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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】耕耘作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 35/04 20060101AFI20220707BHJP
   A01B 33/12 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
A01B35/04 D
A01B33/12 B
A01B33/12 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020074121
(22)【出願日】2020-04-17
(62)【分割の表示】P 2016007493の分割
【原出願日】2016-01-18
(65)【公開番号】P2020114251
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2020-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三村 輔
(72)【発明者】
【氏名】田辺 稔
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-168304(JP,U)
【文献】実開昭54-154208(JP,U)
【文献】特開平10-191705(JP,A)
【文献】実開昭58-010606(JP,U)
【文献】特開2004-113179(JP,A)
【文献】特開2003-304708(JP,A)
【文献】実開昭63-138003(JP,U)
【文献】特開2013-063078(JP,A)
【文献】特開2015-023836(JP,A)
【文献】特開2014-079202(JP,A)
【文献】実開平03-108303(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0043381(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/00 - 33/16
A01B 35/00 - 35/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘爪とロータリーカバーとリヤカバーと有するロータリーを備える耕耘作業機において、
前記ロータリーが耕した土を押す土押面と前記ロータリーが耕した土を均す土均面とを有し、
前記リヤカバーを構成する整地板には、前記土押面と前記土均面が設けられているとともに、
さらに、前記土均面には、進行方向に対して直角に交わる方向に溝部が設けられ、
前記溝部の断面形状は、圃場面を底辺とし圃場面に対して鋭角となる二つの斜面を有し、
前記整地板は、その後端部が曲げ返されており、
前記後端部は、前記斜面に接した状態で固定されている
ことを特徴とする耕耘作業機。
【請求項2】
前記整地板は、中途部分が曲げられており、
前記土押面と前記土均面とが前記整地板に設けられた曲面でつながっている
ことを特徴とする請求項1に記載の耕耘作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、代表的な作業車両であるトラクタが知られている(特許文献1参照)。トラクタは、各種の作業機を牽引できる。例えば、ロータリーが回転することによって圃場を耕す耕耘作業機を牽引できる。
【0003】
ところで、耕耘作業機は、ロータリーによって耕された圃場を均すべくリヤカバーを備えている(特許文献2参照)。リヤカバーは、中途部分から後端部分にかけて円弧状に形成された整地板を有しており、その一部が圃場に接するように配置されている。そのため、リヤカバーは、土を押しながら窪みを埋めていき、圃場の凹凸を平らに均すことができるのである。しかし、従来の耕耘作業機においては、圃場の凹凸が大きい場合に平らに均すことができないという問題があった。つまり、タイヤの轍が深い場合やロータリーによって掘り起こされた土が高く積み上がっている場合など、圃場の凹凸が大きい場合に平らに均すことができないという問題があったのである。そこで、整地性能を向上させた耕耘作業機が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-188430号公報
【文献】特開2015-181401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
整地性能を向上させた耕耘作業機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
請求項1に係る発明は、耕耘爪とロータリーカバーとリヤカバーと有するロータリーを備える耕耘作業機において、前記ロータリーが耕した土を押す土押面と前記ロータリーが耕した土を均す土均面とを有し、前記リヤカバーを構成する整地板には、前記土押面と前記土均面が設けられているとともに、さらに、前記土均面には、進行方向に対して直角に交わる方向に溝部が設けられ、前記溝部の断面形状は、圃場面を底辺とし圃場面に対して鋭角となる二つの斜面を有し、前記整地板は、その後端部が曲げ返されており、前記後端部は、前記斜面に接した状態で固定されているものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記整地板は、中途部分が曲げられており、前記土押面と前記土均面とが前記整地板に設けられた曲面でつながっているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
本発明によれば、土の特性に関わらず、土をより高く盛り上げて崩れやすくし、崩れた土を均すことができるので、整地性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】トラクタを示す図。
図2】トラクタのリンク機構を示す図。
図3】耕耘作業機の昇降動作を示す図。
図4】耕耘作業機の傾斜動作を示す図。
図5】耕耘作業機を示す図。
図6図5の矢印Xから見た図。
図7図5の矢印Yから見た図。
図8図5の矢印Zから見た図。
図9】耕深伝達機構を示す図。
図10】耕耘深さに応じてリヤカバーが回動する状況を示す図。
図11】耕耘作業機の一部詳細を示す図。
図12】ヒッチメンバを介して耕耘作業機が連結される構造を示す図。
図13】ロータリーが耕した土量とリヤカバーが均す土量の関係を示す図。
図14】整地板に押されて盛り上がった土の形状を示す図。
図15】整地板を示す図。
図16】整地板の中途部分から後端部分を示す図。
図17】整地板の後端部分を示す図。
図18】圃場の凹凸を均していく状況を示す図。
図19】ロータリーにおけるタインの配置を示す図。
図20】ロータリーにおけるタインの配置を示す図。
図21】ロータリーにおけるタインの配置を示す図。
図22】ロータリーにおけるタインの配置を示す図。
図23】ロータリーにおけるタインの配置を示す図。
図24】ロータリーにおけるタインの配置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、トラクタ1について簡単に説明する。
【0013】
図1は、トラクタ1を示している。図中には、トラクタ1の前後方向、左右方向及び上下方向を表す。
【0014】
トラクタ1は、主に、フレーム11と、エンジン12と、トランスミッション13と、フロントアクスル14と、リヤアクスル15と、で構成されている。また、トラクタ1は、キャビン16を備えている。
【0015】
フレーム11は、トラクタ1の前部における骨格をなす。フレーム11は、トランスミッション13やリヤアクスル15とともにトラクタ1のシャシを構成する。以下に説明するエンジン12は、フレーム11によって支持される。
【0016】
エンジン12は、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを運動エネルギーに変換する。つまり、エンジン12は、燃料を燃やすことによって回転動力を生み出す。なお、エンジン12には、制御装置が接続されている。制御装置は、オペレータがアクセルペダルを操作すると、その操作に応じてエンジン12の運転状態を変更する。
【0017】
トランスミッション13は、エンジン12の回転動力をフロントアクスル14やリヤアクスル15に伝達する。トランスミッション13には、クラッチを介してエンジン12の回転動力が入力される。なお、トランスミッション13には、無段変速装置が備えられている。無段変速装置は、オペレータがシフトレバーを操作すると、その操作に応じてトランスミッション13の作動状態を変更する。
【0018】
フロントアクスル14は、エンジン12の回転動力をフロントタイヤ141に伝達する。フロントアクスル14には、トランスミッション13を介してエンジン12の回転動力が入力される。なお、フロントアクスル14には、操舵装置が並設されている。操舵装置は、オペレータがハンドルを操作すると、その操作に応じてフロントタイヤ141の舵角を変更する。
【0019】
リヤアクスル15は、エンジン12の回転動力をリヤタイヤ151に伝達する。リヤアクスル15には、トランスミッション13を介してエンジン12の回転動力が入力される。なお、リヤアクスル15には、PTO駆動装置が設けられている。PTO駆動装置は、オペレータがスイッチを操作すると、牽引する作業機械(後述する耕耘作業機2・3など)に回転動力を入力する。
【0020】
次に、リンク機構17について説明する。
【0021】
図2は、トラクタ1のリンク機構17を示している。以下では、ヒッチメンバ18を介して耕耘作業機2が連結されている状態を想定して説明する(図12参照)。なお、図3は、耕耘作業機2の昇降動作を示している。図4は、耕耘作業機2の傾斜動作を示している。図中には、トラクタ1の前後方向、左右方向及び上下方向を表す。
【0022】
リンク機構17は、トップブラケット171と、トップリンク172と、を具備している。また、リンク機構17は、ロワブラケット173と、ロワリンク174と、を具備している。更に、リンク機構17は、リフトアーム175と、昇降用アクチュエータ176と、リフトリンク177と、傾斜用アクチュエータ178と、を具備している。
【0023】
トップブラケット171は、トランスミッション13の後部に取り付けられている。トップブラケット171は、二枚のプレートを平行に配置したヒンジ部を有している。ヒンジ部には、水平方向に二枚のプレートを貫くピン孔が設けられている。
【0024】
トップリンク172は、トップブラケット171のヒンジ部に取り付けられている。トップリンク172は、基端部に取り付けられたクレビスのピン孔とトップブラケット171のピン孔を重ね合わせた状態でピンP1が挿入されることにより、該ピンP1を中心として回動自在に連結されている。また、トップリンク172は、先端部に取り付けられたクレビスのピン孔とヒッチメンバ18のピン孔を重ね合わせた状態でピンP2が挿入されることにより、該ピンP2を中心として回動自在に連結されている(図12参照)。なお、耕耘作業機2は、ヒッチメンバ18のフック18Fに引っ掛けられる(図12参照)。
【0025】
ロワブラケット173は、トランスミッション13の下部に取り付けられている。ロワブラケット173は、二枚のプレートを平行に配置したヒンジ部を有している。ヒンジ部には、水平方向に二枚のプレートを貫くピン孔が設けられている。
【0026】
ロワリンク174は、ロワブラケット173のヒンジ部に取り付けられている。ロワリンク174は、基端部に設けられたピン孔とロワブラケット173のピン孔を重ね合わせた状態でピン(図示せず)が挿入されることにより、該ピンを中心として回動自在に連結されている。また、ロワリンク174は、先端部に設けられたフック17Fがヒッチメンバ18のロッド18Rに掛けられることにより、該ロッド18Rを中心として回動自在に連結されている(図12参照)。なお、耕耘作業機2は、そのロッド29とヒッチメンバ18のスリットが嵌合して固定される(図12参照)。
【0027】
リフトアーム175は、トランスミッション13の側部に取り付けられている。リフトアーム175は、基端部に設けられたシャフト孔にトランスミッション13のシャフト13Sが嵌め込まれることにより、該シャフト13Sを中心として回動自在に支持されている。また、リフトアーム175は、先端部にクレビスが形成されており、該クレビスにユニバーサルジョイント(図示せず)が取り付けられている。
【0028】
昇降用アクチュエータ176は、トランスミッション13の上部に取り付けられている。昇降用アクチュエータ176は、シリンダがトランスミッション13のアッパーカバーに形成されており、該トランスミッション13の一部として一体化している。また、昇降用アクチュエータ176は、ピストンロッドにピボットピンが取り付けられており、該ピボットピンがシャフト13Sに取り付けられたピボットアームに当接している。
【0029】
リフトリンク177は、左側のリフトアーム175とロワリンク174に取り付けられている。リフトリンク177は、基端部に取り付けられたクレビスのピン孔とユニバーサルジョイント(図示せず)のピン孔を重ね合わせた状態でピン(図示せず)が挿入されることにより、該ピンを中心として回動自在に連結されている。また、リフトリンク177は、先端部に取り付けられたクレビスのピン孔とロワリンク174のピン孔を重ね合わせた状態でピン(図示せず)が挿入されることにより、該ピンを中心として回動自在に連結されている。
【0030】
傾斜用アクチュエータ178は、右側のリフトアーム175とロワリンク174に取り付けられている。傾斜用アクチュエータ178は、シリンダに取り付けられたクレビスのピン孔とユニバーサルジョイント(図示せず)のピン孔を重ね合わせた状態でピン(図示せず)が挿入されることにより、該ピンを中心として回動自在に連結されている。また、傾斜用アクチュエータ178は、ピストンロッドに取り付けられたクレビスのピン孔とロワリンク174のピン孔を重ね合わせた状態でピン(図示せず)が挿入されることにより、該ピンを中心として回動自在に連結されている。
【0031】
このような構造により、昇降用アクチュエータ176のピストンロッドが摺動して押し出されると(昇降用アクチュエータ176が伸長すると)、リフトアーム175が上方へ回動することとなる。すると、リフトアーム175がリフトリンク177と傾斜用アクチュエータ178を介して左右のロワリンク174を引き上げるので、耕耘作業機2の高さが高くなるのである(図3(A)の矢印Ra参照)。従って、耕耘作業機2が沈み込む状況でかかる動作を実現すれば、耕耘深さが一定状態のまま維持されることとなる。
【0032】
反対に、昇降用アクチュエータ176のピストンロッドが摺動して引き込まれると(昇降用アクチュエータ176が収縮すると)、リフトアーム175が下方へ回動することとなる。すると、リフトアーム175がリフトリンク177と傾斜用アクチュエータ178を介して左右のロワリンク174を押し下げるので、耕耘作業機2の高さが低くなるのである(図3(B)の矢印Rb参照)。従って、耕耘作業機2が浮き上がる状況でかかる動作を実現すれば、耕耘深さが一定状態のまま維持されることとなる。
【0033】
加えて、傾斜用アクチュエータ178のピストンロッドが摺動して押し出されると(傾斜用アクチュエータ178が伸長すると)、傾斜用アクチュエータ178が取り付けられている右側のロワリンク174のみが下方へ回動することとなる。すると、左側のロワリンク174がそのまま維持されるのに対し、右側のロワリンク174が押し下げられるので、耕耘作業機2が右下がりに傾くのである(図4(A)の矢印Rc参照)。従って、トラクタ1が左側に傾いている状況でかかる動作を実現すれば、耕耘作業機2が水平状態のまま維持されることとなる。
【0034】
反対に、傾斜用アクチュエータ178のピストンロッドが摺動して引き込まれると(傾斜用アクチュエータ178が収縮すると)、傾斜用アクチュエータ178が取り付けられている右側のロワリンク174のみが上方へ回動することとなる。すると、左側のロワリンク174がそのまま維持されるのに対し、右側のロワリンク174が引き上げられるので、耕耘作業機2が右上がりに傾くのである(図4(B)の矢印Rd参照)。従って、トラクタ1が右側に傾いている状況でかかる動作を実現すれば、耕耘作業機2が水平状態のまま維持されることとなる。
【0035】
次に、耕耘作業機2について説明する。
【0036】
図5は、耕耘作業機2を示している。図6は、図5の矢印Xから見た図であり、図7は、図5の矢印Yから見た図である。また、図8は、図5の矢印Zから見た図である。図中には、トラクタ1の前後方向、左右方向及び上下方向を表す。
【0037】
耕耘作業機2は、ロータリー21と、ロータリーカバー22と、リヤカバー23と、ギヤユニット24と、を備えている。
【0038】
ロータリー21は、回転軸の周囲に複数のタイン211を取り付けた構造体である。ロータリー21は、回転軸とともにタイン211が回転し、圃場を耕す。
【0039】
ロータリーカバー22は、前端部分から後端部分にかけて円弧状に形成されたカバープレート221を有する構造体である。ロータリーカバー22は、カバープレート221がロータリー21に沿うように配置され、該ロータリー21の上方を覆う。
【0040】
リヤカバー23は、中途部分から後端部分にかけて円弧状に形成されたカバープレート231を有する構造体である。リヤカバー23は、カバープレート231の前側がロータリー21に沿うように配置され、該ロータリー21の後方を覆う。また、リヤカバー23は、カバープレート231の一部が圃場に接するように配置され、該圃場の凹凸を均す。なお、リヤカバー23は、ロータリーカバー22に設けられたヒンジ222によって回動自在となっている(図10の矢印Re・Rf参照)。
【0041】
ギヤユニット24は、ケース24cの内部に複数のギヤを収容した構造体である。ギヤユニット24は、パイプケース27の内側を通るドライブシャフトを回転させ、ロータリー21に回転動力を伝達する。なお、ギヤユニット24は、PTO駆動装置の位置に合わせて左右方向の中央部に配置されている。また、パイプケース27は、ロータリーカバー22の上面に沿うように、左右方向に対して平行に配置されている。パイプケース27は、耕耘作業機2の剛性を向上させる役割を有する。
【0042】
また、耕耘作業機2は、ハンガーラック機構25を備えている。
【0043】
ハンガーラック機構25は、ハンガーブラケット251と、ハンガーステイ252と、ハンガーロッド253と、で構成されている。
【0044】
ハンガーブラケット251は、リヤカバー23に溶接されている。ハンガーブラケット251は、リヤカバー23から上方に向けて延びている。ハンガーブラケット251は、二枚のプレートを平行に配置したヒンジ部を有している。ヒンジ部には、水平方向に二枚のプレートを貫くピン孔が設けられている。
【0045】
ハンガーステイ252は、ロータリーカバー22に溶接されている。ハンガーステイ252は、フレームパイプ28から後側上方に向けて延びている。ハンガーステイ252は、二枚のプレートを平行に配置したガイドピースを有している。ガイドピースには、略上下方向に二枚のプレートを貫くロッド孔が設けられている。更に、ハンガーステイ252には、ピンを摺動自在としたロック機構252Mが設けられている。なお、フレームパイプ28は、パイプケース27の後方でロータリーカバー22の上面に沿うように、左右方向に対して平行に配置されている。フレームパイプ28も、耕耘作業機2の剛性を向上させる役割を有する。
【0046】
ハンガーロッド253は、ハンガーブラケット251とハンガーステイ252に取り付けられている。ハンガーロッド253は、基端部に取り付けられたクレビスのピン孔とハンガーブラケット251のピン孔を重ね合わせた状態でピン(図示せず)が挿入されることにより、該ピンを中心として回動自在に連結されている。また、ハンガーロッド253は、その先端部がハンガーステイ252を構成するガイドピースのロッド孔に挿入されることにより、該ロッド孔の内周に沿って摺動自在に支持されている。なお、ハンガーロッド253には、その周面を垂直に貫くピン孔が設けられている。
【0047】
このような構造により、ハンガーラック機構25は、ロック機構252Mのピンをハンガーロッド253のピン孔に挿入することにより、リヤカバー23を上方に回動させた状態で保持できる。
【0048】
更に、耕耘作業機2は、耕深伝達機構26を備えている。
【0049】
図9は、耕深伝達機構26を示している。図中には、トラクタ1の前後方向、左右方向及び上下方向を表す。
【0050】
耕深伝達機構26は、ステイ261と、ロッド262と、アーム263と、プッシュプルワイヤ264と、リンクレバー265と、で構成されている。
【0051】
ステイ261は、リヤカバー23に固定されている。ステイ261の一端には、ロッド孔が形成されている。そして、ステイ261のロッド孔には、ロッド262の一端を折り曲げた掛止部が挿入され、該掛止部がスナップピンで留められている。こうして、ロッド262は、ステイ261に連結される。なお、ステイ261は、ギヤユニット24の右側であって、リヤカバー23の上面に固定されている。また、ロッド262は、ステイ261からアーム263へ前側上方に向けて配置される。
【0052】
アーム263は、アームブラケット263Bによって回動自在に支持されている(図11(A)参照)。アームブラケット263Bは、ハンガーステイ252の上面及び側面に沿うように固定されている(図11(A)参照)。アーム263の一端には、ロッド孔が形成されている。そして、アーム263のロッド孔には、ロッド262の他端を折り曲げた掛止部が挿入され、該掛止部がスナップピンで留められている。そのため、アーム263は、ロッド262によって回動する。また、アーム263の他端には、ピン孔が形成されている。アーム263のピン孔には、プッシュプルワイヤ264の一端にかしめられたワイヤエンドのピン孔とともにピンが挿入され、該ピンがスナップピンで留められている。こうして、プッシュプルワイヤ264は、アーム263に連結される。なお、アーム263は、ギヤユニット24の右側であって、ハンガーステイ252の右側に配置される。また、プッシュプルワイヤ264は、アーム263からリンクレバー265へギヤユニット24の後側を周り込むように配置される。このとき、プッシュプルワイヤ264は、その一端がアームブラケット263Bの切り欠きに挟まれた状態で保持される。また、プッシュプルワイヤ264は、ロータリーカバー22の上面に沿うようにワイヤリングによって固定される。そして、プッシュプルワイヤ264は、左右のパイプケース27の上方を通る。
【0053】
リンクレバー265は、リンクレバーブラケット265Bによって回動自在に支持されている(図11(B)参照)。リンクレバーブラケット265Bは、パイプケース27の前側で該パイプケース27に対して垂直に固定されている(図11(B)参照)。リンクレバー265の一端には、ピン孔が形成されている。リンクレバー265のピン孔には、プッシュプルワイヤ264の他端にかしめられたワイヤエンドのピン孔とともにピンが挿入され、該ピンがスナップピンで留められている。そのため、リンクレバー265は、プッシュプルワイヤ264によって回動する。また、リンクレバー265の他端には、当接部265Tが形成されている。リンクレバー265の当接部265Tには、オートレバー181の当接部181Tが合わさっている(図12参照)。なお、リンクレバー265は、ギヤユニット24の左側であって、パイプケース27の前側に配置される。
【0054】
次に、本耕耘作業機2の動作態様について説明する。
【0055】
図10は、耕耘深さDに応じてリヤカバー23が回動する状況を示している。図中には、トラクタ1の前後方向及び上下方向を表す。
【0056】
図10の(A)に示すように、圃場が柔らかい場合、ロータリー21は、圃場に深く沈み込む。このとき、リヤカバー23は、圃場の表面が相対的に上がるので、上方へ回動することとなる(矢印Re参照)。すると、ステイ261がロッド262を押し上げ、ロッド262がアーム263を一方へ回動させる。そして、アーム263がプッシュプルワイヤ264を引くのである(図9の矢印M参照)。こうして、プッシュプルワイヤ264がリンクレバー265を一方へ回動させる。このように、耕耘作業機2は、リヤカバー23が上方へ回動すると、プッシュプルワイヤ264を引き、リンクレバー267を一方へ回動させる。かかる動作は、オートレバー181とオートワイヤ182を介してトラクタ1に伝達される(図12参照)。つまり、耕耘深さDに応じた物理量(ストローク量)がトラクタ1に伝達されるのである。
【0057】
図10の(B)に示すように、圃場が硬い場合、ロータリー21は、圃場に浅く浮き上がる。このとき、リヤカバー23は、圃場の表面が相対的に下がるので、下方へ回動することとなる(矢印Rf参照)。すると、ステイ261がロッド262を引き下げ、ロッド262がアーム263を他方へ回動させる。そして、アーム263がプッシュプルワイヤ264を押すのである(図9の矢印N参照)。こうして、プッシュプルワイヤ264がリンクレバー265を他方へ回動させる。このように、耕耘作業機2は、リヤカバー23が下方へ回動すると、プッシュプルワイヤ264を押し、リンクレバー267を他方へ回動させる。かかる動作は、オートレバー181とオートワイヤ182を介してトラクタ1に伝達される(図12参照)。つまり、耕耘深さDに応じた物理量(ストローク量)がトラクタ1に伝達されるのである。
【0058】
以下に、本耕耘作業機2の主たる特徴点について説明する。
【0059】
上述したように、リヤカバー23は、カバープレート231の一部が圃場に接するように配置され、該圃場の凹凸を均す。従って、カバープレート231を「整地板231」と称する。
【0060】
まず、本願発明が属する技術分野の基礎的事項について説明する。
【0061】
図13は、ロータリー21が耕した土量とリヤカバー23が均す土量の関係を示している。図14は、整地板231に押されて盛り上がった土の形状を示している。図中には、トラクタ1の前後方向及び上下方向を表す。
【0062】
ロータリー21が耕した土量は、耕耘深さDとタイン211の回転径から定まる面積Saが算出要素となる。面積Saは、タイン211の形状が変わらなければ、耕耘深さDによって一義的に定まる。ロータリー21が耕した土量は、面積Saとロータリー21の左右方向の長さを掛けた値となる。
【0063】
リヤカバー23が均す土量は、耕耘深さDと整地板231に押されて盛り上がった土の形状などから定まる面積Sbが算出要素となる。面積Sbは、整地板231の形状が変わらなければ、耕耘深さDによって一義的に定まる。リヤカバー23が均す土量は、面積Sbとリヤカバー23の左右方向の長さを掛けた値となる。
【0064】
ここで、ロータリー21とリヤカバー23は、互いに前後関係にある。つまり、ロータリー21は、リヤカバー23の前側近傍にあり、リヤカバー23は、ロータリー21の後側近傍にある。すると、ロータリー21が耕した土量は、リヤカバー23が均す土量であり、リヤカバー23が均す土量は、ロータリー21が耕した土量といえる。従って、ロータリー21の左右方向の長さとリヤカバー23の左右方向の長さがほぼ同じであることを考慮すると、面積Saと面積Sbは、おおよそ等しい値であることがわかる。なお、整地板231の形状が異なる場合であっても、面積Saと面積Sbがおおよそ等しい値であることには変わらない。但し、整地板231に押されて盛り上がった土の形状が異なることに留意すべきである。
【0065】
整地板231に押されて盛り上がった土は、該整地板231に沿って高くなり、小高い山Msとなる。山Msは、整地板231に寄り添っているので、その裾から頂上までが一様の押力P(P1・P2・P3・・・)で押されることとなる。一方、山Msには、せん断強さが抗力R(R1・R2・R3・・・)として作用する。せん断強さは土の重量によって定まることから、抗力R(R1・R2・R3・・・)は、裾から頂上へ向かうにつれて徐々に弱くなっていく。従って、山Msの頂上付近では、土が崩れやすく、土が盛り上がっては崩れるのを繰り返すのである。これは、山Msが高ければ高いほど顕著となる。
【0066】
次に、整地板231の形状について説明する。
【0067】
図15は、整地板231を示している。図16は、整地板231の中途部分から後端部分を示している。そして、図17は、整地板231の後端部分を示している。図中には、トラクタ1の前後方向及び上下方向を表す。
【0068】
整地板231は、その前縁部分に第一板部231aが形成されている。整地板231は、左右方向の線Laに沿って曲げられ、この線Laを稜線とする第二板部231bが形成されている。また、整地板231は、左右方向の線Lbに沿って曲げられ、この線Lbを谷線とする第三板部231cが形成されている。更に、整地板231は、左右方向の線Lcに沿って曲げられ、この線Lcを稜線とする第四板部231dが形成されている。なお、第四板部231dは、左右方向の線Ldを中心に円弧状に曲げられている。そのため、第四板部231dには、曲面231Rでつながる二つの面が形成されることとなる。本願においては、曲面231Rにつながる前側の面を「土押面231S」と定義する。また、曲面231Rにつながる後側の面を「土均面231T」と定義する。
【0069】
土押面231Sは、第四板部231dに形成された平らな部分であって、土を押す役割が与えられている。土押面231Sは、従来の整地板231zにおける相当部分よりも圃場面GLの近傍まで延びて曲面231Rにつながっている。一方、土均面231Tは、第四板部231dに形成された緩やかに湾曲した部分であって、土を均す役割が与えられている。土均面231Tは、従来の整地板231zにおける相当部分よりも低い位置で曲面231Rにつながっている。従って、土押面231Sと土均面231Tをつなぐ曲面231Rは、曲げ半径Rが小さく、かつ曲げ半径Rの中心位置(曲げ中心Cの高さHd)が低くなっている。
【0070】
具体的に説明すると、従来の整地板231zにおいては、曲げ半径Rzの値が250mmであったのに対し、本実施形態に係る整地板231においては、曲げ半径Rの値が50mmとなっている。また、従来の整地板231zにおいては、曲げ半径Rzの中心位置(曲げ中心Czの高さHdz)が盛り上がった土の平均高さHszよりも高かったのに対し、本実施形態に係る整地板231においては、曲げ半径Rの中心位置(曲げ中心Cの高さHd)が盛り上がった土の平均高さHsよりも低くなっている。
【0071】
以上より、本耕耘作業機2は、リヤカバー23を構成する整地板231の中途部分が曲げられて当該整地板231に土押面231Sと土均面231Tが形成されている。そして、土押面231Sと土均面231Tをつなぐ曲面231Rは、その曲げ半径Rの中心位置(曲げ中心Cの高さHd)が土押面231Sに押されて盛り上がった土の平均高さHsよりも低くなっている。これにより、本耕耘作業機2は、土をより高く盛り上げて崩れやすくし(図18の矢印A参照)、崩れた土を均すことができるので(図18の矢印B参照)、整地性能が向上する。
【0072】
また、上述したように、本実施形態における整地板231の曲げ半径Rは、50mmとなっている。しかしながら、この値に限定するものではない。50mmという値は、所定の条件に基づいて導き出されたものだからである。なお、土の粘土など諸条件が異なる場合を考慮すれば、30mmから70mmの範囲内で優位性があるといえる。
【0073】
以上より、曲げ半径Rは、30mmよりも大きく70mmよりも小さい値であればよい。これにより、本耕耘作業機2は、土の特性に関わらず、土をより高く盛り上げて崩れやすくし(図18の矢印A参照)、崩れた土を均すことができるので(図18の矢印B参照)、整地性能が向上する。
【0074】
更に、整地板231は、左右方向の線Leに沿って曲げられ、この線Leを谷線とする第五板部231eが形成されている。また、整地板231は、左右方に向の線Lfに沿って曲げられ、この線Lfを稜線とする第六板部231fが形成されている。更に、整地板231は、左右方向の線Lgに沿って曲げられ、この線Lgを谷線とする第七板部231gが形成されている。このようにして、整地板231には、進行方向(トラクタ1が前進する方向)に対して直角に交わる溝部231Uが形成されているのである。なお、第五板部231eから第七板部231gの面は、第四板部231dの土均面231Sにつながっており、同じく土を均す役割が与えられている。そのため、土均面231Sに溝部231Uが形成されているといえる。
【0075】
以上より、土均面231Tには、進行方向に対して直角に交わる方向に溝部231Uが設けられている。これにより、本耕耘作業機2は、溝部231Uの内側で土が盛り上がり(図18の矢印C参照)、再び均すことができるので(図18の矢印D参照)、整地性能が向上する。
【0076】
加えて、溝部231Uの断面形状は、圃場面GLを底辺とし圃場面GLに対して鋭角となる二つの斜面(第五板部231eの面と第六板部231fの面)を斜辺とした略楔形状となっている。これにより、本耕耘作業機2は、溝部231Uが土を適宜に押し付けるので(図18の矢印F参照)、整地性能が向上する。
【0077】
更に、整地板231は、左右方向の線Lhを中心に円弧状に曲げ返されて第八板部231hが形成されている。第八板部231hは、その端部が第五板部231eに接した状態で溶接されている(※印部参照)。
【0078】
即ち、リヤカバー23は、その後端部分が曲げ返されて溝部231Uを構成する斜面板(第五板部231e)に接した状態で溶接されている。これにより、本耕耘作業機2は、リヤカバー23の剛性が向上する。
【0079】
以下に、本耕耘作業機2を構成するロータリー21について説明する。
【0080】
図19から図24は、ロータリー21におけるタイン211の配置を示している。(A)は、ロータリー21を上方から見た図であり、(B)は、ロータリー21を左方から見た図である。図中の矢印Mは、ロータリー21の耕耘方向を表し、図中の矢印Nは、ロータリー21の回転方向を表す。なお、図中には、それぞれのタイン211に付された番号を表す。
【0081】
図19に示すロータリー21は、計30本のタイン211を備えている。各タイン211は、回転軸のホルダに挿入された状態で固定されている。左端に配置された第1番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも左側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。また、左端から第2、第3、第6、第7、第11、第12、第13、第16、第17、第21、第22、第23、第26、第27番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。更に、左端から第4、第5、第8、第9、第10、第14、第15、第18、第19、第20、第24、第25、第28、第29番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。そして、左端から第30番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも右側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。なお、全てのタイン211を投影した場合、隣り合うタイン211の位相角は、12. 0度で一定となっている。また、第1と第2、第5と第6、第10と第11、第15と第16、第20と第21、第25と第26、第29と第30番目のタイン211は、同一の円周上に配置されている。
【0082】
図20に示すロータリー21は、計32本のタイン211を備えている。各タイン211は、回転軸のホルダに挿入された状態で固定されている。左端に配置された第1番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも左側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。また、左端から第2、第3、第7、第8、第12、第13、第17、第18、第19、第22、第23、第24、第27、第28、第29番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。更に、左端から第4、第5、第6、第9、第10、第11、第14、第15、第16、第20、第21、第25、第26、第30、第31番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。そして、左端から第32番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも右側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。なお、全てのタイン211を投影した場合、隣り合うタイン211の位相角は、約11. 3度で一定となっている。また、第1と第2、第6と第7、第11と第12、第16と第17、第21と第22、第26と第27、第31と第32番目のタイン211は、同一の円周上に配置されている。
【0083】
図21に示すロータリー21は、計34本のタイン211を備えている。各タイン211は、回転軸のホルダに挿入された状態で固定されている。左端に配置された第1番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも左側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。また、左端から第2、第3、第7、第8、第9、第13、第14、第15、第18、第19、第23、第24、第25、第29、第30、第31番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。更に、左端から第4、第5、第6、第10、第11、第12、第16、第17、第20、第21、第22、第26、第27、第28、第32、第33番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。そして、左端から第34番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも右側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。なお、全てのタイン211を投影した場合、隣り合うタイン211の位相角は、約10. 6度で一定となっている。また、第1と第2、第6と第7、第12と第13、第17と第18、第22と第23、第28と第29、第33と第34番目のタイン211は、同一の円周上に配置されている。
【0084】
図22に示すロータリー21は、計38本のタイン211を備えている。各タイン211は、回転軸のホルダに挿入された状態で固定されている。左端に配置された第1番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも左側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。また、左端から第2、第3、第7、第8、第9、第14、第15、第16、第20、第21、第22、第26、第27、第28、第29、第33、第34、第35番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。更に、左端から第4、第5、第6、第10、第11、第12、第13、第17、第18、第19、第23、第24、第25、第30、第31、第32、第36、第37番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。そして、左端から第38番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも右側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。なお、全てのタイン211を投影した場合、隣り合うタイン211の位相角は、約9. 5度で一定となっている。また、第1と第2、第6と第7、第13と第14、第19と第20、第25と第26、第32と第33、第37と第38番目のタイン211は、同一の円周上に配置されている。
【0085】
図23に示すロータリー21は、計40本のタイン211を備えている。各タイン211は、回転軸のホルダに挿入された状態で固定されている。左端に配置された第1番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも左側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。また、左端から第2、第3、第4、第5、第9、第10、第11、第15、第16、第17、第21、第22、第23、第27、第28、第29、第33、第34、第35番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。更に、左端から第6、第7、第8、第12、第13、第14、第18、第19、第20、第24、第25、第26、第30、第31、第32、第36、第37、第38、第39番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。そして、左端から第40番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも右側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。なお、全てのタイン211を投影した場合、隣り合うタイン211の位相角は、約9. 0度で一定となっている。また、第1と第2、第8と第9、第14と第15、第20と第21、第26と第27、第32と第33、第39と第40番目のタイン211は、同一の円周上に配置されている。
【0086】
図24に示すロータリー21は、計42本のタイン211を備えている。各タイン211は、回転軸のホルダに挿入された状態で固定されている。左端に配置された第1番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも左側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。また、左端から第2、第3、第6、第7、第8、第11、第12、第13、第17、第18、第19、第22、第23、第27、第28、第29、第33、第34、第38、第39番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に右側へ弯曲した形状となっている。更に、左端から第4、第5、第9、第10、第14、第15、第16、第20、第21、第24、第25、第26、第30、第31、第32、第35、第36、第37、第40、第41番目のタイン211は、刃体がホルダから真直ぐに延びており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。そして、左端から第42番目のタイン211は、刃体がホルダの位置よりも右側に偏心しており、先端に向かうにつれて徐々に左側へ弯曲した形状となっている。なお、全てのタイン211を投影した場合、隣り合うタイン211の位相角は、約8. 6度で一定となっている。また、第1と第2、第5と第6、第10と第11、第16と第17、第21と第22、第26と第27、第32と第33、第37と第38、第41と第42番目のタイン211は、同一の円周上に配置されている。
【符号の説明】
【0087】
1 トラクタ
2 耕耘作業機
21 ロータリー
23 リヤカバー
231 カバープレート(整地板)
231R 曲面
231S 土押面
231T 土均面
231U 溝部
C 曲げ中心
R 曲げ半径
Hd 曲げ中心の高さ
Hs 盛り上がった土の平均高さ
Ms 山
GL 圃場面
図1
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図3
図4
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