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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】建物
(51)【国際特許分類】
   E04H 3/10 20060101AFI20220708BHJP
   E04H 1/02 20060101ALI20220708BHJP
   E04F 11/02 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
E04H3/10 Z
E04H1/02
E04F11/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022013666
(22)【出願日】2022-01-31
【審査請求日】2022-02-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518116422
【氏名又は名称】株式会社グレートステイ
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】大▲崎▼ 章弘
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-166496(JP,A)
【文献】特開2006-265862(JP,A)
【文献】"リフォーム事例の紹介 外壁修繕・防水塗装", [online],コープおきなわ,2019年01月01日,[令和4年3月4日検索], インターネット,<URL : https://www.okinawa.coop/news_detail.html?code=778>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 3/00- 3/30
E04F 11/00-11/18
E04H 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋上空間と、
前記屋上空間 の階下のフロアから水平方向に延びるベランダと、
を有する建物であって、
前記屋上空間に設けられて高さ方向に突出された縁部と、
前記ベランダの上方に設けられて前記縁部から斜め下方に延びた庇と、
前記屋上空間に配設されたテントサウナと、
前記屋上空間 と前記ベランダとの間を昇降可能にする階段装置と、
前記屋上空間における前記階段装置と前記テントサウナとの間に配置された水風呂と、
を有し、
前記階段装置は、
前記ベランダから斜め上方に前記階下の壁面に沿って延びる第1階段部と、
前記第1階段部の最上部に設けられた踊り場部と、
当該踊り場部から前記屋上空間に向かって斜め上方に延びる第2階段部と、
を備え
前記第2階段部の最上部に平板状の昇降部が設けられ、
前記昇降部が、前記縁部のうち前記庇の上端に相当する箇所に配置され、
前記縁部のうち前記昇降部が配置された箇所は、前記屋上空間のうち前記テントサウナが配設された箇所に対向する箇所である、建物。
【請求項2】
前記第2階段部は、前記第1階段部よりも段数が少ない請求項1記載の建物。
【請求項3】
前記屋上空間に、CBD成分を含む嗜好品を使用する使用者を収容可能な専用施設が設置されている請求項1または2記載の建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋上と階下のベランダとの間で昇降可能にする階段装置を有する建物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アウトドアの流行とともに、様々なアウトドア用品が開発されている。その一つとして、テントサウナという屋外でサウナが楽しむことができるテントが市場に出ている。また、テントサウナは、持ち運びが可能なことから、外出できないときに例えば建物の屋上に設置して、少しでもアウトドア気分を味わうことにも用いられる。
【0003】
建物の屋上にテントサウナを設置しても、脱衣等は階下のフロアで行うことが想定される。このため、階下のフロアから屋上へ移動することになる。屋上への移動の多くは、階段やはしごを用いて行われるが、テントサウナの利用を目的とするのであれば、階段での移動が望ましい。
ベランダに設置可能な階段としては、従来、特許文献1に記載されている技術が提案されている。特許文献1には、陸屋根は、平面視においてベランダの開放領域に隣接する歩行領域を備え、歩行領域における開放領域にのぞむ側に、歩行領域とベランダの開放領域とを連絡する屋外階段を備える建物について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-166496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、テントサウナを建物の屋上に設置する場合には、サウナを使用して汗をかいた状態での移動もあり得ることから、使用者が滑らないためにもできるだけ傾斜が小さい階段であることが望ましい。
【0006】
しかし、このような階段を屋内に造ることは、部屋のスペースを小さくすることにつながるため困難である。そこで、屋上に行くための階段を屋外に設置することが考えられる。特に、2階建て以上の建物であれば、ベランダから建物の屋上に移動できるようにすることが望ましい。ベランダに階段を設置する場合には、例えば、らせん形の階段を設置したり、ベランダから屋上まで斜めに階段を配置して、この階段の最上部分を屋上の脇に並設させたりすることが考えられる。しかし、いずれの場合も、傾斜が小さい階段とすることが困難である。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決し、屋上、ベランダ間の移動が容易でかつ安全性の高い階段装置を有する建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備える。
【0009】
(1)屋上及び前記屋上の階下のフロアから水平方向に延びるベランダ(例えば、ベランダ106)を有する建物(例えば、建物100)に設置され、前記屋上と前記ベランダとの間を昇降可能にする階段装置(例えば、階段装置1)であって、
前記ベランダから斜め上方に前記階下のフロアの壁面に沿って延びる第1階段部(例えば、第1階段部10)と、
前記第1階段部の最上部に設けられた踊り場部(例えば、踊り場部30)と、
当該踊り場部から前記屋上に向かって斜め上方に延びる第2階段部(例えば、第2階段部20)と、
を備える階段装置。
【0010】
(1)によれば、ベランダの同じ場所から屋上まで一本の階段で移動可能にするよりも、歩く距離を長くすることができることにより、その分、階段の傾斜を小さくすることが可能になる。これにより、段差を低くして階段の傾斜を小さくすることが可能になり、屋上、ベランダ間の移動が容易でかつ安全性の高い階段装置を提供することが可能になる。
【0011】
(2) (1)において、前記第2階段部は、前記第1階段部よりも段数が少ない階段装置。
【0012】
(2)によれば、仮に、第2階段部で階段を踏み外すようなことがあっても、少ない段数を落下して踊り場部にとどまり、ベランダまで転がり落ちるようなことがなくなる。これにより、安全性の高い階段装置を提供することが可能になる。
【0013】
(3) (1)、(2)において、前記第2階段部の最上部に設けられ、前記屋上の縁部に配置される平板状の昇降部(例えば、出入口板52)を更に備える階段装置。
【0014】
(3)によれば、屋上から第2階段部に容易に移動できるようになる。これにより、安全性の高い階段装置を提供することが可能になる。
【0015】
(4) (3)において、前記昇降部は、前記屋上の縁部に配設されたテントサウナ(例えば、テントサウナ200)に対向する縁部に配置される階段装置。
【0016】
(4)によれば、テントサウナから出た人が昇降部に到達するまでに、足回りが乾いてくるため、昇降部が濡れにくくなる。これにより、昇降部が滑りにくくなり、安全性の高い階段装置を提供することが可能になる。
【0017】
(5) 屋上と、
当該屋上の階下のフロアから水平方向に延びるベランダと、
(1)~(4)の階段装置と、を有する建物であって、
前記屋上に、
テントサウナと、
CBD成分を含む嗜好品を使用する使用者を収容可能な専用施設と、
を設置した建物。
【0018】
(5)によれば、テントサウナの利用者の屋上、ベランダ間の移動が容易でかつ安全性の高い階段装置を提供することが可能になる。また、CBD商品を使用する使用者を収容可能な専用施設を設けたことにより、テントサウナの利用者の中で、CBD商品の使用を望む者は専用施設でCBD商品を使用することが可能になる。これにより、例えば、蒸気化して使用するタイプのCBD商品が、CBD商品を使用しない他の利用者によって吸引されることを低減することが可能になり、CBD商品の使用を望む者が他の者に気兼ねすることなくCBD商品を使用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、屋上、ベランダ間の移動が容易でかつ安全性の高い階段装置を有する建物を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態における階段装置1を適用した建物100の屋上の一例を示す平面図である。
図2図1の階段装置1をA方向視した外観を示す側面図である。
図3図1の階段装置1をB方向視した外観を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における階段装置1を適用した建物100の屋上の一例を示す平面図である。
【0022】
[屋上施設]
建物100は2階建てであり、2階の屋根に屋上空間101が形成されており、屋上空間101に塔屋102が設けられている。塔屋102には、2階に移動可能な階段や、屋上空間101に出入り可能な扉等が設けられており、塔屋102から屋上空間101に出入り可能である。図1及び図3に示すように、屋上空間101において高さ方向に突出された縁部71が設けられ、縁部71には、凸状のコンクリート基礎103が複数並べて配置されており、このコンクリート基礎103に柵104が固定される。これにより、屋上空間101において落下の危険がある場所に、柵104が立てられる。
【0023】
建物100の2階にはベランダ106が設けられている。ベランダ106は、図1に示すように、建物100の屋上を平面視した場合に、屋上の縁部71に対して水平方向に突出している。ベランダ106の上方には庇105が設けられ、庇105は縁部71から斜め下方に延びている。ベランダ106は、庇105の先端よりも水平方向に突出している。
【0024】
屋上空間101において、塔屋102の領域を除いた領域は、平面視略矩形であり、長手方向の一方の端部の領域であってテントサウナ200を設置するためのサウナ領域と、このサウナ領域の隣に位置するウッドフロア210を設置する領域と、を備えている。また、屋上空間101は、屋上空間101における長手方向の他方の端部には、柵104が立てられていない、後述する階段装置1を介して屋上に利用者が出入りするための出入口213となる空間が形成されている。
【0025】
ウッドフロア210の領域は、カーテン220によって囲まれており、水風呂211が設置されている水風呂領域と、チェア212が設置されている休息領域と、を備える。ウッドフロア210の領域の角部や、角部と角部との中央部等に照明装置222が配置されており、複数の照明装置222によって水風呂領域、休息領域及びテントサウナ200の出入口等が照明される。
【0026】
図1に示す配置例によれば、屋上空間101において、サウナ領域、水風呂領域、休息領域、出入口213の順に並んでおり、階段装置1からテントサウナ200に向かう利用者あるいはテントサウナ200を出て階段装置1に向かう利用者が、必ずウッドフロア210を通過するように利用者の動線が設定されている。
【0027】
なお、屋上には、水風呂211に水を供給するための設備や、水風呂211から流れる水を外部に排出させる排水設備が備えられている。更に、テントサウナ200内の熱源装置や照明装置222に電気を供給するための電源コネクタや分電盤等が備えられている。
【0028】
また、テントサウナ200を屋上に常設するのではなく、他の目的で屋上空間101を使用する場合に、テントサウナ200を畳んで塔屋102に収納してもよい。また、チェア212やカーテン220、照明装置222等も、使用しないときに塔屋102に収納して必要に応じて屋上空間101に設置してもよい。
【0029】
[階段装置1]
次に、階段装置1について、図面を参照しながら説明する。
図2は、図1の階段装置1をA方向視した外観を示す側面図である。図3は、図1の階段装置1をB方向視した外観を示す側面図である。
【0030】
階段装置1は、踏板50と、踊り場板51と、出入口板52と、ササラ53と、支柱54と、手摺55と、金網56と、補強部材57と、を備えている。
【0031】
踏板50は、金属板によって構成された平面視矩形の部材である。踊り場板51は、金属板によって構成された平面視正方形の部材である。本実施形態においては、例えば、踏板50は、210mm×750mmの矩形、踊り場板51は、750mm×750mmの正方形である。出入口板52は、金属板によって構成された平面視矩形の部材であり、出入口板52の板面における長手方向に直交する方向の幅は、踏板50の長手方向の幅と同じである。
【0032】
ササラ53は、踏板50の長手方向両側及び踊り場板51の側部を支持する一対の側板によって構成される。ここで、ササラ53を構成する一対の側板における一方の側板を外側側板53a、他方の側板を内側側板53bと称することにする。外側側板53a及び内側側板53bは、金属板からなり、互いに板面が対向するように配置され、外側側板53aと内側側板53bとの間に踏板50及び踊り場板51が固定される。
【0033】
支柱54は、一端部がササラ53に固定され、他端部が上方に延びる金属性の棒状部材である。手摺55は、支柱54の内側すなわち踏板50側でかつ踏板50から1m弱の位置に固定され、ササラ53に沿って延びる金属性の棒状部材である。金網56は、支柱54の外側に固定され、踏板50、踊り場板51、出入口板52、ササラ53及び支柱54の側方を覆う、パンチングメタルからなる部材である。金網56は、階段を昇降する人が外側から見えにくいものであることが望ましい。補強部材57は、複数の支柱54の他端部に固定され、ササラ53に沿って延びる金属性の棒状部材である。
【0034】
ササラ53における外側側板53a及び内側側板53bは、下端部が図2に示すように矩形に形成されており、この矩形の上辺から斜め上方に延びている。内側側板53bは、庇105の先端の高さを超えた特定部位で90°曲がって更に斜め上方に延びる。外側側板53aは、庇105の先端の高さを超えた特定部位で踊り場板51の1辺の長さ分だけ水平方向に延び、更に、90°曲がって踊り場板51の1辺の長さ分だけ水平方向に延びてから斜め上方に延びている。
【0035】
そして、外側側板53a及び内側側板53bは、斜め上方に延びて屋上の縁部の高さまで到達した部位から水平方向に延びて、外側側板53a及び内側側板53bの上端部が出入口213における屋上の縁部に配置される。
【0036】
踏板50は、ササラ53における、斜め方向に延びている部分に、等間隔かつ段状に配置、固定されている。例えば、図1に示す例では、踏板50を平面視した場合に、各踏板50は210mm間隔で配置されている。
【0037】
踊り場板51は、ササラ53における、庇105の先端の高さを超えた特定部位に配置、固定される。具体的には、踊り場板51の二辺が、外側側板53aにおける水平方向に延びる直角に曲がった部位に固定され、この二辺の角の対角となる部位が内側側板53bにおける直角に曲がった部位に固定される。
【0038】
出入口板52は、ササラ53における上端部の水平方向に延びる部位に配置、固定される。
【0039】
ササラ53の下端部は、コンクリートブロック60に支持され、このコンクリートブロック60がベランダ106の床面に載置される。コンクリートブロック60と最初の踏板50との段差の大きさは、他の踏板50と踏板50との段差の大きさと同じであり、例えば、210mmに設定されている。また、図1に示すように平面視した場合における、コンクリートブロック60と最初の踏板50との間隔は、例えば、175mmに設定されており、踏板50と1つ下の踏板50との間隔(例えば、210mm)よりも、若干小さく設定されている。
【0040】
また、コンクリートブロック60とベランダ106の床面との段差の大きさは、踏板50と踏板50との段差の大きさよりも若干小さく、例えば、200mmに設定されている。
【0041】
踊り場板51の下方には、支持柱61が配置されている。支持柱61の下端部はコンクリートブロック62によって支持され、支持柱61の上端部は踊り場板51の下面に固定される。コンクリートブロック62はベランダ106の床面に載置される。これにより、踊り場板51は、支持柱61及びコンクリートブロック62によって支持され、ベランダ106の床面から庇105の先端よりも高い位置に位置付けられる。
【0042】
なお、以下の説明の便宜上、階段装置1において、コンクリートブロック60から踊り場板51前までを第1階段部10、踊り場板51とその周辺を踊り場部30、踊り場部30から上方を第2階段部、と称することにする。すなわち、階段装置1は、第1階段部10と、第2階段部20と、踊り場部30と、を備えている。
【0043】
階段装置1がベランダ106に設置されたとき、第1階段部10は、ベランダ106において、上方が庇105によって覆われていない部位に配置されており、ベランダ106の床面から斜め上方に2階の壁面に沿って延びる。このとき、内側側板53bが2階の壁面に対向し、内側側板53bの外側に外側側板53aが配置される。
【0044】
踊り場部30は、第1階段部10の最上部に設けられている。第2階段部20は、踊り場部30から屋上に向かって斜め上方に延び、庇105の上方を通って上端部が出入口213に配置されている。
【0045】
第2階段部20は、第1階段部10よりも段数が少なく設定されている。図1に示す例では、第2階段部20は4段、第1階段部10は11段である。
【0046】
利用者が、ベランダ106から階段装置1を通って屋上に移動する際には、第1階段部10を昇り、踊り場部30で進行方向を90°変えて、第2階段部20を昇りながら庇105の上方を移動することで、出入口213から屋上のウッドフロア210に入ることができる。逆に、利用者が、屋上から階段装置1を通ってベランダ106に移動する際には、ウッドフロア210から出入口213を通って第2階段部20に移動し、第2階段部20を降りて、踊り場部30で方向を変えて第1階段部10を降りることで、ベランダ106に移動することが可能になる。
【0047】
このように構成された本実施形態の階段装置1によれば、ベランダの同じ場所から屋上まで一本の階段で移動可能にするよりも、歩く距離を長くすることができることにより、その分、階段の傾斜を小さくすることが可能になる。これにより、屋上のテントサウナ200を利用した後に、階段装置1を移動した場合に、階段を踏み外すようなことを低減することができる。このように、屋上、ベランダ間の移動が容易でかつ安全性の高い階段装置1を提供することが可能になる。
【0048】
また、第2階段部20は、第1階段部10よりも段数が少ないため、利用者が、仮に、第2階段部20で階段を踏み外すようなことがあっても、少ない段数を落下して踊り場部30にとどまり、ベランダ106まで転がり落ちるようなことがなくなる。これにより、安全性の高い階段装置1を提供することが可能になる。
【0049】
また、第2階段部20の最上部に平板状の出入口板52が設けられている。図1及び図3に示すように、出入口板52は、縁部71のうち庇105の上端に対応する位置に配置されている。このため、屋上から第2階段部20の階段に容易に移動できるようになる。これにより、安全性の高い階段装置1を提供することが可能になる。
【0050】
また、屋上空間101に配設されたテントサウナ200と、階段装置1との間にウッドフロア210が配置されているため、テントサウナ200から出た利用者が出入口213の出入口板52に到達するまでに、足回りが乾き易くなり、出入口板52が濡れにくくなる。これにより、出入口板52が滑りにくくなり、安全性の高い階段装置1を提供することが可能になる。しかも、テントサウナ200から出た利用者が出入口213の出入口板52に到達するまでに、ウッドフロア210を通るため、利用者が一時的にチェア212に座るなど休憩を取ることが可能になる。これにより、利用者が階段装置1を降りるときに立ち眩みを起こすことを低減させることができる。
【0051】
以上、本発明の一実施形態における階段装置1について説明したが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態によれば、踊り場板51は正方形であるが、長方形であってもよい。要は、庇105に接触しない矩形であれば適用可能である。また、上述した実施形態によれば、第1階段部10の傾斜と第2階段部20の傾斜とが等しい角度であるが、異なっていてもよい。例えば、第1階段部10を長くして、第1階段部10の傾斜を第2階段部20の傾斜よりも小さくしてもよい。
【0052】
また、屋上の施設として、階段装置1に出入りする出入口213とテントサウナ200との間に、水風呂211とチェア212とが配置されているが、他の施設を配置してもよい。例えば、CBD摂取スペースを設けてもよい。CBDとは、Cannabidiol(カンナビジオール)の略称であり、大麻からとれるカンナビノイドという成分の一つで、麻(大麻草)の茎や種子から抽出される成分であって、精神へ与える作用(精神作用)や中毒性がなく、ストレス緩和、リラックス作用が期待できる。日本において市販されているCBD入り商品として、オイル、カプセル、パウダー、飲み物、ガム、グミ、クリーム、ヴェイプリキッド、植物片(ハーブ)などがある。CBD摂取スペースにおいてこれらの製品を提供してもよい。
【0053】
具体的にCBD摂取スペースには、CBDヴェイプリキッドのような吸引タイプのCBD商品を使用するための周囲が仕切られた施設が用意されている。使用者は、この施設の内部で、使用者が専用器具を使用してCBDヴェイプリキッドを蒸気化し、この蒸気を吸引することで、CBDを摂取することができる。
【0054】
なお、CBD摂取スペース全体をカーテンやパーテーションによって仕切り、上述したCBD入り商品を使用する専用スペースとしてもよい。また、大型テントをCBD摂取スペースとして使用することも可能である。
【0055】
このように、CBD摂取スペースに、CBD成分を含む嗜好品を使用する使用者を収容可能な専用施設を設けたことにより、テントサウナの利用者の中で、CBD商品の使用を望む者が専用施設でCBD商品を使用することが可能になる。これにより、蒸気化して使用するCBD商品が、CBD商品を使用しない他の利用者によって吸引されることを低減することが可能になり、CBD商品の使用を望む者が他の者に気兼ねすることなくCBD商品を使用することができる。
【0056】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0057】
例えば、前述の実施の形態及び各変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 階段装置
10 第1階段部
20 第2階段部
30 踊り場部
50 踏板
51 踊り場板
52 出入口板
53 ササラ
53a 外側側板
53b 内側側板
54 支柱
55 手摺
56 金網
57 補強部材
60、62 コンクリートブロック
61 支持柱
100 建物
101 屋上空間
102 塔屋
103 コンクリート基礎
104 柵
105 庇
106 ベランダ
200 テントサウナ
210 ウッドフロア
211 水風呂
212 チェア
213 出入口
220 カーテン
222 照明装置
【要約】
【課題】屋上、ベランダ間の移動が容易でかつ安全性の高い階段装置を提供すること。
【解決手段】屋上及び屋上の階下のフロアから水平方向に延びるベランダ106を有する建物100に設置され、屋上とベランダ106との間を昇降可能にする階段装置1であって、ベランダ106から斜め上方に階下の壁面に沿って延びる第1階段部10と、第1階段部10の最上部に設けられた踊り場部30と、踊り場部30から屋上に向かって斜め上方に延びる第2階段部20と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3