(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】空調ガイドファン可動ブロック
(51)【国際特許分類】
F24F 13/10 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
F24F13/10 D
(21)【出願番号】P 2021076302
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2021-05-26
(31)【優先権主張番号】202021393850.X
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021393885.3
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514293008
【氏名又は名称】株式会社東亜産業
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼建
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-503998(JP,A)
【文献】実開昭62-028309(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セントラルエアコンの水平部材に引っ掛けて使用される空調ガイドファンの支持装置であって、
前記空調空気を撹拌する
撹拌部材と、
一端に前記撹拌部材が設けられる
ファンロッドと、
前記ファンロッド
の他端を差し込む取付穴
が形成されたベース部と、
一端
に前記ベース部を
支持するコネクティングロッドと、
前記コネクティングロッドの
他端に設けられ、前記水平部材に引っ掛けるためのフックを有する吊下げ部材と、
前記吊り下げ部材と前記ベース部との間に
配設され、前記コネクティングロッドが貫通可能に構成された可動ブロックと、
前記可動ブロック
を前記吊り下げ部材側に付勢する弾性部材
と、を備え、
前記可動ブロックは、前記吊り下げ部材の一部を格納できる溝を有し、
前記可動ブロックを前記吊り下げ部材側とは反対側に移動させて
前記弾性部材を弾性変形
させたとき、前記フックの一部
は、前記可動ブロックの溝から外部に突出
し、
前記フックを前記水平部材に引っ掛けた状態で前記可動ブロックを前記吊り下げ部材側に移動させると、前記弾性部材は、前記可動ブロックを前記水平部材に付勢しつつ、前記前記フックが前記水平部材を挟持する
ことを特徴とする空調ガイドファンの支持装置。
【請求項2】
前記可動ブロックの周囲に
は、作業者の指が滑りにくくするための窪みを設けた請求項1に記載する
空調ガイドファンの支持装置。
【請求項3】
前記ベース部が前記コネクティングロッドを中心に回転が可能に
軸付けされている請求項1乃至2に記載する
空調ガイドファン支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空調ガイドファンの技術分野、特にファンロッド設置構造と空調ガイドファンに関連している。
【背景技術】
【0002】
セントラルエアコンの空調空気をより均一に、より速く冷却するために、ファンブレードが付いているガイドファンを空調空気の排出領域の下部に設置することが知られている。この空調空気による風の作用でファンブレードが回転し、空調空気の排出領域近傍の空気を攪拌して空調空気が均一に分配されるようにしている。ガイドファンを空調空気の排出領域の下部に設置するためにはファンブレードを接続しているファンロッドとファンブレードシートを分解して取り付けるか、ファンロッドをファンブレードシートにネジで固定する必要がある。天井に埋め込まれたセントラルエアコンに対して工具を使用して取り付け操作をする必要がある。このため設置作業効率が低くなることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
設置が面倒で設置効率が低い従来の空調ガイドファンの中央ファンロッド設置構造とファンロッドおよびファンブレードシートの問題を解決することを目的とした、空調ガイドファン可動ブロックおよび空調ガイドファンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に従うと、セントラルエアコンの空調空気が流出する側に設けられた水平部材に引っ掛けるためのフックを有する吊下げ部材と、端部が吊下げ部材に固着されたコネクティングロッドと、吊下げ部材が格納できる溝を有し、コネクティングロッドが貫通可能に構成された可動ブロックと、空調空気を攪拌するためのファンブレードを支えるファンロッドを取り付ける取付部を周設したベース部とを備え、コネクティングロッドの吊下げ部材に固着されていない側の端部とベース部とを接続し、可動ブロックとベース部の間のコネクティングロッドの周りに弾性部材を設置し、弾性部材が弾性変形しない状態のときフックの一部が溝から外部に突出し、弾性部材が弾性変形したときは、外部に突出していなかったフックの一部が溝から外部に突出するように吊下げ部材を配置したセントラルエアコンの空調空気が流出する側に吊り下げて使用するガイドファン支持装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、セントラルエアコンの空調空気が流出する側にガイドファンを吊り下げて使用することができる。
ファンブレードが付いているガイドファンをセントラルエアコンに効率よく設置することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ファンロッドの設置構造の3次元概略図である。
【
図3】ファンロッド設置構造の部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0008】
図1に示されるように、構造10はベース110およびファンロッド120を含んでいる。ベース110の外周には複数の取付穴111が設けられている。更にベース110の中心付近には接続のためにファンロッド120の一端が埋め込まれている。ベース110の外周に取付穴111を設けることにより、ファンロッド120の一端は取付穴111に挿入することができる。ファンロッド120の一端は座屈されてベース110に接続される。これによりファンロッド120とベース110は迅速な接続が可能になる。ベース110に対する取り付け作業では、工具を必要としない。ベース110に対して固定するためのネジやその他の付属品は必要ない。取り付け作業は簡単で迅速に行われる。取り付けの難しさは軽減され、取り付け効率が向上し、人的コストと材料コストの効率が向上する。
【0009】
この実施形態では、
図2、
図3、
図4に示すように、取付穴111に弾性フック112が設けられている。弾性フック112の一端は、取付穴111の内壁に接続され、他端は曲げられている。ファンロッド120に向かって座屈部分1121を形成する。ファンロッド120の一端には接続ブロック121が設けられている。弾性フック112に面する接続ブロック121の表面は、制限溝1211を有している。ファンロッド120が取付穴111に挿入され、弾性フック112の座屈部分1121が座屈されるファンロッド120が取付穴111に押し込まれると、ファンロッド120は、弾性フック112の座屈部分1121を押し上げる。座屈部分1121が制限溝1211に面するまで。部分1121は、制限溝1211に座屈され、その結果、ファンロッド120およびベース110は比較的簡単に固定される。ファンロッド120およびベース110は、座屈されて接続される。
【0010】
本明細書の図面に示されていない他の実施形態では、取付穴111に挿入されたファンロッド120の一端の端面は、2つの弾性バックルを備えている。この2つの弾性バックルは、ファンロッド120の端面は相互に対称であり、2つの弾性バックルの間に空間がある。2つの弾性バックルの端部は、互いに離れる方向に曲げられてアンダーカットを形成する。取付穴111は、ファンロッド120を取付穴111に押し込むと、最初に収縮部が入る。2つの弾性バックルが収縮部の内壁に圧迫されて接近する。膨張部に入るとき弾性バックルは、膨張部と収縮部が対向する壁を座屈させ、ファンロッド120とベース110を座屈させて接続する。そして拡大部分の長さはアンダーカットの長さに等しいので、アンダーカットが拡大部分に入った後、ファンロッド120はそれ以上押し込むことができず、ベース110との相対的な固定が達成される。
【0011】
この実施形態では、
図2に示すように、取付穴111は多角形の穴である。接続ブロック121の断面は多角形であり、接続ブロック121の外周面は、取付穴の内壁に接している。内部回転により、ファンロッド120の回転が防止され、ファンロッド120の安定性が向上する。
この実施形態では、
図4に示すように、ファンロッド120に面する座屈部分1121の縁部とベース110の外周に面する面とが面取りされている。ファンロッド120を取付穴111に押し込むと、端面が最初に面取りと接触し、推力の作用下で、弾性フック112の座屈部分1121が面取りに沿って移動する。
徐々にジャッキアップするように、面取りの設定は、ファンロッド120による座屈部分1121のジャッキアップの困難さを低減し、弾性フック112がファンロッド120の押し込みを妨げるのを防ぐ。
【0012】
この実施形態では、制限溝1211にも面取りが設けられているので、制限溝1211の形状は、弾性フック112の座屈部分1121と一致する。座屈部分1121が制限溝1211に座屈された後、制限溝1211の内壁は、座屈部分1121を支持する。
【0013】
この実施形態では、
図2および
図4に示すように、座屈部分1121とは反対側に面するベース110の表面は、開口部113を有し、開口部113は、取付穴111と連絡し、弾性フックの真向かいに配置される。取付穴111の過程で、ファンロッド120は、弾性フック112の座屈部分1121を押し上げ、その結果、弾性フック112は、変形され、ファンから離れるように曲げられる。ファンロッド120、および開口部113が設けられ、弾性フック112の真向かいにあるので、弾性フック112は、取付穴111の壁が遮られるのを防ぐために、取付穴111の変形および曲げのための十分なスペースがある。弾性フック112により、ファンロッド120は、取付穴111に正常に挿入することができない。
【0014】
本明細書の図面に示されていない他の実施形態では、弾性フック112が取付穴111に設けられる領域の高さが増加し、その結果、弾性フック112とその壁面との間に十分な距離が存在する。弾性フックを確実にするための取付穴111フック112は、正常に変形および曲げることができる。
この実施形態では、
図1および
図2に示すように、ベース110は、第1のハウジング114および第2のハウジング115を含む。第1のハウジング114および第2のハウジング115は取り外し可能に接続され、第1のハウジング114は、第1の溝が通過する。第2のハウジング115の外周面を貫通する第2の溝は、外周面を貫通する。第1の溝と第2の溝は、真向かいに配置されて取付穴111を形成し、弾性フック112は、第1の溝に接続される。ハウジング114または第2のハウジング115では、ファンロッド120を取付穴111に挿入した後、ファンロッド120を引き抜くことはできない。ファンロッド120を取り外す必要がある場合、第1のハウジング114を第2のハウジング115から分離する。 ベース110とファンロッド120とを分離することができるので、ファンロッド120の取り外し操作が簡単で便利である。
【0015】
この実施形態では、
図1および
図2に示すように、ベース110の外周は複数の取付穴111が設けられている。複数の取付穴111はベース110の外周に沿って等間隔に配置されており、複数のファンロッド120は、それぞれ、複数の取り付け穴に埋め込まれている。ベース110が回転すると、複数のファンロッド120の力が均等に分散されるのでベース110のバランスが確保され、回転中の揺れからベース110を回避する。
実用新案はまた、
図5に示すように、空調ガイドファンを提供し、これは、上記の実施形態で説明したファンロッド取り付け構造10を含み、フック20およびコネクティングロッド30も含む。コネクティングロッド30はベース110に接続され、他端はフック20に接続され、ファンロッド120設置構造はコネクティングロッド30を介してフック20に接続され、フック20は中央空調フィルターの。
【0016】
空調ガイドファンは、ベース110の外周に取付穴111を設け、ファンロッド120の一端を取付穴111に挿入し、座屈させてベース110に接続することにより、ファンロッド120とベース110との間の迅速な接続。設置プロセスは、固定のために工具、ネジおよび他の付属品を必要とせず、設置操作は便利かつ迅速であり、設置の困難さは軽減され、設置効率は改善される。また、人的資源と材料資源が節約される。
この実施形態では、フック20の数は2つであり、2つのフック20は並んで配置されており、中央空調フィルタスクリーンの水平部材に吊るされたときにより安定であり、空調の揺れを回避する。
【0017】
図6と
図7に示すように空調ガイドファンは可動ブロック40および弾性部材50を含む。可動ブロック40とベース110はコネクティングロッド30に軸付けされている。コネクティングロッド30は回転軸としては稼働しない。コネクティングロッド30は可動ブロック40には固着されない。
図6に示すように、フック20の中央付近でコネクティングロッド30が固着されている。フック20の中央付近でコネクティングロッド30が固着されるように可動ブロック40にはコネクティングロッド30が貫通する構造を有している。このフック20はコネクティングロッド30が固着された状態で、溝410内に格納されている。
図7に示すように、コネクティングロッド30の周囲は弾性部材50で覆われている。この弾性部材50は丸線コイルバネ等で代用できる。
図7に示すように弾性部材50である丸線コイルの中空内にコネクティングロッド30が設置されている。弾性部材50の一端は図示していない可動ブロック40の内部で固着されている。
【0018】
弾性部材50の別の一端はベース110に接続されている。
図7に示すように、可動ブロック40とベース110には間隙が存在している。可動ブロック40にベース110に向かう力が加えられると、この間隙を狭める方向に可動ブロック40とベース110が接近する。この時、弾性部材50は両端が可動ブロック40とベース110に固着されているので、弾性変形が発生する。その結果、弾性部材50は可動ブロック40とベース110の間隙を広げる方向に付勢する。
可動ブロック40とベース110には間隙が狭まる方向に力が加えられたとき、コネクティングロッド30の一端は、可動ブロック40から突出する。その結果、コネクティングロッド30の一端に固着されているフック20と可動ブロック40の間に隙間ができる。コネクティングロッド30の別の一端に接続されているベース110は、コネクティングロッド30を中心に回転が可能になるようにベアリングなどを配置して接続されている。
【0019】
図7は、弾性部材50が弾性変形しない状態のときを表している。この時、フック20の一部が溝410から外部に突出している。可動ブロック40とベース110には間隙が表れている。続いて弾性部材50が弾性変形すると可動ブロック40とベース110には間隙が狭まり、フック20の隠れていた部分が表れる。
実際に弾性部材50が弾性変形しない状態では、フック20の一部しか表れていないので、セントラルエアコンの水平部材に引っ掛けるのは難しい。設置作業を行う場合は、作業者が可動ブロック40を押し下げてフック20の全体を突出させた状態で行うので、セントラルエアコンの水平部材に引っ掛け易くなる。その後に弾性変形した弾性部材50が元に戻ろうとするので、フック20と可動ブロック40が接近する。ここで、セントラルエアコンの水平部材が挟持されるので、中央空調フィルタスクリーンに可動ブロック40が弾性力により付勢され固定される。
【0020】
可動ブロック40の外壁部の周囲には、取付作業を行うときに作業者の指が滑りにくくするための窪みを設けてもよい。
【0021】
フック20に面する可動ブロック40の表面は、第3の溝410を有する。弾性部材50が自然状態にあるとき、フック20は第3溝410にある。中央空調フィルタスクリーンの水平部材が上にあるとき、フック20は可動ブロック40を下向きに押すことによって第3溝410の外側に配置され、弾性部材50が圧縮される。このとき、中央空調フィルタスクリーンの水平部材にフック20を吊るし、可動ブロック40を緩めると、弾性部材50は元の形状に戻り、可動ブロック40は、の弾性力により押し上げられる。フック20に面する可動ブロック40の表面が中央空調フィルタスクリーンの水平部材に接するように、弾性部材50は、フック20を中央空調フィルタスクリーンの水平部材に安定して吊るして、フックを防止する。中央空調フィルタスクリーンの水平部材から落下しないため、空調ガイドファンの設置工程全体で中央空調フィルタスクリーンを取り外す必要がない。
【0022】
この実施形態では弾性部材50は丸線コイルばねであるが、この形式のばねに限定して実施する必要はない。
図5に示すように、空調ガイドファンは、複数のファンブレード60をさらに含み、ファンブレード60は、ファンロッド120の他端に接続され、ファンブレード60は、ファンブレード60の下で回転する。空調風が室内に均等に分配される。
【符号の説明】
【0023】
10・・・・構造
20・・・・フック
30・・・・コネクティングロッド
40・・・・可動ブロック
50・・・・弾性部材
60・・・・ファンブレード
110・・・・ベース
111・・・・取付穴
112・・・・弾性フック
113・・・・開口部
114・・・・ハウジング
115・・・・ハウジング
120・・・・ファンロッド
121・・・・接続ブロック
410・・・・溝
1121・・・・座屈部分
1121・・・・部分
1211・・・・制限溝