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特許7101389背もたれマッサージ装置及びそのマッサージ経路の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】背もたれマッサージ装置及びそのマッサージ経路の制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 15/00 20060101AFI20220708BHJP
   A61H 7/00 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
A61H15/00 370M
A61H7/00 323E
A61H7/00 323F
A61H15/00 370K
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021125682
(22)【出願日】2021-07-30
(65)【公開番号】P2022027724
(43)【公開日】2022-02-14
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】109126115
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521225579
【氏名又は名称】マーサライフ カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】趙 嘉康
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/048104(WO,A1)
【文献】特開2001-29414(JP,A)
【文献】中国実用新案第2933383(CN,Y)
【文献】韓国登録実用新案第0385110(KR,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0151234(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 15/00
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の背中に当接するための当接部を有する背もたれと、
前記背もたれに固定され、垂直方向に延伸するラックと、
前記背もたれに滑走可能に位置する枠体と、
前記当接部を貫通する第1の軸心を有する歯車軸を介して、前記枠体の一面に枢動可能に設けられる少なくとも1つのメイン歯車と、
前記第1の軸心からずれるマッサージ突起と、それぞれ前記マッサージ突起及び前記歯車軸に固着される支持アームと、を含むマッサージ部材と、
前記メイン歯車に直接的又は間接的に噛み合い、前記マッサージ突起が前記第1の軸心の回りに転動する回転角度を制御するように前記メイン歯車を転動させるための第1のモータセットと、
前記ラックに直接的又は間接的に噛み合い、前記マッサージ突起が前記垂直方向において位置する高さを制御するように前記枠体を昇降させるための第2のモータセットと、
前記枠体に位置し、複数の軌跡プログラムのうちの1つに応じて、前記マッサージ突起に必要な回転角度及び垂直移動量を算出し、前記第1のモータセットと前記第2のモータセットを同期的に作動させて前記マッサージ突起が所定の時間内で前記軌跡プログラムのうちの1つに対応する軌跡パターンを連続的に描くように制御するための制御ユニットと、
を備えることを特徴とする背もたれマッサージ装置。
【請求項2】
前記第1のモータセットに直接的又は間接的に噛み合う第1の検知モジュールと、
前記第2のモータセットに直接的又は間接的に噛み合う第2の検知モジュールと、
前記第1の検知モジュール及び前記第2の検知モジュールに電気的に接続され、前記第1のモータセット及び前記第2のモータセットがそれぞれ出力した回転角度を検知するための変換回路と、を更に備え、
前記制御ユニットは、前記第1のモータセット及び前記第2のモータセットがそれぞれ出力した前記回転角度に基づき、前記マッサージ突起が現在位置する座標に変換する請求項1に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項3】
前記第1の検知モジュールは、前記枠体に枢動可能に位置し、前記メイン歯車に直接的に噛み合う第1の連動歯車と、前記変換回路に位置し、且つ前記第1の連動歯車にカップリングし、前記第1の連動歯車の回転角度を感知するための第1の検知ユニットと、を含み、
前記第2の検知モジュールは、前記枠体に枢動可能に位置し、前記第2のモータセットに間接的に噛み合う第2の連動歯車と、前記変換回路に位置し、且つ前記第2の連動歯車にカップリングし、前記第2の連動歯車の回転角度を感知するための第2の検知ユニットと、を含む請求項2に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項4】
相互に重なり合う第1の大歯車と第1の小歯車を含む第1の変速歯車を更に備え、前記第1の大歯車は、前記第1の小歯車に同軸に固着され、且つ前記第1のモータセットに噛み合い、前記第1の小歯車は、前記メイン歯車に噛み合い、前記第1の変速歯車は、前記第1の軸心に平行する第2の軸心を有する請求項1~3の何れか一項に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項5】
前記第1のモータセットは、
前記第2の軸心に直交する長軸方向を有する第1の伝動軸を有する第1のモータ本体と、
前記第1の伝動軸に同軸に嵌設され、且つ前記第1の変速歯車に噛み合い、前記第1の変速歯車を介して前記第2の軸心の回りに前記メイン歯車を転動させるための第1のネジ軸棒と、を含む請求項4に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項6】
相互に重なり合う第2の大歯車と第2の小歯車を含む第2の変速歯車を更に備え、前記第2の大歯車は、前記第2の小歯車に同軸に固着され、且つ前記第2のモータセットに噛み合い、前記第2の小歯車は、前記ラックに噛み合い、前記第2の変速歯車は、前記第1の軸心に平行する第3の軸心を有する請求項1~5の何れか一項に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項7】
前記第2のモータセットは、
第2の伝動軸を有する第2のモータ本体と、
前記第2の伝動軸に同軸に嵌設され、且つ前記第2の大歯車に噛み合い、前記第3の軸心の回りに前記第2の変速歯車を転動させて前記枠体を昇降させるための第2のネジ軸棒と、を含む請求項6に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項8】
前記制御ユニットは、パルス幅変調コントローラである請求項1~7の何れか一項に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項9】
前記枠体の前記メイン歯車と対向する面に間隔をもって配置され、前記背もたれと前記枠体との間に介在し、且つ前記枠体が前記背もたれにおいて滑走するようにそれぞれ前記枠体に枢着される複数のローラを更に備える請求項1~8の何れか一項に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項10】
前記背もたれ外に位置し、且つ前記制御ユニットに電気的に接続され、アナログ方向制御インタフェースを有する手動制御装置を更に備え、
前記マッサージ突起が前記軌跡パターンを連続的に描く間に、前記アナログ方向制御インタフェースが方向コマンドを前記制御ユニットに出力するように操作された場合、前記制御ユニットは、前記方向コマンドに従って前記マッサージ突起を即時移動させる請求項1~9の何れか一項に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項11】
前記手動制御装置は、
前記制御ユニットに電気的に接続され、前記複数の軌跡プログラム及び前記方向コマンドを記憶するための記憶ユニットを含む請求項10に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項12】
前記手動制御装置は、
前記制御ユニットに電気的に接続される力制御インタフェースを含み、
前記マッサージ突起が前記軌跡パターンを連続的に描く間に、前記力制御インタフェースが力制御コマンドを出力するように調節された場合、前記制御ユニットは、前記力制御コマンドに従って前記第1のモータセットの出力電圧を同期的に調整することで、前記マッサージ突起の移動速度及び押圧力のうちの少なくとも1つを制御する請求項10に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項13】
前記制御ユニットは、前記第1のモータセットが複数種の電圧のうちの少なくとも1つを持続的又は間欠的に出力するように調整することで、前記マッサージ突起が同一の移動速度で異なる押圧力を出力するように制御する請求項12に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項14】
前記マッサージ突起が連続的に描いた前記軌跡パターンは、前記垂直方向に直交する直線である請求項1~13の何れか一項に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項15】
前記枠体に位置し、前記制御ユニットに電気的に接続され、前記複数の軌跡プログラムを記憶するための記憶ユニットを更に備える請求項1~14の何れか一項に記載の背もたれマッサージ装置。
【請求項16】
請求項1に記載の背もたれマッサージ装置に適用されるマッサージ経路の制御方法であって、
それぞれ複数の停留点が連続的に構成した軌跡パターンを表す複数の軌跡プログラムのうちの1つを取得する工程と、
それぞれ前記軌跡プログラムのうちの1つの前記停留点の座標値を解析する工程と、
前記停留点の前記座標値に基づき、それぞれ前記マッサージ突起が前記停留点のうちの1つから次の前記停留点まで移動するために転動する必要のある予測される回転角度及び昇降する必要のある予測される垂直移動量を算出する工程と、
前記回転角度及び前記垂直移動量に基づき、前記第1のモータセットと前記第2のモータセットを同期的に作動させて、前記マッサージ突起が順に前記停留点の全てまで移動し、前記マッサージ突起が所定の時間内で連続的に前記軌跡プログラムのうちの1つに対応する軌跡パターンを描くように制御する工程と、
を含むことを特徴とするマッサージ経路の制御方法。
【請求項17】
前記マッサージ突起が前記軌跡パターンを連続的に描く過程で、前記マッサージ突起が前記1つの停留点から次の前記停留点へ移動する時に、
前記第1のモータセット及び前記第2のモータセットがそれぞれ出力した回転角度を検知し、前記回転角度に基づき、前記マッサージ突起が現在位置する座標に変換する工程と、
前記マッサージ突起が現在位置する前記座標に基づき、前記マッサージ突起が次の前記停留点まで移動するために転動する必要のある予測される回転角度及び昇降する必要のある予測される垂直移動量を算出する工程と、
前記マッサージ突起が次の前記停留点まで移動するために必要な前記回転角度及び前記垂直移動量に基づき、前記マッサージ突起が次の前記停留点に到達するように、前記第1のモータセットによる前記マッサージ突起の転動と前記第2のモータセットによる前記マッサージ突起の昇降を同期的に行う工程と、
を更に含む請求項16に記載のマッサージ経路の制御方法。
【請求項18】
前記マッサージ突起が前記所定の時間内で前記軌跡パターンを連続的に描く間に、方向コマンドを受信した場合、前記方向コマンドに従って、前記軌跡パターンにおいて前記マッサージ突起を即時移動させる請求項16に記載のマッサージ経路の制御方法。
【請求項19】
前記マッサージ突起が前記所定の時間内で前記軌跡パターンを連続的に描く間に、力制御コマンドを受信した場合、前記力制御コマンドに従って前記第1のモータセットの出力電圧を調整することで、前記マッサージ突起の移動速度及び押圧力のうちの少なくとも1つを制御する請求項16に記載のマッサージ経路の制御方法。
【請求項20】
前記力制御コマンドに従って前記第1のモータセットの出力電圧を調整する工程は、
前記第1のモータセットが複数種の電圧のうちの少なくとも1つを持続的又は間欠的に出力するように調整することで、前記マッサージ突起が同一の移動速度で異なる押圧力を出力するように制御することを更に含む請求項19に記載のマッサージ経路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ装置に関し、特に、背もたれマッサージ装置及びそのマッサージ経路の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活品質に対する要求が益々高くなっているため、かなり多くの人は、疲れを解消して血液循環を促進するためにマッサージチェアを使用している。従って、市場ではより良いマッサージ効果及びマッサージ感を備えた設計が登場しつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のマッサージチェアのマッサージ突起が単一で決まっている移動経路のみを有するため、現段階の即時で多様なマッサージニーズを満たすことができない。
【0004】
本発明の目的の1つは、以上の従来技術で言及された困難を解決するための背もたれマッサージ装置及びそのマッサージ経路の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例は、背もたれマッサージ装置を提供する。背もたれマッサージ装置は、人体の背中に当接するための当接部を有する背もたれと、背もたれに固定され、垂直方向に延伸するラックと、背もたれに滑走可能に位置する枠体と、当接部を貫通する第1の軸心を有する歯車軸を介して、枠体の一面に枢動可能に設けられるメイン歯車と、第1の軸心からずれるマッサージ突起とそれぞれマッサージ突起及び歯車軸に固着される支持アームとを含むマッサージ部材と、メイン歯車に直接的又は間接的に噛み合い、マッサージ突起が第1の軸心の回りに転動する回転角度を制御するようにメイン歯車を転動させるための第1のモータセットと、ラックに直接的又は間接的に噛み合い、マッサージ突起が垂直方向において位置する高さを制御するように枠体を昇降させるための第2のモータセットと、前記枠体に位置し、複数の軌跡プログラムのうちの1つに応じて、マッサージ突起に必要な回転角度及び垂直移動量を算出し、第1のモータセットと第2のモータセットを同期的に作動させてマッサージ突起が所定の時間内で前記軌跡プログラムのうちの1つに対応する軌跡パターンを連続的に描くように制御するための制御ユニットと、を備える。
【0006】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置は、第1のモータセットに直接的又は間接的に噛み合う第1の検知モジュールと、第2のモータセットに直接的又は間接的に噛み合う第2の検知モジュールと、第1の検知モジュール及び第2の検知モジュールに電気的に接続され、第1のモータセット及び第2のモータセットがそれぞれ出力した回転角度を検知するための変換回路と、を更に備え、制御ユニットは、第1のモータセット及び第2のモータセットがそれぞれ出力した回転角度に基づき、マッサージ突起が現在位置する座標に変換する。
【0007】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置において、第1の検知モジュールは、枠体に枢動可能に位置し、メイン歯車に直接的に噛み合う第1の連動歯車と、変換回路に位置し、且つ第1の連動歯車にカップリングし、第1の連動歯車の回転角度を感知するための第1の検知ユニットと、を含み、第2の検知モジュールは、枠体に枢動可能に位置し、第2のモータセットに間接的に噛み合う第2の連動歯車と、変換回路に位置し、且つ第2の連動歯車にカップリングし、第2の連動歯車の回転角度を感知するための第2の検知ユニットと、を含む。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置は、相互に重なり合う第1の大歯車と第1の小歯車を含む第1の変速歯車を更に備え、第1の大歯車は、第1の小歯車に同軸に固着され、且つ第1のモータセットに噛み合い、第1の小歯車は、メイン歯車に噛み合い、第1の変速歯車は、第1の軸心に平行する第2の軸心を有する。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置において、第1のモータセットは、第2の軸心に直交する長軸方向を有する第1の伝動軸を有する第1のモータ本体と、第1の伝動軸に同軸に嵌設され、且つ第1の変速歯車に噛み合い、第1の変速歯車を介して第2の軸心の回りにメイン歯車を転動させるための第1のネジ軸棒と、を含む。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置は、相互に重なり合う第2の大歯車と第2の小歯車を含む第2の変速歯車を更に備え、第2の大歯車は、第2の小歯車に同軸に固着され、且つ第2のモータセットに噛み合い、第2の小歯車は、ラックに噛み合い、第2の変速歯車は、第1の軸心に平行する第3の軸心を有する。
【0011】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置において、第2のモータセットは、第2の伝動軸を有する第2のモータ本体と、第2の伝動軸に同軸に嵌設され、且つ第2の大歯車に噛み合い、第3の軸心の回りに第2の変速歯車を転動させて枠体を昇降させるための第2のネジ軸棒と、を含む。
【0012】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置において、制御ユニットは、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)コントローラである。
【0013】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置は、枠体のメイン歯車と対向する面に間隔をもって配置され、背もたれと枠体との間に介在し、且つ枠体が背もたれにおいて滑走するようにそれぞれ枠体に枢着される複数のローラを更に備える。
【0014】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置は、背もたれ外に位置し、且つ制御ユニットに電気的に接続され、アナログ方向制御インタフェースを有する手動制御装置を更に備え、マッサージ突起が軌跡パターンを連続的に描く間に、アナログ方向制御インタフェースが方向コマンドを制御ユニットに出力するように操作された場合、制御ユニットは、方向コマンドに従ってマッサージ突起を即時移動させる。
【0015】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置において、手動制御装置は、制御ユニットに電気的に接続され、複数の軌跡プログラム及び方向コマンドを記憶するための記憶ユニットを含む。
【0016】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置において、手動制御装置は、制御ユニットに電気的に接続される力制御インタフェースを含み、マッサージ突起が軌跡パターンを連続的に描く間に、力制御インタフェースが力制御コマンドを出力するように調節された場合、制御ユニットは、力制御コマンドに従って第1のモータセットの出力電圧を調整することで、マッサージ突起の移動速度及び押圧力のうちの少なくとも1つを制御する。
【0017】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置において、制御ユニットは、第1のモータセットが複数種の電圧のうちの1つを持続的又は間欠的に出力するように調整することで、マッサージ突起が同一の移動速度で異なる押圧力を出力するように制御する。
また、本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置において、マッサージ突起が連続的に描いた軌跡パターンは、上記垂直方向に直交する直線である。
【0018】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記背もたれマッサージ装置は、枠体に位置し、制御ユニットに電気的に接続され、複数の軌跡プログラムを記憶するための記憶ユニットを更に備える。
【0019】
本発明の一実施例により提供されるマッサージ経路の制御方法は、上記背もたれマッサージ装置に適用される。この制御方法は、それぞれ複数の停留点が連続的に構成した軌跡パターンを表す複数の軌跡プログラムのうちの1つを取得する工程と、それぞれ複数の軌跡プログラムのうちの1つの複数の停留点の座標値を解析する工程と、複数の停留点の複数の座標値に基づき、それぞれマッサージ突起が1つの停留点から次の停留点まで移動するために転動する必要のある予測される回転角度及び昇降する必要のある予測される垂直移動量を算出する工程と、これらの回転角度及び垂直移動量に基づき、第1のモータセットと第2のモータセットを同期的に作動させて、マッサージ突起が順に全ての停留点まで移動し、更にマッサージ突起が所定の時間内で複数の軌跡プログラムのうちの1つに対応する軌跡パターンを連続的に描くように制御する工程と、を含む。
【0020】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記制御方法において、マッサージ突起が軌跡パターンを連続的に描く過程で、マッサージ突起が1つの停留点から次の停留点へ移動する時に、第1のモータセット及び第2のモータセットがそれぞれ出力した回転角度を検知し、これらの回転角度に基づき、マッサージ突起が現在位置する座標に変換する工程と、マッサージ突起が現在位置する座標に基づき、マッサージ突起が次の停留点まで移動するために転動する必要のある予測される回転角度及び昇降する必要のある予測される垂直移動量を算出する工程と、マッサージ突起が次の停留点まで移動するために必要な回転角度及び垂直移動量に基づき、マッサージ突起が次の停留点に到達するように、第1のモータセットによるマッサージ突起の転動と第2のモータセットによるマッサージ突起の昇降を同期的に行う工程と、を更に含む。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、マッサージ突起がこの所定の時間内で軌跡パターンを連続的に描く間に、上記制御方法は、方向コマンドを受信した場合、この方向コマンドに従って、軌跡パターンにおいてマッサージ突起を即時移動させる工程を更に含む。
【0022】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、マッサージ突起がこの所定の時間内で軌跡パターンを連続的に描く間に、上記制御方法は、力制御コマンドを受信した場合、力制御コマンドに従って第1のモータセットの出力電圧を調整することで、マッサージ突起の移動速度及び押圧力のうちの少なくとも1つを制御する工程を更に含む。
【0023】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、力制御コマンドに従って第1のモータセットの出力電圧を調整する工程は、第1のモータセットが複数種の電圧のうちの1つを持続的又は間欠的に出力するように調整することで、マッサージ突起が同一の移動速度で異なる押圧力を出力するように制御する工程を更に含む。
【発明の効果】
【0024】
このように、以上の各実施例の前記フレームワークにより、本発明は、高度に自由化しているマッサージ経路を提供し、単一で決まっている軌跡パターンを回避することができるだけでなく、マッサージニーズに対するカスタマイズに対応することもできる。
【0025】
以上の説明は、単に本発明が解決しようとする課題、課題を解決するための手段、及び発明の効果等を記述するためのものであり、本発明の具体的な細部は、後述の実施形態及び関連図面において詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の上記及び他の目的、特徴、メリットと実施例をより明らかで分かりやすくするために添付された図面について、以下の通りに説明する。
図1】本発明の一実施例による背もたれマッサージ装置を示す正面図である。
図2図1の背もたれマッサージ装置の当接部を透視した組立図である。
図3図1の背もたれマッサージ装置を示す局所分解図である。
図4図1の背もたれマッサージ装置の背もたれを透視した背面図である。
図5】本発明の一実施例による背もたれマッサージ装置の手動制御装置を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施例によるマッサージ経路の制御方法を示すフローチャートである。
図7図6の工程64を示す細部フローチャートである。
図8図8A~8Eは、それぞれ図1のマッサージ部材がS型軌跡パターンを完成するための連続的な操作を示す図である。
図9図9A~9Eは、それぞれ図1のマッサージ部材が直線軌跡パターンを完成するための連続的な操作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面で本発明の複数の実施例を開示し、明確に説明するために、多くの実際的な細部を下記叙述で合わせて説明する。しかしながら、理解すべきなのは、これらの実際的な細部が、本発明を制限するように適用されるものではない。つまり、本発明の実施例において、これらの実際的な細部は必要なものではない。また、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単で模式的に示される。
【0028】
図1は、本発明の一実施例による背もたれマッサージ装置10を示す正面図である。図2は、図1の背もたれマッサージ装置10の当接部220を透視した組立図である。図3は、図1の背もたれマッサージ装置10を示す局所分解図である。図1図3に示すように、背もたれマッサージ装置10は、シート100と、背もたれ200と、枠体300と、ラック310と、2つのメイン歯車320と、2つのマッサージ部材400と、第1のモータセット500と、第2のモータセット600と、制御ユニット710と、を含む。シート100は、人が座る座部101を有する。背もたれ200は、収容槽210及び当接部220を有する。当接部220は収容槽210を覆い、且つ、当接部220は人体の背中に当接するために用いられる。ラック310は、収容槽210内に位置するとともに、背もたれ200(即ち、収容槽210の内壁211)に固定されている。ラック310の長軸方向は、背もたれ200の垂直方向(例えば、Y軸方向)に平行し、即ち、ラック310は、背もたれ200の垂直方向(例えば、Y軸方向)に延伸する。枠体300は収容槽210内に位置し、且つ、枠体300は背もたれ200に滑走可能に位置する。この2つのメイン歯車320は、X軸方向に沿って枠体300の当接部220に向かう面(以下、表面301と称する)に配列され、且つ、それぞれ当接部220の表面301に対称に位置する。各メイン歯車320は、歯車軸321を介して枠体300の表面301に枢動可能に設けられ、歯車軸321は、Z軸方向に当接部220を貫通する第1の軸心322を有する。
【0029】
各マッサージ部材400は、支持アーム410及びマッサージ突起420を含む。支持アーム410の一端は、マッサージ突起420に固着され、支持アーム410の他端は、歯車軸321に固着され、歯車軸321を介して対応するメイン歯車320に固着される。マッサージ突起420は、第1の軸心322からずれており、言い換えれば、マッサージ突起420は、第1の軸心322と同軸ではなく、且つ第1の軸心322から離れるように設けられている。マッサージ突起420は、当接部220を介して人体の背中をマッサージするために用いられる。一例として、支持アーム410はアーク状を呈し、マッサージ突起420は球状を呈するが、本発明はこれに限定されない。
【0030】
第1のモータセット500は、枠体300の表面301に固定され、歯付き連動部品(例えば、中間歯車)を介してこの2つのメイン歯車320に間接的に噛み合い、マッサージ突起420が第1の軸心322の回りに転動する回転角度を制御するようにメイン歯車320を転動させるために用いられる。第2のモータセット600は、枠体300の表面301に固定され、歯付き連動部品(例えば、中間歯車)を介してこのラック310に間接的に噛み合い、マッサージ突起420が垂直方向(例えば、Y軸方向)において位置する高さを制御するようにこのラック310に沿って枠体300を昇降させるために用いられる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、他の実施例において、第1のモータセット500は、この2つのメイン歯車320に直接的に噛み合ってもよく、第2のモータセット600は、ラック310に直接的に噛み合ってもよい。
【0031】
制御ユニット710は、枠体300(例えば、回路基板700)に位置し、第1のモータセット500及び第2のモータセット600に電気的に接続され、複数の軌跡プログラムのうちの1つを取得し、この軌跡プログラムに応じて複数の停留点の座標値を解析し、これらの停留点のこれらの座標値に基づき、マッサージ突起420に必要な回転角度及び垂直移動量を算出し、第1のモータセット500と第2のモータセット600を同期的に作動させてマッサージ突起420が所定の時間内でこの軌跡プログラムに対応する軌跡パターンを連続的に描くように制御するために用いられる。
【0032】
軌跡パターンとは、マッサージ突起420が当接部220を介して人体の背中に対して連続的に移動できることで模式的に示した軌跡経路を意味し、且つ各軌跡プログラムは、異なる軌跡パターンを提供できることを理解すべきである。
【0033】
一例として、制御ユニット710は、パルス幅変調(pulse width modulation,PWM)コントローラである。制御ユニット710は、枠体300にある回路基板700に位置し、且つ回路基板700にあるメモリ(図示せず)に電気的に接続され、メモリ内に記憶されている複数の軌跡プログラムのうちの1つを選択しやすくなる。従って、従来の単純なモータをオン・オフにする制御と異なって、PWMコントローラは、0.01秒毎にモータ電圧を制御する(0%~100%で256段階の電圧変化を付与する)ことができるが、本発明は、制御ユニット710の種類を制限しない。
【0034】
より具体的には、背もたれマッサージ装置10は、第1の検知モジュール720と、第2の検知モジュール730と、変換回路(図示せず)と、を更に備える。第1の検知モジュール720は、歯付き連動部品(例えば、中間歯車)を介して第1のモータセット500に間接的に噛み合う。第2の検知モジュール730は、歯付き連動部品(例えば、中間歯車)を介して第2のモータセット600に間接的に噛み合う。変換回路は、回路基板700に位置し、第1の検知モジュール720、第2の検知モジュール730及び制御ユニット710に電気的に接続され、第1のモータセット500及び第2のモータセット600がそれぞれ出力した回転角度を検知するために用いられる。制御ユニット710は、第1のモータセット500及び第2のモータセット600がそれぞれ出力した回転角度に基づき、マッサージ突起420が現在位置する座標に変換する。
【0035】
一例として、第1の検知モジュール720は、第1の連動歯車721及び第1の検知ユニット722を含む。第1の連動歯車721は、枠体300に枢動可能に位置し、歯付き連動部品(例えば、中間歯車)を介して第1のモータセット500に間接的に噛み合う。第1の連動歯車721は、メイン歯車321に直接的に噛み合う。第1の検知ユニット722は、変換回路に位置し、且つ第1の連動歯車721にカップリングし、第1の連動歯車721の回転角度を感知するために用いられる。本実施例において、第1の検知ユニット722は、第1の連動歯車721の回転軸内に枢動可能に伸び込む。第2の検知モジュール730は、第2の連動歯車731及び第2の検知ユニット732を含む。第2の連動歯車731は、枠体300に枢動可能に位置し、歯付き連動部品(例えば、中間歯車)を介して第2のモータセット600に間接的に噛み合う。第2の検知ユニット732は、変換回路に位置し、且つ第2の連動歯車731にカップリングし、第2の連動歯車731の回転角度を感知するために用いられる。本実施例において、第2の検知ユニット732は、第2の連動歯車731の回転軸内に枢動可能に伸び込む。なお、第1の検知ユニット722及び第2の検知ユニット732は、それぞれ高精度の位置検出機能を提供するように、例えばホール検出チップである。しかしながら、本発明はこれに限定されず、実施例において、第1の検知ユニット722及び第2の検知ユニット732は、各種類のモータエンコーダである可能性もある。
【0036】
更に、本実施例において、枠体300は、開口303及び長尺溝304を有する。長尺溝304は、枠体300のメイン歯車320と対向する面(以下、裏面302と称する)に凹設され、ラック310を収容するために用いられる。長尺溝304の長軸方向は、背もたれ200の垂直方向(例えば、Y軸方向)に平行し、即ち、長尺溝304は、背もたれ200の垂直方向(例えば、Y軸方向)に延伸する。開口303は、一部のラック310が露出するように、長尺溝304に接続される。
【0037】
背もたれマッサージ装置10は、2つの第1の変速歯車530と、1つの第2の変速歯車630と、を更に備える。各第1の変速歯車530は、第1の軸心322に平行する第2の軸心531を有し、且つ、各第1の変速歯車530は、相互に重なり合う第1の大歯車532と第1の小歯車533を含む。第1の大歯車532は、第1の小歯車533に同軸に固着され、且つ第1のモータセット500に噛み合う。第1の小歯車533は、1つのメイン歯車320に噛み合う。第2の変速歯車630は、第1の軸心322に平行する第3の軸心631を有する。第2の変速歯車630は、相互に重なり合う第2の小歯車633(図4)、第2の大歯車632と第3の小歯車634を含む。第2の大歯車632は、第2の小歯車633と第3の小歯車634との間に位置し、且つ、第2の大歯車632は、第2の小歯車633及び第3の小歯車634に同軸に固着される。第2の大歯車632は、第2のモータセット600に噛み合い、第2の小歯車633は、開口303から露出したラック310に噛み合い、第3の小歯車634は、第2の検知モジュール730の第2の連動歯車731に噛み合う。
【0038】
より具体的には、第1のモータセット500は、第1のモータ本体510及び第1のネジ軸棒520を含む。第1のモータ本体510は、第1の伝動軸511を有する。第1の伝動軸511は、第2の軸心531に直交する長軸方向(例えば、Y軸方向)を有する。第1のネジ軸棒520は、第1の伝動軸511に同軸に嵌設され、2つの第1の変速歯車530の間に位置し、且つこの2つの第1の変速歯車530に噛み合う。このように、第1のモータ本体510が第1のネジ軸棒520を介してこの2つの第1の変速歯車530を反転させる場合、この2つの第1の変速歯車530は第2の軸心531の回りに対応するメイン歯車320を同期的に転動させ、更に対応するマッサージ部材400を連動させる。
【0039】
第2のモータセット600は、第2のモータ本体610及び第2のネジ軸棒620を含む。第2のモータ本体610は、第2の伝動軸611を有する。第2のネジ軸棒620は、第2の伝動軸611に同軸に嵌設され、且つ第2の大歯車632に噛み合い、第3の軸心631の回りに第2の変速歯車630を転動させて枠体300を昇降させるために用いられる。このように、第2のモータ本体610が第2のネジ軸棒620を介して第2の変速歯車630を転動させる場合、それに応じて、第2の変速歯車630は、マッサージ突起420が垂直方向(例えば、Y軸方向)において位置する高さを制御するように、第3の軸心631の回りにこのラック310に沿って枠体300を同期的に昇降させる。
【0040】
図4は、図1の背もたれマッサージ装置10の背もたれ200を透視した背面図である。図4に示すように、背もたれマッサージ装置10は、複数(例えば、4個)のローラ640を更に備える。これらのローラ640は、枠体300の裏面302に間隔をもって配置され、背もたれ200(即ち、収容槽210の内壁211)と枠体300との間に介在する。これらのローラ640は、それぞれ枠体300に枢着され、収容槽210の内壁211に滑走可能に接触することで、枠体300は背もたれ200において滑走自在になる。例えば、これらのローラ640は、収容槽210の内壁211にあるレール212に沿って滑走する。従って、第2のモータセット600により枠体300を昇降させるように駆動する場合、これらのローラ640が収容槽210の内壁211に滑走可能に接触することで、枠体300はそれに応じてこのラック310に沿ってよりスムーズにスライドすることができ、更に第2のモータセット600の余分なエネルギー消費を削減し、枠体300の寿命を延長することもできる。
【0041】
図5は、本発明の一実施例による背もたれマッサージ装置10の手動制御装置800を示す斜視図である。図5に示すように、別の実施例において、背もたれマッサージ装置10は、手動制御装置800を更に備える。手動制御装置800は、背もたれ200に無線又は有線で接続され、且つ制御ユニット710に電気的に接続され、よって、背もたれマッサージ装置10を手動制御する。
【0042】
より具体的には、手動制御装置800は、ケース810及びアナログ方向制御インタフェース820を有する。アナログ方向制御インタフェース820は、ケース810に位置し、且つそれぞれ制御ユニット710に電気的に接続され、よって、使用者は、マッサージ突起420が連続的に移動する間に、マッサージ突起420に任意の方向で方向性の微調整を行う。アナログ方向制御インタフェース820は、例えば、ユニバーサルロッカー又は十字ユニバーサルキーである。従って、背もたれマッサージ装置10を使用する際に、使用者が上記アナログ方向制御インタフェース820を操作する場合、アナログ方向制御インタフェース820は、方向コマンドを制御ユニット710に出力し、制御ユニット710は、軌跡パターンを連続的に描く間に、方向コマンドに従ってマッサージ部材400のマッサージ突起420を即時移動させる。
【0043】
また、手動制御装置800は、力制御インタフェース830を更に有する。力制御インタフェース830は、ケース810の一面に位置し、且つそれぞれ制御ユニット710に電気的に接続される。従って、背もたれマッサージ装置10を使用する際に、使用者が上記力制御インタフェース830を同時に操作し、力制御インタフェース830が力制御コマンドを出力するように調節された場合、制御ユニット710は、力制御コマンドに従って第1のモータセット500の出力電圧を調整することで、マッサージ突起420の移動速度又は押圧力を選択的に制御する。
【0044】
より具体的には、制御ユニット710は、第1のモータセット500が複数種の電圧のうちの1つを持続的又は間欠的に出力するように調整することで、マッサージ突起420が同一の移動速度で異なる押圧力を出力するように制御する。一例として、制御ユニット710は、第1のモータセット500に低電圧を連続的に出力することで、第1のモータセット500が同一の速度でマッサージ突起420に人体に対して小さいマッサージ力を出力させ、逆に、制御ユニット710は、第1のモータセット500に高電圧を間欠的に出力し、例えば、10回転動させる度に0.5秒静止させることで、第1のモータセット500が同一の速度でマッサージ突起420に人体に対して大きなマッサージ力を出力させる。
【0045】
このように、同一の軌跡パターンで、第1のモータセット500の異なる電圧を調整することにより、第1のモータセット500は、マッサージ突起420に人体に対して大きなマッサージ力を出力させることができる。
【0046】
また、手動制御装置800は、記憶ユニット840を更に含む。記憶ユニット840は、ケース810内に位置し、制御ユニット710に電気的に接続され、これらの軌跡プログラム及び上記方向コマンドを記憶するために用いられる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、他の実施例において、上記記憶ユニットは、手動制御装置内に位置せず、背もたれ内の枠体(例えば、回路基板)に位置し、制御ユニットに電気的に接続され、これらの軌跡プログラム及び上記方向コマンドを記憶するために用いられる可能性もある。
【0047】
図6は、本発明の一実施例によるマッサージ経路の制御方法を示すフローチャートである。図2及び図6に示すように、本実施例において、上記背もたれマッサージ装置10に適用されるマッサージ経路の制御方法は、下記の工程61~工程64を含む。工程61において、それぞれ複数の停留点が連続的に構成した軌跡パターンを表す複数の軌跡プログラムのうちの1つを取得する。工程62において、それぞれ複数の軌跡プログラムのうちの1つの複数の停留点の座標値を解析する。工程63において、複数の停留点の複数の座標値に基づき、それぞれマッサージ突起420が1つの停留点から次の停留点まで移動するために転動する必要のある予測される回転角度及び昇降する必要のある予測される垂直移動量を算出する。工程64において、これらの回転角度及びこれらの垂直移動量に基づき、第1のモータセット500と第2のモータセット600を同期的に作動させ、マッサージ突起420が順に全ての停留点まで移動し、更にマッサージ突起420が所定の時間内で複数の軌跡プログラムのうちの1つに対応する軌跡パターンを連続的に描くように制御する。
【0048】
より具体的には、図7は、図6の工程64を示す細部フローチャートである。図2及び図7に示すように、本実施例において、マッサージ突起420が軌跡パターンを連続的に描く過程で、マッサージ突起420が1つの停留点から次の停留点へ移動する時、下記の工程71~工程73を更に含む。工程71において、第1のモータセット500及び第2のモータセット600がそれぞれ出力した回転角度を検知し、これらの回転角度に基づき、マッサージ突起420が現在位置する座標に変換する。工程72において、マッサージ突起420が現在位置する座標に基づき、マッサージ突起420が次の停留点まで移動するために転動する必要のある予測される回転角度及び昇降する必要のある予測される垂直移動量を算出する。工程73において、マッサージ突起420が次の停留点まで移動するために必要な回転角度及び垂直移動量に基づき、マッサージ突起420が次の停留点に到達するように第1のモータセット500によるマッサージ突起420の転動及び第2のモータセット600によるマッサージ突起420の昇降を同期的に行い、工程71に戻る。
【0049】
図8A~8Eは、それぞれ図1のマッサージ部材400がS型軌跡パターンSを完成するための連続的な操作を示す図である。図8Aに示すように、一例として、背もたれマッサージ装置10が複数の軌跡プログラムのうちの1つを実行し始め、且つ実行される軌跡プログラムがS型軌跡パターンSに対応する場合、方向順序Lに沿って図8Aを観察されたく、まず、制御ユニット710は、第1のモータセット500及び第2のモータセット600を起動させ、マッサージ部材400のマッサージ突起420をこのS型軌跡パターンSの開始点T1まで移動させ、続いて、図8Bに示すように、制御ユニット710は、この軌跡プログラムを実行し続けるように、マッサージ突起420を下降させる動作及び時計回りに予め設定された回転角度で転動させる動作を同時に実行し、続いて、図8Cに示すように、制御ユニット710は、この軌跡プログラムを実行し続けるように、マッサージ突起420を上昇させる動作及び反時計回りに予め設定された回転角度で転動させる動作を同時に実行し、続いて、図8Dに示すように、制御ユニット710は、この軌跡プログラムを実行し続けるように、マッサージ突起420を下降させる動作及び時計回りに予め設定された回転角度で転動させる動作を同時に実行し、最後、図8Eに示すように、制御ユニット710は、マッサージ突起420を昇降させず、マッサージ突起420が時計回りにこのS型軌跡パターンSの終了点T2まで転動させることのみを実行する。
【0050】
図9A~9Eは、それぞれ図1のマッサージ部材400が直線軌跡パターンNを完成するための連続的な操作を示す図である。図9Aに示すように、一例として、背もたれマッサージ装置10が複数の軌跡プログラムのうちの1つを実行し始め、且つ実行される軌跡プログラムが直線軌跡パターンNに対応する場合、方向順序Lに沿って図9Aを観察されたく、まず、制御ユニット710は、第1のモータセット500及び第2のモータセット600を起動させ、マッサージ部材400のマッサージ突起420がこの直線軌跡パターンNの開始点T1まで移動させ、続いて、図9Bに示すように、制御ユニット710は、この軌跡プログラムを実行し続けるように、マッサージ突起420を下降させる動作及び時計回りに予め設定された回転角度で転動させる動作を同時に実行し、続いて、図9Cに示すように、制御ユニット710は、この軌跡プログラムを実行し続けるように、マッサージ突起420を下降させる動作及び時計回りに予め設定された回転角度で転動させる動作を同時に実行し、マッサージ部材400が背もたれ200の垂直方向(例えば、Y軸方向)に平行するようにし、続いて、図9Dに示すように、制御ユニット710は、この軌跡プログラムを実行し続けるように、マッサージ突起420を上昇させる動作及び時計回りに予め設定された回転角度で転動させる動作を同時に実行し、最後に、図9Eに示すように、制御ユニット710は、マッサージ突起420を上昇させる動作及び時計回りにこの直線軌跡パターンNの終了点T2(即ち、右端)まで転動させ続ける動作を同時に実行する。
【0051】
上記マッサージ突起420は、いずれも同じ水平高さに持続的に位置し、マッサージ突起420が連続的に描いた軌跡パターンは、垂直方向(例えば、Y軸方向)に直交する直線であることを理解すべきである。
【0052】
このように、以上の各実施例の前記フレームワークにより、本発明は、高度に自由化しているマッサージ経路を提供し、単一で決まっている軌跡パターンを回避することができるだけでなく、マッサージニーズに対するカスタマイズに対応することもできる。
【0053】
最後に、上記に開示された各実施例は、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができ、且つ本発明の保護対象とすることができる。従って、本発明の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0054】
10 背もたれマッサージ装置
61~64、71~73 工程
100 シート
101 座部
200 背もたれ
210 収容槽
211 内壁
212 レール
220 当接部
300 枠体
301 表面
302 裏面
303 開口
304 長尺溝
310 ラック
320 メイン歯車
321 歯車軸
322 第1の軸心
400 マッサージ部材
410 支持アーム
420 マッサージ突起
500 第1のモータセット
510 第1のモータ本体
511 第1の伝動軸
520 第1のネジ軸棒
530 第1の変速歯車
531 第2の軸心
532 第1の大歯車
533 第1の小歯車
600 第2のモータセット
610 第2のモータ本体
611 第2の伝動軸
620 第2のネジ軸棒
630 第2の変速歯車
631 第3の軸心
632 第2の大歯車
633 第2の小歯車
634 第3の小歯車
640 ローラ
700 回路基板
710 制御ユニット
720 第1の検知モジュール
721 第1の連動歯車
722 第1の検知ユニット
730 第2の検知モジュール
731 第2の連動歯車
732 第2の検知ユニット
800 手動制御装置
810 ケース
820 アナログ方向制御インタフェース
830 力制御インタフェース
840 記憶ユニット
L 方向順序
N 直線軌跡パターン
S S型軌跡パターン
T1 開始点
T2 終了点
X、Y、Z 軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9