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特許7101163改善された、少量サンプルの尿検査アッセイストリップ、それに関連した分析キットおよび使用方法
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  • 特許-改善された、少量サンプルの尿検査アッセイストリップ、それに関連した分析キットおよび使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】改善された、少量サンプルの尿検査アッセイストリップ、それに関連した分析キットおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/493 20060101AFI20220707BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20220707BHJP
   G01N 33/72 20060101ALI20220707BHJP
   G01N 33/66 20060101ALI20220707BHJP
   G01N 33/84 20060101ALI20220707BHJP
   G01N 33/52 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
G01N33/493 B
G01N33/68
G01N33/72 B
G01N33/66 A
G01N33/84 A
G01N33/52 B
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019502256
(86)(22)【出願日】2017-06-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 US2017036319
(87)【国際公開番号】W WO2018017197
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-02-28
(31)【優先権主張番号】62/363,581
(32)【優先日】2016-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィッド・レデン
(72)【発明者】
【氏名】ロイド・シュールマン
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-272399(JP,A)
【文献】特開平09-105747(JP,A)
【文献】国際公開第2005/100988(WO,A1)
【文献】特開2001-194368(JP,A)
【文献】特開2000-081427(JP,A)
【文献】実開昭60-102670(JP,U)
【文献】国際公開第2015/164113(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/038456(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0211987(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/493,33/52,
G01N 21/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体テストサンプル中の少なくとも1つの検体を検出するためのテストストリップ用のデバイスであって:
基材であって、該基材は、第1の末端、第2の末端、第1の側部、第2の側部、上面および下面を含み、第1の側部および第2の側部は、第1の末端および第2の末端より実質的に長い長さを備える、前記基材と;
検体テスト領域であって、該検体テスト領域は、基材の上面に位置する平面領域であり、基材の第2の末端から、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行な第1の軸に沿って、基材の第2の末端に実質的に平行な第2の軸へと伸び、さらに、前記検体テスト領域は、少なくとも2個の検体テストパッドを含み、各検体テストパッドは、液体テストサンプルに存在する、互いに同一または異なる少なくとも1つの検体と会合して、前記少なくとも1つの検体の存在下で検出可能な反応を生成することが可能である少なくとも1つの試薬を含検体テストパッドは、検体テスト領域内における少なくとも横1列で方向づけられ、少なくとも横1列は、基材の第1の末端および第2の末端に実質的に平行である、前記検体テスト領域と
を含み、
前記検体テストパッドは、前記検体テスト領域内に少なくとも1つの試薬のドットをスポットすることにより形成される、前記デバイス。
【請求項2】
なくとも10個の検体テストパッドを含前記検体テストパッドは、検体テスト領域内の配列で配置されており、配列は、少なくとも横2列および少なくとも2つのカラムを含み、少なくとも横2列は、基材の第1の末端および第2の末端に実質的に平行であり、さらに、少なくとも2つのカラムは、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
検体テストパッドは、互いに同一もしくは異なる試薬、または前記同一および異なる試薬の組合せを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
基材は、ニトロセルロース、酢酸セルロース、Mylar(登録商標)、ポリエステル
フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、およびポリスチレン、またはそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
液体テストサンプルは尿である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
少なくとも1つの検体は、グルコース、ビリルビン、ケトン、血液、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、アルブミン、クレアチニン、アスコルビン酸および水素イオンからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
少なくとも1つの試薬は、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ヨウ化カリウム、2,4-ジクロロアニリンジアゾニウム塩、ニトロプルシドナトリウム、ブロモチモールブルー、メチルビニルエーテル、無水マレイン酸、水酸化ナトリウム、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、メチルレッド、テトラブロモフェノールブルー、p-ジエチルアミノ-ベンズアルデヒド、p-アルサニル酸、1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ(h)キノリン-3-オール、誘導体化ピロールアミノ酸エステル、ビス(3’,3’’-ジヨード-4’,4’’-ジヒドロキシ-5’,5’’-ジニトロフェニル)-3,4,5,6-テトラブロモスルホンフタレイン、硫酸銅、およびジアゾニウム塩、またはそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
検出可能な反応は、少なくとも2個の検体テストパッドに対する色の変化を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体を検出するためのテストストリップ用のデバイスであって:
基材であって、該基材は、第1の末端、第2の末端、第1の側部、第2の側部、上面および下面を含み、第1の側部および第2の側部は、第1の末端および第2の末端より実質的に長い長さを備える、前記基材と;
検体テスト領域であって、該検体テスト領域は、基材の上面に位置する平面領域であり、基材の第2の末端から、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行な第1の軸に沿って、基材の第2の末端に実質的に平行な第2の軸へと伸び、さらに、第2の軸は、基材の第2の末端から約0.5センチメートルから約3センチメートルであり、さらに、前記検体テスト領域は、少なくとも10個の検体テストパッドを含み、各検体テストパッドは、液体テストサンプルに存在する、互いに同一または異なる少なくとも1つの検体と会合して、前記少なくとも1つの検体の存在下で検出可能な反応を生成することが可能である少なくとも1つの試薬を含み、検体テストパッドは、検体テスト領域内における少なくとも横1列で方向づけられ、少なくとも横1列は、基材の第1の末端および第2の末端に実質的に平行である、前記検体テスト領域と
を含み、
前記検体テストパッドは、前記検体テスト領域内に少なくとも1つの試薬のドットをスポットすることにより形成される、前記デバイス。
【請求項10】
少なくとも10個の検体テストパッドは、検体テスト領域内の配列で配置されており、配列は、少なくとも横2列および少なくとも2つのカラムを含み、少なくとも横2列は、基材の第1の末端および第2の末端に実質的に平行であり、さらに、少なくとも2つのカラムは、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行である、請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
少なくとも10個の検体テストパッドは、互いに同一もしくは異なる試薬、または前記同一および異なる試薬の組合せを含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項12】
液体テストサンプルは尿である、請求項に記載のデバイス。
【請求項13】
少なくとも1つの検体は、グルコース、ビリルビン、ケトン、血液、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、アルブミン、クレアチニン、アスコルビン酸、水素イオンおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項に記載のデバイス。
【請求項14】
少なくとも1つの試薬は、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ヨウ化カリウム、2,4-ジクロロアニリンジアゾニウム塩、ニトロプルシドナトリウム、ブロモチモールブルー、メチルビニルエーテル、無水マレイン酸、水酸化ナトリウム、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、メチルレッド、テトラブロモフェノールブルー、p-ジエチルアミノ-ベンズアルデヒド、p-アルサニル酸、1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ(h)キノリン-3-オール、誘導体化ピロールアミノ酸エステル、ビス(3’,3’’-ジヨード-4’,4’’-ジヒドロキシ-5’,5’’-ジニトロフェニル)-3,4,5,6-テトラブロモスルホンフタレイン、硫酸銅、およびジアゾニウム塩、またはそれらの組合せからなる群から選択される、請求項に記載のデバイス。
【請求項15】
分析反応を行って、液体テストサンプル中の検体の有無を判定する方法であって:
患者から得られた液体テストサンプルを、レセプタクル中に配置する工程と;
テストストリップ用のデバイスをレセプタクル中に導入する工程であって、テストストリップ用のデバイスは:
基材であって、基材は、第1の末端、第2の末端、第1の側部、第2の側部、上面および下面を含み、第1の側部および第2の側部は、第1の末端および第2の末端より実質的に長い長さを備える、基材;ならびに
検体テスト領域であって、検体テスト領域は、基材の上面に位置する平面領域であり、基材の第2の末端から、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行な第1の軸に沿って、基材の第2の末端に実質的に平行な第2の軸へと伸び、さらに、第2の軸は、基材の第2の末端から約1センチメートルから約3センチメートルであり、さらに検体テスト領域は少なくとも2個の検体テストパッドを含み、各検体テストパッドは、レセプタクルに含有される液体テストサンプルに存在する、互いに同一または異なる少なくとも1つの検体と会合して、前記少なくとも1つの検体の存在下で検出可能な反応を生成することが可能である少なくとも1つの試薬を含む、検体テスト領域
を含み、
前記検体テストパッドは、前記検体テスト領域内に少なくとも1つの試薬のドットをスポットすることにより形成される、工程と;
液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体の有無を判定するために、生成された検出可能な反応を測定する工程と
を含む、前記方法。
【請求項16】
検出可能な反応は、少なくとも2個の検体テストパッドに対する色の変化を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年7月18日に出願された米国仮出願第62/363,581号の利益およびそれに対する優先権を主張するものであり、その開示全体が参照によって本出願に組み入れられる。
【0002】
連邦政府資金による研究または開発に関する陳述
不適用。
【0003】
ここで開示され、請求されている本発明の概念は、少量サンプルの尿検査アッセイを実施するためのデバイス、キットおよび方法に関する。より具体的には、ここで開示され、請求されている本発明の概念は、患者の少量の尿サンプルに存在する検体を検出するために改善された尿検査アッセイテストストリップ構成、ならびにそれに関連したキットおよび使用方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例えば患者の尿サンプルを含む、患者の流体サンプルに存在し得る検体を検出するためのデバイスおよび方法は、多数存在する。そのようなデバイスは、患者の尿サンプルと関連する検体および状態を含むがそれらに限定されない患者の健康および生物学的プロファイルを示す、ある検体の存在(または非存在)ならびに量を検出する診断アッセイにおいて有効と証明されている。しかし、これらのデバイス、キットおよび方法は、現在の構成では少量の患者の流体(すなわち尿)サンプルを容易にテストできないという点において、構成に限定がある。この構成のため、患者が少量の液体テストサンプル(約5ミリリットル未満)しか生成しなかった場合、患者の尿サンプルの正確な分析を達成することは困難である。現在のテストストリップ構成では、サンプルの体積が少ない場合、サンプルを含有するレセプタクルは、目的の検体および検体テストパッドに含有されるそれぞれの試薬との間の相互反応を促進するように操作しなければならない(手作業で、または機械により)。これにより、不正確かつ/または不完全な結果(液体サンプルによる検体テスト領域の湿りが不完全なため)、ならびにサンプルのサンプルレセプタクルからの漏出が生じる恐れがある。さらに、現在の構成は、尿テストストリップ(典型的には約11センチメートルの長さを有する)の全(または実質的に全)長に沿ったかなりの大きさの検体テストパッドを含み、各検体テストパッドに組み入れられる試薬の量を増加させる必要性が生じる。したがって、少量の患者の液体テストサンプルに存在し得る目的の少なくとも1つの検体を検出できる新たな、かつ改善されたデバイス、キットおよび方法の必要性が存在する。そのようなデバイス、キットおよび方法は、それにより、例示であって限定するものではないが:(1)少量の患者の液体テストサンプルに存在し得る目的の少なくとも1つの検体の存在(または非存在)の改善された検出;(2)少量の液体テストサンプル排出物を生成する患者集団のサンプルに存在する、目的の少なくとも1つの検体の存在(または非存在)の改善された検出(新生児、乳児、幼児、若年成人、成人および高齢者の集団、ならびに、尿排出を制約する病態、例えば脱水症、腎臓疾患、尿道狭窄、および閉塞性尿疾患に罹患した患者を含むが、それらに限定されない);(3)テストストリップに、より小さく、より多数の検体テストパッドを組み入れ、それにより、少量の患者の液体テストサンプル中で検出できる検体の数を増加させる能力;ならびに(4)そのような診断テストを実施するのに必要な試薬および材料の量が減少することによる、そのようなテストストリップの生成と関連する製造コストの低下を可能とする。ここで開示され、請求されている本発明の概念は、そのようなデバイス、およびそれに関連した方法、ならびにキットを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】従来技術の液体サンプルテストストリップの一実施形態の詳細な平面図である。
図2】ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の、改善された液体サンプルテストストリップの一実施形態の詳細な平面図である。
図2A】ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の、改善された液体サンプルテストストリップの一実施形態の側面図である。
図3】ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の、改善された液体サンプルテストストリップの代替実施形態の詳細な平面図である。
図4図2および図2Aで描写されている液体サンプルテストストリップ、ならびにそれに関連した使用方法の一実施形態の例を利用する、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念のキットの一実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
例示的な図面、実験、結果および検査法により本発明の概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、発明の概念は、その適用において、以下の説明に記載されている、または図面、実験および/もしくは結果において例証されている部品の構築および配置の詳細に限定されないことは理解されるべきである。本発明の概念は、他の実施形態になることが可能である、または様々な手段で実践する、もしくは実行することが可能である。上記のように、本明細書で使用される言葉は、最大限に広い範囲および意味で示されることが意図されており;実施形態は、例示的であるが網羅的ではないことを意味する。また、本明細書で用いられる表現および術語は、説明の目的のためであり、限定とみなすべきではないことを理解すべきである。
【0007】
本明細書において特に定義がない限り、ここで開示され、請求されている本発明の概念に関連して使用される科学および技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によって必要とされない限り、単数形の用語は、複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。先述の技術および手順は、一般的に、当業界で周知の従来の方法に従って行われ、本明細書全体で引用され、論じられている様々な一般的な、また、より具体的な参考文献に記載されている通りである。本明細書に記載されている分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品化学および製薬化学に関連して利用される命名法、ならびにその検査法および技術は、当業界で周知かつ一般的に使用されるものである。
【0008】
本明細書で言及されるすべての特許、公開特許出願および非特許文献は、ここで開示され、請求されている本発明の概念に関する当業者の技術レベルを示す。本出願のある部分で参照されるすべての特許、公開特許出願および非特許文献は、個々の特許または文献のそれぞれが参照によって具体的かつ個々に組み入れられるように指し示された場合と同程度に、参照によってその全体が本明細書に明白に組み入れられる。
【0009】
本明細書で開示され、請求されているすべてのデバイス、キット、および/または方法は、本開示に照らして、過度の実験なしで作り、実行できる。ここで開示され、請求されている本発明の概念の組成物および方法は、好ましい実施形態の用語として記載されているが、当業者には、ここで開示され、請求されている本発明の概念の概念、その精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されている方法の組成物および/または方法に、また、その方法の工程、または工程順序において変形が適用できることが明らかである。当業者に明らかなそのような類似した置換および改変は、いずれも、添付の特許請求の範囲により定義されている本発明の概念の精神、範囲、および概念内とされる。
【0010】
本開示により利用されているように、以下の用語は、特に指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする:
【0011】
「a」または「an」という単語の使用は、請求項および/または明細書において「を含む」と併せて使用される場合は、「1」を意味し得るが、これは、「1つまたはそれ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたはそれ超」の意味とも一致する。単数形「a」、「an」および「the」は、文脈で特に明らかに指し示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ある化合物」への言及は、1またはそれ以上、2以上、3以上、4以上またはそれより大きい数の化合物を指し得る。「複数」という用語は、「2つ以上」を指す。請求項における「または」の使用は、代用物のみを指すこと、または代用物が互いに排他的であることが明白に指し示されない限り、「および/または」を意味するように使用されるが、本開示は、代替物のみを指す定義、および「および/または」を支持する。本出願全体で、「約」という用語は、値が、デバイスのエラーに固有の変動を含むことを指し示すように使用され、この方法を用いて、研究対象の間で存在する値または変化を決定する。例えば、「約」という用語が利用される場合、限定しないが、指定値は、規定値から±20%または±10%または±5%または±1%または±0.1%変動し得、そのような変動は、開示されている方法を実施するのに適しているように、当業者により理解される。「少なくとも1」という用語の使用は、1、ならびに2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100などを含むが、それらに限定されない1を超える任意の量を含むと理解される。「少なくとも1つの」という用語は、それを伴う用語に応じて100、または1000以上まで拡大し得;さらに、100/1000の量は、より高い限定が満足すべき結果を生むこともあるので、限定と考えるべきではない。さらに、「少なくとも1つのX、YおよびZ」の使用は、X単独、Y単独およびZ単独、ならびにX、YおよびZの任意の組合せを含むと理解される。序数の用語(すなわち、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」など)の使用は、単に、2つ以上の品目の間で区別する目的のためのものであり、例えば任意の順序もしくは順番、または、別のものと比較したある品目に対する重要性、または任意の添加の順番を暗示することを意味しない。
【0012】
本明細書および請求項に使用されている「を含む(comprising)」(ならびに、例えば「を含む(comprise)」および「を含む(comprises)」を含む任意の形態)、「を有する(having)」(ならびに、例えば「を有する(have)」および「を有する(has)」を有する任意の形態)、「を含む(including)」(ならびに、例えば「含む(includes)」および「含む(include)」を含む任意の形態)または、「含有する(containing)」(ならびに、例えば「含有する(contains)」および「含有する(contain)」を含有する任意の形態)という用語は、包括的または非限定的であり、挙げられていない追加の要素または方法の工程を排除しない。
【0013】
本明細書で使用されている「またはそれらの組合せ」という用語は、この用語に先行する、列挙された品目のすべての並べ替えおよび組合せを指す。例えば、「A、B、Cまたはそれらの組合せ」:A、B、C、AB、AC、BCまたはABC、また、特定の文脈において、順番が重要な場合は、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BACまたはCABの少なくとも1つを含むことが意図される。この例に続いて、例えばBB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBの1つまたはそれ以上の品目または用語の繰り返しを含有する組合せが、明らかに含まれる。当業者は、典型的には、文脈から特に明らかでない限り、任意の組合せにおける品目または用語の数に対して限定はないことを理解する。
【0014】
本明細書で使用されている「実質的に」という用語は、その後に記載される事象または状況が必ず発生すること、または,その後に記載される事象または状況が、大部分で、または高い程度で発生することを意味する。例えば、「実質的に」という用語は、その後に記載される事象または状況が、少なくとも90%の確率、または少なくとも95%の確率、または少なくとも98%の確率で発生することを意味する。
【0015】
本明細書で使用されている「と会合する」という語句は、2つの部分の互いの直接的な会合、ならびに、2つの部分の互いの間接的な会合の両方を含む。会合の非限定的な例は、ある部分と別の部分の、直接結合による、または、スペーサー基を介した共有結合、ある部分と別の部分の直接の、またはその部分に結合する特定の結合対メンバーによる非共有結合、例えばある部分の別の部分への溶解、または合成による、ある部分の別の部分への組み入れ、およびある部分の別の部分へのコーティングを含む。
【0016】
本明細書で使用されている「液体テストサンプル」という用語は、ここで開示され、請求されている本発明の概念に従って利用できる、あらゆるタイプの生物学的流体サンプルを含むと理解される。利用できる生物学的サンプルの例は、全血またはその一部(すなわち、血漿または血清)、唾液、痰、脳脊髄液(CSF)、腸液、腹腔液、嚢胞液、汗、間質液、涙液、粘液、尿、膀胱洗浄液、精液、組合せなどを含むが、それらに限定されない。ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念に従って利用される典型的な液体テストサンプルは、尿である。ここで開示され、請求されている本発明の概念に従って利用されるサンプルの体積は、約0.1から約5ミリリットルであってよい。本明細書で使用されている、「体積」または「低体積」という用語は、ここで開示され、請求されている本発明の概念に従って利用される液体テストサンプルに関するように、約0.1ミリリットルから約5ミリリットル、または約0.5ミリリットルから約4ミリリットル、または約1ミリリットルから約3ミリリットル、または約2ミリリットル以下を意味する。
【0017】
「患者」という用語は、ヒトおよび獣医学的対象を含む。ある実施形態では、患者は哺乳動物である。他のある実施形態では、患者は、乳児、幼児、小児、若年成人、成人および高齢者のヒト集団を含むヒトであるが、それらに限定されない。処置の目的のための「哺乳動物」は、ヒト、家畜(domestic animals)および家畜(farm animals)、非ヒト霊長類および動物園の動物、スポーツ動物またはペット動物、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ウシなどを含む、哺乳動物として分類されるいずれの動物も指す。
【0018】
次に詳細な実施形態を見ると、ここで開示され、請求されている本発明の概念は、患者の少量の液体テストサンプルの診断アッセイを実施するためのデバイス、キットおよび方法に関する。患者の液体テストサンプルは、本明細書では主に患者の尿サンプルに関して論じられているが、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念があらゆるタイプの患者の液体テストサンプルに応用されることは、当業者は容易に理解するはずである。より具体的には、ここで開示され、請求されている本発明の概念は、検体検出アッセイ、ならびにそれに関連したキットおよび使用方法に使用するための、改善された尿検査アッセイテストストリップに関する。
【0019】
事実上、いかなる生物学的、化学的または生化学的分析およびアッセイの分野で使用される試薬も、ここで請求され、開示されている本発明の概念のデバイス、キットおよび方法に使用できることが期待される。これらの試薬は、目的の検体に結合した場合に、物理的および/または化学的変化を受けることができると期待され、これにより、試薬-検体複合体により生成されたシグナルの強度、色、性質、周波数、波長またはタイプが、流体サンプル内に存在する検体の濃度に正比例または反比例する。これらの試薬は、目的の検体と反応させた場合に、色、蛍光性または波長の変化を呈し得る、指示色素、金属、酵素、ポリマー、抗体、ならびに電気化学的に反応性の成分および/または化学物質を含有し得る。
【0020】
流体サンプル中の検体を検出および測定するいずれの方法も、ここで請求され、開示されている本発明の概念のデバイス、キットおよび方法に使用でき、検体および試薬の間の会合による検出可能な色の変化の目視検査を含むが、それらに限定されない。検体を検出するための多彩なアッセイは、当業界で周知であり、化学的アッセイ、酵素阻害アッセイ、抗体染色、ラテックス凝集、ラテックス凝集阻害およびイムノアッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイを含むが、それらに限定されない。
【0021】
イムノアッセイ、化学および/または化学ベースアッセイならびに核酸捕捉アッセイを含むが、それらに限定されないアッセイは、液体テストサンプル内に含有されるタンパク質、ペプチドおよび核酸の多重パネルとして開発でき、そのようなタンパク質、ペプチドおよび化合物は、例えば、以下に限定しないが、アルブミン、ミクロアルブミン、コレステロール、トリグリセリド、高密度リポタンパク質、低密度リポタンパク質、ヘモグロビン、ミオグロビン、α-1-ミクログロブリン、イムノグロブリン、酵素、タンパク質、糖タンパク質、プロテアーゼ阻害剤、薬物、サイトカイン、アルブミン、クレアチニン、ビリルビン、ケトン(アセト酢酸を含むが、それらに限定されない)、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球(白血球エステラーゼを含むが、それらに限定されない)、血液およびグルコースを含む。さらに、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念は、サンプルの比重および/またはpHを含むが、それらに限定されない患者の液体テストサンプルと関連するある状態を検出できる。本明細書で開示されているように、本明細書で開示され、かつ/または請求されているデバイス、キット、および方法は、全血、血漿、血清、または好ましくは尿を含むが、限定されず、あらゆる流体サンプルの分析に使用できる。ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念に関連した典型的な例は、尿を液体テストサンプルとして伴う。
【0022】
次に図、より詳細には図1を参照すると、従来技術の液体サンプルテストストリップ10の一実施形態が示されている。テストストリップ10は、第1の末端12、第2の末端14、第1の側部16、第2の側部18、上面20、下面(示されていない)および複数の検体テスト領域22A~22Iを有する基材11を含む。複数の検体テスト領域22A~22Iは、基材11の実質的な全長に沿って、基材11の上面20で、第1の末端12から第2の末端14へと直線状に伸びる。検体テスト領域22A~22Iのそれぞれは、液体テストサンプルに存在し得る特定の検体に曝露した場合に、そのような検体テスト領域22A~22Iで予測可能な色の変化を生じる試薬(示されていない)を含有する。そのような検体テスト領域22A~22Iは、次いで、目視で調べて(手作業で、または光学デバイスにより)、特定の検体のレベルおよび/または濃度を判定する。テストストリップ10から検体の読取を達成するために、典型的には、2つの方法のうち一方が、ユーザにより用いられる:(1)テストストリップ10を、液体テストサンプルを含有するレセプタクル(示されていない)内に配置し、その結果、検体テスト領域22A~22Iを、液体テストサンプル中に沈めて、検体テスト領域22A~22Iのそれぞれに含有されている試薬、および、液体テストサンプル中に含有される目的の特定の検体を会合させることができる;または、(2)ユーザは、レセプタクルに含有されている液体テストサンプルを、個々の検体テスト領域22A~22Iのそれぞれに、個々にピペットする。上のテスト方法のそれぞれには、いくつかの限定があることが欠点であるが、この限定は、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念により修正される。第1に、方法(1)に関して、少量(約5ミリリットル未満)の液体テストサンプルしかない場合、ユーザ(または機械)は、検体テスト領域22A~22Iのそれぞれが液体テストサンプルで十分に湿ることを確実にするために、レセプタクルを横に傾けなければならず、かつ/または液体テストサンプルを含有するレセプタクルを回転させなければならない。レセプタクルを傾け、かつ/または回転させると、レセプタクルから液体テストサンプルが漏出し、それにより液体テストサンプルの体積が減り、かつ/または液体テストサンプルが汚染され、かつ/またはバイオハザード状況の危険性が潜在的に上昇する恐れがある。さらに、ユーザがテストストリップ10をレセプタクル中に手作業で浸漬すると、テストストリップ10の変形が生じ、それにより、テストストリップ10の機能性が、そのような変形のために低下する恐れがある。第2に、方法(2)に関して、個々の検体テスト領域22A~22Iに投薬すると、検体テスト領域22A~22Iを液体テストサンプルで十分にカバーすることが確実になるが、そのような投薬は、時間がかかり、不要な労力を要する。
【0023】
次に図2および図2Aを参照すると、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念に従って構築された、改善された液体サンプルテストストリップ30の一実施形態が示されている。液体サンプルテストストリップ30は、基材31、および複数の検体テストパッド43を含有する検体テスト領域42を含む。液体サンプルテストストリップ30は、約9センチメートルから約11センチメートル×約0.5センチメートルから約1センチメートルの典型的な寸法(長さ×幅で測定した)を有する;しかし、当業者は、液体サンプルテストストリップ30の寸法が、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行するのに適している任意の長さおよび幅であってよいことを認識するはずである。ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の典型的な実施形態では、液体サンプルテストストリップ30の長さは、その幅より長い。
【0024】
基材31は、第1の末端32、第2の末端34、第1の側部36、第2の側部38、上面40および下面44を含む。ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の典型的な実施形態では、第1の側部36および第2の側部38は、第1の末端32および第2の末端34より実質的に長い長さを備える。例としては限定されるものではないが、第1の側部36および第2の側部38の長さは、第1の末端32および第2の末端34の長さの20倍、15倍、10倍、9倍、8倍、7倍、6倍、5倍、4倍、3倍または2倍長くてよい。図2図2Aは、基材31を、形状に関して実質的に長方形になるように描いているが、基材31が、液体サンプルテストストリップ30を、液体テストサンプルを含有するレセプタクル内に実質的に導入し、配置でき、その結果、検体テスト領域42が液体テストサンプルに沈められる(またはそれで十分に湿る)任意の形状であってよいことは、当業者には理解されるはずである。基材31は、ニトロセルロース、酢酸セルロース、Mylar(登録商標)、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレンまたはそれらの組合せを含むが、それらに限定されない、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の材料で構築できる。
【0025】
一実施形態では、検体テスト領域42は、基材31の上面40に位置し、第2の末端34から、基材31の第1の側部36および第2の側部38に実質的に平行な第1の軸に沿って、第2の側部38に実質的に平行な第2の軸46へと伸びる。検体テスト領域42は、基材31と同一の材料で形成できる、または、ニトロセルロースを含むが、それらに限定されない異なる材料から形成できる。第2の末端34から第2の軸46への距離は、典型的には約0.5センチメートルから約5センチメートル、もしくは約1センチメートルから約4センチメートル、もしくは約1センチメートルから約3センチメートル、もしくは約2センチメートルから約3センチメートル、もしくは約3センチメートル以下、または、検体テスト領域42を、液体テストサンプルのレセプタクル内に配置した場合に、液体テストサンプルに沈める(またはそれにより十分に湿らせる)ことによる任意の距離である。図2図2Aで示されているが、検体テスト領域42は、基材31の上面40に位置するように、基材31の下面44に位置できる。別の実施形態では、基材31の上面40および下面44の両方に位置する検体テスト領域42が存在する。
【0026】
検体テスト領域42は、複数の検体テストパッド43を含む。複数の検体テストパッド43は、少なくとも1つの検体が、液体テストサンプルに存在する場合、そのような少なくとも1つの検体と会合することが可能な、少なくとも1つの試薬(示されていない)を含む。複数の検体テストパッド43は、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の方法により、基材31に形成できる。例としては限定されるものではないが、複数の検体テストパッド43は、検体テスト領域42内に少なくとも1つの試薬のドットをスポットすることにより(液体サンプルテストストリップ30の製造プロセス中に、または製造後に個々のユーザにより)形成できる。別法として、またはそれに加えて、少なくとも1つの試薬を含有する(または少なくとも1つの試薬が後に配置される)ストリップ(または複数のストリップ)を、検体テスト領域42内の基材31に接着でき、ストリップは、カットして(手作業でまたは機械により)、複数の検体テストパッド43を形成できる。さらに、単なる例として、検体テストパッド43は、別の材料、例えば、基材31上の検体試薬領域42内に接着した(例えば、非反応性の糊により)吸収パッドおよび/または反応紙のミクロパンチで構築できる。そのような別の材料および/または反応紙は、当業界で一般的に公知の任意の材料、および/または、ここで開示され、かつ/もしくは請求されている本発明の概念を遂行することが可能な材料であってよい。したがって、ある実施形態では、少なくとも1つの試薬は、それ自体が、複数の検体テストパッド43を基材31に形成できる、またはそのような少なくとも1つの試薬は、基材31に接着する別々に構築される材料の上に配置し、それにより複数の検体テストパッド43を形成できる。
【0027】
図2図2Aは、2つのカラムおよび横5列(基材31の第1の側部36および第2の側部38にカラムが実質的に平行に方向づけられ、ならびに横列が、基材31の第1の末端32および第2の末端34に実質的に平行に方向づけられる)を含む配列で、検体テスト領域42内に配置される10個の円形検体テストパッド43を描いているが、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行するために、検体テストパッド43の数、形状および方向を変化させてよいことは、当業者には理解されるはずである。例えば、複数の検体テストパッド43は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100個の検体テストパッド43を含み得るが、但し、そのような複数の検体テストパッド43は、検体テスト領域42内に含有される。一実施形態では、検体テスト領域42少なくとも3個の検体テストパッド43を含む。同様に、複数の検体テストパッド43は、少なくとも1つの試薬を含有することが可能であり、円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形またはそれらの組合せを含むが、それらに限定されない任意の形状になるように構成できる。
【0028】
以前に言及されているように、図2図2Aは、2つのカラムおよび横5列の配列で配置される複数の検体テストパッド43の方向を示すが、当業者は、複数の検体テストパッド43が、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の方向および/または構成で配置できることを認識するはずである。例としては限定されるものではないが、一実施形態では、検体テスト領域42内の複数の検体テストパッド43の構成は、横1列、少なくとも横1列、または少なくとも横1列および少なくとも2つ以上のカラムで方向づけできる。一実施形態では、複数の検体テストパッド43は、横1列で方向づけられ、そこで横1列は、基材31の第1の末端32および第2の末端34に実質的に平行に方向づけられる。
【0029】
別の実施形態では、複数の検体テストパッド43は、横1列および少なくとも2つのカラムで方向づけられ、そこで横1列は、基材31の第1の末端32および第2の末端34に実質的に平行に方向づけられ、2つ以上のカラムは、基材31の第1の側部36および第2の側部38に実質的に平行に方向づけられる。さらに、複数の検体テストパッド43の方向は、その構成に関して均一である必要がない。例えば、各横列は、検体テストパッド43を2個含む必要がなく、各カラムは、検体テストパッド43を5個含む必要がなく、各横列およびカラムは、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の数の検体テストパッド43を含有し得る。同様に、複数の検体テストパッド43は、ランダムな方向で構成してよいが、但し、複数の検体テストパッド43が、検体テスト領域42内に含有されることが条件である。別の実施形態では、各検体テストパッド43は、カラムおよび/または横列の中であり(またはそのものであり)、例えば、例としては限定されるものではないが、検体テストパッド43のそれぞれは、検体テスト領域42内に、基材31の第2の末端34に実質的に平行な軸に沿って方向づけできる。別の実施形態では、検体テストパッド43は、検体テスト領域42内に、基材31の第2の末端34に実質的に近い、基材31の第2の末端34に実質的に平行な軸に沿って方向づけられる。そのような構成では、検体テストパッド43は、検体テスト領域42内に1つまたはそれ以上の横列、および複数のカラムとして方向づけられ、各横列は1つまたはそれ以上の検体テストパッド43を含み、各カラムは、1つまたはそれ以上の検体テストパッド43を含む。さらに、検体テストパッド43のそれぞれは、検体テスト領域42内に少なくとも2つのカラムで方向づけでき、2つのカラムは、基材31の第1の側部36および第2の側部38に実質的に平行な軸に沿って置かれる。
【0030】
検体テストパッド43のそれぞれは、1つまたはそれ以上の同一の試薬、異なる試薬、または同一および異なる試薬の組合せを含有し得る。一実施形態では、検体テスト領域42は、同一の試薬を含有する2個以上の検体テストパッド43を含有でき、このため、同一の検体の二重検出が可能になり、それにより、そのような検出における精度、正確さおよび信頼性の向上が促進された特定の検体の反復検出が行われる。別の実施形態では、複数の検体テストパッド43は、テストされる第1の検体に対して、少なくとも検体テストパッド43の複製2個を含み、少なくとも検体テストパッド43の複製2個のそれぞれは、同一の試薬を含有する。テストされる第1の検体に対する少なくとも検体テストパッド43の複製2個は、検体テスト領域42内で一緒に集約させる(例えば、検体テストパッド43の複製は、同一のカラムおよび/または横列で互いに隣接する)。別法として、テストされる第1の検体に対する少なくとも検体テストパッド43の複製2個は、検体テスト領域42内で、互いに離れて、スペースを置き、方向づけできる。さらに、検体テスト領域42は、第1の検体に対する検体パッド43の複製の残り(例えば、第2の検体、第3の検体)に加えて、検体に対し、追加で同様の検体パッド43の複製の残りを含有できる。
【0031】
別の実施形態では、複数の検体テストパッド43は、第1の配列で検体テスト領域42内に方向づけられ、第1の配列の複数の検体テストパッド43は、テストされる特定の検体に対応する試薬を含有する。この後者の実施形態は、第2の複製配列で方向づけられた複数の検体テストパッド43をさらに含み得、第2の複製配列の複数の検体テストパッド43は、第1の配列の複数の検体テストパッド43の少なくとも同一の試薬を含有して、テストされる特定の検体の二重および/または反復検出の能力を備える。第2の複製配列は、検体テスト領域42内に(例として、少量の液体サンプルの二重テストで)、または検体テスト領域42の外側に(例として、液体サンプルの体積が許す場合、液体サンプルの二重テストで)に含有される。この後者の実施形態は、第1および第2の配列のみに限定されず、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する複数の検体テストパッド43を含む任意の数の配列を含み得る。さらに、第2の複製配列は、第1の配列に含有される検体テストパッド43のすべて、またはそれ未満を含有し得る。一例では、第2の複製配列は、第1の配列と比較して第2の末端34からさらにスペースを置くことができる。
【0032】
次に図3を参照すると、液体サンプルテストストリップ30Aの代替実施形態が示されている。液体サンプルテストストリップ30Aが、複数の較正パッド48Aを有する較正領域47Aをさらに含むことを除き、液体サンプルテストストリップ30Aは、実質的に、液体サンプルテストストリップ30(図2図2Aに描写されている)と同様である。較正領域47Aの包含は、検体テスト領域42Aおよび較正領域47Aの設置面積を狭くすることにより促進されるが、その理由は、いずれも基材31Aの第2の末端34Aの実質的に近くに位置するためである。複数の較正パッド48Aを添加すると、液体サンプルテストストリップ30Aの多数の特定の較正が可能になり、それにより、液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体の検出の精度および正確さが向上する。
【0033】
一実施形態では、較正領域47Aは、基材31Aの上面40Aに位置し、第2の軸46Aから、基材31Aの第1の側部36Aおよび第2の側部38Aに実質的に平行な軸に沿って、第2の側部38Aおよび第2の軸46Aに実質的に平行な第3の軸49Aに伸びる。較正領域47Aは、基材31Aと同一の材料で形成でき、またはニトロセルロースを含むが、それらに限定されない異なる材料から形成できる。第2の軸46Aから第3の軸46への距離は、典型的には、約0.5センチメートルから約3センチメートル、もしくは約1センチメートルから約2センチメートル、もしくは約1センチメートルから約1.5センチメートル、もしくは約1.5センチメートル以下、または、液体テストサンプルのレセプタクル内に配置する場合、較正領域47Aおよび検体テスト領域42Aを液体テストサンプルに沈める(または、それにより十分に湿らせる)ことによる任意の距離である。図3で示されているが、較正領域47Aは、基材31Aの上面40Aに位置するように、基材31Aの下面(示されていない)に位置できる。別の実施形態では、較正領域47Aは、基材31Aの上面40Aおよび下面(示されていない)の両方に位置する。
【0034】
較正領域47Aは、複数の較正パッド48Aを含む。複数の較正パッド48Aは、少なくとも1つの検体が、液体テストサンプルに存在する場合、少なくとも1つの検体と会合することが可能である少なくとも1つの試薬(示されていない)を含む。複数の較正パッド48Aは、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の方法により、基材31Aに形成できる。例としては限定されるものではないが、複数の較正パッド43は、較正領域47A内の少なくとも1つの試薬のドットをスポットすることにより(液体サンプルテストストリップ30Aの製造プロセス中に、または製造後に個々のユーザにより)形成できる。別法として、またはそれに加えて、少なくとも1つの試薬を含有する(または少なくとも1つの試薬が後に配置される)ストリップ(または複数のストリップ)を、較正領域47A内の基材31に接着でき、ストリップは、カットして(手作業でまたは機械により)、複数の較正パッド48Aを形成できる。さらに、単なる例として、較正パッド48Aは、別の材料、例えば、基材31上の較正領域47A内に接着した(例えば、非反応性の糊により)吸収パッドおよび/または反応紙のミクロパンチで構築できる。そのような別の材料および/または反応紙は、当業界で一般的に公知の任意の材料、および/または、ここで開示され、かつ/もしくは請求されている本発明の概念を遂行することが可能である材料であってよい。したがって、ある実施形態では、少なくとも1つの試薬は、それ自体が、複数の較正パッド48Aを基材31に形成できる、またはそのような少なくとも1つの試薬は、基材31に接着する別々に構築される材料の上に配置し、それにより、複数の較正パッド48Aを形成できる。
【0035】
図3は、2つのカラムおよび横5列を含む配列で、較正領域47A内に配置される10個の円形較正パッド48Aを描いているが、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行するために、較正パッド48Aの数、形状および方向を変化させてよいことは、当業者には理解されるはずである。例えば、複数の較正パッド48Aは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100個の較正パッド48Aを含み得るが、但し、そのような複数の較正パッド48Aは、較正領域47A内に含有される。一実施形態では、較正領域47Aは、少なくとも3個の較正パッド48Aを含む。同様に、複数の較正パッド48Aは、少なくとも1つの試薬を含有することが可能であり、円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形またはそれらの組合せを含むが、それらに限定されない任意の形状になるように構成できる。以前に言及されているように、図3は、2つのカラムおよび横5列の配列で配置される複数の較正パッド48Aの方向を示すが、当業者は、複数の検体較正パッド48Aは、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の方向および/または構成で配置できることを認識するはずである。例としては限定されるものではないが、一実施形態では、較正領域47A内の複数の較正パッド48Aの構成は、横1列および2つ以上のカラムで方向づけでき、そこで横1列は、基材31Aの第1の末端32Aおよび第2の末端34Aに実質的に平行に方向づけられ、2つ以上のカラムは、基材31Aの第1の側部36Aおよび第2の側部38Aに実質的に平行に方向づけられる。さらに、複数の較正パッド47Aの方向は、その構成に関して均一である必要がない。例えば、各横列は、較正パッド48Aを2個含む必要がなく、各カラムは、較正パッド48Aを5個含む必要がなく、各横列およびカラムは、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の数の較正パッド48Aを含有し得る。同様に、複数の較正パッド48Aは、ランダムな方向で構成してよいが、但し、複数の較正パッド48Aが、較正領域47A内に含有されることが条件である。較正パッド48Aのそれぞれは、1つまたはそれ以上の同一の試薬、異なる試薬、または同一および異なる試薬の組合せを含有し得る。
【0036】
次に図4を参照すると、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念に従って構築され、使用されるキット50(およびそのようなキットの使用方法)の例示的、非限定的な実施形態が示されている。一実施形態では、キット50は、図2図2Aで示されている液体サンプルテストストリップ30、およびレセプタクル51を含む。しかし、図3で描写されている液体サンプルテストストリップも、キット50における使用に十分に適する。液体サンプルテストストリップ30(および液体サンプルテストストリップ30A)の構造は、本明細書で以前に記載されている。レセプタクル51は、液体テストサンプル52を受け入れ、含有するように構成される。一実施形態では、レセプタクル51は、試験管、キュベットまたはフラスコを含み、そのいずれも当業界で一般的に公知であるが、液体テストサンプル52は、約0.1ミリリットルから約5ミリリットル、もしくは約0.5ミリリットルから約4ミリリットル、もしくは約1ミリリットルから約3ミリリットル、または約2ミリリットル以下の体積を有する患者の尿を含む。しかし、当業者は、レセプタクル51は、液体テストサンプル51および液体サンプルテストストリップ30を受け入れ、含有するように構成された任意の品目にできることを認識するはずである。さらに、レセプタクルは、液体サンプルテストストリップ30を受け入れ、その結果、複数の検体テストパッド43を含む検体テスト領域42を、レセプタクル51内に含有される液体テストサンプル52内に(またはそれで)沈める(または十分に湿らせる)ように構成される。液体サンプルテストストリップ30をレセプタクル51に導入する際には、1つの検体が液体テストサンプル52内に存在する場合、複数の検体テストパッド43に含有される(またはそれを形成する)少なくとも1つの試薬は、液体テストサンプル52内の少なくとも1つの検体と会合する。少なくとも1つの検体が、液体テストサンプル52に存在する場合、複数の検体テストパッド43に含有される(またはそれを形成する)少なくとも1つの試薬、および少なくとも1つの検体の間に会合が発生すると、複数の検体テストパッド43により(少なくとも1つの試薬および少なくとも1つの検体の間の会合のため)検出可能な反応が生成される。検出可能な反応は、ユーザが手作業で(例えば目視検査で)もしくは機械により測定できる定性的(例えば色の変化)なものであることも、または半定量的もしくは定量的(例えば、液体テストサンプル52に存在する特定の検体の濃度の測定)なものであることもある。したがって、少なくとも1つの検体が液体テストサンプル52に存在する場合、色の変化が複数の検体テストパッド43に発生し、それにより、ユーザ(または機械)に、テストサンプル52に存在する少なくとも1つの検体の存在の検出および測定を可能にする。
【0037】
本発明の概念の非限定的な例
液体テストサンプル中の少なくとも1つの検体を検出するためのテストストリップ用のデバイスであって:基材であって、基材は、第1の末端、第2の末端、第1の側部、第2の側部、上面および下面を含み、第1の側部および第2の側部は、第1の末端および第2の末端より実質的に長い長さを備える、基材と;検体テスト領域であって、検体テスト領域は、基材の上面に位置し、基材の第2の末端から、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行な第1の軸に沿って、基材の第2の末端に実質的に平行な第2の軸へと伸び、さらに検体テスト領域は、検体テストパッドの少なくとも2つのカラムを含み、少なくとも2つのカラムは、第1の軸に実質的に平行であり、少なくとも2つのカラムのそれぞれは、少なくとも1個の検体テストパッドを含み、検体テストパッドは、液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体と会合して、少なくとも1つの検体の存在下で検出可能な反応を生成することが可能である少なくとも1つの試薬を含む、検体テスト領域とを含む、デバイス。
【0038】
少なくとも2つのカラムが少なくとも10個の検体テストパッドを含み、さらに少なくとも10個の検体テストパッドが、少なくとも横2列および少なくとも2つのカラムを含む配列で配置される、テストストリップ用のデバイス。
【0039】
検体テストパッドは、同一の試薬、異なる試薬、または同一および異なる試薬の組合せを含む、テストストリップ用のデバイス。
【0040】
基材は、ニトロセルロース、酢酸セルロース、Mylar(登録商標)、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、およびポリスチレン、またはそれらの組合せからなる群から選択される、テストストリップ用のデバイス。
【0041】
液体テストサンプルは尿であり、さらに液体テストサンプルは、約0.1ミリリットルから約3ミリリットルの体積を備える、テストストリップ用のデバイス。
【0042】
少なくとも1つの検体は、グルコース、ビリルビン、ケトン、血液、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、アルブミン、クレアチニン、アスコルビン酸、比重およびpHからなる群から選択される、テストストリップ用のデバイス。
【0043】
少なくとも1つの試薬は、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ヨウ化カリウム、2,4-ジクロロアニリンジアゾニウム塩、ニトロプルシドナトリウム、ブロモチモールブルー、メチルビニルエーテル、無水マレイン酸、水酸化ナトリウム、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、メチルレッド、テトラブロモフェノールブルー、p-ジエチルアミノ-ベンズアルデヒド、p-アルサニル酸、1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ(h)キノリン-3-オール、誘導体化ピロールアミノ酸エステル、ビス(3’,3’’-ジヨード-4’,4’’-ジヒドロキシ-5’,5’’-ジニトロフェニル)-3,4,5,6-テトラブロモスルホンフタレイン、硫酸銅、およびジアゾニウム塩、またはそれらの組合せからなる群から選択される、テストストリップ用のデバイス。
【0044】
検出可能な反応は、少なくとも2個の検体テストパッドに対する色の変化を含む、テストストリップ用のデバイス。
【0045】
液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体を検出するためのテストストリップ用のデバイスであって:基材であって、基材は、第1の末端、第2の末端、第1の側部、第2の側部、上面および下面を含み、第1の側部および第2の側部は、第1の末端および第2の末端より実質的に長い長さを備える、基材と;検体テスト領域であって、検体テスト領域は、基材の上面に位置し、基材の第2の末端から、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行な第1の軸に沿って、基材の第2の末端に実質的に平行な第2の軸へと伸び、さらに、第2の軸は、基材の第2の末端から約0.5センチメートルから約3センチメートルであり、さらに、検体テスト領域は、少なくとも10個の検体テストパッドを含み、検体テストパッドは、液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体と会合して、少なくとも1つの検体の存在下で検出可能な反応を生成することが可能である少なくとも1つの試薬を含み、検体テストパッドは、検体テスト領域内の少なくとも横1列で方向づけられ、少なくとも横1列は、基材の第1の末端および第2の末端に実質的に平行である、検体テスト領域とを含む、デバイス。
【0046】
少なくとも10個の検体テストパッドは、検体テスト領域内の配列で配置されており、配列は、少なくとも横2列および少なくとも2つのカラムを含み、少なくとも横2列は、基材の第1の末端および第2の末端に実質的に平行であり、さらに、少なくとも2つのカラムは、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行である、テストストリップ用のデバイス。
【0047】
少なくとも10個の検体テストパッドは、同一の試薬、異なる試薬、または同一および異なる試薬の組合せを含む、テストストリップ用のデバイス。
【0048】
液体テストサンプルは尿であり、さらに、液体テストサンプルは、約0.1ミリリットルから約3ミリリットルの体積を備える、テストストリップ用のデバイス。
【0049】
少なくとも1つの検体は、グルコース、ビリルビン、ケトン、血液、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、アルブミン、クレアチニン、アスコルビン酸、比重、pHおよびそれらの組合せからなる群から選択される、テストストリップ用のデバイス。
【0050】
少なくとも1つの試薬は、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ヨウ化カリウム、2,4-ジクロロアニリンジアゾニウム塩、ニトロプルシドナトリウム、ブロモチモールブルー、メチルビニルエーテル、無水マレイン酸、水酸化ナトリウム、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、メチルレッド、テトラブロモフェノールブルー、p-ジエチルアミノ-ベンズアルデヒド、p-アルサニル酸、1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ(h)キノリン-3-オール、誘導体化ピロールアミノ酸エステル、ビス(3’,3’’-ジヨード-4’,4’’-ジヒドロキシ-5’,5’’-ジニトロフェニル)-3,4,5,6-テトラブロモスルホンフタレイン、硫酸銅、およびジアゾニウム塩、またはそれらの組合せからなる群から選択される、テストストリップ用のデバイス。
【0051】
分析反応を行って、液体テストサンプル中の検体の有無を判定するための方法であって:患者から液体テストサンプルを得、レセプタクル中に液体テストサンプルを配置する工程と;テストストリップ用のデバイスをレセプタクル中に導入する工程であって、テストストリップ用のデバイスは:基材であって、基材は、第1の末端、第2の末端、第1の側部、第2の側部、上面および下面を含み、第1の側部および第2の側部は、第1の末端および第2の末端より実質的に長い長さを備える、基材;ならびに検体テスト領域であって、検体テスト領域は、基材の上面に位置し、基材の第2の末端から、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行な第1の軸に沿って、基材の第2の末端に実質的に平行な第2の軸へと伸び、さらに、第2の軸は、基材の第2の末端から約1センチメートルから約3センチメートルであり、さらに検体テスト領域は、少なくとも2個の検体テストパッドを含み、検体テストパッドは、レセプタクルに含有される液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体と会合して、少なくとも1つの検体の存在下で検出可能な反応を生成することが可能である少なくとも1つの試薬を含む、検体テスト領域を含む、工程と;液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体の有無を判定するために、生成された検出可能な反応を測定する工程とを含む、方法。
【0052】
検出可能な反応は、少なくとも2個の検体テストパッドに対する色の変化を含む、方法。
【0053】
分析反応キットであって:テストストリップ用のデバイスであって、テストストリップは:基材であって、基材は:第1の末端、第2の末端、第1の側部、第2の側部、上面および下面を含む、基材;ならびに検体テスト領域であって、検体テスト領域は、基材の上面に位置し、基材の第2の末端から、基材の第1の側部および第2の側部に実質的に平行な第1の軸に沿って、基材の第2の末端に実質的に平行な第2の軸へと伸び、さらに、第2の軸は、基材の第2の末端から約1センチメートルから約3センチメートルであり、さらに検体テスト領域は、少なくとも2個の検体テストパッドを含み、検体テストパッドは、液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体と会合して、少なくとも1つの検体の存在下で検出可能な反応を生成することが可能である少なくとも1つの試薬を含む、検体テスト領域を含む、デバイスと;レセプタクルであって、レセプタクルは、テストストリップ用のデバイスがレセプタクル内に配置される場合、液体テストサンプルおよびテストストリップ用のデバイスを受け入れ、含有し、その結果、検体テストパッドを液体テストサンプル中に沈めるように構成される、レセプタクルとを含む、キット。
【0054】
レセプタクルは、試験管、カップおよびフラスコからなる群から選択される、分析反応キット。
【0055】
基材は、ニトロセルロース、酢酸セルロース、Mylar(登録商標)、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、およびポリスチレンからなる群から選択される、分析反応キット。
【0056】
液体テストサンプルは尿であり、さらに液体テストサンプルは、約0.1ミリリットルから約3ミリリットルの体積を備える、分析反応キット。
【0057】
少なくとも1つの検体は、グルコース、ビリルビン、ケトン、血液、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、アルブミン、クレアチニン、アスコルビン酸、比重およびpHからなる群から選択される、分析反応キット。
【0058】
少なくとも1つの試薬は、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ヨウ化カリウム、2,4-ジクロロアニリンジアゾニウム塩、ニトロプルシドナトリウム、ブロモチモールブルー、メチルビニルエーテル、無水マレイン酸、水酸化ナトリウム、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、メチルレッド、テトラブロモフェノールブルー、p-ジエチルアミノ-ベンズアルデヒド、p-アルサニル酸、1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ(h)キノリン-3-オール、誘導体化ピロールアミノ酸エステル、ビス(3’,3’’-ジヨード-4’,4’’-ジヒドロキシ-5’,5’’-ジニトロフェニル)-3,4,5,6-テトラブロモスルホンフタレイン、硫酸銅、およびジアゾニウム塩からなる群から選択される、分析反応キット。
【0059】
検出可能な反応は、少なくとも2個の検体テストパッドに対する色の変化を含む、分析反応キット。
【0060】
デバイスは、さらに少なくとも10個の検体テストパッドを含む、分析反応キット。
【0061】
したがって、ここで開示され、請求されている本発明の概念によれば、患者の少量液体テストサンプルに存在する少なくとも1つの検体を検出するためのデバイス、キットおよび方法が提供される。本明細書に記載されているように、ここで開示され、請求されている本発明の概念は、検体の検出アッセイ、ならびにそれに関連したキットおよび使用方法に使用するための、改善された少量サンプルの尿検査アッセイストリップの実施形態に関する。ここで開示され、かつ/または請求されている本発明のそのような概念は、本明細書において上で記載されている目的および利点を完全に満たす。ここで開示され、請求されている本発明の概念は、本明細書で上に記載されている具体的な図面、実験、結果および言葉と併せて記載されているが、多くの代用物、改変および変化は当業者に明らかなことは明白である。したがって、ここで開示され、請求されている本発明の概念の精神および広範な範囲の範疇であるそのような代用物、改変および変化すべてを包括することが意図される。
図1
図2
図2A
図3
図4