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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】燃料電池コージェネレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20220708BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20220708BHJP
   F16L 41/08 20060101ALN20220708BHJP
   F16L 27/093 20060101ALN20220708BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/00 Z
H01M8/04 Z
H01M8/04 J
F16L41/08
F16L27/093
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021080918
(22)【出願日】2021-05-12
(62)【分割の表示】P 2017036028の分割
【原出願日】2017-02-28
(65)【公開番号】P2021158121
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000106298
【氏名又は名称】株式会社サンコー
(74)【代理人】
【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温
(74)【代理人】
【識別番号】100123696
【弁理士】
【氏名又は名称】稲田 弘明
(72)【発明者】
【氏名】藤縄 靖志
(72)【発明者】
【氏名】内海 洋一
(72)【発明者】
【氏名】山下 敏史
(72)【発明者】
【氏名】中田 文市
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-22079(JP,A)
【文献】特開2004-127841(JP,A)
【文献】特開2003-21251(JP,A)
【文献】実開昭59-98190(JP,U)
【文献】特開2010-175076(JP,A)
【文献】特開2010-236567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
F16L 41/08,27/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックアップ給湯器(7)を具備する貯湯ユニット(5)と、ガス改質装置(9)を具備する燃料電池ユニット(3)と、を備え、
前記バックアップ給湯器(7)及び前記ガス改質装置(9)に、下記(A)のガス分配装置によりガス供給する燃料電池コージェネレーションシステム(1)であって;
(A) ガス分配装置;
下記(B)記載の機器接続栓付きホース分岐継手(20)と、
前記継手(20)のホース自在継手(29・31)に接続された強化ガスホース(51)と、
該強化ガスホース(51)の先に接続されたホース接続継手付き機器接続栓(60・80)と、
を具備するガス分配装置;
(B) 機器接続栓付きホース分岐継手(20);
入口部(23w)、主出口部(23b)、分岐出口部(23p)、前記入口部(23w)と前記主出口部(23b)をつなぐ一方向に延びる主ガス通路(23f)、及び、該主ガス通路(23f)から分岐して前記分岐出口部(23p)に至る分岐ガス通路(23s)、を有する本体(23)と、
前記主出口部(23b)に取り付けられた主自在継手(21)と、
前記分岐出口部(23p)に取り付けられた、ベンド型分岐自在継手(27)と、
該ベンド型分岐自在継手(27)の出側に取り付けられた、ゴム層、硬鋼線補強層、及び、熱可塑性樹脂外層を含む強化ガスホース(51)用のホース自在継手(29・31)と、
前記本体(23)の、前記主ガス通路(23f)における、前記分岐ガス通路(23s)の分岐部と、前記主出口部(23b)との間に設けられた機器接続栓(25)と、を具備し、
前記入口部(23w)にネジが形成されており、該入口部(23w)にはガス栓(43)のガス配管継手(41)がねじ込まれ、
前記ホース自在継手(29)のホース接続部(29r)の外面には、ホースの端部を該ホース自在継手(29)に固定するソケット(31)が係合する機器接続栓付きホース接続分岐継手(20)と、を具備する機器接続栓付きホース分岐継手(20);
ここで、
ガス配管から、ガスが、ガス栓(43)→ホース接続分岐継手(20)→その主自在継手(21)を通って、貯湯ユニット(5)のバックアップ給湯器(7)、及び、ガス改質装置(9)の一方に送られ、
ガス改質装置(9)、及び、貯湯ユニット(5)のバックアップ給湯器(7)の他方に対しては、別個のガス配管を引くのではなく、上記ホース接続分岐継手(20)から、そのベンド分岐継手(27)→ホース自在継手(29)→強化ガスホース(51)→ホース接続継手付き機器接続栓(60・80)を経て、ガスが供給されることを特徴とする燃料電池コージェネレーションシステム(1)。
【請求項2】
前記ベンド型分岐自在継手(27)の手前側への回動状態では、前記ガス栓(43)の前記ガス配管継手(41)の外面の六角部(41b)の周囲から、前記ホース自在継手(29)及び前記ソケット(31)が逃げて、両者の間にスペースが開く、ここで前記手前側は前記主ガス通路(23f)が延びる前記一方向に直交する方向である、ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池コージェネレーションシステム(1)。
【請求項3】
前記ホース接続継手付き機器接続栓(80)が、
入口部(84r)、出口部(84b)、前記入口部(84r)と前記出口部(84b)をつなぐガス通路(84f・84c)、及び、前記ガス通路(84f・84c)中に形成された栓体摺動面(84j)、を有する本体(84)と、
前記入口部(84r)に取り付けられた強化ガスホース(51)用の自在継手(90)と、
前記出口部(84b)に取り付けられた自在継手(68)と、
を具備することを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池コージェネレーションシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス配管の先に接続され、強化ガスホース等を経て複数のガス消費機器にガスを分配する分岐継手等に関する。特には、複数のガス消費機器が近接して配置される部位において用い易く、ガス消費機器の設置作業費用を低減することができる機器接続栓付きホース分岐継手等に関する。
【背景技術】
【0002】
図6を参照しつつ、「エネファーム」(登録商標、以下同じ)の機器構成の概要と、それへのガス供給系統の概要を説明する。なお、「エネファーム」は、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」についての、「燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)」が定めた名称(普及活動のための統一愛称)である。
【0003】
図6に示すように、現在標準的なエネファーム100は、燃料電池ユニット101と貯湯ユニット121の二つのユニットを隣り合わせに設置したものである。燃料電池ユニット101は、都市ガス等の燃料を改質して水素を取り出す燃料改質装置103や、取り出した水素を、空中の酸素と反応させて電気(直流)を発生させる燃料電池スタック105、その直流電気を交流に変換して家庭に供給するインバータ107を備える。燃料電池スタック105や燃料改質装置103で出る熱は、熱回収装置109で回収され、貯湯ユニット121に送られる。
【0004】
貯湯ユニット121は、貯湯タンク123とバックアップ給湯器125とを備える。貯湯タンク123は、熱回収装置109から来る熱媒体の熱を、給水される水に伝えてお湯にして貯めておき、家庭内の需要に応じて供給する。バックアップ給湯器125は、ガス燃焼熱を水管内を通る水に伝えてお湯を沸かす、従来より多用されているものであり、貯湯タンク123のお湯で需要をまかなえないときにお湯を供給する。
【0005】
現状のエネファーム100では、燃料である都市ガス等を、燃料電池ユニット101と貯湯ユニット121の双方に、それぞれ別個の配管110・130から供給している。これらのガス配管110・130は、通常、フレキ管製である。フレキ管とは、環状の凹凸加工(コルゲート)が施された薄肉ステンレス鋼管の外側を、軟質塩化ビニル樹脂等で被覆したものであり、可撓性があり施工性に優れているので、住宅内やその周りのガス配管材料として多用されている。ガス配管110・130の端には、「機器接続ガス栓」と称されるガス栓111・113が配置される。
【0006】
このガス配管の新設・増設・変更工事は、ガス事業法の定める技術上の基準に適合し維持するため、ガス事業者あるいはその指定工事店が施工している。そして、その工事は、「社団法人日本ガス協会」が認定する「内管工事士」が、施工・指示・確認を行うことになっている(「社団法人日本ガス協会 内管工事資格制度のご案内」による)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
エネファームの燃料電池ユニット・貯湯ユニットの基本的構成に関する先行技術資料を以下に提示する。
【文献】特開2007-294296号公報
【文献】特開2013-15263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、エネファーム設置工事においては、燃料電池ユニット用と貯湯ユニット用の二箇所で、有資格者による配管工事が必要になり、それに伴う費用も相当にかかる。本発明は、複数のガス消費機器が近接して配置される部位において用い易く、ガス消費機器の設置作業費用を低減することができるホース接続分岐継手等を提供することを目的とする。また、小型で設置スペーサの小さい機器接続栓付きホース分岐継手等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この「課題を解決するための手段」の項、及び、「特許請求の範囲」においては、添付
図各部の参照符号を括弧書きして示すが、これは単に参考のためであって、権利範囲を添付図のものに限定するものではない。
【0010】
本発明のホース接続分岐継手(20)は、 入口部(23w)、主出口部(23b)、分岐出口部(23p)、前記入口部(23w)と前記主出口部(23b)をつなぐ主ガス通路(23f)、及び、該主ガス通路(23f)から分岐して前記分岐出口部(23p)に至る分岐ガス通路(23s)、を有する本体(23)と、 前記主出口部(23b)に取り付けられた主自在継手(21)と、 前記分岐出口部(23p)に取り付けられた、ベンド型分岐自在継手(27)と、 該ベンド型分岐自在継手(27)の出側に取り付けられた強化ガスホース自在継手(29・31)と、を具備することを特徴とする。
【0011】
本発明の機器接続栓付きホース分岐継手(20)は、上記ホース接続分岐継手(20)と、 前記本体(23)の、前記主ガス通路(23f)における、前記分岐ガス通路(23s)の分岐部と、前記主出口部(23b)との間に設けられた機器接続栓(25)と、を具備することを特徴とする。この場合、分岐ガス通路(23s)から分岐先のガス消費機器にのみガスを送りながら、主出口部(23b)行きのガスを遮断できる。
【0012】
本発明のホース接続自在継手付き機器接続栓(80)は、 入口部(84r)、出口部(84b)、前記入口部(84r)と前記出口部(84b)をつなぐガス通路(84f・84c)、及び、前記ガス通路(84f・84c)中に形成された栓体摺動面84j、を有する本体(84)と、 前記入口部(84r)に取り付けられた強化ガスホース自在継手(90・61)と、 前記出口部(84b)に取り付けられた自在継手(68)と、を具備することを特徴とする。
【0013】
本発明の複数ガス消費機器へのガス分配装置(強化ガスホース接続組立体)は、上記ホース接続分岐継手(20)、又は、機器接続栓付きホース分岐継手(20)と、 前記継手(20)の前記強化ガスホース自在継手(29・31)に接続された強化ガスホース(51)と、 該強化ガスホース(51)の先に接続されたホース接続継手付き機器接続栓(60・80)と、を具備することを特徴とする。
【0014】
本発明の燃料電池コージェネレーションシステム(1)は、 バックアップ給湯器(7)を具備する貯湯ユニット(5)と、ガス改質装置(9)を具備する燃料電池ユニット(3)と、を備え、 前記バックアップ給湯器(7)及び前記ガス改質装置(9)に、上記ガス分配装置によりガス供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のガス消費機器が近接して配置される部位において用い易く、ガス消費機器の設置作業費用を低減することができるホース接続分岐継手等を提供することができる。あるいは、小型で設置スペーサの小さい機器接続栓付きホース分岐継手等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る機器接続栓付きホース接続分岐継手20の断面図である。
図2】本発明の実施形態の強化ガスホース接続組立体を備える家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの構成概要図である。
図3図1のホース接続分岐継手20をガス配管40の先端につないだ状態を示す斜視図である。ベンド継手27及びホース自在継手29は、図1の状態から手前側へ90度回動した状態である。
図4図2の強化ガスホース接続組立体の、ホース接続栓60の断面図である。
図5】変形例(強化ガスホース捩れ取り自在継手付き)のホース接続栓付き継手80の断面図である。
図6】代表的な「エネファーム」の機器構成の概要と、それへのガス供給系統の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0017】
1;家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)
3;燃料電池ユニット、5;貯湯ユニット、7;バックアップ給湯器、9;ガス改質装置
20;ホース接続分岐継手、21;主自在継手(主継手)、
23;本体、23b;主出口部、23f;主ガス通路、23j;栓体摺動面、23p;分岐出口部
23s;分岐ガス通路、23w;入口部、
24;栓体、24b;ガス通孔、25;機器接続栓、26;ハンドル
27;ベンド型分岐自在継手(分岐継手)、27b;根元部(自在メス部)、27d;内面
27h;中央部、27k;ガス通路、27r;自在継手オス部、28;ストップリング
29;ホース自在継手、29b;根元部(自在メス部)、29d;内面、29j;ガス通路(内孔)29r;ホース接続部、29t;ホース内径挿入部、29w;環状段部、30;ストップリング、
31;強化ガスホース継手(ソケット)、33;スリーブ、33w;環状段部
41;ガス配管(メネジ)継手、41b;六角部、43;ガス栓43;ハンドル、
45;フレキ管継手、47;フレキ管(ガス配管)
51;強化ガスホース、51b;貯湯ユニット側端部、51x;燃料電池ユニット側端部
60;ホース接続機器接続栓
61;強化ガスホース継手(ソケット)、62;スリーブ、62w;環状段部
64;栓本体、64b;出口部、64c;出側ガス通路、64f;ガス通路、64j;栓体摺動面、
64r;ホース接続部、64t;ホース内径挿入部、64w;環状段部
65;機器接続栓、66;ハンドル、67;栓体、67b・c;ガス通孔、
68;出口継手、68b;根元部(自在メス部)、68j;内面、68m;メネジ、
69;ストップリング、71;コイルばね、73;キー
80;ホース接続自在継手付き機器接続栓、83;ストップリング
84;本体、84b;出口部、84c;ガス通路、84f;ガス通路、84j;栓体摺動面、
84r;自在継手オス部、
90;自在継手、90b;根元部(自在メス部)、90d;内面、90j;ガス通路、
90r;ホース接続部、90t;ホース内径挿入部、
100;エネファーム、101;燃料電池ユニット、103;燃料改質装置
105;燃料電池スタック、107;インバータ、109;熱回収装置
110;ガス配管、111;機器ガス栓
121;貯湯ユニット、123;貯湯タンク、125;バックアップ給湯器
130;ガス配管、131;機器ガス栓
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。最初に、主に図1及び図3を参照しつつ、ホース接続分岐継手20について説明する。図1中において矢印で示す上下左右は、図の面を立てて見る人から見た方向である。図3において、手前・奥は、機器接続栓25やガス栓43のハンドル26・44の正面に位置する人から見た方向である。
【0019】
この分岐継手20は、図の上下に延びる略筒状の継手本体23や、その上端部に接続された主自在継手21、継手本体23の下部左側に接続されたベンド型分岐自在継手27及びホース自在継手29、強化ガスホース継手31などからなる。以下、具体的に説明する。なお、「主自在継手21」を「主継手21」と、「ベンド型分岐自在継手27」を「分岐継手27」と略称することもある。
【0020】
継手本体23は、全体として、部厚い筒状のもの(材料は鍛造真鍮など)であり、中心部に上下方向に延びる主ガス通路23fが形成されている。継手本体23の下端部は、ガス入側接続部(入口部23w)となっており、その外面にはオネジ(図示されず)が形成されている。この入口部23wには、図3に示すメネジ継手41がねじ込まれ、その下のガス栓43からガスが供給される。なお、ガス栓43の下には、フレキ管継手45を介してフレキ管47のガス配管がつながっている。
【0021】
継手本体23の主ガス通路23fの上下方向中央やや上の部分には、大径の栓体摺動面23j(円筒台面)が形成されている。この栓体摺動面23jには、機器接続栓25の栓体24が嵌って摺動する。栓体24には、貫通孔であるガス通孔24bが開けられている。このガス通孔24bは、図1の状態では、主ガス通路23fと同軸の回動位置にあり、栓全開である。この状態から図3に示すハンドル26を回して、栓体24を90度回動させると全閉となる。
【0022】
継手本体23の上端部は、第一のガス出側接続部(主出口部23b)となっている。主出口部23bの内面は、主ガス通路23fの上端部であり、主出口継手21内に開口している。主出口部23bは、ガス消費機器(この例ではバックアップ給湯器7、図2参照)につながる、自在継手のオス部である。主出口部23bの外面は、主出口継手21の根元部内面(自在継手メス部)21jに、回動自在・軸方向移動不能に嵌合している。主出口部23bの外面には、Oリング1・2の嵌る溝と、ストップリング22の内径部が入る溝が形成されている。
【0023】
継手本体23の下から三分の一程度の部分における左側壁には、分岐出口部23pが、外側に突出するように形成されている。分岐出口部23pの内部は、分岐ガス通路23sとなっており、この分岐ガス通路23sの元側は、主ガス通路23fの下から三分の一程度の部位につながっている。分岐出口部23pの外面は、自在継手オス部となっており、ベンド型分岐自在継手(分岐継手)27の根元部(自在メス部)27bの内面27dに、回動自在・軸方向移動不能に嵌合している。分岐出口部23pの外面には、Oリング3・4の嵌る溝と、ストップリング28の内径部が入る溝が形成されている。
【0024】
分岐継手27の中央部27hは、90度曲がっており、図の下方に延びている。この部分の内孔(ガス通路27k)も90度彎曲して下方に延びている。ベンド分岐継手27の中央部27hの下側には、分岐継手27の自在継手オス部27rが形成されている。同オス部27rは、ホース自在継手29の根元部(自在メス部)29bの内面29dに、回動自在・軸方向移動不能に嵌合している。自在継手オス部27rの外面には、Oリング5・6の嵌る溝と、ストップリング30の内径部が入る溝が形成されている。
【0025】
ホース自在継手29の根元部29bの下側には、ホース接続部29rがつながっている。ホース接続部29rの内孔(ガス通路29j)は下方に延びている。ホース接続部29rの外面には、ソケット31がネジにより係合している。ソケット31の内側には、スリーブ33が嵌合している。ホース接続部29rの下側中央部には、比較的薄肉パイプ状のホース内径挿入部29tが接続している。スリーブ33の内周面、及び、ホース内径挿入部29tの外面には、複数の環状段部33w・29wが形成されている。
【0026】
これらのホース内径挿入部29tと、スリーブ33との間に、強化ガスホース(図2の符号51)の端部を差し込み、ソケット31をホース接続部29rにねじ込んで、ホースの端部をホース自在継手29・ソケット31に固定する。
【0027】
図3において、ベンド分岐継手27、及び、ホース自在継手29・ソケット31は、図1の状態から手前側へ90度回動した状態である。すなわち、図1の状態から、ホース自在継手29・ソケット31を、手や工具で、図3で見て上・手前方向に回すと、図1に示すベンド分岐継手27の根元部(自在メス部)27bが、継手本体23の分岐出口部23pの周りで回動する。そして、ホース自在継手29及びソケット31が(強化ガスホース51がつながっているときは同ホース51も)、図3の手前側に向く。
【0028】
このベンド分岐継手27の手前回動状態では、ガス栓43のメネジ継手(自在)41外面の六角部41bの周囲から、ホース自在継手29及びソケット31が逃げて、両者の間にスペーサが開く。こうしておいて、メネジ継手(自在)41外面の六角部41bにスパナなどの工具をかけて、継手41を、ホース接続分岐継手20に楽にねじ込める。ソケット31をホース接続部29rにねじ込む際も、この分岐継手手前回動状態とする。なお、ホース自在継手29の自在機構は、強化ガスホース51の捩れ取り用であり、意図的に回すようなものではない。
【0029】
逆に言うと、図1の状態では、ベンド型の分岐継手27が、継手本体入口部23wと並列となるような回動角度となっており、同入口部23wに接続されるガス配管継手41と、回動自在強化ガスホース継手(ホース自在継手29・ソケット31)との間の間隔(図中のY)が、工具挿入に支障をきたすほど狭い。別言すれば、回動自在強化ガスホース継手(ホース自在継手29・ソケット31)が、継手本体23の入口部23wに近接して設けられている。しかしながら、その結果、継手本体23の中心と、ホース自在継手29の外面との間の距離(図中のX)が比較的小さくなって、ホース接続分岐継手20を貯湯ユニット5の中に収容しやすくなる。
【0030】
ここで、上記寸法X・Yの例は、X;53mm、Y;5mmである。
【0031】
次に、図2を参照しつつ、本発明の実施形態の強化ガスホース接続組立体(複数ガス消費機器へのガス分配装置)を備える、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)1の構成概要を説明する。図2に示すように、本発明の実施形態に係るエネファーム1は、燃料電池ユニット3と貯湯ユニット5の二つのユニットを隣り合わせに併設したものである。この実施形態においては、燃料である都市ガスを、一本のガス配管47から、貯湯ユニット5のバックアップ給湯器7と、燃料電池ユニット3のガス改質装置9に供給している。
【0032】
すなわち、ガス配管47から、ガスが、フレキ管継手45→ガス栓43→メネジ継手41→ホース接続分岐継手20→その主自在継手21を通って、貯湯ユニット5のバックアップ給湯器7に送られる。そして、燃料電池ユニット3(ガス改質装置9)に対しては、別個のガス配管を引くのではなく、上記ホース接続分岐継手20から、そのベンド分岐継手27→ホース自在継手29・強化ガスホース継手(ソケット)31→強化ガスホース51→燃料電池ユニット3側のホース接続栓60を経て、ガスが供給される。なお、強化ガスホースは、ゴム層と硬鋼線補強層、熱可塑性樹脂外層などからなる、可とう性と強度・安全性に優れたガスホースである。
【0033】
図4は、図2の強化ガスホース接続組立体の、燃料電池ユニット接続側のホース接続栓60の断面図である。
このホース接続栓60は、図の上下に略筒状に延びる栓本体64や、その側部に接続された回動自在継手68、栓本体64の図の下部に接続された強化ガスホース継手(ソケット61やスリーブ62)などからなる。以下、具体的に説明する。
【0034】
栓本体64は、全体として、部厚い筒状のもの(材料は鍛造真鍮など)であり、その下半部の中心部に、上下方向に延びるガス通路64fが形成されている。栓本体64の図の下端部は、ソケット61やスリーブ62と組み合さってホース継手を構成する、ガス入側接続部(ホース接続部64r・ホース内径挿入部64t)となっている。このホース内径挿入部64tには、図2に示す強化ガスホース51の燃料電池ユニット3側の端部51xが差し込まれ、同ホース51からガスが供給される。
【0035】
上記ホース接続部64rの外面には、ソケット61がネジにより係合している。ソケット61の内側には、スリーブ62が嵌合している。ホース接続部64rの下側中央部には、比較的薄肉パイプ状のホース内径挿入部64tが接続している。スリーブ62の内周面、及び、ホース内径挿入部64tの外面には、ホース滑り止め用の、複数の環状段部62w・64wが形成されている。
【0036】
これらのホース内径挿入部64tと、ソケット61との間に、強化ガスホースの端部を差し込み、ソケット61をホース接続部64rにねじ込んで、ホース端部51xをホース接続栓60に固定する。
【0037】
ガス通路64fの図の上部には、大径の栓体摺動面64j(円筒台面)が形成されている。この栓体摺動面64jには、機器接続栓65の栓体67が嵌って摺動する。栓体67には、T字型のガス通孔67b・67cが開けられている。下側のガス通孔67bは、本体ガス通路64fと同軸で連通している。上側のガス通孔67cは、図4の状態では、本体出側ガス通路64cに同軸で連通する位置にあり、栓65は全開である。この状態からハンドル66を回して、栓体67を90度回動させると全閉となる。なお、栓体67は、コイルばね71によって、図の下方に付勢されている。また、栓体67とハンドル66との間は、キー73で接続されている。
【0038】
栓体摺動面64jの図の左側部は、突出した出口部64bとなっている。出口部64bの内部には、上述の本体出側ガス通路64cが形成されており、出口継手68内に開口している。出口部64bは、ガス消費機器(この例では燃料電池ユニット3のガス改質装置9、図2参照)につながる、自在継手のオス部である。出口部64bの外面は、出口継手68の根元部(自在メス部)68bの内面68jに、回動自在・軸方向移動不能に嵌合している。出口部64bの外面には、Oリング7・8の嵌る溝と、ストップリング69の内径部が入る溝が形成されている。出口継手68の出側内面にはメネジ68mが切られている。
【0039】
図5は、変形例(強化ガスホース捩れ取り自在継手付き)のホース接続自在継手付き機器接続栓80の断面図である。図4の例においては、ホース継手(ソケット61・スリーブ62)が栓本体64の下端部に直接設けられているが、図5の例では、両者の間に、自在継手90が介在している。なお、図5において、図4と同じ符号で示した部分は、同様の部分である。また、図5の栓本体84の各部分において、図4から20を加えた符号の部分も、特記するものを除いて、同様の部分である(例えば、本体出側ガス通路84cなど)。
【0040】
以下、図5の例の機器接続栓80における特徴部分を説明する。栓本体84の下側には、自在継手オス部84rが形成されており、同オス部84rは、ホース自在継手90の根元部(自在メス部)90bの内面90dに、回動自在・軸方向移動不能に嵌合している。自在継手オス部84rの外面には、OリングOL9・OL10の嵌る溝と、ストップリング83の内径部が入る溝が形成されている。
【0041】
ホース自在継手90の根元部90bの下側には、ホース接続部90rがつながっている。ホース接続部90rの内孔(ガス通路90j)は、図の下方に延びている。ソケット61や、スリーブ62は、図4の例と同じものである。接続部90rの下側中央部のホース内径挿入部90tは、図4の符号64tと同じものである。
【0042】
図5の例は、燃料電池ユニット3側の強化ガスホース端部51xの接続部にも、自在継手90が介在しているので、強化ガスホース51の捻じれを取りやすい。すなわち、強化ガスホース51を貯湯ユニット5側の端51bを、最初にホース接続分岐継手20につないで、それからホース51を燃料電池ユニット3まで引き、その後に、同ホース51の端51xを機器接続栓80つなぐ場合、自在継手90があると、ホース51の捻じれを取るのが容易となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6