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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/02 20060101AFI20220707BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220707BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220707BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20220707BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
H05B33/02
G09F9/30 309
G09F9/30 330
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/04
H05B33/14 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019149225
(22)【出願日】2019-08-16
(65)【公開番号】P2020043058
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2019-08-16
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0108411
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】李 台 源
(72)【発明者】
【氏名】朴 鍾 贊
(72)【発明者】
【氏名】厳 ▲ヒュン▼ 哲
【合議体】
【審判長】松波 由美子
【審判官】井口 猶二
【審判官】関根 洋之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-232300(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3327786(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0125505(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B33/00-33/28
H01L51/50-51/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブ領域及び非アクティブ領域を有する基板と、
前記基板のアクティブ領域上に配置される薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタの上部に配置される少なくとも2層の平坦化層と、
前記基板の非アクティブ領域上に配置される複数の信号リンクと、
前記複数の信号リンクの上部面及び側面と重なる第1外郭カバー層と、を具備する表示装置であって、
前記少なくとも2層の平坦化層は、
前記薄膜トランジスタを覆う保護膜上に配置される第1平坦化層と、
前記第1平坦化層上に配置される第2平坦化層とを具備し、
前記表示装置は、前記薄膜トランジスタのドレイン電極と接続し、前記第1及び第2平坦化層の間に配置される画素連結電極と、
前記複数の信号リンクに接続される導電パッドと、
前記薄膜トランジスタに接続される発光素子と、
前記導電パッドと前記発光素子との間に配置される少なくとも一つのダムと、
前記発光素子上に配置される封止ユニットと、
前記少なくとも一つのダムと前記導電パッドとの間に配置される第2外郭カバー層とをさらに具備し、
前記画素連結電極は、ドレイン電極と同じ材質からなり、
前記複数の信号リンクは、前記薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極と同一の材質からなり、
前記複数の信号リンクのそれぞれは、
前記薄膜トランジスタのゲート電極が形成される層の表面と同一の層の同じ表面上で前記ゲート電極と同一の材質からなる下部リンクと、
前記薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極と同一の材質からなり、前記ソース及びドレイン電極と同一の平面上で前記下部リンクに連結される上部リンクとを具備し、
前記第1外郭カバー層は、前記第1平坦化層と同一の材質で前記保護膜上に配置され、
前記保護膜は、前記上部リンク上に配置される表示装置。
【請求項2】
前記第1外郭カバー層は、前記少なくとも2層の平坦化層と離隔される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記ソース及びドレイン電極と前記ゲート電極との間に配置される層間絶縁膜における、少なくとも一つのリンクコンタクトホールをさらに具備し、前記リンクコンタクトホールは前記下部リンクを露出し、
前記上部リンクは前記少なくとも1つのリンクコンタクトホールを通じて前記下部リンクと接続し、
前記第1外郭カバー層は前記リンクコンタクトホールと重なる、請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記封止ユニットは、有機封止層と、第1無機封止層と、第2無機封止層とを具備し、
前記第1及び第2無機封止層は無機絶縁物質からなる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2外郭カバー層は前記複数の信号リンクの上部で前記複数の信号リンクよりも広い線幅を有する、請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2外郭カバー層は、前記画素連結電極と同一の層で前記画素連結電極と同一の材質からなる、請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2外郭カバー層上に前記第2外郭カバー層よりも広い線幅を有する第3外郭カバー層をさらに具備し、
前記第3外郭カバー層は、前記第2平坦化層と同一の材質からなる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記保護膜及び第1平坦化層を貫通するラインコンタクトホールを通じて連結される第1及び第2高電圧供給ラインを含む高電圧供給ラインをさらに具備する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
第1平坦化層と第2平坦化層との間に配置される画素連結電極をさらに備え、
前記第1高電圧供給ラインは、前記薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極と同一の平面上で前記ソース及びドレイン電極と同一の材質からなり、
前記第2高電圧供給ラインは、前記画素連結電極と同一の平面上で前記画素連結電極と同一の材質からなる、請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1外郭カバー層は、前記複数の信号リンク内の多数の信号リンクのそれぞれに対応する多数の第1外郭カバー層部分(portion)を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記多数の第1外郭カバー層部分(portion)のそれぞれは、前記複数の信号リンク上に平坦な上部面又は階段状の上部面を有する、請求項10に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、特に、高精細及び高解像度を具現できる表示装置を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な情報を画面で具現する映像表示装置は、情報通信時代の中核技術によってより薄く、より軽く、携帯が可能でありながらも高性能の方向に発展している。そこで、陰極線管(CRT)の短所である重さと体積を減らし得る有機発光表示装置が脚光を浴びている。この有機発光表示装置(OLED)は自発光素子であり、消費電力が低く、高速の応答速度、高い発光効率、高い輝度及び広視野角を有する。この有機発光表示装置は、マトリックス状に配列されている多数のサブ画素によって映像を具現する。多数のサブ画素のそれぞれは、発光素子と、当該発光素子を独立して駆動する多数のトランジスタからなる画素回路とを具備する。
【0003】
このような有機発光表示装置が高精細化及び高解像度化するほど、各信号ライン及び各電極にかかる負荷が非常に大きくなり、画質及び駆動特性に悪影響を及ぼすRC(抵抗-キャパシタ)遅延が漸次増加する。特に、発光素子とトランジスタ間のRC負荷による信号遅延が発生し、各サブ画素に駆動信号を正確に印加できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-102463
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためのもので、高精細及び高解像度を具現できる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る有機表示装置は、アクティブ領域及び非アクティブ領域を有する基板と、基板のアクティブ領域上に配置される薄膜トランジスタと、薄膜トランジスタの上部に配置される少なくとも2層の平坦化層と、基板の非アクティブ領域上に配置される信号リンクと、信号リンクの上部面及び側面と重なる外郭カバー層とを具備することによって、高精細及び高解像度を具現できるとともに信号リンク及び信号リンク上の保護膜の損傷を防止することができる。
【0007】
いくつかの実施例では、前記第1外郭カバー層は、前記少なくとも2層の平坦化層と離隔される。いくつかの実施例では、前記少なくとも2層の平坦化層は、前記薄膜トランジスタを覆う保護膜上に配置される第1平坦化層と、前記第1平坦化層上に配置される第2平坦化層とを具備する。いくつかの実施例では、前記薄膜トランジスタのドレイン電極と接続し、前記第1及び第2平坦化層の間に配置される画素連結電極をさらに具備する。いくつかの実施例では、前記画素連結電極は、ドレイン電極と同じ材質からなる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記信号リンクはそれぞれ、前記薄膜トランジスタのゲート電極と同一の平面上で前記ゲート電極と同一の材質からなる下部リンクと、前記薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極と同一の材質からなり、前記ソース及びドレイン電極と同一の平面上で前記下部リンクに連結される上部リンクとを具備し、前記第1外郭カバー層は、前記第1平坦化層と同一の材質で前記保護膜上に配置され、前記保護膜は、前記上部リンク上に配置される。いくつかの実施例では、前記ソース及びドレイン電極と前記ゲート電極との間に配置される層間絶縁膜における、少なくとも一つのリンクコンタクトホールをさらに具備し、前記リンクコンタクトホールは前記下部リンクを露出し、前記上部リンクは前記少なくとも1つのリンクコンタクトホールを通じて前記下部リンクと接続し、前記第1外郭カバー層は前記リンクコンタクトホールと重なる。
【0009】
いくつかの実施例では、信号リンクに接続される導電パッドと、前記薄膜トランジスタに接続される発光素子と、前記発光素子上に配置される封止ユニットと、前記導電パッドと前記発光素子との間に配置される少なくとも一つのダムと、前記少なくとも一つのダムと前記導電パッドとの間に配置される第2外郭カバー層とをさらに具備する。前記封止ユニットは、有機封止層と、第1無機封止層と、第2無機封止層とを具備し、前記第1及び第2無機封止層は無機絶縁物質からなる。前記第2外郭カバー層は前記信号リンクの上部で前記信号リンクよりも広い線幅を有する。前記信号リンクは、前記薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極と同一の材質からなり、前記第2外郭カバー層は、前記画素連結電極と同一の層で前記画素連結電極と同一の材質からなる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第2外郭カバー層上に前記第2外郭カバー層よりも広い線幅を有する第3外郭カバー層をさらに具備し、前記第3外郭カバー層は、前記第2平坦化層と同一の材質からなる。前記保護膜及び第1平坦化層を貫通するラインコンタクトホールを通じて連結される第1及び第2高電圧供給ラインを含む高電圧供給ラインをさらに具備する。いくつかの実施例では、第1平坦化層と第2平坦化層との間に配置される画素連結電極をさらに備え、前記第1高電圧供給ラインは、前記薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極と同一の平面上で前記ソース及びドレイン電極と同一の材質からなり、前記第2高電圧供給ラインは、前記画素連結電極と同一の平面上で前記画素連結電極と同一の材質からなる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第1外郭カバー層は、前記信号リンク内の多数の信号リンクのそれぞれに対応する多数の第1外郭カバー層部分(portion)を含む。いくつかの実施例では、前記多数の第1外郭カバー層部分(portion)のそれぞれは、前記信号リンク上に平坦な上部面又は階段状の上部面を有する。
【0012】
いくつかの実施例では、表示装置は、基板と、薄膜トランジスタと、導電性パッドと、第1リンクと、第1外郭カバー層とを具備する。基板は、アクティブ領域と非アクティブ領域とを有する。薄膜トランジスタは前記基板のアクティブ領域上に配置される。導電性パッドは前記基板の非アクティブ領域に配置される。第1リンクは、前記基板の非アクティブ領域に配置され、前記導電性パッドと電気的に接続する。第1リンクは、前記基板の前記アクティブ領域において前記薄膜トランジスタの電極と電気的に接続する第1端部と前記基板の前記非アクティブ領域において前記第1リンクと電気的に接続する第2端部とを備える。第1外郭カバー層は、前記基板の平面から見て前記第1及び第2リンクが重なる場合に、信号リンク領域の上部面と1つ又は複数の側面とを覆う。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第1リンクは前記基板の第1層に位置し、前記第2リンクは第2層に位置する。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第1リンクと前記第2リンクとの間の層間絶縁膜をさらに具備する。前記第1リンクと前記第2リンクとは、前記層間絶縁膜の孔を介して電気的に接続される。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第1のリンクは第1の幅を有し、前記第2のリンクは、前記第1および第2リンクが重なる場合、前記信号リンク領域における前記第1の幅よりも広い第2の幅を有し、前記第1外郭カバー層が前記第2の幅よりも広い第3の幅を有する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第1リンクは前記薄膜トランジスタのゲート電極と同一層上で前記ゲート電極と同一の材質からなり、前記第2リンクは前記薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極と同一層上で前記ソース及びドレイン電極と同一の材質からなる。いくつかの実施例では、前記薄膜トランジスタを覆う平坦化層をさらに具備し、前記第1外郭カバー層は、前記平坦化層と同一の材質からなる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記薄膜トランジスタを覆う第1平坦化層と、前記第1平坦化層における孔を介して前記薄膜トランジスタのドレイン電極と電気的に接続する画素連結電極とを備える。前記第1外郭カバー層は前記画素連結電極と同一の材質からなる。いくつかの実施例では、前記基板は、前記画素連結電極及び前記第1平坦化層を覆う第2平坦化層と、前記第1外郭カバー層の上部面と側面とを覆う第2外郭カバー層とを具備し、前記第2外郭カバー層は前記第2平坦化層と同一の材質からなる。
【0018】
いくつかの実施例では、表示装置は、発光素子と、封止ユニットと、少なくとも一つのダムと、第2外郭カバー層とをさらに具備する。発光素子は、前記アクティブ領域に配置され、前記薄膜トランジスタに接続される。封止ユニットは、前記発光素子上に配置される。少なくとも一つのダムは、前記導電パッドと前記発光素子との間に配置される。第2外郭カバー層は、前記少なくとも一つのダムと前記導電パッドとの間に配置される。
【発明の効果】
【0019】
本開示では薄膜トランジスタのドレイン電極が、低い比抵抗の材質からなる画素連結電極を通じて発光素子のアノード電極と接続する。これによって、本発明は、発光素子と薄膜トランジスタ間のRC負荷による信号遅延を減らすことができ、高精細及び高解像度を具現することができる。
【0020】
また、本開示では、信号リンクの側面の段差部及び信号リンクを連結するリンクコンタクトホールによって発生する段差部と重なる外郭カバー層を具備する。これによって、本開示は、画素連結電極の形成のためのエッチング工程時に、信号リンクを覆う保護膜の流失、信号リンクの溶出及び導電物質のチップ不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施例に係る有機発光表示装置を示す平面図である。
図2A図1において線I-I’に沿って切った、いくつかの実施例に係る有機発光表示装置を示す断面図である。
図2B図1において線II-II’に沿って切った、いくつかの実施例に係る有機発光表示装置を示す断面図である。
図3図1に示す外郭カバー層の他の実施例を示す一実施例に係る平面図である。
図4A図3において線III-III’に沿って切った、いくつかの実施例に係る有機発光表示装置を示す断面図である。
図4B図3において線III-III’に沿って切った、いくつかの実施例に係る有機発光表示装置を示す断面図である。
図5A】外郭カバー層を具備しない、いくつかの実施例における比較例を示す断面図である。
図5B】外郭カバー層を具備しない、いくつかの実施例における比較例を示す断面図である。
図6A】外郭カバー層を具備する、いくつかの実施例における実施例を示す断面図である。
図6B】外郭カバー層を具備する、いくつかの実施例における実施例を示す断面図である。
図7】本発明に係る有機発光表示装置の一実施例を示す断面図である。
図8】線IV-IV’に沿って切った、一実施例に係る有機発光表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明に係る実施例を詳しく説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る有機発光表示装置を示す平面図であり、図2A及び図2Bは、図1において線「I-I’」及び「II-II’」に沿って切った有機発光表示装置を示す断面図である。
【0024】
図1図2A及び図2Bに示す有機発光表示装置は、基板101上に設けられるアクティブ領域AAと、アクティブ領域AAの周辺に配置される非アクティブ領域NAとに区分される。
【0025】
アクティブ領域AAには多数のサブ画素がマトリックス状に配列されて映像を表示する。各サブ画素は、画素駆動回路、及び画素駆動回路と接続する発光素子130を具備する。
【0026】
画素駆動回路は、スイッチングトランジスタTS、駆動トランジスタTD及びストレージキャパシタ(図示せず、Cst)を具備する。一方、画素駆動回路が2個のトランジスタTS,TDと1個のキャパシタCを具備する構造を取り上げて説明するが、これに限定するものではない。
【0027】
スイッチングトランジスタTSは、スキャンラインSLにスキャンパルスが供給されるとターンオンし、データラインDLに供給されたデータ信号をストレージキャパシタCst及び駆動トランジスタTDのゲート電極102に供給する。そのために、スイッチングトランジスタTSは、図1に示すように、スキャンラインSLに接続されたゲート電極GEと、データラインDLに接続されたソース電極SEと、駆動トランジスタに接続されたドレイン電極DEと、ソース電極とドレイン電極との間にチャネルを形成する半導体層ACTとを具備する。
【0028】
駆動トランジスタTDは、当該駆動トランジスタTDのゲート電極102に供給されるデータ信号に応答して、高電圧(VDD)供給ラインVLから発光素子130に供給される電流を制御することによって発光素子130の発光量を調節する。そして、スイッチングトランジスタTSがターンオフしても、ストレージキャパシタCstに充電された電圧によって駆動トランジスタTDは、次のフレームのデータ信号が供給されるまで一定の電流を供給し、発光素子130の発光を維持させる。
【0029】
そのために、駆動トランジスタTDは、図1図2A及び図2Bに示すように、アクティブバッファ層114上に配置される半導体層104と、ゲート絶縁膜112を介して半導体層104と重なるゲート電極102と、層間絶縁膜116上に形成されて半導体層104と接触するソース及びドレイン電極106,108とを具備する。換言すると、重なりは、平面視において少なくとも部分的に同じ空間を占める2つの要素を指すことができる。重なりは、2つの要素間の直接的な物理的接触を必要としない。
【0030】
半導体層104は、非晶質半導体物質、多結晶半導体物質及び酸化物半導体物質の少なくともいずれか一つから形成される。半導体層104はアクティブバッファ層114上に形成される。このような半導体層104は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域を具備する。チャネル領域はゲート絶縁膜112を介してゲート電極102と重なってソース及びドレイン電極106,108間のチャネル領域を形成する。ソース領域は、ゲート絶縁膜112及び層間絶縁膜116を貫通するソースコンタクトホール110Sを通じてソース電極106と電気的に接続する。ドレイン領域は、ゲート絶縁膜112及び層間絶縁膜116を貫通するドレインコンタクトホール110Dを通じてドレイン電極108と電気的に接続する。このような半導体層104と基板101との間にはマルチバッファ層140及びアクティブバッファ層114が配置される。マルチバッファ層140は、基板101に侵入した水分及び/又は酸素の拡散を遅延させる。アクティブバッファ層114は半導体層104を保護し、基板101が取り込む種々の欠陥を遮断する機能を有する。
【0031】
このとき、アクティブバッファ層114と接触するマルチバッファ層140の最上層は、マルチバッファ層140の残りの層、アクティブバッファ層114、ゲート絶縁膜112及び層間絶縁膜116とは異なるエッチング特性を有する材質で形成される。アクティブバッファ層114と接触するマルチバッファ層140の最上層は、SiNx及びSiOxのいずれか一方で形成され、マルチバッファ層140の残りの層、アクティブバッファ層114、ゲート絶縁膜112及び層間絶縁膜116は、SiNx及びSiOxの他方で形成される。例えば、アクティブバッファ層114と接触するマルチバッファ層140の最上層はSiNxで形成され、マルチバッファ層140の残りの層、アクティブバッファ層114、ゲート絶縁膜112及び層間絶縁膜116はSiOxで形成される。
【0032】
ゲート電極102はゲート絶縁膜112上に形成され、ゲート絶縁膜112を介して半導体層104のチャネル領域と重なる。ゲート電極102は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタニウム(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)の内の一つ又はそれらの合金からなる単一層又は多重層である第1導電物質で形成される。
【0033】
ソース電極106は、ゲート絶縁膜112及び層間絶縁膜116を貫通するソースコンタクトホール110Sを通じて露出された半導体層104のソース領域と接続する。ドレイン電極108はソース電極106と向かい合い、ゲート絶縁膜112及び層間絶縁膜116を貫通するドレインコンタクトホール110Dを通じて半導体層104のドレイン領域と接続する。このようなソース及びドレイン電極106,108は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタニウム(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか一つ又はそれらの合金からなる単一層又は多重層である第2導電物質で形成される。
【0034】
画素連結電極142は、第1及び第2平坦化層128,148の間に配置される。画素連結電極142は、保護膜118及び第1平坦化層128を貫通する第1画素コンタクトホール150を通じて露出されてドレイン電極108と接続する。この画素連結電極142はドレイン電極108と同一又は類似に、比抵抗の低い材質からなる。比抵抗が低い材質とは、抵抗率が低い材質を指す。ここでは、比抵抗の低い材料は金属であってもよい。
【0035】
一方、データラインDLと並ぶ高電位供給ラインVLは、保護膜118及び第1平坦化層128を貫通するラインコンタクトホール180を通じて接続される第1及び第2高電位供給ラインVL1,VL2を具備する。第1高電位供給ラインVL1は駆動トランジスタTDのソース及びドレイン電極106,108と同一の材質で同一の平面上(例えば、同じ層に)に配置され、第2高電位供給ラインVL2は画素連結電極142と同一の材質で同一の平面上に配置される。例えば、第2高電位供給ラインVL2及び画素連結電極142は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタニウム(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか一つ又はそれらの合金からなる単一層又は多重層である導電物質で形成される。ここでは、導電物質を第3導電物質として参照する場合もある。
【0036】
このように、本発明の高電位供給ラインVLは、ラインコンタクトホール180を通じて電気的に接続される第1及び第2高電位供給ラインVL2を含むことによって、高電位供給ラインVLの自体抵抗を減らすことができ、RC時定数が減少する。これによって、高電位供給ラインVLからの高電位電圧(VDD)の駆動トランジスタTDのソース電極106への伝送が遅延されることを防止でき、高解像度及び高精細の具現が可能になる。
【0037】
発光素子130はアノード電極132と、アノード電極132上に形成される少なくとも一つの発光スタック134と、少なくとも一つの発光スタック134上に形成されたカソード電極136とを具備する。
【0038】
アノード電極132は、第1平坦化層128上に配置される第2平坦化層148を貫通する第2画素コンタクトホール120を通じて露出された画素連結電極142と電気的に接続する。
【0039】
各サブ画素のアノード電極132は、バンク138によって露出されるように形成される。このようなバンク138は、隣接したサブ画素間の光干渉を防止するように不透明材質(例えば、黒色の部材)で形成されてもよい。この場合、バンク138は、カラー顔料、有機ブラック顔料及びカーボンの少なくともいずれか一つからなる遮光材質を含む。
【0040】
少なくとも一つの発光スタック134は、バンク138によって設けられた発光領域のアノード電極132上に形成される。少なくとも一つの発光スタック134は、アノード電極132上に、正孔関連層、有機発光層、電子関連層の順に又は逆順に積層して形成される。その他にも発光スタック134は、電荷生成層を挟んで対向する第1及び第2発光スタックを具備してもよい。この場合、第1及び第2発光スタックのいずれか一方における有機発光層は青色光を生成し、第1及び第2発光スタックのいずれか他方における有機発光層は黄色-緑色光を生成することによって、第1及び第2発光スタックで白色光が生成される。この発光スタック134で生成された白色光は、発光スタック134の上部又は下部に位置するカラーフィルターに入射し、カラー映像を具現することができる。その他にも、別のカラーフィルター無しで、各発光スタック134で各サブ画素に該当するカラー光を生成し、カラー映像を具現してもよい。すなわち、赤色(R)サブ画素の発光スタック134は赤色光を、緑色(G)サブ画素の発光スタック134は緑色光を、青色(B)サブ画素の発光スタック134は青色光を生成してもよい。
【0041】
カソード電極136は、少なくとも1つの発光スタック134を挟んでアノード電極132と対向するように形成され、低電圧(VSS)供給ラインと接続する。
【0042】
非アクティブ領域NAには、データラインDLと接続するデータパッドDP、スキャンラインSLと接続するスキャンパッドSP、低電圧(VSS)供給ライン及び高電圧(VDD)供給ラインのそれぞれと接続する電源パッド(図示せず)が配置される。このようなデータパッドDP、スキャンパッドSP及び電源パッドは、基板101の一側及び他側領域の少なくともいずれか一領域に配置される非アクティブ領域NAに配置されてもよく、互いに異なる非アクティブ領域NAに配置されてもよい。一方、データパッドDP、スキャンパッドSP及び電源パッドは図1の構造に限定されず、表示装置の設計事項によって様々に変更可能である。
【0043】
このようなデータパッドDP、スキャンパッドSP及び電源パッドの少なくともいずれか一導電パッドは、信号リンクを通じて該当の信号ラインと接続する。信号リンクは、図1図2A及び図2Bに示すように、下部リンク122及び上部リンク124を具備してもよい。信号リンクは、ここでは「信号リンク領域」と参照される場合がある。信号リンクは、基板101の平面から見て、下部リンク122と上部リンク124とが重なる領域を含められる。
【0044】
下部リンク122は、導電パッド及び信号ラインのいずれか一方から延び、上部リンク124は導電パッド及び信号ラインのいずれか他方から延びる。
【0045】
このような下部リンク122は、ソース及びドレイン電極106,108とゲート電極102との間に配置される少なくとも1層の層間絶縁膜116を貫通する少なくともいずれか一つのリンクコンタクトホール126を通じて露出されて上部リンク124と接続する。下部リンク122は、駆動トランジスタTDのゲート電極102と同一の材質で、同一の平面(例えば、ゲート絶縁膜112)上に配置され、上部リンク124は、駆動トランジスタTDのソース及びドレイン電極106,108と同一の材質で、同一の平面(例えば、層間絶縁膜116)上に配置される。
【0046】
上部リンク124上には無機絶縁材質の保護膜118と、該保護膜118上に第1平坦化層128と同じ有機絶縁材質からなる外郭カバー層146(ここでは、第1外郭カバー層として参照される場合もある)が配置される。
【0047】
有機絶縁材質からなる外郭カバー層146は、第1及び第2平坦化層128,148のそれぞれと分離されるように形成される。換言すれば、「から分離する」とは、2つの構成要素が物理的に接触しないように2つの構成要素が配置されている構成を指す。これによって、外部からの水分や酸素が外郭カバー層146、第1及び第2平坦化層128,148を通って発光素子130に流れ込むことを遮断し、発光素子130の損傷を防止することができる。
【0048】
外郭カバー層146は、図1に示すように、基板101上に配置された多数の信号リンクと一対多で対応するように形成されたり(換言すれば、1つの外側カバー層は2つ以上の信号リンクに対応する)、図3図4A及び図4Bに示すように、信号リンクのそれぞれと一対一で対応するように形成される(換言すれば、1つの外側カバー層は1つの信号リンクに対応する)。すなわち、信号リンクを表示装置の2つの構成要素間の導電経路とすることができる
【0049】
外郭カバー層146は、図4Aに示すように上部リンク124の上部において平坦な上部面を有するように形成されたり、図4Bに示すようにエッジに行くほど厚さが薄くなる階段状の上部面を有するように形成される。階段状の上部面を有する外郭カバー層146は、外郭カバー層146の後続工程時に外郭カバー層146の段差によって発生する不良を防止することができる。
【0050】
このような外郭カバー層146はリンクコンタクトホール126だけでなく上部リンク124の上部面及び側面と重なるように形成される。特に、外郭カバー層146は、リンクコンタクトホール126によって発生する段差部及び上部リンク124の側面によって発生する段差部を覆う保護膜118上においてリンクコンタクトホール126と重なるように形成される。
【0051】
これによって、本実施例は、第1平坦化層128の後続工程時に保護膜118が流失することを防止できるとともに上部リンク124が損傷することを防止することができる。これについて、図5A図5B図6A及び図6Bと結び付けて具体的に説明する。
【0052】
図5A及び図5Bは外郭カバー層を具備しない比較例を示す断面図であり、図6A及び図6Bは外郭カバー層を具備する実施例を示す断面図である。
【0053】
図5A及び図5Bに示す比較例では、下部リンク122、層間絶縁膜116、上部リンク124、保護膜118及び第1平坦化層128が順に形成された後、アクティブ領域に画素連結電極142が形成される。このとき、画素連結電極142の形成のための乾式エッチング工程時に、リンクコンタクトホール126によって発生した段差部と対応する保護膜118の一部が流失する。そして、保護膜118の流失した部分を通じて上部リンク124が露出される(A領域)。露出された上部リンク124は、画素連結電極142の後に形成されるアノード電極132及びカソード電極136の少なくともいずれか一つの導電物質と短絡(Short)する不良が発生する。
【0054】
また、画素連結電極142及びアノード電極132の少なくともいずれか一つの形成のための乾式エッチング工程時に、保護膜118の流失が大きいと(B領域)、保護膜118下部の上部リンク124が溶けて流失する。この場合、下部リンク122と上部リンク124とのコンタクト不良が発生するだけでなく、上部リンク124から流失した物質がアノード電極132のエッチング工程時に湿式エッチング液に沿ってアクティブ領域AAへ移動することがある。この場合、アクティブ領域AAへ移動した流失物質によって異物不良が発生し得る。
【0055】
そのうえ、画素連結電極142の形成のための乾式エッチング工程時に、上部リンク124の周辺に画素連結電極142の残余物質142Aからなるチップ(tip)(C領域)が発生する(チップ不良として参照される)。この画素連結電極142の残余物質142Aがアノード電極132のエッチング工程時にエッチング液に沿ってアクティブ領域AAへ移動することがある。この場合、アクティブ領域AAへ移動した残余物質142Aによって異物不良が発生し得る。
【0056】
一方、図6A及び図6Bに示す本発明の実施例では、下部リンク122、層間絶縁膜116、上部リンク124、保護膜118が順に形成された後、第1平坦化層128と外郭カバー層146が同時に形成される。その後、アクティブ領域AAに画素連結電極142が形成される。このような画素連結電極142の形成のための乾式エッチング工程時に、外郭カバー層146が上部リンク124上の保護膜118をカバーする。外郭カバー層146は画素連結電極142の形成のための乾式エッチング工程時に、リンクコンタクトホール126によって発生した段差部の保護膜118をカバーする。これによって、画素連結電極142の乾式エッチング工程時に、保護膜118の流失を防止できるとともに上部リンク124の露出を防止又は減少できる。その結果、アノード電極132及びカソード電極136の少なくともいずれか一つの導電物質と上部リンク124との短絡(Short)不良、上部リンク124と下部リンク122とのコンタクト不良、及び上部リンク124及び画素連結電極142の少なくともいずれか一つの導電物質による異物不良を防止又は減少できる。
【0057】
図7は、第2実施例に係る有機発光表示装置を示す平面図であり、図8は、図7において線「IV-IV’」に沿って切った表示装置を示す断面図である。
【0058】
図7及び図8に示す表示装置は、図1及び図2に示す表示装置と対比して、封止ユニット150、多数のダム158及び第2外郭カバー層164を具備する以外は同一の構成要素を有する。これによって、同一の構成要素に関する詳細な説明は省略するものとする。
【0059】
封止ユニット150は、外部の水分や酸素に弱い発光素子130に外部の水分や酸素が侵入することを遮断又は減少する。そのために、封止ユニット150は、少なくとも1層の無機封止層152と、少なくとも1層の有機封止層154を具備する。いくつかの実施例では、第1無機封止層152、有機封止層154及び第2無機封止層156が順に積層された封止ユニット150の構造を取り上げて説明する。
【0060】
第1無機封止層152は、カソード電極136が形成された基板101上に形成される。第2無機封止層156は、有機封止層154が形成された基板101上に形成され、第1無機封止層152と共に有機封止層154の上部面、下部面及び側面を取り囲むように形成される。このような第1及び第2無機封止層152,156は、外部の水分や酸素が発光スタック134に侵入することを最小化したり遮断する。この第1及び第2無機封止層152,156は、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)又は酸化アルミニウム(Al2O3)のような低温蒸着が可能な無機絶縁材質で形成される。これによって、第1及び第2無機封止層152,156は低温雰囲気で蒸着されるので、第1及び第2無機封止層152,156の蒸着工程時に高温雰囲気に弱い発光スタック134が損傷することを防止又は減少できる。
【0061】
有機封止層154は、有機発光表示装置の曲げによる各層間の応力を緩和する緩衝の役目を果たし、平坦化性能を強化する。この有機封止層154は、第1無機封止層152が形成された基板101上にPCL、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン又はシリコンオキシカーボン(SiOC)のような非感光性有機絶縁材質又はフォトアクリルのような感光性有機絶縁材質で形成される。このような有機封止層154がインクジェット方式で形成される場合、液状の有機封止層154が基板101の縁に拡散することを防止又は減少するようにダム158が配置される。ダム158は有機封止層154と対比して、基板101の縁へより近く配置される。このようなダム158によって、基板101の最外郭に配置される導電パッドが配置されるパッド領域に有機封止層154が広がることを防止又は減少できる。
【0062】
第2外郭カバー層164は、図1及び図2に示す外郭カバー層146でカバーできない領域に配置され得る。例えば、(外部の水分及び湿気の移動経路とされ得る)有機絶縁材質の薄膜を配置できない領域であるダム158と導電パッドSP,DPとの間に第2外郭カバー層164が配置される。いくつかの実施例では、第2の外郭カバー層164は、外郭カバー層146の代わりに形成される。他の実施例では、外郭カバー層146に加えてさらに、第2の外郭カバー層164が形成される。
【0063】
第2外郭カバー層164は、画素連結電極142と同一のマスク工程で形成される。すなわち、第2外郭カバー層164は、(例えば、画素連結電極142と同一の材質の)第3導電物質によって画素連結電極142と同一の平面である保護膜118上に形成され得る。第2外郭カバー層164は、(例えば、ソース及びドレイン電極106,108と同一の材質の)第2導電物質からなる信号リンク162上に、配置される。信号リンク162は、導電性パッド(例えば、データパッド)を、対応する信号ラインに電気的に接続する単一のラインであってもよい。第2外郭カバー層164は、信号リンク162の線幅w1よりも広い線幅w2を有する。第2外郭カバー層164の線幅が信号リンク162の線幅より広いので、第2外郭カバー層164は、信号リンク162の上部及び側面を覆うように配置される。保護膜118を信号リンク162上に配置できるので、第2外郭カバー層164を保護膜118上に配置できる。これによって、第2外郭カバー層164及び画素連結電極142の形成のための乾式エッチング工程時に、第2外郭カバー層164の第3導電物質は信号リンク上の保護膜をカバーする。したがって、実施例において、信号リンク162上に配置される保護膜118の流失、信号リンク162の損傷及び第3導電物質のチップ不良を防止又は減少できる。
【0064】
このような第2外郭カバー層164上には第2平坦化層148と同一の材質からなる第3外郭カバー層166が配置される。第3外郭カバー層166は、第2外郭カバー層164の側面及び上部面を覆うように第2外郭カバー層164よりも広い線幅を有する。このような第3外郭カバー層166が第2平坦化層148よりも薄い厚さで形成されるので、第3外郭カバー層166による段差発生を最小化することができる。これによって、第3外郭カバー層166と隣接した導電パッド上に信号伝送フィルム(例えば、FPC又はTCP)の加圧工程時に、第3外郭カバー層166の厚さによる圧着工程不良を防止又は減少できる。
【0065】
一方、第1実施例では外郭カバー層146、第2実施例では第2及び第3カバー層164,166を具備する構造を取り上げて説明したが、他の実施例では外郭カバー層146、第2及び第3カバー層164,166の全てを具備してもよい。
【0066】
また、本開示ではリンクコンタクトホール126を具備する信号リンク122,124の上部には外郭カバー層146が配置され、リンクコンタクトホール126を具備しない信号リンク162の上部に第2及び第3外郭カバー層164,166が配置される構造を取り上げて説明したが、これに限定するものではない。リンクコンタクトホール126を具備する信号リンク122,124の上部には第2及び第3外郭カバー層164,166が配置され、リンクコンタクトホール126を具備しない信号リンク162の上部には外郭カバー層146が配置されてもよい。
【0067】
また、本開示では外郭カバー層146、第2及び第3外郭カバー層164,166がデータパッドDPと連結された信号リンクの上部に配置される構造を取り上げて説明したが、その他にもスキャンパッド(SP)及び/又は電源パッドと連結された信号リンクの上部に配置されてもよい。
【0068】
さらにまた、本開示と関連する表示装置は、信号リンクの側面の段差部及び信号リンクを連結するリンクコンタクトホールによって発生する段差部と重なる外郭カバー層を具備する。したがって、本開示に係る表示装置は、画素連結電極の形成のためのエッチング工程時に、信号リンクを覆う保護膜の流失、信号リンクの溶出、及び第3導電物質のチップ不良を防止または減少することができる。
【0069】
なお、本開示では、有機発光表示装置を取り上げて説明したが、その他にも、薄膜トランジスタを具備する表示装置のいずれにも適用可能である。
【0070】
以上の説明は本発明を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で様々な変形が可能であろう。したがって、本発明の明細書に開示された実施例は本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付する特許請求の範囲によって解釈しなければならず、それと均等な範囲内における技術はいずれも本発明の範囲に含まれるものとして解釈すべきであろう。
【符号の説明】
【0071】
102 ゲート電極
104 半導体層
106 ソース電極
108 ドレイン電極
122,124,162 信号リンク
130 発光素子
132 アノード電極
134 発光スタック
136 カソード電極
146,164,166 外郭カバー層
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8