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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】処理施設および処理方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/36 20060101AFI20220707BHJP
   G21F 9/34 20060101ALI20220707BHJP
   G21F 9/28 20060101ALI20220707BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
G21F9/36 531C
G21F9/36 531D
G21F9/36 541D
G21F9/34 C
G21F9/28 A
B60P3/00 Q
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018152672
(22)【出願日】2018-08-14
(65)【公開番号】P2020027062
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】502040041
【氏名又は名称】日揮株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】特許業務法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高尾 肇
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-106289(JP,A)
【文献】特開2002-341093(JP,A)
【文献】特開2010-249634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/00-9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性廃棄物を埋設処分する処理施設であって、
非管理区域と管理区域の間に配置され、前記非管理区域に位置する前記放射性廃棄物を前記管理区域に移動させるための積み替えを行う積替装置が載置された積替エリアと、
前記放射性廃棄物が埋設処分される処分坑道と、
前記積替装置から前記放射性廃棄物を取得して保持する保持装置を積載し、前記保持装置を前記処分坑道に進入させる第1搬送車
前記処分坑道に進入した前記保持装置を前記処分坑道にさらに押し込む駆動装置を積載した第2搬送車
前記処分坑道から前記保持装置と前記駆動装置が退去した後に、前記処分坑道と前記放射性廃棄物の間隙に充填材を充填する充填装置を積載した第3搬送車と、
前記第1搬送車、前記第2搬送車、および前記第3搬送車が走行する主要坑道と
を備えることを特徴とする処理施設。
【請求項2】
前記駆動装置は、さらに前記充填装置を前記処分坑道に押し込むことを特徴とする請求項1記載の処理施設。
【請求項3】
前記主要坑道と前記処分坑道との交差部分には、坑道幅が拡幅された拡幅部分が存在しないことを特徴とする請求項1または2記載の処理施設。
【請求項4】
前記第1搬送車、前記第2搬送車、および前記第3搬送車は、それぞれ積載物を回動させる回動機構を備え、
前記回動機構は、前記処分坑道の入口前において回動することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の処理施設。
【請求項5】
放射性廃棄物を埋設処分する処理方法であって、
非管理区域に位置する前記放射性廃棄物を、前記非管理区域と管理区域の間に配置された積替装置に移載する第1移載工程、
前記積替装置に移載された前記放射性廃棄物を保持装置により取得して保持し、第1搬送車に移載させる第2移載工程、
前記第1搬送車に移載された前記保持装置を、前記放射性廃棄物が埋設処分される処分坑道に進入させる進入工程、
第2搬送車に積載された駆動装置を前記処分坑道にさらに進入させ、前記駆動装置により前記保持装置を押し込む押込工程、
前記処分坑道から前記保持装置および前記駆動装置を退去させる退去工程、
第3搬送車に積載された充填装置を前記処分坑道にさらに進入させ、前記処分坑道と前記放射性廃棄物の間隙に充填材を充填する充填工程
を含むことを特徴とする処理方法。
【請求項6】
前記処分坑道に進入した前記充填装置は、前記退去工程の後に再度前記駆動装置によって前記処分坑道に押し込まれることを特徴とする請求項5記載の処理方法。
【請求項7】
前記進入工程、前記押込工程、および前記退去工程は、前記処分坑道の入口前において積載物を回動させる回動工程を含むことを特徴とする請求項5または6記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃棄物を埋設処分するための処理施設および処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地下深くに掘削したトンネルである処分坑道内に放射性廃棄物を埋設処分する処分方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような処分方法において、処分坑道内に放射性廃棄物を進入させるには、図10に示すような装置102が用いられる。この装置102は、放射性廃棄物104を保持する保持部106が設けられた保持フレーム108と、放射性廃棄物104を処分坑道内に押し込めるための駆動部110を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-286451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の装置102においては、保持フレーム108と駆動部110を併せ持つため、装置102自体の長さが長くなる。このため、主要坑道内において装置102の向きを変えるのには、主要坑道内の幅を広くしなければならないなどの問題があった。
【0005】
また、処分坑道内に放射性廃棄物104を埋設する際には、処分坑道と放射性廃棄物104の間隙に充填材を充填する必要がある。この場合、充填装置と駆動部110を併せ持つ装置を別途用意する必要があった。
【0006】
本発明の目的は、坑道を広げることなく放射性廃棄物を廃棄処分する際の作業効率を向上させた処理施設および処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の処理施設は、
放射性廃棄物を埋設処分する処理施設であって、
非管理区域と管理区域の間に配置され、前記非管理区域に位置する前記放射性廃棄物を前記管理区域に移動させるための積み替えを行う積替装置が載置された積替エリアと、
前記放射性廃棄物が埋設処分される処分坑道と、
前記積替装置から前記放射性廃棄物を取得して保持する保持装置を積載し、前記保持装置を前記処分坑道に進入させる第1搬送車
前記処分坑道に進入した前記保持装置を前記処分坑道にさらに押し込む駆動装置を積載した第2搬送車
前記処分坑道から前記保持装置と前記駆動装置が退去した後に、前記処分坑道と前記放射性廃棄物の間隙に充填材を充填する充填装置を積載した第3搬送車と、
前記第1搬送車、前記第2搬送車、および前記第3搬送車が走行する主要坑道と
を備えることを特徴とする。
【0008】
このように、保持装置と駆動装置、および充填装置と駆動装置を別々に搬送車に積載することにより、各々の装置を搭載する台車の長さを短くすることができる。このため、主要坑道を広げることなく各装置を処分坑道の入り口前で回動させることができる。また、駆動装置が保持装置や充填装置とは別の第2搬送車に積載され、一つの駆動装置を一回の埋設処理で2回使用できるため、放射性廃棄物を廃棄処分する際の作業効率を向上させることができると共に、駆動装置1基分を配備するコストを削減することができる。
【0009】
また、本発明の処理施設は、
前記駆動装置は、さらに前記充填装置を前記処分坑道に押し込むことを特徴とする。
【0010】
このように、一つの駆動装置を一回の埋設処理で2回使用することにより、放射性廃棄物を廃棄処分する際の作業効率を向上させることができる。
【0011】
また、本発明の処理施設は、
前記主要坑道と前記処分坑道との交差部分には、坑道幅が拡幅された拡幅部分が存在しないことを特徴とする。
【0012】
すなわち、保持装置、駆動装置、充填装置を搭載する台車の長さを短くすることにより、主要坑道と処分坑道との交差部分に拡幅部分がなくても各装置を回動させることができる。
【0013】
また、本発明の処理施設は、
前記第1搬送車、前記第2搬送車、および前記第3搬送車は、それぞれ積載物を回動させる回動機構を備え、
前記回動機構は、前記処分坑道の入口前において回動することを特徴とする。
【0014】
これにより、主要坑道内における各搬送車の動作をコンパクトにすることができる。
【0015】
本発明の処理方法は、
放射性廃棄物を埋設処分する処理方法であって、
非管理区域に位置する前記放射性廃棄物を、前記非管理区域と管理区域の間に配置された積替装置に移載する第1移載工程、
前記積替装置に移載された前記放射性廃棄物を保持装置により取得して保持し、第1搬送車に移載させる第2移載工程、
前記第1搬送車に移載された前記保持装置を、前記放射性廃棄物が埋設処分される処分坑道に進入させる進入工程、
第2搬送車に積載された駆動装置を前記処分坑道にさらに進入させ、前記駆動装置により前記保持装置を押し込む押込工程、
前記処分坑道から前記保持装置および前記駆動装置を退去させる退去工程、
第3搬送車に積載された充填装置を前記処分坑道にさらに進入させ、前記処分坑道と前記放射性廃棄物の間隙に充填材を充填する充填工程
を含むことを特徴とする。
【0016】
このように、非管理区域に位置する放射性廃棄物を、非管理区域と管理区域の間に配置された積替装置を介して第1搬送車に移載することにより、非管理区域と管理区域を明確に区分することができる。また、保持装置と駆動装置、および充填装置と駆動装置を別々に搬送車に積載することにより、各々の装置を搭載する台車の長さを短くすることができる。
【0017】
また、本発明の処理方法は、
前記処分坑道に進入した前記充填装置は、前記退去工程の後に再度前記駆動装置によって前記処分坑道に押し込まれることを特徴とする。
【0018】
これにより、保持装置と駆動装置を共用することができ、放射性廃棄物を廃棄処分する際の作業効率を向上させることができる。
【0019】
また、本発明の処理方法は、
前記進入工程、前記押込工程、および前記退去工程は、前記処分坑道の入口前において積載物を回動させる回動工程を含むことを特徴とする。
【0020】
これにより、主要坑道内における各搬送車の動作をコンパクトにすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、坑道を広げることなく放射性廃棄物を廃棄処分する際の作業効率を向上させた処理施設および処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施の形態に係る放射性廃棄物の概略図である。
図2】実施の形態に係る処理施設の概要を示す図である。
図3】実施の形態に係るそれぞれの搬送車の概要図である。
図4】実施の形態に係る放射性廃棄物の積み替えを行う状況を説明する図である。
図5】実施の形態に係る放射性廃棄物を処分坑道に進入させる状況を示す図である。
図6】実施の形態に係る放射性廃棄物を処分坑道に押し込む状況を示す図である。
図7】実施の形態に係る駆動装置を処分坑道から退去させる状況を示す図である。
図8】実施の形態に係る保持装置を処分坑道から退去させる状況を示す図である。
図9】実施の形態に係る放射性廃棄物が埋設された処分坑道に充填材を充填する状況を示す図である。
図10】従来の埋設処分に用いられる装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る放射性廃棄物を埋設処分する処理施設および処理方法について説明する。図1は、実施の形態に係る放射性廃棄物の概念図である。図1に示すように、放射性廃棄物2は、PEM(Pre-fabricated Engineered Barrier System Module)方式を採用しており、円柱状の形状を有し、廃棄体A、緩衝材4、収納容器6を備えている。
【0024】
廃棄体Aは、高レベル放射性廃棄物をガラスとともに融解し、ステンレス製のキャニスターへ注入・固化させたガラス固化体8をオーバーパック9内に密閉収納したものである。緩衝材4は、ベントナイト液と珪砂を混ぜ合わせたもので、廃棄体Aの周囲を覆っている。また、収納容器6は、鋼製、コンクリート製、炭素繊維製の薄板により形成された止水性を有する薄板であり、緩衝材4のさらに外側を覆っている。
【0025】
図2は、実施の形態に係る処理施設の概要を示す図である。図2に示すように、処理施設10は、地上施設(不図示)と坑底施設11とを結ぶアクセス坑道12、放射性廃棄物2を埋設するための多数の処分坑道14、処分坑道14を取り囲む主要坑道16、坑底施設11と主要坑道16を結ぶ連絡坑道18、および放射性廃棄物2の積み替えを行う積替エリア20を備えている。
【0026】
ここで、処分坑道14が主要坑道16によって取り囲まれた区画が単位区画とされ、処分パネルと称される。連絡坑道18は、隣接する処分パネル同士を結ぶ役割も有している。また、積替エリア20は、非管理区域と管理区域の境界に位置し、後述する積替装置40が配置されている。なお、アクセス坑道12には、スパイラル坑道12aと立坑12bが存在する。
【0027】
図3(a)~(d)は、実施の形態に係る処理施設で用いられる搬送車を示す図である。図3(a)は、アクセス坑道12(スパイラル坑道12a)内を走行するアクセス搬送車22を示している。アクセス搬送車22は、アクセス坑道12内をターンせずに往来できるように前後に操縦席22a、22bを備えている。また、中央には、図示しないスライド機構を有する積載部22cを備えている。
【0028】
図3(b)は第1搬送車24、図3(c)は第2搬送車26、図3(d)は第3搬送車28をそれぞれ示している。なお、図3(b)~図3(d)に示されるそれぞれの搬送車は、積載する対象物のみが異なるだけで車体の機能が異なるものではない。
【0029】
ここで、第1搬送車24は保持装置30を積載し、第2搬送車26は駆動装置32を積載し、第3搬送車28は充填装置34を積載する。各搬送車は、車体前方に操縦席27を備え、中央に図示しない回動機構を有する積載部29を備えている。各搬送車は無人で走行することが可能であり、地上より遠隔操作が行われる。また、積載物を積載していない各搬送車は、管理区域である主要坑道16内または連絡坑道18内において待機している。
【0030】
なお、保持装置30は、放射性廃棄物2を保持する保持部30aと、保持部30aに保持された放射性廃棄物2が収納される収納空間30bと、台車30cを備えている。また、駆動装置32は、台車32aに積載されている。充填装置34は、充填機34a、充填材が収容される収容部34b、およびこれらを積載する台車34cを備えている。充填機34aには、充填材を充填するアーム状の充填部34d、充填機34aを操作する操作部34eが含まれる。なお、台車30c、台車32a、台車34cは地上からの遠隔操作によって走行することが可能である。また、充填装置34の操作も管理区域内においては、人が操作する操作部34eによらず、地上からの遠隔操作によって行うことができる。
【0031】
次に、処理施設10において放射性廃棄物2が処分坑道14内に埋設処分されるまでの一連の処理について図面を参照しながら説明する。まず、地上施設において、遮蔽コンテナ38内に放射性廃棄物2が収納され(図4(a)参照)、遮蔽コンテナ38内に収納された状態の放射性廃棄物2がアクセス搬送車22に積載される。放射性廃棄物2を積載したアクセス搬送車22は、アクセス坑道12内を走行して地下に下降し、積替エリア20に至る。
【0032】
次に、アクセス搬送車22は、図4(a)に示すように、積替エリア20に配置された積替装置40に接近し、図4(b)に示すように、スライド機構を用いて放射性廃棄物2をスライドさせ、放射性廃棄物2を積替装置40に移載する(第1移載工程)。
【0033】
次に、図4(c)に示すように、主要坑道16内で待機していた第1搬送車24が積替装置40に接近する。そして、図4(d)に示すように、第1搬送車24に積載されている保持装置30を走行させ、積替装置40上に移動させる。積替装置40上の保持装置30は、放射性廃棄物2を保持部30aで保持し、収容部34b内に収容した後、第1搬送車24上に戻る。これにより、積替装置40から放射性廃棄物2が取得され、第1搬送車24に移載される(第2移載工程)。なお、この第1移載工程と第2移載工程を経ることにより、放射性廃棄物2は、非管理区域から管理区域に移動する。
【0034】
放射性廃棄物2を保持した保持装置30を積載した第1搬送車24は、図5(a)に示すように、積替装置40から離れて主要坑道16内を走行する。そして、図5(b)に示すように、処分坑道14の入口前で停車し、回動機構により積載部29を90度回動させる(回動工程)。なお、処分坑道14の入口と主要坑道16との交差部分においては、坑道幅が拡幅されていない。次に、図5(c)に示すように、第1搬送車24に積載されている保持装置30を処分坑道14に進入させる(進入工程)。なお、このときまでに、主要坑道16内の所定の場所で待機していた第2搬送車26が移動し、処分坑道14の入口の近傍で待機している。
【0035】
次に、図6(a)に示すように、保持装置30を処分坑道14に進入させた第1搬送車24が処分坑道14の入口前から立ち去り、駆動装置32を積載した第2搬送車26が処分坑道14の入口前に移動する。なお、第1搬送車24は処分坑道14の入口の近傍で待機する。
【0036】
第2搬送車26は、図6(b)に示すように、回動機構により積載部29を90度回動させ(回動工程)、第2搬送車26に積載されている駆動装置32を処分坑道14に進入させる。そして、図6(c)に示すように、駆動装置32を処分坑道14内で走行させて保持装置30を押し込み(押込工程)、保持装置30によって保持されている放射性廃棄物2を、既に埋設されている放射性廃棄物2´に当接させる。
【0037】
次に、図7(a)に示すように、駆動装置32は、処分坑道14内から退去して第2搬送車26の積載部29に再び積載される(退去工程)。第2搬送車26は、回動機構により積載部29を90度回動させて元の姿勢に戻した後、図7(b)に示すように、処分坑道14の入口前から立ち去り、処分坑道14の入口の近傍で待機する。
【0038】
ここで、待機していた第1搬送車24が再び処分坑道14の入口前に移動し、図8(a)に示すように、回動機構により積載部29を90度回動させる。空になった保持装置30は、処分坑道14内から退去して第1搬送車24の積載部29に再び積載される(退去工程)。第1搬送車24は、回動機構により積載部29を90度回動させて元の姿勢に戻した後、処分坑道14の入口前から立ち去る。なお、このときまでに、図8(b)に示すように、主要坑道16内の所定の場所で待機していた第3搬送車28が移動し、処分坑道14の入口の近傍で待機している。
【0039】
次に、充填装置34を積載した第3搬送車28が処分坑道14の入口前に移動する。第3搬送車28は、回動機構により積載部29を90度回動させ(回動工程)、図8(c)に示すように、充填装置34を処分坑道14に進入させる。そして、積載部29を再び90度回動させて元の姿勢に戻した後、図9(a)に示すように、処分坑道14の入口前から立ち去る。
【0040】
ここで、待機していた第2搬送車26が再び処分坑道14の入口前に移動し、積載部29を90度回動させ、駆動装置32を処分坑道14に進入させる。そして、図9(b)に示すように、駆動装置32を処分坑道14内で走行させて充填装置34を放射性廃棄物2の近傍まで押し込む。充填装置34は、この状態で、図9(c)に示すように、処分坑道14と放射性廃棄物2の間隙に充填材を充填する(充填工程)。これにより、放射性廃棄物2が処分坑道14に埋設される。
【0041】
その後、駆動装置32は、処分坑道14から退去して第2搬送車26の積載部29に再び積載される。第2搬送車26は、処分坑道14の入口前から立ち去る。同様に、充填装置34は、処分坑道14から退去して第3搬送車28の積載部29に再び積載される。第3搬送車28は、処分坑道14の入口前から立ち去る。以上のような処理を繰り返すことにより、複数の放射性廃棄物2が処分坑道14内に廃棄処分される。
【0042】
この実施の形態の処理施設によれば、保持装置30と駆動装置32、および充填装置34と駆動装置32が別々に搬送車に積載されるので、各々の装置を搭載する台車の長さを短くすることができる。このため、主要坑道16を広げることなく各装置を処分坑道14の入り口前で回動させることができる。また、駆動装置32が保持装置30や充填装置34とは別の第2搬送車26に積載され、一つの駆動装置32を一回の埋設処理で2回使用できるため、放射性廃棄物2を廃棄処分する際の作業効率を向上させることができると共に、駆動装置32一基分を配備するコストを削減することができる。
【0043】
また、非管理区域と管理区域の境界に積替エリア20を設け、積替装置40を介してアクセス搬送車22から第1搬送車24への放射性廃棄物2の積み替えを行うため、アクセス搬送車22は管理区域に立ち入ることがなく、かつ第1搬送車24が非管理区域に立ち入ることがない。このため、非管理区域と管理区域を明確に区分することができる。
【符号の説明】
【0044】
2 放射性廃棄物
4 緩衝材
6 収納容器
8 ガラス固化体
9 オーバーパック
10 処理施設
11 坑底施設
12 アクセス坑道
12a スパイラル坑道
12b 立坑
14 処分坑道
16 主要坑道
18 連絡坑道
20 積替エリア
22 アクセス搬送車
22a 操縦席
22c 積載部
24 第1搬送車
26 第2搬送車
27 操縦席
28 第3搬送車
29 積載部
30 保持装置
30a 保持部
30b 収納空間
30c 台車
32 駆動装置
32a 台車
34 充填装置
34a 充填機
34b 収容部
34c 台車
34d 充填部
34e 操作部
38 遮蔽コンテナ
40 積替装置
102 装置
104 放射性廃棄物
106 保持部
108 保持フレーム
110 駆動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10