(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】スプレーポット
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20220708BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20220708BHJP
B05B 11/00 20060101ALI20220708BHJP
B05B 15/40 20180101ALI20220708BHJP
F16K 15/00 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
B65D83/00 G
B05C11/10
B05B11/00 102D
B05B15/40
F16K15/00
(21)【出願番号】P 2020515797
(86)(22)【出願日】2017-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2017101783
(87)【国際公開番号】W WO2018218813
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2019-12-26
(31)【優先権主張番号】201720607912.4
(32)【優先日】2017-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519423390
【氏名又は名称】深▲セン▼市慧智慧科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN WISDOM SCIENCE AND TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】FLOOR 3,BUILDING 6,JINHUAFA INDUSTRIAL PARK,NORTHEAST SIDE,2ND EAST RING ROAD,LONGHUA NEW AREA,BAOAN DISTRICT,SHENZHEN,GUANGDONG 518000,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 慧
(72)【発明者】
【氏名】フセ,イアン
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2003/045575(WO,A1)
【文献】特開2010-017716(JP,A)
【文献】国際公開第2006/065850(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0168468(US,A1)
【文献】特表2001-508698(JP,A)
【文献】特開2015-148173(JP,A)
【文献】特開2008-202624(JP,A)
【文献】特開昭58-034059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B05C 11/10
B05B 11/00
B05B 15/40
F16K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体内に設けられた取り外し可能なインナーライナー
であって、前記インナーライナーに前記インナーライナーの底部が一体的に設けられている、インナーライナーと、
前記インナーライナーの
前記底部に設けられ、前記本体を正置きして前記インナーライナーに流体を注入する時に閉状態にあり、前記本体を逆置きして流体を前記インナーライナーから排出する時に開状態にある一方向通気弁と、
前記本体の底部に設けられ、前記一方向通気弁を前記本体に固定するように設置されるクランプ部と、
前記本体の頂部に設けられ、スプレーガンに連結されるように設置され、前記本体と前記インナーライナーの両方に緊密に嵌合される蓋と、を備える、スプレーポット。
【請求項2】
前記インナーライナー内の気圧が外気圧よりも低い場合、前記一方向通気弁は、外気が前記インナーライナー内に流入することを許容する、請求項1に記載のスプレーポット。
【請求項3】
前記一方向通気弁の周側に複数のフランジが設けられ、前記本体の底部に貫通孔が設けられ、前記本体は、前記貫通孔の周側に前記フランジを貫通させるための複数の開口が設けられ、隣接する前記開口の間の前記本体の底部壁は、前記クランプ部を形成する、請求項1に記載のスプレーポット。
【請求項4】
前記一方向通気弁と前記インナーライナーとは、熱プレスまたは超音波により接着される、請求項3に記載のスプレーポット。
【請求項5】
前記蓋には、取り外し可能な第1のフィルタメッシュが設けられ、前記蓋には、前記第1のフィルタメッシュを取り付けるためのラグボス、および前記第1のフィルタメッシュを固定するためのクランプバックルが設けられている、請求項1に記載のスプレーポット。
【請求項6】
前記本体の上部には、その周方向に沿って環状クランプ溝が設けられ、前記蓋の周側には、前記環状クランプ溝に嵌合された弾性クランプフックが設けられている、請求項1に記載のスプレーポット。
【請求項7】
前記蓋には、スプレーガンに連結するための第1のコネクタ、または前記本体をシールするためのプラグが設けられている、請求項1に記載のスプレーポット。
【請求項8】
前記蓋とスプレーガンとの間には、一端がネジにより前記蓋に固定連結され、他端が第2のコネクタによりスプレーガンに固定連結されたフィルタヘッドアセンブリが設けられており、
前記フィルタヘッドアセンブリは、前記流体内の不純物を濾過する、請求項1に記載のスプレーポット。
【請求項9】
前記フィルタヘッドアセンブリは、前記蓋に連結された第1の蓋体および前記第2のコネクタに連結された第2の蓋体を備え、前記第1の蓋体と前記第2の蓋体との間に、取り外し可能な第2のフィルタメッシュが設けられている、請求項8に記載のスプレーポット。
【請求項10】
前記一方向通気弁は、上蓋、下蓋およびガスケットを備え、ガスケットに接触した上蓋の表面にリッジが設けられている、請求項1に記載のスプレーポット。
【請求項11】
前記ガスケットはシリコンガスケットである、請求項10に記載のスプレーポット。
【請求項12】
前記一方向通気弁は、上蓋とガスケットとの間に設けられたバネを更に備える、請求項10に記載のスプレーポット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスプレーポットの技術分野に関し、特に、インナーライナー付きのスプレーポットに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場におけるスプレーポットの機能は単一であり、使用後またはペンキ色の交換が必要な場合、スプレーポットを洗浄する必要があり、作業効率を大きく低減し、更に大量のペンキ洗浄溶剤を無駄遣いにする。関連技術の洗浄不要なペンキスプレーポットは、圧縮の原理によるものであり、ペンキの使用が不完全で、ペンキの無駄遣いをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ペンキをスプレーポットから完全に噴出することができ、塗料を節約する目的を達成し、また、本体を繰り返し使用することができ、作業効率を向上させ、且つ、インナーライナー内にペンキ等のような流体を注入する時に流体が漏れず、流体をインナーライナーから排出する時にインナーライナーが圧縮されないことが確保でき、構造が簡単であるだけでなく、更に操作しやすいスプレーポットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本体と、
本体内に設けられた取り外し可能なインナーライナーと、
インナーライナーの底部に設けられ、本体を正置きしてインナーライナーに流体を注入する時に閉状態にあり、本体を逆置きして流体をインナーライナーから排出する時に開状態にある一方向通気弁と、
本体の底部に設けられ、一方向通気弁を本体に固定するように設置されるクランプ部と、
本体の頂部に設けられ、スプレーガンに連結するために使用されるように設置され、本体とインナーライナーの両方に緊密に嵌合される蓋と、を備えるスプレーポット。
【0005】
本体内に取り外し可能なインナーライナーを設けることにより、本体は、使用時に、ペンキに直接接触しなくてもよく、繰り返し使用することができ、洗浄不要で、作業効率を向上させる技術的効果を達成する。インナーライナーの底部に一方向通気弁を設け、本体の底部に一方向通気弁を固定するためのクランプ部を設けることにより、インナーライナー内に流体を注入する時に流体が漏れず、流体をインナーライナーから排出する時にインナーライナーが変形せず圧縮されない技術的効果を達成する。
【0006】
好ましくは、インナーライナー中の気圧が外気圧よりも低い場合、一方向通気弁は、外気が一方向通気弁を介してインナーライナー内に流入することを許容する。一方向通気弁を介して、使用中にスプレーポット内のペンキを完全に噴出することができる。
【0007】
好ましくは、一方向通気弁の周側に複数のフランジが設けられ、本体の底部に貫通孔が設けられ、本体は、貫通孔の周側にフランジを貫通させるための複数の開口が設けられ、隣接する開口の間の本体は、クランプ部を形成する。使用時に、まず、インナーライナーを回転させ、一方向通気弁のフランジが開口の位置に対応するようにし、貫通孔を介して本体内から一方向通気弁を貫通させ、インナーライナーを再び回転し、一方向通気弁のフランジがクランプ部に嵌合するようにすることにより、一方向通気弁およびインナーライナーを本体に固定し、操作中のインナーライナーの上下移動および/または回動を防止す
る。
【0008】
好ましくは、一方向通気弁とインナーライナーとは、熱プレスまたは超音波により接着される。
【0009】
好ましくは、蓋には、取り外し可能な第1のフィルタメッシュが設けられ、蓋には、第1のフィルタメッシュを取り付けるためのラグボス、および第1のフィルタメッシュを固定するためのクランプバックルが設けられている。蓋に取り外し可能な第1のフィルタメッシュを設けることにより、インナーライナーに入った流体内の不純物を濾過することができるという目的を達成し、本体の洗浄回数を効果的に減少できるという技術的効果を実現するとともに、従来技術と比べ、使用前にペンキ等のような流体を濾過する必要のある作業を減少することで、人件費を低減し、作業効率を向上させ、且つ、同一の流体を連続して使用する場合、インナーライナーを交換せずに単に第1のフィルタメッシュを交換すればよく、インナーライナーの交換回数を減少し、更に流体の無駄遣いを減少する。
【0010】
好ましくは、本体の上部には、その周方向に沿って環状クランプ溝が設けられ、蓋の周側には、環状クランプ溝に嵌合された弾性クランプフックが設けられている。
【0011】
好ましくは、蓋には、スプレーガンに連結するための第1のコネクタ、または本体をシールするためのプラグが設けられている。スプレーガンに嵌合されて使用される場合、蓋は第1のコネクタを介してスプレーガンに連結されている。本体内に流体が依然として収容されているが、一時的に短期で使用する必要がない場合、プラグにより本体をシールし、本体内の流体を効果的に保護し、空気内の不純物による流体の汚染および流体の揮発を防止することができる。また、本体内にペンキを充填した後、プラグで本体をシールしてから本体を逆置きし、本体内のペンキを均一に混合するように振り、その後、プラグを取り外し、蓋を第1のコネクタを介してスプレーガンに連結し、更に本体を逆置きしてから使用することにより、毎回使用する前にペンキ等のような流体を単独で混合する必要があるプロセスを減少し、作業効率を向上させ、ペンキ混合用の容器を節約する。
【0012】
好ましくは、蓋とスプレーガンとの間には、一端がネジにより蓋に固定連結され、他端が第2のコネクタによりスプレーガンに固定連結されたフィルタヘッドアセンブリが設けられている。
【0013】
好ましくは、フィルタヘッドアセンブリは、蓋に連結された第1の蓋体および第2のコネクタに連結された第2の蓋体を備え、第1の蓋体と第2の蓋体との間に、取り外し可能な第2のフィルタメッシュが設けられている。
【0014】
好ましくは、第1の蓋体と第2の蓋体との間は、ネジに固定連結されている。好ましくは、第2のフィルタメッシュは、第1の蓋体と第2の蓋体との圧着により固定される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本体内に取り外し可能なインナーライナーを設けることにより、本体は、繰り返し使用することができ、洗浄不要であるという目的を達成し、作業効率を向上させる。インナーライナーの底部に一方向通気弁を設け、本体の底部に一方向通気弁を固定するためのクランプ部を設けることにより、インナーライナー内に流体を注入する時に流体が漏れず、流体をインナーライナーから排出する時にインナーライナーが圧縮されないという目的を達成する。また、本発明のスプレーポットは、使用時に逆置き状態で、ペンキを充填する時に正置き状態であるため、スプレーポットがペンキを充填する時に逆置き状態であり、本体を支持するためにラックを追加する必要があるという問題を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、図面を参照することにより本発明の例示的な実施例について詳細に説明し、当業者に、本発明の上記および他の特徴をより明らかに理解させる。
【0017】
【
図1】本発明の実施例1のスプレーポットの分解斜視模式図である。
【
図2】本発明の実施例1のスプレーポットの断面図である。
【
図5】
図2におけるスプレーポットの平面図である。
【
図6】本発明の実施例2のスプレーポットの分解斜視模式図である。
【
図7】本発明の実施例2のスプレーポットの断面図である。
【
図8】本発明の実施例3のスプレーポットの分解斜視模式図である。
【
図9】本発明の実施例3のスプレーポットの断面図である。
【
図10】本発明の実施例の一方向通気弁の組立図である。
【
図11】本発明の実施例の一方向通気弁の分解図である。
【
図12】本発明の別の実施例の一方向通気弁の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1~
図9および具体的な実施例を参照することにより、本発明の技術案を更に説明する。衝突しない限り、以下の実施例と実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0019】
実施例1
図1~
図5に示すように、スプレーポットは本体1を備え、本体1内に取り外し可能なインナーライナー2が設けられ、インナーライナー2の底部に一方向通気弁3が設けられ、本体1の底部に一方向通気弁3を固定するためのクランプ部13が設けられ、本体1の頂部にスプレーガンに連結するための蓋4が設けられ、蓋4は、本体1とインナーライナー2の両方に緊密に嵌合される。本体1を正置きしてインナーライナー2内に流体を注入する時、一方向通気弁3は閉状態にあり、本体1を逆置きして流体をインナーライナー2から排出する時、一方向通気弁3は開状態にある。具体的には、本体の頂部が上にあり、底部が下にある場合は正置きであり、本体の底部が上にあり、頂部が下にある場合は逆置きである。
【0020】
本体1内に取り外し可能なインナーライナー2を設けるという技術手段を採用することにより、本体1は、使用時に、ペンキに直接接触しなくてもよく、繰り返し使用することができ、洗浄不要であるという目的を達成し、作業効率を間接的に向上させるという技術的効果を実現する。インナーライナー2の底部に一方向通気弁3を設けるという技術手段を採用することにより、インナーライナー2内に流体を注入する時に流体が漏れず、流体をインナーライナー2から排出する時にインナーライナー2が変形せず圧縮されないという技術的効果を実現する。また、本発明に係るスプレーポットは、使用時に逆置き状態で、ペンキを充填する時に正置き状態であるため、従来技術におけるスプレーポットがペンキを充填する時にも逆置き状態にある必要があり、逆置き状態でのスプレーポットがペンキを充填する時に、本体1を支持するためのラックを追加する必要があるという技術的課題を解決する。
【0021】
本実施例において、一方向通気弁3は、外気が一方向に流入する弁体として設けられ、且つ、インナーライナー2内の気圧が外気圧よりも低い場合、外気は一方向通気弁3を介してインナーライナー内に流入する。好ましくは、一方向通気弁3とインナーライナー2とは、熱プレスまたは超音波により接着される。本実施例において、一方向通気弁3とイ
ンナーライナー2とは、熱プレスにより接着される。他の実施例において、一方向通気弁3とインナーライナー2とは、超音波等の他の形態により接着されてもよい。一方向通気弁により、使用中にスプレーポット内のペンキを完全に噴出することができる。
【0022】
図10および
図11に示すように、一方向弁は、ベース33と、上蓋34と、下蓋32と、ガスケット35とを備える。ガスケット35に接触した上蓋34の表面にリッジが設けられている。下蓋32に複数のフランジ31が設けられている。好ましくは、ガスケット35はシリコンガスケットである。ベース33には、フランジ31に合わせる溝36が設けられている。フランジ31の長さが溝36の幅よりも大きいため、下蓋32をベース33に固定した後、フランジ31の一部は溝36から延び出す。
図11に示すように、ベース33は中空構造である。ベース33は環状で、下蓋32は円形である。複数のフランジ31は、円形下蓋32の側壁に設けられている。一実施例において、円形下蓋32の直径が環状ベース33の内径にほぼ等しい。下蓋32に溝が設けられ、溝内にラグボスが設けられ、ラグボスには、ペンキが流れるための貫通孔が設けられている。上蓋34およびガスケット35は溝内に設けられ、ここで、ガスケット35は上蓋34と下蓋32のラグボスとの間に設けられている。上蓋34には、ペンキが流れるための開口が設けられている。一実施例において、上蓋34と下蓋32とは緊密に嵌合することができる。
【0023】
図12に示すように、別の実施例において、一方向弁はバネ37を更に備える。バネ37は、上蓋34とガスケット35との間に設けられている。
【0024】
スプレーポットが正置きされる場合、液体が本体1に入った後、ガスケット35と下蓋32とが完全に密着し、液体は本体1から流出できなくなる。スプレーポットが逆置きされる場合、上蓋34とガスケット35の表面にリッジが設けられているため、本体1内外の気圧が異なる場合、リッジの存在に起因してガスケット35は上蓋と完全に密着することができず、空気がカップに入ることができ、インナーライナー2は、気圧のアンバランスで押圧されて変形することがなく、一方向の通気を実現する。
【0025】
本実施例において、一方向通気弁3の周側に複数のフランジ31が設けられ、本体1の底部に貫通孔11が設けられ、本体1は、貫通孔11の周側にフランジ31を貫通させるための複数の開口12が設けられ、隣接する開口12の間の本体1の底部壁は、クランプ部13を形成する。インナーライナー2を本体1内に置く時、まず、インナーライナー2を回転させ、一方向通気弁3のフランジ31が開口12の位置に対応するようにし、貫通孔11を介して本体1内から一方向通気弁3を貫通させ、インナーライナー2を再び回転し、一方向通気弁3のフランジ31がクランプ部13に嵌合するようにすることにより、一方向通気弁3およびインナーライナー2を本体1に固定し、操作中のインナーライナー2の本体1内での上下移動および/または回動を防止する。
【0026】
好ましくは、フランジ31および開口12の数はいずれも3つである。クランプ部13構造を回転することにより、インナーライナー2の交換はより容易になり、且つ、インナーライナー2が使用時に気圧の影響を受けて圧縮されて変形することがないように確保できる。好ましくは、本体1の底部には、前記フランジ31の位置を制限する位置制限突起(図示せず)が更に設けられている。
【0027】
本実施例において、蓋4には、取り外し可能な第1のフィルタメッシュ5が設けられ、蓋4には、第1のフィルタメッシュ5を取り付けるためのラグボス41、および第1のフィルタメッシュ5を固定するためのクランプバックル42が設けられている。蓋4に取り外し可能な第1のフィルタメッシュ5を設ける技術手段により、インナーライナー2に入った流体内の不純物を濾過するという目的を達成し、本体1の洗浄回数を効果的に減少できるという技術的効果を実現するとともに、従来技術と比べ、使用前にペンキ等のような
流体を濾過する必要のある作業を減少することで、人件費を低減し、作業効率を向上させ、且つ、且つ、同一の流体を連続して使用する場合、インナーライナー2を交換せずに単に第1のフィルタメッシュ5を交換すればよく、インナーライナー2の交換回数を減少し、更に流体の無駄遣いを減少する。しかし、同一の流体を使用する間隔時間が長いか、または別の流体にタイムリーに交換する必要がある場合、インナーライナー2、第1のフィルタメッシュ5および蓋4を同時に交換する必要がある。好ましくは、第1のフィルタメッシュ5のメッシュサイズは、必要に応じて選択することができる。好ましくは、第1のフィルタメッシュ5は、ゴム輪およびメッシュを熱プレスにより接着することでなされる。
【0028】
本実施例において、本体1の上部には、その周方向に沿って環状クランプ溝14が設けられ、蓋4の周側には、環状クランプ溝14に嵌合された弾性クランプフック43が設けられている。蓋4には、スプレーガンに連結するための第1のコネクタ6が設けられている。スプレーガンに嵌合されて使用される場合、蓋4は第1のコネクタ6を介してスプレーガンに連結されている。第1のコネクタ6の型番は、嵌合する必要のあるスプレーガンのタイプに応じて選択することができる。
【0029】
本実施例において、本体1に目盛りが設けられ、使用時に必要に応じて流体の使用量を計ることができる。
【0030】
実施例2
本実施例は実施例1を基とし、本実施例と実施例1との異なりは以下のとおりである。
【0031】
図6および
図7に示すように、本実施例において、蓋4には、本体1をシールするためのプラグ7が設けられている。本体1内に流体が依然として収容されているが、一時的に短期で使用する必要がない場合、プラグ7により本体1をシールし、本体1内の流体を効果的に保護し、空気内の不純物による流体の汚染および流体の揮発を防止することができる。また、本体1内にペンキを充填した後、プラグ7で本体1をシールしてから本体1を逆置きし、本体1内のペンキを均一に混合するように振り、その後、プラグ7を取り外し、蓋4を第1のコネクタ6を介してスプレーガンに連結し、更に本体1を逆置きしてから使用することにより、毎回使用前にペンキ等のような流体を単独で混合する必要のなるプロセスを減少し、作業効率を向上させ、従来技術と比べてペンキ混合用の容器を節約する。
【0032】
実施例3
本実施例は実施例1を基とし、本実施例と実施例1との異なりは以下のとおりである。
【0033】
図8および
図9に示すように、本実施例において、蓋4は、本体1に嵌合するシール材のみとされ、蓋4に第1のフィルタメッシュ5が設けられていない。蓋4とスプレーガンとの間には、一端がネジにより蓋4に固定連結され、他端が第2のコネクタ9によりスプレーガンに固定連結されたフィルタヘッドアセンブリ8が設けられている。特に、第2のコネクタ9の構造は実施例1における第1のコネクタ6の構造と全く同じであるため、製造コストを低減し、第1のコネクタ6および第2のコネクタ9の汎用性を向上させる。
【0034】
本実施例において、フィルタヘッドアセンブリ8は、蓋4に連結された第1の蓋体81および第2のコネクタ9に連結された第2の蓋体82を備え、第1の蓋体81と第2の蓋体82との間に、取り外し可能な第2のフィルタメッシュ83が設けられ、第2のフィルタメッシュ83は、第1の蓋体81および第2の蓋体82に緊密に嵌合され、第1の蓋体81と第2の蓋体82との間はネジにより固定連結されている。好ましくは、第2のフィルタメッシュ83は、第1の蓋体81と第2の蓋体82との圧着により固定され、第2の
フィルタメッシュ83は交換可能で、第2のフィルタメッシュ83のメッシュサイズは、必要に応じて選択することができる。好ましくは、第2のフィルタメッシュ83は、ゴム輪およびメッシュを熱プレスにより接着することでなされる。
【0035】
蓋4とスプレーガンとの間にフィルタヘッドアセンブリ8を設けるという技術手段により、流体内の不純物を濾過するという目的を達成し、本体1の洗浄回数を効果的に減少することができ、作業効率を向上させ、且つ、同一の流体を使用する場合、直ちにインナーライナー2を交換せず、フィルタヘッドアセンブリ8のみを交換してもよく、インナーライナー2の交換回数を減少し、更に流体の無駄遣いを低減する。しかし、同一の流体を使用する間隔時間が長いか、または別の流体に交換する必要がある場合、インナーライナー2、蓋4およびフィルタヘッドアセンブリ8をよりタイムリーに交換する必要がある。
【0036】
また、本発明に係るフィルタヘッドアセンブリ8は、流体内の不純物を濾過するという目的を達成するために、一般的なカップとスプレーガンと一緒に使用してもよい。
【0037】
液体(例えば、ペンキ)は、本発明のスプレーポットから等速で流出でき、液体はほぼ完全にスプレーポットから流出でき、残りが少なくてインナーカップが変形しない。以上の内容は本発明の好ましい実施例に過ぎず、当業者にとって、本発明の思想に従い、具体的な実施形態および適用範囲にはいずれも変更があり、本明細書の内容は本発明を限定するものであると理解すべきではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のスプレーポットの本体内に取り外し可能なインナーライナーを設け、インナーライナーの底部に一方向通気弁を設け、本体の底部に一方向通気弁を固定するためのクランプ部を設けることにより、本体は、繰り返し使用することができ、洗浄不要であるという目的を達成し、作業効率を向上させる。
【符号の説明】
【0039】
1 本体
11 貫通孔
12 開口
13 クランプ部
14 環状クランプ溝
2 インナーライナー
3 一方向通気弁
31 フランジ
32 下蓋
33 ベース
34 上蓋
35 ガスケット
36 溝
37 バネ
4 蓋
41 ラグボス
42 クランプバックル
43 弾性クランプフック
5 第1のフィルタメッシュ
6 第1のコネクタ
7 プラグ
8 フィルタヘッドアセンブリ
81 第1の蓋体
82 第2の蓋体
83 第2のフィルタメッシュ
9 第2のコネクタ。