(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】ダブルドラム洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 31/00 20060101AFI20220707BHJP
D06F 37/26 20060101ALI20220707BHJP
D06F 23/02 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
D06F31/00
D06F37/26
D06F23/02
(21)【出願番号】P 2019569452
(86)(22)【出願日】2018-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2018091310
(87)【国際公開番号】W WO2018228485
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2020-06-24
(31)【優先権主張番号】201710452878.2
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】李文偉
(72)【発明者】
【氏名】王金凱
(72)【発明者】
【氏名】寧驍
(72)【発明者】
【氏名】田新国
(72)【発明者】
【氏名】段崇超
【審査官】山田 由希子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-526456(JP,A)
【文献】中国実用新案第203741589(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00-58/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にドラムがそれぞれ設けられる第1外槽(1)と第2外槽(2)を含み、前記第2外槽(2)には、表面から突出
する接続部(4)が
一体的に成型されており、前記接続部(4)は、前記第2外槽(2)の表面から径方向に前記第1外槽(1)に向かって延伸しており、前記接続部(4)の端部は前記第1外槽(1)に取り外し可能に接続され
、
前記接続部(4)は、底部が前記第2外槽(2)の外壁の周方向に沿って延在するボスを含み、前記ボスの端部は前記第1外槽(1)に取り外し可能に接続され、且つ、端部の上側には湾曲端面が設けられており、前記湾曲端面は前記第1外槽(1)の外壁に対応しており、
前記ボスの一方の側には、前記第2外槽(2)の軸方向及び軸方向と垂直な方向に延伸する複数の補強リブが設けられており、
前記補強リブは、前記第2外槽(2)と一体的に成型されており、
前記第2外槽(2)の軸方向に延伸する前記補強リブは段差状構造を有しており、前記段差状構造の高さは、前記ボス寄りの部分が前記ボスから離間する部分よりも高くなっていることを特徴とするダブルドラム洗濯機。
【請求項2】
前記湾曲端面の両端は同一高さには位置せず、且つ
第1装着貫通孔が設けられており、これに対応して、前記第1外槽(1)には一体的に成型される
第1ボルトスタッドが設けられており、前記
第1ボルトスタッドには
第1中空構造が設けられており、前記
第1ボルトスタッドは
第1装着貫通孔に挿通され、
ネジ(5)がガスケットを介して前記
第1中空構造に接続及び固定されることを特徴とする請求項
1に記載のダブルドラム洗濯機。
【請求項3】
前記第1ボルトスタッドの周壁には軸方向に分布する複数の第1突出リブが設けられており、前記第1装着貫通孔は円柱状の孔とし、
前記第1装着貫通孔の内部には前記第1突出リブに対応する第1凹溝が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のダブルドラム洗濯機。
【請求項4】
前記接続部(4)は、前記第2外槽(2)の上側の槽底寄りの部位に設けられており、前記
第1ボルトスタッドは、前記第1外槽(1)の下側の槽底寄りの部位に設けられていることを特徴とする請求項
2又は3に記載のダブルドラム洗濯機。
【請求項5】
前記ボスの中央部位には、手で把持しやすい貫通構造が設けられていることを特徴とする請求項
1~4のいずれかに記載のダブルドラム洗濯機。
【請求項6】
前記第1外槽(1)と前記第2外槽(2)の前部を接続する前部接続部材(3)を含み、前記前部接続部材(3)は、上部の略U型構造と、前記略U型構造の下部に設けられる左右の支持端を含み、前記左右の支持端は異なる高さに設けられ、前記略U型構造の両端部と前記左右の支持端には
第2装着貫通孔が設けられており、前記第1外槽(1)と前記第2外槽(2)の前部には一体的に成型される
第2ボルトスタッドが設けられており、前記
第2ボルトスタッドには
第2中空構造が設けられており、前記
第2ボルトスタッドは
第2装着貫通孔に挿通され、ネジ(5)がガスケットを介して
第2中空構造に接続及び固定されることを特徴とする請求項1~
5のいずれかに記載のダブルドラム洗濯機。
【請求項7】
前記
第2ボルトスタッドの周壁には軸方向に分布する複数の
第2突出リブが設けられており、前記
第2装着貫通孔は円柱状の孔とし、
前記
第2装着貫通孔の内部には前記
第2突出リブに対応する
第2凹溝が設けられていることを特徴とする請求項
6に記載のダブルドラム洗濯機。
【請求項8】
前記湾曲端面には弾性緩衝層が設けられており、前記弾性緩衝層は、前記第1外槽(1)の外壁に対応する表面構造を有することを特徴とする請求項
2~4,6及び7のいずれかに記載のダブルドラム洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置の技術分野に関し、具体的には、ダブルドラム洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
社会が発展し、生活の質への要求が高まるに伴い、時代の進歩やニーズに適応すべくダブルドラム衣類処理装置が誕生している。これによれば、衣類処理装置の設置スペースを節約可能なだけでなく、ユーザにとっていっそう便利な衣類処理ニーズに対応可能となる。
【0003】
ダブルドラム衣類処理装置の重要な技術的課題の一つは、ダブルドラムをどのように設置するかである。従来は、一般的な方法として、2つのドラムを各々のフレームに別々に設置していた。しかし、この場合には2つのドラムの間に隙間が存在し、多くのスペースを占有するだけでなく、使用過程における震動や騒音も大きくなってしまう。
【0004】
その後、技術改良が行われ、2つのドラムを接続することでダブルドラムによる衣類処理スペースを相対的に縮小するとともに、騒音もある程度抑えられるようになった。しかし、外槽には依然としてカウンターウェイトを含むバランス調整装置を付加する必要があるため、洗濯機のコストが増大するだけでなく、制震及び騒音低減効果も明らかでない。また、2つのドラムを接続する部材は独立して設けられるため、装着が面倒であるほか、ダブルドラムによる衣類処理の長期運転過程で震動の影響を受け、落下する等の問題があるため安定性に劣る。
【0005】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の瑕疵を解消し、ダブルドラム洗濯機を提供することを解決すべき技術的課題とする。前記ダブルドラム洗濯機のダブルドラムはほぼ一体的に接続されるため、固定補助部品の使用が減少し、ダブルドラム間の接続がいっそう堅固、確実且つよりコンパクトとなる。また、ダブルドラム洗濯機の運転時の震動を効果的に低減させられるため、騒音や汚染が軽減する。且つ、カウンターウェイトを別途設ける必要がなく、生産コストが低減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決すべく、本発明で採用する技術方案の基本思想について以下に述べる。
【0008】
ダブルドラム洗濯機であって、内部にドラムがそれぞれ設けられる第1外槽と第2外槽を含み、第2外槽には、表面から突出し且つ一体的に成型される接続部が設けられており、接続部は、第2外槽の表面から径方向に第1外槽に向かって延伸しており、接続部の端部は第1外槽に取り外し可能に接続される。
【0009】
好ましくは、前記接続部は、底部が第2外槽の外壁の周方向に沿って延在するボスを含み、ボスの端部は第1外槽に取り外し可能に接続され、且つ、端部の上側には湾曲端面が設けられており、湾曲端面は第1外槽の外壁に対応している。
【0010】
好ましくは、前記ボスの一方の側には、第2外槽の軸方向及び軸方向と垂直な方向に延伸する複数の補強リブが設けられている。
【0011】
好ましくは、第2外槽の軸方向に延伸する補強リブは段差状構造を有しており、前記段差状構造の高さは、ボス寄りの部分がボスから離間する部分よりも高くなっている。好ましくは、湾曲端面の両端は同一高さには位置せず、且つ装着貫通孔が設けられており、これに対応して、第1外槽には一体的に成型されるボルトスタッドが設けられており、ボルトスタッドには中空構造が設けられており、ボルトスタッドは装着貫通孔に挿通され、ネジがガスケットを介して中空構造に接続及び固定される。
【0012】
好ましくは、前記接続部は、第2外槽の上側の槽底寄りの部位に設けられており、前記ボルトスタッドは、第1外槽の下側の槽底寄りの部位に設けられている。
【0013】
好ましくは、前記ボスの中央部位には手で把持しやすい貫通構造が設けられている。
【0014】
好ましくは、第1外槽と第2外槽の前部を接続する前部接続部材を含み、前部接続部材は、上部の略U型構造と、略U型構造の下部に設けられる左右の支持端を含み、左右の支持端は異なる高さに設けられ、略U型構造の両端部と左右の支持端には装着貫通孔が設けられており、第1外槽と第2外槽の前部には一体的に成型されるボルトスタッドが設けられており、ボルトスタッドには中空構造が設けられており、ボルトスタッドは装着貫通孔に挿通され、ネジがガスケットを介して中空構造に接続及び固定される。
【0015】
好ましくは、前記ボルトスタッドの周壁には軸方向に分布する複数の突出リブが設けられており、前記装着貫通孔は円柱状の孔とする。
【0016】
好ましくは、装着貫通孔の内部には前記突出リブに対応する凹溝が設けられている。
【0017】
好ましくは、前記湾曲端面には弾性緩衝層が設けられており、前記弾性緩衝層は、第1外槽の外壁に対応する表面構造を有する。
【0018】
上記のダブルドラム洗濯機としては、2つのドラムを含む洗濯機、又は洗濯乾燥一体機、又は衣類乾燥機等が考えられる。
【発明の効果】
【0019】
上記の技術方案を用いることで、本発明は、従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0020】
1.前記ダブルドラム洗濯機の外槽には接続部が一体成型されており、接続部の端部がもう一方の外槽に接続されるため、ダブルドラムをほぼ一体構造としやすい。また、利用する固定補助部品が少ないため、震動中にダブルドラムの接続構造に緩みが生じにくく、いっそう安定的且つ確実である。
【0021】
2.前記接続部の構造は、第1外槽の表面からもう一方の外槽に向かって延設されるため、第1外槽と第2外槽の設置隙間を十分に活用可能であり、余分なスペースを占有する必要がない。よって、ダブルドラム洗濯機の構造がいっそうコンパクトとなり、震動に伴う騒音が軽減する。
【0022】
3.前記ダブルドラム洗濯機にはカウンターウェイトを別途設ける必要がないため、設置部材が減少する。よって、コストダウンが可能なだけでなく、部材が減少するほどに故障の確率が低下することから、構造全体の安定性向上にも有利である。
【0023】
4.前記ダブルドラム洗濯機の接続部又は接続部材は、外槽の辺縁と一致する曲面等の構造を有しており、当該構造の上面に位置する外槽に対し支持作用を奏し得る。よって、外槽支持部材の負担が軽減し、使用寿命が延びるだけでなく、運転過程における外槽の著しい変位に起因する騒音を低減することも可能である。
【0024】
5.接続部の端部に設けられる外槽を接続するための装着貫通孔は、異なる高さに設けられている。よって、外槽を接続したあとに、運転中におけるダブルドラムの変位及び変化に適応しやすく、震動に伴う騒音が軽減する。
【0025】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0026】
図面は本発明の一部として、本発明の更なる理解のために提供される。本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明で記載するダブルドラム洗濯機の一部の構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明で記載するダブルドラム洗濯機の一部の構造を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明で記載するダブルドラム洗濯機の一部の構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明で記載するダブルドラム洗濯機の分解構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
なお、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0029】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0030】
本発明の記載において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0031】
本発明の記載において、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【実施例1】
【0032】
図1~4を参照して、ダブルドラム洗濯機は、内部にドラムがそれぞれ設けられる第1外槽1と第2外槽2を含む。第2外槽2には、表面から突出し且つ一体的に成型される接続部4が設けられている。接続部4は、第2外槽2の表面から径方向に第1外槽1に向かって延伸している。接続部4の端部は、第1外槽1に取り外し可能に接続される。
【0033】
好ましくは、接続部4は、第2外槽2の表面から径方向に第1外槽1と第2外槽2の間の装着隙間に向かって延設される。
【0034】
接続部4は、底部が第2外槽2の外壁の周方向に沿って延在するボスを含む。ボスの端部は第1外槽1に取り外し可能に接続され、且つ、端部の上側に湾曲端面が設けられている。湾曲端面は第1外槽1の外壁に対応している。
【0035】
湾曲端面は、第1外槽1の後部を部分的に支えることで、一定の支持作用を奏することが可能である。これにより、運転中の震動に起因する第1外槽1の変位が回避されるとともに、第1外槽1に組立部材を接続するための負担を軽減可能となる。また、使用寿命が延びるほか、震動に伴う騒音も低減させられる。
【0036】
前記ボスの一方の側には、第2外槽2の軸方向及び軸方向と垂直な方向に延伸する複数の補強リブが設けられている。
【0037】
第2外槽2の軸方向に延伸する補強リブは段差状構造を有している。前記段差状構造の高さは、ボス寄りの部分がボスから離間する部分よりも高くなっている。
【0038】
前記補強リブ構造によって接続部4の構造をより堅固且つ確実とできるため、ダブルドラムの接続がより安定的となる。また、前記補強リブ構造は一方の側に設けられるため、装着に都合がよい。
【0039】
湾曲端面の両端は同一高さには位置せず、且つ装着貫通孔が設けられている。また、これに対応して、第1外槽1には、一体的に成型されるボルトスタッドが設けられている。ボルトスタッドには中空構造が設けられている。ボルトスタッドは装着貫通孔に挿通され、ネジ5がガスケットを介して中空構造に接続及び固定される。
【0040】
前記接続部4は、第2外槽2の上側の槽底寄りの部位に設けられている。また、前記ボルトスタッドは、第1外槽1の下側の槽底寄りの部位に設けられている。
【0041】
前記ボスの中央部位には、手で把持しやすい貫通構造が設けられている。当該貫通構造によって、第1外槽1と第2外槽2の接続過程における着脱操作が容易となるため、時間と労力が節約される。
【0042】
また、第1外槽1と第2外槽2の前部を接続する前部接続部材3を含む。前部接続部材3は、上部の略U型構造と、略U型構造の下部に設けられる左右の支持端を含む。左右の支持端は異なる高さに設けられている。また、略U型構造の両端部と左右の支持端には装着貫通孔が設けられている。第1外槽1と第2外槽2の前部には、一体的に成型されるボルトスタッドが設けられている。ボルトスタッドには中空構造が設けられている。ボルトスタッドは装着貫通孔に挿通され、ネジ5がガスケットを介して中空構造に接続及び固定される。
【0043】
ボルトスタッドの周壁には軸方向に分布する複数の突出リブが設けられており、前記装着貫通孔は円柱状の孔となっている。好ましくは、装着貫通孔の内部には、前記突出リブに対応する凹溝が設けられている。
【0044】
前記湾曲端面には弾性緩衝層が設けられている。前記弾性緩衝層は、第1外槽1の外壁に対応する表面構造を有する。これにより、騒音をいっそう低減可能であるほか、第1外槽1とボスとの衝突を軽減して、第1外槽1の構造と接続部の構造を保護することも可能である。
【0045】
上記の技術方案を用いることで、本発明は、従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0046】
1.前記ダブルドラム洗濯機の外槽には接続部が一体成型されており、接続部の端部がもう一方の外槽に接続されるため、ダブルドラムをほぼ一体構造としやすい。また、利用する固定補助部品が少ないため、震動中にダブルドラムの接続構造に緩みが生じにくく、いっそう安定的且つ確実である。
【0047】
2.前記接続部の構造は、第1外槽の表面からもう一方の外槽に向かって延設されるため、第1外槽と第2外槽の設置隙間を十分に活用可能であり、余分なスペースを占有する必要がない。よって、ダブルドラム洗濯機の構造がいっそうコンパクトとなり、震動に伴う騒音が軽減する。
【0048】
3.前記ダブルドラム洗濯機にはカウンターウェイトを別途設ける必要がないため、設置部材が減少する。よって、コストダウンが可能なだけでなく、部材が減少するほどに故障の確率が低下することから、構造全体の安定性向上にも有利である。
【0049】
4.前記ダブルドラム洗濯機の接続部又は接続部材は、外槽の辺縁と一致する曲面等の構造を有しており、当該構造の上面に位置する外槽に対し支持作用を奏し得る。よって、外槽支持部材の負担が軽減し、使用寿命が延びるだけでなく、運転過程における外槽の著しい変位に起因する騒音を低減することも可能である。
【0050】
5.接続部の端部に設けられる外槽を接続するための装着貫通孔は、異なる高さに設けられている。よって、外槽を接続したあとに、運転中におけるダブルドラムの変位及び変化に適応しやすく、震動に伴う騒音が軽減する。
【実施例2】
【0051】
ダブルドラム洗濯機であって、内部にドラムがそれぞれ設けられる第1外槽1と第2外槽2、及び、第1外槽1と第2外槽2を一体的に接続する接続部材を含む。少なくとも1つの接続部材は、第1外槽1又は第2外槽2に一体的に成型されるとともに、第2外槽2又は第1外槽1に対し取り外し可能に接続される端部を有する。
【0052】
前記接続部材は、第1外槽1と第2外槽2の前部を接続する前部接続部材3と、第1外槽1と第2外槽2の後部を接続する接続部4を含む。
【0053】
前記前部接続部材3は、第1外槽1又は第2外槽2の前部に一体的に成型されており、前部接続部材3の端部が、第2外槽2又は第1外槽1の前部に取り外し可能に接続される。又は/及び、前記接続部4は、第1外槽1又は第2外槽2の後部に一体的に成型されており、接続部4の端部が、第2外槽2又は第1外槽1の後部に取り外し可能に接続される。
【0054】
図1~4を参照して、本実施例の接続部4は第2外槽2に一体的に成型されている。また、接続部4は、第1外槽1に取り外し可能に接続される端部を有する。
【0055】
接続部4の端部は、第1外槽1の後部にボルトを介して接続される。
【0056】
接続部4の端部には2つの装着貫通孔が設けられている。また、これに対応して、第1外槽1の後部には2つのボルトスタッドが設けられている。当該ボルトスタッドは第1外槽1の後部に一体的に成型されている。また、ボルトスタッドには中空構造が設けられている。ボルトスタッドは装着貫通孔に挿通され、ネジ5がガスケットを介して中空構造に接続及び固定される。
【0057】
接続部4の端部には、第1外槽1の後部の接触辺縁と一致する湾曲端面が設けられている。接続部4は、第1外槽1の後部を部分的に支えることで、一定の支持作用を奏することが可能である。これにより、運転中の震動に起因する第1外槽1の変位が回避されるとともに、第1外槽1に組立部材を接続するための負担を軽減可能となる。また、使用寿命が延びるほか、震動に伴う騒音も低減させられる。
【0058】
図4を参照して、接続部4は、上端面が湾曲端面となったボスを含む。湾曲端面の両端は同一高さには位置せず、且つ装着貫通孔が設けられている。また、湾曲端面は第1外槽1又は第2外槽2の後部の辺縁に対応している。第1外槽1又は第2外槽2の後部には、湾曲端面の両端の装着貫通孔に対応するボルトスタッドが設けられている。
【0059】
前記ボスの一方の側には、第1外槽1又は第2外槽2の軸方向及び軸方向と垂直な方向に延伸する複数の補強リブが設けられている。第1外槽1又は第2外槽2の軸方向に延伸する補強リブは段差状構造を有する。
【0060】
前記ボス構造を設けることで、第1外槽1を効果的に支えることが可能である。また、ボスは第2外槽2に一体的に成型されており、第1外槽1の重量によって緩むことがないため、第1外槽1と第2外槽2の接続がいっそう堅固且つ確実となる。且つ、この構造によれば、第1外槽1の震動時に一定の緩衝作用を奏し得るため、騒音低減に有利である。
【0061】
前記ボスの中央部位には貫通構造が設けられている。当該貫通構造によって、第1外槽1と第2外槽2の接続過程における着脱操作が容易となるため、時間と労力が節約される。
【0062】
好ましくは、ボスの湾曲端面に弾性緩衝層が設けられている。これにより、騒音をいっそう低減可能であるほか、第1外槽1とボスとの衝突を軽減して、第1外槽1の構造とボスの構造を保護することも可能である。
【0063】
図1、
図3及び
図4を参照して、本実施例における前部接続部材3の構造は、具体的に、上部の略U型構造と、略U型構造の下部に設けられる左右の支持端を含む。左右の支持端は異なる高さに設けられている。また、略U型構造の両端部と左右の支持端には装着貫通孔が設けられている。
【0064】
当該前部接続部材3は、第1外槽1と第2外槽2の前部を接続するために用いられる。第1外槽1の前部には、略U型構造の両端部における装着貫通孔に対応するボルトスタッドが設けられている。また、略U型構造の凹陥面は第1外槽1の外輪郭と一致している。第2外槽2の前部には、左右の支持端の装着貫通孔に対応するボルトスタッドが設けられている。
【0065】
上記のボルトスタッドの周壁には軸方向に分布する複数の突出リブが設けられており、前記装着貫通孔には前記突出リブに対応する凹溝が設けられている。
【0066】
ボルトスタッドは第1外槽1と第2外槽2の前部に一体的に成型されているため、ダブルドラムの接続構造全体の安定性を向上可能である。
【0067】
装着貫通孔は、増厚された円錐台の中央位置に設けられており、ボルトスタッドには、円錐台構造に対応して円筒状のベース構造が設けられている。これにより、震動過程における接続部材及び外槽構造に対する衝撃を緩衝可能となるため、震動に伴う騒音を低減させられるだけでなく、接続部材と外槽を保護することも可能となり、ダブルドラムの接続構造全体の安定性が向上する。
【実施例3】
【0068】
本実施例は、接続部4が第1外槽1の後部に一体的に成型されており、接続部4の端部が第2外槽2の後部にボルトを介して接続及び固定される点で実施例1と異なる。
【0069】
接続部4の端部には装着貫通孔が設けられている。また、これに対応して、第2外槽2の後部にはボルトスタッドが設けられている。当該ボルトスタッドは第2外槽2の後部に一体的に成型されている。また、ボルトスタッドには中空構造が設けられている。ボルトスタッドは装着貫通孔に挿通され、ネジ5がガスケットを介して中空構造に接続及び固定される。
【0070】
その他の構造の特性については、実施例1と同じとしてもよいし、異なっていてもよい。また、ボルトスタッドの設置数は、装着貫通孔の数に応じて変更すればよい。
【実施例4】
【0071】
本実施例は、実施例1と以下の点において異なる。即ち、前部接続部材3は第2外槽2の前部に一体的に成型されており、前部接続部材3の端部が第1外槽1の前部にボルトを介して接続される。また、接続部4は第2外槽2の後部に一体的に成型されており、接続部4の端部が第1外槽1の後部にボルトを介して接続される。
【0072】
その他の構造の特性については実施例1の具体的記載を参照すればよいが、実施例1の具体的構造に限らない。
【0073】
例えば、実施例1で記載した前部接続部材3の具体的構造を接続部4の構造として設けてもよいし、同様に、接続部4の具体的構造を前部接続部材3の構造として設けてもよい。
【0074】
上記ダブルドラムの接続構造によれば、第1外槽1と第2外槽2をほぼ一体化するのにいっそう都合がよい。また、よりコンパクト且つ安定的となり、騒音が低減するほか、着脱も容易となる。
【実施例5】
【0075】
本実施例は、実施例1と以下の点において異なる。即ち、前部接続部材3は第1外槽1の前部に一体的に成型されており、前部接続部材3の端部が第2外槽2の前部にボルトを介して接続される。また、接続部4は第2外槽2の後部に一体的に成型されており、接続部4の端部が第1外槽1の後部にボルトを介して接続される。
【0076】
その他の構造の特性については実施例1の具体的記載を参照すればよいが、実施例1の具体的構造に限らない。
【0077】
上記ダブルドラムの接続構造によれば、第1外槽1と第2外槽2をほぼ一体化するのにいっそう都合がよい。また、よりコンパクト且つ安定的となり、騒音が低減するほか、着脱も容易となる。
【0078】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて行うわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0079】
1 第1外槽
2 第2外槽
3 前部接続部材
4 接続部
5 ネジ