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特許7101452電動アクチュエータ駆動制御装置及び航空機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】電動アクチュエータ駆動制御装置及び航空機
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/00 20160101AFI20220708BHJP
   B64C 13/00 20060101ALI20220708BHJP
   B64C 13/40 20060101ALI20220708BHJP
   B64C 13/50 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
H02P29/00
B64C13/00 Z
B64C13/40
B64C13/50
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2016141814
(22)【出願日】2016-07-19
(65)【公開番号】P2018014800
(43)【公開日】2018-01-25
【審査請求日】2019-06-19
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】中川 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 一茂
(72)【発明者】
【氏名】神野 高幸
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】田合 弘幸
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-47934(JP,A)
【文献】特開2008-228548(JP,A)
【文献】特開2015-44547(JP,A)
【文献】特開2007-267480(JP,A)
【文献】特開2002-308124(JP,A)
【文献】特開平8-216908(JP,A)
【文献】特開2000-6070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/00-31/00
H02P 27/00
H02P 6/00
H02M 7/42- 7/98
H02M 1/00
B64C 1/00-99/00
B62D 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機器に搭載された電動アクチュエータを駆動制御する電動アクチュエータ駆動制御装置であって、
前記機器の第1環境に位置し、前記電動アクチュエータに電力を印加する駆動部と、
前記機器の第2環境に位置し、前記電動アクチュエータに印加する電力に関する情報を含む電力指令信号を前記駆動部へ送信する制御部と、を備え
記駆動部は、入力された電圧又は電流に応じて前記電動アクチュエータに電力を印加する駆動素子部と、前記電力指令信号を受信して前記駆動素子部に電圧又は電流を入力するインタフェース部と、を有し、
前記電動アクチュエータは、多相交流モータ又はブラシレスDCモータであり、
前記駆動部の前記駆動素子部は、前記多相交流モータ又はブラシレスDCモータの複数の相に対応する複数のスイッチング素子を含み、
前記インタフェース部は、前記複数のスイッチング素子のそれぞれに電圧又は電流を入力し、
前記制御部は、前記電力指令信号をシリアル通信で前記駆動部へ送信し、
前記インタフェース部は、前記制御部から前記シリアル通信で送信された前記電力指令信号に基づいてPWM信号を生成して前記駆動素子部に入力し、
前記制御部と前記駆動部との間におけるシリアル通信の周期が、前記インタフェース部が前記駆動素子部に入力するPWM信号の周期と異なり、
前記第1環境の温度は、前記第2環境の温度よりも高い、 電動アクチュエータ駆動制御装置。
【請求項2】
駆動部が、電源遮断スイッチを含むとともに前記駆動素子部に接続された駆動用電源部を有し、
前記インタフェース部は、前記制御部との間の通信エラーを検出した場合に前記電源遮断スイッチを制御して前記駆動用電源部から前記駆動素子部への電力供給を遮断する、請求項1に記載の電動アクチュエータ駆動制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記駆動部との間の通信エラーを検出した場合に、前記駆動部に接続されている電源を遮断する、請求項1又は2に記載の電動アクチュエータ駆動制御装置。
【請求項4】
前記駆動部は、前記電動アクチュエータの電流値に関する情報を少なくとも含むモニタ情報を取得するモニタ部を更に有し、
前記インタフェース部は、前記モニタ情報を前記制御部へ送信する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ駆動制御装置。
【請求項5】
前記電動アクチュエータ駆動制御装置は、複数の前記駆動部を備え、
前記制御部は、複数の前記駆動部のそれぞれに前記電力指令信号を送信する通信部を有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ駆動制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記電動アクチュエータの目標速度に関する速度指令信号を受信して、前記電力指令信号を生成し前記駆動部へ送信する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ駆動制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記機器の目標動作状態に関する指令信号を受信して、前記電力指令信号を生成し前記駆動部へ送信する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ駆動制御装置。
【請求項8】
前記第1環境は、航空機の翼部の空間の環境であり、
前記第2環境は、航空機の胴体部の空間の環境である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ駆動制御装置。
【請求項9】
航空機であって、
動翼と、
前記動翼を駆動する作動機構と、
前記作動機構を直接的に又は間接的に駆動する電動モータと、
前記航空機の翼部の内部に位置し、前記電動モータに電力を印加する駆動部と、
前記航空機の胴体部に位置し、前記電動モータに印加する電力に関する情報を含む電力指令信号を前記駆動部へ送信する制御部と、を備え、
前記駆動部は、入力された電圧又は電流に応じて前記電動モータに電力を印加する駆動素子部と、前記電力指令信号を受信して前記駆動素子部に電圧又は電流を入力するインタフェース部と、を有し、
前記電動モータは、多相交流モータ又はブラシレスDCモータであり、
前記駆動部の前記駆動素子部は、前記多相交流モータ又はブラシレスDCモータの複数の相に対応する複数のスイッチング素子を含み、
前記インタフェース部は、前記複数のスイッチング素子のそれぞれに電圧又は電流を入力し、
前記制御部は、前記電力指令信号をシリアル通信で前記駆動部へ送信し、
前記インタフェース部は、前記制御部から前記シリアル通信で送信された前記電力指令信号に基づいてPWM信号を生成して前記駆動素子部に入力し、
前記制御部と前記駆動部との間におけるシリアル通信の周期が、前記インタフェース部が前記駆動素子部に入力するPWM信号の周期と異なる、 航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送機器などの機器に設置された電動アクチュエータを駆動及び制御する電動アクチュエータ駆動制御装置に関する。例えば、本発明は、飛行機の動翼を駆動する作動機構を駆動するための電動アクチュエータを駆動及び制御する電動アクチュエータ駆動制御装置に関する。また、本発明は、電動モータ及び電動アクチュエータ駆動制御装置を備える航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機などの輸送機器においては、電動モータなどの電動アクチュエータによって直接的又は間接的に駆動される機械要素が用いられている。例えば特許文献1は、電動モータが、航空機の昇降舵を駆動する油圧作動式の作動機構を、電動式の油圧ポンプを介して間接的に駆動する例を開示している。特許文献1においては、電動モータを駆動及び制御するドライバ(電動モータ駆動制御装置)が、油圧ポンプ及びアクチュエータとともに尾翼の内部に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-81828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年においては、航空機などの機器の更なる小型化が要求されている。この結果、電動アクチュエータ駆動制御装置を配置するための空間における環境的な厳しさが増加し、電動アクチュエータ駆動制御装置の信頼性設計の困難性が増加している。
【0005】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る電動アクチュエータ駆動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定の機器に搭載された電動アクチュエータを駆動制御する電動アクチュエータ駆動制御装置であって、前記機器の第1環境に位置し、前記電動アクチュエータに電力を印加する駆動部と、前記機器の第2環境に位置し、前記電動アクチュエータに印加する電力に関する情報を含む電力指令信号を前記駆動部へ送信する制御部と、を備え、前記駆動部が位置する前記第1環境は、前記制御部が位置する前記第2環境に比べて過酷である、電動アクチュエータ駆動制御装置である。
【0007】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、駆動部は、入力された電圧又は電流に応じて前記電動アクチュエータに電力を印加する駆動素子部と、前記電力指令信号を受信して前記駆動素子部に電圧又は電流を入力するインタフェース部と、を有していてもよい。
【0008】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記電動アクチュエータは、多相交流モータ又はブラシレスDCモータであり、前記駆動部の前記駆動素子部は、前記多相交流モータ又はブラシレスDCモータの複数の相に対応する複数のスイッチング素子を含み、前記インタフェース部は、前記複数のスイッチング素子のそれぞれに電圧又は電流を入力してもよい。
【0009】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記制御部は、前記電力指令信号をシリアル通信で前記駆動部へ送信してもよい。
【0010】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記制御部は、前記電力指令信号を光通信で前記駆動部へ送信してもよい。
【0011】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記インタフェース部は、PWM信号を前記駆動素子部に入力してもよい。
【0012】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記制御部と前記駆動部との間におけるシリアル通信の周期が、前記インタフェース部が前記駆動素子部に入力するPWM信号の周期と異なっていてもよい。
【0013】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記制御部は、前記PWM信号を前記電力指令信号として光通信で前記駆動部へ送信してもよい。
【0014】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、駆動部が、電源遮断スイッチを含むとともに前記駆動素子部に接続された駆動用電源部を有し、前記インタフェース部は、前記制御部との間の通信エラーを検出した場合に前記電源遮断スイッチを制御して前記駆動用電源部から前記駆動素子部への電力供給を遮断してもよい。
【0015】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記制御部は、前記駆動部との間の通信エラーを検出した場合に、前記駆動部に接続されている電源を遮断してもよい。
【0016】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記駆動部は、前記電動アクチュエータの電流値に関する情報を少なくとも含むモニタ情報を取得するモニタ部を更に有し、前記インタフェース部は、前記モニタ情報を前記制御部へ送信してもよい。
【0017】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記電動アクチュエータ駆動制御装置は、複数の前記駆動部を備え、前記制御部は、複数の前記駆動部のそれぞれに前記電力指令信号を送信する通信部を有していてもよい。
【0018】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記制御部は、前記電動アクチュエータの目標速度に関する速度指令信号を受信して、前記電力指令信号を生成し前記駆動部へ送信してもよい。
【0019】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記制御部は、前記機器の目標動作状態に関する指令信号を受信して、前記電力指令信号を生成し前記駆動部へ送信してもよい。
【0020】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記第1環境の温度は、前記第2環境の温度よりも高くなっていてもよい。
【0021】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記第1環境は、航空機の翼部の環境であり、前記第2環境は、航空機の胴体部の環境であってもよい。
【0022】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記第1環境は、自動車のホイール内又はブレーキ装置内の環境であり、前記第2環境は、自動車の車両内部の環境であってもよい。
【0023】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記第1環境は、船舶のエンジンの吸排気口近傍の環境であり、前記第2環境は、船舶のエンジンの近傍又はエンジン制御室内の環境であってもよい。
【0024】
本発明による電動アクチュエータ駆動制御装置において、前記第1環境は、鉄道車両のブレーキ装置内の環境であり、前記第2環境は、鉄道車両の床下に設けられる機器箱内の環境であってもよい。
【0025】
本発明は、航空機であって、動翼と、前記動翼を駆動する作動機構と、前記作動機構を直接的に又は間接的に駆動する電動モータと、前記航空機の翼部の内部に位置し、前記電動モータに電力を印加する駆動部と、前記航空機の胴体部に位置し、前記電動モータに印加する電力に関する情報を含む電力指令信号を前記駆動部へ送信する制御部と、を備える、航空機である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、耐環境性の低い部品が環境的に厳しい空間に配置されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置を備える航空機の一部を示す模式図である。
図2】一実施形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置の、胴体部に配置された構成要素を示す図である。
図3】一実施形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置の、翼部に配置された構成要素を示す図である。
図4図4に示す駆動部のインタフェース部の演算部に入力される信号及び演算部から出力される信号を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る駆動部及び制御部の配置の一例を示す縦断面図である。
図6】比較の形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置を示す図である。
図7】比較の形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置の配置を示す縦断面図である。
図8】通信エラーが生じた場合の駆動部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】通信エラーが生じた場合の制御部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図10】第1変形例に係る電動アクチュエータ駆動制御装置の、胴体部に配置された構成要素を示す図である。
図11】第1変形例に係る電動アクチュエータ駆動制御装置の、翼部に配置された構成要素を示す図である。
図12図11に示す駆動部のインタフェース部の通信ICに入力される信号及び通信ICから出力される信号を示す図である。
図13】第2変形例に係る電動アクチュエータ駆動制御装置を示す図である。
図14】第4変形例に係る電動アクチュエータ駆動制御装置を備える航空機の一部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は、説明の都合上、実際の比率とは異なる場合があり、また、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0029】
本実施の形態においては、電動アクチュエータ駆動制御装置が、航空機の動翼の1つである昇降舵(エレベータ)を駆動するための電動アクチュエータを駆動及び制御する例について説明する。
【0030】
航空機
図1は、本実施の形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置25を備える航空機10の後部を示す模式図である。航空機10は、胴体部11及び翼部12を備える。翼部12は、航空機10の後部に位置する一対の水平尾翼121を含む。なお、図1においては、垂直尾翼を省略している。
【0031】
一対の水平尾翼121には、航空機10の舵面を構成する動翼として、昇降舵13がそれぞれ設けられている。昇降舵13は、昇降舵駆動システム20によって駆動される。昇降舵駆動システム20は、作動機構21、作動機構駆動装置22、電動アクチュエータ駆動制御装置25、駆動用電源装置50、制御用電源装置55及び上位制御装置56を有する。
【0032】
作動機構21は、水平尾翼121に配置されており、昇降舵13を駆動する。図1に示す例において、作動機構21は、油圧式の作動機構である。
【0033】
作動機構駆動装置22は、水平尾翼121に配置された油圧ポンプ23及び電動アクチュエータ24を含む。油圧ポンプ23は、作動機構21に圧油を供給して作動機構21を作動させる。本実施の形態において、電動アクチュエータ24は、電力を供給されることによって回転する回転モータ24である。回転モータ24は、油圧ポンプ23に対して、カップリングを介して連結され、又はカップリングを介さずに直結されており、油圧ポンプ23を駆動することができる。回転モータ24は、例えば多相交流モータ又はブラシレスDCモータである。ここでは、回転モータ24が三相交流モータである例について説明する。
【0034】
なお、図示はしないが、作動機構21は、電動式の作動機構であってもよい。この場合、作動機構駆動装置22の回転モータ24は、作動機構21を直接的に駆動してもよい。
【0035】
電動アクチュエータ駆動制御装置25は、上位制御装置56からの指令信号に基づいて、回転モータ24を駆動し回転モータ24の状態を制御する。なお、本実施の形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置25は、作動機構21が油圧式の場合、及び作動機構21が電動式の場合のいずれにも適用可能である。すなわち、電動アクチュエータ駆動制御装置25は、油圧ポンプ23を介して油圧式の作動機構21を間接的に駆動する回転モータ24を駆動及び制御することができる。また、電動アクチュエータ駆動制御装置25は、電動式の作動機構21を直接的に駆動する回転モータ24を駆動及び制御することもできる。
【0036】
駆動用電源装置50は、回転モータ24などを駆動するための、高圧例えば270ボルトの電力を供給する電源である。駆動用電源装置50は、後述するように、駆動用電源ライン16を介して電動アクチュエータ駆動制御装置25の駆動部30に電力を供給する。駆動用電源装置50は、胴体部11の例えば電気ベイ111に配置されている。
【0037】
制御用電源装置55は、制御用の装置で用いられる、例えば28Vの電力を供給する電源である。制御用電源装置55は、後述するように、電動アクチュエータ駆動制御装置25の制御部40に電力を供給する。制御用電源装置55は、胴体部11の例えば電気ベイ111に配置されている。
【0038】
上位制御装置56は、例えばフライトコントロールコンピュータ(FCC:Flight Control Computer)である。上位制御装置56は、昇降舵13の舵面の目標角度に、基づいて、作動機構21の目標動作状態を、例えば作動機構21のシリンダの目標位置を算出する。また、上位制御装置56は、作動機構21の目標位置に基づいて、回転モータ24の目標速度を算出し、回転モータ24の目標速度に関する速度指令信号を電動アクチュエータ駆動制御装置25に入力する。上位制御装置56は、胴体部11の例えば電気ベイ111に配置されている。
【0039】
電動アクチュエータ駆動制御装置
以下、電動アクチュエータ駆動制御装置25の構成について説明する。電動アクチュエータ駆動制御装置25は、駆動部30及び制御部40を備える。図1に示すように、駆動部30は、水平尾翼121の内部に配置されている。一方、制御部40は、胴体部11の内部に配置されており、例えば、上位制御装置56と同様に電気ベイ111に配置されている。このように本実施の形態においては、電動アクチュエータ駆動制御装置25を構造的に駆動部30及び制御部40に分割して、駆動部30を水平尾翼121に配置し、制御部40を電気ベイ111に配置している。これにより、駆動部30及び制御部40の両方を水平尾翼121に配置する場合に比べて、水平尾翼121の小型化や軽量化を実現することができる。
【0040】
制御部40は、上位制御装置56からの指令信号に基づいて、回転モータ24を駆動するための駆動部30を制御する。例えば、制御部40は、回転モータ24に印加する電力に関する情報を含む電力指令信号を、通信ライン19を介して駆動部30へ送信する。ここで「電力」とは、回転モータ24に印加する電流又は電圧の少なくとも一方を含む概念である。例えば、電力指令信号は、回転モータ24に印加する電流(目標電流値)に関する情報、又は、回転モータ24に印加する電圧(目標電圧値)に関する情報の少なくとも一方を含んでいる。
【0041】
駆動部30は、制御部40からの電力指令信号に基づいて、回転モータ24に電力を印加する。例えば、駆動部30は、制御部40からの電力指令信号に含まれる目標電流値が回転モータ24に流れるように、パルス幅変調制御(PWM制御)を行う。
【0042】
(制御部の構成)
次に、図2を参照して、制御部40の構成について詳細に説明する。図2は、電動アクチュエータ駆動制御装置25の構成要素のうち、制御部40などの、胴体部11に配置された構成要素を示す図である。制御部40は、制御素子部41、モニタ素子部42、上位側通信部43、下位側通信部44及び電源部45を有する。
【0043】
制御素子部41は、上位側通信部43を介して得た上位制御装置56からの指令信号、駆動部30からのモニタ情報などに基づいて、回転モータ24を制御するための電力指令信号を生成する。また、制御素子部41は、上位制御装置56からの指令信号、駆動部30からのモニタ情報などに基づいて、駆動部30の後述する駆動素子部31などを停止するための停止指令信号を生成する。モニタ素子部42は、下位側通信部44を介して得た駆動部30からの情報を、制御素子部41に入力する。制御素子部41及びモニタ素子部42の詳細な構成については後述する。
【0044】
上位側通信部43は、上位制御装置56からの指令信号を受信して、制御素子部41に入力する。また、上位側通信部43は、制御素子部41又はモニタ素子部42から入力された信号を、上位制御装置56へ送信する。上位側通信部43は、例えば、トランシーバICなどの通信用ICを含む。上位側通信部43は、上位制御装置56と制御素子部41との間の通信のための通信用IC431と、上位制御装置56とモニタ素子部42との間の通信のための通信用IC432とを含んでいてもよい。
【0045】
下位側通信部44は、電力指令信号、停止指令信号などの制御素子部41からの指令信号を受信して、駆動部30へ送信する。また、下位側通信部44は、駆動部30からのモニタ情報を受信して、制御素子部41及びモニタ素子部42に入力する。下位側通信部44も、上位側通信部43と同様に、トランシーバICなどの通信用ICを含む。下位側通信部44は、制御素子部41からの信号を、通信ライン19を介して駆動部30へ送信する。好ましくは、下位側通信部44は、制御素子部41からの信号をシリアル通信で駆動部30へ送信する。これにより、信号をパラレル通信で駆動部30へ送信する場合に比べて、通信の同期が容易になり、また、ノイズの放出量を低減することができる。
【0046】
電源部45は、電源IC451、EMIフィルタ452、電源モニタ453、電流モニタ454及び電源遮断スイッチ455を含む。電源IC451は、制御用電源装置55からの電力の供給を受けて、制御部40のその他の構成要素に電力を供給する。また、電源IC451は、制御用電源ライン18を介して駆動部30に電力を供給する。制御用電源装置55から供給される電力の電圧と、電源IC451が出力する電力の電圧とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0047】
EMIフィルタ452は、電源IC451の入力側に設けられており、制御用電源装置55から供給される電力に含まれるノイズを低減する。EMIフィルタ452の上流側に耐雷素子TRが設けられていてもよい。
【0048】
電源モニタ453、電流モニタ454、及び電源遮断スイッチ455は、電源IC451の出力側に設けられている。電源モニタ453は、電源IC451の出力電圧など、電源IC451の出力側の状態をモニタする。電流モニタ454は、電源IC451の出力電流をモニタする。電流モニタ454は、例えば、電源IC451の出力端子に接続された電源ラインに挿入された抵抗器の端子電圧に基づいて出力電流を算出するよう構成されている。
【0049】
電源遮断スイッチ455は、電源IC451の出力側の電源ラインに挿入されたスイッチである。電源遮断スイッチ455は、電流モニタ454によってモニタされた電流値が所定の閾値を超えた場合に、電源ラインを分断し、電源IC451から駆動部30などへの電力供給を遮断する。電源遮断スイッチ455は、電源モニタ453によってモニタされた電圧値が所定の閾値を超えた場合に、電源ラインを分断してもよい。また、電源遮断スイッチ455は、制御素子部41からの制御に応じて電源ラインを分断してもよい。
【0050】
図2に示すように、制御部40のグランドがグランドライン17を介して駆動部30に接続されていてもよい。
【0051】
〔制御素子部〕
以下、制御素子部41について詳細に説明する。図2に示すように、制御素子部41は、制御用演算素子411、不揮発性メモリ412、ウォッチドッグタイマー413、発振子414及び論理回路415を含む。
【0052】
制御用演算素子411は、例えばCPUである。制御用演算素子411は、不揮発性メモリ412に記録されている情報、上位制御装置56からの指令信号、駆動部30からのモニタ情報などに基づいて、回転モータ24を制御するための電力指令信号を生成する。
【0053】
また、制御用演算素子411は、電源部45の上述の電源遮断スイッチ455や、駆動用電源装置50の電源遮断部51など、電源を遮断するための構成要素の制御を行ってもよい。例えば、制御用演算素子411は、駆動部30からのモニタ情報が所定の範囲から外れた場合に、論理回路415を介して電源遮断部51を制御して、駆動用電源装置50から駆動部30への電力供給を遮断してもよい。例えば、回転モータ24に流れる電流が所定の閾値を超えた場合などである。また、制御用演算素子411は、下位側通信部44と駆動部30との間の通信エラーを検出した場合に、駆動用電源装置50から駆動部30への電力供給を遮断してもよい。
【0054】
ウォッチドッグタイマー413は、制御用演算素子411で実行されているプログラムが、ハングアップなどの不正な状態に陥った場合に、制御用演算素子411のリセット処理を行う。
【0055】
〔モニタ素子部〕
以下、モニタ素子部42について詳細に説明する。図2に示すように、モニタ素子部42は、モニタ用演算素子421、不揮発性メモリ422、ウォッチドッグタイマー423及び発振子424を含む。モニタ用演算素子421は、例えばCPUである。モニタ用演算素子421は、不揮発性メモリ422に記録されている情報に基づいて、駆動部30からのモニタ情報を処理する。また、モニタ用演算素子421は、モニタ情報を制御用演算素子411に入力する。また、モニタ用演算素子421は、通信用IC432を介してモニタ情報を上位制御装置56へ送信する。
【0056】
ウォッチドッグタイマー423は、モニタ用演算素子421で実行されているプログラムが、ハングアップなどの不正な状態に陥った場合に、モニタ用演算素子421のリセット処理を行う。
【0057】
(駆動部の構成)
次に、図3を参照して、駆動部30の構成について詳細に説明する。図3は、水平尾翼121の内部に配置された駆動部30の構成を示す図である。図3は、駆動部30によって駆動される回転モータ24の構成も併せて示す。
【0058】
駆動部30は、駆動素子部31、インタフェース部32、駆動用電源部33、モニタ部34及び制御用電源部35を有する。
【0059】
駆動素子部31は、入力された電圧又は電流に応じて回転モータ24に電力を印加する。例えば、回転モータ24が三相交流モータである場合、駆動素子部31は、6つのスイッチング素子311を含む三相インバータ回路である。各スイッチング素子311は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GaN(Gallium Nitride)トランジスタ、SiC(Silicon Carbide)トランジスタなどである。各スイッチング素子311は、回転モータ24の入力端子に電気的に接続されている。スイッチング素子311は、インタフェース部32からのPWM信号に応じてオン状態又はオフ状態になる。駆動素子部31は、各スイッチング素子311に接続された回生電力消費回路312を含んでいてもよい。
【0060】
インタフェース部32は、制御部40の下位側通信部44と通信ライン19を介して通信可能に接続された演算部321を含む。演算部321は、例えばFPGAを含む。演算部321は、制御部40からの電力指令信号に含まれる目標電流値などの情報に基づいて、駆動素子部31の各スイッチング素子311に入力するPWM信号を生成する。
【0061】
図4は、演算部321に入力される信号及び演算部321から出力される信号を示す図である。図4に示すように、演算部321と制御部40の下位側通信部44との間でシリアル通信を行うための通信ライン19は、一対の差動信号ライン191、192及びクロックライン193を含む。演算部321は、制御部40からの信号に基づいてPWM信号を生成して駆動素子部31へ出力する。このように、演算部321は、駆動素子部31との間でPWM信号のパラレル通信を行いながら、制御部40との間での物理的な通信方式を、シリアル通信などに自由に設定することができる。
【0062】
好ましくは、演算部321と制御部40の下位側通信部44との間におけるシリアル通信の基本周期P1は、PWM信号の基本周期P2と異なっている。このことにより、PWM信号に起因するノイズによって演算部321と制御部40の下位側通信部44との間におけるシリアル通信が阻害されることを抑制することができる。これによって、通信の信頼性を高めることができる。
【0063】
インタフェース部32は、演算部321と駆動素子部31との間に位置するプリドライバ322を含んでいてもよい。プリドライバ322は、演算部321が生成したPWM信号を増幅して、駆動素子部31の各スイッチング素子311に入力する。なお、演算部321からの電気的な出力が、スイッチング素子311を駆動し得る程度に大きい場合、プリドライバ322が設けられていなくてもよい。
【0064】
インタフェース部32は、制御部40からの信号に基づいて回転モータ24を停止させることができるよう構成されていてもよい。例えば、インタフェース部32の演算部321は、回転モータ24に設けられたダイナミックブレーキ242を制御して回転モータ24を停止できるように構成されている。なお、ダイナミックブレーキ242は、通常、作動機構21が電動式である場合に設けられる。
【0065】
駆動用電源部33は、駆動用電源ライン16を介して供給された駆動用電力を駆動素子部31に供給する。駆動用電源部33は、電源遮断スイッチ331を含んでいてもよい。電源遮断スイッチ331は、作動機構21、回転モータ24や電動アクチュエータ駆動制御装置25の各構成要素が異常な状態に陥った場合に、電源ラインを分断し、駆動素子部31への電力供給を遮断する。
【0066】
また、駆動用電源部33は、EMIフィルタ332や耐雷素子TRを含んでいてもよい。
【0067】
モニタ部34は、電動アクチュエータ駆動制御装置25の各構成要素の動作状態に関するモニタ情報を取得するよう構成されている。例えば、モニタ部34は、駆動素子部31と回転モータ24との間の接続ラインに挿入された抵抗器の端子電圧に基づいて、回転モータ24の電流値に関する情報を取得する。また、モニタ部34は、駆動用電源部33の電源ラインに挿入された抵抗器の端子電圧に基づいて、駆動用電源部33の電流値に関する情報を取得してもよい。
【0068】
また、モニタ部34は、作動機構21及び回転モータ24の動作状態に関するモニタ情報を取得するよう構成されていてもよい。
例えば、回転モータ24には、回転モータ24の回転軸の回転角を検出する回転角検出器241が設けられている。回転角検出器241は、例えばレゾルバである。この場合、モニタ部34は、回転角検出器241からの信号に基づいて、回転モータ24の回転軸の位置及び速度に関する情報を取得することができる。
また、作動機構21には、作動機構21のシリンダの位置を検出する位置検出器211が設けられている。この場合、モニタ部34は、位置検出器211からの信号に基づいて、作動機構21の位置に関する情報を取得することができる。
【0069】
モニタ部34は、例えばADコンバータ341及びアナログインタフェース回路342を含む。アナログインタフェース回路342は、抵抗器、回転角検出器241、位置検出器211から取得したアナログ信号を処理する。例えば、アナログ信号を増幅する。ADコンバータ341は、アナログインタフェース回路342からのアナログ信号をデジタル信号に変換して、インタフェース部32に入力する。その後、モニタ情報は、通信ライン19を介して制御部40へ送信される。
【0070】
制御用電源部35は、制御用電源ライン18を介して供給された制御用電力を、インタフェース部32、モニタ部34などに供給する。
【0071】
(駆動部及び制御部の配置)
次に、駆動部30及び制御部40の配置について説明する。図5は、駆動部30及び制御部40の配置の一例を示す縦断面図である。
【0072】
図5に示すように、駆動部30は、例えば、水平尾翼121の内部に配置されたハウジング301と、ハウジング301に収容された基板302及び駆動素子部31とを有する。基板302には、上述のインタフェース部32、駆動用電源部33、モニタ部34、制御用電源部35などが設けられている。
【0073】
図5に示すように、制御部40は、例えば、航空機10の電気ベイ111に配置されたハウジング401と、ハウジング401に収容された基板402とを有する。基板402には、上述の制御素子部41、モニタ素子部42、上位側通信部43、下位側通信部44、電源部45などが設けられている。制御部40は、水平尾翼121の内部に配置された駆動部30との間で、通信ライン19を介して通信可能である。図示はしないが、制御部40が配置された電気ベイ111の内部に、駆動用電源装置50、制御用電源装置55、上位制御装置56などが更に配置されていてもよい。
【0074】
ところで、水平尾翼121などの翼部12は、空気抵抗を低減するなどの目的から薄く構成されており、このため、翼部12の内部の空間の容積や寸法は、電気ベイ111などの胴体部11の内部の空間の容積や寸法に比べて制限される。例えば、水平尾翼121の内部の空間の高さL1は、電気ベイ111の内部の空間の高さL2に比べて小さい。
【0075】
容積や寸法が小さいことにより、翼部12の内部の環境は、電気ベイ111の内部の環境に比べて過酷になる。例えば、翼部12の内部の温度は、電子部品などの発熱に起因して上昇し易い。このため、翼部12の内部の環境は、電気ベイ111の内部の環境に比べて熱的に厳しい。
【0076】
また、近年、水平尾翼121などの翼部12の材料として、軽量化のために複合材料が用いられている。一方、複合材料の熱伝導率は、金属材料の熱伝導率に比べて一般に低い。このため、翼部12の内部で発生した熱は、伝導伝熱によっては外部に放熱されにくい。
水平尾翼121などの翼部12の内部の熱を放熱する方法として、翼部12に通気孔を設けて対流伝熱によって放熱することも考えられる。しかしながら、翼部12に通気孔を設けると、翼部12の空気抵抗が増加し、航空機10の燃費が低下してしまう。
このように、翼部12の内部は、熱的に厳しい環境であり、また、熱的な環境の改善が困難な環境である。以下の説明において、翼部12の内部などの過酷な環境を第1環境S1と称し、電気ベイ111の内部などの、水平尾翼121の内部に比べて穏やかな環境を第2環境S2と称することがある。
【0077】
本実施の形態によれば、電動アクチュエータ駆動制御装置25を構造的に駆動部30及び制御部40に分割して、駆動部30を第1環境S1に配置し、制御部40を第2環境S2に配置している。これによって、耐環境性の低い部品が過酷な第1環境S1に配置されることを抑制することができる。
【0078】
比較の形態
本実施の形態によってもたらされる効果についてより詳細に説明するため、比較の形態として、従来の電動アクチュエータ駆動制御装置60について説明する。図6は、比較の形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置60の構成を示す図である。また、図7は、比較の形態に係る電動アクチュエータ駆動制御装置60の配置を示す縦断面図である。なお、比較の形態で参照する図面において、上述の実施の形態の場合と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0079】
比較の形態による電動アクチュエータ駆動制御装置60は、上述の実施の形態に係る駆動部30及び制御部40の両方の機能を備える。具体的には、電動アクチュエータ駆動制御装置60は、図6に示すように、駆動素子部31、プリドライバ322、駆動用電源部33、モニタ部34、制御素子部41、モニタ素子部42、上位側通信部43及び電源部45を有する。また、比較の形態においては、図7に示すように、電動アクチュエータ駆動制御装置60全体が水平尾翼121の内部に配置される。具体的には、電動アクチュエータ駆動制御装置60は、水平尾翼121の内部に配置されたハウジング601と、ハウジング601に収容された駆動素子部31、第1基板602及び第2基板603を有する。第1基板602には、プリドライバ322、駆動用電源部33などが設けられており、駆動素子部31の近傍に配置されている。第2基板603には、モニタ部34、制御素子部41、モニタ素子部42、上位側通信部43、電源部45などが設けられている。
【0080】
駆動素子部31のスイッチング素子311には、高電圧及び高電流が印加され、大きなスイッチング損失及び発熱が生じるので、水平尾翼121の内部が高温の環境になる。一方、集積回路などの電子部品においては、一般に、集積度が高くなるほど、単位面積あたりで生じる発熱量が高くなり、このため、耐え得る環境温度が低くなる。すなわち、耐熱性が低くなる。例えば、制御素子部41の制御用演算素子411及び不揮発性メモリ412、並びにモニタ素子部42のモニタ用演算素子421及び不揮発性メモリ422などは、集積度が高く、耐熱性が低い電子部品である。このため、駆動素子部31と制御素子部41及びモニタ素子部42とを同一の空間に配置する場合、制御素子部41及びモニタ素子部42の周囲温度が高くなり、制御素子部41及びモニタ素子部42の信頼性が低下してしまう。
【0081】
制御素子部41及びモニタ素子部42の周囲温度が高くなるのを抑制するために、制御素子部41、モニタ素子部42などが設けられる第2基板603を、駆動素子部31から遠ざけることが考えられる。しかしながら、この場合、ハウジング601の容積が大きくなり、水平尾翼121の小型化が困難になってしまう。
【0082】
これに対して、本実施の形態によれば、制御素子部41やモニタ素子部42などの熱に対して敏感な構成要素を含む制御部40を、駆動部30から構造的に分割して、電気ベイ111などの第2環境S2に配置している。このため、制御部40の周囲の熱的な環境を容易に改善することができる。このことにより、制御部40の信頼性を高めることができる。
【0083】
また、制御素子部41及びモニタ素子部42を含む制御部40を胴体部11に配置するので、水平尾翼121に配置される構成要素の数が少なくなる。これにより、水平尾翼121の内部に配置される駆動部30によって占有される体積を削減することができる。このため、水平尾翼121に必要になる容積を削減することができ、水平尾翼121を小型化することができる。
【0084】
なお、第1環境と第2環境の差が、温度の差に限られることはない。例えば、第1環境と第2環境の差は、宇宙線の到達のし易さや振動の程度であってもよい。
【0085】
以下、宇宙線の到達のし易さという環境について説明する。水平尾翼121などの翼部12は、外部に対して胴体部11から突出している。このため、翼部12の内部の空間には、胴体部11の内部の空間に比べて、宇宙線が到達し易い。また、上述のように翼部12の材料として複合材料が用いられる場合、翼部12の内部の空間に宇宙線が更に到達し易くなる。このように、翼部12の内部などの第1環境は、宇宙線に関しても、胴体部11の内部などの第2環境に比べて厳しい。集積回路などの電子部品においては、集積度が高くなるほど、宇宙線に起因する異常が生じやすいと考えられる。
【0086】
ここで本実施の形態によれば、制御素子部41やモニタ素子部42などの宇宙線に対して敏感な構成要素を含む制御部40を、駆動部30から構造的に分割して、電気ベイ111などの胴体部11の空間に配置している。このため、制御部40の周囲の宇宙線に関する環境を改善することができる。このことにより、制御部40の信頼性を高めることができる。
【0087】
通信エラーへの対応手段
本実施の形態においては、上述のように、制御部40を駆動部30から構造的に分割して胴体部11の内部に配置する。従って、駆動部30と制御部40との間で、所定の信頼性を有する通信手法を確立する必要がある。しかしながら、通信の不具合を完全になくすことは容易ではない。この点を考慮し、本実施の形態においては、駆動部30と制御部40との間において通信エラーが生じた場合の対応手段を電動アクチュエータ駆動制御装置25に設けておくことが好ましい。以下、対応手段の例について説明する。
【0088】
まず、駆動部30と制御部40との間における通信エラーを駆動部30が検出した場合について説明する。ここでは、駆動部30と制御部40との間の通信が、RS-232Cなどのシリアル通信である例について説明する。この場合、駆動部30のインタフェース部32の演算部321は、制御部40の下位側通信部44へ信号を送信した後、下位側通信部44からレスポンスメッセージが適切に返信されてくるか否かにより、通信が正常状態かエラー状態かを判定することができる。
【0089】
図8は、通信エラーが生じた場合の駆動部30の動作の一例を説明するためのフローチャートである。駆動部30の演算部321は、通信エラーが発生しているか否かを、例えば一定の周期で繰り返し確認する(S11)。通信エラーが発生していない場合(S11においてNO)、演算部321は、駆動素子部31のPWM制御を継続する(S12)。一方、演算部321が通信エラーを検出した場合(S14においてYES)、演算部321は、駆動素子部31のPWM制御を停止する(S13)。例えば、演算部321は、駆動素子部31の各スイッチング素子311をオフ状態にするための信号を出力する。
【0090】
その後、演算部321は、下位側通信部44との間の通信エラー状態が復旧しているか否かを、例えば一定の周期で繰り返し確認する(S14)。演算部321は、通信エラー状態の復旧を確認した場合(S14においてYES)、駆動素子部31のPWM制御を再開する(S15)。一方、演算部321は、通信エラー状態が一定期間にわたって継続している場合、駆動素子部31への電力供給を遮断する(S16)。例えば、演算部321は、電源遮断スイッチ331を制御して駆動用電源部33から駆動素子部31への電力供給を遮断する。これによって、通信エラーに起因して駆動素子部31が暴走してしまうことを防ぐことができる。
【0091】
次に、駆動部30と制御部40との間における通信エラーを制御部40が検出した場合について説明する。制御部40は、下位側通信部44が駆動部30のインタフェース部32へ信号を送信した後、インタフェース部32から下位側通信部44へレスポンスメッセージが適切に返信されてくるか否かにより、通信が正常状態かエラー状態かを判定することができる。
【0092】
図9は、通信エラーが生じた場合の制御部40の動作の一例を説明するためのフローチャートである。制御部40の例えば制御素子部41は、下位側通信部44において通信エラーが発生しているか否かを、例えば一定の周期で繰り返し確認する(S21)。通信エラーが発生していない場合(S21においてNO)、制御素子部41は、駆動部30への電力供給を継続する(S22)。一方、通信エラーが検出された場合(S21においてYES)、制御素子部41は、駆動部30への電力供給を遮断する(S23)。例えば、制御素子部41は、電源遮断部51を制御して駆動用電源装置50から駆動部30への電力供給を遮断する。これによって、通信エラーに起因して駆動素子部31が暴走してしまうことを防ぐことができる。
【0093】
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
【0094】
第1変形例
上述の実施の形態においては、駆動部30のインタフェース部32と制御部40の下位側通信部44との間の通信が、電気的な通信であり、特に電気的なシリアル通信である例を示した。しかしながら、インタフェース部32と下位側通信部44との間の通信が、電気的な通信に限られることはない。本変形例においては、インタフェース部32と下位側通信部44との間の通信が、光通信である例について説明する。
【0095】
図10は、電動アクチュエータ駆動制御装置25の構成要素のうち、制御部40などの、胴体部11に配置された構成要素を示す図である。図10に示すように、制御部40の下位側通信部44は、E/Oコンバータ441を含む。
【0096】
制御素子部41は、上位側通信部43を介して得た上位制御装置56からの指令信号、駆動部30からのモニタ情報などに基づいて、回転モータ24の目標電流値を算出する。また、制御素子部41は、回転モータ24の目標電流値に基づいて、駆動部30の駆動素子部31の各スイッチング素子311を制御するためのPWM信号を生成し、E/Oコンバータ441に入力する。このように、本変形例においては、スイッチング素子311を制御するためのPWM信号が、制御部40が駆動部30へ送信する電力指令信号になる。
【0097】
下位側通信部44のE/Oコンバータ441は、制御素子部41からの電気的なPWM信号を光信号に変換する。そして、E/Oコンバータ441は、駆動部30の駆動素子部31のスイッチング素子311の数に対応した数の光のPWM信号をそれぞれ、駆動部30へ送信する。このように本変形例においては、制御部40が、光のパラレル通信によってPWM信号を駆動部30へ送信する。
【0098】
図11は、水平尾翼121に配置された駆動部30の構成を示す図である。図11に示すように、駆動部30のインタフェース部32は、O/Eコンバータ323を含む。O/Eコンバータ323は、制御部40のE/Oコンバータ441からの光のPWM信号を受信して、電気のPWM信号に変換し、プリドライバ322に入力する。なお、O/Eコンバータ323からの電気的な出力が、スイッチング素子311を駆動し得る程度に大きい場合、プリドライバ322が設けられていなくてもよい。
【0099】
図12は、インタフェース部32のO/Eコンバータ323に入力される信号及びO/Eコンバータ323から出力される信号を示す図である。図12に示すように、駆動部30のインタフェース部32と制御部40の下位側通信部44との間で通信を行うための通信ライン19は、PWM信号の数に応じた光ライン195を含む。光ライン195は、例えば光ファイバである。
【0100】
本変形例においては、制御部40が電力指令信号を光通信で駆動部30に送信することにより、制御部40から駆動部30への通信が、駆動部30の駆動素子部31における電気的なPWM信号に起因するノイズによって阻害されることを抑制することができる。このため、通信の信頼性を高めることができる。また、制御部40から駆動部30への通信が周囲に電気的なノイズを放出することを抑制することができる。
【0101】
なお、制御部40から駆動部30への光通信が、パラレル通信に限られることはない。図示はしないが、制御部40から駆動部30への光通信が、シリアル通信であってもよい。
【0102】
また、駆動部30のモニタ部34が取得したモニタ情報を制御部40に送信するための通信が、光通信であってもよい。この場合、駆動部30のインタフェース部32は、図11に示すように、ADコンバータ341からの電気信号を光信号に変換するE/Oコンバータ324を含む。また、制御部40の下位側通信部44は、図10に示すように、E/Oコンバータ324からの光信号を受信して電気信号に変換するO/Eコンバータ442を含む。E/Oコンバータ324とO/Eコンバータ442との間の光通信は、シリアル通信であってもよく、パラレル通信であってもよい。
【0103】
第2変形例
図13に示すように、電動アクチュエータ駆動制御装置25が、複数の駆動部30を備え、1つの制御部40の下位側通信部44が、複数の駆動部30のそれぞれに電力指令信号を送信してもよい。すなわち、複数の駆動部30で1つの制御部40を共有してもよい。これによって、1つの駆動部30につき1つの制御部40を設ける場合に比べて、電動アクチュエータ駆動制御装置25全体の小型化及び軽量化を実現することができる。また、部品数を削減することができる。また、胴体部11の内部において冷却すべき制御部40の数が減少するので、放熱設計が容易になる。
【0104】
第3変形例
上述の実施の形態においては、電動アクチュエータ駆動制御装置25の制御部40が、上位制御装置56からの速度指令信号に基づいて電力指令信号を生成し駆動部30へ送信する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、制御部40は、上位制御装置56からの、作動機構21の目標動作状態に関する指令信号、例えば作動機構21の目標位置に関する位置指令信号を受信し、電力指令信号を生成してもよい。言い換えると、位置指令信号に基づいて回転モータ24の目標速度を算出するという機能を、制御部40に持たせてもよい。
【0105】
従来の航空機10においては、一般に、位置指令信号に基づいて回転モータ24の目標速度を算出するという機能は、上位制御装置56が有している。なぜなら、位置指令信号に基づいて回転モータ24の目標速度を算出するという役割は、重要な役割であり、胴体部11内の安定した環境に配置された装置が担うべきだからである。
【0106】
ここで、本実施の形態においては、電動アクチュエータ駆動制御装置25の制御部40が胴体部11の内部に配置される。このため、制御部40が翼部12の内部に配置される場合に比べて、制御部40の信頼性を高めることができる。従って、制御部40に、位置指令信号に基づいて回転モータ24の目標速度を算出するという役割を担わせることが可能になる。
【0107】
第4変形例
上述の実施の形態においては、電動アクチュエータ駆動制御装置25が、昇降舵13を駆動するための回転モータ24を駆動及び制御する例を示した。しかしながら、制御部40が胴体部11の内部の第2環境に配置され、駆動部30が、第2空間に比べて過酷な第1環境に配置される限りにおいて、回転モータ24の用途は特には限られない。
【0108】
例えば、回転モータ24が、航空機10の動翼を駆動する作動機構21を直接的に又は間接的に駆動する場合について考える。この場合、航空機10の動翼としては、昇降舵13以外にも、補助翼(エルロン)、方向舵(ラダー)などの舵面として構成される主操縦翼面、或いは、フラップ、スポイラなどとして構成される二次操縦翼面を挙げることができる。補助翼、フラップ、スポイラの場合、駆動部30は、主翼の内部に配置される。方向舵の場合、駆動部30は、垂直尾翼の内部に配置される。
【0109】
図13は、電動アクチュエータ駆動制御装置25が、主翼122に設けられた補助翼14を駆動する作動機構21を駆動する回転モータ24を駆動及び制御する場合の、航空機10の全部を示す模式図である。この場合、電動アクチュエータ駆動制御装置25の駆動部30は、主翼122の内部の第1環境に配置される。一方、制御部40、駆動用電源装置50、制御用電源装置55は、胴体部11の内部の第2環境に配置され、例えば電気ベイ111に配置される。制御部40は、主翼122に配置された駆動部30との間で、通信ライン19を介して通信可能である。
【0110】
第5変形例
上述の実施の形態及び各変形例に示す技術的思想を、航空機10以外の機器に搭載された電動アクチュエータを駆動及び制御する電動アクチュエータ駆動制御装置25に適用することも可能である。また、上述の実施の形態及び各変形例においては、電動アクチュエータが回転モータ24である例を示したが、これに限られることはない。例えば、電動アクチュエータは、リニアモータなど、回転モータ24以外の電動モータであってもよい。また、電動アクチュエータは、ソレノイドであってもよい。
【0111】
以下、電動アクチュエータ駆動制御装置25の配置の例を、電動アクチュエータ駆動制御装置25が搭載される機器ごとに説明する。
【0112】
機器が自動車である場合、電動アクチュエータ駆動制御装置25の駆動部30が配置される第1環境は、自動車の例えばホイール内又はブレーキ装置内の環境である。また、電動アクチュエータ駆動制御装置25の制御部40が配置される第2環境は、自動車の例えば車両内部の環境である。
【0113】
ホイール内又はブレーキ装置内の空間は、車両内部の空間に比べて容積及び寸法の点で制限されている。また、ホイール内又はブレーキ装置内の空間の環境は、車両内部の空間の環境に比べて厳しい。例えば、ホイール内又はブレーキ装置内に配置された装置が受ける振動は、車両内部に配置された装置が受ける振動に比べて大きい。
【0114】
本変形例によれば、電動アクチュエータ駆動制御装置25を構造的に駆動部30及び制御部40に分割するので、駆動部30を構成する部品の点数を必要最小限に抑制することができる。このため、駆動部30が配置されるホイール内又はブレーキ装置内の空間のレイアウト設計を容易化できる。また、制御部40を車両内部の環境に配置することにより、制御部40が受ける振動を低減することができ、制御部40の信頼性を高めることができる。
【0115】
機器が船舶である場合、電動アクチュエータ駆動制御装置25の駆動部30が配置される第1環境は、船舶の例えばエンジンの吸排気口近傍の環境である。また、電動アクチュエータ駆動制御装置25の制御部40が配置される第2環境は、船舶の例えば船舶のエンジンの近傍又はエンジン制御室内の環境である。
【0116】
エンジンの吸排気口近傍の空間は、エンジンの近傍又はエンジン制御室内の空間に比べて容積及び寸法の点で制限されている。また、エンジンの吸排気口近傍の空間の環境は、エンジンの近傍又はエンジン制御室内の空間の環境に比べて厳しい。例えば、エンジンの吸排気口近傍の環境の温度は、エンジンの近傍又はエンジン制御室内の環境の温度に比べて高くなっている。
【0117】
本変形例によれば、電動アクチュエータ駆動制御装置25を構造的に駆動部30及び制御部40に分割するので、駆動部30を構成する部品の点数を必要最小限に抑制することができる。このため、駆動部30が配置されるエンジンの吸排気口近傍の空間のレイアウト設計を容易化できる。また、制御部40をエンジンの近傍又はエンジン制御室内の環境に配置することにより、制御部40の周囲の熱的な環境を改善することができ、制御部40の信頼性を高めることができる。
【0118】
機器が鉄道車両である場合、電動アクチュエータ駆動制御装置25の駆動部30が配置される第1環境は、鉄道車両の例えばブレーキ装置内の環境である。また、電動アクチュエータ駆動制御装置25の制御部40が配置される第2環境は、鉄道車両の例えば床下に設けられる機器箱内の環境である。
【0119】
ブレーキ装置内の空間は、床下に設けられる機器箱内の空間に比べて容積及び寸法の点で制限されている。また、ブレーキ装置内の空間の環境は、床下に設けられる機器箱内の空間の環境に比べて厳しい。例えば、ブレーキ装置内に配置された装置が受ける振動は、床下に設けられる機器箱内に配置された装置が受ける振動に比べて大きい。
【0120】
本変形例によれば、電動アクチュエータ駆動制御装置25を構造的に駆動部30及び制御部40に分割するので、駆動部30を構成する部品の点数を必要最小限に抑制することができる。このため、駆動部30が配置されるブレーキ装置内の空間のレイアウト設計を容易化できる。また、制御部40を床下に設けられる機器箱内の環境に配置することにより、制御部40が受ける振動を低減することができ、制御部40の信頼性を高めることができる。
【0121】
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0122】
10 航空機
11 胴体部
12 翼部
13 昇降舵
14 補助翼
S1 第1環境
S2 第2環境
20 昇降舵駆動システム
21 作動機構
22 作動機構駆動装置
23 油圧ポンプ
24 回転モータ(電動アクチュエータ)
25 電動アクチュエータ駆動制御装置
30 駆動部
31 駆動素子部
32 インタフェース部
33 駆動用電源部
34 モニタ部
35 制御用電源部
40 制御部
41 制御素子部
42 モニタ素子部
50 駆動用電源装置
55 制御用電源装置
56 上位制御装置
図1
図2
図3
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図11
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図14