(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】データ分散保存方法および装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20220707BHJP
G06F 16/182 20190101ALI20220707BHJP
【FI】
G06F21/62 318
G06F16/182
(21)【出願番号】P 2020195458
(22)【出願日】2020-11-25
【審査請求日】2020-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0143083
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505112037
【氏名又は名称】ペンタ・セキュリティ・システムズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】鄭 明雨
(72)【発明者】
【氏名】朴 ▲ちょる▼
(72)【発明者】
【氏名】沈 相奎
(72)【発明者】
【氏名】金 義錫
(72)【発明者】
【氏名】金 徳洙
(72)【発明者】
【氏名】李 錫雨
【審査官】中里 裕正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/158016(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/029139(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/025384(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0147821(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
G06F 16/182
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドデバイス(end device)およびセントラルクラウド(central cloud)と通信する
複数のエッジノード(edge node
s)を含むデータ分散保存装置でデータを分散保存する方法であって、
エンドデバイスからデータを
、前記複数のエッジノードのうち、第1エッジノードで受信する段階
、
前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与する段階
、および
第1エッジノードで前記データタグが付与されたデータをセントラルクラウドに伝送する段階
、を含み、
前記データの特性は、データのセキュリティレベル、データの要請頻度、およびデータ可用性確保政策を含み、
前記データタグは、前記セントラルクラウドでデータ分散政策により、前記複数のエッジノードのうち、前記データを分散して保存する第2エッジノードを選択することに使われ、
前記データ分散政策によって複製されたデータコピー
は、前記第2エッジノードに伝送される、
データ分散保存方法。
【請求項2】
前記データ可用性確保政策は、
前記データ
コピーが保存される
前記第2エッジノードと
前記データを要請するエンドデバイスの地理的位置を考慮する政策、または
前記第1エッジノード
と前記第2エッジノード間ネットワークの
連結状態を考慮する政策を含む、請求項
1に記載のデータ分散保存方法。
【請求項3】
前記データ分散政策は、
前記セントラルクラウドでエッジノードの保存空間、活性化状態およびデータ処理速度を考
慮する政策を含む、請求項1に記載のデータ分散保存方法。
【請求項4】
前記データ分散政策は、
前記セントラルクラウドで前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードおよび前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードのうち、前記データコピーに直ちに接近可能なエッジノードを選択する政策を含む、請求項1に記載のデータ分散保存方法。
【請求項5】
前記セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策を
前記第1エッジノードで受信する段階
、
前記データ分散政策により、前記第1エッジノードでデータコピーを複製する段階
、および
前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを
前記第2エッジノードに伝送する段階を
、さらに含む、請求項1に記載のデータ分散保存方法。
【請求項6】
エンドデバイスおよびセントラルクラウドと通信する
複数のエッジノードを含むデータ分散保存装置であって、
プロセッサ
、および
前記プロセッサを通じて実現される少なくとも一つの命令を保存するメモリ
、を含み、
前記少なくとも一つの命令は、
エンドデバイスからデータを
、前記複数のエッジノードのうち、第1エッジノードで受信するようにする命令
、
前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与するようにする命令
、および
第1エッジノードで前記データタグが付与されたデータをセントラルクラウドに伝送するようにする命令
、を含み、
前記データの特性は、データのセキュリティレベル、データの要請頻度、およびデータ可用性確保政策を含み、
前記データタグは、前記セントラルクラウドでデータ分散政策により、前記複数のエッジノードのうち、前記データを分散して保存する第2エッジノードを選択することに使われ、
前記データ分散政策によって複製されたデータコピー
は、前記第2エッジノードに伝送される、
データ分散保存装置。
【請求項7】
前記データ可用性確保政策は、
前記データ
コピーが保存される
前記第2エッジノードと
前記データを要請するエンドデバイスの地理的位置を考慮する政策、または
前記第1エッジノード
と前記第2エッジノード間ネットワークの
連結状態を考慮する政策を含む、請求項
6に記載のデータ分散保存装置。
【請求項8】
前記データ分散政策は、
前記セントラルクラウドでエッジノードの保存空間、活性化状態およびデータ処理速度を考
慮する政策を含む、請求項
6に記載のデータ分散保存装置。
【請求項9】
前記データ分散政策は、
前記セントラルクラウドで前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードおよび前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードのうち、前記データコピーに直ちに接近可能なエッジノードを選択する政策を含む、請求項
6に記載のデータ分散保存装置。
【請求項10】
前記
少なくとも一つの命令は、
前記
データ分散政策を
前記第1エッジノードで受信するようにする命令
、
前記データ分散政策により、前記第1エッジノードでデータコピーを複製するようにする命令
、および
前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを
前記第2エッジノードに伝送するようにする命令
、を
さらに含む、請求項
6に記載のデータ分散保存装置。
【請求項11】
複数のエッジノード(edge nodes)と通信するセントラルクラウド(central cloud)に含まれるデータ分散保存装置でデータを分散保存する方法であって、
エンドデバイス(end device)から受信され、データの特性に応じてデータタグの付与されたデータを、前記複数のエッジノードのうち、第1エッジノードから受信する段階、
前記データタグとデータ分散政策により、前記複数のエッジノードのうち、前記データを分散して保存する第2エッジノードを選択する段階、および
前記データ分散政策により、データコピーが前記第2エッジノードに伝送されるようにする段階、を含み、
前記データの特性は、データのセキュリティレベル、データの要請頻度、およびデータ可用性確保政策を含む、
データ分散保存方法。
【請求項12】
前記データ分散政策は、前記セントラルクラウドでエッジノードの保存空間、活性化状態、およびデータ処理速度を考慮し、前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードおよび前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードのうち、前記データコピーに直ちに接近可能なエッジノードを選択する政策を含む、請求項11に記載のデータ分散保存方法。
【請求項13】
前記データ可用性確保政策は、前記データコピーが保存される前記第2エッジノードと前記データを要請するエンドデバイスの地理的位置を考慮する政策、または、前記第1エッジノードと前記第2エッジノード間ネットワークの連結状態を考慮する政策を含み、
前記ネットワークの連結状態を考慮する政策は、前記データ分散政策を前記第1エッジノードに伝送することを含む、請求項11に記載のデータ分散保存方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータを分散して保存する方法および装置に関し、さらに詳細にはデータを複製して分散保存する方法および装置に関することである。
【背景技術】
【0002】
エッジクラウド(edge cloud)は、4次産業革命の核心基盤要素として浮び上がっているデータの多様な活用が増加するにつれて活用される技術であって、エッジコンピューティング技術を活用して端末に情報サービスを提供する技術を意味する。
【0003】
ただし、エッジクラウド間データを要請する場合、中央処理サーバーであるセントラルクラウド(central cloud)で処理することになるが、エッジクラウド間データの要請が多数発生する場合、セントラルクラウドでボトルネック現象(bottleneck)が発生することになる。これは既存のクラウド環境と同一の問題であり、このようなボトルネック現象によりデータの要請に対する応答時間が増加し、リアルタイムにデータの処理が難しい問題がある。
【0004】
また、エッジクラウド環境ではデータの重要度による管理が難しい問題がある。それだけでなく、エッジクラウド環境ではデータの毀損を目標とする攻撃(例えば、ランサムウェアなど)に脆弱である。
【0005】
これに対する問題を解決しようとエッジノード間全体データをバックアップする場合、資源が制限されたエッジノードに制限となり得る。また、セントラルクラウドのバックアップデータが損傷する場合、復旧する方法がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のような問題点を解決するための本発明の目的は、エッジクラウドで発生し得るデータ可用性問題を解決する方法を提供するところにある。
【0007】
前記のような問題点を解決するための本発明の目的は、セントラルクラウドで発生し得るボトルネック現象問題を解決する方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明の一実施例に係るデータ分散保存方法は、エンドデバイス(end device)およびセントラルクラウド(central cloud)と通信する一つ以上のエッジノード(edge node)を含むデータ分散保存装置でデータを分散保存する方法であって、エンドデバイスからデータを第1エッジノードで受信する段階;前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与する段階;第1エッジノードで前記データタグが付与されたデータをセントラルクラウドに伝送する段階;および一つ以上のエッジノードで前記セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策によって複製されたデータコピーを受信して保存する段階を含むことができる。
【0009】
ここで、前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与する段階は、データの特性であるデータのセキュリティレベル、データの要請頻度およびデータ可用性確保政策のうち少なくとも一つを考慮してデータタグを付与する段階を含むことができる。
【0010】
一方、前記データ可用性確保政策は、データが保存されるエッジノードとデータを要請するエンドデバイスの地理的位置を考慮する政策、またはエッジノードネットワークの状態を考慮する政策を含むことができる。
【0011】
また、前記データ分散政策は、前記セントラルクラウドでエッジノードの保存空間、活性化状態およびデータ処理速度を考慮し、前記データタグを考慮してデータコピーが保存される一つ以上のエッジノードを選択する政策を含むことができる。
【0012】
ここで、前記データ分散政策は、前記セントラルクラウドで前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードおよび前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードのうち、前記データコピーに直ちに接近可能なエッジノードを選択する政策を含むことができる。
【0013】
一方、前記一つ以上のエッジノードで前記セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策によって複製されたデータコピーを受信して保存する段階は、前記一つ以上のエッジノードがネットワークに連結されていれば、セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策を第1エッジノードで受信する段階;前記第1エッジノードでデータコピーを複製する段階;前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを一つ以上のエッジノードに伝送する段階;および前記一つ以上のエッジノードで前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを保存する段階を含むことができる。
【0014】
前記目的を達成するための本発明の他の実施例に係るデータ分散保存装置は、エンドデバイスおよびセントラルクラウドと通信する一つ以上のエッジノードを含むデータ分散保存装置であって、プロセッサ;および前記プロセッサを通じて実現される少なくとも一つの命令を保存するメモリを含み、前記少なくとも一つの命令は、エンドデバイスからデータを第1エッジノードで受信するようにする命令;前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与するようにする命令;第1エッジノードで前記データタグが付与されたデータをセントラルクラウドに伝送するようにする命令;および一つ以上のエッジノードで前記セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策によって複製されたデータコピーを受信して保存するようにする命令を含むことができる。
【0015】
ここで、前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与するようにする命令は、データの特性であるデータのセキュリティレベル、データの要請頻度およびデータ可用性確保政策のうち少なくとも一つを考慮してデータタグを付与するようにする命令を含むことができる。
【0016】
一方、前記データ可用性確保政策は、データが保存されるエッジノードとデータを要請するエンドデバイスの地理的位置を考慮する政策、またはエッジノードネットワークの状態を考慮する政策を含むことができる。
【0017】
また、前記データ分散政策は、前記セントラルクラウドでエッジノードの保存空間、活性化状態およびデータ処理速度を考慮し、前記データタグを考慮してデータコピーが保存される一つ以上のエッジノードを選択する政策を含むことができる。
【0018】
ここで、前記データ分散政策は、前記セントラルクラウドで前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードおよび前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードのうち、前記データコピーに直ちに接近可能なエッジノードを選択する政策を含むことができる。
【0019】
一方、前記一つ以上のエッジノードで前記セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策によって複製されたデータコピーを受信して保存するようにする命令は、前記一つ以上のエッジノードがネットワークに連結されていれば、セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策を第1エッジノードで受信するようにする命令;前記第1エッジノードでデータコピーを複製するようにする命令;前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを一つ以上のエッジノードに伝送するようにする命令;および前記一つ以上のエッジノードで前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを保存するようにする命令を含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施例によると、同一のデータを複数個のエッジクラウドに複製して運営する長所を有する。
【0021】
本発明の他の実施例によると、効率的なデータ分散保存政策を通じてエッジノードの状態を考慮したデータ分散保存が可能な長所を有する。
【0022】
本発明のさらに他の実施例によると、セキュリティ度が高いデータの無分別なデータ複製を防止してデータのセキュリティレベルに応じて効率的な管理が可能な長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】通常のエッジクラウドを説明するための第1例示図である。
【
図2】通常のエッジクラウドを説明するための第2例示図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るデータ分散保存方法の動作フローチャートである。
【
図4】本発明の一実施例に係るデータ分散保存方法を説明するための第1例示図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るデータ分散保存方法を説明するための第2例示図である。
【
図6】エッジノードでデータを分散保存する方法の例示図である。
【
図7】セントラルクラウドでデータを分散保存する方法の例示図である。
【
図9】データの特性のうちデータのセキュリティレベルを示した表である。
【
図10】データの特性のうちデータの要請頻度を示した表である。
【
図11】データの特性のうちデータ可用性確保政策を示した表である。
【
図12】データ可用性確保政策を説明するための例示図である。
【
図13】エッジノードの状態を説明するための表である。
【
図14】エッジノードの損傷がある場合、データを分散保存する方法を説明するための第1例示図である。
【
図15】エッジノードの損傷がある場合、データを分散保存する方法を説明するための第2例示図である。
【
図16】本発明の一実施例に係るデータ分散保存装置のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して詳細な説明に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。各図面の説明において類似する参照符号を類似する構成要素に対して使用した。
【0025】
第1、第2、A、Bなどの用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第1構成要素は第2構成要素と命名され得、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名され得る。「および/または」という用語は複数の関連した記載された項目の組み合わせまたは複数の関連した記載された項目のうちいずれかの項目を含む。
【0026】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されていたりまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0027】
本出願で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0028】
異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んでここで使われるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0029】
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1は通常のエッジクラウドを説明するための第1例示図であり、
図2は通常のエッジクラウドを説明するための第2例示図である。
【0031】
図1および
図2を参照すると、前述した通り、エッジクラウド間データを要請する場合に中央処理サーバーであるセントラルクラウド(central cloud)で処理することになるが、エッジクラウド間データの要請が多数発生する場合、セントラルクラウドでボトルネック現象(bottleneck)が発生することが分かる。
【0032】
これは既存クラウド環境で発生可能な問題であり、ボトルネック現象によりデータの要請に対する応答時間が増加し、リアルタイムにデータの処理が難しい問題がある。
【0033】
一方、最近エッジノードを通じてセントラルクラウドでのボトルネック現象問題の解決を試みたことがあるが、エッジノードの場合、データの重要度による管理が難しく、データの毀損を目標とした攻撃(例えば、ランサムウェアなど)に脆弱な問題がある。
【0034】
図3は、本発明の一実施例に係るデータ分散保存方法の動作フローチャートである。
【0035】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係るデータ分散保存方法は、エンドデバイス(end device)およびセントラルクラウド(central cloud)と通信する一つ以上のエッジノード(edge node)を含むデータ分散保存装置でデータを分散保存する方法であって、エンドデバイスからデータを第1エッジノードで受信する段階(S110)を含むことができる。
【0036】
また、本発明は前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与する段階(S120)を含むことができる。
【0037】
ここで、前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与する段階は、データの特性であるデータのセキュリティレベル、データの要請頻度およびデータ可用性確保政策のうち少なくとも一つを考慮してデータタグを付与する段階を含むことができる。
【0038】
一方、前記データ可用性確保政策は、データが保存されるエッジノードとデータを要請するエンドデバイスの地理的位置を考慮する政策、またはエッジノードネットワークの状態を考慮する政策を含むことができる。
【0039】
一方、前記データ分散政策は、前記セントラルクラウドでエッジノードの保存空間、活性化状態およびデータ処理速度を考慮し、前記データタグを考慮してデータコピーが保存される一つ以上のエッジノードを選択する政策を含むことができる。
【0040】
また、前記データ分散政策は、前記セントラルクラウドで前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードおよび前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノードのうち、前記データコピーに直ちに接近可能なエッジノードを選択する政策を含むことができる。
【0041】
また、本発明は第1エッジノードで前記データタグが付与されたデータをセントラルクラウドに伝送する段階(S130)を含むことができる。
【0042】
一方、本発明は一つ以上のエッジノードで前記セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策によって複製されたデータコピーを受信して保存する段階(S140)を含むことができる。
【0043】
ここで、前記一つ以上のエッジノードで前記セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策によって複製されたデータコピーを受信して保存する段階は、前記一つ以上のエッジノードがネットワークに連結されていれば、セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策を第1エッジノードで受信する段階;前記第1エッジノードでデータコピーを複製する段階;前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを一つ以上のエッジノードに伝送する段階;および前記一つ以上のエッジノードで前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを保存する段階を含むことができる。
【0044】
図4は本発明の一実施例に係るデータ分散保存方法を説明するための第1例示図であり、
図5は本発明の一実施例に係るデータ分散保存方法を説明するための第2例示図である。
【0045】
図4および
図5を参照すると、本発明は同一のデータを複数個のエッジクラウドで複製して運営することができ、データの属性およびエッジノードの状態に応じて効率的なデータ分散政策を決定することができ、データのセキュリティレベルに応じてデータの複製を制限することができる。
【0046】
例えば、本発明は可用性維持基準として、データコピーを保存する一つ以上のエッジノード(available copy)を選択し、データコピーを保存する一つ以上のエッジノードのうち、データコピーに直ちに接近可能なエッジノード(enable copy)を選択して同一のデータを複数個のエッジクラウドで複製することによって運営することができる。
【0047】
一方、本発明はエッジノードの物理的距離を考慮してデータ可用性確保政策を決定する地理的位置基盤サービス(Location Based Service;LBS)またはエッジノード間ネットワーク状態を考慮してデータ可用性確保政策を決定することによって、効率的なデータ分散政策を決定することができる。
【0048】
図6はエッジノードでデータを分散保存する方法の例示図であり、
図7はセントラルクラウドでデータを分散保存する方法の例示図である。
【0049】
図6および
図7を参照すると、本発明はデータを分散保存する方法であって、エッジノードが直接データを分散保存する方法およびセントラルクラウドでデータを分散保存する方法を使うことが分かる。
【0050】
エッジノードが直接データを分散保存する場合は、エッジノード間ネットワークが形成された場合である。この時、エッジノードはセントラルクラウドからデータ分散政策を受信して周辺のエッジノードにデータを分散して保存することができる。一方、データを受信したエッジノードはセントラルクラウドにデータ受信結果を送信することができる。エッジノードが直接データを分散保存する場合、セントラルクラウドのデータ処理の負担を減らすことができる。
【0051】
また、セントラルクラウドでデータを分散保存する場合は、エッジノード間ネットワークが形成されていないか、エッジノード間データ伝送が難しい場合である。この時、セントラルクラウドはデータ分散政策によりエッジノードにデータを分散して保存することができる。
【0052】
一方、データ分散政策は、前記セントラルクラウドでエッジノードの保存空間、活性化状態およびデータ処理速度を考慮し、前記データタグを考慮してデータコピーが保存される一つ以上のエッジノードを選択する政策を含むことができる。
【0053】
また、データ分散政策は、前記セントラルクラウドで前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノード(available copy)および前記データコピーを保存する一つ以上のエッジノード(available copy)のうち、前記データコピーに直ちに接近可能なエッジノード(enable copy)を選択する政策を含むことができる。
【0054】
図8はデータタグを説明するための例示図であり、
図9はデータの特性のうちデータのセキュリティレベルを示した表であり、
図10はデータの特性のうちデータの要請頻度を示した表であり、
図11はデータの特性のうちデータ可用性確保政策を示した表である。
【0055】
本発明はデータの特性に応じてエッジノードでデータタグを付与することができる。ここで、データの特性はデータのセキュリティレベル(security level)、データの要請頻度(frequency)およびデータ可用性確保政策(availability policy)を含むことができる。
【0056】
一方、
図9を参照すると、データのセキュリティレベルは総4つのレベルに分類され得、本発明は最も低いセキュリティレベルを有するデータにデータタグS1を付与することができ、最も高いセキュリティレベルを有するデータにデータタグS4を付与することができる。一方、本発明はセキュリティレベルが高いほどデータの無分別な複製を防止するように設定され得る。また、セキュリティレベルは例示のために4つのレベルに分類したがこれに限定されない。
【0057】
また、
図10を参照すると、データの要請頻度は総4つのレベルに分類され得、本発明は最も少なく要請されたデータにデータタグF1を付与することができ、最も多く要請されたデータにデータタグF4を付与することができる。この時、データの要請頻度は以前のデータの統計に基づいて決定され得、データの要請頻度が多いほどデータコピーを保存する一つ以上のエッジノードのうち、データコピーに直ちに接近可能なエッジノードにさらに多く保存され得る。また、データの要請頻度は例示のために4つのレベルに分類したがこれに限定されない。
【0058】
一方、
図11を参照すると、可用性確保政策はデータが保存されるエッジノードとデータを要請するエンドデバイスの地理的位置を考慮する政策およびエッジノードネットワークの状態を考慮する政策を含むことができる。
【0059】
地理的位置を考慮した可用性確保政策は、前述した通り、エッジノードとエンドデバイスの地理的位置を考慮して、地理的位置に敏感なサービスである場合、データコピーが保存されるエッジノードとデータを要請するエンドデバイスの地理的位置を一致させるためにデータタグを付与する政策を意味し得る。一方、地理的位置を考慮したデータ可用性確保政策はローカルダイナミックマップ(Local Dynamic Map;LDM)のような位置基盤サービス(LBS)に適用され得る。
【0060】
一方、エッジノードネットワークの状態を考慮する政策は、エッジノード間効率的なデータ分散を支援するための政策であって、エッジノードネットワークの遅延速度(latency)、構造などを考慮することができる。
【0061】
図12は、データ可用性確保政策を説明するための例示図である。
【0062】
図12を参照すると、データを要請するサービス要請者は同一の地理的位置にあるエッジノードからデータを受信することができ、同一の地理的位置にあるエッジノードに関連データがなければ、他のエッジノードからこれを受信しなければならないことが分かる。
【0063】
例えば、ヤンチョン区のデータがクロ区およびドンジャク区でしばしば使われる場合、クロ区およびドンジャク区に位置したエッジノードにヤンチョン区のデータがなければ、他のエッジノード(例えば、ヤンチョン区)から関連データを受信しなければならない。
【0064】
ただし、本発明のデータ可用性確保政策を活用してデータを分散保存する場合、ヤンチョン区のデータがクロ区およびドンジャク区に分散して保存されることによって、データコピーが保存される一つ以上のエッジノード(クロ区およびドンジャク区)とエンドデバイス(クロ区およびドンジャク区でデータを要請するサービス要請者)の地理的位置が一致することになるので、クロ区およびドンジャク区のエッジノードで即刻データの処理が可能である。
【0065】
図13は、エッジノードの状態を説明するための表である。
【0066】
一方、セントラルクラウドはエッジノードの状態を考慮する政策を含むデータ分散政策を決定することができる。この時、エッジノードの状態を考慮するデータ分散政策は、セントラルクラウドでエッジノードの状態として、エッジノードの保存空間、活性化状態およびデータ処理速度を考慮してデータコピーが保存される一つ以上のエッジノードを選択する政策を含むことができる。
【0067】
例えば、
図13を参照すると、エッジノードの状態はエッジノードの可用の有無(enable/disable)、エッジノードのデータ保存現況およびエッジノードのデータ要請現況を含むことができる。
【0068】
エッジノードの可用の有無は、エッジノードの現在の可用状態として、データを受信できる状態である活性化(active)状態やデータを受信できない状態である非活性化(inactive)で表示され得る。
【0069】
また、エッジノードのデータ保存現況は、セントラルクラウドで各エッジノードのデータ保存現況をモニタリングし、エッジノードが保存しているデータの数をデータの要請頻度により分類し、全体のデータ保存現況と比較したもので表示され得る。
【0070】
一方、エッジノードのデータ要請現況は、セントラルクラウドで各エッジノード別データの要請処理現況をモニタリングし、エッジノードが秒当たり処理するデータの個数をデータを処理する速度で表示され得る。
【0071】
図14はエッジノードの損傷がある場合、データを分散保存する方法を説明するための第1例示図であり、
図15はエッジノードの損傷がある場合、データを分散保存する方法を説明するための第2例示図である。
【0072】
前述した通り、セントラルクラウドはエッジノードをモニタリングしながら、エッジノードの状態が活性化(active)から非活性化(inactive)に変わったことを確認することができる。この時、
図14および
図15を参照して、エッジノードの損傷が長く持続する場合と一時的な場合に分けて詳察すると、エッジノードの損傷が長く持続する場合、セントラルクラウドは以前のデータ分散政策を確認して損傷したエッジノードのデータコピーが保存されたエッジノードのうち、直ちに接近可能なエッジノードの目録(enable copy list)を確認し、データコピーが保存されたエッジノード(available copy)の状態を直ちに接近可能なエッジノード(enable copy)の状態に変更することを要請することができる。
【0073】
引き続き、セントラルクラウドはデータ分散政策を再決定して新しいエッジノードに損傷したエッジノードのデータコピーを保存することを要請することができ、損傷したエッジノードに該当データを削除することを要請することができる。
【0074】
一方、エッジノードの損傷が一時的の場合、セントラルクラウドは損傷したエッジノードのデータコピーが保存されたエッジノードの中から任意にエッジノードを選択してデータコピーが保存されたエッジノード(available copy)の状態を直ちに接近可能なエッジノード(enable copy)の状態に変更することを要請することができる。
【0075】
図16は、本発明の一実施例に係るデータ分散保存装置のブロック構成図である。
【0076】
図16を参照すると、本発明の一実施例に係るデータ分散保存装置100は、プロセッサ110およびプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令および命令遂行の結果を保存するメモリ120およびネットワークと連結されて通信を遂行する送受信装置130を含むことができる。
【0077】
データ分散保存装置100はまた、入力インターフェース装置140、出力インターフェース装置150、保存装置160等をさらに含むことができる。データ分散保存装置100に含まれたそれぞれの構成要素はバス(Bus)170により連結されて通信を遂行できる。
【0078】
プロセッサ110はメモリ120および保存装置160のうち少なくとも一つに保存されたプログラム命令(program command)を実行することができる。プロセッサ110は中央処理装置(central processing unit、CPU)、グラフィック処理装置(graphics processing unit、GPU)、または本発明の実施例に係る方法が遂行される専用のプロセッサを意味し得る。メモリ120および保存装置160それぞれは、揮発性保存媒体および不揮発性保存媒体のうち少なくとも一つで構成され得る。例えば、メモリ120は読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)およびランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)のうち少なくとも一つで構成され得る。
【0079】
保存装置160は、セントラルクラウドで決定したデータ分散政策をデータ別に分類して保存することができ、各エッジノードが含むデータをデータの特性に応じて付与されたタグに基づいて分類して保存することができる。
【0080】
ここで、少なくとも一つの命令は、エンドデバイスからデータを第1エッジノードで受信するようにする命令;前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与するようにする命令;第1エッジノードで前記データタグが付与されたデータをセントラルクラウドに伝送するようにする命令;および一つ以上のエッジノードで前記セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策によって複製されたデータコピーを受信して保存するようにする命令を含むことができる。
【0081】
ここで、前記受信されたデータの特性に応じて第1エッジノードでデータタグを付与するようにする命令は、データの特性であるデータのセキュリティレベル、データの要請頻度およびデータ可用性確保政策のうち少なくとも一つを考慮してデータタグを付与するようにする命令を含むことができる。
【0082】
一方、前記一つ以上のエッジノードで前記セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策によって複製されたデータコピーを受信して保存するようにする命令は、前記一つ以上のエッジノードがネットワークに連結されていれば、セントラルクラウドから決定されたデータ分散政策を第1エッジノードで受信するようにする命令;前記第1エッジノードでデータコピーを複製するようにする命令;前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを一つ以上のエッジノードに伝送するようにする命令;および前記一つ以上のエッジノードで前記第1エッジノードで複製されたデータコピーを保存するようにする命令を含むことができる。
【0083】
本発明の実施例に係る方法の動作は、コンピュータ読み取り可能記録媒体にコンピュータ読み取り可能プログラムまたはコードで具現することが可能である。コンピュータ読み取り可能記録媒体はコンピュータシステムによって読み込まれ得る情報が保存されるすべての種類の記録装置を含む。また、コンピュータ読み取り可能記録媒体はネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散して分散方式でコンピュータ読み取り可能プログラムまたはコードが保存され実行され得る。
【0084】
また、コンピュータが読み取り可能記録媒体は、ロム(rom)、ラム(ram)、フラッシュメモリ(flash memory)等のように、プログラム命令を保存し遂行するように特別に構成されたハードウェア装置を含むことができる。プログラム命令はコンパイラ(compiler)により作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタ(interpreter)等を使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含むことができる。
【0085】
本発明の一部の側面は装置の文脈で説明されたが、それは相応する方法による説明も示し得、ここでブロックまたは装置は方法段階または方法段階の特徴に相応する。同様に、方法の文脈で説明された側面も相応するブロックまたはアイテムまたは相応する装置の特徴で示すことができる。方法段階のいくつかのまたは全部は例えば、マイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータまたは電子回路のようなハードウェア装置によって(または利用して)遂行され得る。いくつかの実施例において、最も重要な方法段階の一つ以上はこのような装置によって遂行され得る。
【0086】
実施例で、プログラム可能なロジック装置(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)がここで説明された方法の機能の一部または全部を遂行するために使われ得る。実施例で、フィールドプログラマブルゲートアレイはここで説明された方法のうち一つを遂行するためのマイクロプロセッサとともに作動することができる。一般的に、方法はあるハードウェア装置によって遂行されることが好ましい。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。