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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】腰用サポータ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/02 20060101AFI20220708BHJP
   A41C 1/00 20060101ALI20220708BHJP
   A41C 1/02 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
A61F5/02 K
A41C1/00 G
A41C1/02 B
A41C1/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017129283
(22)【出願日】2017-06-30
(65)【公開番号】P2019010393
(43)【公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】517233128
【氏名又は名称】奏株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(72)【発明者】
【氏名】▲かせ▼野 吏花
(72)【発明者】
【氏名】由良 恂一
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-017932(JP,A)
【文献】特開平11-104159(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02965726(EP,A1)
【文献】登録実用新案第3105014(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/02
A41C 1/00
A41C 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰当部と、腰当部から伸びて互いに係着される腰ベルトと、腰当部と腰ベルトを締め付ける締め付けベルトを備えた腰用サポータにおいて、
左側の腰当部と右側の腰当部を分離させる一方、左側の腰当部と右側の腰当部を連結させる中央連結帯と、中央連結帯の長さや伸縮力を調節する第1の調節用帯を設けるとともに、前記第1の調節用帯と連結された第2の調節用帯である左右の締め付けベルトを備え、左側の腰当部と右側の腰当部は左右の腰の位置の離れた位置で前記締め付けがなされるとともに、前記中央連結帯は分離状態の左側の腰当部と右側の腰当部とが近接しても凹状やU字状に折り畳まれて左側の腰当部と右側の腰当部との重なり合いを生じさせないものであり、前記中央連結帯は、伸縮性素材であって、前記左右の腰当部は、これよりも伸縮性の小さな非伸縮性の素材であり、前記中央連結帯の伸縮幅よりも広い範囲で伸縮する第1の調整用帯を前記左右の腰当部に設けるとともに、前記中央連結帯の伸縮幅よりも幅の狭い部分である係止部を前記左右の腰当部に設けて前記第1の調節用帯と連結して、左側の腰当部と右側の腰当部との重なり合いが生じないように調整することを特徴とする腰用サポータ。
【請求項2】
腰当部と、腰当部から伸びて互いに係着される腰ベルトと、腰当部と腰ベルトを締め付ける締め付けベルトを備えた腰用サポータにおいて、
左側の腰当部と右側の腰当部を分離させる一方、左側の腰当部と右側の腰当部を連結させる中央連結帯と、中央連結帯の長さや伸縮力を調節する第1の調節用帯を設けるとともに、前記第1の調節用帯と連結された第2の調節用帯である左右の締め付けベルトを備え、左側の腰当部と右側の腰当部は左右の腰の位置の離れた位置で前記締め付けがなされるとともに、前記中央連結帯は分離状態の左側の腰当部と右側の腰当部とが近接しても凹状やU字状に折り畳まれて左側の腰当部と右側の腰当部との重なり合いを生じさせないものであり、前記左右の締め付けベルトは、係合リングを介して引き出し方向に引き出される左右の折り返し部を備え、前記中央連結帯の伸縮幅よりも幅の狭い部分である係止部を前記左右の腰当部に設けて(前記中央連結帯4の横幅をX4とし、この横幅よりも幅の狭い部分をX5a又は(XR及び/又はXL)とすると、X5a<X4、又は、(XR及び/又はXL)<X4)、左側の腰当部と右側の腰当部との重なり合いである重複長<0とする構成であることを特徴とする腰用サポータ。
【請求項3】
前記第1の調節用帯を係止する非伸縮性の係止部が前記腰当部に設けられ、腰用サポータを装着した際に巻き回した方向と逆方向の弾性力である伸長回復力を生じさせ、かつ、前記中央連結帯の伸縮力と前記第1の調節用帯の伸縮力が対応して伸縮させるか、又は、前記中央連結帯の長さに対する前記第1の調節用帯の長さを対応させるかして、前記左右の腰当部が重なり合うことがないように左右の腰当部の間隔の調節がなされることを特徴とする請求項1又は2記載の腰用サポータ。
【請求項4】
前記第1の調節用帯は、前記中央連結帯の上方に覆うようにしてベルトに連結されるとともに、互いに交叉して配される部分を備え、前記左右の締め付けベルトは、係合リングを介して逆方向に引き出し方向に引き出されるとともに、前記左右の締め付けベルトは、前記第1の調節用帯を介して左右に引き出されるとともに、前記第2の調節用帯が左右の締め付けベルトに設けられており、前記第2の調節用帯は、前記第1の調節用帯の長さである伸縮する量を調整するとともに前記中央連結帯の長さである伸縮する量を調整することを特徴とする請求項1又は2記載の腰用サポータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰回りを強力に締め付け保持する腰用サポータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、皮膚、関節、腱、軟骨、ならびにその周辺の筋肉等の保護をするために各種サポータが使用されている。サポータの種類には、素材形態によりテープ状、布帛などがあり、また使用する箇所によって腕用、膝用、及び腰用等、様々なものがある。腰用サポータは背中、臀部、及び腰回りの、骨格、筋肉、及び神経を保護する他、装着した際の見栄えや身体に装着し易いような工夫がされる。腰用サポータは、装着部に対応した形状として装着感を向上させるために、例えば、腰用サポータの中央の縦幅を大きくし、腰用サポータの先端方向の縦幅を小さくする等の工夫がなされる。
【0003】
腰回りの皮膚、関節、腱、軟骨、ならびにその周辺の筋肉等には動きの大きい部位と動きの小さい部位がある。例えば関節周りはその可動域により大きく部位の形態が変化する。また呼吸によっても腹部の皮膚や筋肉の部位には大きく形態が変化する。そのため動きの大きい部位を腰用サポータの伸縮部が保護しつつ、動きの小さい部位は腰用サポータの非伸縮部が保護する構成とすることで関節や筋肉等の動きを制限し圧迫して保護する等、腰用サポータの各部材の伸縮性・非伸縮性素材の選択に工夫を施すことで、装着感を維持向上させることができる。
【0004】
特許文献1には、着用者の腰部にフィットし、着用者の背部を十分に押圧して、着用感を向上させた腰用サポーターであって、腰用サポーター100は、略V字形状の帯状体からなり、背当部の一の側辺に二箇所で固定され、当該一の側辺及び背当部の中央間にV字頂点が配設される第1の押圧バンド部30と、一端41が第1の押圧バンド部30のV字頂点33に固定され、他端42に配設される面ファスナーのフック43が右側の巻回部20のループ21に係着される第1の引張バンド部40と、略V字形状の帯状体からなり、背当部の他の側辺に二箇所で固定され、当該他の側辺及び背当部の中央間にV字頂点が配設される第2の押圧バンド部50と、一端61が第2の押圧バンド部50のV字頂点53に固定され、他端62に配設される面ファスナーのフック63が左側の巻回部20のループ21に係着される第2の引張バンド部60とを備える、腰用サポータが記載されている。
【0005】
特許文献2は、腰部の周径差を吸収し、利用者が動いても腰部を締め付ける働きを損ねない腰ベルト1であって、左内締付ベルト43は、左本体ベルト2から延ばして右本体ベルト3の左折り返しリング33で折り返し、右内締付ベルト53は、右本体ベルト3から延ばして左本体ベルト2の右折り返しリング23で折り返し、左副締付ベルト6は、右本体ベルト3から左方向に延ばし、右副締付ベルト7は、左本体ベルト2から右方向に延ばし、左外締付ベルト44は、左副締付ベルト6に接続し、左本体ベルト2に着脱する左固定リング45から折り返し、左内締付ベルト43の左連結リング433から折り返して左本体ベルト2に接続し、右外締付ベルト54は、右副締付ベルト7に接続し、右本体ベルト3に着脱する右固定リング55から折り返し、右内締付リング53の右連結リング533から折り返して右本体ベルト3に接続した腰ベルト1が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-067870号公報
【文献】特開2016-125183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の腰用サポータ100は、着用時、第1に、面ファスナーのフック24で係着領域22に係着させることで巻回部20を係着させた後、第2に、第1の引張バンド部40と第2の引張バンド部60とを引き出してさらに締め付けることで係着させる。そのため当然に、第1の係着、すなわち巻回部20を係着させた時の腰用サポータ20の径よりも、第2の係着、すなわち引張バンド部を引き出して係着させた時の腰用サポータ20の径の方が、小さくなる。
【0008】
しかしながら、特許文献1記載の腰用サポータ100は、巻回部20と背当部10とが縫製されて、右側の巻回部20と左側の巻回部20とは一体となっている。そのため腰用サポータ100自身の形態維持により、第1の引張バンド部40と第2の引張バンド部60とによる引き出し時に、さらなる締付をする力が弱まる。使用者の背部において左側の巻回部20と右側の巻回部20とは接近する方向へ移動しようとするが、背当部10によりその動きが阻害される。
【0009】
一方、特許文献2記載の腰ベルト1は、左内締付ベルト43と右内締付ベルト53とが左右非対称に斜めに配置されて、斜めに引き出されるので左右一対の腰当が斜めに移動する可能性があり、左右に均等に力がかからず腰部を支持する力が不均一になる可能性がある(図1)。また左副締付ベルト6及び右副締付ベルト7は伸縮性のため、非伸縮性の素材と比較すると左副締付ベルト及び右副締付ベルトの締付力は低減する。そのため特に、大きな締付は困難である。また左本体ベルト2、右本体ベルト3、左内締付ベルト43、左外締付ベルト44、右内締付ベルト53、及び右外締付ベルト54は非伸縮性素材である。そのため、左本体ベルト2の外面に設けた面ファスナーの雌面242に、右本体ベルト3の左端31の内面に設けた面ファスナーの雄面341を掛合させた後は、特に腰ベルト1の下部において、腰ベルト1の径を掛合させた径よりも大きくすることが難しく、使用者が呼吸すると圧迫感が生じる。さらに左副締付ベルト6と右副締付ベルト7とが伸縮性である一方で、左内締付ベルト43と、左外締付ベルト44と、右内締付ベルト53と、右外締付ベルト54とは非伸縮性素材であるから、腰ベルト1の上下で不均一な締付力が生じる。
【0010】
また、特許文献2では、左内締付ベルト43、左外締付ベルト44、右内締付ベルト53、右外締付ベルト54等が斜めの引き出し用に使用されると、傾いた締め付け力になってしまう問題や、連結リングが第2の係着の際に腰用サポータの径を容易に縮小させることができるが、巻き回す方向に腰用サポータの左右を引っ張るために(係合リングを介して強力に締め付けようとすると、腰当部が移動することや、腰当部が重なり合うように移動すると、安定した腰当にはならないために)、使用者の背部、特に腰椎を中心とする面に十分な圧をかけることが難しかった。また、締め付けベルトを係止する係合リングの位置が肌(腰)に接触する位置にあるなどの問題も有する。
【0011】
そこで本発明の目的は、分離された構造の左右の腰当部を中心にして締め付け力を強力に働かせるとともに、腰回り全体に均一な締付を行って締付負荷をかけることができる腰用サポータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、腰当部と、腰当部から伸びて互いに係着される腰ベルトと、腰当部と腰ベルトを締め付ける締め付けベルトを備えた腰用サポータにおいて、左側の腰当部と右側の腰当部を分離させる一方、左側の腰当部と右側の腰当部を連結させる中央連結帯と、中央連結帯の長さや伸縮力を調節する第1の調節用帯を設けるとともに、前記第1の調節用帯と連結された左右の締め付けベルトを備え、左側の腰当部と右側の腰当部は左右の腰の位置の離れた位置で前記締め付けがなされるとともに、前記中央連結帯はこのような離れた位置に左右の腰当部が位置するように左右の腰当部の間隔を調節するが、前記中央連結帯は、仮に左右の腰当部が近接しても凹状やU字状に折り畳まれて左側の腰当部と右側の腰当部との重なり合いを生じさせないことを特徴とする。中央連結帯としては、一枚ものでもよいが、凹状のものやU字状のものや折り畳まれるような構造を有することが好ましい。
本発明によれば、手で左右の締め付けベルトを引き出すと、前記第1の調節用帯が左右に引っ張られて、これにより第1の調節用帯の長さや伸縮力を調節して前記中央連結帯が左右の腰当部の間隔を調節するので(外側に凹状に変形したり、外側に折れ込んだりするために)、前記左右の腰当部が近付くことで腰部を引き締める。そして、左右の腰当部を中心にして締め付け力が働かせることできるようになるので、腰当部のずれがなくなり、効果的な締め付け力を得ることができる。すなわち、使用者の背部、特に腰椎を中心とする左右の面(左右の腰部)にも十分な押圧力を生じさせる。
【0013】
本発明としては、前記左右の締め付けベルトを引き出すと、前記第1の調節用帯が左右に引っ張られて、これにより第1の調節用帯が伸長して前記中央連結帯の伸長力が弱められるか、又は、前記中央連結帯が折り畳まれるようになって、左右の腰当部の間隔を調節することを特徴とする。
本発明によれば、前記中央連結帯も前記第1の調節用帯も、外側に配置されていることが好ましいが、第1の調節用帯が伸長するなどして前記中央連結帯が左右の腰当部の間隔を調節するので、第1の調節用帯が外側に凹状に変形したり、外側に折れ込んだりするために、肌(腰)に接触する箇所には、係合リングなどを接触させるようなことがなくなり、特に腰椎を中心とする面にも十分に強力な押圧力を生じさせる。
【0014】
本発明としては、前記左右の締め付けベルトは、前記第1の調節用帯を介して左右に引き出されるとともに、第2の調節用帯が左右の締め付けベルトに設けられており、前記第2の調節用帯を介して引き出されていることを特徴とする。左右の締め付けベルトには、係合リングを介して折り返される左右の折り返し部を備えて、前記第2の調節用帯を設けることが好ましい。前記第2の調節用帯は、第1の調節用帯の長さ(伸縮する量)とともに前記中央連結帯の長さ(伸縮する量)を調整する。
本発明によれば、前記中央連結帯による左右の腰当部の間隔は前記第1の調節用帯による調節のほか前記第2の調節用帯による調節によっても行われるので、均一な締付を行って腰回り全体に締付負荷を均一にかけることができる。
【0015】
本発明としては、前記第1の調節用帯は、前記中央連結帯の上方に覆うようにしてベルトに連結されるとともに、互いに交叉して配される部分を備え、前記左右の締め付けベルトは、係合リングを介して引き出し方向に引き出されることを特徴とする。
本発明によれば、左右の締め付けベルトを左右の腰当部を中心にした腰部の締め付け力が得られることになる。すなわち、左右の締め付けベルトをベルト幅に沿って平行かつ中央に引き出されることで、腰部外周や脇腹部や前方腹部においても、ベルト幅に沿ってかつ中央において均一な締め付け力を得ることできるようになる。
【0016】
本発明としては、前記中央連結帯の伸縮力と前記第1の調節用帯の伸縮力が対応して伸縮させるか、又は、前記中央連結帯の長さに対する前記第1の調節用帯の長さを対応させるかして、前記左右の腰当部が重なり合うことがないように左右の腰当部の間隔の調節がなされることを特徴とする。また、前記中央連結帯と前記第1の調節用帯は、いずれも左右の腰当部の外側に配置され、前記左右の腰当部が重なり合うことがないことが好ましい。
本発明によれば、左右の腰当部を中心にした腰部の締め付け力が得られることになる。すなわち、左右の締め付けベルトを引き出すことで、仮に、左右の腰当部が重なり合うと、脊髄を中心にしてその左右からの対称的な締め付け力がかからなくなる(脊髄の一か所としての押圧力しかかからなくなる)。しかし、本発明によれば、重なり合わないようになっていることから、左右の腰当部を中心にして締め付け力が働かせることできるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、左側の腰当部と右側の腰当部を分離させる一方、左の腰当部と右側の腰当部を連結させる中央連結帯と、中央連結帯の長さや伸縮力を調節する第1の調節用帯を設けるとともに、前記第1の調節用帯と連結された左右の締め付けベルトを備えることから、左右の腰当部を中心にして締め付け力が働かせることできるようになるので、腰当部のずれがなくなり(腰当部の重なり合いが生じることがなく)、効果的な締め付け力を得ることができる。
また、左右の締め付けベルトに前記第2の調節用帯を設けることにより、前記第2の調節用帯は、第1の調節用帯の長さ(伸縮する量)とともに前記中央連結帯の長さ(伸縮する量)を調整することが可能になり、中央連結帯による左右の腰当部の間隔は前記第1の調節用帯による調節のほかにも前記第2の調節用帯による調節によっても行われるので、均一な締付を行って腰回り全体に締付負荷をかけることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る腰用サポータの正面図である。
図2】上記実施形態の腰用サポータの背面図である。
図3】上記実施形態の腰用サポータの斜視図である。
図4】上記実施形態の腰用サポータの参考斜視図である。
図5】上記実施形態の腰用サポータを参考斜視図である。
図6】本発明の第2の実施の形態に係る腰用サポータの斜視図である。
図7】上記第2の実施の形態に係る左右の腰当部が重なり合わないことを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を図面を引用しながら説明する。
【0020】
(実施の形態)
図1は本実施形態の腰用サポータ1の正面図であり、長さ方向を横方向にして展開して表側から示した図である。図2は腰用サポータ1の背面図であり、図1の腰用サポータを身体に密着する面である裏側から示した図である。図3は本実施の形態の腰用サポータ1の斜視図であり、図1の腰用サポータ1を下方から上方へ向けて見た場合を示す。図4及び図5は、図3による説明を補助するための参考斜視図である。図4図1の腰用サポータ1を左側下方から右側上方へと見た場合を示し、図5は腰用サポータ1を裏側から見た斜視図である。
【0021】
本発明において腰用サポータ1を装着した際に、身体に密着しない側(外から見える面)は、腰用サポータ1の「表側」と呼ぶ(図1,3,4)。身体に密着する側(外から見えない面)は、腰用サポータ1の「裏側」と呼ぶ(図2,5)。
【0022】
本実施の形態の腰用サポータ1は周方向に伸縮性を有し、図1及び図2に示すように、腰用サポータ1は使用者の腰部に当接される左右一対の腰当部2と、腰当部2と一体的に繋がり腰側部に巻き回される左右一対の腰ベルト3と、左右一対の腰当部2を連結して腰椎を支持する中央連結帯4と、腰ベルト3の外側から巻き回されて腰ベルト3を補助する左右一対の締め付けベルト5と、一端が腰当部2に固着されるとともに、他端が係合リング6を介して締め付けベルト5に連結される、左連結帯7と右連結帯8とを有する。
【0023】
本発明において、「左右一対」とは図1及び図2に示す腰用サポータ1の中心線Aを基準にして左右線対称であることを意味する。本発明において「左側」とは、図1に示した、腰用サポータ1の表側において左側であることを意味し、「右側」とは、図1に示した、腰用サポータ1の表側において右側であることを意味する。
【0024】
本実施の形態の腰用サポータ1は、背中、臀部、及び腰回りの、骨格、筋肉、及び神経を保護及び/又は機能強化するためのサポータであり、その生地の材質としては、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、及び/もしくはアクリルなどの合成繊維、及び/もしくはゴム質の繊維、ならびに/又はそれらの組み合わせからなり、これら繊維が織り込まれて多層構造とされる。
【0025】
腰当部2と腰ベルト3とは、一枚の通気性を有する伸縮性素材が生地として使用された一連一体の構成とされており、外縁部9により縁取りされるとともに、係着手段10等の非伸縮性素材が一部重ねて縫い付けられている。腰ベルト3には係着手段10(例えば面ファスナーの雌部)が縫い付けられ、係着手段10が縫い付けられていない側が右腰当部2となる(図1)。
【0026】
腰当部2には、腰用サポータ1を表側から見た場合に、左右の連結帯7,8を係止する非伸縮性の係止部11が、腰用サポータ1の伸縮性素材の生地に縫い付けられる(図1)。腰当部2は、係止部11を境として係止部11よりも中心線Aに近い側、すなわち中央連結帯4と接続する側を支持部2aとし、係止部11よりも中心線Aに遠い側、すなわち腰ベルト部3に接続する側を移行部2bとする(図1)。
【0027】
支持部2aと移行部2bとは縦幅が異なり、支持部2aは腰ベルト3よりも縦幅が広く、およそ一定の縦幅を有し、腰椎や胸腰筋膜を支持するに十分な幅を有する。支持部2aの縦幅は、特に限定はされないが、成人であれば好ましくは10cm~20cmとし、より好ましくは12cm~17cmとする。支持部2aの横幅は支持部2aの縦幅より小さく、支持部2aの横幅は、成人であれば、好ましくは5cm~15cmとし、より好ましくは8cm~12cmとするが、これにより限定はされない。移行部2bは支持部2aと腰ベルト3の間に位置し、支持部2aから腰ベルト3に近づくにつれて漸次縦幅が狭くなる構成とされる(図1図2)。移行部2bを伸縮性素材とすることで、後述するように腰用サポータ1を装着した際に巻き回した方向と逆方向の弾性力(伸長回復力)を生じさせ、腰ベルト3で締付けした際の装着感を向上させる。
【0028】
支持部2aは、腰用サポータ1の裏側において、上部に開口部12aを有するポケット状の収納部12を有する(図2,5)。収納部12には腰用サポータ1の締付による腰部の圧迫を分散させて装着感を向上させるためのクッション材が挿入される。
【0029】
腰ベルト3は背部から腹部にかけて腰に巻き回され、腰回りを外側から圧迫支持し、例えば複斜筋、腹直筋、腹横筋などを支える。腰ベルト3の縦幅は、特に限定はされないが、成人であれば好ましくは5cm~10cmとする。腰ベルト3の横幅は、使用者の胴囲に合わせて適宜変更されることが好ましい(図1図2)。
【0030】
腰ベルト3の表側には伸縮性素材の上から面ファスナーの雌部等の係着手段10が縫い付けられている(図1)。また腰ベルト3の裏側において、左右一対の腰ベルトのいずれか一方には、伸縮性素材の上から面ファスナーの雄部等の係着手段13が縫い付けられており、左右一対の腰ベルト3を互いに重ね合わせた時に着脱自在な係着状態とする(図2)。例えば、図2に示すように一方の腰ベルト3の裏側に面ファスナーの雄部13が配されて、図1に示した他方の腰ベルト3の表側に配された面ファスナーの雌部10と重ね合わされて係着する。
【0031】
図3を用いて締め付けベルト(第2の調節用帯)5の詳細を説明する。第2の調節用帯である締め付けベルト5は非伸縮性素材の第1の締め付けベルト5aと、伸縮性素材の第2の締め付けベルト5bからなり、第1の締め付けベルト5aは、その一端50aが腰ベルト3の表側に縫い付けられた係着手段10に接続し、係合リング6を通過して折り返される(図3)。第1の締め付けベルト5aの他端には裏側に面ファスナーの雄部等の係着手段10が縫い付けられており(不図示)、折り返された第1の締め付けベルト5aが腰ベルト3の係着手段10に係着する構成となる。例えば、腰用サポータ1の非装着時には、右側の締め付けベルト5aの係着手段10は、右側の腰ベルト3の係着手段10に係着し、腰用サポータ1の装着時には、右側の第1の締め付けベルト5aの係着手段は、左側の腰ベルト3の係着手段10に係着する。第2の締め付けベルト5bは第1の締め付けベルト5aよりも短く、第2の締め付けベルト5bの一端50bは腰ベルト3の表側に縫い付けられた係着手段10に接続し、第2の締め付けベルト5bの他端51bは、第1の締め付けベルト5aの裏側に縫い付けられる。第1の締め付けベルト5aの一端50aと、第2の締め付けベルト5bの一端50bとは重なるようにして係着手段10の端に接続する。
【0032】
第1の締め付けベルト5aの一端50a(腰ベルト3の表側に縫い付けられた係着手段に接続する箇所)から、第2の締め付けベルト5bの他端51bが第1の締め付けベルト5aに縫い付けられた箇所51aまでの長さは、第2の締め付けベルト5bの一端50bから他端51bまでの長さと比較して長くなるように構成する(図3)。
【0033】
このことにより第1の締め付けベルト5aを腰回りに巻き回して、腰ベルト3に係着した際に、第1の締め付けベルト5aによって巻き回した方向とは逆方向に、伸縮性素材の第2の締め付けベルト5bが弾性力(伸長回復力)を生じさせる。この逆向きの弾性力(伸長回復力)によって腰回りを締め付ける力に弾性力(伸長回復力)が生じるため装着感が向上するとともに、腰椎や背骨方向へ向かう腰当部2による圧迫が可能となる。また第1の締め付けベルト5aを巻き回した際の引張力を調節することで、第2の締め付けベルト5bによる逆向きの引張力・弾性力(伸長回復力)も調節されるため、腰回りを締め付ける力を調節することができる。さらに移行部2bも伸縮性素材であるため、腰用サポータ1を装着した際には、移行部2bも同様に第1の締め付けベルト5aで巻き回した方向と逆方向へ弾性力(伸長回復力)を生じさせることができ、腰ベルト3で締付した際の装着感を向上させる。
【0034】
係合リング6は、金属部材や汎用プラスチック等の非伸縮性素材が使用され、汎用プラスチックは装着感の点から好適である。この係合リング5を介して締め付けベルトを強力に引き出すためである。
【0035】
連結帯(第1の調節用帯)は、左右一対の腰当部2に配された係止素材13に縫い付けられて連結する中央連結帯4と、一端70a,70bが右側の腰当部2aの係止部11に連結されて、他端71a,71bが左側の係合リング6に係合する左連結帯7と、一端80a,80bが左側の腰当部2aの係止部11に連結されて、他端81a,81bが右側の係合リング6に係合する右連結帯8と、からなる(図4~6)。中央連結帯4は伸縮性素材からなり、左連結帯7と右連結帯8とは非伸縮性素材からなるが、いずれも伸縮性素材として、その伸縮力を調節しても良い。
【0036】
左連結帯7と右連結帯8とは締め付けベルト5で巻き回した際により均一に引張力が生じるよう左右対称の形状とされる。例えば本実施例に示すように、左右対称の不等号形状であり、左連結帯7が小なり形状との場合、右連結帯8が大なり形状となる。小なり形状の左連結帯7は、右側の腰当部2aに配された係止部11の上方70aで接続する左上帯7aと、同係止部11の下方70bで接続する左下帯7bの二つに分かれ、大なり形状の右連結帯8も同様に、左側の腰当部2aに配された係止部11の上方80aで接続する右上帯8aと、同係止部11の下方80bで接続する右下帯8bの二つに分かれている(図1,3,4)。
【0037】
本実施例のように、左上帯7aが右上帯8aよりも上に重ねられた場合、左下帯7bは右下帯8bよりも下に重ねられることが好ましい(図1,3,4)。もし左上帯7aが右上帯8aよりも下に重ねられた場合、左下帯7bは右下帯8bよりも上に重ねられる。このような構成をとることで、左右一対の締め付けベルト5が係着されていない場合や、それらを身体から離れる方向へ引っ張った場合に、左連結帯7と右連結帯8とは互いに干渉しあうことで、身体から離れる方向への締め付けベルト5、左連結帯7、及び右連結帯8の動きが抑制されて、コンパクトな構成とる。例えば本実施例にように、左上帯7aが右上帯8aの上に重ねられ、左下帯7aが右下帯8aの下に重ねられる構成であれば、右上帯8aは左上帯7aによって身体から離れる方向への動きが制限され、左下帯7bは右下帯8bによって身体から離れる方向への動きが制限されて、左連結帯7と右連結帯8との双方が身体から離れにくくなる。
【0038】
(本発明の腰用サポータ1を装着する際の具体例)
腰用サポータ1の装着例を説明する。まず左右一対の腰ベルト3を腰回りに巻き回し、右側の腰ベルト3の裏側に配された面ファスナーの雄部13(図2)と、左側の腰ベルト3の表側に配された面ファスナーの雌部10(図1)とを係着させる。
【0039】
伸縮性素材の中央連結帯4及び伸縮性素材の移行部2bは、巻き回された方向と逆方向(腰用サポータ1が元の大きさへと縮む方向)へ弾性力(伸長回復力)を生じさせるので、使用者が呼吸をした際にも無理な締付力が生じない構成となっている。
【0040】
係着された一対の腰ベルト3の上から第1の締め付けベルト5aを巻き回し、第1の締め付けベルト5aの裏側に縫い付けられた面ファスナーの雄部(不図示)と、腰ベルトの表側に配された面ファスナーの雌部10(図1)とで係着させる。
【0041】
左右一対の腰当部2aは伸縮性素材の中央連結帯4によって連結されるが、半独立して形態である。そのため第1の締め付けベルト5aを用いて係着させる際、使用者の背部において左右一対の腰当部2aは近接する方向に移動することができ、容易に締め付けることができる。
【0042】
左連結帯7と右連結帯8は対称の構造とされ、各々の上帯7a,8aが、それぞれ係止部11の上部70a,80aへ連結し、かつ各々の下帯7b,8bが係止部11の下部70b,80bに連結されているため、腰当部2aにかかる引張力は分散され、広範囲に渡り引張力が生じる。したがって偏った締付力が生じず、腰回りの締付力も分散され、使用者の装着しやすい構成とされる。
【0043】
第1の締め付けベルト5aを腰回りに最大限巻き回した際、伸縮性素材の第2の締め付けベルト5bは、非伸縮性素材の第1の締め付けベルト5aと同じ長さまで伸長するとともに、係合リング6は、第1の締め付けベルト5aや第2の締め付けベルト5bの一端が腰ベルトの係着手段に接続する箇所50a,50bまで移動する(図3)。
【0044】
また第1の締め付けベルト5aで係着した場合、上述のように伸縮性素材の第2の締め付けベルト5bと移行部2aとが、第1の締め付けベルト5aで腰回りに巻き回す方向(腰用サポータが横方向へ伸長する方向)と、逆方向(腰用サポータ1が横方向へ縮小する方向)の弾性力(伸長回復力)を生じさせるため、使用者は呼吸がしやすい構成とされている。さらに第1の締め付けベルト5aと、係合リング6と、左連結帯7と、右連結帯8とは非伸縮性素材からなるため、第1の締め付けベルト5aを腰回りに最大限巻き回して係合リング6が接続箇所50a,50bで止まった場合、周方向にさらに伸長可能な部材は、伸縮性素材の移行部2bのみとなる。そのため第1の締め付けベルト5aを腰回りに巻き回した際には大きな締付力を生じさせることもできる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図6は腰用サポータ1の正面図であり、腰ベルト3を引き出して左右一対の腰当部2が互いに当接した際の図である。本発明の第2の実施の形態は、腰用サポータ1を装着した際、使用者の背部において、図6に示したように左右一対の腰当部2が互いに重ね合わされない構成とされ、より均一な圧迫を可能とする。第1の実施の形態と同じ点については、その説明を省略する。
【0046】
図7は本実施の形態の腰用サポータ1の詳細な構成を示す斜視図である。本実施の形態では、中央連結帯4、左連結帯7及び右連結帯8、ならびに補助ベルト5が、左右一対の腰当部2が互いに重ね合わされないようにするための調節部材として構成され、各々及び/または互いに作用する。なお本実施の形態では、左右一対の腰当部2が背部において互いに重ね合わされた場合を「重複」とし、重複分の長さを、「重複長」として説明を行う。また本実施の形態では、特に断りがない限り、「横幅」とは図1における横方向の長さを指し、腰用サポータ1を伸縮させていない状態の長さである。なお伸縮性素材の場合、元の長さ(伸縮していない場合の長さ)を横幅とし、最大伸長は最大横幅長とする。
【0047】
図7を用いて、重複長<0とする場合を説明する。第1の補助ベルト5aの一端50aから第1の補助ベルト5aが係合リング6で折り返される折返点52aまでの長さを横幅X5aとする。横幅X5aと中央連結帯4の横幅X4とは、X5a<X4とすることで重複長<0となる。これは左右の腰当部3が重複する前に、係合リング6が係着手段10と補助ベルト5との接合箇所となる、一端50a,50bで止まるためである。
【0048】
X5a<X4とするには少なくとも4通りの構成がある。1つ目は中央連結帯4の横幅X4を長くすることでX5a<X4とする構成である。中央連結帯4が伸縮性素材の場合、中央連結帯の最大横幅長X4をMAXとすると、X5a<X4をMAXとする。2つ目は連結帯の横幅(左連結帯7の横幅X7、右連結帯8の横幅X8)を長くすることにより、係合リング6を係着手段10に近づけ、X5aを短くし、X5a<X4とした構成である。3つ目は係着手段10を移行部2bまで配するか、移行部2bの横幅を短くして腰ベルト3の横幅を長くするかにより、係着手段10を係合リング6に近づけ、X5aを短くし、X5a<X4とする構成である。4つ目は係合リング6の横幅X6を長くすることで、X5a<X4とする構成である。
【0049】
次に、X5a<X4とする以外の方法で、重複長<0とする場合を図7を用いて説明する。第1の補助ベルト5aを外側へ引き出す(装着時は巻き回す)と、左上帯7aが右上帯8aの上に重ねて配されているため、左上帯7aの一端70aの下部70cは、右上帯8aの中間位置80dと互いに交差して干渉しあい、それ以上外側へ引き出されないよう作用する。また同様にして左下帯7bが右下帯8bの下に重ねて配されているため、左下帯7bの中間位置70dは、右下帯8bの一端80bの上部80cと互いに交差して干渉しあい、それ以上外側へ引き出されないよう作用する。
【0050】
中央連結帯4が元の長さを保つ、腰用サポータ1を伸縮させていない状態において、70cから80dまでの長さを横幅XRとし、70dから80cまでの長さを横幅XLとする。中央連結帯4の横幅X4に対し、X4>横幅XR及び/または横幅XLとすることで、重複長<0となる。横幅X4>横幅XRとするための構成と、横幅X4>横幅XLとするための構成の説明は重複するため、横幅X4>横幅XRとする構成を説明し、横幅X4>横幅XLも同様としてその説明を省略する。
【0051】
横幅X4>横幅XRとする構成としては、左右の連結帯の横幅(左連結帯7の横幅X7、右連結帯8の横幅X8)、を長くすることで連結帯の上帯及び下帯の傾斜を緩やかとして、横幅XRを短くする構成が考えられる。
【0052】
このように、本実施の形態の腰用サポータ1において、中央連結帯4、左連結帯7及び右連結帯8、ならびに補助ベルト5が、調節部材として構成されることで、左右一対の腰当部2が互いに重ね合わされないように作用し、左右の腰当部2による腰部への均一な圧迫を可能としている。以上のように本発明を説明してきたが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 腰用サポータ、
2 腰当部、
2a 支持部、
2b 移行部、
3 腰ベルト、
4 中央連結帯、
5 締め付けベルト(補助ベルト、第2の調節用帯)、
5a 第1の(左側の)締め付けベルト(第1の補助ベルト)、
5b 第2の(右側の)締め付けベルト(第2の補助ベルト)、
6 係合リング、
7 左連結帯(第1の調節用帯)、
7a 左上帯(第1の調節用帯)、
7b 左下帯(第1の調節用帯)、
8 右連結帯(第1の調節用帯)、
8a 右上帯(第1の調節用帯)、
8b 右下帯(第1の調節用帯)、
9 外縁部、
10 係着手段、
11 係止部、
12 収納部、
13 係止素材、
A 中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7