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特許7101197切り替え可能な偏波構成を有する導波路デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】切り替え可能な偏波構成を有する導波路デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/161 20060101AFI20220707BHJP
   H01Q 13/02 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
H01P1/161
H01Q13/02
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019564494
(86)(22)【出願日】2018-04-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 US2018025651
(87)【国際公開番号】W WO2018217312
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-02-02
(31)【優先権主張番号】15/606,130
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501313311
【氏名又は名称】ケーブイエイチ インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ディー モンテ
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06166610(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0169557(US,A1)
【文献】特開平02-260901(JP,A)
【文献】特開昭56-136003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/10- 1/195
H01Q 13/00-13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の偏波配向で送信された2つの直交する直線偏波信号の送信間に3λ/8相対位相シフトを実施するように構成された第1の円形導波路と、
第2の偏波配向で送信された2つの直交する直線偏波信号の送信間にλ/8相対位相シフトを与えるように構成された第2の円形導波路であって、前記第2の円形導波路部分が軸に沿って前記第1の円形導波路部分に同軸で隣接して導波路アセンブリを形成し、前記導波路が、放射源偏波配向によって特徴付けられる二重直線偏波エネルギーを前記導波路アセンブリに提供するように構成された放射源と連動して動作するように配置されている、第2の円形導波路と、
を備え、
前記導波路アセンブリの第1の動作モードでは、前記第1の偏波配向が前記第2の偏波配向に対して90度オフセットされるように、前記第1の円形導波路が前記第2の導波路に対して前記軸を中心に回転して配向され、前記放射源が、前記放射源偏波配向が前記第1の偏波配向および前記第2の偏波配向に対して45度になるように配置され、
前記導波路アセンブリの第2の動作モードでは、前記第1の偏波配向と前記第の偏波配向が実質的に同じになるように、前記第1の円形導波路が前記第2の導波路に対して前記軸を中心に回転して配向されている、
導波路デバイス。
【請求項2】
前記第2の動作モードでは、前記導波路アセンブリが前記放射源偏波配向を中心にプラスまたはマイナスθ度の角度範囲内で回転するように構成され、ここでθは、所定の角度である、請求項1に記載の導波路デバイス。
【請求項3】
前記第1の円形導波路を前記第2の円形導波路に接続するように配置された滑り継手であって、前記第1の導波路および前記第2の導波路の前記軸を中心とした互いに対する回転を促進するように構成された、滑り継手をさらに含む、請求項1または2に記載の導波路デバイス。
【請求項4】
前記第1の導波路部分および前記第2の導波路部分を、前記軸を中心に独立して回転させるためのモータアセンブリをさらに含む、請求項3に記載の導波路デバイス。
【請求項5】
前記モータアセンブリが前記第1の円形導波路を回転させるように配置された第1のモータと、前記第2の円形導波路を前記第1の円形導波路とは独立に回転させるように配置された第2のモータと、を備える、請求項4に記載の導波路デバイス。
【請求項6】
前記モータアセンブリが、
(i)モータが前記第1および第2の円形導波路を、前記軸を中心に第1の方向に回転させると、前記滑り継手により前記第1の円形導波路および前記第2の円形導波路が前記導波路アセンブリの前記第1の動作モードで互いにロックされ、
(ii)前記モータが前記第1および第2の円形導波路を前記第1の方向と反対の第2の方向に前記軸を中心に回転させると、前記滑り継手により前記第1の円形導波路および前記第2の円形導波路が前記導波路アセンブリの前記第2の動作モードで互いにロックされ、
(iii)前記導波路アセンブリの前記第2の動作モードの場合で、前記モータが前記第1および前記第2の円形導波路を、所定の角度よりも前記軸を中心に前記第2の方向に回転させると、前記滑り継手により前記第1の円形導波路と前記第2の円形導波路がロック解除される、
ように配置されたモータを備える、請求項4に記載の導波路デバイス。
【請求項7】
前記放射源を前記導波路アセンブリの端部に接続するように配置された放射源滑り継手であって、前記放射源および前記導波路アセンブリの前記軸を中心とした互いに対する回転を促進するように構成された放射源滑り継手をさらに含む、請求項3に記載の導波路デバイス。
【請求項8】
前記導波路アセンブリの端部に取り付けられたフィードホーンをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の導波路デバイス。
【請求項9】
前記第1の円形導波路が、平面内にある第1の位相シフトデバイスを用いて前記3λ/8位相シフトを実施し、前記平面が前記第1の導波路の前記軸および対向する内壁と交差し、前記平面が前記第1の偏波配向で配置されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の導波路デバイス。
【請求項10】
前記第1の位相シフトデバイスが、(i)前記第1の導波路の前記対向する内壁まで延在し、(ii)第1の端部と、前記軸に平行な方向に前記第1の位相シフトデバイスを終端する第2の端部と、を含み、前記第1の位相シフトデバイスの各端部が前記第1の位相シフトデバイスと前記第1の円形導波路との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部を含む、請求項9に記載の導波路デバイス。
【請求項11】
前記第1の位相シフトデバイスが誘電体材料を含む、請求項9に記載の導波路デバイス。
【請求項12】
前記第2の円形導波路が、平面内にある第2の位相シフトデバイスを用いて前記λ/8位相シフトを実施し、前記平面が前記第2の導波路の前記軸および前記対向する内壁と交差し、前記平面が前記第2の偏波配向で配置されている、請求項から11のいずれか一項に記載の導波路デバイス。
【請求項13】
前記第2の位相シフトデバイスが、(i)前記第2の導波路の前記対向する内壁まで延在し、(ii)第1の端部と、前記軸に平行な方向に前記第2の位相シフトデバイスを終端する第2の端部と、を含み、前記第2の位相シフトデバイスの各端部が前記第2の位相シフトデバイスと前記第2の円形導波路との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部を含む、請求項12に記載の導波路デバイス。
【請求項14】
前記第2の位相シフトデバイスが誘電体材料を含む、請求項12に記載の導波路デバイス。
【請求項15】
軸に沿って配置された第1の円形導波路部分であって、前記第1の円形導波路が前記軸から半径にある第1の導波路の内壁、第1の導波路の第1の端部、および第1の導波路の第2の端部を備える、第1の円形導波路部分と、
前記軸に沿って配置された第2の円形導波路部分であって、前記第2の円形導波路が前記軸から前記半径にある第1の導波路の内壁、第2の導波路の第1の端部、および第2の導波路の第2の端部を備える、第2の円形導波路部分と、
前記第1の導波路の第1の端部および前記第2の導波路の第2の端部に取り付けられて導波路アセンブリを形成する滑り継手であって、前記第1の導波路および前記第2の導波路の前記軸を中心とした互いに対する回転を促進する、滑り継手と、
前記軸に沿って前記第1の導波路内に配置された3λ/8位相シフトデバイスであって、前記第1の導波路の前記軸および対向する内壁と交差する第1の平面内にある、3λ/8位相シフトデバイスと、
前記軸に沿って前記第2の導波路内に配置されたλ/8位相シフトデバイスであって、前記第2の導波路の前記軸および対向する内壁と交差する第2の平面内にある、λ/8位相シフトデバイスと、
二重偏波エネルギーを前記導波路アセンブリに提供するように配置された放射源と、
前記放射源を前記導波路アセンブリの第1の端部に接続するように配置された放射源滑り継手であって、前記放射源および前記導波路アセンブリの前記軸を中心とした互いに対する回転を促進するように構成された、放射源滑り継手と、
前記導波路アセンブリの第2の端部に取り付けられたフィードホーンと、
を備え、
前記導波路アセンブリの第1の動作モードでは、前記第1の円形導波路が、前記第1の平面が前記第2の平面に対して前記軸を中心に90度回転して配置されるように、前記第2の導波路に対して軸方向に配向され、前記第1の平面および前記第2の平面がそれぞれ、前記放射源の偏波の配向に対して45度に配置され、
前記導波路アセンブリの第2の動作モードでは、前記第1の円形導波路が、前記第1の平面および前記第2の平面が同一平面上にあるように、前記第2の導波路に対して軸方向に配向され、前記第1の平面および前記第2の平面がそれぞれ、前記放射源の偏波の配向に対してθ度で配置され、ここでθは、所定の角度である、
電磁伝送システム。
【請求項16】
前記第1の導波路部分および前記第2の導波路部分を、前記軸を中心に独立して回転させるためのモータアセンブリをさらに含む、請求項15に記載の電磁伝送システム。
【請求項17】
前記モータアセンブリが前記第1の円形導波路部分を回転させるように配置された第1のモータと、前記第2の円形導波路部分を回転させるように配置された第2のモータと、を備える、請求項16に記載の電磁伝送システム。
【請求項18】
前記モータアセンブリが、
(i)モータが前記第1および第2の円形導波路を、前記軸を中心に第1の方向に回転させると、前記滑り継手により前記第1の円形導波路および前記第2の円形導波路が前記導波路アセンブリの第1のモードで互いにロックされ、
(ii)前記モータが前記第1および第2の円形導波路を前記第1の方向と反対の第2の方向に前記軸を中心に回転させると、前記滑り継手により前記第1の円形導波路および前記第2の円形導波路が前記導波路アセンブリの第2のモードで互いにロックされ、
(iii)前記導波路アセンブリの前記第2のモードの場合で、前記モータが前記第1および前記第2の円形導波路を、所定の角度よりも前記軸を中心に前記第2の方向に回転させると、前記滑り継手により前記第1の円形導波路と前記第2の円形導波路がロック解除される、
ように配置されたモータを備える、請求項16に記載の電磁伝送システム。
【請求項19】
前記3λ/8位相シフトデバイスおよび前記λ/8の位相シフトデバイスがそれぞれ、誘電体材料を含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の電磁伝送システム。
【請求項20】
前記3λ/8位相シフトデバイスおよび前記λ/8位相シフトデバイスのそれぞれが、前記円形導波路の内側に少なくとも1つの金属リッジを含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の電磁伝送システム。
【請求項21】
3λ/8位相シフトカードが前記第1の導波路の前記対向する内壁まで延在し、第1の端部と、前記軸に平行な方向に前記3λ/8位相シフトカードを終端する第2の端部と、を含み、前記第1の端部および前記第2の端部のそれぞれが、前記3λ/8位相シフトカードと前記第1の円形導波路との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部をさらに備える、請求項15から20のいずれか一項に記載の電磁伝送システム。
【請求項22】
λ/8位相シフトカードが前記第2の導波路の前記対向する内壁まで延在し、第1の端部と、前記軸に平行な方向に前記λ/8位相シフトカードを終端する第2の端部と、を含み、前記第1の端部および前記第2の端部のそれぞれが、前記λ/8位相シフトカードと前記第2の円形導波路との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部をさらに備える、請求項15から20のいずれか一項に記載の電磁伝送システム。
【請求項23】
前記フィードホーンおよび前記導波路アセンブリに取り付けられたフィードホーン滑り継手であって、前記フィードホーンと前記導波路アセンブリの前記軸を中心とした互いに対する回転を促進するように構成された、フィードホーン滑り継手をさらに含む、請求項15から22のいずれか一項に記載の電磁伝送システム。
【請求項24】
前記フィードホーンが前記導波路アセンブリに固定して取り付けられている、請求項15から22のいずれか一項に記載の電磁伝送システム。
【請求項25】
前記導波路アセンブリの前記第1の端部に関連付けられた受信機であって、前記第2の端部から前記第1の端部に向けられた前記導波路アセンブリを通して送信される電磁エネルギーを受信するように構成された、受信機をさらに含む、請求項15から24のいずれか一項に記載の電磁伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年5月26日に出願された米国出願第15/606,130号の続きである。上記出願の全教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
衛星通信システムは、無線リンクを介して電磁エネルギーを伝播することによって、地球軌道の衛星と地上ベースのトランシーバステーションとの間で情報を伝達する。あらゆる無線リンク通信システムの重要な構成要素は、アンテナである。アンテナは、伝送線路を伝播する電磁波を、自由空間を伝播する電磁波に変換し(送信)、または自由空間を伝播する電磁波を、伝送線路を伝播する電磁波に変換する(受信)構成要素である。
【0003】
偏波は、伝播する電磁波の重要な特性である。偏波は、電磁波が空間内のある点を通って進む際に、電磁波の電界ベクトルが指す動きを表す。電界ベクトルの先端は、電磁波が空間内の仮想点を通過する際に、線、円、または楕円を描くことができる。一般に、これらの軌跡は、それぞれ直線偏波、円偏波、または楕円偏波と呼ばれる。
【0004】
偏波は、多くの用途において、特にアンテナにとって重要である。アンテナの偏波は、アンテナが送信しているときに放射する電磁波の電界配向によって規定される。アンテナの偏波特性は、無線リンク間で最大の電力伝送を行うために、送信アンテナと受信アンテナが同時に同一の偏波状態である必要があるため重要である。例えば、送信アンテナおよび受信アンテナが直線偏波の場合で、送信アンテナが水平偏波であるが受信アンテナが垂直偏波の場合は、電力は、受信されない。逆に、送信アンテナおよび受信アンテナが両方とも水平または垂直偏波の場合、最大電力が受信される。アンテナは、自由空間と伝送リンクとの間を伝播する電磁エネルギーの遷移を促進するため、偏波は、すべてのアンテナの重要な特性でもある。
【0005】
特定の衛星は、特定の偏波、例えば、直線偏波(LP)または円偏波(CP)を有する電磁エネルギーを送受信するように構成されることがある。地上ベースのトランシーバステーションは、異なる衛星と通信するために必要とされることがあるため、地上ベースのトランシーバステーションは、異なる偏波を有するマイクロ波エネルギーを送受信することができる必要がある場合がある。
【0006】
円偏波マイクロ波エネルギーを使用する無線リンクの利点は、送信アンテナと受信アンテナの角度関係が、ほとんど無関係であるということである。しかしながら、直線偏波無線リンクでは、角度関係は、上述したように、最大の電力伝送のために送信機の偏波角が受信機の偏波角と一致する必要があるため、重要である。
【0007】
静止した地上ベースのトランシーバステーションでは、ターゲット衛星に適合する偏波角が、トランシーバステーションの地上位置および衛星の位置に基づいて決定されることがある。地上ベースのトランシーバステーションの位置が変わった場合、または地上ベースのトランシーバステーションが異なる衛星を捕捉した場合、トランシーバステーションの偏波角は、衛星の偏波に適合するために変わる必要がある場合がある。偏波角を変える能力は、本明細書では「偏波スキュー制御」と呼ばれる。
【0008】
従来技術の偏波スキュー制御は、トランシーバ全体を回転させることを伴う場合があり、これは、機械的に移動させるには重くかつ困難な場合がある。さらに、回転は、回転に適応するために可撓性ケーブル/導波路アセンブリが必要になる場合がある。
【発明の概要】
【0009】
記載される実施形態は、スキュー制御により2つの構成、すなわち二重円偏波と二重直線偏波とを切り替えることによって偏波スキュー制御を提供することができる円形導波路偏波デバイスを提供する。一部の実施形態は、単一のステッピングモータを使用してスキュー制御を促進する。記載される実施形態は、受信専用およびVSAT海洋アンテナにおいて有用な場合がある。あるいは、記載される実施形態は、他の用途で、例えば、円偏波を備えた低地球軌道(LEO)衛星と直線偏波を備えた静止地球軌道(GEO)衛星との間の偏波切り替え構成を備えたアンテナとして使用されてもよい。
【0010】
記載される実施形態の別の利点は、直線偏波スキューが円形導波路サブアセンブリの回転によってのみ制御されることである。超小口径端末(VSAT)の場合の直交モードトランスデューサ(OMT)とトランシーバ、および受信専用の場合のグローバル低ノイズ・ブロック・ダウンコンバータ(LNB)をアンテナ反射器の背面に固定されたままにしておくことができる。この構成により、反射器の頂点の背後のより大きな質量を回転させるための、余分な可撓性ケーブルおよび重い負荷ベアリングが不要になる。
【0011】
円偏波を作り出すために、90度(90°、すなわちλ/4)位相遅延が、二重偏波円形導波路の1つの直線偏波経路に挿入される。遅延は、例えば、誘導体位相カード、誘電体ピン、金属リッジ、または金属ピンによって生成することができる。位相遅延は、放射源の直線偏波に対して45度(45°、すなわちλ/8)で挿入される。直線放射源偏波に対して45度に配向した90度位相遅延により、円偏波が作り出される。
【0012】
一部の状況では、伝播軸に沿って直線偏波信号に一定量の角回転を導入することが望ましい。放射源偏波に対してΦ/2の角度で180度(180°;λ/2)位相遅延が挿入された場合、Φの回転角が直線偏波信号に導入される。
【0013】
一態様では、本発明は、第1の偏波配向で送信された2つの直交する直線偏波信号の送信間に3λ/8相対位相シフトを実施するように構成された第1の円形導波路と、第2の偏波配向で送信された2つの直交する直線偏波信号の送信間にλ/8相対位相シフトを与えるように構成された第2の円形導波路と、を備える導波路デバイスである。第2の円形導波路部分は、軸に沿って、第1の円形導波路部分に同軸で隣接して導波路アセンブリを形成することができる。導波路デバイスは、放射源をさらに備え、放射源偏波配向によって特徴付けられる二重直線偏波エネルギーを導波路アセンブリに提供することができる。導波路アセンブリの第1の動作モードでは、第1の円形導波路は、第1の偏波配向が第2の偏波配向に対して90度オフセットされるように、第2の導波路に対して軸を中心に回転して配向されている。放射源は、放射源偏波配向が第1の偏波配向および第2の偏波配向に対して45度になるように配置され得る。導波路アセンブリの第2の動作モードでは、第1の円形導波路は、第1の偏波配向と第の偏波配向が実質的に同じになるように、第2の導波路に対して軸を中心に回転して配向されている。
【0014】
第2のモードでは、導波路アセンブリは、放射源偏波配向を中心にプラスまたはマイナスθ度の角度範囲内で回転するように構成されてもよく、ここでθは、所定の角度である。
【0015】
導波路デバイスは、第1の円形導波路を第2の円形導波路に接続するように配置された滑り継手をさらに含むことができる。滑り継手は、軸を中心に互いに対して第1の導波路および第2の導波路の回転を促進するように構成されてもよい。
【0016】
導波路デバイスは、第1の導波路部分および第2の導波路部分を、軸を中心に独立して回転させるためのモータアセンブリをさらに含むことができる。モータアセンブリは、第1の円形導波路を回転させるように配置された第1のモータと、第2の円形導波路を第1の円形導波路とは独立に回転させるように配置された第2のモータと、を備えることができる。モータアセンブリは、モータが第1および第2の円形導波路を、軸を中心に第1の方向に回転させると、滑り継手により第1の円形導波路および第2の円形導波路が導波路アセンブリの第1のモードで互いにロックされるように配置されたモータを備えることができる。モータが第1および第2の円形導波路を第1の方向と反対の第2の方向に軸を中心に回転させると、滑り継手により第1の円形導波路および第2の円形導波路が導波路アセンブリの第2のモードで互いにロックされ得る。導波路アセンブリの第2のモードの場合で、モータが第1および第2の円形導波路を、所定の角度よりも軸を中心に第2の方向に回転させると、滑り継手により第1の円形導波路と第2の円形導波路がロック解除され得る。
【0017】
導波路デバイスは、放射源を導波路アセンブリの端部に接続するように配置された放射源滑り継手をさらに含むことができる。放射源滑り継手は、放射源および導波路アセンブリの軸を中心とした互いに対する回転を促進するように構成されてもよい。導波路デバイスは、導波路アセンブリの端部に取り付けられたフィードホーンを含むことができる。一部の実施形態では、フィードホーン滑り継手をフィードホーンおよび導波路アセンブリに取り付けて、軸を中心とした互いに対する回転運動を促進することができる。
【0018】
導波路デバイスは、平面内にある第1の位相シフトデバイスにより第1の円形導波路において3λ/8位相シフトを実施することができる。平面は、第1の円形導波路の軸および対向する内壁と交差してもよく、平面は、第1の偏波配向で配置されてもよい。第1の位相シフトデバイスは、第1の導波路の対向する内壁まで延在し、第1の端部と、軸に平行な方向に位相シフトデバイスを終端する第2の端部と、を含むことができる。第1の位相シフトデバイスの各端部は、第1の位相シフトデバイスと第1の円形導波路との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部を備えることができる。一部の実施形態では、第1の位相シフトデバイスは、誘電体材料を含むことができる。
【0019】
導波路デバイスは、平面内にある第2の位相シフトデバイスにより第2の円形導波路においてλ/8位相シフトを実施することができる。平面は、第2の円形導波路の軸および対向する内壁と交差してもよく、平面は、第2の偏波配向で配置されてもよい。第2の位相シフトデバイスは、第2の導波路の対向する内壁まで延在し、第1の端部と、軸に平行な方向に位相シフトデバイスを終端する第2の端部と、を含むことができる。第2の位相シフトデバイスの各端部は、第2の位相シフトデバイスと第2の円形導波路との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部を備えることができる。一部の実施形態では、第2の位相シフトデバイスは、誘電体材料を含むことができる。
【0020】
別の態様では、本発明は、軸に沿って配置された第1の円形導波路部分を備える導波路デバイスである。第1の円形導波路は、軸から半径にある第1の導波路の内壁、第1の導波路の第1の端部、および第1の導波路の第2の端部を備える。導波路デバイスは、軸から半径にある第1の導波路の内壁、第2の導波路の第1の端部、および第2の導波路の第2の端部を備える、軸に沿って配置された第2の円形導波路部分をさらに備える。導波路デバイスは、第1の導波路の第1の端部および第2の導波路の第2の端部に取り付けられて導波路アセンブリを形成する滑り継手を備える。滑り継手は、第1の導波路および第2の導波路の軸を中心とした互いに対する回転を促進する。導波路デバイスは、軸に沿って第1の導波路内に配置された3λ/8位相デバイスも備える。3λ/8位相シフトデバイスは、第1の導波路の軸および対向する内壁と交差する第1の平面内にある。導波路デバイスは、軸に沿って第2の導波路内に配置されたλ/8位相デバイスをさらに備える。λ/8位相デバイスは、第2の導波路の軸および対向する内壁と交差する第2の平面内にある。導波路デバイスは、導波路アセンブリに二重偏波エネルギーを提供するように配置された放射源と、放射源を導波路アセンブリの第1の端部に接続するように配置された放射源滑り継手と、をさらに含み、放射源滑り継手が放射源および導波路アセンブリの軸を中心とした互いに対する回転を促進するように構成されている。導波路デバイスは、導波路アセンブリの第2の端部に取り付けられたフィードホーンをさらに含む。
【0021】
導波路アセンブリの第1のモードでは、第1の円形導波路は、第1の平面が第2の平面に対して軸を中心に90度回転して配置されるように、第2の導波路に対して軸方向に配向されている。第1の平面および第2の平面はそれぞれ、放射源の偏波の配向に対して45度に配置されている。導波路アセンブリの第2のモードでは、第1の円形導波路は、第1の平面および第2の平面が同一平面上にあるように、第2の導波路に対して軸方向に配向され、第1の平面および第2の平面がそれぞれ、放射源の偏波の配向に対してθ度で配置され、ここでθは、所定の角度である。
【0022】
導波路デバイスは、第1の導波路部分および第2の導波路部分を、軸を中心に独立して回転させるためのモータアセンブリを備えることができる。モータアセンブリは、第1の円形導波路部分を回転させるように配置された第1のモータと、第2の円形導波路部分を回転させるように配置された第2のモータと、を備えることができる。モータアセンブリは、モータが第1および第2の円形導波路を、軸を中心に第1の方向に回転させると、滑り継手により第1の円形導波路および第2の円形導波路が導波路アセンブリの第1のモードで互いにロックされるように配置されたモータを備えることができる。モータが第1および第2の円形導波路を第1の方向と反対の第2の方向に軸を中心に回転させると、滑り継手により第1の円形導波路および第2の円形導波路が導波路アセンブリの第2のモードで互いにロックされる。導波路アセンブリの第2のモード中に、モータが第1および第2の円形導波路を所定の角度よりも、軸を中心に第2の方向に回転させると、滑り継手により第1の円形導波路と第2の円形導波路は、ロック解除される。
【0023】
3λ/8位相シフトデバイスおよびλ/8位相シフトデバイスはそれぞれ、誘電体材料を含むことができる。3λ/8位相シフトデバイスおよびλ/8位相シフトデバイスはそれぞれ、円形導波路の内側に少なくとも1つの金属リッジを含むことができる。
【0024】
3λ/8位相シフトカードは、第1の導波路の対向する内壁まで延在してもよく、第1の端部と、軸に平行な方向に3λ/8位相シフトカードを終端する第2の端部と、を含む。第1の端部および第2の端部のそれぞれは、3λ/8位相シフトカードと第1の円形導波路との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部をさらに備えることができる。
【0025】
λ/8位相シフトカードは、第2の導波路の対向する内壁まで延在し、第1の端部と、軸に平行な方向にλ/8位相シフトカードを終端する第2の端部と、を含むことができる。第1の端部および第2の端部のそれぞれは、λ/8位相シフトカードと第2の円形導波路との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部をさらに備えることができる。
【0026】
フィードホーン滑り継手がフィードホーンおよび導波路アセンブリに取り付けられてもよく、フィードホーン滑り継手は、フィードホーンおよび導波路アセンブリの軸を中心とした互いに対する回転を促進するように構成されている。フィードホーンは、導波路アセンブリに固定して取り付けられてもよい。
【0027】
前述の事項は、異なる図全体を通して同様の参照記号が同一の部分を指す添付図面に示されるように、本発明の例示的な実施形態の以下のより具体的な説明から明白になるであろう。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、本発明の実施形態を例示することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】本発明による円形導波路偏波デバイスの例示的な実施形態である。
図1B図1Aの円形導波路偏波の円形導波路の断面図である。
図2A図1に示す円形導波路偏波デバイスの内部構成要素である。
図2B図1に示す円形導波路偏波デバイスの内部構成要素である。
図3A】本発明の第2の動作モードで構成された例示的な導波路アセンブリの端面図である。
図3B】本発明の第2の動作モードで構成された例示的な導波路アセンブリの端面図である。
図4A】本発明の第1の動作モードで構成された例示的な導波路アセンブリの側面内部図である。
図4B】本発明の第1の動作モードで構成された例示的な導波路アセンブリの端面図である。
図5】両方の位相カードが平行な例示的なLP構成に対する反射レベルである。
図6A】両方の位相カードが平行な、モード1励起の例示的なLP構成に対する送信出力モードである。
図6B】ポート1、モード1に対する電界整列である。
図6C】ポート1、モード2に対する電界整列である。
図7】両方の位相カードが平行な、モード2励起の例示的なLP構成に対する送信出力モードである。
図8】例示的なCP構成に対する送信出力モードである。
図9】例示的な円偏波構成に対する出力モードの送信位相である。
図10】例示的な円偏波構成に対する反射レベルである。
図11】実施形態の1つまたは複数を実施するために使用され得る処理システムの例示的な内部構造の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の例示的な実施形態の説明は、以下の通りである。
【0030】
本明細書に引用されたすべての特許、公開された出願、および参考文献の教示は、その全体が参照により組み込まれる。
【0031】
図1Aは、記載される実施形態に従って構築および配置された円形導波路偏波デバイス100の例示的な実施形態を示す。例示的なデバイス100は、第1の偏波配向で第1の円形導波路102に送信される2つの直交する直線偏波信号間の3λ/8相対位相シフトを実施するように構成された第1の円形導波路102を備える。
【0032】
本明細書で使用されるように、信号の「偏波配向」は、基準座標系に対する送信信号の電界ベクトルの角度の配向を指す。図1Bは、そのような座標系の例である。図1Bは、円形導波路(例えば、第1の円形導波路102)の断面図を示し、Z軸は、円形導波路が配置される長手方向軸104であり、X軸とY軸は、互いに直交し、Z軸と直交する。電界ベクトル108は、断面が取られたZ軸に沿った点において、X軸に対してφの角度で示されている。そのため、本例では、電界ベクトル106の偏波配向は、X-Y座標基準面に対してφによって与えられている。
【0033】
円形導波路偏波デバイス100は、第2の偏波配向で送信された2つの直交する直線偏波信号間にλ/8相対位相シフトを与えるように構成された第2の円形導波路110をさらに含む。第2の円形導波路部分110は、長手方向軸104に沿って第1の円形導波路部分に同軸で隣接して導波路アセンブリ112を形成する。導波路アセンブリ112は、第1の端部114および第2の端部116を含む。
【0034】
例示的な実施形態では、第1の円形導波路102および第2の円形導波路の内径は、0.7インチであり、10.7~12.75GHzおよび14~14.5GHzの動作帯域を有する。導波路アセンブリ112の全長は、5.5インチである。
【0035】
円形導波路偏波デバイス100は、放射源118から、放射源偏波配向によって特徴付けられる二重直線偏波電磁エネルギーを受け取るように構成された導波路アセンブリ入力をさらに含む。例示的な実施形態では、放射源118は、第1の方向(例えば、図1Bの正のX方向)に向けられた第1の直線偏波電磁エネルギーと、第1の直線偏波電磁エネルギーに直交する第2の方向(例えば、図1Bの正のY方向)に向けられた第2の直線偏波電磁エネルギーと、を提供する。
【0036】
図1Aの例示的な実施形態では、導波路アセンブリ112の第2の端部116は、導波路アセンブリ入力として使用される。代替の実施形態では、導波路アセンブリ入力を提供するために、導波路アセンブリの第1の端部114が使用されてもよい。また、図1Aに表されるように、放射源118は、導波路アセンブリ112の第2の端部116に示され、長手方向軸104を中心に位置しており、その結果、二重直線偏波電磁エネルギーは、長手方向軸104に沿って導波路アセンブリ112の端部に直接送信される。しかしながら、他の実施形態では、放射源118は、導波路アセンブリ入力に対して異なる場所に位置してもよく、二重直線偏波電磁エネルギーは、代替経路、例えば、導波路アセンブリ112の1つまたは複数の側部ポートを介して導波路アセンブリ112に送信されてもよい。
【0037】
導波路アセンブリ112の第1の動作モードでは、第1の円形導波路102は、第1の偏波配向が第2の偏波配向に対して90度オフセットされるように、第2の導波路110に対して軸を中心に回転して配向されている。放射源118は、放射源偏波配向が第1の偏波配向および第2の偏波配向に対して45度になるよう配置されている。導波路アセンブリのこの第1の動作モードは、円偏波放射を生成する。
【0038】
導波路アセンブリ112の第2の動作モードでは、第1の円形導波路102は、第1の偏波配向と第の偏波配向が実質的に同じになるように、第2の導波路110に対して長手方向軸104を中心に回転して配向されている。導波路アセンブリ112のこの第2のモードの構成では、第1の円形導波路102によって導入された3λ/8位相シフトは、第2の円形導波路110によって導入されたλ/8位相シフトに加算され、その結果、導波路アセンブリ112全体がλ/2位相シフトを導入する。本明細書で説明されるように、λ/2位相遅延が放射源偏波に対してφ/2の角度で直線偏波信号の伝送経路に挿入されると、φの回転角が直線偏波信号に導入される。そのため、第2のモードでは、導波路アセンブリは、長手方向軸104を中心に回転して、到来する直線偏波信号に角度シフトを導入するように構成され得る。
【0039】
放射源円形滑り継手120を第1の円形導波路102と放射源118との間に挿入して、放射源118に対する導波路アセンブリ112の回転を促進し、上述した角度シフトを実施することができる。一部の実施形態では、回転は、放射源偏波配向を中心にプラスまたはマイナスθ度の角度範囲内で生じるように制限されてもよく、ここでθは、所定の角度である。例えば、回転は、放射源偏波配向を中心にプラスまたはマイナス20度の角度範囲内で生じるように制限されてもよいが、代替として他の所定の角度が使用されてもよい。
【0040】
第1の円形導波路を第2の円形導波路に接続するために、導波路間滑り継手122が含まれてもよい。導波路間滑り継手122は、軸104を中心とした互いに対する第1の導波路102および第2の導波路110の回転を促進するように構成されてもよい。
【0041】
円形導波路偏波デバイス100は、導波路アセンブリ112または導波路アセンブリ112の一部を、軸104を中心に回転させるためのモータアセンブリ124を含むことができる。円形導波路偏波デバイス100は、外部源(図示せず)から位置コマンド127を受信し、位置コマンド127を、モータアセンブリ124を制御するのに適した制御信号129に変換するモータコントローラ125をさらに備えることができる。モータコントローラ125は、位置コマンド127を制御信号129に変換し、他の関連付けられたアクションを実行するのに必要な処理構成要素を含むことができる。
【0042】
モータアセンブリ124は、当技術分野で知られているようなステッピングモータを備えてもよいが、代替の実施形態では、角度位置を制御することができる他のタイプのモータが使用されてもよい。一部の実施形態では、モータアセンブリは、第1の導波路部分102および第2の導波路部分110を、軸104を中心にして互いに対して独立して回転させるように構成されてもよい。そのような実施形態では、モータアセンブリは、第1の円形導波路102を回転させるように配置された第1のモータ(モータアセンブリ124内に含まれ、明示されていない)と、第2の円形導波路110を第1の円形導波路102とは独立に回転させるように配置された第2のモータ(モータアセンブリ124内に含まれ、明示されていない)と、を備えることができる。
【0043】
他の実施形態では、モータアセンブリ124は、モータアセンブリ124が第1の円形導波路102および第2の円形導波路110を、軸104を中心に第1の方向に回転させると、滑り継手122により第1の円形導波路102と第2の円形導波路110が導波路アセンブリ112の第1のモードで互いにロックされるように配置された単一のモータを備えることができる。モータアセンブリ124が第1の円形導波路102および第2の円形導波路110を、軸104を中心に第1の方向と反対の第2の方向に回転させると、滑り継手122により、導波路アセンブリの第1の円形導波路102と第2の円形導波路110が第2のモードで互いにロックされる。導波路アセンブリ112の第2のモードの場合で、第1の偏波配向と第1の偏波配向が所定の角度θだけオフセットされるように、モータアセンブリ124が第2の方向に回転すると、滑り継手122により第1の円形導波路102と第2の円形導波路110は、ロック解除される。
【0044】
円形導波路偏波デバイス100は、導波路アセンブリ112の端部に取り付けられたフィードホーン126をさらに含むことができる。一部の実施形態では、円形導波路偏波デバイス100は、フィードホーン126の導波路アセンブリ112に対する、軸104を中心とした互いに対する回転運動を可能にする、フィードホーン126を導波路アセンブリ112に結合するフィードホーン滑り継手128を含むことができる。
【0045】
円形導波路偏波デバイス100は、相反する性質で動作する。したがって、円形導波路偏波デバイス100は、導波路アセンブリの第1の端部に取り付けられるか、または他の方法で関連付けられる受信機をさらに含むことができる。受信機は、第2の端部から第1の端部に向けられた導波路アセンブリを通して送信される、位相シフトデバイスによって本明細書で説明されるように変更される電磁エネルギーを受信するように構成されてもよい。
【0046】
放射源118および受信機(図示せず)は、例示的な実施形態では、導波路アセンブリ112の端部に取り付けられるか、または他の方法で関連付けられているとして説明されるが、一部の実施形態では、放射源118および/または受信機は、導波路アセンブリ112から離れて配置されてもよいことを理解されたい。例えば、導波路アセンブリ112は、電磁エネルギーを導波路アセンブリ112に、および/または導波路アセンブリ112から伝達するための直交モードトランスデューサ(OMT)を取り付けるか、または他の方法で関連付けることができる。そのような実施形態では、導波路などの伝送経路を用いて、導波路アセンブリ112と放射源および/または受信機との間で電磁エネルギーを伝達することができる。
【0047】
図2Aおよび図2Bは、図1に示す円形導波路偏波デバイス100の内部構成要素を示す。第1の円形導波路102は、第1の導波路102の軸104および対向する内壁と交差する平面内にある第1の位相シフトデバイス202を利用することによって3λ/8位相シフトを実施することができる。この例示的な実施形態では、第1の位相シフトデバイス202は、第1の導波路102の対向する内壁まで延在し、第1の端部と、軸104に平行な方向に第1の位相シフトデバイス202を終端する第2の端部と、を含む。第1の位相シフトデバイス202の各端部は、第1の位相シフトデバイスと第1の円形導波路102との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部204を含む。
【0048】
一実施形態において、第1の位相シフトデバイス202は、誘電体材料を含むが、他の実施形態では、位相シフトデバイスは、誘電体材料の代わりに、または誘電体材料に加えての他の材料を含んでもよい。例示的な実施形態では、誘電体材料は、RogersCorporationによって製造された誘電率3.55、誘電正接0.0027、および厚さ0.032インチを有するRO003であってもよい。この例示的な実施形態では、第1の位相シフトデバイス202は、長さ3.5インチの誘導体カードであり、第2の位相シフトデバイスは、長さ2.0インチの誘導体カードである。
【0049】
第2の円形導波路110は、第2の導波路110の軸104および対向する内壁と交差する平面内にある第2の位相シフトデバイス206を用いてλ/8位相シフトを実施することができる。この例示的な実施形態では、第2の位相シフトデバイス206は、第1の導波路102の対向する内壁まで延在し、第1の端部と、軸104に平行な方向に第2の位相シフトカード206を終端する第2の端部と、を含む。第2の位相シフトデバイス206の各端部は、第1の位相シフトデバイスと第1の円形導波路102との間のインピーダンス整合を実施するように構成された移行部208を含む。一実施形態において、第2の位相シフトデバイス206は、誘電体材料を含むが、他の実施形態では、位相シフトデバイスは、誘電体材料の代わりに、または誘電体材料に加えての他の材料を含んでもよい。
【0050】
例示的な実施形態について説明した位相シフトデバイスは、上述したように誘導体カードであるが、位相遅延を実施するための他の技法を使用することもできることを理解されたい。例えば、導波路アセンブリ112の位相シフトデバイスの1つまたは複数は、円形導波路の内側に少なくとも1つの金属リッジを含んでもよい。
【0051】
図3Aおよび図3Bは、本明細書に記載される第2の動作モード(すなわち、直線偏波)で構成された例示的な導波路アセンブリ112の端面図を示す。図3Aは、共通の平面内にある、電磁放射源偏波に対して0°の角度で回転させ、結果として0°のスキュー角となっている第1の位相シフトデバイス202および第2の位相シフトデバイス206を示す。この例示的な図では、第1の円形導波路102をのぞき込むと、第1の位相シフトデバイス202のみを見ることができる。図3Bは、共通の平面内にある、電磁放射源偏波に対してφ/2(例えば、10°)の角度で回転させ、結果としてφ(すなわち20°)のスキュー角となっている第1の位相シフトデバイス202および第2の位相シフトデバイス206を示す。
【0052】
図4Aは、本明細書に記載される第1の動作モード(すなわち、円偏波)で構成された例示的な導波路アセンブリ112の側面内部図を示し、図4Bは、その端面図を示し、第1の位相シフトデバイス202と第2の位相シフトデバイス206が互いに対して90°で配向されている。図4Aは、第1の位相シフトデバイス202が真横から見える第1の円形導波路102と、第2の位相シフトデバイス206が第2の円形導波路の側壁から側壁まで広がって見える第2の円形導波路110と、を示す。図4Bは、第1の円形導波路102をのぞき込んだ導波路アセンブリ112の端面図を示す。この例示的な実施形態では、放射源偏波は、第1の位相シフトデバイス202および第2の位相シフトデバイス206が放射源直線偏波電界に対して45°で配向するように、直線偏波電界が図示するx軸およびy軸に対して配向するようになっている。
【0053】
図5は、図2B図3A、および図3Bに示すように、両方の位相カードが平行な例示的な直線偏波構成について、反射減衰量レベルとしても知られている反射レベルを示す。v_trace502によって表される入力垂直偏波モード、およびh_trace504によって表される入力水平偏波モードの反射減衰量が図5に両方とも示されている。図5に示すように、両方の偏波モードの最悪の場合の反射減衰量レベルは、10.7~14.5GHzで20dBである。
【0054】
図6Aは、図2B図3A、および図3Bに示すように、両方の位相カードが平行な、モード1励起による例示的な直線偏波構成の送信出力モードを示す。v_trace602によって表される垂直偏波モードの伝送レベルは、垂直偏波モードが入力に注入された場合、-0.16dB、すなわちほぼ0.0dBである。逆偏波モードである、h_trace604によって表される水平偏波モードの伝送レベルは、垂直偏波モードが導波路アセンブリ112の入力に注入された場合、-35.5dBである。
【0055】
円形導波路は、2つの直交偏波主導波路モードの伝播をサポートする。これらのモードは、TE11モードとして知られている。円形導波路入力で使用される命名法は、ポート1、モード1、およびポート1、モード2である。これらの円形導波路入力モードの電界方向が図6Bおよび図6Cに示されている。図6Bは、電界がX軸に整列したポート1、モード1を示し、図6Cは、電界がY軸に整列したポート1、モード2を示す。
【0056】
図7は、図2B図3A、および図3Bに示すように、両方の位相カードが平行な、モード2励起による例示的な直線偏波構成の送信出力モードを示す。h_trace702によって表される水平偏波モードの伝送レベルは、水平偏波モードが導波路アセンブリ112の入力に注入された場合、-0.02dB、すなわちほぼ0.0dBである。逆偏波モードである、v_trace704によって表される垂直偏波モードの伝送レベルは、水平偏波モードが導波路アセンブリ112の入力に注入された場合、-35.7dBである。
【0057】
図8は、図4Aおよび図4Bに示すような例示的な円偏波構成の送信出力モードを示す。v_trace802で示される垂直偏波モードの伝送レベルは、垂直偏波モードが導波路アセンブリ112の入力に注入された場合、約-3dB変化する。逆偏波モードである、v_trace804で示される水平偏波モードの伝送レベルもまた、垂直偏波モードが入力に注入された場合、約-3dB変化する。任意の周波数で、これらの2つの曲線間の差は、円偏波出力モードの軸比を表す。例えば、14.0~14.5GHzの送信Kuバンドにわたって、最悪の場合の軸比は、0.36dBである。10.70~12.75GHzの受信Kuバンドにわたって、最悪の場合の軸比は、0.82dBである。
【0058】
図9は、図4Aおよび図4Bに示すような例示的な円偏波構成の出力モードの送信位相を示す。垂直偏波モードが入力に注入された場合の、垂直偏波モードの送信位相は、v_trace902によって表されている。垂直偏波モードが導波路アセンブリ112の入力に注入された場合の、逆偏波モードである水平偏波モードの送信位相は、h_trace904によって表されている。任意の周波数で、これらの2つの曲線間の差は、円偏波構成で配向した場合の、2つの直交偏波出力モード間のデバイスの相対位相を表す。例えば、Kuバンドにわたって、出力偏波モード間の相対位相は、90度から3.5度未満である。本明細書で説明されるように、出力偏波モード間の90度の相対遅延は、結果として完全な直線偏波入力信号に対して純粋な円偏波信号をもたらす。
【0059】
図10は、図4Aおよび図4Bに示すような例示的な円偏波構成の、反射減衰量レベルとしても知られている反射レベルを示す。v_trace1002によって表される入力垂直偏波モード、およびh_trace1004によって表される入力水平偏波モードの反射減衰量がこの図に両方とも示されている。両方の偏波モードの最悪の場合の反射減衰量レベルは、10.7~14.5GHzで30dBである。
【0060】
図11は、本明細書に記載される実施形態の1つまたは複数を実施するために使用することができる処理システム1100、例えば、図1Aに関して本明細書に記載されたモータコントローラ125の例示的な内部構造の図である。
【0061】
各処理システム1100は、システムバス1102を含み、バスは、コンピュータまたは処理システムの構成要素間のデータ転送に使用される1組のハードウェア線路である。システムバス1102は、本質的に、処理システムの異なる構成要素(例えば、プロセッサ、ディスク記憶装置、メモリ、入力/出力ポート、ネットワークポートなど)を接続する共有コンジット(conduit)であり、構成要素間の情報の転送を可能にする。
【0062】
様々な入出力装置(例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなど)を処理システム1100に接続するためのユーザ入出力装置インタフェース1104がシステムバス1102に取り付けられている。ネットワークインタフェース1106により、コンピュータは、ネットワーク1108に取り付けられた様々な他のデバイスに接続することが可能になる。メモリ1110は、本明細書に記載された本発明の実施形態の1つまたは複数を実施するために使用されるコンピュータソフトウェア命令などの情報、内部で生成されたデータ、および処理システム1100の外部のソースから受信したデータのための揮発性および不揮発性記憶装置を提供する。
【0063】
中央処理装置1112もシステムバス1102に取り付けられており、メモリ1110に記憶されたコンピュータ命令の実行を行う。システムは、サポート電子機器/ロジック1114および通信インタフェース1116も含むことができる。通信インタフェースは、制御信号129をモータ124に提供し、図1Aを参照して説明した位置コマンド127を受信することができる。
【0064】
一実施形態において、メモリ1110に記憶された情報は、コンピュータプログラム製品を含むことができ、それにより、メモリ1110には、本発明のシステムのソフトウェア命令の少なくとも一部を提供する非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、1つまたは複数のDVD-ROM、CD-ROM、ディスケット、テープなどのリムーバブルストレージ媒体)が含まれてもよい。当技術分野でよく知られているように、コンピュータプログラム製品は、任意の適切なソフトウェアインストール手順によってインストールされ得る。別の実施形態では、ソフトウェア命令の少なくとも一部は、ケーブル通信および/または無線接続を介してダウンロードすることもできる。
【0065】
本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態を多くの異なる形態のソフトウェアおよびハードウェアで実施することができることは、明らかであろう。本明細書に記載された実施形態を実施するために使用されるソフトウェアコードおよび/または専用ハードウェアは、本明細書に記載された本発明の実施形態に限定されるものではない。したがって、実施形態の動作および挙動は、特定のソフトウェアコードおよび/または専用ハードウェアに関係なく説明されており、本明細書の記載に基づいて実施形態を実施するためにソフトウェアおよび/またはハードウェアを設計することができることを理解されよう。
【0066】
さらに、本明細書に記載された例示的な実施形態のある特定の実施形態は、1つまたは複数の機能を実行するロジックとして実施されてもよい。このロジックは、ハードウェアベース、ソフトウェアベース、またはハードウェアベースとソフトウェアベースの組合せであってもよい。ロジックの一部またはすべては、1つまたは複数の有形の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、コントローラまたはプロセッサによって実行することができるコンピュータ実行命令を含むことができる。コンピュータ実行命令は、本発明の1つまたは複数の実施形態を実施する命令を含むことができる。有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、揮発性または不揮発性であってもよく、例えば、フラッシュメモリ、ダイナミックメモリ、リムーバブルディスク、および非リムーバブルディスクを含むことができる。
【0067】
本発明は、その例示的な実施形態を参照して特に示され説明されたが、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることを当業者は理解されよう。
図1
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11