン321は、挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技球への変換操作)を行うボタンである。返却ボタン319は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した持ち球数(カード挿入時の持ち球数-遊技球への変換数+計数操作によって計数された持ち球数)を記憶させて排出するためのボタンである。
【0036】
再プレイボタン(図示せず)を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持ち球数が記憶されているときにはその持ち球数の一部を引落として遊技球に変換し、変換した遊技球に基づいてP台2による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持ち球数が記憶されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータなどに記憶されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技球に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持ち球との双方が記憶されている場合には、持ち球が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタンとは別に、持ち球を引落とすための専用の持ち球払出ボタンを設け、再プレイボタンは貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
【0037】
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した球でホールに預けている球であり、貯玉払出により遊技球となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
【0038】
「持ち球」とは、当日獲得した球であり、持ち球払出により遊技球となる。また、持ち球数は、遊技者がP台2により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技球数をカードに記憶したものであって、未だに遊技場に預入れられていない球数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した球数を「持ち球」と言い、前日以前に遊技者が獲得した球数であって遊技場に預入れられた球数を「貯玉」と言う。
【0039】
「遊技球」とは、P台2で発射可能な球である。遊技球数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持ち球、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
【0040】
なお、持ち球数を遊技場に設定された持ち球数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持ち球」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預入れられた球数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の球数であるかの点である。
【0041】
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記憶させずホール用管理コンピュータなどの遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持ち球は、カードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持ち球は、ビジターカードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、持ち球をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
【0042】
なお、持ち球を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
【0043】
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持ち球が一旦貯玉としてホールサーバに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持ち球のみが再びそのCU3に記憶され、その持ち球の範囲で遊技球を加算し、遊技できるようにしてもよい。
【0044】
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
【0045】
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320が設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。
【0046】
図示していないが、P台2は、額縁状の外枠4に対して、遊技機枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
【0047】
遊技機枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に
図2に示す裏機構部開放スイッチ13が設けられており、遊技機枠5が開放されたことが検出される。また、遊技機枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分に
図2に示す前飾り開放スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこの前飾り開放スイッチ12により検出される。
【0048】
前飾り開放スイッチ12および裏機構部開放スイッチ13の開放回数は、図示しない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などが搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間などの電源OFF時でもガラス扉6や遊技機枠5の開放検出回数を計数してその計数値を枠制御部171(
図2参照)へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
【0049】
遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、
図2に示す主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず遊技機枠5を開放して遊技機枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行うためには、遊技機枠5を開放する必要があるため裏機構部開放スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
【0050】
さらに、遊技機枠5の裏面に、
図2に示す枠制御基板17が設けられている。枠制御基板17も、まず遊技機枠5を開放してから、遊技機枠5の裏面より取外す必要がある。よって、遊技機枠5の裏面より枠制御基板17を不正に取外す、または枠制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
【0051】
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図2は、CU3およびP台2に用いられる制御回路を示すブロック図である。
図2を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
【0052】
CU3には、マイクロコンピュータなどから構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
【0053】
CU制御部323には、管理コンピュータやホールコンなどと通信を行うための外部出力端子340が設けられている。CU3は、外部出力端子340を介して、CU3の状態や、P台2から受信した遊技機状態情報(性能表示モニタ40で表示する情報を含む)を管理コンピュータやホールコンなどの外部に送信する。CU制御部323は、SC基板325を介してP台2の枠制御基板17と通信を行っている。SC基板325と枠制御基板17とは、例えば、専用のPIF配線322(
図1参照)で接続されている。CU制御部323と枠制御基板17との通信は、貸出情報(挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作に関する情報)と貸出応答情報(貸出情報に対する応答情報)とを双方向で行い、それ以外の計数情報(遊技球から持ち球への計数処理に関する情報)、および遊技機情報を、枠制御基板17からCU制御部323への一方向の通信で行っている。そのため、CU3が計数情報および遊技機情報を受信したか否かをP台2側では認識していない。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタなどで構成されている。なお、SC基板325には、P台2とCU3との通信においてセキュリティを確保するための各種処理を実行するSCマイコン(SC)が搭載されている。
【0054】
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記憶情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記憶情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
【0055】
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持ち球を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは持ち球数などのデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3からP台2の前面側に伸びた表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。表示器54には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器54の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。例えば、遊技者が表示器54に表示された球貸ボタン321や返却ボタン319を操作することにより、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。なお、球貸ボタン321や返却ボタン319は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、CU3の前面に設ける構成や、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であってもよい。遊技者が表示器54に表示された再プレイボタン(図示せず)を操作することによりその操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。なお、再プレイボタンは、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、CU3の前面に設ける構成や、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であってもよい。
【0056】
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行う主制御基板16と、遊技球を管理・記憶する枠制御基板17と、枠制御基板17の指令に基づいて発射ソレノイド31aを駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
【0057】
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けられている。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163に接続されている。
【0058】
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に球が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行うとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
【0059】
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
【0060】
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
【0061】
枠制御基板17は、遊技機枠5に設けられている。枠制御基板17には、枠制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。枠制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
【0062】
また、枠制御基板17に対し、計数ボタン28、性能表示モニタ40、電波センサ173、減算ソレノイド32a、減算機構入口センサ32b、減算機構出口センサ32c、揚上機構出口センサ33、アウト球検出スイッチ701、前飾り開放スイッチ12、および裏機構部開放スイッチ13が電気的に接続された状態で設けられている。アウト球検出スイッチ701から枠制御基板17へアウト球検出信号が入力される。主制御基板16は、後述するようにアウト球検出信号に基づきベース値(単に、ベースともいう)などを算出する。電波センサ173は、電波を不正に発信して主に減算機構入口センサ32bを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が枠制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して枠制御部171へ入力される。減算機構入口センサ32bは、オフからオンに変化したことにより遊技球の発射を検出し、その検知に基づいて、枠制御部171が、遊技球数を「1」減算する。
【0063】
したがって、不正電波によりこの減算機構入口センサ32bが常時オフ状態になると、いくら球を発射しても遊技球数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
【0064】
枠制御基板17には、性能表示モニタ40が設けられる。性能表示モニタ40は、7セグメント式のLEDディスプレイである。性能表示モニタ40は、枠制御部171によって算出された付与された遊技価値(例えば、賞球など)に関する性能情報、ベース、役物比率、連続役物比率などの所定情報を表示する。なお、性能表示モニタ40で表示する情報を、CU3を介してホールサーバなどに出力することができるが、P台2に外部出力端子を設け、直接ホールサーバなどに出力してもよい。
【0065】
ここで、ベースは、P台2の遊技領域27に打ち込まれた遊技球の数に対する、遊技領域27に設けられた大入賞口271、普通入賞口272~274、および、始動入賞口275~277などの入賞口への遊技球の入賞に応じて付与された遊技価値に対応する遊技球の数の割合である。また、役物比率(役比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球のうち役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである電動チューリップで構成される始動入賞口276、および、役物の1つである可変入賞球装置で構成される大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。さらに、連続役物比率(連比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、連続役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである可変入賞球装置が設けられた大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。
【0066】
主制御基板16から枠制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報の情報が送信される。
【0067】
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記憶されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技球が入ったときの払出球数)とを含む情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。
【0068】
入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞した遊技球の検出信号である。この検出信号を受けた枠制御基板17は、その入賞球1個に対して付与すべき球数を、遊技球数と加算球数とに加算する制御を行う。
【0069】
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかに遊技球が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行っている最中にエラーが発生した場合にその旨を枠制御基板17へ通知するための情報である。
【0070】
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
【0071】
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当りなどのように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
【0072】
主制御基板16から枠制御基板17へは、後述するように遊技機設置情報通知、遊技機情報通知が送信される(
図33参照)。逆に、枠制御基板17から主制御基板16へ、後述するように遊技機設置情報応答、遊技機情報応答が送信される(
図33参照)。遊技機設置情報応答および遊技機情報応答は、主制御基板16から遊技機設置情報通知および遊技機情報通知を受領したことを示すためのコマンドである。
【0073】
CU3のSC基板325とP台2の枠制御基板17とがPIF配線22を介して電気的に接続されており、SC基板325から枠制御基板17へ、後述するように各種コマンドが送信される(
図4参照)。逆に、枠制御基板17からSC基板325へ、後述するように各種レスポンスが送信される(
図4参照)。
【0074】
遊技機枠5には、枠制御基板17の他、発射制御基板31、発射ソレノイド31a、遊技球数表示器29が設けられている。なお、遊技球数表示器29は遊技機枠5に直接取り付けてもよいが、球が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、遊技機枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。枠制御基板17の枠制御部171は遊技球数表示器29に遊技者が現在所有している遊技球数を表示する。
【0075】
枠制御基板17から発射制御基板31へ、発射許可信号が出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射機構30の発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力する。これにより、遊技球が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射ソレノイド励磁出力を発し、発射ソレノイド31aを駆動させる。
【0076】
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
【0077】
<遊技球の循環経路>
ここでは、
図1および
図2を参照して、P台2における遊技球の循環経路を概説する。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aが駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個の遊技球が打球ハンマーにより弾発されてその遊技球が遊技領域27に打込まれる。
【0078】
発射ソレノイド31aが作動して遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号が減算機構32に出力される。減算機構32では、出力された減算基準信号を基準に、減算ソレノイド32aが通電して可動片を動かすことで遊技球を発射機構30へ送り出し、遊技球が減算機構入口センサ32bを通過することで遊技球数を減算する。
【0079】
遊技領域27に打込まれた球のうち、アウト口154(
図1参照)に進入したアウト球は、アウト球流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト球検出スイッチ701によって検出される。
【0080】
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞球は、遊技機背面で集められて回収球通過経路に誘導される。同様に、アウト球およびファール球も回収球通過経路に誘導される。回収球通過経路には揚上機構出口センサ33が設けられている。このため、入賞球、アウト球、およびファール球のすべてが揚上機構出口センサ33によって検出される。つまり、揚上機構出口センサ33は、弾発された遊技球のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射ソレノイド31aにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
【0081】
そこで、本実施の形態では、揚上機構出口センサ33の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた球の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘などの間に引っ掛かって落下していないような浮遊球が存在していないかどうかを判断できる。
【0082】
<CUとP台との接続>
CU3とP台2とは、
図2に示すSC基板325と枠制御基板17との間をPIF配線で接続している。PIF配線の構成について詳しく説明する。
図3は、カードユニットとパチンコ遊技機とを接続するPIF配線の構成を説明するための概略図である。
図3(a)には、CU3とP台2とを接続するPIF配線の配線番号と情報名称が図示され、
図3(b)には、各情報名称に対する情報の向きおよび情報の説明がそれぞれ図示されている。
【0083】
具体的に、配線番号1は、情報名称が「絶縁GND」で、アイソレーション用GNDが割り当てられる。配線番号2は、情報名称が「絶縁GND」で、配線番号6のシグナルGNDに使用される。配線番号3は、情報名称が「絶縁GND」で、配線番号7のシグナルGNDに使用される。配線番号4は、情報名称が「PSI」で、P台2からCU3へ接続確認情報を送信するために使用される。なお、PSI配線とVL配線とはCU3においてループしており、VL配線が接続されている場合、VL配線の電圧の5VがPSI配線の電圧として供給され、VL配線が切断された場合、VL配線の電圧が5Vから0(ゼロ)Vに変化することでPSI配線の電圧も5Vから0(ゼロ)Vに変化する。そのため、P台2は、CU3との接続を検知中(VL=ON)に接続確認用の特殊信号としてPSI信号(5VのON信号)がCU3に出力され、CU3との接続を未検知中(VL=OFF)にPSI信号がCU3に出力されないようになる。
【0084】
配線番号5は、情報名称が「絶縁GND」で、アイソレーション用GNDが割り当てられる。配線番号6は、情報名称が「貸出応答情報、計数情報、遊技機情報」で、P台2からCU3へそれぞれの情報を送信するために使用される。配線番号7は、情報名称が「貸出情報」で、CU3からP台2へ貸出情報を送信するために使用される。配線番号8,9は、情報名称が「絶縁5V(VL)」で、それぞれアイソレーション用5V(接続確認用の電源VL)の信号ラインとして割り当てられる。
【0085】
<CU3とP台2との通信>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行わない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
【0086】
図4は、CU3とP台2との間で送受信される情報の概略を説明する説明図である。以下、
図4を参照して、CU3とP台2との間で送受信される情報(電文)の概略を説明する。P台2の枠制御基板17とCU3のSC基板325との間では、(a)貸出情報、(b)貸出応答情報、(c)計数情報、および(d)遊技機情報の種類に分けた電文を、共通の非同期シリアル通信ポートを介して通信されている。CU3とP台2との間で送受信される(a)~(d)の4種類の情報(電文)は、それぞれ電文のヘッダーが異なっており、当該ヘッダーにより電文の種別を区別することが可能となっている。
【0087】
なお、(a)貸出情報と(b)貸出応答情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(a)貸出情報と(c)計数情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(a)貸出情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。また、(b)貸出応答情報と(c)計数情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(b)貸出応答情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(c)計数情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。
【0088】
図4(a)には、貸出情報が記載されている。貸出情報には、CU3がP台2に送信する貸出通知の電文に含まれる情報として貸出球数の情報と、通信管理をするための貸出通番の情報とがある。貸出球数の情報は、貸出に係る遊技球数の情報であり、1回の情報で送信される遊技球数の情報として例えば125球の情報が含まれる。なお、貸出情報は、貸出球数が0(ゼロ)球の場合に貸出球数の情報に0(ゼロ)の情報を含めて送信してもよい。
【0089】
図4(b)には、貸出応答情報が記載されている。貸出応答情報には、P台2がCU3に送信する貸出受領結果応答の電文に含まれる情報として貸出球数受領結果の情報と、通信管理をするための貸出通番の情報とがある。貸出球数受領結果の情報は、CU3から送信された貸出球数の情報を受領した結果をCU3に知らせる情報である。
【0090】
図4(c)には、計数情報が記載されている。計数情報では、P台2が計数球数と、計数累積球数と、通信管理をするための計数通番とを含む計数通知の電文としてCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための情報をCU3から受信しない。計数球数、計数累積球数および計数通番は、いずれも遊技球の計数を目的とする情報である。また、1回の情報で送信される計数球数は、例えば250球である。なお、計数情報は、計数球数が0(ゼロ)球の場合に計数球数の情報に0(ゼロ)の情報を入れて送信してもよい。
【0091】
図4(d)には、遊技機情報が記載されている。遊技機情報では、P台2が遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報をCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための情報をCU3から受信しない。遊技機設置情報は、機歴管理を目的とする情報で、電源投入後に遊技機設置情報通知の電文としてCU3へ送信される。遊技機設置情報には、主/枠制御CPUのメーカコード、型式コード、チップID番号などの情報を含む。
【0092】
遊技機性能情報は、性能情報の集計を目的とする情報で、遊技機性能情報通知の電文としてCU3へ送信される。遊技機性能情報は、遊技に基づいて算出された結果を出力するもので、総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出球率、分間獲得遊技球数(低ベース)、分間獲得遊技球数(高ベース)、特別電動役物による総獲得遊技球数、普通電動役物による総獲得遊技球数、役物連続差動装置による総獲得遊技球、始動口の総獲得遊技球数、普通入賞口の総獲得遊技球数、特別電動役物の総作動回数、普通電動役物の総作動回数、特別図柄表示装置の総作動回数、普通図柄表示装置の総作動回数、役物比率、連続役物比率などの情報を含む。また、枠制御基板17が、遊技機性能情報をCU3に対して通知する条件として、例えば、(1)P台2の電源投入から3分経過後に通知、(2)遊技球を規定発射球数分(例えば、60000球)の発射もしくは規定時間(例えば、10時間)の周期毎に通知、(3)遊技機設置情報通知より優先して通知、(4)ホールコン・不正監視情報を通知した次の周期(300ms後)に通知などの条件がある。なお、これらの条件は例示であって他の条件を採用してもよく、また、上記条件のうち、いずれか1つの条件のみを採用したり、複数の条件を組み合わせて採用したりしてもよい。
【0093】
ホールコン・不正監視情報は、ホールコンの情報集計・CU3による不正監視を目的とする情報である。ホールコン・不正監視情報は、大当り、確率変動、時間短縮、各入賞口の入賞球数などのホールコン情報、遊技球数(現在の持ち球数)、遊技球数通番、遊技機エラー状態、不正検知状態などの不正監視情報を含む。
【0094】
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。
図5は、パチンコ遊技機からカードユニットへ送信される遊技機情報通知の概略を説明するための図である。
図5に示す遊技機情報通知のコマンドは、P台2がCU3に対して遊技機情報を通知するためのコマンドであり、遊技機情報には、遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報の3つが含まれる。遊技機情報通知のコマンドに含まれる遊技機情報の種別は、各情報の通知条件によりいずれか1つに決定され、CU3に通知される。
【0095】
遊技機情報通知のコマンドには、電文長の情報、コマンドの情報、通番の情報、遊技機種類の情報、遊技機情報種別の情報、および遊技機情報が含まれる。電文長の情報は、送信する電文の長さ(電文長~通信フレームの誤り検出符号(CRC))を示す。コマンドの情報は、電文のコマンドコードを示す。通番の情報は、シーケンス番号を示す。通番は、一次局側(例えば、P台側)が初期値を「0」として送信時にカウントアップ(+1)して送信するシーケンス番号である。ただし、一次局側が再送時には通番をカウントアップせず、二次局側(例えば、CU側)も受信した通番をそのまま送信するものとする。なお、通信に用いられるコマンドやレスポンスには、電文長の情報、コマンドの情報、通番の情報が共通に含まれるため、以下のコマンドやレスポンスでは説明を省略する。
【0096】
遊技機種類の情報は、P台2の遊技機種類を示すための情報である。
図6は、遊技機種類の情報を説明するための図である。
図6では、遊技機種類の情報が「10」であればCU3に接続しているP台2が「ぱちんこ遊技機」の「ぱちんこ」であることを示し、「11」であれば「ぱちんこ遊技機」の「パロット」であることを示している。また、遊技機種類の情報が「20」であればCU3に接続しているP台2が「回胴式遊技機」の「回胴」であることを示し、「30」であれば「アレンジボール」の「アレンジボール」であることを示し、「40」であれば「じゃん球遊技機」の「じゃん球遊技機」であることを示している。なお、CU3では、送信されてきた遊技機種類の情報が「10」または「11」であれば、遊技球数表示として、例えば遊技に用いる単位を「球」で表示し、遊技機種類の情報が「20」であれば、遊技メダル数表示として、例えば遊技に用いる単位を「枚」で表示する。
【0097】
図5に戻り、遊技機情報種別の情報は、遊技機情報に含まれる情報の種別を示す種別コードである。遊技機情報種別の情報が「0x00」であれば、遊技機情報に含まれる情報が遊技機性能情報であることを示し、「0x01」であれば、遊技機情報に含まれる情報が遊技機設置情報であることを示し、「0x02」であれば、遊技機情報に含まれる情報がホールコン・不正監視情報であることを示している。なお、遊技機情報種別の情報が、上記以外の値であれば、通知されたCU3は異常であると判断する。
【0098】
遊技機情報には、遊技機情報種別の情報に設定された種別コードに基づき遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報のいずれか1つが含まれ、CU3に通知される。遊技機性能情報は、分間獲得遊技球数(ベース)、役物比率、連続役物比率などの情報で、遊技機設置情報は、主制御CPU、枠制御CPUのメーカコード、型式コード、チップID番号などの情報で、ホールコン・不正監視情報は、大当り、確率変動、時間短縮、各入賞口の入賞球数、遊技球数などの情報である。
【0099】
さらに、遊技機情報について詳しく説明する。
図7は、遊技機性能情報を説明するための図である。
図7では、遊技機情報種別の情報が「0x00」である場合に遊技機情報に含まれる遊技機性能情報が示されている。例えば、遊技機情報には、総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出玉率、・・・、普通図柄表示装置の作動回数、役物比率、連続役物比率が含まれる。総発射遊技球数は、発射球数を累積した情報で、総獲得遊技球数は、賞球数を累積した情報で、出玉率は、総獲得遊技球数を総発射遊技球数で除した情報である。また、普通図柄表示装置の作動回数は、普通図柄停止回数を累積した情報で、役物比率は、役物動作賞球数の累積値/賞球数の累計値×100の情報で、連続役物比率は、役物連続動作賞球数の累積値/賞球数の累計値×100の情報である。
【0100】
図8は、遊技機設置情報を説明するための図である。
図8では、遊技機情報種別の情報が「0x01」である場合に遊技機情報に含まれる遊技機設置情報が示されている。例えば、遊技機情報には、主制御チップID番号、主制御CPUメーカコード、主制御CPU型式コード、枠制御チップID番号、枠制御CPUメーカコード、および枠制御CPU型式コードが含まれる。
【0101】
図9および
図10は、ホールコン・不正監視情報を説明するための図である。
図9および
図10では、遊技機情報種別の情報が「0x02」である場合に遊技機情報に含まれるホールコン・不正監視情報が示されている。例えば、遊技機情報には、「遊技球数」、「発射球数」、「総賞球球数」、「主制御状態」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「遊技情報」を含んでいる。
【0102】
「遊技球数」は、現在の遊技球数を示し、例えば、遊技球数が10000球の場合「0x102700」と示す。「発射球数」は、発射した球の個数(-128個~127個)を示し、バック球がある場合はバック球数分を減算し、送信時に複数発射された球がある場合は合算した個数を示す。「総賞球球数」は、賞球球数×入賞個数の合計を示す。
【0103】
「主制御状態」は、P台2の遊技状態の情報であり「主制御状態1」と「主制御状態2」とを含んでいる。「主制御状態1」は、大当り1(全ての大当り)、大当り2(特定の大当り)、および大当り3(変動時間短縮の大当り)の情報、遊技機状態信号1~4の情報を含んでいる。遊技機状態信号1~4は、CU3の外部出力端子340からホールコン等の外部に状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子板状態出力信号端子1~4」(
図56参照)に対応する。「主制御状態1」は、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、および時短(変動時間短縮)中の情報を含んでいる。
【0104】
「遊技機エラー状態」は、遊技機で発生中のエラーコードの情報を含む。具体的に「遊技機エラー状態」は、Bit0~5までがエラーコードを表し、Bit6が「0」であれば枠制御側のエラーで、「1」であれば主制御側のエラー、さらにBit6が「0」であれば発報のみ、「1」であれば発報+ホールコン出力である。
【0105】
「不正検知状態」は、「不正検知状態1」~「不正検知状態3」を含んでいる。「不正検知状態1」は、主制御基板16での不正検知状態を示し、盤面不正1~6を検知したことを示す情報を含む。「不正検知状態2」は、枠制御基板17での不正検知状態を示し、Bit0で前飾り開放、Bit1で裏機構部開放、Bit2で不正電波検知、Bit3で遊技球数クリア検知、Bit4で入賞球数異常1検知、Bit5入賞球数異常2検知を検知したことを示す情報を含む。ここで、入賞球数異常1検知は、主制御基板16が検出した入賞個数と枠制御基板17が検出した入賞個数の差が100球以上となったことを検知し、入賞球数異常2検知は、発射球数と総戻り球数(入賞個数+非入賞個数)の差が100球以上となったことを検知する。「不正検知状態3」は、枠制御基板17での不正検知状態を示し、Bit0で小球検知、Bit1で鉄球検知を検知したことを示す情報を含む。
【0106】
「遊技情報」は、主制御基板16で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板17へ通知する情報を含む。「遊技情報」は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。種別情報は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。
【0107】
種別情報については、データ種別(Bit4~7)の値ごとに設定されており、例えば、データ種別の値が1の場合、始動口入賞の情報である。また、データ種別ごとに、データ番号(Bit0~3)が設定されており、データ番号が1なら始動口1などと始動口番号を示している。
【0108】
カウント情報は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。データ種別が1=始動口入賞、2=大入賞口入賞、3=入賞口入賞、9=役物作動による始動口入賞、10=役物連続作動による大入賞口入賞、11=役物作動による入賞口入賞の場合、カウント情報は、賞球数(上位4Bit)と入賞個数(下位4Bit)で構成される。例えば、3個賞球の始動口1に2個入賞した場合、データ種別(Bit4~7)が”1=始動口1”、データ番号(Bit0~3)が”1=始動口1”、賞球数(Bit4~7)が”3=3個賞球”、入賞個数(Bit0~3)が”1=1個入賞”の遊技情報(0x1131)が2データとなる。
【0109】
次に、
図4~
図10で説明した電文を使ったCU3とP台2との間の通信について説明する。
図11は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の通信シーケンスを示す図である。
図12は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報のタイミングを示す図である。
図11に示すシーケンスでは、
図4に示した(b)貸出応答情報のNo.3~No.4の情報、(c)計数情報、および(d)遊技機情報が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されている。逆に、
図4に示した(a)貸出情報のNo.1~No.2の情報が共通の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信されている。
【0110】
なお、
図11に示すシーケンスは一例であり、
図4に示した(c)計数情報、および(d)遊技機情報が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されるシーケンスでもよい。このシーケンスの場合、
図4に示した(a)貸出情報のNo.1~No.2の情報が別の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信され、(b)貸出情報のNo.3~No.4の情報が別の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信される。さらに、
図4に示した(a)貸出情報のNo.1~No.2の情報が共通の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信され、
図4に示した(b)貸出情報のNo.3~No.4の情報、および(c)計数情報が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されるシーケンスでもよい。このシーケンスの場合、
図4に示した(d)遊技機情報が別の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されるシーケンスでもよい。
【0111】
P台2からCU3へ送信される情報のうち、(d)遊技機情報は、
図12で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、P台2からCU3への情報の送信から次の情報の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.3秒)に制御されている。P台2は、CU3での遊技機情報の受信状況に関わらず、規定期間Aごとに遊技機情報をCU3に送信することができる。そのため、P台2において、遊技機情報の再送処理が不要となり、過去の遊技機情報を記憶する必要がなくなり、処理負担を軽減できる。
【0112】
このように、P台2からCU3へ300msの間隔で情報が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発の遊技球が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、球を1発発射する間に複数の情報が送受信されることになる。
【0113】
遊技機情報は、計数情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、計数情報を送信しようとした場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。そこで、P台2では、遊技機情報をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、情報伝送の最適化を図るため、遊技機情報を送信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、100ms)に対応するタイミングで、(c)計数情報をCU3に送信する。計数情報は、CU3での受信状況に関わらず、規定期間BごとCU3に送信される。なお、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、計数球数に例えば250球の情報が含まれ、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、計数球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
【0114】
計数情報の送信は、遊技機情報を送信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、遊技機情報との輻輳が生じないタイミングであればよく、規定期間B経過後から次の遊技機情報が送信されるタイミングまでの間でもよい。
【0115】
図12では、計数情報をCU3に送信した後、受信有効時間(例えば、170ms)の間にCU3から貸出情報を受信する。CU3からP台2に対して送信される貸出情報には、貸出球数および貸出通番の情報が含まれる。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、貸出球数に例えば125球の情報が含まれ、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、貸出球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
【0116】
貸出応答情報は、遊技機情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、CU3から貸出応答情報が送信されて来る場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。
【0117】
そこで、CU3は、計数情報を受信してから受信有効時間の間に貸出情報をP台2に送信している。つまり、P台2では、計数情報を送信してから受信有効時間内のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信し、その応答時間内に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報をCU3に送信する。
【0118】
図12では、技機情報を送信するタイミングを基準に計数情報を送信するタイミングを決定し、計数情報を送信するタイミングを基準に貸出情報を受信するタイミングを決定するCU3とP台2との通信の例を説明したが、CU3とP台2との通信が、遊技機情報を送信するタイミングを基準に、計数情報および貸出情報を送受信するタイミングを決定するなど他のタイミングでもよい。
【0119】
CU3は、計数情報を受信してから受信有効時間内に貸出情報を送信するタイミングについてさらに詳しく説明する。
図13は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報のタイミングチャートである。
【0120】
まず、
図13に示す(i)において、枠制御基板17は、遊技が可能になると、300ms周期で遊技機情報をCU3に送信する。(ii)において、枠制御基板17は、遊技者による計数ボタン28の操作の有無に関わらず、遊技機情報の送信から100ms経過後に計数情報を送信する。また、300ms周期内に計数ボタン28が押下された場合には、計数球数を250として計数情報を送信する。なお、計数ボタン28の操作がない場合、計数球数に0(ゼロ)の情報を入れて計数情報が送信される。
【0121】
(iii)において、CU3は、計数情報の受信完了から170ms以内(受信有効時間)に貸出情報を送信する。また、300ms周期内に球貸ボタン321又は再プレイボタンが押下された場合には、貸出球数を125として貸出情報を送信する。なお、球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作がない場合、貸出球数に0(ゼロ)の情報を入れて貸出情報が送信される。なお、CU3から、計数情報の受信完了から170ms以内に貸出情報が送信されるが、CU3から計数情報に対応した応答情報の送信が行われない。そのため、P台2側で、CU3が計数情報を受信したか否かを認識しない。
【0122】
(iv)において、枠制御基板17は、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信すると、当該情報の受信から10ms以内(応答時間)に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報をCU3に送信する。(v)以後、300msの周期で同じ動作を繰り返す。
【0123】
図13に示すタイミングでは、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作がなくても、CU3とP台2との間で貸出情報および貸出応答情報が送受信されている。しかし、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作がなければ、CU3とP台2との間で貸出情報および貸出応答情報が送受信されることはないとしてもよい。
図14は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される貸出情報および貸出応答情報のタイミングの変形例を示す図である。
【0124】
まず、
図14に示す(i)において、枠制御基板17は、遊技が可能になると、300ms周期で遊技機情報をCU3に送信する。(ii)において、枠制御基板17は、遊技者による計数ボタン28の操作の有無に関わらず、遊技機情報の送信から100ms経過後に計数情報を送信する。また、300ms周期内に計数ボタン28が押下された場合には、計数球数を250として計数情報を送信する。なお、計数ボタン28の操作がない場合、計数球数に0(ゼロ)の情報を入れて計数情報が送信される。(iii)以後、300msの周期で同じ動作を繰り返す。
【0125】
(iv)において、CU3は、球貸ボタン321又は再プレイボタンが押下された場合、計数情報の受信完了から170ms以内(受信有効時間)に貸出球数を125として貸出情報を送信する。つまり、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作は、計数情報を送信する前に行われており、当該操作後、P台2からの計数情報を受信するタイミングを待って、170ms以内(受信有効時間)に貸出情報を送信する。一方、CU3は、球貸ボタン321又は再プレイボタンが押下されていない場合、計数情報の受信を完了しても貸出情報を送信しない。(v)において、枠制御基板17は、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信すると、当該情報の受信から10ms以内(応答時間)に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報をCU3に送信する。
【0126】
次に、
図13に示すタイミングで、カードユニットとパチンコ遊技機との間で情報が送受信される場合に、カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続が発生したときの処理について説明する。
図15は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で未接続発生となった場合の情報のタイミングを示す図である。
図15に示す(i)~(v)のタイミングにおける処理については、
図13に示すタイミングにおける処理と同じであるため、(vi)以降のタイミングでの処理について説明する。
【0127】
(vi)において、CU3とP台2との間でPIF配線が抜ける等で未接続が発生した場合、配線番号8,9に供給されている接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0(ゼロ)Vに変化(VL=ONからOFFへの変化)する。配線番号8,9に供給されている接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことに基づいて、枠制御基板17では発射制御基板31に対して遊技球の発射を停止する信号を出力する。このように、P台2では、
図15に示すような処理を行うことで、CU3と認証を行うことなく簡素な構成および処理にて遊技球の発射を停止することができる。また、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことに基づいて、
図25に示す計数スイッチ基板37において計数ボタン28の操作が無効になる。P台2が一次局の場合、PIF配線が抜ける等で未接続が発生したときに、遊技者が計数ボタン28を操作してCU3に対して計数情報を出力してしまうと、CU3からP台2に対して計数情報の受信確認を行っていないためCU3で遊技機情報を用いたリカバリ処理が困難になることがある。このような事象によって遊技者に不利益を生じさせないために、CU3とP台2との間で未接続が発生した場合、計数ボタン28の操作そのものを無効、または計数情報の出力を無効にしている。
【0128】
CU3とP台2との間で未接続が発生した後も、(vii)において、枠制御基板17は、遊技が可能になると、300ms周期で遊技機情報をCU3に送信する。(viii)において、枠制御基板17は、遊技者による計数ボタン28の操作の有無に関わらず、遊技機情報の送信から100ms経過後に計数情報を送信する。
【0129】
<カードユニット側とパチンコ遊技機側との送受信態様>
次に、
図16は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。
図16を参照して、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
【0130】
本実施の形態においては、P台2側において遊技球数の変動を算出して現在の最新の遊技球数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行っているが、その遊技球数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持ち球(カード持ち球数)や貯玉数、プリペイド残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
【0131】
図16では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の枠制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2とCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の枠制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、枠制御基板17自体が記憶している枠チップID(枠制御チップID)をCU3側へ送信する。
【0132】
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと枠チップIDとを記憶する。この状態で、メインチップID、枠チップIDの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら2つの情報、すなわち、メインチップIDと枠チップIDとが送信される。
【0133】
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。一方、P台2では、電源投入後に設置情報であるメインチップID、枠チップIDの情報などの情報をCU3に送信し、その後、CU3を含む外部へ所定期間ごとに遊技機情報を送信することが可能となる。P台2では、認証処理を経ることなく遊技機情報を出力可能となるため、処理負担を軽減できる。
【0134】
CU3およびP台2の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CU3およびP台2の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「遊技球数通番」、「計数通番」および「貸出通番」の3種類がある。「通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通番」は、送信側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通番」をカウントアップしない。受信側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「遊技球数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球数を通知する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球の計数を要求する際に用いられる通番である。「貸出通番」はCU3がP台2に対して遊技球の貸出を要求する際に用いられる通番である。
【0135】
P台2側からCU3側へは、最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報が送信される。この最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報は、P台2側の枠制御部171(
図2参照)のRAMに記憶されている。具体的には、計数球数カウンタの情報が含まれる。なお、遊技球数は、不正監視情報として遊技球数カウンタのカウント値をP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技球数カウンタに加えて、遊技球数も最新の遊技機性能情報に含めてもよい。
【0136】
これらのカウンタの情報が、まとめて遊技機情報としてCU3側へ送信される。CU3では、P台2から送信されてくる最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握している。CU3では、例えば、ホールコン情報に含まれる「賞球球数×入賞個数」に基づき遊技球数を加算し、「発射球数」に基づき遊技球数を減算する。さらに、計数球数カウンタは、計数球数をカウントするカウンタである。計数球数は、「計数操作によって遊技球から持ち球に変換された球数」である。計数累積球数カウンタは、計数累積球数をカウントするカウンタである。計数累積球数は、「計数操作によって遊技球から持ち球に変換された球の累積球数」であり、RAMクリア(初期化操作)から計数された累積球数、またはその日に計数された累積球数である。なお、遊技者が交代しても累積球数は変化しないものとする。また、計数累積球数カウンタには、2バイトのデータ領域が割り当てられており、0球~65,535球の情報を格納可能である。そのため、計数累積球数カウンタは、計数累積球数を「0xFFFF(65,535球)」までカウントすると、次の値を「0x0000(0球)」に更新する。なお、遊技球の発射中に計数操作を受付けた場合、計数処理の対象となる遊技点の更新処理を優先的に行い、遊技球の発射を停止して発射に対応する遊技点の更新処理については実行を停止する。これにより、計数処理の対象となる遊技点の減算と、発射に対応する遊技点の減算とのタイミングが重なることを回避することができ、遊技点の更新処理をより正確に実現でき、誤った更新処理の発生を防止することができる。また、計数処理の対象となる遊技点の減算と、発射に対応する遊技点の減算とを同時に行ってもよい。これにより、遊技球の発射を停止することがないので、円滑な遊技を実現することができる。ここで、「賞球球」は、入賞口へ球が入賞することにより払出される球であり、セーフ球である。「発射球」は、遊技機が発射した球であり、バック球がある場合はバック球を減算した球数が発射球数となる。
【0137】
枠制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技球数を計数球数としてカウントし、その計数球数カウンタの値(計数球数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、枠制御部171は、計数球数カウンタの値(計数球数)がカウントされる毎に計数累積球数カウンタの値が更新され、その計数累積球数カウンタの値(計数累積球数)をP台2側からCU3側へ送信する。
【0138】
P台2側においては、計数球数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、当該カウント値を前回遊技機情報記憶領域(枠制御部171のRAMなど)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、計数球数カウンタの値を0クリアする(遊技球数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
【0139】
その結果、前回遊技機情報(直前に送信した遊技機情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した計数球数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ計数球数のデータが送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技機情報に、直前に送信した遊技球数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
【0140】
また、枠制御基板17は、入賞の発生、球の発射、および計数球の発生(遊技球から持ち球への変換)に応じて、遊技球数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技球数カウンタの値を遊技球数としてCU3側に送信する。
【0141】
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技球数、カード持ち球数(単に、持ち球数とも言う)、貯玉数、残額、およびカード挿入時持ち球数を記憶している。なお、カード持ち球数は、カード挿入時持ち球数から貸出球数(カード持ち球数から遊技球数に変換した球数)を減算し、計数球数を加算した球数である。つまり、カード持ち球数は、現時点で遊技者が所有している持ち球数である。
【0142】
P台2から送信されてきた計数球数カウンタの値に基づいてカード持ち球数を加算し、遊技球数から減算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新の遊技機情報によって遊技球数、カード持ち球数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
【0143】
CU3は、図示のとおり、遊技球数を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技球数カウンタのカウント値(遊技球数または遊技球トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技球数を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台2側から送信されてきた最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握するとともに、計数球数カウンタの値および貸出球数の値に基づいて、記憶している遊技球数を更新するとともに、P台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値と、更新後の遊技球数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行う。
【0144】
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器54によりエラー報知が行われ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバによるエラー報知が行われるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行われる。
【0145】
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技球数をP台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技球数と、P台2側で記憶している遊技球数との平均値に補正してもよい。
【0146】
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技球数を記憶させているが、その遊技球数がP台2側で管理記憶している遊技球数と整合するか否かの判定を行えるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技球数がCU3側で記憶している遊技球数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバまたはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で記憶している遊技球数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行うものとしてもよい。
【0147】
また、CU3は、計数情報を受信できなかった場合、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で管理記憶している遊技球数とが一致しなくなるので、特別処理を実行する。当該特別処理として、遊技機情報に基づく遊技球数の補填を行うため遊技機情報の履歴情報を表示させる処理を行ったり、当該履歴情報に基づき遊技球数の補填を行ったり、エラー報知を行ったりする。
【0148】
さらに、
図16に示すように、CU3は、カード持ち球数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのプリペイド残額を記憶する記憶領域と、およびカード挿入時持ち球を記憶する記憶領域とをさらに有する。CU制御部323(
図2参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタンの押圧入力(ただし、持ち球無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
【0149】
CU制御部323(
図2参照)は、持ち球の使用を要求する入力(たとえば、持ち球有のときのCU3に設けられた再プレイボタンの押圧入力)に応じて持ち球を記憶する記憶領域から所定数の持ち球を減算する。さらに、CU制御部323(
図2参照)は、プリペイド残額の使用を要求する入力(たとえば、球貸ボタン321の押圧入力)に応じてプリペイド残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
【0150】
遊技者所有の所有価値(たとえば持ち球数、貯玉数、あるいはプリペイド残額)から所定の大きさの価値を貸出して遊技に使用する操作を遊技者が行った場合に、その引落とし分の球数を遊技球数カウンタに加算するための貸出球数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技球数カウンタを加算更新する。
【0151】
<CUとP台との通信シーケンス>
次に、CU3とP台2との通信シーケンスについて説明する。CU3とP台2との間の通信において、P台2を一次局、CU3を二次局とするコマンド-レスポンス方式が採用されている。まず、P台2からCU3へ遊技機設置情報を送信するタイミングについて説明する。
図17は、パチンコ遊技機からカードユニットへ遊技機設置情報を送信するタイミングを説明するためのシーケンスを示す図である。P台2の起動完了後、P台2は、通番=0、遊技機情報通知のコマンドをCU3へ送信する。P台2は、300ms経過後に、通番=1、遊技機情報通知のコマンドをCU3へ送信する。P台2は、通番=0から通番=1の間に、計数通知のコマンドをCU3へ送信し、さらに貸出通知のコマンドをCU3から受信し、それに対するレスポンスとして貸出受領結果応答のコマンドをCU3に返信している。
【0152】
CU3とP台2との通信シーケンスにおいて、P台2の起動完了後、通番=0から通番=1の間に行われるような電文通信が繰り返されるが、P台2の起動完了から1分(60s)経過後に、P台2は、通番=200、遊技機情報通知のコマンドに遊技機設置情報を含めてCU3へ送信する。その後、P台2は、1分周期でCU3に対して遊技機設置情報を通知する。
【0153】
次に、P台2からCU3へ遊技機性能情報を送信するタイミングについて説明する。
図18は、パチンコ遊技機からカードユニットへ遊技機性能情報を送信するタイミングを説明するためのシーケンスを示す図である。P台2の起動完了後、P台2は、通番=0、遊技機情報通知のコマンドをCU3へ送信する。P台2は、300ms経過後に、通番=1、遊技機情報通知のコマンドをCU3へ送信する。P台2は、通番=0から通番=1の間に、計数通知のコマンドをCU3へ送信し、さらに貸出通知のコマンドをCU3から受信し、それに対するレスポンスとして貸出受領結果応答のコマンドをCU3に返信している。
【0154】
CU3とP台2との通信シーケンスにおいて、P台2の起動完了後、通番=0から通番=1の間に行われるような電文通信が繰り返されるが、P台2の起動完了から3分(180s)経過後に、P台2は、通番=88、遊技機情報通知のコマンドに遊技機性能情報を含めてCU3へ送信する。その後、P台2は、遊技球を規定発射球数分(例えば、60000球)の発射もしくは規定時間(例えば、10時間)の周期毎に通知する。
【0155】
次に、P台2からCU3へホールコン・不正監視情報を送信するタイミングについて説明する。
図19は、パチンコ遊技機からカードユニットへホールコン・不正監視情報を送信するタイミングを説明するためのシーケンスを示す図である。P台2の起動完了後、P台2は、通番=0、遊技機情報通知のコマンドにホールコン・不正監視情報を含めてCU3へ送信する。P台2は、300ms経過後に、通番=1、遊技機情報通知のコマンドにホールコン・不正監視情報を含めてCU3へ送信する。P台2は、通番=0から通番=1の間に、計数通知のコマンドをCU3へ送信し、さらに貸出通知のコマンドをCU3から受信し、それに対するレスポンスとして貸出受領結果応答のコマンドをCU3に返信している。
【0156】
CU3とP台2との通信シーケンスにおいて、P台2の起動完了後、通番=0から通番=1の間に行われるような電文通信が繰り返される。つまり、P台2の起動完了から、P台2は、300msの周期(所定期間)で、遊技機情報通知のコマンドにホールコン・不正監視情報を含めてCU3へ送信する。
【0157】
遊技機情報通知のコマンドに含めることができる遊技機情報は、遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報のうちいずれか1つである。それぞれの情報は、
図17~
図19で説明した周期でそれぞれ送信されるが、具体的に、遊技機情報通知のコマンドに含まれる遊技機情報の種別を、どのような通知条件によりいずれか1つに決定しているのかについて説明する。
【0158】
図20は、パチンコ遊技機からカードユニットへ送信する遊技機情報の種別決定の処理を説明するためのフローチャートである。なお、
図20に示す処理は、P台2(特に、枠制御部171のCPU)が、CU3に遊技機情報通知のコマンドをする前に実行される処理である。なお、遊技機情報通知のコマンドの送信周期が300msであるのに対して、枠制御部171のCPUでのタイマ割り込みによる処理周期は4msであるため、
図20に示す処理を十分に実行可能である。まず、P台2は、発射、賞球、状態変化があるか否かを判断する(ステップS101)。つまり、P台2は、
図9および
図10に示した情報(例えば、遊技球数、主制御状態1、遊技機エラー状態、不正検知状態1など)に変化があった場合に、発射、賞球、状態変化があると判断する。
【0159】
発射、賞球、状態変化があると判断した場合(ステップS101でYES)、P台2は、遊技機情報の種別にホールコン・不正監視情報の「0x02」を選択する(ステップS102)。遊技機情報の種別にホールコン・不正監視情報の「0x02」が選択されると、
図20に示す処理を終了し、P台2は、遊技機情報通知のコマンドにホールコン・不正監視情報の情報を含めてCU3へ送信する。
【0160】
発射、賞球、状態変化がないと判断した場合(ステップS101でNO)、P台2は、特別期間が経過したか否かを判断する(ステップS103)。ここで、特別期間とは、P台2の起動完了から例えば3分(180s)、遊技球を規定発射球数分(例えば、60000球)の発射もしくは規定時間(例えば、10時間)である。特別期間が経過したと判断した場合(ステップS103でYES)、P台2は、遊技機情報の種別に遊技機性能情報の「0x01」を選択する(ステップS104)。遊技機情報の種別に遊技機性能情報の「0x01」が選択されると、
図20に示す処理を終了し、P台2は、遊技機情報通知のコマンドに遊技機性能情報の情報を含めてCU3へ送信する。
【0161】
特別期間が経過していないと判断した場合(ステップS103でNO)、P台2は、所定周期が経過したか否かを判断する(ステップS105)。ここで、所定周期とは、P台2の起動完了から例えば1分(60s)であり、特別期間に比べて短い期間である。所定周期が経過したと判断した場合(ステップS105でYES)、P台2は、遊技機情報の種別に遊技機設置情報の「0x00」を選択する(ステップS106)。遊技機情報の種別に遊技機設置情報の「0x00」が選択されると、
図20に示す処理を終了し、P台2は、遊技機情報通知のコマンドに遊技機設置情報の情報を含めてCU3へ送信する。
【0162】
所定周期が経過していないと判断した場合(ステップS105でNO)、P台2は、遊技機情報の種別にホールコン・不正監視情報の「0x02」を選択する(ステップS107)。遊技機情報の種別にホールコン・不正監視情報の「0x02」が選択されると、
図20に示す処理を終了し、P台2は、遊技機情報通知のコマンドにホールコン・不正監視情報の情報を含めてCU3へ送信する。なお、ステップS107でCU3に送信するホールコン・不正監視情報は、発射、賞球、状態変化がない場合に送信される情報であるため、空の情報が送信されることになる。
【0163】
図20に示す処理から分かるように、P台2からCU3に送信される遊技機情報通知のコマンドに含まれる遊技機情報は、遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報のうちいずれか1つであり、それぞれ送信される優先度が異なる。具体的に、優先度は、ホールコン・不正監視情報が一番高く、遊技機性能情報、遊技機設置情報と順に低くなる。ただし、ホールコン・不正監視情報の優先度は、発射、賞球、状態変化がない場合、遊技機性能情報、遊技機設置情報よりも低くなる。つまり、P台2は、遊技機性能情報を送信するタイミングと、遊技機設置情報を送信するタイミングとが重なった場合、遊技機性能情報の送信を優先し、次のタイミングで遊技機設置情報を送信し、遊技機性能情報を送信するタイミングと、ホールコン・不正監視情報を送信するタイミングとが重なった場合、ホールコン・不正監視情報の送信を優先し、次のタイミングで遊技機性能情報を送信する。
【0164】
<計数通知シーケンス>
次に、遊技球の一部を計数して減算する計数通知シーケンスについて説明する。
図21および
図22は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の計数通知シーケンスを示す図である。
図21および
図22では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタン28が押下された場合を示している。
【0165】
また、
図21では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持ち球数が「100」球であり、当初の遊技球数が「1000」球の状態となっている。
【0166】
なお、ここでは、計数ボタン28の操作が検出されている間、250球単位での計数が継続し、計数ボタン28の操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。しかし、計数ボタン28を長押し操作した時間に応じて計数する遊技球数が多くなるようにしても、また、計数ボタン28を一定期間長押し操作した場合、保有している遊技球数をすべて計数してもよい。
【0167】
まず、P台は、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、および遊技機性能情報のいずれか1つの情報を含む遊技機情報通知(以下、単に遊技機情報通知という)をCU3へ送信する。なお、含まれる情報がホールコン・不正監視情報であるので、通番=n、遊技球数=1000の情報を含む。P台は、遊技機情報通知をCU3に送信してから100ms以内(
図12に示す規定期間B以内)に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
【0168】
P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していた場合、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=250、計数累積球数=250の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=1000の情報から計数した250球を減算して遊技球数=750の情報に更新する。一方、P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していない場合、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数なしを通知する。
【0169】
例えば、遊技者が計数ボタン28を未操作の場合、CU3に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数は0(ゼロ)球の計数データとなる。また、遊技者の計数ボタン28の操作に応じて、例えば0.5秒未満の連続操作を検知の場合、CU3に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数は1球の計数データとなる。これは、持ち球の端数調整用に用いる操作である。また、0.5秒以上0.8秒未満の連続操作を検知の場合、CU3に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数は250球の計数データとなる。0.8秒以上の連続操作を検知の場合、CU3に最初に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数が250球の計数データとなり、以後0.3秒ごとにCU3に送信する計数通知の電文に含まれる計数球数が250球の計数データとなる。つまり、遊技者が計数ボタン28を連続操作した場合、0.3秒毎に250球分の計数データをCU3に送信することになる。
【0170】
CU3は、P台2からの計数情報を受信して、保有している持ち球数に計数球数を加算し、持ち球数=100+250=350に更新する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間(
図12参照)内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、貸出通番=k、貸出球数=0の情報を含む。
【0171】
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間(
図12参照)内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、貸出通番=k、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
【0172】
P台2は、前回遊技機情報通知をCU3へ送信してから、規定期間A(
図12参照)の経過後に遊技機情報通知をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報通知には、ホールコン・不正監視情報に更新された通番=n+1、減算した遊技球数=750の情報を含む。
【0173】
P台2は、CU3に新たな遊技機情報通知を送信する際に、遊技者による計数ボタン28の押下が継続していた場合、計数通知の電文に更新した計数通番=m+1、計数球数=250、計数累積球数=500の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=750の情報から計数した250球を減算して遊技球数=500の情報に更新する。また、P台2は、前回の計数累積球数=250の情報に、今回の数球数=250の情報を加算して、計数累積球数=500の情報に更新している。
【0174】
CU3は、P台2からの計数情報を受信して、保有している持ち球数に計数球数を加算し、持ち球数=350+250=600に更新する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数=0の情報を含む。
【0175】
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
【0176】
図22示すシーケンスにおいて、P台2は、CU3に新たな遊技機情報通知を送信する前に遊技者が計数ボタン28の押下を止めた場合、CU3に次回の遊技機情報通知を送信するタイミング以降、計数を行わない。具体的に、P台2は、CU3に新たな遊技機情報通知を送信する際に、遊技者が計数ボタン28の押下を止めているので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+2、計数球数=0、計数累積球数=500の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。
【0177】
つまり、P台は、計数を行わず計数球数=0の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信し、保有している遊技球数=500の情報のままにして遊技球数の情報を更新しない。また、P台2は、計数累積球数の情報を、前回の計数累積球数=500の情報のままにして情報を更新しない。
【0178】
CU3は、P台2からの計数情報を受信しても、計数球数=0の情報なので保有している持ち球数=600を更新しない。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、更新した貸出通番=k+2、貸出球数=0の情報を含む。
【0179】
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、更新した貸出通番=k+2、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。P台2は、前回遊技機情報通知をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報通知をCU3に送信する。
【0180】
<PIF断線時の復旧シーケンス>
次に、PIF断線時の復旧シーケンスについて説明する。
図23および
図24は、カードユニットとパチンコ遊技機との間のPIF断線時の復旧シーケンスを示す図である。
図23および
図24では、
図15で説明した接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0V(オフ状態:VL=OFF)に、または接続確認信号PSIの出力がオフ状態(PSI=OFF)に変化することで、PIF断線を検知する場合を例に説明する。なお、
図15~
図21に示したように他の方法でPIF断線を検知してもよい。
【0181】
まず、P台は、ホールコン・不正監視情報を含む遊技機情報通知をCU3へ送信する。なお、ホールコン・不正監視情報には、通番=n、遊技球数=1000の情報を含む。P台は、遊技機情報通知をCU3に送信してから100ms以内(
図12に示す規定期間B以内)に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
【0182】
P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していないので、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。
【0183】
CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間(
図12参照)内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、貸出通番=k、貸出球数=0の情報を含む。
【0184】
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間(
図12参照)内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、貸出通番=k、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
【0185】
P台2は、前回遊技機情報通知をCU3へ送信してから、規定期間A(
図12参照)の経過後に遊技機情報通知をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報通知に含まれるホールコン・不正監視情報には、更新された通番=n+1、遊技球数=1000の情報を含む。
【0186】
その後、PIF断線が発生した場合、P台2は、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0V(オフ状態:VL=OFF)に、または接続確認信号PSIの出力がオフ状態(PSI=OFF)に変化したことに基づいてPIF断線を検知して、遊技球の発射を停止する。CU3は、PIF断線を検知した場合、エラー表示を行った後に、
図3に示す配線番号8,9に供給している接続確認用の電源VLをオフ状態(VL=OFF)とする。なお、P台2では、遊技球の発射停止、計数ボタン28の操作を無効とする。
【0187】
ここで、CU3とP台2との接続構成を説明する。
図25は、カードユニットとパチンコ遊技機との接続構成を説明するためのブロック図である。CU3とP台2との接続は、
図3に示したようにPIF配線により接続されている。そのうち、
図25では、CU3とP台2とを接続する配線として、接続確認用の電源VLの配線(
図3に示す配線番号8,9)、絶縁GNDの配線(
図3に示す配線番号1)、貸出情報の配線(
図3に示す配線番号7)、および貸出受領結果、計数情報、遊技機情報の配線(
図3に示す配線番号6)が図示されている。
【0188】
図25に示すように、CU3とP台2とが接続確認用の電源VLの配線で接続され、CU3のオンボード電源3aから5Vの電圧が供給されている。P台2では、接続確認用の電源VLの配線が遊技球等貸出装置接続端子板36に設けたフォトカプラ36a,36bに接続されている。遊技球等貸出装置接続端子板36では、接続確認用の電源VLの配線以外に、貸出情報を通信する配線がフォトカプラ36cに、貸出応答情報、計数情報、遊技機情報を通信する配線がフォトカプラ36dにそれぞれ接続されている。CU3とP台2とは、フォトカプラを用いてPIF配線で接続されているので、情報を通信することはできるが、電気的には絶縁されている。CU3では、貸出情報を通信する配線がフォトカプラ3cに、貸出応答情報、計数情報、遊技機情報を通信する配線がフォトカプラ3dにそれぞれ接続されている。
【0189】
フォトカプラ36bは、枠制御基板17に設けたNOR回路17aと接続されている。接続確認用の電源VLの配線に5Vの電圧が供給されてフォトカプラ36bがON状態のときは、枠制御基板17において遊技機の5Vの電圧がフォトカプラ36bを介して遊技機のGNDに流れるため、NOR回路17aの入力(遊技球等貸出装置接続端子板36からの信号)がLowレベルとなる。一方、主制御基板から発射停止信号がNOR回路17aに供給されるが、発射許可時にはLowレベルであるので、NOR回路17aから発射制御基板31に出力される発射許可信号はHighレベルとなって、遊技球の発射が可能となる。
【0190】
接続確認用の電源VLの配線が切断されて供給される電圧が0Vになるとフォトカプラ36bがOFF状態となり、枠制御基板17において遊技機の5Vの電圧がフォトカプラ36b側に流れず、NOR回路17aの入力(遊技球等貸出装置接続端子板36からの信号)がHighレベルとなる。そのため、NOR回路17aから発射制御基板31に出力される発射許可信号はLowレベルとなって、遊技球の発射が停止される。なお、主制御基板からNOR回路17aに供給される発射停止信号がHighレベルとなっても、NOR回路17aから発射制御基板31に出力される発射許可信号はLowレベルとなって、遊技球の発射が停止される。
【0191】
なお、接続確認用の電源VLの配線に5Vの電圧が供給されてフォトカプラ36aがON状態のときは、遊技機の5Vの電圧がフォトカプラ36aを介して計数スイッチの5Vの電圧として計数スイッチ基板37のフォトカプラ37aに供給される。そのため、接続確認用の電源VLの配線に5Vの電圧が供給されている間は、フォトカプラ37aから枠制御基板17に対して計数スイッチ信号を供給することが可能となる。なお、遊技者が計数ボタン28を操作した場合、枠制御基板17に対して供給される計数スイッチ信号に計数球数の情報を含ませて供給することになる。
【0192】
一方、接続確認用の電源VLの配線が切断されて供給される電圧が0Vになるとフォトカプラ36aがOFF状態になり、遊技機の5Vの電圧がフォトカプラ36aを介して計数スイッチの5Vの電圧として計数スイッチ基板37のフォトカプラ37aに供給されなくなる。そのため、接続確認用の電源VLの配線が切断され通信異常となると、フォトカプラ37aから枠制御基板17に対して計数スイッチ信号が供給されなくなる。つまり、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、遊技者の計数ボタン28に対する操作が無効となる。
【0193】
図23に示すPIF断線時の復旧シーケンスに戻って、PIF断線が発生した場合でも、P台は、遊技機情報通知をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。しかし、PIF断線が発生している場合、
図25で説明したように、遊技者が計数ボタン28を押下しても計数ボタン28の操作が無効となるため、計数球数0球の情報をCU3に通知する。つまり、P台は、計数通知の電文に更新した計数通番=m+1、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。しかし、PIF断線が発生しているのでP台から送信した計数情報はCU3に届かない。そのため、CU3は、P台2からの計数情報を受信していないので貸出情報をP台2に送信しない。
【0194】
P台2は、貸出情報がCU3から送信されなくても、前回遊技機情報通知をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報通知をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報通知に含まれるホールコン・不正監視情報には、更新された通番=n+2、遊技球数=1000の情報を含む。しかし、PIF断線が発生しているのでP台から送信した遊技機情報通知はCU3に届かない。
【0195】
さらに、P台は、遊技機情報通知をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。P台は、計数通知の電文に更新した計数通番=m+2、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。しかし、PIF断線が発生しているのでP台から送信した計数情報はCU3に届かない。
【0196】
その後、
図24に示すようにPIF配線の接続が復旧する。PIF配線の接続が復旧した場合、計数ボタン28の操作を有効にし、PIF断線の間にCU3で正常に受信できなかった計数情報については、復旧後または後続の計数累積球数の情報と遊技球数の情報とを用いてCU3側でリカバリ処理を行うことが可能である。また、CU3は、CU3とP台2とが正常に接続された場合、管理装置に対してPIF配線の接続が復旧した旨を通知し、遊技店の店員によって遊技球数を確認し、正常に受信できなかった計数情報による遊技球数の補償を行ってエラーを復旧させる。なお、CU3は、管理装置に対して通信異常を特定することができる情報を出力可能である。また、CU3は、VL=ON後にPIF配線322の接続状況を確認する。
【0197】
CU3は、エラー復旧してから接続確認用の電源VLがON状態(VL=ON)となり、接続確認用の電源VLの電圧が5Vになるので、P台2では遊技球の発射が可能となる。なお、PIF配線の接続が復旧した場合、CU3側への接続確認信号PSIの出力もオン状態(PSI=ON)に変化する。
【0198】
PIF配線の接続が復旧した後に、P台は、ホールコン・不正監視情報を含む遊技機情報通知をCU3へ送信する。なお、遊技機情報通知に含まれるホールコン・不正監視情報には、更新した通番=n+3、遊技球数=1000の情報を含む。P台は、遊技機情報通知をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
【0199】
P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していないので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+3、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。
【0200】
CU3は、PIF配線の接続が復旧しているので、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数=0の情報を含む。
【0201】
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
【0202】
<計数中の通信異常シーケンス>
次に、計数中の通信異常シーケンスについて説明する。
図26および
図27は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の計数中の通信異常シーケンスを示す図である。通信異常は、PIF断線だけに限定されるものではなく、何らかの理由でCU3とP台2との通信が正常に行えない場合を含む。
図26および
図27では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタン28が押下された場合を示している。
【0203】
また、
図26では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持ち球数が「100」球であり、当初の遊技球数が「1000」球の状態となっている。
【0204】
なお、ここでは、計数ボタン28の操作が検出されている間、250球単位での計数が継続し、計数ボタン28の操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。しかし、計数ボタン28を長押し操作した時間に応じて計数する遊技球数が多くなるようにしても、また、計数ボタン28を一定期間長押し操作した場合、保有している遊技球数をすべて計数してもよい。
【0205】
まず、P台は、計数ボタン28が押下された後、遊技機情報通知をCU3へ送信する。なお、遊技機情報通知に含まれるホールコン・不正監視情報は、通番=n、遊技球数=1000の情報を含む。P台は、遊技機情報通知をCU3に送信してから100ms以内(
図12に示す規定期間B以内)に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
【0206】
P台2は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下しているので、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=250、計数累積球数=250の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台2は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=1000の情報から計数した250球を減算して遊技球数=750の情報に更新する。
【0207】
CU3は、P台2からの計数情報を受信して、保有している持ち球数に計数球数を加算し、持ち球数=100+250=350に更新する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間内に、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、貸出通番=k、貸出球数=0の情報を含む。
【0208】
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、貸出通番=k、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。
【0209】
P台2は、前回遊技機情報通知をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報通知をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報通知には、ホールコン・不正監視情報を含む。なお、ホールコン・不正監視情報には、更新された通番=n+1、減算した遊技球数=750の情報を含む。
【0210】
P台2は、CU3に新たな遊技機情報通知を送信する際に、遊技者による計数ボタン28の押下が継続しているので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+1、計数球数=250、計数累積球数=500の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=750の情報から計数した250球を減算して遊技球数=500の情報に更新する。また、P台2は、前回の計数累積球数=250の情報に、今回の数球数=250の情報を加算して、計数累積球数=500の情報に更新している。
【0211】
しかし、P台2から送信した計数情報が通信異常のためCU3に届いておらず、CU3は、P台2からの計数情報を未受信のため、保有している持ち球数に計数球数を加算せず、持ち球数=350のままにする。CU3は、球貸ボタン321の押下の有無に関わらず貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。貸出通知の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数=0の情報を含む。なお、CU3は、P台2からの計数情報を受信していないので、貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信いないようにしてもよい。
【0212】
P台2は、CU3からの貸出情報を受信して、応答時間内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、更新した貸出通番=k+1、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。しかし、P台2から送信した貸出情報は、通信異常のためCU3に届いていない。
【0213】
さらに、P台2は、前回遊技機情報通知をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報通知をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報通知には、ホールコン・不正監視情報を含む。なお、ホールコン・不正監視情報には、更新された通番=n+2、減算した遊技球数=500の情報を含む。しかし、P台2から送信した遊技機情報通知は、通信異常のためCU3に届いていない。
【0214】
P台2は、CU3に新たな遊技機情報通知を送信する際に、遊技者による計数ボタン28の押下が継続しているので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+2、計数球数=250、計数累積球数=250の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。P台は、計数球数=250の情報を含む計数通知の電文をCU3に送信した場合、保有している遊技球数=500の情報から計数した250球を減算して遊技球数=250の情報に更新する。また、P台2は、前回の計数累積球数=500の情報に、今回の数球数=250の情報を加算して、計数累積球数=750の情報に更新している。
【0215】
しかし、P台2から送信した計数情報が通信異常のためCU3に届いておらず、CU3は、P台2からの計数情報を未受信のため、保有している持ち球数に計数球数を加算せず、持ち球数=350のままにする。CU3は、前回の遊技機情報通知を受信してから700ms経過したので、通信異常であると判断してエラー表示を行ってから接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0V(オフ状態:VL=OFF)にする。また、接続確認信号PSIの出力もオフ状態(PSI=OFF)に変化する。P台2は、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに、または接続確認信号PSIの出力がオフ状態に変化したことに基づいて通信異常(例えば、PIF断線)を検知して、遊技球の発射を停止し、計数ボタン28の操作を無効する。
【0216】
さらに、P台2は、前回遊技機情報通知をCU3へ送信してから、規定期間Aの経過後に遊技機情報通知をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報通知には、ホールコン・不正監視情報を含む。なお、ホールコン・不正監視情報には、更新された通番=n+3、減算した遊技球数=250の情報を含み、電文が遊技機設置情報通知であれば、更新された通番=n+3の情報を含み、電文が遊技機性能情報通知であれば、更新された通番=n+2の情報を含む。しかし、P台2から送信した遊技機情報通知は、通信異常のためCU3に届いていない。
【0217】
P台2は、遊技機情報通知をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。しかし、通信異常が発生している場合、
図25で説明したように、遊技者が計数ボタン28を押下しても計数ボタン28の操作が無効となるため、計数球数0球の情報をCU3に通知する。つまり、P台は、計数通知の電文に更新した計数通番=m+3、計数球数=0、計数累積球数=750の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。しかし、通信異常が発生しているのでP台から送信した計数情報はCU3に届かない。
【0218】
その後、CU3は、エラー復旧待ち状態となる。通信異常が復旧した場合、エラーの間にCU3で正常に受信できなかった計数情報については、復旧後または後続の計数累積球数の情報と遊技球数の情報とを用いてCU3側でリカバリ処理を行うことが可能である。CU3側のリカバリ処理として、計数情報の一回分の電文を取りこぼした場合には、復旧後の計数情報の通番と累積計数の値とに基づいて、自動的にリカバリ処理が可能である。この場合には、ホールコンや持ち玉管理サーバに対してリカバリ処理を行った旨の報知を行ってもよい。また、復旧後の計数情報の通番により、計数情報の二回分以上の電文を取りこぼした場合には、ホールコンや持ち玉管理サーバに対してエラーを報知し、CU3側で自動的にリカバリ処理を行わず、店員に対して復旧対応を促す報知を行う。さらに、CU3では、事後的に店員がリカバリ処理を確認することができるように、計数情報の受信履歴(個別の計数値と累積計数値)とリカバリ処理の履歴とをCU3側で保持してもよい。もちろん、計数情報の受信履歴とリカバリ処理の履歴とを、ホールコンや持ち玉管理サーバで保持し管理してもよい。また、CU3は、エラー復旧した場合、管理装置に対してエラー復旧した旨を通知し、遊技店の店員によって遊技球数および持ち球数を確認し、正常に受信できなかった計数情報による遊技球数および持ち球数の補償を行ってエラーを復旧させる。なお、CU3は、管理装置に対して通信異常を特定することができる情報を出力可能である。
【0219】
CU3は、エラー復旧してから接続確認用の電源VLがON状態(VL=ON)となり、接続確認用の電源VLの電圧が5Vになるので、P台2では遊技球の発射が可能となる。なお、PIF配線の接続が復旧した場合、CU3側への接続確認信号PSIの出力もオン状態(PSI=ON)に変化する。
【0220】
<貸出時の通信異常シーケンス>
次に、貸出時の通信異常シーケンスについて説明する。
図28は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の貸出時の通信異常シーケンスを示す図である。通信異常は、PIF断線だけに限定されるものではなく、何らかの理由でCU3とP台2との通信が正常に行えない場合を含む。当初の遊技球数が「50」球の状態となっている。
【0221】
まず、P台は、球貸ボタン321が押下された後、ホールコン・不正監視情報を含む遊技機情報通知をCU3へ送信する。なお、ホールコン・不正監視情報には、通番=n、遊技球数=50の情報を含む。P台は、遊技機情報通知をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
【0222】
P台は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していないので、計数通知の電文に計数通番=m、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間(例えば、170ms)内に、貸出通知の電文を含む貸出情報をP台2に送信する。CU3は、遊技者が球貸ボタン321を押下しているので、貸出通知の電文に貸出通番=k、貸出球数=125の情報を含めてP台2に貸出を通知する。CU3は、貸出単価、貸出金額により1球~255球の範囲で貸出球数の情報をP台2に送信する。
【0223】
CU3から送信した貸出情報を受信したP台2は、遊技球数を175球に更新して、応答時間(例えば、10ms)内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信する。貸出受領結果応答の電文には、貸出通番=k、貸出球数受領結果=正常の情報を含む。しかし、P台2とCU3との通信に異常が発生し、P台2から送信した貸出受領結果応答の電文がCU3に届いておらず、CU3は、P台2からの貸出受領結果応答が未受信のため、応答時間(例えば、10ms)内に、貸出受領結果応答の電文を含む貸出応答情報をCU3に送信しない。そのため、CU3では、貸出受領結果応答の電文を応答時間内に未受信のため、貸出処理が未完了であると判断する。
【0224】
P台2は、前回遊技機情報通知をCU3へ送信してから、規定期間A(例えば、300ms)の経過後に遊技機情報通知をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報通知には、ホールコン・不正監視情報を含む。なお、ホールコン・不正監視情報には、更新された通番=n+1、遊技球数=175の情報を含む。さらに、P台は、遊技機情報通知をCU3に送信してから100ms以内に、計数通知の電文を含む計数情報をCU3へ送信する。
【0225】
P台2は、計数情報をCU3へ送信するまでに、遊技者が計数ボタン28を押下していないので、計数通知の電文に更新した計数通番=m+1、計数球数=0、計数累積球数=0の情報を含めてCU3に計数情報を通知する。CU3は、P台2からの計数情報を受信してから受信有効期間(例えば、170ms)内に、前回通知した貸出情報がP台2枠に届いているか否かが分らないため、貸出通知の電文をP台2に再送する。なお、貸出通知の電文を再送するか否かは、CU3の仕様により異なり、再送しない場合であってもよい。CU3は、貸出通知の電文を更新せず貸出通番=k、貸出球数=125の情報を含めてP台2に貸出を通知する。CU3が貸出通知の電文を再送する使用の場合、P台2は、貸出通知の電文に含まれる貸出通番の連続性をチェックし、連続していない場合は、異常であるとして貸出受領結果応答の電文をCU3に応答する。具体的に、P台2は、前回受信した貸出通知の電文に含まれる貸出通番が「k」で、前回受信した貸出通知の電文に含まれる貸出通番も「k」であるため、異常であると判断して、貸出受領結果応答の電文に貸出通番=k、貸出球数受領結果=異常の情報を含めてCU3に送信する。
【0226】
CU3は、前回の貸出通知の電文に含まれる貸出通番と、受信した貸出受領結果応答の電文に貸出通番とが一致し、貸出球数受領結果が異常の場合、前回の貸出通知の電文がP台2に届いていると判断し貸出処理を完了する。
【0227】
貸出処理が完了したとして、P台2は、前回遊技機情報通知をCU3へ送信してから、規定期間A(例えば、300ms)の経過後に遊技機情報通知をCU3に送信する。CU3に送信する新たな遊技機情報通知には、ホールコン・不正監視情報を含む。なお、ホールコン・不正監視情報には、更新された通番=n+2、遊技球数=175の情報を含む。遊技者が球貸ボタン321を押下したことにより、当初の遊技球数が「50」球から「175」球に更新された状態となる。
【0228】
<主制御基板と枠制御基板との通信>
次に、P台2内に設けられた主制御基板16(主制御部161)と枠制御基板17(枠制御部171)との間(
図2参照)での通信について説明する。まず、
図29を参照して、電源投入時、主制御基板16と枠制御基板17との間で処理されるシーケンスを説明する。
図29は、主制御基板16と枠制御基板17との間の通信シーケンスを示す図である。
【0229】
また、主制御基板16と枠制御基板17との通信は、主制御基板16を一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は例えば、108msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。主制御基板16は、通知電文を送信してから108ms間応答を受信できなかった場合、通知電文を再送する。主制御基板16は、10回累積で枠制御基板17からの応答を受信できなかった場合、通信回線断と判断する。
【0230】
さらに、枠制御基板17は正常なデータを受信した場合のみ、主制御基板16へ応答コマンドを送信する。送受信に用いる通番は、主制御基板16、枠制御基板17ともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
【0231】
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御基板16および枠制御基板17の起動を待って、主制御基板16と枠制御基板17との間で通信が開始される。主制御基板16および枠制御基板17の起動には、例えば、最大3分とする。枠制御基板17は、起動から3分以内に遊技機設置情報通知を受信できなかった場合、通信回線断としてエラーの報知を行う。なお、通信回線断後、遊技機設置情報通知を正常受信した場合、エラーの報知を解除する。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信は、平文で行われているが、暗号通信を行ってもよい。
【0232】
まず、主制御基板16は、起動後に遊技機設置情報を枠制御基板17に通知する。具体的に、主制御基板16は、通信通番を「0」として遊技機設置情報通知のコマンドを枠制御基板17に送信する。遊技機設置情報通知のコマンドを受信した枠制御基板17は、カウントアップせずに通信通番を「1」として遊技機設置情報応答のレスポンスを主制御基板16に送信する。
【0233】
主制御基板16は、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知した後、一定周期(108ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知する。具体的に、主制御基板16は、通信通番を「1」として遊技機情報通知のコマンドを枠制御基板17に送信する。遊技機情報通知のコマンドを受信した枠制御基板17は、カウントアップせずに通信通番を「1」として遊技機情報応答のレスポンスを主制御基板16に送信する。以降、主制御基板16が枠制御基板17にコマンドを送信する際に通信通番をカウントアップしながら、遊技機情報を枠制御基板17に通知する。
【0234】
ここで、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとの関係を説明する。
図30は、通信タイミングを説明するための通信シーケンスを示す図である。
図30に示すように、主制御基板16は、一定周期(108ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知している。一方、枠制御基板17は、主制御基板16との通信の一定周期(108ms)より遅い(300ms)の周期で遊技機情報をCU3に送信している。なお、枠制御基板17は、300msではなく200msの周期で遊技機情報をCU3に送信してもよい。
【0235】
つまり、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を3回行う通信タイミングである。なお、枠制御基板17とCU3との通信が200msの周期の場合、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を2回行う通信タイミングとなる。そのため、枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機の情報を、より頻繁に取得できるので遊技機の変化をより正確に把握することができるとともに、適切な間隔で遊技機の情報をCU3に送信することができる。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとが合致しないようにあえて108msとずらしている。主制御基板16と枠制御基板17との通信の周期は108msに限定されず、100ms超過でかつ100msの整数倍でなければいずれの周期であってもよい。
【0236】
<主制御基板と枠制御基板との間でのコマンド>
次に、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドについて説明する。
図31は、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。
【0237】
図31に示すように、主制御基板16から枠制御基板17に送信されるコマンドは、遊技機設置情報通知、遊技機情報通知がある。遊技機設置情報通知のコマンドは、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。遊技機情報通知のコマンドは、遊技機情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。
【0238】
一方、枠制御基板17から主制御基板16に送信されるレスポンスは、遊技機設置情報応答、遊技機情報応答がある。遊技機設置情報応答のレスポンスは、遊技機設置情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。遊技機情報応答のレスポンスは、遊技機情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。
【0239】
<遊技機設置情報通知・遊技機設置情報応答>
次に、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスについて詳しく説明する。
図32は、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスを説明するための図である。
図32(a)に示す遊技機設置情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報を通知するためのコマンドであり、遊技機設置情報として「遊技機種類」、「主制御チップID番号」、「主制御CPUメーカコード」、「主制御CPU型式コード」を含んでいる。「遊技機種類」については、
図6で示した情報が含まれる。主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報通知のコマンドを送信する際の通信通番は固定値の「0」を通知する。また、遊技機設置情報通知の電文は、必ず1フレームで完結させ、分割送信しない。さらに、枠制御基板17は、遊技機設置情報通知の電文長を受信後、20ms以内にチェックサムまで受信できなかった場合、それまでの受信データをキャンセルし、再度電文長から受信する。以下のコマンドやレスポンスでも同様に行われる。
【0240】
図32(b)に示す遊技機設置情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機設置情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機設置情報受領結果」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機設置情報通知と同じく通信通番を固定値の「0」として応答する。
【0241】
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。
図33は、遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。遊技機情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機情報(ホールコン情報、不正監視情報など)を通知するためのコマンドであり、遊技機情報として「主制御状態」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「遊技情報」を含んでいる。主制御基板16は、遊技機情報通知時に通信通番を1加算する。なお、通信通番は、255を最大とし、255の次は1にカウントを戻す。また、電文再送時には、通信通番を1加算(更新)しない。
【0242】
「主制御状態」は、P台2の遊技状態の情報であり「主制御状態1」と「主制御状態2」とを含んでいる。「主制御状態1」は、大当り1(全ての大当り)、大当り2(特定の大当り)、および大当り3(時短の大当り)の情報、遊技機状態信号1~5の情報を含んでいる。遊技機状態信号1~5は、CU3の外部出力端子340からホールコン出力BOX811を介してホールコン810に状態を出力するために使用され、ホールコン出力BOX811から出力される「外部端子板状態出力信号端子1~4」(
図56参照)に対応する。「主制御状態1」は、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、および時短(変動時間短縮)中の情報を含んでいる。ホールコン出力BOX811から出力される状態出力信号については、遊技機状態信号1~5に対応bitが「0」から「1」に変化したことに対応して「L」から「H」の状態出力信号に変化し、遊技機状態信号1~5に対応bitが「1」から「0」に変化したことに対応して「H」から「L」の状態出力信号に変化する。
【0243】
「遊技機エラー状態」は、遊技機で発生中のエラーコードの情報を含む。「不正検知状態」は、盤面不正1~6を検知したことを示す情報を含む。
【0244】
「遊技情報」は、主制御基板16で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板17へ通知する情報を含む。「遊技情報」は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。種別情報は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。
【0245】
種別情報についてさらに詳しく説明する。
図34は、遊技情報に含まれる種別情報を説明するための図である。種別情報は、データ種別(Bit4~7)の値ごとに設定されており、例えば、データ種別の値が1の場合、始動口入賞の情報である。また、データ種別ごとに、データ番号(Bit0~3)が設定されており、例えば、データ番号が1なら始動口1などと始動口番号を示している。
【0246】
データ種別の値が2の場合、特別電動役物作動による大入賞口に入賞したことを通知し、データ番号が1なら大入賞口1などと大入賞口番号を示している。データ種別の値が9の場合、図柄確定回数を通知し、データ番号が1なら特
図1などと特図番号を示している。データ種別の値が12の場合、役物回数、つまり大入賞口開放回数を通知し、データ番号が1なら役物1などと役物番号を示している。データ種別の値が14の場合、CU3からパルス出力することを指示し、データ番号でCU3の外部出力端子340の端子を示す。データ種別の値が15の場合、性能情報の演算に必要となる状態を通知し、データ番号が1に固定されている。
【0247】
カウント情報は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。データ種別が1=始動口入賞1、2=始動口入賞2、3=始動口入賞3、4=その他役物作動による始動口入賞1、5=その他役物作動による始動口入賞2、6=その他役物作動による始動口入賞3の場合、カウント情報は、賞球数(上位4Bit)と入賞個数(下位4Bit)で構成される。例えば、3個賞球の始動口1に2個入賞した場合、データ種別(Bit4~7)が”1=始動口入賞”、データ番号(Bit0~3)が”1=始動口1”、賞球数(Bit4~7)が”3=3個賞球”、入賞個数(Bit0~3)が”1=1個入賞”の遊技情報(0x1131)が2データとなる。
【0248】
データ種別が9=図柄確定回数の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と図柄確定回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が10=特別図柄当り、11=普通図柄当りの場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と当り回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が12=役物回数(大入賞口開放回数)の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と役物回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が13=特定領域通過の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と特定領域通過数(下位4Bit)で構成される。データ種別が14=外部端子板パルス出力の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)とパルス出力回数(下位4Bit)で構成される。
【0249】
データ種別が15=性能情報状態通知の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と状態フラグ(下位4Bit)で構成される。状態フラグ(Bit0~3)では、Bit0がベース状態を示し、Bit0が”0”なら低ベース中、”1”なら高ベース中であることを示し、Bit1が大当り中の状態を示し、Bit1が”0”なら通常時、”1”なら大当り中であることを示し、Bit2が高確率中の状態を示し、Bit1が”0”なら低確率、”1”なら高確率であることを示している。
【0250】
<遊技機情報応答>
図35は、遊技機情報応答のコマンドを説明するための図である。
図35に示す遊技機情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機情報受領結果」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機情報通知で受信した通信通番をそのまま応答する。しかし、枠制御基板17は、連続性が成立しない通信通番を受信した場合、無応答とする。
【0251】
<入賞個数の集計>
次に、入賞個数の集計結果について説明する。遊技情報に含まれるデータ種別が15=性能情報状態通知の場合、状態フラグ(Bit0~3)のBit0がベース状態を示し、Bit1が大当り中の状態を示し、Bit2が高確率中の状態を示している。つまり、遊技情報に含まれるデータ種別の14=性能情報状態通知の情報に基づき、前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で変化した遊技状態を示すことができる。
【0252】
前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で変化した遊技状態の情報を表すことができるようになったことで、前回の遊技機情報通知から遊技状態が変化するまでの入賞個数の累計と、遊技状態が変化してから今回の遊技機情報通知までの入賞個数の累計とを区別して枠制御基板17に通知することが可能となった。なお、遊技機情報通知のコマンドにデータ種別に14=性能情報状態通知を設けて、主制御基板16から枠制御基板17に前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で変化した遊技状態の情報を通知できるようにしたが、当該遊技状態の情報は、遊技用装置であるCU3や、上位サーバであるホールサーバ、ホールコンピュータなどに通知できるようにしてもよい。
【0253】
具体的に、遊技状態が変化する前後で入賞個数の累計を区別することができる構成について説明する。まず、その前に、遊技状態が変化する前後で入賞個数の累計を区別するできない場合の不具合について説明する。
図36は、遊技状態が変化する前後での入賞個数の集計結果を説明するための図である。
図36(a)は、従前の遊技状態が変化する前後での入賞個数の集計結果を説明するための図で、
図36(b)は、本実施の形態において、遊技状態が変化する前後での入賞個数の集計結果を説明するための図である。
図36(a)に示す例では、遊技状態が途中で通常状態から大当り状態に変化し、主制御基板16は、その状態変化の前後において入賞センサ162(
図2参照)から賞球コマンドa~fを受信している。より詳しくは、主制御基板16は、通常状態の期間に賞球コマンドa~cを受信し、大当りの期間に賞球コマンドd~fを受信している。
【0254】
しかし、主制御基板16は、受信した賞球コマンドごとに枠制御基板17に入賞個数を通知しているのではなく、108msごとに送信される遊技機情報通知コマンドに累計して送信される。つまり、
図36(a)に示す例では、賞球コマンドa,bの入賞個数が累計されて通信コマンドAで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドc,dの入賞個数が累計されて通信コマンドBで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドe,fの入賞個数が累計されて通信コマンドCで枠制御基板17に送信される。
【0255】
一方、遊技状態が変化したことは、
図33に示した遊技機情報通知コマンドに含まれる「主制御状態1」で大当りの種類などの遊技状態の情報が主制御基板16から枠制御基板17に送信されている。つまり、
図36(a)に示す例では、通常状態から大当り状態に変化した直後の通信コマンドBの「主制御状態1」で大当りの遊技状態に変化したことが枠制御基板17に送信されるので、枠制御基板17側で知り得る遊技状態の変化は、通信電文の大当り状態で示すように通信コマンドBを受信した時からとなる。
【0256】
そのため、通信電文の大当り状態に基づいて賞球コマンドを区別すると、賞球コマンドa,bが通常状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)され、賞球コマンドc~fが大当り状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)されることになる。しかし、実際の遊技状態に基づいて入賞個数を累計した場合、賞球コマンドcは大当りの期間ではなく、通常状態の期間の入賞個数として累計する必要がある。そのため、賞球コマンドcの入賞個数だけ賞球集計結果に誤差が生じ、後述するベースや役物比率、連続役物比率を正確に算出することができない問題があった。
【0257】
そこで、本実施の形態に係る主制御基板16では、遊技機情報通知コマンドにデータ種別に14=性能情報状態通知を設けて、前回の遊技機情報通知から今回の遊技機情報通知までの間で遊技状態が変化したことによって賞球コマンドの入賞個数を区別することができる構成を採用している。具体的に、
図36(b)に示す例でも、遊技状態が途中で通常状態から大当り状態に変化し、主制御基板16は、その状態変化の前後において入賞センサ162(
図2参照)から賞球コマンドa~fを受信している。より詳しくは、主制御基板16は、通常状態の期間に賞球コマンドa~cを受信し、大当りの期間に賞球コマンドd~fを受信している。
【0258】
図36(b)に示す例でも、賞球コマンドa,bの入賞個数が累計されて通信コマンドAで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドc,dの入賞個数が累計されて通信コマンドBで枠制御基板17に送信され、賞球コマンドe,fの入賞個数が累計されて通信コマンドCで枠制御基板17に送信される。
【0259】
しかし、本実施の形態に係る遊技機情報通知コマンドでは、遊技情報のデータ種別に14=性能情報状態通知を設けて、賞球コマンドcの入賞個数と賞球コマンドdの入賞個数とを区別している。具体的に、通信コマンドBには、賞球コマンドcおよび賞球コマンドdの情報が含まれている以外に、賞球コマンドcと賞球コマンドdとの間で大当りに遊技状態が変化したことを示す状態変化の情報(14=性能情報状態通知)が含まれている。そのため、主制御基板16は、通常状態に受信した賞球コマンドcの入賞個数を種別情報1およびカウント数情報1(
図33参照)に、状態変化の情報を種別情報2およびカウント数情報2に、賞球コマンドdの入賞個数を種別情報3およびカウント数情報3にそれぞれ格納して遊技機情報通知コマンドを生成する。そして、主制御基板16は、当該遊技機情報通知コマンドを枠制御基板17に送信することで、種別情報1およびカウント数情報1~種別情報3およびカウント数情報3の遊技情報を順に枠制御基板17に送ることになる。つまり、主制御基板16は、遊技状態を変化させた場合、当該変化前の賞球コマンドcの入賞個数(種別情報1およびカウント数情報1)を送信した後に当該変化を通知する情報F(種別情報2およびカウント数情報2)を送信した上で、当該変化後の賞球コマンドdの入賞個数(種別情報3およびカウント数情報3)を送信している。
【0260】
そのため、枠制御基板17は、状態変化の情報より先に受信した賞球コマンドcを通常状態の入賞個数、状態変化の情報より後に受信した賞球コマンドdを大当り状態の入賞個数として区別することができ、賞球コマンドa~cが通常状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)され、賞球コマンドd~fが大当り状態の入賞個数として累計(賞球集計結果)される。よって、賞球集計結果に誤差は生じることがなく、後述するベースや役物比率、連続役物比率を正確に算出することができる。
【0261】
<性能表示演算処理>
次に、枠制御基板17において実行される性能表示演算処理についてさらに説明する。
図37は、枠制御基板17において実行される性能表示演算処理を説明するためのフローチャートである。
図37を参照して、まず、枠制御基板17は、通過数加算処理を実行する(ステップS300)。
図38は、枠制御基板17において通過数加算処理を説明するためのフローチャートである。ここで、例えば、役物無しの第n入賞口(大入賞口271以外の入賞口に番号nを付する。たとえば、普通入賞口272~274をそれぞれ番号1~3、つまり第1入賞口~第3入賞口とし、始動入賞口275~277をそれぞれ番号4~6、つまり第4入賞口~第6入賞口とする。このため、役物無しの入賞口は、第1入賞口~第4入賞口,第6入賞口である。)の1個の入賞に対する賞球数An(たとえば、第1入賞口~第3入賞口は、3個、第4入賞口,第6入賞口は、5個)と、役物有りの始動入賞口276(ここでは、第5入賞口)の1個の入賞に対する賞球数As(たとえば、5個)と、大入賞口271の1個の入賞に対する賞球数Ab(たとえば、3個)とする。これらの設定は遊技盤26の機種に応じて変更可能である。
【0262】
図38を参照して、枠制御基板17は、大当り遊技状態であるか否かを判断する(ステップS351)。大当り遊技状態でない(ステップS351でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS352)。ここでは、P台2における遊技状態が、高確高ベース状態(以下、単に高ベース状態という)と、低確低ベース状態(以下、単に低ベース状態という)との2種類であるとして以下説明する。高ベース状態でない(ステップS352でNO)と判断した場合、つまり、大当り遊技状態でなく、かつ、低ベース状態である場合、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS353)。受信した(ステップS353でYES)と判断した場合、低ベース時のアウト口の通過数plを1加算する(ステップS354)。
【0263】
また、第n入賞口(本実施の形態では第1入賞口から第6入賞口)には、それぞれ、入賞した遊技球を検出する検出スイッチが設けられる。アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信していない(ステップS353でNO)と判断した場合、および、ステップS354の後、枠制御基板17は、第n入賞口の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS355)。
【0264】
受信した(ステップS355でYES)と判断した場合、低ベース時の第n入賞口の通過数qlnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS356)。ただし、枠制御基板17は、高ベースに遊技状態が変化した場合、その後の第n入賞口のカウント数(入賞個数)を高ベース時のアウト口の通過数phnに加算する。
【0265】
一方、高ベース状態である(ステップS352でYES)と判断した場合、つまり、大当り遊技状態でなく、かつ、高ベース状態である場合、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS357)。受信した(ステップS357でYES)と判断した場合、高ベース時のアウト口の通過数phを1加算する(ステップS358)。
【0266】
アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信していない(ステップS357でNO)と判断した場合、および、ステップS358の後、枠制御基板17は、第n入賞口の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS359)。受信した(ステップS359でYES)と判断した場合、高ベース時の第n入賞口の通過数qhnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS360)。ただし、枠制御基板17は、低ベースに遊技状態が変化した場合、その後の第n入賞口のカウント数(入賞個数)を低ベース時のアウト口の通過数plnに加算する。
【0267】
大当り遊技状態である(ステップS361でYES)と判断した場合、第n入賞口の検出情報を含むコマンドを受信していない(ステップS355,ステップS359でNO)と判断した場合、ステップS356の後、および、ステップS360の後、枠制御基板17は、役物を有さない第n入賞口(本実施の形態では、第1入賞口~第4入賞口,第6入賞口)の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS361)。受信した(ステップS361でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、第n入賞口の通過数qnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS362)。
【0268】
第n入賞口の検出信号を受信していない(ステップS361でNO)と判断した場合、および、ステップS362の後、枠制御基板17は、役物を有する始動入賞口276の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS363)。受信した(ステップS363でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、役物を有する始動入賞口276の通過数qsにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS364)。
【0269】
役物を有する始動入賞口276の検出信号を受信していない(ステップS363でNO)と判断した場合、および、ステップS364の後、枠制御基板17は、大入賞口271の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS365)。受信した(ステップS365でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、大入賞口271の通過数qbにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS366)。
【0270】
大入賞口271の検出信号を受信していない(ステップS365でNO)と判断した場合、および、ステップS366の後、枠制御基板17は、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS367)。受信した(ステップS367でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、発射球数rを1加算する(ステップS368)。
【0271】
さらに、アウト球検出スイッチ701から検出信号を受信していない(ステップS367でNO)と判断した場合、および、ステップS368の後、枠制御基板17は、全入賞口の検出信号を含むコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS369)。受信した(ステップS369でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、発射球数rにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS370)。
【0272】
枠制御基板17は、全入賞口の検出信号を受信していない(ステップS369でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、この通過数加算処理を終了する。
【0273】
図37に戻って、枠制御基板17は、高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS301)。高ベース状態でない(ステップS301でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、低ベース時のアウト球数rl=pl+Σqlnを計算する(ステップS302)。さらに、枠制御基板17は、低ベース時セーフ球数sl=Σ(An×pln)を計算する(ステップS303)。
【0274】
枠制御基板17は、算出した低ベース時のアウト球数rl=100であるか否かを判断する(ステップS304)。低ベース時のアウト球数rl=100である(ステップS304でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、低ベース時ベース値bl=100×sl/rlを計算して、RAMに記憶させる(ステップS305)。
【0275】
高ベース状態(ステップS301でYES)と判断した場合、低ベース時のアウト球数rl=100でない(ステップS304でNO)と判断した場合、および、ステップS305の後、枠制御基板17は、高ベース時のアウト球数rh=ph+Σqhnを計算する(ステップS306)。さらに、枠制御基板17は、高ベース時セーフ球数sh=Σ(An×phn)を計算する(ステップS307)。
【0276】
そして、枠制御基板17は、算出した高ベース時のアウト球数rh=100であるか否かを判断する(ステップS308)。高ベース時のアウト球数rh=100である(ステップS308でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、高ベース時ベース値bh=100×sh/rhを計算して、RAMに記憶させる(ステップS309)。
【0277】
高ベース時のアウト球数rh=100でない(ステップS308でNO)と判断した場合、および、ステップS309の後、枠制御基板17は、発射球数r=100であるか否かを判断する(ステップS310)。発射球数r=100である(ステップS310でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、ベース値b=100×(sl+sh)/rを計算して、RAMに記憶させる(ステップS311)。
【0278】
枠制御基板17は、ベース値bなどを計算した後、さらに遊技盤面判定関連処理を実行する(ステップS312)。なお、枠制御基板17は、遊技盤面判定関連処理を行わずに、計算したベース値bなどを性能表示モニタ40に表示するだけでもよい。
【0279】
次に、主制御基板16から遊技盤26の機種に応じた設計値を取得する、または枠制御基板17に記憶してある設定値から、遊技盤26の機種に応じた設計値を選択して、枠制御基板17は、遊技盤面判定関連処理を行う。ここで、設定値には、低ベース時ベース下限値Bll、低ベース時ベース上限値Blu、高ベース時ベース下限値Bhl、高ベース時ベース上限値Bhuなどの値が含まれる。
【0280】
図39は、遊技盤面判定関連処理を説明するためのフローチャートである。
図39を参照して、枠制御基板17は、判定値算出対象外期間であるか否かを判断する(ステップS381)。判定値算出対象外期間とは、ベース、役物比率および連続役物比率などの判定値の算出の対象から除外する期間のことであり、たとえば、ガラス扉6や遊技機枠5が開放中である期間、遊技球の非発射期間(たとえば、最後に遊技球を発射してから15秒経過後の期間)、および、遊技場の閉店中の期間などの、店員等による不正が可能な期間である。判定値算出対象外期間である(ステップS381でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、この遊技盤面判定関連処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
【0281】
判定値算出対象外期間でない(ステップS381でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、役物無しの入賞口(ここでは、第1入賞口~第4入賞口,第6入賞口)の賞球数sn=Σ(An×qn)を計算し(ステップS388)、役物有りの入賞口(ここでは、第5入賞口)の賞球数ss=As×qsを計算し(ステップS389)、大入賞口271の賞球数sb=Ab×qbを計算する(ステップS390)。
【0282】
次に、枠制御基板17は、役物比率u=100×(ss+sb)/(sn+ss+sb)を計算して、RAMに記憶させ(ステップS391)、連続役物比率v=100×sb/(sn+ss+sb)を計算して、RAMに記憶させる(ステップS392)。
【0283】
次に、発射球数r=60000であるか否かを判断する(ステップS393)。本実施の形態のP台2は、1分で100球の遊技球を遊技領域27に発射することが可能である。このため、60000球は、10時間で発射可能な球数である。発射球数r=60000である(ステップS393でYES)と判断した場合、枠制御基板17は、遊技球数表示器29の7セグメント式のLEDディスプレイに、ステップS164で計算した大入賞口271の賞球数などの情報を点灯して表示する(ステップS394)。
【0284】
発射球数r=60000でない(ステップS167でNO)と判断した場合、枠制御基板17は、遊技球数表示器29の7セグメント式のLEDディスプレイに、ステップS390で計算した大入賞口271の賞球数などの情報を点滅して表示する(ステップS395)。
【0285】
ステップS394の後、および、ステップS395の後、枠制御基板17は、この遊技盤面判定関連処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
【0286】
図40は、ベース値の算出および表示の状況を説明するための図である。
図40を参照して、入賞口種別と入賞口番号と賞球球数と入賞個数とを特定可能な遊技情報が、主制御基板16から受信されると、
図37のステップS302からステップS311で示したように演算を行い、加算エリアに記憶されている低ベース時セーフ球数sl,高ベース時セーフ球数sh,発射球数r=(rl+rh)に加算する。
【0287】
発射球数rが6000球に達するごとに、加算エリアに記憶されている低ベース時セーフ球数sl,高ベース時セーフ球数sh,発射球数r=(rl+rh)が保持エリアに移動される。この移動前に、最も古い保持エリア10の低ベース時セーフ球数sl10,高ベース時セーフ球数sh10,発射球数r10=(rl10+rh10)が消去され、保持エリア1から保持エリア9の低ベース時セーフ球数sl1,高ベース時セーフ球数sh1,発射球数r1=(rl1+rh1)が、それぞれ、保持エリア2から保持エリア10にシフト記憶される。
【0288】
そして、表示処理が行なわれると、ベース値が計算され、7セグメント式の性能表示モニタ40に表示される。
【0289】
なお、性能表示モニタ40には、ベース値が表示されないときは、特に何も表示されないようにしてもよいし、役物比率や連続役物比率、発射球数rを表示させるようにしてもよい。
【0290】
<カードユニットおよびパチンコ遊技機を含む遊技用システムの構成>
P台2は、CU3に1対1で接続されている。遊技場(ホール)内には、このP台2とCU3とのセットが複数存在し、それぞれのセットが管理コンピュータやホールコンに接続され遊技用システムを構成している。以下、CU3およびP台2を含む遊技用システムについて説明する。
図41は、カードユニットおよびパチンコ遊技機を含む遊技用システムの構成を説明するためのブロック図である。
図41に示す遊技用システムでは、説明を簡単にするために1セットのP台2およびCU3が管理コンピュータ802、ホールコン810に接続している例が図示されている。
【0291】
P台2とCU3とは、PIF配線322を介して接続されている。このPIF配線322は、P台2の枠制御部171に接続されたPIF-E回路171aと、CU3のSC基板325に接続されたPIF-E回路325aとを接続している。CU3では、P台2から送信されてくる情報をSC基板325で必要に応じて秘匿化し、CU制御部323を介して外部(管理コンピュータ802やホールコン810)に出力する。SC基板325は、遊技用システムのセキュリティ監視基板である。なお、SC基板325とCU制御部323とを一つにまとめた構成でもよい。
【0292】
管理コンピュータ802は、CU3の外部出力端子340に接続するコンピュータであり、カード会社データセンタ801は、管理コンピュータ802と接続するカード会社のセンタで、遊技機情報センタ800は、P台2から出力される各種情報を収集するセンタである。
【0293】
ホールコン810は、P台2から出力される遊技情報を収集するコンピュータであり、ホールコン出力BOX811は、CU3の外部出力端子340から出力される情報をホールコン810やデータランプなどで受信可能な信号に変換して出力する装置である。なお、
図41では、ホールコン出力BOX811がCU3の外部に設けられた構成が示されているが、CU3の内部にホールコン出力BOX811を設けてもよい。
【0294】
<ホールコン出力BOXとカードユニットとの通信>
ホールコン出力BOX811は、遊技情報の信号変換部で、外部(例えば、ホールコン810など)に遊技情報を出力する装置である。また、複数のホールコン出力BOX811を、図示していない中継器を介してホールコン810に接続してもよい。ホールコン出力BOX811とCU3とはシリアル通信で接続されており、CU3と接続する場合に何らかのセキュリティを確保する必要がある。具体的に、ホールコン出力BOX811が不正に改造され不正確な情報がホールコン810に出力されると、不正確な情報が遊技者に提供されることになり不適切な状態となる。また、カードユニットの仕様により遊技機情報の出力可否が異なると、遊技機情報の出力自体が無駄になる可能性がある。そのため、ホールコン出力BOX811から外部への出力を統一しつつ、ホールコン出力BOX811は、CU3と接続する場合に認証処理を行っている。なお、CU3は、ホールコン出力BOX811に相当する回路部を内蔵していてもよい。ホールコン出力BOX811に相当する回路部を内蔵したCU3は、ホールコン810とシリアル通信で接続され、ホールコン出力BOX811に相当する回路部で認証処理を行い、その結果に応じて、遊技機情報の出力の不可となる。以下に、ホールコン出力BOX811とCU3との通信について詳しく説明する。
【0295】
図42および
図43は、カードユニットとホールコン出力BOXとの間の接続シーケンスを示す図である。
図42では、ホールコン出力BOX811が、CU3よりも先に電源ON状態となった場合の接続シーケンスを示し、
図43では、ホールコン出力BOX811が、CU3よりも後に電源ON状態となった場合の接続シーケンスを示している。まず、
図42の接続シーケンスでは、CU3の電源がON状態となりCU制御部323と通信可能となるまで、ホールコン出力BOX811が、CU制御部323との接続待ち状態となる。
【0296】
CU3の電源がON状態となりCU制御部323と通信可能となると、CU制御部323は、ホールコン出力BOX811に対して接続先確認を行い、認証データ発行依頼を行う。ホールコン出力BOX811は、CU制御部323からの接続先確認に対して接続先確認応答を行い、認証データをCU制御部323に対して発行する。発行された認証データは、CU制御部323において記憶される。
【0297】
一方、SC基板325は、CU制御部323に対してホールコン出力BOX認証通知のコマンドを送信する。CU制御部323は、ホールコン出力BOX認証通知に対して、記憶している認証データをホールコン出力BOX認証応答のコマンドに含めてSC基板325に送信する。SC基板325は、ホールコン出力BOX認証応答に基づき、ホールコン出力BOX811の認証を行う。ホールコン出力BOX811の認証後、ホールコン出力BOX811とCU3との通信が開始される。通信が開始されると、SC基板325は、P台2から送信された遊技機情報を含む遊技機情報通知をCU制御部323が送信し、CU制御部323は、SC基板325から送信された遊技機情報をホールコン情報通知のコマンドに含めてホールコン出力BOX811に送信する。なお、ホールコン出力BOX811の認証ができない場合(NG)、CU3はホールコン出力BOX811との通信を行わず、情報を出力しない。
【0298】
図43の接続シーケンスでは、CU3の電源がON状態となるとCU制御部323がホールコン出力BOX811に対して認証データ発行依頼を行うが、ホールコン出力BOX811の電源がまだOFF状態であるため認証データ発行が行われない。CU制御部323は、ホールコン出力BOX811の電源がON状態となるまで、認証データ発行依頼を行い、ホールコン出力BOX811との接続待ち状態となる。ホールコン出力BOX811の電源がON状態となって以降の処理は、
図42の接続シーケンスでの処理と同じであるため説明を繰り返さない。
【0299】
次に、ホールコン出力BOX811とCU制御部323との間で認証処理について詳しく説明する。
図44は、カードユニットとホールコン出力BOXとの間の通信を説明するための図である。まず、CU制御部323は、ホールコン出力BOX811に対して認証データ発行依頼を行う。CU制御部323は、認証データ発行依頼を行う際に、暗号元のデータとして現在の日付(〇月〇日)の情報と、SC管理番号の情報とをホールコン出力BOX811に送信する。
【0300】
ホールコン出力BOX811では、あらかじめ埋め込まれている固定鍵と受信した暗号元のデータと有効期限(△日)とを足し合わせた情報と、あらかじめ埋め込まれている暗号鍵Aとをブロック暗号で暗号化を実施する。ホールコン出力BOX811は、暗号化された情報を認証データとしてCU制御部323に対して発行する。発行された認証データは、CU制御部323においてホールコン出力BOX811の認証データとして記憶される。
【0301】
CU制御部323とSC基板325との間で認証が行われ、CU制御部323とSC基板325との間で通信が可能となる。その後、SC基板325は、ホールコン出力BOX811との認証を行うために、CU制御部323に対してホールコン出力BOX認証通知のコマンドを送信する。CU制御部323は、ホールコン出力BOX認証通知に対して、記憶している認証データと、ホールコン出力BOX811の接続あり/なしの情報と、暗号元のデータのうち現在日付の情報とをホールコン出力BOX認証応答のコマンドに含めてSC基板325に送信する。SC基板325では、ホールコン出力BOX認証応答で送信されてきた認証データと、あらかじめ埋め込まれている暗号鍵Aとで復号し、固定鍵と暗号元のデータと有効期限(△日)とを足し合わせた情報を得る。
【0302】
SC基板325は、得られた情報から認証データの使用期限を確認する。具体的に、「現在日付〇月〇日」+「有効期限△日」=〇月〇日+△日まで有効であるとSC基板325は判断する。そのため、SC基板325は、ホールコン出力BOX811が未接続であっても有効期限内であったら遊技情報をホールコン出力BOX811に通知する。その後、SC基板325は、得られた情報からホールコン出力BOX811の認証データのチェックを行う。さらに、SC基板325とCU制御部323との状態の確認後、CU3は、P台2との通信を開始する。なお、SC基板325からCU制御部323を経てホールコン出力BOX811へ通知される情報は、例えば固定鍵により暗号化されている。SC基板325は、得られた情報からホールコン出力BOX811の認証がNGであると判断した場合、表示器54で異常を報知する。もちろん、CU3は、ホールコン出力BOX811の認証がNGの場合、管理コンピュータ802などにエラー信号を出力してもよい。
【0303】
ここで、CU3内およびホールコン出力BOX811へ通知される内容について説明する。
図45は、カードユニット内およびホールコン出力BOXへ通知される内容を説明するための図である。
図45(a)では、ホールコン出力BOX811へ出力される情報の内、SC基板325からCU制御部323へ通知される情報を図示している。
図45(a)に示すように、認証データの有効期限が切れた場合、発射球数、総賞球球数、主制御状態および遊技情報についてはSC基板325からCU制御部323へ通知されない。しかし、ホールコン出力BOX811の接続がなしに変化しても、SC基板325からCU制御部323へ通知される情報には変化がない。なお、認証データの有効期限が切れた場合以外に、認証失敗の場合にも発射球数、総賞球球数、主制御状態および遊技情報についてはSC基板325からCU制御部323へ通知されない。また、
図45(a)では、SC基板325からCU制御部323へ発射球数、総賞球球数、主制御状態および遊技情報の各種情報が通知されないため、これらの情報がCU3側で表示されない(下記のデータランプ側での表示制限と同じ)。
【0304】
図45(b)では、CU制御部323からホールコン出力BOX811へ通知される情報を図示している。
図45(b)に示すように、認証データの有効期限が切れた場合、
図45(a)と同じように、発射球数、総賞球球数、主制御状態および遊技情報についてはCU制御部323からホールコン出力BOX811へ通知されない。そのため、ホールコン出力BOX811に接続されたホールコン810では、発射球数、総賞球球数、主制御状態および遊技情報の情報について表示部での表示が制限される。また、ホールコン出力BOX811の接続がなしに変化すると、SC基板325からCU制御部323へ通知される情報には変化がなかったが、CU制御部323からホールコン出力BOX811へは通知されなくなる。なお、CU3は、ホールコン出力BOX811の認証ができない場合(NG)であっても、P台2との通信が可能であればP台2での遊技は可能である。また、CU3は、ホールコン出力BOX811の認証の有効期限が切れても、P台2との通信が可能であればP台2での遊技は可能である。さらに、ホールコン出力BOX811は、データランプ(呼び出しランプ)を接続することが可能であり、認証失敗により通知が制限されているときは、データランプの表示の更新が制限される。例えば、データランプ側では、スタート回数、大当り回数、大当り状態表示等の表示の更新が制限される。
【0305】
<SC基板とCU制御部との通信>
次に、CU3内に設けられたSC基板325とCU制御部323との間(
図41参照)での通信について説明する。まず、SC基板325とCU制御部323との間で送受信されるコマンドについて説明する。
図46は、SC基板325とCU制御部323との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。
【0306】
図46に示すように、SC基板325からCU制御部323に送信されるコマンドは、遊技機情報通知、計数通知、貸出受領結果応答がある。遊技機情報通知のコマンドは、SC基板325が遊技機情報および遊技機情報センタ800向けの情報をCU制御部323に通知するためのコマンドである。計数通知のコマンドは、SC基板325が計数情報をCU制御部323に通知するためのコマンドである。貸出受領結果応答のコマンドは、SC基板325が貸出情報の受領結果をCU制御部323に応答するためのコマンドである。
【0307】
一方、CU制御部323からSC基板325に送信されるコマンドは、電文受領応答、貸出通知がある。電文受領応答のコマンドは、CU制御部323が遊技機情報または計数情報の受領をSC基板325に応答するためのコマンドである。貸出通知のコマンドは、CU制御部323が貸出情報および遊技機情報センタ800受信情報をSC基板325に通知するためのコマンドである。
【0308】
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。
図47および
図48は、遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。遊技機情報通知のコマンドは、SC基板325がCU制御部323に対して遊技機情報(遊技機設置情報やホールコン情報、不正監視情報など)を通知するためのコマンドである。遊技機情報通知には、「SC検知エラー1」、「SC検知エラー2」、「SC時限状態」、「遊技機時限状態」、「設置組合せ変更」、「付加情報種別」、「遊技機情報種別」、「遊技機情報」、「遊技機情報センタ向け情報」を含んでいる。
【0309】
「遊技機情報種別」の情報は、遊技機情報に含まれる情報の種別を示す種別コードである。遊技機情報種別の情報が「0x00」であれば、データなしであることを示し、「0x01」であれば、遊技機情報に含まれる情報が遊技機設置情報であることを示し、「0x02」であれば、遊技機情報に含まれる情報がホールコン・不正監視情報であることを示している。なお、遊技機情報種別の情報が、上記以外の値であれば、通知されたCU3は異常であると判断する。
【0310】
遊技機情報種別の情報が「0x01」である場合、SC基板325は、
図8で説明したような遊技機設置情報を「遊技機情報」に含めてCU制御部323に通知する。遊技機情報種別の情報が「0x02」である場合、SC基板325は、
図9および
図10で説明したようなホールコン・不正監視情報を「遊技機情報」に含めてCU制御部323に通知する。
【0311】
「付加情報種別」の情報は、遊技機情報センタ800へ通知する問合せ情報やセキュリティ情報の種別コードで、遊技機情報センタ向け情報に含まれる情報の種別を示す種別コードである。付加情報種別の情報が「0x00」であれば、データなしであることを示し、「0x01」であれば、問合せ情報1であることを示し、「0x02」であれば、問合せ情報2であることを示す。また、付加情報種別の情報が「0x03」であれば、セキュリティ情報1結果であることを示し、「0x04」であれば、セキュリティ情報2結果であることを示し、「0x05」であれば、セキュリティ情報3結果であることを示す。さらに、付加情報種別の情報が「0x06」であれば、セキュリティ情報4Aであることを示し、「0x07」であれば、セキュリティ情報6であることを示し、「0x08」であれば、セキュリティ情報7であることを示す。
【0312】
「遊技機情報センタ向け情報」は、CU制御部323に対して秘匿する情報を含めて遊技機情報センタ800に通知する情報である。例えば、「問合せ情報1」であれば、SC基板シリアル番号と秘匿情報とを含んでいる。「問合せ情報2」であれば、遊技機主制御基板番号と遊技機枠制御基板番号と秘匿情報とを含んでいる。「セキュリティ情報1結果」であれば、鍵更新の有無を含む受信結果と秘匿情報とを含んでいる。「セキュリティ情報2結果」であれば、遊技機照合結果を含む受信結果と秘匿情報とを含んでいる。「セキュリティ情報3結果」であれば、CU3から受信したセキュリティ情報3のブロック番号を含む受信ブロック番号と正常・異常の情報とを含んでいる。
【0313】
「セキュリティ情報4A」であれば、SC基板シリアル番号と秘匿情報とを含んでいる。「セキュリティ情報6」であれば、秘匿情報を含んでいる。「セキュリティ情報7」であれば、秘匿情報を含んでいる。「セキュリティ情報7」で秘匿している情報は、例えば
図7で説明したような遊技機性能情報である。つまり、遊技機性能情報は、SC基板325から遊技機情報センタ800へ秘匿した状態で通知されるので、CU制御部323に対しては通知されない。そのため、遊技機性能情報は、ホールコン出力BOX811を介してホールコン810に通知されることはない。一方、遊技機設置情報およびホールコン・不正監視情報は、秘匿せずCU制御部323に通知され、CU制御部323から遊技機情報センタ800へ通知される。なお、遊技機性能情報、遊技機設置情報およびホールコン・不正監視情報は、CU3とホールコン出力BOX811との認証結果に関わらず、外部出力端子340を介して遊技機情報センタ800へ通知される。
【0314】
<計数通知>
次に、計数通知のコマンドについて詳しく説明する。
図49は、計数通知のコマンドを説明するための図である。計数通知のコマンドは、SC基板325がCU制御部323に対して計数情報を通知するコマンドである。計数通知には、「計数通番」、「計数球数」、「計数累積球数」以外に、「SC検知エラー1」、「SC検知エラー2」、「SC時限状態」、「遊技機時限状態」、「設置組合せ変更」を含んでいる。
【0315】
<電文受領応答>
次に、電文受領応答のコマンドについて詳しく説明する。
図50は、電文受領応答のコマンドを説明するための図である。電文受領応答のコマンドは、CU制御部323がSC基板325に対して遊技機情報または計数情報の受領を応答するコマンドである。電文受領応答には、0x00固定の「受領通番」を含んでいる。
【0316】
<貸出通知>
次に、貸出通知のコマンドについて詳しく説明する。
図51は、貸出通知のコマンドを説明するための図である。貸出通知のコマンドは、CU制御部323がSC基板325に対して貸出情報を通知するコマンドである。貸出通知には、「貸出通番」、「貸出球数」以外に、「付加情報種別」、「遊技機情報センタ向け情報」を含んでいる。貸出通知のコマンドに「遊技機情報センタ向け情報」を含めることで、遊技機情報センタ800からSC基板325へセキュリティ情報を通知することができる。貸出通知は、計数通知を受信した時、かつ遊技機情報通知の遊技機情報種別が「0x002」でホールコン・不正監視情報となっている場合に限り通知される。計数球数が「1」以上と通知される時、計数受信処理を優先するため、貸出球数は「0」のみを通知する。CU3の電源投入時は、貸出通番を「0」にクリアしない。
【0317】
<貸出受領結果応答>
次に、貸出受領結果応答のコマンドについて詳しく説明する。
図52は、貸出受領結果応答のコマンドを説明するための図である。貸出受領結果応答のコマンドは、SC基板325がCU制御部323に対して貸出受領結果応答を応答するコマンドである。貸出受領結果応答には、「貸出通番」、「貸出球数受領結果」以外に、「SC検知エラー1」、「SC検知エラー2」、「SC時限状態」、「遊技機時限状態」、「設置組合せ変更」を含んでいる。SC基板325は、CU制御部323から通知された貸出通番が連続していない時は、貸出球数受領結果を「0x01」=異常として通知する。
【0318】
<SC基板とCU制御部との通信のタイミング>
次に、SC基板325とCU制御部323との通信のタイミングについて説明する。
図53は、SC基板325とCU制御部323との間で送受信される情報のタイミングを説明するためのシーケンスを示す図である。SC基板325からCU制御部323へ送信される情報のうち、遊技機情報通知は、
図53で示すように300msごとに送信されている。CU制御部323は、遊技機情報通知を受信した場合、40ms以内に電文受領応答を通知する。
【0319】
遊技機情報通知は、計数通知と共通の通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報通知を送信するタイミングに、計数通知を送信しようとした場合、通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。そこで、SC基板325では、遊技機情報通知をCU制御部323へ300msごとに送信している場合に、情報伝送の最適化を図るため、遊技機情報通知を送信してから300msよりも短い100msに対応するタイミングで、計数通知をCU制御部323に送信する。
【0320】
計数情報の送信は、遊技機情報通知を送信するタイミングから100ms以内に行われる場合に限られず、遊技機情報通知との輻輳が生じないタイミングであればよく、100ms経過後から次の遊技機情報通知が送信されるタイミングまでの間でもよい。
【0321】
図53では、CU制御部323が、計数通知を受信した後、40ms以内に電文受領応答を通知し、電文受領応答を通知した後、70ms以内にSC基板325へ貸出通知を送信する。つまり、CU制御部323は、計数通知を受信した後、110ms以内にSC基板325へ貸出通知を送信する。SC基板325は、貸出通知を受信した場合、30ms以内に貸出受領結果応答を通知する。
【0322】
図53では、技機情報通知を送信するタイミングを基準に、計数通知を送信するタイミングを決定し、計数通知を送信するタイミングを基準に貸出通知を受信するタイミングを決定するSC基板325とCU制御部323との通信の例を説明したが、SC基板325とCU制御部323との通信が、遊技機情報通知を送信するタイミングを基準に、計数通知および貸出通知を送受信するタイミングを決定するなど他のタイミングでもよい。
【0323】
<ホールコン出力BOXからホールコンへ出力される情報>
次に、ホールコン出力BOX811からホールコン810へ出力される情報について詳しく説明する。
図54は、ホールコン出力BOX811からホールコン810へ出力される情報を説明するためのブロック図である。
図54では、遊技盤26(主制御基板16)から遊技機枠5(枠制御基板17)に対してシリアル通信で遊技機情報(ホールコン・不正監視情報)が出力される。
【0324】
遊技機情報には、情報をパルス信号として出力するパルス出力と、情報を状態信号として出力する状態出力とが含まれる。パルス出力には、図柄確定回数、始動口、外部端子板パルス出力信号1~4が含まれる。たとえば、「図柄確定回数」では、図柄が停止した1回に対して1パルスの信号として出力する。状態信号には、大当り1、大当り2、外部端子板状態出力信号1~4が含まれる。たとえば、「大当り1」では、全ての大当りのときに状態信号(ON信号)を出力する。
【0325】
パルス出力および状態出力は、遊技機枠5(枠制御基板17)からCU5を経てホールコン出力BOX811に出力される。ホールコン出力BOX811には、パルス出力を行うための15ポート(端子)と、状態出力を行うための13ポート(端子)とを有している。これらのポート(端子)からパルス出力および状態出力の情報が出力されることで、ホールコン出力BOX811からホールコン810へ遊技機情報が出力される。
【0326】
まず、標準ポート(端子)から出力される信号について説明する。
図55は、標準ポートのホールコン出力信号を説明するためのブロック図である。標準ポートには、第1端子から第20端子までが設けられている。第1端子は「発射数」に関する情報を、第2端子は「賞球」に関する情報を、第3端子は「図柄変動回数1」に関する情報を、および第4端子は「図柄変動回数2」に関する情報をそれぞれパルス信号として出力する。また、第5端子は「始動口1」に関する情報を、第6端子は「始動口2」に関する情報を、第7端子は「通過ゲート1」に関する情報を、および第8端子は「通過ゲート2」に関する情報をそれぞれパルス信号として出力する。たとえば、「発射数」では、発射球データの所定数(たとえば、10球)に対して1パルスの信号を第1端子から出力される。第9端子は「役物回数」に関する情報を、第10端子は「役物入賞個数」に関する情報を、および第11端子は「特定領域通過」に関する情報をそれぞれパルス信号として出力する。たとえば、「役物回数」では、役物連続作動装置の未作動時の大入賞口の開放1回に対して1パルスの信号を第9端子から出力される。
【0327】
次に、第12端子は「大当り1」に関する情報を、第13端子は「大当り2」に関する情報を、第14端子は「大当り3」に関する情報を、および第15端子は「大当り+時短」に関する情報をそれぞれ状態信号として出力する。第16端子は「高確率中」に関する情報を、第17端子は「時短中」に関する情報を、第18端子は「扉開放」に関する情報を、第19端子は「不正」に関する情報を、および第20端子は「遊技機エラー」に関する情報をそれぞれ状態信号として出力する。たとえば、「高確率中」では、高確率中の時に状態信号(ON信号)を第16端子から出力される。
【0328】
次に、拡張ポート(端子)から出力される信号について説明する。
図56は、拡張ポートのホールコン出力信号を説明するためのブロック図である。拡張ポートは、拡張用に予め準備された外部出力端子であって、第21端子から第28端子までが設けられている。拡張ポートは、新規の遊技機の仕様によって追加された場合に当該端子を使用して必要な遊技機情報を外部に出力することができる。
【0329】
第21端子は「外部端子板パルス出力信号端子1」に関する情報~第24端子は「外部端子板パルス出力信号端子4」に関する情報をそれぞれパルス信号として出力する。たとえば、「外部端子板パルス出力信号端子1」では、遊技機の仕様によって新たに設定された情報に基づくパルス出力回数1回に対して1パルスの信号を第21端子から出力される。
【0330】
第25端子は「外部端子板状態出力信号端子1」に関する情報~第28端子は「外部端子板状態出力信号端子4」に関する情報をそれぞれ状態信号として出力する。たとえば、「外部端子板状態出力信号端子1」では、遊技機の仕様によって新たに設定された情報に基づく外部端子状態信号1がON状態の時に状態信号(ON信号)を第25端子から出力される。
【0331】
ホールコン出力BOX811では、外部への出力を
図55および
図56で示したように統一することで、カードユニットの仕様により遊技機情報の出力可否が異なり、遊技機情報の出力自体が無駄になることを防止している。
【0332】
<実施形態の構成>
(1) 遊技球が封入された封入式遊技機では、特許文献1に開示されているように入賞領域に進入したことに応じて遊技価値を遊技者に付与する。また、特許文献1(特開2017-225743号公報)の遊技機では、打ち込まれた遊技球の数に対する、入賞領域への進入に応じて付与された遊技価値に対応する遊技球の数の割合の適否に関する所定情報が外部に送信される。特許文献1の遊技機は、ベース情報等の性能情報を含む所定情報を外部に送信することが可能であった。しかし、特許文献1の遊技機は、遊技用装置と通信可能に接続されており、遊技用装置を介して外部に所定情報を送信するため、遊技用装置との間では性能情報と遊技情報とをまとめて送信している。そのため、特許文献1の遊技機では、遊技用装置との間での情報の伝達に改善の余地があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技用装置との間での情報の伝達を改善することができる遊技機を提供することである。
【0333】
(1-1) 対応する遊技用装置(例えば、CU3)と通信可能な遊技機(例えば、P台2)であって、
前記遊技用装置を介して外部(例えば、管理コンピュータ802など)に情報を送信する送信手段(例えば、枠制御基板17など)を備え、
前記送信手段は、
遊技に関する遊技情報(例えば、ホールコン・不正監視情報など)と、遊技価値の付与に関する遊技性能を特定可能な性能情報(例えば、遊技機性能情報など)とを送信可能であり、
前記遊技情報と、前記性能情報とを異なるタイミングで送信する(例えば、ホールコン・不正監視情報は
図19に示すように300ms周期で送信し、遊技機性能情報は
図18に示すように遊技機起動完了後から180s後に送信する)。
【0334】
このような構成によれば、遊技機から外部に送信する情報伝送の最適化を図ることができる。特に、遊技情報を送信するタイミングと性能情報を送信するタイミングとを分けているため、処理負担を軽減できる。
【0335】
(1-2) 上記(1-1)の遊技機において、
前記送信手段は、所定期間毎(例えば、
図12に示す規定期間A=300ms周期など)に所定情報を外部へ送信し、
前記所定情報には、前記遊技情報と、前記性能情報と、前記遊技機の設置に関する設置情報(例えば、遊技機設置情報など)とを含み、
前記送信手段は、前記所定情報を送信する場合に、前記遊技情報、前記性能情報および前記設置情報のいずれか1つの情報を送信する(例えば、
図20に示す処理にもとづいて、いずれか1つの情報に決定して送信する)。
【0336】
このような構成によれば、遊技機から外部に送信する情報伝送の最適化を図ることができる。
【0337】
(1-3) 上記(1-2)の遊技機において、
前記送信手段は、前記所定情報を送信してから前記所定期間よりも短い特定期間(例えば、
図12に示す規定期間Bなど)に対応するタイミングにて、前記遊技機が管理する遊技価値に関する遊技価値情報(例えば、計数情報など)を外部に送信する。
【0338】
このような構成によれば、所定情報と遊技価値情報との送信タイミングを分けることで、送信する情報の輻輳を回避することができる。
【0339】
(1-4) 上記(1-2)または(1-3)の遊技機において、
前記送信手段は、前記性能情報を送信するタイミングと、前記設置情報を送信するタイミングとが重なった場合、前記性能情報の送信を優先し、次のタイミングで前記設置情報を送信する(例えば、遊技機性能情報を送信するタイミングと、遊技機設置情報を送信するタイミングとが重なった場合、遊技機性能情報の送信を優先し、次のタイミングで遊技機設置情報を送信する、
図20)。
【0340】
このような構成によれば、遊技機性能情報と遊技機設置情報との送信タイミングを分けることで、情報伝送の最適化を図ることができる。
【0341】
(1-5) 上記(1-2)~(1-4)の遊技機において、
前記送信手段は、前記性能情報を送信するタイミングと、前記遊技情報を送信するタイミングとが重なった場合、前記遊技情報の送信を優先し、次のタイミングで前記性能情報を送信する(例えば、遊技機性能情報を送信するタイミングと、ホールコン・不正監視情報を送信するタイミングとが重なった場合、ホールコン・不正監視情報の送信を優先し、次のタイミングで遊技機設置情報を送信する、
図20)。
【0342】
このような構成によれば、遊技機性能情報と遊技情報との送信タイミングを分けることで、情報伝送の最適化を図ることができる。
【0343】
(1-6) 上記(1-1)~(1-5)の遊技機において、
前記送信手段は、特別期間毎に前記性能情報を外部へ送信する(例えば、P台2の起動完了から例えば3分(180s)、遊技球を規定発射球数分(例えば、60000球)の発射もしくは規定時間(例えば、10時間)に送信する)。
【0344】
このような構成によれば、特別期間毎に性能情報を外部で収集することができる。
【0345】
(2) 遊技球が封入された封入式遊技機では、特許文献1(特開2017-6256号公報)に開示されているように遊技用装置と通信可能に接続され、当該遊技用装置が管理装置と接続されている。管理装置は、遊技用装置から変動中情報を受信する情報受信手段を備えており、情報受信手段が受信した変動中情報を情報記憶手段で記憶している。特許文献1の遊技用装置では、CU制御部がホール用管理コンピュータと通信を行うための外部通信部を設けていることが記載されているだけで、ホール用管理コンピュータへ出力する情報が不正確となることを防止することについては何ら考慮されていない。そのため、特許文献1の遊技用装置では、外部へ出力する情報が不正確となることを防止する必要があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技用装置から外部へ出力する情報が不正確となることを防止することができる遊技用装置を提供することである。
【0346】
(2-1) 遊技機(例えば、P台2)からの所定情報(例えば、ホールコン・不正監視情報など)を受信可能な遊技用装置(例えば、CU3)であって、
前記遊技機から受信した前記所定情報の受信処理を行う受信制御部(例えば、SC基板325)を備え、
前記受信制御部は、前記所定情報に対応する特定情報(例えば、
図45に示すホールコン出力BOX811に通知する情報)を外部へ出力する特定情報出力部(例えば、ホールコン出力BOX811)の適否判定を行い(例えば、ホールコン出力BOX811の認証処理)、当該適否判定の結果に基づいて前記特定情報出力部からの前記特定情報の出力を制限する(例えば、ホールコン出力BOX811の認証ができない場合(NG)、CU3はホールコン出力BOX811との通信を行わず、情報を出力しない)。
【0347】
このような構成によれば、遊技用装置から外部へ出力する情報が不正確となることを防止することができる。
【0348】
(2-2) 上記(2-1)の遊技機において、
前記受信制御部における前記特定情報出力部の適否判定の結果に関わらず、前記遊技機での遊技を可能とする(例えば、ホールコン出力BOX811の認証ができない場合(NG)であっても、P台2での遊技は可能である)。
【0349】
このような構成によれば、特定情報出力部の適否判定の結果が、遊技機での遊技に影響を与えることがなく営業を継続することができる。
【0350】
(2-3) 上記(2-1)または(2-2)の遊技機において、
前記受信制御部と前記特定情報出力部との通信を制御する特定制御部(例えば、CU制御部323など)をさらに備え、
前記特定制御部は、前記特定情報出力部の適否判定の結果に基づいて、前記特定情報の表示部(例えば、ホールコン810に接続された表示部)への表示を制限する(例えば、認証データの有効期限が切れた場合、発射球数、総賞球球数、主制御状態および遊技情報についてはCU制御部323からホールコン出力BOX811へ通知しない)。
【0351】
このような構成によれば、遊技用装置から外部へ出力する情報が不正確となることを防止することができる。
【0352】
(2-4) 上記(2-1)~(2-3)の遊技機において、
前記所定情報には、遊技に関する遊技情報(例えば、ホールコン・不正監視情報など)と、遊技価値の付与に関する遊技性能を特定可能な性能情報(例えば、遊技機性能情報など)と、前記遊技機の設置に関する設置情報(例えば、遊技機設置情報など)とを含み、
前記受信制御部における前記特定情報出力部の適否判定の結果に関わらず、前記性能情報および前記設置情報を外部へ出力する特殊情報出力部(例えば、外部出力端子340を介して管理コンピュータ802に出力する)をさらに備える。
【0353】
このような構成によれば、特定情報出力部の適否判定がNGであっても、性能情報および設置情報を外部へ出力することができる。
【0354】
(2-5) 上記(2-4)の遊技機において、
前記性能情報は、前記特定情報出力部から出力されない(例えば、ホールコン出力BOX811を介してホールコン810に通知されることはない)。
【0355】
このような構成によれば、遊技用装置から外部へ出力する情報が不正確となることを防止することができる。
【0356】
(2-6) 上記(2-1)~(2-5)の遊技機において、
前記受信制御部における前記特定情報出力部の適否判定の結果が異常である場合に、異常を報知する報知部(例えば、表示器54で異常を報知する)をさらに備える。
【0357】
このような構成によれば、特定情報出力部の適否判定の結果が異常であることを容易に把握することができる。
【0358】
<変形例>
(1) 枠制御基板17に設けられた役物比率/連続役物比率を表示させるための操作スイッチが操作されることで、性能表示モニタ40に役物比率/連続役物比率が表示されるようにしてもよい。また、枠制御基板17に設けられた役物比率を表示させるための操作スイッチ(たとえば、エラー解除スイッチ、RAMクリアスイッチ)が操作されることで、役物比率が表示され、枠制御基板17に設けられた連続役物比率を表示させるための操作スイッチ(たとえば、球抜きスイッチ、遊技球クリアスイッチ)が操作されることで、連続役物比率が表示されるようにしてもよい。このときに、遊技機枠5が開放されていることが、表示の条件として加えられてもよい。
【0359】
(2) 役物比率uおよび連続役物比率vを、性能表示モニタ40に表示されるようにしてもよい。また、遊技機の性能表示モニタ40以外の部分で表示されるようにしてもよく、たとえば、表示器54で表示されるようにしてもよいし、遊技球数表示器29で表示されるようにしてもよい。これらの性能表示モニタ40以外の部分で表示される場合であっても、所定操作に応じて表示させるようにしてもよい。また、性能表示モニタ40と異なる専用の表示器で表示されるようにしてもよい。たとえば、専用の表示器を、主制御基板16に設けるようにしてもよい。
【0360】
(3) 役物比率uおよび連続役物比率vは、枠制御部171によって算出され、表示されるようにした。しかし、これに限定されず、遊技機の枠制御部171以外の制御部、たとえば、主制御基板16の主制御部161によって、役物比率uおよび連続役物比率vが算出されたり、表示されたりするようにしてもよい。
【0361】
(4) 前述した始動入賞口276は、役物が閉じている状態において、遊技球が入賞不能なものであってもよい。始動入賞口276の役物が閉じている状態(役物非作動中の状態)においても開いている状態(役物作動中の状態)においても、遊技球が入賞可能であり、開いている状態の方が閉じている状態よりも入賞し易いものであってもよい。
【0362】
(5) 前述した実施の形態および変形例においては、枠制御部171によって算出された付与された遊技価値(例えば、賞球など)に関する性能情報、ベース、役物比率、連続役物比率などの所定情報は、遊技機または遊技用装置で特定され、送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報が、遊技場の内部のサーバ(ホールコン810など)または外部のサーバ(遊技機情報センタ800など)などの管理装置で特定されるようにしてもよい。
【0363】
(6) 所定情報を受信した管理装置または遊技用装置においては、所定情報自体(たとえば、ベース、役物比率または連続役物比率の適否の判定結果)に基づいてベース、役物比率または連続役物比率の異常を監視し、異常と判断した場合に異常を報知するようにしてもよいし、所定情報(たとえば、低ベース時ベース、高ベース時ベース、連続役物比率、役物比率、アウト球数+セーフ球数、アウト球数+入賞口ごとのセーフ球数)から、ベース、役物比率または連続役物比率を計算し、その異常を監視し、異常と判断した場合に異常を報知するようにしてもよい。
【0364】
(7) 前述した実施の形態においては、上述の所定情報は、枠制御基板17の枠制御部171によって特定されるようにした。しかし、これに限定されず、主制御基板16の主制御部161など、遊技機の他の制御部によって特定されるようにしてもよい。
【0365】
(8) 前述した実施の形態または変形例において、遊技機または遊技用装置において所定情報を特定した場合、遊技機または遊技用装置において所定情報に基づいて異常を報知するようにしてもよい。
【0366】
(9) 前述した実施の形態において、上述の所定情報を遊技場の外部に送信するときに、通信が不能(オフライン状態)となっている場合は、遊技場側の遊技機、遊技用装置、管理装置に、所定情報を一時的に記憶しておき、通信が復旧した場合に、所定情報を外部の管理装置に送信するようにしてもよい。
【0367】
(10) 前述した実施の形態においては、ベース、役物比率および連続役物比率が算出され所定契機ごとに、上述の所定情報が送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報は、定期的(たとえば、1時間ごと)に送信されるようにしてもよい。
【0368】
(11) 前述した実施の形態においては、ベース、役物比率および連続役物比率が異常であることは、枠制御基板17の7セグメント式のLEDディスプレイである性能表示モニタ40(
図2,
図32参照)の表示部に表示することで報知されるようにした。この報知が特定操作に応じて行なわれるようにしてもよい。また、ベース、役物比率または連続役物比率の値が枠制御基板17の表示部に表示されるようにしてもよい。また、枠制御基板17の表示部のような遊技者が通常見ることができない表示部とは異なる遊技者が見ることができる表示部、たとえば、表示器54に表示されるようにしてもよい。この場合、表示器54のタッチパネルでの特定操作に応じて表示されるようにしてもよい。また、特定操作が無くても常に表示されるようにしてもよい。また、ベース、役物比率および連続役物比率が異常であること、ならびに、ベース、役物比率および連続役物比率のうちの少なくともいずれか1つまたは複数の情報が表示されるようにしてもよい。また、これらの情報のいずれか1つまたは複数の情報を示唆する情報(たとえば、赤いアイコンを表示する、背景を赤くする)または関連する情報(たとえば、ベース、役物比率または連続役物比率の棒グラフや折線グラフなどのグラフ表示)が表示されるようにしてもよい。
【0369】
(12) 前述した実施の形態において、ベース、役物比率および連続役物比率が継続して異常と判定されている場合に、異常が解消したと判断したときに、その旨を示す情報を、遊技場の外部または内部の管理装置に送信するようにしてもよい。
【0370】
(13) 前述した実施の形態において、認証データは、暗号元のデータとして現在の日付(〇月〇日)の情報と、SC管理番号の情報とを含む可変値であると説明した。しかし、これに限定されず、認証データは、暗号元のデータとして現在の日付(〇月〇日)の情報と、現在の時間の情報と、SC管理番号の情報とを含む可変値であっても、固定値であってもよい。認証データを、暗号元のデータとして現在の日付(〇月〇日)の情報と、現在の時間の情報と、SC管理番号の情報とを含む可変値とすることでセキュリティ性が向上する。また、認証データに現在の時間の情報を含めることで一定時刻ごとの定期認証が可能となる。
【0371】
(14) 前述した実施の形態において、認証データによるホールコン出力BOX811の認証は電源ON時であると説明した。しかし、これに限定されず、認証データによるホールコン出力BOX811の認証を電源ON時以外に定期的に認証できるようにしてもよい。時間ごとに認証を行うことで、なりすましやコピー等が不可能となりセキュリティ性が向上する。
【0372】
(15) 前述した実施の形態において、CU3でホールコン出力BOX811の接続状態を監視しているが、未接続や未認証が検知された場合、CU3からカード会社データセンタ801にアラームを通知し、ホール店員に連絡してもよい。また、CU3でホールコン出力BOX811の接続状態を監視して未接続や未認証が検知された場合、CU3でエラー表示してホール店員に連絡してもよい。
【0373】
(16) 前述した実施の形態において、認証データの有効期限が切れた場合、発射球数、総賞球球数、主制御状態および遊技情報についてはSC基板325からCU制御部323へ通知されないと説明した。しかし、これに限定されず、例えば、認証データの有効期限が切れた場合、遊技球数や計数球数など他の情報もSC基板325からCU制御部323へ通知されないようにしてもよい。
【0374】
(17) P台2は、遊技場側の者(遊技場の店員等)による所定のスイッチ等の操作手段等を用いた設定変更操作により設定値に応じた大当りの当選確率が変わる構成としてもよい。例えば主制御部161において、設定変更操作に応じてP台2に設定する大当りの当選確率を変更可能とする設定変更処理が実行される。これにより、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブルを用いることにより、大当りの当選確率を変更可能とする設定変更処理が実行される。設定値は例えば1~6の6段階(複数段階)からなり、大当りの当選確率が設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6の順に当選確率が高くなる。すなわち、設定値として設定値1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、設定値2~設定値6の順番で有利度が段階的に高くなる。なお、設定値は、複数段階設けられていればよく、6段階に限定されるものではない。このように大当りの当選確率を変更可能とすることに応じて出球率(単位時間あたりの出球数(賞球数))が変化するため、設定値を変更することは出玉率を変更するとも言える。
【0375】
ホールコン出力BOX811は、前述した設定変更操作においてP台2が設定値を表示する設定値表示モードなのか、設定値を変更することが可能な設定値変更モードなのかを示す信号を出力することが可能なようにしてもよい。また、ホールコン出力BOX811は、P台2の設定値を示す信号を出力することが可能なようにしてもよい。もちろん、CU3は、設定値表示モードか、設定値変更モードかを示す信号やP台2の設定値を示す信号を、管理コンピュータ802に出力できるようにしてもよい。
【0376】
(18) 前述した実施の形態において、
図25で示したようにCU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、計数スイッチ基板37のフォトカプラ37aに5Vの電圧が供給されないようにすることでハードウェア的に計数ボタン28の操作を無効化している。しかし、これに限定されず、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、ソフトウェア的に計数ボタン28の操作を無効化してもよい。例えば、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、枠制御部171が計数スイッチ信号を処理しないことでソフトウェア的に計数ボタン28の操作を無効化する。また、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、遊技者が計数ボタン28を操作しても計数通知の電文に含まれる計数球数を0(ゼロ)とすることで計数ボタン28の操作を無効化する。さらに、CU3とP台2とが未接続で通信異常となった場合、遊技者による計数ボタン28の操作を枠制御部171自体が受付けないようにソフトウェア的に計数ボタン28の操作を無効化したり、枠制御部171が通信異常を検知すると計数スイッチ基板37への電力供給を停止するように制御してソフトウェア的に計数ボタン28の操作を無効化したりしてもよい。
【0377】
(19) 前述した実施の形態において、発射を停止する条件として、接続確認用の電源VLの電圧が5Vから0Vに変化したことを条件とする場合について説明した。しかし、これに限定されず、特定情報(例えば、貸出情報)が通番情報を含み、受信手段で受信した特定情報に含まれる通番情報の状況(例えば、所定期間経過後も同じ通番)を、発射を停止する条件としてもよい。
【0378】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0379】
2 パチンコ遊技機、3 カードユニット、16 主制御基板、17 枠制御基板、26 遊技盤、29 遊技球数表示器、171 枠制御部、309 カード挿入/排出口、319 返却ボタン、320 IR受光ユニット、321 球貸ボタン、323 CU制御部。