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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-06
(45)【発行日】2022-07-14
(54)【発明の名称】紙葉類収納装置、及び、紙葉類取扱装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20220707BHJP
   B65H 31/18 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
B65H7/14
B65H31/18
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021506824
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2019010994
(87)【国際公開番号】W WO2020188664
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】安藤 敦
(72)【発明者】
【氏名】玉橋 知之
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-064198(JP,A)
【文献】特許第4877124(JP,B2)
【文献】特開平01-112475(JP,A)
【文献】特開2009-023822(JP,A)
【文献】特開2013-025606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00- 7/20
B65H 31/00-31/40
B65H 43/00-43/08
G07D 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類が載置される載置台と、
前記紙葉類の前記載置台上への進入方向における前記紙葉類の先端の位置を規制する先端位置規制ガイドと、
前記載置台の上方の前記紙葉類の集積空間の有無を検知するセンサと
前記集積空間に集積された前記紙葉類を繰り出す搬送ローラとを備え、
前記センサは、前記先端位置規制ガイドを挟んで前記載置台上の前記紙葉類とは反対側の第1の位置と、当該第1の位置よりも下方で且つ前記載置台上の前記紙葉類を挟んで前記先端位置規制ガイドとは反対側の第2の位置との間に照射される検知用光によって前記集積空間の有無を検知し、
前記第1の位置は、前記集積空間よりも上方であり、
前記集積空間の上端位置は、前記搬送ローラの下端であり、
前記センサは、前記検知用光が、前記載置台上の前記紙葉類の前記先端側において、前記集積空間の上方を通るように照射されることによって、前記紙葉類の前記先端が前記集積空間の前記上端位置よりも上方に到達したことを検知する
ことを特徴とする紙葉類収納装置。
【請求項2】
紙葉類を搬送するための搬送路と、
前記搬送路を搬送される前記紙葉類を収納する紙葉類収納装置とを備え、
前記紙葉類収納装置は、
紙葉類が載置される載置台と、
前記紙葉類の前記載置台上への進入方向における前記紙葉類の先端の位置を規制する先端位置規制ガイドと、
前記載置台の上方の前記紙葉類の集積空間の有無を検知するセンサと
前記集積空間に集積された前記紙葉類を繰り出す搬送ローラとを備え、
前記センサは、前記先端位置規制ガイドを挟んで前記載置台上の前記紙葉類とは反対側の第1の位置と、当該第1の位置よりも下方で且つ前記載置台上の前記紙葉類を挟んで前記先端位置規制ガイドとは反対側の第2の位置との間に照射される検知用光によって前記集積空間の有無を検知し、
前記第1の位置は、前記集積空間よりも上方であり、
前記集積空間の上端位置は、前記搬送ローラの下端であり、
前記センサは、前記検知用光が、前記載置台上の前記紙葉類の前記先端側において、前記集積空間の上方を通るように照射されることによって、前記紙葉類の前記先端が前記集積空間の前記上端位置よりも上方に到達したことを検知する
ことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類を収納する紙葉類収納装置、及び、この紙葉類収納装置を備える紙葉類取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現金自動預け払い機(ATM:Automated Teller Machine)などの紙葉類取扱装置は、紙幣、小切手、有価証券などの紙葉類を収納する紙葉類収納装置を備える。この紙葉類収納装置は、例えば、着脱可能な紙幣収納カセットである。紙葉類収納装置が紙幣収納カセットである場合、紙葉類取扱装置は、例えば、金種ごとに紙幣収納カセットを備える。
【0003】
このような紙葉類収納装置において、紙幣が載置される載置台の上方の位置と、紙幣を載置台上へ搬送する搬送部の下方の位置との間に、紙幣によって遮られるか否かで集積空間の有無を判定するための検知用光を照射するセンサが用いられることがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4877124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6は、参考技術に係る紙葉類収納装置201の内部構造を示す左側面図である。
紙葉類収納装置201は、載置台210と、先端位置規制ガイド220と、センサ230と、搬送部240とを備える。
【0006】
載置台210は、昇降可能に配置され、紙幣Bが載置される。
先端位置規制ガイド220は、紙幣Bの載置台210上への進入方向Dにおける紙幣Bの先端の位置を規制する。
【0007】
センサ230は、載置台210の上方の紙幣Bの集積空間S(二点鎖線で図示)の有無を検知する。センサ230は、例えば、水平に検知用光Lを照射する照射部と、この検知用光Lを受光する受光部とを有する。
【0008】
搬送部240は、複数のローラと、羽根車とを有し、紙幣Bを進入方向Dに載置台210上へ搬送する。
【0009】
上述の紙葉類収納装置201において、図6に示すように紙幣Bが先端位置規制ガイド220にもたれかかると、十分な集積空間Sがあるのにもかかわらず、数十枚~数百枚の紙幣Bが余分にある場合と同様に、水平な検知用光Lが紙幣Bによって遮られる。これにより、センサ230は、十分な集積空間Sがないと検知する。また、紙幣Bが盛り上がるように湾曲していると、同様に、十分な集積空間Sがあるのにもかかわらず、センサ230が十分な集積空間Sがないと検知することがある。
【0010】
また、上述のように、紙幣が載置される載置台の上方の位置と、紙幣を載置台上へ搬送する搬送部の下方の位置との間に検知用光を照射するセンサは、複数枚の紙幣が図6に示す先端位置規制ガイド220などにもたれかかるなどして、紙幣の先端側で集積空間がなくなっていることを検知できない。これにより、紙幣のジャムなどの不具合が発生する。
【0011】
本発明の目的は、紙葉類の集積空間の有無の検知精度を高めることができる紙葉類収納装置及び紙葉類取扱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの態様では、紙葉類収納装置は、紙葉類が載置される載置台と、前記紙葉類の前記載置台上への進入方向における前記紙葉類の先端の位置を規制する先端位置規制ガイドと、前記載置台の上方の前記紙葉類の集積空間の有無を検知するセンサとを備え、前記センサは、前記先端位置規制ガイドを挟んで前記載置台上の前記紙葉類とは反対側の第1の位置と、当該第1の位置よりも下方で且つ前記載置台上の前記紙葉類を挟んで前記先端位置規制ガイドとは反対側の第2の位置との間に照射される検知用光によって前記集積空間の有無を検知する。
【0013】
他の1つの態様では、紙葉類取扱装置は、紙葉類を搬送するための搬送路と、前記搬送路を搬送される前記紙葉類を収納する紙葉類収納装置とを備え、前記紙葉類収納装置は、紙葉類が載置される載置台と、前記紙葉類の前記載置台上への進入方向における前記紙葉類の先端の位置を規制する先端位置規制ガイドと、前記載置台の上方の前記紙葉類の集積空間の有無を検知するセンサとを備え、前記センサは、前記先端位置規制ガイドを挟んで前記載置台上の前記紙葉類とは反対側の第1の位置と、当該第1の位置よりも下方で且つ前記載置台上の前記紙葉類を挟んで前記先端位置規制ガイドとは反対側の第2の位置との間に照射される検知用光によって前記集積空間の有無を検知する。
【発明の効果】
【0014】
前記態様によれば、紙葉類の集積空間の有無の検知精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態に係る紙葉類取扱装置の内部構造を示す左側面図である。
図2】実施の形態に係る紙葉類収納装置の内部構造を示す左側面図である。
図3】実施の形態に係る紙葉類収納装置の内部構造を示す平面図である。
図4A】実施の形態に係る紙葉類収納装置における集積空間の有無の検知を説明するための説明図(その1)である。
図4B】実施の形態に係る紙葉類収納装置における集積空間の有無の検知を説明するための説明図(その2)である。
図4C】実施の形態に係る紙葉類収納装置における集積空間の有無の検知を説明するための説明図(その3)である。
図5A】実施の形態に係る紙葉類取扱装置の処理を説明するための説明図(その1)である。
図5B】実施の形態に係る紙葉類取扱装置の処理を説明するための説明図(その2)である。
図5C】実施の形態に係る紙葉類取扱装置の処理を説明するための説明図(その3)である。
図5D】実施の形態に係る紙葉類取扱装置の処理を説明するための説明図(その4)である。
図5E】実施の形態に係る紙葉類取扱装置の処理を説明するための説明図(その5)である。
図6】参考技術に係る紙葉類収納装置の内部構造を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態に係る紙葉類収納装置及び紙葉類取扱装置について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、実施の形態に係る紙葉類取扱装置100の内部構造を示す左側面図である。
図1に示すように、紙葉類取扱装置100は、複数の紙葉類収納装置1と、入出金部110と、分離部120と、鑑別部130と、一時保留部140と、リジェクト部150と、搬送路160とを備える。紙葉類取扱装置100は、例えば、現金自動預け払い機(ATM)である。
【0018】
入出金部110は、紙葉類の一例である紙幣Bの入出金を行う。なお、紙葉類としては、小切手、有価証券などの他の紙葉類であってもよい。
【0019】
分離部120は、入出金部110から紙幣Bを受け入れる上方の位置と、紙幣Bを鑑別部130に向けて繰り出す下方の位置とに紙幣Bを昇降させる。また、分離部120は、入出金部110から入金された紙幣Bを一時的に収納する。
【0020】
鑑別部130は、分離部120から搬送された紙幣Bの鑑別を行う。例えば、鑑別部130は、紙幣Bの真贋、厚さ、長さ、劣化状態などに基づき、紙幣Bが正常か異常かを判定する。
【0021】
一時保留部140は、鑑別部130によって鑑別が行われた紙幣Bを一時的に収納する。
【0022】
リジェクト部150は、鑑別部130によって異常と判定された紙幣Bのうち顧客への返却が行われない紙幣Bを収納する。
【0023】
搬送路160は、複数の紙葉類収納装置1と、入出金部110と、分離部120と、鑑別部130と、一時保留部140と、リジェクト部150との間で紙幣Bを搬送するための搬送路である。搬送路160には、紙幣Bを搬送する搬送ローラなどの搬送部材が配置されている。
【0024】
図2は、紙葉類収納装置1の内部構造を示す左側面図である。
図3は、紙葉類収納装置1の内部構造を示す平面図である。
【0025】
図2に示すように、紙葉類収納装置1は、載置台10と、先端位置規制ガイド20と、センサ30と、搬送部40と、後端位置規制ガイド50と、スペーサ60と、開閉扉70と、押さえ部80とを備える。なお、図3では、後端位置規制ガイド50、スペーサ60、開閉扉70、及び押さえ部80の図示を省略している。
【0026】
紙葉類収納装置1は、例えば、図1に示す紙葉類取扱装置100に対して着脱可能な紙幣収納カセットである。なお、紙葉類収納装置1は、紙葉類取扱装置100に着脱不能に一体に配置されていてもよい。
【0027】
載置台10は、例えば、図2及び図3に示す高さH0、それよりも下方の図4Aに示す高さH1、それよりも下方の図4B及び図4Cに示す高さH2などに昇降可能に配置され、紙幣Bが載置される。
先端位置規制ガイド20は、載置台10上への紙幣Bの進入方向Dの下流側(図2における左側)において紙幣Bの先端の位置を規制する。先端位置規制ガイド20の紙幣Bとの接触面には、凹凸面21が形成されている。この凹凸面21は、搬送部40によって搬送される紙幣Bが、先端位置規制ガイド20と、図4Aに示す載置台10上の複数枚の紙幣Bとの隙間に進入することを防止するために設けられている。凹凸面21は、例えばギザギザ面である。
【0028】
センサ30は、載置台10の上方の紙幣Bの集積空間S(二点鎖線で図示)の有無を検知する。センサ30は、先端位置規制ガイド20を挟んで載置台10上の紙幣Bとは反対側(図2における左側)の第1の位置P1と、この第1の位置P1よりも下方で且つ載置台10上の紙幣Bを挟んで先端位置規制ガイド20とは反対側(図2における右側)の第2の位置P2との間に照射される検知用光Lによって集積空間Sの有無を検知する。例えば、センサ30は、第1の位置P1及び第2の位置P2のうちの一方に配置され検知用光Lを照射する照射部と、第1の位置P1及び第2の位置P2のうちの他方に配置され検知用光Lを受光する受光部とを有する。第1の位置P1は、集積空間Sの上端(例えば、搬送ローラ44の下端)よりも上方であるとよい。また、検知用光Lは、載置台10上の紙幣Bの先端側において、集積空間Sの上方を通るように照射されるとよい。なお、集積空間Sは、紙幣Bのジャムが生じない程度に十分な空間が確保されるように、検知用光L(センサ30)の向きが設定されている。
【0029】
搬送部40は、搬送ローラ41~44及び羽根車45を有する。図3に示すように、搬送ローラ41~44は、進入方向Dに直交する紙幣Bの幅方向Wに2つずつ配置されている。また、羽根車45は、紙幣Bの幅方向Wに4つ配置されている。
【0030】
搬送部40は、紙葉類取扱装置100の入金時において紙葉類収納装置1が紙幣Bを収納する際には、図1に示す搬送路160から搬送される紙幣Bを載置台10上に搬送する。また、搬送部40は、紙葉類取扱装置100の出金時において紙葉類収納装置1が紙幣Bを繰り出す際には、載置台10上の紙幣Bを搬送路160に搬送する。
【0031】
搬送ローラ41は、駆動ローラである搬送ローラ42に対向するように配置され、この搬送ローラ42の回転に伴って回転する従動ローラである。
【0032】
搬送ローラ42は、搬送ローラ44と同一の駆動源の駆動によって回転する駆動ローラである。搬送ローラ42の中心軸と搬送ローラ44の中心軸とには図示しない伝動ベルトが掛け渡されている。なお、図3に示すように、2つの搬送ローラ42のそれぞれは、紙幣Bの進入方向Dに直交する紙幣Bの幅方向Wに隣接する2つのローラを有するが、幅方向Wの外側のローラは、例えば、紙幣Bの繰り出し時に紙幣Bを分離させるためのローラである。
【0033】
搬送ローラ43は、搬送ローラ41の下方に配置されている。搬送ローラ43は、搬送ローラ41と同様に、搬送ローラ42に対向するように配置され、この搬送ローラ42の回転に伴って回転する従動ローラである。
【0034】
搬送ローラ44は、搬送ローラ42と同一の駆動源の駆動によって回転する駆動ローラである。搬送ローラ44は、搬送ローラ42の中心軸に対して揺動可能に配置されており、図示しない付勢機構によって下方に付勢されている。紙葉類収納装置1が紙幣Bを繰り出す際には、搬送ローラ44は、紙幣Bによって上記の付勢機構による付勢力に抗して上方に押圧され上昇した状態で、紙幣Bを繰り出す。
【0035】
羽根車45は、搬送ローラ42の下方に配置されている。羽根車45は、搬送ローラ42と搬送ローラ43との間から載置台10上へ向かって搬送される紙幣B後端を複数の羽根によって下方へ叩き落すことで、後続紙幣の衝突を防ぐ。
【0036】
後端位置規制ガイド50は、先端位置規制ガイド20に対向するように配置され、紙幣Bの後端の位置を規制する。後端位置規制ガイド50は、搬送ガイド部51を有する。この搬送ガイド部51は、搬送部40によって搬送される紙幣Bをガイドするように上方に延出する。搬送ガイド部51には、搬送ローラ41及び搬送ローラ43との干渉を回避するための図示しない貫通孔又は切り欠きが設けられている。
【0037】
スペーサ60は、開閉扉70と先端位置規制ガイド20との間に配置され、紙幣Bのサイズに合わせた先端位置規制ガイド20の位置を規定する。
【0038】
開閉扉70は、紙葉類収納装置1の内部を開放可能に開閉する。
押さえ部80は、例えば搬送ローラ42の中心軸に対して揺動可能に配置されており、自重によって図2に示す位置まで下降する。押さえ部80は、載置台10が上昇すると、載置台10上の紙幣Bによって押し上げられる。押さえ部80は、搬送部40によって載置台10上に搬送される際に、先端位置規制ガイド20の上側に紙幣Bが進入するのを防ぐためのガイドとしても機能する。なお、押さえ部80は、紙幣Bの幅方向Wに検知用光Lとは干渉しない位置に配置されているか又は検知用光Lを通すための貫通孔を有する。
【0039】
図4A図4Cは、実施の形態に係る紙葉類収納装置1における集積空間Sの有無の検知を説明するための説明図である。
【0040】
図4Aに示すように、紙幣Bは、搬送部40によって載置台10上へ進入方向Dに搬送されると、先端位置規制ガイド20の凹凸面21に接触し、載置台10上に載置される。
【0041】
図4Bに示すように載置台10上の紙幣Bが先端位置規制ガイド20に少しもたれかかった場合や、図示はしないが紙幣Bが盛り上がるように湾曲した状態で載置台10上に載置されている場合、図6に示す参考技術に係る紙葉類収納装置201のセンサ230とは異なり、センサ30は、検知用光Lが紙幣Bによって遮蔽されずに、十分な集積空間Sがあると検知する。
【0042】
一方、図4Cに示すように、先端位置規制ガイド20にもたれかかった紙幣Bが押さえ部80を持ち上げ、紙幣Bの先端が集積空間Sの上端位置である搬送ローラ44の下端よりも上方に到達すると、センサ30は、十分な集積空間Sがないと検知する。これにより、搬送部40や図1に示す搬送路160等による紙幣Bの載置台10上への搬送は停止される。そのため、押さえ部80を持ち上げた紙幣Bによって後続の紙幣Bが載置台10上に載置されずに搬送部40内でジャムを引き起こすのを防止することができる。
【0043】
図5A図5Fは、実施の形態に係る紙葉類取扱装置100の処理を説明するための説明図である。
【0044】
図5Aに示すように、例えば顧客によって入出金部110に挿入される複数枚の紙幣B1は、分離部120において一時的に収納された後、分離部120内で下降し、1枚ずつ鑑別部130に搬送される。紙幣B1は、分離部120から1枚ずつ搬送される際に、枚数がカウントされるとよい。その後、紙幣B1は、鑑別部130によって鑑別が行われ、一時保留部140に搬送される(紙幣B2)。
【0045】
一時保留部140に搬送された紙幣B2は、鑑別部130によって異常と判定され返却される場合、図5Bに示すように入出金部110に搬送される(紙幣B3)。
【0046】
一時保留部140に搬送された紙幣B2が、鑑別部130によって正常と判定されていた場合、図5Cに示すように、紙幣Bは再び分離部120に搬送され、鑑別部130を通過して、例えば金種に対応する紙葉類収納装置1に搬送される(紙幣B4,B5)。なお、鑑別部130によって異常と判定された紙幣はリジェクト部150に搬送される。
【0047】
図5Dに示すように、紙幣Bの出金時に紙葉類収納装置1から繰り出される紙幣B4,B5は、鑑別部130を通過して一時保留部140に搬送される(紙幣B6)。なお、鑑別部130によって異常と判定された紙幣はリジェクト部150に搬送される。
【0048】
図5Eに示すように、一時保留部140に搬送された紙幣B6は、入出金部110に搬送され(紙幣B7)、出金される。
【0049】
以上説明した本実施の形態では、紙葉類収納装置1は、紙葉類の一例である紙幣Bが載置される載置台10と、紙幣Bの載置台10上への進入方向Dにおける紙幣Bの先端の位置を規制する先端位置規制ガイド20と、載置台10の上方の紙幣Bの集積空間Sの有無を検知するセンサ30とを備える。センサ30は、先端位置規制ガイド20を挟んで載置台10上の紙幣Bとは反対側の第1の位置P1と、この第1の位置P1よりも下方で且つ載置台10上の紙幣Bを挟んで先端位置規制ガイド20とは反対側の第2の位置P2との間に照射される検知用光Lによって集積空間Sの有無を検知する。
【0050】
このように、先端位置規制ガイド20を挟んで載置台10上の紙幣Bとは反対側の第1の位置P1と、この第1の位置P1の斜め下方の第2の位置P2との間で検知用光Lが照射される。そのため、図4Bに示すように、載置台10上の紙幣Bが先端位置規制ガイド20にもたれかかった場合で且つ十分な集積空間Sがある場合に、図6に示す参考技術に係る紙葉類収納装置201の水平に検知用光Lを照射するセンサ230とは異なり、十分な集積空間Sがないと誤検知するのを抑制することができる。また、センサ30の第1の位置P1は、先端位置規制ガイド20を挟んで載置台10上の紙幣Bとは反対側であるため、この第1の位置P1が載置台10の上方である場合と比較して、紙幣Bが先端位置規制ガイド20にもたれかかるなどして、紙幣Bの先端側で十分な集積空間Sがなくなっていることを検知でき、ひいては、ジャムなどの不具合の発生を抑制することができる。
【0051】
よって、本実施の形態によれば、紙幣Bの集積空間Sの有無の検知精度を高めることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、第1の位置P1は、集積空間Sよりも上方である。これにより、図4Bに示すように、載置台10上の紙幣Bが先端位置規制ガイド20にもたれかかった場合で且つ十分な集積空間Sがある場合に、十分な集積空間Sがないと誤検知するのをより一層抑制することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、検知用光Lは、載置台10上の紙幣Bの先端側において、集積空間Sの上方を通るように照射される。これにより、紙幣Bが先端位置規制ガイド20にもたれかかるなどして、紙幣Bの先端側で十分な集積空間Sがなくなっていることをより確実に検知することができる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0055】
1 紙葉類収納装置
10 載置台
20 先端位置規制ガイド
21 凹凸面
30 センサ
40 搬送部
41~44 搬送ローラ
45 羽根車
50 後端位置規制ガイド
51 搬送ガイド部
60 スペーサ
70 開閉扉
80 押さえ部
100 紙葉類取扱装置
110 入出金部
120 分離部
130 鑑別部
140 一時保留部
150 リジェクト部
160 搬送路
B 紙幣
D 進入方向
L 検知用光
P1 第1の位置
P2 第2の位置
S 集積空間
W 幅方向
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6