(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】景品獲得装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
(21)【出願番号】P 2018020491
(22)【出願日】2018-02-07
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(73)【特許権者】
【識別番号】318016342
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメントラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】椎野 隆司
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 真紀子
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-226707(JP,A)
【文献】特開2014-033735(JP,A)
【文献】特開2011-002930(JP,A)
【文献】特開2016-091276(JP,A)
【文献】特開2009-028558(JP,A)
【文献】特開2017-121559(JP,A)
【文献】特開2017-184939(JP,A)
【文献】特開2007-215629(JP,A)
【文献】特開2015-226627(JP,A)
【文献】特開2015-186530(JP,A)
【文献】特表2007-515576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-9/20
9/26-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間内に配置された景品の獲得を目指すゲームプレイとして、所与の操作順に従って獲得機構部に対する操作指示をプレーヤが順番に入力することで、前記獲得機構部の駆動制御が行われる景品獲得装置であって、
表示部と、
前記獲得機構部の駆動制御に係る
前記ゲームプレイ1回分の動作シーケンスとして
、カスタマイズが許可された許可手順およびカスタマイズが不許可の不許可手順を含む複数の手順が所定順に予め設定された標準シーケンスを記憶する標準シーケンス記憶手段と、
管理ユーザの編集操作に従って前記標準シーケンス
に設定された前記許可手順を編集することで、前記ゲームプレイに供される使用シーケンスを設定する使用シーケンス設定手段と、
を備え
、
前記使用シーケンス設定手段は、
前記表示部に、前記標準シーケンスに設定された前記複数の手順を前記所定順に沿った時系列に配列表示し、且つ、前記許可手順と前記不許可手順とを識別可能に表示する手順表示制御手段であって、前記編集操作に応じて当該配列表示を更新する手順表示制御手段と、
前記手順表示制御手段により配列表示されている前記許可手順の何れかを、前記編集操作に従って、前記使用シーケンスでの動作から除外する手段と、
を有する、
景品獲得装置。
【請求項2】
前記使用シーケンス設定手段は、
前記配列表示されている前記許可手順の順序を、前記編集操作に従って変更する手段、
を有する、
請求項1記載の景品獲得装置。
【請求項3】
前記使用シーケンス設定手段は、
新たな前記許可手順を、前記編集操作に従って前記配列表示に追加する手段、
を有する、
請求項1記載の景品獲得装置。
【請求項4】
各々の
前記
手順は、前記獲得機構部の駆動制御の仕様を要素別に示した
1以上の制御仕様要素
で定義され、
前記使用シーケンス設定手段は、
編集対象の前記許可手順である編集対象許可手順を選択する手段と、
前記編集対象許可手順を定義する
前記制御仕様要素の選択肢を前記管理ユーザに提示する選択肢提示手段
と、
前記選択肢提示手段により提示された前記
選択肢の中から
前記編集対象許可手順を定義する制御仕様要素を選択する選択操作に基づいて
前記編集対象許可手順を編集する
手段と、
を有する、
請求項
1~3の何れか一項に記載の景品獲得装置。
【請求項5】
前記獲得機構部は、機構仕様が変更可能であり、
前記制御仕様要素は、適合する前記機構仕様と関連付けられており、
前記獲得機構部の現在の機構仕様を入力する機構仕様入力手段、
を更に備え、
前記選択肢提示手段は、前記機構仕様入力手段に入力された機構仕様に適合する前記制御仕様要素の選択肢を前記管理ユーザに提示する、
請求項
4に記載の景品獲得装置。
【請求項6】
前記機構仕様には、交換可能なパーツが少なくとも含まれ、
前記機構仕様入力手段は、現在のパーツを入力する手段を有し、
前記選択肢提示手段は、現在のパーツに適合する前記制御仕様要素の選択肢を提示する、
請求項
5に記載の景品獲得装置。
【請求項7】
現在装着されているパーツを検知する装着パーツ検知手段、
を更に備え、
前記機構仕様入力手段は、前記装着パーツ検知手段の検知結果に基づいて現在のパーツを入力する、
請求項
6に記載の景品獲得装置。
【請求項8】
前記景品獲得装置は、前記ゲーム空間内の景品配置領域及び景品獲得領域を変更可能であり、
現在の前記景品配置領域及び/又は前記景品獲得領域であるゲーム空間設定を入力するゲーム空間設定入力手段、
を更に備え、
前記制御仕様要素は、前記ゲーム空間設定に適合する制御パラメータが関連付けられている、
請求項
4~
7の何れか一項に記載の景品獲得装置。
【請求項9】
前記制御パラメータは、前記ゲーム空間設定に適合する設定値の範囲が定められており、
前記使用シーケンス設定手段は、前記管理ユーザの編集操作に従って、前記ゲーム空間設定に適合する前記制御パラメータの設定値の範囲内で当該設定値を設定する、
請求項
8に記載の景品獲得装置。
【請求項10】
現在の前記ゲーム空間設定を検知するゲーム空間設定検知手段、
を更に備え、
前記ゲーム空間設定入力手段は、前記ゲーム空間設定検知手段の検知結果に基づいて現在のゲーム空間設定を入力する、
請求項
8又は
9に記載の景品獲得装置。
【請求項11】
前記標準シーケンスに対する変更許可レベルに応じて、前記標準シーケンスに
設定された前記許可手順と前記不許可手順とが可変に設定されており、
所定のレベル変更操作に応じて、現在の変更許可レベルを変更するレベル変更手段、
を更に備え
た請求項1~
10の何れか一項に記載の景品獲得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品獲得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「クレーンゲーム機」と呼ばれる景品獲得装置において、管理ユーザが、クレーン部分に相当する景品獲得部の取付部材を変更し、変更した取付部材に応じて予め用意されている動作シーケンスを選択することができる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、予め用意されている動作シーケンスは固定的且つその数が少なかった。
【0005】
特に、景品獲得装置を設置する運営事業者側にとって、当該装置の運用形態は多岐にわたる。例えば、人気の景品を採用するように努力することは勿論のこと、いかにも獲り易そうな景品の並べ方の工夫、上手くすると大量獲得できるかのような景品の積み上げ、手作りギミックの投入、などそのバリエーションは景品獲得装置のメーカ側の事前想定を優に超える。そのため、装置の動作シーケンスが固定的且つ限られていることは、運営事業者側を、やりたいことを十分にできない状況におくことを意味していた。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みて考案されたものであり、運用形態の創意工夫を実現できるような景品獲得装置に関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための第1の発明は、ゲーム空間内に配置された景品の獲得を目指すゲームプレイとして、所与の操作順に従って獲得機構部に対する操作指示をプレーヤが順番に入力することで、前記獲得機構部の駆動制御が行われる景品獲得装置であって、
前記ゲームプレイ1回分の動作シーケンスとして前記獲得機構部の前記操作順の駆動制御を含む標準シーケンスを記憶する標準シーケンス記憶手段(例えば、
図1の制御基板1250、ICメモリ1252、
図16の記憶部500、
図17の標準シーケンス定義データ530)と、
管理ユーザの編集操作に従って前記標準シーケンスのうちのカスタマイズ可能なカスタム部分を編集することで、前記ゲームプレイに供される使用シーケンスを設定する使用シーケンス設定手段(例えば、
図1の制御基板1250、
図16の処理部200、使用シーケンス設定制御部210、
図17の使用シーケンス名609、
図25のステップS74)と、を備えた景品獲得装置である。
【0008】
第1の発明によれば、標準シーケンスをカスタマイズしてゲームプレイに使用することができる。よって、標準シーケンスでは実現できないような運用形態でも、カスタマイズによりそれを実現することが可能になる。
【0009】
が
第2の発明は、前記動作シーケンスが、前記獲得機構部の駆動制御の仕様を要素別に示した制御仕様要素の組合せを用いて定義され、前記使用シーケンス設定手段は、前記制御仕様要素の選択肢を前記管理ユーザに提示する選択肢提示手段(例えば、
図1の制御基板1250、
図16の処理部200、選択肢提示制御部240、
図17のカスタマイズ選択肢定義データ550、
図23の変更先カスタマイズ選択肢リスト616、
図24のステップS32)、を有し、当該選択肢の中から前記使用シーケンスに組み込む制御仕様要素を選択する選択操作に基づいて前記カスタム部分を編集する、第1の発明の景品獲得装置である。
【0010】
第2の発明によれば、標準シーケンスをカスタマイズする際、獲得機構部の駆動制御を要素別にした制御仕様要素を単位としてカスタマイズすることが可能になる。よって、管理ユーザはなにをどのようにカスタマイズしようとしているのかが分かり易くなり、コンピュータのプログラマーのような専門知識が無くとも、簡単に動作シーケンスをカスタマイズできる。
【0011】
第3の発明は、前記獲得機構部が、機構仕様が変更可能であり、前記制御仕様要素は、適合する前記機構仕様と関連付けられており、前記獲得機構部の現在の機構仕様を入力する機構仕様入力手段(例えば、
図1のタッチパネル1213、制御基板1250、
図16の第4操作入力部104、処理部200、機構仕様入力制御部232、
図23の前提仕様データ612、
図24のステップS12)、を更に備え、前記選択肢提示手段は、前記機構仕様入力手段に入力された機構仕様に適合する前記制御仕様要素の選択肢を前記管理ユーザに提示する、第2の発明の景品獲得装置である。
【0012】
第3の発明によれば、獲得機構部の機構仕様、言い換えると、ハードウェア構成を管理ユーザが変更することができる。そして、カスタマイズする際には、機構仕様を入力すると、機構仕様に適合する制御仕様要素の選択肢を自動的に選択して管理ユーザに提示できる。よって、現在の機構仕様からすると実行できないカスタマイズを事前に回避することができる。
【0013】
第4の発明は、前記機構仕様には、交換可能なパーツが少なくとも含まれ、前記機構仕様入力手段は、現在のパーツを入力する手段(例えば、
図1のタッチパネル1213、制御基板1250、
図16の第4操作入力部104、処理部200、機構仕様入力制御部232)を有し、前記選択肢提示手段は、現在のパーツに適合する前記制御仕様要素の選択肢を提示する、第3の発明の景品獲得装置である。
【0014】
第4の発明によれば、管理ユーザが獲得機構部のパーツを変更可能であり、現在装着されているパーツを入力することで、当該パーツに適合する制御仕様要素を使って動作シーケンスをカスタマイズできる。
【0015】
第5の発明は、現在装着されているパーツを検知する装着パーツ検知手段(例えば、
図26の装着パーツ検知用カメラ1261)、を更に備え、前記機構仕様入力手段は、前記装着パーツ検知手段の検知結果に基づいて現在のパーツを入力する、第4の発明の景品獲得装置である。
【0016】
第5の発明によれば、装着されているパーツの入力を自動で行うことができる。
【0017】
第6の発明は、前記景品獲得装置が、前記ゲーム空間内の景品配置領域及び景品獲得領域を変更可能であり、現在の前記景品配置領域及び/又は前記景品獲得領域であるゲーム空間設定を入力するゲーム空間設定入力手段(例えば、
図1のタッチパネル1213、制御基板1250、
図16の第4操作入力部104、処理部200、ゲーム空間設定入力制御部234)、を更に備え、前記制御仕様要素は、前記ゲーム空間設定に適合する制御パラメータが関連付けられている、第1~第5の何れかの発明の景品獲得装置である。
【0018】
第6の発明によれば、ゲーム空間の何処に景品を配置し、何処に景品を移動させれば獲得と見なすかのゲーム空間内の構成に関する設定入力をすることが可能となる。また、ゲーム空間の設定に適合する制御パラメータが制御仕様要素に関連付けられている。
【0019】
第7の発明は、前記制御パラメータが、前記ゲーム空間設定に適合する設定値の範囲が定められており、前記使用シーケンス設定手段は、前記管理ユーザの編集操作に従って、前記ゲーム空間設定に適合する前記制御パラメータの設定値の範囲内で当該設定値を設定する、第6の発明の景品獲得装置である。
【0020】
ゲーム空間の設定によっては、獲得機構部の駆動制御が制限されるべき部分が生じ得る。例えば、獲得機構部をゲーム空間内で移動させる範囲に制限が生じる場合がある。もしそうした制限に注意を払わずにカスタマイズすると、獲得機構部がゲーム空間内の構造物と衝突して損傷するといったことが起こり得る。しかし、第7の発明によれば、制御パラメータの設定値の範囲が、ゲーム空間設定に適合する範囲となるため、こうした不具合の発生を防止することができる。
【0021】
第8の発明は、現在の前記ゲーム空間設定を検知するゲーム空間設定検知手段(例えば、
図26のゲーム空間設定検知用カメラ1262)、を更に備え、前記ゲーム空間設定入力手段は、前記ゲーム空間設定検知手段の検知結果に基づいて現在のゲーム空間設定を入力する、第6又は第7の発明の景品獲得装置である。
【0022】
第8の発明によれば、ゲーム空間の設定の入力を自動化或いは半自動化することができる。
【0023】
第9の発明は、前記使用シーケンスに従った試験動作を制御する試験動作制御手段(例えば、
図1の制御基板1250、
図16の処理部200、試験動作制御部242)、を更に備えた第1~第8の何れかの発明の景品獲得装置である。
【0024】
第9の発明によれば、カスタマイズしたシーケンスで思った通りの結果が得られるかをテストすることができるようになる。
【0025】
第10の発明は、前記使用シーケンスを他の景品獲得装置に移植するために前記使用シーケンスの内容を示す移植用データを作成する移植用データ作成手段(例えば、
図1の制御基板1250、
図16の処理部200、移植用データ作成部250)と、
前記移植用データを出力する移植用データ出力手段(例えば、
図1のタッチパネル1213、制御基板1250、
図16の画像表示部392、処理部200、移植用データ出力制御部252)と、
前記移植用データを読み込む移植用データ読み込み手段(例えば、
図1のコードリーダ1218、制御基板1250、
図16の移植用データ読み込み部120)と、
前記移植用データ読み込み手段により読み込まれた移植用データに基づいて新たな使用シーケンスを設定する第2の使用シーケンス設定手段(例えば、
図1の制御基板1250、
図16の移植シーケンス設定部256)と、を更に備えた第1~第9の何れかの発明の景品獲得装置である。
【0026】
第10の発明によれば、カスタマイズした結果を、他機へ移植することができる。
【0027】
第11の発明は、前記プレーヤに向けたゲームプレイ時の表示内容と、前記管理ユーザに向けたメンテナンス時の表示内容とを切り替えて表示するタッチパネル、を更に備え、前記使用シーケンス設定手段は、前記タッチパネルにおいて前記管理ユーザの編集操作を受け付けて前記使用シーケンスを設定する、第1~第10の何れかの発明の景品獲得装置である。
【0028】
第11の発明によれば、タッチパネルを使って動作シーケンスをカスタマイズできる。
【0029】
第12の発明は、前記標準シーケンスに対する変更許可レベルに応じて、前記標準シーケンスにおけるカスタマイズ部分が可変に設定されており、所定のレベル変更操作に応じて、現在の変更許可レベルを変更するレベル変更手段(例えば、
図1のタッチパネル1213、制御基板1250、
図16の第4操作入力部104、処理部200、レベル変更部222、
図23の変更許可レベル611)、を更に備え、前記使用シーケンス設定手段は、現在の変更許可レベルに応じて定められるカスタム部分を編集する、第1~第11の何れかの発明の景品獲得装置である。
【0030】
第12の発明によれば、シーケンスの何処をカスタマイズ可能とし、何処をカスタマイズ不可とするかを、変更許可レベルに応じて変化させることができる。よって、例えばカスタマイズする操作の容易性を優先する構成と、難易度は上がるがカスタマイズできる自由度を優先する構成と、を管理ユーザが選べるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本実施形態の景品獲得装置の構成例を示す正面図。
【
図2】獲得機構部の機構仕様の例と、ゲーム空間設定の例と、それらを組み合わせて実現されるプレイスタイルの例を示す図(その1)。
【
図3】獲得機構部の機構仕様の例と、ゲーム空間設定の例と、それらを組み合わせて実現されるプレイスタイルの例を示す図(その2)。
【
図4】獲得機構部の機構仕様の例と、ゲーム空間設定の例と、それらを組み合わせて実現されるプレイスタイルの例を示す図(その3)。
【
図5】メンテナンス用のメニュー画面の例を示す図。
【
図9】編集中シーケンスの手順の追加・削除の編集操作について説明するための第4のカスタマイズ画面の表示例を示す図。
【
図10】とある手順を変更する編集操作について説明するための図。
【
図11】係合機構部の駆動制御に係る制御パラメータのカスタマイズに係る操作について説明するための図。
【
図12】第5のカスタマイズ画面の表示例を示す図。
【
図13】シーケンス定義データの内容を表した概念図。
【
図14】
図13で示したシーケンスを特別レベルで編集する場合のカスタマイズ画面の表示例。
【
図15】特別レベルで、第9手順「リリース位置移動」を変更する編集操作について説明するための図。
【
図16】景品獲得装置の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図17】記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【
図18】獲得機構部標準仕様設定データのデータ構成例を示す図。
【
図19】標準ゲーム空間設定データのデータ構成例を示す図。
【
図20】標準シーケンス定義データのデータ構成例を示す図。
【
図21】カスタマイズ選択肢定義データのデータ構成例を示す図(その1)。
【
図22】カスタマイズ選択肢定義データのデータ構成例を示す図(その2)。
【
図23】カスタマイズ管理データのデータ構成例を示す図。
【
図24】景品獲得装置におけるカスタマイズに係る処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図26】景品獲得装置の変形例の構成例を示す正面向かって右の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0033】
[ハードウェア構成の説明]
図1は、本実施形態の景品獲得装置の構成例を示す正面図である。
景品獲得装置1200は、ゲームプレイするユーザ(以下、「プレーヤ」と呼称。)が、ゲーム空間1220に配置された景品の中から希望する景品を狙って獲得機構部1230を操作して、狙った景品を移動させて払い出させることを楽しむゲーム装置である。
【0034】
具体的には、本実施形態の景品獲得装置1200は、筐体1201の前面に設けられた操作卓1210と、筐体1201の内部空間を透明隔壁1202等で覆って画成されたゲーム空間1220と、操作卓1210での操作入力に応じてゲーム空間1220で動作する獲得機構部1230と、当該装置を統合的に動作制御する制御基板1250と、備える。勿論、これら以外の構成要素(例えば、電源装置など)も適宜備えることができる。
【0035】
操作卓1210は、複数の操作入力デバイスを有する(
図1では、操作卓1210の上面図を長破線で引き出して記している。)
本実施形態の操作卓1210は、ジョイスティック1211と、複数のプッシュ型のボタンスイッチ1212と、タッチパネル1213と、管理ユーザの鍵に対応するキースイッチ1214と、を備える。
【0036】
プレーヤはジョイスティック1211やボタンスイッチ1212を使ってゲームプレイのための操作指示(ゲームプレイのための操作入力;プレイ操作)をすることができる。また、景品獲得装置1200の管理ユーザは、タッチパネル1213やキースイッチ1214を使って各種メンテナンスに係る管理操作を入力することができる。
【0037】
勿論、操作入力デバイスの構成はこれらに限定されるものではなく、適宜、追加・省略・変更が可能である。例えば、ジョイスティック1211と、ボタンスイッチ1212とに代えて、或いはこれらとは別にトラックボール、レバー、ダイヤル、タッチパッド、ハンドル、などを用いることができる。
【0038】
また、操作卓1210は、ICメモリ等の記憶媒体を着脱自在に接続するためのメモリ端子1215と、非接触型リーダライタ1216と、コードリーダ1218と、を備える。
【0039】
非接触型リーダライタ1216は、非接触型ICメモリからデータの読み書きをする装置である。本実施形態では、非接触型リーダライタ1216は、電子マネーサービスを利用可能な非接触型ICメモリに対応し、プレイ対価の徴収を行うのに使用する。
なお、非接触型リーダライタ1216とは別に、従来通りの現金(硬貨)によるプレイ対価の支払を可能にする硬貨投入装置1217を適宜設けることとする。
【0040】
コードリーダ1218は、クーポンコードや、他装置からのデータ移植用データを読み取ることができる装置である。例えば、撮像素子とコード認識ICとを備える。
【0041】
制御基板1250は、CPU(Central Processing Unit)1251やGPU(Graphics Processing Unit),DSP(Digital Signal Processor)などの各種プロセッサ、RAMやROM等の各種ICメモリ1252、通信回線に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための通信モジュール1253、インターフェース回路1257などを搭載する。なお、制御基板1250の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0042】
インターフェース回路1257には、スピーカ1204(
図1参照)へ音声信号を出力する出力アンプ回路、ジョイスティック1211及びボタンスイッチ1212からの信号を受信する回路、タッチパネル1213のドライバ回路、キースイッチ1214のキー挿入検知回路から信号を入力する回路、メモリ端子1215や非接触型リーダライタ1216との間で信号を入出力する回路、コードリーダ1218のイメージセンサで撮影された画像の画像データを入力する回路、などが含まれている。
【0043】
制御基板1250に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。そして、制御基板1250は、当該端末でのゲームプレイを可能にする各種機能を実現するためのゲームプログラムや各種データをICメモリ1252に記憶しており、CPU1251でそれらに基づいて演算処理することにより、景品獲得装置1200を統合的に制御する。
【0044】
さて、ゲーム空間1220に目を移すと、当該空間の下部には、支持構造部1222が設けられている。支持構造部1222は、景品配置領域パーツ1240を着脱自在に装着可能な構造部である。例えば、ゲーム空間1220の底部から所定の高さ位置に設けられた格子状部材や、ゲーム空間1220の底面から立設された複数の支柱部などで構成することができる。
【0045】
景品配置領域パーツ1240は、景品獲得装置1200の提供者により装置のオプションとして提供されるパーツであって、大きさや形状違いで単数又は複数種類用意されている。ゲーム空間1220内を俯瞰した場合に、景品配置領域パーツ1240が装着された箇所は、景品4を配置したり、景品4を滑らせて移動させることができる領域である景品配置領域となる。対して、景品配置領域パーツ1240が装着されていない箇所は、景品獲得領域となる。本実施形態では、景品獲得領域は、景品4が落下する落下口として機能し、落下した景品4は内部通路を下って払出口1290に至り、これより装置外へ取り出すことができるようになっている。
【0046】
つまり、取り付ける景品配置領域パーツ1240の種類や取り付け位置の選択によって、管理ユーザは、ゲーム空間1220のデザイン、すなわち、どこがどのような景品配置領域であり、どこがどのような景品獲得領域であるかといったゲーム空間設定を、カスタマイズすることができる。
【0047】
なお、景品獲得領域を形成するために、単数又は複数種類の景品獲得領域パーツを用意することとしてもよい。例えば、他より一段高い台部を形成するパーツ(面積違いで複数種類、台部上面の傾斜や辺縁部の転落防止部の有無の違いで複数種類、など)として、当該パーツ上に景品4を着地させることができたら獲得認定とするとしてもよい。その場合、ゲーム空間設定の記述要素には、取り付ける景品獲得領域パーツの種類と位置とが含まれることになる。
【0048】
ゲーム空間1220の上部には、当該空間内で移動可能であって景品4を移動させるための獲得機構部1230が設けられている。
本実施形態の獲得機構部1230は、景品4に係合したり、景品4を把持したり押したりするための係合機構部1231と、係合機構部1231を上下方向(Z軸方向)に昇降する昇降機構部1233と、昇降機構部1233をゲーム空間1220の装置左右方向である横方向(X軸方向)と装置前後方向である奥行き方向(Y軸方向)へ移動させる移動機構部1235と、を有する。
【0049】
係合機構部1231は、複数のアクチュエータを具備する。各アクチュエータには、予め用意されている複数種類のアタッチメント(機能変更のための交換可能なパーツ)を着脱自在に装着することができるように構成されており、どのアクチュエータにどのアタッチメントを装着するか、或いは装着しないか、によって獲得機構部1230のハードウェアとしての仕様(機構仕様)を変更することができる。
【0050】
そして、どのアクチュエータと操作入力を対応づけ、当該操作入力に応じてどのように駆動制御するかによって、係合機構部1231がどのように景品4と関わり合うかを変更できる。つまり、獲得機構部1230と景品4との係合関係の仕様(係合関係仕様)を変更することができる。
【0051】
係合機構部1231に搭載するアクチュエータの数、配置位置、種類は適宜設定可能である。本実施形態では、係合機構部1231を正面から見て、左右と背面それぞれに、爪アタッチメント10を上下に揺動可能なアクチュエータを備える。また、係合機構部1231と、昇降機構部1233との連結部に、昇降軸回り(上下軸:Z方向軸)周りに回転するアクチュエータを備え、係合機構部1231を首振り可能にしている。
【0052】
図2に示すように、左右に爪アタッチメント10を装着し、背面にはアタッチメントを装着しなければ、クレーンゲーム装置でおなじみの2つ爪で景品を摘まむタイプの係合機構部1231Aを構成できる。同じ2つ爪でも、機構の首振りをユーザ操作の対象とすることで、首振り型の2つ爪の係合機構部1231Bを構成できる。また、背面にも同じように爪アタッチメント10を装着すれば、3つ爪で景品を摘まむタイプの係合機構部1231Cを構成できる。勿論、首振りの可否によって更なるタイプ分けをすることもできる。
【0053】
そして、爪アタッチメント10の長さ、先端の幅などによって、同じ摘まむにしても、左右から挟んで摘まむのか、景品4の下からすくい上げるのか、といった更に多くのタイプを派生させることができる。
【0054】
係合機構部1231は、基本的には、平板状の景品配置領域パーツ1240の上に配置された景品4を把持して摘まみ上げて景品獲得領域6(景品配置領域パーツ1240が装着されていない箇所)の上方へ移動させ、そこで把持を開放して払い出させるプレイスタイルとなる。しかし、配置する景品4の大きさ・形状・密集度、そして爪2本で摘まむのか3本で摘まむのか、首振り可能なのか否かによって、同じようなプレイスタイルに見えて実際にプレイしてみるとそれぞれ獲得実現のためのゲーム攻略法が異なり、全く別のゲームとして楽しむことが可能となる。更に言えば、景品獲得領域6をゲーム空間1220の何処に設けるか、幾つ設けるのかによっても、更に必要とされるゲーム攻略法を変化させることができる。
【0055】
また、例えば
図3に示すように、爪アタッチメント10を1本のみ装着して係合機構部1231Dを構成するとともに、当該アタッチメント10の動作方向下流位置に景品獲得領域6を設定すると、当該アタッチメントで景品4を倒したり転がしたりして景品獲得領域6へ移動させるプレイスタイルを実現できる。
【0056】
また、例えば
図4の上段に示すように、係合機構部1231の下方に向けてプッシュロッド11を固定・装着すると、上下方向(Z方向)への押し引きに好適な係合機構部1231Eとすることができる。
【0057】
そして、この係合機構部1231Eと、上方からの荷重でロックが外れて下方へ揺動する揺動床タイプの景品配置領域パーツ1240Eとを組み合わせると、景品4の隙間を狙って係合機構部1231Eを移動させ、プッシュロッド11が伸長することで、その隙間から景品配置領域パーツ1240Eを下方に押し、そこに載っている景品4の獲得を試みるプレイスタイルが実現できる。景品配置領域パーツ1240Eの上方に、更に障害物1242(例えば、ロッド)を渡すと、難易度を上げることもできる。
【0058】
また、例えば
図4の下段に示すように、係合機構部1231Eと、傾斜面および景品配置に適した平地部分を有する景品配置領域パーツ1240Fとを組み合わせれば、プッシュロッド11を使って景品4を押して傾斜面を上らせ、傾斜面の登り切った先に設けられた景品獲得領域6へ落とすことで景品4の獲得を試みるプレイスタイルを実現できる。
【0059】
また、他の例として、プッシュロッド11の先端にカギ爪部分を設けたプルロッドを構成し、景品配置領域パーツ1240E,1240Fと組み合わせても、また別のプレイスタイルを実現できる。更に言えば、配置する景品4の大きさ・形状・密集度、係合機構部1231が首振り可能なのか否か、景品獲得領域6をゲーム空間1220の何処に、幾つ、どのサイズで設けるのか、などによっても、様々なプレイスタイルを実現することができる。
【0060】
このように、本実施形態の景品獲得装置1200は、主に係合機構部1231(1231A,1231B,…)の構成で決まる獲得機構部1230の機構仕様と、景品配置領域及び景品獲得領域それぞれの設定の組み合わせで決まるゲーム空間の設定とを、管理ユーザが様々に組み合わせることができる。そして、遊戯施設等の実際の運用現場では、ここで述べたのとは全く違う新しいプレイスタイルが編み出され得ることは想像に難くない。
【0061】
ここで、問題となるのが、獲得機構部1230を操作する動作のシーケンスである。
ここで言う「シーケンス」は、ゲーム1回分のゲーム進行における操作指示(操作入力)に応答する獲得機構部1230の駆動制御や、係合機構部1231の自動制御の実行順番や実行条件等を定義したものである。換言すると、獲得機構部1230の駆動制御の仕様の要素(制御仕様要素)を時系列順に組み合せたものである。
【0062】
本実施形態の景品獲得装置1200は、景品獲得装置1200に予め記憶された標準シーケンスをコピーしてこれをベースとし、管理ユーザがカスタマイズ・編集することで、ゲームプレイに供する使用シーケンスを作成・設定できるようにした。
【0063】
図5は、メンテナンス用のメニュー画面の例を示す図である。
メンテナンスメニュー画面W5は、管理ユーザが所定のメンテナンス開始操作を入力するとタッチパネル1213に表示される。メンテナンス開始操作は、適宜設定可能である。例えば、管理ユーザ用の鍵を用いてキースイッチ1214をONにする操作をメンテナンス開始操作とすることができる。
【0064】
メンテナンスメニュー画面W5では、例えば、1)既に制御基板1250のメモリに記憶されているシーケンスの何れかを使用シーケンスとして指定する機能を呼び出す使用シーケンス指定操作アイコン21と、2)メモリに記憶されているシーケンスをカスタマイズして新たなシーケンスを作成・保存するなどの各種カスタマイズの機能を呼び出すカスタマイズ操作アイコン22と、3)移植用データ(詳細後述)を読み込んで当該データに基づくシーケンスを保存する機能を呼び出す移植用受け入れ操作アイコン23と、を有する。
【0065】
図6は、カスタムセッティングに係るカスタマイズ画面の表示例を示す図である。
メンテナンスメニュー画面W5にて、カスタマイズ操作アイコン22を操作すると、タッチパネル1213に第1のカスタマイズ画面W6が表示される。
【0066】
第1のカスタマイズ画面W6は、カスタマイズの前提となる、機構仕様とゲーム空間設定の入力を受け付ける画面である。言うならば、前提仕様設定画面である。
当該画面では、上部に操作説明30が表示されるとともに、本実施形態の景品獲得装置1200で実現可能な機構仕様の選択肢32と、ゲーム空間設定の選択肢34とが表示される。本実施形態では、ゲーム空間設定の選択肢34は、景品配置領域と景品獲得領域との両設定の組み合わせで1種類とみなすこととする。管理ユーザは、カスタマイズの前提となるハードウェアの構成についての情報入力として、自身が景品獲得装置1200に施した機構仕様とゲーム空間設定をここで選択入力する。選択された機構仕様とゲーム空間設定の組み合わせを「前提仕様」と呼ぶ。
【0067】
図7は、第2のカスタマイズ画面の表示例であって、ベースとする標準シーケンスの選択に係る表示をするベース選択画面の表示例である。
前提仕様を選択して所定の決定操作を入力すると、タッチパネル1213にて第2のカスタマイズ画面W7が表示される。当該画面では、前提仕様表示40と、操作説明41と、ベース候補とされる標準シーケンスのシーケンス名であるベース候補シーケンス名42と、現在ベース候補として選択されている標準シーケンスの概要説明44と、が表示される。
【0068】
ベース候補は、景品獲得装置1200に予め記憶された標準シーケンスの中から、景品獲得装置1200が前提仕様になっていることを前提として構成された標準シーケンス、換言すると前提仕様に適合する標準シーケンスが検索されて抽出されたものである。
図7の例では、2つのみを示しているが、検索結果によっては1つ、又は3つ以上である可能性もある。
【0069】
管理ユーザは、何れかのベース候補の標準シーケンスのコピーを編集・カスタマイズして、自身が考えている新しい運用形態に適した新たなシーケンスを作ることができる。第2のカスタマイズ画面W7が表示された状態では、ベース候補シーケンスの何れかがデフォルトで選択状態とされるが、管理ユーザは、何れかのベース候補シーケンス名42のアイコンをタッチすることでベースとする標準シーケンスの選択を換えることができる。
【0070】
図8は、第3のカスタマイズ画面W8の表示例であって、シーケンスのカスタマイズと、係合機構部1231の駆動制御に係る制御パラメータのカスタマイズと、ゲーム空間設定に係るパラメータのカスタマイズに係る編集画面の表示例を示している。
【0071】
ベースとする標準シーケンスを選択して所定の決定操作を入力すると、タッチパネル1213に第3のカスタマイズ画面W8が表示される。当該画面では、編集中シーケンス表示部50と、係合動作制御パラメータ表示部52と、ゲーム空間設定パラメータ表示部54と、変更先カスタマイズ選択肢表示部56と、を有する。勿論、これら以外の表示部も適宜含めることができる。
【0072】
編集中シーケンス表示部50は、編集中のシーケンスの内容を表示する。最初は、ベースとする標準シーケンスの内容がコピーされる。シーケンスの内容をどのように表示するかは適宜設定可能である。本実施形態では、ブロック状の記述要素アイコン51によって、シーケンスを記述する要素(記述要素;制御仕様要素)が1つ1つ表される。
【0073】
編集中シーケンス表示部50の左端の縦線が、時間軸(タイムライン)を表しており、シーケンスを構成する各手順の記述要素が上から下へ時系列に配置・表示される。
【0074】
図8の例では、次のようなシーケンスの内容が表示されている。
1)第1ボタンへの操作入力に対応する応答制御があって、
2)それが終わると、
3)第2ボタンへの操作入力に対応する応答制御が実行され、
4)それが終わると、
5)爪(係合機構部1231に装着された爪アタッチメント10)を開く動作をして、
6)昇降機構部1233で係合機構部1231を所定量だけ降下させる。
7)降下後、爪を閉じる動作をして、
8)昇降機構部1233で係合機構部1231を元の位置まで上昇させ、
9)移動機構部1235で係合機構部1231を所定のリリース位置(本実施形態では景品獲得領域6の上方)へ移動させ、
10)爪を開け、
11)爪を閉じ、
12)昇降機構部1233で係合機構部1231をホームポジション(本実施形態では景品獲得領域6の上方)へ移動させる。
【0075】
そして、一つの手順が複数の記述要素で構成される場合、編集中シーケンス表示部50では、それら関連付けられる記述要素の記述要素アイコン51同士を、画面横方向に連結して配置・表示する。横並びの記述要素アイコン51で表される同じ手順における記述要素群は、画面左側ほど上位層、画面右側ほど下位層として扱われる。上位階層が当該手順における主たる対象を表し、下位層ほどより具体的な制御の内容を記述する記述要素となる。
【0076】
本実施形態では、何れの記述要素アイコン51もカスタマイズに係る変更元として選択されていない状態を第0層とし、タイムライン上に配置されている記述要素アイコン51の記述要素を第1層とする。以下、画面右へ向かって第2層、第3層、…とする。
【0077】
係合動作制御パラメータ表示部52は、特に係合機構部1231の自動駆動制御に係る制御パラメータとその設定値(パラメータ値)とを記述要素とする記述要素アイコン51を表示する。
【0078】
ゲーム空間設定パラメータ表示部54は、ゲーム空間設定(景品配置領域の設定と、景品獲得部の設定)に係る制御パラメータとその設定値(パラメータ値)を記述要素とする記述要素アイコン51を表示する。
【0079】
編集中シーケンス表示部50で表示される制御仕様要素、係合動作制御パラメータ表示部52で表示されるパラメータ及び設定値、ゲーム空間設定パラメータ表示部54で表示されるパラメータ及び設定値と言った、各種の記述要素がある。しかし、全ての記述要素がカスタマイズ可能として許可されているわけではない。カスタマイズのメリットやシーケンスの破壊のデメリットなどを考慮して、それらが適当にバランスするように適宜制限がかけられている。
図8の例では、白で表された記述要素アイコン51の記述要素はカスタマイズ可能な記述要素であるカスタム部分を示しており、網掛けされている記述要素アイコン51の記述要素はカスタマイズ不可な記述要素である固定部分を示している。
【0080】
管理ユーザは、カスタム部分の記述要素を、個別に「変更元記述要素」として指定して、記述要素の追加・削除・変更をしてカスタマイズする。
【0081】
変更先カスタマイズ選択肢表示部56では、その時、変更元記述要素の内容と組み換え可能な選択肢(カスタマイズ選択肢)を選択して選択肢アイコン57で表示する。
【0082】
では、第3のカスタマイズ画面W8における編集操作(カスタマイズ操作)について順を追って説明する。編集開始当初、又は記述要素アイコン51が表示されていない部分をタッチ操作すると、変更元記述要素は、指定階層が「第0層」、その上位層設定が「なし」に設定される。換言すると、変更対象とする特定の記述要素が未指定とされる。
【0083】
図9は、編集中シーケンスの手順の追加・削除の編集操作について説明するための図であって、編集過程における第3のカスタマイズ画面W8から遷移した第4のカスタマイズ画面W9を示している。
【0084】
変更元記述要素が「指定層=第0層、上位層設定=なし」の場合、手順の削除又は新たな手順の追加が可能となっている。具体的には、変更元記述要素が「指定層=第0層、上位層設定=なし」の状態で、編集操作の一つとして、変更先カスタマイズ選択肢表示部56の選択肢アイコン57を、タイムラインの上に配列表示されている第1層の記述要素アイコン51の隙間へドラッグ&ドロップ操作すると、新たな第1層の記述要素、すなわち新たな手順(
図9の例ではジョイスティック1211による操作入力を受け付ける手順)を追加することができる。逆に、タイムラインの上に配列表示されている記述要素アイコン51を、タイムライン上から外すようにドラッグ&ドロップ操作すると、当該手順を削除することができる。
【0085】
図10は、編集中シーケンスにおけるとある手順を変更する編集操作について説明するための図である。
図10(1)では、第1層の「第2ボタンで」を選択操作して、変更元記述要素を指定する。因みに、この場合、変更元記述要素は「指定層=第1層、上位層設置=タイムライン」となる。
【0086】
そして、変更先カスタマイズ選択肢表示部56に表示されている選択肢アイコン57は、前提仕様と変更元記述要素とに基づいて、適切な選択肢として自動選択された記述要素のアイコンに切り替わる。そこで、管理ユーザは変更先カスタマイズ選択肢表示部56の選択肢アイコン57のなかから何れかのアイコンを、ドラッグ&ドロップ操作して、変更元記述要素の記述要素アイコン51に上から重ねる。これにより、変更先の記述要素が指定されたことになる。
【0087】
変更元と変更先が決まると、変更元の記述要素が変更先の選択肢に組み換えられる。
編集中シーケンス表示部50では、
図10(2)のように、変更元(この場合「第2ボタンで」)の記述要素アイコン51が、変更先(この場合「ジョイスティックで」)のそれに表示が変更される。
【0088】
また、
図10(2)では、第2層の「ONの間」を選択操作して、変更元記述要素に指定する。変更先カスタマイズ選択肢表示部56の選択肢アイコン57は、前提仕様と変更元記述要素とに基づいて、適切な選択肢として自動選択された記述要素のアイコンに切り替わる。管理ユーザは、変更先カスタマイズ選択肢表示部56の選択肢アイコン57のなかから何れかのアイコンを、ドラッグ&ドロップ操作して、変更先の記述要素を指定する。すると、編集中シーケンス表示部50では、
図10(3)のように、変更元(この場合「ONの間」)の記述要素アイコン51が、変更先(この場合「ONの間+OFF惰行停止」:ONの間移動して、OFFすると暫く惰行して停止の意)のそれに表示が変更される。
【0089】
そして
図10(3)のように、管理ユーザは、更に第3層の記述要素アイコン51を選択操作して、どのような移動を行うかをカスタマイズすることができる。
【0090】
図11は、係合機構部1231の駆動制御に係る制御パラメータのカスタマイズに係る操作について説明するための図である。
図11(1)に示すように、係合機構部1231の駆動制御に係る制御パラメータのカスタマイズについても、シーケンスの編集と同様に行うことができる。すなわち、管理ユーザは、係合動作制御パラメータ表示部52に表示されているカスタマイズが許可されている白い記述要素アイコン51のなかから、何れかの変更元記述要素を選択すると(
図11(1)の例では、第2層の「-10%」)、変更先カスタマイズ選択肢表示部56に、前提仕様として選択された係合機構部1231の機構仕様と、変更元記述要素として指定された内容とに応じた適切な選択肢の選択肢アイコン57が表示される。管理ユーザは、変更先カスタマイズ選択肢表示部56の選択肢アイコン57を、変更元記述要素の記述要素アイコン51の上に重ねるようにしてドラッグ&ドロップ操作して、変更先を指定する。すると、両者が入れ換えられる。
【0091】
図11(2)に示すように、係合動作制御パラメータ表示部52に表示される記述要素は、前提仕様とされた係合機構部1231の機構仕様に応じて自動的に変更される。また、係合動作制御パラメータ表示部52に表示される記述要素も同様である。
【0092】
本実施形態では、編集中シーケンス表示部50や係合動作制御パラメータ表示部52での記述要素となる制御仕様要素の中には、ゲーム空間設定に応じて適合する制御パラメータが関連付けられているものがある。そして、制御パラメータには、ゲーム空間設定に適合する設定値の範囲が予め定められており、当該制御パラメータが変更元記述要素とされる場合は、前提仕様とされるゲーム空間設定に適合する設定値の範囲内で当該設定値を設定することができる。
【0093】
例えば、
図11(2)の例では、変更先カスタマイズ選択肢表示部56にて表示される「降下範囲」の選択肢には「数値入力」できる選択肢が含まれるが、数値入力できる範囲は、前提仕様とされるゲーム空間設定に応じて、具体的には景品配置領域パーツ1240の種類等に応じて決定される。例えば、景品配置領域パーツ1240E(
図4参照)を用いるゲーム空間設定が前提の場合は、降下範囲が当該パーツの作動に不足しないような設定値(パラメータ値)の範囲が自動的に用意され、傾斜面を有する景品配置領域パーツ1240Fを用いるゲーム空間設置が前提の場合は、降下量が過剰になってアタッチメントが景品配置領域パーツ1240Fと当たって折れ曲がるなどの不具合が生じない設定値の範囲が自動的に用意される。
【0094】
さて、シーケンスのカスタマイズや、係合機構部1231の駆動制御に係るパラメータのカスタマイズ、ゲーム空間設定に係るパラメータのカスタマイズ、を行って所定の完了操作を入力すると、
図12のように後処理用の第5のカスタマイズ画面W12が表示される。
【0095】
第5のカスタマイズ画面W12は、1)試験動作操作を入力するための試験動作操作アイコン61と、2)試験動作画像表示部62と、3)保存及び使用シーケンス指定操作アイコン63と、4)シーケンス名入力部64と、5)編集したシーケンスを他機へ移植するための移植用データの作成と出力の操作を入力するための移植用データ出力操作アイコン65と、6)移植用データ表示部66と、を含む。
【0096】
試験動作操作アイコン61をタッチ操作すると、編集されたシーケンスの構成に基づいて、動作シミュレーションが行われて、試験動作画像表示部62にてアニメーション表示される。管理ユーザは、これを見て、自分が思っていた通りのシーケンスができているかを確認する。もし、修正が必要であれば、所定の戻り操作アイコン67を操作して、第3のカスタマイズ画面W8(
図8参照)に戻ることができる。
【0097】
試験動作に問題が無ければ、保存及び使用シーケンス指定操作アイコン63を操作して、シーケンス名入力部64に編集したシーケンスの名前を設定できるようにする。そして、所定の決定操作を入力すれば、カスタマイズ結果である編集したシーケンスを保存することができ、当該シーケンスをゲームプレイに用いる使用シーケンスに指定することができる。
なお、保存と使用シーケンスの指定とを別々の操作に分けても良い。
【0098】
管理ユーザが、編集したシーケンスを他機(他の景品獲得装置1200)に移植したい場合には、移植用データ出力操作アイコン65を操作すると、移植用データ617が作成されて移植用データ表示部66にて表示出力される。
本実施形態では、移植用データ617を2次元コードとする。管理ユーザは、移植用データ表示部66に表示された移植用データ617を適宜スマートフォンなどで撮影し、当該画像をスマートフォンで表示させて移植先の他機のコードリーダ1218(
図1参照)に読み込ませるだけで移植ができる。つまり、タッチパネル1213を、移植用データ617を出力する移植用データ出力手段として機能させ、コードリーダ1218を移植用データ受け付け手段として機能させる。
【0099】
なお、移植用データ617は、
図12に示すような2次元コードに限らず、必要な情報サイズが確保できるならばコードの形態は適宜選択可能である。また、移植用データの出力形態も、画像表示に限らず、メモリ端子1215に差し込まれたICメモリへの記録や、非接触型リーダライタ1216で読み書き可能になっているICメモリカードなどへの、移植用データの書き込みであってもよい。その場合、移植先ではこの逆に、ICメモリやICメモリカードから、メモリ端子1215や非接触型リーダライタ1216を介して移植用データを読み取ることとなる
【0100】
さて、こうしたシーケンスのカスタマイズには、異なる変更許可レベルが設定されており、その時に設定されている変更許可レベルに応じて編集可能な記述要素が変化する。
【0101】
図13は、シーケンス定義データの内容を表した概念図である。上から下に各手順を時系列に示し、各手順の記述要素を横並びに示している。
第0層のタイムラインは手順の順番を表す。第1層から順に下位層へ向けて、各手順をより具体的に記述する要素が設定されている。そして、その手順において最後の層が変更許可レベル指定層(
図13中の網掛された四角)とされる。
【0102】
変更許可レベル指定層では、当該手順における各層の数と同数の桁を有する数値が格納される。左から1桁目が第0層、2桁目が第1層、…の順に対応する第n層(n=0,1,2,…)の記述要素に設定されている変更許可レベルを表している。具体的には、桁の数値が「0」は、当該記述要素がそもそもカスタマイズ不許可であることを示している。桁の数値が「1」は、変更許可レベルが「標準レベル」とそれより上位の編集権限を与えられた「特別レベル」とにおいてカスタマイズが許可されていることを示している。桁の数値が「2」は、変更許可レベルが「特別レベル」に設定されていることを示している。
【0103】
図13の例では、例えば、手順「#1」では第1層~第3層の記述要素は、標準レベルに設定されているが、第4層の記述要素が特別レベルに設定されている。この例では、第4層の記述要素は、係合機構部1231の横移動のさせ方の詳細設定にあたる。初期設定では「スムーズ移動」とされているが、特別レベルで編集するとこれを「急発進・急停止」「2段階停止」などを選択できるようになる。第1層~第3層の記述要素については、編集する側も比較的カスタマイズの結果をイメージし易いので、標準レベルに設定されている。対して、第4層については、変更する意義や難易度の上昇に伴うユーザリスクの上昇については、重要な決定項目であり、特別レベルに設定されている。
【0104】
同様に、爪の開け閉めや、最後の手順のホームポジションへの自動移動が、カスタマイズ不許可に設定されている。カスタマイズ不許可にされる記述要素は、元になった標準シーケンスにおいて、そこを換えると別のプレイスタイルのシーケンスになってしまうような要素とすると好適である。
【0105】
図14は、
図13で示したシーケンスを特別レベルで編集する場合のカスタマイズ画面の表示例である。
図8の標準レベルにおける第3のカスタマイズ画面W8がこれに相当する。
【0106】
例えば、編集中シーケンス表示部50に着目して、特別レベルでのシーケンス編集に係るカスタマイズ画面W14(
図14参照)と、標準レベルにおける第3のカスタマイズ画面W8(
図8参照)とを比較すると、特別レベルでは、第1手順「第1ボタンで」の並びと、第3手順「第2ボタンで」の並びにおいて、第4層の記述要素アイコン51が追加表示されている。また、第9手順「リリース位置移動」の並びが、カスタマイズ可能に変更されている。
【0107】
図15は、特別レベルで、第9手順「リリース位置移動」を変更する編集操作について説明するための図である
図15(1)に示すように、管理ユーザが、第1層「リリース位置移動」を変更元記述要素に選択すると、変更先カスタマイズ選択肢表示部56の表示は、前提仕様と変更元記述要素の内容に応じた適切な選択肢が表示されるように変更される。
【0108】
そして、管理ユーザは、他の編集操作と同様にして、
図15(2)に示すように、変更先カスタマイズ選択肢表示部56の選択肢アイコン57から希望する記述要素のアイコンを、変更元記述要素の記述要素アイコン51へ重ねるようにしてドラッグ&ドロップ操作することで、変更先の記述要素を指定し入れ換えることができる。
【0109】
編集中シーケンス表示部50では、記述要素を入れ換えた結果、変更元記述要素の記述要素アイコン51が変更されるのはもとより、変更先の記述要素に第2層より下位層の記述要素の設定がある場合には、当該下位層の記述要素の記述要素アイコン51(
図15(2)の例では第2層「操作している間」、第3層「倒し方向へ移動」)が自動的に表示される。それは、変更先の記述要素の初期設定とされる記述要素のアイコンとされる。
【0110】
なお、標準レベルと特別レベルとの切り換えは、所定の切り換え操作入力(例えば、暗証番号の入力など)で行うことができる。勿論、その他の方法で切り替えるとしても良い。
【0111】
[機能構成の説明]
図16は、本実施形態における景品獲得装置1200の機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態における景品獲得装置1200は、第1操作入力部101~第4操作入力部104と、硬貨検出部110と、移植用データ読み込み部120と、処理部200と、横駆動部310と、奥駆動部312と、昇降部314と、景品係合部316と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、記憶部500と、を備える。
【0112】
第1操作入力部101~第4操作入力部104は、各種操作を入力するための手段であって、ボタンスイッチ、レバー、タッチパッド、タッチパネル、ボリュームダイアル、などの入力デバイスにより実現される。
図1の例では、第1操作入力部101がジョイスティック1211、第2操作入力部102~第3操作入力部103がボタンスイッチ1212、第4操作入力部104がタッチパネル1213にそれぞれ該当する。
【0113】
特に、本実施形態では、第4操作入力部104が、獲得機構部1230の現在の機構仕様を入力する機構仕様入力手段及び現在の景品配置領域及び/又は景品獲得領域であるゲーム空間設定を入力するゲーム空間設定入力手段として機能する。
なお、操作入力部の数は、適宜設定可能である。
【0114】
硬貨検出部110は、プレイ対価として投入された硬貨を検出する。
図1の例は、硬貨投入装置1217がこれに該当する。
【0115】
移植用データ読み込み部120は、移植用データを受け付ける手段である。
図1の例では、メモリ端子1215、非接触型リーダライタ1216、コードリーダ1218などがこれに該当する。
【0116】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、第1操作入力部101~第4操作入力部104や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、第1操作入力部101~第4操作入力部104からの操作入力信号、等に基づいて各種の演算処理を実行して、景品獲得装置1200の動作を統合的に制御する。
【0117】
そして、本実施形態の処理部200は、使用シーケンス設定制御部210と、移植用データ作成部250と、移植用データ出力制御部252と、移植用データ読み込み制御部254と、移植シーケンス設定部256と、プレイ制御部270と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0118】
使用シーケンス設定制御部210は、ゲームプレイに供される使用シーケンスを設定する制御を行う。本実施形態では、標準シーケンスを含む既存のシーケンスの中から設定することもできるし(
図5の使用シーケンス指定操作アイコン21が操作された場合の制御に相当)、管理ユーザの編集操作に従って標準シーケンスのうちのカスタマイズ可能なカスタム部分を編集し、編集された(カスタマイズされた)シーケンスの保存とともに、当該シーケンスを使用シーケンスに設定することができる(
図12参照)。このため、本実施形態の使用シーケンス設定制御部210は、カスタマイズ制御部220を有するとも言える。
【0119】
カスタマイズ制御部220は、管理ユーザによる操作入力に応じて、シーケンスと、係合機構部1231の駆動制御に係るパラメータと、ゲーム空間設定に係るパラメータと、のうち少なくとの一つについてのカスタマイズ・編集を行う制御をする。本実施形態では、各種のカスタマイズ画面及びそれらの画面での操作入力に応じたシーケンス等のデータの変更や後処理に関する制御を行う。
【0120】
具体的には、カスタマイズ制御部220は、レベル変更部222と、前提仕様入力制御部230と、選択肢提示制御部240と、試験動作制御部242と、を有する。
【0121】
レベル変更部222は、シーケンスのカスタマイズに係り、標準シーケンスに対する変更許可レベルの変更操作(所定のレベル変更操作)に応じて、現在の変更許可レベルを変更する制御を行う。カスタマイズ制御部220は、現在の変更許可レベルに応じて定められるカスタム部分を編集することができる。
【0122】
前提仕様入力制御部230は、シーケンスのカスタマイズの前提となるハードウェアの仕様に関する入力制御を行う。本実施形態では、第1のカスタマイズ画面W6(
図6参照)の表示制御及び当該画面における選択操作入力に応じた前提仕様のデータ保存処理がこれに該当する。
【0123】
そして、本実施形態の前提仕様入力制御部230は、獲得機構部1230の現在の機構仕様の入力受け付けに係る制御を行う機構仕様入力制御部232と、ゲーム空間1220の現在の設定の入力受け付けに係る制御を行うゲーム空間設定入力制御部234と、を有する。
【0124】
選択肢提示制御部240は、カスタマイズの選択肢、例えば制御仕様要素の選択肢等を管理ユーザに提示する制御を行う。
図8~
図11、
図14などにおいて、変更元記述要素が、編集中シーケンス表示部50の記述要素である場合に、変更先カスタマイズ選択肢表示部56にて記述要素アイコン51として表示する記述要素の検索処理、及び表示処理がこれに該当する。これにより、カスタマイズ制御部220は、当該選択肢の中から使用シーケンスに組み込む制御仕様要素を選択する選択操作に基づいてカスタム部分を編集する制御を行うことができる。
【0125】
また、選択肢提示制御部240は、機構仕様入力制御部232にて入力が受け付けられた機構仕様に適合する制御仕様要素の選択肢を検索して管理ユーザに提示することができる。
【0126】
試験動作制御部242は、対象とされるシーケンスに従った試験動作を制御し、試験動作の様子を表示させることができる。対象とされるシーケンスは、カスタマイズされたシーケンスや使用シーケンスとすることができる。
【0127】
移植用データ作成部250は、対象とされるシーケンスを他の景品獲得装置に移植するために当該シーケンスの内容を示す移植用データ617(
図12参照)を作成する。対象とされるシーケンスは、カスタマイズされたシーケンスや使用シーケンスとすることができる。
【0128】
移植用データ出力制御部252は、作成された移植用データを出力する制御を行う。本実施形態では、二次元コードによる表示出力とするが、印刷出力や、外部メモリへの書き出し出力、通信によるデータ出力、等であってもよい。
【0129】
移植用データ読み込み制御部254は、移植用データを読み込むための制御を行う。
【0130】
移植シーケンス設定部256は、読み込まれた移植用データに基づいて新たなシーケンス(移植シーケンス)を設定し、そのデータを記憶部500に記憶・保存させる制御を行う。本実施形態では、移植シーケンスの保存とともに、当該シーケンスをゲームプレイに供する使用シーケンスに設定することができる。すなわち、本実施形態の移植シーケンス設定部256は、第2の使用シーケンス設定部として機能させることができる。
【0131】
プレイ制御部270は、使用シーケンスを用いて獲得機構部1230を動作制御して、ゲームプレイを実現するための各種制御を行う。
【0132】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0133】
音生成部290は、音声データの生成やデコードするICやソフトウェアの実行により実現され、景品獲得装置1200のシステム管理やゲームプレイに係る操作音やBGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390へ出力する。
【0134】
音出力部390は、音声信号を放音する。
図1の例ではスピーカ1204がこれに該当する。
【0135】
画像生成部292は、景品獲得装置1200の管理ユーザに向けたメンテナンス時の表示内容等の画像データを生成し、当該画像データに基づく画像を表示させるための信号を画像表示部392へ出力することができる。
【0136】
画像表示部392は、画像生成部292から入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1の例ではタッチパネル1213が該当する。
【0137】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0138】
通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信モジュール1253が該当する。
【0139】
記憶部500は、処理部200に景品獲得装置1200を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例では制御基板1250が搭載するICメモリ1252やハードディスクなどの記憶媒体がこれに該当する。
【0140】
図17は、本実施形態における記憶部500が記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態における記憶部500は、ゲームプログラム501と、試験動作用CG素材データ503と、獲得機構部標準仕様設定データ510と、標準ゲーム空間設定データ520と、標準シーケンス定義データ530と、カスタマイズ選択肢定義データ550と、を予め記憶している。
【0141】
また、記憶部500は、逐次更新管理されるデータとして、使用セッティングデータ600と、カスタマイズ管理データ610と、編集済シーケンス定義データ630と、ゲーム進行に必要な各種データを格納するプレイデータ700と、現在日時800と、を記憶する。その他、タイマや、カウンタ、各種フラグなどの情報を適宜記憶できる。
【0142】
ゲームプログラム501は、処理部200が読み出して実行することで、使用シーケンス設定制御部210、カスタマイズ制御部220、移植用データ作成部250~プレイ制御部270としての機能を実現させるためのプログラムである(
図16参照)。
【0143】
試験動作用CG素材データ503は、試験動作をシミュレーションし、その結果を試験動作画像表示部62(
図12参照)にてコンピュータグラフィックスで表示するための各種素材データを格納する。
【0144】
獲得機構部標準仕様設定データ510は、景品獲得装置1200で選択可能な機構仕様別に用意され、当該機構仕様における標準的(プリセット)の仕様情報を格納する。
例えば、一つの獲得機構部標準仕様設定データ510は、
図18に示すように、機構仕様名511と、標準係合動作定義データ513と、適合設定値範囲定義データ515と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0145】
標準係合動作定義データ513は、当該機構仕様の獲得機構部1230における、景品4との係合動作に係る制御パラメータとその設定値(パラメータ値)の標準を格納する。
【0146】
適合設定値範囲定義データ515は、カスタム部とされる係合動作に係る制御パラメータ別(対象仕様項目別)に用意され、前提仕様とされる適合ゲーム空間設定の種類別の適合設定値範囲を定義する。
【0147】
図17に戻って、標準ゲーム空間設定データ520は、景品獲得装置1200で選択可能なゲーム空間の設定の種類別に用意され、当該ゲーム空間設定の内容を定義する。
例えば、一つの標準ゲーム空間設定データ520は、
図19に示すように、ゲーム空間設定名521と、景品配置領域パーツ種類523と、景品払出領域設定525と、標準パラメータ値データ527と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0148】
図17に戻って、標準シーケンス定義データ530は、標準シーケンスの種類毎に用意され、当該シーケンスを定義する各種データを格納する。換言すると、記憶部500は、ゲームプレイ1回分の動作シーケンスとして獲得機構部1230の操作順の駆動制御を含む標準シーケンスを記憶する標準シーケンス記憶部として機能する。
【0149】
例えば、一つの標準シーケンス定義データ530は、
図20に示すように、固有のシーケンス名531と、前提仕様条件533と、当該シーケンスの内容そのもののデータである標準シーケンスデータ535と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0150】
前提仕様条件533は、当該標準シーケンスが適用可能とされる前提仕様を示している。
図20の例では、1種類の前提仕様のみを前提仕様条件533としているが、複数種類の前提仕様を条件に含めることもできる。
【0151】
図17に戻って、カスタマイズ選択肢定義データ550は、前提仕様と変更元記述要素との組み合わせ別に用意され、当該組み合わせの状況において変更先カスタマイズ選択肢表示部56に表示される記述要素、つまりカスタマイズ選択肢を定義する各種データを格納する。
一つのカスタマイズ選択肢定義データ550は、例えば
図21~
図22に示すように、前提仕様条件551と、変更元条件553と、カスタマイズ選択肢555と、初期設定選択肢557と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0152】
前提仕様条件551は、機構仕様と、ゲーム空間設定との一方又は両方を設定することができるが、両方とも「なし」を設定することもできる。
【0153】
変更元条件553は、変更元記述要素についての条件である。本実施形態では、変更元記述要素が何層目であるか、変更元記述要素の上位層の設定が何であるか、を含んで定義される。
【0154】
図21(1)は、係合動作制御パラメータに関するカスタマイズ選択肢定義データ550(550A)の例を示している。
図21(2)は、ゲーム空間設定に係るパラメータのカスタマイズ選択肢定義データ550(550B)の例を示している。
図22(1)は、編集中シーケンスの記述要素のカスタマイズ選択肢定義データ550(550C)の例を示しており、変更元記述要素が第0層でタイムラインを示している場合に適用される定義データの例を示している。
図22(2)は、編集中シーケンスの記述要素のカスタマイズ選択肢定義データ550(550D)の例を示しており、変更元記述要素が第2層でその上位層の設定が「第1ボタンで」である場合に適用される定義データの例を示している。
【0155】
図17に戻って、使用セッティングデータ600は、ゲームプレイに供される現在のセッティングに関する各種データを格納する。本実施形態では、使用される獲得機構部1230の機構仕様を示す使用機構仕様名601と、使用係合動作制御パラメータ値リスト603と、使用されるゲーム空間の設定を示す使用ゲーム空間設定名605と、使用ゲーム空間設定パラメータ値リスト607と、使用シーケンス名609と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0156】
使用係合動作制御パラメータ値リスト603は、係合動作に係り適用される制御パラメータ値を格納する。
使用ゲーム空間設定パラメータ値リスト607は、ゲーム空間設定に係るパラメータ値、例えば、ホームポジションのゲーム空間内の座標や高さなどのパラメータ値、を含めることができる。
【0157】
カスタマイズ管理データ610は、カスタマイズ作業に関する各種データを格納する。
具体的には、例えば
図23に示すように、変更許可レベル611と、前提仕様データ612と、ベース候補シーケンス名613と、編集中シーケンスデータ614と、変更元記述要素615と、変更先カスタマイズ選択肢リスト616と、移植用データ617と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0158】
変更許可レベル611のカスタマイズ開始時の初期値は「標準レベル」であり、変更許可レベルの変更操作の切り換え操作を検出すると「特別レベル」に切り換えられ、再度切り換え操作を検出すると「標準レベル」に戻される。
【0159】
〔動作の説明〕
次に、景品獲得装置1200の動作について説明する。
図24~
図25は、本実施形態における景品獲得装置1200におけるカスタマイズに係る処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0160】
景品獲得装置1200がゲームプログラム501を実行していて、メンテナンス開始操作の入力が検出されると、景品獲得装置1200はメンテナンスメニュー画面W5(
図5参照)をタッチパネル1213に表示させる。そして、当該メニュー画面において、カスタマイズ操作アイコン22がタッチ操作されると、当該フローチャートで説明する処理の流れが開始される。
【0161】
さて、カスタマイズ操作アイコン22がタッチ操作されると、景品獲得装置1200は、カスタマイズ管理データ610(
図23参照)を作成する(ステップS10)。
変更許可レベル611は「標準レベル」に、前提仕様データ612は「未設定」を示す初期値に、それぞれ初期化される。また、ベース候補シーケンス名613および編集中シーケンスデータ614は「未設定」に、変更元記述要素615は「指定層=第0層」、「上位層設定=なし」に初期化される。変更先カスタマイズ選択肢リスト616は、「未設定」を示す初期値とされる。
【0162】
次に、景品獲得装置1200は、カスタマイズするための前提仕様の選択入力を受け付ける(ステップS12)。本実施形態では、第1のカスタマイズ画面W6(
図6参照)の表示制御が含まれる。カスタマイズ管理データ610の前提仕様データ612が受け付けた選択入力に応じて更新される。
【0163】
次に、景品獲得装置1200は、ベースとする標準シーケンスの選択入力を受け付け、選択された標準シーケンスを編集中シーケンスにコピーする(ステップS14)。
具体的には、景品獲得装置1200は、前提仕様データ612の内容が前提仕様条件533(
図20参照)に適合する標準シーケンスの中からベース候補を検索して、そのシーケンス名をベース候補シーケンス名613に格納する。そして、第2のカスタマイズ画面W7(
図7参照)を表示させて、ベースとする標準シーケンスの選択入力を受け付ける。そして、選択された標準シーケンスの標準シーケンスデータ535(
図20参照)を、編集中シーケンスデータ614(
図23参照)にコピーする。
【0164】
次に、景品獲得装置1200は、現在の前提仕様データ612が示す前提仕様が、前提仕様条件551に適合するカスタマイズ選択肢定義データ550(
図22参照)を検索して、そのカスタマイズ選択肢555を、変更先カスタマイズ選択肢リスト616(
図23参照)に設定する(ステップS18)。
そして、シーケンス等を編集するためのカスタマイズ画面(編集画面:本実施形態では第3のカスタマイズ画面W8;
図8参照)の表示を開始する(ステップS20)。
【0165】
次に、シーケンス等を編集するためのカスタマイズ画面、謂わば編集画面が表示された状態で、変更元記述要素の選択操作を検出すると(ステップS30のYES)、景品獲得装置1200は、変更元記述要素615(
図23参照)を更新し(ステップS32)、カスタマイズ画面(編集画面)の表示を更新する(ステップS34)。
【0166】
また、編集画面が表示された状態で、編集操作の入力を検出すると(ステップS40のYES)、景品獲得装置1200は、当該編集操作に応じて編集中シーケンスデータ614を変更し、編集画面の表示を更新する(ステップS42)。
例えば、管理ユーザにとってみれば、変更先カスタマイズ選択肢表示部56の選択肢アイコン57を、変更元記述要素の記述要素アイコン51の上に重ねるようにドラッグ&ドロップ操作すると、変更元を変更先へ組み換えることができる。また、管理ユーザが、編集中シーケンス表示部50のタイムライン上に配置されている記述要素アイコン51の隙間へ、変更元記述要素の記述要素アイコン51の上に重ねるようにドラッグ&ドロップ操作すると、新しい第1層の記述要素を追加して、新たな手順を増やすことができる。また、管理ユーザが、編集中シーケンス表示部50のタイムライン上に配置されている記述要素アイコン51をタイムラインから外すようにドラッグ&ドロップ操作すると、当該記述要素アイコン51の記述要素を第1層とする手順を削除することができる。
【0167】
また、景品獲得装置1200は、編集画面が表示された状態で、所定の変更許可レベルの変更操作入力を検出すると(ステップS50のYES)、景品獲得装置1200は変更許可レベル611(
図23参照)を変更する(ステップS52)。
【0168】
そして、景品獲得装置1200は、所定の編集完了操作を検出すると(ステップS54のYES)、
図25に移って、後処理に係る第5のカスタマイズ画面W12(
図12参照)すなわち後処理画面を表示させる(ステップS56)。
【0169】
後処理画面が表示された状態で、所定の試験動作操作入力を検出すると(ステップS60のYES;
図12参照))、景品獲得装置1200は、編集中シーケンスに基づく動作のシミュレーションを行って、シミュレーション画像を表示する(ステップS62)。
【0170】
また、後処理画面が表示された状態で、所定の保存及び使用シーケンス指定操作アイコン63(
図12参照)への操作を検出すると(ステップS70のYES)、景品獲得装置1200は、編集中シーケンスへのシーケンス名の入力を受け付け、その名で新たな編集済シーケンスとして保存処理する(ステップS72)。これにより、新たな編集済シーケンス定義データ630(
図17参照)が作成される。そして、景品獲得装置1200は、編集中シーケンスを使用シーケンスに設定する(ステップS74)。
【0171】
また、後処理画面が表示された状態で、所定の移植用データ出力操作の入力を検出すると(ステップS80のYES)、景品獲得装置1200は、編集中シーケンスの移植用データ617を作成し(ステップS82)、移植用データ617の出力処理を実行する(ステップS84)。
【0172】
また、後処理画面が表示された状態で、所定の戻り操作が検出されると(ステップS90のYES)、ステップS16に戻って、編集中シーケンスを再編集することが可能になる。
【0173】
そして、所定のカスタマイズ終了操作が検出された場合は(ステップS92のYES0)、一連の処理を終了する。
【0174】
以上、本実施形態によれば、標準シーケンスを管理ユーザがその変更許可レベルに応じた範囲でカスタマイズして、新たなシーケンスを作成することができる。よって、装置提供者が思いもよらなかった多くの新しい運用形態の創意工夫を、運用現場で実現できるようになる。
【0175】
また、カスタマイズする前提となるハードウェアの前提仕様(獲得機構部1230の機構仕様、ゲーム空間設定)を入力することで、カスタマイズの過程では、変更したいと思う記述要素(変更元記述要素)を管理ユーザが選択すると、自動的に前提仕様に適合する変更先の選択肢や、パラメータの設定値範囲が用意されるので、専門的な知識がなくともカスタマイズを容易に行うことができる。
【0176】
そして、もしカスタマイズできる部分が不十分な場合では、適宜、変更許可レベルを上げて、より細かな点についてカスタマイズすることができる。また、カスタマイズにより特別な仕様(例えば隠し仕様)のシーケンスを作成・編集可能なようにしてもよい。
【0177】
加えて、編集したシーケンスを他機に移植するための移植用データを作成して出力し、他機からの移植用データの受け付けが可能なので、複数の景品獲得装置1200を運用する現場で、カスタマイズしたシーケンスを簡単に装置間で移植することができる。
【0178】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態の例について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0179】
[その1]
例えば、上記実施形態では、カスタマイズの前提となるハードウェアの仕様(前提仕様:獲得機構部1230の機構仕様、ゲーム空間設定)を、管理ユーザが事前に入力する構成としたが、前提仕様を自動で検知や判定する構成を追加することができる。すなわち、現在装着されているアタッチメント(パーツ)を検知する装着パーツ検知部と、現在のゲーム空間設定を検知するゲーム空間設定検知部、を更に備え、機構仕様入力制御部232(
図16参照)が、装着パーツ検知部の検知結果に基づいて現在のパーツを入力し、ゲーム空間設定入力制御部234が、ゲーム空間設定検知部の検知結果に基づいて現在のゲーム空間設定を入力する、構成が可能である。
【0180】
具体的には、
図26の景品獲得装置1200Bの側面視で示すように、ゲーム空間1220に、ホームポジションにある獲得機構部1230を撮影する装着パーツ検知用カメラ1261を設ける。そして、機構仕様入力制御部232に、
図27に示すように、装着パーツ検知用カメラ1261で撮影した獲得機構部1230の画像を形状認識処理して、当該獲得機構部1230の機構仕様を自動判定する処理を実行させる。つまり、装着パーツ検知用カメラ1261と、機構仕様入力制御部232による形状認識機能とで、装着パーツ検知部を実現する構成が可能である。
【0181】
また、ゲーム空間1220の上部に、ゲーム空間1220を上から撮影するゲーム空間設定検知用カメラ1262、を設ける。そして、ゲーム空間設定入力制御部234に、
図28に示すように、ゲーム空間設定検知用カメラ1262で撮影された景品配置領域パーツ1240の上面にプリントされたパーツ種類の識別用コード8のコード種類と、当該コード検出されたゲーム空間の座標(Px,Py)から、景品配置領域と景品獲得領域の設定を認識するコード認識処理を実行させる。つまり、ゲーム空間設定検知用カメラ1262とゲーム空間設定入力制御部234によるコード認識機能とで、ゲーム空間設定検知部を実現する構成が可能である。ちなみに、識別用コード8は、例えば、肉眼では見えないがゲーム空間設定検知用カメラ1262で撮影された画像上には映る不可視コードで実現することができる。また、識別用コード8を景品配置領域パーツ1240の下面に設ける場合は、ゲーム空間設定検知用カメラ1262も、ゲーム空間1220の底部から上を撮影するように設定すればよい。
【0182】
なお、装着パーツ検知用カメラ1261を設ける代わりに、係合機構部1231に、アタッチメントの着脱によりON/OFFするスイッチやセンサを装着して、装着パーツ検知部の一部を実現するとしてもよい。同様に、ゲーム空間設定検知用カメラ1262を設ける代わりに、支持構造部1222に、景品配置領域パーツ1240を装着するとON/OFFするとともに、ONされるスイッチの位置や数で、当該パーツの種類を認識することで、ゲーム空間設定検知部を実現する構成とすることができる。
【0183】
〔その2〕
また、上記実施形態では、カスタマイズの対象をシーケンスと、係合機構部1231の制御パラメータの設定と、ゲーム空間設定のパラメータ値の大きく3つのカテゴリーとしているが、これらの内、変更許可レベルによっては、係合機構部1231の制御パラメータの設定や、ゲーム空間設定のパラメータ値をカスタマイズの対象から除外するとした構成も可能である。
【0184】
〔その3〕
また、上記実施形態では、カスタマイズ画面をタッチパネル1213に表示する構成としたが、プレイ中はタッチパネル1213にプレーヤに向けたゲームプレイ時の表示内容を表示させるのに利用することができる。また、操作卓1210に、タッチパネル1213の他に、或いは、タッチパネル1213の代わりに表示部を設けて、その表示部にカスタマイズ画面を表示し、ボタンスイッチ1212等で操作入力する形態を採用することとしてもよい。
【0185】
〔その4〕
また、上記実施形態における機構仕様入力制御部232は、係合機構部1231(
図1参照)に装着されたアタッチメント(パーツ)に応じた機構仕様の種類を入力の選択肢32(
図6参照)として提示して入力受け付けするとしたが、装着するアタッチメント(パーツ)の種類を入力の選択肢として提示する構成としてもよい。その場合、本実施形態の機構仕様入力部にあたる第4操作入力部104は、現在のパーツを入力する手段として機能することになる。そして、選択肢提示制御部240は、現在のパーツに適合する制御仕様要素の選択肢を提示するように機能する。
【符号の説明】
【0186】
4…景品
21…使用シーケンス指定操作アイコン
22…カスタマイズ操作アイコン
23…移植用受け入れ操作アイコン
50…編集中シーケンス表示部
51…記述要素アイコン
52…係合動作制御パラメータ表示部
54…ゲーム空間設定パラメータ表示部
56…変更先カスタマイズ選択肢表示部
57…選択肢アイコン
61…試験動作操作アイコン
63…保存及び使用シーケンス指定操作アイコン
65…移植用データ出力操作アイコン
104…第4操作入力部
120…移植用データ読み込み部
200…処理部
210…使用シーケンス設定制御部
220…カスタマイズ制御部
222…レベル変更部
230…前提仕様入力制御部
232…機構仕様入力制御部
234…ゲーム空間設定入力制御部
240…選択肢提示制御部
242…試験動作制御部
250…移植用データ作成部
252…移植用データ出力制御部
254…移植用データ読み込み制御部
256…移植シーケンス設定部
270…プレイ制御部
316…景品係合部
500…記憶部
501…ゲームプログラム
510…獲得機構部標準仕様設定データ
520…標準ゲーム空間設定データ
530…標準シーケンス定義データ
555…カスタマイズ選択肢
600…使用セッティングデータ
601…使用機構仕様名
603…使用係合動作制御パラメータ値リスト
605…使用ゲーム空間設定名
607…使用ゲーム空間設定パラメータ値リスト
609…使用シーケンス名
610…カスタマイズ管理データ
611…変更許可レベル
612…前提仕様データ
614…編集中シーケンスデータ
615…変更元記述要素
616…変更先カスタマイズ選択肢リスト
1200…景品獲得装置
1220…ゲーム空間
1230…獲得機構部
1231…係合機構部
1240…景品配置領域パーツ
1250…制御基板
1261…装着パーツ検知用カメラ
1262…ゲーム空間設定検知用カメラ