(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】マウスパット装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/039 20130101AFI20220708BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20220708BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220708BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
G06F3/039
G06F3/02 430
H02J50/10
H02J7/00 301D
(21)【出願番号】P 2021069377
(22)【出願日】2021-04-15
【審査請求日】2021-04-15
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506195295
【氏名又は名称】寶トク科技股フン有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】盧 賀隆
(72)【発明者】
【氏名】周 百陽
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-95922(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0085322(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0539013(KR,B1)
【文献】中国実用新案第207367176(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/039
G06F 3/02
H02J 50/10
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端側及び第2の端側と、第1のエリア、第2のエリア及び第3のエリアとが含まれ、前記第1のエリア、前記第2のエリア及び前記第3のエリアが順に隣接して配置されており、前記第1のエリアが前記第1の端側に配置され、前記第3のエリアが前記第2の端側に配置され、前記第2のエリアが前記第1のエリア及び前記第3のエリアの間に配置されるマウスパット本体と、
前記第1のエリアに配置される制御モジュールと、
前記制御モジュールに電気的に接続される第1の電気的接続回路と、
前記制御モジュールに電気的に接続される第2の電気的接続回路と、
を備え、
前記第1の電気的接続回路と前記第2の電気的接続回路が前記マウスパット本体における前記第2の端側において電気的に接続され、前記第1の端側と前記第2の端側は互いに対応する両端側であり、
前記第1の電気的接続回路と前記第2の電気的接続回路は、前記マウスパット本体における前記第2の端側の前記第3のエリアに環状に敷設される、ことを特徴とするマウスパット装置。
【請求項2】
前記マウスパット本体には、前記第1の電気的接続回路及び前記第2の電気的接続回路を収容するための複数の溝が設けられる、請求項1に記載のマウスパット装置。
【請求項3】
前記第1の電気的接続回路と前記第2の電気的接続回路は、前記第2のエリアの両側縁に配置され、前記制御モジュールに電気的に接続される、請求項2に記載のマウスパット装置。
【請求項4】
キーボード装置が前記第2のエリアに放置されている時、前記第1の電気的接続回路及び前記第2の電気的接続回路との間の距離は、前記マウスパット装置の短辺側距離よりも小さい、請求項3に記載のマウスパット装置。
【請求項5】
前記第1の電気的接続回路及び前記第2の電気的接続回路は単芯線または撚り線である、請求項4に記載のマウスパット装置。
【請求項6】
前記マウスパット本体の素材としては、プラスチック、木、金属、プラスチック、ガラスまたは布である、請求項5に記載のマウスパット装置。
【請求項7】
前記第1の電気的接続回路と前記第2の電気的接続回路が前記第3のエリアにおいて環状に敷設されて無線充電コイルとして形成され、前記制御モジュールは、無線充電制御回路を含み、前記無線充電制御回路は、前記第1の電気的接続回路及び前記第2の電気的接続回路に電気的に接続され、作業電力を第1の電気的接続回路と第2の電気的接続回路で形成された無線充電コイルに給電する、請求項6に記載のマウスパット装置。
【請求項8】
前記制御モジュールは、交流電源または直流電源に連接され、前記作業電力を前記第1の電気的接続回路と前記第2の電気的接続回路に給電する、請求項7に記載のマウスパット装置。
【請求項9】
前記マウスパット本体は被覆層を含み、前記被覆層は、前記複数の溝を被覆する、請求項8に記載のマウスパット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマウスパット装置に関し、特に無線充電機能を有するマウスパット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ほとんどのワイヤレスマウスには、ワイヤレス充電機能が搭載されているが、従来のマウスパッドの多くは、ワイヤレス充電機能を備えていない。
【0003】
そのため、ワイヤレス充電機能を有するマウスパッド装置を提供することは、関連分野において解決すべき重要な課題の一つとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決する課題の1つとしては、既存技術の不足に対して、ワイヤレス充電機能を有するマウスパット装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マウスパット装置は、マウスパット本体、制御モジュール、第1の電気的接続回路、及び第2の電気的接続回路を含む。前記マウスパット本体は、順に隣接して配置されている第1のエリア、第2のエリア及び第3のエリアを含むと共に、第1の端側及び第2の端側が定義される。前記第1のエリアが前記マウスパット本体における前記第1の端側に配置され、前記第3のエリアが前記マウスパット本体における前記第2の端側に配置され、前記第2のエリアは、前記マウスパット本体における前記第1のエリア及び前記第3のエリアの間に配置され、前記制御モジュールは、前記マウスパット本体における前記一第1の端側の前記第1のエリアに配置され、前記第1の電気的接続回路は、前記制御モジュールに電気的に接続され第2の電気的接続回路は、前記制御モジュールに電気的に接続される。なかでも、前記第1の電気的接続回路と前記第2の電気的接続回路は、前記マウスパット本体における第2の端側で電気的に接続され、前記マウスパット本体における前記第1の端側と前記マウスパット本体における前記第2の端側は、互いに対応する両端側であるなかでも、前記第1の電気的接続回路と前記第2の電気的接続回路は、前記マウスパット本体における前記第2の端側の前記第3のエリアに環状に敷設される。
【発明の効果】
【0006】
本発明による有益な効果の1つとしては、本発明が提供するエリアの面積が大きいマウスパット装置では、少なくともキーボード装置を配置するためのノイズフリーエリアを含み、さらにコンピューターマウス装置が無線充電をすることができるマウス作業エリアを含むため、マウスパット装置にキーボード装置及びコンピューターマウス装置を同時に配置して利用することができるため、効果的に使用者体験を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係るマウスパット装置を示す模式図である。
【
図2】本発明に係るマウスパット装置を示す上面図である。
【
図3】本発明に係るマウスパット装置にキーボード装置が配置されている状態を示す模式図である。
【
図4】本発明に係るマウスパット装置において、
図2の断面線IV-IVに沿った断面を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0009】
下記より、具体的な実施例で本発明が開示する「マウスパット装置」の実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神を逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
[第1の実施形態]
【0010】
図1及び
図2を参照されたい。
図1は、本発明に係るマウスパット装置を示す模式図である。
図2は、本発明に係るマウスパット装置を示す上面図である。
【0011】
マウスパット装置1は、マウスパット本体10、制御モジュール11、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13を含む。
【0012】
マウスパット本体10は、第1の端側及び第2の端側を含む。マウスパット本体10における第1の端側及び第2の端側は互いに対応して配置される。マウスパット本体10は、第1のエリアA1、第2のエリアA2及び第3のエリアA3を含む。第1のエリアA1、第2のエリアA2及び第3のエリアA3は、順に隣接して配置されているなかでも、第1のエリアA1は、マウスパット本体10における第2の端側に配置される。第3のエリアA3は、マウスパット本体10における第1の端側に配置される。本実施形態において、第1のエリアA1、第2のエリアA2及び第3のエリアA3は、寸法が異なっている。第1のエリアA1、第2のエリアA2及び第3のエリアA3のそれぞれの寸法は、制御モジュール11、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13が無線充電を実現するための無線充電コイル及び放置しようとする電子装置(キーボード装置)の寸法に応じて決められる。
【0013】
制御モジュール11はマウスパット本体10における第1の端側の第3のエリアA1に配置される。第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13は制御モジュール10に電気的に接続される。第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13は、マウスパット本体10における第2の端側で電気的な接続を行う。また、第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13は、マウスパット本体10における第2の端側の第3のエリアに環境に敷設される。即ち、第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13は、環状のパターンで無線充電コイルとして敷設され、かつ、マウスパット本体10における第2の端側の特定のエリアを取り囲むようになる。
【0014】
制御モジュール10は、無線充電制御回路(図示されない)を含み、無線充電制御回路は、第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13に接続され、第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13で形成した無線充電コイルに電力を給電する。本実施形態において、制御モジュール11における無線充電制御回路(図示されない)は、交流電源または直流電源に電気的に接続され、直流電源を第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13に給電するように構成される。
【0015】
第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13が形成した無線充電コイルは、誘導型無線充電コイルまたは共振型無線充電コイルであってもよいが、本発明はこの例に制限されない。マウスパット本体10における第1の端側と第2の端側は対応的に配置された両端側である。
【0016】
図3を参照されたい。
図3は、本発明に係るマウスパット装置に配置されるキーボード装置を示す模式図である。
【0017】
本実施形態において、マウスパット本体10は、長辺側及び短辺側を有する。マウスパット本体10における長辺側の長さは、長辺側距離LD1である。マウスパット本体10における長辺側の長辺側距離LD1から第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13が環設して無線充電コイルを形成した第3のエリアが引かれたとしても、フルサイズのキーボード装置は依然として収容できる。
【0018】
また、マウスパット本体10における短辺側の長さPD1はフルサイズのキーボードの短辺側長さよりもはるかに大きくなる。
【0019】
第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13は、第2のエリアA2の両側縁に配置され、制御モジュール11に電気的に接続される。即ち、第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13は、制御モジュール11に接続される第1のエリアA1から敷設され、さらにマウスパット本体10における第2のエリアA2に延在する。第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13は、第2のエリアA2の両側縁に沿って延伸して敷設される。第2のエリアA2において、第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13は、いずれかの回路または電子装置が配置されないエリアの両側に配置される。当該エリアは、少なくともフルサイズのキーボード装置(図示されない)が放置できる。キーボード装置(図示されない)は、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13によるノイズを受けさせないようにする。
【0020】
即ち、キーボード装置(図示されない)が第2のエリアA2に配置された時、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13との間の距離CD1は、キーボード装置における短辺側の短辺側距離PD1よりも大きい。さらに、第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13との間の距離CD1は、マウスパット本体10における短辺側の短辺側距離PD1よりも小さい。本実施形態において、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13が第2のエリアA2に配置された時、第2のエリアA2におけるマウスパット本体10の周縁部寄りに配置される。
【0021】
図4を参照されたい。
図4は、本発明に係るマウスパット装置を断面線IV-IVに沿って断面した側面図である。
【0022】
マウスパット本体10は、複数の溝10gを含む。複数の溝10gは、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13を収容するために用いられる。本実施形態において、複数の溝10gは互いに連通するように構成される。
【0023】
第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13は、単芯線または撚り線であってもよく、本発明では制限されない。また、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13の長さ及び敷設する方式は、実際のニーズに応じて調整できる。第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13は互いに同一であってもよいが相違であってもよい。本実施形態において、エリアR1及びエリアR2は、第1の電気的接続回路12と第2の電気的接続回路13が交叉する位置である。これらのエリアR1、R2における溝10gは他のエリアの溝に比べて深さが僅かに深くされる。そのは、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13を同時にエリアR1及びエリアR2に配置させるのを図っているからである。本実施形態において、複数の溝10gは、レーザーエッチングなどの様々なエッチング技術を用いて行われる。また、マウスパット装置1はさらに被覆層14を含む。被覆層14は、マウスパット本体10に配置され、複数の溝10g、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13を被覆するように構成される。
【0024】
マウスパット本体10の素材としては、プラスチック、木、金属、プラスチック、ガラスまたは布が挙げられる。
【0025】
本実施形態において、キーボード装置は第2のエリアA2に放置され利用されることが可能であり、なお、コンピューターマウス装置は第3のエリアA3に放置され充電されることが可能である。また、キーボード装置が第2のエリアA2に放置されている場合、第1の電気的接続回路12及び第2の電気的接続回路13のいずれも周縁部寄りに配置されているため、キーボード装置の直下方の第2のエリアA2では、回路または電流が経ていない。このように、キーボード装置はノイズを受けることはない。
[実施形態による有益な効果]
【0026】
本発明に係る有益な効果の1つとしては、本発明が提供する面積の広いエリアを有するマウスパット装置は、キーボード装置が放置されている時、キーボード装置は電磁波や電流の影響を受けないエリアと、コンピューターマウス装置に対して無線充電ができるマウス作業エリアとを含み、マウスパット装置において、キーボード装置及びコンピューターマウス装置を同時に使用するには便利であるため、効果的に使用経験を高めることができる。
【0027】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0028】
1:マウスパット装置
11:制御モジュール
A1:第1のエリア
A2:第2のエリア
A3:第3のエリア
10:マウスパット本体
12:第1の電気的接続回路
13:第2の電気的接続回路
CD1:第1の電気的接続回路及び第2の電気的接続回路との間の距離
PD1:短辺側距離
R1, R2:エリア
IV-IV:断面線
10g:溝
14:被覆層
LD1:長辺側距離