(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】枕
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
A47G9/10 E
(21)【出願番号】P 2021031300
(22)【出願日】2021-03-01
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2019-05-14
【審査請求日】2021-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】519171402
【氏名又は名称】株式会社アイハピネス
(74)【代理人】
【識別番号】100195431
【氏名又は名称】本田 史樹
(72)【発明者】
【氏名】岩田 千佳
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-004740(JP,A)
【文献】特開2019-063316(JP,A)
【文献】登録実用新案第3028121(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2001/0029630(US,A1)
【文献】特開2011-110266(JP,A)
【文献】実開昭63-114645(JP,U)
【文献】特表平07-506500(JP,A)
【文献】特開2014-204905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭部を支える枕であって、
前記枕の表面側に配置される第1弾性部材と、
前記第1弾性部材の内側に配置され、前記枕の底面側に配置される第2弾性部材と、
前記第1弾性部材と前記第2弾性部材との間に配置される第3弾性部材と、を含み、
前記第1弾性部材の上面には、複数の凸部を有し、
前記第1弾性部材の側面側には、前記第2弾性部材に向かって側面視内側に傾斜する傾斜部が設けられ、
前記第2弾性部材の側面は、前記第1弾性部材の端部の内側と接続され、
前記第2弾性部材の横方向中央部に首配置部が設けられ、
前記第3弾性部材は、平面視において中央部を除く上端、下端、左端及び右端に配置され、
前記第1弾性部材より前記第3弾性部材が硬く、前記第3弾性部材より前記第2弾性部材が硬
く、
前記首配置部は平面視半楕円状であり、前記首配置部の側面の形状に沿って前記第1弾性部材が前記第2弾性部材に接続され、
前記傾斜部は、前記首配置部の横方向両側に設けられる枕。
【請求項2】
前記第1弾性部材は、前記凸部の上端側に配置され低反発弾性フォームから構成される第4弾性部材と、
前記凸部の下端側に配置され前記第3弾性部材より柔らかいポリウレタンフォームから構成される第5弾性部材と、を含む請求項1記載の枕。
【請求項3】
前記首配置部は、前記第2弾性部材の上端及び下端に設けられ、上端及び下端の前記首配置部の横方向両側に前記傾斜部が設けられる請求項1又は2記載の枕。
【請求項4】
前記第2弾性部材の下方に補助弾性部材が配置される請求項1、2又は3記載の枕。
【請求項5】
前記第1弾性部材、前記第2弾性部材及び前記第3弾性部材が、それぞれ異なるポリウレタンフォームから構成される請求項1乃至4のいずれか
1項に記載の枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、枕に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年開発されたものとして、無膜の軟質ポリウレタンフォームがある。この無膜の軟質ポリウレタンフォームは、ポリエステル系またはポリエーテル系の通常の連続気泡の軟質ポリウレタンフォーム(以下、無膜化されていない連続気泡の軟質ポリウレタンフォームを「汎用軟質ポリウレタンフォーム」という。)を例えば爆発法により無膜化することによって製造される(以下、無膜化された連続気泡の軟質ポリウレタンフォームを「無膜軟質ポリウレタンフォーム」という。)。
【0003】
この無膜軟質ポリウレタンフォームは、内部のリブ間の膜が効率よく除去され、空隙容量が汎用軟質ポリウレタンフォームに比して大変大きいことが、構造上の特徴である。
【0004】
従って、無膜軟質ポリウレタンフォームは、セルに膜が無く、骨格構造を成しているため、高い通気性および通水性を有する。
【0005】
しかも、この無膜軟質ポリウレタンフォームは、汎用軟質ポリウレタンフォームが有する硬さ、密度などの特性が無膜化によって損なわれず、むしろ引っ張り強さはより向上するという特徴を有している。
【0006】
また、軟質ポリウレタンフォームについて、プロファイル加工などの加工によりその表面に凹凸を施したものが用いられており、通気性をさらに向上させるために凹部に軟質ポリウレタンフォームを貫通するスリットを設けたものが使用されている。
【0007】
特許文献1には、全て無膜軟質ポリウレタンフォームより構成され、表面をプロファイル加工した上側のシートと、中間の下側シートと、その下に配される高さ調整用マットとの3層構造の積層体を内包材とする枕が示されている。
【0008】
特許文献2には、枕本体と枕本体に内蔵される調節素材とからなり、枕本体の表面はプロファイル加工され、かつ、枕本体及び調節素材を貫通するスリットを設けた枕の内包材が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2000-139653号公報
【文献】特開2004-159930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ポリウレタンフォームは通気性及び速乾性はあるものの本来保温性及び保湿性が高いものであるため、ポリウレタンフォームを内包材とする枕は、その使用中において、身体の頭部が接する枕の上部が最も温度が高くかつ湿気を含むため蒸れる状態となるので寝苦しくなる。
【0011】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に係る発明は、使用者の頭部に接する部分が突起状になっているが、特許文献1に係る発明は、一種類のポリウレタンフォームから構成されており、硬さが段階的に調節されていない。
【0012】
また、特許文献2に係る発明は、複数の層に分かれているが、同一のポリウレタンフォームが使用されており、層ごとの硬さが同じである。
【0013】
本考案の主な目的は、使用者にとって快適な枕を提供することである。
【0014】
本考案の他の目的は、使用者の頭部が沈む込み過ぎない枕を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本考案の第1の局面に係る枕は、使用者の頭部を支える枕であって、
前記枕の表面側に配置される第1弾性部材と、
前記第1弾性部材の内側に配置され、前記枕の底面側に配置される第2弾性部材と、
前記第1弾性部材と前記第2弾性部材との間に配置される第3弾性部材と、を含み、
前記第1弾性部材の上面には、複数の凸部を有し、
前記第2弾性部材の側面は、前記第1弾性部材の端部の内側と接続され、
前記第3弾性部材は、平面視において中央部を除く上端、下端、左端及び右端に配置され、
前記第1弾性部材より前記第3弾性部材が硬く、前記第3弾性部材より前記第2弾性部材が硬い枕である。
【0016】
第3弾性部材が平面視中央部に配置されないことにより、枕の平面視中央部が凹む構成になる。
【0017】
そのため、本考案に係る枕は、使用者の後頭部を安定して支えることができる。
【0018】
また、第1弾性部材は複数の凸部を有し、第1弾性部材、第3弾性部材、第2弾性部材が、高さ方向(z軸方向)に層ごとに硬さが異なるため、使用者の頭部は安定して支えられる。そして、第1弾性部材、第3弾性部材、第2弾性部材が、高さ方向(z軸方向)に段階的に硬さが硬くなっているため、より使用者の頭部は安定して支えられる。
【0019】
また、第1弾性部材、第3弾性部材、第2弾性部材が、高さ方向(z軸方向)に段階的に硬さが硬くなっているため、使用者の頭部の枕への沈み込み具合の調整がし易い。
【0020】
また、使用者の頭部は、第1弾性部材の複数の凸部によって支えられるため安定し、枕との接触部の通気性が良く、熱が溜まりにくく、使用者は快眠し易い。
【0021】
本考案の第2の局面に係る枕は、第1の局面に係る枕であって、前記第1弾性部材は、前記凸部の上端側に配置され低反発弾性フォームから構成される第4弾性部材と、
前記凸部の下端側に配置され前記第3弾性部材より柔らかいポリウレタンフォームから構成される第5弾性部材と、を含む枕である。
【0022】
「低反発弾性フォーム」とは、低反発フォームとも言い、軟質ウレタンフォームの一種であり、「弾性」を抑え「粘性」を上げたフォームである。
【0023】
低反発弾性フォームは、ヒステリシスロス率(JIS K 6400-2)の大きい衝撃吸収性フォームの特性も有している。
【0024】
第1弾性部材の複数の凸部の上端側が低反発弾性フォームであり、第1弾性部材の下端側が別のポリウレタンフォームであることにより、使用者の頭部は沈み込み過ぎず、安定して支えられる。
【0025】
本考案の第3の局面に係る枕は、第1の局面又は第2の局面に係る枕であって、前記枕の側面側の前記第1弾性部材に傾斜部が設けられる枕である。
【0026】
傾斜部は、使用者の肩が接触するところに2箇所設けられている。つまり、傾斜部は、x軸方向に対して2箇所設けられている。
【0027】
また、傾斜部は、枕の上側(y軸負方向側)及び下側(y軸正方向側)の少なくとも一方に設けられればよい。
【0028】
傾斜部は、枕の下面側が狭くなるように傾斜し、これにより、使用者が横向けに寝た場合、使用者の肩が枕の傾斜部に入り込むようになっている。
【0029】
したがって、使用者が横向けに寝た場合であっても、使用者の肩が枕の傾斜部に入り込み、頭部が安定して支えられる。
【0030】
本考案の第4の局面に係る枕は、第1の局面、第2の局面又は第3の局面に係る枕であって、前記第2弾性部材の下方に補助弾性部材が配置される枕である。
【0031】
使用者によっては枕を高くしたい場合もあるため、第2弾性部材の下方に補助弾性部材を配置することで枕を高くすることができる。
【0032】
本考案の第5の局面に係る枕は、第1の局面乃至第4の局面に係る枕であって、前記第1弾性部材、前記第2弾性部材及び前記第3弾性部材が、それぞれ異なるポリウレタンフォームから構成される枕である。
【0033】
ポリウレタンフォームであれば、成形し易いという利点がある。また、前記第1弾性部材、前記第2弾性部材及び前記第3弾性部材が、それぞれ異なるポリウレタンフォームとすることにより、枕全体の硬さや頭部の沈み具合の調整が容易である。
【発明の効果】
【0034】
本考案に係る枕であれば、使用者にとって快適な枕を提供することができる。また、本考案に係る枕であれば、使用者の頭部が沈む込み過ぎない枕を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図6】同実施形態における枕のA-A側面視断面図。
【
図7】同実施形態における枕のB-B側面視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本考案の一例を、図面を参照しながら説明する。本考案に係る枕100は、カバー(図示しない)を取り付けて使用されるが、カバーに関しては説明を省略する。
【0037】
図1から
図8に示すように、本考案に係る枕100は、枕100の表面側に配置される第1弾性部材200と、
枕100の底面側(z軸負方向側)に配置される第2弾性部300と、
第1弾性部材200と第2弾性部材300とのz軸方向の間に配置される第3弾性部材400と、を含む。
【0038】
第1弾性部材200は、表面側に複数の凸部210と、凸部210が設けられている接続部220と、を有する。
【0039】
凸部210は、先端側は第4弾性部材211で構成され、その他の基端側の凸部210と接続部220とは、第5弾性部材221で構成される。
【0040】
つまり、第1弾性部材200は、第4弾性部材211と第5弾性部材221とから構成される。
【0041】
第4弾性部材211は、低反発弾性フォームで構成される。
【0042】
第4弾性部材211は、密度〔kg/m3〕が55.2以上64.8以下、硬さ(25%圧縮)〔N〕が57以上93以下、硬さ(40%圧縮)〔N〕が71以上109以下、引張り強さ〔kPa〕が70、伸び〔%〕が200、圧縮残留ひずみ(75%圧縮)〔%〕が10であるものが好ましい。
【0043】
第5弾性部材221は、第3弾性部材400より柔らかいウレタンフォームであることが好ましい。
【0044】
第5弾性部材221は、密度〔kg/m3〕が20.2以上23.8以下、硬さ(25%圧縮)〔N〕が44以上76以下、硬さ(40%圧縮)〔N〕が48以上82以下、引張り強さ〔kPa〕が50、伸び〔%〕が150、圧縮残留ひずみ(75%圧縮)〔%〕が10であるものが好ましい。
【0045】
第1弾性部材200の底面(接続部220の底面)は、第2弾性部材300の側面と、第3弾性部材400の上面側(z軸正方向側)とに接着されている。
【0046】
また、第3弾性部材400が配置されていない第2弾性部材300の平面視略中央部では、第1弾性部材200の底面(接続部220の底面)と第2弾性部材300の上面側(z軸正方向側)と接着される。
【0047】
第1弾性部材200に複数の凸部210が設けられることにより、使用者の頭部が平面ではなく複数の点で支えられる。
【0048】
そのため、枕100は使用者の頭との間で通気性が良くなる。また、枕100は、使用者の頭部を複数の点(凸部210)で支えることから、枕100が使用者の頭部からずれ難くなるという効果を有する。
【0049】
また、第1弾性部材200の先端側は第4弾性部材211である低反発弾性フォームであるため、使用者の頭部をしっかりと支えることができる。
【0050】
第1弾性部材200の端部は第2弾性部材300の側面側に接着されているが、
図4に示すように、その第1弾性部材200のy軸正方向側とy軸負方向側の両端側の一部であり、使用者の肩が接触するところは、z軸に対して所定の角度でカットされている。
【0051】
本実施形態では、第1弾性部材200のy軸正方向側とy軸負方向側の両端側の一部は、xy平面からz軸に対して45度の角度でカットされている。
【0052】
具体的には、傾斜部230は、使用者の肩が接触する枕100の片面側(y軸負方向側又はy軸正方向側)に2箇所設けられている。
【0053】
つまり、本実施形態では、枕100には、y軸負方向側に傾斜部230が2箇所、y軸正方向側に傾斜部230が2箇所設けられており、枕100には合計で4箇所、傾斜部230が設けられている。
【0054】
これにより、使用者が横向けに寝た場合、下側の肩が枕100の傾斜部230の下側に入り込み易くなり、枕100によって使用者の頭部を安定して支えることができる。
【0055】
また、使用者が仰向けで寝る場合は、両肩が傾斜部230の下側に入り込み易く、肩の冷えを抑止することができる。
【0056】
また、枕100がx軸に対して対象の形状とすることにより、y軸方向のどちら側でも使用者の首及び肩側にすることができる。
【0057】
つまり、枕100の上側(y軸負方向側)と下側(y軸正方向側)とを逆にして使用することもできる。
【0058】
図3、
図6及び
図7に示すように、第2弾性部材300は、枕100の下側(z軸負方向側)に配置され、第1弾性部材200の内側に配置される。
【0059】
第2弾性部材300は、xy平面視略長方形からなり、使用者の首に位置する部分であるx軸方向略中央部において、y軸方向の幅が狭くなっている。
【0060】
第2弾性部材300は、z軸正方向側の上面部310と、z軸負方向側の下面部320と、側面部330と、を有する。
【0061】
また、第2弾性部材300は、使用者の首が配置される首配置部340を備える。
【0062】
上面部310には、第3弾性部材400が接着されている。なお、本実施形態では、上面部310のxy平面視略中央部には第3弾性部材400が配置されていない。
【0063】
したがって、上面部310のxy平面視略中央部には第1弾性部材200の下面(接続部220の下面)が接着されている。
【0064】
これにより、枕100のxy平面視略中央部が凹む構成となる。そのため、使用者の後頭部を枕100のxy平面視略中央部に配置することにより、枕100でしっかりと使用者の首及び頭部を支えることができる。
【0065】
下面部320は、枕100の下面になるが、下面部320の下側に補助弾性部材500を配置することにより、枕100の高さを調節することができる。
【0066】
側面部330は、x軸負方向側の第1側面部331と、
x軸正方向側の第2側面部332と、
y軸負方向側の第3側面部333と、
y軸正方向側の第4側面部334と、を有する。
【0067】
側面部330の第3側面部333及び第4側面部334のx軸方向略中央部は、首配置部340であり、y軸方向の幅が狭くなっている。
【0068】
側面部330には、第1弾性部材200の端部が接着されており、第2弾性部材300は、第1弾性部材200に覆われるような構成となっている。
【0069】
首配置部340は、第2弾性部材300のy軸方向両端であって、x軸方向略中央部に配置されている。
【0070】
本実施形態では、首配置部340は、略半楕円状にカットされており、その側面部330及び首配置部340の形状に沿って第1弾性部材200の端部が接着されている。
【0071】
本実施形態では、第2弾性部材300は、第1弾性部材200及び第3弾性部材400より硬いウレタンフォームで構成されている。
【0072】
第2弾性部材300は、密度〔kg/m3〕が32.2以上32.2以下、硬さ(25%圧縮)〔N〕が107以上153以下、硬さ(40%圧縮)〔N〕が125以上175以下、引張り強さ〔kPa〕が80、伸び〔%〕が150、圧縮残留ひずみ(75%圧縮)〔%〕が6.0であるものが好ましい。
【0073】
第3弾性部材400は、第1弾性部材200と第2弾性部材300との間に配置され、第2弾性部材300の上面部310の上(z軸正方向側)に配置される。
【0074】
図3、
図6及び
図7に示すように、第3弾性部材400は、x軸負方向側に配置される左第3弾性部材410と、
x軸正方向側に配置される右第3弾性部材420と、
y軸正方向側に配置される下第3弾性部材430と、
y軸負方向側に配置される上第3弾性部材440と、を有する。
【0075】
左第3弾性部材410は、首配置部340よりx軸負方向側に配置されている。
【0076】
右第3弾性部材420は、首配置部340よりx軸正方向側に配置されている。
【0077】
下第3弾性部材430は、左第3弾性部材410と右第3弾性部材420との間に配置され、y軸方向略中央部よりy軸正方向側に配置されている。
【0078】
上第3弾性部材440は、左第3弾性部材410と右第3弾性部材420との間に配置され、y軸方向略中央部よりy軸負方向側に配置されている。
【0079】
本実施形態において、第3弾性部材400は、x軸方向略中央部及びy軸方向略中央部である中央部には配置されていない。
【0080】
そのため、
図6に示すように、枕100は、中央部では、第1弾性部材200の底面(接続部220の底面)と、第2弾性部材300の上面が接着されている。
【0081】
したがって、
図1、
図2及び
図6に示すように、枕100の中央部では周辺に比べてz軸方向の幅が狭くなっている。
【0082】
これにより、使用者が仰向けに枕100を使用した場合、使用者の後頭部が枕100の中央部に接触し、枕100が使用者の頭部及び首を安定して支えることができる。
【0083】
第3弾性部材400は、第1弾性部材200より硬く、第2弾性部材300より柔らかいものが好ましい。
【0084】
第3弾性部材400は、密度〔kg/m3〕が20.2以上23.8以下、硬さ(25%圧縮)〔N〕が71以上109以下、硬さ(40%圧縮)〔N〕が80以上120以下、引張り強さ〔kPa〕が75、伸び〔%〕が180、圧縮残留ひずみ(75%圧縮)〔%〕が10.0であるものが好ましい。
【0085】
枕100は、補助弾性部材500を備える構成であってもよい。補助弾性部材500は、枕100の高さ(z軸方向の幅)を高くするためのものである。
【0086】
補助弾性部材500は、第2弾性部材300のz軸負方向側に配置され、第2弾性部材300の底面(z軸負方向側の面)と接触している。
【0087】
本実施形態では、補助弾性部材500は、他の弾性部材と同様に、ポリウレタンフォームから構成される。
【0088】
本実施形態では、補助弾性部材500は、第3弾性部材400と同じポリウレタンフォームから構成される。
【0089】
図8に示すように、補助弾性部材500は、第3弾性部材400と同様に、x軸負方向側に配置される左補助弾性部材510と、
x軸正方向側に配置される右補助弾性部材520と、
y軸正方向側に配置される下補助弾性部材530と、
y軸負方向側に配置される上補助弾性部材540と、を有する。
【0090】
左補助弾性部材510は、首配置部340よりx軸負方向側に配置され、xy平面視の形状は、接触する第2弾性部材300の形状と略同一である。
【0091】
右補助弾性部材520は、首配置部340よりx軸正方向側に配置され、xy平面視の形状は、接触する第2弾性部材300の形状と略同一である。
【0092】
下補助弾性部材530は、形状がxy平面視略長方形であり、左補助弾性部材510と右補助弾性部材520との間に配置され、y軸方向略中央部よりy軸正方向側に配置されている。
【0093】
上補助弾性部材540は、形状がxy平面視略長方形であり、左補助弾性部材510と右補助弾性部材520との間に配置され、y軸方向略中央部よりy軸負方向側に配置されている。
【0094】
本実施形態において、補助弾性部材500は、第3弾性部材400と同様に、x軸方向略中央部及びy軸方向略中央部には配置されていない。
【0095】
これにより、補助弾性部材500と一緒に枕カバーに入れた枕100を使用した場合、補助弾性部材500を備えない枕100と比べて、枕100の中央部の凹みが大きいため、使用者の頭部をより安定して支えることができる。
【0096】
なお、補助弾性部材500は、中央部にも配置される構成であってもよい。
【0097】
第1弾性部材200、第2弾性部材300、第3弾性部材400、第4弾性部材211、第5弾性部材221又は補助弾性部材500の材質は、クッション性の観点から樹脂発泡体(フォーム)である。
【0098】
上記樹脂発泡体を形成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン(軟質ポリウレタン、硬質ポリウレタン)、ポリオレフィン、合成ゴム、天然ゴムなどが挙げられる。中でも、成型の自由度の観点から、ポリウレタンが好ましい。
【0099】
本考案は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。
【符号の説明】
【0100】
100…枕
200…第1弾性部材
210…凸部
211…第4弾性部材
220…接続部
221…第5弾性部材
230…傾斜部
300…第2弾性部材
340…首配置部
400…第3弾性部材
500…補助弾性部材